ブログ
ブログ一覧
12/20日経 『米中の「密約」と日本』、12/22ZAKZAK『米機接近は「誤り」ではなく中国恫喝だった 南シナ海“威圧”に米激怒』について
密約は証拠を掴ませないようにするから密約で簡単に漏れるはずはありません。簡単であればデイスインフォメーションの疑いがあります。これを踏まえたうえで米中の密約について自分なりに推理してみますと
①金とハニーで米国が取り込まれた。賄賂文化の中国だから、要人に金を配るのはお手の物。毛時代、中国は貧しかったが「ズボンをはかなくても核開発」、大躍進で国民を餓死させても構わず、目的を優先しました。貞操観念は日本と違い、女性が強かに生きるためには女の武器を使うのは躊躇いません。中国要人のセックスビデオが女性側から流出するのを見れば分かるでしょう。
②日本に関する密約(日本への貶めも含む。下記の日下公人氏の記事参照)
③CIAの下請け・・・中国に自国、他国での虐殺を行わせている?
キッシンジャーやブレジンスキーが中国擁護をするのは汚濁に塗れ足抜けできないからと思われます。国務省と国防総省では考え方が違います。アメリカの国力を削ぐ中国の台頭を許すことは、たとえ密約があったとしても、ないと思います。国際金融資本がアメリカを見捨てるということなのでしょうか?でも不可侵条約も簡単に破られて来た歴史を見ると、密約を後生大事に守るメリットがあるのかどうか?
大事なのは米中密約の存在に拘わらず、日本の安全を高める手段を講じることでしょう。核武装、同盟国、友好国を増やして中国の暴発を止めるようにすべきです。まず憲法改正するだけで抑止力はかなり増大します。来年衆参同時選挙で改憲勢力を増やすことが、我々ができる一歩かと。
※「アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ」 日下公人 20006年11月
二十一世紀において、アメリカが中国と最終的に対決すると考えるのは、中国の現状からも避けられない道かもしれない。日本にとっても中国は厄介な存在であり、なんとか中国をコントロールしなければ世界が不幸になるのは目に見えている。そのために日本がアメリカと協力すること、助言することは少なくない。だがそのとき、アメリカが突然日本を置き去りにして、彼らにとっての適切な行動をしないという保証はなにもない。 1972年2月、当時のニクソン米大統領とキッシンジャー補佐官が北京を訪問し、周恩来首相との間で対日政策に関する密約を交わしていることを日本人はきちんと覚えておく必要がある。このときの密約の要点を書きとめたニクソンの手書きメモが残っているが、密約の一つは、「東アジア地域において日本だけは核武装させない」というもので、このことは、2002年10月、江沢民中国国家主席が訪米し、テキサスの牧場にブッシュ大統領を訪ねたときにも“確認”したらしい。 ちなみに、先に紹介した伊藤貫氏もこの密約について触れており、「『親中嫌日』として知られる民主党のペリー元国防長官が、『北朝鮮の核武装が続くと、その脅威に対抗するため、いずれ日本が核兵器を持つことになるかもしれない。アメリカも中国も、日本に自主防衛力を持たせてはならない』と江沢民にアドバイスした」のが六カ国協議を設けることになった切っ掛けだという(「増大する中朝の核脅威―― 『核武装』という日本の選択」 『別冊正論』第二号、平成18年4月刊) さらに密約の二つ目は、「米軍は日本から出て行かない、駐留を継続する」というもので、これは米軍による日本防衛の意思を中国に示したものではなく、出て行くと日本が自主防衛を始めてしまうので、“ビンの蓋”が必要だという理論にもとづく。 三つ目は、「日本政府には、台湾と朝鮮半島をめぐる問題で発言権を持たせない。」というものである。対日政策に関する1972年の米中密約は今でも有効で、伊藤氏は、「国務省のアジア政策担当の高官から、『対日政策に関するこれら三つの約束は、今でも効力を持っている』という説明を受けた」という(同)。
※12/22増田俊男の時事直言より
FRB(アメリカ)の利上げ、日銀(日本)の追加緩和も出揃い、当分中央銀行のニュースは市場にインパクトを与えなくなり、今後は経済ファンダメンタルズやアメリカ、その他の財政問題などが話題になって来るだろう。
今回の小冊子は世界の金融を主導する「FRBの利上げ等の金融政策はアメリカの安全保障政策である」と言う私の珍説を真説として述べた。
「12月18日の日銀の政策決定会合では追加緩和は無い」が99%の予想であったが私の「若干の追加緩和あり」の通りになった。
その理由は、「日銀はFRBの日本支店だから、本店(FRB)頭取(イエレン議長)が利上げ決断を10年ぶりにしたのに支店長が相も変らぬ(追加無し)では通らない」であった。アメリカ最大の安全保障は「ドル防衛」以外の何物でもないことを説明し、2001年のセプテンバー・イレブンから始まったブッシュ大統領の「テロとの戦い」の結果は、多大な資金と米兵の命を犠牲にしたにもかかわらずアフガンはいまだに混乱状態、イラクはアメリカとイスラエルの敵であるイランの支配下になっているのだから大失敗と言われるが、私は「大成功」と言っている訳。
1972年、ニクソン大統領とキッシンジャー(大統領補佐官)が毛沢東、周恩来(中国)を国交回復と相互信頼の為電撃訪問し(日本には訪中声明発表の10分前伝達)、戦略的米中関係構築の為台湾の独立を否定、「一つの中国」を承認、その証として台湾から核兵器とU2偵察機やF4戦闘機をすべて撤去することを中国に約束したが、台湾には撤去時まで伝えなかった。
今日の中国は経済力(GDP)においてはアメリカを抜き、軍事力においては2020年にアメリカを抜く勢いだから1972年とは大違い。
アメリカは今中国と米中二大国で世界の秩序に責任を持つ体制を構築しようとしている。1972年キッシンジャーと周恩来の秘密会談(30年後の2002年公開)で、周恩来は日米安保を撤回すること、アメリカの核施設を沖縄から撤去することを求めキッシンジャーは「しかるべき時に日本から全米軍を撤退させる」ことに同意した。さらにキッシンジャーは「米軍撤退について日本には撤退時まで知らさない」(私は米軍秘密資料を入手している)と誓った。アメリカは米軍尖閣諸島を沖縄返還時に渡さず、領有権をあいまいにしておくこと、アメリカはこの問題には関与しないことも約束した。アメリカ側(ヘリテージ財団から石原都知事を通して)から日本に尖閣諸島の国有化を勧め、かつ再軍備化を推し進めるのでアメリカ軍が日本を完全に撤退したら尖閣諸島を叩けばいい。最近キッシンジャーは訪中、アメリカは米中でアジアの秩序を仕切る代償として日米安保の機能を停止、日本がアジア諸国をまとめて中国に歯向かうよう誘導することを習近平との秘密会議で述べている(国務院の友人から)。
米軍の沖縄撤退後中国が領有権を主張して尖閣諸島を軍事力で奪還しようとするので自衛隊と軍事衝突し、中国は南シナ海と東シナ海の50か所の人工島を武装化しているのでシーレーンは中国軍に封鎖され日本は原油、食料、原材料の輸入の総てが絶たれる。寸分たがわず米中の対日戦略が進行中である。
日中開戦はアメリカの軍産複合体と中ロ軍産複合体の長年望みであり、計画してきたことである。安倍総理のようなお坊ちゃんでは日本は救えない。
私が総理なら、いや外野からでも出来る(アメリカのアキレス腱を突く)「日本救国、第三の道」を紹介した。
日経記事
米中は切っても切れないパイプで結ばれ、日本は何も知らされていない。こんな証言を米国の中国専門家から聞いた。長年、米中の秘密協力にかかわり、「裏の裏」を知るマイケル・ピルズベリー氏(70)だ。
記者会見に臨む習近平氏・オバマ氏(9月、AP)
毛沢東氏と握手するニクソン氏(72年)
1970年代以来、中央情報局(CIA)や国防総省の対中政策にたずさわってきた。いまも同省の顧問だ。そんな彼の著作が今秋に邦訳された(『China 2049』)。
中国はいずれ米国の味方になると信じ、台頭を助けてきた。だが、中国は初めから2049年までに米国を出し抜き、覇権を奪うつもりだった。その戦略はなお進行中だ――。実体験や中国文献をもとに、本でこう警告している。
彼に最初に会ったのは10月下旬。冷戦以来、米国がどれほど中国を助けてきたかを列挙し、だまされた、と悔やんだ。ならば、米政府も気づき、米中関係は冷えていくのではないか。こう質問すると、とても意外な答えが返ってきた。
「米中は対立しない。(米中で秩序を仕切る)G2だってあり得る。両国には長い秘密協力の歴史があるからだ。しかも、米国は一切、その実態を日本に教えてこなかった」
米中がG2に向かうという説は、米国内ではもはや少数派に思える。中国が米国の覇権に挑めば、緊張が高まるからだ。
実際、複数の米政府高官は「G2など考えられない」と断言する。著名な米戦略家に聞いても「米中の対立は深まり、米国の対中政策は厳しくなっていく」(エドワード・ルトワック氏)との分析が多い。
なぜ、ピルズベリー氏の読みはちがうのか。11月下旬に再来日した彼にもう一度会い、疑問をぶつけてみた。すると、こんな趣旨の説明が返ってきた。
次期大統領候補は選挙中には中国をたたくが、就任後、秘密協力の実態をCIAから知らされれば、中国と折り合おうと思い直す。中国側も、強大になるまでは米国との協力が必要なので、本気で怒らせるほどには挑発しない――。
彼によると、ブッシュ前政権当時、タカ派のチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官ですら「中国に、過度に強硬に接すべきではない」との認識を示したという。米同時テロや北朝鮮問題で、中国との協力は無視できないからだ。
では、どちらの予測が正しいのか。カギをにぎるのは、ピルズベリー氏がいう「米中秘密協力」が、どれほどのものなのかだろう。彼はその現状は明かさないが、一端は想像がつく。
たとえば、アフガニスタンの和平交渉では「米中が水面下で連携している」(国際機関幹部)。朝鮮半島政策やイランの核問題でも、日本が知らない大国ならではの貸し借りが成り立っているかもしれない。
だが、これらは国家の命運をかけてソ連に対抗した冷戦中の大戦略提携とはちがう。米政府内からも「米中の協力が深まっても、もっと深刻な戦略的対立を中和するのは難しい」との声が聞かれる。あるいは、あっと驚くような密約が米中にあるのだろうか。
「日本に少し、罪悪感を感じているんだ」。ピルズベリー氏は最後にこうつぶやいた。組むべき友人は、日本ではなく中国だというキッシンジャー元国務長官らの対中重視路線に乗り、日本を軽視してきてしまったからだという。
南シナ海やサイバー問題などをめぐり、米中の攻防は強まっている。その舞台裏でどんなやり取りがあるのか。両国が対立を深めていくとしても、忘れてはならない視点だ。
(編集委員 秋田浩之)
ZAKZAK記事
オバマ大統領率いる米国が、中国への怒りを沸騰させている。米国が中東問題で忙殺されている間に、中国は南シナ海での覇権強化を進めているうえ、大威圧行動に出てきたというのだ。米軍のB52戦略爆撃機が先々週、中国の人工島上空を飛行したが、これは「誤り」ではなく「意図した軍事行動」との指摘が飛び込んできた。急浮上する「2016年、南シナ海開戦」情報とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。
「米国は、中国の暴挙を許さない。今回の一件で、中国は内心震えたはずだ。米国は軍事衝突も辞さない。本気だ」
旧知の米軍関係者は緊張した声で、こう語った。「今回の一件」とは、米国防総省が18日に明らかにした“軍事行動”のことだ。概略は以下の通りだ。
《米軍の戦略爆撃機B52が10日朝、南シナ海上空を偵察任務中、中国がスプラトリー(南沙)諸島に建設した人工島に接近した。中国が『領海』と主張する12カイリ(約22キロ)以内どころではなく、2カイリ(約3・7キロ)内への侵入だった。ほぼ真上といえる。米国防総省は『意図的ではない。悪天候のため、誤って飛行した』と説明した》
これに対し、中国国防省は翌19日、「米国側の挑発的行動に対し、あらゆる手段と措置を講じて国の主権と安全を守る」との声明を出した。
ただ、冒頭の米軍関係者の話でも分かるように、核兵器搭載可能なB52の飛行は「誤って」ではない。米国がそこまで激怒しているということだ。少し説明しておく。
中国は以前から国際法を無視して、世界のシーレーンである南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、「自国の領海だ」と強弁。複数の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化してきた。
こうした暴挙を阻止するため、米国は10月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を、中国の人工島12カイリ内で航行させる「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦」を決行した。
ところが、この直後、ロシア旅客機墜落事件(10月31日)や、パリ同時多発テロ事件(11月13日)が続発し、米国は中東での過激派組織「イスラム国(IS)」殲滅作戦に集中せざるを得なくなった。トルコ軍機によるロシア機撃墜(11月24日)まで起きた。
中国はこれ幸いと、南シナ海の人工島の軍事基地化を急いだが、米国の同盟国であるオーストラリアと日本が毅然たる姿勢を見せた。
オーストラリア軍の哨戒機が11月25日、「飛行の自由の権利を実践する」として南シナ海上空を飛行した(英BBC、12月15日報道)。若宮健嗣防衛副大臣は翌26日、沖縄県石垣市役所で中山義隆市長と会談し、南西諸島の防衛力を強化するため、陸上自衛隊の部隊を石垣島に配備する計画を説明、受け入れを正式要請した。
米国と日本、オーストラリアによる「対中包囲網の構築」といえるが、これに中国が大威圧行為で対抗してきたのだ。
防衛省によると、11月27日、中国軍のH-6戦略爆撃機8機、Tu-154情報収集機1機、Y-8情報収集型1機、Y-8早期警戒型1機が、沖縄周辺を飛行し、その半数が東シナ海を周回、もう半数は沖縄本島と宮古島の間を通過して戻ったという。自衛隊は、戦闘機を緊急発進させて対応した。
以下、複数の米情報当局関係者から得た極秘情報だ。
「米国は激怒した。中国は『西太平洋への進出訓練と、東シナ海のパトロール飛行を行った』と説明したが、これは米国と日本、オーストラリアに対する威圧行為に間違いない。『いつでも、西太平洋に展開する米艦艇や自衛隊艦艇、沖縄やグアムの米軍基地、東京などの都市も攻撃できるぞ』という恫喝だ。米国は絶対に許さない」
そして、12月10日の戦略爆撃機B52による「2カイリ以内の飛行」につながるのだ。極秘情報はさらに続く。
「B52飛行直後の11日と14日、オバマ氏と、中国の習近平国家主席は立て続けに電話会談を行った。表向き、『パリ郊外での国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)について』と伝えられているが、当然、南シナ海や東シナ海についても話したはずだ。この時、オバマ氏が激高し、習氏はそれに反論できず、B52の件の公表を『中国側が嫌がった』という情報がある」
防衛省関係者がいう。
「米中電話会談後の16日、オバマ政権は、中国の懇願を無視して、台湾に対してミサイルフリゲート艦2隻など総額18億3000万ドル(約2228億円)相当の武器を売却する方針を決定し、議会に通告した。米国の対中政策は激変した。日米豪中心の対中包囲網が完成し、中国は孤立している。一方、習氏はB52侵入時に手も足も出せず、弱腰だとバレ、軍の信頼を失った。追い詰められる可能性がある」
こうしたなか、「2016年、南シナ海開戦」情報が浮上している。
外務省関係者は「ベトナムの国内が異常に熱くなっている。南シナ海で中国に奪われた権益を取り戻そうと、来年早々、衝突覚悟で動く臨戦態勢に入っているとの極秘情報がある」という。
その時、米国はどう対応するのか。南シナ海の情勢は緊迫している。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。
12/20日経 伊奈久喜『揺れる世界と政治 リーダーの条件とは (作家 塩野七生氏)』について
塩野七生『ローマ人の物語』は「ハンニバル戦記」しか読んでいません。森本哲郎の『ある通商国家の興亡』と20年以上も前に読みました。昨年9月にチュニジアへ行ったのはその影響ですし、現憲法、特に9条に違和感を覚えたのはその頃からです。伊奈久喜氏は日経にあって春原剛氏と共にまともな論説を書く人と思っています。
塩野七生は2010年『日本人へ-リーダー篇』か『日本人へ-国家と歴史篇』かは忘れましたが、憲法改正は9条からでなく、96条から修正すれば良いと提言したのを記憶しています。歴史小説を生き生きと書く筆力は当然英雄に対する共感があって初めてなしうるものです。英雄は多数の国民の支持がなければその座から下ろされますので。歴史を冷徹に眺めれば、軍事力を持たない国は存続できません。「9条を守る会」は似非平和主義者で外国侵略の手先と見るべきです。
井上文則著『軍人皇帝のローマ』によれば、ローマ帝国が滅びたのは①元老院が軍事的に無能。元老院は軍事に手を染めるのを嫌がった(senatorは金持ち・名士が多く、文人指向、後には軍人senatorも出てきましたが)。②中央の軍の弱体から。帝国の4分割統治で中央の軍が弱ければ属州の皇帝の簒奪を止めることはできません。やはり、軍事こそが国を治める基本と思います。
記事
欧州ではギリシャなどの債務問題が経済を揺さぶり、イスラム過激派のテロが大きな社会不安となっている。背景には国の成り立ちや文化、欧米と中東の長い歴史が複雑に絡み合っている。ローマ在住で最新作『ギリシア人の物語1』の刊行に合わせて帰国した作家の塩野七生さんに、世界が直面する問題への見方や政治リーダーの条件を聞いた。
■中産階級、民主政に不可欠
――作品歴のなかで今回の『ギリシア人の物語』の位置づけは。
「私はもともとギリシャから入ったんです。高校時代にホメロスの『オデュッセイア』や『イリアス』を読んで地中海に憧れたくらいですから。ローマ史にどうして行ったのかというと、ルネサンスものを書いていたらこっちもルネサンス人らしい考え方になって『なぜ彼らは古代復興を言い出したのだろう』と思ったのですね」
しおの・ななみ 1937年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒。68年に執筆活動を始め、初の長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で70年度の毎日出版文化賞。82年に『海の都の物語』でサントリー学芸賞、83年に菊池寛賞を受賞した。 92年から長編『ローマ人の物語』の刊行を開始。99年に司馬遼太郎賞に輝き、歴史研究と歴史小説にまたがる新たな分野を切り開いた。2006年に15巻でシリーズが完結した。 その後『ローマ亡き後の地中海世界』『十字軍物語』『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』を刊行。このほど最新作『ギリシア人の物語1 民主政のはじまり』(新潮社刊)を書き上げた。ローマ在住。78歳。
「まだキリスト教がなかった時代にヨーロッパ人はどうやって暮らしていたのか、どんなことを考えていたのかに興味を持ち、私も古代に復帰してしまったのです。なんだか実に自然な感じで」
――統一通貨ユーロから離脱論議が浮上したギリシャをどう見ますか。欧州連合(EU)は結局、ギリシャを排除しませんでした。
「北ヨーロッパの人たちが考えているのは文明とか文化とかのヨーロッパではなく、経済的なつながりでしょう。ならば南欧は切り離した方がよい。しかしそれではヨーロッパと言えなくなる」
「オリンピックの聖火は今もギリシャのオリンピアまで行って太陽から火をつける。ロンドンだって火はつけられる。しかしオリンピアへ行くことで何となく『オリンピック』と思えるわけです。今のギリシャは悪いけれどそんな存在。でもいいじゃないですか、古代にあれだけ様々なものを作った人間なのですから」
――古代ギリシャ人はまさに民主政の創始者です。
「結局、市民社会、市民階級がないところには民主政は成り立たない。そのことは現代でも立証されています。持てる力を可能な限り活用するために生まれたのがアテネの民主政であって、やはり中産階級が重要な役割を担ってきた」
――欧州以外はどうでしょうか。
「イスラム世界は中産階級をついに作れなかった。それが民主政が成り立たず、社会が安定しない原因でもある。商人階級は作りました。北アフリカのイスラム世界はサハラの黄金を売っていた。今ならばオイルです。原料を輸出する側はそれだけでもうかる。工業製品を輸出する側は、例えばフィレンツェやベネチアだったら繊維業で、色を付ける、織るなどの過程がある。その人たちに職を与えることになった」
「イスラム世界は人々に高学歴を与えることはできた。しかし今なお高学歴にふさわしい職場を作れていない。だから軍隊とかバース党(アラブ主義政党)のような所に貧しい秀才が流れてしまうのです」
――ペルシャ戦役があった地域は今日の過激派組織「イスラム国」(IS)の勢力圏とも近い。
「私は宗教は『個人的なこと』として、作品で常にあまり立ち入らないようにしています。古代は多神教の時代だったので良かったわけですが、中世になるとかたやイスラム世界、かたやキリスト教という一神教の時代になる」
「中世は相当に硬直性のあるキリスト教だったから、イスラムと激しくやりあっていた。現代はバチカンでさえも『他の宗教を信じる人でも良いですよ』という姿勢。『ただし我々の宗教のほうが安らかさを見つけるには良いですよ』と付け加えるわけですが、排他的にはなっていない」
「中近東は為政者階級の世襲など我慢ならないひどい体制が生まれている。ヨーロッパ側は『文明への反逆だ』という思いにかられ空爆をやってしまう。するとまた、イスラム世界から恨みを買ったりする」
「私にはイスラム世界とどう付き合うかという時に答えがありません。古代ローマみたいに『ここに移ってきたのなら、ローマ法は絶対に守れ』と言えないからです」
――シリア情勢や難民問題をどう見ますか。
「古代ローマ時代はどうしたかと言えば、難民は受け入れた。ただし完全に自助努力を求めた。つまり『働け』と。今のヨーロッパでは人権は尊重し、国民と同等の待遇を与えなければいけない。若い男たちが大勢収容されて何もしないと、周囲からだんだん敵視されていく」
「結局、難民問題の元は国の内乱にあるわけです。アフリカは土壌として豊かですが、内乱になれば逃げ出さざるを得なくなる。捨てられた耕地は何もかも枯れてしまう。雨も降らない。こうなるとますます人間が住めない」
■安全だけは 統治者が
――『ギリシア人の物語』にも安全保障にかかわる記述が多く登場します。
「(ペルシャ戦役後の)デロス同盟は多国間で安全保障をする目的でできた。ペルシャ帝国にそんな同盟は一切ない。アレキサンダー大王もローマ帝国もそんなことは考えなかった。同盟の考え方は超大国からは生まれないのですね」
――日本で成立した安保関連法をどうみますか。
「日本も中小の国々のひとつだから同盟による安全保障は当たり前であって、ヨーロッパでは安倍晋三首相の安保法制は全然問題になっていない。『当然』という感じで受け止められています。中国だってほとんど何も言っていないんじゃないですか」
「中国に対抗するには中小国が集まって、米国が後ろ盾になる安全保障を考えればいい。中国が脅威的存在にならなければ必要性はなかった。ソ連があった時と似た構図。同盟は強大な敵があるからなのです。中国はまだ超大国でないが、超大国になりたいと思っていることは確かです」
――政権に返り咲いてまもなく3年の安倍首相への評価は。
「前回(2013年秋)の日経インタビューで『2度もチャンスをもらい、そこで何もしなかったら政治家でないだけではない、男でもない』と言いました。そうしたら発奮されたのではないですか。批判的な人は『彼には健康上の理由がある』と言う。でも健康なんぞは奥さんとお母さんが心配すればいい話です」
「安定はすごく大きい。人間はバカではありません。安定、安全であれば適度に自分たちでやれる。しかし安全だけは統治者が実現しなければならない」
「ルネサンス時代のフィレンツェでもメディチ家が僭主(せんしゅ)になって安定を築き、そこにルネサンス文明というか、フィレンツェ文明が花開いた。ベネチア共和国は経団連が統治したような国だと思いますが、中小企業の保護をした。だからパクス・ロマーナ(ローマの平和)は大切だったのです」
――当事者全員の努力なくして安全保障はないと書いていますね。
「パクスを実現するには、やはり抑止力とか諸々の力が必要です。ただし安倍さんは説明のやり方が下手だった。安保法制も説明が十分でなかったのではなくて、はっきり言うと話し方が下手だった」
「アンチ安倍の人から『安倍晋三という男をあなたは好きですか』と聞かれたから、『まずもって私の好みじゃない』(笑)。だけどそんなことは関係ない。今やりますと言っているのが彼なんだから、やってもらいましょうよ、とただそれだけ。ダメだったら次の人にやらせたらいい」
「だけど以前のように首相が1年で交代するのは絶対にいけない。あの状態では何もできなくなりますから。英国のサッチャー首相は10年、ブレア首相だって10年続いた。10年は必要だ。10年続けば日本人でも何かやりますよ」
――国を率いる条件はなんでしょうか。
「政治のリーダーは美男である必要はない。でも明るい顔である必要はある。やっぱり辛気くさいのはダメです。安倍晋三という男は決して貧相ではない。世の中、全部辛気くさい話ばかりなのに、リーダーまで辛気くさい顔をしていたらやる気が起きますか」
――安倍政権は女性活躍を看板政策にしています。
「女の人は『男社会だ』と言って文句を言う。しかし抗議するのにもエネルギーがいる。人間には一定のエネルギーしかないから、抗議するのに使ってしまうと、創造するエネルギーがなくなってしまう」
「だから次期首相だって女だからダメだっていう訳では全然ないのだけれど、心躍らされるようなはっきりした何かを言わないといけない。いまの女性政治家はそれを言う能力が感じられません」
聞き手から 塩野さんの作品は、欧州の歴史を語りながら、そこから間接的に現代が読め、いつも時局的である。これから始まるギリシャ3部作もそうだ。 ローマ人15巻を書き上げ、今度は欧州の起源であるギリシャに挑むのだから、塩野史学の集大成である。ローマ人にもカエサルをはじめ、かっこいい男たちが何人も登場するが、ギリシャ人も同様で読者を楽しませるはずである。 プラトン、アリストテレスのような哲学者を生み、自律した市民による民主政を作りだしたギリシャが債務問題で欧州連合(EU)の厄介者扱いされている現状をみれば、「彼は昨日の彼ならず」の感慨を抱かざるを得ない。歴史はなぜそう流れたのか。ギリシャ3部作には、そのヒントもあるのだろう。 ギリシャはいまシリアから殺到する難民の欧州の玄関に当たる。新著が扱ったペルシャ戦争時代にもこの地域では複雑な動きがあった。古代ギリシャ史が現代の国際安全保障理論の教科書とされるゆえんである。(特別編集委員 伊奈久喜)
12/18日経ビジネスオンライン 北村豊『2050年、中国の年金の原資不足は122兆円 定年延長で対処も、経済減速で破綻不可避か』について
中国について明るい話は出なくなりました。PM2.5も打つ手なし。工場の稼働停止や自動車ナンバーの奇数・偶数での1日交代運転、屋外工事の禁止等、皆経済成長を阻害させます。勿論経済成長のことしか考えないから、この体たらくとなった訳ですが。中南海の人々は自国民の健康のことなど考えていないのでしょう。中南海から逃げ出しているのかも知れませんが。
富の分配をうまくしてこなかったため、豊かになる前に老いる「未富先老」の問題が噴出してきたのでしょう。何せ年金を職員が横領するのは日常茶飯事のような国ですから。2005年に何清漣が大紀元に書いた記事があります。中国では年金を養老保険と言います。2005年の時に積み立て不足は1兆元ありました。為替レートの問題はありますが1元=18.7円とすると1兆元は18兆7000億円、それが10年後の2015年には122兆円も不足しているとのこと。
http://www.epochtimes.jp/jp/2005/05/print/prt_d20068.htm
定年延長したとしても給与支払いはしないといけないです。国全体で見れば、給与で払うか年金で払うかの違いです。GDPという付加価値の中から年金積立て分を控除して積立、受給者に支払うか、直接労働者に払うかです。パイが限られているとすれば、定年延長して受給者を減らしても効果は薄い気がします。単純に考えれば、保険料の値上げと給付水準の低下なのでしょうけど、今でもそう高くない給付をこれ以上、下げる訳にも行かず打つ手が見えません。これに手を付ければそれこそ革命が起きるかもしれません。
こういう国に投資しようとしますか?
記事
12月9日、北京市で「中国養老金融50人フォーラム」の設立大会が開催された。同フォーラムは「中国“新供給経済学(新サプライサイドエコノミックス)”50人フォーラム」<注1>が主催したもので、“養老金融(養老年金を活用した金融)”の発展により老年時に発生する各種危険の予防と多種多様な養老金融商品の提供を目的としている。
<注1> サプライサイドエコノミックス(Supply-side economics)は1970年代から米国で提唱されている近代経済学の一派で、生産力の増強など供給の側面を重視する経済学。
先進国化、都市化の前に高齢化に突入
同フォーラムで登壇した“中国人民銀行金融研究所”所長の“姚余棟”は次のように述べた。
【1】国連の定義では、65歳以上の人口が全人口の7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼ぶ。中国は2000年末に65歳以上の人口が全人口に占める比率が7.1%になって高齢化社会に突入したが、当該比率は2014年末に10.1%となり、年々比率を高めて高齢社会への歩みを続けている。
【2】このまま行けば、中国は高齢社会を経て、20年後の2035年頃に超高齢社会の水準に到達する。超高齢社会は世界的な趨勢であり、すでに14の国と地域が超高齢社会に突入している。その基本的な特徴は80歳以上の老人が総人口に占める比率が5%を超えていることで、日本は2016年にこの水準に到達する<注2>。
<注2>日本は2009年に65歳以上の人口が全人口の22.7%となり、超高齢社会に突入した。
【3】中国の2014年末時点における60歳以上の人口は2.12億人を超え、全人口の15.5%を占め(65歳以上の人口は1.38億人で、上述の通り、全人口に占める比率は10.1%)、“421家庭”モデル<注3>と“空巣老人(子供が身近におらず家を守る老人)”の問題が明確に顕在化している。35年後の2050年には60歳以上の老齢人口は4億人を超し、全人口に占める比率は30%を超えて、世界で最も高齢化が進んだ国となるだろう。
<注3>一人っ子政策の下で生まれた家庭のモデルで、2組の夫婦(4人)、彼らの息子と娘の夫婦(2人)、その子供(1人)によって構成される家庭。
【4】我々は“未富先老(先進国になる前に高齢社会に入る)”という問題を抱えているだけでなく、“未城先老(都市化を果たす前に高齢社会に入る)”という問題も抱えている。すなわち、研究によれば、2035年に超高齢社会に突入する時点でも半数以上の老齢人口は都市に居住することなく、依然として農村に生活している。
【5】そうした老人たちが老後の生活を送るのに頼りとするのは“養老金(養老年金)”だが、その肝心な養老年金の原資不足は15年後の2030年には4.1兆元(約82兆円)に達し、35年後の2050年には6.1兆元(約122兆円)に達する。
「保険料支払い期間15年」の延長を検討中
さて、ここで中国の年金制度の概要を基礎知識として述べると下記の通り。
(1)日本で言う「年金」を中国では“基本養老保険”と呼ぶが、基本養老保険には「企業従業員基本養老保険」(以下「従業員養老保険」)と「都市・農村住民基本養老保険」(以下「住民養老保険」の2種類がある。従業員養老保険は企業に勤務する従業員を対象としたもので、日本の「厚生年金」に相当する。一方、住民養老保険は2014年に「都市住民基本養老保険」と「新型農村住民基本養老保険」を合併して一本化したもので、日本の「国民年金」に相当する。
(2)2014年末時点における累計残高、加入者数および平均支給月額は以下の通り。
| 2014年末時点における基本養老保険の比較 | ||
| 企業職員基本養老保険 | 都市・農村住民基本養老保険 | |
| 累計残高 | 3兆1800億元 | 3845億元 |
| 加入者数 | 3億4124万人 | 5億107万人 |
| 平均支給月額 | 2061元(約4万1000円) | 90元(約1800円) |
(出所)中国社会保険発展年度報告(2014年)から筆者作成
なお、住民養老保険は加入者数では従業員養老保険より1.7億人も多いが、累計残高では従業員養老保険のわずか12%に過ぎず、中国における年金の主体は従業員養老保険と言える。また、従業員養老保険では、現役企業従業員の平均月収に対する上記「平均支給月額」の比率を“養老金替代率”と言うが、2014年の養老金替代率は67.5%となっている。年金生活者が現役企業従業員の平均月収の67.5%に相当する年金月額を支給されているというのは、恵まれていると言ってよいだろう。但し、物価の高い大都市部の年金生活者にとっては支給月額が2061元では苦しい生活を余儀なくされる。
(3)養老年金の受給資格は従業員養老保険も住民養老保険も共に保険料を累計で15年間支払うことによって与えられる。日本の年金受給資格は従来保険料を累計で25年間支払うことによって与えられることになっていたが、改正により今年10月から累計10年間の支払いに変更となった。中国では歴史的経緯から累計15年間に設定されたが、養老年金の原資不足に対処するため、保険料の支払い期間を15年間から延長することが検討されている。
話を本題に戻す。上記【5】に述べた養老年金の原資不足が事実とすれば、将来的に中国の年金制度にとって由々しき問題と言わざるを得ないが、その実情は果たしてどうなのか。
11月16日に民生部“社会保険司”が発表した『2014年全国社会保険基金の決算に関する説明』によれば、2014年の企業従業員基本養老保険基金(以下「従業員養老保険基金」)の収入は2兆3273億元(約46.5兆円)で前年比11.9%増であったのに対して、支出は1兆9797億元(約39.6兆円)で前年比18.6%増であった。しかし、収入には国家による財政補てん3309億元(約6.6兆円)が含まれており、これを除いた収入は1兆9964億元(約4兆円)となり、財政補てんを含まない実質的な収支はわずか167億元(約3340億円)の黒字というのが実態であった。
財政補てんなしでは22の一級行政区が赤字
2015年5月に“財政部”が発表した「2015年全国社会保険基金予算状況」によれば、2015年の従業員養老保険基金の収入は2兆4309億元(約48.6兆円)で、この内訳は保険収入が1兆9557億元(約39.1兆円)、財政補てんが3671億元(約7.3兆円)であった。これに対して支出は2兆2582億元(約45.2兆円)で、財政補てんを除いた実質的な収支は3025億元(約6.1兆円)の赤字になると予測される。
一方、11月12日付の広州紙「南方都市報」が報じたところによれば、財政補てんを除いた2009~2013年の従業員養老保険基金の収支は、2009年:996億元(約2兆円)、2010年:993億元(約2兆円)、2011年:1963億元(約3.9兆円)、2012年:1924億元(約3.8兆円)、2013年:1291億元(約2.6兆円)と黒字で推移して来たという。それが、2014年には167億元の黒字に急落し、2015年には3025億元の赤字に転落するというのである。
そればかりか、2014年の従業員養老保険基金の収支を一級行政区(省・自治区・直轄市)毎に見ると、財政補てんを含まなければ22の一級行政区が赤字であり、河北省、黒龍江省、寧夏省の3省に至っては財政補てんを含めても赤字だと言うのである。ちなみに、黒龍江省の2014年における従業員養老保険基金の支出超過は105億元(約2100億円)に達し、31ある一級行政区の中で最高を記録した。
この点について、社会保障を担当する「人的資源・社会保障部」のスポークスマンは、11月20日に記者会見の席上で次のように述べた。
2014年以来、多数の要素の影響を受けて、養老年金の支出が徴収した収入を上回る一級行政区が増加した。その主な要因には、(1)養老年金の支給基準が連続して引き上げられ、支給支出が増加したこと、(2)人口の老齢化の影響が徐々に表れてきており、保険加入者中の退職者の増加数が保険加入者の増加数を急激に上回ったこと、(3)一部の地域では年金支給者の比率が比較的高く、その負担が重くのしかかっていること、などが挙げられる。
中国では、現在のところ3.4人に1人の割合で現役の企業従業員が年金生活者を支えているが、この割合は2020年には2.94人に1人となり、2050年には1.3人に1人となる。
残金3.5兆元は2029年までに使い果たす
言い換えれば、三十数年後には1人の企業従業員が支払う基本養老保険料で1人の年金生活者を支えることになるが、これでは年金システムが成り立つはずがない。そればかりか、従業員養老保険基金が従来累積して来た残金は2029年までに全て使い果たすことが予想されるという。
なお、広州の週刊紙「南方週末」が11月30日付で報じた「現在の養老年金残額3.5兆元は十数年後には使い果たす」と題する記事には参考データが掲載されていた。当該データの内容を紹介すると以下の通り。
(1)従業員養老保険基金に対する財政補てん状況(1997~2014年)
1997年:2億元、2000年:349億元、2003年:614億元、2006年:1157億元、2009年:1954億元、2012年:3019億元、2014年:3548億元 《1997~2014年の財政補てん額の累計:2兆1677億元(約53.4兆円)》
(2)従業員養老保険基金の累計残高(1997~2014年)<前年比(赤=マイナス)>
1997年:87億元<-38%>、2000年:163億元<305%>、2003年:558億元<70%>、2006年:1053億元<34%>、2009年:2251億元<10%>、2012年:4439億元<7%>、2014年:3555億元<-15%>
要するに、このまま行けば養老年金制度は将来的に基金の累積残高を使い果たして破綻せざるを得ない状況にある。そこで中国政府が打開策として打ち出したのが、定年年齢の改定であった。定年年齢の改定については官民双方で長年論議が続けられて来ているが、未だ正式な形で改定されるには至っていない。最近の状況を取りまとめると以下の通り。
【1】中国の現行の法定定年年齢は1978年5月に公布されたもので、女性55歳、男性60歳である。但し、暫定規定により女性職員は50歳、女性幹部は55歳が定年年齢と定められ、実際の定年年齢は男性も含めて54歳であるという。この法定定年年齢は1950年代に規定されたもので、当時の平均寿命は四十数歳であった。また、1979年に鄧小平の指導の下で打ち出された改革開放政策の初期段階までは、“労働保険法”の下で策定された年金制度は、37人の労働者で1人の年金生活者を支えることを想定したものだった。しかし、現在では平均寿命が73.8歳となり、3.4人の企業従業員が1人の年金生活者を支えている。
【2】11月3日に発表された『中国共産党中央委員会による国民経済と社会発展第13次5か年計画制定に関する提案』は、第13次5か年計画(2016~2020年)の期間中に定年年齢の延長政策を実施すると述べている。また、人的資源・社会保障部の部長は、2017年には定年年齢延長の具体案を正式に提出すると述べていることから、2017年に正式な案が提出されて、討議を経て2018年に定年年齢延長が実施されるものと予想される。
【3】“中国社会科学院”は12月2日に発表した『人口と労働緑書(グリーンペーパー):中国の人口と労働問題報告No.16』の中で定年年齢の延長に関する提案を行った。その内容は次の通り。 《第一段階》2017年に従業員養老保険と住民養老保険にわかれる養老年金制度を一本化する。女性幹部と女性職員の区分けを無くし、従業員養老保険の女性定年年齢を55歳に統一する。 《第二段階》2018年から女性の定年年齢を3年毎に1歳延長し、男性の定年年齢を6年毎に1歳延長する。この延長に伴い従業員養老保険の定年年齢も同様に延長する。これによって、2045年になれば、定年年齢は男女共に65歳になる。
もはや蟻地獄であがくしかない
低賃金を武器に中国が世界の工場としてもてはやされた時代は過去のものとなり、中国から外資企業の撤退が相次ぎ、国内企業の過剰生産による在庫量の増大、人民元高による輸出の減少などによって中国経済の減速は顕著なものとなっている。この結果、中国企業の求人は減少しており、中国国内の就職戦線は熾烈な様相を呈し、失業者が増大し、就職できない新卒者も増大している。こうした状況下で、定年年齢の延長を行えば、本来ならば定年によって空席となるはずの職場が定年延長者によって占められることになり、失業者は就業機会を奪われ、新卒者は求人数の減少に泣くことになる。
だからと言って、定年年齢の延長を行わなければ、年々増える定年退職者により養老年金の累積残高は毎年減少し、最終的には年金制度そのものが破綻することは不可避となる。この図式はまさに「進むも地獄、退くも地獄」あるいは「前門の虎、後門の狼」と言えるものであり、その人口の多さの故に有効な打開策は見当たらない。繁栄を維持するためには、ひたすら経済力を高めて前進するしかないが、環境汚染を代償とする繁栄にはすでに国民が「No」を突き付けているのが実情である。今や中国は蟻地獄に落ちてあがいているように思えるのだ。
12/18日経ビジネスオンライン 森英輔『日本は合気道の要領で中央アジアに目を向けよ』について
本年1/5の日経には『同盟国と対話、意思疎通を ジョシュア・ウォーカー氏
富士山会合で、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官に近い米国のキーマンにもインタビューをしました。これからの日米関係を考える上で見逃せないキーワードの一部をご紹介しましょう。
ジョシュア・ウォーカー氏(有力シンクタンク、GMF主任研究員)
「米国はアジアに政策の軸足を置いています。ただし、米国人が言う『アジア』という言葉は、成長著しい中国とインドを指していることがあります。日本で育った私にとっても大変残念なことです」
「昔の世代のリーダーは日本に重点を置けましたが、今は必ずしもそうではありません。一部には日本を二流国家と考える人々もいます。でもこれは間違いです」
「私の世代の米国人が日本の専門家になったり、日本語を話せたりしなくてもいいと思います。ただ、日本の果たす役割を正しく認識し、理解する必要があります。両国を結ぶパイプが細くなっているという指摘について心配しているのは、交流や意思の疎通が一方通行になってしまうのではないかという点です。米国もアジアの同盟国、重要な国々と対話を大事にすべきです」』とありました。ヒラリーに近いという点でリベラルかと思ってしまいますが、やはりその色は拭えません。
価値観外交と言ってもご都合主義なだけでしょう。白人、特に西側世界が他の国を批判するときに使う手段でしょう。キリスト教国の世界分割(トルデシャリス条約)、帝国主義(植民地収奪)、黒人奴隷、インデイアン虐殺等、歴史上やってきたことを見れば「何を言うか」という気にもなりますが、現在の価値観で過去を批判しても仕方がありません。今、普遍的な価値観に近づいていない国に、近づいて貰う努力をして行かなければ。発展段階や伝統文化は尊重しますが、自国民を虐殺するような国は非難すべきです。チベット人やモンゴル人、ウイグル人を虐殺するような国に対し、国際社会は制裁すべきと思うのですが。英国のキャメロン首相はダライラマの面会でも中国の脅しに屈しました。ユダヤ陰謀論の人に、「ロスチャイルドは①イギリスを捨て、中国を取った②中国を立てているように見せて、太った豚を料理しようとしている」のか、聞いてみたいです。
ジョシュア・ウォーカーは何となくジョセフ・ナイに近い気がします。日本には「軍事力は強化せず、ソフトパワーだけを発揮せよ」という論調です。勿論今の日本人で外国に軍事力を使い、世界へ進出しようという風に考えている人は殆どいないでしょう。共同防衛はあり得ますと言うか、それはしっかりやっていかないと。
ジョシュア・ウォーカーの言う、ロシアと中央アジアは中国封じ込めのためには必須です。これにASEAN諸国も。第二次大戦の失敗は同盟国選びでした。今回は失敗しないように相手を選び、なおかつ友好国を増やしていくことが大切です。
記事
安倍晋三首相は、自由、民主主義をはじめとする「価値」に重きを置く「価値観外交」を標榜している。だが、米国と価値観を共有しているはずの英国が、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に率先して参加するなど、価値観外交には懸念すべき面もある。そこで、価値観外交に詳しいジョシュア・ウォーカー氏に話を聞いた。同氏は米ジャーマン・マーシャル・ファンドで主任研究員を務める。ウォーカー氏は11月、日米の政府関係者や専門家らが対話する「富士山会合」(日本経済研究センターと日本国際問題研究所が共催)第2回年次大会に参加した
—ウォーカーさんは価値観外交に関心を持たれていますね。
ウォーカー:はい。利益はどの国とでも、敵国とでさえ共有することができます。一方、価値を共有できるのは多くの場合、同盟国です。これが、私が「価値が大事」と考える理由です。価値は、同盟国を団結させる。価値と利益は異なるものなのです。
ジョシュア・ウォーカー氏 ジャーマン・マーシャル・ファンド主任研究員。クリントン国務長官のグローバル・パートナーシップ・イニシアチブのために中央アジアおよび北アフリカに関する上級顧問を務めた。国務省チーフエコノミスト室、駐アンカラ米国大使館などにも勤務。(写真:加藤 康、以下すべて)
—なるほど。価値と利益を分けて考える必要があるのですね。
私は価値観を前面に出す価値観外交が真に機能するものなのか疑問に思っています。最近の英国の動向をみてください。政治面でも安全保障面でも英国は米国と価値を共有しています。しかし、中国が主導するアジアインフラ開発銀行(AIIB)への参加を先進国の中でいち早く決めました。韓国も同様です。政治面でも安全保障面でも米国と密接な関係にあります。しかし朴槿恵大統領は親中路線を取っています。この動きは特に経済面で顕著です。
ウォーカー:価値観外交はいろいろある外交手法の1つにすぎません。例えば経済的な利益を重視する商業外交があります。同盟関係に焦点を当てる安全保障外交もあります。価値観外交が単独で機能するわけではありません。
森さんが例に挙げた米国と英国との関係はこの問題を考えるよい例ですね。米国と英国は非常に似た価値観を持っています。しかし、価値観を同じくしていることと、価値観外交を展開することは別ものです。英国は価値に基づく外交をしていません。中国がもたらす利益を重視して行動したのです。
価値観外交について考える時、我々はどの地域について考えるのかに注意を払う必要があります。中東地域を考えるならば、米国と英国は依然として価値観外交を展開していると言えるでしょう。しかし、中国が力を持つ東アジアと、ロシアが力を持つユーラシアについて、私は確信を持つことはできません。
米豪が結ぶ堅い信頼の絆
—米国と価値観を共有している国は日本のほかにどこがありますか。
ウォーカー:オーストラリアです。米国と価値観を共有する国として世界で最もふさわしい例と言えます。
オーストラリアは時の政権が保守派であろうとリベラル派であろうと関係なく、いつも米国と肩を組んで歩んできました。だからこそ米国は、オーストラリアとインテリジェンスを共有してきたのです。私が見るところ、これは米豪が価値観を共有しているからこそのことです。
将来に目を向けると、候補がたくさんあります。例えばフィリピン。奇妙に聞こえるかもしれませんが、ベトナムやマレーシアの名前も挙げることができます。文字通り数十年の時間がかかるかもしれませんが。
価値観外交で日本ができること
—ウォーカーさんは、日米が共有する価値を広めるのに、日本の力が役に立つと主張していますね。日本にどんなことができるのでしょう。
ウォーカー:米国が抱えている課題の1つは、我々の価値観が時にコモディティなってしまうことです。例えばイラクとの戦争の時、我々はイラクに民主主義をもたらすと主張しました。しかし、それは大きな間違いでした。我々が民主主義や自由を声高に叫んだために、これらの言葉はネガティブなものになってしまった。米国が民主主義と自由を口にすると、みなが笑います。
米国は自分のことを世界において依然として輝いている存在だと思いたい。しかし、米国は以前ほどのソフトパワーを持ってはいません。中東において、米国は信頼を持たれていません。石油のためにイラクに押しかけたと思われています。そして帝国主義の国だと。
一方、日本はそのような失敗の歴史を持っていません。非常に強い独自の伝統と文化を持つ国です。日本はキリスト教を戴く西洋の国でもありません。日本の仏教や神道は他のすべての文化の価値を認めるよう説いています。そして、世界の多くの人々が、かつて米国に注いだのと同様のあこがれの視線を日本に向けているのです。
日本は素晴らしい通商国家だと思われています。私は、日本はビジネスの分野でより重要な役割を果たすべきだと思います。トヨタや任天堂といったグローバル・ブランドは日本発です。かつてハリウッド映画やコカコーラ、リーバイスのジーンズが世界を席巻しました。同様の力をソフトバンクやユニクロといった新世代の日本企業が持つことに注目すべきです。
日本と米国はビジネスの分野でより緊密に協力すべきです。競争相手が増えていますから。中国は鉄道システムの売り込みに長けています。日本はインドネシアの商戦で中国に敗退しました。中国が多くの政治的圧力を加えたからです。
しかし、日本の製品は優れています。日本の良いところと米国の良いところを持ち寄り、そのブランドとソフトパワーを効果的に発揮すれば、世界のどの国も対抗することはできません。上海協力機構の加盟国であれ、ロシアが主導するユーラシア同盟の加盟国であれです。
今の日米関係は、米国が日本に対して何をすべきかを伝えるだけの一方通行です。安倍首相が米国に「日本の役割は何か」と聞き、米政府が「次はこの課題です」と応じているように見えます。日本は「日本には実行すべき特別な役割がある。原発を開発しトルコやアラブ首長国連邦、湾岸諸国を支援する。鉄道を敷設することでバングラデシュやインドネシアを支援する」と主張すればよいのです。日本にはできるけれど、米国にはできないことがあるのです。
日本はロシアと対話できる数少ない国
対ロシアでも日本の存在は重要です。もしロシアがクリミアやウクライナで行っているような方法で国際秩序に再び挑戦することがあれば、これは重大な脅威となります。ここで日本は、米国にはできない役割を果たすことができます。日本はプーチン大統領と会話ができる数少ないリーダーの1つですから。
価値観を共有しているので、我々は日本のことを十分に信頼しています。ロシアと何を話す時も、日本は日米共通の利益を念頭において進めてくれると。
もし日米の関係が利益だけに基づくものならば、我々はいつも日本の行動をチェックしなければなりません。「日本はロシアと何を話したんだ」とね。しかし我々は価値観を共有しており、結婚しているようなものです。奥さんが他の男性と夕食に行っても、信頼しているでしょう。しかし、付き合っているガールフレンドが他の男性と夕食に出かけたなら、疑いの念を持つのではないでしょうか。「君は何をしているの。浮気をしているの」と。
中央アジアはミッシング・リンク
—次の質問は中央アジアについてです。ウォーカーさんは日本は中国にばかり目を向けている。他の地域、なかでも中央アジアに向けるべきだと強調しています。
ウォーカー:その通りです。
中国のことで頭がいっぱいになる事情は理解できます。しかし、日本が中国と向き合う際の最善の方法は中国を抑えようとすることではありません。中国を囲む周辺の国に目を向けることです。合気道では、誰かに殴られそうになった時、殴り返そうとはしません。相手の力を相手に向け直すでしょう。中国に対する時も同様にすればよいのです。
そこで、目をむけるべきは中央アジアです。私が知る限り中国の最大の懸念は対外的な問題ではなく、内政の問題、すなわちウイグルです。毎日のように死に至る犠牲者が生じています。しかし、中国当局がそれを検閲しブロックしているため、それが世界に知らされることはありません。
中央アジアの国々はウイグルで何が起きているかを知っています。私はこの地域をチュルク語世界と捉えています。この世界はアドリア海から始まり、トルコ、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと広がっています。
日本は既に台湾と良い関係を築いています。フィリピンと良い関係を築いています。インドやインドネシアとの関係も拡大させています。この輪において欠けているのが中央アジアです。
もう1つのポイントは、中央アジアにおける日本の役割は、日本のためだけのものではないということです。もし日本が米国やインド、トルコと協力できるならば、これらの4カ国は東アジアにおける中国やロシアの影響に対して共同して対抗することができるようになります。
以上のことから、私は、日本にとって中央アジアが重要であることを強調しているのです。
—遠交近攻というわけですね。
“弱み”こそ日本の強み
ウォーカー:そういうことです。
私が日本の友人に話すと、彼らが一様に驚くことがあります。“弱さ”こそが日本が持つ強みだということです。
日本は強い軍隊もインテリジェンスも持っていません。しかし、そのことが日本に多くの強みをもたらしているのです。中東の国々も中央アジアの国々も、日本が災厄をもたらすとは考えていません。日本から多くのものを得ようとも思っていません。
だからこそ、日本は国際社会に対して、より多くの興味と協力する力を持っていることを示す必要があるのです。その範囲はビジネス上に限られるものではありません。地震など自然災害が起きた時の支援もあるでしょう。教育に関するサポートも可能でしょう。ODA(政府開発援助)も利用できるでしょう。
例えば、教育分野において、中央アジアの国々を支援することができます。日本の大学は幸いなことに、米国や英国の大学と同等のレベルを備えています。中国の大学と比べても、より高いレベルにあります。真にグローバルな大学とは言い難いですが、それでも中央アジアの大学と比べれば、ずっと国際的です。
日本はアフリカの国々に対して非常に効果的な戦略を実行しています。リーダーたちを東京に招き、会議をする。同時に、安倍首相がアフリカを訪れ会談する。こうした手法は中央アジアの国々に対してもとても効果的です。
中央アジアの国々は、カザフスタンやウズベキスタンでさえ個別に見ればそれほど大きな国ではありません。しかし5カ国集れば重要です。チュルク語世界は2億人の人口を擁するのです。
中東と異なり、この地域ではどの国も新参者です。ロシアの影響力が強く他の国は接することがありませんでした。そして今、中国が力をもって入り込もうとしています。これに対して、我々はなんの行動も起こしていません。だからこそ、安倍首相の訪問というささやかな意思表示であれ、日本が行動を起こすことは大きな意味を持つのです。
12/17産経ニュース 石平 『習主席アジア外交は惨敗』、12/18日経電子版『東南ア、対中包囲網いまだならず アジア総局編集委員 村山宏』について
中国外交についての2つの異なった見方を挙げました。小生としては石平氏の言うようであってほしいと思っていますが、村山氏の言う部分も合っていると思いました。特に、「カンボジアが中国陣営に留まる限り、ASEANが対中包囲網でまとまることはない」というのはその通りです。南シナ海の領土問題で中国と争っているASEANメンバーはフィリピンとベトナムですが、ベトナムとカンボジアは歴史的に仲が良くありません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%82%A2%E5%86%85%E6%88%A6
ただ、各国は強国に対抗するため、国益・歴史的経緯等を踏まえてでも纏まろうとします。カンボジアも中国の属国になるならいざしらず、独立を望むのであれば、日米寄りにスタンスを変えることもありかと。ミャンマーも中国寄りだったのが、中国の野心を感じ取ることにより、西側世界に近づきバランスを取るようになりました。日本も努力してASEAN諸国に中国の軍事膨張の危険性を説得しなければいけないと思います。
昨日(12/19)のTV「ウエークアップ!ぷらす」で熊谷亮丸が「中国は社会主義経済なので1~2年は持つが、3年後は200兆円の不良債権が出て、バブル崩壊する可能性がある。危ない。」、伊藤聡子も「中小企業で盛り上がっているのは、中国から如何に撤退するかという話題」と言っていました。TVでもドンドン中国経済の危険性についても述べられるようになってきました。ユニクロは将来中国に3000も店を出す(現在387店)と柳井社長が10月決算会見で述べたとのこと。(12/19日経)。売国奴の柳井氏がやる事ですから、自己責任でやればよい。困った時に政府に泣きつかないように。6000億円をCITICに投じた伊藤忠も同じです。ただ、駐在員が人質になる危険性があり、経営者の犠牲になるのは可哀想です。
石平記事
11月19日掲載の本欄で、南シナ海での中国の軍事拡張を封じ込めるために日米同盟を基軸とした「合従連衡」が形成される一方、中国はアジア諸国を個別に取り込む「連衡策」をもって対抗する、というアジア外交の構図を論じた。その前後の一連の動きを見れば、この「合従連衡」のゲームに敗れたのが中国の方であると分かる。
11月5日から6日にかけての習近平主席のベトナム訪問はその一例である。5日にハノイに着いてから、習主席はベトナムの首脳たちと次から次へと会談をこなし、相手のことを「同志」とまで呼んで「関係の改善」を訴えた。
しかし訪問中の6日、同じハノイにおいて、ベトナムのフン・クアン・タイン国防相は来訪中の日本の中谷元(げん)防衛相と会談し、南シナ海の要衝であるカムラン湾の海軍基地に海上自衛隊の艦船を寄港させることで合意した。
習主席を貴賓として迎えている最中に、ベトナムは中国に対抗するための日越軍事連携を堂々と進めた。中国に対する「配慮」の気持ちはみじんもないやり方である。このベトナムに翻弄され、恥をかいて帰国の途に就いたのは習主席の方だった。
そして11月21日からマレーシア首都のクアラルンプールで、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、アメリカ、中国などの18カ国の首脳が一堂に会した「東アジアサミット」が開催されたが、それもまた、中国にとってのアジア外交惨敗の場となった。
まずは21日、米国とASEAN諸国との首脳会議が開かれた。会議後の共同声明には「南シナ海における航行の自由を保障することの重要性」が明記された。22日の東アジア首脳会議では、「親中派」といわれるカンボジアとミャンマーを除く、すべての国々が、南シナ海における中国の埋め立て・人工島造成の問題を提起して、中国批判の声を次から次へと上げた。
そして24日、東アジアサミットは首脳会議の結果を受けて議長声明を発表した。中国による人工島造成で緊張が続く南シナ海情勢について、声明は「航行の自由」の重要性を再確認するとともに、「一部首脳が表明した深刻な懸念に留意した」と中国の動きを強く牽制した。
その結果、少なくとも南シナ海問題に関しては、アジアにおける中国の孤立は決定的なものとなった。今月に入ってからも、習政権にとっての衝撃的な出来事がアジアで次から次へと起きた。
まずは7日、カーター米国防長官とシンガポールのウン・エンヘン国防相が会談し、防衛協力の拡大で合意した。同時に、米軍のP8対潜哨戒機を3カ月に1回程度の割合でシンガポールに配備することを決めた。
米軍哨戒機の配備は当然、南シナ海における中国の動きを監視する目的である。中国からすれば、それは要するに、伝統的な友好国であったシンガポールが「寝返り」、アメリカの中国包囲網に加わることであった。習主席自身が11月にシンガポールを訪問したばかりなのに、中国政府の挫折感はさぞかし大きかったのではないか。
そして8日、南シナ海問題とは関係がないが、韓国海軍が中国船に警告射撃を行う事件も起きた。今、中国ともっとも親密な関係にあるはずの韓国までが、習政権のメンツを丸潰れにする、このような行動を取ったのだ。
ここまで来たら、アジアにおける中国の立場はもはや四面楚歌に近い状況であろう。それは、習政権が進めてきた覇権主義的拡張戦略の必然的な結果だ。
中国の古典には、「得道多助、失道寡助=道義にかなった者には助けが多く、道義を失った者には支持が少ない」という有名な言葉がある。習主席はそれを暗唱でもしながら自らの行いを反省してみるべきではないか。
日経電子版記事
11月後半に開かれた東アジア首脳会議では中国と周辺国との対立が深まる南シナ海問題について「懸念」が示された。これをもってASEAN(東南アジア諸国連合)の外交スタンスが中国配慮から日米寄りに傾いているとの見方が広がった。東南アジアではミャンマーの中国離れが進むなど、対中包囲網が強まっているように映る。だが、東南アジア各国の政治状況を子細に見ていくと、逆に中国が攻勢に転じている局面が浮かび上がる。
11月8日のミャンマー総選挙でアウン・サン・スー・チーさんの率いる野党・国民民主連盟が圧勝したが、これは対中包囲網論者にとって朗報だろう。ミャンマー政権は民主派への弾圧から欧米の経済制裁を長く受け、経済は中国に頼らざるを得なかった。一方で中国企業のミャンマーへの怒とうの進出は現地住民の反発を呼んでいた。欧米とのパイプの太いスー・チーさんらの民主派政権が来春に誕生すれば、中国離れが進むとみられる。
世論を意識してか、テイン・セイン現政権ですら昨年、中国・昆明からミャンマーを通ってインド洋に達する鉄道敷設を中止したほどだ。中国の海洋進出を抑えようと、日米は東南アジア諸国を中国の影響下から切り離し、対中包囲網を形成しようとしてきた。この流れに沿って日本もミャンマー南部のダウェー経済特区の開発に協力している。ミャンマーが日米陣営に近づけば、陸からインド洋に向かう中国の海洋進出に待ったがかかる。
しかし、東南アジアでは中国に不利な出来事だけが起こっているわけではない。
| 筆者が注目した記事 |
| ・11月25日 AFP「中国に接近するタイ、初の空軍合同演習」 |
| ・11月24日 日本経済新聞朝刊5面「火力発電関連会社、中国に売却」 |
| ・11月17日 日本経済新聞朝刊7面「カンボジア野党党首、議員剥奪」 |
| ・10月17日 じゃかるた新聞ウェブ版「メガ氏 習主席と会談 海洋分野 協力関係強化で一致」 |
■中国寄りの政権も
タイは昨年5月のクーデターで民主政権から軍事政権となり、米国との関係がぎくしゃくし始めた。プラユット首相らタイ軍政は代わりに中国との関係を深めている。中国から逃れてきたウイグル族を7月に中国に送還、11月にも中国の反政府活動家2人を送還した。中国からの潜水艦の購入計画が一時浮上したほか、11月には中国との初の空軍合同演習に踏み切った。高速鉄道の敷設では日本だけでなく、別路線で中国もパートナーに選んでいる。
インドネシアも昨年10月に発足したジョコ・ウィドド政権が中国との関係を深めている。インドネシアの高速鉄道敷設では中国が日本に逆転勝利した。中国接近はジョコ大統領を支える与党、闘争民主党が中国寄りのためとされる。党首は元大統領のメガワティ氏。スカルノ初代大統領の娘だ。中国に近かったスカルノ大統領は1966年に軍内の反共グループの台頭で失脚したが、娘のメガワティ氏は父親の中国人脈を受け継いだようだ。
現地邦字紙、じゃかるた新聞によると、10月に中国を訪問したメガワティ氏は習近平国家主席と会談し、海洋協力の強化で一致した。メガワティ氏はさらに中国・深圳で「スカルノの家」の起工式にも出席したという。闘争民主党は与党だが、議会では少数派にとどまる。ジョコ大統領自身は親中でも反中でもないとされるが、ただでさえ難しい議会運営を乗り切るためには、メガワティ氏ら中国寄りの与党政治家に配慮しなければならない。
マレーシアの態度も微妙だ。中国は11月の東アジア首脳会議のさなかに、資金繰りの悪化したマレーシアの国営投資会社、1MDBを救済する案を同国に持ちかけた。すぐさま中国の原子力発電会社、中国広核集団が1MDB傘下の火力発電会社を98億リンギ(約2800億円)で買収することで合意した。1MDBはナジブ首相に巨額の資金を送った疑惑が浮上しており、窮地に陥ったナジブ首相に中国は手を差し伸べたのだ。マレーシアは南シナ海問題で日米になびくとの観測もあっただけに、中国はすかさず阻止に動いた格好だ。
■カギ握るカンボジア、首相の強硬策
東南アジア全体の対中姿勢を占ううえでカギを握るのはカンボジアの動向だ。フン・セン首相は親中派の筆頭格とされ、ASEANの重要会議では中国に不利な案件をつぶす役割を担ってきた。ただ、カンボジア国民は30年以上続く現政権に飽いている面もあり、18年の総選挙では野党・救国党の勝利も取り沙汰されていた。救国党のサム・ランシー党首はフランスに亡命していた経緯があり、欧米寄りに外交も転換するとの期待もあった。
こうした情勢を見越し、フン・セン首相は強硬策に打って出た。11月にカンボジア国民議会はサム・ランシー氏の議員資格と不逮捕特権を剥奪すると発表し、同氏の国内での活動を封じた。サム・ランシー氏の個人的人気に支えられた野党の勢いをくじき、選挙を有利に進めようという与党側のもくろみだ。カンボジアが中国側にとどまるかぎり、ASEANが対中包囲網でまとまることはない。
日米と中国による東南アジア各国の取り込み合戦は一進一退を続けており、どちらが有利とは一言ではいえない。グローバル経済の時代に地政学的な陣取り合戦をする是非はひとまず置くと
しても、対中包囲網と言うにはほど遠いのが実情だ。情報分析では「自らに有利になるように情報を取捨選択をしてはならない」という鉄則があるが、日本は東南アジア情勢になると自らに都合のよい情報に引かれがちだ。ここに挙げた関連記事は日本では大きく取り上げられていないが、日米と中国との力関係を考えるうえでいずれも見過ごせないものばかりだ。





