『新規に95カ所の石炭火力発電所の建設を進める中国と地球の未来 写真家、半田也寸志が語る気候変動のリスクと現実(3)』(12/14JBプレス 半田 也寸志)について

12/13The Gateway Pundit<Mainstream Media Downplays Crowd Size at Trump Rally in Sunrise, Florida – Event Was Larger Than All Biden Rallies in 2020 Combined>

いつも言っていますように、選挙で勝つのは、洋の東西を問わず、集会での動員力です。昨年のバイデンの動員力を見る限り、選挙は不正としか思えない。

https://twitter.com/i/status/1469762186578960386

https://www.thegatewaypundit.com/2021/12/mainstream-media-downplays-crowd-size-trump-rally-sunrise-florida-event-much-bigger-biden-rallies-2020-combined/

12/13The Gateway Pundit<REPORT: White House CENSORED Taiwan’s Video Feed During Biden’s ‘Democracy’ Summit for Showing Map That Displayed Taiwan as a Different Color Than China>

米国はやり方が中途半端。だから中共に舐められる。台湾のビデオをカットするのでは中共のTV放送と何ら変わらない。

https://twitter.com/i/status/1470229912770461702

https://www.thegatewaypundit.com/2021/12/report-white-house-censored-taiwans-video-feed-bidens-democracy-summit-showing-map-displayed-taiwan-different-color-china/

12/14希望之声<川普: “赶走米奇” 结束麦康奈尔参院少数党领袖任期=トランプ:「ミッチを追い出せ」は上院でのマコーネルの少数党リーダーを終わらせる>12/12(日)、トランプ元米国大統領は、ミッチマコーネル共和党議員の上院少数党リーダーとしての任期の終了を求めた。 12/10、「マコーネルが民主党の債務上限引き上げを支援した」と述べた後、トランプは再びマコーネルを批判し、マコーネルは「民主党にすべての勝利をもたらしている」と考えていると。

トランプは「米国を救うPAC」で、マコーネルは「共和党上院議員と共和党を傷つけた」と非難し、債務上限カードを使う勇気もなく、このカードを使えば共和党はほぼすべてを手に入れ、完全勝利できた」、当時、「民主党員は捨てるカードを準備していたのに」と。

先週、マコーネルは上院多数党リーダーのチャックシューマーと合意に達し、彼と13人の共和党上院議員はシーソ-ゲームを回避するため、民主党が60票ではなく、過半数の票を使って債務上限を引き上げることを許可することに投票した。共和党員は債務上限の引き上げに投票しなくて済んだ。

トランプはその後警告した:民主党員は決して応答しない。「そもそも債務上限を使って我々に対処し、あきらめないだろう。これは良いことではない」と警告した。

トランプは声明の最後に「ミッチを追い出せ!」と言った。

マコーネルは古いタイプの共和党員でエスタブリッシュの一員です。勝負できないRINOですから辞めて貰ったほうが、共和党や米国人のためになる。

https://www.soundofhope.org/post/574946

12/14看中国<中共在美国搞公关闪电战 宣传北京冬奥会(图)=中共は、北京冬季オリンピックを宣伝するため、米国で広報活動を行っている(写真)>2022年の北京冬季オリンピックの外交ボイコットで米国政府が主導権を握るにつれ、状況はますます厳しくなり、中共は米国で莫大な金額を費やして広報会社を雇い、SNSで電撃戦を開始して、影響力のあるキャンペーンを開始し、北京冬季オリンピックと中共のイメージの回復を大々的に宣伝しだした。

「外国代理人登録法」(FARA)に基づいて米国司法省が開示した文書によると、NY中国総領事館は、影響力のある活動を行うために米国の広報会社「Vippi Media」を雇った。

ニュージャージー州イングルウッドに本社を置くVippi Mediaは、12/10にNY中国総領事館の代理人として司法省に登録した。

NY中国総領事館とVippi Mediaの間の契約は、11/22に発効し、来年3/13まで有効で、北京冬季オリンピックの前後3か月近くの重要な時期をカバーする。NY中国領事館はVippiに300,000米ドルを支払う必要があり、Vippiは210,000米ドルの前払いを受け取った。

NY中国領事館はVippiに、8人の影響力のある人を雇い、北京冬季オリンピック、北京の歴史、米中関係について少なくとも24のSNS投稿を作成し、Instagram、Twitch、TikTokなどのSNSプラットフォームで流すことを要求した。

契約では、Vippiが配信するコンテンツの70%は、北京冬季オリンピックの「試合前/競技中/試合後」に関する興味深く有意義なもので、例えばアスリートの準備、新技術、感動的な瞬間、北京の歴史、文化的遺産と現代生活を占めるよう規定されている。

バイデンは外交ボイコットするなら、米国での北京オリパラの宣伝もできないようにすべきでは。

https://www.secretchina.com/news/gb/2021/12/14/992288.html

12/14看中国<各大企业开始裁员 中国多了两亿灵活就业人员(组图)=大手企業が従業員を解雇し始める 中国には2億人の融通の利く従業員がいる(写真)>知乎のネチズンの質問:2021年は、本当に多くの失業者がいるのか?彼らはすべてどこに行ったのか?

ネチズンの回答:

河森堡:最近、インターネットで大手企業が比例数字(何%)で解雇し始めたとの報道があり、皆、雇用が減ったと言っているが、個人的には感じていない。この2日前までは。協力について話をしたがケリが付かなかったのを思い出した。仲介業者に行ってみると、仲介業者がなくなったので、製造業者に仲介業者がなくなったことを伝えたかったが、製造業者もなくなったことがわかった。まるで喫茶店の中で、座って、テーブルの向こう側にいる二人が契約書を渡し、「協力できるかどうかわかるか?」と言い、2分間頭を下げて見て、「協力できる」と言って頭を上げたところ、カフェには誰もいないように静まりかえり、床が跳ね上がり、壁紙が剥がれ、壊れた窓からゆっくりと水晶のような霜と雪が吹き込み、テーブルの反対側にある2つの古い椅子はすでにほこりで覆われていた。

Lone Lobster:いいえ、今日私の職場で尋ねた、誰もが仕事をしている。 //足:今日私は霊安室に行って尋ねた、患者の誰も医者に不満を表明しなかった。 //王梓龍:高速鉄道の中で聞いたら、みんなチケットを買っていた。

Quiet:情勢は安定しており、改善している。

子供たち、怒るな:今はひどい。コミュニティの清掃員は、3年前よりも平均して10歳以上若い。中年失業者が元々の老人を追い出したと思われる。

HR大掌柜:1.女性配達員は私の見たところ、2020年は比較的少なかったが、21年は仕事の行き帰りに何度か見かけた。雨が降ると特に感動した。 2.相乗りドライバーの数が急増した。私は19年に相乗り登録をSNS上で数ケ所した。19年から20年の間は、90%以上が同じ方向の客で心配はなかった。2021年には、85%以上が同じ方向の客を見つけた。すべて短い距離である。

3.エピデミックと双減政策(学校の宿題と補習の削減):観光、ケータリング、教育業界への影響として同社(CBD)のテナントは年に数回変わるが、まだ空いている状況がある。不動産業界の冬は激化し、労働集約型産業である上流および下流産業に影響を及ぼしている。4.産業構造の変化は、主に伝統的な製造業に、必然的に多くの失業を引き起こす。5.株の売買する人が多すぎる。

下の上海のデータを見ても失業者が増えているのが分かる。

https://www.secretchina.com/news/gb/2021/12/14/992286.html

12/13阿波羅新聞網<美军潜水母舰睽违6年再泊靠日本 强化对中共吓阻力=米軍潜水艦は、中共への抑止を強化するために、6年離れていたが、日本に再停泊する>米海軍の潜水艦は11月から日本の各地の港に積極的に「接岸」しており、6年離れていたものが日本に再ドッキングしている。日本のメディアの分析によると、米国は台湾の状況を綿密に追跡し、抑止力と抵抗力を強化している可能性がある。

米国原潜がわざと姿を見せて、中共を牽制しているのでしょう。中共海軍は台湾海峡を渡れないと。

https://www.aboluowang.com/2021/1213/1682911.html

12/13阿波羅新聞網<共军三项弱点攻台不易:台湾国防部发布报告=共産軍の3つの弱点は台湾を攻撃するのは容易でないと:台湾国防部は報告を発表>台湾国防部は、人民解放軍は現在3つの弱点があり、今の実力で台湾を攻撃することは容易ではないという報告を発表した。

日曜日の台湾メディアのニュースによると、台湾国防部は立法院に「2025年に中共による台湾への総攻撃に対抗するため、国軍の戦力を強化する方法」という報告を提出し、人民解放軍の台湾への攻撃方法と直面している問題を分析した。

台湾国防部は、第一に、人民解放軍の正規の揚陸装備が不十分であると考えている。現段階では、すべての軍隊を一度に台湾に派遣することは不可能である。複数の段階に分けての揚陸となり、兵力が分散しているときに、戦闘のアドバンテージを得るのは難しい。

第二に、人民解放軍は正規の揚陸装備がないため、台湾を攻撃する際に非正規輸送と輸送機で兵を送り、港と空港を占領しなければならないが、台湾軍は固守するので、短時間でもそれを占領するのは容易ではない。揚陸作戦は非常に高いリスクに直面する。

第三に、人民解放軍の後方支援能力は限られている。上陸作戦では、部隊が必要とする弾薬、食料、医薬品などの兵站物資を輸送機や船で台湾海峡を越えて輸送する必要がある。台湾軍は海という自然の利点と共同迎撃作戦の利点により、人民解放軍の補給は中断され、上陸軍の戦闘力と継戦能力は大きく削がれる。

台湾国防部は、米国の日本基地が台湾に近いため、現在、人民解放軍が台湾を完全に攻撃することはできないと考えている。人民解放軍は、外国軍の介入を防ぎ、インド、ベトナム、南沙諸島などの国境を警戒し、兵力を温存しなければならないため、台湾との戦いに全力を注ぐことは難しい。

普通の考えの持ち主なら、戦端を開くことは難しいと思いますが・・・。

https://www.aboluowang.com/2021/1213/1682708.html

何清漣 @ HeQinglian 2時間

類推すると、各利害関係国が中国と各種協定に署名するのは、自国のある産業の一部の人の生計問題を解決するためであって、規模と程度は違うが「お祝い」する。

すべての国が自国民の利益よりも中共政権の転覆を優先しなければならないわけではない。このため、ある国の国民の自由のために、自分の利益を犠牲にする精神は大多数が持っていないので、批判する必要はまったくない。

引用ツイート

RFI中国語-ラジオフランスインターナショナル @ RFI_TradCn 2時間

フランスは祝う:中国との豚の輸出協定の調印により、アフリカ豚コレラはもはや大きな障害ではなくなったhttps://rfi.my/7zts.t

何清漣さんがリツイート

北米保守評論 @ NAConservative9 6時間

「何十年にもわたる共産主義の推進はあなたに共産主義の米国をもたらだろう」

http://nacr.info/WordPress/index.php/2021/12/13/decades-of-communist-pushing-will-get-you-a-communist-america/

共産主義の亡霊が学校を包み込み、生徒の心を毒し、進歩主義の毒を吹き込まれた若者の集団を育てることができるのは、まさに神を捨てたからである。今日所謂目覚め(ある種の共産主義)は何十年も続いており、それは我々の社会を永遠に変えるだろう。

何清漣 @ HeQinglian 2時間

バルト三国は外交ボイコットを発表した。大統領は参加しないが、関係者を派遣して参加させる。オリンピックの開会式に国家元首が参加しなければならないかどうか知りたい。ロイターのこのニュースを検索した。

https://reuters.com/article/idCNChina-1923220080806

北京オリンピックの前に、国際機関も人権、チベット、両岸問題、環境について疑問を呈したが、ボイコットを発表せず、当時、多くの西側の指導者は開会式に出席しなかった。

比較すれば、結論を導き出すことができる。

背景情報:北京オリンピックの開会式に参加、または参加しなかった世界のリーダーのリスト(更新版)

ロイター社の8/6の報道—パキスタンのムシャラフ大統領の中国訪問のメンバーは、弾劾の危機のためにムシャラフは中国訪問計画をキャンセルしたと述べた。この時点では、オリンピックの開幕まで2日しかない。ムシャラフは当初、北京オリンピックの開会式に出席する予定であった。

何清漣さんがリツイート

北米保守評論 @ NAConservative9 4時間

「ファイザーのCEOは、米国人は新型コロナワクチンの4回目の接種が必要かもしれないと考えている ファウチは、米国は強制ワクチン接種を必要としていると言った」

辉瑞CEO认为美国人可能需要第四剂新冠疫苗 福奇称美国需要强制疫苗注射

彼らは、ワクチンがウイルス感染を有効に予防できないだけでなく、重症化も予防できず、新型コロナウイルスよりも多くの死者を出していることを知っている。そして、連邦裁判所は、バイデンの強制ワクチン命令を2回停止した。このような状況下で、なぜ彼らは我が道を行くことを主張するのか?

半田氏の記事で、やはり思うことは、CO2削減は排出量の多い中国、米国、インド、ロシアが率先して削減すべき。中国はいつでも口先だけで約束は守らないのだから、そもそも国際社会の仲間入りさせたのが間違い。国際機関から追い出すことを考えるべきでは。

記事

棚氷が分離し、土壌がむき出しになった南極半島(写真:半田 也寸志、以下同)

 英グラスゴーで開催されたCOP26は閉幕したが、気候変動に対する各国の足並みは揃っていない。その間にも、日々悪化する地球環境──。写真家として極地における地球温暖化の惨状を目の当たりにしてきた半田也寸志氏が、今地球で起きていることを綴った第3話。

◎第1話:「広がる花畑に唖然、北極で見た温暖化の現実」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68040)
◎第2話:「氷河流出に伴う海の“淡水化”が地球環境に与える恐ろしい影響」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68041)

(半田也寸志:写真家)

単なる努力目標になってしまったCOP26の合意文書

2021年11月、コロナ対策で1年延期されていた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)がスコットランドのグラスゴーで開催されました。

会場の外では、グレタ・トゥンベリ氏を中心に、各国首脳の気候変動対策に対する偽善に不満を持つ若い群衆が世界中から集まり、「COP26はグリーンウオッシュの祭典(※WhitewashのWhiteをGreenに置き換えた造語で、環境に配慮しているように見せて真実を隠蔽しているという意味)」と糾弾する中での開催です。

今回のCOP26には、中国、ロシア、サウジアラビア、ブラジルなど、気候変動対策において最も肝心な国々の首脳が出席しませんでした。パリ協定に復帰したバイデン米大統領は、特に中露首脳の欠席を厳しく批判しましたが、それでも世界120カ国が参加し、それぞれのカーボンニュートラルをコミットしました。

例えば、炭素排出量1位の中国は、文書を通じてではありますが、従来目標を変えることなく、2060年までのカーボンニュートラルに言及。排出量3位のインドも、モディ首相が自らの口で2070年までのカーボンニュートラル達成をコミットしました。それ以外にも、23カ国が石炭火力発電の廃止を宣言しています。

また会議中盤に、これまで気候変動問題を米中摩擦のカードにしていた中国が、突然これまでの態度を翻して米国に歩み寄り、問題解決に向けた共同宣言を出したのは世界に驚きを与えました。

中国の閣僚代表は出席を拒みましたが、同国を含む100カ国以上が2030年までのメタン排出量の30%削減に合意した点を取り上げ、COP26は大きな進展があったという評価を下す声もありました。

ただ、電力不足に悩む中国は、現在も石炭採掘量を記録的に増やしており、COP26が押し進める石炭火力発電所の段階的廃止案には反対の立場を崩していません。

事実、会議は終盤になって紛糾。会期を1日延長させてでも何とか成果文書をまとめようとする議長国に対し、排出量1位の中国と3位のインドが閉幕直前になって「石炭火力発電所の段階的廃止」という文書案を拒否しました。結局、成果文書の表現は「排出削減措置が取られていない石炭火力発電の段階的削減」と大幅に弱められたものになってしまいました。

これは同会議の開幕宣言で、「我々には時間がない」と発言した議長国、英ジョンソン首相の面目を完全に潰すものです。改めて世界の分断と、気候変動対策の早期解決に向けた取り組みへの困難さを浮き彫りにました。

英国のシャーマ議長が声を詰まらせながら読み上げた成果文書では、「産業革命からの気温上昇を1.5度に抑える努力をする」という文言は維持されたものの、「段階的廃止」と「段階的削減」の間には大きな隔たりがあります。同文書は当初目標から大幅に後退した、単なる努力目標となってしまいました。

サウスジョージア・キングペンギンのコロニー

これだけ危機が明らかなのに止まらない石炭火力

これまでの経緯を見ても、中国がこうした約束を実際に遵守するという保証はありません。インドも大気汚染で国民の寿命が8年も短縮されているというのに、先進国からの巨額な経済支援を条件にした上で、その目標達成時期さえ、パリ協定が掲げた期限目標から20年も先送りにしています。

グローバル・エナジー・モニターの調査によれば、石炭火力発電所の建設がインドで28カ所、インドネシアで23カ所、日本でも7カ所で進められています。とりわけ、1000カ所以上の石炭火力発電所が稼動している中国は、今後さらに95カ所を新規建設する予定です。この中国の火力発電所が吐き出すCO2は、2016年~2020年の世界全体の排出量を上回ると問題視されています。

CO2排出量で第5位の日本はアンモニア、バイオマス、水素との混焼や、超々臨界圧技術を組み合わせた石炭火力発電所や製鉄高炉を維持しようとしていますが、COP26からは屈辱的な「化石賞」を与えられました。

石炭輸出に大きく依存するオーストラリアは「化石大賞」を送られた際に、「他国の規制当局や投資家に屈して国内の主要産業を潰すつもりはない」と反発しました。

一方、ゴア元米副大統領はメディアに向かって次のように発言しました。

「我々は現在22兆ドルものサブプライム・カーボンバブルを抱えている(※化石燃料関連の資産規模が22兆ドルあるという意味)。それは地球上の化石燃料がすべて燃やし尽くされるという馬鹿げた仮定に基づいている。それを認識、適応できない投資家は時代に取り残されて大幅な損失を被るだろう」

現在の世界の気温上昇は産業革命前比で既に1.8度にまで達しています。仮にパリ条約の目標が達成できたとしても、2030年に2.3度、今世紀末には2.7度にまで達すると言われています。

今さら後悔しても始まりませんが、パリ条約から離脱したトランプ前米大統領が任期中に採った政策は、地球温暖化の懐疑派と既得権益者らに誤った自信を与えたように思います。また、彼の無遠慮な物言いと自国中心主義は、そうしたやり方に倣う専制国家首脳らや保守ポピュリスト政権、強欲な事業者を増長させました。結果として、農地と資源採掘のための大規模な森林破壊は今なお続いています。

この背景には、米中貿易摩擦とアジアの経済成長も影を落としています。

米国の制裁に対抗するため、中国は豚の飼料となる穀物の調達先を米国以外の国に切り替え、買い占めています。また、成長著しいアジア諸国で食文化の西洋化が進んでいることで、牛肉の需要も増加しています。そのため、飼料用穀物の生産が世界の穀物生産量の3割にも達するほどになってしまいました。

母鳥の反撃に遭いながら卵を奪おうとするホッキョクグマ

「脱炭素」産業への転換を阻む世界の問題点

大きく変化した肉需要は、単に森林の伐採や放火に伴うCO2排出量の均衡を破壊しただけでなく、牛のゲップや排尿とともに大気中に放出される膨大なメタン量も増幅させています。この馬鹿げた穀物増産は、肥沃だった米国の穀倉地帯や南アフリカの乾燥地帯のワイン畑の地下水までも枯渇させました。

アマゾンの大半を有し、これまで地球環境対策の優等生と言われてきたブラジルは、ボルソナロ大統領の下、政策を大きく転換しています。ボルソナロ大統領はCOP26に出席しませんでしたが、先住民や世界からの環境保護要請に敵対的だったこれまでの態度を改め、2030年までに森林破壊を停止するという口先だけの約束をしてCOP26から称賛を得ました。

しかし、ボルソナロ大統領は大豆の増産や鉱物資源の採掘に対する助成を続けています。2020年だけでも、レバノン一国の面積に相当する森林を焼失で枯死させました。アマゾン流域の森林地帯を、もはや修復不可能な状態にまで破壊しています。

一方、マーガリンなどに用いるパーム油の原料となるアブラヤシを主な特産品とするインドネシアも、気候変動という点で問題視されています。
アブラヤシの栽培では泥炭地に火を放ちます。泥炭地は地球の陸地面積のわずか3%にもかかわらず、世界中の森林の総量よりも多い炭素が蓄えられています。また、水中にある泥炭地は、泥炭が空気に触れるだけでCO2を大量に排出するという特徴があります。泥炭地に火を放つという行為が、CO2排出にどれだけ悪影響を与えるのか、ご理解いただけるのではないでしょうか。

それだけではありません。放たれた火の不始末が原因で、アブラヤシが栽培されていない泥炭や森林地帯にまで延焼が広がり続けているのです。それにもかかわらず石炭輸出量でも世界一の同国は、この問題を放置し続けています。

ロシアで発生している大規模な森林と原野火災も、CO2排出に極めて大きな影響を与えています。森林や原野が燃えることによるCO2排出だけでなく、永久凍土の溶解によって、永久凍土に眠る太古の動物や古代植物から生じるメタンやCO2、炭疽菌などの細菌やウイルスが爆発的に放出されているからです。

特に、永久凍土は北半球の陸地の4分の1を占めており、今後ここから排出されると予測される炭素量は、EU域内における工業生産で生じる炭素量の全量に匹敵するほどと言われています。
永久凍土の問題はそれだけではありません。永久凍土は、厚く堆積された古代植物がコンクリートのように凍っている状態です。ところが、現在は溶解によって大半がスカスカの状態になっており、その上に直接、敷設されているガスパイプラインが自身の重量で一帯の地盤沈下を引き起こしているのです。

これが原因となってパイプライン同士を繋げている継ぎ手が歪めば、パイプラインそのものが断裂しかねません。それにもかかわらず、ロシア政府は森林原野の火災の消火活動に積極的ではなく、資金もほとんど振り向けていません。

商業捕鯨が脱炭素を妨害している

日本は伝統漁であることを言い訳に国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、捕鯨を再開しました。ただ、これは既得権を主張する漁業従事者への忖度以外の何者でもなく、ほとんど需要もない鯨食を無意味に奨励しているだけに過ぎません。今や牛肉さえ培養肉や植物由来の代替肉に置き替え、メタン排出削減に努力している時代です。日本の捕鯨再開は時代錯誤と言っても過言ではありません。

鯨の生態系を保護する重要性は、単に海洋動物の保護という観点だけでなく、鯨が「海の森林」と呼ばれるほどCO2の吸収に大きく貢献している点にもあります。

スタンフォード大学がネイチャー誌に発表した論文によると、シロナガスやザトウといったヒゲクジラ類は、オキアミなどの動物プランクトンを世界の年間漁獲量の2倍も捕食し、その排泄物から放出される鉄分は捕食した動物プランクトンに匹敵するほどの植物プランクトンプルームを育み、それが海面に押し上げられることで、大気中の炭素をアマゾンの森林並みに吸収しているとしています。

そして、最後にこうも指摘しています。「捕鯨によって海のアマゾンが失われたと言っても過言ではない。これは生物多様性という意味ではなく、バイオマスの損失という意味においてである」。

鯨の個体数を商業捕鯨以前まで戻せれば、その炭素吸収量は2億トンを超えるとの調査結果も出ています、その個体数が増加すれば、その分だけ大気中のCO2も減少させるということです。

鯨をつり下げるために使われていたクレーン。スバールバル諸島にて

鯨の脂を搾り取るための施設跡。スバールバル諸島にて

地球温暖化を食い止めるには、産業による大気中への炭素排出量の削減だけでなく、土壌、海洋、淡水、及び多種多様な生物食物循環を保護することが同時に必要となります。その点において、世界で最も汚染されているインドのヤムナ川やガンジス川流域の状況は最悪です。

工業排水や未処理下水、人間の排泄物、生活ゴミ、火葬場から流される遺体で汚染された川の水は、浄化のために流される大量の塩素によって泡立った石鹸のような状態で、魚はおろか藻さえ生息が確認できません。これらのドブ川が、海洋生態系に与えている影響は計りしれません。

世界が同時に脱炭素を推進するには、技術や生産能力を持たない新興国や最貧国に、先進国が脱炭素社会に移行するための技術や資金援助をすることは不可欠です。

ただ、現在のコロナ対策によって世界の債務残高は既に史上最大の296兆ドルにまで積み上がっています。これに、気候変動対策の支出を積み上げていけば、2030年までに、S&P、ムーディーズ、フィッチの格付け対象になっている63カ国が格下げされると指摘されています。しかも、格下げに伴う借り入れの上昇によって、2100年までに返済額は2050億ドルに達するという試算まであります。

英指数算出会社FTSEラッセルによる最近の調査報告では、10年もしないうちに金融市場への影響が顕在化するとしています。新興国ばかりか、イタリアのような先進国でさえ債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があるということです。今や基軸通貨国である米国も、債務上限法案が撤廃できなければ史上初のデフォルトに陥るような状態なのです。

人類に気候変動は解決できるのか?

そうでなくても、コロナからの急回復に伴うサプライチェーンの混乱と、人手不足による物価高騰に世界が悩まされている中、脱炭素の推進によって、今後の化石燃料の先細りを警戒する資源国のロシアやOPEC加盟国は戦略的な出し渋りを仕掛け、回復に向かおうとする世界経済にさらなる混乱を与えています。

コロナ以前に先々のディスインフレを見込んでいた企業が在庫を削減し、設備投資を怠って内部留保を積み上げて来たツケ、そしてバイデン米大統領によるエネルギー政策の急激な方針転換によって、化石燃料企業への投資が抑制された結果が一気に噴出した格好です。

このインフレから脱却するために主要中央銀行が利上げを急げば、途上国から資金の流出が始まり、特に利益実績がないESG企業などの株価急落を招いて、COP26が急ぐ世界の炭素削減達成への道はますます遠のいてしまうでしょう。

コロナの拡大が再び始まっている現在、今後の世界経済状況がどのような事態に陥っていくのかは想像もできません。脱炭素と一言で言っても、それを解決するためには、様々な研究開発に加えて、世界での共通した枠組みと厳格な法律の制定、莫大な資金が必須であり、それには時間が必要です。しかし、現在の地球の温度上昇速度は限界域に入っています。この矛盾を人類はどうやって解決していくのでしょうか。(第4話に続く)(構成:結城 カオル)

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