4/30日経ビジネスオンライン 福島香織『郭伯雄も失脚、不安定化する中国 軍の長老排除の先は、江沢民追及かクーデターか』記事について

中国の権力闘争が熾烈さを増してきているという事です。習近平・王岐山は生き延びれるかという所です。勝てば太子党の天下がずっと続き、国民はひもじい儘です。(でも誰が政権を握ろうが政権に対するチエックが働かない共産党政権では国民は蚊帳の外でしょうけど)。以前述べたように上海派の大物・曽慶紅の逮捕が間近であるとすれば、流石に主席経験者の江沢民の逮捕はないと思いますが。過去には主席である劉少奇や華国鋒が文化大革命や四人組打倒の流れで逮捕や更迭されましたが。中国が動乱の時代でしたので。今はネットで瞬時に情報が駆け巡る時代です。いくら中国政府がネット遮断しても。

何清漣は『中国 現代化の落とし穴』の中で、「権銭交易」(quan2qian2jiao1yi4で権と銭の発音が似ているためこう言った)=「権力の市場化」と言って政治の自由がないのに、経済的自由が認められたたためポストが金で取引されるようになったことを批判しています。軍も官僚組織ですから当たり前で、昇進するためには上官に賄賂を贈らなければ如何に能力があろうとも上には行けません。まあ賄賂を贈る能力(当然部下から人事権を行使して賄賂を取り、それをかき集めて上官の賄賂とする)も含めた能力という事でしょう。ただ、周永康もそうでしたが、日本が賄賂で逮捕或は報道される額とは桁違いです。兆円単位ですから。

上海派打倒の後は団派との戦いとなれば、習・王が生き延びるのは難しいのでは。太子党には「血」の正統性しかありません。共産主義で「血」の正統性を訴えても笑われるだけです。北朝鮮の金王朝を相手にしない習近平が「血」を言うことは自己矛盾です。団派はそれに引き換え、共産党の思想を忠実に守ることを誓約して集まった組織です。(殆ど出世のためにフリをしているだけでしょうけど)。小生は共産主義が嫌いですのでどちらにも肩入れはしませんが。上海派の残党が狙うし、団派も追い込まれれば窮鼠猫を噛むでしょうから。

記事

 中国の権力闘争がますますきな臭い。いよいよ、郭伯雄・元中央軍事委副主席失脚の正式発表も秒読みのようだ。元中央軍事副主席で党籍を剥奪されて軍事法廷での起訴準備が進められているうち、膀胱がんで死亡した東北の虎こと徐才厚と並んで、西北の狼と称された江沢民時代から軍を牛耳っていた上将である。産経新聞の情報を信じるならば、北京市内で軟禁状態にあった郭伯雄を、杜金才・党中央規律検査委員会副書記が4月9日に訪ね、「双規」(党内における取り調べ、事実上の身柄拘束)を通告した、という。この情報を裏付けるように、解放軍七大軍区幹部らに9日に中央軍事委および解放軍規律検査委が郭伯雄とその家族に対する取り調べを決定したという通達があったとサウスチャイナ・モーニングポスト(20日付)も報じている。七大軍区幹部らは思想教育の名目でこの日、北京に召集されていた。米国に本部を置く華字ニュースサイト博訊によれば、郭伯雄は北京の秦城監獄に収容されているとか。

 徐才厚に続いて郭伯雄という解放軍元制服組トップ2の長老を排除したことは、習近平政権の今後にどのように影響を与えるのか、考えてみたい。

江沢民の代理人、不正蓄財100億元超、愛人多数

 郭伯雄とはどんな人物であったか。

 1942年、陝西省出身で16歳の時、地元の軍工場学徒労働者となる。3年の勤務満期後、解放軍陸軍第19軍55師団に配属、64年に兵役満期後も軍残留を認められ、幹部コースに昇進。実戦経験はないが、江沢民国家主席に見出されて、順調に出世し、解放軍総後勤部(装備部)部長、北京軍区副司令、蘭州軍区司令などを歴任。2002年には中央軍事委副主席となり、中央政治局委員、解放軍常務副参謀長まで務めた。

 徐才厚とならんで、江沢民が自分の軍内における権力固めに出世させた上将であり、解放軍における江沢民の代理人ともささやかれた。江沢民が総書記、国家主席、そして中央軍事委主席を引退した後も彼らを通じて解放軍に強い影響力を持ち続けたため、胡錦濤政権は事実上、ほとんど解放軍における実権を握れなかった。

 彼は、江沢民政権時代に軍内における利権をほしいままにしたと言われている。特に、すでに失脚している元総後勤部副部長の谷俊山(元中将)と組んで、大量の軍事用地を売りさばき、周永康(失脚済、元政治局常務委)や賀国強(引退、元中央規律検査委書記)と共謀して不正蓄財を謀ったとか。郭伯雄の蓄財額は2010年の段階ですでに100億元を超え、広東、福建、江蘇、北京、雲南、広西、陝西、甘粛などに100を超える不動産を所有。いずれも億を超える豪華マンション、別荘であったとか。しかも郭伯雄は精力絶倫であり、愛人を十数人も抱えていたとか。郭伯雄は自分のお気に入りの愛人を徐才厚を通じて軍の歌舞団に入団させてもいたとか。

こうした話は、博訊が北京の三つの異なるソースから確認したものだという。

 香港報道を総合すると、郭伯雄が問われるであろう罪状は主に三つあると言われている。まず谷俊山から郭家に大量の金品が賄賂として贈られていること。また郭伯雄の妻、秘書、息子も大量の賄賂を受け取っていると言うこと。三つ目は軍常務副主席として、軍全体の腐敗の責任を問われるということ。解放軍内では昇進に具体的な賄賂額が暗黙に決まっており、事実上の将官位の売買が行われていた。目下、郭伯雄だけでなく、妻、息子、娘、秘書らの立件も準備に入っているという。

 本来なら、今年3月の両会(全人代と政治協商会議、国会に相当)直後に、郭伯雄の失脚が公式に発表される予定だったらしいが、徐才厚の死によって延期になったと言われている。

“恩”ある徐才厚を非情に追い詰めた習近平

 習近平の軍の汚職退治では、最初に失脚させられた大物が谷俊山で、2012年からの谷俊山の汚職取り調べが本格化、その過程で徐才厚が谷から少なくとも3600万元の賄賂を受け取っていることが証拠固めされた。2014年6月、徐才厚が史上最高額の軍汚職容疑で逮捕された。ちなみに、徐才厚は逮捕当時、末期の膀胱がんであったが、それでも容赦なく厳しい取り調べが行われた。

 徐才厚は、習近平がまだ国家主席になる前、軍内における後見人役として習近平をバックアップし、習近平夫人で元軍属歌手(少将)の彭麗援とも親しい間柄であった。その恩ある徐才厚に対する習近平の非情さについては、徐才厚のかつての愛人が、今の習近平の弟・習遠平の妻・張瀾瀾(元解放軍属歌手)であるという私怨が関係していたのではないかと言われている。一説によれば、徐才厚は、江沢民に習近平政権の軍における後見人を頼まれてはいたが、「五年(一期)たったら、やめさせる」と郭伯雄に語っていたという噂が、軍内に広がっていて、それが習近平の耳に入っていたという話もある。

 ちなみに習遠平が、徐才厚の愛人だった張瀾瀾の清純な容姿に惑わされて、習家の大反対を押し切って「できちゃった婚」によって2008年に結婚を果たしたいきさつは、やはり元軍属の歌姫・湯燦(失脚済、服役中)の獄中記「我的壮麗青春」の中に妙に生々しく書かれていた。湯燦は、徐才厚や谷俊山、周永康、李東生、令計画ら習近平の反汚職キャンペーンで失脚した要人たちの間を渡り歩いた「公共情婦」とも呼ばれ、2011年12月に中央規律検査委の呼び出しを受けて以降、行方不明となっている。一時、要人の秘密を知り過ぎたために秘密裡に処刑されたという噂も流れたが、その後、湖北省の刑務所で米CIAに国家・軍事情報を漏らした罪などで服役中だと香港メディアが報じていた。その後、彼女の獄中記なるものが今年2月に出版されているが、これが本物か偽物か確かめるすべはない。

 徐才厚の失脚によって、郭伯雄は自らの身に危険を感じたので昨年7月、国外脱出を図ったと噂されている。7月14日夕方、南京軍区の軍事演習による管制という理由で北京と上海間の飛行機100機以上の離陸の取り消し遅延があり、道路封鎖やテレビやネットで情報統制も敷かれた事態があったが、この時ネットに流れた噂では、郭伯雄が女装して国外脱出を図ろうとしたのを取り押さえたのだと言われていた。後にこの情報はガセであるとわかった。だが、郭伯雄が次なる「大虎」であることは、この頃からほぼ確定していたという。

江沢民まで追及か、クーデターの懸念増幅か

 今年3月の香港誌「動向」によれば、郭伯雄の息子・郭正鋼(解放軍浙江省軍区副政治委員、少将)は9冊のパスポートを用意して海外逃亡を画策したのだが、その逃亡計画が実行される前の2月に逮捕されたという。郭正鋼と妻は、偽名で杭州から深圳までの飛行機チケットを買い、陸路で香港に入り、香港かスウェーデンに行く予定だった。だが、郭正鋼にはすでにひそかな監視がついており、計画は実行されないまま、規律違反容疑で逮捕されたという。この息子の逃亡計画失敗によって、規律検査委側は郭伯雄の拘束(双規)に踏み切ったという。

 「動向」の分析によれば、9冊ものパスポートを用意したというのは、かなり異常なことであり、徐才厚の逮捕、そして取り調べ中の死亡によって、郭伯雄一族がいかに危機感に焦っていたかがうかがえる。

 今後の予想としては、徐才厚や郭伯雄ら長老だけでなく現役国防部長の上将・常万全ら現役軍幹部にまで粛正の手が伸びるのではないかともいわれている。徐才厚失脚後から今年3月までの間に失脚した軍幹部は33人以上で、現役少将以上の軍幹部は14人以上という。それ以外にも100~200人が取り調べを受けているともいう。前国防部長で退役上将の梁光烈の失脚も近いと噂されている。彼も江沢民政権時代に南京軍区司令から総参謀部長に抜擢された江沢民派の大物軍人である。ひょっとすると、元中央軍事委主席で元総書記の江沢民にまで、習近平の反汚職キャンペーンの追及の手は伸びるのではないか、という憶測もある。

 こうした状況から、習近平政権と軍の関係についての見方はおおむね二つに分かれている。根強い江沢民派の軍長老・現役幹部の影響力、利権構造を根こそぎ排除した習近平は、自分のお気に入りの若手幹部を七大軍区などの主要地位につけて、解放軍内に新たな秩序を築いて軍の掌握をほぼ完ぺきにした、という意見。もう一つは、粛正の恐怖により表向きは習近平への忠誠をうたう軍幹部が増えているが、内心の不満はたまっており、これが一気に噴出する、つまりクーデターなどの懸念はむしろ高まっているのではないかという意見だ。

 ここで、気になるのは、胡錦濤に連なる李克強、李源潮、汪洋といった共産主義青年団派閥(団派)と、政権の主導力を握る習近平・王岐山グループとの対立との兼ね合いだ。

 薄熙来、周永康、徐才厚らと並ぶ「新四人組」の一人として汚職・規律違反で失脚した令計画は、実際のところ胡錦濤の腹心であり団派である。周永康との関係が失脚の原因と表向きは報道されるも、習近平の権力闘争の矛先が最終的には団派に向かっているということのシグナルだというのが一般の見方だ。

 普通ならば、次の党大会で現在の7人の政治局常務委員のうち5人が引退し、現在の政治局委員の中から繰り上げ昇進となるのだが、現政治局委員の実力派メンバーは団派、李源潮(国家副主席)、汪洋(副首相)、胡春華(広東省党委書記)らである。中でも胡春華は次期総書記、国家主席にもっとも近いポジションにいるといっていい。習近平としては、自分の後に総書記となる人間は、自分の意をくんだ腹心をつけたいはずで、そのためには胡春華つぶし、胡春華を次期総書記の座につけようと画策する団派勢力を抑える必要がある。これは江沢民政権時代の陳希同事件、胡錦濤政権時代の陳良宇事件を振り返るまでもなく、何度も繰り返されてきた権力闘争のパターンと言える。令計画の失脚後、次のターゲットは李源潮だといわれ、実際、李源潮の腹心らが次々と失脚している。

著者不明の『誰が習近平を謀殺するのか』

 習近平は解放軍内の江沢民派と長老排除を急速に進める一方で、次の党大会をにらんだ団派との権力闘争も激化させる、いわば二面作戦を展開している。いや、もっと言えばメディア・ネットの締め付け強化、ウイグル・チベットの少数民族弾圧強化なども進めている。習近平・王岐山の敵は国内だけでも数知れない。香港メディアによれば、2013年以降、習近平は6回以上、王岐山は十数回の暗殺未遂に遭っているとか。習近平の暗殺のうち2回は周永康が企てたものだとか。会議室に爆弾が仕掛けられたり、北京301病院に赴いたときに毒針をさされそうになったという。

 今年2月ごろ、著者不明の電子書籍『誰が習近平を謀殺するのか』がネット上に話題になったのだが、それは習近平政権の容赦ない反腐敗キャンペーンが恨みを買ったり、反習近平勢力の結束を生んだりして、政変、軍事クーデター、暗殺を引き起こす可能性がある、そう考えている人が中国共産党内部に増えていると訴えている。

 こういった言説を信じるべきか否かは、判断の難しいところだが、ただ表向きに喧伝されているように、習近平が順調に権力基盤を固め、軍の掌握を進めているというものではないだろう。むしろ、中国の政治も社会も天安門事件以来もっとも不安定な時代が到来しているといえそうだ。

4/28ダイヤモンドオンライン 北野幸伯 『リベンジ~AIIBで中国に追いつめられた米国の逆襲』記事を読んで

安倍首相の米議会での演説は読み通り、「侵略」と「お詫び」は盛り込まれませんでした。アメリカとしては第二次大戦の不都合な真実には目を瞑りというか、FDRが日本に参戦するように仕掛けた真実を知らない人が多いと思います。(参考:ハミルトン・フィッシュ『ルーズベルトの開戦責任』

http://melma.com/backnumber_45206_6087907/ ですから「侵略」、「お詫び」は天に唾するもの、先人たちを愚弄するものと思っています)。政治は妥協の産物ですから「反省」はしないと受け入れられなかったでしょう。

さて、昨日に続きAIIBについてです。中国はADBの融資(全体で532億$)の25.3%=135億$(1兆6200億円)の融資を受けています。

http://www.adb.org/sites/default/files/page/41282/adb-glance-ja.pdf

先ずこれを返済した上でAIIBに出資すべきでは。AIIBは取敢えず500億$の資本金と言われていますからADBの中国への融資額は1/4相当となります。中国のAIIBの出資率は4割、払込資本はもっと下がります。ADBの融資額が中国の出資額とイコールになるかもしれません。

http://genuinvest.net/?eid=2369

それでADBに敵対する組織を作ろうと発想するのは流石中国人と言うもの。AIIBに日本の参加を促すメデイアや政治家は、こういう数字を並べて議論をして戴きたい。

オバマが4/28スピーチしたように「中国の平和的台頭」は日本人でも歓迎します。でもやっていることは全然別です。経済の伸びに合わせというか、それ以上に軍事力の拡張をしています。勝手に南シナ海に九段線を敷き、南沙諸島を埋立、基地を造っています。A2/AD戦略を取り、自由な航海を制限しようとしています。また勝手に防空識別圏を作ったり、尖閣にチョッカイを出したりしています。「韜光養晦」から「有所作為」に戦略転換したのです。やはり中国の軍事膨張主義を阻止するには中国経済を崩壊させねばなりません。「肉を切らして骨を断つ」です。戦争を起こさないためです。声高に戦争反対する人たちは真剣に考えた方が良い。アメリカもソ連崩壊、日本のバブル崩壊させたのだから、中国にだってできないことはないはずです。

記事

アジアインフラ投資銀行(AIIB)事件が、世界に大きな衝撃を与えている。加盟国は57ヵ国。米国と緊密なはずの英国、イスラエル、オーストラリアなども参加国だ。米国は、いかに逆襲するのだろうか?

AIIB事件の本質とは?  「覇権国家」米国の凋落

 習近平が2013年10月、APEC首脳会議で設立を提唱したAIIB。当初は、東アジア、東南アジア諸国が参加するだけの小規模なものになると見られていた。しかし、ふたを開けてみると、加盟国は57ヵ国。そして、参加国の中には、米国と緊密なはずの、英国、イスラエル、オーストラリアなどが、「米国の不参加要求」を「無視して」参加を決めた。

中国に面目を潰された覇権国家・米国はこれから、どんな逆襲に出るのだろうか?   世界的に孤立し、追いつめられた落ち目の覇権国家・米国は、いかに逆襲するのか?今回は、この重要問題を考えてみよう。

 米国の「逆襲方法」の前に、「AIIB事件の本質」について触れておこう。この事件の本質は、「同盟国が米国の言うことを聞かなかったこと」である。これは、それほど重要なことだろうか?

 米国は、「覇権国家」だ。少なくとも、今まではそうだった。ところで、「覇権」とはなんだろう?辞書を見ると、「覇者としての権力。力をもってする支配力」とある。要するに「支配している国」ということである。

 しかし、覇権国家とはいえ、他国を直接統治しているわけではない。 国連には、加盟国が193ヵ国あり、それぞれの国が、「独立した政治を行っている」(という建前である)。

 では、「覇権国家が覇権国家であること」は、なぜわかるのか?ポイントは、「覇権国家の言うことを他国が聞くかどうか?」である。なぜ日本は、「米国の属国」と言われるのか?日本政府が、米国の言うことを聞くからだ。政府が「国益」を最優先に考え、米国の言うことを聞いたり聞かなかったりすれば、日本は「属国」ではなく、「自立国家」と呼ばれるだろう。

 では、覇権国家の影響下にある国々が、言うことを聞かなくなったらどうなるのだろう。答えは、「覇権国家は、覇権国家でなくなる」だ。

かつてのソ連に見る 覇権国家没落の例

 ソ連はかつて、「共産主義陣営」の「覇権国家」だった。しかし、1980年代後半、ソ連経済は深刻な経済危機に陥った。そして、ゴルバチョフの「ソフト路線」もあり、支配下にあった東欧諸国は、もはやソ連を恐れなくなった。

 その時、何が起こったのか?89年、東西ドイツを隔てていた「ベルリンの壁」が崩壊。続いて、東欧で「民主革命」がドミノ式に起こった。そして、ソ連は「覇権国家」としての地位を失った。そればかりでなく、15の国々に分裂してしまった。これは、他国が言うことを聞かなくなり、覇権国が没落した分かりやすい例である。

 このことを踏まえて「AIIB事件」について考えてみよう。米国は、同盟国群に、「中国が主導するAIIBに参加しないよう」要請(命令)していた。ところが、英国は3月12日、G7諸国ではじめて参加を表明。これに、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、ルクセンブルグ、オーストラリア、韓国などが続いた。

 これらの国々は、「米国の言うことを聞かなかった」。つまり、米国の覇権(支配)を拒否したのだ。これは、「米国が覇権を喪失した象徴的事件」として、歴史に記憶されるはずである。

 そして、米国の要求を無視した国々は、逆に中国の言うことを聞いた。今回の一件だけで「中国が覇権国家になった」と考えるのは早計過ぎる。しかし、「覇権に一歩近づいた」とは言えるだろう。

 では、同盟国たちは、なぜ米国を裏切ったのだろうか?理由は、二つ考えられる。一つは、「AIIBに入ったほうが儲かりそうだ」と判断した。二つ目は、「逆らっても、オバマ米国は何もできないだろう」と判断した。

 特に理由二つ目は、「ソ連末期の状況に非常によく似ている」といえる。

 では、「AIIB事件後」、中国は一直線で「覇権国家」になれるのだろうか?米国は、このまま衰退しつづけ、中国に覇権を「禅譲」するのだろうか?

 もちろん、米国は、黙って覇権を譲ったりしないだろう。江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜、ソ連最初で最後の大統領ゴルバチョフのように、覇権を放り出した例も歴史にはある。しかし、米国は、まだそこまで落ちぶれてはいない。

 米国は、どうやって中国に逆襲するのか?おそらく、「AIIB後」の戦略は、「現在検討中」だろう。たとえ、もう出来上がっていたとしても、公開されるとは考えにくい。

 では、我々は米国が今後どう動くか知ることはできないのだろうか?そうでもない。米国の過去の行動を知ることで、ある程度未来の動きを予測できる。

反中プロパガンダ(情報戦)と民主化支援で 米国は中国に逆襲をする

「情報戦」は、米国がもっとも得意とする分野である。米国がその気になれば、安倍総理を「軍国主義者」にすることも、プーチンを「ヒトラーの再来」にすることもできる。

 中国は、経済力(GDP)、軍事力(軍事費)で、世界1位の米国を猛追している。しかし、「情報力」(プロパガンダ力)は、今も米国が圧倒的強さを誇っている。そして、今後も中国が勝つのは難しそうだ。なぜかというと、中国は、共産党の一党独裁国家であり、普通選挙もなければ、言論・信教・結社の自由もない。世界の誰もが認める「人権侵害国家」でもある。

 米国は、国益によって、中国の異質性を強調したり、しなかったりする。しかし、今後は、中国の「自由のなさ」「人権侵害」などを積極的にプロパガンダするようになるだろう。

 もう一つ、米国は、「反米的な国」での「民主化運動」を支援している。これは、「陰謀論」に思えるが、事実である。たとえば、03年にクーデターで失脚したジョージア(旧名グルジア)のシェワルナゼ大統領(当時)は、以下のように断言している。(太字筆者、以下同)

(朝日新聞03年11月29日)

<「混乱の背景に外国情報機関」シェワルナゼ前大統領と会見
  野党勢力の大規模デモで辞任に追い込まれたグルジアのシェワルナゼ前大統領は28日、首都トビリシ市内の私邸で朝日新聞記者らと会見した。大統領は混乱の背景に外国の情報機関がからんでいたとの見方を示し、グルジア情勢が不安定化を増すことに懸念を表明した。
 前大統領は、議会選挙で政府側による不正があったとする野党の抗議行動や混乱がここまで拡大するとは「全く予測しなかった」と語った。抗議行動が3週間で全国規模に広がった理由として、「外国の情報機関が私の退陣を周到に画策し、野党勢力を支援したからだ」と述べた>

 さらに05年のクーデターで失脚したキルギスのアカエフ大統領(当時)も、こう語っている。

<「政変では米国の機関が重要な役割を果たした。半年前から米国の主導で『チューリップ革命』が周到に準備されていた」>(時事通信05年4月7日)

<「彼らは野党勢力を訓練・支援し、旧ユーゴスラビア、グルジア、ウクライナに続く革命を画策した」>(同上)

 ちなみに、14年2月にウクライナで起こった革命。これについても、オバマ自身が、米国の関与を認めている。

<昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕について、オバマ大統領がついに真実を口にした。恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろう。CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウクライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。>
(ロシアの声 2015年2月3日)

 これらの事実から考えると、米国が中国における「民主化運動支援」を強化する可能性は強いと思われる。昨年秋、香港の「反政府デモ」が大きな話題になった。これからは、香港だけでなく、チベットやウイグルでも「反中国政府運動」が活発化していくだろう。

「中国経済崩壊論」の拡散で AIIBつぶしに乗り出すか

「中国経済崩壊論」の拡散も、米国が今後、取るであろう戦略だ。これは「経済戦」の一環である(情報戦でもある)。

 米国は現在、日本と欧州を巻き込み、「対ロシア経済制裁」をしている。しかし、ロシアと違い、世界第2の経済大国・中国に経済制裁を課すことは、困難だろう。そもそも、「AIIBをつくったから制裁する」とはいえない。他の理由で中国を経済制裁しようにも、欧州が「制裁はイヤだ!」といえば、またもや米国の権威は失墜する。

 では、どうするのか?「中国経済の崩壊は近いですよ」という噂を広めるのだ。

 実をいうと、これは完全な「噂」でもない。実際、中国のGDP成長率は、年々下がっている。賃金水準が上がり、外国企業がどんどん東南アジアなどに逃げ出している。だから、米国が「中国経済の崩壊は近い」とプロパガンダしても、必ずしもウソとはいえない。

 事実、最近「中国崩壊説」をよく見かけるようになった。たとえば、ゴールドマン・サックスの元共同経営者ロイ・スミス氏は3月2日、「中国経済の現状は1980年代の日本と似ている点が多い」「日本と同様、バブル崩壊に見舞われるだろう」と述べた。

 さらに、かつては親中派だったデヴィッド・シャンボー(ジョージ・ワシントン大学教授)は3月6日、「ウォール・ストリート・ジャーナル」に、「終焉に向かいはじめた中国共産党」を寄稿して、中国政府を激怒させた。

「中国経済を破壊すること」。これは、米国の覇権を守る上で決定的に重要である。なぜなら、米国の同盟国たちが、AIIBに参加したのは「儲かる」と判断したからだ。しかし、中国経済が破綻したら、儲からなくなってAIIBは魅力を失うだろう。さらに、経済がダメになれば、共産党の正統性は失われる。

 そもそも中国共産党は、選挙によって選ばれたわけではなく、なんの正統性もない。それで、毛沢東時代は、「恐怖」によって支配をしていた。鄧小平の時代からは、「共産党のおかげで経済成長ができる神話」を、一党独裁の正統性にした。

 だから、経済成長がストップすれば、中国共産党政権の正統性は消え、ソ連のように体制が崩壊する可能性が強まる。そして、ソ連のようになった中国が米国の覇権に挑むのは、しばらく無理だろう。もちろん、中国経済の破綻は、世界経済へのダメージが大きく、米国も無傷ではいられない。しかし、「背に腹はかえられない」のだ。

最後の“切り札”はロシアとの和解!? 米国大物リアリストたちの主張

 最後に、米国が中国に勝つために「ロシアと和解する可能性」について触れておこう。「そんなバカな!」「モスクワ在住筆者の妄想だ!」――。恐らくそんな反応が返ってくるだろう。しかし、歴史は、「米国は勝利するためなら敵とも組む」ことを教えている。

 たとえば第2次大戦時、米国は、「資本主義打倒」「米帝打倒」を国是とするソ連と組み、ナチス・ドイツ、日本と戦った。そして、冷戦がはじまると、米国はかつて敵だった日本、ドイツ(西ドイツ)と組んだ。さらに、米国は70年代、ソ連に勝つために中国と和解している。こう見ると、米国が現在の敵・ロシアと組んでも、まったくおかしくはない。

 ニクソンは、ソ連に勝つために、中国と組んだ。今度は、中国に勝つために、ロシアと組む。実をいうと、これを主張しているのは、筆者ではない。

 日本ではあまり報じられていないが、大物リアリストたち、たとえばヘンリー・キッシンジャー、ジョン・ミアシャイマー(シカゴ大学)、スティーブン・ウォルト(ハーバード大学)などが、「米国はロシアと和解すべき」と主張している(親中派として知られたキッシンジャーやズビグニュー・ブレジンスキーは、中国の本性を知り、親中派を「卒業」したという)。

 理由は簡単で、「米国とロシアが戦えば、得をするのは中国だから」だ。そして、「AIIB事件」で明らかになったように、中国は今、世界でもっとも(正確にいえば米国に次いで)「覇権」に近いところにいる。

 米ロが戦って、「中国に覇権をプレゼントするのは愚かだ」というわけだ。

 さらに、米国一の「戦略家」エドワード・ルトワックは、その著書「自滅する中国」の中で、「ロシアを中国包囲網に入れる重要性」を繰り返し説いている。また、ルトワックは、日本が独立を維持できるか、それとも中国の属国になるかどうかについて、以下のように述べている。

<もちろん日本自身の決意とアメリカからの支持が最も重要な要素になるのだが、ロシアがそこに参加してくれるのかどうかという点も極めて重要であり、むしろそれが決定的なものになる可能性がある。>(188p)

 ルトワックが主張するように、ロシアを米国側に引き入れることができれば、米国の勝利は確実だろう。しかし、米政府が、「わが国は中ロを同時に敵にしても勝てる」と過信すれば見通しは暗い。

 とはいえ、米国の動向にかかわらず、中国の経済的栄華は終わりつつあるので、中国が覇権国家になれるわけではない。結局、世界は、覇権国家不在の「多極化」「無極化」時代に向かっているように見える。

古森 義久・石 平『自壊する中国反撃する日本』を読んで

日本のGDPと通貨発行量(M2+CD)の比較(=マーシャルのK)を見てみます。バブル期の94年には1.07位でした。アベノミクスによって、1.8位まで増えて来ています。ネットで解説を読みますと「過剰貯蓄」になるとマーシャルのKは高くなりやすいとのこと。中国と同じくらいなのに、日本は騒がれずアベノミクスが評価されているのは、個人金融資産が豊富で政府負債を大幅に上回っているせいか。中国は国全体で2600兆円も負債があり、裏付けるべき資産を持たないため批判されるのでは。

中国はインフレ亢進、バブル崩壊と噂されて久しいです。それもこれも嘘でデッチ上げた数字が基になっているため、正しい判断ができないのかと。AIIBに入るのは溝に金を捨てるようなものと思います。

『三菱UFJモルガン・スタンレー証券 2015年4月3日 嶋中雄二の月例景気報告 No.60~私が日銀に早期追加緩和を要望する理由より「日本のマーシャルのK」を抜粋』

japan k

 

 

 

 

 

 

 

また下記の記事も見つけました。

http://chugokukaigun-junnbi.blogspot.jp/2013/02/201328-1116-http-www.html2013年2月8日金曜日)より

レコードチャイナ 配信日時:2013年2月8日 11時16分

http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69224&type=0

中国は世界最大の「紙幣印刷機」、メディアの報道に専門家が反論―中国メディア

2013年2月7日、各国が相次いで新たな量的緩和策を発表する中、あるメディアが「中国の通貨過剰発行も深刻だ。 2012年、中国の通貨増加量は世界の約半分を占め、世界最大の紙幣印刷機になった」と報じた。

 これについて専門家は、 「このような言い方はあまりにも常識外れで、一方的すぎる」との見方を示している。

 中国の通貨発行量が本当に深刻なのかどうか、1つのデータに基づいて当て推量することはできない。 通貨が過剰発行状態かどうかを判断する指標の 1つとして物価の安定がある。金融政策の良し悪しを判断する上で重要なのは、経済の成長率・規模と歩調が合っているかどうかだ。

▽.中国の通貨過剰発行は誇張

 中国の通貨過剰発行問題はここ数日、各方面で話題になっている。中国人民銀行(中央銀行)の統計データによると、 2012年末現在、中国のM2残高は「97兆4200億元(約1448兆8100億円)」に達し、世界一となった。 この額はすでに、世界のマネーサプライ総量の4分の1に近づいており、 米国の1.5倍だ。 さらに、M2の対GDP比は188%の過去最高に達した。ちなみに同期の米国の同比率は63%で、中国のわずか約3分の1だった。 一部メディアはこの差を根拠として中国を「世界最大の紙幣印刷機」と比喩し、多くの人が中国の通貨過剰発行が深刻であると考えるようになった。

 しかし、専門家はこれについて 「表面的に見て、中米のデータを比較すればこの結論も一理あるように感じるが、理論的に分析、もしくはもっと広範囲で比較すれば、この判断が大雑把であることが分かる。 特にM2残高と対GDP比だけで中国が通貨過剰発行状態だと断定するのはあまりにも単純で一方的だ。 各国のマネーサプライの統計範囲の違い、融資構造の違い、経済発展段階の特徴などの要素を全く考慮していない」と指摘する。

 中国人民大学財政金融学院の趙錫軍(ジャオ・シージュン)副院長は 「中国の通貨発行量は確かに多いが、中国経済の成長率を見ずに単純に過剰発行だと決め付けてはならない。合理的な通貨発行は、国の経済成長率・規模に応じたものであるべき。 例えば米国は経済成長が鈍化しているため、発行量を再度増やせば過度な発行になってしまう」とする。

▽.通貨発行量の増加には原因が

 中国人民銀行の周小川(ジョウ・シャオチュワン)総裁は、「中国がこれまで統計してきた実体経済には形のあるものしか含まれず、サービス業が含まれない。このため、市場化が進み経済発展が加速するに伴い、マネーサプライは統計範囲内の『実体経済』の需要をすぐに上回り、いわゆる『過剰発行』の状態になった。しかし実際のところ、マネーサプライは実体経済だけでなく、サービス業や金融市場の需要も満たす必要がある」と指摘する。

 興業銀行の魯政委(ルー・ジョンウェイ)チーフエコノミストは 「中国のM2対GDP比は前々から高かった。 この原因として、1つには中国のマネタイゼーションの進展が挙げられる。これまで市場で取引されてこなかった多くの製品が市場に流入し始め、自然とより多くの通貨が必要になった。

 もう1つの原因は、中国の社会融資構造だ。社会融資の大部分は銀行によるものであるため、M2が必然的に高くなる」とする。

 国家情報センター経済予測部世界経済研究室の張茉楠(ジャン・モーナン)副研究員は、「第1に、改革開放の深化と市場化の高まりに伴い、中国の通貨需要が絶えず高まり、マネーサプライの増加ペースが経済成長ペースを上回った。このためM2の対GDP比が高まった。

 第2に、WTO加盟以降、中国の輸出の高成長および蓄積された外貨準備高は、貨幣創造のメカニズムと供給構造を大きく変化させた。最後に、投資に対する過度な依存度もまた、通貨の受動的な過剰発行の主因となっている。金融資源の国有経済に対する過度な依存、国有部門の予算に対する『ソフトな制約』は、金融資源の効率低下を招いている。経済の高度成長を維持するためには、さらなる信用貸付・貨幣供給に依存する必要がある」と語る。

▽.市場を資源配分の主体に

 実際のところ、 「通貨の過剰発行」は表面的な現象であり、その裏には中国経済構造のアンバランスや金融体系発展の遅れといった問題が隠れている。 中国のマネタイゼーションの過程には、他国とまったく異なる構造的・制度的基礎が存在する。

 その核心は、

1).政府が主導となったマネタイゼーション、

2).国際資本の循環を受けた「受動的な創造」、

3).金融資源配分の効率低下

だ。

 張茉楠副研究員は、「通貨の中にいれば、通貨の仕組みを理解できないため、通貨の外に出て通貨を見直す必要がある。政府主導の資源配分モデルから脱却し、市場を資源配分の主体とし、投資への過度な依存をやめ、金融分野の全面的な改革を促進することで初めて、通貨の過剰発行を緩和することができる。

 人民銀行による通貨発行抑制や信用貸付規模に頼っていてはこの局面を変えるのは難しい」と指摘する。

 周小川総裁は、 「我々は2008年以降、世界的な金融危機に対応するために積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策をとってきた。政策自体は正しいが、副作用がもたらされることは確実だ。金融政策にはタイムラグが存在し、一部の効果や現象がやや遅れて現れることもある。 金融危機への対応の際は、マクロ経済調節に適度に力を入れる必要があるが、危機が過ぎた後は逆方向の調整が必要だ」と指摘する。

(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/内山)

 「お札を刷れる」というのは国家にとっての絶対的誘惑である。 その誘惑に負けて刷り過ぎるのが通常の動き。 通常はお札は貿易による外貨準備高を睨んで刷る。 ときにGDPを睨んで刷ることもある。しかし後者は先進国にのみ通用する判断とみるのが妥当。 お札を刷り過ぎるとは、上の条件から導き出せる数字をはるかに上回って刷ることをいう。外貨準備高に見あって刷っていれば、間違いなく安全である。GDPに合わせると、財政投融資といった公共投資まで組み込まれてしまうため、いわゆる「花見酒の経済」におちいる。

 さて、お札を刷りすぎると何が起こるか。こんなことはだれでも知っていることだが、確認しておく。

 巷にお金がだぶついてくる。よって、モノよりカネが多くなり、物価が上がる。 物価が上がるということは、それに合わせて賃金が上がるということになる。これをインフレ傾向と呼ぶ。このインフレ傾向を使って、賃金をあげ経済を上向きに引っ張るのが時の政府の政策になる。高度成長経済とはこれを正当な経済的裏付けをもってやることをいう。つまり、貿易黒字の充分な大きさを確保しながらお札の量を増やしていくことだ。成長経済とは永遠に続くものではない。成長が鈍っているのにお札をするとどうなる。モノの量に比べてお金だけが巷に溜まっていく。これが「インフレ」。

 貿易という場ではモノの価値は対外的に決まってくるので大きくは変わらない。モノの値段がある程度安定していると、今度はモノの量でお札を増やしていく。ものの量も限界がある。不必要には増えない。モノがたくさんあれば、それだけお金を巷に増やすことができる。しかし、それがピークに到達すると、刷り過ぎたお金は不動産に向かう。それがバブルとなる。経済破綻が待っている。

 中国でお金をジャカジャカ刷っているということは、充分な外資がある限り大丈夫だ。外資が足りなくなると、不動産に回してGDPを操作しながら、お札を刷る。そうするとバブルは弾ける。おそらく、中国は貿易的にピークを過ぎている。よって、GDPに合わせお札を刷っている。公共投資、財政融資でGDPの額を維持しようとしている。いまの、ロー・ミドルエンドの産業構造、環境破壊、インフレ化による賃金の高騰、ゴーストタウンの建設、ランニングコストを考えないミエだけのきらびやか建造物の増加、貿易経済の鈍化、中国からの国際資本の逃亡、といったところをみると中国は早晩、経済的に苦境に追い込まれる。通常なら引き締めにはいるべきなのだが、それを昔の夢追って拡大で乗り切ろうとするとバブル崩壊の悪夢に突入することになる。

 ちなみにデータをまとめると、

中国:GDPの「1.9倍」のお札を印刷

米国:GDPの「63%」のお札を印刷

 ということは、中国はアメリカの3倍のお札を刷っているということになる。いくらもっともらしい理屈を並べてみても、刷りすぎはみえみえ。早晩、インフレ、バブル崩壊へ向かう。 中国元が下落する。いまがピークだろう。

内容

P.95~97

太子党が持つオーナー意識

古森:メイン夕―ゲットは政治局常務委員と政治局委員だが、先に石平さんが説明したように、反腐敗運動の対象範囲は国有企業幹部、地方政府の中堅幹部まで広げられた。

産経新聞中国総局の記者の話では、習近平時代になってから逮捕された大物官僚の数は今年(2014年)の六月現在で約一〇〇人だそうだ。閣僚級、局長級も含まれるが、これぞ反腐敗運動 が権力闘争の手段であるという証左は、習近平と同根の太子党出身者が一人もいないことだ。

石平:習近平が中華人民共和国を樹立した毛沢東に心酔しているのは、よく知られるところだ。一九七〇年代半ばまで中国国内で絶対的なカリスマであった毛沢東を礼賛し、毛沢東を真似ることで、自らの存在感を示そうとしている。

たとえば習近平のスローガンである「中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現」は、中華思想にとらわれていた毛沢東の焼き直しであるし、反腐敗運動で政敵を次々と葬 っていく手口も毛沢東そのものである。 習近平が行ってきたキャンペーンは、この「反腐敗運動」と「反贅沢運動」と「反官僚主義運動」と「反日運動」の四つだが、反日を除く三つは毛沢東が建国直後の一九五一年に提唱した「三反運動」とまったく同じものなのである。対外政策も毛沢東を意識した「遠交近攻」であるし、好んで乗る車も、毛沢東が命じてつくらせた初代国産車「紅旗」だ。なぜそこまで習近平は毛沢東にこだわるのか。その答えは彼の出自である太子党に収斂する。

習近平のみならず太子党の面々は、中国共産党政権はわれわれのものである。われわれは、この政権のオ—ナ—なのだという独特の「オ—ナー意識」を持っている。

太子党である彼らの父親の世代が開国の父だった毛沢東と共に戦い、現在の中華人民共和国を建国したからだ。

習近平を領袖とする太子党の面々は、「われわれこそがこの国の正当なる継承者であり、政権を受け継ぐ当然の権利と使命があるのだ」と骨の髄から思い込んでいるわけである。

習近平たちにすれば、上海閥にしても共青団派にしても、それらの人たちは単なる政権の「雇われ経営者」であり、天下のオーナーである自分たちにとっての「使用人」にすぎない。たとえば、前の最高指導者胡錦濤は逆立ちしてもオーナーにはなれない。

そういう意味では太子党にとり、毛沢東は自分たちの血統と立場を“保証”してくれる絶対的な存在なのである。まずそれが一つ。

もう一つには、もうそろそろ共産党の中で毛沢東の権威を取り戻したいということだ。毛沢東の権威を取り戻すことで、共産党政権の一貫性を主張できると太子党の面々は信じている。

使用人であるはずの共青団の連中がこれから本気で天下を取ろうとするのであれば、自分たち太子党こそが身を挺してそれを阻止しなければならない。太子党の天下を取り戻して、革命の血を受け継いだ自分たちの継承権を確立しなければならない。これが偽らざる本音であろう。

そうした意味では、同じく太子党出身で、毛沢東主義を掲げて重慶市民の心を摑んだ薄熙来は習近平と同じ発想の持ち主であった。ただ、太子党のなかに二人の毛沢東主義を掲げるリーダーはいらない。習近平は薄熙来を失脚させる必要に迫られた。 だからこそ、本来ならライバルでもある共青団の胡錦濤とパーシャル連合し、薄熙来を潰した。

P.152~156

人民元を刷リ続けることができた理由

要は、中国政府が莫大な公共投資をすれば、さまざまな産業が繁栄するという方程式。たとえば、鉄道を敷けば土木建設、鉄鋼、機械関連の産業はみな潤うといった具合である。

では、こうした投資資金の出所はどこか。

中央政府が人民元をじゃんじゃん刷った。そして、中国がニ〇年間も毎年二桁近い経済成長を続けてこられた最大の要因は、土地ビジネスの成功であった。

「世界の工場」になった中国は、工場誘致した外国企業から三○〜五〇年分の土地使用権料を一度に、しかも外貨で獲得できた。土地所有を認めない自国のシステムが、中国を助けたと言えよう。外資系企業の進出ラッシュが続いた一九九五〜ニ〇〇五年は、各地各階層の共産党幹部、彼らにつながる連中にとり、土地はまさしく打出の小槌となった。

中国政府は外資企業から獲得した外貨を根拠に人民元を大増刷でき、それがケインズ政策実行の元手となったわけである。

だが、中国は図に乗りすぎた。

ニ〇〇八年のリーマン.ショック後、世界同時不況になり、中国の輸出は大幅に落ち込んだ。先にも述べたように、国内消費の弱い中国は輸出と公共事業に頼ってきた。その一方の柱が傾いてきたのだ。

中国政府が打った政策は、一つは財政出動。四兆元、日本円にして六八兆円という巨大な財政出動を行い、一気に公共事業投資を増やした。

もう一つの政策は、空前の金融緩和であった。要は、銀行からお金を大量に市場に回した。リーマン・ショック直後の一年間、中国の各銀行からの貸出総額は実に九•六兆元に上った。この額は当時の中国のG D Pの約三割という途方もないものだった。

この二つの政策は見事に奏功し、ニ〇〇九年には中国の経済は早くも回復を見せ、世界経済の「救世主」として中国がもてはやされたのは記憶に新しい。

当時の経済運営を任されていたのは温家宝首相で、彼もまた人民元札の輪転機をフル稼動させた。

終わリを告げた中国の経済成長戦略モデル

石平:だが、温家宝は経済の大原則を忘れていた。そうした財政出動や金融緩和には、必ず副作用があるということを。“無料の昼飯”などないのだ。どこかで必ず反動が出る。

人民元をバンバン刷って市場に回すと、市場に流通する金が溢れすぎる。通貨の量が、正常な経済活動に必要なレべルを上回る状態。つまり、過剰流動性に陥った。しかも大幅な過剰流動性に。

昨年末に中国国内で流通していた人民元は一〇九兆元にも上った。この一〇九兆元がどういうレベルかというと、昨年の中国のGDPが五ニ兆元だから、その二倍強となる。ドルに換算すれば、アメリカ国内で流通しているドル総額の一•五倍になる。

大幅な過剰流動性になると何が起きるのか。当然、国内では人民元の価値が下落する。逆に言えば、モノの価値が上がる。物価上昇、インフレとなる。その契機となったのがリーマン•ショック直後の政府の経済対策だったということになる。

ニ〇〇九年に中国でインフレが始まり、とくに食料品の価格上昇が目立ってきた。中国政府としては、大衆が食べていけないほどの物価上昇だけは阻止しなければならない。だが大衆が一斉に食えなくなったら、社会的大混乱に陥り、かつての「黄巾の乱」のような事態になりかねない。そうなれば共産党政権が持たなくなる。

結果的に政府は、こうしたインフレを退治するために金融を引き締めた。だが、金融引き締めもまた、重大な副作用が伴う。

金融緩和とは逆に、銀行から金を借りられなくなる。あるいは限定的にしか借りられなくなる。先刻古森さんが指摘されたように、国有銀行は国有企業に優先的に金を貸すので、この金融引き締めで犠牲になったのは当然民間の中小企業だった。

日本でも同じだが、中小企業は銀行から金が回ってこなくなったら、まず倒産する。中国でも同様で、全国の中小企業は酷い目に遭わされ、ニ〇〇九年から「国進民退」という言葉が大流行し始めた。

また、金融引き締めは公共投資も減少させた。これだけの副作用をもたらした挙句、個人消費も冷え込んだままだ。 おまけにここにきて、中国経済をずっと牽引してきた輸出に急ブレーキがかかった。 二〇一〇年までの対外輸出の伸びは毎年ニ五%以上だったが、昨年は七•九%まで落. 込んだ。さらに衝撃が襲う。今年の第一•四半期はついにマイナス六•四%まで落ち込んだのである。

輸出が完全に止まった。国内投資も止まった。中小企業は壊減状態。国有企業は国有銀行頼みで、競争力がまったくない。国内の人件費の高騰で、外資企業の中国離れが加速している。中国の経済成長の戦略モデルは完全に終わったのである。

 

 

 

 

 

 

 

4/28 ZAKZAK 『安倍首相の米議会演説を控え落ち着かない隣国とそのメディア』記事について

殆ど偏執狂(変宗教か=カルト?)のレベルです。懲りない面々と言うか、こんなことをしていれば世界に敵を作るだけでしょう。米国だけでなく、他の国もこんなにしつこいというのはヤクザ・暴力団の類と思って敬遠するでしょう。中国人は騙すけれども、こんなシツコイ厭らしさはありません。未熟な民族でしょう。

中国は女子が足りないため或は将来の労働力確保のため、拉致誘拐するトラフッキングが盛んとTVでやっていました。これもひどいですが、韓国に対して「韓国人男性と結婚禁止」の国があります。ネットで拾ったものですが(4/13「正しい歴史認識・国益重視外交・核武装実現」ブログより)、

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5794.html

2005年、フィリピン、自国女性に韓国人戒厳令

2010年、カンボジア、韓国人男性との結婚禁止

2012年、ベトナム、韓国人男性との結婚を制限的禁止

2013年、キルギス、韓国人男性との結婚禁止(法案検討中)

夫のDVの凄さで自殺に追い込まれたりしているので各国政府が禁止とのこと。

本日の米議会での安倍首相の演説後の彼らの発狂振りを見るのが楽しみです。彼らは自分がやってきたこと(金を使って籠絡する、賄賂・ハニトラも)は、当然日本もやっているだろうと、自分のことは棚に上げ、声高に非難する夜郎自大な民族です。日本は彼らを相手にせず、経済的にも締め上げ、朝鮮半島有事の際にも、在韓米軍と在韓邦人の救出だけやって知らんふりすればよい。どれだけ日本が韓国のためになっていたのか気が付くはずですが、多分それでも脳が犯されていますので気づかないでしょう。気づくのであればもっと早くから気づいていたでしょうから。

記事

安倍晋三首相による米上下両院合同会議での演説を今月29日に控え、韓国が落ち着かない。日本の戦後70年を節目に、安倍首相が歴史への反省を表明するかどうかを注視しているのだが、演説の中で「慰安婦問題」など韓国が固執する問題について、特にメディアが「安倍首相は言及し、反省すべき」と注文をつけている。命令調の要求まで出てきた。ワシントンでの演説の当事者は日米なのに、ここにまで干渉し、日本に反省させようというのだ。(ソウル 名村隆寛)

■忠告? まるで“命令”では

 安倍首相の米議会演説がワシントンで発表された3月26日以降、韓国メディアでは、「安倍、歴史について謝罪すべし」との主張が相次いだ。インドネシアでのアジア・アフリカ会議(バンドン会議、22・23日)で安倍首相が22日に行った演説にまで意見していた。

 その中で、韓国の思いを象徴するような記事があった。中央日報(16日付)に掲載された、国際問題大記者(ベテラン大論説委員)による「安倍総理(首相)に忠告する」と題したコラムで、概要は以下の通りだ。

 「バンドン会議と米議会での演説は8月15日(日本の終戦記念日)の予行演習に過ぎない。8・15演説を控え、多くの助言があり、内容は一貫。3月に訪日したメルケル独首相は安倍首相に、ドイツを見習い過去を直視して、慰安婦問題を解決し韓国と和解するよう促した」

 「オバマ米大統領はメルケル首相のように、はっきり懺悔(ざんげ)するよう安倍首相に対し、慰安婦問題の解決に向け圧力を加えねばならない。さもなくば、アジアの激しい逆風が待っている」

 「安倍演説は内部志向でなく外部志向、過去志向でなく未来志向でなけれならない。安倍首相は侵略行為と慰安婦問題を否認する歴史修正主義者らの要求を退けねばならない。3回の演説で過去を克服し、韓日中関係の悪循環を断ち切るよう忠告する」

 「忠告」どころか、まるで“命令”か“脅迫”である。

■関係のない韓国が…

 安倍首相の米議会演説をめぐり、韓国ではメディアが「巨額の資金を使い、日本が米国で日本の歴史認識を広める組織的な動きを見せている」との“警戒報道”を展開。韓国の政府や政界の要人の間でも「“歴史修正”を目的とし、日本が莫大(ばくだい)な金を投入した対米ロビー活動を大展開している」と、真実味をもって語られていた。

 外務省の知人や米国在住の友人に聞いたところ、「ロビーだけに金がつぎ込まれているわけでもなく、巨額の金でもない」「韓国が考えているほど組織的ではないし、米国での反日ロビー活動はむしろ、韓国の方が徒党を組んでいる。しかもエゲツない」と言う。

 演説が決定の方向にあった今から1カ月あまり前、韓国メディアは「安倍演説を断固阻止せよ!」と主張し、韓国政府の尻をたたいていた。

 韓国政府は、「日本政府がこれまで公言した通り、歴代内閣の歴史認識を変わりなく継承し、過去への真正な省察を示すことを期待する。演説が実現すれば、安倍首相と日本の外交にとって重要な試験台になるだろう」(外務省報道官が3月24日の定例会見で発言)と公式見解を明らかにしていた。

 安倍首相による今回の米議会演説は、韓国には直接関係ない。日米の一対一のものだ。韓国の演説への過剰な干渉は、あえて例えるならば、韓国を訪問した第三者の国の首脳に対し、日本が「ああ言え。こう言え」と出しゃばっているようなものだ。日本がそんなことをすることは、まずはないだろうが。

 妨害での演説阻止が無理なら、今度は強要だ。何にでも引っかけて、是が非でも、韓国が納得する謝罪を引き出そうとしている。国際社会の中で日本をさらし者にしたいかのようだ。

 韓国メディアの報道ぶりを見ていると、日本はあらゆる所で韓国との歴史を念頭に、反省し謝らなければならないかのようだ。ただ、当然のことだが、日本は韓国だけを相手にしているのではないし、そんなわけはない。

 安倍首相は29日、ワシントンでの演説で、70年前まで直接戦った相手の米国に対し、日米両国の歴史について間違いなく言及するだろう。「反省」にも言及しよう。ただし、これは米国に対するものである。韓国が熱望する「慰安婦問題での反省」は、ここで持ち出すべきテーマではない。全く場違いなものだ。

■米国もウンザリ…

 万が一、安倍首相が演説で慰安婦問題に触れたとすれば、一部の親韓派の米議員は「歓迎」するだろうし、“人道的”に評価されるかもしれない。

 しかし、これが今回、場違いなことであることに韓国のメディアや一部の知識人は気付いていないし、認めようともしない。逆に、先に紹介した中央日報のベテラン記者のように、当然視、絶対視する見方が多い。

 安倍首相を議会に迎える米国ではどうなのか。一部の韓国紙は、「ワシントンでは韓国に対する疲労感を口にする米政府関係者や議員がいる」と報じている。米国(の首都)に韓国人がやってきて、ここを舞台に日本非難を繰り返す。その執拗(しつよう)さに米国は辟易(へきえき)とし、ウンザリしているというわけだ。

 米国にいるわけではないが、韓国で生活している皮膚感覚から、嫌というほどその辟易感やウンザリ感は理解できる。韓国に対するこうした“疲労感”は今や日本だけのものではないのだ。韓国国内では、自国が日本だけでなく米国までもウンザリさせていることを自覚し、心配している人が、一部にはいる。

 しかし、謝罪要求を繰り返すメディアなどには、「むしろ、謝罪しない日本に対してわれわれが疲労感を感じている」との主張さえある。「やれやれ」ではあるが、これが当地韓国の現状なのだ。

■演説干渉どころでは…

 メディアを中心に“執拗な反日”を続ける韓国ではあるが、これが米国でどう受けとめられているかを、一方で密かに気にしているのも、韓国らしい。

 韓国政府も知らないわけではない。韓国政府は最近、「日本との歴史問題は重視する」という基本姿勢は維持する一方で、日米韓の同盟関係や国益など現実問題を考慮しているようだ。少なくとも、形式的には日本と協調する方向にある。

 国内メディアが何と言おうが、韓国政府内の外交実務の現場では、現在、韓国を取り巻いている“危ない空気”を敏感に感じ取っているのだ。安倍首相の演説を静観している最近の韓国政府の姿勢から、それを読み取ることができる。

 それ以上に、重大な国内問題を、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権は、まさに今、抱えている。辞任した首相、朴政権の歴代の大統領府秘書室長、朴政権誕生に貢献した与党議員ら、大統領の側近が絡んだとされる金銭受け取り疑惑だ。1年前の旅客船「セウォル号」沈没とはまた違った大事件で。朴政権発足後では、最大級のスキャンダルとなった。

 疑惑の真相は検察当局の捜査に委ね、肝心の朴大統領は16日から12日間、南米4カ国を歴訪。そのような折、李完九(イ・ワング)首相が20日深夜になって突然、辞意を表明した。すったもんだ、難航の末、2月に就任したばかりの朴大統領の“切り札”であった李首相だが、任期はわずか2カ月だ。

 韓国の内政は今、混乱を極めている。さらに、セウォル号の引き揚げやら、遺族・行方不明者家族らの反発やら、未解決の問題、課題は山積している。

■演説内容に関わらず反発は続く?!

 紙面や報道時間の物理的な問題なのだろう。安倍首相演説への反発に血眼になっていたメディアの報道も、ここのところ、側近らの金銭受け取り疑惑に集中している。李首相の辞任が、メディアの報道をより内向きにさせている。

 しかし、安倍首相の演説について、韓国メディアとしては黙ってはいられないだろう。大統領側近の疑惑をはじめとする、ごく最近の国内のゴタゴタがなかったとすれば、韓国メディアの関心は間違いなく安倍首相の演説に集中し、もっと騒いでいたはずだ。

 とにかく、歴史認識問題をめぐって「安倍憎し」「安倍が悪い」なのだ。あくまでも、事前の予測ではあるが、演説の内容がどのようなものであれ、韓国のメディアが少なくとも何らかの反発を見せることは必至だ。

 韓国に直接関係のない場所でも、お構いなし。日本の歴史認識を、韓国が思う通りに“修正”するためなら、韓国はメディアを筆頭に、自らを振り返らず、執拗に口出しし、介入し、注文をつけ続けるだろう。真面目に韓国と向き合い、その言い分を聞く側は、その疲労感から当分、解かれそうにもない。

4/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「アベの米議会演説阻止」で自爆した韓国 ハルキも動員、韓国人の「聖戦」に疲れる米国人』記事について

アメリカもほとほと韓国人には困っているのでは。もともと移民の国ですが、白人の選民思想でできた国です。アジアのちっぽけな国の言うことを聞きすぎた咎めが出て来ています。それも北朝鮮・中国が後ろに控え、地政学的に自由陣営の砦としようとしたからで、でもAIIBやTHAADの事例を見て分かるように、事大主義の国です。オバマが軍事忌避するのを見てロシア・中国が平気で他国を侵略しています。それを見て韓国は中国に付いた方が良いと判断したのでしょう。歴史の示す通り、中国の属国に戻った方が良いでしょう。日本に対し、1000年、100年の恨みを言い募る国です。こんな国に対してまともな外交は出来ません。

昨日も書きましたが、韓国が如何に騒ごうが「侵略」「お詫び」については盛り込まれないと思います。バンドン会議でのスピーチは米国と事務局同士で擦り合わせたものと考えるからです。普通に考えて、会社でも必要な所には根回しするのと同じで、バンドン会議のスピーチも事前に擦り合わせしていると思います。韓国は「自分だけが正しい」と思いこむ偏狭な民族です。だから冷静に見れないのでしょう。日本人は彼らが取った行動をそれこそ1000年も覚えておいて、「非韓3原則」に徹しないとダメです。慰安婦の嘘で日本人の名誉を世界的に傷つけたのですから。それでも韓国の味方をするのは金、女、なりすましのいずれかと思って良いです。

ヘンリー・ストークス氏は自分の出たニューヨークタイムズを不勉強と謗っています。日本の駐在記者もこういうニューヨークにしかいないリベラルな読者対象の記事を有難がって転載すべきではない。発行部数も160万部くらいしかないのに。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150427/plt1504271140001-n1.htm

記事

安倍晋三首相の米議会演説を阻止しようとして韓国は失敗した。そこで次善の策として、演説の中に「韓国への謝罪」を入れさせようとしたのだが……。

普通の人から大統領まで

鈴置:安倍首相が訪米しました。4月28日のオバマ(Barack Obama)大統領との首脳会談に続き、29日には上下両院合同会議で演説します。韓国ではこの演説に対し、異様な関心が集まっています。

—なぜ、韓国人が関心を持つのですか。

鈴置:韓国は国を挙げて「アベの米議会演説阻止」に取り組んできたからです。「『安倍演説阻止』に向けた韓国の動き」をご覧下さい。

「安倍演説阻止」に向けた韓国の動き(2015年)

2月14日 聯合ニュース「在米韓国人、安倍首相の議会演説阻止に動く」と報道
3月4日 訪米した韓国国会の鄭義和議長、安倍首相の米議会演説に関し米下院議長に「日本の真の謝罪と行動が必要」
3月19日 聯合ニュース「米議会、安倍総理の上下院合同演説を許可する方向」と報道
3月20日 韓国外務省「安倍首相は米議会演説で歴史への省察を示すべきだ」
3月29日 韓国の尹炳世外相「安倍首相の米議会演説と70年談話が日本の歴史認識の試金石になる」
4月2日 鄭議長、訪韓した民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務に「日本の首相は米議会演説で過去を認め謝罪すべきだ」
4月2日 尹外相、ペロシ総務に「安倍演説は侵略、植民地支配、慰安婦に関しすでに認めた立場を具体的な表現で触れねばならない」
4月2日 朴槿恵大統領、ペロシ総務に「慰安婦問題の解決は急務」
4月16日 日米韓外務次官協議で韓国の趙太庸第1次官「安倍演説は正しい歴史認識を基に」と注文
4月21日 韓国国会の羅卿瑗・外交統一委員長、リッパート駐韓米大使に安倍首相の歴史認識について懸念表明
4月21日 WSJ「韓国政府が安倍首相の米議会演説に韓国の主張を反映させるべく米広報会社と契約」
4月22日 韓国の柳興洙駐日大使、戦後70年談話で「(侵略、植民地支配、反省の)3つの言葉を使うよう期待」
4月22日 韓国外務省、バンドン会議での安倍演説に関し「植民地支配と侵略への謝罪と反省がなかったことが遺憾」
4月23日 米下院議員25人「安倍首相が訪米中に歴史問題に言及し、村山・河野両談話を再確認する」ことを促す書簡送る
4月23日 韓国系と中国系の団体、元慰安婦とともに米議会内で会見し「安倍首相は演説で謝罪を」と要求
4月24日 韓国外交部「尹外相とケリー米国務長官が電話、歴史対立を癒す努力で一致」と発表
4月24日 ブラジル訪問中の朴大統領「日本に、正しい歴史認識を基にした誠意ある行動を期待」
4月24日 ローズ米大統領副補佐官「安倍首相に対し、過去の談話と合致し、地域の緊張を和らげるよう働きかけている」
4月24日 メディロス米NSCアジア部長「歴史問題は最終解決に達するよう取り組むことが重要」

普通の人が加盟する在米韓国人団体から、外務省、国会議長、はては朴槿恵(パク・クンヘ)大統領までオール韓国の体制を組んで「アベの演説」に横やりを入れてきました。あたかもジハード――民族の尊厳をかけた「聖戦」のようでした。

 当初は演説の阻止が目的でしたが、それが困難と分かると演説の中で韓国に謝罪させようとしました。もちろんメディアも「アベは謝れ!」と声を合わせています。最近も韓国各紙が“大合唱”したばかりです。

村上春樹に飛びつく

 小説家の村上春樹氏が共同通信のインタビューに答え「相手国が『すっきりとしたわけじゃないけれど、それだけ謝ってくれたから、わかりました。もういいでしょう』と言うまで謝るしかないんじゃないかな」と述べました。

 この記事は4月15日に配信されました。関東地方では4月17日に東京新聞が第6面全面を使って載せました。すると翌4月18日、韓国各紙は一斉に引用したのです。

 東亜日報の高美錫(コ・ミソク)論説委員は「2人の春樹の無限謝罪論」(日本語版)を書きました。

 村上氏と、和田春樹東大名誉教授の謝罪論を引用しつつ「安倍首相の米上下両院合同会議での演説には、慰安婦問題解決の具体的な内容が必ず含まれなければならない」と主張したのです。

 同日には中央日報も「村上春樹氏『相手国がもういいというまで日本は謝るしかない』」(日本語版)という記事に加え、社説でも取り上げました。「安倍首相、村上春樹氏の良心の声に耳を傾けるべき」(日本語版)です。

中央日報はいずれの記事でも「村上氏のコメントは戦後70年談話での謝罪を避ける安倍首相に覚醒を促したもの」と書いていますが、米議会演説での謝罪も催促するつもりで引用したと思われます。

首相辞意の日も謝罪要求

 朝鮮日報も「ハルキ、アベに一針……『相手国がもういいと言うまで謝罪せねば』」(4月18日、韓国語版)という東京特派員電で村上氏の主張を報じました。

 韓国では4月に入ると「韓国が期待するほどには安倍首相は謝らない」との見方が次第に広がりました。これに連れ、メディアの謝罪要求は日増しに激しくなりました。

 KBSは「米議会でちゃんと謝らないと、アベは今夏の戦後70年談話で『きちんと謝罪しろ』と、米国からさらなる圧力を受けるぞ」と威嚇しました。

 ここまで来るともう、捨て台詞です。「起立拍手と安倍総理の米議会演説」(4月20日、韓国語)がそれです。

 汚職スキャンダルで韓国の政局は大混乱。4月20日には、朴槿恵大統領が外遊中と言うのに首相が辞意を表明しました。そんな中でも韓国メディアは「謝罪要求」を忘れませんでした。

歴史カード」を磨く 

—韓国人はなぜ米議会での、つまり第3国での演説にまで介入するのでしょうか。

鈴置:議会演説が固まった頃の、中央日報の「韓国、『安倍首相の米議会演説』悪材料?…対米外交失敗に映らないか負担」(3月20日、日本語版)が、彼らの思いを率直に書いています。以下です。

  • 韓国外交部が安倍首相の米議会演説という悪材料にぶつかった。日本がこれを「免罪符」として活用する可能性があるからだ。

 朴槿恵大統領は慰安婦問題で「日本が謝らない限り首脳会談はしない」と強硬な謝罪要求を掲げてきました。しかし日本はなかなか折れてこない。そこで外交部は米国をして日本に圧力をかけ、謝罪させようとしていました。

 そんな状況下で米国が議会での演説を許せれば、アベは米国から免罪符を貰ったといい気になって今後、韓国に謝らなくなる――と韓国人は懸念したのです。

 そもそも「歴史カード」は韓国の大切な武器です。韓国は「慰安婦」や「植民地支配」を振りかざすことで、日本に対し外交的にも精神的にも「上位」の立場を保とうとしてきました。

 このカードは内政でも貴重です。これらを使って反日気分を盛り上げ、自身への批判をかわすのが歴代政権の困った時の手口です。このため韓国は、機会あるごとに日本に謝らせ「歴史カード」を磨いておく必要があるのです。

—なるほど。日本の首相が米国に行った時にも謝罪させておかないと統治の武器が鈍ってしまう、ということですね。

鈴置:その通りです。日本人には「免罪符を米国が発行する」という発想も分かりにくいでしょうけれど。韓国らしいというか、事大主義そのものです。

「カネでつかんだアベ演説」

—この記事の見出し「対米外交失敗に映らないか負担」の意味は?

鈴置:大統領に怒られないか外交部が頭を抱えている、ということでしょう。記事は以下のようなくだりに続きます。

  • 外交部はさまざまな経路で安倍首相の演説への懸念を米国側に伝えてきた。そして日本の歴史認識問題に対する韓国の外交戦略がある程度の成果を出していると判断していた。それだけに安倍首相が演説をすることになれば、努力が水の泡とならないか懸念している。
  • 今後、外交部は安倍首相の演説に過去の歴史に対する反省などが入るよう外交力を集中する計画だ。外交部関係者は「演説の反対給付として過去の歴史に対する正しい認識などが入るよう多様な経路を通じて要請している」と述べた。

 この記事は3月20日に掲載されたものです。先ほど申し上げたように、演説阻止に失敗したこの頃から、韓国は演説内容を自分の思い通りにすることに闘争目標を切り替えました。同時に「日本のカネに負けた」と言い出します。

 中央日報の「日本、金・人脈がつかんだ『議会演説』…力で劣った韓国外交」(3月20日、日本語版)がそれです。

 なおこの記事は「日本がカネで勝った」ことを示す具体的な証拠は提示していません。韓国外交部の負け惜しみでもあり、大統領と国民への言い訳でもあるのでしょう。

 さらになお、4月21日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「South Korea Hires PR Agency Ahead of Abe Speech」で「韓国政府が、安倍首相の米議会演説に韓国の主張を反映させるべく、米広報会社と契約した」と報じています。

押し掛ける韓国人、うんざりする米国人

—韓国民挙げての「聖戦」の舞台にされて、さぞ米国人も困っていることでしょう。

鈴置:ええ、米国人もうんざりしています。3月以降、米国の外交・安全保障関係者のもとに韓国人が押し掛けてきては「アベの演説をやめさせろ」とうるさく言ってきたからです。

 米国の外交関係者が日本人に会うたびに「日韓関係は――韓国は何とかならないのか。韓国人にはほとほと疲れた」とこぼすのが恒例になったそうです。

—韓国人は米国の「韓国疲れ」に気がつかないのですか。

鈴置:一部の識者は懸念しています。ヴァンダービルドというペンネームを使って韓国外交を厳しく批判する識者が「自殺点と韓国疲労症」(4月3日、韓国語)なる記事を書きました。

 「『安倍演説阻止』に向けた韓国の動き」にも入れましたが、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)米下院民主党院内総務が訪韓した時の話です。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに載せた記事のポイントを翻訳します。

哀れでもどかしい国

  • 2007年に米下院が「慰安婦決議案」を採択した時の議長とはいえ、韓国の国会議長、外交部長官、大統領から繰り返し慰安婦など過去の歴史を聞かされて、ペロシ議員もさぞ疲労感を覚えたと思われる。
  • 米国など重要国の政治家は、訪韓すると必ず「慰安婦」「性奴隷」「侵略」「人類の平和」を聞かされるのが定番コースとなった。
  • (この政権は)「謝罪がない限りアベとは会わない」との、自ら作った束縛から逃れようと「日本に謝罪させてくれ」とすがりついているのだ。その姿は哀れであり、もどかしくもある。

 日本への執拗な謝罪要求が米国の「韓国疲れ」を呼んだ。オウンゴールになるぞ――とヴァンダービルド氏は警告しているのです。

 なお、ペロシ院内代表は「米議会でのアベ演説に謝罪を入れさせろ」という韓国の要求を受け流しました。

 ソウルでの記者会見で「彼(安倍首相)がどんな方法であれ謝罪することを望む」としつつも「必ずしも(米国)議会で行う必要はない。彼が(謝罪)声明を出すならば、他国でするよりはおそらく自国でするだろうと考える」と答えています。

 以上はハンギョレの「ペロシ前米国下院議長『安倍首相は慰安婦謝罪声明を出すべき』」(4月2日、日本語版)で読めます。

肉弾阻止はやり過ぎ

—ヴァンダービルド氏の意見は、例によって韓国では少数派なのでしょうね。

鈴置:韓国メディアの中でこの人1人が朴槿恵外交に対し直言する、というケースが目立ちました。でも「韓国疲れ」に関しては、数は多くありませんが大手メディアの記者も言及しました。

 朝鮮日報のイム・ミンヒョク記者は「すぐに出る米国の外交成績表」(4月3日、韓国語版)を書きました。要旨は以下です。

  • 安倍首相の米議会演説に対しては「韓国の対米外交の失敗」「我が国の外交官はなぜ、演説を阻止できなかったのか」との批判がある。だが、これをもってワシントンが「韓日歴史問題で日本の手を挙げた」と解釈すべきでない。
  • メディアや市民団体だけではなく、政府までが他国の首相の演説を「肉弾阻止」すれば、韓国はやり過ぎと見なされ逆効果となるだろう。ある外交官OBは「韓日戦ではない、他のすべてのゲームまで日本が負けるようにするなんて不可能」と言う。
  • 韓国外交の成否は演説の有無ではなく、安倍演説の内容とそれへの米国の評価だ。その評価こそが、歴史に関連した我々の論理が米国の朝野にどれだけ浸透しているかを図る最高の尺度である。

 イム・ミンヒョク記者は「韓国の主張を米国で浸透させること」の重要性は強調していますが「やり過ぎ」に対しては強く批判しています。

米議会闘争の次は……

 中央日報の「外交課題になった歴史の捕虜=韓国」(4月20日、日本語版)は「韓国疲れ」には直接は言及していません。が、歴史にこだわることの危うさを指摘しました。米国の韓国に対する視線が厳しくなっていることが背景にあると思われます。

 書いたのはチェ・ビョンゴン・ワシントン特派員で、記事の冒頭に米国が日本との「過去」をどう扱っているかを記しました。

  • 安倍首相の演説をめぐり、米国内の戦争捕虜支援団体が反対声明を出した。 しかしこれがすべてではない。米国防総省は「過去の敵は現在の友」と題した太平洋戦争に関する動画をユーチューブに載せた。
  • 動画では米軍参戦勇士が太平洋戦争当時の激戦地である硫黄島を訪問し「我々は以前(日本と)敵だったが、今は友人」と話す場面が登場する。
  • 日本を訪問したデンプシー米統合参謀本部議長が安倍首相を表敬訪問し「米国と日本の“絆”はこれ以上強くなりえない」と評価した直後だった。

謝罪は無限だ

—韓国人は「米議会闘争」の次は何を日本に仕掛けるのでしょうか。

鈴置:米議会での安倍首相の演説が、韓国人にとって満足のいくものならいったんは矛を収めるかもしれません。でも、韓国人が満足することはまずあり得ません。

 そこで「戦後70年談話」に焦点を当てて闘争を展開することになるでしょう。4月22日に柳興洙(ユ・フンス)駐日大使が都内で講演した際にも、戦後70年談話には「(侵略、植民地支配、反省の)3つの言葉を使うよう望む」と述べています。

—本当に「3つの言葉」で収まるのですか、韓国は。

鈴置:韓国にとって、日本に謝らせることそのものが外交得点であり、国内対策でもあるのです。日本が何と謝ろうと、困った時には「やっぱり不十分だった」と再び謝罪を求めてくるでしょう。

 先ほど、東亜日報の高美錫論説委員のコラムを引用しました。見出しが「無限謝罪論」であることを思い出して下さい。

—なるほど、「謝罪は無限に続くべき」なのですね。

「世界で孤立し自滅する日本」

鈴置:そこです。「無限」という言葉に韓国人の本音がよく現れています。村上春樹氏は無限に謝罪しよう、とは主張していません。「相手が納得するまで」と言っているのですが、韓国人は納得するつもりは全くないので「謝罪は無限に続く」ということになるのです。

 もっとも、それとは正反対の「反日限界論」も登場しました。4月21日にヴァンダービルド氏が「残念ながら『反日祭り』は終わった」(韓国語)という記事を書いています。要点を訳します。

  • これまで米国は韓国の反日感情に考慮して、歴史問題については日本に多くの圧力をかけてきた。「反日」は対国内、対日、対米の3つの面で効果を発揮してきた。
  • しかし、国内用を除きもう、効果がなくなったことがはっきりした。韓国の反日に日本が露骨に対抗し始め、米国も問題視し始めたからだ。その背景には中国の拡張的な動きがある。
  • 世の中が根本的に変わっているのに、韓国人は全く気づいていない。なぜなら韓国メディアは依然としてハトヤマ、ムラヤマ、カン・ナオトのような日本でも宇宙人扱いされる人々の例外的な意見ばかりを載せているからだ。
  • 「日本に一針」式の記事に慣れた韓国人は世界が「反日」で満ち溢れ、日本が孤立し自滅の道を歩んでいると思い込んでいる。
  • 国際的な勢力均衡を崩し始めた中国を懸念する米日が、中国と協力して反日を固守する韓国をどう見るだろうか。私たちは「反日」を感情次元ではなく、国の安全保障の観点からコントロールすべきだ。

日本を許す米国は許さない

—「謝罪や反日は無限どころか、そろそろ限界だぞ」という意見ですね。

鈴置:そうです。ここまではっきりとは書かないけれど「日本との関係を改善すべきだ」との意見が韓国紙に相次ぎ載るようになりました。

 「慰安婦」で国を挙げて頑張っても、思い通りに米国を動かせない。それどころか、韓国を置き去りにして日米関係は深まる一方だからです。

 それに4月22日、インドネシアのバンドンで習近平主席も安倍首相と会うなど、中国も日本との関係改善に動きました。

 「日本を孤立させた」と政府やメディアが言うので喝采を叫んでいたら、実は韓国が孤立していたではないか――と韓国人も朴槿恵外交を疑い始めたのです。

 しかし一方では、東亜日報がいみじくも書いたように、韓国では「無限謝罪論」が常識です。

 気になる記事があります。韓国人の心の奥底を覗いては日本語で解いてみせるシンシアリー氏が「韓国は、安倍談話をきっかけに、中国との関係を深めることになるでしょう」と断言したのです。

—あのシンシアリー氏が断言したのですか。

反日を捨てられない韓国は中国に行く

鈴置:だから不気味なのです。4月10日の「共通点と、皮肉な矛盾~儒教とプロテスタンティズム~」と言う長いブログの、最後のくだりです。

 過去よりも現在が大事な米国と、過去の「恨(ハン)」を永遠に引きずる韓国は、いつかは価値観が衝突する。米国が日本の過去を許せば、反日を捨てられない韓国人は米国を離れ中国に向かう――との見立てです。

—結局、韓国は「反日共闘」のためにも中国側に行くのか、米国との同盟を維持するために「反日」を自制するのか、どちらなのでしょうか。

鈴置:今時点では判断できません。1つ言えることは、どちらに向かうにしろそれに必要な指導力が朴槿恵政権にあるとは思えないことです。

 

4/26日経『首相の歴史認識、米が警戒 議会演説の言及注視 日韓関係の摩擦回避に期待』の記事について

ワシントン駐在の記者がどの程度取材しているか分かりません。韓国に都合の良い記事を書いているような気がしてなりません。バンドン会議(実はジャカルタだったそうですが)での安倍首相の演説にアメリカ政府から注文がつくことはなかったという事は擦り合わせ済と考えられます。そのことは独立国家としてどうかと言う問題はあるにせよ。昨年末の靖国参拝時のdisappointedというのは言い過ぎですが、実際民主党オバマ政権は批判したわけで今回はないという事です。

今次の議会演説で、上下院とも多数党は共和党です。少なくとも民主党よりは親日です。マイク・ホンダなんて韓国系アメリカ人から金と票で縛られてる人間です。日系人と思うと日本人の特徴を残しているのではと思い違いしますが、単なる利権屋です。韓国女性家族省ですら「慰安婦に強制性の証拠は見つからなかった」と言ってるくらいなのに、コイツは何を考えているのか。

ローズは韓国系がうるさいのでアリバイ作りで発言しただけでは。まあ、「非韓3原則」を貫くようアメリカにもキチンと要求した方が良い。裏切り者「韓国」と忠実な同盟国「日本」のどちらを取るのですかと。

記事

【ワシントン=吉野直也】オバマ米政権が26日からの安倍晋三首相の米国訪問を控え、歴史認識問題への警戒を強めている。29日の米議会演説などでの首相の言及ぶりは日韓関係と連動する米国の外交や内政に影響する。米政権は摩擦回避に向けた首相の判断に期待を寄せ、首相も慎重な対応を迫られている。歴史認識問題が今後の日米関係を左右する展開になってきた。

70 years after WW2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「過去の談話と合致する形で建設的に取り組み、地域の緊張を和らげるよう首相に働きかけている」。ローズ米大統領副補佐官は24日の電話記者会見で、首相の議会演説や8月に発表する戦後70年談話で、過去の植民地支配と侵略を認めた1995年の村山富市首相の談話を継承すべきだとの立場を明確にした。

 米政権は村山談話を「日本による近隣国との関係改善の努力の重要な1章を刻んだ」と評価してきた。オバマ大統領側近のローズ氏の発言はさらに踏み込んだもので、首相の対応に不安を抱く米政権の空気がにじむ。

 米議会では民主党のマイク・ホンダ下院議員ら超党派の議員25人が首相の訪米中に歴史認識に言及することに期待を示す書簡を佐々江賢一郎駐米大使に送付。村山談話を尊重するよう求めた。韓国系米国人団体は、いわゆる従軍慰安婦問題などで謝罪を要求。歴史認識問題は米国の内政にも波及している。

 外交面では過激派組織「イスラム国」(IS)への対応などで米国の余力は乏しい。同盟国である日韓両国の関係が悪化したままでは、東シナ海などで中国が一段と増長しかねないと危惧する。

 一方、首相は戦後70年談話で村山談話の文言をそのまま使うことには否定的だ。米議会演説では米政府の意向も意識し、歴史認識にどう触れるか慎重に検討している。

 首相周辺は議会演説に関し「日米同盟がどう世界に貢献していくかが中心になるのは当然だ」と語る。米議会での演説のテーマは、あくまで日米関係が軸というわけだ。

 首相は過去のテレビ番組などで、「侵略」や「おわび」を70年談話に盛り込むかについて「もう一度書く必要はない」と否定的な立場を示している。

 首相周辺や外務省は、一部の米メディアなどが首相を「歴史修正主義者」とみなしている点も意識している。訪米時にこうした米側の懸念をどうぬぐうかも注目される。

 

 

 

 

 

 

4/24日経ビジネスオンライン 北村豊『米国の投資移民枠、83%を中国人富豪が占拠 21万人超が288兆円を海外へ持ち出す現実』記事について

中国はアメリカの次の次の大統領をチャイナ系アメリカ人にと考えています。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1432.html (2013/8/21アンカー)

戦闘能力が低いので「戦わずして勝つ」のが彼らの流儀。ハプスブルグのマクシミリアンが政略結婚で版図を広げたようなもの。彼らの野心は留まる事を知らない。中国人の「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観が世界に蔓延することが、世界の人々を幸福にするかです。

外国人地方参政権付与に反対ですし、帰化についてももっと厳しくすべきです。日本を愛せない日本人は外国に帰化した方が良い。共産主義を信奉しているのであれば中国か北朝鮮に帰化すればよい。日本に居て反日活動に手を貸すのは止めてほしい。

加藤登紀子は与那国島沖地震についてツイッターで「基地建設の始まった与那国。神の怒りのようね」と述べたそうです。全共闘世代は碌でもないのが多い。今何が起きているかに目を閉ざし、昔起きた事や勉強したことに拘泥した生き方しかできない。哀れとしか言いようがない。「過ちを改めるに憚る事なかれ」です。

中国での資産の海外移転を禁ずる法を制定し、運用を厳しくすれば権力者の家族も抵触するため、うやむやにして、政敵を倒すときだけ使えれば良いという発想と思います。権力者が自分中心で国のことを考えていないという事です。中国の愛国教育と言うのは何を教えているのでしょうか?中国が好きと思っている日本人に聞いてみたい。こういう国が理想ですかと。加藤登紀子にも。

記事

米国国務省は4月13日、2015年9月30日を期限とする会計年度の投資移民枠を5月中に全て使い切る予定だと発表した。投資移民用の査証(ビザ)取得プログラムである「EB-5」の規定では、米国に移民を希望する外国人は米国に少なくとも50万米ドルを投資し、10人以上の米国人を雇用すれば、米国のグリーンカード(永住権)を取得することができることになっている<注1>。EB-5の毎年の枠は1万人であり、昨年(2014年)は8月に枠が満杯になったが、今年はそれがさらに早まって5月中に満杯になる見込みであるという。

<注1>具体的には、① 100万ドル以上の投資、2年以内に10人の雇用、②失業率が米国平均の150%を超える地域で50万ドル以上の投資、2年以内に10人の雇用、③移民局が指定した地域センター内にある新事業、のいずれかの条件を満たすことが必要。

未来に不安、10年で急増、“反腐敗”から逃亡

 移民局の職員によれば、投資移民枠を期限前に使い切る主たる理由は、米国への移民を希望する中国人の富裕層が激増していることにあり、とりわけカナダが昨年類似の移民プログラムを停止したことも大きな要因となっているという。統計数字を見ると、2014年に米国が発給したEB-5査証に占める中国籍の投資移民の比率は83%で、その人数は8308人であった。10年前にはこの比率はわずか13%であり、人数は16人に過ぎなかった。EB-5査証を取得した中国籍投資移民の数は過去10年間で約520倍に増大したことになる。ちなみに、オーストラリアにも類似の投資移民プログラムがあり、400万米ドルを投資すれば移民査証を取得できるが、その申請者の90%は中国人であるという。

 EB-5の規定では、投資者がグリーンカードを取得すると、その配偶者および21歳未満の未婚の子女にもグリーンカードが発給されることになっている。それ故に、EB-5は中国の富裕層にとって、中国国内に吹き荒れる“反腐敗(腐敗防止)”運動の嵐に巻き込まれて身柄の拘束や資産の没収を受ける前に、一家全員で米国へ移民するための最も簡単な方法であると言えるのである。

 『中国富豪ランキング』で名高い「胡潤(フージワーフ)研究院」が国際的な移民コンサルタント会社「Visas Consulting Group」と連名で2014年6月に発表した調査報告書『“2014年中国投資移民白皮書(白書)”』は、「ますます多くの中国の富豪たちが投資移民の方式を通じて中国から逃走しつつあり、この逃走の速度は絶え間なく加速している」と述べている。それでは、中国の富豪たちはどうして投資移民を決断するのか。同白書によれば、その理由は【表1】の通りであるという。

【表1】中国の富豪たちが投資移民をする理由

1) 子供の教育に都合がよいから 58%
(2) 財産の安全を保障できるから 43%
(3) 老後に備えることができるから 32%
(4) 海外投資や事業の発展に便利だから 16%
(5) 海外旅行するのに都合が良いから 7%
(6) 子供を何人産んでも問題ないから 6%
(7) 税率が比較的低いから 6%

(出所)胡潤研究所『2014年中国投資移民白皮書』

なお、調査対象となった富豪たちが総じて提起した中国の問題点は、教育の質の低さ、環境汚染の深刻さ、食品安全への懸念、社会福祉や医療保健の低水準などであり、これらが彼らを海外への移民に駆り立てる原因であるとしている。しかし、果たしてそれは本当だろうか。彼ら富豪たちの本音は、今後の中国の行く末に対する不安と、自己の財産と現在の恵まれた生活を守り抜くことへの懸念を払拭できないことにあるのではなかろうか。【表1】にある「投資移民をする理由」は海外への移民を正当化するための口実と考えられる。

中国GDPの23%相当が海外流出

 さて、香港の雑誌「争鳴」4月号は、中国で3月に開催された“両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)”の閉幕後に、“中国共産党中央政策研究室”、“国務院研究室”および“中国社会科学院”が共同で発表した『中国国民の海外移住状況に関する調査研究報告』について報じた。当該報告の要点は以下の通り。

【1】1994年から2013年までの20年間に、中国では21万6350人の富豪が相次いで投資方式で海外へ移住したが、彼らが携行したり、違法に海外へ持ち出した資産の総額は15兆元(約288兆円)に上る。これは比較的控え目な数字であるが、それでも2014年の中国の国内総生産(GDP)の23%に相当する金額である。

【2】1994年から2003年までの10年間に、海外へ移住した中国国民は314万7820人であったが、そのうち7万2650人は富豪であった。2004年から2013年までの10年間に、海外へ移住した中国国民は339万1370人であったが、そのうち14万3700人は富豪であった。注目すべきは、これら海外へ移住した中国国民には中国共産党員の“幹部(公務員)”が16万7000人以上含まれていたことである。

【3】海外へ移住した後は、55%から60%の人々が宗教に入信しているが、そのうち富豪の入信率は86%に達している。

 上述したように、2014年にEB-5査証の発給を受けた中国人は8308人であったが、彼ら全員が最低基準である50万米ドルの投資を行ったと仮定すると、その投資総額は41億5400万米ドル(約5940億円)となるが、これを人民元に換算すると約257億5480万元となる。50万米ドルの最低基準で計算しても41億5400万米ドルであるから、実際の投資総額は50~60億米ドル以上である可能性は高い。しかし、この金額はあくまでもEB-5査証を取得するために必要とされる投資額であるに過ぎず、彼らはこれを遥かに凌ぐ金額を中国から持ち出して資産として米国へ持ち込んでいるはずなのである。その総額がいくらかは分からないが、驚くべき巨額であることは想像に難くない。

なぜ富豪の移住を止めないのか

 「争鳴」4月号によれば、3月に開催された“両会”の期間中に、ある代表が富豪の移民および資産の海外流出などを規制して抑制する法律を制定すべきだとの提案を行ったという。これを受けて、中国共産党“中央政治局”は関連の会議を招集して討議を行い、『2015年第58号決議』を採択した。その内容は、「現状の移民、移住に対する方針は変更せず、手直しも新たな補足も行わない。但し、特殊な状況は厳格に取調べると同時に、違法容疑者、犯罪者および犯罪グループなどが海外逃亡するのを厳しく抑制する」というものだった。

 習近平政権が主導する反腐敗運動に呼応する形で、中国“公安部”は2014年7月22日から12月末までの期間に作戦コード“猟狐2014(キツネ狩り2014)”という「海外逃亡中の経済犯罪容疑者を逮捕する特別作戦行動」を展開し、69の国と地域から合計680人を中国へ連行した<注2>。また、2015年4月1日からは新たに「キツネ狩り2015」作戦が始まり、わずか半月で20人の容疑者を逮捕している。海外逃亡中の経済犯罪容疑者の総数は1万6000人から1万8000人と考えられ、彼らによって海外へ持ち出された資金の総額は8000億元(約15兆3600億円)と言われているが、これはあくまで推定であり、実際の数字は分からないのが実態である。

<注2>「キツネ狩り2014」の詳細は、2014年11月28日付の本リポート『中国公安部「キツネ狩り2014」作戦』参照。

 キツネ狩りを行うことで、海外逃亡中の経済犯罪容疑者によって海外へ持ち出されたり、流出した資金を回収しているのなら、富豪の移民や移住を規制して国内資産の海外への持ち出しや流出を抑制すれば良いように思えるが、2015年第58号決議は富豪の移民や移住に対する方針は不変としている。これはどうしてなのか。その理由は分からないが、富豪の移民や移住を規制すれば、富豪たちがパニックに襲われて、国内資産の違法な海外流出が急増し、歯止めがかからなくなることを恐れているのではないだろうか。規制するよりも、大富豪が投資移民を通じて巨額の資産を海外へ持ち出すことを計画していると判明したら、先手を打って彼らを犯罪者に仕立て上げる方が社会的な衝撃は小さいし、庶民の喝采を受けることが出来る。土台、脛に傷を持たない大富豪はいないし、叩いて埃が出ない大富豪はいないのだから。

汚職役人の違法蓄財はどこへ行く?

 ところで、ポータルサイト“網易(163.com)”は4月2日に“貪官斂財成績単(汚職役人の私腹蓄財成績表)”を掲載した。これはここ数年間に失脚した代表的な汚職役人9人を取り上げて、彼らが私腹を肥やした財産の内容に評点を付けたものだが、残念ながらそこには巨額蓄財の頂点にある“周永康”と“薄煕来”の2人は含まれていない。その成績表の上位5人の概要は【表2】の通りである。

china bribes

 

 

 

 

 

上記の表に含まれていない周永康と薄煕来に評点を付けるとすれば、恐らく100点満点ということになるのだろう。それはともかく、わずか5人の失脚した汚職役人が私腹を肥やした総額だけでも、その数字は驚くべきものがある。これを汚職役人全体に拡大して考えれば、その蓄積した財産はとてつもない金額に膨れ上がる。私腹を肥やした汚職役人たちが次に考えるのは財産の保全であり、財産を危険な本国から安全な海外へ移転させることである。そのためには妻子や親せきを海外へ送り出し、彼の地の永住権を取得させて財産の移転先を確保する足掛かりとするのが得策である。

 米国のEB-5を取得した、あるいは取得しようとしている富豪たちの中に汚職役人に連なる人々がどれほど含まれているかは分からない。しかし、2014年は8月に満杯となったEB-5の枠が今年は3カ月も早まって5月には満杯となるということから考えても、そこには厳しさを増す習近平主導の“反腐敗”運動との関連性が否定できないように思えてならない。

 1992年に始まった米国の投資移民法は毎年9月30日の会計年度の期限を迎える度に延長されているが、2015年10月1日以降は現行の最低投資基準を50万米ドルから85~100万米ドルに引き上げる改正を行う可能性があるという。しかし、たとえ最低投資基準が改正されたとしても、中国の富豪たちがEB-5査証の取得に殺到する状況には変化はないだろう。彼らにとっての最終目標は米国の永住権であって、金額の多寡ではないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

4/22日経ビジネスオンライン 福島香織『チベットの「焼身自殺」は非暴力抵抗の極北 理解できずとも、決して無視してはならない』記事について

4/22安倍・習会談は和やかに進んだと報道されていましたが、こういうときこそ気を付けておかないと。多分AIIBに日本の参加を促したい下心があるからです。日米分断を図るつもりです。でも中国が裏で翁長を使い、沖縄独立を画策しているのはネット情報で明らかです。1955年のバンドン会議では民族自決が謳われましたが、第二次大戦終結後、中国はチベットとウイグルに侵攻しました。二枚舌の典型です。ですから優しい言葉の裏には何かあると思った方が良い。勿論「指桑罵槐」で日本に厳しいことを言う場合は、その政敵を打倒する方便でやっている場合が多いのですが。

習主席は安倍首相のスピーチを聞かず、席を立ったそうです。それは首相の「バンドン10原則」を踏まえた発言、「侵略、武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない」、「国際紛争は平和的手段によって解決する」、「法の支配が、大小に関係なく、国家の尊厳を守る」、「世界に向かって強い結束を示さなければならない」、「強い者が弱い者を力で振り回すことは断じてあってはならない」は明らかに今の中国の行動を揶揄するものですから、聞きたくなかったでしょう。でも領土と経済は別と言って、比越ともAIIBに参加するのはみっともない。台湾が中国と経済の一体化を進めれば進めるほど、中国抜きで生存できなくなってしまっている構図をどう見るかです。華夷秩序に組み込まれるのを心配した方が良い。国民党党首の朱立倫が5月訪中し、習主席と会談するそうです。来年1月の総統選に向けたアピールのようですが、昨年11月の統一地方選で国民党はボロ負けでした。中国とくっついている印象を与えると余計に支持が離れていく気がします。

日本も歴史で中韓に非難されるばかりでなく、彼らのやってるおかしなことには注文を付けた方が良い。相互主義です。大人の対応なんてのは臆病者の言い訳に過ぎません。チベットを侵攻して領土を奪ったのは間違いないし、宗教弾圧もされています。政治的無関心こそが日本を滅ぼす元です。各国は団結して中国の覇権主義に対抗せざるを得ないからです。

『チベットのためになにかできなければ人生に意味はない』と言って焼身自殺した少女の精神性と今の日本人の心の持ち方について差がありすぎます。今の日本人は神仏への畏れもなく、我欲・物欲に染まっているように見えます。

記事

中国政府が「チベット発展の歴史選択」と題した白書(通称チベット白書)を発表した15日、私は東京でチベットの「焼身自殺」をテーマにしたドキュメンタリー映画「ルンタ」(池谷薫監督)の試写会を見ていた。ちょうどダライ・ラマ14世が2週間足らずの訪日を終えて帰国された翌日のことである。

 ダライ・ラマ14世は今回の訪問でも多くの講演をこなし、各地で非暴力の大切さを訴えた。だが、中国のチベット白書では、「“14世ダライ集団”(中国側の呼び方)は平和と非暴力のニセの象徴であり、その言うところの『中道路線』は実質的な中国分裂のことである」と批判を新たにしている。また、中国国内だけで今年4月現在累計139人(国外合わせると143人以上)を超えるチベット族の焼身自殺(未遂含む)について、「公共の場所で自分自身に暴力を振るう、暴力行為である」としており、これを「14世ダライ集団が背後で操っている」と批判している。

 果たしてチベット族の「焼身自殺」とは何か。ドキュメンタリー映画「ルンタ」を見た上での私なりの考えをまとめてみたい。

「共産党の平和解放がチベットを発展させる」

 中国政府の「チベット白書」について、どんな内容であるか、まず紹介したい。ざっくりとまとめると、以下のような五つの項目にわたっている。

【1】チベット地域が封建農奴統治、政教一致、神権至上といった旧制度から脱するのは世界の歴史の潮流の必然である。それら旧制度が基本的人権を侵害し、チベットの発展を阻害していた。

【2】中華人民共和国建国後、共産党による平和解放が実現し、政教一致の封建農奴統治を終わらせ、チベットは発展の道へと転換した。近代以来、帝国主義の侵略によってチベットは中国との統一と分裂の二つの運命に直面していたが、中央人民政府のチベット平和開放の方針によって、国家統一を維持することができた。その後、地域の人民の生活水準は改善され続けている。公民の宗教の自由と権利も保障され続けている。各方面の努力によって生態文明建設も成果をあげている。

「“中道路線”で中国分裂」「非暴力はニセモノ」

【3】“中道路線”とは実質上の中国分裂を意味する。中道路線の核心は五つある、一つ、チベットは古来中国の一部ではない独立国家で1951年に中国に占領されたと主張。二つ、歴史上存在したことのない大チベット区(四川、甘粛、雲南、青海などのチベット自治州を含む)を作り上げて新たな行政区としようと画策。三つ、中央政府がとうてい受け入れられない高度の自治(外交・国防以外の政治決定をチベット人による自治政府に委ねるというもの)を要求。四つ、チベット地域の解放軍撤退を要求。五つ、青蔵高原にモンゴル族など他の民族も居住していることを無視して多民族を排除しようとしている。こうした中道路線は、中国の歴史、現実、憲法、法律、基本制度およびチベットの歴史や民族関係、チベット族を含む中国人民の根本利益に合致せず、事実上のチベット独立を実現するための政治要綱である。

【4】14世ダライ集団が掲げる「和平」「非暴力」はニセモノであり、偽善によって国際社会を騙している。14世ダライ集団はチベット独立の目的のために暴力的手段を放棄したことはない。14世ダライ集団は米CIAの武装支援を受けたことがあり、チベットの武装反乱期間、CIAは工作員を現地に派遣しただけでなく、14世ダライの逃亡も幇助。独立派分子に武装訓練を施し、大量の武器装備を投じた。2008年3月14日の深刻な暴力事件(ラサ事件)も、14世ダライ集団が画策、扇動した。14世ダライは事務所を通じて、この暴力事件を平和抗議だと美化した。14世ダライ集団は平和の祭典五輪の妨害においても、その非暴力の虚偽性を暴露した。聖火リレーの妨害などの野蛮行為は、国際社会からも非難を受けた。さらに、自分を暴力に晒す焼身自殺に僧俗信者を走らせ、これを「最高形式の非暴力の抵抗運動だ」とした。

「愛国は14世ダライと同胞に求める基本的要求」

【5】60年以上前になるが中央政府は祖国統一、民族団結の大局から、積極的に14世ダライと協力し、チベット平和解放を実現してきた。1959年に14世ダライが国外逃亡した後も、中央政府は仁義を尽くした。ダライ・ラマというこの大活仏の称号および歴史と地位と影響力は中央政府の封授と切り離すことはできない。

 毛沢東は1959年10月、インド共産党代表団と会談した時にこう発言した。「もしダライが我々の主張に賛成するのなら、ダライの帰還を希望する。たった二つの主張である。まず、チベットが中国の一部であること。そして、チベットで民主改革と社会主義改革を推進すること」。

 しかし14世ダライはインド・ダラムサラに亡命政府を樹立し、チベット独立を目指した。

 愛国は中央政府が14世ダライおよび海外のチベット同胞に求める基本的要求である。1979年8月から1980年9月まで、中央政府の関連部門は14世ダライが派遣した三回の参観段と二回の親族帰国参観を受け入れてきたが、14世ダライはこの中央の善意と貴重なチャンスに応えないどころか、チベット独立の立場を頑固にも変えなかった。

 1979年から2002年まで、中央政府は13回にわたり、14世ダライ特使を受け入れ、2002年から2010年1月までに、さらに10回にわたり、彼らの帰国に同意した。だが、14世ダライは中国憲法に違反する中道路線を堅持しているだけでなく、実質、祖国分裂の主張を行い、暴力によって北京五輪を妨害し、ラサ3・14事件や焼身自殺事件などの破壊活動を画策、引き起こしている。2011年に14世ダライは政治活動から退くことを宣言したが、14世ダライ集団は公然と政府名義で中央政府と話し合いを呼びかけ、公然と交渉の基礎を破壊し、交渉ができない状況にしている。中央政府は、14世ダライに幻想を捨て、現実を正視し、誤りを正して、亡命チベット族同胞にとって有益になる客観的理性的道を選択することを望む。と、締めくくっている。

チベット白書の最大の要点は、中国はダライ・ラマ14世およびチベット亡命政府に対して一切の妥協の用意がなく、中国政府とチベット亡命政府の話し合いが今後進むという期待はほとんどないということである。こうした中国側の態度について、正直目新しいものはない。

中国とチベットの深い溝と「焼身」の意味

 だが、【4】で焼身自殺を「自分自身に対する暴力」と定義したことは、日本人の多くは明確に反対することもできないかもしれない。私自身、この未だとどまる事を知らないチベットの焼身自殺をどう受け止めていいかわからず、共感もできず、かといって否定もできないでいる。チベット焼身問題の報道は日本ではやはり少ないと思うのだが、おそらく記者自身が理解できず、報道、分析を躊躇させている面があるのではないかと思う。

 そういうときに、ドキュメンタリー映画「ルンタ」は、チベット焼身自殺、いや焼身抗議の問題と真正面から向き合った作品といえる。これはダラムサラ在住の日本人建築家でブログ「チベットNOW@ルンタ」で、チベットの今を発信し続けている中原一博氏をナビゲーターに、チベットの焼身問題の実像と背景に迫ろうとしたものだ。池谷監督と中原氏、スタッフらが、観光客を装いながら潜入取材した決死の映像も多く含む。

 中原氏は、チベット亡命政府の専属建築士として亡命政府庁舎や僧院、ノルブリンカ・インスティテュートやダライ・ラマ14世のベッドなどの設計を手掛けたほか、インドに逃げてきた元政治犯チベット人たちの自立支援施設「ルンタ・ハウス」を自分で資金を集めて建設したことでも知られる。

 ほとんど亡命チベット人たちの身内ともいえる中原氏の立場で見たチベットの「焼身」は、自殺ではなく殉教と呼ぶべきものだった。「非暴力の抵抗」であり「勇気ある利他的行動」であり「人間の尊厳を守る行為」とも言える。

この映画ではいくつか印象的なエピソードがある。

 1つは甘粛省のマチュという町の野菜市場で2012年3月3日に焼身抗議を行った19歳の女子中学生・ツェリン・キの物語である。中原氏は、マチュを訪れ、彼女の通った学校を尋ね、友人や親族らにインタビューしている。彼女の学校は、中国語教育が強制され、それに反発する学生たちがたびたびデモを起こしたこともあった。彼女は友人たちに「チベット語を守ることがチベット文化を守ることだ」としばしば語り、自らもチベット語擁護デモにも参加していた。また彼女の家は牧民であるが、政府が生態保護を掲げて導入する牧民の移動制限、定住化、生態移民などが、チベット牧民の生活を貧しくさせ、文化を荒廃させている背景なども映像は映し出している。

チベットの人々への思いやりと祈りを込める

 彼女は焼身を実行する二日前、ちょうど冬休みが明けて学校に戻る前日、母親と一緒にベッドに入り、寝るのが勿体ないように夜通しおしゃべりし続けたという。その中で『チベットのためになにかできなければ人生に意味はない』と語り、翌朝学校に行く前に、父親からお小遣い500元をもらったときに、「500元もらったので、このままお嫁に行ける。お嫁に行ったら、もう帰ってこないかも」と言い残したという。この時、すでに焼身の決意を固めていたようだ。

 また、2008年4月にアムドのラプラン僧院で、BBC記者たちの前で抗議活動を行った青年僧がダラムサラに逃げ延びてルンタ・ハウスで勉強中だということが分かり、彼にもインタビューしている。あの抗議活動が原因で、同門の僧が二人死亡したという。そして自分も「殺されるかもしれない」という恐怖を味わった。その彼が焼身について「他人を傷つけずに民族同胞のために命をささげる個人の勇気ある行動」と称えていた。

 また、デモに参加したことで6年間投獄された間に、電気棒で何度も失神させられるという拷問を受けた経験を語る女性も登場する。骨折などすれば病院に運ばなければならないので、看守たちは外傷の少ない電気棒という拷問具を愛用するのだという。彼女は拷問に耐え抜いたことを「互角に戦えた」と誇らしげに語るが、デモに参加するだけでそんな拷問が待ち受けているとするなら、焼身の方が人間としての尊厳が守られた抗議の在り方であると思うことは不思議でないではないか。映画のラストは焼身者が残した遺書が朗読されているが、中国政府に対する恨みや罵詈雑言はなく、政府と争わないように、家族が仲良く平和で暮らせるように、自分の死を悲しまないようにという、残されていくチベットの人々への思いやりと祈りを込めたものばかりだった。

こういった行動を日本に暮らす普通の日本人に理解できるかというと、難しいだろう。池谷監督自身が「やはり理解できない」という。

愚かだと無駄だと、無視してはならない

 だが、それが「宗教による洗脳の結果による暴力」であるとは思えない。焼身者たちは、残された家族への思いやりもあり、年相応の交友関係も社会性も人生の夢や希望もあったのだ。けっして狂信者でも宗教原理主義でもない。これは「暴力」という手法を「絶対いけない」と自ら封じた人間が、自分なりにチベット社会やそれに属する家族や愛する人たちを守るために考えに考え抜いた最後の抵抗の在り方ではないかと思うのだ。

 中国政府が、これを暴力だと断じ、同情も妥協の余地もないのだと主張したとしても、せめて国際社会の心ある人たちは、140人以上のぼる焼身者の行為を、愚かだと無駄だと、無視してはならないと改めて思う。理解できなくても、少なくとも理解しようとその背後にある歴史や物語と向き合うということが大事ではないだろうか。

 「ルンタ」は夏ごろから渋谷・シアターイメージフォーラムなどで順次公開されるそうだ

4/21日経ビジネスオンライン 高濱賛『米議会での安倍演説は「戦後70年談話」の序曲 慰安婦はhuman traffickingの被害者――は受け入れられるか?』記事について

アメリカも韓国の裏切りを見て、裏に中国の存在を認めだしたのでは。日米韓を分断する手として、彼らが主張する歴史認識の中に工作を見出していると思います。アメリカも日本が強くなるのを押えて来た節があり、「瓶の蓋理論」と言われるものですが、目の前に広がる中国の脅威に対して、時代遅れになってきているとの自覚が出てきているのでは。韓国は非韓三原則にして日米豪印で中国の軍事的膨張を防ぐため、封じ込めればよい。中国は人口が大きいし、各国と経済的依存関係ができているので封じ込めることはできないという議論がありますが、そんなことはないと思います。経済の観点からだけで戦争を防ぐことはできないと言うのが、過去の歴史をみれば分かります。中国がアウタルキーになれば生きていけるでしょうが、資源もなく、技術、資本もない国、輸出と不動産投資で食っている国が経済制裁されれば干上がります。欧米がロシアに経済制裁を課しているのだから、イザとなれば中国にだってできないことはない。

安倍首相は「村山や小泉の言ったことは引き継ぐが、再度繰り返し述べることはない」と述べました。昨日のバンドン会議でも「深い反省」だけで「侵略」と「お詫び」については触れませんでした。これが訪米議会演説、8/15の70年談話のベースになると思います。韓国は大人の国でないからまだブツブツ言っていますが。昨日の発言について昨年末の首相の靖国参拝の時と違い、アメリカから何の発言もなかったです。多分アメリカと擦り合わせした結果の発言では。“human trafficking”も擦り合わせ済みと思います。韓国政府が「強制性はなかった」と述べるまでに至りましたのもアメリカの圧力でしょう。そもそも中韓に70年前の日本を非難できる立場にはありません。中国は今でも法輪功信者の臓器売買に手を染め、かつチベットへの侵略と虐殺の罪で、江沢民等はスペインに犯罪者として入国できません。また、韓国はベトナムとの「ライダイハン」の問題や世界に冠たる売春輸出大国ですから。

情報強者になり、「自分の頭で考える」ようにならないと、本当の意味で強い国は出来ません。

記事

4月29日から安倍晋三首相の公式訪米が始まる。同首相の訪米は2013年2月以来のこと。日米首脳会談は昨年11月に東京で開かれて以来5カ月ぶりだ。オバマ政権は国賓級の待遇で安倍首相を迎える。

 国家元首ではない、行政府の長を国賓級で迎えるのは極めて異例だ。さらに米議会は、日本の首相として初めて、米上下両院合同会議で演説する機会を提供する。「太平洋戦争終結70年を重く考える日本の意向を踏まえた米側の最大限の対応」(米国務省幹部OB)と言える。

訪米の狙いは「強固な日米同盟」を誇示すること

 安倍首相は訪米に先立ち、米有力紙ワシントン・ポストと単独会見を行い、今回の訪米の狙いは(1)日米同盟の一層の強化・緊密化(2)環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとする日米経済関係の拡充(3)米国の対日認識深化--を挙げている。

 1961年に池田勇人首相(当時)が訪米した時以降、これまでの首相訪米は、懸案解決の具体策を「手土産」に携えて出向き、米大統領との首脳会談に臨むことが少なくなかった。首相が交代するたびにワシントンに赴くことから「参勤交代」「お目見え」などと揶揄もされてきた。

 今回の安倍首相の訪米はこれまでの首相訪米とは明らかに異なる。戦後70年の節目を迎えて、日本は「米国にとってかけがえのない、最も緊密な同盟国」となった。日米間には確かに懸案があるが、かっての繊維交渉や牛肉・オレンジ交渉といったホットな懸案はない。日米防衛協力を一層強化するための、集団的自衛権行使を容認する「安保法制」も閣議決定され、関連法案の具体的な作成作業に入っている。TPPも合意に向けた最終段階に入っており、米議会ではオバマ大統領に通商一括交渉権(TPA)を与える動きが加速化している。「議会がこれを処理すれば、TPPは一気に進む」(甘利明TPP担当相)状況になっている。菅義偉官房長官が今回の首脳会談を「強固な日米同盟を世界に示す上で重要かつ有意義」と誇らしげにコメントしているのも頷ける。

安倍演説は「戦後70年談話」の序曲

 米議会もこうした背景を認識して、安倍首相に米上下両院合同会議での演説を用意した。諾否を決めるのは米下院議長だ。過去に、岸信介首相(58年当時)と池田首相(61年当時)が米議会で短い挨拶をしているが、いずれも下院の場だった。

 これまで日本の首相が米上下両院合同会議で演説していないのは、日本側が積極的に希望しなかったことが大きい。ただし、小泉純一郎首相のようにこちらから要請したが、同氏の靖国神社参拝が米議会の一部で問題となり、当時の下院議長が招請できなかったこともあった。

 安倍首相の議会演説がどのような内容になるのか。この議会演説は8月に発表が予定されている「戦後70年談話の序曲」(米議会関係者)と見る向きが少なくない。米国務省は、2013年12月に安倍首相が靖国神社に参拝するやいなや、「失望した」という異例のコメントを出した。米メディアも安倍首相が「強硬なナショナリスト」であると散々批判した。

スピーチライターが秘かにワシントン取材

 この議会演説において、歴史認識にどう言及するのか。安倍首相も人一倍神経を使っているようだ。演説の草稿作りを担当しているスピーチライターT氏が3月中旬、ワシントンを秘かに訪問し、議会関係者やシンクタンク関係者と会って、「アメリカが聞きたいこと」について意見聴取をした。また外交問題に関して最も信頼している側近、谷内正太郎国家安全保障局長も3月17日、ワシントンを急遽訪問し、スーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)と緊密な協議をしている。

 そうした日米政府間の摺り合せの一端が表れたのが、先に紹介したワシントン・ポスト(3月27日付)との単独会見だ。いわゆる従軍慰安婦問題についての安倍首相の発言がそれだった。

安倍首相が「慰安婦は人身売買」と定義

 安倍首相は会見の中で、慰安婦を「ヒューマン・トラフィキング」(human trafficking=人身売買)と定義づけ、「人身売買によって酷い目に遭い、想像を絶する苦しみと言いようのない痛みを受けた人々を思うと胸が痛む」と述べた。同首相が慰安婦たちを「人身売買の犠牲者」と定義したのはこれが初めてだ。

(”Shinzo Abe’s optimistic vision,” David Ignatius, Washington Post, 3/26/2015)

(”David Ignatius’s full interview with Japanese Prime Minister Shinzo Abe,” David Ignatius and Post Opinion Staff, Washington Post, 3/26/2015)

 「ヒューマン・トラフィキング」とは、人間を金銭などを対価として売買する「人の密輸」。強制労働、性的搾取、臓器移植、薬物の生産・取引が目的であるケースが多い。1949年に発効した国連の「人身売買禁止条約」「国際組織犯罪防止条約」などで禁止されている。

 安倍首相は、慰安婦はまさにこの「人身売買の犠牲者」に当たると定義づけたわけだ。米上下両院議員たちがこの安倍首相の定義づけに賛同するだろうか。インタビューしたイグネイシャス記者は、「首相の側近は首相がこういった表現を使うのはこれが初めてだと説明している」と書くに留めている。

 この見方に対して、韓国政府は直ちに「(慰安婦問題の)責任を民間業者に転嫁し、(日本)政府の関与と責任を否認しようとする狙いなら受け入れられない」と反発している。が、「日米首脳会談および議会演説は一義的には日米の話。そこに第三国が割り込むのは本来おかしな話だ」(米主要シンクタンクの上級研究員)と米側は冷静である。

好評だった豪議会演説の踏襲も

 目下、草稿の作成が進められている演説文はどのようなものになるのか。それを占う参考材料となるのが、2014年7月8日に豪州議会で行った演説だと米専門家筋は見ている。これは、豪国会議員や豪メディアにおいて極めて好評だった。

(”Japanese Prime Minister Shinzo Abe addresses at Australian Parliament,”)

 「私たちの父や、祖父の時代に、ココダ(日本軍と連合軍が戦ったニューギニアの激戦地の名称)があり、サンダカン(マレーシアの地名。ここにあった日本軍捕虜収容所で、豪英兵捕虜が死の行進を行った)がありました。何人の、将来あるオーストラリアの若者が命を落としたか。生き残った人々が、戦後長く、苦痛の記憶を抱え、どれほど苦しんだか。歴史の暴戻を前に、私は語るべき言葉をもちません。亡くなった、多くの御霊に対し、私はここに、日本国と、日本国民を代表し、心中からなる、哀悼の誠を捧げます」

安倍首相は、オーストラリアが日本に示した寛容さを指摘した。第二次大戦中にオーストラリアで戦死した松尾敬宇海軍大尉の母親をオーストラリアが招待したこと、メンジーズ首相(当時)が語った「日本への敵意は去るべきだ」という言葉を、その象徴として引き合いに出した。松尾大尉は特殊潜航艇でシドニー湾への攻撃を試みた人物だ。

 最後に、議場の傍聴席にいた2人のオーストラリア人の名前を挙げつつ日豪友好を強調してやんやの喝采を浴びた。その一人は、東日本大震災直後に76人の消防士を率いて南三陸で救援活動に当たった消防隊長。もう一人は、64年東京五輪に参加した水泳のドーン・フレーザー選手だ。

 日本の外務省関係者も、この豪州演説を対米版に焼き直す案を検討していることについて否定していない。演説の際に、日米にゆかりのある米国人を何人か招待し、演壇から呼びかける方式も検討しているようだ。

傍聴席に招かれる米国人は誰か

 その場合、上下両院合同会議の舞台となる下院本会議場の特別傍聴席に誰を呼ぶのか。安倍首相周辺では、「バターン死の行進」の生き残りであるレスター・テニー博士(95=元アリゾナ州立大学教授)などを候補者の一人として検討しているようだ。これはワシントンの政治外交専門レター「ネルソン・リポート」編集主幹、クリス・ネルソン氏が安倍周辺筋から聞いた情報だ。「バターン死の行進」は、第二次大戦中、フィリピンに進攻した日本軍が米豪捕虜など7万6000人を移送した際、約7000人から1万人を死亡させた事件だ。同博士は旧日本軍の虐待に対する恩讐を超えて、長年にわたり日米の相互理解と友情を深化させた功績がある。2013年12月に佐々江賢一郎駐米大使から表彰状を授与されている。

 テニー博士のほかに首相周辺が狙いを定めているのは、故テーラー・アンダーソンさん(享年24歳)の両親あるいは兄弟だ。アンダーソンさんは、JETプログラムの英語指導助手として日本で働いていた。宮城県石巻で東日本大震災に遭って亡くなった。安倍首相としては彼女の献身的な働きを称え、これまでに築き上げられた日米友好の絆の強さを若い世代に訴えたいところだろう。

 いずれにせよ、安倍首相にとって今回の演説は、第二次大戦中の行為について日本政府がどのような立場をとっているのか、米政治の中枢が抱える不安と懸念を払拭する絶好のチャンスだ。8月に予定される戦後談話に向けた試金石となる。

 超党派シンクタンクで活動する上級研究員の一人は筆者にこう指摘した。「安倍首相が日本の将来像を描く中で過去(歴史認識)の重要性と意味についてどう考えているのか。これを自分の言葉で、しかも英語で、米議員たちに直接話すいい機会だ。ややもすれば、安倍首相は右翼ナショナリストとか国粋主義者といったレッテルを貼られる。そんな安倍首相が、自らの歴史認識について自分の口で説明し、米国内にある誤解を解く数少ない貴重な場になるかもしれない」。

ヒュー・ホワイト『アメリカが中国を選ぶ日』を読んでと4/20日経グローバルオピニオン 「米の次の世代は中国も重視 ブルース・ストークス氏(ビユー•リサーチ・センター・ダイレクター)」について

 

一読してアメリカ民主党支持の軍人が書かれたような印象を受けました。勿論本人は豪国防省副次官も務めた方ですが。多様な意見があってこそ民主主義と思うので、これはこれで良いと思います。ただ、中国の実態を把握できているかどうか疑問です。中国の公式発表を鵜呑みにしてジャッジしているのでは。

1.いつも言っていますように「騙す方が賢く、騙されるのが馬鹿」という国柄に気が付かないと。

2.中国の経済の脆弱性について考慮していない。国全体で2600兆円という借金の存在を置き忘れている。AIIBで騙して他国の金で相撲をとろうとしているのをどう見るか。軍事力の基礎は経済力ですので。

3.貧しい農民の存在があり、賃金は上がらないとあるが賃金は上がっている。それで中国人経営の会社も海外移転している。確かに農民は虫けら扱いされていますが。

4.経済成長は、人口だけの問題ではなく、資本の投入と生産性向上の2変数も大事。中国は資本がないのでAIIBを作ろうとしているのでしょう。外資の流入が減るか逃げているので米国債保有額が日本に抜かれました。生産性など2の次、パクリの名人だから革新技術については期待できない。

5.日米中印でコンサート(大国協調)をと主張しているが、訳者あとがきにあるように条件が違いすぎて当て嵌めることとはできない。そもそもで言えば(1) アメリカとしては中国の挑戦に直面して、アジアにおける指導的大国の地位を中国に譲ってアジアから戦略的に撤退するか(2)アジアにおける指導的大国の地位を守るべく中国に対抗するか(3)アジアにおける強い役割を維持しつつ中国に妥協して、覇権を分かちあうかの三つの選択肢だけと言うがそうだろうか?ルトワックの言うように中国を封じ込めるのは中国の諺にあるように「合従連衡」すればできるのでは。中心は米国、次に日本(瓶の蓋を米国ははずす、核も保持させる)、インド、豪、東南アジア、できたらロシア、中央アジアも。一帯一路の意味は「総ての道はローマに通ず」とのこと。すぐに軍隊を送れる高速鉄道、高速道路を他国の金で中国の余剰人員を使って作るとのこと。賢いと言えば賢いが・・・。

6.空母はミサイルにより無用の長物となっていると言うが、この論理でいえば「不沈空母」の日本も無用の長物になるのでは。南シナ海で軍事基地を造っている意味もなくなるのでは。まあ確かに空母はコスト的に高いから米軍に惜しむ気持ちが働くでしょうけど。そういう意味では潜水艦が有利でしょうが、今の段階では中国軍の潜水艦は日本の自衛隊に簡単に捕捉されるようです。

正しいのは「国際的地位は経済力だけではない」と言ってること。

小生と意見は合いませんが、訳者の言うように今の日本人でここまで分析して国民に提言している人はいません。軍の経験のない人が言っても迫力がありません。

アメリカの世論調査の結果が日経に載ってましたので掲載します。

4/20日経記事

view research

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安倍晋三首相は4月26日から日米関係の将来について話合うために訪米する。環太平洋経済連携協定(TPP)や中国への対応など議題は多い。米国の若い世代がこれらの問題をどう受け止めるかが将来の両国関係の道筋について多くの側面を決定づけることになるだろう。調査会社ビユー•リサーチ・センターの新たな調査によると、米国の若い世代は、上の世代に比べると日本に対しておおむね前向きな見方をしている。これは日本にとって朗報だ。日本にとって悪い知らせは、米国人が日本との経済関係の深化よりも、中国との経済関係の強化の方が重要だと考えていることだ。

この調査で、米国人の約3 分の2が日本は信頼できると考えている。18〜29歳では75 %に上る。日米関係がより緊密になることを望んでいる若い世代は41%で、65歳以上の 27%と対照的だ。中国を信頼すると答えたのは全体では30 %にすぎないが、若い世代では49%だった。次世代は米国人全体よりも日本と中国の両国に対する信頼感が高い。

2014年にビュー •リサ—チがTPPの主要目標である日本や他国との貿易の拡大について調査したところ、74 %が対日貿易の拡大は米国にとってよいことだと答え、特に若者の支持率が高かった。 さらに55%は、TPPは米国にとってよいことだと回答した。若い世代の支持率は65’% だった。

米国の若い世代は、中国を将来の大国とみなしている。 14年の別の調査では次世代の 57%が、中国が既に世界の超大国になっているか、いずれ世界の超大国 として米国にとって代わると考えている。そして18 〜29歳の59%が対中貿易を拡大すべきだと答えた。

今年の調査では、日本よりも中国との経済関係を強化することの方が重要だと43%が答えた。中国よりも日本の方が重要だと答えたのは36%にとどまった。若い世代の61%が中国との経済関係の緊密化が最優先課題であると答えた。そのうえ中国の経済・軍事的台頭によって「日米関係 がより一層重要になる」と考える若い世代(51%)は、年長者(65%)よりも少ない。

米国人の目には、日米関係の現状は良好で、その道筋は有望なものに映っている。米国の特に若い世代は日本を信頼しており、対日貿易の拡大と日本とのより緊密な関係を望んでいる。しかし、だからといって米国が中国よりも日本を選ぶわけではない。

米国人は中国を経済大国で超大国とみなし、経済的に中国に近づきたいと考えている。そして米国の次世代は、旧世代よりも日本と中国の両方を信頼している。米国の若い世代にとって、アジアにおける選択は日本か中国のどちらかではなく、両方なのだ。

内容

P.5~13 日本語版への序文

今日のアジアは、中国の経済成長によって経済面のみならず軍事戦略面においても変容を遂げつつある。じつに中国の台頭は、史上最大かつ史上最速の富の分配の変化を世界にもたらしているのだ。 この変化は国際政治上の力関係をも変化させつつあり、結果としてアジアの戦略情勢は激変期に突入した。

この激変の焦点となるのが米中関係であることは言うまでもない。だが米中関係の変化は当事者の両国のみならず、アジアのどの国にとっても重大であり、とくに日本にとっては死活問題だと言っても過言ではない。私としては日本の読者が中国の台頭と米中関係の変化が日本にとっていったい何を意味するのか、その結果として日本がどのような決断を迫られているかを理解することを望むものである。

中国の台頭にどう対応するかに思いを巡らせなくてはならないのは、アジアのどの国もいっしよだが、日本はその置かれた状況が最も複雑かつ困難なものだ。そして日本の決断もまた、アジア諸国の下す決断のうちで最も重要である。というのも、中国の台頭によって日本は、一九世紀末に列強の仲間入りをしてから初めて、アジアで最強、最富裕の国でなくなったからだ。また、アジアにおけるアメリ力の役割と重みも、一九四五年以後で初めてと言ってよいほど根本的な変更を余儀なくされよう。中国の台頭がアジアの戦略•政治秩序に及ぼす変化は、じつに冷戦の終焉以上の、いや、第二次大戦の終結以後で、最大の変化かもしれない。

このようなアジアの国際秩序の変化のなかで、日本としては当然ながらその外交を基礎から再考 しなくてはならない。日本が迫られているのは、単にアジアにおける自らの役割の再定義だけでなく、国家としてのアイデンテイテイの再構築だ。そして日本が下す決断は、日本の未来のみならず、アジア太平洋地域全体にとって決定的な重みを持つであろう。

本書では米中関係のなかでも、とくにアメリカが中国の台頭に対応するうえで直面する選択肢の数々に焦点を当てている。これは必ずしも、アメリカが中国に対して下す決断のほうが、中国がア リカに対して下す決断よりも重要だと私が考えているからではない。むしろ、アメリカに限らず西側 諸国がアメリカの選択肢を注視することが少なすぎるので、このような内容にしたのだ。米中のどちらも相手に対する関わり方について重要な決断を迫られているのに、アメリカでもほかの西側諸国 (日本においてもそうかもしれない)でも、中国が何をすべきか、ということしか考えない人がほとんどなのである。

私の主張の核心は、中国の国力が大きくなるとともに、中国のみならず西側諸国もまた自らの行動について妥協と調整をしなくてはならないというものである。これまで西側は中国に対して、中国が西側とどう関わるべきかを一方的に決めてきたが、今後それは—ちょうど中国が西側に対して、西側が中国とどう関わるべきかを一方的に決めることができないのと同じように—できなくなる。これは言い換えれば、西側諸国も中国も重要な岐路に直面しているということだ。どちらの方向に進むかについて、誰もが注意深く考えなくてはならないのである。

そしてアメリカが中国の台頭についてどのような選択肢を有し、どのように対応するべきかを明確 にすることは、日本にとってはとくに重要だと思われる。アメリカの決断は日本の選択にきわめて大きな影響を与えるだろうし、同時に日本の決断がアメリカの選択にきわめて大きな影響を与えるからだ。じつに中国の台頭に対する日本の対応は、アメリカの中国への対応を完全に把握していないと理解できないし、アメリカの対応は日本の対応の完全な把握なしには理解できないのである。

これは日米関係の根本が、つねに米中関係によって決まってきたからだ。一八九八年にアメリカがフィリピンを領有してからというもの、日本の国際的な立場にとって、そしてより広いアジアの戦略状況にとって、鍵となってきたのは常に日米中の三国関係だった。今日においても、これは真である。したがって日本のアメリカ、中国そしてほかのアジア諸国との関係は、将来の米中関係から深甚な影響を受けるであろう。だがそれと同じくらい、日本の政策と行動は米中関係の今後の展開に影響を及ぼすものと思われる。日米中の三角形は良くも悪くもアジアの、そして日本の未来を決定していくのだ。

本書で私が展開する米中関係の未来と、それに関してアメリカが下さなければならない決断とについての分析において日本が大きな役割を演じるのも、このためである。日本の位置づけについては第5章で全面的に検討しているが、ほかにも多くの箇所で取り上げている。私の考えを煎じ詰めれば、中国の台頭とともに、「吉田ドクトリン」と「福田ドクトリン」に体現される、日本が第二次大戦後に築き上げた外交姿勢を維持できるかは、大いに疑問だというものだ。今日まで大いに成功をおさめてきたこの外交姿勢を、将来いつまでも続けたいと、大多数の日本人が考えていることだろう。だが日本の平和主義、経済重視の姿勢が成功し続けることを可能とした環境が、いまでは変化しつつある。このため従来の外交政策は、日本の必要を満たさなくなるであろう。日本としては嫌々ながらその外交政策を改める以外に、ほとんど選択肢を持たないのである。

その理由は簡単だ。日本としては中国が強くなればなるほど、中国をアジアの指導的大国として受け入れ、自らの国益を中国のそれに従属させることを強いられると恐れるであろう。その恐怖心は、ごく自然なものだ。

現状では、そのような圧カから自らを守ることについては、日本はアメリカに依存している。だが 中国が強くなればなるほど、アメリカにとっては中国から日本を守ることのコストも危険性も、どん どん上昇していく。また、米中関係が良好になればなるほど、アメリカは日本防衛について消極的になっていくであろう。

ということは逆に、中国が強くなればなるほど、日本の安全は米中対立に依存するようになる。米 中対立が激化するほどに、アメリカが日本を支持する確率が高まるからだ。だが同時に、米中対立が激化することは日本にとっては経済的にも安全保障面でも大災厄である。これこそが日本が今日直面するジレンマの本質であり、このまま中国が強大になり続ければ、そのジレンマの悩ましさは増していくばかりなのである。

このジレンマの源は単純明快だ。安全を確保し、その地位と利益を守るためにアメリカに依存する という日本の外交政策は第二次大戦後一貫してうまく機能してきたが、これはアメリカがアジアにおいてほかを圧倒する形で最強の国であり続けてきたからだった。とくに一九七二年のニクソン訪中以後の四〇年間というもの、中国は暗黙のうちに(単に中国の国力がアメリカと対峙するのには不足しているという理由からだけであったにせよ)アメリカの覇権をアジアの国際秩序の基礎として認めていた。

だがいまでは中国はアジアにおけるアメリカの指導権に挑戦するところまで強くなっている。そし て過去数年間というもの、中国はアメリカに対する挑戦姿勢を露骨なものとしてきた。いまや、自ら の指導性を発揮する野心を抱き、その野心に抵抗するようであればアメリカに対してさえもきわめて甚大なコストを負わせるほどに強大な中国に、日本もアメリカも初めて直面しているわけである。

そしてこの新しい状況のもとアメリカが自らのアジアにおける位置を再考しなくてはならないのと 同じように、日本もまた自らの外交政策を、その基礎となっていたアメリカの圧倒的優位が自明のことでなくなった以上、再考しなくてはならなくなったのである。

尖閣諸島に関する日中間の紛争には、こうした変化のすべてが明確に現れている。中国は日本に対 して、尖閣に関する要求を吞むよう強く主張しているが、その主張のしかたたるや、ほんの数年前には考えられなかったようなものである。これは中国の強大化と、その野心の増大の双方からくる変化だ。いや、じつは中国は尖閣問題を、自らが強大であり、かつ野心満々であることを示す道具と考えているのかもしれない。

一方、アメリカは中国の行動についてどう対応するか、またどのようにして日本を支持するかにつ いて、きわめて注意深く振る舞う以外の選択肢を持たなくなっている。このため日本としては、中国とののあいだで何らかの武力衝突が起きて紛争が激化する危険性が生じたときに、アメリカが究極的に介入をするつもりでいるかどうかを疑わずにいられない。この場合、中国との紛争に突入するいかなる?リスクも回避したいアメリカを誰も非難はできないが、同様に日本が自らの安全保障のすべての基礎となる同盟の行く末を心配するのも、きわめて自然なことだ。

では日本としては、何ができるのだろうか。

これは部分的には、アメリカが下す決断にかかってくる。本書で私は、アメリカとしては中国の挑 戦に直面して、アジアにおける指導的大国の地位を中国に譲ってアジアから戦略的に撤退するか、アジアにおける指導的大国の地位を守るべく中国に対抗するか、それともアジアにおける強い役割を維持しつつ中国に妥協して、覇権を分かちあうかという三つしか選択肢がないことを繰り返し論じている。

これら三つのうち、アメリカのみならずアジア全体、いや中国にとってさえも、第三の選択肢が圧倒的に優れているように思われる。じつに、今後数十年間のアジアを平和で安定的なままに保つ可能性のある唯一の選択肢であるようにさえ思われる。だが、この第三のシナリオは、日本に深刻な影響を与えずにおかない。というのも、アメリカと中国がアジアにおいて覇権を安定的かつ調和的に分かちあうためには、日本がアメリカに安全保障面で依存しないことが必要条件だからだ。日本の安全保障がアメリカに依存している限り、日本は米中の共同覇権にとって不可欠であるような密接な米中関係を許容できないのである。

したがって、安定した米中関係を構築するためには、日米関係を解体しないとならなくなる。それは日本が独自の強国、いや、大国になるべく自己変革を遂げることを意味する。日本はアメリカ、中国、インドなどといったアジアのほかの諸大国と同じテーブルに着いて、複雑な協調関係に参加しなければならなくなるのだ。

これが日本にとって、その国際的な地位と国内政治の根底からの見直しとならざるをえないことは 論を俟たないであろう。その経済的、心理的コストはあまりに高く、じつに、ほかの選択肢があまりに苛酷で危険でなければ、荒唐無稽として一蹴してしまうところだ。だが、アメリカ、中国、インドとともに「アジアの大国協調体制(コンサート・オブ・アジア)」に参加しないのであれば、日本としては中国が霸権を握ったアジアにおいて従属的な地位に甘んじるか、それともアメリカの中国封じ込め戦略を支持して、いつ終わるとも知れない米中対立の構図—しかもそこには米中戦争のリスクが少なからず潜んでいる—に組み込まれるか以外に、選択肢がないからだ。「コンサート」への参加が困難であるにせよ、それが最良の道であることは確実なのである。

この手の「日本外交の革命」は、日本国内において激しい論争を巻き起こすであろう。いや日本周辺のアジア諸国でも、激しい論争が発生するはずだ。そうした論争は不可避だが、同時にその論争は、本当の問題が何であり、その問題に対処するほかの選択肢がいったい何なのかについての、完全な理解を踏まえたものでなければならない。そして、これらの論争は、日本の国家としての性質とそのアジアにおける地位についての正確な理解を土台として行われなければならない。

経済面で言えば、日本の富と潜在的な国力は巨大なままであり、そのような日本が戦略的な重みを持った大国となることは十分に可能である。そして日本は、ほとんど七〇年間にわたって安定的な地域秩序の柱石として実績を積み重ねてきた。過去における日本の軍国主義は、もはや「普通の大国」としての日本の役割を拘束するべきではないのである。また、「アジアの世紀」が平和で安定したものであるためには、日本が新しい地域秩序を構築するのに自らが積極的であり、また周辺諸国がそのような日本を尊敬することにかかっていると、誰もが理解しなくてはならない。

これらの問題を論じる私がオーストラリア人であることを、日本の読者は奇異に感じるかもしれな い。だが中国の台頭は、日本にとってそうなのと同じくらい、オーストラリアにとっても含意に富ん だ出来事だ。まず、オーストラリアも日本と同様、アジア太平洋におけるアメリカの密接な同盟国である。しかも米豪同盟はオーストラリア国家にとっては単なる安全保障の道具ではなしに、国家のアイ7デンティティの一部となっている。オーストラリア人も日本人と同様アメリカがアジアに踏みとどまって、中国との紛争のリスクを回避しつつ強力で活発な役割を果たすことを望んでいるのだ。

そしてオーストラリアも日本と同じく、アメリカがアジアの大国であり続けることがどのようにして可能なのか、またそれが自国の未来にとってどのような意味を持つのかについての大論争に直面し ている。

オーストラリアにも、本書の議論に賛成しない者が大勢いるだろう。だがオーストラリア人の大多 数が、日本がアジアの主要大国のなかに正しい位置を占めるようにならない限り、アジアの平和と繁栄は蜃気楼でしかないという私の見解に同意すると、私は信じている。

P.264~266 訳者あとがき(徳川家広訳)

本書は現実主義(リアリズム)の立場を徹底させた、きわめて優れた国際政治分析の書だ。現在の アジア太平洋の覇権国アメリカとの比較で中華人民共和国が強くなりすぎた以上、両国は対立ではなく協調の道を歩むべきだというのが、その基本的主張である。そして現在はアメリカと組んで中国と対峙する道を選んでいる日本も、そのような変化に合わせて行動を変えないといけなくなる。国際政治分析などというと何やら遠い世界の話に思えるかもしれないが、本書は日本人の一人ひとりにとって切実な問題を扱ってもいるのだ。

理論的な思考のできる者は浮世離れした研究に専念し、現実を語る者は理論的な分析枠組みを持たないという日本の政治学の世界の現状からすると、本書は突出した出来栄えだと言えよう。しかもきわめて読みやすく、論旨は明快である。だが本書の議論はていねいに、かつ強靭に組み立てられている。著者のホワイト教授が名門•オーストラリア国立大学の戦略研究所の所長という、「国」の要職に就いていたという事情も、そこには作用しているのだろう。

自分の分析結果が、直接に政策に反映されうる立場なので、慎重にならざるをえないのである。だが、アジア太平洋の「中級国家」オーストラリアとしては、日米中の関係は自国の生存に関わる一大事だから、必要に応じて大胆に想像力を飛躍させることも避けられない。その結果として、さして大部でもない本書は、強烈な説得力を発揮する。著者が執筆に先だって膨大な時間を議論と思索に費やしてきたことは疑いようがない。

ところで、現実主義の国際政治分析とは、いったいどのようなものであろう? それは、ある国の行動について考える場合、その国の人々の価値観(民主主義、イスラム教など) は重視せず、またその国の指導者を善悪にもとづいて評価する(日本人が北朝鮮の歴代指導者に対して行ってきたように)こともせず、どの国も生存と威信を求めて合理的に行動するという前提を立てることである。どの国も自力で自衛することを強いられるのだ。その前提から導き出されるのは、国と国のあいだの国力差が決定的に重要な変数だということである。力関係、英語でいえば、「バランス・オブ・パワー」である。

ただし、現実主義は悲観論ではない。バランス•オプ•パワーを理解すれば、平和が構築できると 信じるのだ。ただし、国と国のあいだの力関係について現実的になることは、普通の人々の良識に著しく違背することもある。本書に登場する、アメリカが中国のような人権侵害の共産国と対等の関係を結ぶことは、アメリカ人の多くにとって納得しにくいという著者の危惧は、その好例であろう。この点について議論するのを忘れないのは、経験豊かな現実主義者ならでは、と言えよう。そのようなホワイト教授の分析の「冴え」を味わっていただければ訳者として嬉しい限りである。        

なお、1つだけ異論というか、気になった点がある。それは、ホワイト教授がアジアの未来に「コンサート」が成立することに期待しているという事実だ。というのも、本書の記述にある通り、コンサートすなわち大国協調の原型であるコンサート•オブ•ヨーロッパは、ナポレオン戦争後に成立したヨーロツバの国際秩序である。このときは、ヨーロツバの主要国は全員、一致団結してナボレオン を倒したという現実の「連帯の契機」を有していた。国連の安保理常任理事国が、かつて一致団結してヒトラーを倒したのと、同じことである。

そのような経験は、日米中の三国の場合には存在しない。ましてインドにおいておや、である。そ う思うと、やはりアジア太平洋の未来は、相当に険しいものなのかもしれない。私としては、ホワイ ト教授の読みが当たり、彼の壮大な構想が実現されることを祈るばかりである。

本書の訳には時間がかかった。議論は明快で英語も一見すると難しくないのだが、中国をにらむアメリ力とアメリカをにらむ中国とが主客転倒を操り返す、「複数の主体」が作用しあう物語は、なかなか日本語にはなりにくいというのが私の弁明だ。本書を見つけ出して、忍耐強く訳稿の完成を待ってくれた勁草書房の上原正信氏には、「日本政治の大転換」のときと同じく、篤く感謝の念を述べた いと思う。どうもありがとうございました。