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『「非核化は相互&段階的、半年で平和協定も」 米外交コンサルタントのポール・ゴールドスタイン氏に聞く』(7/12日経ビジネスオンライン 森永輔)について

7/13阿波羅新聞<港媒爆中共官方下令撤习近平肖像=香港メデイアは中共が習の肖像画を撤収するよう命令したことを明らかにした先日、女性が肖像画にインキをかけた事件の影響のようです。

http://www.aboluowang.com/2018/0713/1143105.html

7/12阿波羅新聞<王岐山终现身会奥巴马亲信 习贸易战后隐身原因隐秘?=王岐山はついにオバマの腹心と会う 習の貿易戦後身を隠していた原因は秘密?>7/11王岐山はエマニュエル・シカゴ市長(民主党)と会見した。彼はオバマ時代の首席補佐官で、後にシカゴ市長に転出。王はエマニュエルと統一戦線を組みたいと。こんなことをすればオバマ嫌いのトランプは益々怒り狂うでしょうに。中国も貧すれば鈍すになっていますね。

http://www.aboluowang.com/2018/0712/1142724.html

7/12希望之声<川普晒信 金正恩态度诚恳期待再见面=トランプは金正恩の手紙をツイッターに載せる 彼の態度は誠実で再会を期待する>図の左が朝鮮版、右が英文版。

金がトランプにこのような友好的な手紙を出すのは制裁継続が効いているのか?金がサインした日付は7/6でポンペオがまだ平壌にいたとき。奇妙に感じる。金はわざと7/6に手紙を書いたのか?この手紙は7/7に朝鮮が米国を非難したことを打ち消すためか?何であれ、この手紙を見れば、金はトランプに弱さを再度見せている。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/07/12/n1962780.html

7/13News Vision 渡邉哲也<米国の対中貿易規制で狂い始めた中国金融、「債務爆弾」が深刻化し、チャイナプレミアムを呼び込む可能性も>「米中貿易戦争の悪化により、人民元からのキャピタルフライトが発生、人民元安になるとともに株価も下落、実体経済と株式、そして金融の連鎖形態での状態悪化が起きているわけだ。これは中国企業や中国の銀行の資金調達に大きな影響を与え始めている。

このような状況の中で米銀などは中国企業への態度を硬化させ始めており、中国企業による爆買いが債務爆弾になろうとしているわけだ。すでに、中国保険大手安邦がこの罠にはまり有利子負債36兆円を抱え国有化、海航グループも11兆円程度の負債を抱え、国からの支援を受ける方向で話が進んでいる。

米国は、貿易だけでなく、米国の最大の力である金融を使って中国潰しを仕掛ける可能性が高く、これは中国の国内経済と海外戦略を直撃するものになるのだと思う。そして、それが一段落した時点でハイテク部品などの禁輸などさらに厳しい処置をとる可能性も高い。」

https://news-vision.jp/article/188575/

7/13ダイヤモンドオンライン ロイター<貿易戦争による人民元安、最も直撃受けるのはどこか>米国以外は皆通貨安になりそうです。

https://diamond.jp/articles/-/174852?utm_campaign=doleditor&utm_medium=email&utm_source=weekend

本記事のゴールドスタイン氏は米軍の北朝鮮派兵の可能性にまで触れています。まあ、独裁国家サウジに米軍は駐留しているくらいだから北に駐留してもおかしくはありませんが。そうなれば益々在韓米軍は要らなくなるのでは。

馬渕睦夫氏が良く言う「今はナショナリストVSグローバリストの戦い」と同じようにゴールドスタイン氏は捉えているようです。メデイアがトランプを“孤立主義”とか“保護貿易主義者”とか言って攻撃するのは彼らがグローバリストだからです。グローバリズムは世界で国境をなくそうという意味で共産主義と親和性があります。ユダヤ金融街(ウオールストリート)と中国共産党が一緒になる事程恐ろしいことはありません。世界の大多数は奴隷となるか殺戮されるでしょう。

記事

マイク・ポンペオ米国務長官が7月6日から訪朝。非核化をめぐる実質的な協議がいよいよ始まった。米外交コンサルタントのポール・ゴールドスタイン氏は「現実的な相互主義」が協議を進展させ、3~6カ月のうちに朝鮮戦争の平和協定に至る可能性があるとみる。

(聞き手 森 永輔)

ポンペオ国務長官は、これからどんな交渉手腕をみせるのか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

—非核化をめぐる米朝実務者協議はどのように展開していくでしょう。

ゴールドスタイン:非核化は現実的な相互主義に基づいてゆっくり進んでいくでしょう。相互主義が、非核化を前に進める方策なのです。相互に事を進め、信頼を醸成していくことが大事。

金正恩(キム・ジョンウン)委員長には、ぜひ最初の一歩を踏み出してほしいと思います。最初の一歩は核兵器ではなくミサイルに関わるものになるのではないでしょうか。朝鮮戦争に参加した米軍兵士の遺骨返還も信頼醸成に結び付きます。米国は、北朝鮮が取った行動を受けて相応の行動を取っていく。

ポール・ゴールドスタイン氏
パシフィック・テック・ブリッジ社長兼CEO
1949年、米ニューヨークに生まれる。インディアナ州立大学で歴史と政治を学ぶ。政治専門誌エグゼクティブ・インテリジェンス・レビューの記者などを経て、1982年から政治・経済、インテリジェンスのコンサルタント。カウンターインテリジェンスや国家安全保障戦略が専門。(写真:加藤 康、以下同)

非核化は米朝だけが進めるものではありません。多国間で進めるものです。冷戦期に米ソが進めたのは核「軍縮」で、これは米ソの2国間で実行できました。しかし、今回進めるのは完全な「非核化」です。これには関係国――米国と北朝鮮はもとより、日本、中国、韓国、ロシア――の合意が必要です。

日本には日本の役割があります。同様に、中国には中国の、ロシアにはロシアの役割がある。それぞれの役割がどんなものになるのか、まだ決まっていませんが。ちなみに中国による圧力は金委員長の背中を押しました。中国が制裁に加わったからこそ、金委員長は完全な非核化に向けて米国と協議することになったのです。

この一環で、米朝韓による3カ国協議や、中国を加えた4カ国協議が進展し、朝鮮戦争を終結させる平和協定が締結されると信じています。金委員長にとって平和協定の締結は重要です。体制保証の一部をなすものですから。

安倍晋三首相が金委員長と会談することにもなるでしょう。

ドナルド・トランプ米大統領は11月に行われる中間選挙の前に、有権者に対して成果を提示する必要があります。このことは、金委員長はもちろん、中国もロシアも知っていることです。だとして、中ロは非核化に協力するでしょうか。金委員長に対し非核化を遅らせるよう求めるかもしれません。もちろん金委員長がその影響を受けることなく行動するかもしれない。この点は、我々が今後解き明かさなければならない問題です。

—平和協定が締結されるまで、どれくらいの時間がかかると見込んでいますか。

ゴールドスタイン:3~6カ月の間に実現するかもしれません。

—それは早いですね。

ゴールドスタイン:短期間で進む可能性があります。米国が5月24日に米朝首脳会談をキャンセルしたあと、いかに急展開したかを思い出してください(関連記事「金正恩がゴルバチョフになる可能性を読む」)。

—ゴールドスタインさんは、米国が北朝鮮に軍を送る可能性に言及されています。戦争のためではなく、北朝鮮が非核化する代償として、米軍が北朝鮮の体制を保証する。平和協定が締結されれば、この方向に進むでしょうか。

ゴールドスタイン:いずれ分かるでしょう。6月12日に行われた米朝首脳会談の冒頭、トランプ大統領と金委員長が二人きりで話し合いました。あの場で議題に上ったのです。

—もし、そうなれば、北朝鮮が米国陣営に属すことを意味しませんか。

ゴールドスタイン:私はそこまで言うつもりはありませんが、可能性はあるでしょう。

一方で、北朝鮮が、韓国との軍事境界線(DMZ)付近に展開している通常兵器群を後退させることも考えられるでしょう。これに応えて米軍は軍事演習を取りやめる。

—北朝鮮は102万人に及ぶ陸上兵力の3分の2をDMZの近くに展開しているとみられています。240mm多連装ロケットや170mm自走砲を配備し、何度も「ソウルを火の海にする」とすごんできました。

ビジネス投資が信頼を醸成する

ゴールドスタイン:現実的な相互主義に基づく行動は軍事的なものにとどまりません。経済的な行動こそ優先すべきでしょう。米日欧のビジネスパーソンが北朝鮮に行くのです。

民間が主導する“マーシャルプラン”を進めることで、北朝鮮は我々を信用するようになります。その時にポイントとなるのは与信です。これは、スターリン式の計画経済を改めるすべにもなる。

金王朝は市場経済に移行する決断をしました。我々はこれと歩調を合わせることができます。北朝鮮がいくつかの核施設やいくつかのミサイル施設を廃棄したなら、我々は投資で応じるのです。

ポンペオ国務長官に期待

—トランプ政権は米朝首脳会談を決断した後、安全保障チームを改組しました。国務長官をレックス・ティラーソン氏からマイク・ポンペオ氏に、安全保障担当の大統領補佐官をH.R.マクマスター氏からジョン・ボルトン氏に替えた。ゴールドスタインさんはこれまでの安保チームを高く評価していました。新チームはどうですか。

ゴールドスタイン:バランスの取れた良いチームだと思います。ボルトン氏は強硬派、ポンペオ氏は現実主義者。そして国防長官にジェームズ・マティス氏がいます。

旧チームも良いチームでした。しかし、トランプ大統領との関係がうまくいかなかった。現行チームの方がより良いといえるでしょう。

中でもポンペオ氏が良い。

—同氏は様々な視点を持っていますね。軍事、ビジネス……。陸軍や起業家を経験しています。

ゴールドスタイン:おっしゃるとおりです。加えて、インテリジェンスも分かっている。

CIA(米中央情報局)長官だったポンペオ氏が国務長官に就任したことで、この二つの機関が連携して動くようになりました。現在の米国は外交を進めるにあたって軍事力に依存しています。国務省を立て直し、CIAを立て直し、軍が軍事的な役割に専念できる体制を築く必要があります。

私は、ポンペオ氏のように実務的で頭の回転が速い人物が好きです。思い込みを持つことなく交渉に臨む。こちらの言いたいことを言うだけでなく、相手の話も聞く。北朝鮮との交渉では、こうした姿勢が必要です。

—ボルトン氏については、多くの人が懸念を抱いています。

ゴールドスタイン:その点については役割分担があると考えています。ボルトン氏は欧州と中東をカバーする。同氏はアジアのことはよく知りません。多くの米国人がそうですが……。一方で、イスラエルには近い。米国の伝統的な保守ナショナリズムに近い立場にあります。それゆえ米国のリベラル系メディアは彼のことを好んでいません。だから彼もリベラル系メディアを批判する。

一方で、ボルトン氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領との関係を調整する力を持っています。人にはそれぞれ役割があるのです。

加えて、マティス国防長官にも注目すべきでしょう。彼の役割はユニークで、アンカーのようなものです。彼は「マッドドッグ(凶暴な野良犬)」と呼ばれますが、それは誤りです。彼の本質はまるで僧侶のような軍人であることです。8000冊の蔵書を所有する学者であることは有名でしょう。米国の初代大統領を務めたジョージ・ワシントン以来、博識な軍人がいるのは米国の伝統です。尊敬すべき人々です。

ウエストファリア条約の世界に戻る

—国民国家(nation state)の役割が再び浮上すると主張されています。

ゴールドスタイン:はい、ウエストファリア条約が構築した、主権を持つ国民国家が中心となる体制に立ち戻る動きが進んでいるとみています。冷戦が終結して以降、2008年に経済危機が起きるまで、我々は国際機関が主導するグローバルガバナンスの方向に歩みを進めました。国民国家はその重要性を減じていった。しかし、その流れは変わりました。

国民国家こそが最も重要な存在なのです。経済運営においても、政治においても、です。よって、WTO(世界貿易機関)やNATO(北大西洋条約機構)も再構築する必要があります。トランプ大統領がやろうとしているのはそういうことです。

—EU(欧州連合)が分裂することもあり得ますか。

ゴールドスタイン:そうは思いません。ブレグジットを機に改革が始まりました。

それまでは大変でした。ギリシャの債務危機を思い出してください。

—EUは移民問題を乗り切れるでしょうか。移民の受け入れに対する意見のずれがEU内に深刻な溝を生んでいます。

ゴールドスタイン:ドイツが試されていますね。たいへんな状況になっています。これに対処する仕組みをどう作るか、知恵が求められている。その点は米国も同様です。

—トランプ大統領がメキシコ国境に築こうとしている壁は有効な策でしょうか。

ゴールドスタイン:私が予測していたように、ついにメキシコに左派ポピュリスト政権が誕生しそうです*。同政権はNAFTA(北米自由貿易協定)からの離脱を辞さないでしょう。これも国民国家を重視する新しい時代の到来を示す一例です。ある人はこの状況をカオスと呼びます。

*:7月1日、メキシコ大統領選で、新興左派のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏が当選した。

国民国家を重視する時代は「国民ファースト」の時代でもあります。仏思想家のシャルル=アンリ・クレレル・ド・トクヴィルは1830年代半ばに『アメリカのデモクラシー』をものし、当時の米国を次のように分析しました。人々の暮らしは市民の参加、市民文化の上に成り立っている。政府が存在するのは、統治する権限を我々が政府に与えたからだ。政府が私に、私の権利を与えたのではない。私が政府に、私を統治する権利を与えたのだ。いま再び、この考えが重視される時代が訪れています。

—国民重視はもちろん大事ですが、トランプ政権の動向を見ていると、国民に受けることばかりを意識して、近視眼的、孤立主義的な政策に陥っている印象を受けます。国民ファーストと孤立主義を分かつのは何でしょう。

ゴールドスタイン:“孤立主義”というのは虚構です。国民ファーストを、グローバルガバナンス重視のイデオロギーに基づいて解釈した表現です。国民国家よりもグローバルガバナンスを重視する人々が、トランプ大統領のすることを、“孤立主義”と呼ぶのです。“孤立主義”というのはナンセンスです。米国が真の意味の孤立主義に陥ることは決してありません。

—今の世の中、孤立してやっていける国はない。

ゴールドスタイン:おっしゃるとおりです。我々は統合されたグローバル経済の中で生きているのですから。ただし、このグローバル経済はそれぞれの国民国家によって運営されるべきものです。

この新しい時代は実体経済を重視する時代でもあります。FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル総裁が6月28日、「実体経済に即して金融政策のかじ取りをするべきだ」と発言しました。これはウォール街中心の考え方を改めるということです。我々は2008年に金融危機を経験しました。それまで我々は、規制緩和に重きを置き、投機的な資金が拡散するのを野放しにしていた。この古いシステムは崩壊したのです。

—国民国家と実体経済を重視する時代に日本はどうあるべきでしょう。

ゴールドスタイン:グローバルプレーヤーになってほしいと思います。米国と同等の責任を担う。実際に何を行うかについて同様である必要はありませんが。地球全体を見据えた責任を果たしていただきたい。経済や技術の面で日本は大きな力を有しています。特に環境技術には目を見張るものがある。70年代に石油危機を経験して以降、日本は最先端の環境技術を身につけました。

日本は国際社会に参加し、常に正しい行動を取ってきた。今は、それを全地球規模で展開するときです。

—日本は国際社会に軍事面でも貢献すべきと考えますか。

ゴールドスタイン:もちろん貢献してほしいと考えます。日本はかつての帝国主義国家ではありません。民主主義国家なのですから。

—そのためには憲法を改正する必要があります。

ゴールドスタイン:それは日本が決めることです。私は、私が理解する世界の姿をお話ししました。それをどう理解し、決めるかは、日本の問題です。

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『海南航空集団・王健会長の突然死を巡る黒い噂 背後にチラつく大物政治家たちの利権』(7/11日経ビジネスオンライン 福島香織)、『関税合戦は序の口、深刻度増す“米中経済戦争” 日本も他人事でなくなる』(7/11日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

7/10 facebook 中国观察 于艳华の投稿

川普,你在嚇唬人?
美國已在網上透露,要爆光中國180萬官員之國外子女檔案。這些資料將一一介紹其背景職務,還配有照片,將印刷幾千萬份防水傳單,撒播到中國。
川普說:和中國發生戰爭,起碼要三四千億美元,成本太高。而這180萬貪官的子女就是中國最大的癌細胞群。爆料是我手中最有效的一張牌成本很低,等著瞧……運到海外中國資金有五兆美元,川普掐住它

トランプ、あなたは人を怖がらせている?
アメリカがネットで明らかにしたのは、「中国の180万人の役人の海外子女の身上調書を晒すだろうということである。この資料はバックの仕事、本人の写真等数千万の防水宣伝ビラとなって中国に伝わるかもしれない。トランプは「 中国との戦争が起きれば、少なくとも3,4千億$もかかる。コストがかかりすぎ。この180万人の腐敗した職員の子供たちは中国最大の癌細胞である。これを晒せば、私の手の中でコストが安く、皆が見たいと思っている一番効果的なカードである。海外へ持ち出した中国の金は五兆ドルもある」と。トランプはそれを押えている。

7/12阿波羅新聞<离岸人民币急挫逾700点子!分析料年底恐见“7算”=人民元は売られ6.7まで行った 今年の年末には7.0まで行くのではと恐れられている多分、そんなもので止まらないと思います。9月までに総額5000億$の関税が付加されれば、共産党の思惑以上に売られるでしょう。元安は輸出に有利と言ったって売り先がなくなります。

http://www.aboluowang.com/2018/0712/1142439.html

7/11阿波羅新聞<习近平当断不断反受其害 曾庆红发声他是此大案罪魁 —孟建柱等人操纵天字号第一案 美国驻华使馆称这些被抓人为英雄=習近平が決断を逡巡したため失ったものは大きい 曽慶紅は習がこの罪の大本であると発した 孟建柱等人を操るのは素晴らしい 駐中国米国大使館は逮捕された人達を英雄と呼ぶ>

これらを見ますと日本の人権派弁護士とか人権派判事が如何に薄っぺらいものか分かります。表題の意味するところは、「3年前に人権派弁護士を弾圧したのは江沢民系で、指揮者は曽慶紅である。彼のメデイアを使って事件の元凶は人権派のゴロツキと言って非難した。その時に習は逡巡し何も言わず、その結果を習が引き受けることになった。18大の後、習は妥協し、江派の大ボスを逮捕せずにいたので江派はずっと習を引きずり下ろす目的を持って攻撃する機会を窺っていた。」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0711/1142240.html

7/13麗澤大学の英語の授業でDr. Ligaya Acosta(女性)氏から“The Philippines today: globalism, populations, and geopolitical challenges ”という題で講演を聞きました。当方より「ドテルテ大統領は中国に宥和政策を採っているように見える。苦労して国際仲裁裁判所で勝利の判決を勝ち取ったのに利用していない。本日の日経には「昨日マニラでフオーラムが開かれ、前外相のアルベルト・デル・ロサリオが大統領の行動に不満を述べた」とある。どう感じるか?」と質問しました。それに関連して7/12ABS・CBN News“’Philippines, Province of China’ banners hung in parts of capital”の記事を紹介します。中国に妥協すると骨の髄までしゃぶられることが分かります。「中国の一省であるフィリピンにようこそ」とのバナーです。敵対している麻薬屋・華僑の仕業と思われますが、徹底的に取り締まらなければ。沖縄も野放図にしておくと危ないです。沖縄県警は外国人の政治活動を取り締まらなければ。

http://news.abs-cbn.com/news/07/12/18/philippines-province-of-china-banners-hung-in-parts-of-capital

福島氏の記事では海南航空の王健の死亡と習近平の肖像画にペンキをぶっかけた女性の話が出てきますが、7/6と7/7本ブログでも既に紹介しました。早く中国経済が崩壊してほしい。

細川氏の記事は、米中貿易戦争はトランプの中間選挙対策としか見ておらず、世界覇権の争いとせず矮小化して捉えている印象です。ハイテク規制も軍事絡みで行っている訳で、経済だけで見ると誤ります。ただ、対中COCOMが発動されたときには日本企業は引っかからないようにというか、その前から敵国中国には付き合わないようにするべきです。

福島記事

フランスで転落死した王健会長 (写真:AFP/アフロ)

中国最大の民間航空コングロマリット・海南航空集団(HNA)の会長、王健が旅先の南フランス・プロバンス地方の教会で、記念写真を撮ろうと高さ15メートルの壁に上って、転落死した。7月3日のことである。このニュースは、かなり衝撃を持って報じられた。

その理由の一つは、HNA自体がいろいろといわくつきで、習近平自身やその右腕たる現国家副主席の王岐山がらみの黒い噂の絶えない企業であったこと。しかも、ブルームバーグによれば、昨年末時点で負債総額が推計6000億元にのぼり、事実上破綻しているということ。2月には、中国当局が主だった国有銀行にHNA救済を窓口指導し、政府主導のもとでの再建話が進んでいるということ。

一方で、HNAはドイツ銀行やヒルトン・ワールドワイドなど名だたる海外企業の筆頭株主で、その海外資産は120億元以上、国内外合わせた子会社は450社以上で、その再建の成否は国内外企業、経済にかなり大きな影響を与えるという意味でも注目されていた。これは単純な事故死なのだろうか。一体HNAで何が起きているのだろう。いや、中国経済界で何が起きているのだろう。一人の民営企業幹部の死から見えてくるものを整理してみたい。

王健について改めて説明すると1961年天津生まれ。元は民航総局計画局の公務員で、1988年に海南省の出資1000万元をうけて民間航空総局の公務員であった陳峰とともにHNAの前身である海南省航空公司を創立した。その後、海南省航空公司が株式化、中国市場に上場し海南航空集団として事業を拡大していく中でも実務派としてかじ取りしてきたHNAのナンバー2である。

中国民航大学や中国発展改革研究院で客員教授も務めていた。彼は7月3日昼前、プロバンス地方に視察旅行中、観光名所のボニュー村の教会で記念写真をとろうと、壁によじ登ったのだという。一度登ろうとして失敗し、二度目に登ったときに転落したらしい。地元警察は事故と発表しているが、当然、それを信じない人も大勢いた。というのも、HNAは事実上破綻の危機にさらされ、しかもその組織や株式構成には非常に複雑な大物政治家の利権と黒い噂が絡んでいたからだ。

利権に絡む? 王岐山の親族

HNAは、すでにこのコラムでも触れてきた(「大物・王岐山の進退、決めるのは習近平か米国か」)ように、王岐山の親族が利権に絡んでいる、と言われてきた。王岐山の甥がHNAの匿名役員であるとか、HNAの過半数株を占める二つの慈善団体・海南省慈航公益基金会と在米海南慈航公益基金会の最終受益者がそれぞれ王岐山と習近平の私生児であるとか、といった話である。

このネタ元は、北京五輪プロジェクトの黒幕でもあった政商・郭文貴で、今は習近平政権から汚職などの国際指名手配を受けて米国に逃亡中だ。その逃亡先のニューヨークからインターネットを通じて、王岐山の“スキャンダル”をいくつも投じているが、郭文貴情報にはフェイクも相当混じっているといわれ、うのみにするのは要注意だ。

だが、わずか1000万元の資金でスタートした海南航空が、ジョージ・ソロスを口説き落として出資させ、中国A、B、H市場に同時上場し、新華、長安、山西といった地方航空会社を次々と買収する資金を得て、中国主要銀行がほとんど無審査で6000億元以上の融資を行って、外国企業を買いまくってきたプロセスをみれば、そこに大きな政治権力が介在していたことは間違いない。その大きな政治権力を代表する一人が王岐山であるというのは、HNA創始者の一人、陳峰が、王岐山が農村信託投資公司社長時代の部下であったことを思い出せば、腑に落ちるところでもある。

だが、このHNAは2017年ごろから、ホワイトハウス広報部長・スカラムッチの所有するヘッジファンドにも買収の手を伸ばすなど、トランプ政権の警戒心を呼んだ。米国メディアは、その株主構成や資金の流れに対してすでにかなり深く取材しているし、米国当局もおそらくHNAに対する調査をおこなっているはずだ。こうした流れを受け、習近平政権は主要銀行にHNAを含む五大民営企業に融資を一時停止するよう指示。この結果、HNAが受けていた6000億元に及ぶ融資は瞬く間に焦げ付き、今年に入ってからは香港やシンガポールの資産の投げ売りが始まっている。

一方で、習近平政権は今年2月には改めてHNAの“救済”を決定した。これはウォールストリート・ジャーナルが報じている。どうやら安邦保険集団を接収したやり方よりはマイルドなようだが、それでも国有資産管理当局の下での強制的な再編成であり、フィナンシャルタイムズ(7月5日)などは、安邦の事例と並べて習近平政権の民営企業に対する強硬姿勢と論評している。もっと率直に言えば、民営企業の乗っ取りともいえるかもしれない。

なので、王健の死に疑問を持つ人たちは、ひょっとすると、このHNA再建のプロセスで、隠蔽せねばならないこと、消し去られねばならない証拠があって、王健を邪魔だと考える者たちによって、「自殺」させられたのではないか。あるいはHNA内部の権力闘争、利権争奪戦の過程で王健が負けて排除されたのではないか、などといった謀略小説のようなストーリーを想像するのである。実際、HNA内部の合併がすすめられると、利権争いがおきて、陳峰VS王健の対立が先鋭化していたという話もある。

HNA内では王岐山と近しい陳峰が立場は上だが、実際の実務は王健がやっている。王健は陳峰を陳総(陳総裁の略)と敬称で呼び、陳峰は王健を王同志と呼ぶ、微妙な関係だ。HNAの負債問題が表面化したのち、対応に奔走していたのは王健だが、陳峰の息子の陳暁峰が半月前に王健の特別助理になった。人によっては、これは王健の動向を陳峰が監視するための人事ではないか、という。この直後に王健が亡くなったということに、なんらかの陰謀を感じる人もいるわけだ。

郭文貴はこんな謀略説をひろめている。「王健はホワイト・グローブとして王岐山、習近平はじめ多くの党幹部の資金洗浄に関与しており、その証拠である海外口座のデータや担保人、保障人などの記録を保有しているのは、実務担当の王健。HNAは今や中興とともに、米国調査当局のターゲットとなっており、王健が米国調査当局に口を割る前に、亡き者にされたのではないか」。

殺されたのではなくとも、家族の安全と財産の保障をする代わりに秘密を抱えたままの自殺や、事故死を装った自殺を迫られたのではないか、という説もある。あるいは、巨額の負債に精神を病んでいたので事故死を装って自殺した、とか。

王健の死によって、彼の持ち株は慈航公益基金会に贈与され、王健の職務は取締役会主席である陳峰が引き継いだ。そう考えてみれば習近平、王岐山の損にはなっておらず、謀略説もありそうな気がする。だが、実務を一手に引き受けていた王健の突然死で、今後難しいHNAの再建がさらに難航しそうだという観測が広がった。

波紋を呼んだ29歳女性の政権批判

こうした憶測が流れる中で、29歳の不動産仲介業者勤務の女性が4日、早朝に上海の海航大廈(HNAビル)前で、「習近平独裁専制の暴政を暴く!」と言いながら、近くにある習近平の宣伝ポスターに墨汁をかけるパフォーマンスを行った。そして、海航大廈を指さして、あれは習近平の資産だ!と批判したのだ。この様子はスマートフォンで録画されて彼女のツイッターアカウントにアップされた。当然、これがなぜ王健死亡翌日に海航大廈前で行われたのか、ということが中国人ネットユーザーの間で噂になった。

こんな形で習近平批判をすれば、彼女はタダではすまない。インターネットで習近平のことを「肉まん」と揶揄しただけで、ネットユーザーが拘束された例もあるのだ。この女性は同日午後3時半ごろに「玄関の前に制服の一群が来た。私は着替えて外に出る準備をしよう。私に罪はない。罪があるのは私を傷つけた人と組織よ」と意味深な言葉と、玄関前に来ている複数の警官をドア越しから写した写真をツイッターにアップしたあと、このアカウントは閉鎖された。

彼女が王健と何等かの接点があったのか、なかったのかはわからない。単なる、政権に対する不満の表明に過ぎないのかもしれない。が、多くの普通の市民たちは、HNAの破綻と王健の死と習近平や王岐山の利権に、なんらかの関連があるかもしれないと注目した。

ところでいったい、習近平政権は中国の民営企業をどうしたいのだろう。鄧小平時代の国退民進(民営化を進め国有企業を整理していく)からの国進民退の逆行は、間違いなく中国経済の活気を失わせている。HNAに限らず、中国の民営企業は、習近平政権になってから受難続きだ。飛ぶ鳥を落とす勢いであった安邦保険集団のCEO呉小暉は汚職で逮捕、起訴され安邦集団は政府に接収された。ハリウッドを買い占めると豪語していた大連万達グループのCEO王健林は政治的にはまだ首の皮一枚つながっているが、グループ資産約2兆円の売却をよぎなくされ、そのあおりで子会社の女性社長と従業員が今年6月に自殺(他殺の線も消えていない)した。

民営経済秩序を徹底破壊か

習近平の狙いは、紅二代、太子党といった共産党長老の子弟の利権の温床となっている民営企業の再建を建前として、政治的ライバルの利権の接収、および身内への再分配だという人もいるが、放漫財政を取り締まるという名目で打ち出した金融引き締め政策を受けて貸し渋りや貸しはがしにあって、倒産している民営企業には、個人企業家が頑張って立ち上げ軌道に乗せてきた普通の企業も多くある。

今年、民営企業の社債デフォルト総額は上半期だけで165億元、過去最悪になると予測されている。ちなみに倒産や巨額の負債に追い込まれて自殺した民営企業家はこの2年の間で100人は下らないともいわれている。一方で、企業利益の見込めない一帯一路プロジェクトなどの国家事業や、自らの利権がかかわるHNA再建には、莫大な融資を国有銀行に窓口指導で命じているわけだ。習近平政権がやろうとしているのは中国で育ち始めた民営経済秩序の徹底破壊ということだろうか。

トランプ政権から習近平政権に仕掛けられた米中貿易戦争によって中国経済は相当追いつめられるという指摘が多いが、私は中国経済を本当に追い詰め、崩壊させようとしているのは、習近平政権自身ではないか、という気がしてきた。

細川記事

米中二大国はとうとう関税の報復合戦を始めた

「7月6日は米中貿易戦争の開戦記念日になるのか」。元外交官の米国人がため息交じりに語っていた。

7月6日、とうとう米中二大国は関税の報復合戦を始めた。その世界経済に与える影響や日本経済に与える影響についてはさまざま論じられている。そうした経済や企業活動への影響も当然重要ではあるが、日本にとっての根本問題を忘れてはならない。

それは巨大国内市場を持った大国が一方的制裁を振りかざす「パワーゲーム」の世界に突入したということだ。そうした事態を回避するために、これまで長年積み上げてきたのが、世界貿易機関(WTO)をはじめとする「ルールに基づく国際的な経済秩序」であった。日本の存立基盤でもある。それが崩壊の危機に瀕しているというのが本質的問題なのだ。

そのうえで、この米中貿易戦争は今後どう展開していくのだろうか。

大事なポイントは「米国」という主語で一括りにすると、本質が見えなくなるということだ。トランプ氏とトランプ氏以外を分けて考えるべきなのだ。トランプ氏以外とは議会、政権内の強硬派、ワシントンの政策コミュニティーだ。

当面のディール成立の可能性はあるが……

トランプ氏の関心は2つある。中間選挙に向けての得点稼ぎと中国との当面の交渉の駆け引きだ。

今回の関税引き上げで、対中強硬姿勢がポーズだけでなく、実行することを見せる。それは国内支持層へのアピールと中国に向けての交渉術としての意味がある。今回の340億ドル規模の関税引き上げでまず国内と中国の反応を見る。あえて500億ドル規模の関税引き上げを第一段階の340億ドルと第2段階の160億ドルの2段構えにしている理由はそこにある。

2000億ドル規模の追加関税については、数字の大きさで世間の耳目を集めているだけだ。

国内については報復関税の被害にあう大豆農家などの農業票の反発の大きさを見定める。

中間選挙を考えれば、トランプ氏の当面のターゲットは8月だろう。中国がそれまでにどういう協力のカードを切ってきて、戦利品としてアピールできるかがポイントだ。

ただ中国もカードを切るのを慎重になっている。その背景は5月の出来事だ。劉鶴副首相が訪米して、ムニューシン財務長官、ロス商務長官との間で農産物、エネルギーの輸入と引き換えに、関税引き上げを保留することで一旦合意したにもかかわらず、翌日にはライトハイザー通商代表にひっくり返された。政権内の路線対立による混乱ではあるが、いずれもトランプ氏がそれぞれに了承しているだけに、トランプ氏自身のブレの大きさに中国もあ然としたようだ。そこで当面のカードを切らず、様子見の方針だ。

中国も国内の強硬世論への目配せが必要なので、今回の報復関税合戦に突入した。次はターゲットの8月に向けて大物・王岐山氏が動くかも注目点だ。

こう見てくると、9月の米国議会再開までに米中間で当面のディールが成立する可能性はあるだろう。しかしそれは米中摩擦の小休止にしか過ぎない。

ハイテク覇権の対中警戒感が「通奏低音」

一方、議会をはじめとした対中警戒感は根深く、ワシントン全体の空気を覆っている。「貿易赤字問題からハイテク覇権問題にシフトしてきている」というメディアの報道もあるが、これは表層的な捉え方で正しくはない。貿易赤字問題は、これに関心があるトランプ氏による「旋律」で、ハイテク覇権の対中警戒感は、いわば「通奏低音」のようなものだ。この「通奏低音」が大きくなって、「トランプ旋律」以上に耳に入ってくるようになっているのだ。

これを象徴する出来事が、中国の通信メーカーZTE社の違法輸出問題だ。米国製品の販売禁止の制裁をトランプ氏は中国とのディールの一環で緩和を決定したが、これに反発した議会上院は販売禁止の法案を可決した。

今、議会とナバロ大統領補佐官をはじめとする政権内の対中強硬派は共振しながら、「経済冷戦」へと突き進んでいる。トランプ氏による関税報復合戦だけに目を奪われていてはいけない。

具体的な動きとしては、米国の先端技術の中国への流出を阻止するための、投資規制と輸出管理の強化がそうだ。そしてそれは単に経済覇権だけの問題ではない。米国の安全保障をも脅かす懸念があることが、極めて重要なのだ。

まず前段の準備として、6月19日にホワイトハウスからナバロ大統領補佐官が主導した報告書が公表された。ここには中国による技術や知的財産権を奪取する手口が列挙されている。

例えば、米国企業の買収による技術の獲得、米国企業に対する強制的な技術移転の要求などがそうだ。更には、これまで「知財だけではない、中国・”標準化強国“の怖さ」で指摘した、中国標準の策定を通じた技術入手にも言及している。

また中国の知的財産権の侵害については、中国は“知的財産権の強化”を打ち出して批判をかわそうとしたが、この“触れ込み”は何ら解決策にはならないことは米国側も見抜いている。それどころか、中国市場において外国企業をたたく手段に逆利用する恐れもあることは、これまで「対中制裁では解消しない、中国・“知財強国”の怖さ」で指摘したとおりだ。

“対中ココム”復活?

そしてこれを受けて、6月27日、議会と呼応して、厳しい対中規制を行うための投資規制と輸出管理の強化に取り組むことを発表した。

米国企業の買収によって技術が中国に奪われる懸念は、大企業から新興ベンチャーにいたるまで広がっている。これに対しては、議会が主導して安全保障の懸念を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の審査を強化しようとしている。この法案にホワイトハウスが乗った形だ。

輸出管理の強化については、商務省を中心に検討されている。これについて“対中ココムの復活か、と報道されているが、これは誤解を招く過剰表現だ。ココム(対共産圏輸出統制委員会)はかつて冷戦期に共産圏諸国に対して西側諸国が戦略物資や技術の輸出を規制した国際的な枠組みだ。これを中国に対して復活するかのように報道されているのだ。

しかし、これは正しくない。すでに輸出管理は中国に対しても国際的枠組みの下で実施されていることはあまり知られていない。冷戦終結後、ココム廃止とともにこれに代えて、懸念国向けの軍事用途を輸出規制する国際的枠組みが作られ、私自身もこの策定に携わった。こうしたポスト・ココムとして現在実施されている輸出管理によって、軍民融合を標ぼうする中国への懸念に対してどう対応するかを見直している。

中国による強制的な技術移転以外にも、民間企業による自発的あるいは意図せざる技術移転もある。そうした技術移転も懸念あるものは、この輸出管理で阻止しようとしているのだ。

さらに米国大学への中国人留学生や研究所の中国人研究者が帰国して米国の技術が流出することも懸念している。中国企業が米国のシリコンバレーに設立した研究所で研究者、技術者を引き抜いていることも問題視している。こうした人材を通じて違法に技術が流出しかねない。これらも輸出管理の規制領域である。

主戦場・半導体で激しい戦い

こうした規制の対象としては「中国製造2025」の対象とされている10分野が焦点になる。

そのうち、主戦場になっているのが半導体だ。鉄鋼、自動車、半導体。これらは貿易摩擦の3大銘柄と言われてきた。1980年代の日米貿易摩擦がそうだった。中国は半導体の自国生産は12%程度で、国内生産による自給率を飛躍的に引き上げようとしている。先般のZTE社に対する米国の制裁によって米国製半導体を購入できなくなって危機的状況に陥った。その苦い経験から自らの弱みに気づき、中国は半導体の内製化を急いでおり、日米韓台からの技術者の引き抜きも激しさを増している。

先月、中国は米韓の半導体大手3社に対して、独禁法違反の疑いで調査を開始した。これも明らかに米国による半導体への規制を牽制するものだ。同時に、調査を通じて技術情報を入手することもできる。外国技術を奪取して、巨額の補助金で国内生産する。その結果、世界は供給過剰になる。鉄鋼で起こったことが、半導体でも起ころうとしている。

そこで今、焦点になっているのが半導体製造装置だ。日米のメーカーでほとんど生産しているが、一部コアの工程でオランダなどの企業もある。こうした企業から半導体製造装置の対中輸出を規制すべきだとの声も上がっている。今後日米欧が連携して共同対処すべき分野だろう。

これに対して中国は国家戦略の根幹に関わるものだけに「中国製造2025」を見直すわけにはいかない。さらにそれを下支えする技術入手の手法も根深く、表面的な制度の改正で済むような問題ではない。そういう意味で、着地点の見出せない問題だけに長期化は避けられないだろう。

対抗策として、中国で活動をする米国企業に対して不透明な法運用で差別的扱いをしたり、中国市場での米国製品の不買運動を仕掛けたりする、かつて日本や韓国に対してあった中国式手法を繰り出す恐れもある。そうなると泥沼の様相を呈することになりかねない。

日本が注意すべきことがある

ここで日本が注意すべきことがある。これらの輸出管理の強化については日本など同盟国との協力にも言及されていることを見逃してはならない。

中国に対する輸出管理の運用が従来比較的緩やかではないか、とされていた欧州も含めて、日米欧の共同歩調が重要になってくる。

さらに日本企業が注意すべきは、米国の輸出管理には再輸出規制があることだ。米国からの部材、技術を組み込んで日本から中国に輸出するケースも、米国の規制対象だということを忘れてはならない。

大学についても、日本の大学の研究現場でどこまでこの問題を深刻に受け止めているか、心もとないところがあるのも事実だ。通り一遍の説明会を開催してアリバイ作りだけで満足していないか検証してみる必要がある。

企業、大学も含めて、日本自身も他人事では済まされないのだ。

さらに今後米中摩擦が激化すると、警戒すべきは個別事件だ。

かつて80年代の日米貿易摩擦の時代には、82年に日立IBM産業スパイ事件、87年に東芝機械ココム事件があって、米国の圧力が激しさを増した記憶がよみがえってくる。米国が本気になった時の怖さだ。

前出の中国のZTE社による対イラン、北朝鮮への違法輸出事件もそれを思い出させるものがある。

今後、違法輸出に対する捜査当局の摘発が強化されることも想定されるが、日本企業が巻き込まれることはあってはならない。

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『マレーシア東海岸鉄道事業中止、広がる反一帯一路 中国主導の2つのパイプライン事業計画からも撤退の公算』(7/9JBプレス 末永恵)、『一帯一路に飲み込まれて香港が急速に「中国化」 資本と人が押し寄せるも経済発展を享受できるのはほんの一握り』(7/10JBプレス 姫田小夏)について

7/10ダイヤモンドオンライン ロイター<中国「消防隊長」王副主席、米中摩擦でも火消しの影薄く>

https://diamond.jp/articles/-/174507?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

7/11宮崎正弘氏メルマガ<イラン、深刻な外貨不足が表面化。革命防衛隊、ハマス、ヒズボラの資金が困窮  米国、ドイツの3億ユーロの資金洗浄の協力にストップをかけた>(読者の声2)「王岐山の不在」に関連記事が載っています。

http://melma.com/backnumber_45206_6707188/

王岐山も泥は被りたくないと思っているのでしょう。でも、彼の持っている人脈が今どれだけ功を奏しますか。相手はトランプですよ。王に連なる人脈は金融と思われるので、民主党系が多いのでは?

7/10ダイヤモンドオンライン ロイター<中国株、対米貿易摩擦による下落局面に終息の兆し見えず>

https://diamond.jp/articles/-/174500?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

7/10ダイヤモンドオンライン ロイター<米中制裁関税発動でも冷静な米国株、警戒感続く>

https://diamond.jp/articles/-/174503?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

チキンレースですが、世界に公言した以上、お互い面子に賭けても止められません。米中で仲間となる国の奪い合いが始まるのでは。ロシアを引き込みたい。

7/12NHKニュース 4:24<NATO首脳が国防費増額で合意 米との溝埋まらず>「すべての加盟国が2024年までに国防費をGDP=国内総生産の2%に引き上げる目標を再確認しました。しかし、アメリカのトランプ大統領は、アメリカの負担が著しく重く、現在の目標では不十分だとして、目標の達成時期の前倒しや国防費をGDPの4%に引き上げることを求めた」。日本も防衛予算がGDPの2%でも少なすぎです。でも早く10兆円にしませんと。本来の役割ではありませんが、国民救出の為でさえ、今度の大雨災害にあって自衛隊車両は予算が無く、高速を走れず一般道を走ったとのニュースがありました。国民も如何にマスメデイアが嘘を言ってきたか気が付きませんと。メデイアが国民の命を守るのではなく、自衛隊や法執行機関です。彼らが伸び伸び仕事ができる環境を与えるのも国民です。「戦争反対」で喜ぶのは近隣の敵国です。よくよく考えませんと。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180712/k10011529281000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

http://news.livedoor.com/article/detail/14976357/

7/12NHKニュース 7:06<トランプ大統領がドイツ批判 「ロシアに大金支払っている」>まあ、トランプとドイツ・メルケルはいつも角逐し、相性の悪さが浮き彫りになっています。ドイツは第一次大戦頃から世界の見方を誤って来た歴史があります。トランプの言うロシアは当てこすりで、ドイツが中国に近づいていることの方が問題と思っていると思います。だって、トランプ自身がプーチンと会談する訳ですから。米中貿易戦争が佳境に入れば、自由主義諸国は「中国製造2025」に関連する製品については米国に右倣えさせられるかも。新たなCOCOMです。でも、規制をかいくぐってでも盗むのが得意なのが中国ですが。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180712/k10011529361000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

7/10ぼやきくっくり<7/9放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」>拉致問題解決について青山繁晴氏は「これは、本当は解決法は一個しかないんですよ。 逆に言うと一個はあるわけです。 憲法9条を改正して、話し合ってもダメだったら、自衛隊を送って、自衛権の発動として、国民を守るのが自衛権だから。その早紀江さんが象徴的におっしゃってるのは、憲法変えてくださいってことをおっしゃってるんですよ。憲法9条をさっさと変えて、戦争をするんではなくて、自国民の救出に行きますということ以外にありません。」と述べています。根本問題は憲法改正に行きつく訳ですが、国民が洗脳され改憲アレルギーを持ったままでは難しいです。メデイアが悪いことは勿論ですが、国民への官民挙げての広報活動が必要です。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2199.html

末永氏記事では欧州が中国の一帯一路に反対しているとの内容ですが、本当であることを願っています。自由の敵は中共ですから。彼らを利することに協力する必要はありません。

姫田氏記事で、香港はドンドン大陸化が進んでいっているのが分かります。自由が奪われ、監視社会の到来です。金持ちは97年香港から逃げ出し、英連邦の国の国籍を取ったでしょうし、香港に戻って来たとしても、国籍はそのままでしょうから。可哀想なのは今の中産階級でしょうか?逃げる場所がなくなってきています。台湾は普通語ですし、香港は広東語だから言葉の壁があって、当方が考える以上のバリアーがあります。

末永記事

東京都内で開催された国際会議「アジアの未来」で演説するマレーシアのマハティール・モハマド首相(2018年6月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI 〔AFPBB News

「事業中止の命令に驚きを隠せない。しかし、マレーシアの法律を尊重するとともに、遵守する」

中国が支援するマレーシア最大級のプロジェクト「東海岸鉄道」(ECRL)の計画を管理するマレーシア政府系のマレーシア・レール・リンク(MRL)がこのほど、「国益にそぐわない」ことを理由に、中国の習近平政権が進める一帯一路主要事業、ECRLの工事の即時中止を中国交通建設集団(CCCC)に命じたと明らかにした。

マレーシア政府によると、同事業の即時中止は、マハティール首相が決定した。「契約内容だけでなく、融資率も高く、マレーシアにとっては不利益だからだ」という。

これを受け、6日、マハティール首相は8月中旬に中国(北京)を訪問し、習国家主席と首脳会談を行うことを明らかにし、ECRLなどの中国との大型プロジェクトなどに関し、協議する方針を示した。中国訪問は5月の首相就任後、初めとなる。

マレーシアでは、一帯一路関連事業が東南アジアで断トツに多く、マハティール首相は、3日、政府系投資会社「1MDB」に関連した背任、収賄罪容疑で逮捕されたナジブ前首相と中国政府が決定した大型プロジェクトの見直しを図る。

同計画を進める中国のインフラ建設大手、CCCCはECRLの即時中止を受け、上記のような声明を発表した。

声明書の中で、即時中止命令に従い、建設現場の「現状保持・保存」「建設機器、道具類等の無断持ち出し禁止」などの命令事項を遵守するとともに、「中止に伴う追加費用発生や2250人以上の従業員の生活を懸念する」と突然の中止命令への驚きと不安も露にした。

また、事業の中止期間が明記されていないことから、「同プロジェクトは、MRLとCCCC双方の合意に基づいて決定された。双方にとってウィンウィン(相互利益の共有)の解決法が模索されると期待し、早期の再開を願っている」とマレーシア政府に嘆願した。

このECRLは、習国家主席肝いりの一帯一路の目玉プロジェクトで、総事業費が550億リンギ(約1兆5000億円=1リンギ、約28円。総事業費の85%を中国の輸出入銀行が20年間、3.25%で融資)。

タイ国境近くから、マレー半島を東西横断する形で、クアラルンプール近郊と東西の重要港を結ぶ総距離約688キロの一大鉄道事業で、昨年8月に着工し、すでに全体13%ほど建設工事が進んでいる。

さらに、ECRLは、(米海軍の環太平洋の拠点がある)シンガポールが封鎖された場合、中国からマレー半島東海岸側を抜ける戦略的優位性があり、「(マレー半島南部のシンガポール直下)マラッカ・ジレンマ」を克服する意味で、中国にとって地政学的に極めて重要拠点となるマレーシアを取り込む「一帯一路」の生命線でもある。

マハティール首相は、ECRLについて筆者との単独インタビューで「マレーシアにとって国益にならない。(見直しによっては)中止が望ましい」と発言していた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53065 マハティールの野党勝利、61年ぶりマレーシア政権交代 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53092 “マレーシア・ファースト”で脱中国依存鮮明に)

マレーシアのリム財務相は、「ナジブ前政権下の見通しでは総工費が550億リンギだったが、新政権の査定では、前政権の査定より50%も跳ね上がり、810億リンギ(約2兆2200億円)にも上った」と中止を正式発表する直前、懸念を示していた。

建設途中のECRLの中断の背景の一つには、マレーシアの政府債務が1兆リンギを超えることが判明し、今後、財政難が避けられないことがある。

さらには腐敗、汚職で負債を抱え、中国支援を受けるアジアの他の国々と同様、マレーシアの場合も、一帯一路のプロジェクトがナジブ前首相の政府系投資会社「1MDB」の「巨額債務を救済する」ために始まったことも、マハティール首相が中国の一帯一路を見直す理由だ。

マレーシア政府筋によると、国際的マネーロンダリング事件に揺れる1MDBに利益をもたらすために、談合取引の間で、中国の政府銀行からの融資が一部賄賂として流れ、“利用”されたか、捜査が行われているという。

また、同政府はECRLだけでなく、今回、中国石油天然気集団(CNPC)の子会社「中国石油パイプライン」(CPPB)が主導する2つのパイプライン事業(マレー半島とマレーシア東部のボルネオ島)においても、事業中止の命令を下したことを明らかにした。

1MDBでは、ナジブ前首相、家族や関係者らが、約45億ドル(約4900億円)にも上る公的資金を横領したと見られてきた。

このパイプライン事業は、「この45億ドルの行方と密接な関係をもっていて、1MDBの巨額負債救済目的で、1MDB(財務省)所有の土地買収に流用されたとのではと捜査を進めている」(与党幹部)ともいわれている。

さらに、政府関係者によると、同パイプラインの事業支払いが、プロジェクト進行が未完成なのに、「事業総額の87%近くが既に中国側に納入されており、今後、政府間交渉でその資金の返還を求めていく」という。

同事業におけるマレーシアの国益はほとんどないため、同パイプライン事業の廃止も視野に入れているようだ。
マレーシアではすでに、1MDB傘下の発電所の全株式約99億リンギを、中国の原子力大手、中国広核集団に売却。しかも、中国広核集団は、1MDB負債の一部の60億リンギも肩代わりした。

ナジブ前首相は借金返済のため、「発電所は外資上限49%」というマレーシアの外資認可規制を無視し、違法に中国企業に100%で身売りしてしまった。

「マハティール首相は、これ以上、中国に国の安全保障を“身売り”できないと考えている」(与党関係者)という。

マレーシアのこうした「反一帯一路」の動きは、他のアジア諸国にも波及している。

ミャンマーに、ネパール、パキスタンなどでは中国主導のインフラ建設計画の延期や中止が相次いでいる。その建設総額は約770億ドル(1ドル=約110円)にもなる。

軍事転用への懸念がある上、中国の支援による見返りに、不信を募らせた結果と見られている。

さらに、インドは今年4月、北京で開催されたインド・中国経済戦略会議でラジブ・クマル国家経済政策機構副委員長が「一帯一路の大型事業で進行中の中国・パキスタン経済回廊は、カミール地方(インドとパキスタンの領土紛争地域)通過し、インドの主権侵害にあたる」と、一帯一路に反対の意を表明。

インドは昨年5月の「一帯一路国際協力サミットフォーラム」にも欠席していた。

また、欧州でも駐中国の欧州28カ国の大使のうち27人が連名で、中国の一帯一路構想を強く批判する異例の声明を発表。

特にドイツを中心にその動きは広がっており、今年の4月には、ドイツの大手経済紙「ハンデルスブラット」が、「中国の一帯一路政策は、自らの政治経済の構想と目標を輸出するためで、中国政府はEUが分裂することで、自らの利益を得ようとしている」と非難した。

さらに、ジグマール・ガブリエル前外相が「中国は一帯一路によって西側の価値観とは異なる制度を作ろうとしており、西側の主要経済国に対する挑戦」と痛烈に批判。

また、英国のテリーザ・メイ首相は今年1月の訪中で、中国との経済関係をアピールする一方、一帯一路を支持する覚書の署名を拒否した。

こうした欧州の動きは、昨年5月の上述の一帯一路国際フォーラムで、ドイツ、英国、フランスなどEU加盟国一部が、中国の一帯一路下での中国との貿易協力での文書署名を拒否した一貫した姿勢を示すものだ。

米国も、ポッティンガー国家安全保障会議アジア上級部長が、「中国は透明性の高い競争入札システムを構築し、中国以外の諸外国や民間企業を参入させることが急務」と一帯一路の受注業者の90%が中国企業(米戦略国際問題研究所=CSIS=の調べ)であることを非難している。

マレーシアでは、中国主導でマラッカに石油関連施設を付設する新たな港湾建設計画も進んでおり、マハティール首相の中国主導による一帯一路大型プロジェクトの見直しは加速化すると見られる。

マレーシアの反一帯一路構想への”オブジェクション”は、国際社会にも拡散しており、にわかに構想そのものが暗礁に乗り上げる可能性も出てきた。

姫田記事

「一帯一路」構想に取り込まれる香港。香港国際空港にて(筆者撮影、以下同)

香港経済は今、「大湾区」というキーワードで盛り上がっている。別の名を「ビッグベイエリア」ともいう。広東省の9都市に香港とマカオを加えた11都市で構成される一大経済圏構想が「粤港澳大湾区」だ。

中国本土と香港を結ぶ鉄道も整備が進む。広州~深セン~香港を結ぶ全長142キロの「広深港高速鉄道」計画は、深セン~香港の区間がすでに試運転段階に入った。香港~マカオ~珠海を結ぶ海上橋もかかり、開通が目前に迫っている。

習近平国家主席がぶち上げた「一帯一路」構想のもと、“香港の中国化”は、想像以上の速さで進んでいる。それは、十数年ぶりに香港を訪れた筆者の目にも明らかだった。

中国に同化する街並み

ハリウッドロードといえば、観光客を惹きつける香港指折りのストリートだ。香港ならではの個性的な店を期待して訪れたが、中国本土にもよくある成金趣味的な店ばかりが目についた。不動産価格が値上がりを続ける香港において、高額なテナント料を払っても利益を出すには、大陸の富裕層を相手に勝負するしかないということか。

大陸客が押し寄せる目抜き通りのネイザンロードも、まるで“上海の淮海路”のようだった。筆者の記憶に残る香港はもっと雑多な街だったはずだが、今回、見たものは、大陸客相手の「周大福」や「周生生」などの貴金属店、または「莎莎」や「卓悦」などのドラッグストア、あるいは大陸資本の飲食店ばかりだった。

大陸客相手の貴金属店が軒を連ねる香港の街並み

返還前の1990年に制定された「香港特別行政区基本法」には、「1997年の返還以降も、従来の資本主義制度と生活様式は50年間変えない」と記されていた。しかし、香港の市民生活はたった20余年で大きく変化した。

その最大の要因は、大陸からの人と資本の移動である。これに加えて大橋がかかれば、中国との一体化はさらに進むだろう。

住宅も大陸系に占拠されていく

かつて香港の裏路地には、庶民が集う食堂が無数にあった。この道何十年という老舗の店舗もあり、手作りの味を自慢にしていた。しかし近年の地価高騰が経営を直撃し、名物食堂も雲散霧消してしまった。賃料が10万香港ドルから30万香港ドルへと3倍に上がったところも珍しくなく、「長年の人気店でもテナント料が払えず、惜しまれながらも店を閉じるところが少なくない」(香港に長い日本人)という。

(参考)「香港で朝食を、私が吉野家に入ってしまった深いワケ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53284

香港では住宅問題も深刻だ。

香港には日本のような公営住宅があり、人口の3分の1がそこに居住する。残る3分の1が民間の賃貸住宅に住み、さらに残りの3分の1が豪邸を含む分譲住宅に住むと言われている。

香港で最も古い油尖旺地区の公営住宅「石硤尾邨」を訪れてみた。住民に話を聞くと、「募集要項を満たしていれば誰でも居住を申請できる」という。そのため、“新香港人”と呼ばわれる大陸からの移民による申請が増加し、公営住宅はパンク状態なのだそうだ。インターネットの掲示板には、「ただでさえ少ない住宅なのに」など不満の声が数多く書き込まれている。

公営住宅も中国大陸出身者でいっぱい

中産階級は豊かさを実感できない

2017年、香港には5847万人の観光客が訪れたが、そのうちの76%の4444万人(いずれも日帰りを含む、数字は香港政府観光局)は大陸からの観光客だ。

大陸客は香港経済を潤し、貴金属店や化粧品店を儲けさせた。高速鉄道が開通し、大橋がかかればもっと多くの大陸客がこの地に訪れるだろう。「大湾区」構想が本格的に動き出せば、香港はさらに豊かになるかもしれない。

現在、香港証券取引所に上場する6割の企業は、中国企業である。高騰する不動産価格も、もとをたどれば中国から資金が流れ込んだからだ。香港経済は確かに大陸への依存度を高めている。完全にその支配下に組み込まれつつあると言っても過言ではない。

だが、中国化による豊かさを実感できる香港人は、ほんの一握りに過ぎない。香港の中産階級は、住宅や医療、福祉などのサービスを大陸からの移民と奪い合っている。また、大陸の富裕層による不動産投機により、生活の質を大きく下げた。香港全体の世帯数の過半数を占める中産階級は、「中国化」を決して喜んではない。

旺角(モンコック)の美容院で働く美容師の男性は、冒頭で紹介した「大湾区」にまったく関心を示さなかった。その美容師は筆者の髪にドライヤーを当てながら、新しくかかる大橋についてこうつぶやいた。

「橋なんてどうでもいいですよ。僕らが中国に行くわけじゃありませんから」

橋の利用者のほとんどは大陸の中国人だというのだ。中国主導のインフラ建設は「香港人にとっては無用の長物」なのかもしれない。そんな金があるなら福祉に回せ、というのが本音だろう。

筆者が訪れた香港歴史博物館では、香港人の家族連れや高齢者が静かに展示物に見入っていた。太古から戦前・戦後までの香港の生活や文化が時系列に整理された展示場では、特に1970年代のコーナーに立ち止まる人たちが目立った。それは、第25代香港総督・マクレホースのもとで香港市民の生活水準が引き上げられ、市民が苦しさの中にも光を見出した時代だった。30年後、はたしてこの博物館はどんな歴史を伝えるのだろうか。

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『日本の「凡庸な漢籍」ゲットで習近平が大喜びの理由 文化財流出ではなく粋な対中外交だった細川コレクション寄贈』(7/9JBプレス 安田峰敏)について

7/9ZAKZAK<米の“台湾派兵”は嵐の予兆 高まる米中の緊張関係…東アジア情勢の不透明感増す>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180709/soc1807090002-n1.html

7/8宮崎正弘氏メルマガより

「(読者の声1)米国海軍が駆逐艦を二隻、台湾海峡を通過させます。台湾海峡には、戦雲が漂っているのでしょうか?

(JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)駆逐艦を二隻、今晩にも台湾海峡を通過する予定とか。注目すべきは、この日、トランプ政権による対中貿易戦争の火蓋が切られたというタイミングでしょう。

それにしてもトランプは就任早々に「ひとつの中国には拘らない」と応援歌を送り、さきには「台湾旅行法」、そして先週は台北の、事実上の大使館新設除幕式。くわえて、海兵隊を駐屯される(いまは私服で警備についています)。補佐官のボルトンは沖縄の海兵隊を台湾へ移動せよと訴えています。

これだけの環境の変化、良い条件が整えされている時期に、適宜に対応した政策効果を挙げられない蔡英文政権は、いったい何をしているのかと、民進党支持者のなかに、蔡英文支持から離れている人が多いようです。」

今、石平氏の『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』を読んでいますが、それによると習近平は毛沢東(共産党による建国)、鄧小平(経済改革)を超えるため、戦争を起こして勝利し、他国の領土を奪いたいと思っていると。「アジアと世界における覇権樹立という、毛沢東と鄧小平が夢見てついに申し分のない「偉業」を、習近平が自らの手で成し遂げることによって、初めて彼の「思想」は本物の「指導思想」になって支配的権威を確立でき、毛沢東や鄧小平を超える「教祖」として中国に君臨することができるのである」(P.57)。習は日本を準敵国扱いとし、7/7「抗日戦争勃発記念日」、9/3「抗日戦争勝利記念日」、12/13「南京大虐殺犠牲者追悼日」を国家記念日として制定。「アヘン戦争記念日」は制定しないにも拘らず。それで安倍首相とは一度も会っていないとのこと。中共を打倒しない限り、この記念日はもっと増えることがあっても減ることはありません。基本が反日国家と表明しているのですから、仲良くする必要はありません。日本国民はこの持つ意味をもっと良く考えないと。

7/11日経には「習氏、周辺国に融和サイン 太平洋「米中二分論」を微修正 対米長期戦へ仲間づくり」と言う記事と「中国、劉霞さん出国容認 劉暁波氏の妻、ドイツに 対米共闘へ欧州に秋波」、「中国、邦人に実刑判決 スパイ罪などで懲役12年」( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32818560Q8A710C1CR8000/  )という記事が載っています。明らかに日本を敵と看做し、欧州と東南アジア、太平洋の国々を金で釣ろうとしています。しかし真面な判断ができる国であれば、金と領土を交換することはあり得ないでしょう。況してや要人が自分のポケットに金を入れることなんぞは。でもそれは中国が一番得意とするところです。今、中国に猫なで声で近づいて来られても、野心が明らかになりましたから、各国とも近づいてはいかないと思います。米中貿易戦争は拡大の一途です。各国とも、米中どちらを選ぶかの踏み絵を迫られると思います。それにつけても三菱電機、三菱UFJ銀行は大丈夫かな?このご時世に。7/11日経によれば、「三菱電機社長 米工場向け部品「中国からの調達見直し」」とありますが、中をよく見ると「短期的には関税費用を商社と我々でどう分担するかという話」と言って、米国が本気で中国を追い落とそうとしているのに、社長自身余り危機感が伺えません。三菱電機は中国政府研究機関「機械工業儀器儀表総合技術経済研究所」と提携。この研究所は米国が標的にしている「中国製造2025」と深いかかわりがあるともあります。その内、三菱電機の製品は部品に中国製品が組み込まれている以上対米輸出もできなくなり、米国工場も稼働できなくなるのでは。7/11NHKニュース 4:48<三菱UFJ 外国人観光客増へ 中国SNSサービスと連携>とありました。通信の部品ではないものの、危うさを感じます。劉霞氏をずっと軟禁していたように、そもそも人権弾圧する共産主義国に味方をして稼ぐというのが分かりません。道徳を踏み外してでも儲けようというのでしょうか?渋沢栄一や福沢諭吉がこの状況を見たら何というでしょうか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180711/k10011527461000.html

7/9Share News<【西日本豪雨】台湾が義援金2000万円を寄付へ「被災地が一刻も早く再建され日常の生活が戻るよう願っている」>台湾には感謝の言葉しかありません。台湾防衛は日米の責務です。

https://snjpn.net/archives/58487

安田氏の記事では、永青文庫所蔵の書籍の中国への寄贈は細川護熙が主導したと思われます。細川は朝日新聞記者だったこともあって左翼にシンパシーを感じているのかも。祖父の近衛文麿が昭和研究会(アカの巣窟、尾崎秀実もその一員)を主宰していたように。貧乏を無くす目標は大いに買いますが、共産主義は現実には三権分立が無いため、為政者が好き放題自国民を弾圧する仕組みとなっています。机上で判断するのでなく、現場をよく見ることです。特に下々が如何に虐げられているかを。

今回の寄贈は、外務省や日本人中国研究者が深謀遠慮を働かして習近平が喜ぶことをしたと書いてありますが、上述の石平氏の習に対する見方とは全然違います。寄贈を決定した人間は中国人の発想が分かっていないと思います。そんなことぐらいで習が喜ぶとはとても思えません。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国に対し、誠意で応えていくのは愚かと言うもの。書籍自体は価値がなくとも、中国に渡せば保存がうまく行かない可能性もあります。易姓革命が起きれば燃やされる可能性もあります。アホな判断としか思えません。

記事

細川家にまつわる文化財を保管する永青文庫(東京都文京区)

6月26日、元大名の細川家にまつわる文化財を保管する永青文庫所蔵の漢籍が、中国国家図書館に寄贈されたことが発表された。同日に北京市内で挙行された記念式典には、日中平和友好条約締結40周年を記念する意味もあって、永青文庫理事長で元総理の細川護煕氏、中国文化旅行部長(大臣に相当)の雒樹剛氏、程永華中国駐日大使、横井裕日本駐中国大使ら、そうそうたる顔ぶれが出席した。

だが、肥後細川藩54万石の名家に伝わる漢籍の寄贈について、ネット上では「保守派」の人たちを中心に反発の声も上がっている。いわく、これは文化財流出ではないのか、先祖から伝わった宝物を勝手に手放すな、媚中外交は許すまじ云々・・・、というわけだ。一部の保守系言論人からも、ツイッター上などで疑義を呈する声が上がっている。

寄贈に懸念を示すネットの声。Yahoo!ニュースのコメント欄より

いっぽう、漢籍や書誌学に詳しいプロの人たちの間からは、やはりツイッター上を中心に別な声も聞かれる。寄贈された漢籍は「二束三文」の「大して価値のないもの」ばかりで、ろくでもないものを送りつけて恥ずかしい、大々的なイベントを開くに値しないのではないか、という意見だ。

筆者は学生時代に東洋史(中国史)を専攻していたが、近現代史かつ文化人類学寄りの専門だったこともあって、それほど漢籍に明るいわけではない。しかし、現代中国事情を追いかけているライターとして、永青文庫の漢籍寄贈については、上記の両者の意見とは異なる独自の見解がある。

先に結論を書いておけば、永青文庫の今回の寄贈漢籍の大部分は、純粋に文化財としての視点から見れば、それほど価値が高くないものが多い(「二束三文」とまでは言いすぎだと思うが)。なので、国外に寄贈したところで文化財の流出でもなんでもない。

ただし、寄贈書物の一部には特殊な理由から、中国の習近平政権にとって非常に重要な書物が含まれている。今回の寄贈はむしろ積極的に評価するべき出来事だと考えている。

大量に寄贈された漢籍

まず、ここで寄贈された漢籍はいかなるものか。以下に日本語で読める報道を紹介しておこう。

“永青文庫から寄贈された36部4175冊の漢籍は、中国語版25部、日本語版11部で、文献の保存状態は非常に良く、欠けた部分がほとんどなく、種類もすべてそろっており、中国古代の重要な書物だ。特に唐代の功臣として知られる魏徵(Wei Zheng)らが編さんした『群書治要五十巻』は中国古代政治文献撰集で、唐代末期から千年もの間、中国大陸から消失していたが、遣唐使が日本へ持ち帰ったものが現代まで伝えられた”
(AFP)

“澎湃新聞はまた、香港・文匯網の報道を引用し、今回の寄贈について「日本から中国への漢籍の寄贈として1945年以降で最大規模のものだ」とし、「その中には、唐代末期から1000年も失われていた政治参考書『群書治要』全50巻など、中国の歴史から失われて久しい重要な書籍も含まれる」とも伝えた ”
(レコードチャイナ)

また、中国の大手ニュースポータルサイト・新浪の文化コンテンツである『新浪文化』には、寄贈された漢籍の具体的な目録および提要が記されている。以下の表に挙げておこう。よくわからない方はざっと読み飛ばしていただいても構わない。

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53492

なるほど。事情を知らない人が見ると、『論語』とか『春秋』とか『資治通鑑』とか、世界史や漢文の時間に習った古典の名前がたくさん出てくるし、三国志の名軍師とされる蜀の諸葛亮の全集もあったりするので、なんだかスゴいと思うかもしれない。

だが、ちょっと事情がわかる人がこのラインナップを見ると、びっくりするほど拍子抜けをするようだ。トレーディングカードのレアリティで例えれば、☆1のコモンカードが大半、いちばん良いものでも☆3……みたいな感じだからである(もっとも、レアリティが低くてもトレカバトルでは大活躍できるカードが多々あるように、これらの漢籍も歴史学や中国哲学の研究上での価値が低いわけではない)。

少なくとも、わざわざ日中両国が政府レベルで大規模な記念イベントを開いたり、逆に日本の愛国者の人たちが「わが国の文化財の流出だ」と吹き上がるほどの寄贈品ではないのである。

水増しされた「戦後最大規模」の寄贈冊数

古典は数千〜数百年前に書かれた文章なので、成立した当時のままの書物(紙に書かれていない場合だってある)が現存するケースはそう多くない。後世に筆写されたり、版木に彫って刊行されたりした書物が現在に伝わっているわけだ。ある書物の過去複数のヴァージョンを比べて、より原典に近く価値が高いヴァージョン(刊行物の場合は版本という)を確定する学問は目録学と呼ばれ、東洋の伝統的学問となっている。

一般的に言って、書物の成立年代と少しでも時代が近いヴァージョンのほうが、研究の上でより重視されやすい。そもそも、古い時代のヴァージョンのほうが現代に残りづらいため、古ければ古いほど、それだけで貴重なものになりがちだ。逆に言えば、より近い時代に印刷された版本は現存数も多く、希少性が低いものとみなされやすい。

上記のリストを見ればわかるように、今回寄贈された漢籍は、なんと中国で刊行された版本についてはほぼすべて19世紀以降のものである。日本で刊行された版本(和刻本)も江戸時代中期以降のものだ。日本国内の複数の大学図書館に同じ本が保存されているような、相対的に見て希少性が低いものが多くを占めている。

『四部叢刊』の洋装本はなんとAmazonでも売っている。お値段は100冊で9136.08ドル(約100万円)であり、その気になれば個人でも揃えられる値段だ
さらに面白いのは、中華民国8年(1919年)に中国国内で刊行された『四部叢刊』が入っていることだ。これは主要な古典について、編集当時の時点で信頼が置けるとみなされた刊本を写真印刷(「影印」という)した書物である。絵画で例えるなら、よくできた名画のコピーのようなものなのである。

『共同通信』ほか日中の各メディアは、今回、寄贈された漢籍が4175冊にのぼると、やたらに冊数をアピールしている。中国国内の『澎湃新聞』は戦後最大規模の寄贈だったと述べている。

だが、この冊数のうちで『四部叢刊』は2040冊を占める。ほか、上海涵芬楼の『二十四史』などの影印本を合わせると、寄贈冊数の過半数をゆうに超える。寄贈された漢籍の過半数は、その気になれば神保町の古本屋で入手できてしまうような本なのだ。

習近平が本当に欲しいものとは

では、こんな「コモンカード」ばっかりプレゼントされた中国側は大激怒ではないのか? 疑問も湧くが、国営通信社新華社によると、外交部のスポークスマンは「このたび細川護煕氏が大量の貴重な漢籍を寄贈してくれた義挙を高度に賛賞」しているのだそうである。中国側がここまで大喜びしている理由は、『新浪文化』の記事を見るとわかる。

“(今回寄贈の漢籍は)学術的価値が高く、特に高いのは『群書治要』全五十巻であり、この書物は中国古代の政治文献の撰集で、唐代末期にすでに散逸して中国国内では数千年間にわたり失われていたものだが、幸いにして遣唐使が日本に持ち帰っていたことで現在まで伝わっており、前世代のプロレタリアート革命家習仲勲同志が『群書治要』の整理・出版事業を非常に重視し、かつて『群書治要考訳』に「古鏡今鑑」と題字を揮毫したものであり……”

他の中国側関連報道を見ても『群書治要』がまっさきに挙げられている。中国側として、なにより嬉しいのはこの書物だったようだ。

『群書治要』は、67種類の中国古典から国家統治に役立つ部分を抜き出して編集された、名言アンソロジーみたいな書物(類書)である。中国本土では散失したいっぽうで、遣唐使が持ち帰った同書は日本国内の金沢文庫に鎌倉期の書写が伝わっており、江戸時代に入って元和年間・天明年間・弘化年間にそれぞれ刊行された。書物それ自体としては、少なくとも日本国内では極端に貴重なものだとは言えない。

京大人文研が提供する、日本国内の漢籍の所蔵先を調べられるサイト『全国漢籍データベース』で『群書治要』を探した結果。元和・天明・弘化の各版本とも、各地の大学図書館にいっぱい所蔵されている
今回、永青文庫から寄贈されたのは、天明七年(1787年)に尾張藩で刊行されたヴァージョンだ(この版本は京大や一橋大など多数の機関が所蔵しており、そのひとつを中国に寄贈しても一切問題はない)。ちなみに、『群書治要』は中国でひとたび失われたとはいえ、18世紀末〜19世紀はじめごろに元和版か天明版の版本が里帰りして、清朝の嘉慶帝に献上されたこともある。

現代の中国にとって『群書治要』が重要な理由は、習近平の父親の習仲勲が晩年にこの本の編纂プロジェクトにかかわっていたためだ。1990年代、すでに引退状態にあった習仲勲は、対日外交に関係していた友人古参党員から『群書治要』の話を聞き、本人が名誉会長を務める「中国黄河文化経済発展研究会」の陝西省分会に命じて研究を開始させた。習仲勲自身も妻と一緒に研究を手伝い、老後の楽しみにしていたようだ。

この研究成果は2011年に『群書治要考訳』というタイトルで刊行された。題字は2002年に死去した習仲勲が揮毫したものである。

『群書治要』という政治的な漢籍

習近平政権の成立後、中国では習近平自身や父の習仲勲に対する個人崇拝プロパガンダが大々的に展開されるようになった。これに伴い、習近平の著作や関連書籍、習仲勲の伝記などが中国共産党中央党校の学習文献に指定されて党の幹部候補生らの必読書になり、書店の店頭でも山積みにされるようになった。これは晩年の習仲勲が研究を支援した『群書治要考訳』についても例外ではない。

また、習近平は演説のなかで古典の語句の引用をことさら好み、自分が引用した古典語句のアンソロジー『習近平用典』をわざわざ人民日報出版社から刊行させている。この『習近平用典』を読み込むと、習近平の古典引用が活発になったのは習仲勲の最晩年の2000年前後からで、どうも父親の『群書治要』研究グループの学者たちを自分のスピーチアドバイザーとして引き抜いたきらいがある。

習近平の執務室の本棚に『群書治要』があることを盛んに報道する中国のTVニュース

習近平政権にとっての『群書治要』は、書物それ自体の価値や版本の貴重性よりも、政治的意味のうえでものすごく重要な書物なのである。今回の寄贈関連イベントもまた、そういう政治的な重要書籍を入手イベントだからこそ、ここまで大々的な規模で開かれて報道されたのだ。

寄贈された漢籍のなかに、希少性が高くない書物が大量に混じって冊数が嵩上げされているのも、「戦後最多の寄贈冊数」という名目で大々的に報道をおこなわせる政治目的ゆえではなかったかと思われる。

意外とよくやっていた?日本外交

今回の永青文庫の漢籍寄贈が「文化財流出」などではないことは明らかだろう。いっぽう、漢籍や書誌学に詳しいプロの人たちが懸念する「“二束三文”の書物ばかり贈って逆に恥ずかしい」という感想も、実は的外れであることがわかる。

今回の漢籍寄贈の本質は、単純な文化交流事業ではなく、習近平政権が習ファミリーの関連グッズを収集するためのイベントだ。また、習政権が幹部候補党員向けの必修書籍にしている『群書治要考訳』が、いかに価値の高いものであるかを宣伝するための、政治的な目的で仕組まれたプロパガンダなのである。

むしろ気になるのは、日本国家や細川護煕氏が、『群書治要』の「本当の価値」を理解した上であえて寄贈して中国に恩を売ってみせたのか(この場合は高度な外交戦略だと言える)、それとも価値をしっかり理解しないまま中国の言いなりで貴重な外交カードを差し出したのかという問題だろう。

筆者が永青文庫に電話して尋ねたところ、今回の寄贈は永青文庫に出入りする外務省関係者や日本人研究者との話し合いのなかで決まったということであった。どうやら、少なくとも日本側関係者の誰かは、『群書治要』が持つ政治的意味をしっかり理解したうえで今回の寄贈イベントを仕掛けた可能性が高い。

今年は日中平和友好条約締結40週年の節目の年だ。加えて、近年は日中関係が雪解けを迎えつつあり、日本側としては年内の安倍首相の訪中と、来年の習近平の来日を実現にこぎつけたい考えでいる。中国は北朝鮮問題のキープレーヤーでもあり、現在の日本政府としては戦略的な友好外交を求めたいところなのだろう。

『群書治要』の和刻本は、日本側ではそれほどの値打ちがないが、中国にプレゼントすれば習近平が非常に上機嫌になるマジックアイテムだ。しかも元総理の細川氏の手元にあるため、政府が介入する形で寄贈イベントを進めやすい。現在の情勢のなかで打つ手としては、今回の日本外交はなかなか粋なことをやったのではないだろうか?

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『米中貿易戦争のゴングに乗じた北朝鮮の「強気」 北朝鮮は誰の核の傘に入るのか』(7/10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『米、完全非核化の表現を「CVID」から「FFVD」に 「完全」と「不可逆的」をなくし「検証」に集中』(7/9日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

7/9宮崎正弘氏メルマガ<ポンペオ、三回目の訪朝の成果はなし。「強盗の要求ばかりだった」 「交渉は二年半かかるだろう」というポンペオ発言の深い意味>

http://melma.com/backnumber_45206_6706816/

7/9阿波羅新聞網<川普改美国总统几十年战略 完美风暴降临 北京哭晕了=トランプはこの数十年に及ぶ米国大統領の戦略を変える 大嵐を起こしたのは完璧で北京は茫然自失して泣く>大陸の《国情内参》の主席研究員の巩勝利は、「トランプが貿易戦を仕掛けなければ、米国は今後10年、20年と世界市場でのNo1の地位の確保は難しくなる。ほかの国は猶更生きることすら難しい。“今後は中共の生存圏と米国の生存圏の問題になる。米国は欧州、日本、豪州、カナダ等40の先進国の利益代表で、中共はマルクス主義の利益代表、簡単に言えば暴力で世界中の富と利益を得ようとしている”」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0709/1141227.html

7/10看中国<川普点名朝鲜变脸背后黑手 有信心金正恩遵守协议(图)=トランプは北朝鮮の豹変には背後に黒幕がいると名指し 金正恩が協議を守ることを信じている>トランプのツイッター:金正恩が我々と結んだ約束、それ以上に我々が握手したことに敬意を払うことに自信がある。我々は北朝鮮の非核化に合意した。一方、中国は貿易戦争を理由に我々の為した取引に悪影響を与えようとしているのかもしれない。そうでないことを祈る。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/07/10/864119.html

宮崎氏、鈴置氏、高濱氏の米朝関係の見方は様々です。でも北は非核化しないというのは一致しているのでは。米国がどう出るかがポイントです。でも日本も安全について他国を当てにするのではなく、核武装すべきです。①ニュークリアシエアリング②米軍の核を有償譲渡(米軍基地内に保管・密約で、自衛隊員が駐在警備)③自力開発のプロセスを経て自国の安全を確かなものにしませんと。北の核保有が認められるのであれば、日本も持てない道理はありません。

鈴置記事

7月8日に会談したポンペオ米国務長官と河野太郎外相、康京和韓国外相。北の攻勢に押される米国に、日本、韓国は果たして……。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮は「誰の核」に守られるのか。非核化交渉の本質はここにある。

あいまいな「安全の保証」

鈴置:北朝鮮の非核化を話し合いで解決するというトランプ(Donald Trump)大統領。交渉役のポンペオ(Mike Pompeo)国務長官とともに「核を手放せば経済発展を全面的にバックアップする」とニンジンを見せています。

しかし、北朝鮮にとってそのニンジンだけではとても足りません。肝心の安全が確保できるのか、確信が持てないからです。

—シンガポールで結んだ米朝合意で米国は「北朝鮮の安全を保証する」と約束しました。

鈴置:確かに米朝共同声明で、非核化の見返りに「トランプ大統領は北朝鮮の安全を保証する」と謳いました。以下です。

President Trump committed to provide security guarantees to the DPRK, and Chairman Kim Jong Un reaffirmed his firm and unwavering commitment to complete denuclearization of the Korean Peninsula.

でも、これではあまりに抽象的です。「どうやって安全を保証するのか」がはっきりしないのです。共同声明では4項目の合意を明文化しています。

米朝は1番目の項目で両国の関係改善を、2番目の項目で「永続的で安定的な朝鮮半島の平和体制」を約束しています。いずれも「安全の保証」に関わる約束ですが、これらも具体性を欠いた表現に留まっています。

  1. The United States and the DPRK commit to establish new U.S.─DPRK relations in accordance with the desire of the peoples of the two countries for peace and prosperity.
  2. The United States and the DPRK will join their efforts to build a lasting and stable peace regime on the Korean Peninsula.
  3. Reaffirming the April 27, 2018 Panmunjom Declaration, the DPRK commits to work toward complete denuclearization of the Korean Peninsula.
  4. The United States and the DPRK commit to recovering POW/MIA remains, including the immediate repatriation of those already identified.

非核化の手順と同様、「安全の保証」に関しても米朝は全く詰めていない。シンガポールでの首脳会談は周辺の期待とは裏腹に、何の前進もなかったのです(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」)。

中国の傘に戻れるか

シナリオ 北朝鮮は誰の核の傘に入るのか? 韓国はどうする?
中国の核の傘を確保 米韓同盟を維持
米国と同盟・準同盟関係に入る 米韓同盟を維持
半島全体が中立化し、国連や周辺大国がそれを保証
自前の核を持つが、米国まで届くICBMは放棄 米韓同盟を維持するか、北朝鮮の核の傘に入る
北朝鮮の非核化の行方

—「安全の保証」を具体的に言うと……。

鈴置:「北朝鮮に対し、誰が核の傘を提供するのか」との視点で考えると分かりやすい。「表・北朝鮮の非核化の行方」をご覧下さい。

現状を動かさないなら中国――シナリオⅠです。中朝の間には形式的ですが軍事同盟が残っています。北が核を完全に放棄する、あるいはしたことにしてその見返りに、中国が改めて「自分の核で北朝鮮を守る」と宣言するなどして保証する手法です。

ただ、これは北朝鮮が受け入れないでしょう。そもそも北朝鮮は、中国の核の傘を信じられないから核武装に走った面もあります。

中国が核の傘を提供しないのは、北朝鮮が韓国への侵攻計画を捨てず、しばしば軍事挑発するからです。南北の間で軍事衝突が起きれば米国が介入します。その際、米国は戦術核を使う可能性まである(「『北に先制核攻撃も辞さず』と言明した米国務省」参照)。

中国は一応、北朝鮮との同盟関係にありますから、下手すると米国との戦争――核戦争に巻き込まれかねない。そこで中国は、北朝鮮が核開発を露骨に進めた1990年代から、非公式にですが「中朝軍事同盟は有名無実化した」と言って回るようになったのです。

ですからシナリオⅠは北朝鮮だけではなく、中国も賛成しない可能性が大きい。もし中国が賛成するとしたら、北朝鮮を完全にコントロールできるとの自信を持てた時でしょう。

米国の傘に入れるか

—トランプ大統領は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を信頼できる人と評価しました。

鈴置:米朝首脳会談後の会見で「talented man(才能ある人)」「very smart. very good negotiator(賢く、優秀な交渉者)」と述べました。

彼一流のおだてです。この会見で、トランプ大統領は文在寅大統領のことだって「very, very fine gentleman(とても立派な紳士)」と評しているのです。

中国は厳しく北朝鮮を見ています。面従腹背の朝鮮民族を一番知るのが中国人です。千年にも渡って朝鮮民族に朝貢させていただけのことはあります。

話を「シナリオ」に戻すと、金正恩委員長に対しトランプ大統領が「米国の核の傘に入れてやる」と語っている可能性もあります。シナリオⅡです。ただ、これには中国が大反対します。米軍が中朝国境沿いにまで来ることになりますから。

この案には北朝鮮も本気では乗らないでしょう。人権蹂躙国家である北朝鮮との同盟を米国世論が許すはずがない。トランプ大統領自身が韓国国会で「いかに金正恩体制が滅茶苦茶か」と豊富な事例を挙げて説明しています。

そんなトランプ大統領から「核を捨てたら同盟を結んでやる」と言われて信じるお人好しではないでしょう、金正恩委員長は。親族を粛清して権力を維持している人です。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

半島全体の非核化

—シナリオⅢは?

鈴置:米国はシナリオⅢを北朝鮮に提示しているのではないかと思われます。観察されるファクトの多くがそれを指しています。

シナリオⅢは、朝鮮半島全体を中立化することで非核化を実現するとのアイデアです。北朝鮮が核武装したのは米国の核に対抗するためだ。それなら、米国の核の傘を提供される同盟国が半島からなくなれば、北も持つ必要がなくなる――との理屈です。

具体的には、米韓同盟と中朝同盟を同時に廃棄して半島を中立化するわけです。中朝ともに反対しないでしょう。

北朝鮮にすれば、形骸化している中国との同盟を捨てるぐらいで、米国の核の圧迫から逃れられるのです。悪い話ではありません。

中国も笑いが止まらないでしょう。歴史的に自らの勢力圏だった半島から米軍を追い出し、米国から取り戻せるのです。それも自分は汗を一切かかずに。

はっきりと反対するのは日本くらい。ただ、日本は「本当に完全な非核化が実現されるなら」との条件で飲むと思います。米国から「北朝鮮の非核化を実現するためだ。我慢しろ」と言われたら、それ以上はどうしようもないからです。

在韓米軍は撤収へ

—韓国は?

鈴置:本音はともかく、文在寅(ムン・ジェイン)政権を含む左派は大いに賛成するでしょう。「米韓同盟こそが諸悪の根源」と主張している人たちですから。

普通の人や保守派は米国との同盟を失うことに恐怖を感じると思います。ただ、韓国では論理ではなくムードが物事を決定します。

保守の野党第1党、自由韓国党は韓国や米国と積極的な対話に出た北朝鮮を「偽装平和攻勢」と非難していました。が、選挙に負けると「反省宣言」を発表し、北朝鮮との融和政策に路線転換しました。その結果、国会の中で北を批判する組織的な勢力は消滅しつつあります(「米朝会談で崩壊した韓国の親米保守」参照)。

—しかし、米韓同盟が消滅するとは……

鈴置:多くの日本人にとって「ヒョウタンからコマ」でしょうね。北朝鮮の非核化に向け米国と一緒に努力していたら突然、韓国が海洋勢力から切り離されるのですから。

ただ何と言おうと、現実はその方向に着々と進んでいます。トランプ大統領は米朝首脳会談後の会見で「今すぐではない」としながらも在韓米軍撤収を表明しました。

「駐留なき安保」は可能か

—在韓米軍の撤収が直ちに同盟廃棄につながるわけではないでしょう。

鈴置:「駐留なき安保」は「駐留する安保」よりも危険です。駐留していないと米国の抑止力は落ちる、というのに戦争になったら駆けつけなければならない。

そもそも米国にとって、戦略的な要衝ではない韓国との同盟は価値がありません。それどころかカネがかかるし、余計な紛争に巻き込まれるリスクもある。

朝鮮戦争で韓国を助けたために米国はこの半島にはまり込んでしまった。もともと朝鮮半島は米国の防衛線の外にあるのです。

2010年頃から米軍関係者は「米韓同盟は長続きしない」と日本の安保関係者に非公式に通告してきています。

トランプ大統領は5月10日には「半島全てを非核化する」(denuclearize that entire peninsula)」と発言、米韓同盟廃棄を示唆しています(「『米韓同盟廃棄』カードを切ったトランプ」参照)。

北だけではなく南も非核化するとは「韓国に核の傘を与えない」ということですからね。

他人の好意に安全は託せない

—では、シナリオⅢで決まりですか?

鈴置:北朝鮮は飲まない可能性が高い。表面的には応じて見せるかもしれませんが。「中立化」はともかく「非核化」を受け入れるつもりはないからです。

シナリオⅢでは半島の安全は国連や周辺大国が担保することになります。侵略された場合、国連や大国が助けてくれるから北朝鮮や韓国は心配する必要がない、というわけです。

でも力のない国連や、お互いに利害の対立する周辺大国に期待できるでしょうか。それは国の存亡を他人の好意に任せることを意味します。戦争して負けたのならともかく「話し合い」だけで、自分をそんな境遇に落とす国はあまりありません。

ことに北朝鮮は核を持ったのです。その既得権を手放せというのです。国内からも大きな抵抗があって当然です。

常識からいって、北朝鮮は可能な限り核を持ち続けようとするでしょう。これがシナリオⅣです。

ただ、米国まで届くICBM(大陸間弾道弾)は放棄するフリはし始めました。トランプ大統領は、金正恩委員長から「ICBM用エンジンの実験場は廃棄する」と明かされたと会見で語っています。

ICBMさえ放棄すれば、米国が核武装を認める可能性があると北朝鮮は踏んでいるのです。トランプ大統領は国民に対し「我が国まで届く核ミサイルはなくなった」と言えるし、現にそう言い始めた。

そのうえ日本や韓国に対しても、米国は「北朝鮮が少々、核を持とうと自分の核によって抑止できる。安心しろ」と説得できるからです。

ロシア、中国も米国の同盟国に核ミサイルを向けています。でも、もし攻撃したら核で反撃するぞと米国が脅してくれている――「拡大抑止」により、同盟国は安心できることになっている。

もちろん、米国がワシントンやNYを攻撃されるリスクを冒してまで同盟国を守るかは疑問が残ります。ただ、北朝鮮がICBMを放棄する――米本土への攻撃能力を放棄するのなら、ロシアや中国の核に対する以上に、米国の拡大抑止は働くことになります。

死に物狂いの日本

でも「北朝鮮はロシアや中国とは異なって、核による抑止は働かない」と米国は言っていました。

鈴置:「金正恩体制はカルト集団で正常な判断は期待できない。だから北朝鮮の核はロシアや中国の核と異なり放置できない」と米国は主張してきました(「米中は金正恩を『アジアのムガベ』にできるか」参照)。

しかし北朝鮮と話し合いに入った以上、トランプ大統領はこの認識を修正してみせる必要があります。正常な判断ができないカルト集団と話し合っても意味はないからです。そこで米朝首脳会談後の会見で、金正恩委員長をまともな人と評価して見せたのです。

一方、これを見た北朝鮮は、米国をシナリオⅣに引きずりこめる――ロシアや中国の核武装と同じように、我が国の核武装も認めろと要求すれば、米国は応じると期待したと思います。

—だから日本は米国に対し、ICBMだけでなく短・中距離の弾道弾も放棄させるべきだと死に物狂いで訴えている……。

鈴置:その通りです。「米国に届く核」がなくなっても「日本に届く核」が残る限り、北朝鮮や南北朝鮮から脅され続けるからです。

しかし、日本の願いとは反対に北朝鮮は攻勢に出ています。トランプ大統領が「対話で非核化に成功した」と功績を誇り始めた以上、約束を破ってもそう簡単には軍事攻撃されないと見切ったと思われます。

米国は軍事的な圧迫や暗殺の脅しにより、金正恩委員長を対話に引き出すことに成功しました(「『暗殺』『猫なで声』で金正恩いぶし出すトランプ」参照)。しかし、対話に引き出すことと、非核化を飲ませることは別物です。力で脅し続けない限りは。

完全な非核化を拒否

—脅しの効果は長続きしませんか?

鈴置:もう、切れた感じです。7月6、7日、非核化を具体的に進めるためポンペオ国務長官が訪朝しました。しかし北朝鮮はまともに応じなかった模様です。

それどころか、ポンペオ長官が日本に向け出国した7日の深夜、完全な非核化を求めた長官を非難する談話を発表しました。

朝鮮中央通信の「朝鮮外務省代弁人が朝米高位級会談に言及」(日本語版)からポイントを引用します。なお、翻訳の質が低いので、丸かっこで補いました。

米国側はシンガポール(での)首脳の対面と会談の精神に背ち(馳)してCVIDだの、申告だの、検証だのと言って、一方的で強盗さながらの非核化要求だけを持ち出した。

米国や日本が求めてきたCVID(Complete, Verifiable, Irreversible Denuclearization=完全で検証可能、不可逆的な非核化)をはっきりと拒否したのです。続けて米韓同盟の廃棄まで暗に要求しました。

(ポンペオ長官は)情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である朝鮮半島の平和体制構築問題については一切言及せず、すでに合意された終戦宣言問題までいろいろな条件と口実を設けて遠く後回しにしようとする立場を取った。

完全な非核化は拒否する一方、在韓米軍の撤収や米韓同盟の廃棄につながる平和体制構築を強硬に要求し始めたのです。まさにシナリオⅣです。

米中全面戦争は好機だ

—突然の強気ですね。

鈴置:7月6日、米中が全面的な貿易戦争に入ったことが背景にあるとみられます。高率の関税をかけ合うこの戦争は人民元の下落を呼んでいます。

下手すると、中国は金融危機に陥る。控えめな日経も「中国メディア、米批判控えめ 指導部が抑制か」(7月8日)で以下のように報じました。

中国の習近平指導部は米国との貿易戦争に関する報道を厳しく抑えている。米国への批判は控えめで関税上げの影響を分析する記事も見当たらない。報道が国民の反米感情を刺激して対米摩擦が過熱し、金融市場の動揺に歯止めがきかなくなる事態を恐れているとみられる。

トランプ米大統領への個人攻撃もご法度のようだ。指導部が懸念するのは金融市場への影響とみられる。

もともと米利上げと当局の金融機関締めつけで(株や通貨の)相場は弱含みだったが、貿易摩擦による景気減速懸念が加わって6月中旬から下落に拍車がかかった。北京の投資ファンド運営者は「金融危機がいつ起きてもおかしくない」と話す。

本物の戦争に例えれば、通常兵器を使う局地戦から核ミサイルを撃ち合う全面戦争に入ったのです。この記事は市場の弱点を突かれた中国が押される様を描いていますが、米国だって中国を相手にすぐに勝てるわけではありません。持久戦です。

米国が非核化問題にかかわる余裕などなくした、と北朝鮮は判断したに違いありません。米中の全面的な経済戦争を機に、一気に攻勢に出てシナリオⅣ――北の核武装の容認――を実現するつもりでしょう。

高濱記事

訪朝したポンペオ国務長官(右)。左は、カウンターパートである金英哲副委員長

—マイク・ポンペオ米国務長官が再び訪朝し、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長と協議、非核化の検証を含む複数の作業部会を設置することを決めした。非核化の進め方で進展があったのでしょうか。

高濱:設置する作業部会について具体的な項目はまだ明らかになっていません。それに北朝鮮外務省の報道官は、協議の直後に「米側の態度と立場は遺憾なこと極まりない。まるでギャングのような態度だ」と批判しています。

また米メディアは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が今回、ポンペオ長官と会わなかったことに注目しています。

ポンペオ長官と金英哲副委員長との会談は、6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談以来、両国の高官による初めての協議です。首脳会談は「歴史的握手」ばかりが取り上げられ、北朝鮮の非核化が今にも進むかのような印象を与えました。しかし、ポンペオ長官の今回の訪朝の成果を見ると、何となく前途多難な気がしてきます。

ドナルド・トランプ米大統領は「北朝鮮はこれまで8カ月にわたってミサイル発射も核実験も行っていない。私でなければ今頃北朝鮮と戦争していた」とツィートしています。けれども、非核化に対して綿密な戦略を立てて首脳会談に臨んだわけでないことがはっきりしてきました。

「CVID」を取り下げ「FFVD」に変えたトランプ政権

こうした中でワシントンの外交筋が注目しているのは、当初トランプ大統領が公言していた「CVID」(Complete,Verifiable,Irreversible Denuclearization)、つまり「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)を取り下げたことです。

代わりに米側が言い出したのが、「FFVD」(Final, Fully Verified Denuclearization)という表現でした。つまり「最終的かつ完全に検証された非核化」です。ポンペオ長官もこの表現を使っています。「完全」でなくとも「不可逆的」でなくとも「検証できればいい」と言っているわけです。

国務省報道官は、「米政府の立場が軟化したわけではない」と否定していますが、CVIDという表現をやめて、FFVDと言い始めたのは事実です。北朝鮮があらゆるチャンネルを通じて協議前にCVIDの撤回を求めたのを受けて、米側が譲歩したと大半の米メディアは受け取っています。

—「CVID」と「FFVD」とはどこがどう違うのですか。

高濱:外交上のレトリックは時として極めて重要です。この点について韓国の峨山(アサン)政策研究院安保統一センター長の申範チョル(さんずい+育+のぶん)博士はこう解説しています。

「非核化の第一歩は北朝鮮が保有する核兵器の数量・規模や核・ミサイル関連施設を完全に公開することです。CVIDを取り下げ、FFVDに変更したのは米側が核兵器や核・ミサイル関連施設が完全に破棄されたことを『verify』(検証)することを最優先議題にするためです」

つまり、これまでの表現と比較すると、「complete」と「irreversible」がなくなり、その代わりに「final」と「fully」が入りました。「verified」は残ったままですが、米側の要求がトーンダウンしています。

その心は、「北朝鮮が主張してきた『行動対行動』の原則を米側が受け入れる。その第一歩として『検証』から始めようではないか」という誘い水のように思えます。「行動対行動」とは、相互の要求事項を満たしながら非核化を進めるということですね。

それでも北朝鮮は「ギャングのような要求だ」と言っています。このへんは今後の交渉に向けた北朝鮮なりの戦略かもしれません。何しろトランプ大統領にとって北朝鮮の非核化は唯一最大の外交上の成果ですから、北朝鮮が多少「拗ねて」も断念するわけにはいきません。ロシアゲート疑惑捜査の状況も同大統領にとって芳しいものではなく、内憂外患の状態にあります。そのへんを北朝鮮は十分に承知していて揺さぶっているのでしょう。

根っこにあるのは米朝間の「歴史的な相互不信感」

—米朝首脳会談以後も「北朝鮮は核を放棄していない証拠」が衛星画像や米情報機関からの極秘情報で明らかになりましたね。

高濱:ポンペオ長官は金英哲副委員長にこの衛星画像を見せて北朝鮮の非核化に向けた本心をただしたようです。北朝鮮が「ギャングのような」と表現したのはこのことを指しているのかもしれません。米側から北朝鮮に対する「一種の恫喝」です。

もっとも北朝鮮にしてみれば、米朝首脳会談は非核化に向けての原則を合意しただけですから(非核化の具体的な段取りについてはまだ合意していない)、これまで続けてきた核・ミサイル開発を完全に停止していなくても文句はあるまい、ということでしょう。

北朝鮮の核開発の動向に詳しいアダム・マウント博士(全米科学者連盟)は、ミドルベリー国際大学院(MIIS)が撮った衛星画像や米情報機関が入手した極秘情報などを基に米朝首脳会談以後の動きをこう分析しています。

  1. 北朝鮮はこれまでに核兵器1発を破棄し、ミサイル発射実験施設1カ所を取り壊したに過ぎない。
  2. 北朝鮮は核兵器製造に必要なウラニウム、プルトニウム、トリチウムを増産する一方で、固定燃料型の弾道ミサイル製造拠点を拡張する工事をほぼ完了させている。
  3. 北朝鮮は、核兵器を廃棄する工程への検証を拒み続ける一方で、保有する核兵器の隠蔽を計画している。

理想的なロードマップは「核停止・政策転換・核廃棄」

—「verify(検証)に重きを置く」背景はなんですか。

高濱:北朝鮮が非核化を進めるといっても、米国は十分な情報を持っていません。北朝鮮がどのくらい核兵器を保有し、どこにどのくらいの核・ミサイル関連施設があるのか、現時点では正確な情報を持っていないんです。ですからここでいう「検証」は、北朝鮮が現在持っている核兵器について、これらのことを公開することです。破棄したあとの「検証」はそのあとの話になります。

非核化のロードマップについてスタンフォード大学国際安全保障・協力センター(CISAC)のセイグフライド・ヘッカー博士らはこう分析しています。「北朝鮮の非核化を急いでもそう簡単にはいかない。即断即決というのは非現実的だ」。同博士はロスアラモス研究所所長を務めたこともある北朝鮮の核問題の権威です。

「非核化に向けたロードマップは、①核実験の停止②核開発政策の転換③核開発政策の排除、という長期的視野に立ったアプローチ以外にない」

「具体的には、まず一切の核・ミサイル実験の停止。次いで北朝鮮がどのくらいの核兵器を保有し、どこにどれほどの規模の核関連施設を持っているかの検証から始まる。次の段階ではプルトニウム、ウラニウムなどの生産を停止させ、北朝鮮による核関連機材・技術の輸出・密輸を絶つ必要がある」

「非核化にはそれ相当な期間(reasonable timeline)が必要である。しかも最終的な非核化はその時の当事国の政治情勢などに左右されて遅延しやすい。完全な非核化には少なくとも15年程度はかかる」

以上は、同氏が、5月30日付けで公表された『A Comprehensive History of North Korea’s Nuclear Program』(北朝鮮の核開発問題に関する包括的な経緯)という報告書の中で明らかにしたものです。

NYで第2回米朝首脳会談開催との説が流れる

—ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が非核化について「北朝鮮が戦略的決断を下し、われわれが協力的であれば、早く進む。1年以内に大部分を物理的に破壊することが可能だ」と言っています。

高濱:「大部分破壊」とは、ここまで「検証」と呼んできた工程で公開された核・ミサイル施設の大部分を破壊できるという意味だと思います。

—ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が非核化について「北朝鮮が戦略的決断を下し、われわれが協力的であれば、早く進む。1年以内に大部分を物理的に破壊することが可能だ」と言っています。

高濱:「大部分破壊」とは、ここまで「検証」と呼んできた工程で公開された核・ミサイル施設の大部分を破壊できるという意味だと思います。

もう一つ、ヘッカー博士が指摘している重要な点があります。同博士が「短期的に必要不可欠な要素は米国と北朝鮮が信頼関係を築き上げ、相互依存関係を確立することだ」と強調していることです。

「米国はロードマップを実施に移す過程で北朝鮮が望んでいる原子力平和利用、つまりエネルギー、医療、宇宙平和開発部門での活用に理解を示すこと。そうすることで、北朝鮮は、国際原子力機関(IAEA)が派遣する検査官受け入れ、モニタリング設備の設置などに積極的に協力できるようになる」

今回設置が決まった作業部会には、北朝鮮が求める「安全の保証」や経済・エネルギー面での協力が話し合われる部門も含まれることになるでしょう。どちらも、6カ国協議が2007年2月に取り上げた項目です。米朝直接協議の流れの中で6カ国協議の再開へ移行することも考えられます。すでに中国はそれを強く主張していますし。

—ポンペオ長官訪朝の結果を受けて、トランプ大統領はこれから対北朝鮮でどう動きますか。

高濱:トランプ大統領周辺は、金委員長との第2回会談がニューヨークで開かれる可能性を意図的に流しています。9月の国連総会に金委員長が出席する際(出席するか否かは不明)にトランプ大統領と会談するというのです。
“Scoop” Trump may hold Round 2 with Kim Jong-un in NYC,” Mike Allen. www.axios.com, 7/2/2018)

ポンペオ長官が示した「FFVD」提案を金委員長が秋までに実行に移せば、「トランプ大統領がその褒美として金委員長に<人参>をやるようなもの」(Axiosのマイク・アレン記者)だというのです。国際外交の檜舞台に金委員長を“招待”し、お披露目してやってもいいぞ、ということ。随分と上から目線の話ですけど。

—トランプ大統領としては中間選挙を意識した思惑もあるんじゃないですか。

高濱:その通りです。シンガポールで演じた「歴史的なパフォーマンス外交」を今度は米国、自分の地元ニューヨークでやることでやんやの喝さいを浴び、支持率を上げ、その2カ月後に迫る中間選挙への好材料にしようという魂胆のようです。

6月12日の米朝首脳会談について、米国民の55%が高く評価しました。果たして「柳の下に二匹目のドジョウ」がいるかどうか。米一般国民はもう北朝鮮なんかに関心を示さなくなってきていますから。
AP-NORC Poll: Majority approve of Trump’s North Korea effort,” Emily Swanson, Associated Press, 6/21/2018)

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