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3/2JBプレス 高濱賛『反日のトランプとヒラリーより世界はルビオに期待 民主党が最も嫌がる男に、共和党主流派が一致団結へ』、3/4日経ビジネスオンライン 高濱賛『スーパーチューズデーの隠れたカギ「特別代議員」 規則変更がトランプの追い風に』について
3/3アミュゼ柏で行われた山田宏氏講演会。京大時代、会田雄次教授から「戦後教育の欠落したものとして①宗教心(何かを畏れる心)②道徳(人の道)③歴史への誇り(先人への感謝)が挙げられる。君達はそれがないから指導者になってもダメになるだろう」と言われたと。また民主党且つ京大の後輩(多分前原)と話した時に、彼が保守と言うので何を守りたいのか尋ねたら、「渡辺京二の『逝きし世の面影』のような社会を作りたい」と答えたので、「それは花であって、幹や根ではない」と言った。でも、自分もその時は分からなかったが、ずっと考えて守るべきものの結論が出た。①皇室②神社③日本語の3つである。以上が簡単に内容を紹介したものです。
3/4日経朝刊には「クリントン氏、はや本選に向け動く 米大統領選
【ワシントン=川合智之】1日の米大統領選候補者選びのヤマ場「スーパーチューズデー」を終え、米メディアでは躍進したヒラリー・クリントン前米国務長官(68)が一段と優勢になったとの見方が強まっている。クリントン氏陣営は、早くも指名獲得後の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)との本選に照準を合わせて動き出している。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、スーパーチューズデーはクリントン氏にとって「最善の日になった」と評価。米紙ワシントン・ポスト(電子版)も1日、「サンダース氏が今後、連勝するとは考えにくい」として民主党の指名争いは「終わりに近づいている」と報じた。
米メディアによると、クリントン陣営のロビー・ムック選対本部長は2日、クリントン氏がサンダース氏より600人以上多い代議員を得たことを踏まえ「2008年大統領選でのオバマ氏のリードよりも大きい」と指摘。指名獲得圏内に入ったと示唆した。
仮にサンダース氏が5日のカンザス州やネブラスカ州の党員集会で勝っても、黒人に人気があるクリントン氏は南部ルイジアナ州などで優位を保ち、差は縮まらないという読みだ。クリントン氏は2日、ニューヨークでの集会で「昨日は歴史の一ページになった」と述べるなど、トランプ氏との本選対決を見越した発言を繰り広げた。
一方のサンダース氏は2日、8日投票の大票田ミシガン州で1万人規模の集会を開催。「ますます差は縮まっている」と逆転に望みをつないだ。
共和党ではトランプ氏が通算15州で10勝と圧倒的リードを保つ。原動力は、暴言を含む過激な発言を武器に、これまで投票したことのない共和支持者を掘り起こしたことだ。トランプ氏は2日、「私のおかげで共和党は数百万人の新たな有権者を得た。注意しないと皆離れていくぞ!」とツイッターに投稿した。
米公共ラジオNPRによると、1日は11州の共和党予備選・党員集会に850万人が参加。前回の12年大統領選の470万人に比べ8割増え、過去最大となった。特にバージニア州では3.8倍と記録を大幅に塗り替えた。逆に民主は08年に比べ3割減だった。
一時はトップを走った元神経外科医ベン・カーソン氏(64)は2日、1日の惨敗を受けて撤退を示唆。通算4勝のテッド・クルーズ上院議員(45)、1勝のマルコ・ルビオ上院議員(44)らは選挙戦を続ける方針だ。
共和指導部はトランプ氏への対抗馬を一本化する構えをみせてきたが実現は遠い。米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスが集計した主要世論調査の平均によると、トランプ氏とクリントン氏が本選に出た場合、クリントン氏の支持率が3.4ポイント上回る。一方でクルーズ氏やルビオ氏が共和候補なら、どちらもクリントン氏に勝てるという。一本化の遅れが共和の誤算となる恐れが強まっている。」とありました。JBプレスの高濱氏の記事に詳しい数字が載っています。
共和党はトランプ下ろしが功を奏するかですが、「ここまで来たらもう遅い」との声もあり、WSJもトランプ支持に回るとの観測もあります。コッチ兄弟の「スーパーPAC」によるルビオ支援が間に合うかどうか。ルビオの地盤のフロリダでも世論調査ではトランプに抜かれている状況です。やはり、同じ地元のジェブ・ブッシュが味方にならないことが尾を引いているのでは。ブルームバーグが本選に名乗りを上げ、民主党支持を分裂させないと、共和党は勝てないかも。
JBプレス記事
米テキサス州ダラスで開いた選挙集会で演説する米大統領選の共和党候補指名を争っているマルコ・ルビオ上院議員(2016年1月6日撮影)〔AFPBB News〕
民主ヒラリー、共和トランプ独走で中盤戦に突入
「スーパー・チューズディ」を終えて、米大統領選予備選の輪郭がより鮮明になってきた。
民主党大統領指名レースではヒラリー・クリントン前国務長官が独走態勢に入った。一方の共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏が「保守草の根一揆」の波に乗って快走。キューバ系のマルコ・ルビオ上院議員が共和党保守本流の期待を一身に背負ってトランプ氏を追いかけるといった構図になってきた。
これまでの論争では、外交問題は内政に追いやられて取り上げられてこなかった。が、クリントン氏は、ミネソタ州党員集会を前に地元紙に寄稿し、TPP(環太平洋経済連携協定)に「ノー」を打ち上げた。
日本が為替操作しているといった難癖までつけている。
予備選段階での発言は多分に票目当て。民主党の強力な支援団体の労組の顔色を窺うポーズだが、「ヒラリーが大統領になると、せっかく日米で合意したTPPはひっくり返される可能性が出てきた」(外務省筋)と早くも心配する声も出ている。
では、トランプ氏が大統領になったらTPPはどうなるのか。
同氏は、日米安保をめぐっては日本の「タダ乗り論」をぶち上げてはいるが、TPPについてはいまだ発言したことがない。
「まだそこまで勉強していないんだろう」(米主要シンクタンク上級研究員)が、議会共和党はTPP賛成派が多いわけだし、「大統領になればTPPに賛成する可能性が大」(同)というのが大方の見方だ。
いずれにしてもどちらが大統領になっても反日スタンスになることは不可避。「いろいろ批判されたが知日・親日のオバマが懐かしくなる時が必ずやってくる」(在米日本人商社幹部)のかもしれない。
共和党主流がトランプを嫌がる理由は3つ
ヒラリー指名はどうやら確実になってきた。だが、共和党サイドはまだ分からない。共和党主流、政財界、主流メディアこぞっての「ストップ・ザ・トランプ」総動員が「発令」されているからだ。
なぜか。
共和党保守本流はもとより共和党支持の財界勢力がトランプ氏に嫌悪感を感ずる理由は3つある。今や危機感にまでなり始めている。
1つは、暴言と無差別的差別発言を繰り返すトランプ氏が指名されれば、民主、共和どちらの党にも属さない「無党派」層が強く影響する本選挙では、共和党はクリントン氏にはまず勝てない、という選挙戦略的な理由。
2つ目は、万一、トランプ氏が大統領になったとしても、これだけ共和党既成体制を罵倒し、反発してきたトランプ氏の下、秋の上下両院選挙後も両院過半数を維持しそうな議会共和党とうまくいくわけがないと見る政治的理由。
それよりも何よりも、「政策立案能力ゼロのトランプ氏がいくら共和党系のブレーンを集めたとしても大統領として政治をつかさどることなどまず無理」(共和党系シンクタンクの上級研究員)との判断がある。
そして3番目には、オバマ大統領が指摘しているように「トランプ氏には大統領としても資格がない」点だ。能力ばかりではない。品位がなさすぎるのだ。
「アメリカ合衆国の大統領に不可欠なのは思いやりと優しさ。ケネディにもレーガンにもイデオロギーを超えてそれがあった」(前述の上級研究員)
となれば、共和党保守本流としては、予備選中盤戦に突入する3月中旬から4月にかけて「ストップ・ザ・トランプ」を全開にしなければならない。
保守本流の「切り札」ジェブ・ブッシュは「兄貴の負の遺産」で撤退
共和党保守本流はこれまでジョージ・W・ブッシュ元大統領の実弟、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を「ストップ・ザ・トランプ」の急先鋒に使おうとしてきた。トランプ氏に対抗させる強力指名候補として物心両面から支援してきた。
ところが支持率はてんで上がらず5%前後を低迷。2月下旬には大統領選から早くも撤退してしまった。
ネオコン(新保守主義派)にそそのかされて国民を裏切り、無謀なイラク戦争突入した兄貴ジョージの「負の遺産」に最後まで足を引っ張られたのだ。
保守本流はそこで用意していた「2枚目のカード」としてルビオ氏を切らざるを得なくなった。弁護士出身でフロリダ州議会議長を経て、上院選挙に出馬し見事当選したマルコ・ルビオ氏(44)。保守本流から内政、外交、軍事のブレーンが集まっている。
だが、そのルビオ氏も「スーパー・チューズディ」では、バージニアで唯一首位となったが、トランプ氏を阻止するだけの弾みをつけるところまではいっていない。
トランプには勝てるヒラリーが最も恐れる男
共和党保守本流がルビオ氏に熱い視線を向けている最大の理由は、まだ中央政界での経験は浅いものの、万一、本選挙でクリントン氏と一騎打ちになった場合、ルビオ氏が勝つチャンスがあるという点にある。
「若さ、カリスマ性、端正な顔立ちと三拍子そろった保守本流の星。高齢、かつ好感度の低いクリントン氏を相手に絶対勝てる」(共和党選挙対策関係者)と共和党主流は見ている。
2月2日から17日までに各種世論調査機関が行った支持率平均値によれば、以下の通りだ。
クリントン42.8%:ルビオ47.5% クリントン44.5%:クルーズ45.3% クリントン45.3%:トランプ42.8%
事実、クリントン陣営もルビオ氏を警戒している。選挙通で知られるビル・クリントン元大統領は、ヒラリー候補の超側近グループとの数か月前の会合で「ルビオに注意せよ」と警鐘を鳴らしているという。
日本にとっては最適の「日米安保現状維持派・TPP推進派」
さて、そのルビオ氏とはいかなる人物か。
同氏はキューバ系移民の3世。フロリダ州マイアミで生まれ、フロリダ大学、マイアミ大学法科大学院を卒業して、弁護士を開業。2000年から2009年までフロリダ州下院議員を務め、一時は下院議長にもなっている。
2010年には上院議員選に出馬し、見事当選している。その強みは先輩議員、特に長老議員に可愛がられていること。「爺キラー」なのだ。とんとん拍子に出世街道をばく進するルビオ氏を「フロリダのケネディ」と呼ぶものもいるほどだ。
2012年の大統領選挙の際にはミット・ロムニー共和党大統領候補の副大統領候補の1人に名を連ねたことからも党内ではそのカリスマ性と政治力が評価されてきた。
上院では1年生議員にもかかわらず、皆が望む商業委員会と外交委員会に属し、後者では東アジア太平洋小委員会のメンバーとして日本にもたびたび訪問している。日米安保の現状については熟知しているし、TPP推進派の1人でもある。
中国の南シナ海、東シナ海での海洋権益拡大には猛反発している。日本の「安保タダ乗り」論を展開するトランプ氏を一喝しているのも共和党候補の中ではルビオ氏だけだ。
「民主党リベラリズムがアメリカン・ドリームをぶち壊す」
そのルビオ氏自身が書き上げたのが本書だ。昨年4月に立候補する前に出た自叙伝だ。予備選の推移とともにルビオ氏への注目度が高まるなか、目下ベストセラーになっている。
タイトルは、「American Dreams: Restoring Economic Opportunity for Everyone”のDreamsは「ドリーム」というだけでなく、「Development, Relief, and Education for Alien Minors」(つまり「外国生まれの未成年者たちへの発育と救済と教育」)の頭文字だ、とご本人は説明している。
いかにも、1950年代、カストロによるキューバ革命直前にキューバを逃れて、米国に移住した祖父の孫マルコ・ルビオらしいタイトルのつけ方だ。
祖父が常に言っていたことは、「卑賎で恵まれない出であろうとも誰でもアメリカ合衆国に来れるのだ。そして自らの大きな望みをかなえることができるんだ」。
ルビオ氏によれば、1950年代、祖父が求めた「アメリカン・ドリーム」はその後、達成が難しくなってきた。その理由は、「連邦政府を軸に米国市民を指揮統制するリベラリズム」にあった、というのだ。
「アメリカン・ドリームを堅持できるか否かは、我々米国民が我が国が他国とは異なる例外的国家(An exceptional nation)であり続けられるかどうかにかかっている。これを明確に定義づけることこそが保守主義運動の根幹であり、真の保守主義なのである」
ルビオ氏の祖父や父親が享受したアメリカン・ドリームは今怪しげになっている要因は何か。
ルビオ氏は、第1の原因は公的な教育をごり押しし、伝統的な家族制度を無視したオバマ政権のリベラルな政策であり、第2にはハイテク優先主義を突っ走り、付随的に生じる仕事喪失を生み出しているグローバリゼーションにある、と言い切る。
「しかしながら私は楽観的だ。アメリカ人は、1950年代に謳歌したアメリカン・ドリームを再び復活させるためにいかにしたら今の新しい現実に対応するかのすべを知っているからだ」
トランプ潰しに「スーパーPAC」がネガティブ・キャンペーン活発化
共和党主流派は、何とかトランプ氏の勢いを止め、7月の全国党大会前の早い段階でルビオ氏の指名への確実な道筋をつけるべく動き出している。
ルビオ氏を支援する「スーパーPAC」の「アメリカン・フューチャー・ファンド」(AFF)は、全米ネットでトランプ氏に対するネガティブ・キャンペーンをすでに開始、同氏が2005年に不動産投資術を教えると称して始めた「トランプ大学」が詐欺まがいだったことやトランプ・グループが大量の不法移民を雇っていることと大々的に批判し始めている。
資金はルビオ指名実現を目指す共和党主流派に近いコッチ兄弟ら億万長者たちとされている。
日経ビジネスオンライン記事
—民主党11州、共和党12州の予備選・党員集会が同時に行われた「スーパーチューズデー」。この結果をどうみたらいいのでしょう。
高濱:どの候補が得票率で勝ったかということばかり取り上げられますが、指名を獲得するのに重要なのは代議員をどれだけ確保したかです。
スーパーチューズデーを制した共和党のトランプ氏(左)とクリントン氏(写真:ロイター/アフロ)
3月1日深夜(米東部時間)時点での集計では、共和党サイドでは、不動産王のドナルド・トランプ氏が12戦7勝。代議員237人を獲得しました。緒戦4州の予備選・党大会以降2月29日までに獲得した代議員数319人と合わせると、556人となります。
共和東の代議員総数は2472人。指名を獲得するには、この過半数である1237人が必要です。トランプ氏はこれでその45%を手中に収めたわけです。 (”Election 2016 – Republican Delegate Count,” Real Clear Politics, 3/1/2016) (”Super Tuesday state results,” The Washington Post, 3/1/2016) (”The Green Papers: Presidential Election USA 2016.” 3/1/2016)
共和党保守本流の「ストップ・ザ・トランプ」作戦は失敗
「反主流派」の一匹狼であるトランプ氏を嫌う共和党主流派は政治資金団体「スーパーPAC」(スーパー政治行動委員会)などが中心となり、「穏健派」のマルコ・ルビオ上院議員を物心両面から応援しました。
しかし、そのルビオ氏は振るわず。ミネソタ州で一矢を報いましたが、必勝を期していたバージニア、バーモント両州でも、接戦の末、トランプ氏に敗れてしまいました。
それに比べ、共和党保守本流とは距離を置く「保守強硬派」のテッド・クルーズ上院議員は地元テキサス州とオクラホマ州で勝者となったばかりか、ルビオ氏との2位争いも5勝2敗としルビオ氏を突き放しました。
スーパーチューズデーの前からトランプ氏が圧勝することは予想されていました。ですから米主要紙のベテラン政治記者は筆者にこう解説しました。「共和党主流派の面々もいよいよ『トランプの現実』(Trump Reality、トランプが本当に指名されるという現実)を考えざるをえなくなってきたようだ」。
気の早いコラムニストの中には、トランプ氏の副大統領候補は誰それだ、と予測記事を書く者も現われ始めました。 (”Trump is No.1, but who’s his No.2?” Roger Simon, www.politico.com., 2/24/2016)
アメリカ独特の複雑怪奇な代議員制度
—予備選挙が採用している代議員制度というのは日本人にはわかりづらい制度です。代議員が2種類あったり。とくに民主党の場合は候補者が実際に獲得した代議員のほかに別の代議員が加算されたりしていますね。
高濱:確かに、複雑な制度です。まず、代議員には「一般代議員」(Delegate)と「特別代議員」(Super Delegate)とがあります。とくに民主党では代議員の15%が「特別代議員」なのです。共和党のほうは割合少なく4%です。
一般代議員は、その州に住む18歳以上の党員であれば誰でもなれます。一方、特別代議員はその州選出の連邦上下両院議員、州知事、歴代の正副大統領、党の幹部などいわゆる党内エリートしかなれません。無投票で事前に決まっています。
クリントン氏が緒戦の4州予備選・党大会後に着実に代議員数を増やしているのは、態度を留保していた特別代議員の中からクリントン支持誓約をする者が続々と現れているからです。
民主党主流派によるある種の「操作」が働いているわけです。これについてはこれまでにも一般党員から批判がありまし。現にサンダース陣営は今回激しく抗議しています。しかし、党主流派は「伝統的な党是を守るためだ」と突っぱねています。
一方、共和党の特別代議員の数は民主党に比べると少なく、「党内エリートがトランプ氏の快進撃に歯止めがかけられない要因の一つだ」と、筆者に解説してくれる選挙専門家もいます。
—一般代議員と特別代議員との大きな違いはなんですか。
高濱:一般代議員は、登録する際に自分が支持する候補の名前を明記し、自腹を切って全国党大会に出席し、予備選の際に自分が支持してきた候補者に必ず投票しなければなりません。
一方の特別代議員は、自分が誰に投票するかを党大会までに決めても決めなくてもいいのです。通常は「スーパー代議員」と呼ばれますが、メディアあるいは選挙専門サイトは「Bonus Delegates」(ボーナス代議員)とか「Unpledged Delegate」(誓約に縛られない代議員)とも呼んでいます。
比例配分の州でも総取りできる
さらに話を複雑にしているのは、勝敗を決める選挙の方式です。「勝者総取り」(Winner-takes-all)と比例配分方式とがあります。どちらを採用するか、州ごとに異なります。
共和党は2012年に大統領指名規約の一部を改正しました。比例配分方式を採用する各州に例外条項を設けさせたのです。これを「Rule 40B」(ルール40B項)と呼んでいます。
その内容は以下の通りです。 1)候補者が50%以上の票を得れば、州全体の代議員を総取りできる。 2)得票率が50%未満でも、他の候補者たちの得票率が20%(あるいは15%)を下回った場合、第1位の候補者が州全体の代議員を総取りできる。 3)連邦下院議員選挙区で50%以上の得票を得る候補者がいない場合は、1位の候補者が2人、2位の候補者が1人の代議員を獲得できる(各州の連邦下院議員選挙区ごとに3人ずつ割り当てられている)。 おおざっぱに言うと、得票率の高い候補に重点的に代議員が割り振られる仕組みになりました。
12年まで、各州に割り当てられた代議員数は、各候補者の得票に応じて配分されました。つまり実際の投票結果を反映した生の数字でした。
トランプに有利に働いた「例外条項」
—「スーパーチューズデー」が行われた各州はすべて比例分配方式でした。その例外条項はどういった影響を与えましたか。
スーパーチューズデーでは、アラバマ、ジョージア、ルイジアナ、テキサス、テネシーなど南部州がこの「ルール40B」を適用しています。従ってトランプ氏はアラバマ、テネシーの両州ですべての代議員を手中に収めました。勝者総取りと同じ結果になったわけです。 (”The Real Import of Rule 40 in 2016,” frontloading.blogspot.com, 12/13/2015) (”Dramatic, Little Known GOP Rule Change Takes Choice Of Presidential Candidate Away From Rank And File Republicans And Hands It to Party Elite,” Rich Ungar, Forbes, 4/7/2014)
トランプの「禁じ手作戦」功を奏す
—トランプ氏は同じ共和党のジョージ・W・ブッシュ元大統領を名指しで批判しましたね。それなのになぜこれほどの票を集めているのですか。予備選は党の中での指名争いですから、自分が所属する党出身の歴代大統領は批判しないのが慣例なのでは。
高濱:トランプ氏はサウスカロライナ州予備選前になってブッシュ元大統領のイラク政策を真正面から批判しました。トランプ氏はライバル候補であるジェブ・ブッシュ氏を批判する手段として、ブッシュ元大統領のイラク戦争突入を厳しく批判しました。それだけでなく、01年の東部中枢同時多発テロですら、「大統領がブッシュでなければあのテロは防げた」とその責任を追及したのです。
民主党でも共和党でも、大統領候補が自分の党出身の歴代大統領を名指しで批判することはしません。その意味では、トランプ氏はまさに「禁じ手」を使ったのです。ところがそれが見事成功しました。
声を大にしては言いませんが、共和党員の多くもトランプ氏と同じことを思っているはずです。そこをトランプ氏は代弁し、ブッシュ元大統領を批判、返す刀で兄ジョージ氏を弁護するジェブ氏を叩いたのです。結局トランプ対ブッシュの論戦はトランプ氏に軍配が上がりました。
CNNテレビが行った出口調査でも明らかになったように、共和党員の半数は既成の共和党が自分たちを裏切ったと答えています。その意味で、ブッシュ元大統領およびブッシュ・ファミリーはその格好の標的になってしまったようです。
自らが所属する党の元指導者や既成政治家を批判して選挙で勝つ手法は、日本でもありましたね。01年、小泉純一郎氏が党総裁選で「自民党をぶっ潰す」と言い放って、党主流派が推す橋本龍太郎氏を破ったことを思い出します。
反既成体制、反権力機運は民主、共和両党に
—民主党のサンダース氏も、クリントン氏に政治資金を提供し続ける民主党系富裕層を批判しています。トランプ氏は右、サンダース氏は左と分かれていますが、ともに既成の権力に対抗している点では共通項がありそうですね。
高濱:興味深い世論調査結果があります。15年9月24日に公表されたウォール・ストリート・ジャーナルとNBCが行った世論調査結果です。
これによると、回答権者の44%がこう答えています。「今の既成政治システムはウォール・ストリート(金融・経済界)やワシントン(行政府、立法府)の富裕層や権力者たちのためだけに機能しており、一般市民の日常生活のためには全く機能していない。そのことに憤りを感じる」
—一般市民の憤りは、民主、共和両党をクロスオーバーして広がっているわけですね。
高濱:米政治学者の中には、「今回の大統領選の特徴は米国民が4つに分かれていること」と指摘する者もいます。つまり民主党主流、民主党草の根、共和党主流、共和党草の根の4つです。
こう見てくると、民主、共和どちらのどの候補が大統領になったとしても、次期大統領はこうした一般市民の声を無視するわけにはいかなくなることが予想されます。 (”The establishment’s swan song,” Fortune CEO Daily, 2/20/2016)
ローマ法王の「クリスチャン否定」発言に猛反発
—トランプ氏による批判は共和党既成体制だけではなく、カトリックの最高位、フランシスコ・ローマ法王にも向けられましたね。
高濱:スーパーチューズデーの直前、フランシスコ・ローマ法王のコメントにトランプ氏は激しく反論しました。
トランプ氏は、予備選の緒戦から「不法移民を入れさせないよう、メキシコとの国境に巨大な壁を作る」と主張していました。これに対し、法王は「あなたはクリスチャンではない」と批判しました。
トランプ氏は食って掛かりました。「宗教指導者が他の人間に疑問を挟むとは不名誉で、けしからん(disgraceful)話だ」。米総人口の20.8%を占めるカトリック信者が敬愛するローマ法王に口答えしたわけです。
筆者は当初、カトリックとプロテスタントとの違いはあれ、南部、中西部を中心に米総人口の25.4%もいるエバンジェリカルズの票田に影響は出ないのか、と考えました。ところが、その後に行われた予備選、党員集会でトランプ氏のコメントに対するネガティブな反応は全くなく、投票にはほとんど影響なかったようです。 (”Donald Trump calls Pope Francis ‘disgraceful” for questioning his faith,” Ben Jacobs, The Guardian, 2/18/2016)
エバンジェリカルズ系の牧師は筆者にこう説明しています。「同じキリスト教とはいえ、プロテスタントの原理主義者にとってカトリック法王は特別な存在ではない。むしろ、南米出身のフランシスコ・ローマ法王が米国の不法移民対策に口を挟んだのを不快に思っている。だからトランプの反発をそれなりに評価している」 (”Right-Wing Media Lash Out At Pope Francis For Suggesting Donald Trump’s Immigration Plans Do Not Reflect Christian Values,” Alex Kaplan, Mediamatters.org., 2/18/2016)
党の既成勢力だけでなく、どんな権力者や権威をも恐れぬ「一言居士的なトランプ」が共和党員・支持者の間で喝采を浴びていることがよくわかります。
これが今後の予備選でも持続できるかどうか、その結果がトランプ氏にとって吉と出るか、凶と出るか。
3月5日にはカンザス、ケンタッキー、ルイジアナ。次いで15日には、勝者総取りを採用しているフロリダ、ミズーリと続きます。代議員数ではフロリダが99人、ミズーリが52人。1位になれば大口の代議員が一気に転がり込みます。
ルビオ氏などは地元フロリダでトランプ氏を迎え討ち、なんとか雪辱を果たしたいところでしょう。
本命クリントン、指名に必要な代議員数獲得にまっしぐら
—民主党の選挙結果をどう見ていますか。
高濱:いよいよヒラリー・クリントン前国務長官が独走態勢に入りましたね。スーパーチューズデーが行われた11州での勝敗は7勝4敗。バーニー・サンダース上院議員を完全に突き放しました。とくに南部では夫君ビル・クリントン元大統領が黒人層に圧倒的な人気を誇っていることも手伝って、黒人票の大多数を獲得したことが勝因の一つなったといえましょう。
クリントン氏が今回獲得した代議員数は504人。クリントン氏が3月1日以前の予備選・党集会で確保した代議員数は548人。これを合計すると、3月2日午後現在で1052人になります。指名に必要な代議員数は2383人(特別代議員を含む)ですからクリントン氏は現時点ですでにその44%を手にしていることになります。 “Delegate tracker – Associated Press Interactives,“
一方、サンダース氏は地元のバーモンドのほか、コロラド、ミネソタ、オクラホマの4州でクリントン氏を破りました。善戦したと思います。中西部の民主党員、とくに学生や若い世代が、オバマ政権をはじめとする民主党既成勢力に反発し、クリントン氏への投票をためらったものと思われます。
3/2日経ビジネスオンライン 福島香織『「過去20年で最も厳しい北朝鮮制裁」の意味 真の争点は、米中「アジア争奪」の駆け引き』について
米中主導で北への制裁がまとまりかけましたが、土壇場でロシアのクレームがつき、安保理採択は日本時間3時未明となりました。米中だけで決めさせはしないというロシアの思惑でしょう。中国が本気になって制裁すれば、金王朝はすぐにでも倒れるでしょう。やはり中国にとって、バッファーゾーンは必要だし、金正男に首を挿げ替えても北の人民が従うかどうか不明で、リスクは冒せないと思っているのでは。
韓国の二股外交を逆手に取って、米中が北のみならず、韓国をも懲らしめている構図にも見えます。蝙蝠国民は相応の報いを受けるべしと。韓国は米中を手玉に取った気でいましたがTHHADで手痛いしっぺ返しを受けた形です。その内、戦時作戦統制権も韓国に返還するかもしれません。一気に駐韓米軍撤退はないでしょうけど。朴大統領は益々苦しくなりました。昨年末の日本との慰安婦合意に続いて、THHAD配備検討に米国が梯子を外そうとしているのですから。桂・タフト協定、アチソン声明に続く朝鮮半島切り捨てに繋がるかも知れません。米中で宗主国の言うことを聞かない北と南の扱いを裏で決めている可能性もあります。
北の6者協議復帰は、核とミサイル開発の時間の利益を北に与えるだけです。米国も中国も北の封じ込めはできないと思っているはずです。拉致被害者の帰国については今度の制裁でも難しいでしょう。日本が北と交渉して、単独で制裁緩和は出来ないでしょうから。軍事作戦でしか救出は出来ないでしょう。ただどこにいるか分からないのでは作戦は展開できません。拉致被害者は戦後憲法の犠牲者です。左翼・在日が憲法擁護をして政府の改憲の動きを制約してきました。自分の子供たちが拉致され、取り戻せない現状について想像できないアホな似非学者・似非ジャーナリストが多すぎます。国民も拉致を自分のこととして考えてほしい。問題解決について根本的な部分で考えないと。
中国が一番恐れているのは本記事にありますように、アジア版NATOを作られることです。中国の嫌がることをすることが世界平和のためには必要です。中国の軍事膨張を防ぐためには、封じ込めが必要です。合従連衡策として、日米豪印比越でまずATO(Asian Treaty Organization)を作り、後にその他のASEAN諸国を巻き込むようにすれば良いと思います。
記事
ワシントンで開催された米中外相会談。「北朝鮮制裁」の裏側で「アジア争奪戦」の駆け引きが続く。(写真:ロイター/アフロ)
北朝鮮の核実験に対する国連制裁決議をあれほど渋っていた中国が一転、同意した。王毅外相が2月23日から25日に訪米し、ケリー国務長官らと会談、制裁案について合意に至った。報道によれば、50日に及ぶ長期交渉の結果という。ロシアは「検討に時間が必要」と言っているので、採決にはまだ時間がかかるかもしれないが、中国はすでに金融機関が対北朝鮮業務をストップしているという報道もあり、すでに独自制裁に踏み切っているもようだ。中国はなぜ、態度をここにきて変えてきたのだろう。
本気でやれば体制維持に影響も…
米国が国連安保理に提出した北朝鮮決議草案は、過去20年の中で最も厳しい制裁だと言われている。禁輸措置は石炭、鉄鉱石、金、レアアースなど鉱物資源全般に及び、これらは北朝鮮の対外輸出総額の40%を占める。また、北朝鮮への航空燃料、小型兵器、軽武器などの輸出も全面禁止。同時に制裁参加国国内の銀行における金融資産の凍結を行い、北朝鮮への出国も禁止。北朝鮮を行き来する船舶はすべて厳格な審査を受け、制裁措置の履行を保証する。高麗航空機の国連加盟国領空の飛行も禁止する。また、北朝鮮の非合法活動を行う外交人員の退去も行う。例えば北朝鮮国家宇宙開発局など約30の組織および個人が制裁対象としてブラックリスト入りしている。
北朝鮮を除く国連加盟国192か国にこれを履行する義務が課され、もし本気でやれば、北朝鮮の核兵器開発を阻止するどころか、その体制維持にすら影響するのではないか、というレベルだ。
中国は当初、国連の対北朝鮮決議に対してなかなか賛同を示さなかった。核実験直後、米国などが国連による制裁の声を上げた時は、中国は「当面の急務は関係国が共同の努力でもって、北朝鮮を対話のテーブルに再びつかせることだ」と、制裁についての直接の言及を避けた。1月15日の段階で、「安保理が北朝鮮にそれなりの代償を求めることは支持するが、北朝鮮を崖っぷちに追い込むことには賛成しない。対話のテーブルに引き戻さねばならない」との立場だった。ミサイル実験が行われる前の2月初めまでは、強すぎる制裁は北朝鮮の不安定化を招く、として慎重に制裁内容を調整するように働きかけていた。
その理由は、建前上は正常な中朝関係を損なう、あるいは民生を損なう制裁は人道的にも望まない、というものだったが、本音のところは、中国で報道されている専門家の見解を総合すると、
①国連の枠組みの中で制裁に参加するよりも、中国が独自のハンドリングで北朝鮮をコントロールしたいという思惑があった。 ②北朝鮮の核実験への対応よりも、国内の軍制改革や南シナ海の軍事拠点化を優先させたかった。 ③内心は北朝鮮に対し腹を据えかねていたが、北朝鮮のロシアへの急接近を警戒しており、いそいそと制裁に参加する態度を北朝鮮に見せたくなかった。 ④韓国との緩衝地帯でもある北朝鮮の体制維持は中国にとって必要不可欠であり、体制を弱体化あるいは崩壊させるレベルの制裁には参加したくなかった。 ⑤北朝鮮が不安定化して大量の難民が押し寄せてくることなどを警戒している。 …といったところだろう。
それが、なぜ急に、このような厳しい制裁に同意するよう、態度を変えることになったのだろうか。これは中国の妥協なのだろうか。
THAAD延期と制裁同意の“取り引き”
独立系華字ネットメディア・多維は、その理由を次のように報じている。多維はもともと米国に本部のあった反共産党的な報道が特徴であったが、近年はかなり北京の立場に近い報道を行うようになっている。
①制裁決議草案は、対外情報工作を担う朝鮮人民軍偵察総局、核・ミサイル開発を担う原子力工業省、国家宇宙開発局を対象に絞ったものである。中国の「民生を損なうことは人道主義にもとる」という建前の理由は必要なくなった。
②米国と韓国が韓国にTHAADミサイルシステムを配備しようとしたことが、中国の妥協を促した。中国はこれに一貫して反対しており、米韓のTHAAD配備規約締結の延期が発表されたのは、中国が対北朝鮮制裁に合意したことへの米国からの見返りだった。
③中国側は、安保理決議では、半島の核問題は解決しないとしている。最終的には対話のテーブルに戻って北朝鮮と米国の和平協議にもっていくしかない。制裁によって北朝鮮の現体制を崩壊させないこと、また米国側も、先に核放棄しなければ対話もしないという姿勢を軟化する、という感触を得たので妥協した。
一方、中央ラジオの報道では、これは中国の妥協ではなく、高明なる策略であり、妥協しているのは米国の方だ、と報じている。
「韓国は、北朝鮮の核実験を口実に、THAADミサイルシステムの配備を画策していた。…これは米国がアジア版NATOをつくろうとしているということではないか?」 「中米の北朝鮮に対する姿勢はもともと明らかな違いがあった。米国は『極めて厳しい制裁』を行おうとし、それを口実に『中国は北朝鮮をかばっている』というロジックでもって、中国を米国の原則に従わせようとしていた。米国は、北朝鮮を崩壊させるまでの制裁に中国を参加させようとしていた。これは中国の国家利益には全く合致しない。中国にとって、制裁は北朝鮮を崩壊させることが目的ではなく、話し合いのテーブルに回帰させることが目的である。中国は最後までこの国家利益のボトムラインを守り抜いた」 「北朝鮮の両弾(原爆と水爆)の軽挙が脅威か、それとも米韓の北朝鮮体制崩壊戦略やTHAAD配備が脅威か」 「王毅は半島の非核化と和平協議の推進を並行して行う考えを提示している。(今回の合意は)その具体的ステップ、プロセスを含めた話し合いである」
Xバンドレーダーによる封じ込めに危機感
こうした報道を見てみると、中国にとっての脅威は、北朝鮮が核兵器を持つこと以上に、北朝鮮の崩壊であり、米国によるTHAADミサイル配備に象徴される“アジア版NATO作り”である。THAADは最大射程200キロ、ミサイルの探知、追跡、迎撃誘導を行うXバンドレーダーの探知距離は1000キロ以上という、イージス艦もびっくりの性能であり、これが韓国に導入されれば、北京もばっちりレーダー探知範囲に収まってしまう。
北朝鮮の一発や二発の核兵器は1000発の核弾頭を保有する中国にとってさほど脅威ではないが、THAADのXバンドレーダーで中国のミサイルが封じ込められるのは、明らかに脅威であろう。さらに言えば、中国当局は日本が核兵器を持つと言い出すことを非常に警戒している。世界から孤立する極貧小国が持つ核兵器と、米国の同盟国、世界第三の経済大国の日本が持つ核兵器とは意味が違う。中国に対して、朝鮮戦争の血で固めた友誼を忘れ、嫌がらせのように核実験やミサイル発射を行う北朝鮮は、腹立たしい存在だが、喫緊の脅威ではないのだ。
そして、中国は核保有の大国論理で、米国も北朝鮮の核兵器など本気で脅威とは思っていないはずだと考えている。米国がかくも北朝鮮の核の脅威を強く言うのは、それを口実に、アジアにTHAADを持ち込み、アジアのNATO作りを進めようとしているからだと警戒している。
中国が目下、南シナ海の軍事化を急ピッチで進めていることからもわかるように、今、アジアにおいては、米中の軍事的陣取り合戦の真っ最中なのである。中国は南シナ海で軍事拠点化を進め、米国は極東で日米韓軍事同盟の強化を進めている。中国の立場からいえば、南シナ海を軍事問題化しているのは米国の方で、韓国のTHAAD配備問題以前から、米国が中国の南シナ海での脅威を煽るのは、アジアにおけるTHAAD配備の口実にするつもりだという警戒論もある。
本質は「北朝鮮の核問題」にあらず
中国の立場から今回の件を見ると、問題の本質は「北朝鮮の核問題」ではなく、米中のアジアの軍事化競争における駆け引きであり、今後の展開も、アジアにおける米中対立のシナリオから見た方が分かりやすい。中国側がこれは妥協ではなく、策略だと言っているのが本音であれば、この合意によって中国の方が、アジアの軍事化のコマをより多く進めることができるだろう。実際、王毅とケリーの会談では、南シナ海における中国のミサイル紅旗9配備問題もテーマになったはずだが、こちらの話し合いは平行線に終わったようだ。このまま、南シナ海のミサイル配備やレーダー配備を恒常化し、最終的には防空識別圏の宣言まで行っても、米国は文句を盛大に言うぐらいで、具体的に対中関係を先鋭化させるようなアクションは起こさないかもしれない。
さらに言えば、北朝鮮の“極めて厳しい制裁”によって北朝鮮が核開発を断念する、という結果を本気で期待しているのは、実際のところ日本ぐらいではないだろうか。繰り返すが、中国にとっては、制裁に効果があるかないかよりも、北朝鮮の核問題を口実とした米国のアジア軍事進出をいかに抑え、そして自らの南シナ海での軍事進出を有利に進めるかの駆け引きの方が重要なのだ。少々、北朝鮮に苦しい思いをさせて、今までの中国に対する舐めた真似を反省させれば、十分であり、北朝鮮の体制崩壊など望んでいない。国連の制裁により、北朝鮮の体制が崩壊すれば、その核兵器の安全を確保するために米軍などが北朝鮮内に派遣される可能性があるが、それは中国としては絶対避けたいシナリオだ。
とすると、今回の極めて厳しい制裁も、中国として、北朝鮮の体制維持に影響するようなレベルにいかないように、かなり短期間で終わらせたい目算があるのではないか。
中国は、北朝鮮が対話のテーブルに着くことに同意した時点で制裁をやめるだろうが、その対話のテーブルに着く条件は、米国がもともと主張していた、先に北朝鮮が核開発放棄してからというものではなく、王毅外相の主張する核廃棄と和平協議の同時進行となる可能性が高い。これでは、かつての六か国協議と同じで、北朝鮮に核開発を断念させるどころか、むしろ北朝鮮の核保有準備に時間的猶予を与える結果になろう。
ちなみに制裁は北朝鮮の党大会が開かれる5月の前に解除されるのではないか、というのが中朝国境で貿易に携わる関係者らの感触である。正式に解除が発表されなくとも、「上に政策あれば下に対策あり」の中国で、中朝国境貿易の現場にはいくらでも抜け道は作れるだろう。もともと密貿易の多い地域である。国境守備の辺境の解放軍幹部がレアアース密貿易に加担していることも多く、北朝鮮の鉱山利権を中国側が握っている例も少なくない。軍制改革はそういった北朝鮮利権と癒着している将校を一掃する目的もあるとは思われるが、朝鮮族の解放軍将校らが遠い北京への忠誠よりも近くの北朝鮮利権の方を重視する傾向はそう簡単には是正されまい。
アジアのNATO化と南シナ海軍事拠点化の間で
そもそも、中国も「ズボンをはかなくても核兵器を作って見せる」と言って、大躍進と右派運動と大飢饉で人民が飢えている最中に核実験を成功させた国である。そして核兵器を持ったからこそ、国際社会で承認され、今、米国とほぼ互角に渡り合える大国になった歴史がある。少々の経済制裁で開発を断念するはずがないと中国も自分たちの経験に照らしてみればわかっているだろう。
こうした背景を考えれば、過去20年で一番厳しい制裁というのも、中国が本気で北朝鮮の制裁に参加するというのも、建前の新聞見出しであり、日本は制裁の効果に余り期待しすぎると、がっかりする結果になるかもしれない。それよりも、北朝鮮が核兵器を保有し、米国よる“アジアのNATO化”vs 中国による“南シナ海の軍事拠点化”という陣取り合戦が今後激化するという過程で、日本は自国の領土の主権と安全を守る具体的方策を練り直す必要があるだろう。
3/1日経ビジネスオンライン 堀田佳男『大統領選とカネ:最も集金力のある候補は誰?』について
スーパーチューズデーが終わりました。共和党はトランプ、民主党はヒラリーが予想通り制しました。トランプが大統領候補ではヒラリーに勝てず、民主党からまた大統領が出ることになります。ベンガジ事件等平気で嘘をつき、中国やサウジからの金塗れの人物で、夫と一緒にホワイトウオーター疑惑に関与していたのではと思われる人物です。
http://www.eis-world.com/template/eiscolum/seiron/071204.html
http://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/62684177.html
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150422/frn1504221532006-n1.htm
日本人にとって民主党はFDR(日本と開戦)、トルーマン(原爆投下)、クリントン(ジャパン・パッシング)とイメージが良くありません。無能のカーターやオバマもですが。
トランプがなるにしろ、ヒラリーがなるにしろ「衆愚の極み」というイメージしか持ち得ません。多数の圧制ならぬ多数の横暴のように見えます。
『トクヴィル アメリカにおけるデモクラシーについて』(岩永健吉郎訳)を読みました。訳者が東大名誉教授で文章が硬く、非常に読みにくかったですが。トクヴィルの米国訪問・観察は1831年(『アメリカにおけるデモクラシーについて』は1835年出版、続編を1840年に刊行)、アンドリュー・ジャクソン第7代大統領の時代ですので、200年程前近くなります。ですから述べていることも当然時代の制約を受けます。①trail of tears(インデイアンの強制移住、1838年)②黒人奴隷についてこの本では触れていません。まあ、あの当時白人にとって有色人種は獣以下だったのかもしれませんが。彼が強調していたのは
Ⓐ自由であるが「多数の圧制」を恐れること。米国人は議論の末に多数意見に従うようになる。そうしないと村八分となり、命までは取られないものの精神生活・経済生活面で苦しむことになる。
P.57~59
「全能は、それ自体、悪であり、危険なものと思われる。その行使は、行使者が誰であろうと人力を超えるもののように見える。神のみが全能であって危険がない。その英知と正しさとが、常にその力に等しいからである。しかし地上では、いかなる権威も、それを何らの抑制なく行動させ何の障碍もなく支配させてよい、と私が思うほど、それ自体が尊敬に値する神聖な権利を身に帯びてはいない。万能の権力が何らかの勢力に与えられた場合、その勢力が人民と呼ばれようと、王と呼ばれようと、またデモクラシーであれ、アリストクラシーであれ、さらにそれが君主政で行使されようと共和政で行使されようと、そこに圧制の萌芽があると私は宣言し、他の法制の下に生きる場所を求める。
合衆国に組織された民主政において私が最も強く非難する点は、ヨーロッパで多くの人が主張するその弱体さではなく、反対に、それが抗いがたい力をもつからである。アメリカにおいて私に最も厭わしいのは、そこに支配する極端な自由ではなく、圧制に対する保障が少ない点である。合衆国において個人や一党派が不正をこうむったら、誰に訴えよというのか。世論にか。世論は多数(派)の形成者である。立法の府にか。これは多数を代表し、それに盲従するものである。執行権にか。これも多数によって任命され、それに奉仕する用具にすぎぬ。警察にか。警察は武器をもった多数以外の何ものでもない。陪審にか。陪審とは判決の権利をまとった多数である。いくつかの州では、判事さえ多数によって選ばれる。うけた処分が、いかに不正または不当であろうと、それに従わなければならぬのである。
反対に、多数を代表してはいるが、必ずしもその激情の奴隸にはならないよう構成されている立法部があり、固有の機能をもつ執行権、他の権力から独立した司法権があるとする。これも民主的な政府であろうが、もはや圧制に向かう機会はほとんどなかろう。
現在アメリカにおいて、しばしば圧制が行なわれている、というのではない。圧制に対する保障が全く見られず、法制によりも環境と習俗とに権力の発動が緩和される要因が求められなければ ならぬ、というのである。
Ⓑ「陪審制度」を高く評価していること。
P.93~96
「陪審は各人に、自分の行為の責任にひるむな、と教える。男らしい態度、それがなくては、政治的に立派ではありえない。それは各市民を一種の司法官の職につける。社会に対して果たすベ き義務があるとすべての人に感じさせ、また政治に参与するのだとも感じさせる。陪審は人々を その私事以外のことにかかわらせて、個人の利己主義と闘う。利己主義は社会の錆である。
陪審は、人民の判断力を形成し、知能を拡充するのに信じがたいほど貢献する。私の見解によ れば、この点にこそ最大の長所がある。無料で常時開設の学校、そこで陪審員は、おのおの自己 の権利についてみずから学び、上層階級の中でも最高の教育をうけ最も見識のある人々と日々接し、法を実際的な方法で教わり、弁護士の努力、判事の意見、当事者の熱情さえもが、法を自分に理解のできるものにしてくれる。そのように陪審を考えるべきである。アメリカ人の実学的な知性と政治的良識とは、主として、民事陪審によって長らく培われたものとしなければならない、と私は考える。
陪審は訴訟するものに役立つかどうかわからないが、その裁定にあずかるものには、たしかにきわめて有用である。私は、これを人民の教育に役立つ最も有効な方法の一つと見なす。
以上に述べたところはすべての国民に妥当する。しかし、ここにアメリカの人々に独特のもの、そしてデモクラシーの人民一般に通ずる事情がある。デモクラシーにおいては、法曹、なかでも司法官が、人民の動きを穏健にしうる唯一のアリストクラティックな集団を形成すると前(節)に述べた。この貴族(というべきもの)は何ら物的な権力をまとわず、その影響は人の精神に及ぶのみである。そして、この力の主要な源泉を民事陪審に見出している。刑事訴訟では社会が個人に対して争うが、そのさいに陪審員団は、判事とは社会のカを受け身に示すものと見るようになり、その意見を無視する。さらに、刑事訴訟は全面的に、良識があれば容易に評価されるような簡単な事実にもとづいている。この領域では、判事も陪審員も同等である。民事訴訟においては状況が異なる。判事は、当事者の激情の間に立つ公平な仲裁者として現われる。陪審員は彼の言動に信頼し、その意見を傾聴する。この場合には、判事の知見が全く、陪審員にまさっているからである。彼らの前に、記憶するのに骨の折れる多様な議論を展開するのは判事であり、また、訴訟の迂路を乗り越えていくのに手をかすのも彼である、事実の点で範囲を区切り、権利の問題で出すべき解答を教えるのも、そうである。その影響たるや、ほとんど無限といえよう。
最後に、陪審員は民事においては無能という議論、これに私があまり動かされない理由をいわなければなるまいか(そうしよう)。民事訴訟においては、事実問題に関しない場合は少なくともすベて、 陪審員団は司法機関の外見をもつにすぎない。陪審員は判事が下した判決を発表する。 彼らが代表する社会の権威を判決に付与するのであり、それは理性と法との権威である。
イギリスとアメリカとにおいて、判事が刑事訴訟の運命に及ぼす影響には、フランスの判事のかつて知らぬものがある。この差異の生ずる理由は容易に理解できる。イギリスまたはアメリカの裁判官は民事において権威を確立し、次いでそれを他の場面で行使するにすぎぬ。刑事において何かを獲得するのではない。アメリカの判事は、単独で判決できる場合がいくつかあり、それは、しばしば最も重要なものである。そのさいには、たまたまフランスの判事が通例おかれる (のと同じ)立場にある。しかし、彼の道徳的権能ははるかに大きい。陪審の思い出が彼に付随し、 陪審は社会の一機関であるから、彼の声には社会の力とほとんど等しい力がある。彼の影響は法廷の外にまでひろがる。多忙な政治活動においても、私生活の憩いにも、立法の府においても市の広場でも、アメリカの判事は絶えず人々に取り巻かれている。そして、この人々は、判事の知性には自分たちよりすぐれたものがあると見ることになれている。訴訟で影響力を行使したあとでも、その権威を事件の裁定に協力した人々の心のすべての習性、そして魂にまで感じさせるのである。
陪審は司法職の権能を縮小するかに思われるが、実は、その権威を基礎づけるのである。人民 が司法官の特権を分かちもつところほど、裁判官が強力な国はない。アメリカの司法が私のいう法曹的精神を社会の底辺にまで浸透させるのは、何よりも民事陪審によってである。また、陪審 は人民の支配を確立する最も強力な方法であるが、同時に人民に支配する術を教える最も有効な方法でもある。」
この本の最後にロシア人とイギリス系アメリカ人が台頭してくると予言していました。一方は剣で、一方は鍬で、前者は総ての権力を一人に集中し、後者は個人利益に基づき、個人の力と理性を自由に活動させ東征しないとありました。確かに冷戦まではロシアとアメリカが争いましたが、米国の勝利で終わり、今は米中の熱戦になるかもしれない所です。
記事
米大統領の職はカネで買える―
米政界で昔から語られているフレーズである。もちろん数百億円を出せば大統領の職を手に入れられるほど簡単なわけではない。ただ、多額の選挙資金なくして大統領選を戦い抜くことはできないことも確かである。
筆者は米大統領選を「ライフワーク」と位置づけ、長年取材を続けている。最初に大統領選に接したのはロナルド・レーガン大統領が再選された1984年だ。まだ読売新聞ワシントン支局のインターンだった。実際にジャーナリストとして取材を始めたのは92年で、今回で7回目となる。
これまで大統領選をさまざまな視点から取材してきた。候補の人物像、政策、選挙対策本部、スタッフ、有権者、選挙戦略、選挙の仕組みや歴史、さらに選挙資金などだ。特に最後の選挙資金は、集めた額によって候補の命運が決まると言えるほど重要である。
実は戦後71年間、集金力に乏しい候補が大統領に当選したことはない。少なくも筆者が取材をしている過去25年間は、より多くの選挙資金を集めた候補が勝ってきた。正比例ではないが、当選と集金力には強い相関関係がある。
集金額トップはヒラリー氏
連邦選挙管理員会が2月20日に発表した報告書によると、今年の大統領選の主要候補で最も集金額が多いのは民主党ヒラリー・クリントン氏だ。選挙対策本部に献金された金額と外部の政治団体(スーパーPAC)に献金された総額は1億8800万ドル(約215億円)。2位に約100億円の差をつけている。
2位は共和党テッド・クルーズ氏(テキサス州選出の上院議員)の1億400万ドル(約118億円)。3位が民主党バーニー・サンダース氏(バーモント州選出の上院議員)で9600万ドル(約110億円)。4位が共和党マルコ・ルビオ氏(フロリダ州選出の上院議員)の8400万ドル(約96億円)である。この額は現在の数字で、11月まで勝ち残る候補は1000億円超のカネを集めることになる。
上記の候補はいずれも選挙戦で上位に残っている人たちだ。ちなみに、報告書には20人以上の候補がリストされている。すでに選挙戦から退いた人もいるが、上位4人よりも多額の選挙資金を集めたまま撤退した候補はいない。つまり、選挙を戦い抜くためには資金が必要であり、資金があるからこそまた上位に残れると言える。
トランプ氏は自己資金で賄う
例外は不動産王ドナルド・トランプ氏である。利益団体やロビイストなどから多額の献金を受け取っていない。それにもかかわらず、共和党では昨夏から支持率でトップを維持する。スーパーチューズデーでも圧勝する見込みだ。トランプ氏の強さの要因は1月の当欄に記したのでお読み頂ければ幸いである(関連記事:「民主党支持者の票をも奪い始めたトランプ候補」)。
トランプ氏は選挙を「自己資金でまかなう」と宣言しているが、実は一般有権者からの資金も受け取っている。利益団体やロビイストからの「ひも付き」のカネを受け取らないだけだ。この点はサンダース氏も同じである。
トランプ氏の選挙対策本部には一般有権者からの献金(2月20日発表)が、2730万ドル(約31億円)集まっている。自己資金をどれほど使っているかは報告義務がないため闇に包まれたままだ。本人は「たぶん3000万から4000万ドル」と述べており、献金額と合わせると少ない額ではない。
論功行賞狙いの献金も
それではトランプ氏以外の候補は、億円単位の選挙資金をいったい誰から受け取るのか。 昨年から今年2月まで、大統領候補に最も多額の献金した人物の名はすでに明かされている。ロバート・マーサー氏。ニューヨークにあるヘッジファンド企業ルネッサンス・テクノロジーズの経営者だ。
コンピューター・サイエンスで博士号を持つ同氏はIBMの元社員で、初期の頃の音声認識プログラムを開発した人物だ。93年に同社を起ち上げた。
資産約1億2000万ドル(約136億円)。死刑復活や経済システムの金本位制を説く保守派の大物だ。マーサー氏は昨年、クルーズ氏に1000万ドル(約11億円)を献金した。
献金は簡単なことだが、自己資産の約10%を政治献金として捧げることは億万長者でも簡単にできることではない。政治信条が重なる保守派のクルーズ氏が大統領になることを見込んでの献金である。
マーサー氏はクルーズ氏が大統領になった後、なにがしかの見返りを期待していると考えるのが普通だろう。いわゆる論功行賞だ。たとえば、ジョージ・ブッシュ前大統領が大統領に当選した2000年、同氏に対して最も多額の政治献金をしたのはマーサー・レイノルズ氏だった。レイノルズ氏は石油採掘会社の経営者であり、大リーグ・テキサス・レンジャーズのオーナーだった人物。
当時は、今のように無制限の政治献金をすることはできなかったため、多数の富裕層に働きかけて、個人献金を集める方法をとる。レイノルズ氏は計約6500万円をブッシュ氏のために集金してきたのだ。当選後、同氏はスイス大使に任命された。スイスとは何の関係もないにもかかわらずだ。ワシントンではよく見られる人事である。
クリントン氏のバックにジョージ・ソロス氏
現在、民主党のクリントン氏に最も多額の献金をしているのは投資家のジョージ・ソロス氏だ。700万ドル(約8億円)を出している。資産約3兆1500億円を保有する伝説的な投資家である。ハンガリー生まれのユダヤ系米国人で、クリントン家と知己で、オバマ政権につづいて民主党政権が継続することを望んでいる。
ヒラリー氏に最も多額の献金をしているのは、この人物だ(写真:Imaginechina/アフロ)
さらにクリントン氏のところには、エンターテインメント業界のチェリル・セイバン氏、金融業界のハーバート・サンドラー氏、IT企業パロマ・パートナーズ社のドナルド・サスマン氏がそれぞれ250万ドル(約2億8500万円)を献金している。
前述したように、サンダース氏はスーパーPACからの献金を一切受け取っていない。それでも110億円もの選挙資金を集めているのは、1人平均27ドル(約3000円)と言われる小口献金を多数の有権者から集めている証拠だ。
莫大なカネが非難広告に流れる
それでは、候補たちは何に多額のカネを使うのか。
米国には「選挙業界」と言われる産業が存在する。大統領選だけでなく、連邦上下両院議員選挙、州知事選、さらには州議会や市議会の選挙など機会が多いため、選挙請負人が職業としてなりたつのだ。
その業務は多岐にわたる。政策立案、立法サービス、データベース管理、DM発送、選挙区対策、献金コンサルティング、広告、演説訓練、世論調査、オンライン情報サービス、ウェブサイト構築、メディア対策、対抗馬のリサーチ、人工衛星サービス、ビデオ制作などだ。
さらに全米50州に置かれる選挙事務所の運営費も必要だ。プロのスタッフを何人も雇う必要がある。電話勧誘のための通信費や郵便料金などもかさむ。
それ以上にもっとも予算を割くのが、テレビとラジオに流す政治CMである。連邦選挙管理委員会はCMの本数や予算、さらに内容に制限を加えていないため、ライバル候補への非難広告を1つのテレビ局で1日100本流しても構わない。
多数のネガティブ広告がテレビやラジオから流れると、サブリミナル効果によって相手候補のイメージが落ちる。非難された候補はCMを打ち返さないと、支持率が確実に下がる。打たれたら必ず非難広告を打ち返さなくてはいけない。
例えばサンダース氏がニューハンプシャー州でクリントン氏に圧勝した理由の1つに、クリントン陣営の約3倍に上る金額をテレビCMに費やしたことが挙げられる。インターネット時代でありながら、テレビは依然としてメディア戦略の主軸なのだ。
トランプ氏が実際にポケットマネーをどれほど使用しているかはわからない。けれども、昨年から勢いが継続していることと支持率の高さを考慮すると、驚くほどの金額を自己資金でまなかっていても不思議ではない。
たぶん、大統領というポジションが手に入るのであれば、トランプ氏は数百億円の金額でも何の迷いもなく捻出するだろう。
3/1日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「中国大使に脅された」とうろたえる韓国人 「THAADへの報復」に戦々恐々』について
何を今更と言う感じがします。二股外交すれば、それぞれから信頼を失うのは必定です。米中それぞれから脅され右往左往をこれからも続けるでしょう。日清戦争前に3ケ国に擦り寄ったのと同じ構図です。愚かな民族です。周りは「蝙蝠」としか見てないのに、自分は強国を手玉に取れる力があると思いこむのですから。妄想の世界の住人です。こんな民族と付き合うと碌なことにはなりません。「非韓三原則」を貫くべきです。
ハリス米太平洋軍司令官もTHAADの韓国配備について「韓米はTHAADを配備することに合意しておらず、我々が合意したのは(THAAD配備を)協議すること。協議がどう進行するか見なければいけない」と答えています。韓国を揺さぶるカードとして使っている面もあるのでは。軍事は米国、経済は中国なんて都合の良い色分けは出来ません。米軍撤退or戦時作戦統制権返還をしただけで韓国は北の冒険主義の脅威に晒されます。ソウルは火の海になるでしょう。本記事の最後にありますように米国も韓国を見限る可能性もありますので。何せ反米でありながら、韓国を脱出して、米国に行きたがる国民性ですから。2/2サーチナ記事「韓国は生き地獄だ・・・若い世代から「将来などない」と悲観の声」より。http://biz.searchina.net/id/1601497?page=1
忘恩の徒に相応しい発想です。日本にいる韓国人も同じ発想をしていると思った方が良い。
日本は韓国から通貨スワップ要請があっても応じないことです。最低「慰安婦は朝日新聞に騙されて主張してきたもの。事実と違い謝罪するとともに世界の慰安婦像は政府の力で完全撤去します」と約束・公言させてからです。また平昌オリンピックも開催できるかどうか怪しい雲行きです。この期に及んで韓国を助けようとする政治家は金かハニーで転んでいると見た方が良い。勿論衆参同時選の時には投票しないことです。関わらないことが日本にとって正しい道です。
記事
2016年3月1日(火)
「関係悪化」発言で韓国人から一斉に反発された中国の邱国洪・駐韓大使(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
(前回から読む)
イジメの舞台は経済か、軍事か――。韓国が「中国の報復」に身をすくめる。米軍の迎撃ミサイル基地建設を認めたことで、中国から激しく脅されるからだ。
中国大使に反発した韓国人
—駐韓中国大使の発言に韓国人が強く反発した、と聞きました。
鈴置:2月23日、中国の邱国洪・駐韓大使が地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の在韓米軍への配備に関連、以下のように述べました。
最大野党である「共に民主党」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員会代表と会談した際の発言です。
聯合ニュースの「 中国がTHAAD反対に続き、関係棄損も『警告』……韓中関係に破裂音」(2月23日、韓国語版)を翻訳します。
- 中国の安全保障上の利益が毀損されれば、両国(中韓)関係は避けようもなく被害を受けるだろう。
- 両国関係を今日にように発展させるには多くの努力があったが、こうした努力も1つの問題により、一瞬にして破壊されかねない。(関係の)修復は容易ではなく、長い時間がかかるだろう。
また、中国から属国扱い
—韓国人はこの発言のどこが不満なのですか?
鈴置:モノ言いが気に入らなかったのでしょう。属国扱いされたと韓国人は考えたのです。
東亜日報の社説「米中に朝鮮半島の運命を任せながら、政界は対北戦争か」(2月24日、韓国語版)が明確に書いています。
- THAAD配備の決定は韓国の主権によるにもかかわらず、中国が明白な内政干渉に出たということは、韓国を過去の朝貢国のように見なす傲慢さの表れである。
—何と、「朝貢国」ですか……。
鈴置:露骨な「属国扱い」は数年前から始まっていました。韓国人は大いにフラストレーションを溜めていたのです(「ついに『属国に戻れ』と韓国に命じた中国」参照)。
ベトナム人なら……
—中国人が「韓中関係を破壊する」と言うのなら「どうぞ、ご自由に」と言い返せばいいのでは?
鈴置:ベトナム人――中国に立ち向かう覚悟を固めたベトナム人なら、そうするでしょう。あるいは中国大使の発言を完全に無視するかもしれません。
でも、韓国人には「関係が悪化しても、こちらは一向に困らない」などとやり返すなんて、絶対にできません。中国を極度に恐れているからです。少し脅されたぐらいでうろたえたら、足元を見られてしまうのですがね。
朝鮮日報の社説「韓国の安保主権を無視し、大使まで『THAADへの脅迫』に出た中国」(2月24日、韓国語版)をお読み下さい。
- 大使が外交・安保の懸案に関し自国の立場を明らかにすることはできる。しかし、邱大使の発言は政府の包括的な憂慮の水準を超えて、韓中関係が破綻し得るとの直接的な脅迫をしたということだ。
- 自分の主張が貫徹できなければ、軍事・経済的な報復に出るかのごとくの態度をとったのだ。
ご覧の通り、中国に反発はするものの「中国と関係を断つ勇気」は韓国人にはないのです。
—『嫌われる勇気』みたいな話ですね。
鈴置:ええ、韓国人の心の奥底には「中国から可愛がってほしいから、拗ねて見せる」部分もあるのです。
「私はあなたといい関係を作りたいと願っている。それなのに脅してくるなんて、ひどい!」といった感じです。
対等にやり合う相手に対し、そんな泣き言は言わないものです。韓国側に「属国意識」が残っているからこその甘えた反発です。ベトナムが中国に対する時の緊張感からはほど遠い。
元カノは要求を聞くべきだ
—この中韓の微妙な関係に、北朝鮮や米国はどう絡むのでしょうか。
鈴置:THAADは国の安全を増すための雨戸のようなものです。最近、街を北朝鮮という怪しい人が徘徊するので、米国は雨戸を韓国――婚約中の女の子の家に取り付けようとした。
すると韓国のもう1人のボーイフレンドである中国が「雨戸は俺に対する嫌がらせだ。もう会ってやらない」と言い出した。
それにショックを受けた女の子が「あなたこそ、一番大事にしてきたじゃないの。だから、そんな怖いこと言わないで」と泣き出した――というのが今の構図です。
—米国という婚約者がいるのに韓国という国は……。
鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)政権は米国と同盟を結びながら、米中対立案件ではほぼ、中国の言うことを聞くようになっていました。奇妙な三角関係が生まれていたのです(「米中星取表」参照)。
| 米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2016年2月29日現在) | |||
| 案件 | 米国 | 中国 | 状況 |
| 日本の集団的自衛権 の行使容認 | ● | ○ | 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致 |
| 米国主導の MDへの参加 | ● | ○ | 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ |
| 在韓米軍への THAAD配備 | △ | ▼ | 韓国は米国からの要請を拒否していたが、2016年2月7日に「協議を開始」と受け入れた |
| 日韓軍事情報保護協定 | ▼ | △ | 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ |
| 米韓合同軍事演習 の中断 | ○ | ● | 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施 |
| CICAへの 正式参加(注1) | ● | ○ | 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」 |
| CICAでの 反米宣言支持 | ○ | ● | 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か |
| AIIBへの 加盟 (注2) | ● | ○ | 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明 |
| FTAAP (注3) | ● | ○ | 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」 |
| 中国の 南シナ海埋め立て | ● | ○ | 米国の対中批判要請を韓国は無視 |
| 抗日戦勝 70周年記念式典 | ● | ○ | 米国の反対にも関わらず韓国は参加 |
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。
ただ、それも分からないでもない。韓国からすれば、中国は米国とは比べものにならないほど長い間付き合ってきた元カレなのです。
朝鮮半島の歴代王朝は、千年以上も中国大陸の王朝に朝貢してきたのですから。もちろん中国も「元カノだった韓国は、自分の要求を聞くのが当然だ」と考えています。
怪しげな「大使には抗議」
いずれにせよ今回、韓国は中国の仕掛けたワナにきれいにはまってしまいました。大使発言に感情的に反発することで、中国の力に怯えている――つまり、中国に全力で抗する覚悟がないことを、問わず語りに告白してしまったのです。
中国は「脅しの効果は大きかった」とほくそ笑んで、必要になればまた、この手を使うでしょう。
メディアが大騒ぎしたものですから、韓国政府も対応せざるを得なくなりました。青瓦台(大統領府)のスポークスマンは2月24日「THAAD配備は自衛権の措置」と邱国洪大使に反駁しました。
同じ日に「外交部も中国大使に抗議した」と韓国メディアが一斉に書きました。例えば、聯合ニュースの「中国大使呼び抗議『THAAD配備なら関係破壊』発言で=韓国」(2月24日、日本語版)は見出しと前文でそう報じています。もっともこの記事の本文を読むと、本当に抗議したかは怪しい。以下です。
- 外交部は「キム・ホンギュン次官補が邱大使を呼び、関連報道内容について議論した」、「邱大使は(金鍾仁非常対策委員会代表との会談の)経緯や実際の発言内容、報道内容の正確性などについて誠意を持って説明した」と伝えた。
- ただ、邱大使に「抗議した」との表現は使わなかった。邱大使が遺憾の意を表明したかどうかについても明らかにしなかった。
電池で報復?
—なぜ、抗議したことにしてしまったのでしょうか。
鈴置:そうでもしておかないと国民の腹の虫がおさまらなかったからでしょう。韓国社会でメディアは事実を伝えることよりも、人々の情緒を――喜怒哀楽をかき立てる役割を担っています。
—それにしてもこの、国を挙げての反発ぶりは異様です。
鈴置:「中国が報復してくる」と韓国人が疑心暗鬼に陥っていたこともあります。そこに大使の「関係破壊」発言。「やっぱり、報復されるのだ!」との恐怖が広がったのです。自縄自縛です。
韓国紙が初めて「THAADの報復」と具体例を挙げて書いたのは「電池」分野でした。韓国経済新聞が1月31日に以下のように報じました。
- 中国政府が、リン酸鉄リチウム(LFP)方式のバッテリーを採用したバスにだけ補助金を出すことを決めた。
- これにより、別方式のバッテリーを生産する工場を中国に建設したばかりのLG化学とサムスンSDIは大損害を受ける。
- 解決は容易ではなさそうだ。一部では中国側の行動が韓国のTHAADの配備の動きが影響した可能性を憂慮している。
中央日報の日本語版サイトに「<韓国の牽制に出た中国>中国、WTO・FTA規定を無視」(2月1日)の見出しで翻訳されています。
「朴槿恵の失態」暴く左派系紙
1月6日の北朝鮮の4回目の核実験を受けて、朴槿恵大統領は1月13日に国民向け談話を発表しました。その中で、THAAD配備に関し「安保・国益に基づき検討する」と語りました。
中国から「配備を絶対に認めるな」と命じられていたのに、韓国はここで配備容認の方向に転じたのです。
「電池事件」はその直後に起きたので、韓国政府はTHAADとくっつけて記者に説明したのでしょう。ただ、本当に関係するのかは分かりません。韓国側の思い過ごしの可能性もあります。
2月7日午前、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射しました。その5時間後に韓国国防部が記者会見して「THAADの在韓米軍への配備に関し、韓米両国は公式協議に入る」と発表しました。大統領の「検討」からさらに一歩、踏み込んだのです。
すると、中国外交部は直ちに駐中韓国大使を呼び「THAAD配備容認」に抗議しました(「 『THAADは核攻撃の対象』と韓国を脅す中国」参照)。
これ以降「中国がこうして報復して来るはずだ」との予測記事が韓国紙に載るようになりました。左派系紙の記事からは「朴槿恵政権の外交上の失態」を強調する意図も感じられます。
中国系資金が逃げ出す
ハンギョレは「中国が貿易と金融の両面で報復して来るだろう」と書きました。「高まるコリアリスク……安保危機が経済にまで波及か」(2月18日、日本語版)です。
- 専門家たちはTHAAD配備が現実となった場合、中国が貿易報復に出る可能性が高いと予想している。実際に中国は、2010年に中国が反体制派に分類した劉暁波氏にノーベル平和賞を与えたノルウェーからのサーモンの輸入を、2012年に尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日本との領土紛争が起きた際には希土類の輸出を、それぞれ中断した。
- 昨年末から国内株式市場に投資された中国系資金の離脱が急激に進んでいる。金融監督院の資料によると、中国系資金の国内株式市場からの離脱量(売り越しベース)は昨年11月に172億ウォン(約15億9500万円)から12月には5885億ウォン(約546億5500万円)に増え、今年1月にも4762億ウォン(約441億8500万円)に達した。
- 中国の経済不安による資金移動の性格が強い。このような状況で、最近の韓中の対立と地政学的リスク要因まで反映されると、中国系資金の離脱が加速する可能性もあるというのが大方の分析だ。
- 株式に比べて比較的に安全な資産とされる債券市場で、中国系資金の離脱が本格化した場合、影響ははるかに大きくなる。国債など主要債権の金利が上がり、債務水準が高い家計と企業の財務健全性が脆弱になる恐れがあるからだ。中国系資金の国内債券保有額は17兆4000億ウォン(約1兆6145億円)で、米国(18兆ウォン=1兆6717億7000万円)に続いて2番目に多い。
軍事報復もお忘れなく
—前回の「『通貨危機のデジャヴ』にうなされる韓国」の最後のくだりは韓国が通貨危機に陥った際、中国は嫌がらせできるという話でした。
鈴置:いざという時に、中韓通貨スワップの発動に応じないという手です。でも中国には、それより前に資本を引き上げてしまい危機を誘発する手もある、というのがハンギョレの指摘です。
なお、中韓関係が悪化する前から、中国が韓国にスワップを発動できるかに疑問が出ていました。今や、中国自身が人民元の防衛に手いっぱいだからです(「『中国の尻馬』にしがみつく韓国」参照)。
通貨危機に陥った韓国が中国にスワップを発動してもらい、人民元を借りるとします。仮に総枠の半分としても、韓国は中国から借りた280億ドル相当の人民元を、一挙にドルに換えることになるわけです。これを引き金に人民元が暴落する可能性があります。
—韓国紙は「軍事的報復もあり得る」と書いていますね。
鈴置:当初、韓国人はなぜか「経済的報復」ばかりに目を向けていました。すると中国から「軍事面で報復する手もあるのだぞ」と、“注意喚起”が来ました。
朝鮮日報のインタビュー記事「サードが配備されれば……中国も対応武器を東北地域に配備する」(2月18日、韓国語版)で成曉河・中国人民大学国際関係学院教授はこう語っています。
1時間で日韓のTHAADを破壊
- (「中国が韓国企業などを対象に報復的な制裁をする可能性は?」との質問に対し)極めて低い。THAAD配備は軍事・安保問題であるだけに、軍事・安保的に対応すべきだ、というのが私の考えだ。
- (「THAADが配備されたらどうするか?」との質問に)中国・東北地域にTHAADに対応する武器システムを配備するであろう。弾道ミサイルに関連した中国の軍事技術は過去と比べ相当に進歩した。
環球時報も2月16、17日の連日にわたって、東北地方に韓国を狙った弾道ミサイルを大量に配備する、と書いています。この新聞は人民日報の姉妹紙で、中国共産党の対外威嚇用メディアです。
英語版のGlobal Timesでも読めます。記事はそれぞれ「Beijing, Seoul must keep clear mind」(2月16日)と「China must prepare for worst in Korean peninsula」(2月17日)です。
さらに2月21日、中国のネットメディアは一斉に「韓国と日本のTHAADは中国軍の空爆により1時間もあれば破壊できる、と解放軍報が報じた」と流しました。「中国瞭望」(中国語)の記事などで読めます。
「反中」できる国力なし
—「空爆」ですか! ここまで言われたら、韓国は中国にそっぽを向きませんか?
鈴置:韓国人が中国への反感を高めたのは確かです。SNS(交流サイト)や新聞のネット版への読者の書き込み欄は、中国に対する罵倒で満ち溢れています。
ただ、反中感情が反中的行動につながるとは限りません。反中感情の根には恐中感情があります。中国を恐れるがゆえに、中国にすり寄っていく可能性も大いにあるのです。
韓国人は好き嫌いで国の針路を決められません。それを可能にするだけの国力と、地政学的位置を持たないからです。中国が大嫌いだろうと、中国には従わなければならぬことが多いのです。
日本人に「我々は中国が嫌いだ。だから離米従中なんてあり得ない」と言ってくる韓国人が多い。だが、それを鵜呑みにしてはなりません。彼らは、希望を語っているに過ぎないのです。
深まった恐中感情
—邱国洪大使は外交官として、韓国人をあれだけ怒らせていいのかな、と思いながら見ていました。
鈴置:同じ質問を多くの日本人から受けました。私は「大使は外交官として実にうまくやった」と答えています。狙い通りに、韓国人が「恐中感情」を深めたからです。
もちろん、それで韓国人が直ちにTHAAD配備反対に回るとは限りません。しかしこの機会に韓国人により深く植え付けた「恐中感情」が今後、折に触れ効果を発揮するでしょう。
紳士的に話し合うよりも、理不尽にどやし付けた方が言うことをよく聞く――。韓国人というものを、中国人は見抜いています。隣国として、千年以上も付き合ってきた賜物でしょう。
それと比べると、日本人の対韓認識など底の浅いものです。譲歩すれば仲良くなれると勝手に思い込んでいるのですから。
米国人も分かっているとは言えません。韓国人の心の奥底をしばしば見落として失敗します。米国や日本の外交関係者は、邱国洪大使の爪の垢を貰った方がよいかもしれません。
朴槿恵がピエロになる日
—韓国人が中国のマインドコントロールにはまったとしても、北の核の脅威を目前にした今現在は、米国を頼りにせざるを得ないのでは?
鈴置:それはそうです。ただ、対北朝鮮制裁案を米中が水面下で煮詰める過程で、韓国人は米国に対する不信感を抱き始めました。
米国の要求通りにTHAAD配備を受け入れた。その結果、中国から激しく脅され、関係も急速に悪化した。というのに、米国はTHAADを中国との交渉カードとして使っているようだ。強硬な制裁案を中国にのませるために、THAAD配備計画を引っ込めるかもしれない――と韓国人は疑い始めたのです。
もしそうなれば、突然に姿勢を転じ「THAAD配備は防衛に必須」と国民に訴えた朴槿恵政権は、梯子を外されてしまいます。ピエロになってしまうのです。
—朴槿恵政権は露骨な「離米従中」路線を進めてきました。これはどうなるのでしょうか。
鈴置:確かに、米国の強力な圧力と北朝鮮の核・ミサイル実験により「離米従中」を続けるのは難しくなっています。でも、まだ分からない。韓国が米国側の国に戻ると判断するのは早いのです。
韓国でまた、反米感情が燃え上がるかもしれない。一方、米国もTHAADのみならず韓国という国自体をカード化し、中国との取引に使う――中国に売り飛ばすかもしれないのです。米国にも、韓国を見限ったフシが見られますしね。
(次回に続く)
2/29日経電子版 Financial Times『中国不動産市場、「摩天楼の呪い」にかかる恐れ』について
中国ではビル建設で資金繰りに窮すると、そのまま工事中断し、また金ができると工事再開というプロセスが普通です。小生が1997年~2005年にいたときも手付かずのビルは沢山あり、かつ完成したビルでも灯りがついていないマンションが多くありました。これは投資用で買って住んでない部分もあったでしょうけど、買われてなかったのではと言う感じでした。物件が高過ぎて賄賂を取らない限りは買えませんでしたから。
工事中断して、再開するには資金の手当てをしなければなりません。銀行が融資するかと言うと、理財商品に手を出したり、不動産融資が焦げ付いたりして新たに融資できる体力があるとは思えません。また既存の物件を売却してとなると投げ売りに近くなり、益々不動産市況を悪化させます。デフォルトによる倒産しかないのでは。
中国の建設ブームは役人、取引業者等に賄賂が入るため煽った方がトクになるからです。需要については無視します。生産過剰も同じ構図。造れば造るほど納入業者から賄賂が入るためです。誰も買えなければ叩き売らないといけなくなります。当面資金繰りは出来るでしょうが、赤字で売れば損失が累積していき、やがて倒産となるでしょう。
周小川人民銀行総裁はG20で次のように発言したとのこと。2/29宮崎正弘メルマガより。
「第一に「通貨安戦争を中国は意図していない」と発言した。
人民元の若干の切り下げは輸出好調の筈だが、貿易は減少傾向にある。16年一月の貿易は前年比マイナス14%だったが、とくに言及はなかった。
第二に「人民元は中国が恣意的にレートを決められるものではなく、重層的にドルにペッグしている」とし、依然として世界市場はドルがリードしているとした。
第三に債務危機を指摘されて「一部には対GDP比250%(FTは290%と推定しているが)と言われているが、それなら債務リスクをはかる基準はなになのか」と周小川は開き直る。
第四は個人ローンの危機だが、全体の25%であり、深甚なリスクとは思えない。全住宅関連の債務は全体の40-5%であると数字を挙げるのみに終始した。
第五に資金流失のリスクを批判されたが、周は「問題は国内景気浮揚である。銀行間の調整を日夜行っており、資金の海外流失は些細な問題だ」と問題をすり替えた。
第六に金融システムの改善、改変だが、これは調整中であり、2015年に中国が遭遇した通貨下落、株暴落などの経験から「今後も調整が必要という認識はあり、現在研究中だ」とした。裏を返せば調整は進んでいないということである。
第七にサプライサイド政策を続行し、市場に観測されるボラタリティ(乱高下)は「心配におよばない」と裏付けのない、強硬発言しかなかった。
楼継偉財務相も、記者会見では「競争力のために為替レートを目標にはしない」「中国版プラザ合意の成立説はファンタジー」などと事前にも発言していたが、「中国はなお、財政出動の余地がある」としたことに注目しておきたい。」と。
中国人ですから韓国人と同じく「息を吐くように嘘をつく」のが得意というか、これが当たり前の民族です。鉄面皮としか言いようがない。困ると論理のすり替えをするのは世界的に見て左翼の得意とするところ。慰安婦だって当初強制性を強調していたのが、旗色が悪くなると女性の人権にすり替えました。左翼の代表、朝日新聞の得意な所です。こんなイエローペーパーorプロパガンダ新聞(人民日報日本版)をクオリテイペーパーと勘違いして金を払ってまで読む人の気が知れません。
記事
中国中央部にある毛沢東の生地に向かう高速道路の両側には完成しても入居者のいない高層マンション群が林立する。湖南省長沙市では、世界一高い838メートルの高層ビルとして計画されたスカイシティの建設予定地が見られる。ほんの3年足らず前、起工式を行ったが、今、そこは即席の魚の養殖場となっている。
江蘇省南京に立ち並ぶ新築の住居用高層ビル=ロイター
経済学者はかねて「摩天楼の呪い」と呼ばれる学説について議論してきた。世界最高の高層ビル建設と、ほぼ同時期の金融危機との間には不思議な相関関係があるとする説だ。
今日、世界経済で最も重要でかつ最大のリスク要因は、中国の不動産市場だと指摘するアナリストがいる。2011~12年の2年間で中国が生産したセメントの量は米国の20世紀全体の生産量を上回ると聞けば納得できるだろう。
近年の中国の建設ブームは、地方の役人が過熱させてきた。土地の販売額のかなりの部分が彼らの懐に入るからだ。中国経済は投資への依存率が異常に高い。国内総生産(GDP)の半分近くが投資支出だ。
15年には中国経済が減速し、国内上位70都市の平均住宅価格が下落したというのに、不動産投資は1%増加した。中国の成長率は低下し、世界の商品価格が下落している中で、中国の不動産部門はいまだ本気で調整に着手すらしていないということだ。不動産投資は遠からず確実に減少に転じる。そうなれば、中国の金融システムにも重大な影響が及ぶ。
中国の複数の都市の役人の話を聞く限り、彼らが考える解決策とは、新しい地区で開発を始め、「質の高い」不動産開発業者に格安で土地を提供するというやり方だ。土地の購入費が安ければ、その物件は格安で販売できる。
これにより新たな資金の流れが生じ、土地からの収入が復活し、GDPが増大すると地方の役人はまだ思っている。しかしこうした発想が今もまかり通っているとすれば、冒頭のスカイシティの起工式の時点で中国には「摩天楼の呪い」が訪れていたのかもしれない。
By Jamil Anderlini
(2016年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)






