『トランプが覆す国際秩序、80年の時を超えて蘇る「ヤルタモーメント」に日本はどう立ち向かうのか 力のみが真実となる世界で日本が生き残るために』(3/11JBプレス 松本 太)について

3/11The Gateway Pundit<WATCH: White House Counselor Alina Habba Says She “Would Challenge The Validity” of Biden’s Autopen Pardons, FBI and DOJ “Working Around The Clock” — “Looking at” Liz Cheney, Pocahontas, and Nancy Pelosi=視聴:WH顧問のアリナ・ハッバ氏は、バイデン氏の自動署名(オートペン)恩赦の法的有効性に「異議を唱える」と述べ、FBIと司法省は「24時間体制で働いている」 – リズ・チェイニー、ポカホンタス、ナンシー・ペロシを「見ている」>

是非バイデン恩赦を無効にしてほしい。

トランプ大統領の大統領顧問であるアリーナ・ハッバ氏は月曜日、米国国際開発庁(USAID)の不正契約やその他の非営利計画に関与した民主党員に正義がもたらされると示唆した。 

パム・ボンディ司法長官とカシュ・パテルFBI長官は、政府効率化局によって摘発された連邦政府の不正支出に関与した著名人に対し、正義がもたらされるよう「確実に」努める、と彼女は述べた。

ハッバ氏は、ガザにコンドームを送るための5000万ドルの詐欺や、NGOを通じたUSAIDのその他の隠蔽詐欺など、さまざまな詐欺計画に関与した民主党員の多くを「調査中」だと述べている。彼女が名指しした容疑者の中には、元下院議員リズ・チェイニー氏(ワイオミング州共和党)、元下院議長ナンシー・ペロシ氏(カリフォルニア州民主党)、エリザベス・「ポカホンタス」・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州民主党)などがいる。

2度目の弾劾と1/6の委員会の見せかけの調査を主導した反トランプ派共和党下院議員リズ・チェイニーは、バイデンの任期最後の数時間に先制的な恩赦を与えられたことで悪名高い。チェイニーはUSAIDと長年のつながりがあり、キャリアの初期にそこで働いていた。しかし、アリナ・ハッバ氏は、バイデンの公式行動における署名は自動署名であり、彼の知らないうちに、または同意なしに施行された可能性があるという調査結果が出る中、バイデンの恩赦の「有効性に異議を唱える」と述べた。

バイデン氏は恩赦や減刑という形で4,245件の恩赦令を出したが、その中には、自らが重罪を犯す様子を撮影し、中国やウクライナ、その他の国で影響力を売ったとして捜査を受けていた堕落した息子ハンター氏に対する恩赦令も含まれている。

ゲートウェイ・パンディットが報じたように、ジョー・バイデンがセントクロイ島で休暇とゴルフをしていた2022年12月30日に、バイデンのオートペンによって6人の犯罪者が恩赦を受けたことが発覚した。リズ・チェイニーを本当に恩赦したのは誰なのか?

「これらの人々は責任を負わされる必要がある。そうすることで、将来彼らが再び現れるのを阻止できる」とハッバ氏は月曜夜のジェシー・ワッターズ・プライムタイムで「米国民から盗んでいる」当局者らについて語った。

「カッシュとパムがそれを確実にしてくれると保証します」と彼女は付け加えた。

以下をご覧ください:

ハッバ:今、眠れなくなるべきなのは民主党だけだ。我々が注目しているのはナンシー・ペロシ、リズ・チェイニー、そしてご存知のポカホンタスだ。我々はそのすべてに注目し、なぜあなた方が政府の資金でそんなに裕福なのかを解明するつもりだ。検討すべきことがあまりにも多く、どこから始めたらいいのかさえ分からない。しかしジェシー、あなたは誰に国を運営してもらいたいのか? ステイシー・エイブラムスとジョー・バイデンに助言してもらいたいのか? 明らかに自動署名ですべてに署名したが、署名している内容すら知らなかったのか? それとも、イーロン・マスクに最高司令官を助けてもらいたいのか? 大統領ドナルド・トランプ以外には無駄を省き、我々に金を稼いでくれる人はいないのか? この男は自力で億万長者になった。彼は素晴らしい会社を経営した。彼はそのようにこの国を運営するだろう。つまり、証拠はまさにそこにあります。

ワッターズ:このお金の多くは、非常に怪しい形で外に出ていき、結局は民主党員の手に渡り、その民主党員はたまたまお金を配っている民主党員と知り合いです。これは調査が必要です。司法省は、この件を厳しく調査しているのですか?

ハバ:パム・ボンディの代弁はしません。私は政権の一員です。パム・ボンディは素晴らしいです。今日、宣誓式でカシュ・パテルとパムに会いました。この人たちは本当に一生懸命働いています。私たちが見つけ出して明らかにしている情報は非常に多く、彼らは昼夜を問わず働いています。私たちが、適切に裁きを受ける必要がある人々に正義をもたらすことを確実にするためです。 彼らはアメリカ国民から盗み、NGOや基金、コロンビアでのオペラ、ガザへのコンドームなどを通じてそれを隠していた人たちです。これらの人たちは責任を負わなければなりません。そうすることで、彼らの将来を阻止できます。カシュとパムがそれを確実にしてくれると断言できます。

ワッターズ:つまり、もっと予防的な恩赦を与えるべきだったということでしょうか?

ハバ:ところで、あれも自動署名だったのかしら。その正当性に疑問を呈したいから。わからないよ。あの男は自分が何をしているかさえわかっていなかったけど、恩赦については話そう。彼は自分が何をしているかわかっていた。何ヶ月も前に言ったけど、彼は自分で恩赦するだろう。その通り。私は大統領に、合同会議の演説で恩赦を受けた人全員に、立ち上がって、なぜ恩赦を受けたのかを語ってほしいと言いかけたよ。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/03/watch-white-house-counselor-alina-habba-says-she/

3/11The Gateway Pundit<BREAKING: Canada Caves: Ontario Premier Agrees to Suspend Surcharge on Electricity Exports to US a Few Hours After Trump Threatens Retaliation=速報:カナダが屈服:トランプが報復を脅かした数時間後、オンタリオ州首相が米国への電力輸出に対する追加課税の停止に同意>

https://www.thegatewaypundit.com/2025/03/that-was-quick-canada-caves-ontario-premier-agrees/

3/11The Gateway Pundit<JUST IN: House Passes Trump-Backed CR Bill – Massie is Lone Republican Holdout=速報:下院がトランプ支持のCR法案を可決 – マッシー議員は共和党の唯一の反対派>

https://www.thegatewaypundit.com/2025/03/just-house-passes-trump-backed-cr-bill-massie/

3/11Rasmussen Reports<50% Agree ‘The Future Is Female’= 50%が「未来は女性のもの」に賛成>

3月は女性史月間だが、昨年の選挙でカマラ・ハリス氏が敗北したせいか、有権者は女性のリーダーシップが増加するという確信を少なくとも短期的には失っている。

ラスムセン・リポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の38%が、今後5年間で政治やビジネスで女性が指導的地位に就くことが増えると考えていることが分かりました。これは 2018年10月の54%から減少しています 。18%は、5年後には女性が指導的地位に就くことが減ると考えており、39%は、これらの役職に就く女性の数はほぼ同じであると答えています。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/50_agree_the_future_is_female?utm_campaign=RR03112025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

民主党は不正選挙をするためにウイルスをばら撒いたとしか思えない。

3/11阿波羅新聞網<川普绝密计划曝光=トランプの極秘計画が暴露>英ロイター通信は最近、トランプ政権の極秘計画を暴露した。それは、マラッカ海峡を封鎖し、中国からの船舶を含む通過するすべての石油タンカーを拿捕し検査することを目的とした民主的な多国籍軍を結成するというものだ。この計画はイランを狙ったものだと思われるが、実際は中国を戦略的に封じ込めるため、中国のエネルギー安全保障の生命線を狙ったものだ。

マラッカ海峡は太平洋とインド洋を結ぶ重要な海峡である。中国の石油輸入の約80%はこの海峡に依存している。イランの年間石油輸出額約500億ドルのうち、70%が中国に輸送されている。北極航路、中国・ミャンマー石油・ガスパイプライン、グワダル港原油備蓄基地の完成など一連の措置により、中国のマラッカ海峡への依存度は2015年の85%から2024年には68%に低下した。しかし、マラッカ海峡は非常に重要であり、スエズ運河やパナマ運河よりもはるかに重要である。

米国デューク大学ニコラス環境学部のリンカーン・プラッセン教授の研究によると、マラッカ海峡を毎年通過する貨物は、貨物の価値で計算すると、世界の貨物輸送量の27.9%を占めている。つまり、マラッカ海峡は世界で最も重要な交通の要塞で、中国にとってはさらに重要である。アフリカ、ヨーロッパ、中東、南アジアに向かう中国の貨物は、基本的にマラッカ海峡を通らなければならない。最も重要な点は、中国の原油輸入依存度が非常に高く、現在も約70%に達しており、中国の原油のほとんどは中東から輸入されていることだ。中東から輸入される石油は基本的にマラッカ海峡を通って輸送されなければならない。マラッカ海峡を通って輸送される輸入原油は、中国の輸入の80%以上を占めている。

もし米国がマラッカ海峡を制圧すれば、中国の対外貿易とエネルギー輸送の大動脈を制圧し、日本は通過させるだろう。

1990年に早くも、米国とシンガポールは防衛協力関係を確立するための「覚書修正議定書」に署名した。 2019年、双方は協定をさらに延長した。新たな協定によれば、米軍は必要に応じてシンガポールの軍事基地を使用し、後方支援を受けることができる。

トランプの最近の行動から判断すると、彼はマラッカ海峡の支配権を得るためにあらゆる手段を講じることは間違いないが、多国籍軍に1国だけでお金を払いたとは思わない。この時期に、米国はパナマ運河を奪うため、ハチソンを追い払ったが、これはおそらくシンガポールとマレーシアを見せしめにするつもりだったのだろう。マラッカ海峡の貨物量はスエズ運河の約2倍であり、専業でのエネルギー輸送量も大きいため、その重要性はスエズ運河をはるかに上回っている。このような背景から、クラ地峡運河の建設が急いで始まったとしても、米国がそれを簡単に許すことはないだろう。

中共が台湾侵攻したら、即マラッカ封鎖に。

https://www.aboluowang.com/2025/0311/2188009.html

3/11阿波羅新聞網<川普对抗北京大动作曝光=トランプの北京に対する大きな動きが暴露>ロイター通信は3/11、政府高官2人の発言を引用し、重要鉱物の国内生産を増やし、中国の産業支配に対抗する計画の一環として、国防総省の軍事基地に金属精錬施設を建設する計画について独占報道した。

ロイター通信は、トランプ大統領が早ければ3/12にもいくつかの大統領令に署名する可能性があり、今回の動きもその一つだと伝えた。

トランプは先週、米議会で「重要な鉱物と希土類元素の米国生産を大幅に拡大するために歴史的な行動を取る」と述べた。

政権の審議について公に話す権限のない関係者によると、大統領令の一環として、国防総省は他の連邦機関と協力して基地内に施設を設置する予定だという。

ロイター通信は、鉱物処理に軍事基地を利用することは、国家安全保障分野における重要鉱物の地位に対するトランプ大統領の重視を浮き彫りにするだろうと報じた。米軍が使用する戦闘機、潜水艦、弾丸などの兵器は北京で加工された鉱物から作られている。

関係筋がロイター通信に語ったところによると、トランプはまた、重要鉱物担当の局長を任命する計画もある。これは、歴代大統領が他の分野に対するワシントンの関心を調整するために取った措置に似ている。

関係筋は、計画はまだ議論中であり、トランプ大統領が大統領令に署名する前に変更される可能性があると付け加えた。

関係者によると、中国がトランプの関税への報復措置、あるいはその他の理由で重要な鉱物の輸出を制限する可能性があるという兆候があり、一部のトランプ政権当局者を不安にさせているという。

米国国家安全保障会議は、このニュースに関するロイターのコメント要請に応じなかった。

鉱物資源は同盟国同士で、融通すればよいのでは。

https://www.aboluowang.com/2025/0311/2188062.html

https://x.com/i/status/1899150574358032533

何清漣 @HeQinglian 9 時間

かつて日本の友人が私に、日本料理の多くは食べるためではなく見るためのものだと言っていた。この友人は長年北京に住んでいて、中華料理を食べたことがある。

引用

マッシモ @Rainmaker1973  3月11日

料理ではプレゼンテーションが重要

[📹コキナイフ]

何清漣 @HeQinglian 9 時間

このメルツは「死地にあってどう生きのびるか」という概念を理解していない。もし米国が核の傘を提供し続けることを期待し続けるなら、欧州の核の傘はなくなるだろう。

引用

聯合早報 Lianhe Zaobao @zaobaosg 20 時間

ドイツの次期首相メルツは、核兵器の共有について英国やフランスとの対話を開始したいと考えているが、これは欧州に対する米国の核の傘に代わるものではないと強調した。

https://zaobao.com.sg/news/world/story20250310-5994636?utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1741650168

何清漣 @HeQinglian 8 時間

「グリーンランド人は独立を維持するか、米国に加盟するか投票する」、グリーンランド人は火曜日(3/11)に投票した。投票は火曜日に11時間実施された。最終結果は水曜日に発表される予定だ。現地での世論調査や出口調査は恐らく行われない。

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voachinese.comより

何清漣 @HeQinglian 5 時間

コメントを読んでみると、トランプ支持者の多くは戦略と戦術の違いと関連性を理解し​​ていないことがわかった。一つだけ言いたいのは、戦略は正しくなければならず、戦術も正しくなければならないということである。そうでなければ、功は半分の結果しか得られず、失敗してしまうことさえある。

それは、中国が強い国になりたくてWTOに加盟する前に、強くなったら米国と覇権を争うだろうと言うのと同じようなもので、即座に失敗する運命にあるだろう。鄧小平の戦術は韜光養晦だった。

何清漣が再投稿

Bob Fu 傅希秋 @BobFu4China 2 時間

[このため、USAIDでの大量の紙文書のシュレッダー処理と焼却は、オバマ政権の人事管理局OPM、その後オバマUSAIDで働き、その後ジョー・バイデンによってUSAIDの事務局長に任命された現USAID事務局長代理によって本日命じられた。ここで何が起きているのか? ]

@HeQinglian @realTaoRay @zhangboli198964 @zhangtianliang

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引用

マイク・ベンツ @MikeBenzCyber​​ ​​3 時間

ということで、今日 USAID で大量の書類をシュレッダーにかけて焼却するよう命令した現在の USAID 事務局長代行は、オバマ OPM で働き、その後オバマ USAID で働き、就任 1 週間目にジョー・バイデンによって USAID 事務局長に任命された。一体何が起きているのか? x.com/MikeBenzCyber​​/…

何清漣 @HeQinglian 5 時間

文化大革命の手段は、階級闘争を主軸とし、大衆を互いに戦わせ、社会に分裂を生じさせることだった。本質的には、一種の身分政治を確立し、人々を家庭環境に応じて階級に分け、その階級に応じて、入学、就職、昇進など、さまざまな社会資源を享受できるようにするものだった。

上層部の権力闘争は単なる手段に過ぎず、MAGA 運動は文化大革命とは何の関係もない。MAGA はオバマ・バイデンの新しい身分政治を打倒した。

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引用

嵐のようなデナーリス @coolchinese 12 時間

返信先:@HeQinglian

表面的には、文化大革命は、伝統や文化遺産の略奪、破壊、あるいは階級闘争であり、米国のDEIやBLM運動に似ているように思われたが、本質的には、毛沢東がポピュリスト勢力を扇動し動員して、いわゆる「資本主義支配(体制)派」と戦わせた上層部の権力闘争であった。この観点から見ると、MAGA 運動は文化大革命に近いと言える。

松本氏の記事では、現代ではヤルタ密約のようなことは出来難くなっていると。ただ、力の強い国が属国を従えて、衛星国とするのは仕方がない。ただその国に自由を与え、敬意を払い、伝統文化を尊重する親分の下にいたい。その点で、ロシアや中共は論外で、米国との同盟を確固たるものにしておきたい。左翼の支配する米国ではない。

それでも、日本は核の傘でなく、核武装したい。中共と対峙するには核を持たないハンデイは大きい。

記事

1945年2月にソ連・ヤルタ近郊のリヴァディア宮殿で行われたアメリカ・イギリス・ソ連の首脳会談。前列左からイギリスのチャーチル首相、アメリカのルーズベルト大統領、ソ連のスターリン書記長(写真:AP/アフロ)

(松本 太:日本国際問題研究所プラットフォーム本部長、前駐イラク大使、元駐シリア臨時代理大使)

皆さんは、毎日飛び込んでくる世界のニュースを前にして、不思議な違和感を覚えないだろうか。私たちは、戦後80年以上慣れ親しんできた国際秩序とはいささか異なる世界に足を踏み入れているのではないかと。

私たちの感じる違和感をよりくっきりと浮かび上がらせてくれたのは、トランプ大統領の誕生に他ならない。それでは、なぜ私たちはこれまでとは「異なる世界」の到来を感じ取っているのだろうか。

それは、きっと80年の時を超えて蘇った「ヤルタモーメント」のせいである。

2025年は日本にとっての戦後80周年というばかりではない。私たちは、1945年2月にクリミア半島にあるヤルタで行われたヤルタ会談からちょうど80年でもあることを改めて想起する必要がある。歴史上、日本の敗戦が事実上確定的になるのは、1945年8月15日ではなく、ソ連の対日参戦が決まった同年2月のヤルタ会談であったのだから。

本稿では、「ヤルタモーメント」の再来とその意味合いについて考察しつつ、私たちが歩むべき道を考えてみたい。

ヤルタよりヘルシンキを好むヨーロッパ

この2月に開催されたミュンヘン安全保障会議でアレクサンデル・ストゥブ・フィンランド大統領は、ヤルタ体制とヘルシンキ体制を比較しつつ、現在の国際秩序がヤルタ体制に近づいていることを指摘した(参考:“Finnish president warns Europe faces new Yalta or Helsinki moment”, FINANCIAL TIMES)。

同大統領は、「これは、ヤルタモーメント対ヘルシンキモーメントである。ヤルタモーメントとは、当時の大国による分割であった。ルーズベルト、チャーチル、スターリンたちが、勢力圏に基づいて、欧州の安全保障体制を創造したのだ。一方、もう一つの選択肢、ヘルシンキモーメントは、1975年に国民国家が相互にいかに振る舞えばよいかを規定することになった。後に、それは、独立、主権、領土の一体性という国家の3つの原則となった」と説明している。

ヤルタ体制とは、第二次世界大戦の終結に向けて、スターリン、チャーチル、ルーズベルトの3巨頭がクリミア半島のヤルタにおいて、力による秩序形成を図ろうとした試みだ。

一方、いわゆる「ヘルシンキ宣言」は、冷戦下の1975年8月にフィンランドのヘルシンキにおいて35カ国が調印し、全欧安全保障協力会議の基盤となったものである。

1975年7月30日から1975年8月1日にかけてフィンランドの首都ヘルシンキで開催された欧州安全保障協力会議。会議では最終文書であるヘルシンキ宣言が採択された(1975年8月1日、写真:picture alliance/アフロ)

ロシアの脅威に直面する北欧諸国の最前線に位置するフィンランドの大統領から「ヤルタモーメント」に対する強い警戒感が吐露されるのは、無理もない話である。北欧諸国の人々こそ、ロシアとの緊張した対峙という長い歴史を有していることは論をまたない。とりわけ、ウクライナの停戦をめぐって、トランプ大統領がゼレンスキー大統領の意向を軽視するかのような言動を繰り返すに及んで、欧州の憂鬱は極限に達している。

この点で、同じ様に、もう一つの北欧の国であるノルウェーを代表して、エスペン・バット・アイデ・ノルウェー外相も、米国とロシアがウクライナの将来を議論する中で、ヨーロッパは観客としての地位に甘んじるのかと指摘し、「我々(ヨーロッパ)は何としても新たなヤルタを回避する必要がある」と述べていることは、欧州の焦燥感を一層物語っている(参考:Interview « Nous devons à tout prix éviter un nouveau Yalta », Le Point)。

「かつての世界には戻らない」と言う英国のスパイマスター

もっとも、第二次世界大戦の渦中のように、世界の秩序が奈落の底に落ちてしまったような状況下では、やはり力のみが秩序の再生を担えると考えるのは、それほど的外れなことではない。7年にわたって英国のスパイマスター(インテリジェンス機関のトップ)を務めたアレックス・ヤング前MI6長官も、我々が生きている現在の世界は、ヤルタ会談における力による秩序形成のプロセスそのものであることを、BBC Newsnightにおいて次のように指摘している。

「我々は新しい時代に生きている。そこでは、多かれ少なかれ国際関係は、ルールや多国間組織によって決められるのではなく、強い人物やディールによって決定される。1945年のヤルタ会談では3つの大きな強い国を代表する3人の巨頭が、小国の運命を決めることになった。こうした考えがトランプ大統領や、もちろんプーチンの頭にある。習近平も同様であろう。ヨーロッパの考えにはない。いろいろな理由によって、これが、我々が向かっている世界である。我々はかつての世界には戻らないだろう」

やはり、「かつての世界には戻らない」と割り切る英国のスパイマスターの見方の方が、北欧の首脳たちよりもはるかに現実的ということなのだろうか。

第二次世界大戦の失態はもはや許されない:最も重要な情報の入手と認識の共有

それでは、私たちは、このような「ヤルタモーメント」を眼前にして、どうすればよいのか。いつかのように、「欧州の情勢は複雑怪奇なり」とでも嘆息し、自らの無知蒙昧を嘆くのだろうか。残念ながらそのような知的怠慢は、二度にわたる原爆の投下と敗戦という歴史を知っている現代の私たちにはもはや許されないだろう。それでは、再びやってきた、この新しい世界に無理やり投げ込まれた現代の私たちに、生き残る術があるのだろうか。

歴史に「もしも」はないにせよ、1945年2月のヤルタ会談から同年8月15日の敗戦までに果たして何ができたのかと、まずは思いを巡らすことは、ヤルタモーメントを目の当たりにしている私たちにとって最初の一歩となろうか。

最も重要なのは情報の入手とその認識の共有である。当時、様々なルートを通じて得られたヤルタ会談での密約に関わる情報が、日本政府内部で十二分に共有、認知されていたかについては多々議論があるが、(1)そもそもの正確な情報入手の課題に加え、(2)そうした情報が政府内部で意味のあるものとして認識共有されていたかという本質的な問題がある(参考:「ストックホルム発・ヤルタ緊急電は東京に届いたのか」清水亮太郎、防衛研究所NIDSコメンタリー)。

結局、確固としたインテリジェンスに基づかないまま、今から見れば極めて非現実的と思われるにもかかわらず、当時の日本政府はソ連を通じた米英との終戦工作にこだわり、(3)すなわち「幻想の外交」(『変容する国際社会の法と政治』細谷千博・皆川洸編、有信堂、1971より)を招いたことは、衆目の一致するところであろう。そもそも、第二次世界大戦末期、ドイツとイタリアの敗北の結果、日本が頼りとした枢軸同盟は幻となり、日本自らの国防能力すら失った以上、当時の日本には為すすべがなかった。さらにはそのような中で、国論が一致せず、何ら外交政策の転換を果たせなかったことは、実に致命的であった。

ちなみに、ヤルタの密約をよく認知できなかったのは、日本ばかりではない。中華民国の蒋介石もヤルタ会談の内容を、会談後はるか後に知るに及んで、中国の運命が米英ソによって決められたことを憤慨したことは、いささかの慰めとなるだろうか。

スマートパワーとしての日本:機敏な外交の展開

このようなインテリジェンス能力に加えて、やはり世界の変化に応じた機敏な外交は、最も重要だ。私たちは、いずれの大国や小国とも意思を通じつつ、何人を前にしても自らの感情を一切表さず、生き馬の目を抜くような国際場裏において「ポーカーゲーム」をしたたかに展開できるだろうか。

例えば、トルコが自らの地政学的な位置付けを最大限に活用して、米国、ロシアや中国との間でうまく立ち回ったり、インドがグローバルサウスのリーダーとして振る舞いつつ、米国ともロシアとも良好な関係を維持していることをより注意深く観察すべきである。最近では、トルドー・カナダ首相が訪英し、カナダの元首でもあるチャールズ3世イギリス国王に拝謁するなど、米国から、関税という武器をつきつけられたカナダが、英国をはじめとする欧州とのより緊密な戦略関係を追求している独自の動きは注目に値しよう。

無論、日本は、唯一無二の米国との同盟関係をないがしろにするようなことはできないが、これまで以上に、様々な世界の国々との間で機敏でスマートな外交を展開していく必要がある。実際、私たち日本人が思う以上に、日本はすでにスマートパワーを発揮している事実をご存じだろうか。

例えば、オーストラリアのローウィ研究所が発表している、インド太平洋の各国の「パワー」を比較するパワーインデックスによれば、日本はこの地域で最も効果的にそのパワーを発揮している「スマートパワー」(実力以上の効果を発揮している)であることを明確に示してくれている。これは、私たちが、生き残るために必要なことを、知らず知らずの内にすでに行っていることを意味するのかもしれない。

柔軟で多彩な多国間の連携へ

こうした外交上の機敏さやスマートさは、とりわけ、意志を同じくする多国間の連携においてよりよく生きることになる。

例えば、2月24日に、マクロン大統領がトランプ大統領と会談する機会を捉えて、EUの首脳たちがゼレンスキー大統領を囲みつつ、G7諸国も一丸となってトランプ大統領にメッセージを伝えるという試みが行われたことは地味なようで模範的な試みだ。主要国間の緊密な連携とその連帯の拡大により、いかなる大国を前にしても、その他の国々も国際秩序形成においてプレゼンスを確保することが、ようやく可能となる。

無論、安保理を含めた国連、G7やG20、NATO(北大西洋条約機構)といった様々な多国間システムは、かつてのように十全には機能し得なくなっているとしても、そうした枠組みを創造的に活用していくことは依然として必要不可欠である。ソーシャルメディアまで発達した現代社会においては、密室外交はほとんど機能し得ないのだから、大国といえどもヤルタの密談を今や繰り返すことはできないのである。

既存の同盟や連携のみに捉われず、状況に応じて様々な連携と関係を広げ、深めていく必要がある。いわゆるグローバルサウスの台頭しつつある諸国との政治や経済双方を通じた意思の疎通の円滑化は重要な鍵となろう。

非対称戦略の追求:揺るぎない意志と力の充実

力のみが真実となる「ヤルタモーメント」を前にするならば、やはり国家には、強い意志と確固たる実力が必要不可欠である。すなわち、第三国によるいかなる脅威や脅迫に直面しても、揺るぎない立場を貫く国民と国家の強い意志、そして軍事力であれ、経済力であれ、実際的な実力を備える必要がある。そうでなければ、厳しい国際関係の中では、大国によってまっとうな相手とはみなされないだろう。

例えば、当初は、ロシアを前に敗北は時間の問題と見られていたウクライナが3年以上の長期にわたって戦争に耐え続けられているのは、諸外国の支援のおかげばかりではない。2014年以降、(1)強固になったウクライナのナショナリズムに加えて、(2)インテリジェンス面での各国との緊密な連携や、(3)虚偽情報の拡散による情報戦の展開、(4)技術力とイノベーションに基づく低コストのドローンなどの独自兵器の生産、そして、(5)様々な国際的な連携と連帯の構築などに現れているように、戦争を通じて鍛えられた、非対称戦略を突き詰めたウクライナ国民自身の努力に負うところが大きいのではないか。

今後の日本が、世界において相対的に弱いパワーになるとするならば、私たちは必然的に「非対称戦略」を追求していかざるを得ないだろう。

有事が平時に限りなく近づくとすれば、本来ならば有事の概念である非対称戦略を、今から磨き、それを平時においても積極的に活用、展開していく必要がある。インテリジェンスの強化、一層機敏な外交、柔軟な多国間連携の構築といった数々の方策は、まさに国家として追求すべき、核心的な非対称戦略となろう。

現代の「メロス対話」後にウクライナが選び得る選択肢とは

この点で、ウクライナが現在の国際政治上の苦境をいかに脱することができるか(あるいはできないのか)と問うことは、将来の日本にとっても参考となるだろう。2月28日にホワイトハウスで行われたゼレンスキー大統領とトランプ大統領のやり取りとその後の急速な両国の関係悪化を眼前に見るにつけ、私たちは、そこからよく学ぶ必要がある。

なんとならば、筆者には、両大統領のやり取りは、2400年の時を超えて、トゥキュディデスの『戦史』に描かれた、「メロス対話」として知られる、メロスの高官とアテナイの使節のやり取りのデジャヴュにしか見えなかったからだ。

スパルタと戦うアテナイは、紀元前416年の夏に中立国であったメロス島を侵略し、メロス人に、降伏してアテナイに貢物を支払うか、滅亡するかを要求した。

メロス人たちは、アテナイとスパルタという二大国の間で中立を維持することを望んだが、アテナイの使節は、「正義は力の等しい者の間でこそ裁きができるのであって、強者は自らの力を行使し、弱者はそれに譲る、それが人の世の習いというものだ」(『歴史2』トゥキュディデス 城江良和訳、京都大学出版会 西洋古典叢書より)と言い放ち、メロスの中立という希望を打ち砕くことになる。

メロスがアテナイの要求を拒否すると、アテナイはメロスを包囲する。結局、メロスは降伏し、アテナイによってメロスの成年男子全員が死刑とされ、婦女子は奴隷とされたのである。

かつて「メロス対話」が行われたメロス島の現在の風景(Lemur12CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

ギリシア古典の世界とは異なるリアルな現代の国際政治の世界では、トゥキュディデスが描く、アテナイの使節の言辞のような(その内容がいかに脅迫的であったとしても)品格のあるディスコース(コミュニケーションや議論)を期待することはおそらくできないかもしれないが、幸いなことに、少なくともウクライナはメロスではなく、2400年の時の差は、大いなる変化を国際社会に生きる私たちにもたらしている。

例えば、現代では、情報が瞬時に世界に流れ、あっという間に世界の世論の形成が行われ、それがゆえに現代の大国のいかなる振る舞いも大いに制約される。同時に、法の支配や国際法に体現されるような道義が求められる現代では、少なくともあからさまにそれに背くようなレトリックの使用は何人も控えざるをえない。

さらに、ウクライナが構築した広範な国際的な連帯や欧州との強固な関係は、孤立したメロスの比ではない。とりわけ今回、ウクライナに連帯を表明する英仏を中心とする欧州が有志国連合を結成せんとの強い意思を表明したことは、ウクライナにとって極めて大きい支えとなろう。

今こそ、長く暗いトンネルの向こうに輝く光をみつけるために、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」という、あの含蓄のある言葉を、私たち日本人は繰り返し噛みしめてみる必要がある(参考:「岸田総理による外交専門誌『外交』への寄稿文」首相官邸)。

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