4/8日経ビジネスオンライン 池田元博『強気を撤回?融和姿勢強めるプーチンの本音 EUの制裁緩和に躍起?』について

4/10日経には池田元博氏の「ロシアと中国にすきま風」の記事が載っていました。ロシアは原油・ガス価格が上がらなければ、国家財政が危殆に瀕すと思われます。日本にも擦り寄ってきている感がありますので、オバマが何を言おうとプーチンと会えば良いでしょう。ただ、領土問題の解決は一気に解決は難しく、大々的な経済支援も契約を反故にされたサハリンⅡや米国とのことを考えると、難しい面があります。しかし、中国包囲網に参加して貰うのを一番の目的とすれば良い。日本も中国が天安門事件で欧米の経済制裁を最初に解除したことがあるのだから、ロシアをそこそこ助けることはできます。敵(中国)の敵(ロシア)は味方です。プーチンも中国の交渉術には値を上げている様子。4/10日経記事によると、「2014年11月には中ロ首脳立会の下、ロスネフチと中国石油天然気集団(CNPC)がバンコール油田の10%の権益を売買する覚書を交わした。ところが最終合意に至らず、ロシアはついに中国を見限ってインドに靡いたわけだ」とありました。

ポロシェンコ・ウクライナ大統領と会い、2000億円も供与するという事はロシアから見れば敵対行為かもしれませんが、羨ましくも思っているはず。ポロシェンコ大統領はパナマ文書に名前が挙がっていますので、用途のチエックをしないと死に金になりますし、その金でロシアとの妥協も働きかけなければ。ミンスク合意での、親ロシア派が支配する東部地域への自治権付与や地方選挙の実施に必要な憲法改正をするよう圧力をかけてほしい。パナマ文書に名前が出たことで圧力はかけやすくなったのでは。そうすれば、ロシアを助けることにもなります。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48389

ロシアも中国と日本を比べてどちらが信頼するに足るか気が付いたのでは。シベリアには合法・非合法に関係なく中国人が沢山入り込んできていると言われています。中国人の発想は他人のものは自分のもの、自分のものは俺のものと言う発想ですから。2011年には、ブータンの国土の2割が既に中国に奪われてしまったと河添恵子氏が言っていました。何もしなければゴキブリのように繁殖してきます。南シナ海の九段線も。歯止めが必要です。

記事

原油安に加え、ウクライナ危機に伴う欧米の経済制裁に苦しむロシアが西側との関係改善に躍起となっている。シリア和平への積極関与もしかり。政権が狙っているのは、7月末に期限を迎える欧州連合(EU)の対ロ制裁解除だ。

 およそ50カ国の首脳らが一堂に会し、米ワシントンで先に開かれた核安全保障サミット。「核なき世界」を唱えたオバマ大統領の〝総決算〟ともいえる国際会合だったが、本来はこの種の会合で主役級を務めるはずの、ある首脳の姿がなかった。米国と並ぶ核超大国、ロシアのプーチン大統領である。

オバマ政権への嫌がらせ?

 米ロ関係は2年前の2014年春、ロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合とウクライナ東部への軍事介入をきっかけに、「新冷戦」と言われるほど冷え込んだ。今回の核安保サミットへの参加拒否も、ロシアに冷淡なオバマ政権への嫌がらせとみるのが自然だが、真相はやや異なる。

 実は、ロシアがこのサミットへのプーチン大統領の「欠席」を米側に通告したのは、1年半も前の14年10月のことだ。米ロ対立が頂点に達していた時期で、翌11月にはロシア外務省がわざわざ欠席を通告した事実を公表、米国との対決姿勢をあおったほどだ。まさに当時としては嫌がらせだったわけだが、その後のロシアの対米姿勢の微妙な変化を踏まえれば、早々と「欠席」を公表してしまった以上、今さら撤回しても外交的メンツが潰れてしまうというのが本音だったのではないか。

 というのも米ロ関係はなお冷え込んだままとはいえ、外交面では昨年来、イランの核合意、シリアの化学兵器の廃棄完了など米ロ協調の成果が相次いでいたからだ。なかでも今年2月末、米ロ首脳の呼びかけで実現したシリアの一時停戦は、3月の和平協議再開につながった。

Putin

シリアに展開していたロシア軍部隊の撤退について演説するプーチン大統領(Sputnik/Kremlin/ロイター/アフロ)

 プーチン大統領はその和平協議再開のタイミングを見計らったように、昨年9月末からシリアに展開していたロシア軍部隊の撤退も命じた。欧米からの批判も根強かったシリア空爆から手を引くことで、西側との融和を演出する方向に舵(かじ)を切ったともいえる。その流れをさらに生かそうとすれば、今回の核安保サミットも出席したほうが外交的な利点は大きかったのかもしれない。

GDP3.7%ダウン――苦境に立たされるロシア経済

 では、ここにきてロシアが西側との関係を軌道修正し始めた理由は何か。狙っているのはやはり、ウクライナ危機を機に米欧がロシアに科している厳しい経済制裁の緩和だろう。

 ロシア経済は原油安に加え、制裁の打撃で苦境に立たされているからだ。昨年の国内総生産(GDP)成長率はマイナス3.7%に落ち込んだ。できるだけ早く、制裁を緩和してほしいというのが本音だろう。

Russian GDP

 もちろん、シリア情勢とウクライナ危機は別問題だ。先月下旬、モスクワを訪れプーチン大統領、ラブロフ外相と会談したケリー米国務長官は対ロ制裁について、ウクライナ東部の和平プロセスを規定した「ミンスク合意」がすべて履行されれば、「制裁を緩和するというオバマ大統領の約束を厳守する」と表明した。

 米国はミンスク和平プロセスに直接関与しておらず、この合意を順守しないのはロシアだと一方的に決めつける傾向が強い。米国の制裁緩和が容易でないことはロシアも分かっている。制裁問題でロシアが注視しているのはむしろ、欧州連合(EU)の動向だ。

 EUの主要国であるドイツとフランスはミンスク合意に直接関与した。EUも米国同様、ミンスク合意の履行を制裁緩和の条件としているものの、米国ほど対ロ姿勢は強硬ではない。

 ロシア、ウクライナと距離的に近いこともあって、合意の履行が進まないのはロシアだけの責任ではなく、ウクライナ側にも非があると認識している。たとえばミンスク合意は、親ロシア派が支配する東部地域への自治権付与や地方選挙の実施などを規定しているが、ウクライナのポロシェンコ政権はそのために必要な憲法改正をいまだに実現できていない。

 さらに経済の絆が希薄な米ロと違い、EUとロシアの経済のつながりは非常に深い。EUは石油や天然ガスの対ロ依存も高く、EU加盟国の中でも対ロ制裁に否定的な国は少なくない。

独外相への対応ににじむ切実なアピール

 そのEUはこれまで、米国とともに数次にわたって対ロ制裁を発動し、半年ごとに延長してきている。このうち、金融取引や石油分野の技術供与の制限などを盛り込んだ最も厳しい制裁は7月末に期限を迎える。EUは6月中にも延長するかどうかを決める見通しだが、ロシアはまさに、この制裁の撤回や緩和をもくろんでいるようだ。

 折からロシアが対抗措置として14年8月に導入し、延長している欧米の農産物・食料品の禁輸措置も6月末をメドに再延長するかどうかを判断する見通しだ。EUが制裁を緩和すれば、欧州製品の禁輸措置は撤回する腹積もりなのだろう。もちろん、プーチン政権は制裁緩和を公に要請しているわけではないが、EUを何とか懐柔したいという思惑は随所に垣間見える。

 一例は先月下旬、ケリー米国務長官に先だって訪ロした、ドイツのシュタインマイヤー外相への対応だ。独外相はプーチン大統領、ラブロフ外相とともに、経済を統括するメドベージェフ首相とも会談した。そのメドベージェフ首相は独外相との会談の直前、ロシアの政府系投資ファンド「ロシア直接投資基金」のキリル・ドミトリエフ総裁を呼んで協議し、その内容を公表した。

ドミトリエフ総裁「欧州の投資家やビジネス界は制裁に強く反対している。彼らは、政府が6月にも対ロ制裁を緩和するのではないかと期待している」

メドベージェフ首相「もし彼ら(EU)が賢明な決断をすれば、我々はもちろんあらゆる分野で協力を拡大する用意がある」

 明らかにドイツ向けの発言といえるだろう。

 当のメドベージェフ首相は今年2月、ミュンヘン安全保障会議に参加した際にも、ユーロニュースのインタビューで「我々は米国ともEUとも良好で実のある関係になりたい。とくにEUは最も重要な貿易パートナーだ」と指摘。対ロ制裁とロシアの報復措置についても「互いに利益を失うだけ」とし、制裁を先に発動したEU側に「我々はこの日をもってやめるから、あなたたち(ロシア)も対抗措置をやめてほしいと勇気をもって言うべきではないか」と呼びかけ、早期の制裁解除を暗に求めた経緯もある。

「幅広く協調する用意がある」

 傍証をもうひとつ。ラブロフ外相が今年3月、ロシアの外交専門誌「グローバル政治の中のロシア」に寄稿した論文だ。

 「ロシア外交の歴史的展望」と題したもので、キエフ・ルーシ(キエフ公国)がギリシャ正教を導入した988年以来の歴史を振り返りつつ、「常用されるテーゼとして、ロシアは常に欧州の裏庭で、欧州政治のアウトサイダーだったといわれるが、これは史実からは確認できない」と断じた。

 論文はさらに、近年も東西冷戦の崩壊後には「欧州の分裂を決定的に克服し、『欧州共通の家』という夢を実現する現実的なチャンスが芽生えた」と指摘。ロシアも前向きに取り組み、多くの提案をし、主導的役割を果たそうとしたとしている。ところが、「残念ながら西側のパートナーたちは別の道を歩み、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を選択した」と続く。

 NATO批判の論調は相変わらずだが、結論として繰り返し強調しているのは「我々は米国やEU、NATOと対立するつもりはない。ロシアは西側のパートナーたちと幅広く協調する用意がある」ということだ。この点は目を引く。同論文もやはり西側、とくにEUを意識した融和のアピールとみていい。

 EUの制裁緩和を水面下で画策するロシア。当面は6、7月を照準に、欧州への揺さぶりを本格化させていくだろう。

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