『失敗に終わったトランプ弾劾裁判が意味すること 終始距離を置いていたバイデン政権と分裂する共和党の行方』(2/16JBプレス 小川博司)について

2/16阿波羅新聞網<美国总统日 川普现身佛州 支持者高呼:每个人都知道你赢了!=米国大統領の日 トランプがフロリダに登場 支持者は高らかに唱える:誰もがあなたが勝ったことを知っている!>2/15の米国大統領の日。トランプ大統領の車列が再びフロリダ州ウェストパームビーチに現れ、トランプの支持者たちは「USA!USA!USA!」と「誰もがあなたが勝ったことを知っている!」と熱狂的に叫んだ。

https://www.aboluowang.com/2021/0216/1557793.html

2/15阿波羅新聞網<格雷厄姆:要调查佩洛西和参议院是否1月6日前知晓暴乱计划【阿波罗网编译】=グラハム:ペロシと上院が1/6以前に暴動計画を知っていたかを調査の要あり[アポロネット編集]>リンゼー・グラハム上院議員(Lindsey Graham)は、14日の「フォックスニュースサンデー」の番組で、今回の議会議事堂への襲撃は計画的であり、ペロシが1/5に、議会議事堂の襲撃について知っていたか、トランプは襲撃後何をしたか、上院が暴動について事前に知っていたかを調査する必要があることを強調した。このような事件が二度と起こらないように、これらの問題を調査する特別委員会を設置する。

トランプに責任転嫁するため、民主党が議会襲撃を計画して実行させたとしか思えない。左翼は中共と同じやり方をする。

https://www.aboluowang.com/2021/0215/1557682.html

2/16希望之声<在格雷厄姆支持下 川普儿媳有望成北卡参议员=グラハムの支持により、トランプの義理の娘はノースカロライナ州上院議員になることが有望視されている>2/14(日)、米国共和党のリンゼー・グラハム上院議員は、トランプ前大統領の次男の妻であるララ・トランプが、今回の弾劾裁判で弾劾を支持・投票したリチャード・バー上院議員に取って代わり、ノースカロライナ州上院議員を目指して参選する可能性があると述べた。

グラハムは日曜日のフォックスニュースとのインタビューでこれを言った。バーは、2/13(土)に終ったばかりのトランプへの弾劾案で賛成投票した7人の共和党員の1人であった。グラハムは、バーが任期満了後に引退することを望んでおり、ララはほぼ確実にノースカロライナ州上院議員候補に指名されるだろうと語った。

彼はインタビューで、「私の友人のリチャード・バーは、ララ・トランプが彼に替わって立候補した場合、ほぼ確実にノースカロライナ上院の候補者になる」と述べた。

グラハムは、バーと長年の友人であり、「ララは共和党の未来を代表している」と考えているため、彼自身も「もちろん」ララを支持すると述べた。

腐敗したマコーネルと違い、グラハムは真剣に国を想い、共和党を想う政治家です。

https://www.soundofhope.org/post/474740

2/16希望之声<湖北宜昌网红吊桥侧翻 多名游客坠落茶园=湖北宜昌で、ネットで人気の吊橋の片側がはずれ、多くの観光客が茶園に落ちる>中国の旧正月休暇中、多くの人が団体で旅行するが、事故も多くある。大陸メデイアの2/14の報道によると、湖北省宜昌市のネットで人気の吊橋は、人を多く載せすぎて絶えず揺れていた。吊橋片側がはずれ、多くの人が転落して橋の下の茶園に落ちた。現地スタッフによると、橋と茶園は2メートルの高さなので、負傷者はいなかったという。

2/13、湖北省宜昌市の公園にある一般人が無料で遊べる吊橋が過積載でひっくり返った。ネットに投稿された動画では、事件当時、多くの観光客が橋を渡っていたことがわかる。最初はみんなが橋を揺らしていたが、人が増えるにつれ、橋の揺れの幅が大きくなった。加えて、橋に乗ったばかりの観光客が橋を左右に揺らしたため、橋の中央部が激しく揺れた。吊橋はすぐに制御不能になり、ついに橋の片側がひっくり返った。これを見て、何人かの観光客は橋を一所懸命つかみ、空中で揺れていた。他の何人かの観光客は直接茶園に落ちた。

昨日は遊園地のフライングチエアの落下、今日は吊橋からの落下。

https://www.soundofhope.org/post/474692

2/15希望之声<中共独揽“坝”权 王维洛:湄公河流域陷入人为旱灾=中共は「ダム」の権利を独占 王維洛:メコン川流域は人為的な干ばつに陥っている>最近、メコン川下流域の水位が大幅に低下し、沿岸国では干ばつが発生している。メコン川委員会の4つのメンバー国のタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムは先週、中共が上流のダムから水を放出し、下流の水位を通常に戻すことを望んでおり、メコン川下流の国のリスクコントロールのため、中共に水資源のビッグデータ、放水計画を公開するよう要請する声明を発表した。

中共は、水力発電のために水を止め、メコン川上流(中国では瀾滄江と呼ばれる)に11の水力発電所を建設した。メコン川委員会は、上流の大きなダムが大量の水を貯め、下流の水位を上下させ、魚の移動、農業、輸送に影響を与え、7000万人近くの人々の生活と食料安保を脅かしていると述べた。声明は、雲南省の景洪ダムの下流への排水量が1月上旬には毎秒約785立方メートルであったが、1月中旬には毎秒1,400立方メートルに上昇したことを指摘した。しかし、2月の排水量は再び減少し、先週の木曜日の時点で、変位は毎秒800立方メートルにすぎなかった。

ドイツ在住の著名な水利専門家である王維洛博士は、「メコン川下流域の水位は非常に低いが、中共にとっては問題ないと考えており、話し合うつもりもない。メコン川は5か国を流れており、ベトナムは中共に対してより厳しい態度を示している。カンボジアとラオスは親共であり、中共に対する立場は比較的弱く、ほぼ共産中国の地盤になっている。メコン川委員会は非常に早い時期に設立されたが、後に中共によって大きく分断された。特に、メコン川委員会はNGOであり、中共はNGOを基本的に相手にしない」と述べた。

王維洛は次のように述べた。「これまで、自然条件、つまり中国の上流部分にダムが建設されていなかったとき、メコン川下流の渇水期の最低流量は毎秒1,100立方メートルであった。中国の現在の放水量より少し多い。中国はすでに極限を下回って放水している。つまり、自然の干ばつと比べより渇水となる流れを作り出している。しかし、中国は従来より、意に介していない。鍵となるのは、メコン川の流れに依存しているASEAN 5か国は、1つは中国の上流から、もう1つは現地の雨水に頼っている。現地の雨水についていえば、ちょうど今は渇水期で旱季であり、雨が降るのは4月まで待たないとダメで、それでやっと雨水が貯まる。今のこの間は雨が降らない。彼らは中国の上流の水に頼るだけである」

王維洛によると、中共はメコン川上流の瀾滄江に20以上の水力発電所を建設する計画であり、完成した8つの水力発電所は、チベット人が以前住んでいた場所で、山脈を横断し、現在は雲南省に計画している。さらにチベット自治区にもダムがいくつかある。建設が始まったばかりのものもあれば、まだ完成していないものもある。

王維洛は、何年か前に、メコン川下流域が干ばつにあったとき、メコン川下流域の国々が中国に放水するように求めたが、中国は水を放出しなかったことを想い出した。中国外交部の華春瑩報道官は「貯水池やダムの建設はメコン川の水の流れに影響を与えない」と言った。 2016年頃、ベトナム外務省は中国に放水を要請したが、中国は意図的に放水計画を策定した。

王維洛は、「その後、ベトナム外務省が中国に放水を要請した。その年、中国は、渇水期に毎秒3000立方メートル以上排出される量の水を放出した。これは、現在の3倍、4倍の大きさに相当する。これは瀾滄江の出口での平均水流に相当する。なぜその時は放出したのかというと、李克強がASEANサミットに参加しようとしていたので、その前に放水した。今年は放水することはない!」

王維洛は、「中国とメコン川諸国の間で、いつ水を放出しなければならないかを規定した合意書に署名していない。このように、各国は常に物乞いをしており、中共政府が最も気に入っているのは、中国に求めてくるということである。中共は、放出する水量を主権の範囲内の問題と無知にも見なしている。国際協約によれば、このような解釈ではない。放水計画は、上流国と下流国が共同で策定する必要がある」と述べた。

王維洛は、「中国とメコン川の間には大きな問題を抱えている。中国はどのくらい放水するかは、いつも自分自身の主権の問題として扱っている。これは私の水だ。自分の水であればどのように放水しても構わないと思っている。中国は国際協約上では、このように解釈されないことを知らない。川の中の水は中国が言うのと同じものである。つまり上流と下流の国が一緒になって放水計画を作るべきである。それは中国一か国だけの問題ではなく、河川流域全体の問題である。つまり、この川は1つの単位と見なされるべきである」と述べた。

王維洛はまた、メコン川下流の多くの人々が漁業で生計を立てていると述べた。水位が低すぎると、川に魚がいなくなる。そして彼らの人生哲学は中国大陸のそれとは異なり、彼らは市場経済の考えではない。たとえば、彼らは今日食べる分だけ魚を取るだけである。中国大陸ではそれと異なり、すべての魚を取りつくす。メコン川下流の人々の日常生活の糧はこの川である。この川がなければ、彼らは生計を立てることができないと。

強欲、道徳観念なしの中国人を助け、ここまで肥大化させた欧米日の政官財は厳しく糾弾されるべき。

https://www.soundofhope.org/post/474683

何清漣 @ HeQinglian 21時間

実際、本当の見方は、それはトランプが選挙を奪回する最後の機会であったということである。2人(トランプとミラー)の会話の内容は、2人の本当の関係を示している。

それ(昨日のトランプとミラーの会話のツイッター参照)を読んだ後、以前にトランプが軍を管理すると思ったことはないが、2018年の大統領令を発動する可能性について考え、これを読んだ後に、それは単なる空想であることがわかった。

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何清漣さんがリツイート

鮑彤 @ baotong1932 22時間

私の話は終わっていない。

法輪功のメディアは非常に熱心で、長足の進歩を遂げていると言いたい。善のみに仕え、抑制・容赦することは本来メディアの守るべき道である。

法輪功のメディアは、かつてよく知られていた特定の専門メディアや世論の刊行物を明らかに上回っていると思う。

法輪功のメディアが益々良くなっていくことを願っている。また、専業メディアが自分たちで総括できることを願っている。

-鮑彤、2021-2-15。

引用ツイート

鮑彤 @baotong1932 2月14日

なぜ法輪功のTV局がいけないのかわからない!

江沢民に痛めつけられ迫害された法輪功にどんな罪があるのかわからない!

-鮑彤、2021-2-14 twitter.com/psfd2021/statu .. ..

何清漣 @ HeQinglian 21時間

バイデンが「バイアメリカン」大統領令に署名

「これは、我々は米国で物を作るという彼の考えに基づいており、米国全体が我々の経済戦略の中核である」とバイデン政権の関係者は語った。

https:/ / http://nbcnews.com/politics/white-house/biden-sign-buy-american-executive-order-monday-n1255487

各位、トランプが製造業を米国に戻すことは幻想であり、米国を偉大にすることは犯罪と見なされていたが今や、左右とも鼓吹している。

「トランプ抜きのトランピズム」

バイデンは「バイアメリカン」大統領令に署名する。

「これは、我々は米国で物を作るという彼の考えに基づいており、米国全体が我々の経済戦略の中核である」とバイデン政権の関係者は語った。

nbcnews.com

何清漣 @ HeQinglian 9時間

選挙窃盗者の自慢:組織、資金、法案の完全な準備(2)https://epochtimes.com/gb/21/2/15/n12753653.htm

米国の政治、経済、SNS、メディア、BLM、アンティファを仕切るタコのような巨大な選挙統制ネットワーク組織:

マンパワーを操作するのに十分な資金32億米ドル(トランプの4倍)以上を調達した。

最も重要なことは、2019年から、民主党下院のH.R.1計画が実施され、報酬を貰い、党員がコミュニティで票を集めるために一生懸命働いたことである。

何清漣 @ HeQinglian 45分

トランプを嫌う多くの人は、報酬を貰っている。有名なリンカーンプロジェクトはその典型的な例である。民主党が選挙の「勝利」の果実を手にした後、民主党はこれらの者たちを捨て出した。ニューヨークポスト紙は、この計画で9000万ドルの資金を調達し、2020年の選挙で直接広告に使用したのはわずか約2700万米ドルであったことを明らかにし、共同創設者の一人であるジョン・ウィーバーが狂ったように若い男性に嫌がらせをしているというスキャンダルも暴露された

https://nypost.com/2021/02/14/millions-raised-by-lincoln-project-went-to-companies-run-by-groups-founders/

引用ツイート

ヴィクター・デービス・ハンソン @VDHanson 1時間

「アメリカの偉大さ」にあるVDHの「トランプ嫌悪者の報酬」。

https://amgreatness.com/2021/02/14/the-wages-of-trump-hatred/

小川氏の記事で、弾劾について、上院と下院がゴッチャになっています。正しくは、下院は1/13に賛成232票、反対197票、棄権4票の投票結果に基づき、賛成過半数で決議案が採択されました。上院は小川氏の言う通り、2/13に賛成57票、反対43票でトランプの無罪が確定しました。

J1/14ETRO<米下院議会、トランプ大統領への弾劾決議を採択、2度の訴追は史上初>

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/01/3f40f7417536e5a1.html

小川氏は「大統領選挙における選挙の不正を陰謀論だと片付ける人は、米国にも日本にも少なくない。もちろん、事実がわからないのも確かだ。」と言っていますが、TIMEの記事や、ジョージア州の不正選挙のビデオを見れば不正がなかったとは言えないでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=zFnYNtKMJII

トランプは新党を作らず、共和党をトランプ党にしていくのでは。共和党内のSwampを整理し、不正選挙ができないようにして、共和党が政権を取り、米国を再建していくのでは。

記事

上院が無罪評決を出したトランプ前大統領の弾劾裁判(写真:ロイター/アフロ)

2月13日(土)、米下院では証人喚問を全く行わず、週を跨がない超特急の弾劾裁判が実施された。ペロシ下院議長の有罪投票を含めて57対43と有罪多数となったが、規定の3分の2には届かず無罪が確定した。2月10日に弾劾裁判を開始してからわずか4日後の決定だった。

無罪確定直後には、ペロシ下院議長やカストロ元住宅都市開発長官(民主党の大統領候補)などが憤懣やる方ない表情で批判を繰り返した。しかし、たった10人が並んだだけの記者会見では、唯一、米CNNのインタビューで悔しさを滲ませたプラスケット下院議員を除いて、どちらかと言えば予想されたことを受け入れた上でのパフォーマンスという印象が拭えないものだった。

これに対して、トランプ前大統領が出した声明には、自分を中心とした共和党の団結力を見せたいという意気込みがあった。この無罪判決をもって、1月6日以来、逆風にさらされてきた流れが再び反転する可能性を示唆したのである。

事実、トランプ前大統領は、中間選挙に向けた新たな体制を作りつつある。既にアーカンソー知事候補に元大統領報道官のサンダース氏を指名。ミネソタ州とニューヨーク州の候補者指名も間近だと語っており、無罪判決が勢いを付けたことは間違いない。

それでは、今回の弾劾裁判は今後どのような意味を持つのだろうか。まず、1回目のトランプ弾劾裁判を振り返っておこう。

1回目以上に証拠が薄かった2回目の弾劾裁判

ニューヨーク・タイムズ紙に、弾劾のきっかけとなる対ウクライナ外交での電話記録が掲載されたのは2019年7月。その後、(1)権力乱用と(2)議会への冒涜の二つの容疑で、下院が実際に弾劾決議を行ったのは同年12月だった。5カ月をかけた準備したが、1月に入っての上院での弾劾裁判では、事実を知るとされたボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)を召喚できないなど民主党には不利な展開となり、2月5日の採決で(1)(2)ともに否決された。

この時には、下院で民主党から(1)権力乱用には2人、(2)議会冒涜には3人の造反者が出た。一方、上院での判決の際には、(1)について反トランプのロムニー上院議員が造反した。

この1回目の弾劾裁判は、「武器供与と引き換えにバイデンの息子などに関する問題を出せ」とトランプ前大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に言ったことが問題だとして始まった。ただ、トランプ前大統領が取引を持ちかけたと指摘されたタイミングの直後に米軍がウクライナに武器を供与しているなど、物理的な日程において辻褄が合わなかったのが無罪判決の主たる理由だったと言える。

では、2回目はどうだったか。1月6日のトランプ・サポーターの議事堂乱入事件で怒った議会民主党は、同13日に弾劾決議をさせるという早業を演じた。同時に、ペロシ下院議長は国防省と、トランプ前大統領が精神錯乱で核ボタンを押してしまうリスクについて話し合ったと報道された。下院での投票前日には、共和党で下院ナンバー3のチェイニー下院議員など20人弱が造反するとの噂が出るほどの勢いだった。

ところが、実際には10人の造反に止まった。チェイニー下院議員の造反理由も、「トランプ前大統領の問題は暴徒を止めなかったこと」だと発表し、「暴徒を議事堂に扇動した」とする下院民主党の多数意見とは異なるものだった。米国の刑法上、暴徒の扇動と暴徒の不阻止では罪の重さが異なる。

しかも、トランプ前大統領が発言する前から多数の暴徒が議事堂に向かっていたという報告が一般のトランプ・サポーターからも入っており、1回目以上に有罪を証拠づけるものが手薄だったのも事実だろう。

その後は、共和党のマコネル上院院内総務が2月まで弾劾裁判をしないと発表するなど、予算法案の成立を急ぐバイデン政権の足元を見た策を取っている。下院決議から3週間以上の時間を取られることになれば、予算に関する長時間審議などが影響して、トランプ弾劾の勢いが削がれる形となるのは間違いない。

まとめれば、証人喚問もないままに採決が強行され、上院では共和党から当初の見込み通り7人の造反が出ただけ、2回目の弾劾裁判は失敗したというのが事実である。

無罪評決でトランプ前大統領への批判を繰り返したペロシ下院議長など(写真:AP/アフロ)

民主党が弾劾裁判を急いだ理由

バイデン政権が、1兆9000億ドルのコロナ対策パッケージを満額成立させるために腐心しているのは、2月8日付拙稿「コロナ対策パッケージが映し出すバイデン政権の強さ」で書いたところである。バイデン大統領としては、自政権の浮沈のカギを握るこの重要法案を前に、既に退任していて4年後に立候補するとも表明していないトランプ前大統領を、憲法解釈の問題をクリアしてまで弾劾しなければいけない理由は全くなかった。

一方、ペロシ下院議長以下、1月6日の暴動で感情が表に出てしまった議員たちにとって、弾劾裁判は絶対に無視できない案件である。また、弾劾裁判を予算成立後の3月にやるのでは、退任から2カ月が経ってしまって、それこそ合憲かどうかを最高裁で先に判断すべしとの流れになりかねない。それを避けたかったのであろう。

ただ、大手メディアも疑問を呈したように、一人の証言者もヒアリングしなかったことには不可思議ではあった。

民主党関係者の話では、扇動があったかどうかの前に、トランプ陣営からサポーターの不満の源泉である選挙不正について、テレビの前で指摘されることを懸念したらしい。事実、トランプ前大統領の弁護士を務めたジュリアーニ元ニューヨーク市長はそれをほのめかしていた。

また、議事堂への暴動で告発されているのは176人だが(参考資料:Arrested in Capitol Riot: Organized Militants and a Horde of Radicals)、仮にトランプ陣営が一人ずつ調べて代表者を証言者に呼ぶことになった場合、暴動の背景に焦点があたり、万が一にも証言者が公聴会中に泣き出すことがあると世論の雰囲気が変わりかねない、との不安もあったらしい。

このため、1月13日の下院での決議からは様相が変わり、まずは弾劾裁判を実施したという事実を重視することにしたのであろう。そして、同時並行的に進んでいるジョージア州でトランプ前大統領を訴える動きにつなげ、同前大統領に対する訴えは司法に任せるという発想に変化した。ジョージア州では、トランプ前大統領が州務長官に自身に有利になるように票を数えるよう電話で迫ったことについてトランプ前大統領を訴える動きがある。

もっとも、1月6日から何度も繰り返された暴動のシーンを短く編集して見せたとしても、それを理由に批判を受けてきた共和党議員の心を動かすのは容易ではない。このため、議会の予算を使って無駄なことをしたという感じは否めず、下院民主党としては、振り上げた拳を下ろすための方策が弾劾裁判だったということになってしまったのかもしれない。

なぜ最高裁主席裁判官は議長職を「欠席」したのか?

二度目の弾劾裁判で、「前職となった大統領を議会で弾劾するのは合憲か」という問題は、最初から最後まで尾を引いた。

まず、本来なら上院での弾劾裁判で議長を務めるはずの最高裁首席裁判官が、早くから欠席すると上院に報告していた。ロバーツ首席裁判官は理由を明確にしていない。また、その場合に代理をする副大統領(上院議長)も欠席だった。「バイデン政権のプライオリティーは別のところにあり忙しい」というのがハリス副大統領の理由である。

このため、上院の多数派を握る民主党で議員歴が最長のリーヒー上院議員が議長を務めた。ただ、彼も弾劾裁判直前に心臓発作で病院に担がれるなど、証人喚問などの理由で弾劾裁判が長期化したならば、議長職は波乱含みだっただろう。

なお、全米で1万人を超えると言われる憲法学者のうち、2月5日付の声明文で144人が二回目のトランプ弾劾裁判を合憲だとしている。ただ、この背景にも様々な議論があったらしく、当初の証明人数より減っている。

共和党議員の中には、最高裁首席裁判官が欠席するのはトランプ弾劾裁判が違憲だからだとする者もいたが、その理由はわかっていない。一方、ハリス副大統領の議長としての出席がなかったこともあり、「有罪の確証がない弾劾裁判にバイデン政権は冷やか」という雰囲気が出たのは事実である。ハリス副大統領は2月10日のインタビューでも「政権と議会のやるべきことは違う」主旨の発言をしている。

大統領選挙における選挙の不正を陰謀論だと片付ける人は、米国にも日本にも少なくない。もちろん、事実がわからないのも確かだ。チェイニー下院議員の造反も注目すべきことが、既述のように、彼女は「暴動を扇動した」とは言っていない。そこには共和党内での配慮が見え隠れする。

新党結成を噂されていたトランプ前大統領は、共和党の中で次を考えることができるようになった。選択肢が増えたのである。子供たちの政界入りのほか、本人も何かを考えているかもしれない。まずは、中間選挙の結果がどうなるかだろう。

一方、バイデン大統領は、弾劾裁判で無罪が確定した後、トランプ前大統領の問題は明らかだとした上で、この裁判によって不安定になった米国の民主主義を立て直すことが急務と発表した。最初から負けはわかっていて混乱が増しただけだと言わんばかりだ。ただ、それは共和党や民主党内の諍いという以前に、コロナ禍で大変な思いをしている労働者層への配慮だと考えるべきだろう。

既に、ゲームストップ株を巡る攻防を見ても明らかなように、持つ者と持たざる者を分ける株式市場に対して、攻撃を仕掛けようとする若者も表れており、民主主義と資本主義の根幹が壊されかねない状況なのだ。結局、弾劾裁判は終わってみれば、共和党の不満分子をおびき出したと言える。

トランプ新党ができた場合に意味すること

ただ、造反者の中には、中間選挙で結果が出て4年後の選挙で勝てる可能性が高まれば元の鞘に戻る議員も少なくないと思われ、トランプ前大統領とともに共和党で戦おうと考える流れができる可能性もある。雨降って地固まるのは、果たして共和党かもしれない。

事実、全国共和党委員会はそれを呼びかけるメッセージを出した。トランプ大統領がまだ訴追される可能性があると共和党のマコネル上院院内総務が話したのも、彼一流の逆説的な話で、それが終われば政界に戻るという意味があると考えておいた方がいい。

共和党として注意すべきは、仮にトランプ新党ができるとすれば、それは共和党をほぼ丸ごと飲み込むものであり、その時には共和党がマイナーな小政党になるというリスクである。ただ、それによって得をする政治家はいないであろう。とすれば、ここは、反トランプの流れを利用した共和党崩壊という陰謀論に振り回されずに、米国政治を見て行く必要がある。

米国の再生、民主主義の再生を求め続けているバイデン大統領も、それは望んでいないだろう。むしろ正々堂々と中間選挙を戦いたいはずだ。

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