『TSMC新工場ができても日本半導体の復活にはつながらない理由 確保できない半導体サプライチェーン』(11/3JBプレス 湯之上 隆)について

11/3The Gateway Pundit<Virginia Republicans Not Only Win Big Statewide Races, the House Also Turns Red – Gain Seven Seats from Democrats>

民主党の悪政(アフガンからの無様な撤退、強制ワクチン、警察予算削減&BLM・Antifaの放置、不正選挙)を経験すれば、選挙民が民主党を選ぶはずがない。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/virginia-not-wins-big-statewide-races-house-also-turns-red-gains-seven-seats-democrats/

11/3The Gateway Pundit<Steve Bannon: “Biden’s Presidency Ended Last Night – He’s a Lame-Duck… The Radicals Are Like Wounded, Cornered Animals” (VIDEO)>

バイデンは就任して1年も経っていないのに、もうレイムダックとは。無能の一言。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/steve-bannon-bidens-presidency-ended-last-night-lame-duck-radicals-like-wounded-cornered-animals-video/

11/3The Gateway Pundit<More Tricks: NYT Changes Results from >95% Reporting in Virginia Race to 94% Reporting — FOX Goes from 97% to 94%!>

メデイアは左右に関係なく、選挙の数字をいじっていると言うこと。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/tricks-ny-times-changes-results-95-reporting-virginia-race-94-reporting/

11/3The Gateway Pundit<BREAKING: Democrat Tricks in New Jersey Governor’s Race – Republican Winning Largest County with 100% of Votes Counted Then Vote Flips and Democrat Miraculously Wins County>

2020年の選挙の再現では。共和党員と共和党に投票した人は、もっと声を上げないと、民主党の好き勝手にされてしまう。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/breaking-democrat-tricks-new-jersey-governors-race-republican-winning-largest-county-100-votes-counted-vote-flips-democrat-miraculously-wins-county/

11/4阿波羅新聞網<彭帅关键字全封杀!中国网民写“晶晶体”突破审查偷聊八卦=彭帥のキーワードはすべてブロックされている!中国のネチズンは、検閲を突破してゴシップについてチャットするために「晶晶体」を使う>中国の有名なテニス女性プレーヤーである彭帥(左の写真)は昨夜、中国国務院元副首相の張高麗(右上の写真)との不倫関係について自ら暴露した。中国のネチズンは、中国語と英語を混ぜた「晶晶体」を使って、議論の検閲を突破することしかできない。 彭帥のFacebookファン、ウィキペディア、中国豆瓣フォーラムのフリップショットでは「晶晶体」が用いられている。

中国の有名なテニス女性プレーヤーである彭帥(左の写真)は昨(2日)深夜にWeiboに投稿し、中国国務院元副総理の張高麗(右上の写真)との不倫関係で、3年近く不正常な男女関係にあったと。張高麗の「遊んだ後は必要ない」にぶつかり、このため、この「恋情」を明らかにし、「滅んでも飛んで火にいる夏の虫」として、「あなたとの事実を伝える」必要があると思ったが、暴露してすぐに彭帥の記事が消えるとは思っていなかった。たとえば、「彭帥」「張高麗」、「テニス」などのキーワードに関する議論はすべてブロックされ、中国のネチズンは事件についての彼らの見解を表現するために中国語-英語混合法である「晶晶体」を使うしかなかった。

昨夜遅くから、Weiboや豆瓣フォーラムで関連するニュースは見つからず、以前中国のネチズンが使っていた「名前のピンインの略語」でさえ、例えば彭帥の「PS」、張高麗の「ZGL」なども、関連する議論はまったく見つからない。これらにより、中国のネチズンは、当局のネットをブロックするのがどれほど強力かを知ることができた。

下の写真に「晶晶体」の例があります。これも使えなくなるかも。

https://www.aboluowang.com/2021/1104/1667650.html

11/4阿波羅新聞網<中共高官不贪淫才出奇!王丹爆:是谁给了彭帅这么大的胆子=中共高官が貪欲且つ淫乱でないのは珍しい!王丹は暴露:彭帥にそんな勇気を与えたのは誰か>彭帥はWeiboに歴史に残る証言記事を投稿したが、記事はすぐに削除され、王丹はこの件に関して、元中国副首相の張高麗がテニススターから不倫の恋を暴露されたと直言した。問題自体は珍しくなく、中共高官が貪欲且つ淫乱でないのは珍しいことである。

しかし、もっと興味をそそる点が2つある。王丹は次のように指摘した。1.元政治局常務委員を実名で通報するには、大きな勇気と気力が必要である。彭帥にそのような勇気を与えたのは誰か? 2.このスキャンダルは、中共19期六中全会の前夜に発生した。タイミングが巧く合いすぎる。

王丹は更に「張高麗とは誰か?彼は江沢民の腹心であり、江派の大将である。これを知っていると、この事件の真意は別のところにあり(醉翁之意不在酒)、想像するのは難しいことではない」と言った。

彼はまた、もっと興味をそそるのは、習近平が権力を握って今まで、大きな動きで江派人脈を打ち負かす必要があるのはなぜかということであると述べた。明らかなことは、習近平は確かに外の世界が考えるほど強くはないということである。

習が6中全会を乗り切るために利用したと。

https://www.aboluowang.com/2021/1104/1667597.html

11/3阿波羅新聞網<彭帅遭玩弄!矢板明夫直言江泽民的婚外情也绝不比张高丽少=彭帥はおもちゃにされた!矢板明夫は、江沢民の婚外恋愛は張高麗のそれ以上のものであると直言した>中国の有名な女子テニス選手の彭帥は、台湾のテニス選手の謝淑薇と組んで、グランドスラム女子ダブルスで2回優勝し、スポーツ界で注目を集めていた。しかし、2日の夜、彭帥はWeiboに長い文を投稿し、中共国務院元副総理の張高麗と「不倫の恋」の時期があったが、相手は「遊びが終われば用はない」と。事件が起こったとたん、日本の産経新聞台北支局長である矢板明夫もフェイスブックでこの問題についてコメントした。

矢板明夫は嘆いて、彭帥の言葉は私に次のように感じさせたと。「共産中国の権貴に弄ばれた女性たちの悲しみは、たとえ彭帥のような功なり名を遂げたテニスチャンピオンであったとしても、40歳年上の男性のハラスメントは拒絶できず、より普通の女性の状況はもっと哀れに違いない」。

矢板明夫は、江沢民と賈慶林は張高麗と同じように婚外恋愛をしたが彼らの方が多く、中共にとっては、「政治的に失敗しない限り、いくら女性をハラスメントしても罰せられることはない。これが今の中国だ」と率直に語った。

共産主義を含む専制主義は全部権力者の専横に泣かされる。

https://www.aboluowang.com/2021/1103/1667497.html

11/3阿波羅新聞網<中共军方紧急声明:这是一条假消息!极易引发严重后果【阿波罗网报道】=中共は軍事緊急声明:これはフェイクニュース!安易な引用は深刻な結果を齎す[アポロネット報道]>アポロネット秦瑞記者の報道:11/2、中共軍事の喉と舌はネット上での「人民武装部が予備退役軍人を召集するテキストメッセージを送信した」という「デマ」について否定し、「法律に従って調査および処理され、決して容認されることはない」と。

下のメッセージを見ますと台湾攻撃の準備を万端にし、いつでも応召できるようにと書いてあります。分かっていて上の方が書かせたのかも。

https://www.aboluowang.com/2021/1103/1667522.html

11/3阿波羅新聞網<习近平躺枪!中共军方“指导”如何看清其战略意图【阿波罗网报道】=習近平はとばっちりを食らう! 中共軍の「指導」はその戦略的意図をどのように見ているのか[アポロネット報道]>アポロネット秦瑞記者の報道:本日(3日)中共の喉と舌の「解放軍報」が、「敵の“醉翁之意(真意)”をよく認識せよ」という記事を発表した。著者の職場は中共の「陸軍研究所」である。 記事の見方は、意図せずに習近平にとばっちりを食らわせ、一定期間内の頻繁な軍用機の台湾向け発進と軍事演習を行い、この記事を解釈して別の「モデル」になった。

偶発的戦闘が起きる可能性はある。

https://www.aboluowang.com/2021/1103/1667496.html

何清漣さんがリツイート

Frank Tian Xie(謝田)、Ph.D. @ franktianxie 10時間

実際、事件を判断することは難しくない。裁判官は起訴を却下すべき。祈りはもちろん役に立つが、物事は神が行う。原告は神を訴えることができるが、裁判所は管轄権を持たないため、受理できない。

lily valley  @lilyval15187063 11月2日

外国版の葉公は龍を好む(見掛け倒しで、本物ではないことの例え)

何清漣さんがリツイート

李江琳 @ JianglinLi 9時間

良いニュースが多いのは心配ない。昨日のペンシルベニア州選挙で共和党の候補者が最高裁判所の判事に勝った。 https://electionreturns.pa.gov/#

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何清漣さんがリツイート

Shijie詩姐@  shijie808 15時間

今日の各州の選挙では、民主党が人種カード、ジェンダーカード、警察の予算削減カード、トランプのヘイトカード、増税の公正分担による福祉カード、より良いインフラの構築カード等の社会主義カードを失ったことが証明された。民主党の考え、政治綱領、イデオロギーはひどいものである。

何清漣 @ HeQinglian 1時間

国連気候サミットは、「森林と土地利用に関するグラスゴー指導者宣言」に署名した。

発展途上国の指導者たちは、貧しい国々は2020年までに約束された年間1,000億米ドルの気候援助を受けていないと不満を述べた。

先進国は、民主党のマンチンの妨害のためにバイデンの排出削減計画が実行されなかったことを懸念している。

NYTは、中国の経験を称賛した:中国の森林被覆率は、1980年代の12%から現在は23%に増加している。

何清漣 @ HeQinglian 1時間

NYTは米国左派メディアのトップの名に恥じず、NYTは彭帥の話をMeTooのカテゴリーに入れた。

「有名なテニス選手の彭帥は、中国の元副首相を性的暴行で公に告発し、インターネット上で激しい議論を引き起こした。「私も」(#MeToo)の告発が中共最高権力層に触れたのはこれが初めてである。」https://cn.nytimes.com/china/20211103/china-metoo-peng-shuai-zhang-gaoli/

彭帥がMeTooをフォローしていることに気付いた場合は、情報をアップロードして投稿し、転送してください。これにより、米国の無数のフェミニスト組織の注目を集めることができる。

cn.nytimes.com

テニス名選手の彭帥は、中国の元副首相張高麗を性的暴行で告発した。

彭帥はWeiboに投稿し、張高麗元副首相に性的暴行を受けた経験について説明した。投稿はすぐに削除された。以前も、中国高官は性の不始末で開示されていたが、中共最高層が受けたのはこれが初めてである。

湯之上氏の記事では、TSMC熊本工場ができても①前工程だけでなく、後工程や最終製品の組立も日本国内で行わなければ、「経済安全保障」を確立したことにはならない②必要な技術者の確保がボトルネックになると。

それでは、日本の経済安保のために半導体生産をどうすればよいか、大きな絵を描いて示してほしい。経産省の役人だけでは抜けがあるかもしれないので。

記事

(写真:ロイター/アフロ)

(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

ソニーがTSMCの新工場に出資を検討

ソニーグループは10月28日、TSMCが日本に新設する半導体工場への出資を検討していると表明した(日経新聞10月29日)。ソニーの十時裕樹副社長は記者会見で、「ソニーのノウハウを生かして新工場の立ち上げに協力することで検討している」「具体的な出資、金額については包括的な検討、協議をしている」と述べたという。ソニー以外にも、デンソーが参画するという話もある。

TSMCの地域別売上高比率で日本が占める割合は、わずか4~5%しかない(図1)。しかも、日本では工場建設費やインフラ代が高い。その日本に、なぜTSMCが約2000人を必要とする22~28nmの新工場をつくることにしたのか、筆者は依然として理解できない。

図1 TSMCの地域別売上高比率(%)
出所:TSMCのHistorical Operating Dataを基に筆者作成

【本記事は多数の図版を掲載しています。配信先のサイトでご覧になっていて図版が表示されていない場合は、JBpressのサイト(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67579)でご覧ください。】

そして、日本政府や経済産業省がTSMCを誘致するに当たって、「経済安全保障の点から半導体のサプライチェーンの確保が重要である」ということを強調している。しかし、TSMCが日本に新工場を建設することが、どうして経済安全保障を強化することになるのかが分からない。加えて、TSMCが日本に工場を建設した場合、日本の一体誰が、22~28nmの半導体プロセスを開発し、生産するのかが分からない。

このように、TSMCの新工場については分からないことだらけである。そこで本稿では、筆者の疑問を具体的に示したい。そして、誰でもいいから、筆者の疑問に回答していただけることを願っている。

ソニーのCMOSイメージセンサとは

スマートフォンのカメラモジュールなどに使われるソニーのCMOSイメージセンサは、Pixelと呼ばれる画素、メモリのDRAM、ロジックの3つの半導体チップを張り合わせることにより形成されている(図2)。Pixelはソニーが生産し、DRAMはマイクロンなどのメモリメーカーから購入し、ロジック半導体をTSMCに生産委託している。

図2 ソニーのCMOSイメージセンサ(CIS)
出所:Chih Hang Tung, TSMC, “3D Integration for More Moore and More than Moore”, VLSI 2019, Short Course.

ここで、ロジック半導体は通常、設計、ウエハ上にチップを作りこむ前工程、パッケージングする後工程の3段階で生産されている(図3)。前工程を専門に行う半導体メーカーをファンドリーと呼び、TSMCはその分野のチャンピオンである。また、後工程を専門に行う半導体メーカーをOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)と呼び、そのトップシェアメーカーのASE、Amkor、JCETなどは、台湾、韓国、中国、東南アジアに工場を持つ。

図3 ロジック半導体の製造工程

さて、このようなイメージセンサについて、TSMCが日本に新工場をつくった場合、誰が、どこで、何をすることになるだろうか?

CMOSイメージセンサはどのように生産されているか

まず、これまでは、次のようにCMOSイメージセンサが生産されてきた(図4)。ソニーがロジック半導体の設計を行い、その設計データを基に、TSMCが所有するマスクショップで、マスクを製造する。TSMCはこのマスクを基にプロセス開発を行い、例えば500工程ほどのプロセスフローを確立する。そして、そのプロセスフローを基に、ロジック半導体を量産する。

図4 CMOSイメージセンサ(CIS)の生産とiPhoneの組立

このように生産されたロジック半導体はソニーに送られて、メモリメーカーから購入したDRAMおよびソニーが生産したPixelと張り合わせる。それが例えば台湾のASEなどのOSATに送られ、パッケージに封入されて各種検査が行われた後、中国にある鴻海(ホンハイ:本社は台湾)の工場でiPhoneなどのスマートフォンに組み込まれる。

では、TSMCが日本に新工場を建設した場合、CMOSイメージセンサの生産はどのようになるだろうか?

TSMCが日本に新工場を建設した場合

ソニーがロジック半導体を設計した後、マスクはTSMCのマスクショップではなく、大日本印刷(DNP)やHOYAなど日本のマスクメーカーが製造することになるだろう。次に、そのマスクを用いたプロセス開発と量産は、TSMCの日本工場で、日本人技術者が行うことになる。この問題については次節で詳述することとし、今は生産の流れを追うことにする。

TSMCの日本工場でロジック半導体が生産され、ソニーがPixelをつくり、DRAMをマイクロン広島工場から調達すれば、確かに3種類の半導体を全て日本国内で賄うことができる。

しかし、ソニーが3種類の半導体を張り合わせた後、OSATでパッケージ化しなければならない。その工場は日本にはないため、台湾、中国、東南アジア辺りのOSATに送られることになる。そしてパッケージ化されたCMOSイメージセンサは、中国にあるホンハイ工場でiPhoneなどに組み込まれることになる。

このように見てみると、TSMCが日本に新工場を建設した場合、前工程は日本国内で行うことができるが、後工程は他国・他地域に送られ、中国で最終製品に組み込まれることは何ら変わらない。これで、日本政府や経産省が言うところの「経済安全保障の点から半導体のサプライチェーンの確保」したことになるのか? 前工程だけでなく、後工程や最終製品の組立も日本国内で行わなければ、「経済安全保障」を確立したことにはならないのではないのか?

TSMCの新工場で誰が半導体を生産するのか

TSMCが日本に新工場をつくることについて、多くのアナリストやジャーナリストが「日本半導体の復活につながる」というような主張をしている。筆者は、このような意見に賛同できない。しかしその前に、TSMCの新工場で、一体誰がロジック半導体を生産するのかが、分からない。

TSMCの新工場は約2000人の雇用を創出するとの報道がある(JIJI.COM、2021年10月12日)。これは逆の見方をすれば、TSMCの新工場を運営するには、約2000人の社員が必要だということである。

筆者は、自身の経験、および知り合いの半導体工場経験者から、この約2000人の内訳を次のように推定した。まず半導体プロセス技術者が数百人、次に例えば500台以上の製造装置を保守管理する生産技術者が数百人、さらに3交代で半導体の生産に従事する社員が1000人以上、その他、総務、経理、資材などが数百人、である。

この中でも特に、日本人が経験したことがない22~28nmのプロセス技術者を、どこからどうやって集めるのか、そのプロセス技術者が22~28nmの半導体を開発し、量産することができるのか、ということが筆者には想像がつかない。

このようなことを言うと、「TSMCから22~28nmの技術移管を受けるのに、なぜ、数百人の半導体プロセス技術者が必要なのか?」と問われることが多い。この疑問に対する筆者の見解を以下で説明しよう。

数百人のプロセス技術者の必要性

例えば、現在TSMCの台湾工場で量産している22~28nmのプロセス技術を、日本の新工場にそのままそっくり移管する場合を考えてみよう。このような移管を“Copy Exactly”と呼んでいる。

TSMCの台湾工場と日本の新工場で製造装置がまったく同じだと仮定しても、プロセス技術者は必要である。というのは、同じ装置といっても、微妙な差がある。これを「機差」という。そして、機差があるため、例えば500工程のプロセスを移管する際には、ほとんどすべてのプロセスレシピをチューニングしなければならない。そのためには、相当数のプロセス技術者が必要である。

また、TSMCの台湾工場と日本の新工場とでは、全部とは言わないが相当数の製造装置が異なることが考えられる。というのは、TSMCが22~28nmを立ち上げたのは2012~2014年頃であるため、その頃にTSMCが導入した装置と、今後導入することになる装置は異なっている可能性が高いからだ。

このような場合、TSMCのプロセスレシピと同じ結果が得られるように、プロセスレシピをつくり直さなくてはならない。このようなケースを“Copy Essentially”という。そして、これは間違いなくプロセス開発に相当する。このような“Copy Essentially”を行わなければならない装置が多いほど、必要なプロセス技術者の人数は増えることになる。

新しいロジック半導体をどうやって開発するのか?

さらに、ソニーは、永遠に同じCMOSイメージセンサをつくり続けるわけではない。画素の向上は続くだろうし、DRAMやロジックの動作速度を上げる場合もあるだろう。また、スマートフォン用だけでなく、自動運転車用や監視カメラ用等、CMOSイメージセンサを搭載する製品も多種類になるだろう。その場合、ケースに応じて、新たにロジック半導体を設計することになる。すると、新しいマスクを製造し、そのマスクを使って新たなプロセスフローを開発することになる。

このプロセス開発を、TSMCの台湾工場で行うということは不可能ではないと思うが、あまりにも非効率である。というのは、TSMCの台湾工場で開発したプロセスフローを日本の工場に移管する場合、上記で説明した“Copy Exactly”に伴うチューニングや、“Copy Essentially”に伴うプロセス開発を行わなくてはならないからだ。

したがって、新たなロジック半導体を生産する場合は、TSMCの新工場でプロセス開発を行うことが合理的である。しかし、そのためには日本人が誰も経験したことがない22~28nmプロセスの開発を行わなければならないことになる。そのようなプロセス技術者が、一体どこにいるのだろうか?

そして、このようなプロセス技術者の必要性は、ソニーのCMOSイメージセンサよりも、車載半導体の方がズシリと思いと考えられる。

車載半導体の場合

40nm以降の先端の車載半導体は、TSMCに集中している(図5)。そのTSMCにおいて、車載半導体の生産が滞ったため、今年2021年1月に、クルマを国の基幹産業としている日米独の各国政府が台湾政府を通じてTSMCに車載半導体の増産要請をする異常事態が起きた(参考「なぜ車載半導体が不足するのか?カギ握る台湾TSMC」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64297)。

図5 40nm以降の車載半導体はTSMCに集中

そのTSMCが新工場を日本に建設し、車載半導体のボリュームゾーンとなっている22~28nmを生産できたら、「経済安全保障の点から半導体のサプライチェーンを確保」でき、半導体不足によるクルマの減産は解消されるだろうか?

残念ながら、筆者の答えは「No」である。以下でその根拠を説明しよう。

車載半導体のサプライチェーンの問題

この問題は、ソニーのCMOSイメージセンサと同じで、TSMCの新工場ができても解決しない。図6に示すように、これまでは、40nm以降の車載半導体を、ルネサスなどはTSMCに生産委託していた。その場合、車載半導体の設計をルネサスが行い、TSMCがプロセス開発と量産を行って、パッケージ化する後工程を、例えばASEなどのOSATが行っていたと考えられる。

図6 40nm以降の車載半導体の生産

そこで、TSMCが日本に新工場を建設したらどうなるか? 確かに、車載半導体のボリュームゾーンとなっている22~28nmの前工程を日本国内で行うことはできる。しかし、パッケージ化する後工程を行う企業が日本にはない。したがって、上記の車載半導体は、台湾、中国、東南アジアなどに送られてパッケージ化されて日本に戻ってくることになる。つまり、ソニーのCMOSイメージセンサと同様に、前工程と後工程のすべてが日本国内で完結しないのである。

半導体プロセス技術者の問題はより深刻

そして、ソニーのCMOSイメージセンサでも取り上げた半導体プロセス技術者の問題は、車載半導体では、より深刻になる。というのは、ソニーのCMOSイメージセンサの種類はそれほど多くないが(高々十数種類くらいではないか?)、車載半導体は非常に多数の種類があるからである。その種類の多さが以下の事例から分かる。

電気自動車(EV)で世界をリードする米テスラは、次のようにして車載半導体不足に対応した(日経XTECH、10月22日)。記事によればテスラは、入手可能な半導体に対して、ソフトウエアやコントローラを19種類も用意し、不足する車載半導体を補ったというのである。

この記事から分かることは、少なくとも19種類の(ソフトウエアで書き換え可能な)車載半導体が必要であるということだ。それ以外にも、筆者が世界半導体市場統計(WSTS)のデータからカウントしただけで15種類の車載半導体があった(図7)。恐らく、テスラがソフトウエアを書き換えたりしたのは、この中のロジックやMCU(Micro Controller Unit、通称マイコン)ではないかと思われる。

図7 車載半導体の種類と出荷額(2019~2020年)
出所:WSTSのデータを基に筆者作成

そして、恐ろしいことに、車載半導体の仕様やスペックは完成車メーカーごとに異なるのである。したがって、日本だけでもTSMCに生産委託している車載半導体は100種類を超えているのではないだろうか? すると、TSMCの台湾工場から日本の新工場に車載半導体のプロセスフローを移管する場合、その種類は100種類を超えることになる。これに対処するプロセス技術者の人数は、半端な数ではないはずだ。そのプロセス技術者を集めることができるのだろうか? 筆者には想像がつかない。

車載半導体不足は解消しない

このように、TSMCが日本に新工場を建設しても、「経済安全保障の点から半導体のサプライチェーンを確保」することはできず、数百人規模で必要となる半導体プロセス技術者をどうやってかき集めるかが、筆者には分からない。

そして、仮にTSMCの新工場に十分な人数のプロセス技術者を集めることができたとしても、車載半導体不足は解消できない。それは、クルマ産業界が100年に一度と言われる「CASE (Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)」の大変革期を迎えているからである。

TSMCの新工場で生産できるのは、22~28nmの(恐らくロジック)半導体である。しかし、ネットに繋がった自動運転車には、TSMCの最先端プロセス7~5nmでつくられた5G通信半導体と人工知能(AI)半導体が必要である。また、EVにはパワー半導体が必要である。

これらは、TSMCの新工場では生産できない。クルマは、1個の部品が足りなくても完成車がつくれない。TSMCの新工場では22~28nmのボリュームゾーンはカバーできても、最先端半導体やパワー半導体は生産できないのである。したがって、TSMCが新工場を建設しても、車載半導体不足を根本的に解決することはできないと言える。

日本では、TSMCが新工場を建設すれば、すべてが解決してハッピーな状態になれると無邪気に喜んでいる人が多いように感じる。しかし、現実はそんなに甘くない。新工場一つくって、浮かれている場合ではないのである。

【筆者からのお知らせ】
12月8日(水)に、サイエンス&テクノロジー主催で、『半導体過剰投資による価格大暴落&大不況への警鐘とその対策の羅針盤―日本にもTSMCの新工場建設!―』と題するセミナーを行います。詳細はこちら(https://www.science-t.com/seminar/A211208.html)をご覧ください。

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