『「韓国は中国の一部だった」と言うトランプ 焦点は「金正恩後の朝鮮半島」に』(4/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『「韓国守る必要なし」トランプ氏に喝采送る米有権者、かつて「敵前逃亡」した韓国軍に“根深い”不信』(4/26産経West)について

米国の同盟国であるにも拘わらず、裏切りの連続だった韓国を見捨てる動きが加速してきた感じです。米国が韓国を甘やかせば、甘やかすほど増長する民族と言うのに気が付かないで来たのでしょう。ですから、見捨てる動きになれば、所謂慰安婦像や強制徴用像への日本政府の動きももっと活発化できるようになるのでは。

朝鮮戦争時、李承晩は北朝鮮軍の攻撃から、自分が逃亡するためにソウル市民を見捨て、漢江にかかる橋を落としました。蒋介石の黄河決壊作戦と同じです。また、李承晩は米国の参戦で持ちこたえられたのに、米国の了解も取らず、38度線を越えて進撃して、中国の参戦を招きました。特亜の民族は皆同じ行動を取ります。トランプが「韓国は中国の一部だった」と言ったのは正確ではありませんが、朝鮮人はルーツは中国人ですから。中国人をもっと性格を悪くしたのが、朝鮮人と思えば良いでしょう。

4/27ZAKZA<韓国への“報復”失敗…中国、強硬外交敗北 軍事的対応も示唆「THAAD反対は口だけではない」>

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170427/frn1704271100012-n1.htm

4/26ZAKZAK<中ロ国土を丸裸にするTHAAD、米国と水面下で怪しい火花 韓国経済には致命的なダメージ>

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170426/frn1704261530003-n1.htm

4/27朝鮮日報<中国が抗議すべきは韓国のTHAADではなく日本のXバンドレーダー>

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/04/27/2017042701001.html

朝鮮人と言うのは自責の概念がありません。悪いのは総て他人という精神です。魯迅の「阿Q」の精神勝利法は自分の心の中の話であって、他人に罪をかぶせるようなことはしていません。如何に朝鮮人と言うのが下劣かです。

トランプは韓国に「THAAD代10億$払え」と要求しているのも、払わなければ北の問題が解決した時には、装備を引き上げるつもりかもしれません。戦時作戦統制権の返還はおろか、在韓米軍の撤退も視野に入っているのかも。アチソン声明同様、朝鮮半島は米国の防衛線には入っていないのでは。

朝鮮半島の統一が韓国主導で為されるか、北朝鮮を国連軍が管理することになるのか分かりませんが、日本に資金を供出させようと朝鮮人は思っています。他人の褌で相撲を取る連中ですから、日本は絶対に拒絶しなければ。盗人に追い銭になると思うべきです。その時は国民の結束力が試される時です。朝日を筆頭にマスメデイアは「日本が金を出せ」の大合唱になるでしょうけど、国民の底力を見せるべき時です。

4/28報道特注のyoutubeです。ご参考まで。北の手先の評論家や政治家にも言及されています。

https://youtu.be/bkS31wuE3Ss

日経ビジネスオンライン記事

「韓国は中国の一部だった」。米中首脳会談での習近平主席の“講義”に、トランプ大統領は耳を傾けた(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

米中が朝鮮半島の「勢力圏」見直しに動く。

習近平から習った

鈴置:トランプ(Donald Trump)大統領が「韓国は歴史的に中国の一部だった」とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に語りました。これは歴史認識の問題に留まりません。

「朝鮮半島を今後どう仕切るか」について、米中の談合が始まったことをうかがわせる発言です。トランプ大統領によれば4月6、7日の首脳会談で習近平主席から、そう講義を受けたのです。

WSJの単独会見記事「WSJ Trump Interview Excerpts: China, North Korea, Ex-Im Bank, Obamacare, Bannon, More」(4月12日、英語版)から引用します。

  • He then went into the history of China and Korea. Not North Korea, Korea. And you know, you’re talking about thousands of years …and many wars. And Korea actually used to be a part of China.

以下は全訳です。

  • それから彼(習近平主席)は中韓の歴史に話を進めた。北朝鮮だけではなく朝鮮半島全体についてだ。数千年の間……多くの戦争があった。そして韓国は事実上、中国の一部であったのだ。

なお「韓国は中国の一部」を正確に表現するのなら「朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の歴代王朝に朝貢し、その冊封体制下にあった」と言うべきです。「中国」や「韓国」という名の国が連綿と続いてきたわけではないからです。

難民は韓国に押しつけよう

—なぜ、「北朝鮮の核問題」を話し合う米中首脳会談で、歴史が語られたのでしょうか。

鈴置:驚くには当たりません。必然的にそういう話の展開になるのです。トランプ大統領は中国に「経済制裁を強化することで北朝鮮に核を放棄させよ」と要求しています。「中国がそれをやらないなら軍事攻撃も辞さない」とも明らかにしています。

それを直接、聞かされた習近平主席は「いずれにせよ、核を失った金正恩(キム・ジョンウン)体制は大きく揺れる。混乱した北朝鮮から大量の難民になだれ込まれる中国の身になってほしい」と言い返したはずです。

若くて実績に乏しい金正恩委員長は「核武装」により求心力を維持していますから、核を取り上げられたら政権は崩壊するか、大きく揺らぐのは確実です。

また、南北朝鮮の間には地雷原を含む軍事境界線が横たわっています。普通の人が北から南に脱出するのは困難です。半面、中朝国境は容易に行き来できます。

難民を心配する習近平主席に、トランプ大統領は「難民問題は韓国に任せればよい。『お前が長く望んでいた統一に向けた第1歩だ』と言えば言うことを聞くはずだ」と応じたと思います。

日本への盾は捨てない

それでも、習近平主席は納得できません。韓国が北朝鮮を吸収統一すれば中国は北朝鮮という盾を失い、米国と同盟を結ぶ韓国と接することになってしまいます。中国とすれば「骨折り損のくたびれ儲け」です。

そこで習近平主席はトランプ大統領に対し、歴史的に朝鮮半島は中国にとって海洋勢力――日本や米国の侵略を防ぐ盾であった。それを捨てるわけにはいかない、と強調したのでしょう。

この地政学的説明にトランプ大統領も理解を示し「韓国は中国の一部だった」とWSJに語ったのだと思います。

先に引用した部分に続き、トランプ大統領は次のように述べています。

  • And after listening for 10 minutes I realized that not – it’s not so easy. You know I felt pretty strongly that they have – that they had a tremendous power over China. I actually do think they do have an economic power, and they have certainly a border power to an extent, but they also – a lot of goods come in. But it’s not what you would think. It’s not what you would think.

この記事は大統領の発言をそのまま起したもので、言い足りないところやダブリがあるので意訳します。

  • 習近平主席の10分間の話を聞いて(中国による対北制裁は)簡単なものではないことが分かった。中国は北朝鮮に対する大変な影響力を持っている。経済的な影響力――多くの商品を受け入れる国境貿易という確かな影響力だ。だが、我々が考えるようにはいかない。

なお、原文では「power over China(中国への影響力)」とありますが、文脈から見て「北朝鮮への影響力」の言い間違いでしょう。そう訳しました。

WSJも言い間違いと判断したようです。この記事の1時間22分後に、大統領の発言の背景も書き込んだ雑報「Tramp says He Offered China Better Trade Terms in Exchange for Help on North Korea」を配信しましたが、そこではやはり「over North Korea」と直しています。

要は、トランプ大統領は「中国は北朝鮮に核を放棄させる力を十分に持っている。でも、中国は歴史的に保持してきた盾を投げ捨てるつもりはない。だから問題の解決は簡単ではない」と語ったのです。

交換条件は「米軍撤収」

—結局、米中はどんな取引をしたのでしょうか。

鈴置:トランプ大統領は「核を放棄するまで北に圧力をかけてくれ。ご心配の『朝鮮半島という盾』――中国の既得権は絶対に尊重するから」と約束した。習近平主席はそれを北京に持ち帰った、ということではないかと思います。

そこで現在、米国は北朝鮮を空母などの軍事力で脅しながら、中国の強力な対北制裁を待っているのでしょう。

「朝鮮半島という盾」をどういう形で保証するかまでは詰めていないと思います。在韓米軍の撤収、さらには米韓同盟の廃棄につながる可能性が高いとは思いますが。

「混乱する北朝鮮」には米軍と中国軍を中心とする国連軍が進駐するか、あるいは中国軍が単独で進駐して治安維持活動を展開すると専門家は見ています。ただ、いずれは兵を引くことになるわけでその際、中国は見返りに韓国からの米軍撤収を求めると思われます。

—まさに、前々々回に予想した展開ですね。

鈴置:沈志華・華東師範大学教授は「米国から『北朝鮮の核潰し』を頼まれた今がチャンスだ。重荷の金正恩体制を倒し、韓国に統一させる。さらには半島から米軍を追い出そう」と主張したのです(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

韓国に引導を渡す

—直ちに米国から、呼応する声が上がったのでした。

鈴置:同様の意見を発表したのは、カーネギー国際平和財団( the Carnegie Endowment for International Peace)のマイケル・スウェイン(Michael Swaine)シニアフェローです(「『米韓同盟』も『中韓』も賞味期限切れだ」参照)。

この人に続き、中国に詳しいジャーナリスト、クリス・バックレー(Chris Buckley)氏が沈志華教授の講演を紹介しつつ、北朝鮮の核問題を論じました。ニューヨーク・タイムズ(NYT)の「Criticism of Beijing’s North Korea Policy Comes From Unlikely Place: China」(4月18日)です。

ご丁寧に講演の英訳――抄訳ですが「Excerpts From a China Historian’s Speech on North Korea」(4月18日)も付けています。

中国政府の対北朝鮮政策を真っ向から批判した沈志華教授の講演がウェブ上に残っていることにバックレー氏は注目し「金正恩切り捨て→韓国による吸収統一→半島からの米軍追い出し」という同教授の政策が採用される可能性があると見ました。

沈志華教授の講演と同様に、バックレー氏の記事の存在を教えて下さったのは中国研究者の辻康吾氏です。辻氏も沈志華教授の講演筆記がウェブで読めることから、当局が頭から否定する意見ではないと分析していました。

韓国人に“引導を渡す”記事も登場しました。米国のアジア専門家、マイケル・グリーン(Michael Green)CSIS上級副所長が中央日報に「強大国は韓国の統一を望まない?」(4月7日、韓国語版)を書きました。

同じ日に日本語版にも載りました。原文は英語版の「Do big powers oppose unification? 」(4月10日)で読めます。

主張は単純で「韓国人は統一に備えよ」です。中国の賛同を得て北朝鮮の核を解決するには、韓国による難民引き受けがどこかで必要になるとの見通しからでしょう。グリーン副所長はそこまでは言わず「統一」という糖衣でくるんで語っているのですが。

韓国にとっても緩衝地帯

—なぜ「強大国は統一を望まない?」という見出しなのですか。

鈴置:ほとんどの韓国人は早急な統一を望んでいません。貧しい北朝鮮と一緒になれば生活水準が下がるのは確実です。それに統一すれば、中国と国境を接してしまうのです。韓国人にとって北朝鮮は恐ろしい巨人との緩衝地帯なのです。

もっとも韓国には「統一は民族の悲願」との建前があって、露骨に統一に反対はできない。そこで「周辺大国が望まないから統一はできない」と言い合って、問題から目をそらしてきたのです。

こんな意地の悪い指摘は、グリーン上級副所長はしていません。しかし韓国人の願いとは異なり、周辺大国による「強制統一」が視界に入ってきたので中央日報の定期寄稿者として、韓国人に警告を発したのでしょう。

—「勢力圏の見直し」に向け、意見が収斂(しゅうれん)してきた感じですね。

鈴置:「北朝鮮の核問題」を解決すべく外交的な詰将棋をすると、こうなってしまうのです。例えばフィナンシャル・タイムズ(FT)は2013年4月3日に「Pyongyang must be kept talking」で在韓米軍撤収と北の核廃棄の交換を唱えました。

2010年11月に、それを予想した近未来小説『朝鮮半島201Z年』を書いた時は「米韓同盟がなくなるなんて、あり得ない」と、日本の外交関係者から笑われてしまいました。

でも「北の核」と、韓国人の中国への恐怖感が組み合わさると、そうなってしまうのです。「中国に立ち向かおう」との、よほどの覚悟が韓国人にない限り。

なお、『中国という蟻地獄に落ちた韓国』(2013年11月刊)の末尾には、架空の米中首脳会談を載せています。2017年4月の米中首脳会談で、トランプ大統領と習近平主席が本音をぶつけ合ったとすると、こんな感じになると思います。

損切りが不動産業の要諦

—しかし、米国が韓国を見捨てるでしょうか。

鈴置:米韓同盟は根腐りしています。共通の敵を失ったからです。(「『米韓同盟』も『中韓』も賞味期限切れだ」参照)。だからこそ、韓国は同盟国の米国ではなく、中国の言いなりになるのです(「米中星取表」参照)。

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定
日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年4月26日現在)

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

トランプ大統領は不良資産を早めに処理するのが身上と思われます。損切りの上手さこそがビジネス、ことに不動産業の要諦だからです。4月12日の米ロ外相会談の後の記者会見でも、象徴的なやり取りがありました。

米国のティラーソン(Rex Tillerson)国務長官が「ラブロフ(Sergey Lavrov)外相と、シリアのアサド(Assad)政権がどれだけ持つか話し合った。米国はアサド一家の体制は終わりだと見ている」と語ったのです。ロシアに対し「どうせ長続きしない政権なのだから、早く切り捨てろ」と要求したわけです。

これに対しラブロフ外相は「ティラーソン国務長官は歴史に関心がないと言う。だが、過去に起きたことを無視して現在は語れない」「スロベニア、イラク、スーダンで独裁者を取り除いた後に何が起きたか、我々は経験したではないか」と反論したのです。

ホワイトハウスのホームページの「Remarks With Russian Foreign Minister Sergey Lavrov at a Press Availability」(英語、動画付き)でやりとりを読めます。

ティラーソン国務長官も石油産業に長く携わったビジネスマンで「早めの損切り」が身についていると思われます。

しかしロシアの外相に「外交では下手に損切りすると、損がどんどん膨らむことが多い。出口戦略を十分に練ってから不良資産の処理に動くべきだ」と諭されたのです。

アサド=金正恩

—「アサド」を「金正恩」に換えれば、そのまま米中間の対話になります。

鈴置:トランプ大統領も習近平主席から、北朝鮮の核問題における出口戦略の重要性をレクチャーされたと思われます。WSJに「韓国は中国の一部だった」とわざわざ語ったのも「了解した」との意思表示でしょう。

「韓国が歴史的に中国の勢力圏下にあったことを認める。対北圧力を骨折り損にはさせない」と、北京に約束手形をかざして見せたわけです。

そして自分の国民に対し「北朝鮮の核をなくすために韓国を捨て駒にする必要がある」と了解を求めたのかもしれません。「どうせ韓国は歴史的に中国側の国だったのだから」という説明付きで。

属国扱いされた

—韓国では「韓国は中国の一部」発言はどう受け止められたのでしょうか。

鈴置:政府もメディアも「属国扱いされた」と怒りました。ピントが大きくずれている感じです。トランプ発言で韓国が警戒すべきは「自分の知らないところで取引材料に使われそうになっていること」のはずです。

韓国人にとっては自分たちの「未来」よりも「昔、属国だったかどうか」という「名分」が大事なのです。さすがに朱子学を国教としてきた国のことだけはあります。

(次回に続く)

産経記事

米大統領選で大方の予想を裏切り、今も共和党候補のトップを独走する不動産王、ドナルド・トランプ氏が、在韓米軍の撤退を筆頭に、韓国を軍事的に見捨てる発言を繰り返している。在韓米軍の撤退や核兵器保持の容認など、総じて「北朝鮮と韓国の戦争に、なぜ米国が巻き込まれなければならないのか」との、従来の米国の軸足を変えるような主張だが、有権者の多くに支持され、4月19日のニューヨークでの予備選では圧勝した。身勝手にもみえる発言の裏には、朝鮮戦争で「自分たちの戦争」を米国に押しつけて敵前逃亡した韓国軍のイメージが当時を知る人の間で浸透しているという事情がある。(岡田敏彦)

自分の身は自分で守るべき

「凶暴な指導者を阻止するため、2万6千人の在韓米軍兵士が北朝鮮と韓国の間の休戦ライン付近に配置されているが、我々はこれによって何かを得られているのか。金を無駄にしているだけだ。我々は韓国を守っているが、税金を払う米国民に返ってくるものはない」。トランプ氏は4月2日のウィスコンシン州での演説で韓国との軍事的関係を変えるべきだと主張した。

予備選に伴う各地の演説会で「米国が多額の借金をしてまで世界の警察官を続けることはできない」と約19兆ドルの借金を抱える国家財政に言及して、韓国に「自分の身は自分で守るべきだ」と訴えてきたトランプ氏。米韓軍事同盟を結び、米国の軍事的庇護と引き替えに韓国の核武装を禁じてきた従来の米国の論理とは相容れない主張だ。

韓国は困惑と反発を隠せないが、一連の発言は有権者の米国民に喝采をもって受け入れられている。米国にとって、韓国は米国の若者の命を賭してまで守らなければならない存在なのかという問いに、明確に「NO」を示したからだ。

韓国軍だけが悩みの種

韓国という国家が消滅せず今も存在しているのは、朝鮮戦争(1950-53)で米軍中心の国連軍を率いたマシュー・リッジウェイ将軍の功績が一つの理由だ。同戦争で中国軍(表向きは義勇軍)が参戦してからの、困難な“後半戦”をしのいだ名将は自著「THE KOREAN WAR」(日本語版・恒文社)で、韓国軍のありのままの姿を描写している。

「韓国軍の態度だけが私の悩みだった。進撃する中国軍は韓国軍部隊を次々と敗走させ、そのたび韓国軍は補充困難な、高価な多数の(米国供与の)装備を放棄した」。

同様の描写は度々出てくる。51年5月の東部中央戦区では、中国軍の攻勢に韓国軍が「戦線の遙か後方まで駆逐され」た。そして「退却する韓国軍が放棄した装備は、肩をすくめるだけで済むものではなかった。それは完全装備の数個師団を充分に装備できた」と嘆いている。武器を放り出して敵前逃亡するのは韓国軍の常だったようだ。

にもかかわらず、当時の韓国大統領の李承晩は「非武装の巨大な韓国の人的資源を米国の武器で武装させれば、米軍の兵員は少なくて済む」といった主張を繰り返し、リッジウェイを不快にした。

見下す中国

リッジウェイによれば「李大統領の第一の課題は、彼の軍隊に充分な統率力を確立することであった」が、李大統領自身が、戦争勃発時に民衆や軍を置き去りにして韓国南部へ逃走を続けた人物だ。そんな最高司令官に倣ったのか、韓国軍の敵前逃亡癖はなおらなかった。逃げる上司と、逃げる部下…。2年前のセウォル号沈没事件を彷彿させる。

リッジウェイは「第一線から全ての韓国師団を引き上げ、訓練する時間が必要」と結論づけている。しかし、誰より韓国軍を弱兵と見下し軽蔑していたのは中国軍だった。戦線に突破口を開こうとする際、中国軍は、英軍やトルコ軍、米軍の担当戦線区域ではなく、常に韓国軍の担当区域を攻撃し、もくろみ通り韓国軍は総崩れとなった。リッジウェイによれば「韓国軍1個師団の崩壊によって、他の国連軍部隊の各側面が危険にさらされ、彼らもまた後退を余儀なくされた」。

こんな戦いぶりが3年以上続き、ようやく中国・北朝鮮軍と国連軍の間で停戦交渉が結ばれようとしたとき、李承晩は、“反乱”を起こす。停戦の前提条件のひとつだった捕虜交換を阻止するため、収容所の看守に捕虜釈放を命じ、北朝鮮軍捕虜を市中に解き放ったのだ。反日かつ反共だった李承晩は、朝鮮半島全土が韓国のもの、つまり自分のものになるまで戦争を続けるよう望んだ。

米国だけが残った

国連軍参加各国の態度ははっきりしていた。その声をまとめれば「そんなに戦争を続けたいなら、あなたたちだけでやりなさい」。

第二次大戦を戦い抜いてわずか5年後、地の果ての極東で小国の内戦に縛り付けられる理由がどこにあるのか-。

国連軍は予定通り停戦協定を結び、日本統治も含め極東の安定に責任を持つ米軍を除いて韓国を去った。

2013年、韓国紙の中央日報はこの捕虜釈放について「李承晩は韓国の単独行動でいくらでも停戦体制を崩すことができるという点を世界に知らせた」と、李承晩の“外交力”を肯定的に評価している。こういった「韓国は常に正しい」式の見立ては韓国以外では通用しない。

韓国軍の敵前逃亡について苦言を呈したリッジウェイは、日本ではダグラス・マッカーサーほど知名度は高くないが、米国では「最高の軍人」との評価が確定している。朝鮮戦争当時、中国軍の人海戦術に押され士気阻喪した米第8軍を戦闘集団としてよみがえらせた手腕は、米陸軍で統率(リーダーシップ)の手本として今も信奉されるとともに、一般のビジネス書にも組織運営の理想として取り上げられている。そのリッジウェイの著書によって、多くの米国民が、「本当の朝鮮戦争」を知っているのだ。そして、上官と部下が揃って逃げる韓国軍の実態も-。

戦う条件

米国の“軍事支援”の姿勢は明確だ。例えば日本の尖閣諸島について今年2月、米太平洋軍のハリス司令官は、尖閣諸島をめぐり中国が日本を攻撃してくれば、「米国は間違いなく、日本を防衛する」と述べたが、一方で「米軍が尖閣の防衛義務を果たすからといって、日本が自らの努力を怠れば、米軍が出動する前提が崩れるということだ」と強調している。祖国が侵攻されたら、まずはその国の国民が戦うべきだという当然の主張だ。

トランプ氏の主張は、63年前の「なぜ戦わなければならないのか」との問いそのものだ。韓国はその63年間で、果たしてどう変わったのだろうか。(4月26日掲載)

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