『天安門事件30年、中国を許した米国の失敗』(6/4ダイヤモンドオンライン WSJ)『ついに「長征」を宣言した習近平氏、米国との持久戦を覚悟』(6/4日経ビジネスオンライン 広岡延隆)『「反ファーウェイvsレアアース」の米中衝突を徹底解説』(6/3日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

6/4阿波羅新聞網<外媒:中国陆军医院前实习生亲历活摘器官=外国メディア:中国陸軍病院の元インターンは生きた臓器の摘出を経験した>“ニューヨーク・ポスト”は、6/1《元病院勤務者:中国の反体制派は臓器摘出による処刑》の記事を掲載し、中国の瀋陽陸軍総合病院のインターンが臓器摘出を手伝わされた経験を明らかにした。

記事は、「中国の臓器移植のシステムは単なる殺人ではなく、エスニッククレンジングであるかもしれない。当時の江沢民党書記長が法輪功を迫害した後に、中国の臓器移植ビジネスにおける多くの新鮮な臓器の供給源は法輪功学習者である。

少しずつ、中共の狂気がメデイア等に明るみに出てきています。漢民族の異常性と、共産主義の異常性が相俟って発現するのですから、人格破壊や精神破壊のレベルは相当なものになります。日本人は彼らに工作を受けて来て、どうして簡単に彼らの言うことを信じるのでしょう。嘘の南京事件を虐殺と言い、事実の天安門事件は無いことにする、所詮プロパガンダと言うことに気付かなければ。野党政治家と日本のメデイアは中共の手先です。自分の目と頭をフル回転させないと。

https://www.aboluowang.com/2019/0604/1297618.html

6/4阿波羅新聞網<三十年声犹在耳: 六四亲历者回忆枪响时刻=30年前の音がまだ耳に残っている 6月4日の目撃者は銃の発射の瞬間を思い出す>

音声は中国語、7分23秒の内、事件発生の部分は5分くらいから https://www.aboluowang.com/2019/0604/1297625.html

6/3看中国<独家:30年前一位日本青年拍下的六四前照片(组图)=独占:30年前に日本人の若者が撮った6月4日の写真>下のURLをクリックして写真をご覧ください。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/06/03/895707.html

6/3希望之声<新书《揭穿》:“激进化的”媒体想要摧毁川普 却毁了自己=新刊“仮面を剥ぐ”:「急進的な」メディアはトランプをダメにしたいと思ったが、メデイア自体を台無しにした>6/4に正式に出版される新刊、“Unmasked – Big Media War Against Trump”の共著者、Brent Bozell (Media Research Center)によれば、「この本は主流メディアが如何にトランプ大統領をダメにしようとしたか、だが結果は却ってメデイア自身をダメにしてしまった」と述べた。 この本に記録されているメジャーなメディアが犯した間違いと彼らが捏造したフェイクニュースを読んでほしい。本当に自壊の前兆が読み取れる。

米国メデイアも左翼シンパでしょう。国境を無くすのが良いと考えるグローバリストです。中共のチベット、ウイグルを見れば、世界統一政府ができれば異端は悲惨な目にあわされるのが理解できるはずです。トランプは「米国は永遠に社会主義国にはならない」と言ったのは正しい。人権を尊重しない、自由もなければ民主的でもない共産主義を後押しするのは人類に対する犯罪です。メデイアは自覚的か無自覚なのかは分かりませんが、直観が働いていないという事です。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/06/03/n2931490.html

WSJ記事では父ブッシュの時代から(というか戦前から)米国人は中国人の本性を理解して来なかったという事です。「豊かになれば民主化する」というのは間違った考えです。それにやっと気づいたという事でしょう。

広岡氏の記事では、習近平が第二の長征を宣言したとあります。以前にも書きましたが、毛沢東の時代の貧しさと、今の豊かな時代とでは民衆の忍耐力に相当の開きがあります。大衆が蜂起しようとしても、治安警察や解放軍を掌中に収めているのですぐに鎮圧されるでしょうけど。やはり、関税だけでなく、金融制裁、軍事制裁(石油供給遮断等)もやって、経済崩壊させるべきです。債務が膨れ上がっている中国に経済ブロック化できるだけの能力があるとは思いません。

細川氏の記事は実務をこなしてきた経験から、日本企業に対する警告が含まれています。日本企業は真剣に対応し、中国へ味方することは止めないと。レアアースの問題は長期的には南鳥島の開発をすれば良いと思うのですが。

WSJ記事

筆者のジェラルド・ベーカーはWSJエディター・アット・ラージ ***  1989年春に天安門広場で学生が行った民主化デモには忘れがたい場面がいくつもある。もちろん、流血の事態に至った悲惨な結末もその一つだ。人民解放軍の戦車の前に武器も持たず、落ち着いた様子で立ちはだかった勇敢な男性の悲痛な姿もそうだ。  

しかし、米国人にとっておそらく最も強烈な映像は「民主の女神」像だった。民主の女神は学生が制作した間に合わせの像で、毛沢東の肖像画と霊廟(れいびょう)の真向かいに設置された。学生運動の指導者らは米国の「自由の女神」のレプリカではないと主張したが、そのよく似た姿を米国人が見逃すことはなかった。トーチを高く掲げる女性像は、自由な空気を求める世界中の人々の権利と願いを後押しする役割が米国にあることを想起させた。  

自由という普遍的な権利のために戦ってきたという米国なら、容赦ない弾圧にさらされている自分たちと連帯して立ち上がってくれるだろう――。当時の中国の学生たちがそう期待していたとすれば、その期待は見事に裏切られた。 ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は当初、中国政府による弾圧を非難し、中国への武器輸出を停止するなど制裁を発表した。しかし、米政権は早い段階で、天安門事件を対中政策の転換点にしないことを決定していた。米国は公式の反応として、基本的に何も起きなかったかのように振る舞うことが明白になった。天安門事件のほんの数日後、ブッシュ大統領は「今こそ米国にとって、極めて重要なこの関係の重要かつ永続的な側面を見据えるべきだ」と発言したのだ。いつも通りの関係を続けるという政府の決定はワシントンで猛反発を招いた。議会では民主党議員と一部の共和党議員が対中制裁を要求し、中国に対して対決姿勢を強めるよう求めた。  

世界(中国を除く)は今週、天安門事件の30周年記念日を迎えるが、当時の米国の態度は今でも間違っていないと言えるだろうか。中国の虐殺者たちへの寛大な対応は2つの主張に基づいていたが、結果としてそのどちらにも欠陥があった。  一つ目の主張は現実の政治に基づく主張だ。当時、中国は米国にとって、冷戦の最大の敵だったソ連の力を抑えるために極めて重要な存在だった。しかも1989年春の段階では、ソ連が崩壊し始めたことは明らかになりつつあったが、数カ月後のベルリンの壁崩壊まで予想する声はワシントンにはなかった。  

ところがその後、三つどもえのチェスの中で中国が果たした役割は米国にとって役立つものではなくなった。2年後、ソ連が完全に消滅し、それから数年後には米国の覇権を長きにわたって脅かす大きな動きが中国で生じ始めた。  

今になってみれば、当時の米国の自制を正当化する2つ目の主張もうわべの議論のように思える。ブッシュ政権内では、大統領を批判する勢力がまさに訴えていた人権上の進展を達成するには関与の継続が不可欠だと考えられていた。大統領はそれをこう表現した。「人間には商業的な動機があるのだから、中国だろうとその他の全体主義国家だろうと、民主主義への移行は止めようがなくなる」。外交上の礼節を維持することで中国共産党内の「改革派」を後押しできるが、政治的および経済的に中国を孤立させれば「強硬派」を盛り立てるだけだ――。それが米国の考えだった。

過去30年の出来事を振り返ると、1989年の中国政府の行動を大目に見ようというこの米国の姿勢が大きな成果を挙げたとは言い難い。そしておそらく、経済や政治、外交の各分野で中国が繰り返すますます強硬な振る舞いに対しても同様のことが言えるだろう。  米国がより断固とした対応を取っていれば事態が大きく変わっていたかどうかは誰にも分からない。当時、中国の潜在的経済力は既に解き放たれていた。米国が中国を孤立させようとしたとしても、この30年で中国の経済成長は着実に実現されただろう。それに中国と対立して封じ込めるより、受け入れようとしたことは正しかったという説得力のある主張もある。  

ただ、より開かれた民主的で自由な社会への移行を後押しするという狙いからすれば、中国政府の行為を許すという30年前の米国の決断は目も当てられない失敗だ。 (The Wall Street Journal/Gerard Baker)

広岡記事

1934年、国民党軍と戦っていた中国共産党軍10万人は拠点としていた江西省瑞金の地を放棄し、壮絶な行軍を始めた。約2年の歳月をかけ1万2500kmを移動して陝西省延安にたどり着いた時、残っていたのはわずか2万人とも3万人とも言われている。この長期にわたる行軍の中で、毛沢東は共産党における指導権を確立した。  

中国近現代史におけるハイライトの1つ、「長征」と呼ばれる出来事である。無残な敗退戦だったとの見方もあるが、中国では長征を歴史的偉業と位置づけている。形勢不利の中でも持久戦に切り替えて耐え忍んだことが反転攻勢のきっかけとなったことは間違いなく、この出来事は中国共産党のDNAに深く刻まれた。

(写真:akg-images/アフロ)  

5月20日、長征の出発地を訪れた習近平国家主席は「今こそ新たな長征に出なければならない」と国民に呼びかけた。米中貿易交渉は行き詰まり、対立が激化している。米国との争いの短期決着は諦め、持久戦に持ち込むとの宣言とも取れる。  

天安門事件後は「豊かさ」で国民の不満を抑え込む

 このままの展開が続けば、待ち受けるのは経済や技術のブロック化だ。問題はそれが中長期的に必ずしも米国にとって有利に働くとは限らない点にある。次世代通信技術では中国は世界最先端の地位を確立した。国家規模でのビッグデータやAI(人工知能)活用においても、プライバシーなどの壁をクリアしなければならない民主主義国家に比べて中国が有利だ。弱点である半導体などの技術分野も急ピッチで追い上げている。中国がブロック経済圏を確立してしまえば、技術的にも経済的にも米国の影響力はむしろ失われる。

 一方の中国にも弱みはある。今日6月4日は1989年に起きた天安門事件からちょうど30年に当たる。民主化を訴える学生への武力行使は、中国共産党にとっては消し去りたい記憶だ。節目を迎える中で、海外メディアによる天安門事件についての記事が目立つ。肝心の中国国内における民主化運動は下火だが、それも経済的な豊かさがあってこそ。天安門事件以降、中国共産党は経済成長を以前にも増して追求し、国民に豊かさを享受させることで、一党独裁体制の安定を図った。

 民主化への動きが下火になっている現状は、そのもくろみが現段階ではうまくいっているということだろう。ただし今後、貿易戦争による経済の混乱が拡大し、長期化すれば、現在の政治体制への不満が噴出しかねない。それは中国政府にとって最も避けたい展開だろう。

 激しさを増す米中の貿易戦争。「新長征」を呼びかけた習国家主席はこれを共産党の存続をかけた戦いと位置づけたのかもしれない。だとすれば、両国の争いが容易に収まることは考えづらい。日本経済への影響もさらに大きなものになりそうだ。

細川記事

「ファーウェイ問題」はこの先どう展開するのか(写真:ユニフォトプレス)

 中国の華為技術(ファーウェイ)への事実上の禁輸という米国が出した切り札によって、世界で激震が続いている。ファーウェイの任正非CEO(最高経営責任者)は強気の姿勢を崩さないが、背景にはファーウェイが既にこの米国の動きを早々に察知して早くから手を打ってきたこともある。

 2月5日の本稿でもこの事態を予想していたが、ファーウェイもこの頃既に米国の動きをつかんで動いていた。購買の責任者が日本企業などに“サプライヤー詣で”を熱心に繰り返し、供給確保に奔走していたのである。

■参考記事:米国は中国ファーウェイのサプライチェーン途絶に動く

 ただ、ファーウェイは平静を装っているものの、半導体設計大手の英アームとの取引停止のインパクトは大きい。ファーウェイが強気でいられるのは同社子会社ハイシリコンからの半導体供給があるからだが、米国由来の技術を含むアームの技術がこの半導体設計に使われており、半導体生産に打撃を受けるのは明らかだ。

 またハイシリコンが半導体生産を委託している主たる委託先は台湾積体電路製造(TSMC)である。今のところ、これまでどおり供給を続けることを表明している。しかし実態はファーウェイからの要求と米国の圧力の間の板挟みで、双方から“踏み絵”を迫られる悩ましい状況に置かれているようだ。仮に米国から「利敵行為」と見なされれば、自らが米国の制裁対象にもなりかねないリスクを負っている。

トランプ大統領はファーウェイで“取引”するのか?

 一方、トランプ大統領がファーウェイへの制裁も中国との取引の対象になり得ると言及して波紋を呼んだ。恐らく市場への安心材料として株価対策の面もあるのだろう。

 トランプ大統領には昨年、中国通信大手ZTEへの制裁を習近平主席との取引に利用し成果を上げた成功体験がある。だが、ファーウェイ問題の根深さを見誤ってはいけない。

 昨年8月の記事「米中は『貿易戦争』から『経済冷戦』へ」でも指摘したが、トランプ大統領と「オール・アメリカ」を分けて考えるべきだ。

 「オール・アメリカ」とはワシントンの政策コミュニティーを形成する、米国議会、シンクタンク、諜報機関、捜査機関、などを指す。中長期的な視点で対中警戒感を強め、昨年10月のペンス副大統領の“新冷戦”宣言ともいうべき対中演説がその代表例だ。ファーウェイへの警戒感の震源地でもある。

 他方トランプ大統領は自らの選挙戦にしか関心がなく、取引による短期の成果を求めている。彼にとってファーウェイ問題も取引材料の一つにすぎない。それをさせないのが「オール・アメリカ」の考えていることだ。オール・アメリカにとっては昨年、トランプ大統領がZTEを取引の材料にされたことは、「悔しい汚点」なのだ。そのため今回は、議会共和党主流も含めて黙っておらず、トランプ大統領に取引をさせないだろう。

 「オール・アメリカ」のシナリオは明確だ。

 懸念ある中国企業に対しては次の3段階で締め出そうとしている。

  • 第1段階:米国の政府調達から排除する。米国政府が「買わない」「使わない」
  • 第2段階:米国の民間企業に「買わせない」「使わせない」
  • 第3段階:部材を「売らない」、製品を「作らせない」

 ファーウェイについては、昨年8月に第1段階、そして今回は第2、第3段階に突入した。ファーウェイ以外についても、監視カメラの中国企業ハイクビジョンや人工知能(AI)企業など数社が今後、第1段階から第2、第3段階への移行対象として名前が挙がっている。先般、米国土安全保障省が、中国製ドローンが収集した映像データに中国当局がアクセスする可能性がある、と警告した。ドローンのトップ中国企業DJIも、第1段階の対象になる候補として名前が挙がっている。

 こうした一連の動きはトランプ大統領に関係なく、ワシントンの「オール・アメリカ」として根深い動きであるため、トランプ大統領による関税合戦の取引とは一線を画して考えるべきだ。

サプライチェーンの次は「研究開発ネットワークの分断」

 こうした米国の動きに対して、部材を供給する日本企業も、米国の規制に違反しない範囲で、どうファーウェイとの関係維持を図れるかを模索している。もちろん今後の成長を考えて、ファーウェイとの取引は大事なビジネスチャンスだ。しかし同時に、米国企業が手を引いた穴を埋めるような“漁夫の利”ビジネスには要注意である。仮に米国から見て、「利敵行為」「背信行為」と映れば、制裁対象にもなり得ることを経営者は現場にも徹底すべきだろう。

 企業として注意すべきことをいくつか指摘したい。

 米国の規制で「再輸出規制」がある結果、日本企業が供給する製品に米国製の技術、製品が25%以上含まれる場合は、米国の規制がかかることは、ようやく知られるようになってきた。

 問題はそれにとどまらず、研究開発にも及ぶことだ。その際の落とし穴は「みなし再輸出」である。

 ファーウェイとの関係強化のためにファーウェイとの共同研究をしている日本企業も多い。その際、米国由来の技術が含まれていれば、ファーウェイへの技術移転として「みなし再輸出」の規制対象になることはあまり知られていない。

 さらに、米国の2019年度国防権限法により、米国の大学が懸念ある中国企業からの資金提供を受けたり、共同研究したりすれば国防総省の予算を受けられなくなる。この結果、米国の大学はファーウェイとの共同研究も打ち切っている。これが日本の企業・大学にも影響するのだ。

 ファーウェイなど米国から見て懸念のある中国企業との共同研究を行っている日本の企業、大学は、米国の大学からみると、問題視される可能性がある。その結果、米国との共同研究に支障が生じる可能性が否定できない。経営者は輸出には注意を払っていても、研究開発部門のことは技術者任せになっているケースも少なくないだろう。

 こうした米国の動きは「サプライチェーンの分断」だけではなく、「研究開発ネットワークの分断」にもつながりかねないインパクトがあるのだ。

 中国が「軍民融合」をうたっていることから、民生技術の軍事転用には厳しく目を光らせることになることも指摘しておきたい。日本企業も輸出に際し、軍事用途に使われないよう用途確認を行うことに一応なっているが、企業の現場では形式チェックだけで形骸化している面も否めない。しかし、少なくともファーウェイ向けに対しては形骸化が許されない。日本企業も社内の輸出管理のあり方を再チェックすべきだろう。我々は80年代の東芝機械ココム事件の怖さを忘れてはならない。

 また共同研究も成果が軍事転用されることのないよう歯止めが必要だ。

レアアースは中国の切り札になれるのか?

 こうして米国が対中の切り札ともいえる「ファーウェイ・カード」を切ってきたことに、中国はどう反撃するのか。

 「中国がレアアースで米国をけん制」との報道が飛び交っている。5月20日に習近平主席が江西省の磁石メーカーを視察訪問して、「重要な戦略資源だ」と強調したことに端を発して、対米輸出規制をほのめかした共産党機関紙の論評記事、国家発展改革委員会の声明発表と続いた。

 磁石メーカーの視察訪問に対米交渉の責任者である劉鶴副首相を帯同させたのは、米国をけん制するためのメッセージだろう。同時に、対米弱腰外交と批判する共産党内の保守強硬派へのアピールの面もあるようだ。逆に言えば、米国によるファーウェイに対する事実上の禁輸措置に対して、有効な対抗策を打てないことへの裏返しでもある。これ以外に対抗カードになりそうなものが見当たらないのだ。

 ただ一旦ここまでほのめかすと、習近平政権としても単なる国内向けのアピールにとどまらずに、実際にカードを切らざるを得なくなる可能性があることは懸念される。

レアアースを“十羽ひとからげ”に見る日本のメディア

 日本の報道を見ていると、レアアースを十羽ひとからげに捉えて、中国が世界の生産量の7割を占めることや、米国のレアアースの輸入の8割を中国に依存していることが強調されている。だが、これでは表面的な理解しかできない。

 レアアースは、環境規制の緩い中国での生産コストが安いのでシェアが高いだけで、中国が輸出規制すれば、価格が高騰し、他国の企業が代替供給できるため、レアアース規制は中国の強力な武器にはならないという主張もある。中国は世界の生産量は7割を占めていても、賦存(ふそん)量は世界の3~4割であることから、これは一面正しい。ただし、これもそう単純ではなく、レアアースの種類ごとに子細に見る必要がある。

 中国は相当調べ上げたうえで、もっと焦点を絞った対応を考えているようだ。現在の中国は2010年に日本に対して供給途絶した際と同じではない。中国もこの当時の経験から学んでいる。私は当時、この問題の対処に奔走していた経験から、もう一歩踏み込んで考えてみたい。

 まずレアアースは、少なくとも「軽希土類」と「重希土類」に分けて考えるべきだ。

 前者はセリウム、ランタンなどガラス研磨、触媒、光学レンズなどに使われるものだが、中国以外の国からの代替供給は可能だ。実際、2010年当時も他国からの代替供給が増えて、その結果、中国の制裁解除後、価格が暴落したという苦い経験を中国はしている。

 また供給途絶を受けた日本のメーカーはレアアースを極力使わない技術も開発し、状況は当時から劇的に変化している。現在の米国の対中依存度が8~9割だからといって、単純に壊滅的打撃を受けるというのは早計だ。2010年当時の日本企業と同様に、米国企業も代替供給、使用削減を大胆にするだろう。その結果、中国自身の首を絞めかねない、いわば“もろ刃の剣”なのだ。

 他方、重希土類はジスプロシウムなど磁石に使われ、強力な磁性や耐熱性を出すために磁石に添加する。EV(電気自動車)のモーターに使うだけでなく、ミサイルの精密誘導装置や戦闘機のレーダー、ソナー装置などにも使われ、安全保障上の大きな懸念材料だ。これらは中国以外の代替供給ソースは短期的には困難だ。地質上、中国南西部に偏在し、まさにそこに狙いを定めて習近平主席は訪問視察している。

 なお、同じく磁石に使われるネオジムは重希土類と軽希土類の中間に位置し、オーストラリアなどでも代替生産可能で、生産拡大の動きは既に出ている。

複雑な要素が絡み合う駆け引きが続く

 2010年以降、米中双方で、レアアースを巡る動きは活発であった。

 中国は2010年の経験から、その後、日本の磁石メーカーの一部から技術移転を得て、中国自身、磁石生産もある程度できるようになって、交渉力は当時よりは強くなっている。

 米国も2010年の中国による供給途絶を受けて、国防上の重要問題とし取り上げられ、国防備蓄も含めてサプライチェーンを確保するための法案が成立している。2018年8月、投資規制、輸出管理など多面的な対中戦略を規定した2019年度国防権限法においても、国防総省が中国からレアアース磁石を購入することを禁止している。それとともに国内のレアアース生産への経済支援を与える法案も可決している。

 仮に中国による米国への供給途絶があった場合、どうだろうか。

 日本の磁石メーカーも米国への供給に制約がかかるだろう。他方、磁石メーカーにおける備蓄もある程度あるので、しばらくはしのげるかもしれない。ジスプロシウムを使わない磁石の開発もある程度進展している。しかしそれがどの程度実用可能か不透明だ。

 2010年からの輸出規制に対しては、日米欧は世界貿易機関(WTO)に提訴して、2014年に中国は敗訴している。それにもかかわらずまた輸出規制を発動すれば、国際的に孤立を招きかねないリスクも計算に入れなければならない。

 こうしたさまざまな要素を織り交ぜた米中の駆け引きがまさに行われている。日本の報道にあるような単純な「切り札」ではないのだ。恐らく主要20カ国・地域(G20)大阪会合まではこうした計算が行われ、仮に中国側の動きがあるとすれば、G20後の可能性が高いのではないだろうか。

 従って、安倍総理がG20および日中首脳会談でこの問題にどう対処していくかが極めて重要になってくる。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『安倍外交に乗ったトランプ大統領』(6/3日経ビジネスオンライン 酒井 吉廣)について

6/2阿波羅新聞網<高调预告竞选连任!川普支持率完胜拜登=大統領再選を高らかに予告! トランプ支持率はバイデンを上回る>トランプ大統領はSNSを通じて、6月18日フロリダ州オーランドでの集会で正式に再選に向けた出馬を発表し、2020年の大統領選挙への序章とする。

内政・外交政策に批判が多いにもかかわらず、トランプの支持率は、米国経済が好況のおかげで、この2年間で最高レベルに達した。 5/31(金)にHarvard CAPS / Harris Pollが発表した最新の世論調査によると、トランプの支持率は48%で、3月より3ポイント高く、2017年6月の記録を追っている。

米国が正しい方向に進んでいると考える回答者は39%に過ぎないが、51%の回答者は経済が正しい方向に進んでいると考えており、71%の回答者が経済は強いと答えている。 有権者は経済の好結果に満足しており、トランプ再選を助ける。

共和党のトランプとは異なり、民主党の大統領選候補は23人もいる。 最近の世論調査によると、バイデンは民主党内で支持率が最も高く、支持率は36%で、二位のサンダースより19%高い。 残りの21人は二桁に達していない。

良い傾向です。このまま突っ走って行ってほしい。問題は米国大統領選(2020年11月)より前に来る台湾総統選(2020年1月)でしょう。国民党の韓国瑜・高雄市長が1日出馬表明しました。鴻海の郭台銘会長は華為生産停止の問題があり、出馬するのかどうか?韓国瑜は中共の金、郭台銘は鴻海の金を使って買収しようとするでしょう。台湾国民には賢明な選択をお願いしたい。

https://www.aboluowang.com/2019/0602/1297183.html

6/3阿波羅新聞網<美中贸易战波及 港媒:富士康已停止华为生产线=米中貿易戦争が波及香港メディア:Foxconnが華為の生産ラインを停止した>米国の安全を守るために、米国は中国の華為が製造した電気通信設備を封じ込め、世界中の企業もその列に加わった。香港の報道によると、鴻海グループの子会社であるFoxconnは、最近になり華為のスマホの生産ラインを停止した。

香港の “South China Morning Post”は、「事情通は、台湾の鴻海グループの子会社で、深圳にある電子機器メーカーのFoxconnは数日前に華為のスマホの生産ラインを停止したと」と報道。ただ今年に入り売り上げが急増していたFoxconnは人材を大量に募集していた。生産停止のニュースが伝わるとFoxconnは回答を拒否、華為もコメントしなかった。

事情通は、「スマホメーカーは生産計画に柔軟性を持っているため、生産量を増やしたり、状況に応じて生産量を減らしたりすることができ、目下この減産が一時的なのか長期に華為製品を生産しないのかは分からない」と指摘した。

https://www.aboluowang.com/2019/0603/1297196.html

6/3阿波羅新聞網<隐形未爆弹? 路透:中国逾10间地方银行今年未出财报…=隠れた爆弾が未だ爆発しない? ロイター通信:中国の10を越える地方銀行は今年の財務諸表を発表していない…>5月末、中国政府は内モンゴルの地方銀行である「包商銀行」を重大な信用リスクの廉で1年間接収管理するようにしたが、これは中国ではこの20数年間で初めてのこと。中国の何百もの中小銀行が景気後退に直面し、不良債権を持つ危険性があり、外国のディアは中国にはまだ10を越える銀行は財務諸表未提出であることを明らかにしたので、これらの銀行の資産と健全性に関する懸念をもたらしている。

ロイター通信によると、「データ会社Refinitivは、包商銀行が現在206件、総額738億3千万元の未払債務を抱えていると発表した。 一方、中国政府は包商銀行の経営状況を明らかにしたことは一度もないが、トレースはできる(たとえば、2015年以降、銀行の信用格付け等に載せられたことは一度もなく、 財務諸表も公表されていない)」と報道。

今中国では、錦州銀行と吉林銀行を含む少なくとも10以上の銀行が今年の決算を発表していない。

https://www.aboluowang.com/2019/0603/1297199.html

6/3阿波羅新聞網<失业潮再起!贸易战挨打 中国企业祭出「放假通知」=失業ブームが再開! 貿易戦争が中国の企業を襲い、「レイオフ通知」を出す>米中貿易戦争は打ちあいが続き、多国籍企業は華為に技術スマホ製造に必要な部品の供給を停止した。現在中国国内にある国際加工業の重鎮は“レイオフ通知”を出し、外部から“失業ブームが始まろうとしている”」と言われている。

https://www.aboluowang.com/2019/0603/1297204.html

6/3阿波羅新聞網<刘欣没资格了 中共海外官媒参访美国会记者证被取消——贸易战烧到媒体? 中共海外官媒参访美国会记者证被取消(图)=劉欣は資格が無かった 中共の海外公式メディアへの米国議会記者証は取り消される 貿易戦争がメディアにまで波及?中共の海外公式メディアへの米国議会記者証は取り消される(写真)>米国ラジオテレビジョンジャーナリスト協会(Radio-Television. News Directors Association/RTNDA)の会長、Paul Orgelによると、今年2月、中国の海外公式メディアの環球TVネット(China Global TV Network)は、米国政府の要求により、米国司法省に「外国代理人」として登録された。 RTNDAは、米国上院・下院の記者会見に対するCGTNの記者証を延長しないことを決定した。これは、米国議会の記者会見に参加する資格を失ったことを意味する。

https://www.aboluowang.com/2019/0603/1297208.html

上の4つの記事は中国経済の崩壊の始まり、第一ステップを表しています。如何に中国が大言壮語し、情報隠蔽しても天網恢恢疎にして漏らさずです。人権弾圧してきた邪悪の中共に味方して来た似非知識人は良く見ていてほしい。

江崎道朗著『知りたくないではすまされない ニュースの裏側を見抜くためにこれだけは学んでおきたいこと』を紹介します

(P.200~207)「ニクソンは「日本の核武装が必要」と考えていた

一九六七年六月十七日中国共産党政府は初の水爆実験を実施し、核攻撃能力を飛躍的に高めつつあった。

その一方、アメリカはベトナム戦争に対する軍事介入によって疲弊し、「世界の警察官」としての任務を果たすことが困難となっていった。その年の十月、外交専門誌『フォーリン・アフエアズ』十月号で、アメリカ大統領候補のニクソンは「ヴェトナム後のアジア」という題の論文を公表した。

この論文のなかでニクソンは、アメリカが「世界の警察官」として果たす役割は今後限られたものとなるので、同盟国は「中国の野望」から自らを守るためのいっそうの努力が必要であると訴えた。しかもニクソンはこの論文において、日本の核武装を容認するつもりだった。マィケル•シャラーは次のように指摘している。

(ニクソンはこの論文において再軍備に対する日本の憲法上の制約を嘆き、日本政府に大国らしく振る舞うように求めたが、そこには核兵器の所持も含まれていた。(原書註:ニクソンの伝記作者スティーヴン・アンブローズによれば、伝記では、この記述に該当する箇所は、最初の原稿の段階では、「ニクソンは日本に『核なし』の兵力拡充を促した」となっていたが、原稿を読んだアイゼンハワ—から、日本は自分で核能力を持ちたいと思っていると言われたニクソンが、この「核なし」という文言を削ることにした、というのである。)(同右)

ソ連に続いて中国も核兵器を保有し、アジアの共産化が進んでいた。 ニクソンは、日本が憲法改正に踏み切り、アメリカとともに共産勢力と戦うつもりならば、日本の核武装も認めることを検討していたようなのだ。

ニクソン論文を詳細に分析していた中国共産党の毛沢東や周恩来は、そのことをよく理解していたようだ。そしておそらく偶然ではないだろうが、日本では、核武装を禁じる動きが活発化する。

ニクソン論文が出たニ力月後の一九六七年十二月八日、公明党の竹人義勝議員が国会で非核三原則(核燃料、核廃棄物を、製造せず、装備せず、持ち込まず)を明確にするように質問する。その三日後の十一日、今度は社会党(当時)の成田知巳委員長が小笠原諸島への核兵器の持ち込みについて追及し、佐藤栄作首相は初めて「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を示した。

翌一九六八年三月、アメリカのリンドン・ジョンソン大統領が次期大統領選の不出馬とベトナムに対する爆撃中止を声明、「アメリカは、アジアから引くかもしれない」との動揺がアジア諸国に走った。

その翌年の一九六九年十一月、佐藤首相は訪米し、ニクソン大統領との共同声明のなかで「一 九七ニ年中の沖縄返還に合意した」ことを公表した。マィケル・シャラーによれば、この佐藤・ニクソン会談のなかでニクソン大統領は「沖縄の核兵器をアメリカ製から日本製のものへと変えるように促し」たという。中国共産党の核に対抗するためには、日本が自ら核武装することが必要だと考えたのだ。

ニクソン政播の「核武装」容認発言は、その後も続いた。

一九七一年七月、「公にも、私的な話し合いの中でもレアード(編集部註:メルヴィン•レナード国防長官)は、日本側の沖縄からの核兵器の撤去の要求を厳しく非難し、アメリカが安全保障努力を制限する代わりに、日本は東南アジアの国々に軍事援助費を提供し、自身の軍事能力を増強し、将来の中国の脅威に備えるため対弾道弾ミサイル・システムの配備に着手すべきである、と主張した。彼とその部下たちは、アメリカ政府は日本の核武装に賛成していることをにおわせた」(同右)。

こうしたニクソン政権の意向を感じ取ったのか、一九七一年八月、アメリカの記者と会見した中国の周恩来は、ベトナムからの米軍の撤退と並行して日本の再武装を促すニクソンの政策は、日本軍国主義の復活を助長していると警告した。

中国の意向を踏まえてなのか、一九七一年十一月、沖縄返還協定の国会審議において、公明党

は「非核三原則」の国会決議を提案し、非核三原則は国是へと格上げされた。

翌一九七ニ年一月、再び訪米した佐藤首相に対してニクソン大統領は、日本はアジアで経済面 だけでなく、軍事的役割も果たすべきだと主張し、またしても核兵器に対する姿勢も考え直すべ きだと述べたが、佐藤首相は「日本の国会と国民の圧倒的多数が核兵器に反対している」と弁明せざるをえなかった。

中国による対日工作の影響もあってか、日本では原水爆禁止運動などが盛り上がりを見せ、社 会党や公明党ばかりか、同じ自民党の三木武夫前外相も非核三原則を主張するようになってい た。

日本がアメリカとともに戦う意志がないことを知ったニクソンは、ソ連の脅威と戦うために、 次善の策として、中国共産党政府と組むことを決断した。「ニクソン・ショック」という名の米中結託を生み出したのは、じつは「日本」自身であったのだ。

暴露された「米中秘密軍事同盟」の実態

この米中結託路線はその後、「強い日本派」のレーガン共和党政権時代に、「米中秘密軍事同 盟」へと発展していく。

一九八〇年代当時、ソ連はアフガニスタン侵攻に踏み切るだけでなく、大陸間弾道ミサイルSS-20をヨーロッパに配備するなど、ソ連の脅威はますます深刻になっていた。

これに対してレーガン大統領は日米連携で対応しようとしたが、時の鈴木首相は一九八一年五月、「日米同盟に軍事的側面はない」と語り、日米同盟強化を否定してしまう。

一九八二年十一月に成立した中曽根康弘政権は「日米は運命共同体」と発言し、マスコミは日米の蜜月ぶりをもてはやした。

レーガン大統領と中曽根首相はお互いに「ロン」「ヤス」と呼び合い、中曽根は「日本はアメリカの不沈空母だ」と発言した。本来、レーガンをホワイトハウスに送り込んだ共和党保守派は、アジアの安定のために強い日本を望む「強い日本派」であり、レーガン大統領自身も米ソ冷戦のなかで自由主義を守るという基本政策のもと、日米同盟の維持と強化を図ろうとしていた。

よって当時のレーガン政権と中曽根政権は、蜜月のように良好な関係だったかのような印象を抱いている方が多いだろう。

ところが実際には、レーガン•中曽根時代に進んだのは、日米同盟の空洞化であったのだ。その原因は、中曽根内閣の対応にあった。

ソ連がアフガニスタンに侵攻し、東欧諸国に軍事的圧力を加えて民主化を否定し、アジアでも軍事力を高め、「北海道が侵攻されるかもしれない」という危機感が強まっていた時代だ。レーガン大統領としては、アメリカだけでは強大なソ連を打ち負かすことはできないと考え、ソ連による北海道侵攻の危機に直面している日本にも「ともに脅威に立ち向かおう」と呼びかけた。

レーガン政権はソ連との冷戦に打ち勝つために、同盟国である日本の防衛協力を求めたのだ。 しかしレーガン政権の防衛費増額要求に対し、中曽根政権は「GDP比一%枠の撤廃」を叫んだだけで防衛費をほとんど増やさなかった。

その代わりに中曽根政権は「アメリカの武器をたくさん買います」「日本の軍事技術をアメリ力に差し上げます」と申し出た。つまり、ソ連の脅威にともに立ち向かうのではなく、金を払ってアメリカにおんぶに抱っこする道を選んだ、ということである。

日本のやる気のなさに落胆したレーガン政権は、中国共産党政府との秘密工作の強化に踏み切 った。アメリカはカウボーイのようにじつに単純で、「一緒に戦うならば味方、そうでないなら敵」なのだ。

この米中秘密軍事同盟の存在は長らく秘密のままだったが、CIAのマィケル・ピルズベリーが『China2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略I』(日経BP社)でこう暴露した。

米中の秘密協力はレーガン政権にピークに達した。ニクソンとフォード(編集部註:ジエラルド・フォード大統領)がソ連の情報を中国に提供した。カー夕―(編集部註::ジミー・カーター大統領)は、チェスナット盗聴作戦を確立した。だが、秘密裏にではあるが、中国を戦略上の対等なパートナーとして遇したのはレーガンだった。米中が協力した三つの主な作戦は、アフガニスタン、カンボジア、アンゴラにおける反ソ勢力への秘密支援だった。

レーガン政権は、中国を後押しすればソ連に対抗できると信じ(中略)1985年、アメリ力は(中略)武器さえ提供するようになった。レーガン政権が、10億ドル超の六つの主要な武器システムを中国に売る手はずを整えたのだ。その狙いは中国の陸軍、海軍、空軍を増強し、さらには海兵隊の拡大を支援することにあった。

アメリカから「ソ連の脅威にともに立ち向かおう」と呼びかけられたとき、その申し出に日本は真剣に向き合わなかった。その一方、中国は呼びかけに応え、アメリカとともにソ連の脅威に対して武器を手に戦った。そこでアメリカは「同盟国」の中国に惜しみなく軍事援助を行ない、軍事技術を提供した。その結果が、現在の中国の軍事的台頭なのである。

前述のピルズベリーは「我々は中国に騙された」という反省から、これまでの米中結託の間違いを訴え、現在はトランプ政権を支える側にいる。

こうした「失敗」の歴史をよく知るス夕ッフを抱えるトランプ政権であるがゆえ、当初は中国を警戒し、安倍政権と連携することで北朝鮮の核問題などに対応しようとしていたのだ。」

(P.224~226)「トランブ大統領は22日、米通商代表部(USTR)の報告書に基づき、中国からの輸入品に 制裁関税を課すと表明。報告書は主に4つの手口で米国企業の技術が奪われたと主張した。 (中略)

米国が主張する手口は(1)高い関税で輸入品を締め出し、中国市場に入りたい外国企業には国内生産を求める(2)中国企業との合弁会社設立を条件とし、合弁会社はバッテリーなど中核技術の知財を保有しなければ製品を売れない規制を設ける(3)最終的には技術を中国側に渡さなければ事業ができないーーーの段階を蹐む。

中国に進出した外国企業の大半が「多額の開発費をかけたハイテク技術を渡さなければ中国では商売をさせないぞ」と脅されていた。日本企業もまた、同じ被害を受けてきた。もちろんこれは自由貿易協定違反だ。

次いでニC一八年八月九日、カナダ・ケベック州のシャルルポワで開かれた主要7ケ国首脳会議(G7)「シャルルポワ首脳コミユニケ」において.国際貿易ルールから逸脱する中国を念頭に強制的な技術移転などを列記し、その是正に向け、「新たなルール構築」を申し合わせた。 この議論を主導したのは、日本の安倍直相である。

六月十九日には、ホワイトハウスが「アメリカと世界の技術•知的財産を脅かす中国の経済侵略」と題した報告書を出し、中国の不公正慣行による甚大な被害がアメリカばかりでなく「世界」全体に及ぶと指摘した。自由貿易を破壊しているのは、不公正な貿易慣行を続けている中国のほうだ、ということである。

中国の習近平政権は二〇一五年に「中国製造2025」という構想を公表し主要な技術分野で中国の覇権を確立しようとしている。そのために外国の先端技術を奪おうとしているが、次の一〇分野がそれに当たる。

①半導体•次世代情報技術 ②AI ③航空•宇宙 ④海洋設備・ハイテク船舶 ⑤EV ・新エネルギー車⑥電力設備(原子力)⑦農業設備⑧高速鉄道•リニア⑨新素材⑩バイオ医療

(P.248~249)「『日本経済新聞』(ニ〇一八年六月二十七日付、電子版)が次のように報じている。

【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は29日にも公表する中国企業の対米投資の制限案について、米財務省などが管轄する対米外国投資委員会(CFIUS)を活用する考えを示唆した。CFIUSは対米投資に安全保障上の問題があると判断すれば、米大統領に中止を勧告できる。ただ、同制度は日本を含む外資全体が対象で、日本企業の対米投資に影響する可能性もある。

トランプ氏は26日、記者団に中国の対米投資規制の説明を求められ「米国の優れた技術や頭 脳を守らなければならない。それはCFIUSで対処できる」と述べた。投資制限案はムニユ―シン財務長官が中心となって検討しており、29日に公表する予定だ。

CFIUSは財務省や国務省などが管轄する独立組織。軍事転用が可能な技術が流出するなどして安保上の問題があるとすれば、投資案件の差し止めを勧告する。中国企業の投資案件では、アリババ集団系の金融会社アント・フィナンシャルが米送金大手の買収の承認が得られず、取引を断念したことがある。(中略)

一方で、CFIUSは中国企業だけでなく日本を含む海外企業を全体的に審査しており、権限強化は日本企業の対米役資にも影響しそうだ。トランプ氏も26日、記者団に「(投資制限の対象は)中国だけではない」と述べた。軍事施設に近い不動.産などもCFIUSの審査対象となる見込みで、米国への投資はこれまでよりも時間やコストがかさむ可能性がある。

つまりトランプ政権は、安全保障上の理由からアメリカに対する日本の投資や商取引も、これまで以上に規制できるようにしたわけである。この法律が成立したことで「中国系の企業と取引きしている」という理由から、日本企業の対米投資を制限したり、アメリカ市場から排除することも可能になった。その恐ろしさは、日本ではほとんど報じられていない。

だが、FlRRMAに基づいてアメリカの市場から排除されたり、投資を制限されたりすれば、アメリ力への輸出で稼いでいる日本企業の株価は急落することになる。そうなればアメリカの投資家たちが割安になった日本の株を買い漁り、日本の対米輸出企業は、アメリカの投資家たちの影響下へと転落することになろう。」

(P.258~259)「日銀の異次元金融緩和によって年間で八十兆円もの日銀資金が金融機関に振り込まれる。金融機関が日銀当座預金に留め置くカネは、ニ〇一六年の六月末で三百兆円を超えた。他方で、 産業界が賃金や配当に回さず、内部で留保する利益剰余金は.三百六十五兆円。ニつ合わせて 六百六十五兆円もの巨大マネーが使われず、堆積している。 (同右)

日本は、債権国アメリカを金融で支える余力がある。だが、たんなる「貢ぐ君」では何にもならない。田村氏はこう提案する。

資金協力を通じて、政治的懸案に日米共同で取り組む。懸案とは、膨張する中国脅威の封じ込めだ。 (同右)

問題は、日本の官僚たちだ。

こうした経済、政治•軍事一体となった北京の膨張戦略に対し、日本の歴代政権が依存してきた縦割り組織の官僚たちには問題意識がない。財務官僚は親中派が多数を占めひたすら北京に媚を売る。(巾略)

他方で、外務官僚は経済音痴であり、財務官僚の専権事項とされる通貨問題には一切関与できない。

官僚の縦割り行政に頼っているから、米中貿易戦争にも的確に対応できていない。それは官僚 たちがダメだということではない。官僚を率いるべき政治家のほうが、経済、政治、車事一体となった国家戦略、繰り返すがDIMEという発想をもっていないことが問題なのだ。

トランプ政権は、中国の軍事的台頭に対抗して大軍拡を開始しようとしているが、そこでも課題は財源である。ここでもトランプは日本に頼らなければならないのだから、これを機に日本の国益に利するかたちで防衛計両の大綱を見直し、防衛体制を整備すればよい。しかし防衛省から聞こえてくるのは、アメリ力の補完勢力にすぎない現行防衛体制の維持とアメリカからの武器購入の話ばかりである。」

米国の中国を信頼して来た愚かさを言う前に日本人の愚かさも自覚せよという事でしょう。日本の政治家は核保有のチャンスを自ら投げ捨てました。小泉とブッシュの靖国参拝も小泉が断ったおかげで未だ天皇陛下の行幸がなりません。裏に蠢いているのが中共で、野党政治家やメデイアを使って工作してきて相当な効果を上げたという事です。日本は戦前から情報戦に弱いのでは。善意だけでは生き馬の目を抜く世界では生き延びられません。メデイアや学者の言うことを簡単に信じる咎めです。自分の頭で考えてほしい。

今の高級官僚が如何にダメかと言うのも書かれています。国家を背負い、身命を賭すような修羅場の経験がないからでしょう。学力偏重の弊害です。

日本の企業も中国と裏で取引したのが発覚すれば、世界との貿易ができなくなる可能性が高くなるという事を覚えていた方が良いでしょう。営業の自由を享有して置いて営業の自由を認めない国に肩入れするのは倒錯です。

酒井氏の記事は安倍・トランプ関係を前向きに捉えていて好感が持てます。似非知識人の反体制・反権力を標榜しておき乍ら、イザと言う時には戦えない下種な人種とは違います。

特に「戦後および戦後外交は終わったとの意思表示である」と言う言葉は新鮮でした。令和と言う新しい時代を迎えるのに丁度良い。

北朝鮮もイランも安倍平和外交がダメな場合、米国の軍事攻撃もあると思った方が良いのかもしれません。トランプの大統領選とも絡んでくると思います。

記事

トランプ大統領の二度目の訪日は成功裏に終了した。

 大統領は5月25日(土)の夕方に到着すると、翌26日(日)はゴルフ、大相撲観戦、炉端焼きでの夕食と余暇を楽しんだ。27日(月)には今上天皇を表敬訪問した後、日米首脳会談、拉致被害者家族との面談、天皇皇后両陛下主催の宮中晩さん会への出席など精力的に動き、28日(火)は両陛下によるお別れのためのホテル訪問を受けた後、護衛艦「かが」で自衛隊・在日米軍に対して、強襲揚陸艦「ワスプ」艦上では在日米軍を前にスピーチして離日した。

 余暇の時間をどう評価するかは海外メディアによって分かれたが、これまで必要事項のみを短期間で交渉する形の外訪が基本だった大統領にとっては異例の長さと内容だった。なお、米国のメディアは、反トランプのCNNを含め、今回の訪日を訪問前から重要な事項と報道していた。

大相撲夏場所で初優勝した朝乃山に米大統領杯を授与したトランプ大統領(写真=朝日新聞社/ゲッティ)

今回の大統領訪日の歴史的意義

 今回の訪日は、今上天皇の即位後初めての国賓として日本側から招待されたものである。

 宮中晩さん会で、陛下は「1854年の日米和親条約以来の、数々の困難を乗り越え」と日米の150年を超える歴史を一つの過去として捉えるとともに、東日本大震災でのトモダチ作戦などに対する米国の協力に感謝のお言葉を述べられた。

 また、陛下は「貴国に懐かしさと共に特別の親しみを感じる」と米国を表現した一方、昭和天皇や上皇の訪米時の話題に触れて日米の親密さをアピールした。トランプ大統領は「令和」の元となった万葉集を引き合いに出しつつ、日米同盟を将来への贈り物にしようと前向きな挨拶をしている。

 ここで示されているのは、戦後および戦後外交は終わったとの意思表示である。

 過去7人の大統領の訪日時にあった「先の戦争」や「不幸な歴史」というような表現は消え、戦後生まれで皇位継承者として初めて海外留学も経験した新天皇が、同盟国である米国の大統領と新たな時代へのスタートを即位直後に宣言したのだ。当然のことながら、このスピーチ内容は両国の担当者によって事前に準備されたものだ。

 もっとも、名実ともに戦後世代となった天皇陛下や首脳がこれからどのような日米関係を築いていくのか――という本質が明らかになるのは、晩さん会のような場ではなく、日米首脳会談や共同記者会見を通してだ。

安倍首相は、2016年の米大統領選でトランプ氏が当選した直後に最初の外国首脳として会談して以来、世界の中で米国と最も親しい首脳を自負し、両国の親密関係をアピールしてきた。先月のワシントン訪問と来月の20カ国・地域(G20)首脳会議を考えれば、3カ月連続の首脳会談が実現する。これも日米双方の歴史にとって異例のことだ。

 先月の安倍首相訪米までは、「お土産ばかりで得るものが少ない」「日米貿易交渉での有利な立場を生かしていない」といった批判的な声が専門家などから聞かれていた。しかし、今回の首脳会談とその後の記者会見は、日米関係が経済や安全保障など一つひとつのカテゴリーに対応する形ではなく、全体を含んだ総合的な同盟関係として協力し合う、という形を示した。

大統領を動かした安倍首相の抱きつき外交

 令和の最初の国賓としてトランプ大統領を迎え、戦後の終了を明確にした日米両国は、今後の同盟関係についてもこれまで以上に踏み込んだものにしたのだ。

 具体的には、1)米国は、日本との貿易交渉を7月の参院議員選挙後まで待つ(トランプ大統領は8月のディールだとツイート)、2)米国は、安倍首相と金正恩委員長の会談を支持する、3)米国は、安倍首相が核開発問題で米国と対立しているイランを訪問して調整を試みることを期待する――の3つだった。

 さらに、安倍首相は前回訪米後の1カ月で日本企業の対米投資が10億ドル増加したことをアピールするともに、最新鋭ステルス戦闘機のF35を105機購入することも再確認した。

 2001年にアフガニスタンのタリバン政権と戦争を始めた際に、アーミテージ国務副長官は日本に「Show the flag」と言って支援の形を見せることを求めた。それに対して、今回は両首脳が合意の下で、日本が米国の世界戦略への支援を交渉(=平和外交)の形で行うということを発表したのだ。両国首脳の意思によって、唯一の同盟国である米国との関係がこれまで以上に重要になったとすれば、それは安倍首相の実績として高く評価できる。

 こういった関係が実現した背景には、オバマ前大統領と異なり、トランプ大統領が気候変動やグローバルな核廃絶といった国際問題を重視するのではなく、自国優先の政策を取っているということがある。だが、安倍首相が抱きつき外交と揶揄(やゆ)されても愚直にそれを繰り返し、信頼を獲得したという事実があるのは間違いない。

このように書くと、一方的に米国寄りの意見、または安倍礼賛の意見を書いているように感じる読者も少なくないだろう。日米同盟が進化すること、また日米関係が総合的なものになるということは、日本の重要性(すなわち、日本が関連する範囲内で米国を積極的に支援するという日本の立ち位置)が高まると同時に、日本が米国の要求に基づいて(または立場を考慮して)支援する国(極端に言えば属国)になったという見方をする向きもあるはずだ。

 ただ、トランプ政権は戦争を始めるにあたって日本にも参加してほしい(後方支援をせよ)と言っているのではなく、戦争回避、紛争解決のために協力してほしいと言っている。その意味では、自衛隊の海外派遣に絡んだような従来のものとは全く異なる。

「アメリッポン」ではなく「ジャパメリカ」の始まり

 トランプ政権の対日戦略は、カーター元大統領の下で安全保障担当補佐官を務めたブレジンスキー氏が提唱し、対米貿易黒字が大幅な国に対して、黒字幅の10%ずつの削減を求めたゲッパート下院議員らの「アメリッポン」構想と似ている。だが、主たる働きかけが米国側ではなく、日本側にあるという点で違う。むしろ、日本を先にした、または日米の融合をイメージした新しい「ジャパメリカ」と呼ぶべきものだろう。

 すなわち、かつての「米国市場、米国の防衛の傘、米国による国際経済秩序の維持」を求める日本と、「日本市場、日本からの投資、日本企業の対米進出」などを求める米国という相互協力だけでなく、「日本が積極的に米国の政策に資するよう関与する」ことも、非公式な中で、協調関係の一環として進めていくという考え方だ。トランプドクトリンならぬ、安倍ドクトリンである。

 これは、日米同盟を基礎に両国が力を合わせて生きるという考え方だが、トランプ政権の下では、米国の世界戦略、とりわけ日本に関連する地域や国に関しては安倍政権が安全保障面を含めて支援するということを意味している。

トランプ大統領の勝算と安倍首相の挑戦

 米朝関係は、2月の第2回首脳会談以降、表立った進展はない。むしろ金委員長がロシア訪問や短距離ミサイルの発射実験などのジャブを打ってきている。ボルトン安全保障担当補佐官は、後者について国連決議違反だとしたものの、トランプ大統領は「様子を見よう」と日朝首脳会談を希望する安倍首相にボールを投げた。同時に、拉致被害者の帰国への協力も明言した。

 安倍首相にとっては小泉純一郎元首相以来の外交上の得点を手にする可能性が出てきたわけだが、トランプ政権はこれを冷静に見ている。三隻の空母打撃群を使った威嚇でようやく始まった米朝首脳会談はいまだ成功していない。その成否のきっかけを安倍首相に預けるとともに、米中首脳会談などを通じて、北朝鮮に非核化を選択するようプレッシャーをかけるという複合作戦だ。

 ただ、安倍首相の米朝首脳会談が失敗しても安倍首相を責めることなく、粛々と次の段階に進むだろう。それは、平和的解決の手段が尽きたとして、北朝鮮へ軍事進攻することを意味するのかもしれない。

 イランについても同様だ。

国交樹立90周年の今年、特にパーレビ国王時代から約半世紀の友好関係を続けてきている日本が、自国の非核三原則を引っ提げてイランの非核化を促す交渉役を担うのは国際的な役割として当然だと安倍首相は考えているはずだ。日本にはその力もある。

 これは、米国がイランとの軍事的対立に進むかどうかを考える重要なステップとなる。これが失敗すれば、(米朝関係以上に)次の手段が軍事進攻となる可能性を否定できない。米国にとっては、どちらのケースでも、日本を通じて平和への努力を進めたという大義名分ができる。

 なお、米国には北朝鮮の核技術がイランに輸出される懸念もあるが、日本が両国と交渉することでこの両国の関係を中断する効果も期待できる。日本には両国が国内に保有する資産を凍結するというオプションもあると、米国は考えている。

 トランプ大統領の就任から1年半で明確になってきたことは、1)株価を非常に気にするとともに、2)戦争を避けようとする発想を持っていることだ。後者については、反論する向きもあろうが、冷静に振り返れば、空爆に踏み切っても本格的な戦闘への突入は回避してきた。安倍外交はトランプ外交に沿った対応をしようとしている。

 しかも、「ドナルド=晋三」関係がさらに緊密になり(安倍首相は共同記者会見でも「ドナルド」と呼びかけた)、こういった外交における日米連携が奏功すれば、トランプ大統領にとっては米国民への新たなアピールとなる。例えば、2020年の大統領選を前に、安倍首相とテキサス、テネシー、アラバマ、オハイオなどで会談、共同声明を出せば、その州での人気は高まるだろう。いずれの州も日系企業の拠点があり、大統領選のカギとなる場所だ。

「かが」に日米首脳が乗艦したことの意味すること

 日米首脳が同時に護衛艦に乗艦したのも、また同時に自衛隊と在日米軍を前に訓示したのも初めてのことである。

 「かが」は、F35Bを艦載する、米軍で言えば海兵隊の強襲揚陸艦(日本では「空母化」と表現するが、米国では空母が艦載するのはF35Cである)になる予定だ。離島での有事の際などでの活躍が期待されている。

 ちなみに、トランプ大統領が在日米軍にスピーチをしたワスプは、米国最大級の強襲揚陸艦で、日本の離島で有事があれば自衛隊と共同作戦をとる可能性もある。なお、旧日本海軍の空母加賀は米軍に沈められ、米海軍の空母ワスプは日本軍に沈められるという歴史を持っている。その両艦を大統領がヘリで移動したことは、過去の怨念を乗り越えようと無言の呼びかけをするような、何か因縁めいたものを感じさせる。

 ただ、これも単純な安全保障のためのものかと言えば、必ずしもそうではない。もちろん、中国との尖閣諸島問題がある中で「かが」のような装備を海上自衛隊が持つことは重要だ。しかし、兵器購入へのお礼も含めたトランプ流の行動と考えることも十分可能で、その先にはさらなる兵器売却をもくろんでいるかもしれない。

 この流れで言えば、トランプ大統領が盟友である安倍首相の選挙事情を考慮して8月まで日米貿易交渉を待つということは、来年11月の大統領選挙を考慮した対応を安倍政権にも求めるのも当然ということになる。大統領にとって、日本はぐっと近くなったのだ。

 いずれにせよ、安倍ドクトリン(ジャパメリカ)は、事実として米国による安全保障上の保護を前提として活動してきた日本が、その中で最大限できるパワーの発現と言える。今後は、安倍外交も含めて一段と肯定的なニュアンスで日米関係を考えていくことを期待したい。

酒井 吉廣(さかい・よしひろ)

中部大学経営情報学部教授

1985年日本銀行入行。金融市場、大手行の海外拠点考査を担当の後、信用機構室調査役。2000年より米国野村証券シニア・エグゼクティブ・アドバイザー、日本政策投資銀行シニアエコノミストを経て、12年より中国清華大学高級研究員。この間、00年より米国AEI研究員、02年よりCSIS非常勤研究員。17年より中部大学教授。日米中の企業の顧問なども務める。米国務省や財務省・FEDの政策、米中経済に詳しい。ニューヨーク大学MBA、ボストン大学犯罪学修士。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「我々は月に行く」マスコミが黙殺した、訪日トランプ重大発言の意味 中国の「宇宙覇権」戦略を食い止める』(6/1現代ビジネス 歳川隆雄)について

6/1阿波羅新聞網<前美国大使:与社会主义“调情”很危险=元米国連大使:社会主義と「いちゃつく」のは危険である>元国連大使のNikki Haleyは先日、米国が社会主義経済システムを採れば米国は破壊されるだろうと警告した。 5/29(水)にHaleyはミシガン州のGrand Rapidsでのイベントで「目下米国の大学、メディアと議会は社会主義と「いちゃついて」いて危険である」と指摘した。 「あなた方が世界の貧困を気にかけているのであれば、我々は資本主義を支持すべきであることを皆に思い出させる義務がある。」

ヘイリーは2024年の大統領選を狙っているようです。民主党でなく共和党政治が続かないと中共を打倒できません。民主党は中国から恩恵を受けている人間が多いので。

https://www.aboluowang.com/2019/0601/1296829.html

6/1阿波羅新聞網<稀土战 习近平拿不定主意?川普一反击贸易战难罢休 美国早安排 已锁定6国=レアアース戦 習近平は決心がつかない? トランプの貿易戦争への反撃は止まらず 米国は早々と6カ国に手配>近日、習近平がレアアース生産基地を視察した後に、中共当局は貿易戦争の武器としてレアアースの利用を意図していることを明らかにし、多くの議論を引き起こした。しかし 一部の専門家は、中共が米国または世界にレアアースを禁輸するならば、それは短期のショックを与えるだけであり、その効果は非常に限定されると分析した。 ゴールドマンサックスのアナリストは、「中共は本当にレアアースを武器として使うなら、米中貿易戦争を止めるのは難しいだろう」と語った。 さらに言えば、米国は中共のレアアース戦を恐れない。6カ国(オーストラリア、エストニア、ミャンマー、インド、ブラジル、ベトナム)からレアアースを輸入するようにしている。WHの上級顧問は、「トランプは、日本の20サミットで米国の財務長官に中国の高官と会談するように指示するかもしれない」と述べた。

中共はドンドン戦線拡大して米国の怒りを買うのが良い。米国もその分真剣になるでしょうから。

https://www.aboluowang.com/2019/0601/1296851.html

6/1阿波羅新聞網<中国原油库存突急增 或因短期断供 美指六四是大屠杀 彭斯将发表六四讲话=中国の原油在庫は急増 或は短期供給停止に備えて 米国は64大虐殺を非難 ペンスは6月4日にスピーチを行う>先月の中国の原油在庫は急増し、エネルギー危機が顕在化していることを示している。

華為のチップ在庫が急増してから、中国の原油在庫も先月突然急増しており、エネルギー危機が具体化していることを示している。 シノペックの元会長である傅成玉は、「短期的な石油ショートに備え、長期的には自給自足を達成する必要がある」と語った。 しかし、楊紹政博士はエネルギーの自給自足は現実的ではないと。時事評論家の周暁輝は、「世界の原油の減産と中国が米国からの原油輸入量の削減が短期的な供給量減少の2つの主な要因である」と考えている。 しかし、アポロネットの特別評論員である楊旭は、「上記の2つの要因が中国の輸入原油の削減の理由として十分ではない。中国の原油輸入に対する米国の世界的な制限と米中戦争がこのような状況を齎した」と考えている。

ABCD包囲網宜しく中国に石油を禁輸するのが好い。

ペンス副大統領は、6月4日の天安門事件30周年記念講演で、中共の宗教の自由と人権への迫害について非難すると見込まれる。

5月30日、4月に新しく国務省報道官に任命されたモーガン・オルテガスは、「30年前の6月4日に起きた事件は“大虐殺”である」と定例記者会見で述べ、「米国政府は今年も6月4日の事件について声明を発表する」とも。

「私たちはあの事件を忘れてはならない。それは平和的な抗議者への大虐殺である。我々は無辜の生命が奪われたことを忘れることはできない。我々は遺族の方々に深く哀悼の意を表してきたが今年もそうする 」

https://www.aboluowang.com/2019/0601/1296858.html

6/2阿波羅新聞網<轮到印度了!川普宣布:5天后终止关税优惠=次はインドの番! トランプが発表:5日後に優遇関税を終える>米国がメキシコに関税を課すという脅しの後、トランプ大統領は今日6/5からインドに認められている優遇関税を終了させると正式に発表した。

ロイター通信によると、トランプは声明で次のように述べている。「インドは公正かつ合理的な市場参入を米国に保証できないことを確認した。したがって、2019年6月5日以降、インドに優遇関税受益国の資格を終わらせるのは適当である」

中国だけ標的にするとWTO違反になるからでしょう。

https://www.aboluowang.com/2019/0602/1296876.html

歳川氏の記事では、日米合同で宇宙戦争を中国と戦うという事でしょう。日本は資金を負担させられることになるけれども、「はやぶさ2」で得られる知見とかも米国とも共有できれば良いと思います。また米軍の宇宙からの攻撃力も自衛隊に移転できればとも思います。日本の大学は左翼が多く、学術研究の軍事利用を禁止しています。中共の手先となって日本の弱体化を図り、容易に日本侵攻できるようにしているのでしょう。腐っています。日本国民も似非平和主義者の誑かしに騙されないように。

記事

中国への強いメッセージ

吹き荒れた「トランプ旋風」も太平洋の彼方に去り、初夏の強い日差し到来と共に東京およびその周辺は平穏な日常に戻った――。

令和初の国賓として来日したドナルド・トランプ大統領とメラニア夫人の日本公式訪問の目的はいったい何だったのか。

まず指摘しておくべきは、5月27日に東京・元赤坂の迎賓館で行われた安倍晋三首相とトランプ大統領の共同記者会見で、トランプ大統領が語った重大な発言を、日本のメディアがまったくと言っていいほど無視したことである。

少々長くなるが、同大統領の発言を再現する。

「安倍首相と私が今日、有人宇宙探査における両国の協力を劇的に拡大することに同意したことをうれしく思う。日本は、米国の宇宙飛行士を宇宙空間に送る我々の任務に加わる。我々は月に行く。その後すぐに火星に行く。それは非常に刺激的だ。軍事的見地からも今日、宇宙ほど重要なものはない」(「読売新聞」28日付朝刊に掲載された共同記者会見の要旨)

どの新聞を読んでも、このトランプ発言についての記事・解説は一切なかった。実は、前日の26日にホワイトハウス関係者は同行記者に次のように語っていた。

明日の共同会見で、大統領が2024年に人類を再び月に着陸させる計画を日本と共同で推進する考えを明らかにする。これは日米の強固な関係を宇宙規模まで拡大するメッセージである。インパクトがあると思うよ。中国にとっても強いメッセージになる

筆者は年初の本コラムで、中国の「ハイテク・宇宙覇権」戦略について言及した。特異の知見と経験を持つ中国専門家である遠藤誉氏が指摘した習近平国家主席主導の国家戦略「中国製造(Made in China)2025」(2015年5月発表)には、有人宇宙飛行や月面探査プロジェクトなどが盛り込まれている、と。

「宇宙強国・中国」の工程表によれば、3年後の2022年までに日米主導で打ち上げられた既存の国際宇宙ステーションの次世代型である独自宇宙ステーション「天宮3号」を打ち上げ、28年ごろまでに火星探査機を打ち上げて土壌サンプルを収集して地球に帰還させる計画があるのだ。

トランプ政権が現在、強権的に進めている通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)排除は中国の「ハイテク覇権」戦略を容認しないという強烈な意思表示であり、今回のトランプ発言は中国の「宇宙覇権」戦略に対する明確な挑戦宣言である。

しかも、それを日本と連携して推進するというのである。

「軍事的見地からも」という言葉が醸し出すもの

なぜ、新聞各紙はトランプ発言を取り上げなかったのか、理解に苦しむ。兆しはすでにあった。トランプ大統領は5月9日、パトリック・シャナハン国防長官代行を長官に指名すると発表している。宇宙・航空機メーカーのボーイング元副社長の同氏は、現在の米陸・海・空軍・海兵隊の4軍に加えて宇宙軍創設を主導した張本人である。

2017年7月に国防副長官、2019年1月に国防長官代行に指名された当時、軍歴のないシャナハン氏を不安視する米メディア報道もあったが、現在は国防総省(ペンタゴン)やホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)内での評判は高く、早すぎると思うが1960年代の東西冷戦時代のケネディ政権のマクナマラ国防長官(フォード・モーター社長として同社を再建後、就任した)の再来となるかも知れないと言われているというのだ。

こうした中で、トランプ大統領の「軍事的な見地からも今日、宇宙ほど重要なものはない」発言が飛び出したのである。その持つ意味を正確に取材、報じることが求められているはずだ。しかも、米政府関係者が事前にその触りを同行記者に耳打ちしていたにもかかわらず報道がなかったのはおかしいと言わざるを得ない。

安倍首相が期待された「もうひとつの役割」

筆者は、今回のトランプ大統領訪日の重要性は、この日米連携の宇宙戦略と、安倍首相のイラン訪問への期待感を明らかにした共同記者会見で示されたと見ている。安倍首相は「読売新聞」が報じた「6月12~14日軸」にイランを訪問してロハニ大統領と会談するが、恐らくその前にサウジアラビアを訪れてムハンマド(MBS)皇太子に会うはずだ。

それがまさに米国とイランの橋渡しには必要不可欠なことである。トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が着手しつつある新・中東和平交渉のキーマンがMBS皇太子なのだ。

安倍首相は副皇太子時代のMBSを3年前の9月に実務公式賓客として迎えている。1980年に勃発したイラン・イラク戦争時にシャトル外交で和平工作を行った父・晋太郎外相のDNAが騒いでいるのだろう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『トランプが愛してやまないツイッター担当者の素顔 ゴルフ場のキャディからいまやデジタル戦略上級顧問に』(5/31JBプレス 堀田佳男)について

6/1中国观察 朱雪琴

城管把賣菜的老人打死了,第一時間警察維穩,搶走屍體。

都市管理の役人は野菜を売っていた老人を殴り殺し、 警察は先ず治安維持して死体を運んで行った。

中共の弱いもの虐めです。そもそも自由に商売できない共産主義に構造的欠陥があります。共産主義は必ずや役人の賄賂が蔓延ります。共産主義に幻想を抱いている人は現実を直視できない人です。

https://www.facebook.com/100013649473166/videos/675310056267304/

5/31希望之声<美国将拒绝迫害信仰者入境 鼓励法轮功学员提交名单=米国は宗教信者を迫害した人間の入国を拒否するであろう 法輪功信者にその名簿提出を奨励する>米国の宗教及び信仰団体は先日通知を受け、米国はビザ申請をより厳格にし、移民ビザや非移民ビザを含んで人権および宗教上の迫害があれば既にビザ発行した者でも入国拒否するつもりである。 国務省当局はまた、法輪功学習者に迫害者リストを提出できると通知した。 明慧ネットは迫害者情報の収集を知らせた。

希望の声は法輪功信者向けですが、国務省が動いているとなるとチベット仏教信者や地下教会信者、ウイグルのムスリムにも声がかかっていると思います。宗教の自由を認めない中共に更なる制裁を!

http://www.soundofhope.org/gb/2019/05/31/n2924494.html

5/31阿波羅新聞網<猪蛋飙涨 一项数据露玄机 川普暗示北京后悔了 一张图泄露中共无好牌=何の意味があるのか分からないことが大きく膨らむ データからその理由が明らかになる トランプは北京が後悔していることを示唆する 写真は中共が良い手がないことを示している>米中貿易戦争は激化し、中国経済への影響はますます深刻になっている。 台湾のメディアは30日、「WHが禁輸を発表してから、華為のスマホの日本市場シエアはわずか5%にまで激減した」と報じた。 最近、中国大陸の物価は急上昇しており、李克強首相でさえ驚きを表明している。 端午節には、中国の豚肉と卵が急騰し、中国大衆に打撃を与えている。 最新のデータによると、中国のディーゼル消費量は最近2桁の減少を示しており、中国経済が厳冬期に入ったことを示している。 トランプ大統領は木曜日に、「中国が交渉に戻るとしても、北京は前に承諾したことを撤回できない」と示唆した。

5/22、Lowy 研究所のEliot Zigmundはウエイボー上に、次の写真をアップした。中共が禁止している米国のテクノロジー企業は100以上あるのに対し、米国は華為だけを禁止している。このような状況では、中共が米国の製品や企業に対する規制を強化することはほとんど不可能である。

中共が貿易戦争で勝てないことは自明でしょう。でも愚かなことに米国に挑み、やっと米国も本気になって中共潰しに動き出しました。世界に共産主義を蔓延させようと考えた習近平に感謝します。これで中共の潰れるのが早まったと。

https://www.aboluowang.com/2019/0531/1296412.html

6/1阿波羅新聞網<晶片设计工具也遭断供? Synopsys传暂停华为软体更新=ウェハー設計ツールも供給遮断? シノプシス、華為のソフトウェアアップデートを中断>米国の禁輸の影響を受けて、多くの国際企業は華為と供給関係を断ち始めており、特に半導体の基幹技術を持った企業はボイコットを恐れており、華為の自作チップの開発にさらに影響を及ぼすだろう。 世界的なシリコン知財のリーダーであるARMに続いて、もう1つの国際的なシリコン知財の会社であるシノプシスも、華為のソフトウェアアップデートサービスの提供を中止したと発表した。

日経の今日の報道では、「複数の情報通が明らかにしたところによると、米国商務省が華為の禁輸を発表してから、シノプシスは華為へのソフトウェアの更新を一時停止することを通知した」と報じた。 さらに、シノプシスは、新しいシリコン知的財産製品を華為に販売しない。

シノプシスは、すべてのウェハー設計に使用しなければならない基盤ソフトウェアであるElectronic Design Automation(EDA)技術を提供する、半導体業界で数少ない企業の1つである。

5/3122:56日経<シノプシスもファーウェイ取引停止 半導体設計ソフト

【台北=鄭婷方、黎子荷】中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の半導体開発に逆風が強まっている。米国政府の取引禁止措置を受け、半導体設計支援ソフト大手の米シノプシスがファーウェイとの取引を停止したことがわかった。同社は一般の知名度は低いが、この分野の標準を握る有力企業だ。半導体の設計に支障が出る可能性がある。(略)>(以上)

良い傾向です。でも、日経を読んでいても読み落としが多いのに気付かされました。本記事も中国語記事を読んで気付いた次第です。

https://www.aboluowang.com/2019/0601/1296440.html

6/1看中国<若人民币不正常贬值 川普或对中国加征50%关税(图)=人民元を不当に下げた場合、トランプは中国に50%の関税を課すかもしれない(図)>トランプ大統領は先日、「中国製品2500億ドル分に増加関税を課すことや中国製品3,725億ドル分の追加関税の準備段階に入った。北京が対抗措置として関税賦課するなら、米中貿易戦争は激化し続けるだろう」と発表した。米国メディアは、損失を減らすために北京当局が米ドルに対する人民元の為替レートを7.5:1に下落させた場合、米国は中国の輸入に対する関税を50%に引き上げるだろうと報道した。

第11回米中貿易交渉は合意せずワシントンで終了し、双方はtit-for-tat措置を採って米中貿易戦争の継続的な拡大につながった。 米国の雑誌Forbesのネットは先日、「トランプ政権が中国の3,525億ドル相当の輸入品に25%の関税を課す準備をしている。トランプ政権の関税による経済的損失を相殺するため、北京当局が人民元の為替レートを操作するかどうかを世界は懸念している」と古参寄稿者のKenneth Rapozaによる記事を発表した。現在、米ドル:人民元の為替レートは1:6.89である。

ドンドン制裁のレベルを上げて中国の軍事費拡大を防ぐのが世界平和の為です。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/06/01/895484.html

堀田氏の記事では、米国人のスカビーノ氏に対するジェラシーを感じました。たかがキャデイ風情にと言ったところでしょう。メデイアや官僚が安倍首相を成蹊出身だからと馬鹿にするのと通じるような気がします。どちらが愚かかは国民に選ばれて首相になっていることから明らかでしょう。

スカビーノ氏は一芸に徹したおかげで、大統領の傍にいつもいることができ、政策を学んでいるとも言えます。イエスマンと揶揄されても、そこまでできるかどうかです。大抵自我が出て来るでしょう。到底自分にはできそうもありません。それだけでも才能があると認めなくては。ただ好きになれるかどうかは分かりませんが。

堀田氏の書き方は高濱氏の書き方と比べるバランスが取れているように感じています。

記事

ドナルド・トランプ米大統領(2019年5月8日撮影、資料写真)。(c)Brendan Smialowski / AFP〔AFPBB News

 「彼が最初にくれたチップはお札2枚でした。2ドルではありません。100ドル札、2枚です。今でも使わずに取ってあります」

 ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が1990年、ある高校生に手渡したチップである。当時、トランプは新たに購入するゴルフ場を物色しており、高校生はキャディーを務めていた。

 ニューヨーク州マンハッタンからハドソン川沿いを北上して約1時間。ブライアー・ホール・カントリークラブというゴルフ場でキャディーのアルバイトをしていた青年は、その日のことを今でも鮮明に覚えていると米メディアに語っている。

 青年はニューヨーク州立大学を卒業した後、いくつかの職業を経て、2004年にトランプと出会ったゴルフ場の副部長に就く。

 同ゴルフ場はすでにトランプが購入し、名前もトランプ・ナショナル・ゴルフクラブに変わっていた。

 そして2008年に同ゴルフ場の副社長になった。

 2015年にトランプが大統領選に出馬した後、かつてキャディーだった青年、ダン・スカビーノ氏(43)は選挙対策本部に入る。

 最初は選挙資金の調達をしていたが、すぐに総務担当に昇格。そして選挙年である2016年2月、トランプは彼をSNS担当に据える。

ツイッターの総括者として力量を発揮し、トランプが当選した後はホワイトハウス入りした。

 現在、同氏はホワイトハウスのウェストウィング(大統領執務室側)に部屋を持つ。年収は約2000万円で、ソーシャルメディア担当補佐官という役職を得ている。

 多くの方が、トランプのツイッターは本人なのか、それともスタッフが書いているのかの疑問を持つかもしれない。

 答えは、トランプ、スカビーノ両氏による合作なのだ。

 真夜中にツイッターが発信された時は間違いなくトランプ本人が書いているし、多くのツイッターもトランプ本人が発信している。

 だが、スカビーノ氏がトランプから伝達された事案を書くことも少なくない。

 トランプのツイッター数を調べると、1日10本以上という日もある。実はトランプ・スカビーノ両氏だけでなく、補佐官たちがトランプのアカウントから発信した方が好ましいと判断した内容もある。

 両氏が承認すれば、それがトランプの「つぶやき」になる。

何しろフォロワー数が6000万超の人気ツイッターである。影響力は計り知れない。

 ただスカビーノ氏は普段、黒子に徹して表に出てくることがない。メディアのインタビューにも滅多に応じない。

 だがエアフォースワンに同乗し、トランプのすべてを傍で見ているという点では、誰よりも大統領に近い補佐官と言えるかもしれない。

 トランプと一心同体と呼べるほど、献身的にトランプを支え続けている姿勢が伝わる。少し古い表現だが「忠義一徹」という言葉を思い出しもする。

 何があっても忠誠を誓い、トンラプの言動に疑いを持たないことに美徳を見出しているかのごとくなのだ。

 トランプもそんなスカビーノ氏の仕事ぶりを評価し、全面的に信頼を寄せる。昨年12月、こんなことがあった。

 トランプ政権が同月20日、シリアから米軍を撤退させると発表した時のことだ。撤退に反対する連邦議員のグループがホワイトハウスに抗議にやって来た。

 トランプはスタッフに「スカビーノを呼んで来てくれ」と命じた。

スカビーノ氏は中東政策の専門家でも、安全保障政策に通じた補佐官でもない。だがツイッターを通して多くの情報を管理している。

 トランプに呼ばれて、スカビーノ氏が連邦議員の間を縫うようにやって来ると、トランプは言った。

 「彼らにシリア撤退がどれほど支持を得ているか教えてやってくれ」

 シリアからの米軍撤退については米国内でも意見が割れていた。だが撤退賛成派も少なくない。スカビーノ氏は賛成派の意見を議員たちに示し、その場を切り抜けた。

 トランプにとって、同氏はすでに「政治キャディー」としてなくてはならない存在になっていた。

 ホワイトハウスのオーバルオフィス(大統領執務室)で行われる会議や首脳会談には必ず同氏も同席する。

 また外遊にも同行しており、5月下旬のトランプ来日時も東京に来ている。

 スカビーノ氏は自身のツイッターも開設しており、大相撲の動画を配信してもいる。37万超のフォロワーさえいる。

しかし同じ共和党内からも同氏に対する批判がある。単なる「イエスマン」に過ぎないというのだ。

 本当の意味でトランプに忠節を尽くすのであれば、大統領が誤った言動を取った時には諭すべきとの考えもある。だが同氏は決してボスに逆らおうとはしない。

 だからこそ、すでに多くの側近がトランプのもとを離れたにもかかわらず、留まっている。いや、キャディーの資質を抱いた人物だからこそ、トランプの側にずっといられるのかもしれない。

 米大統領は単なるチームリーダーではない。世界の首脳の中でもトップの立場に君臨すると述べても過言ではない。

 その人物を支えるとなると、ツイッター責任者といえども日々の世界情勢の的確な把握と、トランプ政権の政策に精通する必要がある。

 トランプは米記者にスカビーノ氏について訊かれた時にこう答えている。

 「ツイッター(の内容や表現)を研ぎ澄ませてくれるのが彼だ。ツイッター発信では彼を通すことが多いな。よく物事を理解しているし、常識家でもある。なくてはならない存在だ」

 今年4月、同氏は政権内でデジタル戦略上級顧問という肩書きを得た。単なるツイッター担当者ではなくなったのだ。

トランプは冗談交じりに、「彼にはあと6年(トランプ政権2期目の最後まで)一緒にいてほしい。それからさらに4年、そして次の4年も・・・」と忠誠の友を手放したくないと思いを吐露した。

 2人の相性の良さもあるだろう。ただ、利欲を捨てて仕えるという点で、トランプにとってはこれ以上の部下はいないかもしれない。

 安倍晋三首相と重なる部分があるようにも思える。

 トランプは安倍氏を良き友と公言しているが、それは安倍氏側が「耐え忍ぶ」という心持ちを抱き続けることで成り立っているようにも見える。

 ここにトランプと良好な人間関係を築くための要素があるのかもしれない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『トランプ訪日の最大成果は「韓国外し」だった 貿易交渉の成果ない「政治ショー」に米メディアは皮肉たっぷりだが・・・』(5/29JBプレス 高濱賛)について

5/29希望之声<美中女主播直播辩论 全球瞩目(视频回放)=米・中女性アンカーライブ討論世界的な注目(ビデオ再生)>公開情報によると、米国のFox ビジネスネットTVのアンカーであるReganは47歳で、現在Trish Regan Primetimeのキャスターである。 彼女はコロンビア大学を卒業し、以前はブルームバーグTVやCBSなどのメディアで働いていた。

中共 CCTVの劉欣は南京大学外国語学部を卒業し、CCTVの英語国際チャンネルとCCTVのジュネーブの特派員を務め、現在は中共のCGTN の”欣の視点”番組のキャスターである。

以前ネチズンが疑問に思ったのは、中共のCCTVを代表して出演している劉欣は現在どの国籍ですかと。

ネチズンは2017年に澎湃新聞ネット上に劉欣のインタビュー記事があり、劉欣の夫はトルコ系ドイツ人であり、2人の子供は生まれたときから西洋世界に住んで5か国語を話すということを見つけた。 またウエイボー上で、劉欣はスイスの運転免許証を持っているが写真がハッキリせず、運転免許証の種類は識別できないと。

バイド百科上では劉欣の個人的な紹介での家族のコラムは「劉欣は2人の子供の母親である」と述べているだけで、外国籍の夫の身分は紹介していない。

全部の討論はFox News Networkの要請により削除されていますので部分部分の解説版youtube(英語、字幕:中国語)を載せます。19分34秒です。

5/30希望之声<评论:通过刘欣 你看清了中共的流氓逻辑了吗?=評論:劉欣を通じて中共の無頼漢な論理が理解できるか?>昨夜、FOX TVのアンカーReganとCGNTのアンカー劉欣が注目を集めた討論をした。議論を通して、視聴者が中共の論理の無頼漢さに気付いたかどうかは分からない。 分からなければ、整理してみよう。

①劉欣の共産党員でないとの主張(嘘と思われる)②知財の窃取は企業がやっていることで国とは関係ない

まあ、中国人ですから出て来たら、平気で嘘をつくのは分かっていましたから。でも窃取は認めてしまったわけです。誰も企業が命令しているとは思わないでしょう。上に中共がいるという事です。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/30/n2921482.html

5/30希望之声<穆勒告别言论被指别有用心 川普揭底穆勒要官当被拒绝=Mullerの退官の挨拶は別な(弾劾を開始させようとの)下心があると非難される トランプはMullerが(特別検察官指名の前日、FBI長官になろうと)猟官に来たが拒絶したと明らかに>Mullerの退官声明に答えて、Harvard Law Schoolの古参教授で憲法及び刑法の専門家であるAlan Dershowitzは、Mullerのトランプの司法妨害の可能性を示唆した曖昧な発言は、民主党のトランプ弾劾を期待している過激派に政治的な贈り物をするためである。 私はかつてMullerを信頼していたが非常に失望した。

「(Mullerの発言は)彼自身の報告の結論を超えて、トランプ大統領を弾劾しようとしている議会民主党の過激派に政治的な贈り物を提供した。トランプ大統領が司法妨害をしたかもしれないと示唆することによって、Mullerは民主党員に弾劾を開始するよう効果的にリードした。 司法妨害は“重大犯罪で不当行為”であり、憲法によれば、大統領の弾劾は可能である。」

「以前は、Mullerが党派性の強い人間と非難されたときに、私は彼を擁護してきた。彼が民主党や共和党に対して偏向したり、トランプ大統領の弾劾について個人的見解を持つことはないと思っていた。しかし、今は見方が変わった。 彼の手を正義の天秤の一方に置くことによって、Mullerは彼の党派性を明らかにした。また彼は我々の司法制度における法執行官の重要な役割を歪めた。」Mullerのトランプの司法妨害の可能性を強調した結論は「これは特別検察官としての権限をはるかに超えている」と。

彼はデイープステートの一員でしょう。ですからFBI長官となってトランプの足を引っ張ろうとしたのでは。小狡い奴です。早くバー司法長官がステイール文書の成り立ちを明らかにすれば良いと思います。ただ選挙対策の意味もあるの、どのタイミングにするかですが。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/30/n2922205.html

5/31阿波羅新聞網<贸易战习近平最新表态 中共向4680亿元美货加关税 川普反倾销税还击最高17倍=貿易戦争で習近平の最新の立場 中共は4,680億元の米国製品に関税を賦課   トランプのアンチダンピング税は過去最高の17倍に達した>米中貿易戦は絶えず激しさを増している。中共は 6/1に4680億元の米国からの輸入品に対して正式に関税を課し、米国商務省は5/29(水)に中国の製品に課す第一弾のアンチダンピング関税を発表した。さらに、専門家たちは、米国の株式市場が次の戦場になると予測している。 中国のタッチ式モバイル機器、コンピュータ、およびそれらのコンポーネントは、米国企業から特許権の侵害で訴訟を起こされており、この問題に関与している中国企業には、Lenovo Groupも含まれる。 中共の党首である習近平は先日、「戦略的な強みを維持し、大きな矛盾や未解決の問題を予防し解決するためには、確固たる行動をとる必要がある」と述べた。 米国の経済学者は、中共との交渉は貿易における“レーガン大統領の瞬間”かもしれないと指摘した。

レーガンがSDIでソ連を崩壊させたように、トランプは中共を崩壊させてほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/0531/1296410.html

高濱氏の記事でいつも感じることは、米国民主党支持の米国メデイアと同じようにトランプに悪意を持っているのではと思うことです。何でも捻じれて見てしまう精神のゆがみを持っているのでは。

日米同盟を深化させ、中国の脅威に共同して対処するには米国民の理解、米国議会の理解が必要になります。米国メデイアは米国の真の敵が分かっていないのでは。所詮アカは変わりようがないという事でしょう。

韓国抜きは今に始まったことではないでしょう。でも米国や中国と比べ日本の韓国への対応は遅すぎるし、厳罰と分かるようにしてやなないと、分からない民族です。何を遠慮するのか。さっさとやってほしい。

記事

千葉県の茂原カントリー倶楽部で、ドナルド・トランプ米大統領(左)を出迎えた安倍晋三首相(右、2019年5月26日撮影)。(c)Kimimasa MAYAMA / POOL / AFP 〔AFPBB News

訪日はただの「息抜き」と皮肉る米メディア

 猛暑をもたらしたトランプ旋風が吹き荒れた4日間。この型破りの米大統領は行く先々で歓迎された。

 「自分が初めて」が大好きなドナルド・トランプ氏は土俵に上がる最初の外国元首になりたかったし、即位後の新天皇に会見する初の外国元首になりたかった。

 だから盟友の安倍晋三首相の招きに応じた。

 北朝鮮の金正恩委員長と会談したのも、会談の中身より金正恩委員長と会談する初の米大統領になりたかったからだ。今回も同じ理屈だろう。

 国賓として日本に上陸したトランプ大統領に同行したCNNテレビ記者の第一報。

 「Sumo, golf, and barbecue」(相撲とゴルフと炉端焼き)

 日米間の懸案はそっちのけで訪日したトランプ大統領を皮肉った。

 ロサンゼルス・タイムズは「Trump lands in Japan, controversy in tow」(トランプ、内憂外患を引きずりながら日本上陸)」と報道した。

 ワシントンから逃げ出すように日本へ「息抜き」に出かけた、と嫌味たっぷりな書きっぷりだ。大統領や首相が一番自分は偉いと感ずるのは外遊して持てはやされる時らしい。

 筆者は鈴木善幸氏に首相当時一番嬉しかった瞬間はどんな時か聞いたことがある。

 「そりゃ外国訪問して日の丸をなびかせて車列を組んで道を走り抜ける時だよ」

 鈴木氏がそう答えてくれたのを今も思い出す。権力の座についた者だけが味わう至福の瞬間なのだろう。

 これだけ異例の厚遇受けたトランプ大統領も東京の町を走り抜けるとき、同じ心境だろうと想像する。

「トランプ・安倍の揺るぎない絆にひび割れ」

 だがそれはそれ。

 安倍首相との実質的な会談では、貿易問題でも北朝鮮のミサイル発射実験をめぐっても、持論をストレートにぶつけた。

 しかし、トランプ氏の「すべては結果」というディール哲学とは裏腹に懸案は先送りとなった。

 2日目以降の天皇との会見、日米首脳会談の後、米メディアはこう報じた。

 「Trump and Abe’s ‘unshakable bond’ shows some cracks in Tokyo」(トランプ・安倍の揺るぎない絆にもひび割れ~ニューヨーク・タイムズ)

 米各紙は、実質的な成果がない限り大騒ぎはしない。

 自国の大統領がいかに厚遇されようとも、首脳会談で具体的な成果がなければ1面トップで報じることはない。絵にはなっても活字にはならない。

 もっともCNNなどはトランプ大統領の東京到着から大相撲観戦、新天皇との会見、日米首脳会談後の記者会見、護衛艦「かが」での演説など克明に報じている。

 ロシア疑惑を何とか切り抜けたにもかかわらず、弾劾の対象にもなりかねない「司法妨害」容疑をめぐって野党民主党との攻防は進行中だ。

 トランプ大統領は訪日中、金正恩委員長が民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領は知能指数が低いなどと述べたとツィッターを発信。

 日米首脳会談後の記者会見では同行記者団からツィッターの真意をただす質問が相次いだ(ワシントンではこの発言が大問題になっている)。

 米主要紙のベテラン記者は、こう指摘する。

「すでに日米は強固な同盟関係にある。トランプ大統領が日米同盟関係の強固さを示すためだけに4日もワシントンを留守にする理由はどこにあるのか」

 「貿易不均衡問題も解決できないではないか」

 「6月には大統領はEU離脱(ブレグジット)を巡って混迷の度合いを深める英国を公式訪問する」

 「国賓としてエリザベス女王とともに馬車に乗る。絵にはなるだろうが、訪英でも米国にとって国益となる実質的な成果はないだろう。国内政治には何の役にも立たない」

 「2020年の大統領選の前哨戦がすでに始まっている。どこに外遊しようとも、帰国すれば、厳しい現実がトランプ大統領を待ち受けている」

「民主党は大統領への尊敬の念を大相撲から学べ」

 トランプ支持層と反トランプ層にくっきりと分かれる米国の一般市民はどう受け止めたのか。

 トランプ支持の保守系ブライトバード・ニュースの訪日報道にこんなコメントが投稿されている。

 「大相撲での優勝力士は最高の尊敬を受ける。トロフィーを授ける者、受ける者がお互いに尊敬の念を表す最高のショーだ。大統領を愚弄する民主党過激派は相撲から少しは学んだらどうだ」

 「日本人は地球をぶち壊している。奴らは車をはじめとする米国製品を買わずに米経済を脅かしている。奴らはバーバリアン(粗野で野蛮な連中)だ」

 「そんなことはない。日本人は中国人とは違う。私はメードインUSAのトヨタを愛用している。日本車の多くは米国内で米労働者が製造しているのを忘れるな」

 投稿者はトランプ支持だからトランプ大統領がやることなすことについて批判はしない。だが自分たちの生活を脅かすものは容赦しない。

 中にはトランプ支持者でも日本に対する通商拡大法232条項適用決定を引き延ばしたことに不満を露わにする者も少なくない。

筆者が直接電話して聞いた中西部アイオワ州の食肉生産者、エリック・オークスさん(63=大学で学位を取った白人知識人)はこうコメントする。

 「トランプ氏の選挙公約で言った対日貿易不均衡は首脳会談前から取り上げないことを決めてしまった。いったい何のために東京までのこのこ出かけて行ったのか」

 「それほどまでして『即位直後の新天皇に会見する初の外国元首』になりたかったのか。自分のエゴじゃないか」

 「日本人は形式とか儀式を重んずるとは聞いているが、なぜこんなカブキプレー(大げさに儀式ばって演ずることを指す)をしてまで、日米同盟が最強であることを世界に示す必要があるのか」

 「そんなことをしなくても、かって敵国だった日本は今や英国やカナダに次いで米国人が最も好きな同盟国じゃないか」

https://news.gallup.com/poll/1624/perceptions-foreign-countries.aspx

安倍首相の「面従腹背」は百も承知

 それではなぜ日本(安倍首相)がそこまでトランプ大統領に気を遣ったか、だ。

 米国内では「論争の的になっている大統領」であることを知りつつ、安倍首相はトランプ大統領になぜこれほど接近し、個人的関係を大事にしているのか――。

 米国民(特に反トランプの知識人たち)は、首を傾げている。つまり安倍首相率いる日本の本心は奈辺にありや、だ。

 日米関係専門家としてはいま最も高い評価を受けているマイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級副理事長は、トランプ訪日に同行する記者たちを対象に行った専門家数人との電話ブリーフィングでこう指摘している。

 「安倍首相はトランプ支持では他の外国首脳に比べて群を抜いていた。それでいて、安倍首相が国内政治的に大きな代償を支払ってきたか、というとそうではない」

 「安倍氏の支持率は今なお50%前後。政権就任後7年目で、安倍疲れはあるが政権は安定している」

 「日本としては、朝鮮情勢、中国の軍事的脅威など周辺の環境を見るにつけ、今、日米関係を堅持することが唯一最善の外交だと考えている」

 「そこで安倍首相が、日米関係堅持のために、気まぐれで予想困難なトランプ氏をうまく操縦することを支持している」

https://csis-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/event/190521_Press_Call_Trumps_to_Japan.pdf

その一方で、安倍首相は「面従腹背」を貫いてきた。

 トランプ大統領が離脱を決めた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)にしろ、地球温暖化防止のための「パリ協定」にしろ、安倍氏は離脱などせず、指導的立場を貫いている。

 また「米中貿易戦争」の最中でも対中関係改善に動いている。もっとも中国は米中対決が激化しているからこそ、日本に秋波を送っているわけで、安倍首相にとって対中接近できる環境になったと言った方がいいだろう。

 「トランプ大統領は、そのことを百も承知で安倍とのワルツを踊っている。だが、トランプ氏は移り気で衝動的な人物。いつ豹変するかは分からない。そのへんは安倍首相も知っているはずだ」(国務省関係筋)。

今ワシントンは「中国脅威論」一辺倒

 東アジア外交を長年手がけてきた国務省の元高官の一人は、トランプ・安倍コンビが構築しようとしている日米関係の背景をこう分析している。

 「現在ワシントンの政界、シンクタンク、メディアに共通しているのは中国に対する警戒感だ。中国が米国の安全保障を脅かし、その脅威が増大しているという共通認識だ」

 「それを煽っているのはジョン・ボルトン大統領補佐官やマイク・ポンペイオ国務長官だ。彼らはトランプ大統領の『俺は強い指導者だ、勝利者だ、米国を再び強大な国にする』というエゴを煽り立て、対中強硬策を立案している」

 「米軍は中国の南シナ海、東シナ海での軍事威嚇行動を取り上げ、軍事産業はビジネスチャンスと考え、政治家たちは地元の雇用を創造する軍事力増強に異議を唱えるはずもない」

 「トランプ政権が対日重視政策を続ける背景にはこうした中国脅威論がある」

 「北朝鮮に対抗するために日本の軍事力増強を要求するのは、何も北朝鮮だけが主対象ではない。中長期的にはその背後に控えている中国に対抗するためだ」

 在日米軍基地で戦略・作戦を担当してきた米国防総省の制服組OBは、筆者にこうコメントする。

「日米同盟はトランプ・安倍時代に新たな段階に進化している。『日米安保体制』から着実に『日米新軍事同盟』に衣替えし始めた」

 「日米同盟強化を念頭に安倍首相が推進してきた集団的自衛権の法制化はその主軸となった。米国(軍隊)が第三国の攻撃を受けた場合、自衛隊が日本に対する攻撃とみなして(つまり「存立危機事態」)共同対応が可能になった」

 「米軍は2014年に就役した最新型強襲揚陸艦「アメリカ」(LHA6)とステルス方揚陸艦「ニューオリンズ」(LPT18)を佐世保基地に前進配備、中国などの大陸間弾道ミサイル(ICBM)攻撃を想定した米本土防衛レーダー(HDR)の日本配備も検討し始めている」

 「航空自衛隊は、現有のF2戦闘機に代わる多用途ステルス戦闘機F35機を米国から大量購入することを決めている。これも中国が第5世代双発ステルス戦闘機J-20を導入したことに対する対抗措置と見ていい」

 「今回の訪日で、トランプ大統領は安倍首相とともに護衛艦『かが』に乗艦し、その後、横須賀基地で演説した。『かが』は事実上空母化が決まっている。日米軍事同盟を表すシンボリックなショーだ」

「韓国抜き」で進む「日米新軍事同盟」

 こうした動きに一番警戒心を強めているのが韓国だ。

 朝鮮日報の東京特派員、李河遠記者はこう指摘している。

 「トランプ政権発足以後、米日同盟が強化される中で現れた現象は、世界の軍事関連歴史を書き改めねばならないほどだ」

 「最新鋭艦の配備、F35ステルス戦闘機の機密提供、MD関連の協調、サイバー・宇宙空間での協力強化・・・」

 同記者は、日米と韓国の関係がぎくしゃくしている中で、「韓国抜き」が進行していることに対する苛立ちと警戒感を露わにしている。

今回のトランプ訪日が決定した後、文在寅大統領はトランプ大統領との電話(5月7日)で韓国への立ち寄りを要請したという。

 しかしトランプ大統領の回答はけんもほろろだった。その「事実」を漏洩したのは野党議員だったということで大騒ぎになっている。韓国は実に次元の低いことでごたごたしている。

米議会調査局報告:
「文在寅政権で米韓に重大な政策相違」

 米国が「韓国抜き」で日米軍事同盟深化に踏み切った背景には、対韓国不信感がある。

 北朝鮮の非核化を巡って、トランプ大統領と文在寅大統領との間に重大な相違が生じてしまった。

 5月20日に公表された米議会調査局(CRS)の『韓国:背景および米国との関係』は次のように指摘している。

 「北朝鮮問題について米韓両国政府は、ここ数年間緊密に協力してきた。しかしトランプ政権と文政権の下で政策の不一致が大きくなった」

 「ハノイにおける2回目の米朝首脳会談の決裂は、北朝鮮に接近しようとする文大統領の政策にダメージを与えた。既存の対北朝鮮政策に対する立場を変えようとするトランプ政権の試みは不確定的変数を増大させている」

 「両国の大統領の間で、非核化交渉で北朝鮮に譲歩するべきか、するならどのような条件で折れるかなど政策面で重大な相違が生じている」

https://fas.org/sgp/crs/row/IF10165.pdf

 さらに徴用工問題、慰安婦問題など歴史認識の問題を巡って日韓の確執は戦後最悪の状況ともいえる。

 対北朝鮮の非核化はもちろんのこと、日韓がここまでいがみ合っている状況では「中国の脅威」に対する中長期的対策で日韓の足並みが揃うはずもない。

 今回のトランプ訪日を後から振り返ってみると、安倍晋三企画・演出の非の打ちどころのない「カブキプレー」の裏で、日米両国は「韓国抜き」の東アジア戦略構築に向けて一歩踏み出したエポックメーキングな出来事であったことに気づくかもしれない。

良ければ下にあります

>

を応援クリックよろしくお願いします。

『香港に激震、中国政府が思想犯を捕まえ放題に 「逃犯条例」改正で天安門事件追悼集会は開催不可能か』(5/30JBプレス 福島香織)について

5/29希望之声<怕了?CGTN取消直播中美女主播辩论 大陆网络炸锅=怖がった? CGTN(環球TVネット)は米国女性アンカーとの討論のライブ放送を取消す 大陸のネットでは大騒ぎ>米中貿易戦争は反対論を抑えきれなかっただけでなく、世論の闘いを齎した。米国のフォックス(FOX)のビジネスチャンネルの女性アンカーレーガンとCCTV傘下のCTVNのキャスターの劉欣は、場外でバトルを展開した。 番組上で互いにやりあった後、双方は北京時間の30日の午前8時に議論をライブ放送することに同意した。 ネチズンと公式の見通しは、「CCTVが今回ライブ討論をするのは前代未聞である。 しかし、最新の情報ではCCTVは速やかに“撤回”し、“著作権上の理由から女性アンカーの対話は放送できなくなった」という声明を発表した。 そのニュースはネットで揶揄いの種となった。

やはり予想通りキャンセルしました。ライブ放送だけなのか、対決そのものを拒否したのか、今の所分かりません。レーガンのツイッターには5/30 11:30の段階で対決がアップされていません。

http://www.soundofhope.org/gb/2019/05/29/n2918827.html

5/29阿波羅新聞網<华为手机业务已经完蛋 外资点名这2家是最大受害者=華為のスマホ事業はダメになる 2社の外資系企業が最大の被害者となっている>米国は国家安全保障上の懸念に基づき、中国の通信機器メーカー華為社への禁輸を発表し、大規模なグローバル技術メーカーは華為への供給を停止することにした。 技術コンサルタントは、華為の国外市場でのスマホ事業は事実上終わっていると指摘し、Daiwa Capital Marketsは、華為のサプライチェーンが受注をカットし始めていることで、鴻海の子会社富士康とレンズメーカー大手の大立光電は、華為が出荷調整の前後で、影響を受けたメーカーになった。

ハイテク企業コンサルのApplicoのCOOであるAlex Moazedはブルームバーグのインタビューに、「中国以外の、特にヨーロッパでの華為のスマホ事業は事実上終了したと言える。華為は米国の制裁に反撃するものは何もない」と述べた。

アナリストは、「中国政府が華為に助成金を支給したとしても、華為のスマホOSにソフトウェアを提供することを何千万ものサードパーティ企業に説得することはできない。したがって、華為のOSは、GoogleのAndroidシステムから置き換えることはほぼ不可能である」と指摘した。

日本人は間違っても中国製のスマホは買わないように。中国製はGoogleのOSが使えないのであれば、台湾製を使えば良いでしょう。小生はずっとASUSのZenfoneを使っています。

https://www.aboluowang.com/2019/0529/1295518.html

5/30阿波羅新聞網<贸易战正在改变中国! 班农:川普不会退缩1秒钟=貿易戦争は中国を変えつつある! バノン:トランプは1秒たりとも後退しない>ホワイトハウスの元首席顧問のスティーブ・バノンはインタビューの中で、「トランプ大統領は米中貿易の場面で1秒たりとも後退しない。この争いは中国の経済構造を根本的に変えようとしているからだ」と述べた。

ブルームバーグの報道は、「バノンがカザフメディアフォーラムのインタビューを受け、“彼(チャンプ)は全力を尽くさなければならない。これは貿易戦争ではない。彼らは(中共)ずっと西側の経済戦争と対抗してきたからだ。資本市場への中共へのアクセスを遮断し、中共の技術の略奪を遮断すれば、直ちに降参する。」

バノンは、「トランプは1秒たりとも後退するとは思わない。貿易の争いが根本的に中国経済を変えつつあるので、彼ら(中国)は西側自由市場経済と協力できる」と述べた。 バノンは、「今は2つの互換性のないシステムがある。目下中国の問題が唯一の重要なことである」と述べた。

悪の共産主義は打倒されるべきです。トランプはバノンの言うように1秒たりとも後退しないでほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/0530/1295526.html

5/29日経電子版<中国、レアアースで米けん制 米は輸入の8割依存 習氏「重要な戦略資源」

20日にレアアース企業を視察した習近平国家主席(新華社のニュースサイトから)

中国が電気自動車(EV)やデジタル家電の部材に欠かせないレアアース(希土類)の禁輸をちらつかせて米国へのけん制を強めている。中国は世界生産の7割を握り、米国は輸入の8割を中国に依存している。貿易戦争の激化に歯止めがかからないなか、中国にとって輸出規制は米国に対抗するカードになりそうだが、副作用を伴うもろ刃の剣でもある。

【関連記事】中国のレアアース、日本企業にも影響大きく

「中国のレアアースで作った製品を用いて中国の発展を抑え込もうと考えているなら、中国人民は決して納得しない」。共産党機関紙の人民日報は29日付の論評記事で、対米輸出規制をほのめかした。経済政策の司令塔である国家発展改革委員会も28日に同様の声明を発表し、外務省報道局長は29日の会見で「権威のある発言だ」と述べた。

これらに先立つ20日。習近平(シー・ジンピン)国家主席はレアアースの主産地、江西省贛(かん)州の有力磁石メーカーを訪れ、「重要な戦略資源だ。技術レベルを絶え間なく高めなければならない」と強調した。視察には対米貿易協議を担当する劉鶴副首相の姿もあった。

トランプ米政権は5月、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米国製部品などの事実上の禁輸に動いた。自国のハイテク産業に強まる圧力への報復として、中国がレアアースを交渉材料に使うとの臆測が強まっている。

中国は2010年に沖縄県の尖閣諸島をめぐり対立した日本への輸出を滞らせただけに商品相場は敏感だ。EVに使うモーター磁石に添加して耐熱性を高めるジスプロシウムには投機的な買いが広がり、足元で1キロ280ドル前後と年初比6割高い水準に跳ね上がった。

18年に米国が輸入したレアアース(化合物含む)は1万8557トンで、中国からが8割を占めた。米通商代表部(USTR)は中国製品すべてに制裁対象を広げたとする追加関税「第4弾」からもレアアースを除外した。例えばガラス研磨剤などに使うセリウムは輸入に占める中国の割合が96%と依存が深い。

レアアース生産は中国に偏在している。米地質調査所(USGS)によると、中国は12万トンと2位のオーストラリア(2万トン)や3位の米国(1.5万トン)を大きく引き離し、世界全体(17万トン)の7割を占める。

「中東に石油があり、中国にレアアースがある」。経済成長へ改革開放にかじを切った最高実力者、鄧小平氏は早くから戦略資源と見定めた。中国は採掘したレアアースの半製品や製品の加工・生産拠点も整えてきた。

ただ輸出規制は代償を伴う。金属市場調査会社、アイアールユニバース(東京・中央)の棚町裕次社長は「中長期では中国自身へのダメージが大きく、踏み切るとは考えにくい」と指摘する。

10年に日本への輸出を絞った際は供給元としての信頼に疑問符が付き、他国からの代替調達やレアアースを使わない技術開発を促す契機になった。サプライチェーン(供給網)の下流にあるメーカーが「得意先」である米国への輸出ができなくなれば痛手にもなる。

日米欧は中国の輸出規制が国内産業を恣意的に優遇する政策だとして世界貿易機関(WTO)に提訴し、14年に中国の「敗訴」が確定した。いま中国は米国の制裁関税をWTOルール違反と主張するが、禁輸はその説得力を失わせて孤立を深める恐れもある。(貿易問題取材班)>(以上)

5/29日経電子版<中国のレアアース、日本企業にも影響大きく

レアアースはEV向けの需要増加が見込まれる(中国のレアアース鉱山)

レアアース(希土類)の輸出制限を巡る中国政府の動向を日本企業も注視している。2010~11年に領土問題で日中関係が悪化した際、中国は日本に対するレアアースの輸出を制限。日本企業は調達難に見舞われ、代替素材やリサイクル技術の開発を進めた。中国側が米国への輸出規制に踏み込めば価格高騰など日本企業にも余波が広がる可能性がある。

【関連記事】中国、レアアースで米けん制 米は輸入の8割依存

「レアアースの供給は中国が世界市場の約8割のシェアを占めており、仮に輸出規制となれば(市況などへの)インパクトは大きい」。研磨剤用途を中心に扱う住友商事の担当者は身構える。

日本企業にはレアアースの輸出規制で苦い経験がある。領土問題で中国からのレアアース輸入が制限された結果、高性能磁石の原料となる「ネオジム」や磁石の耐熱性を高める「ジスプロシウム」の価格は10倍近くに跳ね上がった。企業はオーストラリアなど調達先の多様化や代替技術の開発に走り回った。

信越化学工業は磁石に使うレアアースの量を減らしリサイクルも強化した。一部のレアアースでは1つの磁石に使う中国産の量を10年間で3分の1以下に減らしたという。トヨタ自動車は18年、ネオジムの使用量を半減し、高温下でも磁力が損なわれない新型磁石を世界で初めて開発した。

日本企業の中国産レアアースへの依存度は下がっているとは言え、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)のモーターに不可欠な高性能磁石向けなど、レアアース需要は今後も拡大する見通しだ。米中摩擦の余波で価格が高騰すれば、日本企業の調達コストが上昇して収益の重荷になる恐れがある。

レアアースを取り扱う専門商社によると、「米中摩擦を背景に顧客がレアアースの在庫を積み増すような動きは現状では確認していない」という。

日本企業はこの10年、リサイクルによるレアアースの確保や、中国への依存脱却へ向けた技術開発など幅広い取り組みを進めてきた。

トヨタグループの自動車部品大手ジェイテクトはネオジムとジスプロシウムを使わずに高出力を維持できる埋め込み磁石型のモーターを19年1月に開発した。磁石に中国以外でも採掘されて安価な「サマリウム」を代わりに使った。

モーター世界大手の日本電産は、レアアースが原料となる永久磁石を使わないスイッチトリラクタンス(SR)モーターを開発した。10年に買収したエマソン・エレクトリックの技術を生かした。永久磁石の代わりに、軸の周囲の電気の流れを切り替えて軸を回転させる仕組み。建機などで一部使われているという。

三菱マテリアルは16年にエアコンや洗濯機、冷蔵庫などのモーターからネオジムなどのレアアースを使った磁石を回収する技術を開発した。現在は共同開発したマーク・コーポレーション(三重県鈴鹿市)で磁石の回収事業を実施している。

中国の米国に対するレアアースの輸出規制は、中国にとってももろ刃の剣であることは過去の歴史が物語る。

レアアースの供給を絞った結果、調達先の多様化や代替技術の開発が進み、レアアース価格は下がり、需要も低迷した。15年1月には日米欧が世界貿易機関(WTO)に提訴した中国のレアアース輸出制限の協定違反で中国は敗訴している。

米国に対するけん制にとどまるのか、発動に至るのか。日本企業も固唾をのんでいる。(貿易問題取材班)>(以上)

5/29宮崎正弘氏メルマガ<トランプ、次の中国企業の標的はMEGVII(メグビー)  顔面認識メーカーの機器が新彊ウィグルの監視体制で「大活躍」>「ところが、日本は南鳥島沖合海底に膨大なレアアース鉱脈が確認されており、世界有数の埋蔵と言われている。だから日米は、中国の警告に慌てないのである。」とあります。日経の報道はこの視点がありません。不安をあおるだけ。勉強不足です。

http://melma.com/backnumber_45206_6823728/

福島氏の記事では、銅鑼湾書店の拉致事件のように秘密裡に拘束したものが、建前上は合法的に逮捕できるようになるという事です。まあ、中共のやることですから冤罪で逮捕者が続出し、中国側の厳しい監獄送りになるのでは。台湾に逃げる人は増えていくでしょう。

世界は中共のやることを良く見ていた方が良いです。中共は約束を守らないという事です。一国二制度だけでなく、WTOルール、東シナ海・南シナ海での行動を見れば分かるでしょう。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う民族ですから。米国人が中国人に騙され続けて来たのは愚かです。ハニーと賄賂で転がされて来たのでしょう。強欲もの同士だからです。

台湾で起きた殺人事件で台湾との犯罪人引き渡し協定を結ぶため、香中にも引き渡し協定を結ぶというのは口実としか思えません。やはり中共は50年も待つつもりがないという意思表示です。

記事

香港の高層ビル群

(福島 香織:ジャーナリスト)

 天安門事件30周年を前に世界各地でシンポジウムや討論会が行われ、1989年6月4日に起きた悲劇を風化させまいという努力がなされている。特に香港では、毎年、6月4日の夜にはキャンドル集会が恒例になっている。だが、ひょっとするとこうした香港の天安門事件追悼集会は今年が最後になるかもしれない。

 というのも「逃犯条例」(中国への犯罪人引渡し条例)改正案が今年(2019年)夏にも可決しそうなのだ。そうなれば、中国から香港に逃げてきた民主活動家や法輪功学習者、人権活動家、そして汚職官僚なども犯罪人として中国公安当局に引き渡されることになる、かもしれない。そして、天安門事件を忘れまいとするデモや集会なども違法な集会、反党活動、国家分裂活動として取り締まられ、主催者が犯罪人として中国に引き渡される可能性もありうるわけだ。

 逃犯条例については、日本メディアでもかなり報じられている。4月28日には香港市民による13万人規模の条例に反対するデモが起きた。そして来たる6月9日には条例改正の絶対阻止を掲げて大規模デモが呼びかけられている。その前に行われる6月4日の天安門事件集会でも条例阻止が1つのテーマとなるだろう。

香港で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案に反対するデモに参加した人々(2019年4月28日撮影)。(c)Anthony WALLACE / AFP〔AFPBB News

決定的に崩れる香港の司法の独立性

 この改正逃犯条例とはどんなものなのか。現行の「逃犯条例」は「香港以外の中国その他の地方にはこの条例を適用しない」ことが規定されており、香港が中国本土と異なる司法の独立を有することを裏付ける内容になっている。改正条例案はこの適用外条項を削除する。

 一言で言えば、香港の司法の独立性はこれで決定的に崩れることになる。条例の運用次第では、中国共産党が国内でやっているような政治犯・思想犯逮捕を香港でも行えるようになる可能性があるというわけだ。

中国で法律を犯した中国人が香港に逃亡した場合、香港司法当局は逃亡犯を中国に引き渡さなければならなくなる。また香港は目下米国、英国など約20カ国との犯罪人引渡協定に調印しているが、そうした国々に何の説明もなく、条例提供範囲を中国にまで広げてしまうことは、国際社会にとっても大問題だ。

 西側諸国が香港と犯罪人引渡協定に調印しているのは、同じ民主主義の司法制度があるという前提で行われている。だから、香港とは犯罪人引渡を認めても、中国とは認めていない国も多い。だが、香港と中国の間に逃犯条例が成立すれば、香港を経由して自動的に中国に容疑者を引き渡してしまうことになる。西側の自由社会にしてみれば、中国のような法治国家でないところに容疑者を引き渡すわけにはいかない。

 ちなみに中国と犯罪人引渡協定を結んでいる国も約40あるが、多くが中東や中央アジア、東南アジア、アフリカなどで、民主主義の法治の先進国家ほとんど含まれていない。こうした協定に基づき中国に引き渡されている“犯罪者”には、ウイグル人留学生や民主活動家らも含まれていたりするのだ。

 フィナンシャル・タイムズの取材に対して、米中経済・安全審査委員会(米国議会の諮問機関)は「新条例は香港における米国の国家安全と経済利益に重大なリスクをもたらす」「ウソの口実を使って、香港在住米国人の引き渡しを要求するかもしれない」と警告している。国際商会・香港区会は「こんな条例ができれば、香港に企業の総本部を置くこと考えなおさなければならない」と不安を口にする。

残虐な「陳同佳事件」がきっかけに

 香港の立法会に逃犯条例改正案が提案されたきっかけは、台湾で起きた「陳同佳事件」だ。2018年2月、香港人男子学生の陳同佳が恋人の潘暁穎を旅行先の台湾のホテルで殺害、翌日、遺体を台北MTRの竹園駅近くの公園の草むらに遺棄し、香港に逃げ帰った事件である。

 潘は妊娠しており残虐きわまりない事件だが、香港と台湾の間には犯罪者引渡条例がなかった。そのため台湾警察は陳同桂を国際指名手配するも、香港は容疑者を引き渡すことができなかった。台湾警察は取り調べができないので起訴できないまま。香港警察は陳同桂をマネーロンダリングなどの別件で起訴、香港司法は今年4月に懲役29カ月の判決を下した。陳同桂は控訴せず。なぜなら判決前の収監期間を入れれば10月には出所し、自由の身になるからだ。

 香港政府としては陳同桂を台湾に引き渡すために、それまでに逃亡条例を改正することにした。だが、香港の立場上、“中国の一部”である台湾とだけ条例を結ぶことは難しい。そこで条例改正案では、台湾だけでなくマカオ、そして中国本土とも容疑者引き渡しを認める内容になったわけだ。

中国への引き渡しを恐れる人たち

 条例案では、引き渡し請求を受けると香港の裁判所で審理を行うが、最終決定権は香港特別政府行政長官が握る、としている。香港当局は、人権と裁判審理プロセスの公正さは担保されるし、引き渡された場合に死刑が執行される場合や政治犯容疑者は引き渡さないし、上訴や審理差し戻し請求の権利なども維持されており変化はない、としている。経済犯罪も重大犯罪のみに限定するとした。

 だが現状、香港の司法制度の独立性が目に見えて中国当局に侵されているわけで、香港市民はこうした香港政府の説明に納得していない。行政長官は、親中派で固められている選挙委員会による選出であり、中国の意向に逆らえない立場である。反対派は、そうした実態があることから、条例案でいくら政治犯引渡しを認めないという内容があっても、政治犯を経済犯やその他の冤罪を着せて引き渡すことは十分ありうると考えているのだ。

 こうした懸念は、香港の民主派議員や人権、宗教組織関係者、共産党批判の香港市民といった特定のイデオロギーを持った人たちに限ったものではなく、広くビジネス界金融界やメディア界にも共有されている。

 というのも、香港というのは中国政治家たちの一大マネーロンダリング地であり、国際金融市場を利用して本土から不正に持ち込まれた政治家・官僚たちの資産をロンダリングして海外に移転する手助けをしてきた。金融界、財界の少なからぬ有名人たちは「ホワイトグローブ(白手袋)」と呼ばれ、汚れた手を“白手袋”で隠すように、合法的に見える手法で違法な資金洗浄を行ってきた。もし逃犯条例が改正されれば、中国国内の権力闘争のたびに、大量の香港の金融・財界人が逮捕され中国に引き渡されて取調べを受ける、なんてこともありうるわけだ。

 また、香港はこれまで、中国国内で権力闘争がらみで反腐敗キャンペーンのターゲットになった官僚、政治家の一時避難所であった。自分の身辺に汚職捜査に手が伸びそうだと思ったら香港に脱出し、権力闘争の旗色を見ながら米国に亡命するか、あるいはほとぼりが冷めたころに中国に戻るかを決める。数百人単位の中央・地方官僚が、党中央や地方での闘争の嵐が過ぎるまでフォーシーズンズホテルなどに逗留している。

 メディア界にしても、香港はこれまで重要な中国取材拠点としての意味があった。例えば香港駐在記者や香港人記者が中国で敏感なテーマを潜入取材しても、無事香港に戻ってくれば報道はできたし、身の安全も守れた。香港では問題ない取材でも、中国では擾乱罪や分裂扇動罪に問われかねないネタは多々ある。北京駐在記者がジャーナリストビザを通じて厳しく監視コントロールされている中で、機動力のある香港駐在記者が敏感な取材をするという意味で、「中国取材の本当のメディア最前線は香港である」と位置付けていた記者、ジャーナリストたちもいる。

さらに強まる中国の影響力と圧力

 香港は習近平政権になってから深刻な中国共産党の干渉を受けるようになっている。例えば2015年10月の銅鑼湾書店事件(中国における禁書や習近平スキャンダル本の出版を行ってきた銅鑼湾書店関係者が秘密裡に逮捕され、銅鑼湾書店が閉鎖に追い込まれた事件)や、2017年1月27日に起きた大富豪・蕭建華の“失踪”事件(中国公安当局に秘密裡に身柄拘束され、北京に移送された事件)など、香港の司法の頭越しに北京が非合法なやり方で自分たちに都合の悪い人間を秘密裡に収監する事件が相次いでいる。

 また、香港独立を主張する香港民族党が活動禁止を言い渡された後、香港外国特派員協会(FCC)が民族党の創始者である陳浩天に講演講師を頼んだことが原因で、講演企画者でFCCの副会長も務めていたフィナンシャル・タイムズの特派員・ビクター・マレットがビザ更新を拒否され香港から退去を余儀なくされた事件(2018年10月)。2014年の雨傘革命のきっかけとなった「オキュパイ・セントラル」(中環を占拠せよ)運動の発起人である香港大学法学部副教授の戴耀廷ら9人に最長1年4カ月の実刑判決が4月に出たことも、中国の影をひしひしと感じさせる出来事だった。

 こうした中国の影響力、圧力は、条例成立によって、香港の“法治”を維持しているように見せかけながらさらに強まるのではないか、とみられている。

 条例が改正されれば、具体的にどういう現象が起きるだろう。

 中国政府駐香港連絡弁公室(香港中聯弁)によれば、1997年の香港返還後、本土から香港に260人以上の容疑者が逃亡しているという。香港はこれまでこうした“容疑者”を1人も中国に引き渡したことがないが、条例が改正されれば、彼らの引き渡しが一斉に始まるかもしれない。あるいは、香港から第三国への脱出ラッシュがおきるかもしれない。

 銅鑼湾書店主の林栄基もその対象の1人だろう。彼は中国で秘密逮捕され長期に取調べを受けたのち、自主的に中国に戻ることを条件に一時的に香港に戻ることを許されたが、結局中国に帰らず香港で記者会見して秘密逮捕のことを暴露した。その後、切実に身の危険を感じたので、4月末に台湾に脱出。3カ月のビザが出ており、その3カ月の間に今後の身の振り方を考える、としている。

 陳同佳に殺害された潘暁頴や遺族の無念を思えば、司法管轄の障壁によって裁かれるべき人間が裁かれないという今の状況は人権の観点からいっても改善されるべきなのだろう。だが、その代償が香港の司法の独立、法治だとすれば、なんと矛盾に満ちていることだろう。

 一香港青年の凶行が、恋人とその赤ん坊の命を奪っただけでなく、香港そのものの命を奪うことになるとは。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『台湾が泣いている:日本よ台湾の悲鳴を聞け!日常的にサイバー攻撃を仕かける中国、台湾防衛は日本の生命線』(5/28JBプレス 用田和仁)について

5/28阿波羅新聞網<川普政府另一鹰派大将浮出水面 支持美中两大经济体保持距离=トランプ政権のもう一人のタカ派が浮かび上がる 米国と中国の経済のデカップリングを支持>米国政府は先日華為を輸出規制リストに含めることを決定した。米国の企業は、許可なくソフトウェアや部品を華為に販売することはできず、多くの中国の技術メーカーも同様の運命に直面すると予想されている。 英国のFTの報道では、決定はトランプ大統領によってなされたが、禁止はトランプ政権の表に出て来ないもう一人のタカ派のNazak Nikakhtarによってなされたと。

45歳のNikakhtarはイランで生まれ、1979年6歳の時に両親と一緒にアメリカに移住し、かつて貿易弁護士と経済学者を務め、今は米国商務省産業安全局の代理局長である。Nikakhtarの物の見方に精通している人は、「彼女はタブーなしで米国の企業に中共との緊密な経済関係の危険性を指摘、米中経済が距離を保つのを支持し、近い関係にならないように警告している」と指摘した。

https://www.aboluowang.com/2019/0528/1295023.html

5/28阿波羅新聞網<【微博精粹】“人日”目前发展到公开黑习近平 离舆论政变只差一步 ——赵党拆庙 贴告示命令神灵搬家 笑翻看官=【こなれたウエイボー】”人民日報 “は目下、習近平の悪をドンドン公開している – 世論は政変からもう一歩のところにある –  上級幹部は廟を動かし、家の神仏も移動させるように通知 役人を見るとおかしくて笑い倒れる>《人民日報》は習近平の悪を明らかにし、次のように述べている:「強権を弄ぶものは道義に背き助けるものは少ないと運命づけられている、唯我独尊は必ず失敗する」と。 記事は「西洋のことわざに“自分を知ることは最も得難い”とある。 しかし、米国の政治家の中には、自分自身をはっきりと見ることができず、世界の大勢をも見ることができなく、唯我独尊に走り、強権政治の道に入る人もいる」と。  – この文章は一見米国を攻撃したように見えるが、タイトルを見れば、人民日報は上級幹部の習近平を攻撃していると感じる。

LifetimeUSCN:米国人は任正非のならず者ぶりを知った。 Ciscoの弁護士は深圳に行き任正非と会って、Ciscoの知的財産権に対する華為の窃取について質問した。Ciscoのマニュアルの誤りの部分が華為のマニュアルにも同様にあった。任正非は全然赤面せずに、シスコの弁護士を怒らせる言葉を出した。“偶然の一致”と。//@Kate_OKeeffe:Excerpt from our NEW Huawei investigation:Cisco’s lawyer flew to Shenzhen to confront Huawei founder Ren Zhengfei with evidence of the co’s theft,incl typos from Cisco’s manuals that also appeared in Huawei’s. Ren gave a one-word response:“Coincidence.”

野蛮な国家には金をばら撒き、文明国家には野蛮に対し、自分の国では嘘を言う

【QRコードのないアリペイは遊べない】安倍とトランプはゴルフをした後、決めた:中国は必ずQRコードの特許料を支払わなければならない。そうでなければQRコードの使用は停止させる。日本経済新聞によると、2018年にアリペイは日本に登場したが、その後QRコード機能は日本人によって発明されたとの声が出て、日本側は中国人にQRコードの特許料1分(1/10元)の支払いを要求した。しかし、中国側は、使用上スマホのスキャンコードは独自の特許であり、侵害はないと述べた。 華為は次のものは使えない1. チップ2.OS3. SDカード4. Wifi 5.QRコード6.ブルートゥース7.パナソニックテクノロジー8.マイクロソフトの製品、特許、サービス9. クアルコムの技術10.英国のARM…任正非がこれらの準備ができているというのは信じられない。

QRコードは日本人の発明と彼らも認めています。それでも中国側は自社開発と言い切るのですから流石中国人。次の2つの記事は日本人開発と中国人が認めています。でも日経がこの記事を載せたのは知りませんでした。

<日本人发明二维码,却靠中国人推向世界>

https://bitex-cn.com/?m=Material&a=newshearingdetail&newshearingid=1574

<二维码日本人发明,却靠中国人推向世界!支付宝已攻入日本市场!>

http://wemedia.ifeng.com/71063183/wemedia.shtml

https://www.aboluowang.com/2019/0528/1294956.html

5/28希望之声<民主党反对调查“通俄门调查”起因 被指担忧丑闻曝光=民主党は“ロシアゲート”が起こった原因の捜査に反対し、スキャンダルの発覚を恐れていると指摘されている>米国上院司法委員会の委員長であるLindsey Grahamは、最近「民主党およびオバマ政権の官僚たちは“ロシアゲート捜査”の原因を明らかにすることに強く反対している」と表明した。彼は「これらの人は彼ら自身“法律濫用”というスキャンダルが明らかになる事を恐れていると信じている」と。

Carter PageやJohn Brennan等デイープステートの面々が調査の対象となるようです。民主党にも捜査の手が伸びるのでは。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/28/n2916820.html

5/28希望之声<华为的终局之战:认罪罚款,晚舟坐牢!=華為の最後の戦い:罪を認め罰金、を払い、孟晩舟は牢屋行き!>鄭清源は「「華為が本当に違法行為をしていれば、米国の制裁としての罰金を受け、孟晩舟は最終的に刑務所に入ったとしても、華為は教訓として、中国人は理性を以て対応すべきである」と述べた。うまい具合に先週任正非はインタビューを受け、「孟晩舟は“獄中博士”となり、刑務所の研究をする準備ができている」と言った。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/28/n2916493.html

5/29日米台関係研究所主催の『日米台安全保障協力の方向性 台湾有事に備えた日米台の連携』シンポに参加しました。

渡辺利夫会長の挨拶

シンポで共同声明議論人の登壇

石破茂、長島昭久、中西哲国会議員も参加していました。パネラーの浅野和生教授が「“日台交流基本法”は政府での法案提出はできないだろうから、議員立法でお願いしたい」と述べました。議員がキチンと仕事をするかどうかです。時間をかけずにやらないと。中国の台湾侵攻の抑止の一部となります。

用田氏の記事は全くその通りで、日本国民全体に読んでもらいたいと感じました。しかし、経済界も、政治家・役人も学界も中共の危険性についての認識に欠けているのでは。自由の無い世界に圧倒されることになるのに。我が事として考えていません。明治維新は庶民は分からなくても、国を引っ張るエリートは危機意識を持ち、身命を賭して列強と対峙しました。今の学力だけのエリートにはその気概が感じられません。残念です。

記事

台湾にある超高層ビル、台北101(2013年2月25日撮影、資料写真)。(c)Mandy Cheng / AFP〔AFPBB News

 筆者は、日本安全保障戦略研究所(SSRI)の一員として、台湾戦略研究学会(TSRA)との「日台戦略対話」を発足させるため5月10~13日の間、台湾を訪問した。

 この間、同学会のみならず、台湾の立法院国会研究室、台湾国防安全研究院、台湾国防大学戦争学院戦略研究所を訪問し、対話を重ねる機会を得た。

 今回の台湾訪問は、台湾が中国から本格的に軍事的威嚇を受けていること、来年の台湾総統選挙では、民進党が相当厳しい状況に置かれていることなどを考慮して実施した。

 こうした状況では相当踏み込んだ軍事的な対話をする必要があり、また、常続的に対話を継続する枠組みを作る必要があると考えたからである。

 当初、我々SSRIメンバーは、今回の訪問を通じて日台間の安全保障・防衛協力の対話のレベルを少しでも上げることができるのではないかと意気込んでいた。

 しかしながら、訪問の結果、日本に対する「台湾の大きな失望」を理解していなかったことに大きな衝撃を受けた。

台湾防衛の中核を担う台湾国防安全研究院

 訪問した台湾国防安全研究院は、台湾の国家安全会議(National Security Counsil=NSC)直轄で2018年5月に設立されたものである。

 NSCと直結している存在意義は極めて大きいと判断され、今後は当研究院と深い対話が重要であることを痛感した。

 ここで、我々の研究成果である「インド・アジア太平洋防衛戦略」を説明したところ、大きな関心を示した。

 今後は対話のレベルを一段と高め、真剣な議論に踏み込める可能性を強く感じた。

 特に、当研究院は日本の南西諸島作戦との連携を模索しているようであり、将来的には日本との災害時などの後方支援や救難支援などを含めた具体的な協力関係を構築していくことが必要だと感じられた。

 また、対話の中で台湾は米国との深い繋がりを示唆しており、今後日本は、日米共同作戦と台湾との一体化(Triad)について防衛対話を深めていくことが求められるだろう。

なお、台湾では日常的に中国のサイバー攻撃を受け、かなりのマスコミが中国寄りの報道をし、フェイクニュースが垂れ流されていることに大きな危機感を抱いていた。

 日本も、このような事態が「対岸の火事」として軽視できるような状況ではないことを銘記しなければならない。

台湾戦略研究学会との日台戦略対話

 米中は貿易戦争の枠組みを超え、覇権獲得競争あるいは新冷戦といわれる大国間対立に突入している。

 この時代に、民間のSSRIと台湾の大学(国防大学を含む)や研究機関を広く包含する台湾戦略研究学会との間で、戦略対話の定期開催に関する覚書を結んだことの意義は大きいだろう。

 一方、わが国には、これほどまでに米中の長期的・構造的対立が顕在化し、その影響がわが国にも直接・間接に及んでいるにもかかわらず、ひたすら経済面における協調要因にしか目を向けない大きな勢力が存在している。

 このようなことは国際的にみれば異常としか言いようがない。

 これが、悲しきかな日本の実情であり、中国こそがすべてという経済界、そして中国に同調する一部の政治家・マスコミの本音であろう。

 (確かに一部の心ある政治家は、台湾との真の関係構築と交流の拡大を考え行動していることは心強いが、この流れが主流になることを期待している)

 悪い流れを助長しているのが、昨年10月、中国を訪問し「日本と中国の関係は完全に正常な軌道に戻った」とし、日中関係は「競争」から「協調」へ変わったと安倍晋三首相に言わしめた、日本のねじれた政治風景ではないだろうか。

 本当に中国との関係が正常に戻ったと言うのならば、領海を含めた尖閣諸島周辺海域に40日以上にわたって侵入し続ける中国軍艦の行動も「正常な軌道」ということなのだろうか。

 そうならば、尖閣諸島は中国の領土であると認めたことになるだろう。防衛計画大綱では、中国は「安全保障上の大きな懸念」と表現しているが、もう一度ここに戻って発言を訂正することが必要だろう。

 さらに、次々に日本人がスパイ罪に問われ、逮捕され実刑の判決を受けているが、これが首相の言う「正常な軌道」の中の話なのか。

北朝鮮に拉致された人たちを救うために、国を挙げて全力を尽くしているのに、中国にいる同胞を救おうとしないのは正気かと疑いたくなる。

 国民を守らない姿は、日本の継戦力もない貧弱な防衛力でよしとし、その限られた予算の中であっても米国の高額装備品を買い続ける姿にも表れている。

 また、何の意味もないのに、日本の防衛費はNATO(北大西洋条約機構)の算定基準で試算すると、GDPの1.3%でしたと米国に言い訳する姿は実に見苦しい。

 米国が、本気で政治・経済・軍事的に中国に対して妥協のない戦いを始めたことを日本はあまりにも軽く見すぎている。

 これから米国は貿易のみならず、金融においても戦いを仕かけるであろう。

 ファーウエイに見られるごとく、中国の経済は風前の灯火であるにもかかわらず、これを正視しようとしない日本は正常とは言えない。

 米国は軍事においても着々と中国の海洋戦力に勝てる新たな体制を再構築しようとしているのに、空母「いぶき」だとはしゃぎ回っている姿はあまりにも思慮が足りない。

 中国は、空母に対しては空母ではなく、長距離ミサイルや潜水艦などの「非対称戦力」で勝とうとしているが、これこそ日本が学ぶべきことではないか。

 わずかに、電磁波や宇宙・サイバー領域で優越を獲得するとしたことだけが救いだ。

 大義のために戦う気もなく、勝つ気のない日本を台湾が信用するはずもなく、その一方で中国は安堵している。

台湾の日本に対する失望

 本稿の初めに、台湾は日本に失望していると書いた。

 台湾の失望は、単に対話を積み重ねるだけで、米国のような具体的な経済的支援や軍事的支援をしない日本の頼りなさであり、実行力のなさであり、中国に立ち向かうことをしない日本政府への失望である。

 在台の間、何度も台湾側から「日本は何が具体的にできるんですか?」と聞かれた。

 米国は、台湾関係法や台湾旅行法、アジア再保証イニシアチブ法などを根拠として、相当軍事的にも台湾を支援しているようである。

 日本が知らないか、知っていても報道しないかである。我々も相当、腹を割って話しはしたが、「それで日本は具体的に何ができるんですか」との質問に答えることができなかったことに虚しさを感じた。

 台湾の軍人の90%は中国寄りの国民党支持者であると言われているが、それを承知のうえで台湾国防大学では学生に対して、台湾は国民党や民進党の区別なく「Freedom Nations」を一緒に守り切ることが重要だと話をした。

 この標語の下に中国から厳しい外交工作、軍事工作、そして対国内工作を仕かけられている台湾が一致団結できるかどうかは分からない。

 ちなみに、国民党の標語は「民進党が勝てば戦争になり、国民党が勝てば経済が活性化する」である。

台湾を守るには、もはや時間的猶予はない。

  • 直ちに日本政府そして経済界は、中国に対する「宥和政策」、「敗北主義」を放棄し、米国とともに中国に政治・経済・軍事的に立ち向かう意思表示をすべきである。
  • 直ちに軍事的協力・経済的協力の強化を含め「日台関係基本法」を制定すべきである。

 そして、台湾との多方面にわたる対話を実施し、短期間の内に日台発展の構想を作り上げ、実現の工程表を作り、できるところから実行に移さなければならない。

(台湾は自然にあふれているとともに、都市もインフラなどもまだまだ開発できる可能性に富み、人材も優秀であり、日本がもっと本気で投資する価値のある国である)

  • 米国と共に、南西諸島から台湾、フィリピン、ベトナムにかけての防衛線の構築について直ちに着手すべきである。

 特に米陸軍が2020年から開始する「Defender Pacific」演習を日台米共同防衛構想実現の要とすべきだ。

  • 日本の経済界は、中国一辺倒の経営を修正すべきだ。
  • 日本の防衛費を現状の2~3倍にし、早急に日本は自分の力で日本を防衛できる体制へ転換し(現状は張子の虎であり、台湾どころか、日本すら守ることはできない)、この際、「電磁領域で勝利」、「船を沈めよ」、「生き残り、戦い続けよ」を防衛の柱とし、これを従来にないスピードで実現すべきである。

日本と台湾は運命共同体との強い自覚が必要だ

 日本は、これまで中国の言う「1つの中国」を認めたことはない。

 日本や米国は台湾との断交にあたって中国が「1つの中国だ」と言っていることを尊重する、すなわち、「中国が台湾を含めて1つの中国だと言っていることを聞きました」と言っているに過ぎない。

 日本は、台湾のみならず、日本に対する中国の軍事的脅威を見て見ぬ振りすることなく、真っ向から中国の脅威に向かい合うことが必要な時期に来ているのではないか。

 もう1つつけ加えるなら、1949年、米軍の台湾からの撤退後、苦境に陥った台湾の国民党軍の再建にあたり、中共軍を打ち破ることができたのは、旧日本軍の将校団で編成された軍事顧問団のお蔭だったことを知る人は少ないだろう。

 彼らは台湾で「白団(パイダン)」と言われたが、戦後、他のアジア諸国に残って独立を助けた日本人のように、台湾を救ったのである。

 話は戻るが、台湾の次期民進党総統候補の頼清徳氏が来日時、「日本と台湾は家族のような関係であると思っている」と述べたが、まさに金言であろう。

  • 台湾は、アジアにおける家族のような唯一の「親日国家」であり、日本とともに発展していこうと志す友人である。

 また、台湾は、その自然、都市など発展の土壌があり、優秀な人材にも恵まれ、一緒に繁栄を築いていける国家である。

  • 台湾は、自由と民主主義を基調とする理念を共有する「共同体」であり、共産主義独裁の監視・抑圧社会の中国とは、全く異なる意識を持つ「国家」である。

 特に抑圧ではなく「Freedom Nation」を目指していることこそが、台湾が同胞である本質である。この同胞を日本が見捨てるのなら、日本は長く「人類の恥」として記憶されるであろう。

  • 日本、台湾、フィリピンは、中国が東・南シナ海から太平洋に進出するための大きな障害である。

 中国は、列島線バリアーと称しているが、これを安全に突破できなければ、海洋強国にはなれず、米国の覇権に立ち向かうことはできないと考えている。

 台湾はその3連のつり橋の要となる中心柱である。台湾が中国に占領されれば、中国は、台湾に対艦ミサイル、防空ミサイル、空軍、潜水艦を配置し、自由に東・南シナ海から海洋戦力を太平洋に流し込むことができるようになろう。

 こうなれば米軍は、グアムあるいはハワイ以東に下がらざるを得なくなる。そして、日本は中国の軍事的影響下に置かれ、白旗を上げることになろう。

求められる日本の決意

 日本は、米国の同盟国であり、米中対決は、他人事ではなく日本の問題そのものである。米中対決の間に漁夫の利を得ようなどと思わないことだ。

 米国は、40年ぶりに「現在の危機に関する委員会:中国」を立ち上げ、最終的には中国の共産主義体制が諸悪の根源というところまで追求する決意だ。

 米海軍は6月4日にテロの戦いの時に掲げた「ガラガラヘビ」のネイビージャックから元の「ユニオンジャック」、すなわち、大国間競争に入ったと言う旗に変わる。

 6月4日はミッドウエー海戦の初日であり、米海軍が太平洋の覇権を日本から奪い取った日でもある。

 日本よ!目を閉じても、この嵐は簡単には過ぎ去らない。

 この期に及んでも中国へ向かう自殺行為は直ちにやめ、唯一の友好国である台湾を本気で助けるべきではないだろうか。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『トランプ腹心の執念、「禁じ手なし」対中ディール』(5/27ダイヤモンドオンライン WSJ)について

5/27希望之声<热评:苏联崩溃晚清灭亡各类前兆 中共全应验=注目のコメント:ソ連崩壊、清朝の滅亡の前兆が 中共は既に体験済み>

海外メデイアに載った程暁容の署名記事は、「ソビエト連邦崩壊前には9つの大きな前兆があり、それを整理したネチズンたちがいた」と述べている。

①その年にモスクワオリンピックが開催され、獲得した金メダルの総数は世界一であった。

②ミール宇宙ステーションが打ち上げられた。

③毎年20万近くの流血事件が起きていた。

④財政と防衛コストのバランスは保持。

⑤若者が公職に就きたがる。

⑥深刻なチェルノブイリ原発事故が発生したが、追及されなかった。

⑦大規模なダム建設は前例のない生態の破壊につながった。

⑧.汚職が深刻。

⑨インフレ率が上昇していた。

程暁容はさらに、「政治的安定を維持するため中共の“公安への支出”はすでに軍事支出と同等である。今の若者は特別扱いを受けるために公務員試験合格を熱望し、志願している。近年発生している爆発事故 洪水、有毒牛乳、有毒ワクチン等問題が止まず、当局は却ってニュースを封鎖し、最終的には彼らを賞賛することに変えた。中共の役人は収賄や淫乱事件が記録され続け絶えず刷新している。大興水利はまた多くの災害を引き起こした。インフレーションの問題はより大きな影響を及ぼし、官僚のシステムは資源を壟断し、人民からシステマテックに略奪する」と述べた

中共政権を旧ソ連と比較することに加えて、清帝国と比較する外国メディアの報道もある。

早く中共が打倒されることを願っています。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/27/n2912959.html

5/27希望之声<川普呼吁修改诽谤法 让假新闻媒体承担责任=トランプは誹謗法の改正を呼びかけ フェイクニュースメデイアに責任を取らせる>5/26NYの「タイム」誌の編集者はTwitterでトランプの発言をでっち上げて発表したが、カナダのDaniel Dale記者やネポテイズム研究家のAnkit Pandaの指摘を受けて削除しなければならなくなった。トランプは5/27ツイッター上で、「これは今がフェイクニュースの時代であることを示している。誹謗法を改正し、フェイクニュースを作成したメディアの責任を求める」と。

ニューヨーク大学の政治学教授でタイム誌の編集者であるイアン・ブレマーは、5/26にツイッターに投稿し、「金正恩は聡明でボーっとしているバイデンより良い大統領になる」とトランプの言っていないことをでっち上げた。

イアンブレマーは冗談で書いたと言っていますが、そんなことを言えば何でも捏造でき、後で冗談でしたと言えば済んでしまう。真実の報道を追及するジャーナリストとして失格です。多分意図的にトランプを貶めるために書いたのでしょうけど、日本のメデイアにも同じ輩がごまんといます。眉に唾して聞かないと。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/27/n2913595.html

5/28阿波羅新聞網<美中贸易战冲击大 中国中产阶级不满官媒文宣要真相=米中貿易戦争の衝突は大きい 中国の中産階級は公式メディアの報道に不満を抱いている>香港の “South China Morning Post”の報道によると、「米中貿易戦争はますます激しくなっており、中国の高学歴のホワイトカラーである中産階級は、日常生活への貿易戦争の影響を迷惑で苛立ちを隠せない。また中国の公式メディアやSNS等の発表する報道に不満を持ち、真実を告げてほしいと。

米中貿易戦争の影響は、食品価格の上昇と相まって、中国の消費者の消費意欲に影響を及ぼし、それが中国経済のさらなる悪化につながる可能性がある。 これらの疑念は、中国の中・上流階級に、彼らの資産を保護するため、資産を海外に移転するか金や外貨を購入するように促進する。

中国の都市部の中産階級は過去50年間で急成長してきた中国経済から恩恵を受けてきており、よりよい生活をしたいと思うのは理の当然であるが、米国と中国はより敵対し、将来については不確定感が強まっている。それで貿易戦争について公式メディア以外の情報を探すように努力している。

国民の不満が中共に向けられないと。日本は一切助けないことです。火事場泥棒のような真似はしないことです

https://www.aboluowang.com/2019/0528/1294585.html

5/28阿波羅新聞網<关税、科技战双管齐下 经济学家:美国想逼中共做这件事=関税・科学技術戦争は多面的なアプローチ 経済学者:米国は中共をこうしたいと望んでいる>米中貿易戦争は激化し、米国は絶えず上乗せし続け、貿易戦争から科学技術戦争まで発展し、中国への影響は拡大し続けるだろう。 この点に関して、経済学者の呉嘉隆は「米国は中共への関税と科学技術戦争の多面的なアプローチを通して、米国経済と中国経済の“デカップリング”の効果を齎すことである。最終的には中共の一党独裁を圧力により終わらせたいと思っている」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2019/0528/1294581.html

WSJの記事で、対中交渉でライトハイザーの果たしている役割は大きいと感じました。中共に下手に妥協することは騙されることと同じと思った方が良い。上述の呉嘉隆が言っているように、中共の一党独裁を終わらすまで締め上げることが肝心でしょう。大陸にいる中国人にとってもその方が嬉しいはず。大多数は中共に怯えて暮らしているでしょうから。

記事

Photo:AFP/JIJI

【ワシントン】2月、ホワイトハウスの大統領執務室。ドナルド・トランプ大統領は米中高官らが控える中、米政権の交渉責任者であるロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表(71)に伝えたいメッセージがあった。「ディールをまとめよ」

 トランプ氏は報道陣が見守るなか、交渉団に対し「ライトハイザー氏は非常に素晴らしい仕事をしている」と語りかけた。「だが、決着できて初めて素晴らしい仕事となるだろう、ボブ?」

 それから3カ月、米中貿易協議はまだ、妥結には程遠い状況だ。合意履行を確実にするための法改正の要求に中国当局が難色を示したことで、交渉は今月に入り決裂した。中国は米国の要求を国家主権の侵害だと考えているためだ。

 交渉は、合意がいったん視界に入ったかに見えた後に行き詰まっている。いかなる合意も中国の経済・ビジネス規定に関する長期的な変革に重点を置くべきとするトランプ政権の決意を物語っている。交渉の行方を注視する貿易専門の弁護士らにとっては、背後でライトハイザー氏の形跡が明らかに透けて見えるという。

ライトハイザー氏は2017年にUSTR代表に就任するまで、約30年にわたり貿易専門弁護士を務めた。USスチールなど、主に外国産鉄鋼への関税発動を政府に働きかけてきた米鉄鋼業界を担当した。

 ライトハイザー氏と仕事を共にした弁護士らによると、ライトハイザー氏にとっての交渉の目標は、歩み寄りや妥協点を見いだすことではなく、顧客にとって可能な限り最善の取り決めを積極的に追求していくことにある。トランプ政権の元通商顧問、クリート・ウィレムス氏は、「これまでの経歴から、ライトハイザー氏ほど対中交渉に適任な人材はいない」と話す。

 だが誰もが「禁じ手なし」のアプローチを支持する訳ではない。オバマ政権でUSTR次席代表を務めたミリアム・サピロ氏は、通商当局者は、成功裏に合意に導くには「双方ともに勝利を収める」必要があることを認識すべきだと語る。

 ライトハイザー氏はトランプ氏と同様、複数の国と同時に複雑なディールを進めることを避け、中国から一方的に譲歩を引きだそうとしている。議会からは、通商摩擦によって米企業が多大なリスクにさらされないよう、多国間のアプローチを求めている声が多く上がっているにもかかわらずだ。ライトハイザー氏は3月、下院委員会で「交渉に関わる人間が増えるほど、困難さが増す」と述べている。

 ライトハイザー氏は通常、黒子に徹することが多い。だが交渉が重要な局面に差し掛かると、公の場に姿を現し、貿易相手国を攻撃する。同氏はインタビューの要請には応じなかった。

 2018年の北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では、会見を使って、新たな自動車規定に関するカナダの提案を攻撃し、クリスティア・フリーランド加外相に対する不満をぶちまけた。

 ライトハイザー氏はその後、メキシコとの自動車を巡る取り決めで、カナダの提案の一部を盛り込んだ。フリーランド氏は先週、米国による鉄鋼・アルミニウム関税、およびカナダの報復関税の相互解除で合意した後、ライトハイザー氏は「真のプロフェッショナル」だと述べている。

 またライトハイザー氏は今月、USTRで異例のブリーフィングを行い、中国は「重要な約束を後退させる形で合意案を書き直している」とし、中国側の姿勢を批判した。

ライトハイザー氏は1980年代、共和党のレーガン政権でUSTR次席代表として経験を積んだ。レーガン氏は自由貿易の支持者だったが、ライトハイザー氏ら政権当局者は、冷戦の終盤局面における米国の経済的な重要性や影響力を駆使して、急成長する新興国からの輸入を制限する譲歩を勝ち取った。

 日本の当局者は当時、ライトハイザー氏を「ミサイルマン」と呼んでいた。同氏が日本政府から受け取った提案資料で紙飛行機を折り、日本の当局者に向けて飛ばしたエピソードから付いたあだ名だ。

 ライトハイザー氏は2010年、米中経済・安全保障再検討委員会での証言で、中国が市場原理に違反し続ける場合には、米政府は世界貿易機関(WTO)に基づく低関税の確約を棚上げすべきとし、対中政策に関する主要な立場を固めた。

 そのため、ライトハイザー氏はトランプ政権にとってほぼ完璧な存在だった。トランプ氏は選挙公約として、既存の通商協定を破棄するとともに、関税発動により新協定を結び、国家主権を取り戻すと訴えていたためだ。トランプ政権以前のUSTRは、より自由貿易路線へと傾いていた。

 ライトハイザー氏の強硬姿勢の背景には、中国がこれまで貿易に関する義務を無視しており、新たな協定をできる限り法的拘束力を伴うものにするとの信念がある、と米当局者は明かす。

 ライトハイザー氏は最近、議会に対し「われわれの目標は、中国の改革を促進することだ」と指摘。中国の国家資本主義や技術窃盗は「存亡に関わる問題」とした。

 米中協議の行方を巡っては、両国において政治や地政学的な影響も出てくる。対中強硬姿勢を唱えて当選したトランプ氏は、2020年の大統領選で再選を目指す上で、中国に対し再びタカ派姿勢を強める可能性がある。

 米中経済・安全保障再検討委員会のメンバーで、貿易コンサルタントのマイケル・ウェッセルしはこう述べた。「ボブがディールをまとめられなければ、合意が実現することはないだろう」

(The Wall Street Journal/William Mauldin)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『ファーウェイ問題に隠れた米新法「FIRRMA」に注意』(5/24日経ビジネスオンライン 市嶋 洋平)、『米中貿易戦争で世界は分裂、日本はどう対処すべきか』(5/24ダイヤモンドオンライン 木内登英)について

5/26希望之声<谷歌断供 华为旗舰手机英国掉成白菜价=グーグルが供給を断ち、華為の旗艦スマホは英国で白菜の価格まで落ちた>トランプが華為に禁輸発令してから、欧州全域で時めいていた華為は即座に元の小ささに戻った。 華為の旗艦製品であるP20 ProとP30 Proは、英国では割り引かれて白菜の値段まで下落した。 この“金のなる木”のスマホを失えば、華為は今後拡大できなくなると見込まれる。

このままでは華為は倒産するしかありませんが、中共が補助金で支えるかも。でも中共に打ち出の小槌はあるのか?米国から貿易黒字は出せなくなっているのに。

AP 2019年3月、華為の当番CEOである余承東がパリで新しいスマホを展示。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/26/n2910697.html

5/26希望之声<林郑月娥正在向招致美国对香港制裁的悬崖边上冲刺=林鄭月娥・香港行政長官は、米国が香港に対して制裁するかどうか崖っぷちに立たされている。>米中貿易戦争の拡大の重大な時、香港の日々の後退姿勢はますます注目を集めている。 中国の金融学者賀江兵は先日、「政治、経済、法の支配における北京の恣意性が、香港の関税自主権の喪失、ハイテクの禁輸、金融制裁、香港の自由港や金融センターの役割の崩壊を招く可能性が高い」と述べた。

まあ、林鄭月娥は大陸と犯罪人引き渡し協定を結ぶくらいですから、中共の一味と思われても仕方がない。中共相手では彼女もどうしようもないと思いますが。でも当然の報いは受けるでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/26/n2910958.html

5/26阿波羅新聞網<中南海没有杀手锏不敢撕破脸 宣传科技大骗进 陆媒铺天盖地 人民币空仓增至六个月最高=中南海は対抗措置を持たず、相手を攻撃できない ハイテクはプロパガンダで大詐術である 大陸メデイアは遍く覆う 人民元の下落はこの6ヶ月で最高を記録>米中貿易戦争の中国経済への影響は加速している。 英国メディアの調査によると、人民元の下落はこの6ヶ月で最高を記録したと。 米国学者の謝田は「中共は対抗措置を持たず、相手を攻撃できない」と分析した。 中共は水から水素に転換する技術を正式に公表し、大陸のメディアはそれを次々と転載した。 しかし、専門家は全くのほらであると指摘しただけでなく、外界は米国に対する宣伝戦であると考えている。

水から水素に転換する技術は自動車・エネルギー関係の企業や大学で研究されていると思われます。「ほら」で片づけなくて、政治、役所(経産省、文科省、法務省)が相談して、中国人研究者・留学生に帰国して貰った方が良いと思います。中国が公言したくらいですから、もう手遅れで盗まれているかもしれません。企業人や大学人は今の米中貿易戦争は世界覇権を巡る争いの第一ラウンドと言うのが分かっているのかどうか。自由を守る陣営と共産独裁専制陣営との戦いです。共産主義が貧しいものの味方なんてことがないのは2014年に北京大学が発表したジニ係数の数字0.73が証明しています。いい加減左翼シンパは止めて、日本に住んで享有している自由を守るために、学問の自由は勿論ない悪の共産主義国に援助するのは止めたら。ウイグル人・チベット人弾圧を直視してほしい。孔子学院も閉鎖してほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/0526/1294197.html

5/27阿波羅新聞網<任正非嘴硬不怕美国 华为员工胆战心惊=任正非は米国を恐れていないと口は減らず しかし華為従業員は非常にこわがっている>華為の創始者任正非は、米国商務省の輸出禁止令の会社に対する影響は小さいと強調したが、華為従業員は内部チャット・プラットフォーム「心の声コミュニケーション」で恐怖を表明、まだ今後の会社の見通しは楽観的にはなれないと言った。

匿名の華為の従業員は、次のように書いている。

「華為は自分一人で問題を解決することはできず、政府の政策支援を求めなければならない」、「中国政府がファイアーウオールのソフトを利用、発展させて、グーグル、フェイスブック、ツイッターおよび他の外国のネット企業を入り込めなくし、中国のスマートフォン市場から米国部品を排除することができる」、「中国の国内市場は十分に大きい。我々はこの機会を利用して国内の供給者と生存圏を構築することができる」

まあ、苦労を厭い、簡単に人のものを盗めばよいと思って行動してきた連中に、研究開発の大変さが分かるとは思えませんし、自由主義諸国の不買の隙間をぬって市場開拓するのは難しいでしょう。企業→株式→不動産と日本のバブル崩壊の数十倍のダメージが待っているとしか思えませんが。

https://www.aboluowang.com/2019/0527/1294213.html

市嶋氏の記事を読んでFIRRMAの力は大きいと感じました。わざと適用範囲を明確にせず、怪しいものはこの法を適用させるという一種の脅し、抑止効果があるのでは。日本企業は読み間違えないように。でも、中国擦り寄り企業が多い中で、この危険性を感知できるかどうか。上が「バカの壁」で聞きたくないことは言わせないタイプだと、部下も体を張ってまで諫言することはないでしょう。精神劣化の縮小再生産が延々と続くだけです。若い人は会社を見限る覚悟も必要になるかも。

木内氏の記事では、米中は世界覇権をかけて争っているとの見立てでは一致しますが、一帯一路がそれほど大きくなることは無いのでは。中国の米櫃に米がないのを知ったら離れていくでしょう。別に共産主義や独裁専制の理念に共感して擦り寄った訳でなく、金に群がっただけですから。中国の景気が悪化している時に海外に投資をすれば、中国の景気が回復することは無いでしょう。配当リターンまで時間がかかるでしょうから。中共はトランプの逆を行こうとしています。所詮、資本主義経済を理解していないという事でしょう。

米国監視の下では、中国への世界の依存度が上がるという事もないし、況してや世界を二分するブロック経済になる事もないでしょう。昨日紹介しました日高義樹氏の本によれば米中では軍事力に差があり過ぎて冷戦にはならないとありました。経済戦も軍事力に差があれば、世界各国に中国封じ込めを要請でき、中国は孤立化するのでは。

市嶋記事

「規制の対象がエマージングテクノロジーというが、何を指すのか。それが不明確なだけに、警戒している」

日本の経済官庁の関係者がこう語る米国の法律がある。FIRRMA(Foreign Investment Risk Review Modernization Act、ファーマ)だ。日本語だと外国投資リスク審査近代化法となる。

中国の華為技術(ファーウェイ)を対象にした米国政府の禁輸措置が世界に様々な影響を及ぼしている。この禁輸措置の根拠となっているのが輸出管理改革法(ECRA)で、戦略上重要なテクノロジーの輸出を規制する法律だ。ファーマは昨年夏、ECRAと同時に成立している。

ファーマは米国企業などへの外国企業による重要なテクノロジーや産業基盤などへの様々な投資を規制するものだ。シンガポールに本拠を置くブロードコムが、米クアルコムを買収しようとした際に発動され、クアルコム買収は阻止された。

ファーマの成立により、外国企業による米国への投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限は強まった。例えば、米国企業に少額に出資し、その後段階的に支配していくようなケースを排除できる。これまでは問題なかったマイナーな出資などにも網をかけようとするものだ。

一見、日本企業には大きな影響がないように思えるが、欧米の法制度に詳しい、みずほ総合研究所欧米調査部の小野亮主席エコノミストは「ファーマやECRAのターゲットは中国だが、日本企業も影響を考慮する必要がある」と指摘する。

どういうことか。まず影響が出る可能性があるのは、米国企業や海外企業の米国事業の買収だろう。「米国の重要産業を買収するケースは言うまでもないが、資本やヒト、技術面で中国の企業や大学などと関係を深めている日本企業が買収するケースでは、対米投資審査をパスするのは相当難しくなるだろう。案件成立まで相当の時間がかかることも念頭に置かなければならない」(小野氏)

米国事業のリストラの際も注意が必要だ。「売却先から中国企業を排除しない限り、売却計画がとん挫する可能性が高まっている」(同)

パーソナルデータへの投資も対象に

小野氏は社内管理の見直しも必要だという。「中国籍の従業員に対して、自社やグループ内で米国製の技術に対するアクセス権限をどの程度付与して、どのようなファイアウオールを構築しているのか。これまで以上の情報管理の徹底と米当局へのアカウンタビリティーが求められる

ファーマはテクノロジーを持っていたり、重要な役割を果たしたりする米国企業への出資だけでなく、米国内のセンシティブなパーソナルデータへの投資も対象にしているのが特徴だ。医療やヘルスケアなどの企業も注意が必要だろう。

現時点でどのようなテクノロジーがファーマの対象になるのか、明確になっていない。経済官庁の関係者は「あえて明確にせず、適用できる範囲を広げておくのではないか」と言う。

いずれにしても米国がECRAやファーマなどの法案を準備して、中長期的な視点で中国に対処しようとしてきていることが分かる。海外でのM&A(合併・買収)や取引が多い日本の大手企業は、担当部署がファーマやECRAへの対策を進めていることだろう。ただし、小野氏は「経営トップの理解が不足していれば、企業としての対応は後手後手になる」と警鐘を鳴らす。

ファーマの規制対象になると、企業はその対応に相当のエネルギーを消費することになりそうだ。「ファーマは米国対企業の問題となる。日本企業がそれぞれ対処しなければいけない可能性が高い」(経済官庁の関係者)。日本企業もひとごとと考えずに注視しておく必要がありそうだ。

木内記事

米中貿易戦争の激化は、中国が新興国の盟主として、独自の経済圏を形作っていく流れを後押しするかもしれない。日本はどう対処すべきか。写真:首相官邸HPより

米中貿易協議は異なる体制間での覇権争い

合意間近とされていた米中貿易協議は、5月上旬に一転、決裂状態へと陥った。米国政府は、中国側が約束していた合意内容の多くを突如撤回したと非難、一方中国政府は、米国側が要求する補助金制度の見直しなどを、事実上の内政干渉と強く批判している。トランプ政権は、6月下旬の米中首脳会談での決着を狙っており、そこまでは、目立った協議の進展は見られないのではないか。

中国側は、米中協議の当初から、米国からの農産物やエネルギー関連などの輸入を大幅に拡大させ、対米貿易黒字を解消させる考えを示していた。貿易不均衡の是正を目指す純粋な貿易協議であれば、本来は、この時点で終わっていたはずだ。終わらなかったのは、米中貿易協議の本質が別のところにあるからだ。

それは、経済、先端産業、安全保障を巡る覇権争いだ。中国を脅威に感じる米国が、その源泉となっている中国の政府主導での経済システム、いわゆる「国家資本主義」を変えようとしているのが、米中貿易協議の本質だ。

これは、異なる経済思想を持つ異なる体制間の争いであるため、着地点を見出すことは難しい。仮に、6月の米中首脳会談で合意に達するとしても、それは一時停戦に過ぎない。

世界経済への打撃は異次元の領域に

トランプ政権は5月10日に、中国からの輸入品2000億ドル相当分に対する追加関税率を、10%から25%に引き上げる制裁措置を発動した。これを受けて、中国政府は13日に、600億ドル相当の米国製品への関税率を、5~10%から最大25%へと引き上げる報復措置を発表した。さらに同日に米国政府も、約3000億ドル相当の中国からの輸入品に最大で25%の関税を上乗せする案を発表した。米中は再び報復関税の応酬の様相となってしまった。

OECD(経済協力開発機構)の試算によると、現状までの米国の対中追加関税と中国側の報復関税措置は、米国のGDPを0.2%、中国のGDPを0.3%それぞれ押し下げる。しかし、以上のような展開となれば、追加関税は米国のGDPを合計で1.0%、中国のGDPを合計で1.4%押し下げる。両国経済への打撃は、一気に5倍程度へと拡大する。また、世界のGDPも0.8%程度押し下げる計算だ。こうした事態に至れば、米中貿易戦争が世界経済に与える打撃は異次元の領域に入る。

その場合、筆者の試算によれば、日本のGDPは0.6%程度押し下げられる。日本経済の実力である潜在成長率が0.8%程度しかないことを踏まえると、日本経済への実質的な打撃は、当事者である米国と中国を上回ることになろう。

また、トランプ政権は、日本に対して対米自動車輸出の自主規制を求めてくるのではないか。最終的に、日本がそれを受け入れさせられる場合には、日本経済に相応の打撃となることを覚悟しなければならない。

仮に自主規制によって日本からの米国向けの自動車、自動車部品の輸出額が半減するとすれば、それは日本のGDPを直接的に0.5%押し下げる。波及効果も含めれば、その押し下げ効果は1%に近付く可能性もあるだろう。今後は、米中貿易戦争の帰趨だけでなく、日米貿易協議の行方もあわせて、貿易問題全体が日本経済に与える影響を慎重に見極めていく必要があるだろう。

一帯一路構想は中国の生命線 多くの新興国が惹かれて行く

2001年のWTO(世界貿易機関)加盟以降、中国への海外企業の進出が急増し、沿海部は外資主導で急速に工業化された。そこで生み出された工業製品は、海外市場へと輸出され、中国は輸出主導の高成長を実現してきた。こうして、中国は「世界の工場」の地位を確立し、その過程で中国を中核とするグローバル・バリュー・チェーンが形作られたのである。

しかし、沿海部の急速な工業化を支えた農村部での余剰労働が枯渇してくると、人件費が高騰し、低賃金という中国の立地条件は悪化していった。海外からの直接投資が鈍化すると輸出の勢いも低下し、中国は成長モデルの大きな転換を迫られるようになったのである。

まさに、こうした時期に勃発したのが、米中貿易戦争だ。中国のグローバル・バリュー・チェーンは遮断され、また通信機器大手のファーウェイ(華為技術)は米国あるいは米国の友好国で市場を失い、さらに、米国半導体メーカーなどからの部品調達も阻まれていった。

そうした中、中国にとって、成長のモメンタムを維持するためのまさに生命線となるのが、一帯一路構想だ。中国は一帯一路周辺国向けのインフラ投資を拡大し、それらの国々との間での貿易を拡大している。それは、発展が遅れた中国内陸部の経済活性化にも役立つものだ。

現在、一帯一路周辺国は、対中債務の増大を警戒し、一帯一路構想に慎重になっている面があるが、この先、世界経済の状況が悪化すれば、経済、金融面での中国への依存度を高めてくことになるだろう。5G(次世代通信基準)を含むインフラ整備では、米国に狙いに反して、ファーウェイなど低コストで高品質の中国製品が、一帯一路周辺国、あるいは他の新興国へと受け入られていくのではないか。新興国は、奇跡の高成長を遂げた中国型の成長モデル、いわゆる「国家資本主義」に大きな魅力を感じており、それも中国に靡いていく一因だ。

中国が独自経済圏を形作り 世界が二分される悪夢

このように、米中貿易戦争の激化は、中国が新興国の盟主となって、一帯一路周辺国を中核とした独自の経済圏を徐々に形作っていく流れを後押しすることになるだろう。中国を中核とするグローバル・バリュー・チェーンも再構築され、新たな国際分業の体系が生まれてくるのではないか。これは、かつての米ソ冷戦下でのコメコン体制(ソ連を中心として東欧諸国が結成した経済協力機構)を彷彿とさせるが、それよりも格段に規模が大きくなるはずだ。

こうして世界が二分されていけば、世界恐慌後のブロック経済化のように、世界貿易全体は縮小し、経済効率が大きく低下する可能性がある。これは、世界経済にとっては大きな損失だ。そして、日本などの先進国は、中国やその他の新興国の高成長市場を失っていくことにもなり、経済的な打撃は甚大だろう。

米国が中国を強硬に攻撃し続ければ、このような暗いシナリオも現実味を帯びてくる。それを回避するには、米国は自身とは異なる中国の体制を認めつつ、2大国が共存する道を選ぶべきだ。そして、容易ではないが、米国がそうした安定した国際秩序の構築を目指すよう、日本が米中の橋渡しをする役割を果敢に担うべきなのではないか。

(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「米中決裂」でも中国が早期の貿易協議合意を望む事情』(5/24ダイヤモンドオンライン 大和香織)、『米中貿易戦争で「踏み絵」を迫られる日本が選ぶべき道』(5/24ダイヤモンドオンライン 鈴木明彦)について

5/26阿波羅新聞網<美中女主播就贸易战唇枪舌战约定直接现场辩论=米中女性アンカーが直接貿易戦争について舌戦を展開 直接対決を約す>5/23 Fox Newsのビジネスチャンネルで高視聴率を誇る有名な女性アンカーTrish Reganは、米中貿易戦争について「誠実な討論」をしたいと中国の環球 TV ネット(CGTN)の英語アンカーの劉欣を招待した。

劉欣も挑戦状を受け取り、両者相談の上、米国現地時間で5/29(水)午後8時、中国時間で5/30(木)午前8時にReganのゴールデンタイムの番組でライブ討論することに決めた。

最近、米中女性アンカーが舌戦を繰り広げたことで広範な関心を呼んでいる。 ブルームバーグ社は5/24(水)の報道で「2人の水曜日の舌戦で新浪ネットは2000万人以上訪問、何千ものコメントを寄せた」と報じた。

CCTVの英語チャンネルである環球TV ネットとCCTV Newsは両者の対決を加工し、中国の五毛党=「愛国心が強いネチズン」の支持を獲得した。

しかし、多くの中国人ネチズンはファイアーウオールを突破し、ツイッターでReganに頑張れと「いいね」を押し、貿易戦争の議論もCCTVで生放送され、中国人にも見られることを望んだ。中国のネチズンはReganを真のジャーナリストとして支持している。またCCTVとその系列の環球 TV ネットは宣伝ツールであり、中国人を代表するのではなく、中共を代表するだけと皮肉った。

5/29の対決で劉欣は逃げるのでは。中共が認めないと思います。勝てる道理がなく、中共がやって来た悪行(知財窃取、ハッキング、技術強制移転、政府補助金等モラルやレシプロシテイの概念がないの)を徹底追及されるのでは。中国でライブで報道できるかというか、敗けるのが分かっているので報道しないと思いますが。報道の自由のある国とない国の違いです。ない国が「自由貿易の擁護者」ですって!!劉欣は出れば、敗けて中共に殺されるのでは。

https://www.aboluowang.com/2019/0526/1293833.html

5/26阿波羅新聞網<野村:美对中国三千亿商品征关税概率达65%=野村:米国の中国の3,000億ドルの商品に対して関税賦課のカバー率は65%に>国際投資銀行の野村は先日、中国の3000億ドルの商品に対する米国の関税のカバー率は65%であり、6月末のG20サミット後=第3四半期に実施される可能性が高いと述べた。

ロイター通信によると、「野村は、最近の多くの出来事が示しているように、米中は長期的な貿易戦に備えているようである。米国は現在、多くの分野で中共と対峙し、2020年には大統領選挙が活発になるので、前進の明確な方向性がなければ、関税は来年も維持し続ける危険は高まる」と。

関税だけでなく、今度は通貨も狙うのでは。人民元がどんどん安くなり、関税を相殺する形となるので関税率に通貨安分を再計算した数字を適用するでしょう。ABCD包囲網の石油輸出禁止と同じように戦略物資の輸出禁止、金融制裁へと進んでいきます。中国のインフレ率は高くなり、失業者はあふれ、資産暴落するのでは。

https://www.aboluowang.com/2019/0526/1293845.html

5/25看中国 <台美关系重大突破 首次对等入名事务机构(图)=米台関係は重大な突破 関係機構に初めて両国の名が対等に入る(図)>中華民国外交部は、米国と相談して、「北米事務協議委員会」の名を「台米事務委員会」に改称することを決定したと発表した。これは中華民国と米国のより密接な関係を象徴している。 蔡英文総統は、「“台湾”という名が初めて“米国”との組織名に入ったのは、双方の良好な相互信頼を象徴している」と述べた。

日米で台湾を支援し、中共の毒牙から守りませんと。台湾が落ちれば、次は沖縄、日本全体が取られることになります。他人事と思わないことです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2019/05/25/894790.html

5/24希望之声<川普授权司法部长巴尔解密“通俄门调查”初始文件 还原真相=トランプは、真相を明らかにするために“ロシアゲート調査”のとっかかりの文書を見られるようバー司法長官に授権した>5/23の夕にトランプ大統領はバー司法長官に“ロシアゲート調査”のとっかかりの文書を見られるよう承認し、捜査に関わるすべての調査員に全力を上げての協力を要請したと発表した。 トランプは、「この動きによって、すべての米国人が2016年の大統領選挙で何が起きたのかの真実を理解し、公共機関に対する国民の信頼を取り戻すことができる」と述べた。

①ヒラリーと民主党が“Fusion GPS”を使い、元MI6エージェントのChristopher Steeleを雇ってでっち上げたSteele Dossier②トランプ選挙チームの経済顧問だったGeorge Papadopoulosの監視について捜査の手が伸びそうです。Richard Blumentha民主党議員及び民主党はこの捜査を非常に心配していると。悪は滅びるが良い。これを明るみに出せば来年の大統領選で民主党の勝ち目は無くなるでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/24/n2906701.html

大和氏の記事では、中国から脱出している企業が増えている様子が窺えます。貿易戦を口実にして撤退を図れば良い。トランプのように日本企業の経営者も日本に投資することを考えて見ては。自分の懐だけ温めようというのでは。中国が協議を求めてきているのは6月か7月の全商品関税賦課を避ける遷延策です。ムニューチンが言ったように「固まっていた米国との合意事項」の所まで戻らなければ再開は難しいと思います。また、たとえ協議中であっても全商品関税賦課は実施してほしい。

鈴木氏の記事では、やっと米中貿易戦が世界覇権を巡る争いの第一歩と言うのが分かって来たようです。ただ、「長い歴史を持つ中国と比べると米国が新興国」と言うのは違和感があります。世界覇権はスペイン・ポルトガル、オランダ、英国、米国と移ってきました。中国は欧米列強に屈服したからこそ、習近平が「中華民族の偉大な復興の夢」とかホザイているのでしょう。ましてや中国は易姓革命で王朝の連続性は何もありませんし、中共が政権取ってまだ70年しかたっていない。中国が思想上、科学技術上世界に影響を与えた例はこの千年の間ないのでは。

大和記事

Photo:Avalon/JIJI

米中協議が土壇場で“決裂”した大きな理由は、構造改革が実現するまでは制裁関税を維持する構えだった米国に対し、中国側がすべての追加関税即時撤廃などを「核心的関心事」として求め、譲歩しなかったからだとみられる。

だが、貿易戦争が長期化すれば、中国が被る打撃は大きい。

直前までは「合意」を中国側も楽観していた

ワシントンでの第11回米中貿易協議を控えた5月5日、米トランプ大統領が、猶予中だった2000億ドルの中国製品に対する制裁関税の引き上げを10日から実施すると公表したことで、米中摩擦に対する市場の楽観ムードは一変した。

さらに米国は13日、対中制裁関税第4弾として、3000億ドルの中国製品への25%追加関税策を発表した。実施は早くとも6月末とみられており、実現すれば、これまでの措置と合わせて中国からの輸入のほぼ全額に25%の追加関税が課されることになる。

一方で、中国側も13日に、600億ドルの米国製品に対する報復関税を6月1日から実施すると発表。貿易戦争は泥沼化の様相だ。

昨年12月に約1年ぶりとなる米中首脳会談が開催されて以降、両国は合意に向けて計6回(第11回を除く)のハイレベル通商協議を実施してきた。

その間、米国側が12月に中国に求めた農産品等の輸入拡大、及び中国の構造改革(技術移転の強要/知的財産保護/非関税障壁/サイバー攻撃/サービス・農業分野)に対し、中国は外商投資法の成立を含む対応策を講じており、各協議後の中国側の報道では「新たな進展が見られた」など前向きなコメントが目立った。

筆者が今年3月に北京・上海を訪問した際の現地エコノミストらに対するヒアリングでも、米中摩擦はこれ以上悪化せず、何らかの合意に達するとの見方で共通していた。

「核心的関心事」で対立 改革の監視や文書公表に反発?

なぜ両国は制裁と報復の応酬に再び陥ってしまったのか。

米ライトハイザー通商代表部代表は、「中国が合意事項を後退させた」とコメントしており、その他報道でも米国側は中国が合意済み文書の再交渉を求めたことを問題視したと指摘されている。

これに対し、中国の劉鶴副首相は第11回協議後のTVインタビューで、今回の事態は交渉過程の正常な範囲の曲折であり、両国の協議は決裂していないと述べている。

劉副首相のインタビュー時の発言を手掛かりに、「決裂」の背景を整理しよう。

劉鶴副首相は、中国側の3つの「核心的な関心事」は必ず解決されなければならない、と強調している。

その3つとは、(1)すべての追加関税の撤廃、(2)中国の輸入拡大が実際の貿易の状況に合致すること、(3)協議合意文書を「非公開」にすることだ。

新華社は、この核心的な関心事で米中間の齟齬(そご)が生じていると伝えている。

(1)のすべての追加関税撤廃は、中国側がかねて主張してきた事項だ。米国側は中国が法改正等を含む構造改革を実現するまで関税を維持するとみられており、妥協点がいまだ見いだせていない模様だ。

(2)については、昨年12月の米中首脳会談で、中国が米国から農産品等の輸入を拡大させることで合意した際に、未公表ながらも両国で具体的な輸入拡大額が共有されていたと推察される。

一時期、中国が米国からの輸入拡大について莫大な額を提案したなどと報じられたが、非現実的な輸入拡大は受け入れられないとの中国側の意思が示されているとみられる。

(3)の合意文書の扱いについては、各種報道によれば、中国側がメンツを保つために構造改革に必要な法改正などで仮に合意したとしても、公表せず、水面下で履行したいとの意向をもっているのに対して、米国側が合意文書の全面公開を求めている点で対立しているようだ。

劉副首相の発言を見る限り、両国の対立点(核心的関心事)について、中国側が譲歩するという姿勢は読み取りにくい。

しかし、対米輸出全額に制裁関税を課された場合の中国経済への影響は、輸出の減少にとどまらずマインドの悪化を通じた投資や消費押し下げにもつながる恐れがある。

政策担当者であれば、そうした事態は何としてでも避けたいというのが本音だろう。

制裁で対米輸出は3割減 「第4弾」実施ならGDPを1%以上押し下げ

実際、中国製品2000億ドル分への制裁関税を10%から25%に引き上げる前の段階で、すでに制裁による中国の対米輸出への影響は深刻となっている。

中国側の統計では貿易統計の詳細が公表されていないため、米国商務省のデータベースにより米国の制裁対象品目の貿易額を集計したところ、制裁発動直後から、中国の対米輸出が急減ないし急減速していることが確認できる(図表1)。

制裁対象品目全体の対米輸出は3月時点で前年比▲30.2%と激減、中国の対米輸出全体でも同▲18.5%となった。

仮に第4弾が発動され、中国の対米輸出全額に制裁関税が課され、対米輸出全体が3割縮小すれば、単純計算で中国のGDPを約1%PT押し下げるほどのインパクトになる。

他国への生産代替進む 直近で制裁品目の約3割

さらに制裁が長引けば、制裁関税を避けるため、中国から他国への代替が進むことで、輸出にとどまらず中国国内への投資にも悪影響が及ぶ恐れがある。

すでに中国から他国に生産を移管した動きがさまざま報道されてはいるが、一方で、実際には人的・物的資源の制約により難しいとの声も企業の関係者からは聞かれる。

そこで、実際にこれまでにどの程度、中国で生産する製品からその他の国の製品への代替が発生しているのかについて、先の貿易統計により定量的に確認してみよう。

輸出で代替の動きが生じるということは、制裁を機に中国の対米輸出が減少し、その代わりにその他の国の対米輸出が増加することを意味する。

そこで、米国の制裁対象品目の対米輸出を「中国」「中国を除く世界」に分けて、制裁発動前後の輸出量の変化をプロットしたのが図表2だ。

制裁発動前の輸出量は発動直前の6ヵ月平均とし、発動後の輸出量は、(A)直後3ヵ月(制裁第1弾は2018年7~9月、制裁第2弾は2018年9~11月、制裁第3弾は2018年10~12月、<注>)と、(B)足元までの6ヵ月(2018年10月~2019年3月)に分けることで、制裁発動後の状況変化((A)→(B))を見る。

<注> 制裁第2弾と第3弾は下旬に発動され、対象品目の対米輸出が急減ないし減り始めたのが翌月(第2弾は9月、第3弾は10月)からとなっていたため、(A)の直後の期間を第2弾は9月から、第3弾は10月からの3ヵ月とした。

この図に基づくと、代替が生じているとみられる品目は、制裁発動後に「中国の対米輸出」が減少し、「中国を除く世界の対米輸出」が増加する第2象限にあると想定される。

その第2象限にある代替品目数の全品目数に占める割合(輸出代替インデックス)は、(A)の制裁発動直後には23.5%だったが、(B)の直近までで、31.6%に拡大した。

一方、制裁後に中国の対米輸出が拡大した品目(第1・第4象限)は、(A)53.5%から(B)39.2%に縮小したものの、制裁をかけられてもなお4割近くの中国製品の対米輸出が増加している。このことから、代替はそう容易ではないこともうかがえる。

一部は生産設備を移転 長期化すれば投資に悪影響

一般に、生産設備を新たに建設する(生産移転)には一定時間を要することから、制裁直後から代替が生じた(A)22.5%の品目については、すでに中国以外の国にあった生産設備の稼働率を引き上げることで対応したケースが大部分だったと考えられる。

(B)の段階でも稼働率の引き上げが主な代替手段だったとみられるが、一部で生産設備などを実際に移転させた例がうかがえる。

例えば、米制裁対象品目中で2番目に大きなシェアを占めるパソコン周辺機器(HTS54715001)の詳細を見ると、制裁発動前の対米輸出額が月平均100万ドル程度に過ぎなかったポーランドで、2019年2~3月の同製品の対米輸出が月平均2000万ドル超に急増した。

同製品の対米輸出額全体は月平均20億ドル超なので、ポーランドの代替はわずかに過ぎないが、とはいえ、新たな生産設備が建設されたことを示唆しているという点で興味深い。

パソコン周辺機器を含む2000億ドルの中国製品への制裁リストが公表されたのは2018年7月であり、それから半年程度で生産設備の移転を伴う代替が生じた可能性がある。

このような生産移転の動きはまだ一部にとどまるとみられるが、制裁が長引けば本格化する可能性がある。そうなれば、投資の下押しにより中長期的に中国経済が低迷することにもつながりかねない。

中国経済の低迷は、外需に成長を頼る日本経済にとっても大きな痛みとなろう。

打撃大きい中国側 早期の合意求める可能性

米中両国は今後、どういう動きに出るのだろうか。

中国がこれ以上の譲歩を見せるのか、または米国が合意という成果を優先して中国への配慮を見せるのか、政治的な判断を予測するのは困難だ。

しかし、中国経済が被り得る今後のダメージを考えれば、中国側には早期の合意を望む理由がある。

(みずほ総研調査本部中国室主任エコノミスト 大和香織)

鈴木記事

米中貿易戦争に乗じて、米国に中国を叩いてもらいたいと内心思う日本人は少なくないだろう。しかし、希望的観測にすがっていては判断を誤る。Photo:EPA=JIJI

米中貿易戦争を巡っては米国が有利であり、打つ手がない中国はいずれ妥協せざるを得ない、という論調が多い。そうであってほしいという願いが含まれているようにも見える。

中国では知的財産権がきちんと保護されておらず、先端技術やノウハウが中国に流出しているのではないか、という不満は日本も共有している。尖閣問題で緊張が高まった際、中国が日本へのレアアースの輸出を制限したことも記憶に新しい。中国がWTOの自由貿易のルールを尊重すると言っても、真に受ける日本人は少ないだろう。

この際、米国に中国を叩いてもらいたいと内心思っている日本人も少なくなさそうだ。しかし、希望的観測にすがっていては判断を誤る。米中の対立が長引けば、日本のみならず世界経済全体に負の影響をもたらすだろう。

「米国有利」は希望的観測 摩擦と戦争では次元が違う

米中貿易戦争を巡る希望的観測は、いくつかの誤解によってもたらされている。まず、米中貿易戦争と1980年代、90年代の日米貿易摩擦は違う。日本も中国も、経済規模が米国の6割程度にまで拡大し、巨額の対米黒字を計上していたという点では同じだ。

しかし、米国の安全保障の傘の下にいる日本が、米国と真っ向から対立することなどできない。日米貿易摩擦は、同盟国間の摩擦にすぎず、米国に守られている日本は米国側の厳しい要求を呑まざるを得なかった。

これに対し、中国と米国は武力行使以外の様々な分野で戦争をしている。貿易戦争も米中間の対立の一分野にすぎない。戦争は一度始めてしまうと簡単には終わらない。互いに負けられないからだ。

冒頭でも述べたように、「米中貿易戦争は米国側が有利」という報道が多い。米国は中国から5000億ドル以上も輸入している。そのうち2500億ドルに高関税を適用しており、残りの2500億ドル以上についても高関税の適用を検討している。

一方、中国は米国から1500億ドルしか輸入していない。高関税を適用しているのは1100億ドルと米国より少なく、残りは400億ドルにすぎない。これをもって、中国の打つ手は限られており、米国有利と考えられているようだ。しかし、たくさん輸入して貿易赤字が大きい国の方が貿易戦争は有利である、という説明にあまり説得力はない。

実際、高関税適用後の米中間貿易を確認すると、どちらも輸入が減っているが、中国側の輸入の方が減少幅が大きい。中国が輸入している大豆やLNGは米国から輸入しなくても他国からの輸入に代替可能だ。

一方、中国からの輸出については、人民元の下落が米国による輸入関税の引き上げの影響を緩和している。さらに、中国は米国製品の不買運動も含めて、米国の輸入関税引き上げに対して戦う手段を持っている。

貿易戦争を続けることは中国にとっても苦しいが、手詰まりということではなさそうだ。戦争を始めてしまった以上、国民にその負担が出てくることは米国も中国も同じだが、国民レベルでの戦う意欲という点では、中国が米国に勝っているのではないか。

貿易赤字を減らすことが米国の目的ではない

もっとも、米国はそれをわかった上で貿易戦争を始めたのかもしれない。トランプ大統領は、「米国に支払われた関税は、製品のコストにほとんど影響を与えておらず、ほとんどを中国が負担してきた」とツイートしている。当然、関税は中国が払うのではなく米国民と米企業が負担しているという批判が米国内から出ているが、人民元安効果も使って中国企業が値段を下げて現地での販売価格を据え置いている可能性がある。

もし、トランプ大統領のツイートが正しいのであれば、米国での中国製品の販売価格は変わらず、中国からの輸入は減らないはずだ。つまり、米国の輸入関税の引き上げは、中国からの輸入を減らすことよりも、中国や中国企業にダメージを与えることが目的だったことになる。

実際、トランプ大統領は、先端技術分野の成長を推進しようという「中国製造2025」をやめるよう要求したり、ファーウェイの製品の購入中止を米国のみならず同盟国に求めたり、同社に対する重要部品の供給を禁止している。米中の対立は、貿易分野に限らず、先端分野の技術覇権や安全保障をめぐる対立であることがはっきりしてきた。

そうであれば、貿易の分野だけ取り出して合意に達するというのは無理な話である。たとえ何らかの合意に達したとしても、それ以外のより重要な分野での対立は残る。米中の対立は長期化すると考えた方がよい。

中国から見れば米国が新興国 封じ込めるのは難しい

米中対立は単なる貿易戦争ではなく覇権を巡る戦いだ、という認識は広がっている。ただ、それは東西冷戦を征した米国という覇権国に、中国という新興国が挑むという図式で捉えられている。米国は今のうちに中国に強い態度で迫り、覇権国への道をあきらめさせようとしている。しかし、これは米国の発想だ。

中国の視点に立てば、中国には紀元前から中華民族による王朝があり、その後もほとんどの時期において世界第一の大国であり、最先端の技術を持っていた。18世紀後半からの産業革命の波に乗り遅れ、欧米に劣後するようになり、19世紀半ばのアヘン戦争以降は屈辱の100年を経験することとなったが、今は偉大なる復興を遂げようとしている。

中国から見れば、200年あまりの歴史しかない米国の方が新興国である。豊かになれば、中国が民主化して自由化が進むというのは、欧米の勝手な思い込みにすぎない。中国を中核とする一帯一路も、かつての中国と周辺国との間の朝貢関係に源を求めることができよう。米国が中国のプライドを傷つけるような強硬な態度をとるほど、中国は反発する。脅されて妥協を強いられるのでは、偉大なる中華民族の復興にならない。妥協したら国内での反発が抑えられなくなる。

たとえ中国が反発しても、米国は力づくで中国を封じ込むことができるかもしれない。確かに、ファーウェイ製品を使わせないようにしたり、同社への部品供給を禁止したりするといった封じ込めは、高関税よりも大きなダメージを中国に与える。しかし、中国は「中国製造2025」のような自らの成長戦略をあきらめてまで、妥協するつもりはない。

かつてアジアでの覇権を求めた日本に対し、米国は英国やオランダと一緒になって石油など重要資源の供給を禁止して日本を封じ込めた。しかし中国に対し、こうした封じ込めがうまくいくのか。ファーウェイ製品を使わせないようにしても、すでに同社の製品を使っている欧州では全面禁止にするのは難しそうだ。

また、昔と違って米中間の相互依存関係は深まっている。同社に対する部品の輸出を禁止すれば、米国にとってもダメージが大きい。確かに、重要部品の供給が途絶えることは中国企業にとって死活問題だが、それでも時間をかければ、ある程度内製化することができるかもしれない。

米中に踏み絵を迫られる日本 厳しい環境でどう立ち振る舞うか

こうして、米中の対立はどちらかが圧倒的な勝利を収めることもなく、泥沼化してくる。米中対立が続けば、日本は双方から「自分の陣営につけ」という踏み絵を踏まされる。まずは、米国からは中国封じ込めへの協力を求められる。米国企業が輸出できないものを日本企業が代わって輸出することは許されない。それどころか、今まで輸出できたものについても米国が「ノー」という可能性がある。

米国の安全保障の下にいる日本は、米国の要求を拒むことが難しい。しかし、それは中国から見れば不愉快なことだ。少し改善してきた中国との関係がまた悪化する。米中どちらとも良好な関係を維持するというのはなかなか難しい。米中2つの大国の対立は、日本だけでなく世界を巻き込み、ビジネス環境を悪化させることになる。世界経済の潜在成長力は低下すると、覚悟しなければならない。

米中貿易戦争を巡る希望的な観測は改めなければならない。一度始めてしまった戦争は、簡単には終わらない。必ずしも米国が有利ということはなく、苦しいけれど戦う覚悟を決めた中国との間で長い戦いが続きそうだ。そして、この対立は日本にとって厳しい環境をつくり出すことになろう。

日本が米中の対立を止めるというのはさすがに無理だが、米中どちらとも敵対することなく、自由貿易の仲間を増やすことはできそうだ。幸いにして、米国抜きでTPPが発効し、懸案であった日・EU間のEPAも発効した。日米の貿易交渉に続いて、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の交渉は、今年中には合意に持っていきたい。中国との適度な距離感を保つためには、一帯一路よりRCEPだ。

その上で、自由貿易の仲間と連携して、WTOの存在感を回復させ、大国の力ではなく、自由貿易のルールが尊重されるようにしていく。これが日本にとっての中期的な課題となろう。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部研究主幹 鈴木明彦)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。