ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

2/8ダイヤモンドオンライン 嶋矢志郎『中国が発表する経済成長率は本当に“偽り”なのか?』、2/9日経ビジネスオンライン 上野泰也『「リーマンショック2」は来るのか 中国「不信」・原油「底なし」、2つのビッグリスク』2/8日経『中国外貨準備、減少続く 元買い介入で1月末378兆円』、2/9ZAKZK 大前研一『中国発の大恐慌は不可避 行き先は超元安とハイパーインフレ』について

やっとメデイアもまともに中国の経済リスクを取り上げるようになったかと言う気がします。日本の報道は欧米の後追いで中国進出を煽るだけという気がずっとしていました。特にヒドかったのが日経。その日経ですら中国の経済危機を報道せざるを得なくなりました。嶋谷氏は日経記者OBです。小生の中国8年間の駐在経験から言って、中国は「何でもあり」「数字の誤魔化しは当り前(財務諸表は少なくとも3通り)」「賄賂は上から下に至るまで受け取る文化」「平気で嘘をつく」「偽物文化(卒業証書、発票=公的領収書)」「破廉恥・反人道主義」なのを目の当たりに見てきましたので、この国はいつか、どこかで頓挫するだろうと思っていました。ただ、こんなに早く経済発展するとは思っていませんでしたが。1997年8月末に北京空港に降り立った時に夜の余りの暗さと道路の大きさにビックリした覚えがあります。車は少なく、自転車が多かったです。帰国時の2005年の時も豊かになったとは言ってもまだまだでした。ただ、2002、3年頃、上海では渋滞で浦西と浦東とのトンネルをナンバープレートの奇数・偶数で通れる、通れないの交通整理をしていましたから、やはり2001年のWTO加盟が効いていたのかとも思います。上海は江沢民の地元でしたので。でも、無理な背伸びをしすぎてコントロール不能まで来ました。何の裏付けもなく借金を重ね、過剰な設備投資して、需給を無視した過剰在庫を抱えるようになりました。世界の産業を潰すまでになりました。崩壊するしかありません。世界平和のためには良いことです。

本4記事は、田村秀男氏や高橋洋一氏がずっと言ってきたことと同じ見方になってきたなあと感じました。上野氏はみずほ証券勤務だからリーマンみたいにはならないと言っていますが。しかし、心の中は違うのでは。あの中国進出を煽り、薄熙来の経済顧問までした大前研一氏までが小生が前から言ってきましたように「打つ手なし」です。如何に中国から遠ざかるかが痛手を少なくする道です。中国と関係の深い企業の株価は激しく下落するでしょう。間違っても中韓を助けることをしないように。特に通貨スワップをすれば大ヤケドくらいでは済まず地獄まで道連れになります。

中国のデフォルト・ショックが起きたときにどうなるのか予想できません。澁谷司拓大教授は「中国には1日600円以下で暮らす貧困層が10億人いる」と仰っていました。この層が革命を起こすかもしれません。天安門事件のようなことが起きるかですが、衛星が発達した現在、かつ解放軍兵士が貧乏人に銃を発砲できるかです。日本人のように組織に帰属意識を持たない民族ですので。反共産党クーデターが起きるかもしれません。中国大陸の歴史は動乱の歴史=易姓革命の歴史ですので、大量の難民が発生するかもしれません。欧州を対岸の火事とせず、対応策は考えておかないと。在中邦人救出とスパイの可能性のある中国人の日本上陸を阻止しないと。

嶋矢記事

中国の常識は世界の非常識?王国家統計局長はなぜ失脚したか

Dong fang ming zhu ta

王保安事件の真相は何か。中国の統計に対する信頼が揺らげば、世界に与える影響も大きい。

 中国共産党の中央規律検査委員会は、国家統計局の王保安局長を「重大な規律違反」で調査していると発表した。王局長は1月19日には世界が注目していた昨年2015年の中国のGDP(国内総生産)を発表し、同26日には中国の経済情勢に関する記者会見に臨み、終了後も取り囲む記者団の質問に気さくに受け答えしていた。その直後の連行、失脚である。

 習近平指導部としては、電撃的な摘発により、「重大な規律違反」への厳しい姿勢を国内外に強く印象づける狙いがあったに違いない。

 その「重大な規律違反」とは何か。肝心の内容が何も明らかにされていないが、一部海外メディアによると、統計データを取り扱う国家統計局のトップである同局長が、事前に外部に情報を漏らしてその見返りに金品を受け取っていたのではないか、という疑惑が浮上しているという。

 さらに今回の事件については、中国の国内外の消息筋から、「本当のデータを公表したら処罰され、捏造のデータを発表したら規律違反では、立つ瀬がない」などと揶揄する声も、筆者の耳に届いた。何らかの目的により、王局長が統計データを改竄していたのではないか、という見方もあるわけだ。

 様々な憶測が飛び交っており真相は不明だが、いずれにせよ、今や世界第2位の経済大国となった中国の統計データを取り扱うトップの汚職がもし真実だとすれば、世界の金融市場に波紋を呼びかねない。今回の報道は、かねてより指摘されていた中国の統計データに関する課題を、筆者に思い起こさせた。それは、統計データの信憑性に関する課題だ。これを機に、それを検証してみたいと思う。

 中国政府が国内外へ向けて正式に発表する統計データの多くは、偽装された「真っ赤な嘘」ではないか――。今回の事件とは直接関係なく、そんな疑惑は以前からずっとあった。今や「知る人ぞ知る常識」として語られている雰囲気もある。真偽のほどは別として、問題はそうした疑惑があるという事実を、いつの頃からか当事者の中国だけでなく、国際社会も暗に認めてきたということだ。

 上海株の大暴落をはじめ、人民元の対ドル為替相場の切り下げ、全国各地で廃墟と化している工業団地や商業施設、主要業種に広がる深刻な過剰設備、さらにはおよそ2億人分に及ぶとされる不動産の余剰在庫など、中国経済の憂々しき実態が次々と顕在化している。中国経済は今、どこまで失速しているのか。全世界が注目する中で、2015年の実質GDP(国内総生産)の成長率が発表されたが、データの信憑性が怪しいことを知る者の中には、公表された数値を信じない人もいたのではないか。

 公表されたGDPの数値は、想定内の前年同期比6.9%増であった。ちなみに、中国政府の目標値は7%である。これに対し、国内外の消息筋の事前予測では、おおむね数字の操作を織り込んで6.8%前後と見られていたが、案の定、その中間に落とし込んできたと思える苦肉の策であった印象は拭えない。

 発表した時点も、昨年末からわずか3週間以内の1月19日である。これ自体が信じ難い早さで、不自然ではある。自由経済圏の場合、最も早い米国でも締め切り1ヵ月後であり、EUや日本では大体、同50日後である。

 GDP統計は、一般に各種統計を加工した、いわば二次統計なので、その算出には一定の手間暇がかかる。先進国の場合は、関係各省庁が英知の粋を集めた複雑な計算式の下で算出し、産業連関表などを駆使して、算入が重複しないよう、縦横斜めの試算を繰り返してから公表するため、これ以上は短縮できないという日時を要してから公表する。中国の場合はこの精査工程を省略して、「算入の重複を削除しないまま公表しているのではないか」と疑われてもやむを得まい。仮にそうだとすれば、GDPは水増しされ、成長率は上振れすることになる。

信じられないGDP統計発表の早さ 「李克強指数」が信頼される理由

 中国の経済政策の司令塔である李克強首相は、前職の遼寧省共産党委員会書記であった2007年当時、すでに「中国のGDP統計は人為的であるため、信頼できない」と喝破して憚らず、「経済指標として信頼できるのは貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の3指標だけである」と公言した。それ以来、中国ではGDP統計よりもこれら3指標による「李克強指数」の方が信頼され、跋扈しているのが実態である。こうした状況に鑑み、統計作業を透明化、改善しようという声も聞こえてこない。GDP統計による公表データの同6.9%増を、この李克強指数で試算し直した修正値もある。それによると、実際は半分以下の同2.8%増だという。

 前述の3指標よりも誤魔化せないという点で、実態により近い指標が貿易統計である。中国側の輸入は相手国の輸出であり、輸出は相手国の輸入になるため、偽装が不可能だからである。とりわけ、輸入の伸び率とGDPの成長率は正の相関関係にあるため、一方が増えるときは共に増え、一方が減るときは共に減って、同じ方向へ連動するため、少なくとも大きな誤魔化しは不可能に近い。

発表によると、輸入は同14.1%減となっており、これは尋常な減り方ではない。輸入が前年比14.1%も減っていながら、GDPだけ6.9%も伸びることは、まずあり得ないだろう。逆に、GDPが6.9%も伸びていながら、輸入だけが前年比14.1%減ることも、まずあり得ない。どちらに疑問があるかと問われれば、明らかにGDPの方である。

輸入が二桁マイナスなのに GDP6.9%成長はあり得るのか?

 ちなみに、李克強指数と同じく、輸入が同14.1%減であった場合、GDPの成長率はどうなるか。単純な回帰分析で試算すると、成長率はなんと、おおよそ▲3%近くになる。中国政府が「GDPの成長率が同6.9%増、輸入同14.1%減であっても、共に真実の数値であり、両者の相関関係には矛盾はない」と言い切れるならば、「輸入とGDPは必ずしも正の相関関係にあるとは限らず、負の相関関係になることもあり得る」ことを立証する義務があるだろう。

 中国のGDP統計を「信頼できない」と思っていたのは、李首相だけではない。元来、中国の経済統計の信頼性には、国内外から疑問視する声が広がっていた。中国全土の各地、各省で集計した総和が、中国統計局が発表する全中国のGDP統計の数値を大きく上回る珍現象が毎年のように繰り返され、常態化していたからである。全国の各地、各省の末端から中央へと数値を集めてくる集計過程でも、申告者が常に正しく申告するとは限らない。収穫や生産の自己申告が業績や昇進などの評価、採点に直結していれば、なおさらである。

 人間の心理上、評価、採点にとってマイナスとわかる結果を自ら奨んで報告する人は少ない。結果として、常に過大な申告になりがちである。とりわけ社会主義経済圏の下では、これが避け難い仕組みであることは、旧ソ連や毛沢東による大躍進時代の中国の名残といえ、その悪弊は歴史が証明している。李克強指数が誕生し、信頼され、跋扈してきた背景でもある。

 ただし国際社会も、中国の経済統計の捏造疑惑を決して看過してきたわけではない。IMF(国際通貨基金)は昨秋、中国に対し、経済統計に関する「質」的な向上の必要性を呼びかけている。中国が経済構造の質的転換を進めていることに対し、その構造転換の成果が経済統計にも正しく反映されるよう、経済統計を「質」的に飛躍させる必要がある、と指摘している。

世界銀行も、「中国の政策決定者は市場への介入を自制できないでいる。これが市場に混乱をもたらし、市場に対する信頼感の低下を招いている。中国が2015年に史上最大の資本流出を経験したのは、政府の介入が要因の1つである公算が大きい。市場は予測可能性と透明性を必要としている」(マデリン・アントンシック前副総裁)として、経済政策の透明性の確保に厳しく注文を付けている。

実際はマイナス成長もあり得る? チャイナショック回避への期待

 習近平主席とその指導部が、二桁台の高度成長から一桁台の安定成長へと経済成長ペースを軌道修正しながら、いわば経済成長よりも構造改革を優先し、7%成長を死守する「新常態」化路線を宣言して走り出してから、まだ間もない。それが早くも7%割れを余儀なくされたため、金融緩和を急いででも経済成長を優先すべきか、経済成長は後回しにして構造改革を優先すべきか、という二者択一を迫られ、大いに迷っているに違いない。

 しかし、データ偽装が真実ならば、実態は7%割れどころか、3%割れやマイナス成長であることも考えられる。世界第二の経済大国である中国経済の実態が、実は想像以上に失速しているとなれば、それだけでも2008年のリーマンショックならぬ「チャイナショック」を引き起こしかねない。影響が国際社会の隅々へ及ぶことは必至である。

 そうなれば、隣国の日本も想定外の経済的な激震に見舞われないとは言い切れない。景気減速や外貨準備高の減少を不安視する習近平が、人民元の流出を食い止めるため、3月開催の全人代において、富裕層に対する「爆買い禁止令」を通すのではないかという見通しも浮上している。それが最悪シナリオへと通じるアリの一穴になるかもしれない。

 これから世界は、中国発の世界同時不況を引き起こしかねない可能性とその誘因因子を、徹底的に洗い出す必要があるのではなかろうか。とりわけ中国と経済上のつながりが深い日本は、中国やアジア諸国と協力しながら、チャイナショック防止を議論するための戦略プロジェクトチームを発足させるなどして、中国の体制整備に力を注ぐべきであると、筆者は提案したい。

上野記事

昨年から今年に持ち越した「3つのリスク」(①中国経済不安、②下げ止まらない原油価格、③米利上げ後の新興国を含むマネーフロー変調)のうち、③は、米国の利上げに打ち止め感が出れば、とりあえず歯止めがかかるリスクと言える。

 だが、残りの2つはかなりの難物だと筆者はみている。年明け以降の市場で大きな不安材料になり続けている①と②をスピーディーに消し去ることができ、しかも現実味のある解決策は、筆者には思い当たらない。

 まず、①中国経済不安は、昨年夏~秋の局面よりもはるかに事態は深刻であり、中央政府が財政政策を用いて景気を刺激すれば市場の不安心理が沈静化する、というような生易しいものではなくなっている。

「不安」から「不信」へ

 市場のセンチメントは、「不安」と形容されるレベルから、中国当局による経済政策運営や人民元という通貨そのものに対する「不信」「信頼感の喪失」へと、悪い方向に一段シフトした。最近出てきた中国問題関連の要人発言などをいくつか挙げた上で、筆者のコメントを加えてみたい。

◆マルコ・ルビオ米上院議員(共和党の大統領候補指名争いで3位につけている有望株) 「中国が国内で深刻な危機に面している。バブル経済には、別のバブルで埋め合わせをしてきたが、ついに危機がやってきた」(2016年1月7日)

~ この見方に筆者も賛同する。「リーマンショック」後の危機局面で大規模な景気刺激策を実施したことが、不動産バブルを膨らませた。これが崩壊したものの、抜本的な政策対応を怠り続けた結果、政策面で手詰まり感が強くなり、市場の不安感のみならず不信感をも招いている。

◆中国の銀行不良債権、2015年の増加幅は前年の倍以上(2016年1月12日 ロイター)

「中国の銀行が抱える不良債権の2015年の増加幅は前年の倍以上となった。匿名の関係者2人がロイターに明らかにした」 「関係者によると、2015年の不良債権の総額は1兆9500億元(2968億ドル)」 「2014年の不良債権は2574億元(391億9000万ドル)増の1兆4300億元であったため、15年の増加幅は5000億元以上とみられる」 「銀行業監督管理委員会はロイターのコメントの求めに応じていない」

~ 日本の経験からすると、不良債権問題を解消するための切り札は、「徹底したディスクロージャー(情報開示)」と「公的資金の大規模な投入」の2つである。だが、中国の当局はいずれにもまだ取り組んでいない。そうした実情をあらためて確認できる報道である。

◆中国の中央財経指導グループ弁公室の韓俊・副主任(2016年1月11日 ニューヨークの中国領事館で)

「(人民元が対ドルで一段と大幅に下落すると想定するのは)ばかげている」「人民元に対する経済ファンダメンタルズに大きな変動はみられない」「人民元を空売りする試みは成功しないと思う。投資家は人民元を信頼すべきだ」

~ 人民元の対ドル相場下落(=人民元からドルへの資金流出)の問題で、事態の全体像を人民銀行など中国の政策当局がどこまで把握してコントロールできているのかに、市場は疑念を抱きつつある。

 IMF(国際通貨基金)がSDR(特別引出権)の構成通貨に人民元を新たに採用することを決定した後で、無理に通貨価値を支える必要性はもはや薄れたという考えから人民銀行が元安ドル高に誘導し始めたというような、単純な話ではなさそうである。

 人民元の下落を当局が容認していることへの不信感から、「草の根」レベルで中国から海外への資本逃避(キャピタルフライト)が起こっており、人民銀行は外貨準備を大量に使ってドル売り人民元買い介入などをしてなんとか食い止めようとしているのではないかという見方が浮上している。

 中国の外貨準備高(金やSDRなどを含まないベース)は、昨年12月末時点で3兆3304億ドル(前月比▲1079億ドル)。12月の月間減少幅は過去最大で、このペースが続くと3年もたない計算である<図1>。そして、中国の外貨準備高は1月も995億ドルという巨額の減少になったことが、直近データから明らかになっている。

■図1:中国の外貨準備高

2015China's foreign currency reserves

(出所)中国国家外為管理局(SAFE)

 仮に、中国の外貨準備高の急ピッチの減少が今後も続くようだと、中国は自国通貨の防衛を継続できなくなって人民元はフリーフォール状況に陥るのではないかといった見方が市場で広がりかねない。

日本の20年前に似た雰囲気

 また、最近の中国の政府当局者の市場に関する言動を見ていると、「上から目線」を感じることが多い。日本でも少なくとも20年ほど前まではそうした雰囲気が漂っていたと記憶している。だが、内外経済におけるマーケットの影響力の大きさが政治の世界でもよく知られるようになる中で、日本の当局者の姿勢は大きく変わり、マーケットの動向を重視して、参加者の意向を尊重するようになっていった。

中国でも金融市場は自由化されていく流れにある。当局者の姿勢もまた、いずれ変わらざるを得なくなるだろう。また、市場はいわゆる「大本営発表」を安易に信用しない。情報発信の手法などにおいても、中国でいずれ大きな変化が出てくるのではないか。

 だが、これらはいずれも長いタイムスパンの話である。中国当局による「市場との対話」は今のところ、それが存在しているのかどうかさえ定かではなく、世界の金融市場を不安定化させる原因の1つになっている。

 もう一つの大きなリスク、②原油価格はどうか。原油の価格は崖から落ちるように下落してきており<図2>、この問題は「出口が見えない袋小路」に入った感が強い。サウジアラビアとイランの関係が悪化して外交関係断絶にまで至ったことで、石油輸出国機構(OPEC)が減産に動く可能性はかなり小さくなったというのが、筆者の見方である。

■図2:OPEC原油バスケット価格

the price of crude oil

 原油の減産に動くための前提条件として、サウジアラビアは以前から、ロシアなど非OPEC(OPECに加盟していない)産油国との協調減産の必要性を強調している。だが、OPECと非OPECの協調減産が実現するかどうかのカギを握るとみられるロシアのノバク・エネルギー相は、その実現に否定的なコメントをたびたび発している。

 1月15日にテレビ出演したノバク氏は、「OPECの全加盟国が(減産で)合意することさえ見込めない。いわんや非OPECとの協調減産もあり得ない」と指摘。「石油輸入国が世界市場からの輸入を減らしており、現段階では輸入国の影響力が大きい」と述べた。また、同エネルギー相はロシアの石油企業にとって「カギとなる原油価格の水準は、生産コストの水準、すなわち1バレル=5~15ドルだ」と話した。

 仮に、最近報道されているように、経済がかなり苦しくなったベネズエラなど一部加盟国の要請をうけてOPECが2月に緊急会合を開催し、ロシアも参加して協調減産を協議する場合でも、合意までこぎつけるのは至難の業だろう。

 欧米などから経済制裁の解除をうけて原油の増産・輸出増加に動き出しているイランは、このタイミングでは減産合意には乗りにくい。イランの増産を認めつつOPEC全体で減産しようとする場合は、主にサウジアラビアが自国の生産枠について、イランの増産分を上回る規模で引き下げを受け入れるという話にならざるを得ない。

 だが、両国の関係が悪化している中では、サウジアラビアが一方的に損をかぶる形になる生産枠調整は、実現する可能性がきわめて小さい。イスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアが、シーア派の盟主である国であるイランに対し、いわば敵に塩を送るような形になるからである。

 また、サウジアラビアは市場におけるシェアを重視し続けており、原油価格下落を容認して米国のシェール会社(総じて原油生産のコストが高いとされる)の市場からの退場を促す「持久戦」を、このままさらに続ける意向を示唆している。同国のヌアイミ石油相は1月17日、国際石油市場で供給過剰が続く中、市場安定には「ある程度の時間」がかかると述べた上で、今後について楽観的な見方を示した。

リーマンショック2にはつながらない

 株価に話を転じよう。「グローバルな金あまり」状況の継続に鑑みた場合、リスク要因が多い中であっても、内外で株価が一方的に下げ続けることまではないと予想するのが順当だろう。

 米国の利上げが続きにくいこと(当コラム1月26日配信「昨年末の米利上げは2000年の日本そっくり」参照)、各国の規制監督当局が金融システムの安定維持に注力していることも考え合わせると、「バブル崩壊でサヨウナラ」的な一方的な株価暴落や、先進国の金融システムへの甚大なダメージは発生しにくいと、筆者は考えている。その意味で、年初からの市場の大きな混乱が「リーマンショック2」につながるとは予想されない。

 とはいえ、「中国」と「原油」という2つのビッグリスクが早期に払しょくされそうにない状況下、内外の金融市場の動きは今後も不安定なものにならざるを得ない。したがって、株式の押し目買いなど「逆張り」で投資家が動く際には柔軟性が必要で、無理は禁物である。

日経記事

ピークから2割減 【北京=大越匡洋】中国の外貨準備高が過去最大規模の減少を続けている。中国人民銀行(中央銀行)は7日、1月末の外貨準備高が3兆2309億ドル(約378兆円)で、前月に比べ995億ドル減ったと発表した。減少幅は過去最大だった2015年12月の1079億ドルに次ぐ大きさだ。中国の通貨、人民元への下落圧力が強まり、人民銀がドルを売って元を買う為替介入を繰り返していることが大きな要因だ。

 中国の外貨準備高はなお世界最大で、2位の日本の約2.6倍の規模がある。ただ、15年は23年ぶりに通年で減り、減少幅は5千億ドル以上に達した。4兆ドル近くにのぼったピーク時の14年6月からみると、足元ではすでに約2割減った。

2014・15China's foreign currency reserves

ユーロ安などで評価額が目減りしたり、中国企業の海外進出の支援に活用したりした減少分はあるものの、中国の外貨準備が大幅に減っている大きな要因は為替介入だ。

 中国の景気減速に加え、米国の利上げで海外への資本流出が加速し、市場では人民元の下落圧力が増している。人民銀は急激な元安を食い止めるため、為替介入で元を買い支えている。その分、外貨準備で持つドル資産を売却し、外貨準備の減少につながっている。

 元買い介入は、国内の金融政策にも影を落とす。元買い介入で市中に出回る元を吸い上げることになるため、流動性が目減りし、景気下支えのための金融緩和の効果をそぐことになるためだ。一方で、追加の金融緩和に動けば、利上げに動いた米国など海外へのマネーの流出に拍車をかけ、元安圧力が一段と強まるというジレンマを抱える。

 人民銀は6日発表した四半期に1度の金融政策執行報告に載せたコラムで、主な金融政策手段である預金準備率について「引き下げれば緩和期待が強まり、人民元安の圧力や資本流出の増加、外貨準備の減少を招く」として、一段の引き下げに慎重な姿勢を示した。

 実際、7日に始まった春節(旧正月)の大型連休を控え、人民銀は市場が期待していた預金準備率の引き下げは見送り、公開市場操作(オペ)や特定の金融機関に資金を供給する「中期貸出制度(MLF)」などの手法で大量に流動性を増やした。

 人民元の先安観は依然として強く、景気の先行きも不透明だ。景気のてこ入れには金融緩和が避けられないが、「通貨安競争」と受け止められかねない過度の元安を回避したい思惑も働き、人民銀は金融政策の難しいかじ取りを迫られている。

大前記事

中国経済はもはや破綻が起きるか否かが問題ではなく、いつ起きてもおかしくない状況なので、もはや経済政策の打ち手はないと経営コンサルタントの大前研一氏はいう。それでも危機を回避するにはどうしたらよいのか、大前氏が解説する。 かつてアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌(1929年~)を克服するために行なったニューディール並みの政策で有効需要を創出しようと思っても、すでに中国では高速鉄道、高速道路、空港、港湾、ダムなどの大型インフラはあらかた整備済みで、乗数効果のあるインフラ投資の領域は見当たらない。  しかも、一人っ子政策を続けてきたせいで今後は高齢化が急速に進展するが、介護や年金などの社会保障を支える人材・予算が大幅に不足している。  さらに「理財商品」という隠れた爆弾もある。これは短期で高利回りをうたった資産運用商品で株式ブームの前に人気となり、集まった資金が主に地方政府の不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトに流れたとされる。今後はそれらの投資プロジェクトが行き詰まり、理財商品を発行した「影の銀行」が損失を受けてデフォルト(債務不履行)を起こす可能性があるのだ。日本のバブル崩壊でノンバンクが次々に倒れたのと同じ現象だ。  そして、中国国内で投資先を失ったお金のエクソダス(大脱走)が加速している。人民元は個人は年間約120万円しか海外に持ち出せないが、中国本土から人民元を香港などに違法に送金する「地下銀行」を運営していた300人余り、総額8兆円近くが摘発された例もある。資金の海外流出は必然的に人民元安と株安につながる。

鳴り物入りでスタートした中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)も、中国にはプロジェクトを審査して遂行していく能力があるマネジメント経験者がいないから、ことごとく失敗するだろう。

 以上が中国トラブルの一覧だが、まるで先進国がこの100年間に経験してきたことを10年間に凝縮したかのようだ。しかも、その規模は10倍に膨れ上がり、対する政府の能力は100分の1ぐらいしかないといった状態である。

 もはや中国は習近平政権に限らず、誰をもってしてもコントロールできなくなった。コントロール・フリークが、コントロールしてはいけないものをコントロールしたから、そうなったのである。行き着く先は、超元安&ハイパーインフレしかないだろう。

 いずれにしても、もう中国は「詰んで」しまった。中国発の大恐慌は不可避であり、導火線に火がついてじりじりと燃えている状態だ。これまで中国は世界の景気を支えてきたが、それが全部ひっくり返って日本もその他世界も大混乱に陥る。その余波はサブプライム・ショックやリーマン・ショックよりはるかに大きく、アメリカ発の世界恐慌と同じぐらいか、もしかするとそれ以上かもしれない。

 その危機に備えよと言っても、何が起きるか予想がつかないので、備えようがない。世界恐慌が軍需景気を待望して第2次世界大戦につながった歴史の教訓に学び、中国の動向を注視しながら諸外国に対する攻撃の口実を与えないよう柔軟に対応するしかないだろう。

 ※週刊ポスト2016年2月12日号

2/8日経ビジネスオンライン 鈴置高史『北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射 日・韓の「核の傘」を揺らす一撃に』について

ジェブ・ブッシュは大統領選の討論会で、「北朝鮮のミサイルへの先制攻撃」について言及していましたが、「衛星かミサイルか」人工衛星で撮った映像で分かるのであれば兎も角、分からなければ無理でしょう。地下にミサイルを隠して発射時にだけドームを開いてと言うのは007の映画でも良く出てきます。やはり、ミサイル防衛システムが必要となってきますし、有事の際に反撃できる姿勢を確保できることこそが相手の抑止力になります。米国は勿論抑止力を持っています。日本海にも核を搭載した原潜が遊弋している(対北ではなく対中・対露では)と思われます。日本も早く憲法を改正し、いつでも反撃できるようにし、自衛隊にはネガテイブ・リストだけにすればそれだけでも相手国に対する強大な抑止力になります。それはそうでしょう。攻撃側が中段突きしか出せないと分かったら、それを流して上段突きを出せばよいのですから簡単です。何が来るか分からないようにして初めて相手が言うことを聞くようになります。

中国は外交上の蹉跌を繰り返しています。ルトワックが言っていた通りの道を歩んでいます。北への制裁もいつもどおり「圧力をかけると暴発する」と消極的です。周辺諸国は中国がまた邪魔をしていると思うだけです。国連は無用の長物と益々思われるでしょう。北朝鮮を中国のバッファ・ゾーンにという思いは勿論あるでしょうが、北京軍と瀋陽軍の権力争いもあり下手すればクーデターになることを恐れているのかもしれません。金正恩だって後ろ盾がなければあんなに狂気じみたことはできません。2/9日経には「マカオのバンコ・デルタ・アジアの口座を凍結後、関連口座は複数に分散され、実態がつかみにくくなった。中国から北朝鮮の原油輸入は統計上ゼロ。実際は中朝国境付近の鴨緑江に埋設された約11キロのパイプラインを通じて北に送油」とありました。でなければ経済的に息の根を止められて金王朝はすぐにでも崩壊するでしょう。イランとかは米国と国交回復(共和党大統領が出て来たらどうなるか分かりませんが)する予定なので、イランも北を応援することはしにくいでしょう。やはり中国が鍵です。でも北の主体思想は中国からの「主体」=中国の言いなりにはならないという考えです。朝鮮半島人は相手を利用することしか考えません。

今度はその韓国。2/8日経には「韓国国防相が「検討」 日本との防衛秘密共有

 【ソウル=峯岸博】韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相は7日の国会答弁で、日本と直接、防衛秘密を共有するのに必要な軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結について「日本が何度も要求しているので、政府内で他の要素を一緒に見ながら検討していこうと考えている」と述べた。日韓のGSOMIAは2012年に署名直前で韓国側の要求により棚上げされた。日本は北朝鮮への対応に欠かせないと締結を求め続けている。」とあり、2012年にサイン直前でキャンセルした非も詫びずこれですから。如何に厚かましい民族かという事です。韓国を切れないという甘えと言うか足元を見ているのでしょう。Yahooニュースでは否定する一幕も。変わり身が早いのでしょう。この国の民は信用できません。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000036-yonh-kr

南スーダンで、自衛隊から弾薬1万発を借りたのに韓国国家としてお礼も言わず、「韓国側から要請したことはない」「不足していたわけではない予備的に借りただけ」とか見え透いた嘘を言う連中です。

また、韓国は米国ともTHAADで方針転換し配備を検討とありましたが、これも中国の恫喝でどうなる事やら。中国に振り向かせるために(女が男に気を持たせるような焦らし作戦のような)、やっているのでしょう。米国も韓国を信じてはTHAADの技術・情報が中国に流れると見ていいです。米軍基地内に配備し、韓国人はオフリミット、韓国シンパの米国軍人もオフリミットにしなければ。日本もTHAAD配備について新たに検討と2/9日経記事にありましたが、金が高くても買うべきです。自衛隊基地の中に置いて研究すべきです。

記事

北朝鮮が2月7日午前9時31分頃(日本時間)、北西部の東倉里(トンチャンリ)から長距離弾道ミサイルを発射した。米国をも核ミサイルの射程に入れたと誇るのが目的だ。韓国や日本に対する米国の核の傘を揺るがす一撃となる。

「衛星打ち上げに成功」

 北朝鮮の朝鮮中央テレビは午後0時半(同)に特別重大報道を放送し「地球観測衛星『光明星4号』の衛星軌道進入に完全に成功した」と伝えた。

 朝鮮日報のユ・ヨンウン軍事専門記者は「軍、『北のミサイル(による)人工衛星、宇宙軌道進入に成功』」(2月7日、韓国語版)で以下のように報じた。

  • 北のミサイルによる人工衛星は宇宙軌道進入に成功したと推測される、と韓国国防部は公式発表した。
  • 米本土に到達できる射程距離1万―1万3000キロのICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発が、ほぼ成功段階に至ったことを意味する。

ミサイル実験で何が変わる?

—北朝鮮の狙いは?

鈴置:「米国にまで届く核」を持ったと示すことです。1月6日には4回目の核実験を実施し「核弾頭を着々と作っているぞ」と示しました。

  • 北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による

 2月7日の長距離ミサイル実験で、今度は「その核弾頭を米国まで打ち込めるようになったぞ」と見せつけたつもりでしょう。

 韓国人が米韓同盟への疑いを深めるのは間違いありません。例えば、北朝鮮の通常兵器による挑発で南北が衝突したとします。大規模な戦闘に至れば、米軍が韓国軍を支援することになります。

 が、今後は北朝鮮が「介入すれば、米国を核攻撃する」と脅す可能性が高まります。すると、そうなる前から――平時から、韓国人は「米国人が自分の国への核攻撃リスクまで冒して、果たして自分を守ってくれるのだろうか」と悩むようになるわけです。

 こうして韓国人に米韓同盟への不信感を持たせたうえで、北朝鮮は米韓同盟の弱体化に本腰を入れるでしょう。すでに「米韓合同軍事演習を中止すれば核実験を凍結する」などの誘い水を韓国に向けています(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。

 もしこの取引が成立すれば、北朝鮮は次には「在韓米軍撤収」や「米国との平和協定締結」を言い出し、米韓同盟を廃棄に追い込むシナリオを描いていると思われます。

5月の党大会で「実績」誇示

—今回実験したのは長距離弾道ミサイルだから、韓国と日本にはあまり関係ない、という人もいますが。

鈴置:日韓は北朝鮮がすでに保有している短・中距離弾道ミサイルの射程に入っています。確かに、今回の実験により直接的な脅威が増すわけではありません。

 ただ、韓国はある意味でそれ以上の脅威――米韓同盟への信頼性が大きく減じるという大問題に直面するのです。

 北朝鮮は「米国まで届く核」をかざして、日本に対しても強腰で挑むようになる可能性が大です。

—北朝鮮の労働党大会との関係は?

鈴置:労働党は5月に党大会を開きます。36年ぶりの党大会でして、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の権力基盤を固めるのが目的です。

 30歳代前半の若い指導者だけに実績が必要です。当然、4回目の核実験と合わせ今回のミサイル実験を、第1書記の権威付けに使います。

 「米国に届く核」を完成し、米国と対等に付き合えるようになった――と国民や韓国の親北派に向け、宣伝に乗り出すでしょう。

韓国は軍事行動に出るか?

—韓国はどう出ますか?

鈴置:手の打ちようがありません。中国はもちろん米国も、軍事力まで使って北から核ミサイルを取り上げてはくれません。

 経済制裁も、北朝鮮との輸出入を100%断つといった完全なものなら効果があります。が、原油の90%以上を供給するなど最大の貿易相手国である中国が消極的です。

—韓国自身が軍事力を使う手があるのでは?

鈴置:韓国人にそこまでハラは固まっていないようです。軍事行動に出れば、第2次朝鮮戦争になりかねませんからね。

 もちろん保守の中には、今春実施する米韓合同演習の際に一気に北進し北朝鮮を吸収合併するしかない――と主張する人もいます。戦争を始めてしまえば、米軍も韓国を助けざるを得ない、と説明してくれます。

 あるいは金正恩第1書記を暗殺しよう、と主張する人もいます。ただ、常に隠密行動をするリーダーの暗殺は、口で言うほど易しくはありません。

 そもそも軍事行動を唱える韓国人も、朴槿恵(パク・クンヘ)政権にはそんな思い切った手は打てないだろうとあきらめ顔です。大統領は「国民の目を意識して発言は強気一本やり。だが実は、度胸はない」と言うのです。

 せいぜい、対北支援のトンネル機関、開城工業団地の一時閉鎖程度の「強硬策」しか打てないだろうと見る韓国の専門家が多い。

ソウルに「核武装」の垂れ幕

—国民はフラストレーションがたまるでしょうね。

鈴置:核武装論がさらに盛り上がると思います。4回目の核実験の直後、保守系紙は「核武装を検討せよ」と書き始めました(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。

 その後も、米中など国際社会が早急な対北制裁に乗り出さないので、韓国の核武装論者の声はボルテージが上がる一方です。

 「日本と一緒に核武装に動けば米中も本気になって北を叱ってくれるだろう」との意見も出ています(「そうだ、日本と一緒に核武装しよう」参照)。

 さらには保守の大物政治家も、核武装を呼び掛けるに至りました(「FIFA元副会長も訴えた『韓国の核武装』」参照)。

 ソウルの繁華街には「核武装」を訴える垂れ幕が掲げられ始めたようです。保守サイト、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに金泌材(キム・ピルジェ)記者が書いています。

 「愛国党、ソウルのあちこちで『NPT脱退、自ら核武装』の垂れ幕掲げる」」(2月3日、韓国語)という記事で、写真付きです。

国論は分裂へ

—韓国の世論は核武装論一色になるのでしょうか。

鈴置:左派は核武装論に乗りそうにありません。反対に、北朝鮮との対話で解決しようという人が目立ちます。先ほど説明した「米韓合同軍事演習と核実験凍結の取引」に応じよう、といった意見です。

 驚くべきことに、保守の中からも「米中が談合して北の核を認めそうだ。この状況を根本から変えるために、在韓米軍撤収と北の核廃棄を取引する手もある」との意見が飛び出しました(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。

 韓国の核武装は実現性が低いから、何とか他の手段も考えよう、ということでしょう。

—「韓国の世論は割れる」のですか?

鈴置:そちらの方向に向かっています。

—米国は?

鈴置:打つ手がないでしょう。韓国同様に、軍事力を使うつもりはないからです。4回目の核実験後から、中国と対北制裁を話し合ってきましたが、合意に至っていません。今後も、制裁強化に向け中国の説得に動くでしょうが「北の核」廃棄は難しい。

 今すぐではありませんが、韓国の左派や一部保守までが言い始めた「北朝鮮との取引」に応じる可能性もあると見る人が増えています。ベストの解決策ではありません。が、軍事力を使わないとの前提下では、これがベターに見えるからです。

「米韓同盟」消滅を待つ中国

—では、米韓同盟は緩んでいくということですね。

鈴置:そういうことです。中国にとっては願ってもない状況です。中国が「北の核」の解決に熱心でないのは、北という緩衝地帯を失いたくないからだ、というのが定説です。

 もちろんそれは正しいのですが「北の核」の存在により、米韓同盟を消滅させられると見ていることもあるでしょう。

 今回の北の長距離弾道ミサイルの実験は、単に「ミサイルの射程が伸びたかどうか」といった話ではないのです。東アジアの安全保障の構造を大きく変える事件なのです。

2/4JBプレス 織田邦男『あまりに稚拙な「日本が5日で敗北」シミュレーション 冷戦時のデジャブ、「コミットメント・パラドクス」の罠にはまる?』、2/7日経『米中が取り合う「へそ」』について

ランド研究所と言えば保守派(wikiには「1946年にアメリカ陸軍航空軍が、軍の戦略立案と研究を目的とした ランド計画Project RANDとして設立したのが始まり」とあります)のシンクタンクで有名ですが、この程度の論文を出すと言うのは、本文中にあるようにランド研究所にも中国の金かハニーが絡んでいるのかも。澁谷司拓大教授は「英国MI6曰く、ISよりも中国の「ハニー・トラップ」の方が恐ろしい」と仰っています。小生思うにこれはオズボーン(英国のAIIB参加に熱心だった)のことを言っているのではと思った次第。

確かに織田氏の言うように、現代の戦闘では政治要素を別にすれば、小生は制空権>制海権>陸上占領(制空権がなければ制海権も手に入らず、ましてや陸の占領はできないという意味で)と考えます。日本の航空自衛隊の存在を無視した戦闘を考えて予想するのは為にする議論としか思えません。やはり中国の三戦の内、米国への世論戦に挑戦しているのでしょう。孫子の戦わずして勝つことを実践しているのでしょう。日本は情報戦が弱いから「南京」や「慰安婦」でも負け続けです。外務省が無能ですから。やはり官邸に海外発信を移すと言うことをやっていかないと外務省は何もしないでしょう。

日経の記事もこのランド研究所の論文を米軍関係者にインタビューして否定的に報道しています。ただ問題は米国大統領が戦争と言う重い決断ができるかどうかと。オバマであれば望み薄でしょう。でもこの記事にありますように、小さい芽の内に叩いていれば損害が少なかったのも事実でしょう。チエンバレンの宥和政策がヒットラーの野心を膨らませたのと同じことが起こります。別に戦争をするのでなく、経済制裁から始めればよい。南シナ海の新南群島は日本の領土だったですが、サンフランシスコ講和条約で領有権は未定のままです。台湾と同じ構図です。米国の曖昧戦略の咎めが出て来ています。米国には台湾、新南群島の問題解決をする義務があります。国益からと言って、逃げることは許されません。世界の覇権を握っていた国がそれを放棄した瞬間に地域覇権国に転落するでしょう。今の米国であれば、中国を簡単にねじ伏せられます。衛星から指示を受けない魚雷入り自動浮上するタイプの機雷を中国沿岸に敷設するだけで中国は経済的に干上がるでしょう。後は大統領の決断だけです。

織田記事

Liang Ning as a aircraft carrier

中国東北部・遼寧省大連港に係留された同国初の空母「遼寧」〔AFPBB News〕

 1月15日、米国の外交専門誌「Foreign policy」は、ランド研究所が実施した尖閣諸島を巡る日中衝突のシミュレーション結果を公表した。その結果は「日本は5日で敗北」という衝撃的な結末だった。

 冷戦時、筆者は現役自衛官だったが、「日本は極東ソ連軍に1週間で完敗する」とか、「航空自衛隊は開戦後15分で消滅する」とかよく言われたせいかデジャブ感を覚えた。

 シミュレーションの詳細が不明なため(「Foreign Policy」はシナリオと結果のみ報道)、この評価は難しい。

 「5日」の正否はともかく、日中が直接ガチンコ勝負になれば、結果は同じようになるかもしれない。さりとて、複雑な要因が入り乱れる国際社会の中で、こんなに単純にはいかないというのが率直な感想だ。

 それより、ランド研究所は今、なぜこういう衝撃的な結果を発表したのだろう。筆者はその思惑の方に興味をそそられる。

次々発表される「コミットメント・パラドクス」

 最近、米国では中国系シンクタンクが「コミットメント・パラドクス」を相次いで発表しているという。「コミットメント・パラドクス」を簡単に言うとこうだ。

 米国は同盟国へのコミットメントとして、ジュニアパートナーにあまり肩入れし過ぎない方がいい。さもなければ軍事大国との全面戦争に巻き込まれることになる。それは決して人類にとって幸せなことではない。

 つまり尖閣諸島と言った無人島の領有権を巡り、米国はあまりコミットすべきではない。米国にとって何の価値もない無人島にコミットし過ぎると、中国との紛争に巻き込まれる可能性がある。

 日中間の紛争に巻き込まれたら、米中核戦争にエスカレートする蓋然性もゼロではない。それは米国の国益にとって決してプラスにはならないという助言を装った一種の警告である。

 中国は台湾、南シナ海のみならず、尖閣諸島も「核心的利益」として位置づけ、領有権に関しては一歩も引く気配はない。だが、米国のバラク・オバマ大統領が「尖閣は安保条約5条の対象」と明言したことにより、身動きが取れないでいる。

27年間で41倍という驚異的な軍拡を図ってきた中国も、いまだ米軍だけには歯が立たない。だから中国は決して米国とは事を構えたくないと思っている。もし日中間で小競り合いが起こっても、何とか米軍が動かない方策を探し求めている。

 人民解放軍の高官が語っている。「我々にとって最良の日米同盟は、ここぞという絶妙の瞬間に機能しないことだ」と。この言葉に中国の本音が透けて見える。中国にとっては、米国の宿痾とも言える「引きこもり症候群」を再発するのが一番好都合に違いない。

 今回のランド研究所の公表内容は「コミットメント・パラドクス」そのものである。近年、米国の有名大学やシンクタンクに莫大な額のチャイナマネーが流れているのは公然たる事実である。

 あるシンクタンク関係者が語っていた。公正中立を標榜する有力シンクタンクでも、莫大なファンドを寄付する顧客の意に沿わない報告書はなかなか出せないと。「ランドよ、お前もか」ともよぎるが、「天下のランドだから、そんな」との思いもある。

 オバマ大統領は2013年9月、「米国はもはや世界の警察官ではない」と明言した。その後も同発言を繰り返している。これが今後の米国外交方針の潮流ならば、この流れに迎合する「時流迎合型」報告書なのかと考えたりもする。

ランド研究所の思惑とは

 ランド研究所がこれを公表した12日後、ハリス(ハリー・ビンクリー・ハリス・ジュニア)米太平洋軍司令官は、沖縄県尖閣諸島について「中国からの攻撃があれば、我々は必ず(日米安保条約に基づき)防衛する」と公開の席上で述べ、米軍の軍事介入を言明した。この発言を見る限り、潮流の方向性が定まっているとも思えない。

 では、冷戦時によくあった、日本の防衛力増強を強要するための警鐘なのだろうか。

 だが、オバマ政権はこれまで、日本に対し際立った防衛力増強の要求はしてこなかった。これを考えると、首をひねらざるを得ない。正直に言って今回のランドの思惑は筆者には分からない。

 なぜ、思惑について興味を引いたかというと、シミュレーション内容がランド研究所にしては、あまりにも稚拙で、一方的だったからだ。(シミュレーションの詳細が不明なため、「Foreign policy」の記事からのみ判断していることをお断りしておく)

 シナリオは日本の右翼活動家が魚釣島に上陸したことから始まる。中国は直ちに海警を派遣し、これを逮捕、拘束する。2日目、日本政府は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。米国も日本の要請に応じ、駆逐艦や攻撃型潜水艦を派遣する。中国側も海軍艦艇を展開したため、周辺海域は一触即発の緊張状態となる。

3日目、中国の海警が日本の漁船と衝突、沈没させたことにより事態はエスカレート。中国フリゲート艦が30ミリ対空機関砲で空自機に発砲したことで、日本側も応戦し、一気にテンションは高まり、交戦状態となって海自艦艇2隻が沈められる。

 ここまでが交戦に至るまでのシナリオであるが、どうも素人っぽい。勉強不足の学生が書いた未熟な卒論の感が否めない。実態と乖離し過ぎると、シミュレーション自体の信頼性が失われる。

 2日目に海自艦艇や空自戦闘機を展開したとあるが、根拠は何だろう。海警による上陸日本人の逮捕、拘束は、武力攻撃事態とは言えない。当然、防衛出動は下令されていないはずだ。

 治安出動、海上警備行動がその根拠かもしれない。2日目だったら、時間的余裕なく、ひょっとしたら、海自、空自部隊の展開は「行動」ではなく、防衛省設置法の「調査研究」を根拠にしているかもしれない。

あり得ない前提条件

 いずれにしろ、防衛出動が下令されない限り、展開した海自、空自は武力の行使はできない。仮に攻撃を受けた場合でも警察権に制約された武器の使用しかできない。だとしたら、海自指揮官は中国艦艇からは距離を置き、防護体制を整えて被攻撃を避け、行動の監視を命ずるだけだろう。

 まして中国フリゲート艦の30ミリ対空機関砲の威力圏内に空自戦闘機を飛ばすことなど、まずあり得ない。また海上保安庁の巡視艇が中国海警に「放水」して対抗とあるが、日本の海上保安庁は法律上、他国の公船に対して放水はできないし、するはずもない。以上だけでも、シナリオの未熟さが分かる。

 現実的には、米国が駆逐艦、攻撃型潜水艦を派遣した時点で、中国は矛を収めざるを得ないだろう。人民解放軍は近代化されたとはいえ、いまだ米軍には歯が立たないことは、人民解放軍自身が一番よく知っている。

 1996年、初の台湾総統選挙を妨害するため、中国は台湾近海に4発のミサイルを撃ち込んだ。だが、ビル・クリントン大統領が即座に2隻の空母を派遣した途端、矛を収めざるを得なかった。

 人民解放軍はこの屈辱をいまだに忘れてはいない。だが、中国軍にこの屈辱を覆せるだけの実力は今なお備わっていないのが現実だ。同じ屈辱を味わうようなバカなことはするはずはない。

 中国の軍事行動の蓋然性は、国際政治の観点も考慮しなければならない。現在の中国の最優先課題、つまりコアな国益は、

(1)共産党一党独裁体制の存続 (2)国内社会秩序の維持(分離独立の排除、治安維持) (3)経済成長の持続

 である。特に(3)は(1)と(2)支える必要条件であり、至上命題となっている。

 グローバル経済に依存する中国にとって、(3)のためには、国際社会から糾弾されるような行動、つまり経済成長に悪影響を及ぼすような行動は慎まねばならない。

 2014年、中国が西沙諸島で石油掘削作業を一方的に実施した時の対応が象徴的である。ベトナムは漁船にNHK、CNN、ABC各記者を乗船させ、警備にあたる中国船が、ベトナム漁船に衝突を繰り返す動画を全世界に配信させた。

 中国の暴虐無道ぶりに対し国際社会で一斉に非難の声が上がった。途端、中国は掘削作業を取りやめた。ベトナムは中国が国際社会の非難には敏感だという弱みをうまく利用したわけだ。

 だからこそ、中国は「核心的利益」であっても、国際社会から糾弾されるような通常戦や熱核戦は回避し、「不戦屈敵」を最善とする。これが「三戦」つまり「心理戦、世論戦、法律戦」を重視するゆえんであり、目立たないで実利をとる「サラミ・スライス戦略」を遂行するわけだ。

米本土が攻撃されても怒らない米国人?

 こういう中国が、先に空自戦闘機に攻撃を仕かけ、海自艦艇を沈めて、500人の犠牲者を出すようなシナリオにはかなり無理がある。  シナリオに戻ろう。3日目、海自艦艇撃沈を機に事態はエスカレートし、米海軍も中国艦艇2隻を撃沈する。

 4日目、中国は米国に対しては、本格戦争へのエスカレーションを避けるため、サイバー戦に限定し、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市を停電に追い込む。証券取引所にもシステム妨害を実施して莫大な損害を与える。大被害を受けた米国は日本に対するコミットを下げていくという。

 このシナリオにも相当無理がある。

 米本土の国民に被害が及んだ時点で、第2の「真珠湾攻撃」となり、米国民の怒りは頂点に達するだろう。さらにサイバー攻撃なら軍事的反撃は制約されるという前提そのものに誤謬がある。

 サイバー攻撃については、米国は「サイバー空間国際戦略」( International Strategy for Cyberspace 2011)を公表し、方針を明確にしている。

「合衆国は、他の国々と共に、責任ある行動を促進し、ネットワークとシステムを破壊しようとする者に対し、悪意のある行為者を抑止・抑制すると同時に、国家の重大な財産を必要かつ適切な範囲で防衛する権利を留保する」とし、国家の固有の権利である自衛権はサイバー空間においても適用され、自衛のための軍事力を展開する権利を有すると明言している。

 米国防総省が公表した「サイバー空間作戦戦略」(Department of Defense Strategy for Operating in Cyberspace 2011)でも、サイバー空間における敵対行為に対する自衛権及び軍事力行使の可能性を明示している。

 米国民が激昂すれば、コミットを下げるどころか、本格的な対中戦争にエスカレートする確率が高いことは、中国が一番知っているはずだ。本格的な米中戦争で勝てる確信がないまま、米中戦争の誘因になる作戦を遂行するほど中国は愚かではあるまい。

 同盟国に対する米国のコミットメントにより、米国が多大な損害を受けるという結論が先にあるために、荒唐無稽なシナリオを重ねているような感じがする。これで最終日を迎えるが、無理の上に無理を重ねているため、軍事的に見ても非常に奇妙なところが出てくる。

航空機優勢獲得の戦いはどこへ

 5日目、尖閣周辺海域の海自艦艇は弾道ミサイルと巡航ミサイルの攻撃を受け、海自戦力の5分の1を喪失。中国はさらに日本への経済中枢へも攻撃を開始する。

 日本政府は米国政府に策源地攻撃を要求するが、米国はこれを拒否。その代わり、潜水艦と戦闘機を増派して海自の撤退を支援する。これでゲームは終わり、中国が尖閣諸島を確保するというシナリオだ。

 日本の軍事基地や政経中枢へのミサイル攻撃などというが、これでは明らかな日中全面戦争である。国連を含め国際社会の中国非難は高まり、中国のリスクは相当なものになる。

 もしこのリスクを冒すとしたら、先述のコアな国益、つまり(1)共産党一党独裁体制の存続、または(2)国内社会秩序の維持が本当に危うくなった時だけであろう。

 百歩譲って、こんなこともあり得ると仮定して軍事的に見てみよう。これは組織的、計画的な武力攻撃であり、当然防衛出動は下令されるだろう。であれば空自戦闘機も戦闘に参加しているはずだ。このシミュレーションでは航空優勢獲得の戦いが見えない。

 シナリオは海上戦闘が主とはいえ、航空優勢の帰趨に大きく勝敗が左右される。周辺海域の制空権を握らずして、1~2日で海自艦艇の20%を喪失させることは難しい。

日経記事

囲碁では、2人が白と黒の碁石を交互に盤上に置き、囲い込んだ「領土」の広さを競う。大国の行動も、これに似ている。経済力や軍事力を使い、自分の縄張りを少しずつ広げたがる本能があるからだ。

China aims to be South China Sea as a inland sea

 南シナ海でせめぎ合う米中も同じだ。中国は7つの人工島をつくり、空港やレーダーをしつらえた。

 米軍内では「一度に2隻の軍艦を人工島に送ったり、爆撃機を接近させたりして、圧力を強める案が出ている」(関係者)という。オバマ大統領が承認するかはともかく、緊張は高まりそうだ。

 この対立は一見すると、「航行の自由」をどこまで中国に尊重させるかという国際法問題のようにみえる。だが、本質は、アジア太平洋の覇権をめぐり、米中が熱い縄張り争いに入ったということだ。

 なぜなら南シナ海はただの海ではなく、世界の勢力図を左右する「へそ」だからである。地政学に精通した米戦略家の解説に耳を傾けてみよう。

 米国が南北アメリカ大陸を支配できたのは、19~20世紀初めにかけて欧州の勢力を退け、中心点にあるカリブ海を抑えたからだ。南シナ海もそんな要所にある。中国に支配されたら、アジア太平洋の覇権を奪われかねない――。

 2つの地図を見ていただきたい。いずれの海もちょうど、真ん中に位置している。つまり、南シナ海はアジア太平洋の覇権を決する「カリブ海」なのだ。当然、米中の首脳もそのことは分かっているはずだ。

 こうしたなか、気になる警告が米側から飛び出した。「南シナ海は2030年までに事実上、中国の『湖』になってしまう」。米戦略国際問題研究所(CSIS)は1月下旬、こんな報告書をまとめた。

 根拠のひとつは、中国が数隻の空母機動部隊をもち、南シナ海にいつでも展開できるようになること。米ランド研究所も昨年10月、アジアの米軍優位が崩れていることを示す、詳しい分析を発表した。

 ところが、米政府や米軍関係者にたずねても、返ってくるのは正反対に近い反応だ。「中国軍は増強されているが、米軍の優位は決して崩れない」「中国の成長は鈍っており、軍拡の勢いもいまがピークだ」

 いったい、どちらが本当なのか。米太平洋軍司令官を経て、米中央情報局(CIA)などインテリジェンス機関を統括する国家情報長官も務めたデニス・ブレア氏(元海軍大将)に、疑問をぶつけてみた。

 「そこまで悲観的な状況だとは、まったく思わない。台湾や南シナ海で中国軍が勝つには数週間、制空海権を保つ必要がある。それにより侵略後に拠点を築き、米軍の反撃もはね返さなければならない。中国軍は近年、そうした軍事作戦の経験がないが、米軍にはたくさんある」

 中国軍は新兵器をいっぱい買い込んでいるものの、長年の実戦で鍛えられた米軍の能力には到底、かなわないというわけだ。

 むろん、彼は現実を甘く見ているわけではない。印象に残ったのは、最後に語ったことばだ。自身が太平洋軍司令官だった約15年前なら、米軍はわずかな損害で中国軍に勝てた。だが、そんな時代はすぎたという。「(戦争になれば)こっちにも損害や死傷者が出る。しかし、最後には米国が勝つ」

 アジアで紛争が起きたとき、多くの米兵の命を危険にさらしてでも、介入するか。米大統領はそんな決断を、より切実に迫られる時代になった。この現実は米国だけでなく、アジアにも重くのしかかる。(編集委員 秋田浩之)

2/4、5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『そうだ、日本と一緒に核武装しよう 嫌いだけど「風よけ」に使える日本』、『FIFA元副会長も唱えた「韓国の核武装」 否定する朴槿恵、ほくそ笑む中国』について

北も南も朝鮮半島人というのは似たような行動をします。北は中国を、南は米国を手玉に取って喜んでいる幼児性を感じます。平気で嘘をつき、歴史を改竄・捏造するのは大陸譲り、事大主義は長い歴史の産物でしょう。地政学上自国が手離されることはあるまいとの思いで我儘し放題です。でもいつ虎の尾を踏むか分かりません。特に北のミサイル発射を強行しようとする姿勢は米中合作で政権転覆を図ることに繋がりません。北の核開発を支援しているのは、北京軍に対抗している瀋陽軍と澁谷司先生の講演で触れられていました。(ただ長谷川慶太郎氏の14年の本では「金正恩が張成沢を銃殺したのは瀋陽軍区と北朝鮮の深い結びつきを北京に戻すためにやった」と述べていましたが、これはハズレでしょう)。やはり、中国軍部も1枚岩ではないという事です。澁谷先生は中国軍部の中で瀋陽軍は核を持っていないためと言っていました。まあ、東北3省は旧満州で日本の統治を受けた地域、もっと言えば漢族の土地ではなく、満州族の土地なので、いつ裏切られるか分からないので核を持たせていないのでしょう。今般の7軍区から5戦区に変えるのも瀋陽軍対策の狙いがあります。

韓国は用日とか言っていますが、今までも日本に対し北の脅威を言って利用してきました。その癖、裏では国民に反日を刷り込みしてきて、今や政府がコントロールできないレベルにまでなりました。自業自得と言うもの。通貨スワップは勿論、TPPも認めず、ニュークリアシエアリングも日米で話合うべきです。米国も朝鮮半島人はいつ裏切るか分からないから日本と同程度の民生用の核開発を認めて来なかったのでは。日本は「非韓三原則」で行くべき。民主主義、基本的人権、法治の概念のない国とは付き合わないことです。

キッシンジャーは反日ユダヤ人の典型です。先日はロシアに行ってプーチンと話をしてきたようですが。5月に安倍首相が訪ロする話も流れている所を見ると、シエールガス産出で世界一の石油産出国となった米国は、中東はロシアと欧州に任せ、中国と向かい合うのではと淡い期待を持っています。安倍首相はロシアのG8復帰を持ちかけるのではとも囁かれています。本記事のキッシンジャーの発言は45年前のもので数年前から「日本が核を持つのは見たくないが、(持っても)驚くに当たらない」と言う風に日高義樹氏のTV番組で発言していたと思います。米国保守派に蛇蝎のように嫌われているキッシンジャーですら日本の核について消極的賛成をしているのですから、後は日本国民の問題です。抑止力の問題を国民一人ひとりがもっと真剣に考えないと。それこそが国民主権でしょう。

記事

 韓国で「日本に核武装を唱えさせよう」との声が上がる。「日本の核」で脅せば中国も「北朝鮮の核」を本気で阻止するはず、との計算からだ。もちろん、日本を風よけにして自分が核武装しようとの思惑もある。

「核武装権」を日韓で主張

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月25日「緊急提案・韓日が助けあい『朝鮮半島の核ゲーム』のルールを変えよう」(韓国語)を発表しました。

 趙甲済氏は「世界が北の核武装を黙認するのなら、韓国も核武装するしかない」と呼び掛けてきました(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 この記事では北朝鮮の核武装はもう、国際社会頼みでは阻止できず、自主的な戦略を練らねばならない――と主張しました。戦略の1つとして訴えたのが「中国を圧迫するための韓日共助」です。趙甲済氏の記事の日本関連部分は以下です。

  • 北朝鮮の核の脅威に晒される韓国と日本が協力し「自衛的核武装」や「NPT(核拡散防止条約)脱退」といった果敢な対応策を打ち出すべきだ。(北の核の除去に乗り出さない)中国を変えるには、韓国が変わるしかない。
  • 韓日がNPTの改正を通じ、条件付きの自衛的核武装の権利を主張するほか、台湾とも連携して「非核3カ国共同体」を作れば、中国も大きな脅威を感じるだろう。

 日本や韓国など、NPTに加盟する非核兵器保有国は新たに核兵器を開発できません。そこで日韓が一緒に脱退して核保有に動くか、あるいは緊急時には核を持てるよう、両国でNPTを改正すべきだと訴えたのです。

台湾も加えて対中圧力をより強化

—なぜ今になって、日本との共闘体制が語られるのですか?

鈴置:中国が北の核の除去に動かないことがはっきりしたからです。そこで「韓国がいくら核武装論を唱えても中国から無視されるだけだ。日本にも核武装を唱えさせよう」との判断に至ったと思われます。

 韓国の一部の核武装論者は21世紀に入る頃から「米国の核の傘が信用できなくなった時には、同時に核武装に走ろうではないか」と日本の保守派に持ちかけていました。

 これに耳を貸す日本人はいなかったのですが「北の核武装が現実のものとなった今なら、日本人も応じるかもしれない」と考えもしたのでしょう。

—日本が「核武装論」に賛同すれば、効果が増すのでしょうか?

鈴置:「中国は仮想敵である日本の核武装を最も嫌がっている」と見られていますから、韓国だけで核武装を唱えるよりも効果が遥かに大きいと判断したと思います。

 そして対中圧力をさらに増すため、これまた異なる意味で中国の嫌がる「台湾の核武装」も加えたということでしょう。

米国説得にも日本が要る

 趙甲済氏の主宰するサイトで、匿名で外交を論じるヴァンダービルド氏も「日韓同時の核武装」を主張しました。「冷や水浴びせた中国、残るは自救策のみ」(1月28日、韓国語)です。

 興味深いのは、日本の核武装論は対米圧力に使えると論じたことです。「日韓協調」の目的も、実現が難しい「北の核廃棄」よりも「韓国の核武装」に置いています。つまりブラフの要素は一切なく、日韓で一緒に核武装しようとの明快な主張です。以下です。

  • 自衛的核開発のためには同盟国である米国の説得と、韓国同様に北朝鮮の核の被害者である日本との相互協力が重要だ。
  • 技術的にはまず日本を説得して同じ舟に乗り、それから米国を説得するのが容易だろう。
  • 日本は韓国単独の核開発に反対する可能性が高い。そこで「韓日共同開発」か「韓日がそれぞれに開発する」ことを日本に提案し、その支持を得れば両国はすぐさま同志となる。
  • 国際社会での影響力が相対的に大きい日本が、韓国と協力して米国と国連など国際社会を説得し、北の脅威に晒されている特殊性を認めてもらえば意外と可能ではないか(第3国の支持を得るために日本が支援などを提供する方法もあり得る)。

韓国人は信用されない

—なるほど、本気の「日韓同時の核武装論」ですね。

鈴置:韓国の指導層には「我々は米国に信用されていない」との思いが根強い。例えば前回の「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」で紹介した、以下のニクソン(Richard Nixon)大統領の発言は韓国ではとても有名です。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。

 1972年2月に訪中した際に周恩来首相に語ったものです。『ニクソン訪中機密会談録』の100ページに出てきます。原文は「Nixon’s Trip to China」の「Document 2」の17ページですが、1994年に公開されてからというもの「韓国人が米国に信用されていない証拠」として韓国紙でしばしば引用されてきました。

日本の核は絶対許さない

—それにしてもなぜ、嫌いな日本と「核武装で共闘しよう」との意見が出るのでしょうか。

鈴置:韓国は1970年代に核武装計画を米国に潰されたからです。当時、それを率いたのは朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。現在の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のお父さんです。

 そのため、韓国人は日本人とは異なった形の核コンプレックスを持つようになりました。「核兵器を持とうとしても、どうせ米国に潰される」との思いです。

 だから核武装を目指すには宿敵たる日本と組んで――もっとはっきり言えば、日本を風よけにして――との発想が生まれるのです。

 もっとも、ニクソン訪中の地ならしをしたキッシンジャー(Henry Kissinger)大統領補佐官の周恩来首相に対する発言(1971年10月)を見れば、日本だって危険な存在と見なされていたことが分かります。

 「NEGOTIATING U.S.-CHINESE RAPPROCHEMENT」のDocument13から要約して引用します。

  • 日本人は文化的な均質性により、他者に対する配慮ができない。日本を強くすれば、われわれが望む方向に進むと考える人もいるが、とてもナイーヴな発想だ(23ページ)。
  • もし我々が日本を解き放ち、自らの足で立つようにすれば、日中間の緊張は高まるだろう。そうなれば中国も米国も共に被害を受けることになる(24ページ)。
  • 我々は日本の核武装に反対している。仮に、こうしたことに権限のない役人が何を言おうともだ。もっとも、これまで誰かがそんなことは言ったわけではないが(24―25ページ)。

日本の復讐を恐れる

—日本に核武装など絶対にさせない、との決意が伝わってきますね。

鈴置:これは45年も前の話ですし、キッシンジャー氏の対日警戒論には独特のものがあります。ただ、今でも米国人の「日本の核」に対する警戒心が強いのは変わりありません。

 核兵器を持たせたら米国に復讐してくるとの恐れもあるでしょうし、核で自信を付けた日本が中国と紛争を起こし米国が巻き込まれるかもしれない、との懸念もあるでしょう。

 だから、日本と一緒になって“核武装クラブ”に強引に入ろうとする韓国人の思惑が裏目に出る可能性もあります。そもそも日本が、韓国発の「日韓同時核武装論」に乗る可能性は極めて低いと思います

3回目の「核社説」

—「日韓が組んでの核武装論」に対する韓国人の評価は?

鈴置:それが予想外にいいのです。朝鮮日報が1月28日に社説「米中が北の核に異なる声、今や「核開発」の公論化を避けられない」(韓国語版)を載せました。

 1月6日の北の核実験以降、核武装を訴えた社説はこれで3回目です(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。

 3回目の「核社説」は1月27日の米中外相会談で北の核に関し、意味ある進展がなかったのに失望して書かれました。結論は以下です。

  • 北朝鮮の核兵器による最大の被害者は米国でも中国でも日本でもなく、大韓民国と大韓民国の国民だ。何の根拠もなく核主権を放棄し、核武装論を禁断の金庫に封印するわけにはいかない。

 朝鮮日報はこれまで以上に強い口調で核武装を呼びかけました。なお「日本との連携」には全く言及していません。というのに、結構多くの読者がこの社説の投稿欄に「日本と一緒に核武装しよう」と書き込んだのです。

 編集者に削除されたものを含め、書き込み総数は1週間後の2月4日明け方の時点で113本。うち8本が「日本と、あるいは日・台とともに核武装しよう」との意見。また3本は「韓国が核武装すれば日本や台湾も付いてくる」との、日・台との結果的な連携論でした。

静かに広がる核武装論

 趙甲済氏ら核武装論の影響が静かにですが、韓国社会に広がっていることがよく分かります。「趙甲済氏の記事を読め」との書き込みも、1本ですがありました。「核武装するかを国民投票にかけよう」といった趙甲済氏の持論と同じ主張も見られました。

 1月31日、趙甲済氏は「核の日韓連携論」の新たなバージョンを打ち出しました。「米国の戦術核の韓・日による共同使用」です。米国の核の引き金を韓国と日本も握ろう、との意見です。

—そんなことが可能なのですか?

鈴置:NATO(北大西洋条約機構)では実施しています。次回に説明します。

(次回に続く)=次回は2月5日に掲載予定

(前回から読む)

 韓国で噴出する核武装論。それを黙って見つめる国がある。中国だ。

ベルギーほど重要でない韓国

—前回は、核武装を唱える韓国保守の大物が「米国の核を日韓は共有すべきだ」と訴えた――という話で終わりました。

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月31日に「米国の核の傘は絵に描いた餅」(韓国語)で訴えました。

 「北の核廃棄」が難しいという現実の前で、いかにしたら韓国が核を持てるか考え抜いた末の意見でしょう。以下が前文です。

  • 米国の善意に(韓国人)5000万人の安全を託せない。欧州の5カ国のような「韓米日の核共有制度」を紹介する。

 本文では「核共有制度」(Nuclear Sharing)を欧州の例を引いて説明したうえ、韓国への導入も訴えました。ポイントを訳します。

  • NATO(北大西洋条約機構)に加盟するドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、ベルギーの5カ国に、米国は200個前後の核爆弾を置いている。平時は米空軍が管理するが、戦時にはこれら5カ国と共同運営する。ドイツにある核兵器は独空軍の戦闘機やミサイルに搭載される。
  • 韓国は米国に以下のように提案せねばならない。「我々は米国の核の傘の約束に5000万人の安全を任せ、ひたすら待つわけにはいかない。韓国に米国の核兵器を再配置し、欧州5カ国とのような共同管理体制を作ろう。その核は韓米連合司令部のコントロール下に置き、韓国も核兵器を使用する過程に共同で参加できるようにしよう。韓国の安全はベルギーほど重要ではないというのか?」

緊急時には使える核

 なお、核抑止論が専門の矢野義昭・拓殖大学客員教授(元・陸将補)は「米国も今度は許す?韓国の核武装」で「核共有制度」について、旧・西ドイツを例に次のように説明しています。

  • 緊急時には米大統領の承認を得たのちに核兵器を譲り受けて使用する権利です。「核の引き金」は米大統領が握っているので真の「シェアリング」とは言えず、象徴的な権利に過ぎません。それでも西ドイツは、緊急時には核を使える可能性を確保したのです。

—趙甲済氏はこの記事では日本の「核共有」にどう触れたのですか?

鈴置:触れたのは先ほど引用した前文だけで、本文では触れていません。NPT(核拡散防止条約)脱退と同様、日本と共同歩調をとった方が実現性が高いとの判断から「韓米日の核共有」としたのでしょう。

 趙甲済氏は日本人の核に対する強烈なアレルギーをよく知っています。だから、日本に共闘を呼び掛けるにしても「日韓同時の核武装」では実現性が薄い。米国の手持ちの核に日韓が一緒に乗る「核共有」なら可能性がある――と考えたと思います。

「NPT脱退」掲げ大統領に?

—1月31日には、FIFA(国際サッカー連盟)副会長だった鄭夢準(チョン・モンジュン)氏もNPT脱退を検討すべきだと発言したようですが。

鈴置:日本ではワールドカップを韓国に誘致した人として有名ですが、国会に当選7回の保守の大物政治家です。投票日の前日に候補者一本化のため降りましたが、2002年の大統領選挙にも出馬しました。現代グループの創業者、鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の6男でもあります。

 鄭夢準氏は2013年に北が3回目の核実験をした直後から、核武装を主張してきました(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。

 1月31日にブログに発表した「北の核の前で我々は何ができるか」では「北の核には核でしか対抗できない」と主張したうえ、事実上の核武装論であるNPT脱退論を改めて訴えたのです。

 米国の核の傘をどこまで信用できるか分からない、との思いからです。「北の核の前で……」(韓国語)はこちらのリンクで読めます。

 一部の韓国メディアは「NPT脱退論を掲げて2017年末の大統領選挙に出馬するつもりか」とも報じました。例えば朝鮮日報の「核開発を持ち出した鄭夢準」(2月1日、韓国語版)です。「核武装すべきかどうか」が、国民の論議の対象に浮上しつつある証拠です。

 北朝鮮が米国まで届くような長距離弾道ミサイルの実験でも実施すれば、世論に一気に火が付くかもしれません。長距離弾道ミサイルこそが米国の核の傘に穴を開ける、と韓国人は見なしているからです。

否定して見せた朴大統領

—現政権は核武装をどう考えているのでしょうか?

鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は1月13日の会見で、記者の質問に対し次のように答えました。通信社「ニュース1」の「朴大統領の談話後の会見 1問1答―上」(1月13日、韓国語)から引用します。

  • 我々も戦術核を持つべきではないかとの声が出ています。しかし私は国際社会でこのように強調してきました。「核のない世界を朝鮮半島から始めなければならない」。
  • また、朝鮮半島に核があってはならないと考えています。戦術核を持たねばとの主張は理解しますが、それでは国際社会との約束を破ることになります。
  • 一方、韓米相互防衛条約で米国から核の傘を提供されています。2013年10月からは韓米オーダーメイド型の抑制戦略によりそれに共同対処しているため、核が必ず要るとは考えません。

政府の代わりにメディアが唱える

 政権としては仮に考えていたとしても、現段階で「核武装」を匂わすようなことは一切、発言できません。今それを下手に言えば、韓国も国際社会から制裁を受ける可能性が大だからです。米国からも何をされるか分かりません。

 現政権はこの問題を極めて慎重に扱うはずです。朴槿恵大統領の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺された直後の韓国では、犯人の背後に核武装を懸念した米国がいたとの噂が流れましたし。

 ただ、政権は核武装へと盛り上がる世論を米中への説得材料に活用していくと思われます。核武装を語る人の中にも「自分では言えない政府の代わりに、メディアなど在野の人間が核武装を唱える必要がある」とはっきり言う人もいます。

 もっとも、在野の核武装論が政権のコントロールを外れ、独り歩きする可能性もかなりあると思いますが。

織り込み済みの米国

—米国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:織り込み済みでしょう。1月19日に発表された米CSIS(戦略国際問題研究所)の「Asia Rebalance 2025」の156ページに以下のくだりがあります。

  • 核の影がこの地域に色濃く差すに連れ、日本と韓国は米国の核の傘の確かさへの信頼性を心配することになる。現時点でも、北朝鮮は核とミサイルの能力を開発、拡大し続けており、その確かさが極めて重要になっている。
  • もし、安保状況が悪化したり、核不拡散の体制が弱体化すれば、あるいは米国の供する安全保障への信頼性が危機に陥れば、日韓双方の国内で同盟国をより安心させるに足る、核兵器の能力向上を要求する政治的な圧力が高まるだろう。
  • 日韓ともに民生用の原発が(民生と兵器の)2つの目的に使えるものであることを十分に承知している。最近合意した米韓原子力協定では、韓国にウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理を許可することは何とか防いだ。しかし韓国は日本と同様のウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理という潜在的な核兵器開発能力を持ちたがっている。

「日本並み」を米国に要求

 最後の「日本並みの潜在的な核保有国」への希求。北朝鮮の4回目の核実験の後に韓国の専門家らは、これをはっきりと要求し始めています。この辺が米韓間で新たな駆け引きの舞台になるのかもしれません。

 例えば、統一研究院長を歴任したキム・テウ氏は朝鮮日報に寄せた「北の核の前で裸でいろということか」(2月1日、韓国語版)で「米国は核の傘を提供する代わりに、NPTが禁止してもいないウラン濃縮や再処理を禁じる“苛酷な”措置をとってきた。しかし、もう無理だ」と書きました。

 朝鮮日報の軍事専門記者、ユ・ヨンウォン論説委員も「核武装選択権を持とう」(1月11日、韓国語版)で「核武装はせずとも日本のように、決心さえすればいつでも核兵器を作ることができる潜在能力を持つという、核選択権(Nuclear Option)戦略も積極的に検討すべきだ」と書いています。

 やはり、米国から制限されているウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理の権利と能力を「日本並み」に引き上げよう、との主張です。

「中国の傘」は破れていない

—中国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:表立っての反応はありません。でも、内心「しめしめ」と考えていると思います。

—「しめしめ」ですか?

鈴置:よく考えて下さい。韓国が独自の核を持ちたがるのは、米国の核の傘が信じられないからです。ロサンゼルスを核で攻撃されるリスクを冒してまで、米国が韓国を北朝鮮から守ってくれるか――と韓国人が疑うからです。

 では、北朝鮮は中国を核攻撃するでしょうか。通常兵器による攻撃だって北はできないでしょう。食料や原油など国家が生きていくための物資の多くを中国に頼っているからです。要は韓国人は、中国の核の傘なら「破れていないか」と心配する必要はないのです。

「属国に戻れ」と命じる中国

—言われてみると、そうですね。「北の核」を防ぐには、韓国は米国ではなく、中国と同盟を結んだ方がいいわけだ。ただそれは、日本にも言えるのではありませんか?

鈴置:確かに、日本が中国と同盟を結びその核の傘に入ったら、北朝鮮の核攻撃からは逃れられるかもしれません。でも、それは中国に従属することです。「沖縄を寄こせ」くらいは言ってくるでしょう。日本人がそんな同盟を受け入れるとは思えません。

 半面、朝鮮半島の歴代王朝は千年以上にわたって中国に朝貢していました。韓国人だって、中国に属国扱いされることはうれしくはないでしょうが、慣れてはいるのです。

—でも今、韓国人は「大統領が天安門の軍事パレードを参観するなど忠義を尽くしたのに、ちっとも大事にしてくれない」と中国に不満を抱いています(掌返しで『朴槿恵の親中』を批判する韓国紙」参照)。

鈴置:中国からすれば、片腹痛い話です。たかが軍事パレード参観ぐらいで恩着せがましいと、せせら笑っていることでしょう。

 韓国は中国と同盟を結ばず、それどころか中国の仮想敵の米国と同盟関係にあるのです。「味方してほしかったら、我が国と同盟を結べ」と言いたいところでしょう、中国にすれば。

北も日本も叩いてもらえる

 まとめますと、中国は韓国の核武装論が収まるのをじっくりと待つ。その後、韓国人に「中国と米国のどちらの核の傘が有効か考えろ」とささやけばいいのです。

 中国は2013年以降、着実に伏線を敷いています。国際政治の専門家である閻学通・清華大学国際関係研究院院長は、韓国紙の記者に「中国と同盟を結べ」とはっきりと申し渡しているのです(『同盟を結べ』と韓国に踏み絵を迫る中国」参照)。

 2014年には、中国の政府関係者が韓国のカウンターパートに「朝貢外交に戻ったらどうか」とも言い放っています(「ついに『属国に戻れ』と韓国に命じた中国」参照)。

 今は「北の核」で韓国人は熱くなっていいます。「核武装論者の中には、腹立ち紛れで言い出した人もいる」と鄭夢準氏も先に挙げたブログで語っています。しかし、韓国人が冷静になった時、中国と同盟を結ぶ方が合理的だと思い至る可能性も高いのです。

 北朝鮮の核実験は短期的には韓国を米国側に押しやります。北の核の脅威を今の時点で防いでくれるのは米軍だからです。実際、米韓両国政府は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備を検討し始めたようです。

 でも、それでは北の脅威を完全に消し去れない。結局、米国を離れ中国を頼るのが一番、ということになってしまうのです。「おまけ」も付いてきます。中国の下で「いい子」になれば北朝鮮を後ろから羽交い締めにしてもらえますし、宿敵である日本を叩いてもらえます。

根腐れした米韓同盟

 韓国の親米保守は今、何が何でも核武装しようとしています。もちろん「北の核」という安全保障上の脅威から逃れるためです。

 同時に、もしここで「北の核」が現状追認の形で存在することになると、韓国人全体が心情的にも外交的にも中国側にずるずると引き寄せられてしまうと恐れているからでしょう。趙甲済氏は時々「韓国人には中国に対する属国のDNAがある」と自省します。

 そもそも米韓同盟は根が腐り始めていました。米国の仮想敵が中国である半面、韓国のそれは北朝鮮であって絶対に中国ではない。仮想敵の異なる同盟は容易に揺らぎます。

 米韓は同盟をだましだまし続けてきたわけですが今、「北の核」という暴風にさらされました。よほど上手に管理しないと、米韓同盟はどさっと倒れてしまうでしょう。

2/5ZAKZAK 田村秀男『国益度外視の「親中」ぶり 日銀はチャイナバブルを膨張させたいのか?』、2/6ZAKZAK 高橋洋一『中国経済もはや重篤なのか 食い止められない資本流失』について

財務省・日銀はハニーにかかっているのかキックバックを貰っているのか?外務省と並ぶ売国役人です。どうして敵国を助けなければいけないのか分かりません。英国はAIIBに参加しているので中国を助けたいという気持ちは分かりますが、入っていない日本が助ける必要はないでしょう。『百年のマラソン』を書いたピルズベリーですら日本の中国へのODAは余分だったと言っています。「南京」や「慰安婦」で日本人の名誉を貶めている連中をどうして助けようとするのか分からない。金かハニーぐらいしか思い浮かばない。

1/31小生ブログで「黒田日銀総裁は中国は資本規制をすると読んでいるようですが、人民元のSDR採用に反するのでは。中国経済の崩壊は中国の軍事膨張をストップし、かつ実体経済の良い日本に資金が戻ってくることを意味します。中国に肩入れしてきた日本企業は咎めを受けますが仕方がありません。戦争になるよりはマシでしょう。」と述べましたが、田村氏と考えは同じです。

2/6日経1面に日本企業=実体経済の良さを裏付ける記事が載りました。

「上場企業、増益を確保 今期、内需が下支え 米欧勢と比べ底堅く

上場企業の2016年3月期業績は、経常利益が小幅ながら増益を確保できそうだ。新興国景気の減速と資源安が逆風になり素材や機械などの企業は苦戦しているが、好調な内需と自動車をはじめとした米国向けの輸出を支えに2期連続で最高益になる公算が大きい。米国やドイツの主要企業は減益になっており、日本企業は相対的に底堅さを保っている。

comparison with Japan,US,Germany and China about profit

 15年4~12月期決算は5日までに社数で全体の64%、株式の時価総額ベースで78%の企業が発表を終えた。これから発表する企業を含めた5日時点の予想では、今期の経常利益は前期比3%弱の増益になる。ただ、10~12月の3カ月でみると経常利益は前年同期比で5%減となり、伸び率が鈍化している。

 主に国内で稼ぐ内需企業がけん引している。NTTドコモはスマートフォンの通信サービス収入が増加した。東日本旅客鉄道(JR東日本)は訪日客需要を取り込み、通期の純利益が前期比4割増になる見通しだ。森本雄司常務取締役は「新幹線を使った長距離輸送が好調」と話す。

 米国は原油安を追い風に新車市場が拡大しており、日本企業も恩恵を受けている。富士重工業は北米を中心に多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調だ。「米国は勢いが強い状態が続く。先行きは悲観的ではない」と高橋充最高財務責任者は自信をのぞかせる。

 一方で新興国経済の不振は業績に影を落とす。神戸製鋼所は今期、3年ぶりの最終赤字に転落する見通しだ。アジアで鋼材価格が下落し、新興国で油圧ショベルの販売が減少する。梅原尚人副社長は「中国は16年も17年も建機需要が回復しそうにないので、工場の人員を減らす」と話す。日立製作所も新興国でのプラント設備や建機が不振で今期の業績見通しを下方修正した。

 資源安も逆風だ。総合商社は原油や銅などの資源開発で損失が相次いで発生している。出光興産は原油価格の大幅な下落で在庫評価損が膨らみ、最終損益が2期連続の赤字になる見込みだ。

 海外の主要企業は既に減益に転じている。QUICK・ファクトセットと米トムソン・ロイターの調べでは、15年12月期の主要企業の純利益は米国が前の期比1%減、ドイツが7%減になった。中国は14年に9%増益だったが、15年は2%減益へと失速した。

 米キャタピラーは資源安と中国景気の減速で建機販売が落ち込み、純利益が4割減った。オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は「資源価格の急回復は望めない。16年も困難続きになる」と警戒する。

 中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄も純利益(速報値)が前の期比で8割減った。「中国国内の鋼材価格の下落や為替差損で大幅減益になった」(同社)という。」とありました。

中国、ロシア、サウデイ、資源輸出国の経済がガタガタになり、日本も影響を一時的には受けると思いますが、勤勉な国民である以上跳ね返す力があると思います。これこそ労働(知的活動を含む)価値を重視することと考えます。

田村記事

黒田東彦(はるひこ)日銀総裁によるマイナス金利政策導入は英断だが、気になることがある。黒田総裁は先の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)最終日の23日、資本逃避が止まらない中国について、「私見」と断りつつ、外貨準備取り崩しよりも資本規制強化のほうがよいと示唆した。  英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は1月26日付社説で、黒田案を引用し「中国には資本規制が唯一の選択肢」だと論じた。国際通貨基金(IMF)も規制容認に傾いている。

Soros declared the collapse of China economy

Kroda's picture 黒田発言より2日前、ダボスでは為替投機で知られるジョージ・ソロス氏が「中国のハードランディングは不可避だ」と言い、中国の3兆ドル(約360兆円)規模の外貨準備などを踏まえ、ハードランディングを「乗り切ることは可能」と付け加えた。これに対し中国国営の新華社通信は、「人民元の空売りを仕掛ける極端な投機筋は多大な損失に見舞われるだろう」と応酬した。

 黒田総裁がソロス氏に脅かされる中国への支援を意識したかどうかは不明だが、北京の資本規制強化を勧めるのは、共産党指令による市場統制の肯定である。  IMFは中国金融市場の自由化を条件に、昨年11月の人民元のIMF特別引き出し権(SDR)構成通貨への組み込みを承認した。資本規制強化はその約束に逆行するので、北京のほうからはそうしたくても、大っぴらにはできないし、SDR通貨元を擁護したIMFもFTも自由化しなくてもよい、とは言い出しにくい事情がある。黒田発言は図らずもだろうが、北京と親中の国際金融勢力にとって格好の助け舟となった。

考えてもみよ。資本規制強化で中国の市場危機が収まるとでも言うのだろうか。そもそも、危機は中国の過剰投資、過剰設備と日本のバブル期をはるかに上回る企業債務とその膨張から来ている。資本逃避は人民元資産に見切りを付けた中国国内の企業や投資家、預金者が海外に持ち出すことから起きている。資本規制の強化は当局の強権によって封じ込める。外貨準備に手を付けずに、人民元をドルにペッグさせる管理変動相場制の堅持を意味する。

 管理変動相場制こそはチャイナバブルの生成装置である。北京は資本流出の統制によってバブル・マシンを温存し、過剰生産能力の調整を最小限にとどめ、安値輸出に拍車をかけるだろう。自由化の義務から逃れた人民元は今秋にはSDR通貨となって、習近平政権が対外膨張の武器として使用するだろう。資本統制強化こそは、日本にとって中国脅威の増大を許す最悪の選択である。

 それにしても、日銀の「親中」ぶりは際立っている。日銀はかのアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加に前向きだし、外貨資産の急減に悩む中国人民銀行との間では、通貨スワップ協定再開協議に応じている。政府から「独立」していようが、日銀が国益とかけ離れてよいはずはない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

高橋記事

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が個人的見解としたうえで、中国の人民元について「国内金融政策に関して一貫性があり適切な方法として、資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と述べたと報じられた。  物やサービスの移転を伴わない対外的な金融取引のことを資本取引という。日本の外為法では、居住者と非居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約、対外支払手段・債権の売買契約、金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引、および証券の取得または譲渡-などが定められている。  このほかにも、居住者による外国にある不動産もしくはこれに関する賃借権、地上権、抵当権等の権利の取得、または非居住者による本邦にある不動産もしくはこれに関する権利の取得も、資本取引とされている。  こうした取引は、金融機関を通じて行われるので、資本取引を規制しようとすれば、金融機関を規制することとなる。規制の方法としては、全面禁止、取引許可、取引届出、取引報告などがあり、前者から後者にいくにつれて規制が弱くなる。  黒田総裁が指摘した、為替管理と資本取引の関係を理解するには、「国際金融のトリレンマ(三すくみ)」を知る必要がある。それは、「独立した金融政策」「固定為替相場制」「自由な資本移動」のうち、2つまでしか同時に達成することはできないというものだ。

この法則に従うと、資本取引規制によって自由な資本移動をあきらめれば、独立した金融政策と固定為替相場制を達成できる。つまり、国内物価の安定のために金融政策を使うことが可能となり、為替相場も安定させられるというわけだ。

 中国の資本規制は原則として許可制で、先進国が原則として報告だけなのに比べて格段に規制が強い。それでも香港などを経由した資本流出の動きを食い止められないようだ。

 もっとも、中国が本気になれば規制強化は容易だろう。なにしろ、中国では、問題を起こしたとして摘発された場合、政治的失脚までありえるからだ。

 筆者はかつて中国でのコーポレート・ガバナンス(企業統治)に関する国際会議に出席した際、強烈な思い出があった。国有企業ばかりの国で、コーポレート・ガバナンスなんて所詮無理と思っていたところ、中国政府関係者が「中国では粉飾は死刑にもなります」と説明したのだ。さすがに、この発言には度肝を抜かれた。その延長線で、資本流出を勝手に行えば、重罰というのもあり得るだろう。

 先進国では、貿易自由化の後に資本を自由化するというのが一般的な流れだ。しかし、中国の場合、貿易の自由化を進めたが、ここに来て資本規制が必要となったことで、貿易も規制せざるを得なくなるかもしれない。

 すでに水面下では強烈な資本取引規制が行われているともいわれている。それでも資本流出が続いているのであれば、中国経済はかなり重篤だろう。