8/6 facebook 中国观察 6/23 Qianrong Lv 投稿
这是退伍老兵王益宏维权被打后,全国老兵赶往镇江市声援的行动,6月22日进入第四天,已有全国多个省市的上千名老兵突破种种拦阻,抵达了镇江市政府南门外现场。
江苏全省的各县市的民政局长也已经抵达镇江,并逐一在市政府南门广场亮相,并自我介绍向老兵做游说工作,希望其辖区的老兵跟随他们回家。
これは, 退役兵の王益宏が権利主張時に殴られてから、全国の退役兵は鎮江市に行き声援の行動を取った。6月22日には4日目に入り、全国各地から数千人の退役兵があらゆる妨害を撥ね退け、市政府の南門に押し寄せた。
江蘇省の全ての各県・市クラスの民政局長も既に鎮江市に到着し、市政府の南門広場に現れ、自己紹介しながら退役兵に管轄地区の自分の家に帰るよう説得に乗り出た。
https://www.facebook.com/zhongguolvqianrong/videos/2070581233199415/
8/6 facebook 中国观察 8/5 Guangcheng Chen 投稿
中国安徽阜阳城管殴打卖西瓜的,动作娴熟手段恶劣!
中国安徽省阜陽市の都市管理の役人はスイカ販売の男を殴る。動きは手慣れたものでやり方は悪辣である。
https://www.facebook.com/ChenGuangchengHumanRights/videos/1007635386072559/
中国の弱い者虐めは止まるところを知りません。これらを見れば、共産主義が決して貧乏人の味方でなく、ノーメンクラトゥーラの特権維持主義と言うのが分かる筈です。それでも左翼にシンパシーを感じることができるとしたら精神が病んでいるとしか思えません。
高濱氏は民主党寄りなので、トランプに対して厳しいのは当然ですか?ロシアゲートのステイール文書の存在と目的について知らないのか、知っても知らない振りをしているのか。メデイアは日米とも知的誠実さに欠けるのでは。左翼は、報道は真実追求ではなく、プロパガンダの手段と思っているので度し難いです。国民はメデイアが真実報道しているという呪縛から解き放たれませんと。
森氏の記事では武者氏の強気ぶりは相変わらずです。株屋が弱気になったのでは商売になりません。武者氏も、今の米中貿易戦争を、世界覇権を巡る争いと見ています。普通に考えればその結論に落ち着くはずなのに、余りそういった発言をする人は多くありません。規制しているのか愚昧なのか。武者氏の解説は分かり易く、且つ米国の勝利を予言しています。頼もしい限りです。
8/7日経<新興国債券 償還ラッシュ 年100兆円、返済に懸念 米利上げで負担増大
新興国の国や企業が発行している債券が2018年から大量に償還を迎える。今後3年間は毎年、過去最高となる100兆円規模の債券の償還(総合2面きょうのことば)が発生する。3年前と比べほぼ2倍だ。超低金利を背景に活発に債券を発行してきたが、米国など世界の中央銀行は大規模緩和の出口に向かう。金利の上昇で今後は借り換えのコストが重くなる見込みで、新興国経済の新たなリスクとなりそうだ。
2008年のリーマン・ショック以降、世界の中央銀行は大規模な資金供給で景気を下支えしてきた。世界的に超低金利が続くと新興国の政府や企業は低い金利で債券を発行し資金を調達してきた。低金利で運用難となった投資家はギリシャやアルゼンチンといった信用力の低い国の債券でも購入してきた。
調査会社ディールロジックによると今後3年で満期を迎え償還が必要になる債券は3兆2297億ドル(約359兆円)にのぼる。内訳は国債が1割、社債が9割で、合計した償還額は18年に8919億ドル、19年に1.1兆ドル、20年に1.2兆ドルと毎年増えて過去最高の更新を続ける。
償還額の多くを占めるのが中国だ。リーマン後に景気を下支えしようと4兆元(当時のレートで約57兆円)の財政出動に踏み切った。企業と政府部門とも資金調達が活発になり、今後3年間の償還額は1兆7531億ドル(195兆円)と新興国全体の54%になる。
ほかに償還額の多い国はロシアが3年間で1330億ドル、ブラジルが同1360億ドル、メキシコが同881億ドルとなる。
債券は償還期限が来ると投資家に資金を返済しなければならない。通常は新たに債券を発行し資金を手当てするが、投資家層の薄い新興国では国内投資家からの資金調達だけでは間に合わず、ドル建ての債券で海外の投資家からも資金を集めている。国際金融協会(IIF)によると企業と政府をあわせた新興国の債務は、6月末時点で57兆ドルと世界全体の債務額の3割を占める。
米国は利上げを進めており、新興国通貨に対するドル高が進む。金利が上昇すると利払いの負担が重くなり、ドル高により新興国通貨で計算した債務の返済額も増える。信用力の低い国や企業が有利な条件で債券を発行できた時代は終わろうとしている。
中国では企業が抱える過剰債務を解消しようと当局が金融の引き締めを進めた結果、資金の再調達が難しくなった企業が相次いだ。18年に入り石油・ガス供給会社の「中国国儲能源化工集団(CERC)」や香港上場の不動産開発会社「新昌集団」のドル建て社債などが相次ぎ債務不履行(デフォルト)に陥った。
米Tロウ・プライスで新興国債券に投資するマイケル・コーネリアス氏は「実力よりも低すぎる金利で資金調達してきた国では揺り戻しの可能性がある」と警戒する。
米国が利上げを進めると米国債の利回りが上昇する。米国が94年から利上げに踏み切った際は投資マネーが米国に還流した。新興国の株価や通貨が下落し97年のアジア通貨危機の起点となった。
ただ、新興国は資金流出への備えを進めてきた。先進国も含めた世界の外貨準備高は11兆6000億ドルと10年と比べ4割増えた。中国は3兆1121億ドルと1割増え、メキシコは1780億ドルと7割の増加だ。東南アジアでもインドネシアもが1198億ドルと6割増となるなど備えは厚くなっており、かつてのような通貨危機が起きるとの見方は少ない。>(以上)
日経は中国の外貨準備高が3兆1121億ドルと書いていますが、宮崎正弘氏によれば、中国の外貨準備はマイナスとの見方です。今年から20年までの債券償還がうまくいくかどうか?
http://dwellerinkashiwa.net/?p=9253
高濱記事
米ホワイトハウスで記者会見するショーン・スパイサー米大統領報道官(2017年7月17日撮影)。(c)AFP/Olivier Douliery〔AFPBB News〕
「炎と怒り」の向こうを張った内幕物と期待されたが・・・
ドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウスの内幕を書いた本でベストセラーになったのは、マイケル・ウルフの「Fire and Fury」(「炎と怒り」)だ。日本でも翻訳されて飛ぶように売れた。
この本のお陰で大統領の側近中の側近だったスティーブ・バノン首席戦略官兼大統領顧問の首がすっ飛んだ。
この本の主要なニュース源はバノン氏と言われている。
大統領の逆鱗に触れたのはバノン氏が大統領選挙中に大統領の長男、ドナルド・ジュニアがロシア人弁護士らと会っていた事実を知ったバノン氏が「この売国奴が」と激高したという箇所だったとされる。
さすがに自分の息子を「売国奴」と言われたのでは大統領も我慢できなかったからだ。
しかしこの本、確かに話題になったが、本に書かれていることがどこまで本当のことなのか、今もって疑問視されている。
理由は2つあって、一つは著者がメディア業界では「取材力よりも想像力が豊かだ」という評判。
いま一つはバノン氏以外、ニュース源があいまいなことだ。実はいないのではないか、という声すら聞こえてくる。「想像力のたまもの」というわけだ。
「気に入らないことがあると即座に首を切るトランプ大統領の下で働くスタッフがウルフなんかにホワイトハウスの内実をしゃべるわけがない」(ホワイトハウス詰め記者)
確かにありそうな話の満載だが、事実関係の確認のしようがない。
「無知さが書かせた『がらくた本』」との酷評も
The Briefing: Politics, The Press, and The President by Sean Spicer Regency Publishing, 2018
そんな中、今度は「トランプのホワイトハウス」を一番よく知っているはずの元大物高官が本を書いた。
トランプ氏が大統領に就任と同時に報道官に抜擢されたショーン・スパイサー氏(46)の回顧録だ。
タイトルは、「The Briefing: Politics, The Press, and The President」(ブリーフィング:政治、プレス、そして大統領)。
いったい、なぜこの時期にこうした本を出版したのか。トランプ大統領は許可したのか――。
ホワイトハウスを去った後、噂はいろいろあったものの、今持って定職には就いていない。
自分の生い立ちに始まり、大学を出て、海軍に入り、そして共和党本部に勤務。広報一筋に地道に歩き、最後に天下の大統領スポークスマンになった半生を綴っている。
しかし読者はスパイサー氏の半生などには興味はない。唯一関心があるのは、「いったい、今ホワイトハウス内部はどうなっているのか、トランプ大統領はロシアゲート疑惑について何を考え、囁いていたのか」だった。
ところが278ページの本を拾い読みしても新事実などはどこにもない。「羊頭狗肉」とはこのことだ。
評者の一人は、「嘘つき大統領について嘘つきが書いた『がらくたのような本』(A Dismal Book)」(ワシントン・ポストのコラムニスト、リチャード・コーヘン氏)と手厳しい。
主要紙は異口同音に本書をけなしている。
トランプ大統領との間に繰り広げられる「ニューヨーク・タイムズ」、CNNといった主要メディアとの「戦争」のすざましさが伝わってくる。スパイサー氏はつい最近までその渦中にいた人間だからだ。
(https://www.realclearpolitics.com/articles/2018/07/31/spicers_dismal_book_tells_tale_of_working_for_a_liar_137666.html)
本書に流れているトーンは、辞めた後も保たれている大統領への気遣いだ。悪口も批判がましいことも一切出てこない。
報道官を辞任したのは、トランプ大統領がスパイサー氏の上司である広報部長にニューヨーク金融界のヘッジファンド創業者アンソニー・スカラムッチ氏を任命したことに怒ったのが理由とされている。
スカラムッチ氏は大統領選中には物心両面からトランプ候補を支援した功労者、大統領の長女イバンカ氏や夫君のジャレッド・クシュナー上級顧問、ウィルバー・ロス商務長官が推薦したとされている(スカラムッチ氏は2週間足らずで辞任している)。
さらにスパイサー氏には以前から大統領に不満を抱いていたとの話もあった。
2017年5月末に大統領が訪欧の際にローマ法王に謁見する予定があり、カトリック教徒のスパイサー氏は同行して法王に会えることを楽しみにしていたという。
ところが大統領はこの訪欧にスパイサー報道官を同行させなかったのだ。スパイサー氏はその不満を同僚にぶちまけていたという。もっとも本書にはこの点には触れていない。
そんな経緯もあり、スパイサー氏の辞任はむしろ、大統領の人事に逆らったことに大統領が激怒した事実上の解任だともみられていた。
就任式に集まった群衆は「オバマの時よりも多かった」のか
ワシントン政界でスパイサーと言えば、今も物笑いになったエピソードがある。
トランプ大統領就任式の当日の出来事だ。スパイサー氏にとっては大統領スポークスマンとしての初仕事だった。
スパイサー報道官は、「就任式には過去最も多い人々が集まった」との声明を出した。
ところがその日の模様を報じたテレビの映像では広場の一部は集まった人の数はまばら。テレビ記者たちは「上空からの写真を見ると、オバマ大統領の就任式に比べて参加者の少なさが目立った」と一斉に報じた。
確かにオバマ前大統領の時の映像と比較すると、会場の議事堂からワシントン記念塔まで広がるモールに集まった群衆は誰の目にも少なかった。
オバマ大統領の就任式には31万7000人の群衆がワシントンを埋め尽くした。これはワシントン特別区公園管理局の発表である。
翌日午前4時半、トランプ大統領はツィートした。
「テレビの視聴率が今出た。3100万人が就任式の模様を見た。この数字はオバマ大統領の時よりも1100万人多かった」
その日午前の記者会見でスパイサー報道官は、記者団にこう釈明した。
「昨日、過去最も多い人が集まった、と声明に書いたのは、集まった群衆だけではなく、就任式の模様を中継したテレビやインターネットの視聴者を含めた数字だ」
記者団はこの論理のすり替えに、獲物に狙いを定めたハゲタカのようにスパイサー報道官に襲いかかった。
就任式当日の「この事件」は、スペンサー氏が報道官を辞める日まで記者団との間ではしこりとして残った。
米3大ネットの一つ、NBCが毎週土曜深夜に放映している超人気長寿番組「サタデーナイト・ショー」(SNL)ではスパイサー氏は毎回のように皮肉られる存在だった。
(https://www.youtube.com/watch?v=INYQtYi2pKo)
本書には「この事件」についてのくだりが出てくる。
「大統領の主張(3100万人が就任式を見たという)を裏づける事実がどうしても必要だった。だが、インターネットの視聴者数がいったいどのくらいだったかを立証するようなデータは見つからなかった。そんなデータは存在しないのだ」
「前もって大統領が何を望んでいるか、知るべきだった」
自分の見たことしか信用しない。側近はもとより知人の言うことは聞かない。独善的で自信家で、言ったことは絶対に訂正しないワンマン。そんな大統領に側近はどう使えたらいいのか。
「私が大統領に呼ばれた時には常に『グッド・ソールジャー』(有能な一兵卒)であらねばならないと自分に言い聞かせてきた」
「『ミスター・プレジデント、それについては目下取り組んでいる最中です』と常に言うべきだと考えてきた」
「だが、私は事前にもっと大統領と話し合うべきだし、大統領の思っていること、私に何をしてほしいのかを理解しておくべきなのだ」
スパイサー氏の自戒は、おそらく古今東西、省庁でも企業でもトランプ大統領のような「唯我独尊のワンマン」に仕える者にとっては「要諦」かもしれない。
元々、スパイサー氏は「トランプ一家」の身内の人間ではない。共和党保守本流の広報畑を地道に歩き、広報部長にまでなった生え抜きの「党官僚」。
ちなみに2016年の大統領選の際にはトランプ候補を批判していた。
報道官に抜擢されたのは、当選するまで共和党保守本流とは疎遠だったトランプ氏が党幹部とのパイプ役に使おうとしたためだ。
その点では就任当初、大統領首席補佐官に指名されたラインス・プリーバス党全国委員長と同じだった(プリーバス首席補佐官も六か月後にホワイトハウスを去っている)。
スパイサー氏の場合は、2006年から2009年まで共和党保守本流のジョージ・W・ブッシュ第43代大統領の下でメディア・広報担当通商代表補佐官までやっていた人物だ。
ブッシュ一家は大統領選予備選段階でトランプ候補を激しく批判していた。そのブッシュ元大統領(息子)の「子分」だった人物がトランプ大統領の対メディア向けの要、スポークスマンをやっていたこと自体、不自然と言えるだろう。
本書の末尾には多くの人たちへの感謝の辞が延べられている。
トランプ大統領はもとより現閣僚やホワイトハウス高官、さらにはジョージ・W・ブッシュ元大統領はじめ共和党保守本流の面々にいたるまでなんと5ページにわたってその名前が列挙されている。
まさに八方美人と言うべきか、敵を作らぬ懸命の努力と言うべきか。本書に皆が知りたい「トランプ・ホワイトハウス」の内情が出てこない理由が分かるような気がする。
森記事
2月初旬を底にドル高が進行している。エコノミストの武者陵司氏はこのドル高が米国に覇権の復活をもたらすと指摘する。果たしてドルはどこまで高くなるのか、そして、ドル高はいつまで続くのか。
(聞き手 森 永輔)
トランプノミクスの政策はレーガン大統領の経済・財政政策と同じ(写真:Fujifotos/アフロ)
—武者さんが1年前に予想していた通り、ドル高が定着してきました。ドル指数は2月初旬を境にして、上がり続けています。8月1日時点の実効為替レートは94.35。
武者:そうですね。ドナルド・トランプ米大統領が就任して以降、ドルは下がる傾向にありました。しかし、私はこれをテクニカルな調整局面だと思い、長く続くことはないと考えていました。
武者陵司(むしゃ・りょうじ)
武者リサーチ代表。ドイツ証券とドイツ銀行でアドバイザーを務める。 1949年生まれ。1973年、横浜国立大学経済学部を卒業し、大和証券に入社。大和総研を経て、1997年にドイツ証券に入社。2005年に副会長に就任。2009年、武者リサーチを設立。(写真:菊池くらげ 以下同)
ドル安基調に入ると主張する人たちは大きく二つのグループがあります。第1は景気循環を重視するグループ。これまでのドルの実質実効為替レートの動きをみると、10年のドル安、6年のドル高というサイクルを繰り返してきました。このグループの人たちは、2011年以降ドル高が続いている点に目を向け、「そろそろリセッションが近づいてきた。ドル安に向かう」と考えたのです。しかし、米経済のファンダメンタルズをみれば、米景気はさらに強くなっています。
—7月27日の発表では、米国の4~6月期のGDP(国内総生産)成長率は年率換算で4.1%を記録しました。これは2014年7~9月期以来の高い数字です。
ドル高はトランプノミクスがもたらす必然
武者:そうですね。もう一つのグループはトランプ政権の政策から米経済をみるグループです。彼らは、トランプ政権は貿易赤字を減らすため、輸出に有利なドル安を指向するとみていました。
しかし現実には米企業は海外市場で価格競争をしていません。なので、輸出振興のためにドル安を誘導する必要はないのです。
2月以降にドル高が進んでいるのは、米国経済の腰が実は強いこと、トランプ政権の政策が実はドル高を促すものであることに市場が気付いたからでしょう。
米経済が好調であればドル高につながります。経常収支の赤字が縮小し、国際金融市場に供給されるドルが減るからです。
トランプ政権は財政の拡大を指向しています。その一方でFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き締めている。よって、金利は必然的に上昇します。そして、諸外国との金利差の拡大がドル高を誘発する。同様のポリシーミックスを取ったレーガン政権時代にもドル高が進みました。
さらに、トランプ政権は貿易戦争を本気で始めました。これに勝つためにはドル高が有利です。“敵”を追い詰めるためにはドル決済の道を断ち、ドルを供給しないのが最も有効ですから。これまでのイランへの制裁を振り返れば明らかでしょう。ドルは「有事のドル」どころか「真の決済通貨」なのです。 対中貿易戦争が展開する中で、米国がドル供給を断つと示唆すれば、中国のお金持ちはみなドル買いに走るでしょう。金よりも円よりもユーロよりも、やはりドルです。
ドル高でも米国から買うしかない
—武者さんは、ドル高をてこに米国が帝国としての覇権を強めていくと主張されています。ドル高と米国の覇権にどういうつながりがあるのですか。
武者:私は、トランプ大統領を帝国主義者とみています。孤立主義者、保護主義者、差別主義者――はどれも当たりません。「Make America Great Again」が意味するのは、覇権国である米国をこれまで以上に強くするということです。軍事力の拡張を宣言し世界のヘゲモニーを握ろうとしているのは明らか。
そして、中国が力をつけ続け、米国と並ぶ覇権国になること決して許しません。「中国をいかに封じ込めるか」を最優先課題にしています。それは、今まさに進んでいる貿易戦争と中国製造2025潰しをみれば明らかでしょう。
米国が中国の台頭を抑え、世界の警察官として国際秩序を再構築するためには、それを支える財政基盤と経済基盤が欠かせません。これを支えるのがドル高なのです。ドル高になれば、海外の産品を安く買うことができます。米国は必要な産品の80~90%を輸入で賄っているので、これは重要です。進んだ技術を持つ企業をM&Aすることも容易になります。これにより、さらに産業競争力を高めることができる。
—ドル高は輸出にマイナスになるので、米国の力を削ぐという見方もあります。
武者:確かにそうです。しかし、今の米国には当てはまりません。輸出に当たってほとんど価格競争をしていないからです。例えば航空機は米ボーイングと欧州エアバスの独壇場です。アップルのiPhoneが持つブランド力にとって代わる存在もありません。軍事装備品も同様です。ドル高になり、それぞれの現地通貨建ての価格が上昇しても、米国から買うしかない。
したがって、ドル高は米国の覇権、それを支える経済基盤を強化するのにプラスの面が多く、マイナス面はほとんどないのです。
ドル高はこれから20年続く
—トランプ政権はドル高を誘導する政策を進めているものの、肝心のトランプ大統領が7月20日、ドル高への不満をツイッターに投稿しました。「中国、欧州や他の国々は通貨を操作し、金利を低くしている。その間、米国は金利を上げ、ドルは日に日に強くなり、我々の偉大な競争力を奪う」と。この矛盾をどう見ていますか。
武者:トランプ大統領には為替に対する定見がないのでしょう。ドル高とドル安のどちらが適切なのか、専門家に聞いて回っているとの話が漏れ伝わっています。
その一方で、トランプ政権の経済政策を支えるスタッフはドル高を指向しています。ピーター・ナバロ大統領補佐官は中国との覇権争いに注目しており、これに勝つためにはドル高が必要であると主張しています。ドルが強くなれば、世界経済における米国のプレゼンスが高まります。世界のGDPに占める米国の割合が大きくなる。中国との交易条件も米国に有利に変わります。
—ドル高はいつでも続くとみていますか。
武者:これから20年は続くでしょう。
—え、20年ですか。
武者:長期的にみると米国は、40年にわたってドル安を容認してきました。ニクソンショックによって金との兌換を停止して以来です。これは覇権国であることを自己否定する行い。世界経済におけるプレゼンスは低下するし、米軍の世界展開にかかる軍事費を賄うのにもマイナスの影響をもたらします。これと同じだけの期間、ドル高が続いてもおかしくありません。
武者:対円ではそれほど高くはならないでしょう。1ドル=130~140円くらいでしょうか。日本企業も海外事業をさらに広げ、経常黒字を拡大させるからです。
一方、元に対しては1ドル=10元くらいまでいくのではないでしょうか。
—今は1ドル=6.8元ですから5割近いドル高ですね。
武者:ええ、人民元は劇的に弱くなります。
理由は二つ。一つは、貿易黒字が強い勢いで減っているからです。2015年をピークに年率で20%程度ずつ減少しています。その理由の一つは人件費の上昇。今では中国はアジア新興国で最も賃金の高い国になっています。これが輸出競争力を押し下げている。
製造2025はいずれ破綻する
もう一つは、輸入の増大です。国内経済を引っ張るドライバーが変わってきました。数年前までは国内投資――インフラと住宅、不動産――でした。いずれも鉄とセメントと人件費の塊です。国内景気を刺激する要素ですね。しかし、これらの投資はいずれも過剰状態になってしまった。
そこで中国が始めたのが産業構造をハイテクにシフトさせるための投資です。これを実現するためには、必要な機械や素材を輸入しなければなりません。
武者:そしてハイテクにシフトさせるための投資の波及効果は中国国内に還流せず、海外に流出してしまうのです。中国国内では作れないですから。
こうした背景から、貿易収支の悪化は避けられません。貿易黒字はあと数年でほぼゼロに至るでしょう。
加えて中国は多額のサービス赤字を抱えています。貿易黒字が減少すれば、経常赤字に転落するのは避けられません。あと3年といったところでしょうか。
—サービス赤字の根源は何ですか。
武者:いま、中国人が猛烈な勢いで海外旅行に出ていますよね。
—なるほど。だとすると、中国が進める「製造2025」はもろ刃の剣になりますね。輸入を拡大させる根源ですから。
武者:私は、この政策がいずれ破局を迎えると考えています。
経常赤字が続けば外貨準備高が減少し、人民元への懸念が再び浮上します。これが元安を生み、元流出の圧力が高まる。
中国政府はこれに対応すべく、資本規制を発動するとともに、金融引き締めに舵を切る。すると、今度はそれが不動産バブルの崩壊を促すのです。これを回避するためには、金融を引き締めつつ財政政策をぼんぼん打たざるを得ない。このような政策はいずれ破綻します。
国内的には問題を鎮圧できるかもしれません。統制国家ですから、元を無尽蔵に刷り増し、企業の会計情報も改ざんして、問題が表ざたになるのを防ぐ。しかし、海外に対してそうした措置は通用しません。問題があきらかになれば、海外企業は資金を回収する動きに出るでしょう。中国経済は海外からの投資によって成長してきました。このドライバーを失うことになるのです。
米国企業が生み出すイノベーション
武者:米国にその能力があるのか、ということですね。私はあると考えています。インターネットの時代に入り、米国企業が世界最大のイノベーションを生み出しているからです。プラットフォーマーは、中国を除けば、米国企業が独占しています。グーグルしかり、フェイスブックしかり、です。
米国の経常収支をみると、サービスと一時所得収支の黒字が2000年代半ばから拡大しています。これは、まさしく、インターネットプラットフォーマーが海外における事業を拡大したこと、知的財産権の販売を拡大したことを示しています。米国企業が海外で稼いだ約3兆ドルの資金を米国に還流させることなく積み上げているのはこの証左です。
40年にわたるドル安は、企業競争力の低下と、それに伴う経常収支の赤字、それが導くドル供給の増大が原因でした。米国の経常赤字は拡大を続け、2006年には8000憶ドル、GDP比5.7%に達しました。この流れが今は逆転しています。
新たな産業革命がトランプノミクスを支える
—トランプノミクスが米国経済を弱らせるとの見方があります。トランプ政権が進める積極財政と減税が国債の発行を増やし、金利を上昇させる。これが、企業活動の負担となり、米国の景気を冷やす、というシナリオです。そうなれば、ドル高と米国の覇権の復活は遠のく。この見方に対してはどう考えますか。
武者:通常の場合ならば、確かにそうでしょう。しかし、今は通常の時ではありません。
景気が良いのに物価が上がらない。失業率は低下しているのに賃金は上がらない。金利も上がらない。2005年にFRBのグリーンスパン議長が「コナンドラム(謎)」と呼んだのと同じ現象が起きているのです。
これは、新たな産業革命が起きているからです。インターネットの時代になり、供給力に天井がなくなりました。大きな投資をしなくても、企業は供給力を拡大することができるようになった。なので、インフレが起こる前に供給力を上げることができるのです。
—IT(情報通信)の世界が分かりやすいですね。音楽レーベルは楽曲のファイルをコピーするだけで新たな製品を製造することができます。製造コストはほぼゼロ。スマートフォン用のアプリを開発しているメーカーもほぼコストゼロで新たなソフトをコピーし、ダウンロードに供することができます。
武者:そうです。言い換えれば、サービスを投入するにあたって、投入する資源がほとんど必要なくなったのです。だから物価も金利も上がらない。この状況にある限り、トランプ政権が進めるドル高政策が米国経済を傷つけることはないと考えます。
—武者さんが指摘される新たな産業革命の担い手は、グーグルやアップルをはじめとするIT大手ですね。いま、これらの企業に対する圧力が高まっています。フェイクニュースへの対応をめぐってフェイスブックは逆風にさらされている。グーグルも7月、OS「Android」の支配的地位を乱用しているとしてEU(欧州連合)から43億超ユーロの制裁金を科されました。こうした逆風がさらに強くなり、新たな産業革命がとん挫、ドル高をてこにした米国の覇権強化の足を引っ張ることはありませんか。
武者:そこは読めないところです。ただし、いくらペナルティーを科しても、例えばグーグルに代わるプレーヤーがほかにあるでしょうか。とって代わるのは難しい気がします。そうだとすると、サイバー世界における支配力を米国企業が高めこそすれ、低下させることはないのではないでしょうか。
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