『新型肺炎の感染拡大で分かった、世界が「中国に忖度」する深刻さ』(2/11ダイヤモンドオンライン 上久保誠人)について

2/11USA Today<Mike Pompeo and Alex Azar: Our coronavirus response is protecting Americans

How we mobilize resources around the world to help other nations fight the disease is American altruism at its finest.>

“The first duty of the federal government is to keep our citizens safe. Since the United States first became aware on Dec. 30 of what has become known as the novel coronavirus, America’s public health officials have closely monitored the situation, worked to understand the virus and taken steps to limit Americans’ exposure to it.

Our task force is ensuring that our whole of government, layered, public health plan has the resources necessary to protect Americans. We’ve treated the sick, and traced back their travel history and contacts to minimize the spread of the virus. We’ve worked swiftly to screen and safely receive American travelers returning from China, and bar foreign travelers who have recently visited the epicenter of the outbreak.”

“Thus far, the United States has only had 13 confirmed cases of the virus. We were saddened to hear last week that one American, a 60-year-old woman in Wuhan, China, has died. But we’re undeterred in our vigilance to protect our people. And we’re mobilizing resources around the world to help other nations fight the disease, too. This is American altruism at its finest.”

https://www.usatoday.com/story/opinion/2020/02/11/pompeo-azar-coronavirus-response-cdc-who-protects-americans-column/4712857002/

2/13希望之声<人气超高 川普新罕州初选得票数比2012年奥巴马多一倍=トランプの人気は超高い ニューハンプシャーの予備選挙の得票は2012年のオバマの倍以上>ニューハンプシャー予備選の結果は2/12(水)に発表され、トランプ大統領は共和党内で簡単に勝った。民主党はバーニー・サンダース上院議員であった。トランプ大統領が120,000票以上を獲得したことは注目に値する。これは、2012年にオバマ前大統領が得た49,080票の2倍以上である。

《フォックス》ニュース報道によると、トランプ大統領はニューハンプシャー州の予備選挙で元マサチューセッツ州知事のウィリアム・ウェルドを簡単に破り、目を引くのは得票数で、現地での大統領の人気の高さを示している。今年の11月の本選挙は、民心の向かうところ、再選の可能性が非常に大きいことを表している。

さらに、集計した時点でトランプ大統領の票はすでに120,000を超えていたが、その時点開票率は全地区の87%のみであり、大統領が獲得した実際の票はより多くなった。オバマの倍以上の票数に加えて、2004年のジョージ・W・ブッシュ前大統領の53,962票の倍以上、また、ビル・クリントン前大統領の1996年の党予​​備選挙で得られた76,797票をはるか後ろに追いやった。

分析によると、トランプ大統領の超高得票数は、共和党全国委員会(RNC)とトランプ選対チームの共同努力の結果であった。さらに、トランプ大統領自身も、予備選挙が始まる1日前の2/10の夜、ニューハンプシャー州マンチェスターでの選挙集会で有権者の信頼を高めた。その夜、トランプ大統領の支持者は熱意、拍手、歓声に満ちていた。大統領が入ったとき、人々があまりにも熱心だったので、大統領が話すことができるまで長い間待っていた。

「9か月後、我々は下院の多数を取り戻し、上院は引き続き過半数を占めて維持し、WHに留まる。我々の熱意はますます高くなり、彼ら(民主党員)は完全に手の届かないところにいる。彼らはまだ党の中で戦っている」とトランプは演説で述べた。その時、激しく雷鳴のような拍手が起こった。その日、トランプ大統領の支持者の一部は、会場に入るために並んで4時間待っていてやっと入れた。これだけの熱心さは史上稀に見ること。

その夜の集会でトランプ大統領は、3年間の政治、経済、外交等のトランプ政権の目を見張るような成果について語り、左傾化し続け、社会主義路線を追い求めている民主党とは違い、共和党は 「すべてのアメリカ人に公平な機会を提供する」 と。「我々は勤労家庭を支援し、育児費用を削減し、有給休暇を延長し、米国の家庭に対する税金を削減し、4000万人以上の米国の家庭に平均2,200ドルの追加収入を与えた」と彼は言った。

トランプ大統領はまた、「トランプ政権がテロリストを排除し、雇用を創出し、賃金を上げ、公正な貿易協定に署名し、国境の安全を守り、人種、皮膚の色、宗教、信仰に関係なく米国民の権益を上げるために積極的に行動を起こしてきた。民主党は何もせず、弾劾詐欺に時間を浪費してきた」と述べた。

その夜、トランプ大統領の支持者は、選挙集会が祝賀会に変わったようで、大きな幸福感を示した。トランプ大統領がちょっと前に上院で無罪となったのと一般教書演説のすばらしさに、彼らは非常に喜びを感じていた。対照的に、民主党は内部で互いに攻撃している。一部の民主党員は、トランプ大統領の一般教書演説原稿を破った下院議長ナンシー・ペロシを攻撃した。

ロードアイランドのトランプ支持者であるジェイ・マクドナルドは、4年前に既にトランプを100%支持しており、「今でも少しも変わっていない」と語った。彼は、下院民主党のトランプ大統領に対する弾劾について激怒したが、同時に、「大統領は両党支持でない独立派からも支持を得られることを願っている」と述べた。

別のトランプ支持者である空軍のベテランであるマイク・グルンワルドは、率直に言って「彼らは負けた」と民主党の現状を評価した。

サンダースはニューハンプシャーの民主党予備選挙で、26%の得票率で勝った。インディアナ州サウスベンド元市長のピート・ブッティジェッジは24.4%の得票率で2位にランクされた。 両人の得票率は開票時間中、同じであり、獲得状況は接近していた。エイミー・クロブチャー上院議員が19.7%で3位、エリザベス・ウォーレン上院議員が9.3%で4位、元米副大統領ジョー・バイデンがランク5番目の8.4%であった。

アイオワ州とニューハンプシャー州の予備選挙で投票した後、投票数に遅れをとった民主党の大統領候補の中には、選挙を断念した人もいる。コロラド州のマイケル・ベネット上院議員は、2/11に民主党の大統領予備選からの撤退を発表した。 45歳の台湾系米国人の起業家であるAndrew Yangも、両州の得票数が足りず、2/11に選挙活動を一時停止した。

共和党はトランプ共和党となり、グローバリストが支配する共和党主流派でなくなり、労働者を保護する政党に変わりました。左翼人間だけが気づいていない。

https://www.soundofhope.org/post/342682

2/13希望之声<川普顾问14年前预测中国病毒流行 而且是中共所致=トランプの顧問は14年前に中国のウイルス流行を予測していた しかも中共によってと>トランプ米大統領のWH貿易顧問ピーター・ナバロは最近、中国の武漢ウイルスの爆発的流行について語ったとき、中共政府は武漢ウイルスの起源に責任を持つべきだと述べた。驚くことに、ナバロは14年前に出版された本の中で、ウイルスが中国内に蔓延し、それは中共政府によって引き起こされると予測していた。

ナバロは、2/10にフォックスニュースの有名なアンカーであるマリア・バルティロモによってインタビューされた。バルティロモはナバロに武漢ウイルスの感染源について聞いた。

米国議会のトム・コットン上院議員は武漢ウイルスの流行の進展を追っていたため、1/30の上院軍事委員会の聴聞会で、「武漢ウイルスは武漢ウイルス研究所のP4研究所から漏れた可能性がある。中共当局は、世論を誤導し、言論統制し、真実を隠蔽している」と述べた。

2/6、トランプ大統領は国立科学アカデミーの科学者に武漢でのウイルスの発生源をできるだけ早く確認し、伝染経路の明確化を命じて、伝染病の拡散を防いだ。

一方、早くも1月6日には、米国疾病対策予防センター(CDC)の専門家が中国側に、専門家チームを中国に派遣して中国の流行の阻止を支援することを提案した。過去1か月の間、米国は同じ要望を繰り返し提案したが、中国は積極的に応じなかった。

バティロモはナバロに次のように尋ねた。「ウイルスがその研究室で発生したかどうか知っているのか?なぜ彼らは(中共政府を指す)疾病管理予防センター(CDC)の専門家が理解を深めるためにそこに行くことを許可しないのだろうか?もしウイルスの起源が(バイオ)兵器実験室にある場合、これは、彼らが大量殺傷性兵器、つまり生物兵器を開発または企図していることを証明することになる」と。

ナバロは、「このウイルスの起源についての質問には答えがなければならないと思う。しかし、今はウイルスの起源を研究している時ではない。最初にやらなければならないのはこの疫病の危機と戦うことである。しかし、中国(中共政府を指す)は、ウイルスがどのように始まったかについて責任をとらなければならない」と。

さらに、ナバロは、14年前に出版された「The Coming China Wars」という本で、中国でのウイルス流行を正確に予測したと述べた。彼がそのような正確な予測をした理由は、中共政府が国をどのように治めているか、また中共政府の科学者がどう動物処理するかを知っていたからである。

2006年に出版された本の中で、ナバロは、共産中国の急速な産業化が世界との衝突を引き起こすことを指摘していた。明日の中国との大戦はあらゆる領域に及び、仕事、賃金、先端技術から、石油、銅、鉄鋼などの戦略物資、さらには食料、水、空気に至るまで、あらゆる分野をカバーする。

ナバロはまた、共産中国が世界で最も残忍な帝国主義国になった経緯、それが地球環境破壊にどのように影響したかなどを本の中で明らかにした。ナバロはまた、中共と世界の間の様々な潜在的な対立、および災難を回避するための緊急の決定をどのように行うかを予言した。

 ナバロは、2011年に出版された「Death By China」という本の2人の著者の1人でもあった。

ナバロは中国人の本性を早くから見抜いていたのでは。『紫禁城の黄昏』のジョンストン、『暗黒大陸 中国の真実』のラルフタウンゼント、グルー大使みたいなものでしょう。何清漣・福島香織訳の『中国のプロパガンダ 恐るべき「大外宣」の実態』の中に、中共の金に汚染されていない華字ニュースはBBC中文版、RFA(ラジオフリーアジア)、法輪功系の希望之声と出ていました。もっと希望之声の記事を信頼してもよいはず。

https://www.soundofhope.org/post/342763

2/12看中国<震惊 中共生物武器研发竟和“731部队”有关(图)=中共の生物兵器の開発が「731部隊」に関連していたことにショックを受ける(図)>731部隊の研究内容は、主に病気の予防と治療、飲料水の浄化の名目であったが、実際には、生物、化学兵器の効果に関する実験を行うために、生きている中国人、ソ連人、朝鮮人を使った。

ハルビン平房区の731基地は、6平方キロメートルの面積に及び、150を超える建物で構成されていた。基地には、ノミを飼育するための約4,500個の容器、さまざまな化学物質用の6つの巨大なボイラー、および生物兵器の製造用に約1,800個の容器があった。数日で約30グラムの腺ペストが作れた。

この部隊の3,000人を超える細菌の専門家と研究者は細菌兵器の実験と製造を担当し、各国の抗日志士と中国の民間人に使用するペスト、腸チフス、コレラ、炭疽菌などの細菌と有毒ガスの生体実験を実施した。一部の研究者は、3,000人以上の中国人、朝鮮人、連合軍捕虜が実験中に死亡したと考えられている。

日本のNHKテレビは、2017年にドキュメンタリー「731部隊の真相 エリート医師と人体実験」を放送した。ドキュメンタリーで、NHKは第二次世界大戦後の裁判の録音資料を発見し、録音音声と関係者とのインタビューを使用して、731部隊の中核メンバーによる細菌兵器の開発の真の状況を再現した。 NHKの調査では、731部隊が実施した人体実験は、日本軍と東京大学や京都大学などの研究機関との協力の結果であることがわかった。

2017年8月、ハルビン市平房区新疆大道47号の「中国侵攻第731部隊の犯罪陳列館」は、人体実験と細菌の研究開発に従事した731部隊の最新の証拠を公開し、その中には731部隊が研究開発したペスト菌の電流インキュベーターや細菌戦犯の自供、「マルタ」(人体実験を余儀なくされた犠牲者の屈辱的な名称)を伝える資料、および当時の731部隊の写真等が含まれる。

しかし、中共が70年以上経過してから、日本のNHKテレビで放送後、これらの731部隊の「最新の」証拠を出してきたのは人を疑わせしむる。

最近、インターネットの記事で、中共が生化学兵器の分野で化学兵器、細菌兵器、ウイルス兵器、遺伝子兵器を広く研究しているというニュースが暴露された。これらのチームのいくつかは長年ウイルスを研究しており、武漢肺炎の原因と目される中国科学アカデミー武漢ウイルス学研究所、ハルビン平房区の中国農業科学院ハルビン獣医学研究所などがある。 ハルビン獣医学研究所には、P4研究所(動物疾病管理のための国立高レベルの生物安全研究所)である。

歴史の真実をさらに探求する必要があり、中共は731部隊の犯罪と比べて及ばないことはないのかどうか。

NHKは中共と手を組んで番組を作ったのでしょう。南京や慰安婦と同じで使い古された手です。丹東市にある抗美援朝記念館には朝鮮戦争は南韓の侵略で始まったと平気で歴史を捏造する連中です。そんな連中が言うことを信じることほど馬鹿なことはない。ただ、NHKは分かっていて中共に協力している売国奴かつ確信犯です。外国へのNHKのブランドの高さを中共は利用しています。日本政府が放置しているから世論戦に負けるわけです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2020/02/12/922850.html

2/13阿波羅新聞網<广东征用私人财产抗疫 变相掠夺民产会否蔓延全国?=広東省で私有財産を抗疫のために収用  民間財産を略奪するのは、全国に広がるだろうか?>劉鋭:「これは、いわゆる、人々の口を封印する法律を出すかどうかにかかっていると思う。過去には、法律についてまったく話さず強権発動した。それに照らし民間財産を略奪した。 将来的には、他の省や都市が同じアプローチを取ることを排除しない。新しい措置は官民が疫病と戦うのを妨げるだけでなく、国民の不満を深める」と考えている。

ない袖は振れない中共は、私有財産の接収を始めるだろうというのは石平氏が数年前から言っていたこと。金を持っている連中がどう動くか?軍をも含めて。

武漢では、政府は臨時抗疫治療センターを設置するため、学校や体育館などの施設を収用しており、地方自治体も輸送中の医薬品をストックしている。 写真は、2020年2月4日に武漢展覧センターの倉庫に医薬品を運んでいるスタッフを表している。展覧センターは臨時病院になった。 (AFP)

https://www.aboluowang.com/2020/0213/1408828.html

2/12阿波羅新聞網<中共隐匿疫情害人害己 餐饮业恐爆发关店和失业潮=中共は疫病を隠し、人を傷つけている 飲食業界は閉店と失業ブームを恐れている>中国政府の武漢肺炎の流行の隠蔽により、世界に大流行を引き起こしたが、それは世界に損害を与えただけでなく、自国の経済に深刻な損害を与えた。飲食業界は、特に最も被害が大きかった分野で、旧正月の前後1か月で7億から8億元を失い、キャッシュフローは3か月しか続かないと推定されている。 この肺炎が収まらなければ、大規模な店舗閉鎖と失業の波が来るのではないかと考えられている。

中国チェーンストア&フランチャイズ協会の事務局次長である王洪涛は、次のように述べている。 「飲食業界は、規模はそれほど集中していない。中国のトップ100の飲食業界の売上は、飲食業全体の1桁に過ぎない。中小企業の数は非常に多い。春節の前後1か月で7億から8億元が失われたと推定される。キャッシュフローは3か月しか支えられない」と。

まあ、3ケ月で武漢肺炎が収まるとは思えません。潜伏期間が14日でなく、24日とか40日とか言われ出して、収まったように見えても、新しい患者が次々と出てくるのでは。日本人は緊張を解かず、かつ油断しないことです。WHO、日本政府、TVのコメンテーターの意見を信用しすぎないことです。

https://www.aboluowang.com/2020/0212/1408745.html

上久保氏の記事を読めば、チャイナマネーを当てにした経営やマネジメントが如何に危険か考えるべき。武漢肺炎で中国人が来なくなったのをTVで恨めしく論じる人間ほど、先見性がない人物と見られるのに気づいていない。中国は政治で問題が起きれば、国が観光をストップするのは韓国への対応を見ていれば分かるはず。観光庁もバカばかりだから数を追うことしかしない。政治的なカントリーリスクの高い国という自覚があれば別な手も考えておくべき。アパホテルは南京事件の書籍を部屋に置いたことで中国人がクレームを付けましたが、中国人の宿泊比率を少なく抑えていたため、別に彼らの言うことに従わずに済みました。経営者とはかくあるべき。

大学も自治を強く主張するのであれば、中共の金は受け取るべきではない。どうして日本政府の税金で運営されている大学が、外国政府の言いなりになるのか?日本政府は彼らに資金供給をストップしてみたら。

上久保氏はWHOを非難していますが、FDRが作った国際組織はアカに染められまくっていて機能しません。中共の賄賂とハニーのせいです。トランプはそれを壊そうとしています。左翼の言っていることを信じるのは愚かです。

記事

Betsy Joles/gettyimages

新型肺炎の感染が拡大している。その対応で、どうしても看過できないことがある。世界保健機関(WHO)の「緊急事態宣言」が遅れに遅れたことだ。これはチャイナマネーを意識した「中国への忖度」であることは明らかであり、同じ現象は学問の世界にも及んでいるという。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

新型肺炎の危険性を早くに訴えた武漢市の李文亮医師が死去

 中国湖北省の武漢市で発生した「新型コロナウイルスによる肺炎」が世界に拡大している。中国政府が新型肺炎を公表する前にその危険性を訴え、公安当局から「デマを流した」として処分された武漢市の李文亮医師が2月7日に亡くなったことで、医師の声を封殺して感染拡大を招いたとの怒りが中国国民の間に広がっている。

 この連載では、中国政府の「権威主義体制」の限界を指摘してきた(本連載第220回)。香港の若者の抗議行動に対して手も足も出ない中国政府は、新型肺炎への対応でも、無残な姿をさらしている。

都合の悪い事実を隠蔽した中国政府 致命的な大失策となる

 2019年12月30日、李医師は、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」で医師仲間と武漢市内で相次ぐ原因不明の肺炎について議論し、「7人の重症急性呼吸器症候群(SARS)患者を確認」と発信して注意喚起した。しかし、李医師は公安当局に呼び出され「デマを流して社会の秩序を乱した」とする訓戒書に署名させられた。20年1月1日、武漢市公安当局は「ネット上に事実でない情報を公表した」として李医師ら8人を処罰したと発表した。

 公安当局が李医師らを処分したのは、彼らが流した情報が、中国政府の公式見解と異なっていたためだ。李医師らが注意喚起した翌日の19年12月31日、武漢市衛生健康委員会は「人から人への感染はまだ見つかっていない。医療関係者への感染はない。病原体の検出と感染の原因の調査は継続中」と発表していた。

 だが、中国政府の「人から人への感染はまだ見つかっていない」という発表はウソだった。中国政府は12月上旬の時点で、新型肺炎が発生したとみられる武漢市の水産卸売市場に出入りしていない肺炎患者、つまり「人から人へ」感染した患者を既に確認していたからだ。

 要するに、「新型肺炎」発生の初動の段階で、中国政府はいつものように、都合の悪い事実を「隠蔽」するという選択をした。これは、後に致命的と言っても過言ではない大失策となる。

後手に回り続ける中国政府の対応 春節で「民族大移動」が起こる

 その後も、中国政府の対応は、後手に回り続けた。1月5日、中国政府は「SARS再流行の可能性」を否定した。かつてSARSが発生した時、中国・広東省で最初の症例が確認されたにもかかわらず、情報公開が遅れたことで流行が拡大したと、中国は世界中から厳しい批判を浴びたからだ。そのため、中国政府はまず「SARSではない」という情報だけを出した。

 1月9日、中国国営メディアの新華社通信は、専門家チームがSARSや中東呼吸器症候群(MARS)とは異なる種類の新型コロナウイルスを検出したと報じた。そして、感染者数は41人で7人が重症、1人が死亡したと明らかにした。

 しかし、この時点で新型肺炎が、SARSを超える感染拡大を起こすとは、中国国民の誰も想像できなかったに違いない。1月10日、例年通り中国で「春運」と呼ばれる、春節(旧正月)前後の大型連休に合わせた特別交通ダイヤが始まった。中国国民は、帰省や旅行で、観光地や交通機関はどこも大混雑となり、「民族大移動」のような状況になった。

 だが、春節で賑わうその裏で、深刻な事態は着々と進行していたことを中国政府は知りながら隠していた。SARSが流行した当時、中央政府の見解に体を張って反論し、感染の拡大を阻止した人物として知られる鐘南山氏が新型肺炎専門家チームのリーダーとなった。1月20日、鐘氏は「新型コロナウイルス肺炎は確実に人から人に感染している」と発言。ここで、中国国民は初めて、新型肺炎の深刻さに気付かされることになった。

新型肺炎による死者はSARS超え 900人超に拡大

 1月20日、武漢市だけでなく、中国の北京市と深セン市、上海市などで初めて発症者が確認されたことが報じられた。春節前の「民族大移動」が既に始まっていたことが、中国全土へのさらなる拡大を引き起こした。

 1月22日、世界保健機構(WHO)が新型肺炎の流行で初の緊急委員会を開催した。だが、委員間で意見が対立し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」との結論には至らなかった。同日、これまで3人とされた中国国内の死者が17人であると発表された。

 ここで習近平国家主席が、遂に新型肺炎の「撲滅」を指示した。すると、1月23日に武漢市は突如、バスや地下鉄、鉄道、フェリー、航空便の各交通機関を運行停止とした。道路も市境に検問所を設置し、市外に出る車の乗員に体温検査を実施した。人口約1100万人の大都市を事実上封鎖する措置を取ったのだ。

 これは、全国各地から武漢に出稼ぎに来て新型肺炎に感染した人々が、春節で帰郷した地元でウイルスを拡散する事態を防ぐために、武漢市をまるごと封鎖するという荒療治に打って出たということだ。

だが、遠藤誉・中国問題グローバル研究所所長によると、封鎖の通告があったのは実行の約8時間前だったという(出所:【封鎖前の8時間で500万人脱出 「危機管理」めぐる失敗と収束までの道のり】)。そのため、8時間の間に500万人もの市民が武漢市を離れてしまい、封鎖の意義が薄れてしまった。遠藤氏は、封鎖に関する情報を中国政府がWHOに事前に渡すことで緊急事態宣言の回避を狙ったのではないかと指摘している。もしそれが事実だとすると、中国政府の「メンツ」を最優先したため、有効な対策を打つことに失敗したということになる。

 武漢市の主要ターミナルである漢口駅の出入口は黒いマスクをつけた武装警察部隊によって封鎖された。それでも武漢脱出をあきらめられない人々が駅を取り巻く衝撃的なシーンが、世界中に報道された。

 1月29日、中国政府は市や村など地方組織の幹部を大量に処分し始めた。ネット上などで広がる中央政府への批判をかわすためであった。毎日のように発症者や死者が急増していく状況において、習近平指導部は「無謬(誤りがないこと)」であるという「権威」の崩壊を防ぐことが、何よりも優先されたのである。

 1月30日、WHOが緊急委員会を開き、中国で新型肺炎の感染者が急増していることに加え、日本や米国、ドイツなどでも人から人への感染が発生していることを重く見て、ようやく「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たると宣言した。

 2月3日、中国共産党の最高指導部が会議を開き、新型肺炎の拡大を「有事」と認めた。習主席は「最前線の医療スタッフの需要を満たせ」「春節Uターンでの感染を防げ」「有効な薬とワクチンの研究開発を強化せよ」「正常な経済と社会秩序を維持せよ」「世論を指導し、第一線の感動物語を生き生きと伝えよ」などと、次々と指示を出したという。

 しかし、2月5日には中国本土の感染者は2万4391人、死者は491人に拡大。2月6日には感染者2万8000人、死者563人、2月7日には感染者3万4546人、死者722人と、発表されるたびに被害は急増し続けた。そして、2月10日午前には、中国本土で確認された感染者数は4万人を超え。死者数は、02〜03年に世界的に流行したSARSの死者数774人を上回り、900人超に達している。

政治体制の違いは「国難」のときにこそ表れ

 この連載では、政治体制における「権威主義体制」と「民主主義体制」の差は、「国難」のときに表れると論じてきた(第228回)。うまくいっているときは、どんな国でも今の指導者と政治体制が素晴らしいと感じられるものだ。しかし、本当に素晴らしいかどうかは、「国難」に対応しなければならなくなったときに分かる。

 権威主義の国は、うまくいっているときは意思決定が早く、優れた政治体制のように見えなくもない。実際、習近平体制下の中国はトップダウンでの意思決定が早く、テクノロジーが急激に発達する現代では優位性があるという評価があった。だが、いったん危機に陥るともろかった。

 歴史を振り返れば、かつての共産主義や全体主義の国など、エリートが全てを決める「計画経済」の国はほとんど失敗した(第114回)。エリートは自らの誤りになかなか気付けないものだ。また、エリートは自らの誤りに気付いたとき、それを隠そうとし、情報を都合よく操作しようとする。しかし、操作しようとすればするほど、ますますつじつまが合わなくなる。国民がエリートの誤りに気付いたときには手の施しようがなくなっていて、国民はエリートと共に滅びるしかなくなる。端的な事例が、「大本営発表」を続けて国民をだまし、国民が気付いたときには無条件降伏に追い込まれていた、かつての「大日本帝国」だ(第108回)。

 新型肺炎に対する中国政府の対応は、まさにこの通りではなかっただろうか。李医師らが新型肺炎の発生に警鐘を鳴らしたとき、中国政府は「デマを流した」と決めつけて李医師らを弾圧し、深刻な事態を「隠蔽」しようとした。

 その後も、中国政府の「メンツ」が最優先されて、情報を都合よく小出しに発表した。WHOの緊急事態宣言も遅れに遅れた。結局、中国国民は何も知らされないまま春節を楽しむために「民族大移動」し、感染者や死者を急拡大させてしまった。気付いたときには都市は封鎖され、幽閉状態に追い込まれてしまったのだ。

 まさに、見事なまでに「権威主義の崩壊」が教科書通りに進行したといえる。結局、意思決定が遅く、一見頼りなくみえる「民主主義」のほうが、長い目で見れば「国難」によく対応できる。民主主義だけが、オープンな情報共有と議論によって政治家も国民も「失敗」から「学習」することができ、大きな体制変革なくして「失敗をやり直す」ことができるからだ(第198回)。

歴史を振り返れば、日本の大本営発表と対比できるのは、英公共放送「BBC」の報道姿勢だ。第2次世界大戦時の緒戦、英国はナチスドイツに対して劣勢に追い込まれたが、悪い情報も包み隠さず放送したのだ。悪い情報を国民が知ることこそ、明日の勝利につながるという信念に基づいた行動だった(第108回)。どちらが正しかったかは言うまでもない。

 英国の欧州連合(EU)離脱に関するプロセスも同じことがいえる。いいことも悪いことも全て隠すことなく、英国民のみならず、世界中の誰でも自由に見て、批判できるオープンな状況で行われてきたことで、英国の政治家と国民は、さまざまなことを「学習」できた。(第224回・P6)。そして、「合意なき離脱」という大惨事を回避し、ボリス・ジョンソン英首相が取りまとめた離脱協定案を、「まだマシなもの」として受け入れた(第231回)。

 また、英国の企業が、既に「合意なき離脱」であっても対処できるように、準備を完了していたことも特筆すべきことだ。これも、EU離脱に関する情報が隠し事なくすべてオープンだったからできたことである。

 翻って中国政府は、香港の抗議活動をまったく抑えることができず、台湾総統選でも圧力がまったく効かず、蔡英文総統の再選を許した。そして、新型肺炎も習近平体制の「無謬性」を守ることに固執した結果、悲惨な結果となった。そろそろ権威主義の限界に気付き、民主化を進めるプロセスに戻ってはどうだろうか(第213回)。

WHO「緊急事態宣言」の遅れは中国への忖度であることは明らか

 新型肺炎を巡る対応で、どうしても看過できないことがある。それは、WHOの「緊急事態宣言」が遅れに遅れたことだ。前述の通り、WHOは1月22日に緊急委員会を開催したが、「緊急事態宣言」を出さなかった。

 WHOが「緊急事態宣言」を出したのは、1月30日である。だが、記者会見でテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、「中国が疫病の感染予防に対して行っている努力とその措置は前代未聞なほど素晴らしい」「中国は感染予防措置に関して『新しいスタンダード』を世界に先んじて打ち出すことに成功している」と述べた。そして、「中国への渡航や交易を制限する理由は見当たらない」「しかし医療体制の整備が遅れている国への感染拡大防止を支援しなければならない」と述べた。

普通、緊急事態宣言が出されれば、WHOは発生源となった国への渡航制限や物流の規制を設けて、さらなる感染の拡大を防ごうとするものだ。しかし、今回は全く異なる。「緊急事態宣言」をしたものの、それは中国以外の国への感染拡大が問題だというのである。だが、前述の通り、中国の後手に回った対応こそが感染者や死者を急拡大させたことは誰の目にも明らかではないか。

 テドロス事務局長は、05年から12年まではエチオピアの保健大臣、12年から16年までは外務大臣を務めた。そして、中国の後押しで17年5月にWHO事務局長に就任している人物だ。チャイナマネーなしではエチオピアの国家運営は成り立たない。テドロス事務局長が「緊急事態宣言」を遅らせ、「緊急事態宣言」を出した後も、中国は悪くない、中国以外の国が緊急事態なのだと言い続けているのは、中国に「忖度」しているからであるのは明らかだろう。

 また、WHOは中国に「忖度」し、台湾を会合から排除した。新型肺炎の発生地である中国に最も近い「地域」である台湾を排除して、何が感染症対策なのだろうか。日本などの訴えで台湾も会合に入れるようにはなった。しかし、チャイナマネーによってWHOの権威も信頼も地に落ちたと断罪せざるを得ない。

 この、チャイナマネーによる中国への「忖度」は、世界中にみられる深刻な現象となっている。大学も例外ではない。例えば、この記事によれば学問の自由、思想信条の自由、言論の自由へのこだわりが非常に強い英国の大学でも、さまざまな形で中国の圧力にさらされているという。

 同記事によれば、ラッセルグループ(英ケンブリッジ大学や英オックスフォード大学など研究型大学24校でつくる団体)に属するある大学では、副学長が中国大使館の誰かと話した後、予定されていた講演が中止されたという。中国大使館から圧力を受けた副学長が、学者の1人に特定の期間中に中国に関する政治的コメントをしないよう求めたこともあるそうだ。

 英国の大学が対応に苦慮しているのは、中国からの資金援助が断ち切られることや中国から留学生を送ってもらえなくなることが大学の経営を直撃するからだ。日本の大学や企業、そして政治家、政府にチャイナ・マネーによる中国への「忖度」が広がっていないことを望みたい。

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