『元自衛隊幹部が解説、トランプ政権下でのアジアの安全保障 もしNATOが解体されたらどうなるか、アジア版NATOの可能性は?』(11/22JBプレス 矢野義昭)について

11/22The Gateway Pundit<GOP Senators Hand Mitch McConnell Power to Derail Trump’s Agenda with Two Key Senate Roles in 119th Congress for the Next Two Years=共和党上院議員は、ミッチ・マコーネルに今後2年間の第119回議会で2つの重要な上院議員職を担わせ、トランプ大統領の政策を阻止する権限を与える>

腐敗したミッチには予備選で刺客を送り込んだ方が良い。

上院共和党は再び共和党下院議員ミッチ・マコーネルに権限を与え、第119回議会で上院規則委員会と強力な権限を持つ上院国防歳出小委員会の委員長職を与えた。

マコーネル氏の知的能力に対する懸念にもかかわらず、同氏は新たな役割によって、トランプ大統領の保守政策を内部から妨害する立場に立つことになる。

マコーネル氏は今後、上院規則委員会と国防に関する上院歳出小委員会の両方の委員長を務めることになる。これらの役割により、同氏は重要な立法上の優先事項に大きな影響力を持つ可能性がある。

共和党のマコーネル上院議員は時間を無駄にせず、自らの意図を表明した。

マコーネル氏は、アメリカの安全保障上の利益を守り、選挙における政治的言論を保護するために「積極的な役割を果たす」と主張した。しかし、彼のこれまでの実績はそうではないことを示している。

彼のリーダーシップの下、共和党は重要な支出法案、国境警備、司法任命に関して民主党に繰り返し屈服してきた。

マコーネル氏は今後、国防小委員会の委員長として、裁量的連邦支出の最大部分を掌握することになるが、これはアメリカ国民のニーズを優先するのではなく、終わりのない戦争や肥大化した国防総省の官僚機構に資金を提供する権力体制によって悪用されやすい立場である。

規則委員会の委員長職は、マコーネル氏に上院の運営を方向付けるさらなる権限を与え、同氏はそれが「上院という機関を守る」役割であると主張している。その意味は? 保守派の優先事項に対する官僚主義的な妨害がさらに強まり、沼地の議題への敬意がさらに高まるということだ。

彼の声明全文は以下をご覧ください。

「アメリカの国家安全保障上の利益は、第二次世界大戦以来最も深刻な脅威に直面している。この重大な瞬間に、上院で新たに多数派となった共和党議員には、米国のリーダーシップと優位性の将来を確保する責任がある。」

私は上院歳出委員会国防小委員会の委員長としてこの緊急の任務に積極的な役割を果たすつもりであり、次期委員長のスーザン・コリンズ氏と緊密に協力して共通の目標を達成することを楽しみにしています。

上院規則委員会も第 119 回議会で重要な仕事を成し遂げることになりますが、私は委員長として委員会を率いることを楽しみにしています。上院という機関を守り、選挙における政治的発言の権利を保護することは、私の長年の優先事項の 1 つです。

上院議員デブ・フィッシャー氏はこれらの大義を推進する上で素晴らしい仕事をしており、今後も委員会の継続的な活動において重要なパートナーであり続けるだろうと私は確信している。」

マコーネル氏の行動はすでに彼の忠誠心がどこにあるかを示しているが、それはMAGA運動ではない。ゲートウェイ・パンディットは最近、マコーネル氏がトランプ大統領による休会任命の利用の可能性に非公式に反対していると報じた。休会任命は民主党の妨害を克服するための重要な戦略である。

現在は削除されたツイートで、ニューヨーカー誌のジェーン・メイヤーは、ワシントンでの集会でマコーネル氏が「休会任命は行わない」と宣言したと報じた。この姿勢は、パンチボウル・ニュースのアンドリュー・デシデリオ氏を含む他の記者によっても確認された。

ミッチ・マコーネルは、リサ・マーカウスキー上院議員(アラスカ州共和党)、スーザン・コリンズ上院議員(メイン州共和党)、マークウェイン・マリン上院議員(オクラホマ州共和党)、ジョン・カーティス上院議員(ユタ州共和党)とともに、マット・ゲーツ司法長官の承認に反対票を投じる予定の5人の共和党支持者上院議員の1人に指名された。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/11/gop-senators-hand-mitch-mcconnell-power-derail-trumps/

https://x.com/i/status/1859746936921915853

11/22Rasmussen Reports<Democrats Now Against One-Party Control=民主党は今や一党支配に反対>

有権者の大半は、一つの政党がホワイトハウスと議会の両方を支配することに反対していないが、選挙以来、民主党は考え直し始めている。

ラスムセン・レポートの最新の全国電話およびオンライン調査によると、米国の有権者の54%が、WH、上院、下院を1つの政党が運営することに満足しており、そのうち33%は「非常に満足している」と回答しています。41%は、1つの政党がワシントンのすべてを運営することに「まったく満足していない」と回答した23%を含め、一党支配に満足していません。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/democrats_now_against_one_party_control?utm_campaign=RR11222024DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

11/22阿波羅新聞網<中国民航大麻烦来了!乌克兰要用美制长程导弹=中国の民間航空が大ピンチ!ウクライナが米国製長距離ミサイルを使うため>米民主党は大統領選挙の失敗を受け、バイデンはウクライナが米国製重火器を使ってロシア本土を攻撃することを認める決定を下した。ほぼ同時に英国とフランスも制限緩和を発表した。これらの決定は遅すぎで、「意気地なし大統領」の評判を変えるには役立たないかもしれない。しかし、私たちは民間航空会社についてであり、政治については話さず、民間航空への影響について話ししよう。

民間航空に関しては、米国、英国、フランスのこのアプローチは民間航空業界に大きな影響を与え、特に中国の民間航空に多大な迷惑をもたらすことになる。なぜなら、現在中国は域外でロシアの領空を広範囲に使用している唯一の国であり、毎日数十便の航空機がロシアの領空を通過しているからだ。ウクライナがミサイル攻撃を開始した場合、これらのルートは使用不能になる可能性がある。

中共とロシアを分断するのは正しい。

https://www.aboluowang.com/2024/1122/2133695.html

11/22阿波羅新聞網<推翻中共!中国各地愤怒大爆发 全国疯传《告全国人民书》=中共を打倒せよ!中国全土で怒りが爆発し、「全国人民に告ぐ」は全国に広まった>アポロネット唐寧の報道:中国で連続無差別虐殺が発生した後、「全国人民に告ぐ」が大陸のネットと労働市場で広く拡散された。提唱しているタイトルは「中国の社会革命家から人民へのメッセージ」。

文中にはこう書かれている:中国人民の皆さん!私たちの同胞たちよ!江蘇工芸職業技術学院で起きた無差別暴行事件で、女子学生8人が殺害され、犯人は一緒に苦しんだ同級生の徐加金だった。

徐加金は無知で騙されて工場でアルバイトとして1日10時間以上働かされ、それに見合った賃金も受け取れなかった。どんなに優秀な青年でも、資本家の悪意によって狂ったように苛められる!だからこそ彼は、一緒に苦しんでいる人を残酷に傷つけることを選んだ。社会が人々に逃げ道を与えているなら、なぜ人々の命を欲しがる必要があるのか!

中共、中国資本家、中国社会はすべて責任を負うべきだ!

8 人の犠牲者を追悼する方法は、彼らを間接的に殺したシステムを打倒することである。中国人民は今日こそ立ち上がろう!主権者でない者が代表にはなれない!共産党を打倒せよ、政府に保護された資本家を打倒せよ!

全国の労働者、学生、人民は行動を起こし、中国人のこうした内なる言葉を広め、特に習近平に次のことを見せつけ、我々中国人労働者は惰弱ではなく、次に傷つけられる者にはなりたくないということを!

署名は「中国の革命者」、日付は2024年11月18日である。

翌日、「広州の社会革命家」も次のようなアピールを行った:「反賊の皆さん、こんにちは。私たちは広州の専門学校の学生である。私たちは国内の集団事件に注目しており、今日の社会はすでに巨大な圧力鍋であり、中共の支配下では誰も逃げることができないことを知っている。同胞の皆さん、今こそ私たちが立ち上がって抵抗する時である。私たちは次の殺人者にはならない、ましてや政府の奴隷にはならないと決心し、クラスメートたちは寮内で組織化して手書きのビラや資料、白紙を配り、しばらくの間全員が発憤した。

張献忠化せずに、中共を打倒せよ!当たり前の話。

https://www.aboluowang.com/2024/1122/2133691.html

何清漣 @HeQinglian 8時間

私には長年の友人がいるが、過去4年間にバイデンが米国にもたらした惨事について一度も批判せず、モンスターとして行動する人物を含むバイデンの閣僚選出も見て見ぬふりをした。

しかし彼は、トランプ内閣は玉石混交であり、バイデン内閣の雑草よりももっとひどいようで、他人が賞賛するのを容認できないと何度か発言している。

人は徐々に年をとっていくのが共通の運命だが、訳が分かって年を重ねるのは本当に難しい。

引用

老蛮チャンネル @laomanpindao  20h

これまでのところ、トランプが選んだ閣僚や中核スタッフは信頼できる人物だ。司法長官の人選だけが物議を醸し、彼自身も「トランプ政権移行期の安定を妨げる」という理由で任命を辞退したが、これも面目を保てた。

トランプ大統領の候補者選びの最高基準は忠誠心だと怒っている左翼の犬たちに関しては、私は全く訳が分からない。オバマとバイデンが選ぶ最高の基準は忠誠心ではないのか?

米国型の政治は、国民が大統領を選び、大統領が組閣し、幕僚を選ぶ。

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https://x.com/i/status/1859508589305778685

何清漣 @HeQinglian 2時間

私は一党の優位が大きくなるのは好きでない。また、米国の大統領選挙では国民の半分しか満足しておらず、残りの半分未満の人が不満を抱いているのは普通のことなのを知っている。

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引用

RICHARD FULL @RICHARDFULL2019  11月21日

民主党全国委員会は、選挙の惨敗を受けて、長期雇用の正規職員を1日前の通知のみ且つ解雇手当なしで解雇すると発表した🔥

民主党全国委員会の財務委員会のメンバーは、民主党全国委員会は「厳しい財政状況」にあると述べた。

民主党の崩壊が本格化している。

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何清漣 @HeQinglian 1時間

今日、米国と英国の主流メディアを見た。

米国のWP、CNBS、FOX、英国のガーディアンはいずれも、民主党全国委員会委員長の座を巡る熾烈な競争と、退職金も支払わずに民主党全国委員会職員を解雇していることを報道しているが、NYTとBBCは依然としてトランプ批判に熱中しているが、BBCはマール・ア・ラーゴが今や米国政治の巡礼地となっていると渋々報じた。

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何清漣 @HeQinglian 2時間

この選択は本当に少し奇妙である。

引用

老猿説OldApe @OldApeTalk  3h

返信先:@Sasha_Gon

また盛り上がるだろう…論議は小さくない。

何清漣 @HeQinglian 47m

米国選挙にはもう一人の勝者がいる:キツネ 🦊

リベラル系ネットワークのMSNBCとCNNは大統領選挙以降視聴者を減らしている一方、FOXニュースはゴールデンタイムのケーブルニュースの視聴者シェアを急上昇させている。

ニールセン・メディア・リサーチによると、11/5の選挙から木曜日まで、ケーブルニュースゴールデンタイムの視聴者の73%がフォックスニュースだったという。25歳から54歳までの・・・。

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何清漣 @HeQinglian 1時間

トランプが選挙に勝利した後、米国の7,600万人以上のトランプ支持者は喜んだが、民主党とその支持者は説明するまでもなく失望した。

EUと台湾は失望し、表現にも出ており、中国は不満かもしれないが、表現はより自制的であることを示している。予想外だったのは、中東諸国の不興がこれほどストレートに表現されていることだ。

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矢野氏の記事では、最後の一文「まず、日本自らが自立防衛態勢を構築するとともに、米国および周辺のアジア諸国から信頼される抑止力、阻止力を提供できる国に自己改革することが先決である。」が肝要かと。

日本は憲法改正、特に9条2項と米国との核共有、ロシアがベラルーシに核配備したのだから、米国が日本に核配備できないことはない。勿論、日本の非核三原則は廃止する。それによってはじめて、「信頼される抑止力、阻止力を提供できる国」になる。石破首相は早く辞任して、後任がトランプ対策を打てるようにすべき。

記事

NATOの本部(写真は2022年11月14日、ウクライナ兵が訪問したとき、NATOのサイトより)

1 アジア版NATOとは何か?

「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」という場合、以下の3通りの解釈がありうる。

① 日本がNATO加盟国になる。

② アジアにNATO型の集団的自衛態勢を創設する。

なおこの場合、地域的には、日韓台か、プラス東南アジアか、さらにインドまで加えるという3通りの範囲がありうる。

③ アジアに集団安全保障体制を創設する。

この場合も地域については②と同じく、3通りの範囲がありうる。

2 NATOの歴史と変質

冷戦期の1949年にNATOが創設された当時、その背景には、圧倒的に優勢なWTO(ワルシャワ条約機構)軍に対し、西側の自由主義圏の欧州諸国を防衛するための集団的自衛の必要性があった。

1991年にソ連が崩壊し冷戦が終わった時点で、NATOは本来の使命を終えたため、解体されてもよかった。

しかし、NATOは存続し、ソ連最後のミハイル・ゴルバチョフ大統領に、西側の指導者たちがNATOの東方拡大はしないと約束したにもかかわらず、その後NATOは東方拡大を始めた。

そして、9.11世界同時多発テロを契機に、対テロ戦争の名目でアフガニスタンでのタリバン制圧などにも派兵され、アフガン派兵は2001年から2021年まで続いた。

その背景には、NATOが変質し、グローバリスト、特に米国内ネオコン勢力の世界覇権拡大の手段に変質したという事情がある。

その先駆けとなり、NATO域外への軍事力行使に踏み切ったのが、1999年のコソボ紛争でのNATOの空爆であった。

3 集団的自衛と集団的安全保障の差異

集団的自衛には仮想敵があるが、集団的安全保障では仮想敵はない。

NATO条約第5条では次のように規定されている。

「欧州または北米における1または2以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなす」

「締約国は、武力攻撃が行われたときは、北大西洋地域の安全を回復しおよび維持するために必要と認める行動(兵力の使用を含む)を個別的におよび共同して直ちにとることにより、攻撃を受けた締約国を援助する」

このように、NATO加盟国は「兵力の使用」を含めた、武力攻撃を受けた同盟国に対する援助義務を負っている。

仮想敵を想定しない集団的安全保障は共通の敵と利益が不明確であり、加盟国間の深刻な国益対立に際して、加盟国間の意見がまとまらず、実効性が伴わない場合が多い。

例えば、国際連盟が第2次世界大戦の勃発を抑止できず、結局失敗したことが挙げられる。

4 日本はNATO加盟国になれるか?

NATO型の集団的自衛体制に加盟するには、日本自らが、世界標準の全面的な集団的自衛権の行使が加盟国の義務として求められる。

現憲法の枠内での限定的な集団的自衛権行使以上の、全面的な集団的自衛権行使のためには、改憲、特に第9条2項の削除と専守防衛を否定することは避けられない。

日本自らの戦後体制の抜本改革なしに加盟できない。

ただし、宇宙、サイバー、電磁波など、グローバルに影響する新領域や、対テロ・防諜、防衛装備の共同開発などのグローバルな安全保障上の課題については、パートナーとしてのNATOへの協力には価値がある。

このような面でグローバルな安全保障面での協力を今後も推進することは望ましいが、そのことはアジア版NATOを必ずしも意味しない。

現行のグローバル・パートナーとしてのNATOあるいは他のアジア諸国との防衛協力強化の枠内でも可能である。

5 アジア版集団的安全保障体制の可能性

アジア版NATOが集団的安全保障体制を意味するとした場合、米中がともに加盟する集団的安全保障体制は機能しないであろう。

中国が参加しなければ、現在のQUAD(クワッド=日米豪印戦略対話)に類似した組織になり、共同防衛については日米安保体制が基軸になるであろう。

中国が加盟し米国が参加しなければ、米国に次ぐ軍事力、とりわけ核・ミサイル戦力を持つ中国が中心となり、古来の華夷秩序の復活に等しくなるであろう。

すなわち、朝貢貿易を周辺の臣従国に許し、その代償として臣従国に対し軍事的保護を与えるという体制であり、実質的な中国を宗主国とする集団的安全保障体制、その実は、米国、あるいはロシアなどを仮想敵とする集団的自衛体制に日本が組み込まれることを意味する。

また、中国との国境紛争を抱える、核保有国であり人口大国のインドは、中国中心の安全保障体制には加わらない可能性が高い。

日本にとり最大の脅威は、今後も中国であり続けるとみられることから、日本にとりインドとの連携強化は今後とも死活的に重要である。

その意味で、日印を中心とする現在のQUADに近い体制が現実的であることになる。

またインドは建国以来、非同盟中立政策を採り、ソ連時代から武器輸入、エネルギー輸入などの面でロシアとの関係が深い。

半面、かつてはパキスタンを支援していた米国や植民地支配をしてきた英国への不信感は根強い。

そのため、日米安保体制下では、QUADの域を超えた、より緊密な日印の安全保障関係構築には一定の制約があり、集団的自衛あるいは集団的安全保障体制まで日印米豪の間に構築するのは、今後とも困難とみられる

6 米大統領選挙の影響

ドナルド・トランプ氏が大統領に就任すれば、米国がNATOを脱退するか、さらにNATOの解体・再編まで進む可能性もある。

トランプ氏は大統領在任時からNATOからの脱退や解体を主張していた。

もし、米国がNATOから離脱するか、NATOが解体されれば、強大化したロシアと地続きで接するポーランド、ルーマニア、バルト諸国、フィンランドなどの中・北欧諸国は対露軍事同盟を新たに結成するかもしれない。

逆に、エネルギー輸入、民生品輸出などロシアとの関係が深い米独仏伊などは対ロ接近を図るとみられる。

いずれにしても、トランプ氏が大統領になれば、米国第一の半面、日本を含む同盟諸国にはこれまで以上に、安全保障特に防衛面での自立化を要求するとみられる。

他方、対中関係については、インド・太平洋重視ではあるが、中国を関税障壁の強化、ドルと香港ドルの交換停止など、軍事的な直接的抑止態勢よりも貿易・金融面での締めつけ、米国内や同盟国内での中国の影響力行使、諜報活動の排斥など、非軍事的な各種パワーによる対中封じ込めを行うとみられる。

トランプ大統領は、軍事力行使を抑制し、新たな戦争を始めなかった稀有な米大統領であったことも、この可能性を裏付けている。

中ロが戦略的パートナーシップを結んでいる限り、核戦争にエスカレートさせた場合に米国が勝てる見通しは立たず、武器・弾薬・情報などの支援はできても、海外への直接派兵や米軍が直接戦争に巻き込まれる軍事的挑発はできないであろう。

また連邦の35兆ドルを超える累積赤字悪化の問題もあり、いずれは海外への軍事支援の余力がなくなるであろう。

すでにNATO全体としても、ウクライナ戦争に対する武器・弾薬の支援能力が尽きているとみられている。

たとえ戦争が長引くとしても、最終的には米国自身は直接軍事介入はせず、結局代理戦争で敗退し、欧米の国力も国際的地位も低下することになる可能性が高い。

7 台湾、韓国と相互防衛態勢をとれるか?

アジア版NATOを検討するに際し、いずれの場合も避けて通れないのは、台湾と韓国との安全保障関係をどうするかという問題である。

台湾との関係について、現在のアジア版NATO構想では明確にされていない。

しかし、台湾は、東南アジアと北東アジアのつなぎ目に位置し、日中韓の交易路が交わり、中国にとり西太平洋への進出に際し必ず制するべき戦略的要域のため、台湾の加盟なしには、アジア版NATOは成立しない。

このため、日本としては台湾の国家承認なしに相互防衛協力態勢の構築はできない。

しかし日本が台湾を国家承認することは、直ちに対中国交断絶となることを意味する。

中国は外部勢力とりわけ日米の介入を警戒しており、必要とあれば対日核恫喝、尖閣諸島制圧等による軍事的圧迫など、力を背景とする強硬策をとる可能性もある。

日本として、政治的経済的に対中国交断絶のリスクとコストに耐えられるかどうかが問われるであろう。

特に、現在中国国内で展開している日本企業、在留邦人は即時に逮捕拘留されあるいは資産も凍結・差し押さえられるとみられ、その保護策も問われることになる。

韓国とも、竹島問題、歴史認識問題など未解決の課題がある。

現在南北共に核原潜・弾道ミサイルの保有など戦力増強に努めており、軍事的な緊張が高まっている。

今後の情勢推移いかんでは、韓国での左派政権の成立と南北統一も、逆に軍事的均衡が破れて第2次朝鮮戦争となる可能性もありうる。

その際、日本はいずれの場合も韓国の後方支援基盤となるため、ミサイル攻撃、特殊部隊の攻撃などに晒され、半島の戦争に巻き込まれることになるであろう。

しかし、米国の仲介なしに日韓の軍事的な連携、特に平時からの安全保障協力強化には限界がある。

今後米国が内向きになり、日韓が相互に連携する必要性が高まるとみられるが、それには日韓間の信頼醸成、懸案事項の解決がまず求められる。

結論

アジア版NATOは、冒頭に述べた①、②、③いずれのケースについても、実現は容易ではなく、今日明日にどうこうできる問題ではない。

まず、日本自らが自立防衛態勢を構築するとともに、米国および周辺のアジア諸国から信頼される抑止力、阻止力を提供できる国に自己改革することが先決である。

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