『金正恩がゴルバチョフになる可能性を読む 米朝首脳会談の先にある4つのシナリオ』(6/1日経ビジネスオンライン 森永輔)について

6/3阿波羅新聞網<中美军方香会激烈交锋 中共遭多国炮轰 美防长发警告=米中の軍は香港シャングリラホテルで苛烈に鋒を交える 中共は多くの国から砲撃に遭う マテイスは警告した>時事評論家の文昭が分析するに「中国は貿易戦争で劣勢の為、軍事でそれを補おうとしている。経済より軍事の方がより劣勢なのに、交渉で値段を吊り上げて。頭がおかしいのでは」と見ている。中共がファイアリー・クロス礁、スビ礁、ミスチーフ礁に対空ミサイルを設置、H-6K爆撃機を飛ばしてウッデイー島で軍事訓練をした後、その地域では緊張が高まっている。米軍はB-52爆撃機をグアムから飛ばし、バシー海峡から南シナ海に入り、東沙諸島を回ってグアムに戻った。その間、嘉手納基地から給油機2機が飛び立ち給油を行った。この一月の間に4回も飛ばした。

(既に報道されている部分は飛ばします)。マテイスは「今の中国の南シナ海での軍事化は、2015年習近平がWHで軍事化しないと公開で約束したことに反する。中共が国際社会を無視すれば、その結果を引き受けることになる。リムパックに呼ばないのは小さいこと。将来はもっと大きな結果が待っている。国際間で協力しなければ、自業自得になる。米国は台湾関係法に基づき、台湾の防衛能力向上を助ける」と述べた。

フィリピン、マレーシア、オーストラリアも中国を非難。

http://www.aboluowang.com/2018/0603/1123988.html

6/3希望之声<川普:非常惊讶中共会做出这事?=トランプ:中国がこんなことをしているとは非常に驚いた>下のツイッターはマテイスの「北京が南シナ海で脅迫、抑圧している」との非難発言を受けて。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/06/02/n1837449.html

日本と言うか世界の自由の敵は中国です。習近平は毛沢東宜しく世界永久革命を目指し、三権分立のない、人権が保障されない為政者の思惑だけの世界を作ろうとしています。6/4は天安門事件が起きた日です。自国民を虐殺するのを厭わないのが共産党です。日本の外務省も容共なのがいて加藤紘一は西側世界が中国に制裁を課している時に、天皇陛下を訪中させ、政治利用しました。銭其琛の回想録に「日本は最も結束が弱く、天皇訪中は西側諸国の対中制裁の突破口となった」とあります。加藤は子孫に災いを残し、愚かとしか言いようがありません。こんな人間(もう死んでますが)を選挙で選ぶなと山形県人には言いたい。

6/3看中国<金正恩的信到底说了什么?川普:很有趣!(图)=金正恩の親書は一体何が述べられているのだろうか?トランプは興味があると>WSJによれば「内容が想像できる米外交官は、親書は短く、首脳会談を開きたいというだけで、譲歩もなければ脅しもないだろう」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/03/860545.html

6/3阿波羅新聞網<在这儿举办川金会?这间饭店6/12前「不给订房」=ここで米朝首脳会談が開かれるのか? このホテルは6/12前の予約はできず>会談の候補としてシンガポールのカペラホテルか大統領府官邸が挙がっている。共同通信に依ると、「カペラホテルはセントーサ島にあり、安全確保に非常に便利。6/12前の予約は受け付けておらず、ホテル側は「満室」との答え」と。下図はカペラホテル。

http://www.aboluowang.com/2018/0603/1124036.html

6/4宮崎正弘氏メルマガ<平壌にマック、これが北朝鮮の譲歩条件だ(ワシントンポスト) 金正恩は、北朝鮮のマックドナルドのフランチャイズを希望している(?)>

http://melma.com/backnumber_45206_6691943/

金正恩は、自国民は簡単に殺す癖に、自分の欲望を実現させることに目がない人間です。リーダーとしての資格はありません。独裁者や一党独裁のシステムが如何に人類にとって不幸になるかという事です。北の国民も反乱を起こせばと思うのですが、火力の差がありすぎです。やはり国際社会が支援しないと難しいでしょうが、米朝首脳会談では、人権問題は拉致以外は触れられないでしょう。

森氏記事で、道下氏はクーデターの可能性が5%あると述べています。クーデターを起こして金正恩が排除された後の政権が真面であればそうなってほしい気がします。中国の傀儡では意味がありませんし、金以上に自国民を弾圧するのも困ります。

やはり35%の2020年までに非核化(CVID)で合意するのが一番かと思います。ただ騙されないようにしませんと。

記事

トランプ米大統領が米朝首脳会談を中止すると表明してから1週間。両国は、再調整のため協議を続けている。会談開催の条件は何か。開催後にはどのような展望が待っているのか。朝鮮半島問題の鋭い考察で定評がある道下徳成・政策研究大学院大学教授に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

若い、合理的思考ができる「普通」の青年であることが露呈した金正恩委員長(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)


道下徳成(みちした・なるしげ)氏
政策研究大学院大学教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書に『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史、1966~2012年』(ミネルヴァ書房、2013年)がある。米国ジョンズ・ホプキンス大学博士(写真:菊池くらげ、以下同)

道下:見込みについては、分からないですね。開催されるかもしれないし、されないかもしれません。

会談開催の条件ですが、少なくとも北朝鮮は、トランプが「米国はこれだけの譲歩を獲得した」とアピールできる内容を提示する必要があるでしょう。例えば「2020年までに核兵器をすべて廃棄する」とか。

核施設の即時全面解体は含めなくてもすむかもしれません。これは「平和利用に限る」と説明することができるので、米側も妥協する余地があると思います。「CVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化=Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)」から「不可逆的な(Irreversible)」を除いた「CVD」になるかもしれませんが、「核兵器」の脅威は相当の部分なくすことができる。

—トランプが首脳会談中止の意向を示した時、北朝鮮の第1外務次官、金桂官(キム・ゲグァン)が「わが方はいつでも、いかなる方式でも対座して問題を解決していく用意があることを米国側にいま一度明らかにする」(朝鮮中央通信5月25日)と結ぶ談話を発表しました。

道下:あれは不思議でした。事実上、米国に泣きを入れる談話で、自ら弱い立場にあることをさらけだしてしまった。北朝鮮は失敗したのだと思います。油断して“いつもの芸風”で事を進めていたら、トランプに突然バシッと平手打ちにあって驚いた、とみます。

—北朝鮮外務次官の崔善姫(チェ・ソンヒ)が5月24日に発表した談話は、確かに“いつもの芸風”でしたね。「米国が我々の善意を冒とくし、非道に振る舞い続けるなら、朝米首脳会談を再考する問題を最高首脳部(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党委員長)に提起する」(毎日新聞5月24日)。

道下:金外務次官があのような談話を出してしまった以上、北朝鮮が今後の交渉を強気で進めるのは困難です。それゆえ、核兵器の廃棄は約束せざるを得ないのではないでしょうか。

核兵器を隠し持ちつつ「廃棄」に合意する

—北朝鮮はなぜそこまでして今回の首脳会談を実現したいのでしょう。制裁が効いているからでしょうか。

道下:制裁が本格的に効いてくるのはこれからだと思います。なので、今の動きは2013年の朝鮮労働党中央委員会全員会議 で打ち出した並進路線に則ったゲームプランに基づくものだと思います。これを打ち出して以降、北朝鮮はミサイル実験や核実験の頻度を高めるなど、核・ミサイル開発を加速させました。そして昨年11月29日に火星15号の発射実験に成功した時には「核武力完成の歴史的大業」を成したと公言しました。

—火星15号は事実上のICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられているものですね。

道下:はい。そして北朝鮮はここから一気に対話路線に転じました。米国との関係を正常化し、経済再建に本格的に着手しようという考えでしょう。米国との関係が改善すれば、日本などから資金の援助を得られる可能性も高まります。同時に、あわよくば米韓同盟の弱体化も狙おうという意図もあるように思います。

—北朝鮮は自らが進める並進路線、すなわち核兵器を保持しつつ経済支援を求めるという虫の良い考えを米国が受け入れると考えているのでしょうか。

道下:それがどこまでできるのか、北朝鮮にどこまでやる気があるのかはまだ分かりません。米国がCVIDにこだわるならば、北朝鮮も突っ張ってそれを拒否するかもしれません。

一方で、「核兵器をすべて廃棄する」と言いながら、そのうちの幾つかを隠し持とうとするかもしれません。米国は北朝鮮が核兵器をいくつ保有しており、それらをどこに格納しているのか、すべて押さえているわけではありません。仮に北朝鮮が核兵器を30発保有しているとして、米国が「北朝鮮は20~40個の核弾頭を保有している」と推定しているとしたら、例えば20個だけを申告すればよい。明らかにウソであるとはいえない数字であり、安全保障上も相当意味のある数字なら、米国は受け入れるかもしれません。

現実にはCVIDを実施するのは困難です。これを実施するためには、国際機関や米国が北朝鮮のどこでも自由に立ち入って査察を行えるようにする必要があります。北朝鮮がそんなことを受け入れることはないでしょう。

もちろん米国も手をこまぬいて待つことはない。“ひっかけ問題”を出してくるかもしれません。例えば、米国が把握している施設が5箇所あったとしても、わざと3箇所だけの検証を要求し、「ほかにも施設があったら教えてくれ」と求める。北朝鮮が「ほかにはない」と答えたなら、米国は北朝鮮の意図を見抜くことができるわけです。

その後は政治決断でしょう。この嘘をすぐに突くのか。米朝首脳会談での合意を優先して目をつぶり、嘘はあとで必要になったときに利用することも可能でしょう。

—ただ、目をつぶれば、それがリークされる危険を背負い込むことになります。大統領選挙の期間中に暴露されるようなことになれば問題になりますね。

道下:そうなのです。ただし、その一方で、トランプ政権はこの嘘を口実に、必要な時に軍事危機を起こすことができます。内政において不利な状況に陥った時に「北朝鮮は意図的に米国をあざむいた」として軍事危機をあおり、国民の支持を回復させることもできるでしょう。

このあたりは本当にかけひきの世界です。

あり得る最善のシナリオとは

—北朝鮮が「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」と約束して米朝首脳会談が実現した場合、どのような展開が考えられるでしょうか。

道下:私は4つのシナリオを考えています。第1は「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」で米朝が合意。米国は当面の圧力・制裁を継続しつつ、米朝関係改善、制裁解除、経済・技術協力を段階的に進めていく。例えば北朝鮮が核兵器を「すべて」廃棄した時点で国交を正常化する。4つのシナリオの中で最も悪くないものです。

このシナリオでは金正恩は経済再建を本気で進めていきます。

もちろん、これまでの経緯から考えて、北朝鮮が難癖を付けて合意の実施を遅らせることがあるかもしれません。例えば「対北朝鮮強硬派の大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ジョン・ボルトンが失礼なことを言った」という口実で。

北朝鮮が速やかに核兵器を全面廃棄しないと、合意に対する批判も出てくるでしょう。しかし、予定より遅れたとしても、少しずつでも非核化プロセスが前進していれば、「合意を破棄すべきだ」との議論は説得力を持たないでしょう。

—この最も悪くないシナリオが実現する可能性は何%くらいでしょう。

道下:35%くらいですね。

金正恩が“まとも”であるがゆえに高まる軍事オプションの有用性

第2のシナリオは、これまでやってきたことの繰り返しです。「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」で米朝が合意するものの、北朝鮮が色々と理由を付けてこれを反故にする。

これに対して米国は態度を硬化させ、「鼻血作戦」などの軍事オプションをちらつかせて危機を高める。これに米国の国内政治がリンクした時には危険度が高まります。2020年の大統領選挙が迫っているにもかかわらずトランプ政権の支持率が低迷するとか、ロシアゲートをはじめとするスキャンダルへの追及が盛り上がるとか、いう場合ですね。トランプは「北朝鮮が非核化を拒否した」と宣言し、危機を高めて国民の目を外に転じさせる。この可能性が25%くらいでしょう。

北朝鮮もこれに対抗する措置を取るでしょう。太平洋上で水爆実験をすることがあるかもしれません。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が2017年9月にこうした選択肢を示唆したことがあります。

韓国に対してなら、南北の境界にある島々への砲撃などが考えられるでしょう。北朝鮮は2010年11月に延坪島(ヨンピョンド)を砲撃しました。同3月には韓国の哨戒艦「天安(チョナン)」を沈没させています。これらと似たようなことが起こり得ます。

私は、南北首脳会談や中朝首脳会談の結果、北朝鮮に対する軍事オプションの有用性が高まったと考えています。

—それはなぜですか。

道下:これらの会談を通じて、金正恩が合理的な人物であることが明らかになったからです。昨年まではクレージーな人物である可能性がありました。それゆえ、軍事オプションを取れば米朝が全面戦争に陥る可能性を排除できなかった。

しかし、南北首脳会談や中朝首脳会談を実施する中で、金正恩が困ったときには頭を下げることもできる、合理的な判断力の持ち主であることが判明しました。北朝鮮に鼻血を出させる程度の軍事攻撃――金正恩を殺害したり、体制崩壊を狙ったりしないもの――であれば、米国がこれを実施しても、北朝鮮が自暴自棄になって全面的な報復攻撃をするようなことはない。

それゆえ私は、軍事オプションの有用性が高まったと考えています。昨年は米国が北朝鮮に攻撃をかける可能性を5%程度と見ていましたが、今はその可能性が高まったとみています。金正恩が合理的な人物であることは良いことでもあるわけですが、軍事行動の可能性を高める面もあるわけです。

在韓米軍の大幅削減をのむ

—第3のシナリオはどのようなものでしょう。

道下:これは、北朝鮮が「核兵器をすべて廃棄する」のと交換で、米国が、韓国の防衛に対するコミットメントを低下させるシナリオです。これが実現する可能性は35%。

トランプは以前から韓国の「防衛ただ乗り」を批判し、在韓米軍の縮小を示唆しています。加えて、北朝鮮の核兵器がなくなり、南北関係が改善に向かうわけですから。

—米国が在韓米軍を撤収させるのですか。

道下:そこまではいかないでしょうが、兵力を大幅に削減する、あるいは有事駐留のような形にすることはあり得ます。平時は司令部機能などに限定し、有事が生じたら本格的な戦力を動員する。

韓国が拒否しなければ、この方向に進むでしょう。一方、韓国が米国に現状維持を求める場合には、駐留経費の負担増を求めたり、米韓自由貿易協定でさらに米国に有利な条件を出すよう求めたりするかもしれません。

—韓国の安全保障が危機にさらされることになりませんか。

道下:おっしゃるとおりです。なので韓国が保守政権ならあり得ない話です。保守派は米韓同盟の守護者であることをもって韓国政治の本流を任じてきました。

しかし、進歩派の文在寅(ムン・ジェイン)政権ならやりかねません。国家の安全よりも、内政面で保守派を追い落とすことを優先する。前大統領の朴槿恵(パク・クネ)と元大統領の李明博(イ・ミョンバク)が逮捕され保守派はおぼれた犬の状態にあります。これにとどめを刺す。

国家の安全保障よりも内政を優先する政治を韓国はこれまでも何度か繰り返しています。

—韓国の防衛メカニズムが弱体化するのを待って、北朝鮮は軍事的に半島を統一するつもりでしょうか。

道下:いえ、北朝鮮にその能力はありません。武力統一は夢のまた夢です。韓国もそう考えています。韓国の国防費は392億ドルで世界第10位(2017年)、ミサイルも1000発以上持っています。独力でも相当のことができます。だからこそ、文政権は在韓米軍のプレゼンス低下をのむことができるのです。ただし、島々への砲撃などの限定的な武力行使は容易になるでしょう。

—現行の在韓米軍はどれほどの役割を果たしているのでしょうか。

道下:北朝鮮が韓国に本格的な攻撃をかけた場合、韓国軍は単独でも最終的には勝利できるでしょうが、かなりの被害を覚悟しなければなりません。米軍が駐留していれば、比較的短期間に、被害が小さいうちに反攻することができます。また、米韓同盟の圧倒的な力により、北朝鮮を確実に抑止できます。

—在韓米軍は日本にとってはどのような価値がありますか。

道下:在韓米軍が撤収し、韓国が中立化する。これはすなわち、韓国が中国に取り込まれることを意味します。「衛星国になる」とまでは言いませんが、中国の影響を非常に強く受けることになるでしょう。在韓米軍がいる現在ですら、韓国の立ち位置は定まりません。在韓米軍がいなくなった時にどうなるかは推して知るべしと言えるでしょう。

韓国の名目GDPは1兆4112ドルで世界11位(2016年)です。これだけ大きな力を持つ国が中国の側につくのは、日本にとっても非常に大きな問題です。

—そうした事態になれば、日本にとっての防衛ラインが南北を分かつ38度線から対馬海峡に後退するという見方がありますね。

道下:その通りだと思います。

私は、米韓同盟弱体化の方向で中朝が合意したと見ています。

—朝鮮半島における米軍のプレゼンスが低下し、韓国がより親中になれば、中国にとっては願ったりかなったりですね。必然的に中国のプレゼンスが高まるわけですから。

道下:その通りです。ただ、この話を韓国でしたところ、「中国の脅威に目覚めた韓国が、米国や日本との関係回復に乗り出すのでは」という意見がありました。中国から難題を突き付けられたり、北朝鮮が増長したりするからです。

韓国では、保守派の基盤層が有権者の35%、進歩派の基盤層が25%ほどを占めるそうです。保守派はまだ滅んではいない。

—次の大統領選挙で保守派が勝利すれば、流れが変わる可能性があるわけですね。

道下:次は無理かもしれませんが、次の次はあるかもしれません。

金正恩がゴルバチョフになり国内動乱

—第4のシナリオはどのようなものですか。

道下:私はこれを「ゴルバチョフ・シナリオ」と呼んでいます。金正恩が北朝鮮を改革する。国際社会からバカにされ、見下される現状を改め、尊敬される国にする。金正恩はスイスに留学した経験あり、北朝鮮の現状に不満を感じていると思います。だからこそ、ミサイルの発射シーンを世界に配信して力を誇示したり、美しい奥さんを見せびらかしたりするわけです。

しかし、この第4のシナリオは大きなリスクを伴います。ゴルバチョフのように経済や社会の改革を進めていけば、既得権益を失う層は強く反発する。この力が大きくなれば政権によるコントロールが効かなくなり、北朝鮮全体が不安定化するかもしれません。金政権が崩壊に至ることもあり得るでしょう。このシナリオが起こり得る可能性は5%程度と考えます。

また、第1のシナリオを進めるうちにこの第4のシナリオに飛ぶこともあるかもしれません。

—反体制派になるのは、朝鮮人民軍でしょうか。

道下:それほど単純ではありません。改革をする過程で、当然、軍にも利権=「アメ」を与えるでしょう。

金正恩は軍においても党においても、「アメ」をばらまいて懐柔しつつ改革を進めるでしょう。改革がうまくいけば経済のパイが大きくなりますから、その恩恵を受けられる人も拡大すると思います。優秀な人材と地下資源を豊富に持つ北朝鮮は成長の潜在力は高いものがあります。

—元々は第1~第3だったシナリオに、第4のゴルバチョフ・シナリオを追加されました。これは契機になる動きがあったのでしょうか。

道下:今年に入って金正恩の対外的な露出度が高まりました。その結果、彼が若い、普通の合理的な青年であることが分かりました。南北首脳会談で笑顔をふりまく姿には、人気者になりたい気持ちが強く表れていました。だからこそ、ゴルバチョフのように改革を進める意思がある。

その一方で、経験不足であることも露呈しました。トランプが米朝首脳会談の中止を宣言した後、間髪入れずに金次官が「詫びの談話」を発表したのはその一例です。これらを考え合わせるとゴルバチョフ・シナリオが浮上してくるわけです。(敬称略)

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