『FBI長官解任劇と米大統領執務室の録音疑惑 「ウォーターゲート」事件を彷彿させる「トランプゲート」』(5/16日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『トランプ大統領が弾劾される可能性は50% FBIコミー長官の解任で一気に着火が早まった時限装置』(5/15JBプレス 堀田佳男)、『バイアスがかかっている米国の「FBI長官解任」報道 日本人も知っておくべき米国メディアの政治的スタンス』(5/17JBプレス古森義久)、『ロシアに機密、同盟国亀裂 トランプ氏漏洩疑惑』(5/17日経朝刊)について

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ニュース報道を見ていますと、トランプを追い落とししたい連中がアメリカ国内にワンサカいるという感じがします。そもそも、トランプがロシア外相と話した話が簡単に外に漏れることの方が、問題が大きいはずです。確かに同盟国に事前了解を取らずに、機密を第三国に漏らすのはマズイと思いますが、トランプが同盟国(イスラエル)から得た情報かどうかも知らなかった可能性もあります。政権内部に潜む敵の炙り出しをして、政権内部の大事な情報が漏れないようにしませんと。

米国・民主党はユダヤ・グローバリズムに染まってしまったのでしょう。本来は、ヒラリーこそ国家反逆罪で刑務所入りさせねばならないのに。スコット・トローやジョン・グリシャムを読むと、知識人は民主党を応援するのが当然というような書きぶりです。ユダヤに支配されたメデイアの影響と思われます。日本でも、反日民進党(旧民主党)が朝日新聞を筆頭とした反日左翼メデイアの寵愛を受けています。森友問題だけでなく、加計問題でも共同謀議を巡らしたのではと思われます。まあ、日付、所属、文責も書いていない文書は組織の中ではありえません。民間企業においても、責任の所在が分からなくなりますので。今回の文書も、同和の菅野完辺りがでっち上げたものでしょう。左翼はデッチアゲが得意です。田中上奏文(ソ連)、南京虐殺(中共)、慰安婦(北が裏で糸を引く挺対協)等を見れば、左翼に牛耳られたマスメデイアの言説を鵜呑みにするのは愚かと言うもの。加計問題は「第二の永田メール事件」になるでしょう。こういう氏素性の分からない怪文書の類で、貴重な国会審議の時間を費やすことは職務怠慢の謗りを免れません。民進党議員の賃金カットをしたいです。

高濱氏も堀田氏も米国民主党や共和党主流派のメデイアからだけ情報を取っているのでは。トランプ側近へのパイプが無いと思われます。ですからトランプが大統領選で勝利するのを予測できませんでした。堀田氏は予測が外れたため、丸坊主になったこともありました。弾劾ができなかったら、また丸坊主になる羽目に陥るかも。それに比べて、古森氏は共和党のトランプに近い筋から情報を入手しているのではと思います。毎日を辞めて産経に入社したくらいですから、事実に基づかない報道をする左翼ジャーナリズムを憎悪する気持ちは人一倍あると思います。やはり、事実を基に判断するのが大切かと。

高濱記事

米連邦捜査局(FBI)長官を突然解任されたジェームズ・コミー氏(写真:ロイター/アフロ)

食い違う解任理由の説明

—ドナルド・トランプ米大統領が5月9日 、ジェームズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官を突然解任しました。いろいろな憶測が飛び交っていますが、解任の本当の理由は何だったのですか。

高濱:解任の理由や経緯についてトランプ大統領と側近の説明が食い違っていて、メディアの報道も二転三転しています。整理してお話ししましょう。

シーン・スパイサー報道官ら側近が記者団に当初語っていたのは、こういうことでした。トランプ大統領は、ジェフ・セッションズ司法長官ら から「コミーFBI長官は、ヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題に関する捜査情報を明かすなど重大な誤りを犯した。解任に値する」との進言を受け、それを受け入れた。

セッションズ司法長官が解任を進言した理由は、部下のロッド・ローゼンスタイン司法副長官(17年1月13日にトランプ氏に任命され、4月25日に就任したばかり)からの一通のメモランダムだったそうです。

ホワイトハウス側近筋によると、このメモランダムにはこう書かれていた。「メール問題に関するコミー長官の対応は検事や捜査官が絶対にしてはならないと教わる典型的な誤りだった。しかも、その後の議会証言でも、この誤りを認めようとしなかった。長官はFBI内の信頼を完全に失っている」

—つまり大統領がコミー長官解任に踏み切ったのは、自分の意思ではなく、司法省やFBI内部からの批判の声を受けての判断だった、というわけですね。

高濱:そうです。ところがトランプ大統領はNBCテレビ(5月11日放映)とのインタビューで「解任を決めたのは自分自身の判断。誰からの進言でもない」と言い出したのです。

—トランプ大統領得意の朝令暮改ですか(笑)。

高濱:というよりも、ホワイトハウス内部の情報管理が混乱しているように見えます。ホワイトハウス内で、コミー長官解任に関する意思の疎通ができていなかったのか。側近たちもつじつま合わせをするために右往左往しているんですね。

録音テープの存在を示唆して“前長官口封じ”

さらにトランプ大統領は12日、ツイッターでこんなことを言い出したのです。「ホワイトハウスがつねに完璧で正確な情報を提供すると期待しないほうがいい。そんなに正確な情報が欲しいのであれば、報道官による毎朝の定例記者会見なんか止めて週2回くらいにしよう。そのうち1回くらいは私が直接質問に答えてもいい。あるいは記者会見など止めてしまい、質問には書面で回答するのが一番いいかもしれない」

ホワイトハウス記者会は、「説明責任や透明性、米国民の知る権利を低下させる」として抗議声明を発表、トランプ政権との対決姿勢を露わにしています。

さらに米ニューヨーク・タイムズが「大統領はコミー長官(当時)に会った際に、大統領への忠誠を誓わせた」と報ずるや、トランプ大統領は直ちに反論。「コミーとはこれまでに3回話をしている。1回目は夕食を共にしたいという誘いを受けて応じた。あと2回は電話だ。『FBIが進める捜査の対象に私が入っているか』と質すと、3回とも入っていないと言っていた。コミーは長官に留まりたいと私に頼んでいた。私は考えておこうと答えた」

まるでマフィアのボスがライバルを脅す時に使うような捨て台詞すら吐いています。「ジェームズ・コミーよ、俺たち二人の会話を録音したテープがこの世に存在しないなどとゆめゆめ思わないほうがいいだろう」

この発言はまさに「やぶへび」もいいところです。大統領執務室に録音装置を持ち込み、そこでの会話や電話の内容を録音していると仄めかしたのですから。FBI長官の解任という電撃行動が、40年前のリチャード・ニクソン第37代大統領時代に起きた「サタディ・ナイト・マサカー」(Saturday Night Massacre=土曜日夜の虐殺事件)*を彷彿させて、世間を騒がせていた矢先のタイミングでした。 *:サタディ・ナイト・マサカーは、ニクソン大統領が73年10月20日、ウォーターゲート事件究明のために任命されたアーチボルド・コックス特別検察官を解任した事件。これに反発したエリオット・リチャードソン司法長官とウィリアム・ラッケルズハウス司法副長官が辞任した。

ニクソン大統領以後の7人の大統領は、録音テープなど残しておくと、いつ裁判所や議会が提出を要求するかもしれないと止めていたんです。これに対してトランプ大統領は就任後4か月というのに録音装置を仕掛けていた可能性を自らばらしてしまった!メディアが騒がないほうがおかしいわけです。

ニクソン大統領の場合、この録音テープの存在が明らかになったため、コックス特別検察官がそのテープの提出を求めました。ニクソン大統領はこれを拒否したものの、結局、最高裁がテープの提出を命じました。

その結果、ニクソン氏がウォーターゲート事件のもみ消し工作を側近に指示していることが明らかになります。このあと、議会での弾劾決議、そして辞任(74年8月)と、急な坂道を転げ落ちるように動きが加速しました。

ウォーターゲートよりもマグニチュードは大?

—疑惑を捜査する捜査機関の最高責任者の首を切ったり、大統領執務室に録音装置を仕掛けたりする。トランプ大統領は、ニクソン氏と相通じるところが大ありですね。

高濱:その通りです。「ウォーターゲート事件」を長年研究してきたテキサスA&M大学のルーク・ニヒター教授はこう述べています。「ニクソンは誰にも分らないように秘かに自分のテープに録音していた。(トランプ大統領は録音していることを正々堂々示唆している点で)ニクソンの録音テープ(が政治と社会に与えた影響)よりも比較にならないほどマグニチュードが大きい」。録音テープの存在を仄めかすだけでなく、そのテープを、解任したコミー氏の口封じに使うことを示唆しているわけですから。同教授は、トランプ大統領の神経の図太さにあきれ返っているわけです。 (’”Trump Warning to Comey Prompts Questions on ‘Tapes’” Peter Baker and Michael D. Shear, New York Times, 5/12/2017)

これに対してコミー前長官も黙ってはいません。NBCテレビの質問に答えて「私は何らやましいことなどない。トランプ大統領と私との会話を録音したテープがあるというなら結構なことじゃないか」と発言し、一歩も引く気配を見せていません。 (”Trump’s warning to Comey deepens White House crisis,” Jordan Fabian, The Hill, 5/12/2017)

FBI長官の後任候補に上院共和党ナンバーツーら6人の名

—今後は、どのような展開になるのでしょう。いわゆる「ロシア・コネクション」(トランプ政権とロシアとの怪しげな関係)疑惑の追及はどうなりますか。

高濱:トランプ大統領はあくまで強気で、FBI長官の後任人事に取り掛かっています。

大統領側近筋によると、後任リストにはジェームズ・マッカビーFBI長官代行、上院共和党ナンバーツーのジョン・コーニン院内幹事、アリス・フィッシャー元司法副長官、マイケル・ガラシア元ニューヨーク控訴裁判事、マイク・ロジャー元下院議員、レイ・ケリー元ニューヨーク市警コミッショナーの6人の名前が上がっています。

元FBI高官の一人は、ロイター通信の司法担当記者に「後任リストはカタストロフィック(Catastrophic=破滅的)だよ」と述べています。

おそらく、「カタストロフィック」はダブル・ミーニング(掛詞)だと思います。一つは、トランプ大統領がこのリストの中から誰を任命したとしても、後任長官として議会が承認するかどうかわからない、という意味。

もう一つは、このリストは、「ロシア・コネクション」疑惑をめぐり、トランプ政権がカタストロフィックな状況に陥る可能性をシンボリックに暗示しているという意味です。つまり、大統領に忠誠を誓って任命された後任長官が議会の承認を得るには「ロシア・コネクション」疑惑を解明すると宣誓せざるをえません。となれば、新長官は議会・世論と解明阻止を狙う大統領との「板挟み」になってしまいます。宣誓した通りに職務を遂行すれば、大統領を裏切ることになる。すると、トランプ大統領は新長官をまた解任する。トランプ政権そのものがカタストロフィックな状況に陥るでしょう。 (”The Coming Comey Succession Crisis,” Steve Valdeck, Just Security, 5/11/2017)

トランプ大統領が目の敵にしてきた主要メディアの雄、ニューヨーク・タイムズは、ここぞとばかりに疑惑の徹底究明を求めています(5月11日付け社説)。

「トランプ大統領は、多くの疑問点があるにもかかわらず、トランプ政権とロシアとの関係を取りざたするのは『完全ないたずら』(total hoax)だと主張している」

「これまでに指摘されている具体的な疑問点は以下の通りだ。①トランプ・ファミリーのロシア関連ビジネス。②以下の人物たちとロシアとの関係――マイケル・フリン元大統領国家安全保障担当補佐官、ジェフ・セッションズ司法長官、ポール・マナフォート前トランプ選挙対策委員長、カーター・ページ外交政策顧問、ロジャー・ストーン氏(非公式な相談役)。FBI当局はこれらの人物について徹底的に調査する責務がある。米国民は真実を知る権利がある」 (”The Trump-Russia Nexus,” Editorial Board, New York Times, 5/11/2017)

上下両院の情報委員会は、FBI関係者を召喚して「ロシア・コネクション」の実態調査を引き続き続ける予定です。

—トランプ大統領の一連の言動について、共和党支持者の間でも厳しい意見が出始めているようですね。

高濱:マック・ブーツ外交問題評議会 上級研究員は、ウォーターゲート事件当時のことを思い起こして共和党議員たちに次のように呼びかけています。同氏は、ジョン・マケイン上院議員やマルコ・ルビオ上院議員の外交政策アドバイザーをかって務めた生粋の共和党良識派エリートです。

「共和党は小さな政府、自由貿易主義、伝統的なアメリカの価値観、道義に基づいた外交政策、米国憲法を重んずる政党であり続けた。ところが今ホワイトハウスで政治を司る御仁のやっていることはことごとくこれに反している」

「74年、下院司法委員会に所属する6人の共和党議員は、21人の民主党議員に賛同してニクソン大統領の弾劾決議案に賛成票を投じた。その年、ベリー・ゴールドウォーター上院議員、ヒュー・スコット上院共和党院内総務、ジョン・ローズ下院共和党院内総務の3人はホワイトハウスに押しかけ、もうこれ以上は守り切れないとニクソン大統領に最後通告を突きつけた。この3人のように、党に対する忠誠心よりも党に対する献身的な愛情を重んじる者が今の共和党にはいないのだろうか」 (”When Will Republicans Stand Up to Trump?” Max Boot, New York Times, 5/12/2017)

トランプ大統領は、「捜査対象に入っていない」との証言をコミー氏から3回にわたって得ていると豪語しています。そうなのになぜ、「ロシア・コネクション」疑惑解明に全力投球してきたコミー氏を解任したのか。

きしくも録音装置の存在まで仄めかして「サタディ・ナイト・マサカー」を思い出させ、ウォーターゲートならぬ「トランプゲート」の様相を呈してきました。トランプ大統領の出方次第では、疑惑解明の火の手はさらに燃え上がりそうです。トランプ城の本丸にまで迫る勢いです。

堀田記事

米上院司法委員会の公聴会で証言する連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官(当時、2017年5月3日撮影)〔AFPBB News

当選直後から言われてきたことが、にわかに現実味を帯びてきた――。

ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が弾劾裁判にかけられるかもしれない、ということだ。弾劾裁判は裁判所ではなく連邦議会上院で行われるが、まず下院の司法委員会が弾劾裁判を開くかどうかを決める。

そのためには、国民の声が醸成されなくてはいけない。そして司法委員会が調査を始めるべきかの決議案を採択させるところからスタートする。

最初からシステムの話で恐縮だが、実は米国ではトランプを大統領から引きずり下ろす動きがすでにある。複数の反トランプ派の市民団体はネット上で弾劾裁判を求める署名活動を始めている。

コミー長官解任前に96万5568人の署名

例えば「インピーチ・ドナルド・トランプ・ナウ(トランプを今すぐ弾劾せよ)」という団体は、5月13日時点で96万5568人の署名を集めている。

署名者の多くはFBIのジェームズ・コミー長官の解任ニュース以前にサインをしており、今後はさらに数字が増えるとみられる。

ここで注視すべき点は、「トランプ嫌い」の市民による感情的な動きだけではトランプを弾劾できないということだ。法的にトランプを罷免させるに足る十分な証拠と議論を尽くせるかが焦点になる。

トランプはコミー長官解任について、「コミー長官はいい仕事をしていなかったから」とホワイトハウスで述べた。この理由は説得力がないばかりか、解任を正当化できる言説になっていない。

別の理由として、ヒラリー・クリントン氏のメール問題の扱いが不適切だったこと、セッションズ司法長官とローゼンスタイン司法副長官がコミー長官解任を進言したことも報道されたが、後づけという印象を拭えない。

それよりも、FBIが選挙中のトランプ陣営とロシア政府の密接な関係を捜査していたため、トランプは捜査を止めさせるためにコミー長官を解任にしたとの見立てが最も整合性が取れている。世界中のメディアが伝える通りである。

ロシア政府が選挙結果に関与したとの疑惑は、ワシントンポスト紙が昨年12月9日に報道している。同紙は情報元を公表していないが、「CIA(米中央情報局)はロシア政府がトランプ勝利に関与したと結論づけた」と断定的に伝えた。

ニューヨーク・タイムズ紙も同時期、ほぼ同じ内容の記事を掲載しており、CIAの関係者が両紙に情報をリークしたとみるのが妥当だろう。

それではFBIはこの時点で、どういう見方をしていたのか。

当時、FBIはロシアの関与については「結論づけることはできない」としていた。結びつけるだけの自信がないというのだ。昨年末の時点で、FBIはロシア関与説においてはCIAに抜かれた感がある。

探られ暴かれたくない事実

しかしは最近になって、コミー長官の音頭のもと、FBIは予算を増額してロシアの関与を捜査しようとしていた。その矢先、トランプは長官を解任したわけだ。

冷静に考えると、トランプにやましい点がなければ長官解任は必要なかっただろう。静観していても状況は変わらないからだ。トランプにとって、探られたくない、暴かれたくない事実が隠されていると推察する方が自然である。

現時点で、ロシア関与の詳細は公表されていない。選挙結果を揺るがすだけの策謀をロシア政府が行ったかは分からない。

昨年11月の大統領選の投票率は54.7%で、総得票数は1億2883万票。ヒラリー氏の方が286万票も多かったが、選挙人システムのせいで、トランプが勝利を収める。ロシアが選挙結果を左右するだけの力があるとしたら、何なのか。

ロシア政府がサイバー攻撃によって選挙結果をゆがめられるとすれば、思いあたるのはウィスコンシン州、ペンシルバニア州、ミシガン州の3州である。

奇しくも、民主党クリントン氏が勝つと思われた州で、一部で電子投票が取り入れられていた。ヒラリー氏が3州で勝っていればトランプ大統領は誕生していない。仮説の域を出ないが、3州において、ロシアの関与が最も疑われている。

実は昨年末、3州で得票の再集計が行われた。だがヒラリー氏に数十票の加算があっただけで、最終的な結果はひっくり返らなかった。

コミー長官が解任された直後、FBI職員には衝撃が走ったという。トランプが今後、論理的な解任理由を公表する可能性が少ない以上、多くの職員はトランプのロシア疑惑を徹底的に捜査するはずだ。

第2のウォーターゲート事件に進展する可能性は現段階では50%というのが、筆者の見立てだ。少なくとも、FBIやCIAを含めた諜報機関、メディア、そして連邦議会は捜査を続行させるだろう。

ウォーターゲート事件の時は逮捕者が出た。だが、トランプの「ロシアゲート」ではまだ事件性は認められない。今後、諜報機関やメディが物証を含めた違法性のある証拠を入手できるかがカギになる。

時限爆弾の時計が1時間進んだ

それでも連邦議会、特に民主党議員の中にはすでにトランプを弾劾に追い込むつもりの者もいる。

コネチカット州選出のリチャード・ブルーメンソール上院議員はCNNとのインタビューで、「コミー長官の解任は、ニクソン大統領の時のような弾劾裁判へと進む可能性がある」と述べた。

また同じく民主党のマーク・ポーカン下院議員(ウィスコンシン州)は述べている。

「トランプを弾劾裁判にかけるための時限装置を設置すべきだ。時計はすでにチクタク動きはじめている。少なくとも、コミー長官解任で1時間は時計が進んだはずだ」

世論調査によると、トランプを支持する共和党員の7割以上はコミー長官解任劇があっても、トランプを支持しつづけている。しかし、全有権者の半数以上はトランプへの猜疑心を増幅させている。

民主党全国委員会のトム・ペレス委員長は、「ニクソン政権時の『土曜日の夜の虐殺』(独立検察官の解任)よりも、(トランプにとって)状況は悪いかもしれない。選挙時のトランプ陣営とロシア政府が共謀して選挙結果に影響を与えたことは明らかだ。別に宇宙工学を学んでいなくとも、誰でも分かるはず」と、弾劾へと時計が動き始めている点を指摘した。

次の流れとして重要なのは、ジョン・マケイン上院議員(共和)が推している独立調査委員会の設置だろう。

トランプ弾劾へと動く潮流はゆっくりしているが、トランプ政権第1期が終わる前に、トランプはホワイトハウスを去らざるを得なくなる状況が来るかもしれない。

古森記事

2016年米大統領選へのロシア政府介入疑惑について米下院情報特別委員会の公聴会で証言するジェームズ・コミーFBI長官(2017年3月20日撮影)。(c)AFP/Nicholas Kamm〔AFPBB News

米国でトランプ政権と民主党寄りの大手ニュースメディアが対決している状況については、たびたびこのコラムでも伝えてきた。

米国のメディア界では、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストといった大手新聞、CBS、NBC、ABCのテレビ3大ネットワーク、そして日本も含めて国際的な影響力を発揮するようになったCNNテレビなどが、国内政治を報じる際に民主党寄りのリベラル派を支援する姿勢を強く打ち出している。

一方、共和党保守派を代弁するドナルド・トランプ大統領に対する報道姿勢はきわめて厳しい。トランプ大統領の政策を徹底的に糾弾し、トランプ政権を有利にする動きやトランプ支持層の主張などは軽視もしくは無視しようとする。

だから日本でそうしたメディアの情報だけに接していると、トランプ大統領は明日にも弾劾され、辞任に追い込まれるかのようにもみえてくる。米国民の大多数が同大統領の退陣を望んでいると思っている人も多いかもしれない。

ところが実態は決してそうではない。

トランプ大統領を支持する米国民は間違いなく多数存在するし、大統領の弾劾を決める立法府の連邦議会もトランプ大統領にとっての与党、つまり共和党が多数の議席を占めているのだ。

FBI長官の解任は不当で違法?

こうした状況のなかで、トランプ政権が新たな攻撃にさらされている。

今回の騒動の原因は、トランプ大統領がFBI(連邦捜査局)のジェームズ・コミ―長官を突然解任したことである。

反トランプの大手メディアは、トランプ大統領が完全に不当で違法な解任措置をとったかのように報じている。その伝え方は、まるで国家の危機が起きたかのような事態の深刻さを感じさせる。

具体的には、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNなどがこぞって以下のような解説をしている(いずれも大統領選中からトランプ陣営を叩いてきたメディアである)。

「FBIは、2016年の大統領選でトランプ陣営とロシア諜報部が共謀して民主党のクリントン候補を不利にする工作をした疑いを追及していた。トランプ大統領は、その捜査活動を妨害する意図でコミ―長官を解任した」

メディアの中には、ニクソン大統領を辞任させたウォーターゲート事件の再現のように報じるところもある。日本のメディアもそうした米国大手メディアの解説を転用する形で、「トランプ大統領が不当にFBI長官を解任した」「ウォーターゲート事件の再来」と報じている。

「解説」の3つの大きな欠陥

だが、こうした解説をそのまま受け止めるのは危険である。

ワシントンで、反トランプキャンペーンを展開する大手メディア以外の情報を注意深く追ってみると、この「解説」の欠陥がすぐに浮かび上がる。

第1に、「トランプ陣営とロシア諜報部が共謀して選挙結果を操作した」という主張にはなんの具体的な根拠も示されていない。

FBIはこの疑惑の捜査を2016年7月に開始した。もちろん捜査当局が捜査中の事件の内容を明らかにすることはない。だがこの種の重大テーマの捜査や調査がこれほど長く続けば、非公式のルートを通じてなにかが出てくるのが普通である。だが10カ月ほどが過ぎても、具体的な証拠はなにも示されていない。民主党も大手メディアもなんら証拠を示すことができていないのだ。

またFBIが、大統領の地位さえも揺るがしかねない重大捜査を始める際は、単なる「疑惑」の段階を越えて、捜査の必要性を裏づける有力な証拠が必要である。だがその証拠はまったく提示されなかった。本当にそんな証拠が存在するのかという疑問さえも浮かんでくる。

第2に、コミー長官の解任は「トランプ大統領がFBIの捜査を妨害するため」とされているが、コミー氏には解任されるべき別の理由があった。

トランプ大統領は、FBI長官の解任を提案したのは(コミ―長官の直接の上司となる)セッション司法長官とローゼンスタイン同副長官だと断言している。

解任提案の内容は公表されている。コミー長官の行動で問題視されているのは、昨年の大統領選の終盤段階で、コミー長官が民主党のヒラリー・クリントン候補のメール不正使用事件に関する刑事訴追の適否に関して二転三転の声明を出したことだ。

コミ―長官は当初「クリントン氏は刑事訴追にはならない」と言明した。ところがその後すぐに新た証拠が出たとして「刑事捜査を再開する」と宣言する。だが、その後に「クリントン氏は刑事訴追の対象にはならないだろう」と再び発言を覆したのである。

この二転三転の談話は主に民主党側の怒りを買った。議会でも民主党の下院院内総務のナンシー・ペロシ議員、上院院内総務のチャック・シューマー議員がこぞってコミー長官を批判し、「FBI長官としては不適格だ」と述べた。

反トランプメディアの代表格であるニューヨーク・タイムズは今回のコミー長官解任の原因について、「コミ―長官がロシアの選挙介入事件の捜査の経費増額を求めたため、トランプ大統領は捜査の進展を恐れて同長官の解任に踏み切った」と報じた。だが、FBIのマカベ長官代行は公式の場で「この事件の捜査経費はすでに十分にある」と否定している。

第3は、ウォーターゲート事件と今回のFBI長官解任を比べると、政治状況が大きく違っている点である。

米国の大手メディアは今回のFBI長官解任をウォーターゲート事件になぞらえる。1973年10月、ニクソン大統領はウォーターゲート事件を担当するコックス特別検察官を解任した。この解任は内外で大きな反発を招き、一気に大統領の弾劾、辞任へとつながった。

だがウォーターゲート事件では、コックス特別検察官解任の時点で、ニクソン大統領の不正を裏づける具体的な証拠がすでにいくつか浮かんでいた。その種の証拠がまったく出ていない現状とは、明らかに異なっている。

しかも、当時の連邦議会は、共和党のニクソン大統領を糾弾し弾劾を目指す民主党側が上下両院とも多数を占めていた。一方、現在の上下両院は与党の共和党が多数を占めている。司法の究極の柱となる最高裁判所も、トランプ大統領が任命した新判事により保守派が多数となってしまった。こうした状況から、今回のFBI長官の解任がトランプ大統領の弾劾、辞任につながる可能性はきわめて低い。

どのメディアがどんな姿勢で報道しているのか

以上のような事実関係や状況の分析は、現在の米国の大手メディアからはなかなか出てこない。

ワシントン・タイムズやFOXテレビといった保守派寄りのメディアはこうした情報を報道しているが、日本の多くのメディアは、どうしても民主党寄りの米国メディアの報道に流されがちのようである。

言うまでもなく日本としては、トランプ政権の実態をリアルタイムで正確に知っておくことが必要である。そのためには、一体どのメディアがどんな姿勢で報道しているのかを観察する姿勢が必要だ。民主党寄りメディアの報道にばかり依存しない多角的な視線が欠かせない。

日経記事

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が過激派組織「イスラム国」(IS)に関する機密情報をロシアに漏らした疑いが15日、浮上した。米国と同盟国の情報機関の連携に支障をきたしかねない。外交・安全保障の機密情報は「インテリジェンス」と呼ばれ、政策立案の基礎になるだけに中東のIS掃討など国際秩序の安定を揺るがす可能性も出てきた。

トランプ米大統領は10日のロシア外相との会談で機密情報を漏らしたとされる=ロイター

米紙ワシントン・ポスト(電子版)などによると、トランプ氏が機密情報を漏らしたのはホワイトハウスで10日に会談したロシアのラブロフ外相とキスリャク駐米大使。「私は素晴らしい情報について毎日説明を受けている」。トランプ氏は自慢げに、同盟国から受け取ったISの機密情報を明かしたという。

トランプ氏は16日、ツイッターの投稿で大統領の正当な権限だとしたうえで「テロや航空安全に関する事実をロシアと共有したかった」と釈明、情報を伝えたことを実質的に認めた。マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日「大統領の会話は適切だった」と記者団に語った。 インテリジェンスの世界では、同盟国から受け取った情報を別の第三国に提供する場合、提供した国の了解を事前に得る暗黙のルールがある。米国は今回、その了解を得なかった。米政府高官は「米国からロシアに情報が了解なく漏れたことを同盟国が知れば、その国との関係は打撃を受ける」との危機感を示した。

トランプ氏が漏らしたISに関する機密情報はどの国から提供されたものかは明らかではない。航空機に持ち込んだパソコンを使ったISのテロ計画の詳細、米情報機関の協力者がテロの脅威を探知したIS支配地域の都市の名前など、機微に触れる情報を伝えたとの見方がある。

ISの情報収集に関与している協力者の活動地域などがロシアを経由してISに把握されれば、その人物が危険にさらされかねない。米国は有志国連合でISを掃討しているが、このIS包囲網にほころびが出る可能性もある。ロシアは有志国連合に参加していない。

米国はシリアやイラクなどでISの動向を上空から常時監視。IS戦闘員の動きを見極め、リーダーらを特定しようとしている。その作業は現地の協力者が不可欠で、秘密保持は重要だ。

ISにとどまらない。米国は英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの英語圏5カ国で「エシュロン」と呼ばれる共同の通信傍受システムを構築。電話やメール、ファクス、無線、衛星通信などを傍受し、機密情報を共有している。日本も中国やロシアの潜水艦のスクリュー音などを米海軍と共有・分析し、情報を蓄積している。

米国が同盟国の機密情報を第三国に無断で伝えれば、米国や同盟国がどの程度の情報収集能力を持っているのか、相手に推測させることにつながる。ロシアはクリミア半島の併合後、米国と同盟を結ぶ大半の欧州諸国にとって脅威になっている。与党・共和党重鎮のマケイン上院議員は「強く懸念している」と語り、元米政府高官は「機密情報や安全保障を扱うことにどんな重みがあるか。あまりに無自覚だ」とトランプ氏を批判した。フォームの始まり

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