6/23・24日経ビジネスオンライン 鈴置高史『MERSに立ち尽くす韓国 「韓国外交はなぜ異様か」を木村幹教授に聞く』記事について

記事が長いのでコメントは短くします。25日の日経朝刊で韓国人の強制徴用問題で「韓国の光州高裁は24日、三菱重工業に原告1人当たり1億~1億2千万ウォン(約1100万~1320万円)の支払いを命じた。」とありました。高裁は最高裁の判断に羈束されますのでこういう判決が出るのは仕方のないこと。つくづく韓国と言うのは近代国家ではないというのが分かります。韓国憲法ができて(1948年)から日韓基本条約(1965年)が結ばれました。植民地支配で賠償金を払った国は他にないし、元々植民地でなく統合でした。慰安婦と一緒で人権問題にすり替えるのは事後法と一緒。世界に韓国のおかしさを声を大にして言うべき。一方、こういう国には「非韓三原則」で無視すればよい。人の足を引っ張ることが生きがいの民族と付き合っても碌なことはない。ヤクザのしつこさと一緒。朱に交われば赤くなりますので付き合わないことです。調子が悪くなると擦り寄り、調子が良くなれば居丈高になる、 philistine です。

記事

「衰退する日本」に対し、上から目線で接するようになった韓国。だが、最近は何やら自信を失った様子だ。韓国人の揺れる心を、神戸大学大学院の木村幹教授が読み解く(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

オバマとの約束をドタキャン

—韓国は中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)で大騒ぎです。

鈴置:2014年4月に起きた旅客船「セウォル号」沈没以来の騒ぎになりました。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6月中旬からの訪米を直前になって中止。オバマ(Barack H. Obama)大統領との会談も無期延期しました。

 訪米中止に対して当初は「『MERS』ぐらいで取り止めるとは国の格を落とす」との批判も出ました。大統領がいなければ流行病1つ処理できない行政能力の低い国と思われる、との意見です。

 でも、今となっては誰もそんな批判はしません。むしろ、メディアには「大統領が先頭に立って『MERS』と戦う姿を見せ、国民を安心させろ」という声が満ち溢れています。

 発生初期に患者の管理に失敗したうえ、「MERS」拡散の源となった病院に閉鎖を命じなかった政府は、厳しい批判を浴びています。

 

 患者が発生し始めた5月27日ごろ、教育部が全国の学校に対し「(『MERS』の病原菌が潜みかねない)ラクダの生肉を食べないよう」指示しました。「MONEY TODAY」というネットメディアが6月2日に配信した記事(韓国語)で報じました。

 政府のこのピンボケぶりは格好の攻撃材料となりました。もちろん韓国人にはラクダの肉を食べる習慣はありません。そもそも韓国でラクダの肉は売っていません。

 新聞各紙は連日「MERS」を社説で取り上げ「無能で無責任な公務員」と「リーダーシップを発揮しない朴槿恵政権」をなじっています。

 国民が政府に不信感を抱くのも無理はありません。政府は毎日「今日が峠」と発表、事態は改善すると示唆します。でも、感染者と死亡者は日増しに増えているのです。

任期半ばでレームダック

木村:朴槿恵大統領の指導力はますます低下するでしょう。今年1月の青瓦台(大統領府)の人事交代で、大統領に直言できる人は皆無になっていますしね。

 今後、与党が朴槿恵政権を「沈む舟」と見なせば、野党と一緒になって――野党以上に政権を叩くと思います。総選挙は来年です。国会議員は政権と一心同体と見なされて落選したくはないのです。

 そうなれば朴槿恵政権は任期を半分残して完全なレームダックと化します。韓国の歴代政権がしばしば末期になって経験することですけれど。

 経済的にも「セウォル号」事件よりも打撃が大きくなる可能性があります。「MERS」で外国からの観光客が減っています。金浦空港も観光地もガラガラ。外国人の姿が消えた、と話題になっています。もちろん「セウォル号」ではそんなことはありませんでした。

 とは言え、経済規模が大きくなった韓国ですから、海外からの観光客が多少減ったくらいでは影響は限定的です。

 より重要なのは内需へのダメージです。「セウォル号」でも亡くなった若者に哀悼の意を表すため、外食や行楽客がグンと減りました。経済界はその再発を恐れています。

 「MERS」でも恐怖感から外出を避ける人が増えました。さらに「MERS」は、韓国人が抱く将来に対する漠然とした不透明感を加速しました。ただでさえ冷え込んでいた消費を、より冷やすのは確実です。

「セウォル号」以上の衝撃

鈴置:中央日報は「MERS恐怖、セウォル号の悲しみより2倍強かった」(6月16日、日本語版)との見出しの記事を載せました。

 ツイッターとブログに書き込まれたコメントを、ビッグデータ解析で分析した結果だそうです。記事に引用された、高麗大のヒョン・テクス教授(社会学)のコメントは以下です。

  • セウォル号は他人の悲劇について悲しむ事件だった。一方、MERSは本人や家族に直接的な被害をもたらす恐れがあるため、はるかに多くの反応が表れた。

木村:政府に対する不信感は「セウォル号」の時と同様に、いやそれ以上に高まりました。船舶事故は船に乗らなければ犠牲者になりませんが、伝染病はどこにいても危険にさらされるからです。

 でも注目すべきは、今回は韓国人の嘆きの対象が、政府に留まらず「韓国そのもの」に向かったことです。MERSらしき自覚症状があっても、隔離されたくないと人々は病院に行かない。当然、感染者は増え続けます。

鈴置:自宅での隔離を命じられたのに出歩いた人々。検査中に病院の隔離室の鍵を壊して脱走、あとで感染が判明した人。感染の可能性が濃いのに診療した医者や教壇に立った先生――。こんな例が連日報じられています。

噂を流したら罰する

木村:MERSの発生源となった有名病院の名を当初、政府は隠しました。人々がパニックに陥ることを恐れたからです。さらに「MERSに関し、変な噂を流したら罰するぞ」と国民に警告を発しました。

 でも逆に、隠したためにパニックが広がってしまった。政府と国民の間に信頼感がないことから起きた悪循環です。

 政府の対応がまずかったのは事実です。しかし韓国人は「では、自分たちは成熟した国民と言えるのか」「我が国は先進国なのか」と考え込んだのです。

鈴置:中央日報の李夏慶(イ・ハギョン)論説主幹が6月17日に載せた「誰がMERSに石を投げるのか」(韓国語)は、まさにその空気を映した論説です。

 「韓国は限界に達している。MERSを奇貨として国のあり方を根本から変えよう」との主張です。ポイントは以下です。

  • この国ではどんな覚醒も、構造改革も不可能だと多くの人が慨嘆してきた。通貨危機ぐらいの衝撃がなければ変わることもできないとも言う。
  • MERSの衝撃は、機能不全に陥った大韓民国のシステムを全面的に変えろと命じている。今や政府も、企業も、労組も変わらねば生き残れないのだ。

 韓国の論説記事は悲憤慷慨調で書かれるのが普通で、割り引いて読む必要があります。でも「我が国は機能不全に陥っている」との危機感は多くの韓国人に共感されています。

 そして、韓国社会を劇的に変えた1997年の通貨危機のような「国難」に直面せねば韓国人の目は醒めない、との慨嘆も決して大げさな主張とは受け止められてはいません。

”謙虚な韓国人”が増える

木村:「韓国はダメかもしれない」との弱気が、昨年あたりから韓国社会にかいま見られるようになっていました。「日本などはすぐに追い越す」と自信満々だった韓国人が様変わりしたのです。「セウォル号」と同様に「MERS」も、その弱気を社会に拡散しました。

鈴置:2015年5月末に日本経済新聞と中央日報が共同で実施した意識調査でも、興味深い結果が出ています(日経6月1日朝刊6面参照)。

 「韓国企業の競争力は日本に追いついたか」との質問に韓国人の25%が「まだ、格差は大きい」と答えています。2010年の調査では12%でした。”謙虚な韓国人”が増えたのです。

 一方、「追い越した」との答えは2010年の9%から2015年の5%に、「追いついた」も21%から17%に減っています。「韓国人の自信」が揺れているのがよく分かります。

—自信喪失の原因は?

鈴置:以下は1つの例です。今年に入って輸出が毎月減少し続け、5月には前年同月比で10.9%も減りました。輸入はそれ以上のペースで減っていますから、貿易収支は黒字を確保しています。が、問題の本質は経済規模が縮小していることなのです。

 円安や中国の景気減速といった短期的な要因もありますが、産業競争力の伸び悩みが大きい。中国以上の高付加価値製品を作っていれば、輸出の30%を占める対中輸出はそれなりの水準を維持できるはずだからです。

 少子高齢化も影を落とし始めました。内需の規模も労働力も縮み始めているのです。それは今後、日本以上の速度で進むと見込まれます。

先進国になれば事故はなくなる

木村:少子高齢化を含め、これまで対処したことのない危機に直面していることが、韓国人を不安にさせているのだと思います。

 産業面での中国での追い上げもそうです。「追い上げられる」のは韓国人にとって、初めての経験でしょう。

 追い上げの過程では「日本の背中」を手がかりに自分の位置を確認できた。でも、後ろには目がありません。今度はいつ中国に追い抜かされるのか、よく分からないのです。先が読めない不安なのです。

 「MERS」や「セウォル号」も同じことです。昔から、韓国で大型事故はしょっちゅうありました。でも韓国人は「先進国になれば、こういう事故はなくなる」と考えていた。

 ところが1人当たりGDPなど、データ的には先進国になったのに「後進国型事故」はなくならない。そしてこうした事故をなくすにはどうしたらいいのか、処方箋が見当たらないのです。

—なぜ、見当たらないのでしょうか。

鈴置:産業的な追い上げは比較的簡単です。先進国の技術を買うなり盗むなりすればいい。形があるものは真似しやすい。

 でも、事故防止の要は「1人1人が決められたルールをきちんと守る」という、人間の心構えであって、形がないのです。

 だから問題の所在は分かっても、簡単に処方箋が書けない。メディアは、MERSに罹っているかもしれないから自宅に籠れと言われたのに気楽に外出する人々を報じつつ、韓国人の社会性のなさを嘆きます。でも、韓国人をすぐさま変えられるわけではないのです。

昔なら、しょっぴいた

木村:昔だったら――権威主義的な政権の時代だったら、そんな人はすぐにしょっぴいたでしょうね。でも今は、できない。

 現在でも法律的にはやってやれないことはないのかもしれませんが、韓国は国民から少しでも批判を浴びそうな決断は下せない国になったのです。

鈴置:韓国人から聞いたことがあります。1960年代、赤信号を無視して警察に見つかると、綱を張った空き地に半日間ほど、立たされそうです。現在の大統領のお父さん、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代の話です。

 教えてくれたシニアの韓国人は「独裁政権はそうやって、無秩序な韓国人にルールを叩き込もうとしたのです」と、どこか懐かしげに語ったものです。1987年の民主化直後の話です。

木村:かつての韓国はジェットコースターのような国でした。悪くなる時は急角度で落ちる。1997年の通貨危機が典型的なケースです。でも、良くなる時は一気に上昇する。危機後の韓国です。

 今は、恐ろしく悪くなるわけではないけれど、かといって画期的に良くなるわけでもない。国が大きくなったので「MERS」によって外国からの観光客が減っても、沈没しはしません。

 でも、仮に「MERS」が片づいても明るい材料はない。追い上げてくる中国に打つ手がなく、動きがとれない――という恐怖が広がっているのです。

アップ・ダウンするジェットコースターの軌道が突然、平らになった。激しい上下動はなくなった代わりに、高空で前にも後ろにも進めなくなってしまった――といったところですね。

「ラクダ」と自己防衛

—「皆で前に押そう」と誰かが言い出さないのでしょうか。

木村:そんな掛け声をかけるリーダーは今の韓国にはいません。仮に、そういうリーダーが出てきても、その声を信じて付いていく人は少ないでしょう。韓国の政治家、さらにはエリートに対する不信感が広まっているからです。

 だとすると、お客さんたる個々の韓国人は自分で問題を解決するしかない。最も簡単な方法は「止まった車両から降りる」ことです。

鈴置:ワセリンを鼻の穴に塗ればMERSを予防できる、といった怪しい情報がネットで広がりました。「政府の出す情報は信用できない」という意識の裏返しです。

—「MERSの感染源の病院名を広めると処罰するぞ」と脅されたり、「ラクダを生食するな」と政府に言われたら、個人は自衛に乗り出すでしょうね。

鈴置:少し前までの韓国なら、問題が発生すれば国が全力をあげて解決しました。少なくともそうした姿勢を見せました。でも今は、問題を前にして手をこまねくというか、立ち尽くしてしまう感じです。

 2018年の平昌の冬季五輪も準備が進まず、日本との共催論や開催返上論まで出ました。「朴槿恵政権が担当するのは開会式まで。閉会式は次の政権下だから、現政権はやる気が起きないのだ」と解説してくれる韓国人が多い。昔の韓国なら、そんな「非国民的な発想」は許されなかったでしょう。

日本叩きに失敗して悔しい

木村:2014年の仁川のアジア大会も運営にいろいろ問題がありました。これに対しマスメディアは批判しましたが、改善に向け政府が仁川市など運営組織を積極的に指導する、ということにはなりませんでした。

 「それなりの国」になったので、政府も国民も昔のように汗をかこうとは思わない。まして自らを手術する勇気など湧きません。そんな中、将来に対する漠然たる不安感が増しているのです。

—「ゆでがえる」の心境ですね。

木村:この、韓国人の何とはなしの不安感と言いますか「頭打ち感」。実は外交にも通じるのです。

鈴置:韓国で「外交敗北論」がにわかに高まっています(「朴槿恵外交に噴出する『無能』批判」参照)。

 米国と中国を後ろ盾にして日本を叩く――というのが朴槿恵外交の基本路線でした。でも、米国は韓国以上に日本を大事にする。一緒になって日本を叩いてくれるはずの中国も、日本との関係改善に動く。

 日本を孤立させたつもりが、自分が孤立しているじゃないか――と韓国人は焦り始めたのです。

ユネスコはけしからん

木村:もちろん「孤立する焦り」の背景には歴史認識問題で韓国の要求を聞いてくれないどころか、あたかも自分たちの存在を無視するかのような日本政府や安倍晋三首相に対する怒りも存在します。でも、それ以上に、韓国の世界での立ち位置への不安が大きいのです。

 韓国はG20のメンバー国となり、2010年にはアジアの国として初めて首脳会合を主催しました。韓国人は、堂々たる先進国となったと国を挙げて喜びました。わずか5年前の話です。

 でもふと気づくと、自分たちが考えているほどには、世界の国々が韓国の意見に耳を傾けてくれるようには思えない。その不満を具体的に並べると、次のように整理できるかもしれません。

  • 米議会での安倍演説に我が国があれほど反対したというのに、米国は許したうえ、盛大な拍手で歓迎した。米国が日本の方を重視しているのは明らかだ。
  • 頼りにしていた中国も、いつの間にか平気で日本と首脳会談を行うようになった。ひょっとすると中国もまた、本音では我が国より日本を重視しているのかもしれない。
  • ユネスコは日本の産業遺産を世界遺産に登録しかけている。遺産の施設の一部では朝鮮人労働者も強制労働させられていた、と我々は主張したのだが、それが真剣に受け止められたようには思えない。
  • ユネスコの上部組織、国連の事務総長は我が韓国から出ている。なのに、よりによって「歴史」を扱う国連機関が日本の肩を持つとは理不尽極まる。
  • 「MERS」で首脳会談をドタキャンしても米国からはほとんど反応がなかった。我が国の大統領がわざわざ訪米してオバマ大統領に会うのだから「慰安婦」をはじめとする歴史認識問題で、少しはリップサービスしてくれるつもりかもしれない、と期待していたのに。この問題に米国はあまり関心がないようだ。
  • あるいは逆に、韓米間で懸案になっている終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)配備問題で、オバマ大統領が韓国に怒りをぶつけるかもしれない、と考えていたのに、この問題に拘っている様子でもない。我が国がこれほど悩んだ問題を、米国は真面目に考えていない。

無視されるのが一番嫌だ

 結局、キャンセルされた米韓首脳会談は、韓国側が「会う機会をくれ」と言ってきたから米国が受けただけ、という不都合な真実を明らかにしてしまった。つまり、今の韓国を巡る状況に米国が「さほど大きな関心を持っていない」ことが分かってしまったのです。

 オバマ大統領は、9月に会う習近平主席と力勝負せねばなりません。そのためにも4月に安倍晋三首相と会って対中政策――露骨に言えば中国包囲網をきっちりと作っておく必要があった。でも韓国は中国包囲網に加わろうとはしないし、そこで重要な存在としてカウントされてもいない。

鈴置:それどころか、韓国は中国側に寝返りかねない。

木村:少なくとも「中国との対抗」に関しては、米国が韓国に期待するものは多くない。米国とすれば、朴槿恵大統領が来たくなければ来なくてもいいのです。だからキャンセルにも冷淡に対処することになった。

鈴置:韓国人は無視されると極端に落ち込みます。「嫌われる方がまだいい」などとよく言います。

東大新入生のイライラ

木村:東大の新入生に似ています。地元では秀才ともてはやされ、意気揚々と駒場のキャンパスにやってきた。東大でも自分の存在を見せつけるべく、意気揚々と意見を披露する。

 でも、周囲も皆、東大生。「そんなこと、誰でも知っているよ」と一蹴され、自分の存在の小ささに愕然とする――そんな感じです。

 「ようやく先進国になった」と思ったのに、国際社会で期待したほどに存在感を高めることができない……。韓国のイライラはこんなところにあると思います。

—なるほど、それで日本の世界遺産登録に対しても、国を挙げて阻止に動いたのですね。

鈴置:大統領自らが反対を表明したうえ、阻止するためわざわざ外相をドイツやクロアチアに送った。異様です。

木村:他の国から見れば「異様」に見えるかもしれませんが、韓国とすれば自らのプライドがかかった大勝負なのです。同時に、国内的には「大統領の面子を潰した」と叱られないか、側近たちが恐れる――という図式でもあります。

世界から向けられる「白い目」

—「先進国としての存在感」が発揮できないと悩んでいたところに「MERS」というわけですね。

木村:その通りです。韓国は海外から「この国、大丈夫?」という目で見られることになりました。ロシアなどに加え、MERSの本家本元である中東諸国も、自国民に韓国への渡航自粛勧告を出しました。韓国の人々にとって、極めて不本意な状況です。

鈴置:はっきり言えば非常識な韓国人と、いい加減な対処で感染症を輸出し始めた韓国政府に、世界から白い目が向けられたのです。

 香港へは、感染の疑いのある韓国人が虚偽の説明をして入国しました。その後この人の感染が確認されたこともあって、香港紙はこの韓国人に法的処罰を下すべきだと主張しました。

 自宅隔離対象に指定された韓国人の、それも医師夫妻がフィリピンに入国しました。また、感染者が搭乗した旅客機を韓国の航空会社は消毒せずに名古屋など海外に飛ばしていました。

 

 韓国メディアは国際的な批判を浴びると「外国が悪い」「我々はかわいそうな被害者だ」と言い張るのが普通です。でも今回はさすがに「政府と個人のいい加減さによって、自ら国威を落とした」と書くしかありませんでした。

小国の自信のなさ

木村:韓国人の「ナショナル・プライド」は大きく傷つきました。「セウォル号」でも「韓国は大丈夫か」との声が上がりました。でもそれは主に韓国内部からでした。しかし、今度は同じ声が海外からも上がってくる。厳しい状況です。

 韓国人は基本的には自分たちの国を「小国」と考えています。米国や中国のような「大国」と自らの存在を分けて考える傾向があります。

 その背後には、長らく困難な状況に置かれてきたことに由来する、国際社会での自らの立ち位置への自信の欠如があります。そんな韓国人に「MERS」騒動が与える影響は決して小さくないでしょう。内政、外交の変化を注視したいと思います。

日韓は熟年離婚だ

—木村先生は「日韓・熟年離婚論」を唱えておられます。

木村:今の日本と韓国は、子育てを終えてお互いが必要なくなった夫婦と似ています。

 50年前の1965年6月22日、両国は国交を正常化しました。米国の肝いりです。当時は冷戦のまっただ中でした。

 西側陣営を率いる米国は、経済的に脆弱だった韓国をテコ入れする必要があり、その役割を日本に担わせました。韓国は北朝鮮と対抗していましたが、その北朝鮮はソ連や中国を確固たる後ろ盾にしていました。

 それに対し韓国は未だ日本とも国交さえ結んでおらず、頼みの米国もベトナム戦争の激化に伴い、そちらにかかりっきりでした。

 

 一方、日本の一部にも、もし韓国が北朝鮮に圧倒されれば朝鮮半島南部までがソ連の勢力圏に入るかもしれない――との恐怖感がありました。当時は「釜山赤旗論」などと言ったそうです。

 当時においても、日韓の国民感情はとうてい良好とはいい難かったのですが、ともあれ共産圏に対抗するという共通の目的から国交正常化に踏み切りました。

 それから1980年代序盤頃までの日韓関係はおおむね円滑に推移します。しかし冷戦が終わると、両国の関係を支えていた最大の共通利益が失われることになりました。1990年代以降、日韓の間で歴史認識問題が噴出したのもそれが背景にあったのです。

 こうした日韓関係のあり方は、子供も成長して家を出、一緒に協力しながら住む意味が薄れたため夫の定年を期に退職金を折半して別れる夫婦の姿と二重映しになるのです。

1人当たりGDPで日本を超える

鈴置:韓国は日本の経済的な手助けなどは要らなくなりました。現代経済研究院は「2016年には韓国の1人当たりGDP(購買力平価基準)が日本を追い越す」と2014年12月に予測しています。

木村:韓国の全貿易に占める日本の比率も、2015年1-5月には7.6%に低下しました。国交正常化の年である1965年に34.5%と全体の3分の1を占めていたのと比べ、対照的です。日本向け輸出は国別で5位に後退しました。全くの様変わりと言ってよい状態です。

鈴置:聯合ニュースが「韓国の対日貿易依存度 半世紀で5分の1に低下」(6月18日、日本語版)という記事で報じていましたね。

 韓国の対日貿易の比率のピークは1973年の39.8%。1980年代から1990年代にかけては20%台を維持していましたが、21世紀に入った頃から10%台に。2011年以降は一桁に落ちていました。実際の貿易額も同年以降、減っています。

木村:韓国経済は貿易に頼る比重が極めて高い。貿易面で日本の比重が下がれば、外交面でも日本の影が薄くなるのは当然です。

「卑日」で”立派な韓国”を確認

—貿易と外交の関係に関しては、3年前から木村先生が指摘されていました(「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」参照)。

木村:今や、韓国にとって最大の貿易相手国は中国です。香港を含めれば30%前後にのぼります。

鈴置:政治的にも韓国は中国にどんどん取り込まれています。そんな韓国は日本にとって「大陸に対する盾」ではなくなっています。それどころか「中国の使い走り」も始めましたから、日本が韓国に警戒を強めるのは自然です。

 一方、韓国も「もう日本には頭を下げたくないし、下げなくていいほどの力を付けた」と思っていますから、それを確認するための「卑日行動」を繰り返します(「『目下の日本』からドルは借りない」参照)。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に限りません。李明博(イ・ミョンバク)前大統領の竹島上陸とか、天皇への謝罪要求がそれです。

MERSと通貨スワップ

—韓国にとって日本は本当に不要なのでしょうか。例えば、通貨危機に陥りそうになった際にドルを借りる通貨スワップを、日本と結んでおく必要はないのですか。

鈴置:通貨危機に陥りやすいことは、依然として韓国の弱点です。興味深いのは、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)が「日本の必要性」を増したことです。

 この流行で韓国では景気の冷え込みが懸念されました。そこで想定外の金利引き下げを実施せざるを得なくなったのです。韓国銀行は6月11日に基準金利を1.75%から1.50%と、史上最低水準に引き下げました。

 韓銀は「景気刺激は財政で」と唱えていました。利下げは極力避けたかったからです。米国の利上げが近く予想され、利下げするほどに米ドルとの金利差から、外貨流出の懸念が高まるのです。

 しかし、MERSという緊急事態に直面したため、引き下げざるを得ませんでした。すると、通貨攻撃を防ぐための日本との通貨スワップが欲しくなるわけです。「風が吹けば桶屋がもうかる」みたいな話ですが。

軟化する?韓国

—韓国には中国とのスワップがあります。

鈴置:中国と結んでいるスワップは人民元建てです(「韓国の通貨スワップ」表を参照)。いざという時に人民元スワップの効き目があるのか、疑う向きが多いのです。中国は人民元経済圏を作るため、自国通貨のスワップしか応じません。ドルスワップを結んでくれるのは、外貨準備が豊富なうえ、お人好しの日本ぐらいなのです。

韓国の通貨スワップ(2015年6月23日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 2017年
10月11日 10月10日
UAE 200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル) 2013年 2016年
10月13日 10月12日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル) 2013年 2016年
10月20日 10月19日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2017年
2月23日 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 2017年
3月6日 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年  
7月17日
<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)はIMF融資とリンクしない場合は30%まで。
資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

—外相を日本に送って来るなど、韓国の姿勢がやや軟化したかに見えます。日本とのスワップを念頭に置いているのでしょうか。

木村:尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の訪日は、朴槿恵大統領の熟慮の末の決断でしょう。一方、先ほどの鈴置さんの説明は「プロ筋」の話です。そんな複雑な、ことに面白くない話が大統領まで正確に上がっているかは疑問です。

 スワップを巡るテクニカルな議論と、対日姿勢の微妙な変化は、管見の限りでは、連動していないように思います。そもそも朴槿恵大統領は、現在の韓国経済の危さを認識していないのではないでしょうか。

誠実ゲームで巻き返す

—では、軟化は何が原因なのでしょうか。

木村:米国の目を意識した「誠実ゲーム」の色彩が濃いと思います。とはいえ、それは米国が韓国に強い圧力をかけているから、では必ずしもありません。重要なのは、安倍晋三首相の米議会演説頃から、韓国国内で日本に対する「外交敗北」が語られていることです。

 ポイントは、慰安婦など歴史問題で米国をはじめとする国際社会が、韓国の政府や世論が期待したほどには意見を支持してくれなかったことです。つまり、そのことが韓国の政府や世論に焦りを生み出している、ということになります。

 この「外交敗北」の原因の1つは、あまりにかたくな朴槿恵大統領の姿勢にあった、との理解も広がっています。つまり、執拗な歴史問題のアピールによって、逆に米国の専門家の間でも「韓国疲れ」をもたらした、との認識です。

鈴置:最近の韓国紙にはそんな指摘が増えました。2014年3月のハーグでの日米韓首脳会談に、今ごろ言及する記事もあります。「安倍晋三首相が韓国語で話しかけたのに、朴槿恵大統領はそっぽを向いた。これがオバマ(Barack H. Obama)大統領の逆鱗に触れた」との指摘です。

 より詳しく言えば、正直に感情を表す韓国人を利用して、狡猾な日本は自分だけが誠実に関係改善に取り組んでいることを演出した――という敗因分析です。

木村:その理屈に立てば今度は、韓国が日本以上に「誠実」に関係改善に動いていることを見せなければならない、ということになります。外相を日本に送ったのも、そのアピールの1つだと言ってよいでしょう。

 もし、ここで日本が何の譲歩もしなければ、悪いのは問題解決に取り組まない日本だ。だから米国は韓国を支持すべきだ――という主張を展開できるからです。

「慰安婦で相当の進展」

鈴置:韓国の本音が透けて見える記事があります。例えば、中央日報の「尹炳世外交長官が訪日へ、先に手を差し出した韓国……日本に和解圧力」(日本語、6月18日)です。以下はその1節です。

・専門家は今回の決定を通じて関係改善のボールを日本に渡し、日本の前向きな回答に圧力を加える構図を作ることができると述べた。

 朴槿恵大統領もワシントンポスト紙(WP)のインタビューで、日本との関係改善に言及しました。「’Eventually we will face a situation that will be beyond our control.’」(6月11日、英語)で、以下のように語りました。

・慰安婦問題で相当の進展があった。我々(日韓)は交渉で最終段階にある。

—「最終段階にある」との発言の意味は?

鈴置:韓国の大統領が米有力紙にそう言っておけば「進展がなかった」時も、日本がかたくなだったと責任を押しつけられる――と青瓦台(大統領府)は計算しているのかもしれません。

木村:その可能性が全くないわけではないと思います。ただ、現在の青瓦台にそれだけの緻密な政治的計算ができるかどうか……。

また、蒸し返す韓国

—「相当の進展があった」のですか?

木村:それは今の段階では分かりません。日本政府が求めているのは「最終的な決着の保証」、つまり両国が何らかの合意に達した場合、それを最終的な決着にすると韓国政府が保証することです。でも、国内に強力な運動団体を抱える韓国政府がのむのは難しいでしょう。

米韓は仮面夫婦

木村先生の「日韓・熟年離婚論」の一方で、鈴置さんは「米韓・仮面夫婦論」を唱えてきたわけです。

鈴置:「仮面夫婦」という表現は私の専売特許ではありません。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代(2003―2008年)に米国の安全保障専門家の間では「米韓同盟はまだ存在するが、仮面夫婦のようなものだ」と語られていました。

 盧武鉉大統領は北朝鮮にとても融和的で――韓国の保守に言わせれば「北への従属そのもの」で、米国との関係も悪化しました。米韓同盟の打ち切りもあり得ると見る専門家も少なくなかったのです。

 朴槿恵政権は北朝鮮ではなく中国に急接近したのですが、結果は同じで、米国と距離ができています。例えば、北朝鮮の脅威を防ぐために存在する在韓米軍基地を守るための終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)。この配備に韓国は難色を示しています。中国の恫喝のためです。

南シナ海が新たな踏み絵に

木村:韓国は、もはや米中間ではほぼ中立状態にあると言ってよいでしょう。もちろん米韓同盟を破棄する、ということではありません。韓国は米韓同盟を「対北朝鮮限定同盟」とし、維持していきたいのだと思います。

 THAADのように米中双方から突きつけられる踏み絵をどうさばくか、韓国は今後も苦労し続けるでしょう。でも「米中間では等距離」という外交路線を選んだ以上、ある程度は仕方がないことです。韓国人にも一定の覚悟はあると思います。

鈴置:米中対立が深まるほどに、踏み絵は増えていきます。THAAD以上に深刻な踏み絵が南シナ海の問題です。中国はここで暗礁を埋め立て、軍事基地を作っています。米国は日本や欧州の同盟国、東南アジアの関係国を集め非難しています。しかし韓国は対中批判に一切、参加しない。

 WP紙から韓国の姿勢を問われた朴槿恵大統領は「関心を持っている」とだけ答え、米国側に立つ意思がないことを明らかにしました。

 同紙の先ほどの記事「’Eventually we will face a situation that will be beyond our control.’」(6月11日、英語)での南シナ海に関する問答は以下です。

問:南シナ海での中国の動きをどう見るか? 中国はその権利を声高に主張するが。

答:中国は韓国の最大の貿易相手国だ。そして朝鮮半島の平和と安定に巨大な役割を果たす。南シナ海に関し、韓国にとっても航行の安全と自由はとても大事だ。我が国はこの海域の展開を、関心を持って見守っている。状況の悪化を望まない。

鈴置:日本政府は韓国政府がのめないことを見越して「最終決着の保証」を要求しているのではないかと思います。韓国政府が何かを保証しても、反日・卑日が必要になれば、またへ理屈をこねて蒸し返す可能性が高い。その時、脇の甘さを笑われるのは日本ですから、交渉テクニック的にもハードルを目いっぱい上げる必要があります。

木村:ともあれ、韓国が癒和的な姿勢を見せる背景には、国際社会を意識した「誠実ゲーム」で巻き返す意図が、ある程度あると思います。基本的には「熟年離婚」状態なのですから「万一、裁判になった時にも、自らの意見が第三者に認められる」備えも重要だからです。

韓国は中国の核の傘に?

 中国が南シナ海に軍事基地を持つことの問題は、航行の自由を侵すだけではありません。中国はこの海をミサイル原潜のねぐらにするつもりです。南シナ海の北部に位置する海南島にはすでに原潜基地ができています。

 中国がミサイル原潜を自由に運用できるようになると――つまり、中国が核報復能力を保有すると、核抑止論から言えば米国と対等になります。その自信を背景に、中国はますます高圧的になるでしょう。

 軍事的にも今後、米国と日本は中国のミサイル原潜の恒常的な監視が不可欠となります。冷戦期に世界中の海でソ連のミサイル原潜を常に米国の攻撃型原潜が追尾していたように、オホーツク海で日本の対潜哨戒機がソ連の原潜を見張っていたように、です。

 だから米国や日本が大声で、日米の対潜哨戒を妨害する中国の南シナ海の軍事基地建設を非難するのです。なのに韓国は、非難に加わろうとしない。

 朴槿恵大統領は「中国との経済関係」と「半島の安定役」との理由をWP紙のインタビューで掲げました。でも、中国の核戦力の飛躍的な強化の前に「中韓関係が大事」では反対の理由になりません。米国や日本は「韓国が中国の核戦力拡大に反対しないのは、中国の傘の下に入るつもりだからではないか」と疑います。

 6月3日、米国のラッセル国務次官補が対中非難に加わるよう韓国に求めました。韓国メディアも報じています。KBSの「南シナ海を巡る紛争 米国が韓国に立場表明を要求」(6月4日、日本語版)などです。

「そんな先は分からない!」

—韓国は中国陣営に行くつもりでしょうか。

木村:本音を言えば、この問題について韓国人はあまり「考えたくない」のだと思います。多くの韓国人は米国のパワーゲームの中で自分の国が果たせる役割はさほどない、と思っている。だから、あれこれ悩んでもしょうがない。最終的には米中両国が自分たちのことを決めるのだから、その結論を待てばよい――ということになります。

 昨年8月、済州島で開いたシンポジウムで私は以下のように発言しました。「中国の経済成長の速度は鈍化している。加えて人口減少問題もある。国連統計によれば、中国の人口は2100年までの間に4億5000万人も減少する。中国が影響力を拡大し続けるとは限らない。韓国も、この中国リスクを踏まえて立ち位置を決めるべきだ」。

 すると韓国政治学会の長老が叫んだのです。「そんな先のことは分からない!」。驚きました。未来を予測する統計の中で、人口統計は相当に確度の高いものです。敢えてそれを否定する、というのは研究者としてちょっと考えられない。

慰安婦は麻酔剤

鈴置:私も似たような経験をしました。21世紀に入って中国の台頭が明白になった頃、アジア各国の人々とどう対応するか議論しました。韓国人の答えが印象的でした。ほぼ全員が「考えてもしょうがない」。私はその時、ハタと気づいたのです。

 「日本人は努力すれば外交的な環境を変えられる、と考えている。だが、韓国人はそうは思わない。だから先のことを考えて余計な気苦労をするのはやめ、与えられる状況の変化をとにかく受け入れていこう、と思うものなのだな――」。

 韓国が慰安婦など歴史問題を掲げて世界中を走り回るのも、そうして忙しくしていれば、米中対立の中でどう生き抜くのかという本質的な問題から目をそらせられるからかなあ、と思う時もあります。

木村:中国大陸の王朝が変わっても、朝鮮半島の人々は民族としてのまとまりを維持してきました。もちろん日本人が想像できないほどの、つらい目にも遭いました。でも、大陸で多くの国や民族が消滅する中、状況の変化に適応し、とにかく生き残ったのです。

 今の米中間の右往左往など歴史的に見れば、彼らにとって大問題ではないのでしょう。どうせ米韓同盟だって、未来永劫に続くものではないのですから。

鈴置:思考停止状態にある以上、韓国は国家としての大方針など持ちようがありません。そこで中国に脅されれば言うことを聞く、米国から少し冷たくされれば怒って米大使襲撃事件を起こす――といった、その場しのぎの行動に終始するのです。

 日本との関係改善を望むかのような最近の姿勢も「右往左往」の一環に過ぎません。冷静に眺めることが肝要かと思います。

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