7/8日経ビジネスオンライン 福島香織『中国の株価乱高下は権力闘争なのか?習近平 VS 江沢民、そして泣くのは人民』と7/10ZAKZAK 田村秀男『習体制揺さぶる中国株暴落 対立派閥による“権力闘争説”まで…』について

中国には日本人の基準で言うまともなものは何もありません。国の発表する数字、企業の発表する数字、皆デタラメです。温州の新幹線事故、東方之星の沈没事故、毒餃子、毒粉ミルク等挙げればきりがありません。自己中の人達です。「中華思想」そのものが自己中の際たるもの。孔孟思想も仏教も中国には根付かなかったではないですか。総ては自己中のせいです。それで平気で人を騙す、裏切るのはそうしないと殺される可能性が高いからです。今でもです。日本は漢文の授業で、論語を学んで、中国人はその通りに生きているという思い込みで見るから間違います。誠実・正直・慈悲を旨とする日本人とは大きく違うという事を認識しないと痛い目に遭います。

中国の株式何てイカサマ賭場そのものでしょう。福島女史が言うように、権力に近い所しか儲かりません。インサイダーが当たり前なので。大幅下落はドイツからギリシャ救済の支援を頼まれた返事としてわざと下げたという記事をネットで見ました。真偽のほどは分からず。

大きく考えたら、2.1兆$(昨年3月、ブルームバーグ)もの債務を3経済主体で負っているのに、土地や株が上がることが不思議です。花見酒経済です。外資はどんどん逃げ出すでしょう。少なくとも国の命令で売買停止するようでは新たな買い手はつかないでしょう。買っても売れないのでは怖くて買えません。所詮、複式簿記の概念が分からない人達ですから。

田村秀男記事

 中国共産党は株式暴落の最中の7月1日に創立記念日を迎えた。翌日の中国語のSNSがつぶやく。

 「共産党のシンボルは赤の生地、ハンマーと鎌。ハンマーが株式市場をぶち壊し、鎌が投資家の肉を削ぎ、その血で国が真っ赤に染まる」

 もとより党は反資本主義イデオロギーをとっくの昔にお蔵入りさせている。特に習近平政権は停滞が続く不動産市場に代わる投資先として株式市場を重視し、人民に株式投資を大いに奨励してきた。中国人民銀行に利下げさせ、個人が借金して株式投資しやすくし、国営メディアを動員して株式投資ブームを演出し、株価を釣り上げてきた。

 ところが、株価は低迷を続ける景気とのかい離がひどくなった。典型的な株式バブルであり、6月中旬過ぎから崩落し始めた。「株民(個人投資家)」たちは党によって株式におびき寄せられたと気付いたが、売り逃げようとしても、大きく損するので売れない。

 グラフ(コピーできません。申し訳ありません)は過去1年余の個人による上海、深圳両証券取引所の株式投資口座新規開設数である。株価がピークに達した6月12日を含む6月ひと月間だけで合計1600万口座に上る。6月の口座数は2億7300万で、前年同月比で6600万口座も増えた。一人の個人が複数の口座を持つケースもあるから、口座数がそのまま株民の数と決めつけられないが、当局発表の2倍以上になるとみてよい。

上海の知人に聞くと、5月末に保有株をすべて売ったのは大正解だったが、息子がその資金を借りて新しく口座を開設し、投資したところ、大暴落の憂き目に遭ったとぼやいていた。グラフが示すように、口座開設数は4、5月から急増している。

 上海、深圳合計の株式時価総額(7月6日時点)は株価ピークの6月12日比で日本円換算416兆円減った。中国の国内総生産(GDP、2014年)の3分の1相当が消滅したことになる。

 習政権はなりふりかまわず、株価てこ入れに躍起となっている。証券業界を総動員して株買いさせ、人民銀行に株買い資金を供給させるなどだ。

 億単位の株民が党を信じたのにだまされた、党が無理やりに株価をつり上げたことが暴落の原因だ、と考え始めている。党が株価下落に歯止めをかけられないなら、それこそ政治不信につながりかねないだろう。

 ネットでは株価暴落の「真犯人」探しも活発だ。当初は、香港を拠点にする米欧系投資ファンドの投機売り説が流れた。習政権は昨年11月に香港経由に限って外国人投資家による上海株投資を解禁したが、6月上旬に外国人投資が一斉に資金を上海市場から引き揚げたという事実がある。

 権力闘争説もある。習近平体制と対立する党長老の江沢民・曽慶紅グループが外資を装って巨額の空売りを仕掛けた、というわけで、政治的背景からすると、なるほどと思わせる。まさに、中国株の世界は魑魅魍魎、何がこれから起きるかわからない。 

福島香織記事

先日、とある経営者の勉強会の場で、ある参加者が「中国には株で儲けた人が多い。その金が日本の爆買いの資金となっている」という自説を披露された。そこで私が「何の政治的背景もない庶民が中国株で儲けるのは難しい。中国の株式市場は、企業の業績や景気の動向で決まるものではなく、政治と権力闘争によって決まるので、政治的コネのない一般市民はまず、損をします」と反論してしまった。実はその発言者は日本の証券会社の経営関係者だったので、「私の周りには中国株で儲けた方がいっぱいいますよ。福島さんもいい加減、自説の間違いは認めた方がいい」と相当自信を持っておられるようだった。ちょっと場が険悪になりそうだったので、私は「90年代は確かに、株で儲けるチャイナドリームが存在しましたね」とだけいって、その話は終わりとなった。

勝ち逃げできるのはほんの一握り

 正直、驚きだったのは、その勉強会が行われた時点で、すでに上海株価の暴落が始まっていたのにもかかわらず、その経営者は「今、中国は株価が上昇している」と話していたことだった。確かに昨年の今頃はまだ、上海総合指数は2000台で、それと比べるとこの原稿執筆時で3600台だから、まだ高いとは言えるし、証券会社という立場もあってのことだとは思うが、この乱高下が中国の経済の実態とほぼ無縁の危ういバブルであることは、日本の新聞を読んでいても分かるはずである。そして、バブル崩壊によって勝ち逃げできるのはほんの一握りの選ばれし人たちだけなのだ。

 だが、日本の証券会社さんまで、中国株式市場をそこまで評価してしまうのは、ちょっと意外であった。いわゆる経済屋さん証券屋さんと違う視点、中国内政の視点、あるいはゴシップの視点で、中国の今の株価乱高下の背景を考えることも必要ではないだろうか。

中国の株式市場というのは、自由主義経済の国々とは大きく異なる。一つは個人投資家が非常に多い。株式投資人口9000万人のうち8割以上が個人投資家である。しかも、個人投資家には二種類ある。一般庶民と、政治的背景のある民間人である。政治的背景のある民間人とは、先に述べた温州仕手集団の億万長者たちや、党中央幹部や政治局員、解放軍幹部の子弟、親族たちである。彼らは、株価に影響する政策の変更や政府主導の開発計画などの情報を公表前にキャッチできるので、ほぼ必ず株で利益を得ることができる。

 もう一つは、中国の株価は政府の介入によって非常に細かく管理されている。例えば2012年、習近平が総書記に就任した直後、株価が暴落した。政権にとって、これは面目の失うことであり、この時、政府はIPOの一時停止を決めて株価維持に努めた。一方、習近平政権は、金融市場の活性化を経済政策の柱においており、2014年にIPOを再開。株高誘導政策を進める。具体的には香港市場と上海市場の相互取引実施によって個人投資家および外国機関投資家への門戸を拡大し、四度に渡って利下げを行い、銀行の資金を株式市場に誘導。こういった政策をうけて、一度上海市場を離れていた温州グループなど仕手集団も昨年春ごろには戻ってきたという。

官製株バブル、5月末から大暴落

 こうした株価引き上げ策によって、2014年5月から今年5月にかけて上海総合指数は2.5倍を超える急上昇を見た。今年春は、インサイダー情報を持っていない庶民ですら、政府主導で株価が上がるらしいから、今が買い時だと誘導に乗り、高利貸しに借金をして高レバレッジの信用取引にはまりはじめた。

 だが、どんなに業績の悪い企業も一様に株価が上がっており、明らかに不正常な現象である。地方の工場地帯を歩けば、一目瞭然の景気後退。工場閉鎖や縮小、給与や経済保障金をめぐるトラブル、理財商品の償還不履行騒ぎなどが毎日のようにニュースとなっている。

 この官製株バブルが崩壊しはじめたのが5月28日。さらに6月19日の週も、6月25日の週もと大暴落が続き、6月半ばからみると28%の下落を記録した。

習近平政権の狼狽ぶりをみれば、この株価暴落は官製誘導ではない。政府はIPOを再度停止し、信用取引規制を緩和させて、追加証拠金を入れるための株式換金売りを食い止めようとした。さらには21社の証券会社に株価を下支えするため1200億元を上場投資信託に投資させる異例の対応策を発表するまでになった。

 ところで、習近平政権の鉄板に見えた株高誘導政策がなぜ急に、破たんしたのか。

暴落の背景に、習 VS 江?

 一般に言われているのは、「ギリシャ危機の影響」「実態経済を反映していない官製誘導の中国株バブルはいずれはじける運命」「外国の著名投資家が空売りを推奨した」などだ。

 ここで、いかにもチャイナ・ゴシップ的な一つの噂を紹介しよう。今回の株価暴落の背後には習近平と江沢民派の権力闘争があるという説である。

 ネタ元が香港蘋果日報なので、注意しつつ読んでほしい。5月28日の株価暴落は、中国国有投資会社・中央滙金が2008年以来保持していた四大銀行株を35億元分売ったことが一つのきっかけと言われている。5月29日、中央滙金の取締役社長の解植春の解任が発表されたため、いろいろと憶測が飛んだ。解植春自身はすでに2月に辞意を伝えており、ようやく承認されたので、株価暴落とは関係ない、と説明していたが。

 この中央滙金は中国投資有限公司(中投)の傘下企業であるが、中投は江沢民ファミリーと非常に密接な関係があると言われている。中投は2007年9月に国の外貨準備を多元的に投資する目的で作られた国有企業だが、このとき外貨準備管理局長だったのは江沢民の長男・江綿恒だったからだ。ついでにいえば、江綿恒の息子の江志成は、ハーバード大学卒業後、ゴールドマンサックスに入社し、投資手腕を磨いたのち、投資会社・博裕資本を創業したが、これには世界最大の投資ファンド運用会社・ブラックストーングループの出資があった。ちなみに、ブラックストーンが2007年に上場した際は、中投から30億ドルの投資を受けている。この時の中投が取得したブラックストーン株はこの7年間、年利にして4.38%の収益を上げた。

 5月28日の暴落をきっかけに、外国機関投資家の上海市場撤退が相次いだ。6月の第3週目に21億ドル相当の資金が引き揚げられ、その前の週には71億ドル相当が引き揚げられたと、オーストラリア・ニュージランド銀行がリポートしている。

ネット、メディア上で論戦

 さらに、6月15日、中央財経大学中国企業研究センター主任の劉妹威が微博上の発言に「楽視ネット(中国の動画サイト)の会長・賈躍亭はわずか3日で25億元分の株を売った」という一文があった。楽視が令計画(失脚済)の弟・令完成から巨額投資を受けており、賈躍亭と令完成が昵懇であったことは知られている。そして、反共ネットメディアの大紀元によれば、令完成は江綿恒ともビジネス上の深い付き合いがあったとか。もちろん中国株式市場はすでに10兆ドル規模を超えているので、数十億元程度の株の売りが、暴落の原因かどうかはわからないが、習近平政権に対して不信を持つ、個人投資家がそれぞれ数十億元ずつ一斉に売れば、確かに政権の株高誘導政策を覆せるかもしれない。

 中央宣伝部長の劉雲山の息子の劉楽飛が副董事長を務める中信証券は自社株の持ち株比率を今年1月13日から16日のわずか3日で20%から17%までに減らしていた。これは110億元に相当したという。劉楽飛は、目下、習近平の汚職ターゲットに浮上している人物でもある。江沢民派の金融界の大物であった元人民銀行総裁の戴相竜が3月に紀律検査委に「自首」し、その娘婿の事業家・車峰が6月に拘束され、その車峰と親交のあった劉楽飛が拘束されるのも時間の問題と言われている。中国株式市場の、一般庶民でない個人投資家というのは、習近平の反腐敗キャンペーンでターゲットになっている人たちの親族、友人が多いことは確かである。

 中央滙金の「四大銀株売り」が、習近平の株高誘導政策に対する挑発であったことは、実はその後、証券当局と滙金幹部のメディア上の論争からもうかがえる。やはり大紀元が上手く整理していたので、参考にすると、6月12日、証券監督管理委員会主席の蕭剛は中央党校での講義で、「改革を推し進めていく論理はすでに成立している。市場を支えるのは銭が足りないことではない。実態経済が悪いのに株式市場がバブルであるという言い方は道理がかなっていない。株式市場が強気なのは中国が7%成長を維持できるという予測を基礎にしている」などと発言。これに対し、中央滙金の副会長である李剣閣が「改革の推進が市場の強気の理由というのは、困惑させられる。7%成長が市場の強気の根拠というなら、10%成長の時の株価はどうだったか。もし、7%成長が失速したら、市場の強気は維持できるのか?」とメディア上で批判していた。この李剣閣の反論について、中国政法大学資本金融研究院院長の劉紀鵬が6月30日に「国家の牛(強気)を屠って滙金は何がしたいのか」と題する論評を発表。今の市場の乱高下の裏に、政治的対立があることをほのめかせた。

これをさらに受けて、著名国際政治・経済学者の呉稼祥も7月1日に微博上でこう発言した。「中国証券当局は、手をつけかねて無策に陥っている。彼らは病巣が探せないのである。探せても、おそらく納得できないのである。劉紀鵬(中国西方大学教授)はこの(株式)戦争について、こう診断している。現物はカラであり、つまりは先物もカラであり、これらがぶつかり合っている、と。中国証券当局は、いい加減なことをして国を過たせるな」と述べた。

割を食うのはいつも普通の人民

 呉稼祥のつぶやきは、ネットでかなり論議の的となった。あるネットユーザーは、呉稼祥に「すでに単純な株式市場の問題ではなく、背後に激烈な政治の博打的な駆け引きがある!目的は改革のプロセスの扼殺だ」と述べていた。呉稼祥は「中国最大の敵は、内鬼(獅子身中の虫)である」と語り、これに呼応したネットユーザーは「それは絶対にガマガエルと慶親王だ」と答えていた。ガマガエルは江沢民、慶親王は曾慶紅を意味する隠語である。

 証券監督管理委員会は、2日、現在の株価暴落に市場操作の疑いがあるとして調査を始めると発表している。ターゲットは滙金だというもっぱらの噂だ。

 中国株式市場の乱高下が、果たして江沢民派の習近平政権への反撃なのか、私には今のところ自信をもって言える根拠はない。ただ、これが社会不安につながり、すでに地を這うような中国経済にさらなるとどめをさすことになると、2017年の党大会に向けた習近平の権力基盤強化にも影響が出てくるだろう。そして習近平の株高誘導政策に結果的に踊らされた普通の個人投資家たちには、全財産を失い、借金まで抱えて、自暴自棄になり、自殺に走る人たちもいるそうだ。権力闘争で割を食うのは、いつでも、普通の人民なのである。