『「満点」の日米首脳会談に影落とす米中電話会談 安全保障と経済を切り離した菅&クシュナーの連携』(2/13日経ビジネスオンライン 森永輔)について

安倍首相近辺に取材ができていないので「当たり障りのない」内容と言う印象です。米国が米国流の「一つの中国」を認める電話を中国にかける前に、日本に連絡があったかどうかは重大な問題ではないでしょう。事前に連絡を受けたとしても、口を差し挟む余地はないです。米国が台湾関係法を廃止し、中国流の「一つの中国」を認めるというのであれば、日本の国益・安全に多大な影響を与えますので、意見を言う余地はありますが。そんなことは米国の国益に反しますのであり得ない話ですが、

マイケル・フリン補佐官は辞任しました。府内の権力争いか、CIAの嫌がらせかは分かりませんが、軽率だったことは否めません。これでトランプがプーチンと協議して中国封じ込めの狙いができにくくなります。またフリンと来日時に打合せしたことが、後任に引継されれば良いですが。

2/14日経電子版<フリン米大統領補佐官辞任発表 対ロ制裁疑惑で引責

【ワシントン=吉野直也】マイケル・フリン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日夜、辞任した。トランプ政権の発足前にロシア当局者と対ロ制裁について協議していた問題の責任を取った。国家安全保障担当の補佐官は閣僚級。ホワイトハウスの外交・安全保障の司令塔であるフリン氏の辞任はトランプ政権に打撃となる。

国家安全保障担当の米大統領補佐官を辞任したフリン氏(13日、ワシントン)=AP

ホワイトハウスが同日夜発表した。フリン氏はトランプ米大統領に「不十分な情報を伝えたことをおわびしたい」とする辞表を提出し、トランプ氏も了承した。政権発足後3週間で米政権の閣僚級が辞任するのは極めて異例。要職に指名したトランプ氏の責任も問われる。

フリン氏とロシアの駐米大使が昨年12月に電話していたことが1月に発覚。ペンス副大統領はフリン氏の説明を受け「制裁を協議しなかった」と釈明した。その後、米紙は複数の当局者が制裁について話したことを認めたと報じた。

これに先立ちホワイトハウスのスパイサー大統領報道官は13日、フリン氏の疑惑に関して「大統領は状況を調査中だ」との声明を出していた。ロシア当局者との話し合いが事実であれば、民間人の外交政策関与を禁止する法律に違反する恐れがある。

米紙ワシントン・ポストによると、フリン氏は当初疑惑を否定していたが、最近は「100%の確信を持って思い出すことができない」などと述べ、ペンス氏に謝罪した。CNNテレビは関係者の話として「トランプ氏は特に当初疑惑を否定した点に腹を立てている」と報じた。>(以上)

7ケ国入国禁止の大統領令はイラン対策との話があります(何かで読んだ記憶があります)。トランプが貿易や為替で中国だけでなく、日本を挙げたのと同じ構図と思っています。でも、どうして日本の記者はトランプの言外の意味を考えることができないのでしょう?イデオロギーに染まって思考停止しているか、考える訓練をしてこなかったのでしょう。そういう人間が偉そうに自説(横の物を縦にしているだけかもしれませんが)を主張するだけです。高給を食むには値しない人達です。

EUについて、トランプはルペンの応援をするのも、経済的にドイツを強くしないためと思っています。NATOの盟主の座は下りないにしろ、ロシアと協調し、ドイツに軍事費負担を多くさせ、フランスにEUからの離脱を図るのでは。米国の最大の関心事はアジアでしょう。オバマのアジア・ピボットは口先だけでしたが、人口の多さと経済成長を睨んだ時に、方向は間違っていません。主戦場を中国に取られるかどうかですから、性根を据えて取り組まなければ。

記事

安倍晋三首相とドナルド・トランプ米大統領が、この組み合わせによる初の日米首脳会談を2月10日に実施。安全保障と経済を巡る合意をまとめ、共同声明を発表した。かねて注目されていた尖閣諸島については、日米安全保障条約第5条の適用対象であることを明記した。経済については、麻生太郎副首相・財務相とマイク・ペンス副大統領をトップとする対話の枠組みを創設することで合意した。今回の会談で注目すべきはどこか。いかに評価するべきか。日米関係に詳しい、小谷哲男・日本国際問題研究所主任研究員に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

ぎこちないながらも堅くハグし、手を握り合った安倍首相(右)とトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

TPPは首の皮一枚残った

—今回の会談について、どこに注目しますか。

小谷:2つあります。1つは日米同盟の重要性、特に尖閣諸島の位置づけについて、トランプ大統領がオバマ大統領と同様の認識を踏襲したことです。日米共同声明に「日米同盟はアジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎である」「日米安全保障条約第5条が(沖縄県の)尖閣諸島に適用されることを確認した」と明記しました。日本が盛り込みたい事項は、すべて盛り込まれたと考えてよいでしょう。

小谷哲男(こたに・てつお)氏 日本国際問題研究所主任研究員/法政大学兼任講師/平和・安全保障研究所研究委員 2008年同志社大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。その間、米ヴァンダービルト大学日米センターでアジアの安全保障問題、特に日米関係と海洋安全保障に関して在外研究に従事する。その後、海洋政策研究財団、岡崎研究所を経て現職。現在は、中国の海軍力や尖閣諸島を巡る日中対立を中心に研究・発信するとともに、「海の国際政治学」を学問として確立すべく奮闘中。

尖閣諸島については、ジェームズ・マティス国防長官が2月4日に来日して「日米安全保障条約第5条の適用対象である」と明言しました。トランプ大統領がこれを追認するかどうかが注目されていました。

これにより、日米同盟に対するトランプ政権の姿勢が明確になりました。

もう1つは経済問題。TPP(環太平洋経済連携協定)の取り扱いについて、日米双方の言い分を残して両論併記の形を取ったことです。トランプ大統領はTPPから離脱する大統領令に署名しました。日米間の経済交渉は2国間交渉に移行したい考えです。一方、日本はアジア太平洋地域の通商ルールを多国間交渉で決めるTPPの命脈を保っておきたい。この違いを対立点とすることなく、「日米間で2国間の枠組みに関して議論を行うこと、また、日本が既存のイニシアチブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進することを含む」という文言に落とし込みました。

—「日本が既存のイニシアチブを基礎として地域レベルの進展を引き続き推進することを含む」というのは微妙な表現ですね。日本が中心となって「米国抜きの11カ国でTPPを発効させる」ことに日米が合意したと読むこともできます。

小谷:この文の解釈は多岐にわたるでしょう。日本にとっては米国がTPPに戻ってくるのがベストシナリオです。しかし、これは難しい。そして放っておけば、ほかの国が離脱に向かう可能性がある。「そうならないよう首の皮一枚を残しておきたい」というのが日本側の意図ではないでしょうか。

—ペンス副大統領の交渉力をどう評価しますか。インディアナ州知事だった同氏に経済を巡る外国との交渉経験はありません。交渉役の指名を受けて「経験はないが光栄だ」と答えています。

小谷:未知数ですね。しかし、インディアナ州には多くの日本企業が進出しています。事情は分かっているのではないでしょうか。副大統領にもちゃんと補佐官が付きますし。

駐日大使に指名されるウィリアム・ハガーティー氏もテネシー州の経済政策の責任者として働いた経験があります。ここにも日産自動車やブリヂストンなど日本企業が進出しています。

—米国は従来、日米間の経済交渉に米通商代表部(USTR)を充ててきました。経済官僚と副大統領、日本にとってはどちらが都合がよいのでしょう。

小谷:分かりません。しかし、副大統領の方が格上ですから、大所高所に立った意志決定や妥協ができる可能性があると思います。

「厚遇」と引き替えに求められる「譲歩」は…

—トランプ大統領が安倍首相を異例のレベルで厚遇したことについてお聞きします。小谷さんも、トランプ大統領の対応を「厚遇」と評価しますか。

小谷:はい。安倍首相との首脳会談はアジア諸国の中で最初です。期間も2日間に及ぶ。さらに、トランプ大統領自身の別荘にまで招いた。これは日本がアジア諸国の中で最重要であることを内外に示すものです。特に中国に対して強いメッセージとなったでしょう。

ただし、厚遇と引き替えに、トランプ大統領が今後、日本に譲歩を迫る可能性があります。この懸念は払拭できません。

—安全保障における日本の希望は既に共同声明に盛り込まれました。さらに、経済に関する今後の交渉は麻生財務相とペンス副大統領に委ねられた。安全保障と経済問題は切り離されたわけですね。なので、安全保障面で譲歩を求められることはないのでは。さらにナンバー2同士の交渉に、トランプ大統領が口を挟むことはさすがにしないのではないでしょうか。

小谷:普通の大統領ならそうでしょう。しかしトランプ大統領がどんな行動を取るかは予測できません。

トランプ大統領は首脳会談後の共同会見で「(在日米軍を)受け入れてくれていることに感謝の意を伝えたい」と述べました。これは日本に駐留する米軍の経費について今以上の負担を求めることはないというメッセージと理解しています。マティス国防長官が来日した際にした「日本はお手本」との発言を大統領レベルで追認するものですね。なので、安全保障面で譲歩を求めることはない気がします。とはいえ、懸念は消えません。

—ある専門家は、南シナ海で米国が展開する「航行の自由作戦」*への貢献を求められる可能性があると懸念していました。また、過激派組織「イスラム国(IS)」掃討戦の後方支援を求められるかもしれないとの指摘もあります(関連記事「孫崎享氏、対米・対IS戦争を同時に迫られる日本」)。

*:ある国が公海における航行の自由を侵そうとする場合、その海域に軍艦や軍用機を派遣し、公海であることを示す作戦

小谷:私は、それはないと考えています。しかし、対中・対北朝鮮の抑止力を高めるため、新たな装備の購入を求められることはあるでしょう。例えば韓国への導入が決まった地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)*ですね。

*:ミサイル防衛システムの1つ。自衛隊は日本を標的にした弾道ミサイルなどを迎撃すべく、①イージス艦から発射するSM-3、②地上配備型のPAC-3を導入している。両者の間を補うものとして、自衛隊はTHAADを検討している。

地上配備型のイージスシステム*の導入を求められる可能性もあると思います。

*:多数の目標を同時に探知・攻撃できる防空システム

—経済面では、どんな譲歩を求められる恐れがあるでしょうか。

小谷:トランプ大統領が米国民にアピールできる象徴的な何かを求められる可能性があるでしょう。すぐに具体例は思い浮かびませんが。

—やはり自動車関連でしょうか。

小谷:そうかもしれません。ただ自動車関連で日本が譲歩するのは難しい状況です。輸入関税はすでにゼロです。米国での現地生産も進めている。まるで80年代を想定しているようなトランプ大統領の認識を改めるのは容易ではありません。

女婿クシュナー氏が司令塔

—安全保障と経済問題を切り離す。経済問題の交渉は麻生財務相とペンス副大統領に任す。この2点は非常にうまい仕組みを作ったと思います。日本側の外交がうまくいったのでしょうか。それとも、トランプ政権の中に絵を描いた人がいたのでしょうか。

小谷:本当にうまい仕組みですね。この点については満点と言えるでしょう。首相官邸とホワイトハウスの間のパイプが非常にうまく機能したと聞いています。トランプ氏が当選した直後の安倍・トランプ電話会談や、その後のトランプタワー訪問などを実現させるなど優れた働きをしています。こうした一連の調整は、日本側は菅義偉官房長官が、ホワイトハウス側はトランプ大統領の女婿であるジャレッド・クシュナー氏が仕切ったようです。

—そういえば、クシュナー、イバンカ夫妻も大統領専用機で両首脳と一緒にフロリダ入りしたようですね。イバンカさんがツイートしていました。 —トランプ大統領は、クシュナー氏をはじめとする側近の意見に耳を貸すようになっているのでしょうか。この点について、2つの見方があります。一つは、選挙期間中の過激な発言は当選するための方便で、当選すれば現実路線をとる、というもの。もう一つは、2月に開いた当選後初の記者会見で明らかになったように、過激な発言はトランプ氏の持論で変わらないというものです。

小谷:私はトランプ氏の姿勢の変化を、当選時ではなく、米共和党の候補として指名を勝ち取る前と後に分けて捉えています。指名獲得前はアドバイザーもついておらず、その発言はただの暴言でした。しかし、指名獲得後はアドバイザーが付き、彼らの意見を容れて、実際に実行する政策を語るようになりました。

—アドバイザーとは具体的には誰を指しますか。安全保障担当大統領補佐官に就いたフリン氏などでしょうか。

小谷:はい、そうです。安全保障ではフリン氏。あと大統領特別補佐官のアレックス・グレー氏ですね。経済問題では、米国家通商会議のトップに就いたピーター・ナバロ氏、米国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏などが挙げられます。

米中の電話会談は日本に知らされていたのか?

—今回の日米首脳会談から、トランプ大統領の対中姿勢について垣間見えたものはありますか。トランプ大統領は直前に習近平国家主席と電話会談 し、「1つの中国」の原則を尊重すると表明しました。このタイミングは偶然だったのでしょうか。

小谷:先ほど、今回の日米首脳会談は満点と申し上げました。しかし、やはり周辺に懸念は残る。大きいのはトランプ大統領の予測できない行動と米中関係です。

私は今回の米中電話会談について事前に日本に説明があったのかどうかを危惧しています。説明があったのなら、何の問題もありません。「1つの中国」の原則を米国は元々認めていましたから。加えて、この問題を巡って米中が対立すれば、日本に不要の火の粉が降りかかってくる可能性があります。

しかし、少なくとも担当レベルでは連絡はなかったようです。意思の疎通に瑕疵があれば、日米の一体感に疑いが生じる。中国が、日米同盟の“すき”と見る可能性があります。

加えて、米中が電話会談をした理由がいただけません。「中国にとって日本は敏感な問題である。中国の神経を逆なでしないよう、日米首脳会談の前に米中電話会談を実現すべき」ということでした。日本にとって中国が敏感な問題ということは考えなかったようです。

この会談はレックス・ティラーソン国務長官がトランプ大統領に進言して実現したもの。そのティラーソン国務長官に、ある人物がこのようにアドバイスしたそうです。

関連して、トランプ大統領が共同会見で「尖閣諸島」と口にしなかったことも懸念です。確かに、日米共同声明は「尖閣諸島」について明記しています。しかし、トランプ大統領は口にはしなかった。このため中国が、尖閣諸島に対する米国の姿勢をテストすべく強硬な行動を起こす恐れがあります。

オバマ大統領がしたように、トランプ大統領も記者会見で「尖閣諸島」に言及するべきでした。

日本は米国と欧州の架け橋に

—両首脳がロシアについて話し合った可能性はあるでしょうか。共同声明も共同会見もロシアについて触れていませんが。それが北方領土の返還交渉に影響を与える可能性は。

小谷 話し合ってもおかしくないと思います。でも、両首脳がお互いの世界観を理解・共有する話し合いの中で、テーマの1つとして取り上げる程度でしょう。北方領土の返還交渉に影響を与えることはないと思います。

—最後に、日米関係の今後の展望についてうかがいます。

小谷:注目点は麻生財務相とペンス副大統領の経済協議がどう進むかですね。

あと、G7をはじめとする国際会議の場で、米国とほかの国との橋渡し役に日本がなれるかどうか。例えば移民政策や保護主義政策をめぐって欧州諸国は米国に厳しい態度を示しています。しかし、米国を孤立させてはなりません。日本が両者の間をつなぐ役割を果たすべきです。

—特にドイツのアンゲラ・メルケル首相は厳しい態度を示していますね。トランプ氏が大統領選挙に勝利した時の祝辞で「トランプ氏がこれらの価値*を我々と共有するならば、私はトランプ氏とともに働く準備があります」と宣言しました(関連記事「トランプとの対決姿勢を鮮明にしたメルケル」)。「トランプ大統領が移民政策などで差別的な姿勢を取るなら、ドイツは米国を相手にしない」とも取れる意思表示です。 —メルケル首相に比べて、安倍首相のトランプ大統領に対する姿勢は弱いとする評価もあります。

*:民主主義、自由、権利の尊重、全ての個人の尊厳を重んじることなど。

小谷:それは安倍首相に酷だと思います。日本は移民をほとんど受け入れていないので米国を非難する立場にありません。米国の内政問題でもあります。さらに日本の安全保障環境は欧州以上に厳しい。中国や北朝鮮からの脅威が高まっているのですから。

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