『「北朝鮮の使い走り」と米国で見切られた文在寅 「金正恩は信頼できる」と詭弁を連発したあげくに……』(10/2日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

10/4看中国<韩国民调显示:威胁最大的竟然不是朝鲜(图)=韓国の世論調査は「最大の脅威は何と北朝鮮ではなく・・・・」と>ソウル大学の研究所の調査で、脅威の一位は、46.4%の人が答えた中国政府。サード問題での経済報復がマイナスイメージとなった。北朝鮮は32.8%。最も緊密な関係の国はとの問いに3.7%の人しか中国を挙げていない。また、2017年の調査では63.7%の人が北を脅威としていたのが様変わりした。

日本が入っていませんが、高いのでは。朝鮮半島人は朝鮮半島から出ず自給自足経済で生きれば良いでしょう。少なくとも日本と交流はしないでほしい。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/04/872616.html

10/5ZAKZAK<韓国「旭日旗」禁止法案提出にネットも騒然 社旗が似ている朝日新聞、ソウル支局では掲揚せず!?>朝日新聞は敵の手先の新聞です。「南京」も「慰安婦」も彼らの手に依る創作です。こんな誠実さと程遠い新聞を読んでいる人の気が知れません。日本人はもう気付いても良いのでは。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/181005/soc1810050008-n1.html

10/4ZAKZAK<日本は観艦式「参加拒否」を通告せよ 「旭日旗=戦犯旗」に笑いが止まらぬ韓国の“反日屋”たち>今までの日本の対応が韓国人を増長させたのです。自衛隊も韓国海軍何て信頼するに足りないことは分かっていた筈です。観艦式には参加拒否すれば良い。米軍も国際ルールを無視するやり方では不参加となるかも、というか米軍も不参加にするか、米軍を動かし韓国海軍を黙らせるかしたらどうか?何もしないのでは舐められるだけ。敵の韓国はあらゆる機会を見つけて世界で日本を貶めようとしているのですから。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/181004/soc1810040001-n1.html

10/7ポンペオが金正恩と会うようですが、どうなることやら。米国は北の非核化ができないのであれば、日本の核武装も認めるべきです。憲法問題は生じませんので。敵(中国・朝鮮半島)の手先である左翼が騒ごうが関係ありません。日本の歴史を永続させたいなら無視するに限ります。後から振り返ってみて良かったと歴史に刻まれる筈です。しかし、大衆の無関心というか、洗脳されたままの心のありようでは、北の核問題だけでなく、日本は何度も危機に直面するでしょう。滅びることになるかもしれません。子々孫々のために、もっと真剣に国の安全保障について考えませんと。

鈴置氏は、朝鮮半島は南北統一して核保有国となり、中国の束縛から逃れようと考えているのではと。韓国は核を入手次第、日本に投下するかもしれません。不断から言っていることですので。何せキチガイ民族ですから、合理的判断ができません。中国同様恐ろしい国です。米国は韓国を切り捨て北にくっつけるとしたら、北の核の代わりに米国の傘を北に差しだすつもりでしょうか?或は中・短距離核ミサイルの保有を認めることになるのでしょうか?

10/4朝日新聞<アーミテージ氏ら、日米同盟に提言 基地の共同使用など>アーミテージもナイも日本抑え込み派だったのに宗旨替えしたようです。でも今回ここに書かれていることは当り前のことばかり。日本の自主防衛に賛成ですが、単独で中国と戦争は出来ません。中国を封じ込めるには米国の手を借りませんと。共同で訓練をすれば中国も侵略の矛先が鈍るでしょう。

http://www.asyura2.com/18/senkyo251/msg/703.html

在日米軍基地は米軍が守るべき存在です。日本に米軍基地がある以上、敵はそう簡単に手出しはできないはずです。ですから中国は沖縄から米軍基地を追い出すため、まず沖縄を独立させ、基地をなくし、然る後沖縄併呑するつもりです。沖縄県民には中共と日本の左翼の意図が見えないらしい。

記事

9月27日、国連総会で演説し北朝鮮の非核化への意思は本物と強調する文在寅大統領(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

米メディアが文在寅(ムン・ジェイン)大統領を「金正恩(キム・ジョンウン)の首席報道官」と報じた。訪米中に北朝鮮の核武装を擁護する詭弁を繰り返したため「北の使い走り」と見切られたのだ。

金正恩を称賛する報道官

鈴置:9月下旬に文在寅大統領がニューヨークを訪問、トランプ(Donald Trump)大統領と会談したほか、国連総会で演説しました。さらにテレビの取材や、外交専門家の会合で質問に答えました。

今回の訪米は9月18―20日に開いた平壌での南北首脳会談の結果を踏まえ、米国と北朝鮮の間を取り持つのが狙いでした。でも、完全な裏目に出ました。米国での質疑応答のたびに「文在寅は金正恩の代弁人だ」との印象を深めてしまったのです。

ブルームバーグ(Bloomberg)は「文在寅は金正恩の首席報道官」との見出しで報じました。「South Korean’s Moon Becomes Kim Jong Un’s Top Spokesman at UN」(9月26日=JST)です。以下のように書き出しています。

・While Kim Jong Un isn’t attending the United Nations General Assembly in New York this week, he had what amounted to a de facto spokesman singing his praises: South Korean President Moon Jae-in.

金正恩は国連総会に出席しなかったが、彼を称賛する事実上のスポークスマンを得た。韓国の文在寅大統領である――と言い切ったのです。

テレビで見れば誠実さが分かる

ブルームバーグが指摘したのは、米外交問題評議会(CFR)などが9月25日に主催した「文在寅氏との対話」での大統領の発言です。その1つが以下です。

・So the Chairman Kim that I experienced, as you may have the same views as well, he is young, but he is also candid, and he respects elders.
・I believe that Chairman Kim is very much prepared to abandon his nuclear program in exchange for economic development.

文在寅大統領は「金正恩委員長は若いが率直で先輩を立てる人だ。(だから、彼は発言通りに)経済発展のために核を放棄する」と言ったのです。思わずうなる発言です。

これまで、北朝鮮は非核化で嘘をつき続けてきた(「非核化の約束を5度も破った北朝鮮」参照)。金正恩委員長を信じる人はあまりいないでしょう。

それは文在寅大統領もよく分かっている。そこで「文在寅氏との対話」の席でさらに弁解しました。引用します。

・And also, we made a point of making efforts to broadcast live all these dialogue and the summits through live TV so that the footage of me meeting Chairman Kim could be seen by the whole world, so that the people can decide for themselves what kind of personality Chairman Kim is.

(平壌共同声明の発表など)すべての首脳会談の状況を世界に向けテレビで生中継した。それを見れば金委員長が信頼できる人と分かるはずだ――と言ったのです。何ともはや、子供だましの説明です。

ブルームバーグはこの発言を記事の「落ち」として使いました。この詭弁を見れば「首席報道官」と揶揄するのも当たり前でしょ、と最後に念押ししたのです。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止,核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

慰安婦合意でも背信

韓国政府はこんな子供だましが通ると考えているのですか?

鈴置:韓国では、大声で強く言った者が勝ちなのです。事実や常識は関係ありません。

9月25日、ニューヨークで日韓首脳会談が開かれました。安倍晋三首相に文在寅大統領は、日韓慰安婦合意に基づき韓国政府が設置した従軍慰安婦関連の財団を解散するかもしれないと通告しました(日経「慰安婦問題、宙に浮く日本の拠出金」=9月27日=参照)。

慰安婦合意を破棄する手掛かりとしたいのです。ただ、破棄と言えば外交上問題化する。そこで大統領は首相に「合意の破棄や再交渉は求めない」とも語りました。

しかし、文在寅大統領は9月27日、国連総会で演説する中で日本軍の従軍慰安婦問題にも言及しました(文大統領『終戦宣言に期待』=9月27日=」参照)。

「我が国は『日本軍の慰安婦』被害を直接体験しました」と語ったのです。演説全文(韓国語)は聯合ニュースで読めます。

慰安婦合意は「最終的で不可逆的な合意」と規定したうえ「今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える」と明確に約束しているのです。

韓国政府は「言及しただけ」と言い逃れるつもりでしょうが、「女性に対する全ての差別と暴力にさらに断固として対応しています」とその前段で述べていますので、非難したも同然です。

文在寅大統領は2日後に破ることが分かっていることでも、堂々と“約束”したのです。そんな人が「金正恩氏を信じて欲しい」と言ったのですから、ますます信用できません。

「挑発はもうない」と断言

—文在寅発言を信じる専門家はいないでしょうね。

鈴置:もちろんです。ブルームバーグだけではありません。「文在寅氏との対話」の司会者――CFRのハース(Richard Haass)会長は、大統領の発言を頭から疑ってかかっています。

ハース会長の質問は「韓国に向けた核・通常兵器での脅威を北朝鮮が削減すると考えているのか」「北朝鮮が言っていることを万が一にも実行した場合は、政策の根本的な変化になるが……」「本日、大統領が米国人に語った米韓同盟に関する説明は懐疑的に受け止められている――私もその1人なのだが……」などでした。

北朝鮮だけではなく韓国の大統領も信じていないことを露わにしたのです。それも当然で詭弁は「金委員長はいい人だ」だけではなかったのです。例えば以下の発言です。

・North Korea also promised to permanently dismantle the missile engine test site, as well as the launch platform, under inspection from American experts.
・So if these measures are taken and implemented, I believe that this means that North Korea will no longer be able to engage in nuclear and missile provocations that threaten the United States and the international community.

9月19日の平壌共同宣言で、北朝鮮は「東倉里(トンチャンリ)のミサイルエンジン試験場と発射台の廃棄」と「米国が相応の措置を取れば」との条件付きで「寧辺(ニョンビョン)の核実験場の廃棄」を約束しました。

大統領はこれを根拠に「米国と国際社会を脅かす核とミサイルの挑発はもはやない」と断じたのです。全く実態とかけ離れた主張です。

エンジンの実験はどこでも可能です。発射台の廃棄にも意味はありません。北朝鮮は移動式の発射台を多数導入済みです。

場所も判明している東倉里の固定式の発射台は米国の偵察衛星の監視対象で、実用的な代物ではない。核弾頭にしても、北朝鮮は寧辺以外にも製造拠点を持っている。

米韓に亀裂が走る

—もう1度聞きます。文在寅政権はこんな子供だましが通ると考えているのですか?

鈴置:今度は別の角度から答えます。「すぐに露見する嘘でも、つくしかなかった」のでしょう。米国の外交関係者はどうせ文在寅大統領を「北朝鮮の使い走り」と見切っている。

でも、トランプ大統領は11月6日の中間選挙を控え、米朝対話が成功したことにしたい。それなら、トランプ大統領だけは嘘に付き合ってくれるかもしれない――と南北は計算しているのでしょう。

もちろん中間選挙の結果次第では、トランプ大統領も大嘘に怒り出すかもしれません。でも、南北朝鮮が北の開発した民族の核を温存するにはこの手――大嘘をつき続けるしかないのです。

—米国に見切られたことを韓国政府は分かっているのでしょうか。

鈴置:分かっていなければ無能の極みです。大統領の訪米以前から、米メディアは「米国を裏切ると承知しないぞ」と警告を発していました。

例えばワシントン・ポスト(WP)。9月22日の社説「Trump sees ‘tremendous progress’ on the Koreas where none exists」は平壌での南北首脳会談を取り上げました。

「米国の最も重要な事項――北朝鮮の核弾頭と米国を打撃する大陸間弾道弾との廃棄に関し、何の実質的な進展をもたらさなかった」と酷評したのです。

さらに「金正恩体制が意味ある行動に出たわけでもないのに米国に大きな譲歩を迫るハト派の文在寅政権と、トランプ政権の間に亀裂をもたらすかもしれない」と韓国に警告したのです。

・But it offered no real progress in the matter of most import to the United States: the dismantlement of North Korea’s arsenal of nuclear weapons and intercontinental missiles capable of striking the United States.
・Instead, it appeared to raise the risk of a breach between the Trump administration and the dovish South Korean government of Moon Jae-in, which is pushing for significant U.S. concessions even without meaningful action by the Kim Jong Un regime.

文在寅委員長?

—「米国に譲歩を迫る」文在寅政権はすっかり挙動不審者扱いされているのですね。

鈴置:北朝鮮の経済制裁破りを幇助するなど、韓国のやり口が露骨になっているからです。WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は9月13日「North Korean Coal Slipped Into South Despite Warning From U.S.」を掲載しました。

見出しを見れば分かりますが「北朝鮮の制裁破りの石炭輸出を韓国企業が助けていると米政府が韓国政府に警告していたのに、韓国はそれを無視した」という内容です。米政府がこの話をWSJにリークすること自体が韓国に対する警告です。

そうそう、国務省のナウアート(Heather Nauert)報道官が文在寅大統領を「文委員長」と呼び間違える事件も発生しました。9月20日のブリーフィング(動画付き)の開始11分8秒後からです。

ナウアート報道官は「疲れているので」と弁解しましたが、「委員長」(chairman)という肩書は社会主義国のトップに使います。「文在寅=金正恩」とのイメージが頭にこびりついているのかもしれません。

文在寅大統領の訪米以前から、米国では韓国を「北朝鮮側」と見なす空気が広まっていた。そこにのこのこやってきて強弁・詭弁を繰り返したので炎上した構図です。

保守系紙の朝鮮日報は「そら見たことか」とのノリで文在寅政権を批判しました。社説「外国メディア『文大統領が金正恩の首席報道官になった』」(9月28日、韓国語版)です。ブルームバーグの報道も引用しています。ポイントは以下です。

・文大統領は米朝間で北朝鮮の核廃棄を仲介する役割から、北側の立場を説明する場合もあり得る。(中略)だが、それも過ぎれば信頼を失う。その時は仲介の役割も難しくなる。

取り消し可能な終戦宣言

—微温的ですね。

鈴置:朝鮮日報も「文在寅政権は北の核武装を幇助している」とまで書く覚悟はない。そこで「仲介役だから仕方ない部分もあるが」と筆先が鈍ってしまうのです。

でも、他の保守系紙が大統領の発言に何の批判もしないのと比べれば、必死の抵抗を続けています。

朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者も9月28日に「文大統領は『北が東倉里を閉鎖すれば核ミサイルは撃てない』と言うのだが」(韓国語版)を書き「東倉里や寧辺をいくら閉鎖しても非核化には何の関係もない」と説明しました。

朝鮮日報は9月27日にも社説で、南北朝鮮が声をそろえて主張する「終戦宣言」についても批判しています。「終戦宣言、やって見てダメならやめればいいと言うが」(韓国語版)です。

文在寅大統領が米国でFOXのインタビューを受けました。その中で「終戦宣言を出して見て、問題が起こればやめればいい」と語りました。聯合ニュースの「Moon says N. Korean leader will keep denuclearization promise」(9月26日、英語版)から引用します。

・A declaration of end of war can be called off at any time because it is a political declaration.

文在寅大統領はしきりに「終戦宣言は政治的な宣言に過ぎない。米韓同盟や在韓国連軍の地位には影響しない」と説明します。朝鮮日報はこの社説で「単なる政治宣言でいつでも取り消せるものなら、なぜそんなに早期の実現にこだわるのか」と突っ込んだのです。

筆先が鈍る保守系紙

—米国での文在寅大統領の説明は突っ込みどころ満載だったのですね。

鈴置:ただ、朝鮮日報以外のメディアは保守系紙を含め、突っ込んでいません。

—なぜでしょうか?

鈴置:理由は2つあると思います。この問題を掘り下げて行くと結局「文在寅政権が北の核武装を幇助している」と指摘せざるを得なくなる。政権との全面戦争になるのは避けられません。

先ほど見たように、最も厳しい朝鮮日報さえも「仲介役をしている」との政府の上に乗る形での批判に留めている。

朝鮮日報のシニアの記者が「北朝鮮の核を民族の核として活用したいと左派は考えている」と書いたことがあります(「北朝鮮の核武装を望む韓国」参照)。

この際も「万が一にも青瓦台(大統領府)の補佐陣までがこんな夢を見ているとすると危険である」と逃げを打った書き方をしました。

「現政権が民族の核を望んでいる」とはっきりと指摘すれば、「どこに証拠があるのか」と言論弾圧の材料にされかねないからでしょう。

「民族の和解」を謳歌

もう1つの理由は、韓国人の多くが政権の宣伝に乗って「非核化よりも民族の和解が重要だ」と考え始めたからです。

平壌市民の前での韓国大統領の演説や、南北首脳の白頭山登山――。今回の南北首脳会談では数々の和解ショーが繰り広げられました。それらを素材に韓国のテレビや左派系紙は「新たな和解の歴史が始まった」と盛り上げたのです。

左派系紙、ハンギョレは南北の政権の意向に極めて忠実でした。社説「15万の平壌市民の前で非核化を説いた文大統領」(9月21日、日本語版)は以下のように書きだしました。

・北朝鮮訪問の最終日、文在寅大統領と金正恩・国務委員長が一緒に白頭山に登った。(中略)南北首脳が民族の精気が宿る白頭山頂に共に登ったのは、南北和解の歴史を画したものというに値する。

世論調査会社、リアルメーターによると、9月20日の時点で71.6%の韓国人が平壌首脳会談を肯定的にとらえました。半面、否定的に見たのは22.1%に留まりました。

そもそも韓国には「米国は大陸の一角である韓国に軍を置きたがっている。そのために我が民族を分裂させ、対立させているのだ」との発想が広まっています。

今、「文在寅大統領は北朝鮮の使い走りだ」などと書けば、読者から「民族の和解を望まないのか」「お前こそ米国の使い走りだ」と反発を食らいかねない。

朝鮮日報も米国メディアが「首席報道官」と書いたから、ようやくそれを引用する形で「使い走り」を指摘できた感じです。

トランプは満足するのか

—韓国を使って核武装を狙う北朝鮮に対し、米国はどう出るのでしょうか。

鈴置:トランプ政権は11月の中間選挙後に2回目の米朝首脳会談を開く方針のようです。ただ、その結果がどうなるかは予測困難です。

トランプ大統領がどの程度の「非核化」で満足するか、誰にも分からないからです。金正恩委員長が提示するであろう実のない「非核化」で満足するのか、あるいは逆に怒り出すのか――。それはトランプ大統領自身も決めかねているのかもしれません。

ただ1つ、はっきりしていることがあります。南北朝鮮が手を組んで「民族の核」を温存しようとしていることです。細かなファクトを観察するに、それがどんどん明確になってきました。

—では、それは次回に。

(次回に続く)

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