11/23日経『対中国、「甘い幻想」捨てよ 米国防総省顧問 マイケル・ピルズベリー氏』について

昨日掲載しました高島康司氏ブログがやはり違っているというのを裏付けるような記事がありました。中国の内部情報が漏れることは少ないと思われますが、このような偽情報を出すメリットは中国にはないと思いますので信用して良いと考えます。

11/23宮崎正弘メルマガに「中国外交チームの内部資料が暴露  習近平訪米は鄧小平以来、最大の外交失敗だった、と。博訊新聞網が伝えている(2015年11月22日)。

 九月の習近平訪米は「鄧小平以来最大の外交失敗だった」と外事工作領導小組が内部報告文書で印していることが分かった。

 失敗と総括される理由は三つあり、第一にNY地裁南区裁判所が、訪米直前に在米中国人が訴えていた人権侵害の起訴状を受理したこと。これは在米の鳥永田、孫天鵬らが「中国国内における取り調べの残酷さ、人権活動家の弾圧」などを事由として習近平を告訴したもの。

 第二に弁護士、ジャーナリストら二百名をこえる人権活動家の拘束にオバマ大統領が抗議したこと。

 第三はハッカー攻撃について、習近平はいささかの反省もなく米国を怒らせてしまったこと。

 習訪米は外交部を中心に一年前から準備し、各方面に前準備を奔走してきただけに、駐米大使の崔天凱は疲労困憊で吐血したほどだったという。

また訪米前に楊潔チ、孟建柱らを派遣し、訪米成果の下工作に当たったが、すべては無駄に終わった。」とありました。

ピルズベリーは気づくのが遅かったですが、better late than neverです。アメリカの歴史でキッシンジャーは売国奴として扱われるでしょう。どうせ中国のことですから賄賂か、ハニートラップを仕掛けているでしょう。他のパンダハガーも同じようにしていると思います。米国の中国通は「中国も豊かになれば民主化する」と幻想を抱いていましたが、民主化するはずがありません。長い歴史の中で民主化(人民民主でなく、議会制民主主義)したことはありません。日本は1890年選挙を経て帝国議会が開設されましたが。中国では今後も共産党統治が続く限りあり得ません。米国の政策決定者がピルズベリーの言い分を信じていないのは愚かです。オバマのことと思われますが、宥和主義こそ戦争の原因になることを肝に銘ずべきでしょう。ラッセンだけでなく他の艦船も、頻度も多く南シナ海を航行すべきです。軍事基地化は経済制裁の対象になると明言すべきです。 

記事

1972年にニクソン大統領が訪中して以来、米国はあらゆる支援を通じ、中国が強くなるのを手伝ってきた。

 中国が強大で豊かになれば、ジーンズやロック音楽を好む中間所得層が生まれ、米国のような国になっていく。やがて民主化も進み、中国は米国の同盟国になるにちがいない。中国を助けたのは、こんな前提を信じたからだ。

 70年代には米国のライバルは日本であり、貧しく、遅れていた中国は決して米国に挑むことはない、とみられていた。つき合うべき友人は中国であって、日本ではない。こうした見方を初めにキッシンジャー元国務長官らが唱え、しだいに米国内に広がっていったのだ。

 いまから振り返れば、その考えは誤りだった。ところがワシントンではいまだに、中国が協力相手になるとの希望的な観測が幅をきかせ、支援が続けられている。オバマ政権は、中国のイノベーションを促す会議を発足させ、最もすぐれた科学者や起業家がノウハウを手ほどきした。

 米国が中国への幻想を捨てられないのは72年以来、両国がさまざまな秘密協力によって結ばれてきた実績があるからだ。私はそれらにかかわり、近著「China 2049」で内幕を書いた。たとえば、中国は当初、敵対していたソ連軍の師団やミサイル基地がどこにあり、何発の核ミサイルを持っているのかすら、知らなかった。そこで、米国は偵察衛星などでつかんだ機密情報を教えた。

 アフガニスタンにソ連が侵攻した後には、米国は中国から約20億ドル分の兵器を買い上げ、アフガンの反ソ武装勢力に流した。80年代には、カンボジアからベトナム勢力を追い出すため、米中がタイやシンガポール、マレーシアと組み、秘密工作も展開した。

 こうした実績があるため、米国の政策決定者の多くは、今後も中国と協力できると思っている。(南シナ海の人工島などの)問題は一時的なものにすぎないと考えているようだ。中国側も米国に対抗する戦略など存在しないと力説する。

 しかし、私の見方が正しければ、中国の言っていることは真実ではない。彼らは(建国100周年の49年までに米国を抜き、世界覇権をにぎるという)マラソン戦略を着々と進めている。対抗するには、中国が崩壊するという言説に惑わされず、米国の競争力を強めることが大切だ。

 米国は米中秘密協力について、日本には一切、教えてこなかった。日本は憲法の制約上、他国には軍事支援できないうえ、秘密工作を担う機関もないので、知らせる必要はないと考えられてきたのだ。米中間でどのような協力が進んでいるのか、日本は今からでも米政府に情報の提供を求めるべきだろう。

(談)

Michael Pillsbury 米コロンビア大学大学院で博士号。長年、米国防総省などで対中戦略に携わる。ハドソン研究所にも在籍。70歳。

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