『米国民主政治が危機的分断を乗り越えるための条件 民主主義のガードレールとして機能してきた「寛容と自制」』(2/15JBプレス アンドルー・ゴードン)について

2/15阿波羅新聞網<格雷厄姆和川普通话 谈共和党下一步行动=共和党の次の動きについてグラハムとトランプが電話会談>米国連邦共和党上院議員のリンゼー・グラハム(Lindsey Graham)は2/14(日)に、弾劾案の後、トランプ前大統領と2022年中間選挙で共和党が下院と上院で議席を取り戻し、共和党の再建を開始すると話し合ったと。

https://www.aboluowang.com/2021/0215/1557398.html

2/15阿波羅新聞網<麦康奈尔公然要求刑诉 不死心,佩洛西拍桌子 川普 川普律师:弹劾视频是大电影公司制作=マコーネルは刑事訴追を公然と要求 あきらめないペロシはテーブルを叩く トランプ トランプの弁護士:弾劾ビデオは大手映画会社によって制作された>

トランプ側弁護士:トランプの弾劾ビデオは、大手「映画会社」によって制作された・・・昨日既報。

ペロシはトランプの弾劾案の結果に怒りを表明する・・・「共和党は勇気がない」と机をたたいて怒った。マコーネルは表決後に長い声明を発表し、「トランプは暴動を煽動するのに何週間も費やし、それは恥ずべき職権濫用であった。トランプを弾劾から除外することは、議会の暴動を許すことを意味しない。なぜなら、彼らは“地球上で最も権勢のある人達によって虚偽の嘘を与えられた”からである。トランプはこの問題に関して“間違いなく”“実践的かつ道徳的な責任を持っている」と述べた。彼は、トランプ大統領が刑事司法で起訴される可能性があることを示唆した!

マコーネルは“TIME”の記事を読むべき。彼は奥さん共々腐敗の権化。

民主運動ボランティア:民主党の大統領弾劾は、中共の文化大革命の悪例の如し・・・昨日既報。

米国上院はトランプを無罪とし、バイデンはこのようにコメントした・・・「これは我々の歴史の中で悲しい一章であり、民主主義は脆弱であることを私たちに思い出させる」とバイデンは言った。数時間前、上院はトランプの有罪判決に必要な過半数の3分の2を集められなかった。

メラニア元ファーストレディは、彼女の個人事務所の開設を発表した

https://www.aboluowang.com/2021/0215/1557397.html

2/14阿波羅新聞網<颠倒黑白!克鲁兹:川普的话成了煽动 哈里斯的却不是煽动 【阿波罗网编译】=白黒反転!クルス:トランプの話が煽動になるなら、ハリスの言葉は煽動にはならない?[アポロネット編集]>テッド・クルス上院議員は、ドナルド・トランプ前大統領に対する上院の弾劾裁判の4日目に、弾劾マネージャーの出した「扇動基準」に照らし、カマラ・ハリス副大統領に質問を提出した。2020年にカマラ・ハリスが使用したBLMの抗議活動への言葉は、煽動と見なされるかと?

https://www.aboluowang.com/2021/0214/1557302.html

2/15看中国<视频:川普律师范德文怒斥CBS记者后扔掉话筒走人(图)=ビデオ:トランプの弁護士ヴァン・デル・ヴイーン(Michael van der Veen)は怒ってCBSの記者を叱り、マイクを捨てて去る(写真)>トランプの弁護士マイケル・ヴァン・デル・ヴィーンは、ペロシ議長がトランプ大統領に対し、2回目の軽率な弾劾を試み、上院で無罪を宣告された後、CBSニュースからインタビューを受けた。

2/13のインタビューで、ヴァン・デル・ヴィーンは、民主党議員を擁護しようとして、上院の弾劾裁判で使われた偽造や詐欺の証拠を提示したCBSニュース記者のラナ・ザック(Lana Zak)を攻撃した。

ヴァン・デル・ヴィーンはインタビューでザックに叫んだ。「待って、待って、待って、待って、待って、待って、待って!これはあなたにとってまだ足りないのか?あなたにとって十分ではないのか?」

ザック:「私は陪審員ではない・・・。先生、私の直言を許してください。誰もが理解できるわけではないので・・・(証拠を改ざんする)ことができるとは言っていない。聴衆に向けて分かるように言いたいだけである」

ヴァン・デル・ヴィーン:「聞いて、それは必ず起きている・・・(中断された)。この国のメディアは正確に話をしなければならない。メディアはこの国を分断しようとしている。あなた方は視聴率が命でしょう!私は、ちょっとした証拠改ざんならしてもよいのではという、そんな質問をされるなんて全く信じられない。率直に言って、我々はもっと多く改ざんしていることがわかった。いつか真実が明らかになるかもしれない。しかし我々はこの案件に勝った。誰かが人を送り込み、下院弾劾マネージャーが何をしているのかを見るべきである。これは不合理である!・・・私のクライアントの正当なプロセスへの違反を含んでいる」

ヴァン・デル・ヴィーンはすぐにCBSレポーターに教訓を垂れ、マイクを外して去った!

メデイアは正義の概念がない人間が就く職業です。

https://www.secretchina.com/news/gb/2021/02/15/962505.html

2/15希望之声<湖南游乐园上演空中惊魂 飞椅高空坠地酿16伤=湖南遊園地は空中で恐怖を上演、高所から椅子が飛んで落下し、16人が負傷>2/13、湖南省邵陽市邵陽県の遊園地の娯楽施設で事故が発生し、高速回転式フライングチェアから多くの人が地面に投げ出され、16人が負傷し、そのうち3人が重傷を負った。関連施設は閉鎖された。

大陸のメディア報道を総合すると、2/13午後3時40分ごろ、邵陽県弄子口観光地の遊園地で観光客がフライングチェアに乗っているとき、急にロープが切れて高地から落ち、乗客はフライングチェアから落ちて負傷した。;また別のフライングチェアが周囲の観光客を襲った。合計16人が負傷し、そのうち3人が重傷を負い、残りの13人は入院または観察とされた。

https://www.soundofhope.org/post/474395

2/15希望之声<“中国最后一个原始部落”云南翁丁寨发生大火 网友痛心(视频)=「中国で最後の原始部落」雲南省翁丁寨で火災が発生 ネチズンは心を痛める(ビデオ)>2/14午後、雲南省臨滄市滄源佤族自治県の翁丁寨の古い村落で火災が発生し、茅葺小屋がつながっていたため、消火が難しく、火が一気に広がった。ここは「中国で最後の原始部落」として知られている。公式の報道によると、火災は既に制御されており、死傷者はいなかった。ネチズンは痛惜を表明した。

地元メディアの報道によると、火事は午後5時30分頃に発生し、約3時間後に消火された。火災は主に新築の建物で発生した。死傷者に関する情報はまだ受け取っていない。

翁丁村の老寨は、中国で最も保存状態の良い佤族の村落であり、国の地理雑誌から「中国最後の原始部落」と称賛されていると報道された。翁丁寨とは佤語で雲と霧を意味する。翁丁寨は瀾滄江のほとりに位置し、一年中雲と霧に囲まれている。

公益団体「古村之友」のボランティアによると、翁丁寨の建設は近年再計画されており、一部の地元の人々からの反対を受けている。新しい計画もまた、古代の村保存の考えに合わない。

Googleマップで見ますと殆どミャンマーに接した地域で、西双版納の西北に位置します。雲南省は気候温暖で少数民族が多く住み、駐在時代何度か行きました。良いところですが、中共の管理が厳しいので、人質にされるかもしれなく、もう行くことはないでしょう。行くなら台湾です。

https://twitter.com/i/status/1360972294676353025

https://www.soundofhope.org/post/474365

何清漣さんがリツイート

Frank Tian Xie(謝田)、Ph.D.@ franktianxie 18時間

国立台湾大学歴史学部の新年最強の賀詞(本当に素晴らしい):

仕事順治、生活康熙、体魄雍正、事業乾隆、万事嘉慶、前途道光、財富咸豊、内外同治、千秋光緒、万衆宣統!大清帝国の全皇帝はあなたと家族の幸せな旧正月を願っている!

何清漣さんがリツイート

何清漣 @ HeQinglian  2月14日

選挙窃盗者の自慢:「影の選対秘史」の発表の理由(1)

https://epochtimes.com/gb/21/2/13/n12751374.htm

1.選挙を盗んだ疑いは続き、米国人の約47%は、バイデンが選挙を盗んだと考えている。2.選挙を盗んだことは事実である以上、きっぱり裏の部分を文章にして正面突破を図り、窃取選挙の上に「民主主義を守る」という道徳的な光輪を被せた。3. 選挙窃盗者はその功を誇示する。

歴史には、体験者の陳述、第三者による調査、自己認証した文献が必要である。タイムのテキストは自己認証されている。

何清漣@ HeQinglian9時間

これは私が今年見た中で最も爆笑する調査の結論である。

ウイルスの起源の場所や時間などの要素が入っていさえすれば、それが「下心がある」かどうかの判断は蛇足である。

言い換えれば、北京はとっくにすべてを知っており、汚名を避けるべく「下心」を用いている。下心を持ってウイルスを放出し、世界に害を及ぼしたと疑われる政権はどんなに悪辣か。

将来のある日、ある国の総挙を調査する場合、中国が下心なく介入すると言えるかどうか?

引用ツイート

Chen Jiangang  chenjglawyer  2月13日

ウイルスがあり、研究室があり、使った痕があるが、「下心」だけがない。それなら、それは何でか?無意識?過失?

中共宣伝部門は、あなたを「陰謀論」者と呼びたいと思っている。

何清漣 @ HeQinglian 8時間

推奨事項:[余傑の書評]米国以外では、トランピズムに関する最も深い議論は中国語圏で行われている。

https://rightpoint.site/notes-yujie-210205/?fbclid=IwAR2u_Sy9dRikgHhNpwx1ZAu39sEQGDyoBeKKNISvIXFqGNnXoWrEGowfriE

左派とバイデンファンは噂を広め、罵倒する以外、情理に合う理論的な文章を書くことさえできない。たとえば、ツイッターで誰かが私を騙り、5つの空挺師団がトランプを支持すると言ったと。左派はすぐにこの文章を見つけてほしい。見つからない場合は、書いた人が自分で書く。

[余傑の書評]米国以外では、トランピズムに関する最も深い議論は中国語圏で行われている-視点

「トランピズム-保守の伝統的な価値観で、米国を作り直す」を推奨する

rightpoint.site

何清漣 @ HeQinglian 8時間

英語が得意なツイ友はこの記事を読んでほしい。あの日の前日の1月5日に、トランプとミラー国防長官代理が会見した。双方が何を言ったか、現実的な意味はないが、これまでの謂れなき論争をすべて説明することができる。

トランプ政権の国防長官が議会議事堂の暴動の前にD.C.州兵の武装を解除

1月5日、元国防長官のクリストファーミラーが陸軍長官にメモを渡し、州兵には非常に珍しい制限を課した。

Nationalmemo.com

アンドルー・ゴードン・ハーバード大学教授の記事は、思った通り不正選挙はなかったと。TIMEの記事は読んでいないのか?見たく物は見ないバカの壁が存在するのでしょう。

ハーバードは卒業生でトランプを支持すれば、卒業証書剥奪とか、ロースクール長が共同署名したトランプ側弁護士の弁護士資格剥奪とか、激しい人権蹂躙をしています。まず自分たちの脳を汚染から解放したほうが良い。

「寛容」と「自制」というのも都合よく使っている気がします。「寛容」とは民主党やメデイア、SNSの言い分に随うことではないでしょうし、「自制」も異議申し立てを慎むことではない。不正義があれば、正義のために戦うのは当たり前。エリートの民主党支持者には分からないのでしょう。

記事

トランプ政権の4年間で決定的に深まったアメリカ社会の分断。アメリカの民主政治は破綻してしまったのか? だが、ハーバード大学歴史学部教授のアンドルー・ゴードン氏は、そのような対立は1970年代にも80年代にも2000年代初頭にもあったと指摘する。アメリカの民主政治は、対立を乗り越えてどのように保持されてきたのか。そして今はどのような「危機」を迎えているのか。ゴードン氏による本質的論考をお届けする。(JBpress)

(アンドルー・ゴードン:歴史学者、ハーバード大学歴史学部教授)

1974年の夏、当時のリチャード・ニクソン大統領は、ニクソン再選委員会が民主党本部に侵入した事件への関与を問われ、弾劾される見通しが濃厚となっていた(世に言うウォーターゲート事件)。当時、私は東京に住んで1年ばかりの大学生で、9カ月にわたる日本語学習の集中コースを終えたばかりだった。日本語の新聞が読めるという自信を身につけた私は、日本の媒体で米国の政治ニュースを熱心に追いかけていた。帰国する数日前、ニクソン大統領は辞任した。下院が弾劾を行う直前のことで、現職大統領の有罪が上院で決まるという前代未聞の事態は免れた。このニュースを耳にするや否や、アパートの自室である六畳間を飛び出し、駅の売店へ新聞を求めに走った。それは東京新聞だった。特大の見出しには「ニクソン辞任 民主主義の敗北」とあった。

母国に帰った後、その記事の見出しを切り抜いて自宅の壁に貼り、何年もそのままにしておいた。この見出しを初めて目にしたときに仰天したからだ。どうしてニクソン氏の辞任が敗北なのか。1974年8月時点で、私を含む米国民の大多数と議会にとっては、ウォーターゲート事件は民主主義と法の支配への明らかな挑戦だった。彼の企ては結果的に失敗に終わった。ニクソン氏が辞任に追い込まれたことは明らかに民主主義の勝利のように思えた。

多くの年月を経て、この一件を私なりに再解釈するなら、民主政治による統治は混沌さを伴うということがひとつに言える。為政者にはルールをねじ曲げたい、破りたいという誘惑が常につきまとう。ある統治制度の真価は、ルールを破ろうとする者が現れた際に、その者が正面から挑戦を受け、打ち負かされ、責任を問われるか否かに表れる。

46年前、ニクソン氏の辞任について、なぜ東京新聞は民主主義の敗北という見出しを付けたのだろうか。それは、彼の非民主的な行動そのものを民主主義の敗北と判断したからなのかもしれない。だが、私はそれに賛同できない。むしろ、民主主義に違反するニクソン氏を否定し、辞任に追い込んだ議会の行動こそが民主主義の勝利だったのである。

ひょっとすると日本人は政治状態の「混沌さ」に対して耐性が低かったのかもしれない。ハーバード大学での私の同僚で、政治学者であるスティーブン・レビツキー氏とダニエル・ジブラット氏は「民主主義のガードレール」と名づけた社会的規範の概念を提唱している(『民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道』新潮社、2018年)。日本では、たとえリビツキー氏らの言うところの「ガードレール」のような社会規範や慣習がじゅうぶんに機能していたとしても、日本人は政治の混沌状態を嫌ったということかもしれない。

アメリカ民主制を守る柔軟な「ガードレール」

今回の短いエッセイでは、1970年代の日本人の民主主義観に焦点を当てることはしない。むしろ、今日の米国の政治状況に目を向けてみたいと思う。11月の大統領選でのドナルド・トランプ氏の敗北は民主主義の勝利ではなかったのか? 彼はこれまで徹底して民主主義の規範を犯し続けてきた。今回の選挙後には、不正選挙の訴えが主にトランプ支持者によって全米各地で次々に起こされた。根拠のないそれら60件以上の訴えが各地の(多くの場合、トランプ氏自身が任命した)裁判官によって否認されたことは民主主義の勝利ではなかったのか? 米国連邦議会への暴力的な侵攻も、最終的には各州での選挙結果を公式に認定する合同会議を止めることができなかった。このことは民主主義の勝利ではなかったのか? 厳重な警備下にあったとはいえ、その2週間後にジョー・バイデン氏が静かに式典を終え、大統領に就任したことは民主主義の勝利ではなかったのか?

これらの問いに対する私の手短な答えは「それを知るにはまだ早すぎる」である。1974年のニクソン辞任と同じように、2020年や2021年の出来事が「アメリカ民主主義の勝利」と確信できるかというと、そうでないという人が少なくないだろう。当時と今とでは一体何が変わったのだろうか?

先述したレビツキー氏とジブラット氏の研究は、彼らが以前に行った米国外における権威主義体制の研究から生まれている。権威主義など、どこか他国の問題と思っている多くの米国人にとってこれは皮肉なことかもしれない。彼らの行った研究は先ほどの問いかけに対して有用な手がかりを提供してくれる。合衆国憲法はたしかに優れているのかもしれないが、民主政治を維持するには文字ベースのガイドブック以上の何かが必要だと彼らは考えている。「民主主義がもっともうまく機能し、より長く生き残るのは、憲法が成文化されていない民主主義の規範によって支えられているときだ(p.26)」。

彼らの言葉を借りれば、「寛容」と「自制」の2つがアメリカ民主制を守る柔軟な「ガードレール」として機能してきたという。

前者の「寛容」とは、対立する利害関係者や党派の間で互いを尊重する態度を示し続けることである。相手の掲げる政策にどれほど反対していたとしても、その相手も正当な政治参加者の一員として認めるということだ。

後者の「自制」は権力の濫用を自己抑制することを意味する。たとえば、司法省が大統領制の統治の正当性ではなく、大統領個人を守るようなことができるとしても、そのような行為を自制し、司法長官など行政の長はむやみに行政令の行使に訴え出ないといった類のことだ。かつてニクソン大統領はそのような政令による支配を試みたわけだが、最終的には失敗している。

今回、トランプ氏が試みた、選挙結果を覆すように司法省に要求するという悪質な行為も、ギリギリのところで失敗に終わった。ただし、トランプ時代には、ニクソン時代とは対照的に、下院における大多数の共和党議員やさらに共和党有権者の大多数が、選挙結果をひっくり返そうとするトランプ氏の恣意的な試みを支持し、選挙不正とする根拠のない主張を受け入れてしまった。現時点では、民主主義は勝利したようにも見えるが、その勝利の長期的な安定性は不確かであり、依然として困難な状態が続いている。

1970年代の二極化との違い

今日の米国では寛容と自制が崩壊したとまではいえないものの、たしかに弱体化したように見える。この危機的な状況に至った要因は何であろう。

1970年代と比べて今日の方が、政党や市民間での政策対立が内政にせよ外政にせよ、激しくなったとは私には思えない。ベトナム戦争の賛否をめぐる米国内の激しい対立は、トランプ大統領在任中の4年間におけるどの外交政策をめぐる対立よりも、深く社会を分断した。ベトナム戦争の支持者が反戦グループに向けて好んで使ったフレーズは「アメリカを愛するか、出て行くか、2つに1つ(“America: Love it or Leave it.”)」であった。これではとても、互いを認め合い、相手を同じ政治的共同体の一部と感じていたとは言えそうにない。

内政では、白人のみが利用できた公立学校を全ての人種に解放しようとする裁判所の決定に対して当時、激しい抗議活動が起きた。これは今日、不法移民に市民権への道を開こうとする動きに反対するトランプ支持者の怒りよりは穏やかということはなかった。

中国との競争によって、今日、製造業の雇用が失われたことへの怒りは、1980年代に日本との競争によって雇用を失くしたことへの米国労働者の怒りと比べるとさほど大きいとはいえない(あの頃の怒りに比べるとまだ小さいかもしれない)。1983年、デトロイトの自動車工場の労働者たちは怒りの発露として日本車を公然と破壊した。前年には、白人の米国人自動車労働者2名が中国系アメリカ人の青年を日本人だと勘違いして殺害している。貿易摩擦に関連した当時最悪の事件であった。

昔も今も二極化の構図はあったわけだが、今日では2つの違いが危機をより深刻なものにしている。

1つ目に、分断された両者は別世界に暮らしており、共有した事実と情報に基づいて考えたり行動したりしていないということだ。

レビツキー氏は2018年の時点ですでに両者の間で人種的・社会的な溝が深まっていると指摘している。「民主党は基本的には世俗的な政党で、教育を受けた白人と、様々な民族的少数者たちの政党であるが、共和党は基本的には均質的な白人やプロテスタントの政党、言ってしまえば、白人キリスト教徒の政党である」とし、「共和党の支持者の間には、自分たちが育った地であり、自分たちと共に育った国であるアメリカが奪い去られていくという感覚を抱く有権者が多い」と論じている(「National Public Radio」でのインタビュー、2018年1月22日)。

2つ目に、ドナルド・トランプ氏を筆頭に、自分たちでも虚偽だとわかっている情報さえ利用して、政治的指導者たちが世論を進んで煽っているということだ。トランプ氏自身は選挙不正をめぐる自らの無意味な主張を本当に信じていることも考えられるが(私自身はそうではないと疑いを抱いている)。

他方で、今回、各州の選挙結果の承認に際して(連邦議会で)反対票を投じた共和党議員の多くは、選挙結果が法律上有効で、たしかに州からの報告どおりのものであることを事前に十分知った上で反対票を投じた。この点は間違いない。彼らは政治的・個人的な保身のために、嘘を容認し、喧伝することに加担したのである。

政治の世界で嘘や根拠なき陰謀論自体はけっして目新しいものではない。ただし、今日の世界ではメディアがバラバラの小部分に分断されてしまった。多くの人々が指摘してきたようにソーシャルメディア(SNS)はその流れを牽引した存在である。このような状況下で、人々は本来的に相容れない、異なる「事実」を共有し、不確かな情報が数百万あるいは数億の人々の間をグルグルと循環している。これこそが、大統領に首都での暴動を扇動することを可能にし、議会になだれ込んだ人々に「選挙は盗まれた」と信じ込ませ、結果を覆すことが可能と信じ込ませた背景であった。

寛容と自制がしおれてしまった

再び、1970年代に目を向けよう。米国がベトナム戦争を開始した過程を明らかにした膨大な機密文書(いわゆるペンタゴン・ペーパーズ)への対応を想起してみよう。ニクソン政権はこの文書の公開に対して猛烈に抵抗した。ペンタゴン・ペーパーズがいったん公開されると、その意味や無許可公開の合法性をめぐって議論が巻き起こった。しかし、文書自体が偽物であると主張する声で有力なものはけっきょく現れなかった。

2016年の大統領選挙の「ロシア疑惑」とペンタンゴン・ペーパーズの件を比べてみよう。ロシア疑惑に関してはFBIのモラー特別捜査官が調査を行なったが、彼の調査結果に対しては「フェイクニュース」以外の何物でもないという批判がトランプ氏の支持者たちから絶え間なく浴びせられた。

さらに近年の事例と比較してみよう。2000年のブッシュ氏対ゴア氏の大統領選の結果は、フロリダ州で600万票のうちわずか500票の差しかつかなかった。単一の訴訟で民主党は票の数え直しの必要性を主張した(結果は覆ることはなかったが)。当時の民主党の主張は、選挙での不正を訴えたものではなく、まだすべての票が精査されていないという問題意識に拠っていた。けっきょく、最高裁がフロリダ州裁判所の再集計の追加請求を棄却した際、アル・ゴア氏は支持者にさらなる抗議を呼びかけるようなことはせず、そのまま敗北を認めた。

2020年の選挙では、共和党は、はるかに多くの州で、はるかに多くの得票数の差があったにもかかわらず、州裁判所と最高裁判所を合わせて60以上の訴訟を起こした。彼らは様々な選挙不正があったと主張したが、これらの訴えはけっきょく退けられた。

このように今と昔を見比べてみると、1970年代や2000年より現在の政治的分断の方が根深いと主張することは難しい。むしろ、アメリカ政治の根底にあった寛容と自制がしおれてしまったのだ。

民主政治の将来をおびやかすもの

だが今後を見通すと、事態が好転するいくつかの兆しを見出すことができる。

バイデン氏は確かに大統領に就任し、大統領令を次々と布告し、氏の掲げる法案の成立に向けて、比較的正常な形で政治的議論が進んでいる。

トランプ氏は2015年の立候補以来、最低の支持率(一部の世論調査では30%以下)を突きつけられた。暴動の扇動容疑に関する上院の弾劾裁判 で有罪とならなかったトランプ氏が、共和党内での影響力の維持を狙っていることは間違いない。しかし、共和党内に生じた対立の根は深く、かつての影響力をトランプ氏が取り戻すとは考えづらい(起こりえないとは言えないが)。過激な陰謀論を唱える者たちの間では、いまグループ内部での抗争が発生している。トランプ氏自身はほとんどのソーシャルメディアへのアクセス権限を剥奪されている。連邦政府は国内テロの疑いに関する取り締まりを強化している。

足元の現状を見ると、2021年1月20日の記事にふさわしい見出しは「バイデン大統領就任 民主主義の勝利」となるだろう。ただし今回、米国民は民主主義のもろさについて手痛い教訓を学んだ。世界の安定と法の支配の番人を自負するこの国においてでさえ民主主義は失敗しうるのだ。

民主政治の将来をおびやかすものは、政策的な立場の違いによる分裂などではない。むしろ、人々の事実認識に関して社会の根底に相容れない対立の構造が広がってしまうことだ。

もし、そうした事実認識の対立が全員にとってではないにせよ、多くの国民にとって歩み寄りを見せるのなら、米国社会は寛容と自制のガードレールをもう一度その基盤として深く据えることになるだろう。そうなった暁には初めて、今回のトラウマ的出来事は長い目で見ても「民主主義の勝利」と呼べるようになるだろう。

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