『【軍事研究者が議論】「海保と自衛隊の連携強化は待ったなし」日本がこれからすべき戦争抑止の準備』(5/21ダイヤモンドオンライン 小泉 悠、山口 亮)について

5/19The Gateway Pundit<WINNING! New Poll Finds Majority of Americans View the Economy as STRONG for the First Time Since 2021=勝利!最新の世論調査で、2021年以降初めて米国人の大多数が経済を好調と評価>

左翼メデイアのNewsweekは何でもトランプの悪口を言わないと気が済まない。でも米国民の方が分かっている。

ハーバード・ハリスによる最新の世論調査によると、2021年7月以来初めて、米国人の大多数が経済を「好調」と見ている。

これは全く役に立たない民主党にとっては悪いニュースだが、他のすべての人にとって素晴らしいニュースだ。

タイミングに注目してください。人々が経済についてこれほど好感を持ったのは、2021年にトランプ大統領が退任した直後が最後です。今、彼はわずか数ヶ月で大統領に復帰し、人々は再び好感を抱いています。これは偶然ではありません。まさにトランプ効果が作用しているのです。

バイデンは経済にとってひどいものであり、誰もがそれを知っている。

ニューズウィーク誌はこれを報道し依然としてこれをトランプにとって悪いニュースとして報道しようとした。

米国人の経済観は新たな世論調査で4年間の傾向を逆転

ハーバード大学とハリスXが共同で実施した最新の世論調査によると、約4年ぶりに米国人の大多数が経済状況を「好調」と見ている。

なぜそれが重要なのか

今回の調査は、同調査機関の調査において、経済に対する楽観的な見方が悲観的な見方を上回った数年ぶりの出来事であり、インフレ、金利上昇、そしてパンデミックの余波が続く中で、世論が大きく反転したことを示しています。経済に対する見方が強まれば、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる長年の混乱の後、消費者支出と投資信頼感は大きく変化する可能性があります。

米国経済に対する見方がプラスに転じれば、関税など一部の経済政策をめぐって批判に直面しているドナルド・トランプ大統領にとって、政治的な影響を及ぼす可能性がある。

ハーバード大学米国政治研究センターとハリスXが実施した世論調査では、米国人の過半数が今や経済が好調であるとみていることがわかった。

最高の瞬間はまだこれからだ。メディアがそれを歪曲しようとすればいい。米国民は明らかにそのことをよく知っている。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/05/winning-new-poll-finds-majority-americans-view-economy/

https://x.com/i/status/1924586193095950543

https://x.com/i/status/1924608055804887256

5/20Rasmussen Reports<Ukraine: 50% Expect Trump to Get Peace Deal=ウクライナ:50%がトランプ大統領による和平合意を期待>

ドナルド・トランプ大統領がロシアとウクライナの戦争にどう対処しているかについて有権者の意見はほぼ二分されており、半数はトランプ大統領が戦争を終わらせる和平合意に成功する可能性が高いと答えている。

ラスムセン・レポートによる最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の43%がトランプ大統領のウクライナ戦争への対応を「良い」または「非常に良い」と評価し、41%は「悪い」と評価している。  1月にジョー・バイデン氏が大統領を退任する前は、バイデン氏のウクライナ戦争への対応を「良い」または「非常に良い」と評価した有権者はわずか33%だった。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/ukraine_50_expect_trump_to_get_peace_deal?utm_campaign=RR05202025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

5/21阿波羅新聞網<世卫遭当头一棒!美国成立另一个世卫?—小肯尼迪火力全开,世卫组织遭美当头一棒=WHOに大打撃!米国はもう一つのWHOを設立するのか? — ケネディ・ジュニアはエンジン全開し、WHOは米国から大きな打撃を受けている>ロバート・ケネディ米国公衆衛生局長官は、スイスのジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の年次総会で、世界の保健当局者らに向けた録画ビデオでWHOを批判し、同機関は膨れ上がって「死につつある」と述べた。

ロイター通信は、米国はもともとWHOへの最大の拠出国だったが、ドナルド・トランプ大統領がWHに復帰した初日に米国が拠出金の撤回を発表したことでWHOは巨額の予算不足に直面し、今週開催された年次総会でさまざまな改革を通じてこの困難な状況の解決を模索していると報じた。

しかし、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、フォックス・ニュースが録画しWHO総会で放送されたビデオメッセージで、「世界の公衆衛生大臣とWHOに対し、米国のこの組織からの脱退を警鐘として受け止めるよう求める」と述べた。

同氏はさらに、「我々は多くの志を同じくする国々と継続的に交渉を行っており、他の国々にも我々と同じ道を検討するよう奨励する」と付け加えた。

ロバート・ケネディ・ジュニアはまた、WHOは「肥大化した官僚主義、頑迷・固定化した規範、利益相反、国際的な強権政治に陥っている」とも述べた。 「我々は死にゆくWHOの制約に耐える必要はない。新たな機関を創設するか、既存の機関をスリムで効率的、透明性があり、説明責任を果たす機関へと変革しよう」と彼は述べた。

日本も、主権を超える力を持とうとするWHOから脱退し、米国と連携したほうが良い。

https://www.aboluowang.com/2025/0521/2221917.html

5/20阿波羅新聞網<临时抱佛脚 习近平河南“拜佛” 蔡奇消失 仅一亲信随行=仮に仏の脚を拝む、習近平が河南省で「仏陀を拝む」、蔡奇は失踪、側近のみが同行>5/19、中共の習近平国家主席が河南省洛陽を訪れ、白馬寺と龍門石窟を視察した。蔡奇中央弁公室主任は同行しておらず、側近の何立峰のみが同行していた。最近、習近平が権力を失っているという噂が絶えない。外界では、彼が危機に直面するたびに、仏陀の加護を得るために拝仏しているだけだと言って、仮の「仏陀の礼拝」に出かけていることが分かっている。

唐靖遠は、習近平はすでに71歳であり、その年齢で何らかの健康上の問題を抱えているのは普通のことだと考えている。また、中共の指導者は完全な無神論を公言しているものの、実際には毛沢東から現在に至るまで、天命を信じていない人はいないとも述べた。

唐靖遠は、習近平が現在神や仏に祈る行為は、内外において困難の現状で彼の考えが尽きたことを反映していると述べた。

習は下りれば粛清の復讐が待っているので、簡単に下りれない。

https://www.aboluowang.com/2025/0520/2221703.html

5/20看中国<胡锦涛罕见露面 传政治局扩大会议召开“废习会”(图)=胡錦濤が珍しく登場、政治局拡大会議で「習近平退位」の噂も(写真)>複数の経路からの内部暴露によると、中共は5/14に前例のない規模の政治局拡大会議を開催し、「習近平の排除」を主な議論の焦点とした。会議では張又侠・中央軍事委員会副主席が30分間の報告を行ったが、その内容は皆に衝撃を与えたという。ある分析では、この会合は権力分配のための会合だと考えている。将来的には団派が有力な派閥となるだろうが、各派閥はバランスを取りながら利益を得る方法を模索するだろう。張又侠の報告は習近平に退陣を迫るものになる。

「習近平を排除」するために政治局拡大会議を招集

胡錦濤が登場、中心メンバーは習近平と明確な一線を画す・・・4中全会を人事会議に変更することで会議は暫定合意に達した。会議ではまた、次期中央委員会名簿の3分の1を団派が占めることも決定された。 7人からなる常務委員会の再編と習近平国家主席の権力分担について議論した。

権力分配会議:様々な派閥が分け前を奪い合う

運営者は温家宝。団派は強力な派閥となった。

又侠が戦況を報告する。習近平が退陣しないなんてありえない?・・・蘇小和は「張又侠は軍事委員会を代表して政治局に戦況を報告した。習近平自ら昇進させた将軍と中将は全員逮捕された。このニュースは習近平には退陣する以外に選択肢がないことを示すのに十分だ。今は面子を保つことが重要だ」と述べた。

蔡奇は反逆できない・・・長老、太子党、団派が中心となっている。

https://www.secretchina.com/news/gb/2025/05/20/1082493.html

5/20看中国<评论:蔡奇倒戈与元老派联手 习近平遭致命打击(图)=論評:蔡奇は長老と手を組み、習近平に致命傷を与える(写真)>中共最高指導部を席巻する政治的嵐が巻き起こっている。中共中央弁公室が2025年5月5日に発表した「極左思想が当面の活動全般に及ぼす影響を防止し、克服することに関する通知」(中弁発[2025]第11号)は、習近平の執政路線の極左傾向を正面から指摘し、個人崇拝、形式主義、闘争を発展に置き換えるといった誤ったやり方を批判した、政治的爆弾のような文書である。

複数の時事評論家は、この文書が出たのは、最近の長老による反撃、蔡奇の離反、国際社会からの圧力と相まって、習近平の権力の急激な動揺を示し、彼の政治生命の終焉を予兆するかもしれないと分析した。

中央弁公室の文書は政界に衝撃を与え、習近平の極左路線を直接的に非難した。

蔡奇の離反:習近平にとって致命的な打撃

党の長老と軍が協力し、習近平は四面楚歌

国内外での反響:経済危機と国際圧力

歴史の振り返りと今後の課題

https://www.secretchina.com/news/gb/2025/05/20/1082508.html

何清漣 @HeQinglian 14h

今こそ議会が団結し、「One, Big,, Beautiful Bill」を支持する時である。

  1. この法案は米国史上最大の減税をもたらす。収入が3万ドルから8万ドルの労働者世帯は、年間5,000ドル以上の減税と、税負担は2桁の軽減が見込まれる。これは、サービス業経済へのトランプの公約を実現するものである。

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引用

@amuse @amuse 14h

議会が一つの大きな美しい法案のもとに団結すべき時が来た。

ためらっている時は終わった。共和党議員は、党の結束のためではなく、国家のために、ドナルド・J・トランプ大統領の「ひとつの、大きな、美しい法案」を支持して結集しなければならない。これは単なる法案ではない。

何清漣 @HeQinglian 14h

私はやはり同じ見解を抱いている:それは、国内問題を優先し、進歩主義に堕落した米国を改造し、実務まで落とし込むことである。外交においては、自らが熟知していない分野については慎重に対処すべきである。困難が生じたときは、タイムリーな調整を行う必要がある。–これを堅固な基盤と呼ぶ。国内を強大にし、国民への普遍的な福祉があれば、民主党の誰でもWHを掌握することはできないだろう。共和党が8年連続で政権を維持できれば、米国が依然として正常かつ強大な状態を維持する可能性は高い。

https://x.com/i/status/1924884400678043734

何清漣が再投稿

西行小宝 2.0 @usa912152217 11h

2025年5月20日🔥🔥下院監視委員会のジェームズ・カマー委員長は、FOXのインタビューで、自動署名ペンを使用していたバイデン元従業員を発見したと語った。これらの職員は恩赦に署名しただけでなく、一連の大統領命令にも署名した。カマーは、彼らは記録に残る形での尋問を受けるよう要請され、もし拒否すれば、下院は完全な証言録取を求める召喚状を出すだろうと述べた。

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引用

アレックス・ジョーンズ @RealAlexJones 5月19日

速報:バイデン副首席補佐官は潜入ビデオの中で、バイデンは過去4年間ほぼ植物人間で、決して大統領ではなかったと告白した。さらに、本当の大統領は誰だったのかを名指しで明かす!

小泉・山口氏の記事では、言い尽くされてきましたが、抑止力強化としての法整備で、①自衛隊法のネガテイブリスト化②スパイ防止法の制定は必須でしょう。自公政権は親中派が多くいて、棚上げを図ってきた。特に公明党が国交省を牛耳っているから、海保の充実もおざなりになっている気がする。今度の参院選で、自民党は負けるでしょうが、どのくらいになるか?野党がしっかりしていない(社会主義や共産主義に甘い)から、政権を完全に渡すところまでは行かず(衆参同日選はないと思いますので)、結局自公+αで政権運営することになる。今とほとんど変わらない。自民党(Liberal Democratic Party)が示すように自民党は保守政党ではなく、リベラル政党です。真の保守政党が大きくならない(教育とメデイアのせい)のが日本の不幸です。トランプのような人材がいない。

海保と海自はいろんなところで合同演習すべき。いくら文書に書き込んでも、その通り動けるかは別。普段の練習こそが実際必要な場面で展開できる。役所の縦割りでなく、国の安全確保と言うことで協力させるよう、本来は首相が動くべき。

記事

写真はイメージです Photo:PIXTA

小泉悠と山口亮の2人の軍事研究者によれば、抑止力に欠く日本は、警察権と自衛権の隙間を狙われ、攻撃を受ける可能性もあるという。平時と有事の中間にある「グレーゾーン事態」を戦争に発展させないために、日本が着手すべきこととは。※本稿は、小泉悠・山口亮『2030年の戦争』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

日本は抑止力が足りないからグレーゾーン事態を招く

小泉悠(以下、小泉) 台湾有事をめぐっては、山口さんはグレーゾーン事態(平時と有事の中間にある状態)をきっかけとした偶発的衝突の可能性が高いと考えているのですね。

山口亮(以下、山口) はい。最も確率が高いというよりは、対応がしにくいので懸念しています。計画的に武力行使をするには準備が必要です。ある程度相手の動きを読めるので、抑止と防衛の両面から対策を講じることができます。

しかし、偶発的な衝突となると、相手は台本なしにリミッターが外れた状態に近いので、急速にしかも多様な形でエスカレートする可能性があります。近年は現状維持勢力と現状変更勢力の間でグレーゾーン事態が増え、緊張が高止まりしています。この状態が続けば、偶発的衝突の可能性が高くなり、一気にエスカレートする恐れがあります。

小泉 私はそれについては判断を保留していますが、もし一番可能性の高いシナリオがグレーゾーン事態からだとすると、日本はどう対処しようとしているのでしょうか。今足りないことがあるとすれば、それは何でしょうか。

山口 簡単に言えば抑止力が足りません。グレーゾーン事態が生じること自体、抑止が不十分なことを示しています。また、防衛力と同様に問題なのは、法制度による制約です。

山口 日本の場合、憲法9条の制約が指摘されることが多いですが、それだけでなく、自衛隊法や交戦規定など、有事における法整備が十分ではありません。

小泉 抑止力不足の一番の問題は法制度ということですか。

山口 法制度と能力の両方ですね。相手側は、日本に圧力をかけても強く反応しないだろうと見ています。すると次第に現状が変更されていき、我が国は脆弱で不利な状況に陥ってしまいます。

ポジティブリスト形式をネガティブリスト形式に変える

小泉 法制度の課題では、能動的サイバー防御法の整備以外に何がありますか。

山口 我が国の場合、相手の敵対行為を認めて、警察権から自衛権へ移行する手順が、他国よりも複雑です。平和安全法制によって多少は改善されましたが、それでも制約が多いと思います。

相手の敵対行為が明らかになって、自衛権が認められた時点では間に合わず、損害を被ってしまう恐れがあります。この脆弱性を是正するには、交戦規定の水準を下げ、警察権から自衛権への移行手順をもっと簡単にするのも一案です。

これは「すぐ相手を撃て」ということではありません。相手からすれば、日本が先に手を出せば、事態を悪化させたと主張できますからね。そうではなく、一線を少しでも超えたら、敵対行動とみなす、我々は自衛権発動の用意があるとはっきり示すことが、抑止強化につながります。

小泉 交戦規定の水準を下げるというよりは、現状のポジティブリスト形式をネガティブリスト形式に変えるということではないでしょうか。現状は「これはやっていい」としか決まっていません。本来、交戦規定は「これだけはやるな」です。ポジティブリストからネガティブリストへ抜本的に変えないと、現場は縛られたままになります。

山口 おっしゃる通りです。現状はポジティブリストのため、グレーゾーン事態への対処が難しい。相手は、日本の自衛権の行使が縛られていることを理解していますので、最初は曖昧な行動で攻めながら、決定的な瞬間に敵対行為に移ろうとします。

警察権と自衛権の間の微妙なところが狙われる

小泉 グレーゾーン事態とは武力攻撃に至らないような事態です。武力攻撃でなければ、警察権で対処し、武力攻撃が始まれば自衛権発動となります。この交代がうまくいくのかどうか、日本としてはずっと問題だったのだろうと推察します。

小泉 平和安全法制で、日本政府はこの交代を「切れ目のない対応」という言葉で説明しました。ここから先は武力攻撃と明確化することによって、切れ目なく海上保安庁から海上自衛隊へ移管させるという説明でした。

山口 相手は、警察権と自衛権の間の微妙なところを狙ってきます。例えば、中国海警局が、尖閣諸島周辺の日本領海に押し寄せ、何もせずに留まっている。そこから少し離れたところには中国海軍が待機している。この状況に日本はどう対処すべきなのか。

小泉 領海に侵入してきてじっとしている船をどう扱うべきなのか。それは法のレベルではなく、現場の戦術的な話ではないでしょうか。

山口 もちろん、現場の状況把握と判断によるところもあります。グレーゾーン事態の定義は広く、グラデーションがあります。例えば、武装した漁民が上陸した場合であれば、警察が対処する治安問題です。

しかし、相手軍が領海・領空侵犯してきたり、自衛隊機や艦艇に異常接近してきた場合は、防衛の問題となります。領海侵入してじっとしているようなケースは相当曖昧ですが、相手が武力行使に移る可能性があるのならば、自衛権発動の準備をする必要があります。

海上自衛隊と海上保安庁の連携強化を急げ

小泉 このように領海に厄介な船が現れた場合、海自と海保が連携して対応することになっています。そして現状ではできていなくて、やったほうがいいのは、海保と台湾、海保と韓国の連携です。台湾周辺のグレーゾーン事態に対処するには、友好国同士の連携が欠かせませんから。

たまたま台湾の海保と沖合で出会ったという形でもいいので、まずは訓練をしてみることだと思います。

現状、グレーゾーン事態についてのリアルタイム情報を多国間で共有できる態勢になっているかといえば、おそらくなっていないでしょう。

山口 海洋安全保障においては、海自と海保の双方が高い即応力を持ち、緊密に連携する必要があります。近年、中国海軍、海警局、民兵は着実に成長してきていますし、連携も強化されているので、海自と海保の負担が増えていきます。この脅威に効率的に対処するには、海自と海保の連携が何よりも重要です。2023年4月に、有事に防衛大臣が海保を統制する際の要領が策定されました。ただ、これはあくまで通過点であって、肝心なのは今後どのように連携を強化し、役割分担を定めていくかです。

小泉 尖閣諸島の周りには常時、中国の船が何隻か停泊しています。

山口 明確な領海侵犯や敵対・違法行為、演習をしていたり、あるいは何もしていないように見えるけれども、怪しいような事案がたびたび起きています。問題なのは、これらの事態を起こしている船の数があまりに多いことです。

小泉 自衛権発動に至る前に、おそらく海保が漁船などを強制退去させる段階があると思います。しかし、それに対処するには船と人の数が必要です。

海保の白い船で対処しているうちに、日本の手駒が足りなくなり、自衛隊の軍艦の出動を余儀なくされた場合、外形上エスカレーションを仕掛けたのは日本側になってしまいます。それは避けなければなりません。グレーゾーン事態の最中に、どこまでつき合う能力を持っているかが常に重要です。相手のほうが先にエスカレーションをせざるを得なくなれば、日本が圧倒的に有利になります。

日本はグレーゾーン事態における緩衝器を厚く持っておくべき

山口 他国では、日本の海保にあたる沿岸警備隊が準海軍組織として位置づけられている場合がありますが、日本の海保は有事においても文民の法務執行機関であり、非軍事的な活動に限定されています。海保を準防衛組織にするのも一案ですが、現状実行すれば海保への負担が過度に増え、安全と治安の任務に支障が出てしまうでしょう。

一方で、中国を見れば、人民解放軍海軍はもちろん、「第二の海軍」である海警局、民兵の大群を用いて圧力をかけてきています。北朝鮮やロシア、非国家主体のことも考えると、多方面における警戒・監視が不可欠であり、海保のさらなる強化が急務です。

小泉 ソ連の沿岸警備隊は魚雷やミサイルを積んでいたようです。ソナーもあり、対潜水艦作戦もできました。有事になるとソ連軍の一部になります。国防法上、沿岸警備隊はソ連の軍事力を構成する組織に位置づけられています。

日本の海保は大型船を持っており、有事には防衛大臣の統制を受けます。自衛隊と一緒になって作戦をするわけではありませんが、グレーゾーン事態という大きな構図の中では、連携することになっています。

日本がやるべきは、グレーゾーン事態におけるショックアブソーバー、すなわち緩衝器を厚く持っておくことだと思います。グレーゾーン事態をグレーゾーンの中で収められなくなれば、戦争になりますから。これが日本の海保の戦略的意義だと思います。

山口 海保の巡視船には、機関砲や機関銃が搭載されていますし、特殊部隊に相当する特殊警備隊もあります。もっとも、海保はあくまで法務執行機関なので、海自に準ずる形で重装備する必要はありません。海保に求められるのは警戒監視能力の強化です。高性能のレーダーやセンサーを搭載した巡視船、巡視艇、無人船を増やすことが最重要課題です。

日本に必要なのは戦略的なコミュニケーション

小泉 2023年度の海保向け補正予算額は784億円と過去最大です。補正前の本体予算は1800億円程度でした。780億円というのは相当な追加です。この予算で大型巡視船や小型巡視船を作るなどの計画を立てているらしい。

山口 2025年度予算の概算要求は過去最大の2935億円となっていますね。海保に必要な役割と能力を考慮すれば当然のことです。あとは、これからどのようにして海自との連携を強化していくかです。望ましい方向に進んではいますが、海保と自衛隊の能力、連携強化は待ったなしです。

小泉 もう1つ、グレーゾーン事態に関し重要なのは、日本政府の発信能力です。日本にとってグレーゾーン事態は、必然的に海か空の上で起きる可能性が高い。すなわち、そこに住民はおらず、自衛隊と海保しか事態を見ていません。ですから政府が何を言うか、どんな情報の出し方をするかによって、国際世論の受け取り方が決まります。

現状、日本政府の広報は上手とは言えません。今のままであれば中国に言われっぱなしになるでしょう。

『2030年の戦争』(小泉悠、山口亮、日経BP 日本経済新聞出版)

日本に必要なのは戦略的なコミュニケーションです。戦略的コミュニケーション論の教科書を読むと、広報は起きたことを後から説明するものですが、戦略的コミュニケーションは何を言うかを政策段階から組み込むものとされています。何を言うかだけでなく、振る舞いについてもきちんと準備します。

もし尖閣諸島で事態が起きれば、我々は海保の船をこれだけ出す、同時にこういう政府発信をし、こういう国際世論を作る、あるいは相手の主張をこう否定するというところまで事前に考えておくべきです。それをしないまま、ただ船の数を増強するだけという話になるのはよくありません。

我々は言葉やメッセージの力で相手を上回るべきです。それには官房長官が下を向いて役人のペーパーを読むだけではまずい。正しいことさえ言っていれば、国際世論が味方につくわけではありません。

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