12/10日経ビジネスオンライン 鈴置高史『核武装して“奴隷根性”を捨てよう 親米派も「今度こそ、米国の脅しは聞かない」』について

朝鮮半島人は被害妄想と誇大妄想とを併せ持った民族でしょう。まあ、ウリジナルを主張しない北の方が南よりマシかも知れません。「事大主義」もそこから出て来るのでしょう。魯迅の阿Qみたいなものでしょう。すぐに他人を羨みますが、自分の心の中でそれらを侮蔑することによってしか心の安寧を得られないタイプです。哀れと言えば哀れですが、韓国は中国同様「息を吐くように嘘をつく」民族だから、世界に悪を為している国と思った方が良い。

「核武装は韓国人の奴隷根性と事大主義を克服する」とか言っていますが、彼らにそんな技術があるのかどうか?自前で衛星を打ち上げられず、原発部品は偽物仕様、兵器はすぐ壊れる等、枚挙に暇はありません。開発中に爆発でも起こしたら、放射能が偏西風に乗って日本にやって来ます。

極悪な連中に取り囲まれている日本こそが核武装しなければならないと思っています。「国と国とにあるのは友情ではなくて、国益のみ」です(英首相パーマストンの『わが英国にとって、永遠の同盟もなければ永遠の敵もない。あるのはただ一つ、永遠の英国の国益のみ』より)。米国との同盟でも、日英同盟が破綻したように、破綻することもありうるからです。サウジがイザとなったらパキスタンから核爆弾を入手できるようにしていると言われていますが、それと同じように日本もインドから入手できるようにしておけばよいと思います。新幹線の1兆4000億円の借款はそれでチャラにしても安全が買えるなら、それで良しとすべきでは。また一方では、米国の関与を深めるためにも「ニュークリアシエアリング」の話を進めて行くべきです。

記事

前回から読む)

 奴隷根性を捨てるためにも核兵器を持とう――。韓国の核武装派は主張する。

北東アジアに恐怖の均衡

前回前々回は、朝鮮日報という韓国の最大手紙が核武装を呼び掛けているとの話でした。

鈴置:この新聞の核武装論には年季が入っています。2013年2月12日に北朝鮮が3回目の核実験をしました。

 その直前に、保守論壇の大御所である金大中(キム・デジュン)朝鮮日報顧問が「北の核実験、見学するだけなのか」(2013年2月5日、韓国語版)を書いています。ポイントは以下です。

  • 北朝鮮が核兵器を放棄することはあり得なくなった。世界も北の核を既成事実として認める方向に向かっている。
  • 可能な対応策は3つしかない。まず、米国など西側が北朝鮮との関係を正常化して国際社会に引き出すことだ。ただ、これは不確かな方法だ。
  • それが難しい場合、一定の国際ルールの下で韓国が核保有することにより、北朝鮮の核の効果と意味を相殺する方法がある。北東アジアを「核の恐怖の均衡地帯」にするということだ。
  • 最終的には「北の核」ではなく「北の体制」を変える発想に立って根源的に解決する道がある。金氏体制の崩壊と統一がそれである。

米日中ロに通告

—北の核武装に対抗するための案は3つあるけれど、1番目と3番目は実現が難しい、ということですね。

鈴置:ええ。従って、直ちにとり得る道は2番目の「韓国も核武装すること」だと金大中顧問は主張しているのです。

 その20日後になりますが、朝鮮日報は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が就任した2013年2月25日の社説「北の核を超える新たな国家戦略が必須だ」(韓国語版)でも、以下のように主張したのです。

  • 北朝鮮から「最終的な破壊」と核兵器で脅迫されている韓国としては、国際協力とは別次元の軍事的・政治的な対処方法を独自に模索するしかない。
  • 国家と国民の保護という厳粛な課題を大統領が実践しようとするなら米日中ロに対し、我々の切迫した必要を満たしてくれない場合には我々自らが解決策をとるしかないということをはっきりと伝えなければならない。

核武装に向け国民大会

—「核武装しよう」と露骨に書いてはいませんね。

鈴置:社説ではっきりと核武装を主張すれば、世界から韓国も北朝鮮と同じ存在と見られ、北に対する核放棄圧力が弱まりかねない。そこで「核武装」との単語は使わなかったのでしょう。

 でも、韓国人が読めば「核武装の勧め」であることはすぐに分かります(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。社説はともかく、少し前に大物記者が署名記事でそう書いているのですし。

 在野の保守運動指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏も同じ時期に――北朝鮮の3回目の核実験の日に「韓国も核を持とう」と自分のサイトを通じ国民に呼びかけています。

 その記事は日本語にも訳されました。統一日報のサイトで読むことができます。「国家生存の次元で自衛のための核武装を決断せよ!」(2013年2月12日)です。

 趙甲済氏は国民の強い意思を世界に見せつければ、核は持てると強調しています。その部分を要約します。

核武装すれば国際社会から経済制裁をされると憂慮する人もいる。だが、安保のためには経済的損害を甘受する必要がある。ただ、合理的な論理と法理で世界を説得すれば、制裁は受けない。

北が核を廃棄すれば我々も廃棄することを明確にしたうえ、米国と中国の圧迫に対応できる外交力を強化していくことが奴隷根性や事大主義を克服する道だ。

自衛のための核武装運動は韓国人の奴隷根性と事大主義を克服する絶好の機会だ。我々の生存は我々が決定するとの姿勢で固く団結すれば、韓国社会の弊害のかなりの部分を解決できる。

ソウル市の中心部で数十万人が集まる「核武装要求国民大会」を持続的に開くべきだ。

韓国の核コンプレックス

—核武装と奴隷根性や事大主義が関係するのですか?

鈴置:1970年代に朴正煕(パク・チョンヒ)政権が秘密裏に核開発に動きました。しかし、米国の圧力に屈し計画を放棄させられました。

 今度こそは、大国の命じたままに動く「奴隷根性や事大主義」から脱し、核武装を実現しようということでしょう。

 逆に、核武装さえすれば大国の言いなりになる「奴隷根性や事大主義」を捨て去ることができる、との主張でもあります。

 韓国には日本のような「核アレルギー」は存在しません。被爆国ではないからです。しかし、核を持とうとしてもどうせ大国に脅されるから持てるはずはない、という別の意味の「核コンプレックス」があります。

 約40年前に脅された実体験があるからです。「朴正煕大統領が暗殺されたのは核開発に動いたからだ」との俗説さえ韓国にはあるのです。

もう、米国の言いなりにはならない

 朝鮮日報の金大中顧問も先に引用した「北の核実験、見学するだけなのか」で、以下のように「大国の横暴」を批判しています。

  • 強大国の優越意識丸出しの思考に異議を唱えたい。弱小国や途上国が核を持とうとすると、強大国は「危険性」とともに「核の効率的管理の不在」を指摘した。自分たちは管理できるが私たちには難しいとの理屈だ。

 金大中顧問も趙甲済氏も韓国では親米保守の代表的人物とみなされてきました。金大中顧問は2013年に「二股外交」というコラムを書くなど、一時は米中等距離論を打ち出しました(「保守派も『米中二股外交』を唱え始めた韓国」参照)。が、今では再び、米国との関係が最も大事だと説いています。

 趙甲済氏は「自由と民主主義の理念を共有する米国と手を組むほかない」との主張で一貫しています。

 しかし2人とも、北朝鮮が核武装するというのに韓国には許さないというのなら「今度こそは米国の言いなりにはならないぞ」と宣言したのです。

中国への過剰な期待

—では、2013年の北の3回目の核実験の後に、韓国で核武装要求運動は起きたのですか?

鈴置:いいえ、そんな運動は起きませんでした。韓国では常に大事件が起きていまして、北の核実験もすぐに忘れ去られてしまった感があります。

 趙甲済氏は別の説明――中国説を唱えています。これも当たっていると思います。日本語に翻訳された彼の著書『韓国の自衛的核武装論』の19ページを要約しつつ引用します。

  • 2013年初めから韓国で本格化した自衛的核武装論を米国と中国は真剣に受け止め、韓国政府もこれをカードとした。
  • ところが中国の北韓(北朝鮮)への態度が変わりつつあるとの希望的観測が韓国メディアを通じて広まると、同年夏からは(韓国内の)核武装論への関心が弱まった。

—中国が助けてくれると韓国人は本当に思ったのですか?

鈴置:韓国人は中国に過剰な期待感を抱きます。米国と同盟関係にある韓国の苦境を、中国がタダで救ってくれるわけもないのに。

 中国とすれば、核を失った北朝鮮を米韓が圧迫し崩壊させるリスクも考えねばなりません。下手すれば米軍が軍事境界線を越えて北上し、中国との国境まで来かねないのです。

またしても事大主義

—なぜ韓国人は、そんな過剰な期待を中国に抱くのでしょうか。

鈴置:それに関し、趙甲済氏は続けて以下のように記しています。

  • 長年の事大主義の影響が残って親中的な韓国のメディアと政界は、北の核問題の解決を中国に頼んで解決しようとした。

—またしても事大主義ですか。

鈴置:今度は中国への「事大」ですけれどね。韓国、ことにその外交を分析する時にはこの「事大主義」や、その背景にある冊封体制の歴史を考慮に入れないと、大きく読み違えます。

 例えば、韓国がなぜこれほどまでに中国にすり寄るのか、理解できない米国の外交関係者が多い。彼らは国際政治や外交史を学んではいますが西洋中心で、東洋の国際政治――冊封体制に関する知識は乏しいのです。

 話を戻すと、もちろん中国は「事大主義」に裏打ちされた韓国の過剰な期待に応えてくれませんでした。

 2013年の、朴槿恵政権にとって初の中韓首脳会談でもそうでしたが、中国はことあるごとに「朝鮮半島の非核化」を唱えます。文言が「北朝鮮の非核化」ではないことに注目下さい。

 中国は「北朝鮮の核はなくすべきだ」と言いつつ「北が核を放棄した時には南も核の傘から出るべきだ」つまり、米韓同盟の破棄を暗に要求し続けているのです。

 逆に言えば、韓国が米韓同盟を打ち切る姿勢を見せない限り、本気で北朝鮮の核問題の解決には乗り出さないぞ、ということなのです。

核開発に向け着々

—朝鮮日報が核武装の旗を振っているのはよく分かりました。肝心の韓国軍はどう考えているのでしょうか。

鈴置:軍はこれに関し一切、発言していません。しかし、世界の軍人や安保専門家の間では「韓国の国軍が核武装を検討しない方がおかしい」と言う人が多い。敵国である北朝鮮が露骨に核武装に乗り出しているのですから(「米国も今度は許す?韓国の核武装」参照)。

 ある日本の専門家も「歴代の政権の意思とは関係なく、韓国軍は核武装の夢を捨てていないだろう」と言います。

 1980年代に韓国の国立研究所が国際原子力機関(IAEA)の規約に違反し、申告せずにウラン濃縮の前工程である「ウラン転換」と、核燃料からのプルトニウム精製・抽出をしたことが判明しています。

 2000年にはこれまた未申告で、ウラン濃縮も実施しました。量は微量だったとされていますが、核兵器に使えるほどの濃度だったと報じられました。

 いずれも2004年に明らかになり、日本でも大騒ぎになりました。しかし、IAEAの規約違反に関する国連安保理での論議は避けられ、韓国に対する処分は見送られました。

 当時の国際社会は北朝鮮の核開発阻止に全力を挙げており、それへの悪影響が懸念されたためと見られます。

 一方、核ミサイルを発射できる垂直発射管を備えた大型潜水艦の建造計画が、2013年ごろから韓国で報じられるようになりました。

 例えば、聯合ニュースの「韓国海軍 3千トン級潜水艦9隻を戦力化へ」(2013年8月4日、日本語版)です。なお、韓国の安保専門家の間では少なくとも2000年代から、この計画が語られていたそうです。

歴史への罪

—本当に、核開発に向け着々、という感じですね。

鈴置:米韓原子力協定の改定交渉に関連、やはり韓国は核武装するつもりだな、と専門家から見なされました。ウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理の権利獲得に異様にこだわったからです。いずれも核兵器の製造に必須の工程です。

 この協定は1974年に結ばれ、2014年に期限が切れました。2013年になっても韓国の執拗な要求により、改定交渉が進みませんでした。

 そこで2年間、協定の期間を延長して交渉を続け、2015年4月22日に新しい協定の仮署名に漕ぎつけました。そして11月25日に発効しました。

 交渉途中の2014年10月16日に突然、違和感を覚えるコラムが朝鮮日報に載りました。書いたのは楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹です。

 楊相勲主幹は政治部長、編集局長を歴任したエース記者で、常に冷静な記事を書くことで定評があります。金大中顧問が保守論壇の大御所なら、そのプリンスといったところです。

日本は許されたのに

 彼のコラム「韓米原子力協定、歴史に罪を犯すな」(韓国語版)のポイントは以下です。

  • 現在、交渉が最終段階にある韓米原子力協定は、このままでは子孫に足かせをはめることになる。使用済み核燃料の安全な再処理と保管、原子力発電所の輸出に対する規制に加え、原発燃料の安全な確保(ウラン低濃縮)までも新たに規制するというのが米国の立場だ。
  • 米国は日本とは濃縮・再処理のすべてを許す協定を結んでいる。一方、韓国に対してはIAEAが保障した濃縮・再処理の権限まで封鎖しようというのだ。過去、核爆弾を作ろうとしたからと言うが、40年も前の話だ。
  • 我々は米国の政治・経済・軍事の力に対し過度に委縮している。この陥穽から抜け出る意思もなく、米国に道理を説く時間もないのなら協定に署名すべきではない。急ぐ理由はない。歴史に罪を残すな。

無理筋で強引な交渉

—この記事も「米国に委縮するな」と訴えているのですね。

鈴置:楊相勲主幹も親米保守ですが、国の生存がかかった問題だけに絶対に米国と妥協するな、と国民に呼び掛けたのでしょう。

 それにしても楊相勲主幹らしからぬ強引な論理です。米国が日本に濃縮・再処理を認めたのは、協定の締結前から日本がその能力を持っていたからです。

 韓国がIAEA規約に違反しウラン濃縮したのは、この記事が書かれた2014年から見て14年前のことです。40年前ではありません。

 韓国政府はメディアに「我が国は差別されている」と書かせて反米感情を煽り、交渉圧力に活用しようとしました。が、韓国の専門家の中にも「無理筋の交渉テクニック」と評する声がありました。

 というのに楊相勲主幹は「子孫に罪を犯す」との情緒的な表現まで使って、交渉に警鐘を鳴らしたのです。濃縮・再処理の権利をここで得ておかないと、国益を大きく毀損するとの危機感があったに違いありません。

 「一歩踏み出した韓国の核武装論」でも引用したようにこの後、楊相勲主幹は「金正恩も恐れさせてこそ平和を守る」(2015年5月21日、韓国語版)で核武装の必要性を説きました。11月5日には「釜山沖で考えた生存の一撃」(韓国語版)を書いて、原子力潜水艦の保有を訴えました。

軍と保守勢力がタッグ

—何だか、軍と朝鮮日報がタッグを組んでいるみたいですね。

鈴置:証拠は一切ありませんが、心証ではそうです。軍の意向を受けた保守勢力の一部が、核武装に向けコンセンサス作りに乗り出したかに見えます。メディアでは朝鮮日報だけでなく、趙甲済氏ら保守指導者が彼らのサイトで核武装を呼び掛けています。

—結局、新たな米韓原子力協定は楊相勲主幹の願い通りに結ばれたのですか?

鈴置:楊相勲主幹が満足したかは分かりませんが、2015年に結び直した新協定では、韓国は制限付きながら、濃縮と再処理を認められました。

 ウラン濃縮は「条件が整えば」との前提で20%まで可能になりました。案件ごとに米国の同意が必要だった使用済み核燃料の再処理は、一部の工程だけですが既存の研究所で実施するなら同意が不要になりました。

 「新協定で核兵器開発が直ちに可能になるわけではない。しかし、核武装への道を開いたことは確かだ」というのが原子力専門家の一致した見方です。

—今後、韓国の核武装論者はどうやってそれを実現するつもりでしょうか? 米国は認めるのですか? 国民の核コンプレックスは乗り越えられるのですか?

鈴置:それは次回に詳しく分析します。

12/11ZAKZAK 田村秀男『中国が抱える“巨大債務爆弾” たった1年で600兆円も膨れ上がっていた』について、12/9日経ビジネスオンライン 福島香織『人民元「悲願のSDR加入」後のシナリオ 「暴落回避」のための道が、中国を変えるか』について

12/9日経ビジネスオンライン 熊谷亮丸『中国の「バブル」崩壊に備えよ 「メルトダウンシナリオ」の衝撃度は?』の中で、中国は後1~2年は持つとありましたが、そこまで持つかです。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/120400169/

1年間に日本のGDP以上の債務が増えるのは財務の脆弱性を物語っています。企業債務が2000兆円もあると言うのは国際金融資本の謀略の気がします。どう考えても、キャピタルフライトを起こし、元安、中国の債務を増やして、企業を乗っ取るor中国の不動産を取得(共産党が認めるかどうかですが)可能性が高いのでは。ただ中国の会社法には「董事全員一致条項」がありますので、これを変えさせる必要があります。

福島氏の言う「人民元も毛沢東もない元に」というのは共産党統治がなくなるという風に解せますが、それはそんなに早く来ないでしょう。ただ債務が膨大になった時(今でも膨大ですが)、いつデフォルトになって、どのように決着させるかです。戦争になるのか、人民解放軍の資産接収をするのか全く分かりません。

田村記事

Chinese company's debt

米連邦準備制度理事会(FRB)が今月16、17日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の利上げを決定する。昨年秋の量的緩和打ち止めに続き、2008年9月のリーマン・ショック後から7年間続けてきた事実上のゼロ金利政策を終了する。その対外的衝撃はどうか。  日本の株式市場は「織り込み済み」との見方が強いが、新興国市場のほうでは不安がくすぶっている。特に、あおりを大きく受けそうなのが中国である。  中国の株式市場は6月下旬の大暴落以降、当局による強権によって相場の底抜けを何とか食い止めてきた。FRBは9月にも利上げする予定だったが、中国など新興国市場の動揺を考慮して決定を先送りしたが、米景気の堅調ぶりからみてゼロ金利を続けるわけにいかなくなった。  中国のほうは、習近平国家主席が執念を燃やしてきた人民元の国際通貨基金(IMF)特別引き出し権(SDR)構成通貨入りが実現した。その条件は元の変動幅拡大や株式など金融市場の自由化だが、外国為替制度は当面、元をドルに連動させる管理変動相場制を続ける。これだと米利上げとともに試練に直面する。  米利上げでドル高に向かう。ドル高はすなわち元高となり、中国にはデフレ圧力が加わる。それを避けるためには、元を切り下げる必要があるが、するとワシントンから制裁を受ける恐れが高まる。  共和党の大統領有力候補、ドナルド・トランプ氏は「中国は為替操作国」だとすでに非難しているし、大統領選と同時に行われる議会総選挙を控え、議員の多くが反発しよう。

北京のほうも、元切り下げをためらわざるをえない事情を抱えている。元安となると、巨額の資本逃避が起きる恐れがあるからだ。現に、8月に中国人民銀行が人民元切り下げに踏み切ると、大量の資金が流出した。

 グラフは、中国企業(金融機関を除く)の債務と、企業向け平均貸し出し金利から製品出荷価格の増減率を差し引いた実質金利負担の対比である。最近では、名目の貸し出し金利は4%台半ばで、1年前の6%に比べて下がったものの、製品値下がりのために実質的な金利負担は急上昇してきた。今の平均実質金利は11~12%にも及ぶ。鉄鉱、家電、自動車、建設関連など中国の過剰生産能力はすさまじく、製品価格は12年4月以降、前年比マイナスが続き、しかも減少幅は拡大する一途である。

 支払いが困難になっている企業は、金融機関に債務返済を繰り延べてもらうほか、追加融資を受けている。さらに社債など債務証券を発行して資金調達している。

 この結果、債務は雪だるま式に膨れ上がっている。日本円換算でみると、14年3月に約1500兆円だった債務残高は15年3月には600兆円以上増えた。外貨建て借り入れも増えており、元を切り下げると、その分債務負担がかさむ。

 まさに巨大な債務爆弾である。「国際通貨元」は中身ぼろぼろの「悪貨」なのである。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

福島記事

いよいよ人民元がIMFのSDR(特別引出権)構成通貨に入ることになった。SDRとは世界の主要通貨が構成する仮想の準備通貨であり、IMF加盟国が経済危機に直面した際、加盟国に配分されたこの準備通貨と引き換えにSDRを構成する通貨を融通してもらうことができる。このSDRの価値を決めるのが通貨バスケットだが、2016年10月から人民元は構成比率において米ドル、ユーロに続いて三番目に通貨バスケットに組み入れられることになった。SDR構成通貨は5年ごとに見直されてきた。2010年の段階では、人民元はSDR入りの二つの条件のうちの一つである「輸出額の大きさ」は十分満たしていたが、もう一つの「通貨が自由に取引できる」という条件は満たしていないと判断され、見送りになっていた。2015年の今回、ようやくその悲願が達成されたわけだ。今なお、人民元が自由に取引できるようになったとは到底言い難い状況であるにも関わらず、SDR入りを果たした人民元。これによって、中国経済、そして世界経済はどのような影響を受けるのだろうか。

 主に、中国のエコノミストたちが、どのように考えているかを中心に、考えてみたい。

覇権通貨への道か、ハゲタカの餌食か

 一般に日本メディアでは、人民元SDR加入後のシナリオは二通りが報じられている。一つは人民元が円を超える国際通貨となり、人民元決済や元建て債権が急速に広がり、不安視されていたAIIBの資金調達も順調となり、人民元は世界に拡大。中国は各国への投資を人民元で行い、人民元経済圏が急速に拡大、中国政府は人民元を刷りまくり、その流通量はドルをもしのぎ、やがて米国のドル基軸に挑戦する覇権通貨となる、という予想。

 もう一つは、人民元の変動為替相場制への移行の圧力となり、中国の金融市場の完全なる自由化時代が到来する。ドルにペッグされ、実際の経済実力に比して元高に誘導されていた人民元は自由化が進むにつれて下落し、人民元資産の流出が加速し、中国経済の空洞化が進む。中国政府は、さらに大量の人民元を刷るだろうが、それがさらに元安を誘発し、人民元の価値は地に落ち、ドル建てや香港建ての債務を抱えている中国企業はいよいよ追い込まれ、欧米ハゲタカ金融に骨の髄までしゃぶられる。

 いずれのシナリオであっても、隣国日本の経済にとっては相当の衝撃がありそうだが、では中国のエコノミストたちは、どのように見ているのだろうか。主なものを要約してみた。

まず肯定派の意見から。

「金融大国から金融強国へ新たなスタート」

 「中長期的には、人民元はSDR入りすることで国際化が進むという象徴的意義は非常に大きい。中国は2010年ですでに世界第二位の経済体であり、人民元のSDR入りで、SDR自身が一層のグローバル性と公正性を備えることになる。またSDRに五番目の通貨が加わることは、SDRの安定性にも寄与する。さらに加盟国にとっては外貨準備資産の選択性を増やし、多様な要求を満足させることになるだろう。世界ですでに50以上の中央銀行が人民元を外貨準備に持っている。加えて、SDRの魅力が増せば、人民元も国際通貨発行特権の収益分配にあずかれるかもしれない。  人民元のSDR加入は、それが終点ではなく、中国が金融大国から金融強国になるための新たなスタートラインである。さらに中国自身が金融システム改革と金融市場の効率化を後押しする効果もある。将来、中国は人民元SDR加入を契機に、積極的に外貨準備高の資産バランスを調整し、“一帯一路(中国の陸と海のシルクロード周辺国一体化政策)”と“走出去(対外投資戦略)”のプラットフォームとして、有効かつグローバルな人民元投資貿易決算システム、信用評価システムと金融安全保障システムを打ち立て、中国の国際金融における発言権とグローバル金融に対する影響力を全面的に高めていくことになるだろう」(中国国際経済交流センター 張茉楠副研究員)

 「SDR加入は人民元国際化プロセスの一つの重要な標識である。人民元の為替変動は安定し、リスクも低い。かつ、IMFを満足させるだけの”自由化条件”が進み、世界各国の豊富な外貨準備高を人民元が構成するようになれば、世界の金融リスク軽減に積極的な貢献ができるだろう」  「中国について言えば、対外貿易輸出企業が人民元決済できることによって、為替変動による損失をさけることができるし、また個人の出国時の利便性も向上する。つまり中国は貨幣金融領域において対外開放の突破口を開くことができ、世界の主要経済体に認められるようになるのだ」(中国社会科学院財経戦略研究院 楊志勇研究員)

人民元下落の可能性については楽観的な意見が多い。

「大幅な元安を心配する必要はない」

 「人民元はSDR加入後も、大幅な元安を心配する必要はない。中国の中高速成長は今後も維持されるし、SDRに入った後も、基本、為替制度は変更されない。我が国は比較的貿易黒字であり、外貨準備高も十分であり、人民元が下落し続ける要因はない」  「中国は貨幣政策についてさらに配慮し、規律を厳しくして執行するだろう。つまり人民元はさらに安定し、世界の信用をさらに得る。結果、我々の財布の金が(元安で)目減りするという圧力は減少するだろう。むしろ将来、個人が世界各地を旅行したり、留学したりするうえで、人民元での買い物はさらに便利になるだろう。企業にとっても人民元による対外投資が便利になる」  「短期的には影響はあまりないが、時間が経過すると、人民元のSDR入りの深い意義をさらに感じるようになり、庶民の生活にプラスになることもわかってくるだろう。中国庶民にとってだけでなく、世界の人々にとっても、利点は大きい。東南アジアなど”一帯一路”沿線国家の人々にとっては、人民元の使用がより便利になり、人民元が安定することで貿易にしろ、投資にしろ、皆にさらに多くの経済利益をもたらすことになる」(国家外為管理局長 易網)

 「中国のこれからの為替政策の重点は人民元を相対的に安定させることに置かれるのでSDRに入ったからといってすぐさま、資本の大幅流入が起こり人民元が上昇することもないが、すぐさま大幅に下落することもない」  「株式投資に関しては、短期的には人民元の大幅下落の可能性は大きくないが、一部の中国企業および市民にはパニック性の人民元売りのリスクがあるので、それが株式市場に悪影響を与える可能性もある。今後3-6カ月はネガティブな影響はあるかもしれないが、長期的にはポジティブにとらえられる」  「債権市場については、米国の利上げのタイミングにより、投資家の間では人民元に対し、一層、人民元暴落の懸念があるだろう。国内の違約事件などもあって、海外の投資家の中国市場に対する投資機会は妨害されてきたが、長期的に見れば、中国の債権市場の開放が進むにつれて、海外投資家の人民元建て債券への期待は高まっていくだろう。中国債権市場はグローバルな投資機関の資金流入増加の恩恵を受ける。中国の政治が相対的に安定しているとの予測の下、人民元の国際化プロセスにおいてその長期的価値は高まり、人民元建て資産への投資の吸引力となるだろう」(瑞銀証券中国チーフエコノミスト 汪濤)

 つまり、人民元下落に対する楽観論は、人民銀行(中央銀行)の介入・コントロール能力への自信に裏付けられているようである。

一方、ネガティブな意見には、こういうものがある。

「自宅のプールで浮き輪で泳ぐのとは訳が違う」

 「人民元のSDRは諸刃の剣のようなものだ。人民元が国際化すれば、国際市場ルールに従わざるを得ない。人民元の底値が一体どのくらいになるのか、私には予想がつかない。人民元は長らく国際市場から隔離され、その価値は深刻なまでに捻じ曲げられている。SDR入り後、人民元が再び暴落する可能性は排除できず、また国際投資銀行などが集団で人民元の空売りを行えば、半年で米ドル・人民元は6.80ドル(12月7日現在、6.36)くらいになるだろう。来年一年のうちに中米の貨幣政策の”巨大分化”の圧力を人民元は受けるようになる。年明けには1元6.40-6.50ドルに推移し、2016年には6.60ドル、2017年-2019年には6.80ドルと落ちていくのではないか。  さらに人民元SDR加入後は、悪意の攻撃を受けるだろう。SDR入りは、大海原に飛び込んで泳いでいくのに似たようなもので、自宅のプールで、浮き輪で泳ぐのとわけが違う。左右から波風が押し寄せるだけでなく、資本の大鰐の悪意の攻撃にも立ち向かわねばならない。もし人民元が安定しなければ、国内経済は巨大な損害を被る。もちろん我々には戦う気力もある。すなわち3兆元の外貨準備高がある。一方、アキレス腱もある。それは、金融人材が空洞化していることだ。中国は力技で戦える金融人材を欠いており、しかも先の中国株価乱高下の”株災”で、信頼を全く失った状態である。為替と株は全く同じではない。株は株を持っている人にしか影響しないが、為替の損失は中国人全体の問題となる。  SDRが吉となるか凶となるか、一口では答えられない。成功の結果ばかりが喧伝される裏で、何か都合の悪いことを隠しているということも排除できない。やはり自らに対し厳しくしなければならない。閉鎖的に保護された人民元が国際競争に飛び込むには、基本的な生存技術を学ばねばならない。人民元の背後にあるものは、国内経済の低空飛行、銀行の不良債権、企業の過剰生産、深刻な不動産バブル。引火しやすい爆発物はたくさんある。むかしのミッドウェー海戦のようなもので、日本の戦闘機が爆弾を搭載したまま空母の甲板にあるところに、米国の戦闘機が飛んでくる…といった状況も想定される」(銀庫金融副総裁 斉俊傑)

 このほかにも論評は多く出ているのだが、代表的な論調はこんな感じだろうか。

個人的には、南シナ海で中国との対立案件を抱え、AIIBの成立にあれほど鼻白んだ米国が、なぜ人民元のSDR入りを断固拒否しなかったのか、その本音が知りたいところだ。やはり人民元を国際通貨戦争の渦中に引きずりこみ、よいカモにすることが狙いなのだろうか。うまく離陸すれば、人民元も国際金融市場で戦える通貨になり、やがてはドル基軸に挑戦する通貨となるかもしれないが、その離陸をすんなりさせるつもりはないということか。

「人民」も「毛沢東」もない「元」に?

 なので、目下、人民元資産をしこたま持っている友人たちは、結構悲壮だ。人民元暴落シナリオを予想して、懸命に人民元を海外通貨に換えて国外に持ち出そうにも、中国もキャピタルフライト阻止のために兌換制限をいよいよ厳しくしている。

 もっとも、私はそこまで人民元に対して悲観していない。為替は下がった後は上がるものである。この通貨戦争を人民元が生き延びることができたとしたら、国際通貨の戦場で鍛え上げられた強い人民元が台頭するシナリオにも期待したい。

 もっとも、そのときの中国の通貨の呼び名は”人民元”ではなくて、ただの”元”になっていて、ひょっとすると毛沢東も印刷されていないかもしれない。どう考えたって金融市場の自由化に社会主義国家の看板はそぐわない。国際社会が期待するシナリオの本当の結末は、そのあたりにあるかもしれない。

12/13日経 『中国 対テロに乗じる民族政策 新疆の炭鉱殺害「容疑者を射殺」 パリ事件翌日ネットに』について

12/13日経 半歩遅れの読書術 渡辺利夫『陸奥宗光のリアリズム 危機下の指導者の苦悩』についての記事が掲載されていました。

Toshio Watanabe

「日清戦争外交の全局を指導した外務大臣•陸奥宗光の凜たる漢語調の回顧録が『新訂蹇蹇録』(岩波文庫)である。「日清戦争外交秘録」というサブタイトルをもつ本書ほど、危機における指導者の行動をあからさまに描いた著作を私は他に知らない。

日清戦争とは、日本が清国と戦った近代初の対外戦争である。「定遠」「鎮遠」など世界最強の装甲艦を擁する清国に比して日本の劣勢は明らかだった。にもかかわらず、清国を宗主国、自らを属領とする「清韓宗属関係」を切断して朝鮮を「独立自主」の国としなけれぱ日本の「自衛の道」はないと陸奥は判断した。

李朝末期の朝鮮は政争と内乱を繰り返し、その度に清兵が半島に派される状況を目の当たりにして陸奥は危機感を募らせた。気が付けば世界最大の陸軍国家ロシアも朝鮮をうかがっているではないか。

日本が清国に挑んでこれに勝利する術は「機略」以外にはない。この時期、日本が外務大臣に陸奥を戴いたのは天の采配のごとくであった。戦う以上は勝たねばならないが、勝利してなお列強の反発は避けられない。自らを「被動者」、清国を「主動者」とし余儀なく戦わざるをえない戦争だと装うことに陸奥は努めた。

清国がのむとも考えにくい朝鮮内政の共同改革案を提示し、清国がこれを拒否したことをもって開戦の大義とした。弱者が強者に挑んで勝利するには敵の機先を制するより他ない。戦局のことごとくで日本軍はこの戦法に徹し勝利を手にした。そして日本は日清講和条約において清国に「朝鮮国ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコト」を確認させるに至った。

しかし、条約蹄結の直後にロシアが独仏を誘って「三国干渉」の圧力を加え、 日本は重要な「戦利品」たる遼東半島を清国に還付せざるをえなかった。『蹇蹇録』の最後にこうある。「畢竟我にありてはその進むを得べき地に進みその止まらざるを得ざる所に止まりたるものなり。余は当時何人を以てこの局に当らしむるもまた決して他策なかりしを信ぜんと欲す」

言い訳ではない。「兵力の後援なき外交は如何なる正理に根拠するも、その終極に至りて失敗を免れざることあり」と記す。「臥薪嘗胆」の10年を経て日露戦争勝利に日本を導いたのも、陸奥の三国干渉受諾の決断だったといっても過言ではない。時代背景を論じた著作に岡崎久彦著『陸奥 宗光とその時代』(PHP文 庫)がある。 外務省庁舎のゲートを入って右手に進み、突き当たりを左へ少し歩いたところに陸奥の銅像が立つ。長いこと酸性雨に当てられたからだろう、数条の緑色の筋が顔に流れて陸奥の凄みを際立たせている。(経済学者)」

明治時代の外務省は国の命運を賭けて戦いましたが、大正デモクラシーの時代を経て劣化していき、昭和、平成とダメになりました。昭和には重光葵のような気骨のある外交官もいましたが、幣原のような意志薄弱な外交官もいました。平成に至っては平和ボケばかり。前述赤字の陸奥の言葉を拳拳服膺すべきでは。中国と言う「今そこにある危機」を回避するには、中国包囲網を友好国と築かなければなりません。それが中韓と言う敵国の「南京」「慰安婦」でやられ放し。少しは武器なき戦いで勝利するところを見せてはどうか。

日経もやっと「テロに名を借りた中国のウイグル族に対する弾圧」を記事にするようになりました。世界的にはとっくに報道されていましたし、ネットの世界では有名な話です。チベットも南モンゴルも同じように弾圧されていますが。チベットにはダライ・ラマがいますが、ラビア・カーデイル女史は日本ではまだ有名ではないような気がします。このように中国の暴虐を大手メデイアがどんどん報道するようにしないと。ネットを読んでいる人はとっくに中国の悪について理解していますが、メデイアの「ネットは悪」の宣伝を鵜呑みにしてネットから情報を取ろうとしない人がまだまだ沢山います。デジタル・デバイド(情報格差)が広がるというのが自覚されていません。

新聞がリベラルの立場を主張するのであれば、中国の人権弾圧にもっと声を上げねば、「ご都合主義」、「二重基準」の謗りを免れません。日本は世界の中でも人権が良く守られていると思います。それを中韓の尻馬に乗って、日本政府を非難することだけではおかしいでしょう。米大統領候補でレイシストのトランプが今でも人気が落ちないのは、米・白人の心の裡を表していると見て良いのでは。

欧州の移民受け入れは植民地を持った宗主国の道義的義務があるからですが、受け入れが失敗だったのはホームグロウンテロで明らかです。勿論人口は経済的にプラスと考えてのことでしょうが。日本は台湾、朝鮮半島、満州を統治しましたが、植民地(colony)ではなく、併合(annexation)ですので道義的責任は負いません。日経が主張している経済面のみを考えた安易な移民受け入れは失敗します。安全保障の方が大事です。靖国の爆弾事件はテロです。韓国はテロ支援国家と国際的に非難しなければ。外務省は何をしているのかと言いたい。フランスの地域選挙の第一回投票ではマリーヌ・ル・ペン率いる国民戦線(FN)が13地域中、6地域で第一党と勝利し、安全を願う国民が増えているという事です。マリーヌ・ル・ペンはレイシストとも言われていますが、それでこんなにも勝利するのでしょうか?やはり安易な難民受け入れはしたくないという国民の気持ちが働いたのでしょう。

記事

「56日におよぶ追跡のすえ、テロリストの射殺に成功した」。中国公安省がネットにこんな書き込みをしたのは11月14日、パリ同時テロの翌日だったという。詳細は明らかにされず、書き込みもやがて削除されたそうだ。それでも、中国情勢に関心を持つ向きには十分に意味のある情報だった。

Wang Yi-2

Rabiye Qadir中国の王毅外相は最近、新疆の過激派対策は世界規模の「テロとの戦い」の重要な一環だ、と表明した=ロイター

記者会見する「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席(10月、東京・有楽町の日本外国特派員協会)

 キーワードは「56日」だ。9月18日に新疆ウイグル自治区アクス地区の炭鉱で50人が殺害されたとされる事件の、容疑者たちを掃討したのだろう――。そう推測するのは自然だった。

 炭鉱の事件について中国の当局やメディアは当時「公式発表」を一切していなかったが、米国の自由アジア放送(RFA)というメディアなどが早くに伝えていたからだ。

 思わせぶりな公安省の書き込みについて、またもRFAが詳しく報じたのは、3日後のこと。4人の女性と3人の子どもを含む17人の容疑者が隠れていた洞窟を当局が爆破し、全員を殺害した凄惨な出来事だった、と。

米報道を後追い

 これを受けて、というべきか。RFAの報道から3日後、新疆の共産党委員会の機関紙である「新疆日報」が9月18日の事件も含めた「公式発表」を掲載した。

 それによると、炭鉱の事件での犠牲者は16人。2カ月近い追跡のすえ最終的に「テロリスト」たちを掃討したのは11月12日で、射殺した「テロリスト」は28人だった。ただ、女性や子どもが含まれていたかどうかには触れなかった。「テロリスト」たちは「海外の過激派組織の指揮」を受けていた、とも新疆日報は指摘した。

 さらに3日後には、人民解放軍の機関紙である「解放軍報」が11月12日の掃討作戦を紹介した。火炎放射器を使って容疑者たちを洞窟からあぶり出し、刀を手にして向かってくるのをすべて射殺した、と。

 一連の経緯からは、RFAの報道が迅速で、かなり正確でもあることがわかる。

 たとえば、9月18日の炭鉱の事件について真っ先に報じた。あるいは、最後の「テロリスト」掃討作戦は洞窟が舞台だったと伝えた。いずれも後になって「公式発表」が認めている。すると当然、「公式発表」が触れない部分やRFAと食い違う部分には疑問が浮かぶ。

 当局が射殺した「テロリスト」のなかに女性や子どもは含まれていたのか。洞窟を爆破したのか、それとも火炎放射器を用いたのか。9月18日の炭鉱の事件の背景は何なのか。本当に「海外の過激派組織の指揮」を受けていたのか。こうした疑問点の解明を国際的な人権団体などが訴えているのは、当然だろう。

共産党内に異論

 実は共産党政権は足元で、新疆の民族政策や対テロ政策をめぐって党内の異論の封じ込めに追われている。たとえば11月はじめ、新疆日報の元編集長だった趙新尉氏を「民族政策などで異論を公言した」といった理由で党から除名した。「異論」の詳細は不明だが、高圧的な民族政策に対する不信が共産党の内側でも広がっている可能性がうかがえる。

 同月下旬には、党の規律問題に関わる部門の機関紙が「テロを支持したりテロに加わっている幹部がいる」とまで指摘して、思想統制の強化を訴える論文を掲載した。深刻なのは「海外の過激派」よりも党内の動揺の方ではないか、という疑念さえ浮かぶ。

 かりに「公式発表」が真実だとしても、「刀を手に」向かってきた容疑者たちをすべて射殺するという対処は適切だったのか、議論の余地があろう。足などを撃って動けなくするだけで十分だったのではないか、と。火炎放射器の使用も同様だ。

 中国当局は「反テロ」の名の下に暴力をエスカレートさせている――。海外に亡命したウイグル人たちの集まりである世界ウイグル会議(WUC)がこんな懸念を表明しているのは、理解できる。

 WUCは、共産党政権が「パリ同時テロ」に乗じて新疆のウイグル人への弾圧を強めている、とも非難している。実際、公安省が「テロリストの射殺に成功」と書き込んだのがパリ同時テロの翌日というタイミングだったのは、不気味だ。

 王毅外相は最近、国際会議に出席するために外遊した先で、新疆の過激派対策は世界規模の「テロとの戦い」の重要な一環だ、と表明している。

 「(米同時)テロは米国にとって悲劇だったが、中国の発展にはとても有益だった」。こんな言葉をこのコラムで紹介したのは、4年あまり前だ。語ったのは国際関係論の専門家として知られる金燦栄・中国人民大学教授だが、共産党政権の本音に近いだろう、と指摘した。パリ同時テロについても彼らは同じように受け止めているのではないか。そんな疑念を禁じ得ない。(編集委員 飯野克彦)

ケントギルバート『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』について

アメリカ人であっても、真実に真摯に向き合う姿勢があれば、正当な結論を出すことができるという事です。これこそが、知的誠実性と言うものでしょう。自分でいろいろ調べ、自分の頭で考え、自分で結論を出すプロセスを大事にします。中国人・韓国人がそうできないのは、基本的人権の自由がないからでしょう。政府の流すプロパガンダに付和雷同して、事実でないことを声高に叫んでカタルシスを覚えると言うのでは、真理追求の姿勢からは程遠い。

今のマスメデイアはGHQの残滓を色濃くまだ持っているという話です。確かに①~㉚まで当て嵌まるのが多い気がします。特に戦争を煽り、販売部数を伸ばした朝日新聞は戦後左翼に擦り寄り、日本を誤導してきました。不買こそが国民一人ひとりにできる「日本を取り戻す」道です。

また国連を日本人は有難がりますが、事務総長の潘基文を見ていれば如何に薄汚れているか分かるでしょう。FIFAの腐敗、世界陸上のドーピング等枚挙に暇がありません。日本は「脱退」しないなら、もっと声を上げなければ。世界を良くするためには戦う(=主張する)ことが必要です。

内容

P.18~20

若者に大量の血を流させるようなことはしないでしよう。

これは、逆の立場になればわかることです。もし日本と仲の良い国、たとえば台湾やフィリピン、ベトナムなどが第三国から攻撃を受けた際に、当事者にもかかわらず、戦うことをいっさい放棄したそれらの国の人々が、「私たちの国を守るために、日本の自衛隊の若者だけが血を流すのは当たり前だ」と考えていたら、皆さんはどのように感じるでしょうか。当然、「冗談ではないーなぜあなた方の国を守るために、日本人だけが死ななければならないのだ!」と考え、快く思わないでしよう。しかしこんな当たり前のことさえ、戦後の日本では論理的に通用しなくなっているのです。

繰り返しになりますが、最初に日本人の精神的武装解除を計画したのは、たしかにGHQです。しかし、GHQが去った後、よりいっそう真面目に、かつ真剣に精神的武装解除のための「精神の奴隸化」政策を継続したのは、日本の政治家と教育界、そして左傾化したマスコミです。 この三者の罪は本当に重いと思います。そして今こそ、こんな洗脳状態から日本国民は目覚めるべきなのです。

徹底的な反日工作に対抗できる知識と勇気と愛国心を

近年、韓同やPRC (中華人民共和国”Peoples Republic of Chinaの略称。私が「中国」と書かない理由は後で触れます)による反日工作が、凄まじい勢いで日本に襲いかかっています。恥ずかしながら、私もつい最近までは、南京大虐殺や従軍慰安婦なるものについて、なんとなく「あったのだろう」と考えていました。そして、「日本人も過去のことなんだから旱く罪を認めて謝ってしまえばいいのに」などと思っていました。

しかし、あるときから自分なりに資料を集めて勉強してみた結果、それらがとんでもない捏造のオンパレードであり、悪質なプロパガンダにすぎないことを確信するようになりました。そして、ふと日本人を見つめたとき、そんな嘘のプロパガンダに晒されつづけた多くの人々から「愛国心」というものがほとんど完全に抜き取られ、日本人としての自信や誇りが失われていると気がついたのです。

そんなふうにやられっぱなしでありつづける日本の姿を見て、私は怒りを覚えました。そして中韓両国に対し、「いい加減にしろ!あなたたちに何を言う権利があるのだ」と思ったのです。

この本を手に取ってくださる日本の読者の皆さんに、私が自信を持って言えることがあります。それは、「愛国心」さえ取り戻すことができれば、日本は名実ともに、世界で一番幸せな国になるということです。そしてそんな日本こそが、アジアの、そして世界のリーダーとしての尊敬を一身に集め、初めて本当の意味での世界平和に貢献できるようになるだろうということです。

日本という素晴らしい国を愛し、将来を案じている1人のアメリカ人として、私は次のことを皆さんに言いたい。一方的な「嘘」や「プロパガンダ」に負けないでください。そして、今こそ人としての「愛国心」と「誇り」を取り戻してください。そのために必要な「知識」を学び、それを堂々と主張できる「勇気」を持ってください。

P.24~29

GHQが定めた三〇項目の報道規制

終戦直後の昭和二十年(一九四五)九月に定められた、正式名称「日本に与うる新聞遵則」、通称「プレス・コード」に規定された三〇項目を、手元にある資料『日本人を狂わせた洗脳工作–いまなお続く占領軍の心理作戦』(関野通夫著、自由社)から引用してみましょう。

①SCAP  (連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判

②極東国際軍亊裁判批判

③GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判

④検閲制度への言及

⑤アメリカ合衆国への批判

⑥ロシア(ソ連邦)への批判

⑦英国への批判

⑧朝鮮人への批判

⑨中国への批判

⑩その他連合国への批判

⑪連合国一般への批判(国を特定しなくても)

⑫満洲における日本人の取り扱いについての批判

⑬連合国の戦前の政策に対する批判

⑭第三次世界大戦への言及

⑮冷戦に関する言及

⑯戦争擁護の宣伝

⑰神国日本の宣伝

⑱軍国主義の宣伝

⑲ナショナリズムの宣伝

⑳大東亜共栄圏の宣伝

㉑その他の宣伝

㉒戦争犯罪人の正当化および擁護

㉓占領軍兵士と日本女性との交渉

㉔闇市の状況

㉕占領軍軍隊に対する批判

㉖飢餓の誇張

㉗暴力と不穩の行動の扇動

㉘虚偽の報道

㉙GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及

㉚解禁されていない報道の公表

この決まりに違反した新聞は発禁などの処分を受けます。ちなみに朝日新聞は一度、業務停止処分を受けています。これらの項目を見ると、日本のマスコミが終戦直後から、ありとあらゆるものに対する「批判」を禁止されたことがよくわかります。見たかぎり禁止されなかったものは「日本政府に対する批判」くらいでしようか。だから日本のマスコミは、今でも政府批判ばかりやっているのですね。

また、日本を褒めてはいけなかったこともわかります。森喜朗元首相が「日本は神の国」と発言したときのマスコミの大騒ぎは、「⑰神国日本の宣伝」の禁止に原因があったわけです。「⑱軍国主義の宣伝」の禁止は、マスコミが軍事力や国防の重要性を報道しない原因であり、「⑲ナショナリズムの宣伝」の禁止は、愛国心の大切さに触れない原因だと言えます。日本人が民族的な優秀性に自信を持ったり、一致団結して本領を発揮するのは困ると考えたわけです。

そして「⑳大東亜共栄圏の宣伝」の禁止があるせいで、終戦まで日本人の誰もが正式名称である「大東亜戦争」と呼んでいた先の戦争を、突然「太平洋戦争」と報道するようになったのです。日本のマスコミはこの項目⑳を今日に至るまで頑なに守っていますから、洗脳工作を継続しているわけです。だから私は「太平洋戦争」という言葉を使わずに「大東亜戦争」と書いています。

興味深いことに、「㉘虚偽の報道」の禁止だけは、もはやまったく守っていないマスコミが多いのですが、そもそもGHQの意向に従って、散々、虚偽の報道を行ってきたわけですから、実はGHQによる占領統治時代から、大半のマスコミは何も変化していないということです。

そして、この三〇項目を読み返したことで、私が本書に書く内容は、これらの規制項目にことごとく抵触する内容であることを、再認識することができました。

私が韓国とPRC (中華人民共和国)を批判する理由

ありとあらゆるものに対する批判を日本のメディアに禁止したGHQの政策の恩恵を、最大限に受けた国があります。大韓民国(韓国)、中華人民共和国(PRC)、そして朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の三カ国です。「特定アジア」や「特亜三国」などとも呼ばれるこれらの国が、戦後の日本に行った所業は、調べれば調べるほど酷いものなのですが、先に挙げた⑧と⑨によって、日本のマスコミは朝鮮人と中国(当時は中華民国)に対する批判を禁止されてしまいました。

ですから、中国で起きた複数の日本人虐殺事件や、終戦直後に日本各地で起きた朝鮮人による暴動の事実を知る日本人は、現代でもかなり少数派です。「通州事件」や「通化事件」、あるいは「生田警察署襲撃事件」「富坂警察署襲撃事件」などの言葉をネット検索してみてください。これ らの事実を知ると、戦後七十年目の現在でも、日本の大手マスコミの大半は、GHQのプレス・コードを頑なに守っているとしか思えません。現在進行形で行われている犯罪者のいわゆる「通名(外国籍の者が日本国内で使用する通称名)報道」も、プレス・コードの⑧と⑨に端を発したものかもしれません。

北朝鮮は、国際社会で最初から相手にされていないので本書ではあまり触れませんが、韓国とPRCは国連をはじめとする国際社会や、アメリカ国内におけるロビー活動を通じて、日本を狙い撃ちにした「デイスカウント.ジヤパン」運動をしつこく続けています。ところが日本はごく最近まで、一方的にやられっぱなしで、ほとんど反論することができませんでした。

日本人が日本を擁護する発言や行動を取ると、それを最も批判するのは日本のマスコミです。彼らの正体がマゾヒスティック(自虐的)な性癖を持つ日本人なのか、サディスティック(残虐的)な性癖を持つ外国人なのか、日本人だけどサディスティックな外国人と通じたスパイやパペットなのか、私にはわかりません。いずれにしても彼らは、日本の国益のことなどいっさい考えていません。

第二次安倍政権になってから、やっと日本の国益を真剣に考えた国際社会への発信が行われるようになりました。しかし、昨今は政府や政治家だけでなく、一般人であってもインターネットを通じて「ディスカゥント・ジャパン」のプロパガンダと戦うことが可能です。韓国やPRCがまったく信用に値しない国であり、いかに日本の批判などできない存在であるのかを調べて伝えることが可能です。WGIP(ウオーギルトインフォメーションプログラム)によって嘘を真実だと信じ込まされた人たちを、皆さんの力で覚醒させることが可能です。その行動に役立つと思われる、私がこれまでに調べた情報を、可能なかぎり提供したいと思います。

P.36~37

この事実を知ったとき、私は本当にびっくりしました。海外では、慰安婦は「性奴隷」と表現されていますが、「陸軍大将の何倍もの金を稼ぐ人間のどこが奴隸なのだ!」と思うのは当然ですよね。しかし、このような報道は主要メディアではほとんどなされないのです。しかも、この女性は朝鮮の売春婦であった「キーセン」出身だったのです。

この種のバカらしい話を含めて、そもそも一九八〇年代の後半まで、ほとんど話題にも問題にもならなかったことが、ある日突然スクープとして発掘され、国際問題になるなど通常はありえないわけですが、これ一つ取ってみても、朝日新聞がどれだけ巨大な力を持っていたかがわかります。

朝日新聞はニユーョーク•夕イムズとつるんでこんな大嘘を世界中に喧伝する役割を果たしました。その賁任は、とくに公正中立であるべき言論機関としては非常に重い。自らを「報道機関」と名乗ることすら慎むべきです。GHQに協力してプロパガンダばかり流しているあいだに、報道機関としての良心が破壊されたのでしょうか。いや、戦時中の朝日新聞は、最後の最後まで日本人の戦意を煽っていました。極右から極左にポールシフトしただけで、昔から「誤報道機関」でした。

ところで、女子挺身隊と慰安婦を同一視するような勘違いが、これだけ発達した情報社会である七十年後の今日においてもそのまま通用しているということ自体が、韓国社会の情報処理や事 実認識に対するいい加減さを証明していると言えます。日本人なら、間違いに気づいた段階ですでに名称を変更して、すべてのあり方を改善しているでしょう。

また、こんな大嘘に乗っかって、いろいろな報告書を出した国際連合も日本に謝罪すべきです。私自身は以前から、国際連合ほどの巨大な茶番はないと考えていますが、日本人は国際連合を地球上に必要不可欠なありがたいものだと考えているように見える。信用や期待をしすぎだと思います。

黄 文雄『それでもなぜ、反日大国の中国人、韓国人は日本に憧れるのか?』について

中国が如何に歴史的に大虐殺をしてきたかという事です。「洗回」とは回教徒の洗浄(=ethnic cleansing )を意味します。大清帝国の満州への漢人の入境を認めたことが、満州人の没落の始まりです。日本統治のお蔭で治安が良くなり、安心して漢人が入ってきました。そういう歴史を中国は認めません。

一帯一路構想も漢人の世界規模での進出を図っています。軍事力ではなくマンパワーを送り込むようにしてその国の政治・経済に影響を与えて乗っ取ろうと考えています。東南アジアの経済が華僑に乗っ取られているのは皆知っています。それが世界的規模で行われようとしているのですから、日本人は注意しておかないと。

中韓の人達は「生まれ変わったら別の国で生まれたい」と言うのが2/3も占める(2006年と調査は古いでしょうが傾向は変わらないでしょう)のは、如何にその国の統治がおかしいかという事です。「日本人が生まれ変われるなら、日本or外国で生まれたいか?」(2013年調査)との問いに83%が日本と答えています。メデイアや日教組が如何に日本を貶めようとも日本人は国民レベルで日本を愛していることが分かります。それに引き換え、日本を口汚く罵る両国は国民から信用されていないという事です。日本が余りに素晴らしいので嫉妬、羨みの気持ちが働き、他人の足を引っ張ることで安心感を得ようとしているのでしょう。下種な劣情の持主です。彼らには近づかないことです。

http://www.ism.ac.jp/kokuminsei/table/data/html/ss9/9_22c/9_22c_all.htm

http://www.j-cast.com/2014/10/31219779.html

http://www.all-nationz.com/archives/1046629175.html

内容

P.47~51

中国からのヒ卜とカネの 大脱走が止まらない

こうして中国から人が噴出するようになった

19世紀末の清朝イスラム教徒の反乱(回乱)後には、大きな国是国策の大変化があった。 それは、文革以後の改革開放と似ていて、清は先に開放をやって、その後に戊戌維新や立憲運動に続く。ことに20世紀に入ってから清は「改革開放」に湧き、「黄金の10年」と もいわれ、経済•社会の大繁栄によって、逆に辛亥革命で帝国が滅びた。

アヘン戦争後の太平天国の乱と回乱は、文革に似ている。

人類史上最大の反乱といわれる「太平天国の乱」によって人口の5分の1が失われ、回乱の後には、「洗回」(イスラム教徒皆殺)運動が20世紀までも続く。イスラム教徒の約2000万から4000万人が殺された。イギリスのインド植民地化は、満州人の中国植民地化に似ていることが少なくない。清帝国の崩壊後に、中国はインド植民地のようにインドとハキスタンが分離独立しなかったのは、この「洗回」に関係が深い。

インドとパキスタンの分離独立は、ヒンズー教徒とイスラム教徒の対立が、精神的•思想的な根本的対立からくるということは、もはや「常識」となっているが、現在のチべット問題やウイグル問題の背後には、「孔子と釈迦」と「孔子とモハメド」との思想的対立が根源的だということまで見る者は、それほど多くはない。

イスラム教徒の反乱後民間の武力集団が「洗回」に夢中になっているが、政府は古代に「西域」と称されたウイグルの地に「新疆」省を新設、新たに内地化した以外には、満州など従来の「封禁の地」を開放する。アヘン戦争後に五つの港湾都市を開港はしたものの開国はしなかった渡海禁止令を廃止したのは1885年で、台湾への渡航を解禁したものの、10年後、日清戦争の結果、日本の地となった。

この大きな人流の大変動の時代には台湾を永久割譲。数千年来、南に向き、漢人の民族大移動か初めて北へ向き、万里の長城を越え、モンゴル草原を満州平原へこの「平和的浸透力」は逆流し、満鉄を大動脈として、20世紀に入っても年間平均l00万人以上が北流していった。

人民共和国の時代に入ってから、農村戸籍と都市戸籍を二分し、農村では一時「人民公社」中に縛りつけても、自然や社会の変動のたびに人流は奔流にもなって、北上だけでなく、「生産建設兵団」として、新疆ウイグルに流入し、そしてチベット高原に登っていく。 資源と人口のバランス調整のために、政治的だけでなく生態学的理由からも、ことに改革開放後には、地上資源が枯渇するにつれて、地下資源も喰い尽くされ、中国の流民は地球資源まで鯨飲しながら、祖国から大脱走して、陸路だけでなく、海路からも、空路からも、地球的規模の噴出が起こっていく。

改革開放後、国内農村の「人民公社」が廃止されただけでなく、竹のカーテンまでが開かれた。開かれた農村の産業予備軍は、1億、2億、3億へと増え続け、盲流(農民が都市に大量に流れる現象)として沿岸開放都市に押し寄せただけでなく、内陸の都市も辺境も埋め尽くしていった。人口がすでに億を超えるホームグラウンドの河南以外にことに湖南や四川省からの流出者が多い。それらは以前から人口過密の地だったので、噴出し続けている。

四川省の産業予備軍は「川軍」とも呼ばれ、ずっと人口過密の地だった。毛沢東はかつて、「四川はタイとほぼ同面積で、人口はタイの倍もある。そんな不公平な存在は、許されるのだろうか。『不公平是正』のため、タイを解放して、四川から大量移民をしたい」とまで語ったことがある。しかし、「世界革命・人類解放」は文革を最後に、ソ連・東欧改革開放後、中国の沿海都市、辺境さえも流民に埋め尽くされたので、盲流(民工)に限らず、裸官や青年エンジニアに至るまでが祖国大脱走の潮流となっている。

ヒ卜.カネの大脱走は、これからも続く

20世紀以後の中国人祖国大脱走史を見ると、時代とともに質的変化がはっきりと見られる。

20世紀前半は戦争難民と飢餓から生まれた生態学的流民が主だったが、戦後に国共内戦が再燃した結果、海外流出したのは主に政治難民だった。たとえば人民共和国の成立とともに台湾に流入した政治難民だけでも200万人と推定される。陸路や海路を用いて、東南アジアへ逃げ延びた者も少なくない。

竹のカーテンが開かれた後、主流は徐々に「経済難民」に代わり、蛇頭に率いられて、日米欧など先進国をめざして留学やらさまざまな名目で脱出していく。祖国からの大脱走を阻止するのに万策が尽きた後、「走出走」(出て行く)と奨励策へと変わらざるをえなかった。

中国は「社会主義」国家から「權貴資本主義」といわれる体制になり、国是国策の変化によって、格差は拡大し、富が政府高官に集中していく。国富も私富に変えられ、そこから「裸官」が生まれてくる。GDPの十数パーセントから4分の1、さらに半分が不正所得となり、汚職追放の負け組に兆円や千億円単位の不正所得があったことが世に知られるようになる。

一人が国内で国民の金を絞り上げ、家族が海外で暮らすといわれる裸官の数字については、習近平など国家指導者だけでなく、2012年の第一七期党中央委員会委員204人のうち91パーセントに当たる委貢の家族が欧米で暮らしている,国家指導者の家族は先に国外へと逃げ、その後に続くのが「裸官」たちである。

もちろん時代とともに流出するものは、経済難民から環境難民へと変わっていく中国は経済成長とともに、徐々に環境が悪化、黄泉の国へと沈んでいく。

裸官の祖国大脱走の条件は誰と比べても優位であるが、めざす国によっては、社会階層も異なる。

P.56~58

2006年9月4日から、中国のインターネット上の三大ポータ’ルサイトのひとつ「網易」で、興味深いアンケート調査が行われた。それは「もし生まれ変わったら、もう一度 中国人になりたいか」というものだったが、回答は1万1271件のうち、65.1パーセン トの人が「生まれ変わっても、中国人にはなりたくない」と答えている。これは全回答者のおよそ3分の2にあたる。中には「豚に生まれ変わる方がまし」という回答まであった。 もちろん調査対象は「憤青」ではないにしても、回答者は老人ではなくネット世代である。不特定のネットユーザーで、ネットウヨクを排除してはいない。

中国政府はこの結果に激怒した。アンケートは削除されて、編集者は即座に解雇されてしまった。

その調査結果をもとにした、『来世不做中国人』(邦訳すると「来世は中国人として生まれたくない」、鍾祖康著)という本が中国以外の地で出版されている。著者(北欧に移住した香港人)によると、「中国社会は情報が閉ざされているから、もし全人民が情報公開をされたなら、99パーセントが『来世では中国人になりたくない』と答えるだろう」とまで言っている。

もちろん、それは決して過言ではない。「中国人の誇り」を押し売りするプロの愛国者でさえ、チャンスがあれば自分が真っ先に中国から逃げ去ってしまうに違いないのだ。実際に、蒋介石を筆頭とする四大家族の前例だけでなく、習近平主席を始め、鄧小平以降も それ以前の国家指導者の家族も、すでに家族が逃げ去った後の、「裸官」といわれる(権貴)政府高官も、党の高級幹部も、祖国大脱走の「予備軍」として待機しているのだとみなされる。

中国人に生まれ変わりたくない理由

では、「中国人になりたくない」と答えたネットユーザーたちの理由とは何なのか。「中国人は人間としての尊厳を欠く」という答えが37.6パーセントでトップ。中には、「前世で悪いことをしたから中国人に生まれ変わったのだ」という答えがあって、来世どころか「いますぐにでも、中国人以外になりたい」という人が多い。

なぜ中国を愛さないのかという理由については、「いくら探しても、中国を愛する理由が見当たらない。もしあなたが中国を愛する理由があれば教えてくれ」「奴隸になりたくないというのが、人間の本音だから」という回答がある。

もちろん、3分の1にあたる35パーセントの人は、「また中国人になりたい」と回答したのだが、その理由は以下である。「祖国を愛しているだけで、別の理由はない」が18パ-セント。若干似ているのは、中国人とは、「鬼神を信じない」極めて世俗化した民族でありながら、それでも漠然として「天」や「鬼」(祖先)を信じている。「中国には悠久の歴史と偉大な文化があるから」は6.6パーセントである。それが中華思想であろう。本当に歴史文化を知っているかどうか、もう少し世界史や文化•文明の「常識」を知れば、 もっと歴史観も世界観も変わるだろう。

P100~102

自然史から見ると、李朝の時代に入ってからは、徐々に原始社会に先祖返りしつつある。モンゴル人は人類史上初めて、紙幣(交鈔)の発行・使用に成功した通商帝国で、資本主義の元祖とまでいわれる。そして、100年以上も高麗を支配したので、朝鮮半島のオリジナルの文化の多くは、モンゴル文化がベースとなっている。

それなのに、李朝時代にも白銅貨や葉銭があったが使用は限定的で、日韓合邦まで褒負商(行商人)とそのギルド(組合)しかなく、貨幣経済も商品経済も発達せず、早市ではなく午後の定期市しかなかった。

そこにあったのは「貨幣」の代わりに、米・布・人参・器物などで物々交換する原始社会だった。市場も形成できなかった。日本の江戸時代と比べれば、まさしく対照的というより対照的な格差である。少なくとも、税金はなおも布によって払われた。

1885年12月から翌年2月にかけて、ソウルからシベリアまでを踏破したベ・エム・ジェロトケヴィチの 『朝鮮旅行記』によれば、「植生皆無」。 なぜ独立開化派の甲申改革が三日天下になったのか、これは原始社会の「文明開化」は絶対不可能という視点からも見るべきだ。なぜ初代朝鮮総督の寺内正毅大将が「治山治水」の綠化政策によって崩壊した山河を甦らせようという執念をもって朝鮮経営をスタートしたのか、その視点が見逃されたら、何も語ることはできない。

李朝末期には、王室はすでに100年以上にわたって財政赤字を抱え、両班階級が3分の2の国富を私富にして、産業資本の原初的蓄積さえできていなかった。山野は火田民(焼畑農民)に焼き尽くされ、京城には土幕民(流民)があふれ、世界一不潔な都ともいわれる。李朝は19世紀末になると、実際、すでに:国家破産しており、町中には土幕民が溢れ、餓死者が路頭に捨てられた。この国の生民をどう救出するか、列強が無理やりに日韓合邦を押し付けた歴史背景をも見なければならない。 清の盛世が過ぎてから、白蓮教の乱をきっかけに、戦乱と天災、流民の生き地獄落ちとなった大陸とほぼ同時期に、「枯死国」(新渡戸稲造は「枯死国朝鮮」と書いた)に閉じ込められた朝鮮人は家族連れで、厳しい国禁を破り、移動•移住断禁の号牌法もなんのその。 すでにシベリアや満州で密墾、密猟、密採をし始めていた。 それは李朝の時代の人流の一大潮流である。

日韓合邦後、「強制連行」どころか、朝鮮人の日本列島への密入国をどう阻止するか、政府は朝鮮総督府と協議を繰り返し、治安当局にとっての頭痛問題の一つであった。むしろ半島のほうが、市民・労働組合の万人集会で「阻止には法的根拠がない」と抗議していた。だから強制連行は、時代条件から考えるとほとんど存在した可能性がない。この一言に尽きる。

P.135~137

なぜ韓国人は国を捨てたいのか?

韓国人も67%が「韓国人に生まれ変わりたくない」

中国の大手ニユースサイト「網易」が2006年9月4日から「生まれ変わっても中国人になりたいか?」という調査を行った。同じ年の8月31日、韓国の「ゴーニユース」がポータルサイトの「デイーシー•インサイド」で、韓国ネチズン(ネットユーザー)を対象として、「生まれ変わるなら、また韓国人として生まれ変わりたいか?」というアンケート調査(参加者8406人)を行った。

その結果は次のようだった。

回答者の67.8パーセント(5696人)が、「韓国人に生まれ変わりたくない」、24.5パーセント(2058人)が「もういちど韓国人に生まれ変わりたい」と答えている。 中国と数字だけを比べてみると、「中国人に生まれ変わりたくない」と答えた中国人の割合65.1パーセントよりも、「韓国人に生まれ変わりたくないと答えたネチズンの割合の方が数パーセント高くはあるが、「また中国人に生まれ変わりたい」と答えた中国人が 35パーセントであったのに対し、「また韓国人に生まれ変わりたい」と答えたネチズンがたった24.5パーセントだけなのは、意外に少ないとやや驚くのである。

中国は同じ年の9月に入ってからの調査だから、韓国からの刺激でそうなったのではとも考えられるが、同じことは前にもあった。1919年の三・一独立運動の直後、北京では五・.四運動が起こった。ウィルソン米大統領の「民族自決」からの影響で、あっという間にアジアまで火がついたという国際政治のグローバル化とも考えられる現象である。

中国はプロレタリア独裁国家として、「人権」よりも「生存権」が大事と主張する。言論の自由がないどころか、ますます統制強化を強めている国である。

OECDの加盟国である韓国では、「約70パーセントに近い」韓国人が、「生まれ変わったら、韓国人になりたくない」と答えていて、想像の域をはるかに超える。驚くどころではない。

何か理由があるに違いない。

さらに驚くべきことは、20〜30代の男女を対象として行われた、2003年9月17日)。この国政監査の調査資料を見ると、その72.1パーセントが「移民を考慮している」と答えているのだ。同調査ではその理由として、「将来の子どもの教育問題」が42.3パーセント、「国内の政治的・社会的混乱」19.7パーセントとなっている(『朝鮮日報』2003年9月17日)。この国はOECD加盟国であるだけでなく、「愛国心が世界一」と自画自賛をする国でもある。それなのに生まれ育った社会、故国に住みたくないといぅのは、「何かのウソがある」に違いないと誰でも連想するだろう。

興味深いのは、「脱北者」よりも「脱南者」が断トツに多いことである。移民先は主にアメリカ、そしてカナダである。才—ストラリア、ニユージランドも多い。

P.190~191

神代から続いている日本については、戦後の反日日本人からぼろくそにいわれ、貶められてきた。しかし、戦後のいわゆる「進歩的文化人」の日本観とは違って、「いちばん天国に近い国」という説に同感共鳴するのは決して私一人だけではあるまい。

ユートピアというものは、地上にはなかなか実在しえないもので、いくら空想的ではなく科学的だと謳っても、実際、人類最大の実験だった社会主義型地上の楽園は、すでに幻想として消えてしまった。中国人と韓国人は、どちらかというと極めて世俗的にして実利的な民族である。地上で一番天国に近いのはやはり日本しかない。

いくら反日を建前にしても、中国人と韓国人はその色眼鏡を外さなければならない。中国からの密入国者、オーバー•スティをはじめ、さまざまな犯罪者が数多く日本の刑務所に収容されている。喰ったり寝たりしているだけでぶくぶく肥えて、牢屋を「天国」 だと思い、祖国に帰りたくないので、さまざまな手で日本の牢屋という天国にしがみつきたがる。

あるとき、防衛大のある教官が私に、「一人の中国人犯罪者の一食の食事代だけでも、日本の自衛隊員より200円高い。そういう日本という国家の存在はおかしいのではないか。いくら公文書で抗議提言しても、政府と官僚は聞く耳をもたない。なんとかできないのか」と語った。

中国人犯罪者だけでなく、韓国のスリ団にとっても、平和ボケの日本はじつに「仕事」をしやすい天国である。

P.263~264

中国は、時代とともに言論統制が強くなり、人権や人間の尊厳が消えていく国家である。韓国は軍事独裁からOECDにまで加盟した国家である。国の「かたち」も社会のシステムも違う。

しかしそれでも、多くの共通点がある。以下に、そのいくつかを取り上げてみる。

①国是国策としてつくられた反日国家、反日教育と反日メディアが旗振り役になって、反日しないと政権は安定できない。

②反日世代は老人よりも簡体字かハングル世代、そしてネット世代が主役で、日本を知 らないほど反日意識が強い。

③生まれ変わったら中国人•韓国人になりたくない者が3分の2以上で、中国人の富裕層は64パーセントが外国に移住したい。韓国はさらに多く、90パーセント以上にのぼる。実際、中韓ともあの手この手で、祖国大脱走が加速的に昂進中の国である。

④儒教文化の伝統と中華思想が強く、大中華と小中華の差があっても、ともに国自慢に必死で、とくに小中華は近年ウリジナルで知られている。

中国と韓国は政治に限らず、あらゆる分野で一つになるのが極めて難しい国である。いくら国是国策として、反日•仇日運動を断行しても、「全民運動」になるのは難しく、全員一致とまではなかなかいかない。

それは自然の摂理と社会の仕組みからくるものだから、漢の武帝の時代から「儒教独尊」 をしても、実際そうはいかなかった。だから表面は儒教、背後は法家の刑罰という、「陽儒陰法」やら「外儒内法」とまでいわれたのである。

実際、歴史を見ると、「仏教」に対しては、「三武一宗」の廃仏毀釈、義和団の「キリスト教徒の皆殺運動」としての「扶清滅洋」という皆殺反乱、長期にわたる「洗回」というイスラム教徒の皆殺し運動が見られる。朝鮮半島の歴史を見ても、李朝の「崇儒斥仏」運 動から「衛正斥邪」運動がないと、一つにはなれなかった。

12/4日経ビジネスオンライン 北村豊『富豪を誘拐、見知らぬ女性を絞殺させた狂気 脅された富豪は、罪に処されるべきか』について

如何に中国人の発想と日本人の発想が違うかという事を日本人はもっと自覚しないと。「人類は皆兄弟」というのは、敵が騙しやすい日本人を相手にするときに使って、利用する目的のためです。日本人も、相対化して見れば、如何に世界は薄汚れているか気付くはずです。

請託殺人ですから4人組は殺人罪の共同正犯になるのか教唆犯になるのか分かりませんが、当然殺人罪を構成するでしょう。中国ですから2審で即日死刑となると思います。こちらにあります「犯罪阻却事由」は日本で言う「違法性阻却自由」で、「脅従犯」は「強要された緊急避難行為者」に近いと思います。日本でも脅されて殺人を起こした裁判例があります。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/98-6/matumiya.htm

日本でもこう言うことがもっと起こるようになるかもしれません。「悪友」と付き合えば似た発想になるからです。中韓へのビザ緩和はすべきではありませんし、帰化条件ももっと厳しくすべきです。

この記事で主張されていますように、殺された人の遺族に、殺人を強要された人は補償金を支払うべきです。1億元を払わずに済んだのですから。その1割でも払うべきでしょう。

記事

11月10日、四川省の“宜賓(ぎひん)市”で同市一の富豪が何者かに誘拐された。誘拐された富豪は犯人一味に手製の拳銃を突きつけられて身代金の支払いを要求された。命の危険を感じた富豪は身代金の支払いに同意したが、犯人たちの要求はそれだけに止まらなかった。犯人たちは富豪に彼らが別途誘拐して来た女性の殺害を要求したのだった。要求に従えば生きられるが、従わなければ殺される。生か死か。富豪が選んだのは、見知らぬ女性を殺害することだった。やむなく富豪は女性をロープで首を絞めて殺害したが、犯人たちはその絞殺の過程をビデオに撮っていた。犯人たちはそのビデオ映像を富豪が殺人を犯した証拠として残した上で、富豪を解放したのだったが、それは富豪に事件を公安警察へ通報させないためだった。

身代金1億元の支払いに同意したが…

 中国メディアが一斉に報じた「宜賓“首富(第一の富豪)”が誘拐され、脅されて殺人を犯した事件」の概要は以下の通り。

【1】宜賓市は四川省の南部に位置し、その境を貴州省と雲南省に接している。人口は554万人であり、このうちの80%以上が農業に従事している、純然たる農業地域である。一方、面積は1万3283km2であるが、これは日本で第4位の面積を持つ長野県(1万3562km2)とほぼ匹敵する広さである。なお、中国一の大河“長江(揚子江)”は、上流の“金沙江”と“岷江”が宜賓市で合流することによって始まることから、宜賓市は“万里長江第一城(長江第一番目の都市)”として知られている。

【2】誘拐された富豪は“章英啓”(53歳)、宜賓市を本拠とする“伊力集団有限公司”(以下「伊力集団」)の“法人代表(法定責任者)”である。章英啓はかつて宜賓市内の某工場に勤めていたが、工場を辞めた後に商売の道に入って成功を収め、1993年に伊力集団を設立した。伊力集団はその後順調に成長を続け、単一の化学製品の生産から始めた業務は締付金具、水力発電開発、不動産開発、石炭開発、貿易、高速道路建設などにまで発展し、今や宜賓市のみならず四川省内でも知られた押しも押されもしない企業となっている。伊力集団は傘下に多数の子会社を有するが、子会社を合わせた従業員は2000名余りである。また、伊力集団の販売ネットワークは全国30の省・自治区・直轄市に及んでおり、その製品は欧州、南米、中東、東南アジア、韓国、台湾などへ輸出されている。なお、伊力集団は宜賓市の優秀民営企業として認定されている。

【3】その伊力集団の代表である章英啓が誘拐されたのは、11月10日の夜9時頃だった。章英啓は宜賓市中心部を流れる長江の南岸に位置する“翠屏区”の住宅団地“南岸雪絨花園”内の高級マンションにある自宅へ帰ろうと、マンションのエレベーターに乗ったところを襲われて誘拐された。エレベーター内で誘拐犯たちは唐辛子スプレーを噴霧して章英啓の自由を奪い、手足を縛った上で「さるぐつわ」を噛ませ、目隠しをした。その後、犯人たちは章英啓を車に乗せて、同じ翠屏区内にある金沙江沿いの辺鄙な場所に彼らが事前に借りていた1軒の農家へと運び込んだ。農家に到着すると、犯人たちは章英啓に手製の拳銃を突き付け、2016年3月までに身代金1億元(約19億円)を支払うように要求した。拳銃を突き付けられては、否も応もなかった。章英啓は1億元の身代金を期限内に支払うことに同意した。同意したのだから、解放されると思ったが、そうはいかなかった。

【4】犯人たちは、章英啓にその場にいた若い女性を殺害するように要求したのだった。その女性は章英啓と同様に犯人たちによってどこからか誘拐されてきたものと思われた。拳銃は依然として突き付けられている。女性を殺害しなければ、自分が殺される。「生か死か、それが問題だ」とはハムレットの科白(せりふ)だが、当時の章英啓はまさにハムレットの心境だった。自分が生きるためには女性を殺害するしかない。章英啓は犯人たちに「殺す」と答えた。犯人たちは章英啓の手の戒めを解き、その手にロープを握らせると女性の首にかけて絞め殺すように命じた。人を絞め殺すことに逡巡がなかった訳ではないが、拳銃を突き付けられての緊迫した状況下では、罪悪感にさいなまれながらも、章英啓には一気にロープを絞めるしかなかった。犯人たちはこの絞殺の一部始終をビデオに撮った。ビデオの映像は章英啓が殺人を犯した証拠であり、それが彼らの手元にある限り、章英啓は事件を公安警察へ通報せずに約束通り身代金を支払うものと、犯人たちは確信していたものと思われる。

「殺人ビデオ」と引き換えに解放

【5】こうして、章英啓は殺人のビデオ映像と引き換えに解放された。翌11日の午前4時頃、章英啓は“宜賓市公安局”(以下「公安局」)に対して事件を通報し、「10日夜帰宅途中に誘拐され、脅されて見知らぬ女性1人を殺害させられた。誘拐犯には巨額の身代金の支払いを要求されている」旨を告げた。通報を受けた公安局は、速やかに捜査に着手し、11日午後1時頃、“劉強”(39歳)、“岳紅”(43歳)、“陳偉”(39歳)、“馮治”(44歳、女)の4人を容疑者として逮捕したのだった。公安局の捜査チームは、章英啓が誘拐された直後の時間帯に南岸雪絨花園の駐車場から出て行った車を突き止めることにより駐車場の借主を特定し、迅速な逮捕にこぎ着けたものだった。

【6】公安局の調査によれば、犯人一味の4人は半年前位に章英啓の自宅がある「南岸雪絨花園」内の高級マンションの1階に部屋を借り、同時に車1台分の駐車場を借りていた。また、9月頃には金沙江沿いにある1軒の農家を借りて、章英啓を誘拐するための事前準備を行っていたことが判明した。主犯の劉強(39歳)は商売で巨額の損失を出し、借金を抱えて苦しんでいた。そこで思い付いたのが富豪の章英啓を誘拐して身代金を奪うことだった。半年ほど前、劉強は、岳紅、陳偉、馮治の3人に声をかけて仲間に引き入れ、章英啓誘拐計画を練り、事前に高級マンションの1部屋と駐車スペース並びに1軒の農家を借りた。彼らは章英啓が住む高級マンションの1階に借りた部屋から章英啓の行動を監視し、彼の規則的な帰宅時間を把握していた。

【7】犯人一味4人を逮捕した後、公安局は章英啓が監禁され、女性が絞殺された現場となった農家を捜索し、炉の中で焼却された女性の遺体を発見した。遺体から採取したDNAおよび遺留品、さらに犯人一味の供述から、女性は宜賓市内の“建設路”に林立するマッサージ店の1軒、「“温馨按摩”」に勤めるマッサージ師の“西妹”(23歳)<仮名>であることが判明した。同店の経営者によれば、西妹は11月10日夜11時頃に仕事を終えて1人で帰ったとのことだったが、目撃者は西妹が店を出た時に1人の男が待っていたと証言している。恐らく西妹は店を出た所で、犯人一味の誰かに騙されて車に乗せられ、犯行現場となった農家へ連れ込まれたものと思われる。その目的は章英啓に殺害させるためだった。

「誰に責任を追及すればよいのか」

【8】西妹は宜賓市から南西に約200km離れた“凉山彝(い)族自治州雷波県”に実家があり、少数民族の彝族である。11月20日は彝族の新年で、西妹は近々故郷へ戻る予定であったのだという。23歳の彼女はすでに3人の子持ちであった(男4歳、女3歳、女1歳半)。そればかりか、彼女は8人兄弟の長女で、下には7人の弟と妹がいた。父親は3年前に死に、母親は父親の死後に再婚して去ったため、これら弟妹の生活も彼女と次女の2人が支えていた。しかし、雷波県では賃金も安く、貧しい生活を支えて行くことは困難で、西妹は宜賓市へ出稼ぎに出たのだったが、それが悲しい結末を迎えようとは思いもよらぬことだった。

【9】11月18日にメディアが報じたところでは、章英啓は11月11日早朝に解放された後に、会社へ立ち寄ってから医院へ入院したが、現在は自宅で休養しているという。また、章英啓の妻はメディアの質問に対して、「私たちは被害者だ」と答え、「事件が公になって以来、私や家族は毎日大量の電話を受け、まともに生活ができない状態が続いている。全ては公安局の調査結果を待つしかない」と述べている。一方、章英啓に絞殺された西妹の妹(次女)はメディアに対して、「姉の西妹を直接絞殺した章英啓の責任を追及してよいものかどうか、一体誰に責任を追及すればよいのか、全く分からない。とにかく、誰かが姉の死に責任を負わねばならないのだが」と述べたという。

さて、この事件は中国社会に大きな衝撃を与えた。誘拐された被害者が誘拐犯に脅されて見知らぬ他人を絞め殺したのである。人々は前代未聞の事件に驚きを禁じえなかったばかりか、被害者の犯した殺人が罪として裁かれるか否かを論じ合った。拳銃を突き付けられて殺すと脅されて犯した殺人は罪になるのか。はたまた罪は問われず、無罪放免となるのか。被害者に殺された西妹は殺され損で終わるのか。被害者は西妹に賠償する義務はないのか。

「選択の自由」はあったのか

 北京の著名弁護士である“張新年”はこの事件について次のような解釈を示している。

(1)2015年8月に“全国人民代表大会常務委員会”で可決された「刑法修正案(9)」は、第239条には「財物をゆすり取る目的で誘拐を行い、誘拐された人を殺害した者は、無期懲役あるいは死刑、並びに財産没収に処す」という新規定があり、この事件の犯人一味4人は無期懲役あるいは死刑に処されるに違いない。一方、誘拐の被害者であり、事件の通報者である章英啓が脅迫されて行った殺人に刑事責任を追及できるかについては状況を精査してみる必要がある。

(2)事件当時、章英啓が犯人一味による脅迫と支配を受けて、行動を制御され、意思の自由を完全に喪失し、自己の行動に選択の余地がなかったのであれば、“犯罪阻却事由(違法性を退ける事由)”が成立するので、章英啓は刑事責任を問われず、全ての責任は犯人一味が負うことになる。しかし、もし当時、章英啓に選択の自由があったのであれば、章英啓の殺人は共同犯罪中の“脅従犯(脅迫されて従った犯罪)”を構成することになる。刑法第28条には「脅されて犯罪に加わった者に対しては、犯罪の情状に応じて罰の軽減あるいは処罰を免じねばならない」と規定されている。さらに、これに加えて、自首あるいは重大な手柄を立てた場合は、刑法第67条と第68条および刑事訴訟法第173条の規定により不起訴とすることができる。

なお、2008年10月に河南省“平頂山市”で本件と類似の事件が発生したことがあった。それは、金銭財物をゆすり取る目的で、8人組の犯罪集団が平頂山市“新華区検察院”職員の“夏某”を誘拐した後、夏某とは一面識もない女子大学生の“王科嘉”を誘拐した事件だった。犯罪集団は夏某から1000万元(約1億9000万円)をゆすり取るために、夏某を脅して王科嘉と性的関係を結ばせた後、夏某に王科嘉をロープで絞め殺させた。犯罪集団は夏某が王科嘉を絞殺する一部始終をビデオに撮り、脅しの材料としたのだった。2008年11月8日、王科嘉の遺体は平頂山市の郊外にある鉱山の立て坑の中で発見された。

 10月14日に夏某からの通報で事件を知った“新華区公安分局”は捜査の末に犯罪集団の8人を逮捕したが、事件を通じて夏某はずっと目隠しをされ、王科嘉を強姦した時も、絞殺した時も、常に犯罪集団から力で強制されていたことが確認された。この結果、夏某は被害者として殺人の罪は免じられ、全ての犯罪は犯罪集団の責任に帰されたのだった。

「何らかの罪に処すべき」62%

 ところで、章英啓の事件が報じられると、ネットの掲示板にはネットユーザーが多種多様な意見を書き込んだ。その中で最大の争点となったのは、章英啓が脅迫されて行った殺人に対する量刑をどう考えるかという問題だった。この点に関して、多数のニュースサイトがアンケート調査を実施したが、あるニュースサイトが行った調査結果は以下の通りであった。

(A) 脅されて殺人をしたとはいえ、殺人は処罰されるべき。<36%>

(B) 脅されて殺人をしたもので、自首もしたのだから罰は免じられるべき。<36%>

(C) 脅されて殺人をしたのだから、軽い罰に処すべき。<26%>

(D) その他 <12%>

 (A)の「殺人は処罰されるべき」と(B)の「罰は免じられるべき」という正反対の意見が同率の36%というのは興味深いが、(A)に(C)の「軽い罰に処すべき」を加えると62%になり、章英啓も何らかの罰に処すべきという意見が大勢を占めていることが分かる。

 上述した張新年弁護士の見解から考えて、章英啓は平頂山事件の夏某と同様に、殺人の罪を免じられることになると思われるが、章英啓が富豪である以上は、理由はともかく、自身が手にかけて殺害した西妹の家族に対してそれなりの慰謝料を支払うことを考えるべきだろう。章英啓が西妹の家族に慰謝料を支払ったという話はいまだ報じられていないが、そうあって欲しいと筆者は希望するものである。

12/3日経ビジネスオンライン 鈴置高史『日本を「一撃」できる国になりたい 「日韓併合」をバネに核武装』について

戦うなら朝鮮半島同士でやってほしい。間違っても日本を巻き込むことのないように願います。でも多くの日本人は平和に狎れ、戦争のことを考えません。敵国が誘導してきた結果ですが、早く呪縛を解きませんと。「備えあれば患いなし」、「汝平和を欲さば 、戦への備えをせよ(Si vis pacem,  para bellum=ラテン語)」です。企業の危機管理も国の危機管理も同じでしょう。緊急事態が発生したら、如何にダメージを少なくするか、国民への正確な情報提供と再発防止策を実行する。勿論、緊急事態にならないような予防策を張り巡らしておくことが肝要です。戦争にさせないためには強い抑止力が必要です。強国との同盟、充実した装備(含む核)、兵士の練度が抑止力となります。

日本のマスメデイアは国民を思考停止にさせようとしています。彼らの態度こそが戦争へと導くものです。バランス・オブ・パワーが崩れたときこそが戦争が起こりやすい。特に隣に領土的野心を持った悪の帝国があります。左翼メデイアは不買をして経営が成り立たないようにしないと。2・26事件のように銃弾でメデイアを制圧することはできません。平和裏に論調を変えるには迂遠ですがそれしかないと思っています。

靖国のトイレの爆弾犯は韓国人という発表がありました。靖国で放尿した韓国人については大手メデイアでは余り報道されず、ネットの世界だけか小さな扱いだったと思います。神をも恐れぬ所業です。爆弾犯は「反日教育」で育ったテロリストです。11/23は新嘗祭で参拝者が多かったはずです。テロリスト安重根を英雄と看做す国柄ですからどうしようもありませんが。事実に反する「従軍慰安婦」で日本を貶めようとしているのですから間違いなく敵国です。先ず、ノービザ入国は撤廃、次に戦略品の輸出停止等身をもって分からせないと。

米中両強国の間に挟まって身動きが取れなくなっている韓国。歴史的に事大主義を採って生き延びてきましたが、核の現存する時代、両方にいい顔はできません。どちらかを選択するように迫られるでしょう。政経分離と言う訳には行きません。米国離れを起こせばTPPには入れて貰えないでしょう。崩れゆく中国経済と共倒れの道を歩みます。12/3ZAKZAK『韓国経済にブーメランか 中韓FTA批准も深刻デメリット 敗者連合の様相』『中国経済崩壊で「韓国のデフレ不況突入は確実」と三橋貴明氏』の記事にあります。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151203/frn1512031140001-n1.htm

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151203/frn1512031540007-n4.htm

関税自由化率の低いRCEPでは他国は魅力を感ぜず、入る国は少ないでしょうし、中国に利用されるのは分かっているでしょう。

日本も核保有を、アメリカを説得して進めなければなりません。メデイアや共産党・極左の言うことに染まるのではなく自分の頭で安全について考えなければ。子子孫孫が悪の国に隷従することは避けたいでしょう。

記事

前回から読む)

 北朝鮮の核開発を引き金にした韓国の核武装論。今や「韓国の孤立」が後押しする。

北の核武装は秒読み

—前回は、韓国の核武装論に本腰が入ったという話でした。なぜ今、なのでしょうか。

鈴置:北朝鮮の核開発が進み、近く実戦配備される可能性が高まったからです。北は2006年以降、3回の核実験を実施しました(表「北朝鮮の核実験」参照)。

  • 北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による

 核爆発の規模も尻上がりで、すでに相当の威力の核爆弾を開発済みと見る専門家が多いのです。残る課題はミサイルに積めるよう小型化することで、4回目はそのための実験と見られています。

 2-4年に1度という過去の実験のペースから見て、北がいつ4回目の実験を実施してもおかしくない状況です。それに成功すれば直ちに実戦配備に入るのは確実です。

 北朝鮮は日本と韓国に届く短・中距離弾道ミサイルは開発済みです。2015年5月9日には「潜水艦からの水中発射実験にも成功した」と発表しています。もちろん通常動力型の潜水艦です。

 地上基地とは異なって潜水艦は敵の先制攻撃を受けにくい。このため核保有国にとって、弾道ミサイルを水中から発射できる潜水艦を保有することは必須なのです。

 ただ、本当に北朝鮮が弾道ミサイル搭載型潜水艦を実用化したかは、疑問視する向きが多いのです。11月28日にも実験したようですが、韓国政府は失敗したと判断しています。

東京を守るためにロスを犠牲?

—なぜ、韓国と比べ日本では北の核が騒ぎにならないのでしょうか。

鈴置:日本人が平和ボケしているからです。北朝鮮が核兵器を実戦配備すれば、日本の安全は大きく揺らぎます。北にとって日本は“立派な”仮想敵国なのです。でも、日本には北の核は対韓国用と思い込んでいる人が多い。

 もう1つは、米国との同盟に対する信頼感の差でしょう。日本人は米国の核の傘に入っているから、北朝鮮や中国の核攻撃は受けないと信じがちです。

 でも、米国の核の傘は揺らぎ始めています。前回に紹介した米ケイトー研究所(Cato Institute)の「U.S. should retire outdated alliance with S. Korea」(10月21日)という論文で、筆者のドーグ・バンドウ(Doug Bandou)シニア・フェローは以下のように書いています。

  • 現在、北東アジアでは中国、ロシア、北朝鮮という悪漢だけが最終兵器を持っていて、米国の同盟国である民主国家はいずれも持っていない。その結果、米国はソウル、東京、台北を守る代わりに、ロサンゼルスを危険にさらす羽目に陥っている。

見捨てられやすい韓国

 「なぜ、日本を守るために米国が核攻撃のリスクを引き受けねばならないのか」との指摘です。もちろん、非介入主義を掲げているケイトー研究所は、米国の平均的な意見ではありません。

 しかし、米国で左右を問わず孤立主義が力を増していることを考えると、見過ごせない指摘です。

 一方、韓国は米国の孤立主義が増すというのに中国に急接近したので、ますます「見捨てられやすく」なってしまいました。これが韓国の核武装論を加速しているのは間違いありません。

 10月16日、米韓首脳会談後の共同記者会見で、中国の南シナ海の軍事基地化を念頭にオバマ大統領が以下のように語りました。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領をすぐ横に置いての発言です(「蟻地獄の中でもがく韓国」参照)。

朴大統領にも伝えたのだが、1つだけ、中国に言い続けねばならぬことがある。それは中国が国際的な規範とルールに従うことだ。もし中国がそうしない時には、韓国が我々と同様にしっかりと声を上げて批判することを望む。

韓国を難詰したオバマ

—韓国紙は「『韓国の中国傾斜論』は事実誤認だ。日本人が言って回っているに過ぎない」と書いていましたが。

鈴置:それに加え、韓国のメディアや政府は「米韓同盟は盤石である」とも言い張っていたのですが、さすがにオバマ大統領の「難詰」はこたえたようです。

 朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問は「内外の戦争」(11月3日、韓国語版)で、韓国に怒り出した米国への困惑を率直に記しました。ポイントは以下です。

  • 米国は昨日までの米国ではない。朴大統領との共同会見で、オバマ大統領が中国の国際的な規範違反に関し「韓国も声を出すこと」を公開的に要求した事実を見れば分かる。
  • これは明らかに意図した外交的な逸脱だ。これまでなら仮に会談でそんな話が出たとしても、公開はしなかった。したとしても「憂慮」を表明する水準に留まった。この、韓国も声を出せとの注文は難詰に近い。はっきりと米国は変化したのだ。
  • 共和党の大統領候補であるトランプ(Donald Trump)が連日「韓国の安保ただ乗り論」を言って回る。米国メディアがTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備や、朴大統領の中国の抗日式典参加などをことあげしては韓国の親中路線を批判する記事を大きく載せる。そんなムードに乗って、オバマ大統領までも慇懃無礼に韓国を追い詰める格好だ。

「一撃」は滅亡のキーワード

—米国が韓国に怒るのは当然でしょうが、直ちに韓国を「見捨てる」とも思えません。

鈴置:眺める者はそう考えます。しかし、捨てられたことのある当事者、つまり韓国人は「見捨てられ」に神経質です。その象徴が「一撃」という言葉です。

 「一歩踏み出した韓国の核武装論」に引用した朝鮮日報の「釜山沖で考えた生存の一撃」(11月5日、韓国語版)。核武装を唱える楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹が、さらに一歩踏み込んで原子力潜水艦を持とうと訴えた記事です。

 楊相勲主幹は「一撃の手段」という言葉を使って原潜の保有を主張しましたが、本心は核ミサイルを搭載した原潜の保有と思われます。世界で原潜を持つのは核兵器保有国だけなのです。「一撃」は見出しだけではなく、本文にも繰り返し出てきます。以下です。

  • 韓国は、必要な時に相手に「一撃」を加えることができなければ、ある日突然何をされるか分からない。
  • 米海軍関係者のアドバイスは、どうすれば韓国が一撃の手段を持ち、最低限の抑止力を維持できるかに対する答えだ。
  • 問題は相手に一撃を加えるには、ただの潜水艦ではなく原子力潜水艦を持たねばならないとの事実だ。

 実は「一撃」は、韓国が植民地に転落した際のキーワードなのです。金大中顧問の別の記事「韓国の安保ただ乗り論」(10月6日、韓国語版)にも「一撃」がでてきます。以下です。

ルーズベルトにも見捨てられた

  • 100年前、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)大統領は朝鮮を指して「自分のために一撃もできない国」と見捨てた。我々は1世紀後の今、「一撃」を加える独自の力を持っているのか自問せざるを得ない。

 同じ朝鮮日報の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員も、国際部長時代の9月23日に「国を口先で守るのか」で「一撃」について言及しています。

 関連部分は次の通りです。日露戦争直前の話で、以下に出てくる「負ける国」とはロシアのことです。

  • (約110年前)当時、米国公使だったホレース・アレン(Horace Allen)は高宗の親米的姿勢に感動した。彼はロシアを引き入れることにより、朝鮮半島で日本を牽制すべきだとホワイトハウスの説得に動いた。韓国の独立を支援しようとしたのだ。
  • セオドア・ルーズベルト大統領はアレンに反問した。「あなたはなぜ、負ける国を支持せよと言うのか」「自分のために一撃も加えることのできなかった国のために、米国は介入できない」との有名な文句を残したのもその頃だ。

日本に吸収された方がいい

 朝鮮日報のシニア記者3人が1カ月半のうちに3回も引用したセオドア・ルーズベルト大統領の発言「一撃もできない国」の原文は以下です。

  • We cannot possibly interfere for the Koreans against Japan. They could not strike one blow in their own defence.

 なお、この文句はアレンへの発言記録には見当たらず、ジョン・ヘイ(John Hay)国務長官への1905年1月28日の手紙に残っています。

 日本に吸収されつつある朝鮮朝――当時は「大韓帝国」を名乗っていましたが、米朝修交通商条約(1882年)を理由に米国の保護を期待しました。

 しかし、ルーズベルトは「日本に対し一撃もできなかった――自分の国を守る能力も意思もない韓国は、日本帝国に吸収された方が幸せだ」と考え、実際そう書いたのです。ヘイ国務長官への手紙には以下の文章が続きます。

  • It would in fact be best for the Koreans if their country was absorbed into the Japanese empire.

 そしてこの手紙が書かれた半年後の1905年7月に、米国はフィリピンの支配権を日本に認めさせる代わりに、日本による朝鮮支配を認める「桂―タフト協定」を結んだのです。

—朝鮮日報は「Strike one blow=一撃」が好きなのですね。

鈴置:同紙に限らず、韓国の知識人には「約110年前、敵に対する一撃の能力も意思も持たなかったため米国から見捨てられ、日本に併合された」という共通認識があるのです。

「千年の無礼」が復活

—そこで「再び米国に見捨てられそうになった今、一撃の能力――核抑止力を持とう」と叫ぶ人々が出てきたのですね。

鈴置:その通りです。「一撃の能力も意思もなく」植民地に転落することになった屈辱の瞬間を国民に思い起こさせれば、核武装への支持が集まると韓国の指導層が考えるのは自然なことなのです。

—韓国は「離米従中」しています。米国を頼れないのなら、思い切って中国を頼ればいいのでは?

鈴置:それには米韓同盟を破棄し、中国と同盟を結ぶ必要があります。しかし韓国人は、そこまでのハラを固めてはいない。結局、米国だけではなく中国にも心底からは頼れず、頭を抱える羽目に陥ったのです。

 先に引用した朝鮮日報の金大中顧問の「内外の戦争」(11月3日、韓国語版)も「韓国に怒りだした米国」のくだりに続き、次のような記述が続くのです。

  • 今回の(10月31日の中韓)首脳会談でも、中国側の報道によれば、中国はEEZ(排他的経済水域)の再調整により、離於島(イオド)を我がものにしようとしたという。
  • 人口と国土面積の大きさに比例して、EEZも広くなければならぬと言うのだ。「千年の無礼」が復活した感がある。

再び属国扱い

—EEZを人口と国土面積で決めるとは?

鈴置:中国と韓国の間には黄海があります。しかし主張が大きく異なるため、両国は黄海のEEZを確定できません。

 韓国は両国の中間に線を引いて、それをEEZの境界線にしようと主張します。しかし中国は人口と国土の大きさを考慮すれば、中国のEEZはもっと韓国側に張り出すべきだと言い張るのです。

 中国の主張に従えば、韓国が離於島という暗礁の上に建てた観測基地も中国側のEEZに入ります。もちろん「人口と国土」でEEZを決めるとは前代未聞です。

 しかし、中国は韓国に首脳会談で堂々と中国が主張する、無理筋のEEZを受け入れるよう要求するようになった。

 今後のEEZ交渉の過程で、中国は韓国に対し黄海や陸上での米韓合同演習の中断など、無理難題をふっかける可能性もあります。

 韓国は再び属国扱いされるようになったのです。金大中顧問が「『千年の無礼』が復活した感がある」と書いたのは「『千年余に渡る宗主国としての上から目線』が復活した」との怒りからです。

フィリピンの失敗

—なぜ今、「千年の無礼」が復活したのでしょうか。

鈴置:米韓間に隙間風が吹き始めたからでしょう。米国の後ろ盾をなくした韓国は、弱気になって言うことを聞くはずと中国が考えたと思われます。

 1992年に米海軍がフィリピン・スービック海軍基地から撤収すると、中国海軍は直ちに南シナ海での活動を活発化しました。

 1995年にはフィリピンが実効支配していたスプラトリー(南沙)諸島のミスチーフ礁を奪いました。20年前、米比関係に隙間風が吹いたのを、中国は見逃さなかったのです。

—確かに20年前のフィリピンと似ていますね。

鈴置:先ほどの「一撃」ではありませんが、110年前を思い出す韓国人も増えています。国際的な環境が日清、日露戦争当時と似てきたと訴える記事がしばしば韓国の新聞に載るようになりました。

 当時、日本は英国という海洋勢力の先兵となって大陸の大国に戦いを挑んで、自らも大国に駆け上がった。一方、韓国は国の針路を定められず、大国の間をうろうろとして滅んだ――との内容です。

四面楚歌と核

そして、以下のように語る韓国人が出てきました。

現在は、英国の代わりに米国が日本をして中国に戦いを挑ませている。大陸勢力と海洋勢力の対決が再燃したのだ。

朴槿恵政権は19世紀末から20世紀初めと同じように、大国の間を迷走するばかりだ。そして米国や日本の後ろ盾を失いつつある我が国に、中国は「怖い顔」を見せ始めた……。

 金大中顧問の「内外の戦争」は米国や日本との関係悪化という現実に加え「怖い顔を見せ始めた中国」への恐怖も語っているのです。

 韓国人は自分が四面楚歌に陥ったことにようやく気づきました。そんな心細い状況下で「核を持とう」とささやかれたら、韓国人の多くが思わず「そうだ!」と叫ぶでしょう。

 四半世紀前、冷戦体制が崩壊する中で中ソに見捨てられた北朝鮮は核開発に本腰を入れました。今、南でも同じことが起きているのです。

(次回に続く)

12/2日経ビジネスオンライン 福島香織『習近平の軍制改革は、成否問わず世界のリスク 権力闘争で不安定化、改革推進で強軍化』について

習近平は政敵を倒すためにいろいろ仕掛けてきていると言うのは誰しも理解していると思います。反腐敗運動は「自分のことは棚に上げ」と言うものの、庶民は職権濫用で私腹を肥やしてきた権力者の打倒には喝采を送っていると思います。ただ、軍の改革は非常に難しいでしょう。軍の経験がない習に軍人は面従腹背で臨むのでは。今までのポストも減り、商売(兵器横流しや、売春宿の経営等違法行為)もできなくなると暴力装置である軍が黙っているかどうかです。クーデターもあり得ます。日本の長い歴史を持った天皇制と違い、共産党の治世は短く、主席の首は簡単に切れるでしょう。

習の言う「強軍政治」は北朝鮮のスローガンである「先軍政治」をパクったものとしか思えません。中国も北朝鮮と同じレベルと言うか、北朝鮮から見れば中国は修正主義で、「社会主義市場経済」や「中国特色的社会主義」は偽物のように見えのでしょう。共産主義と言う思想の正統性はどちらにあるかとなると北朝鮮でしょうが、両方とも残虐性においては引けを取りません。まあ、共産主義が間違っているのは歴史が証明していますが。

軍も権銭交易がおこなわれていて、ポストを得るにもお金が必要な組織では、国と言うか共産党に対する忠誠心何て持つはずがありません。戦闘になれば一目散に逃げるでしょう。督戦隊が必要となる所以です。

習の言う「全面的法治」なんてどの口で言うのか分かりません。一番法治に相応しくないのは共産党の存在です。「没有共産党就有新中国」です。

軍政と軍令を今頃分けるのは遅すぎでしょう。日本も戦前からそうなっていました。軍令部がしっかり戦区をグリップできる保証はありません。日本の関東軍のようになるかもしれません。軍人が結束して下剋上を起こす可能性もあります。

毛沢東は朝鮮戦争時、国民党残党を戦地に送り込み敵に殺させ、また鄧小平は中越戦争時、文革派を殲滅させるように敗北したと言われています。内政が外交・戦争を決めていく典型例です。習の敵と思われる軍人は戦争で始末される可能性があります。ということは日本を攻撃してくる可能性もあります。備えが肝心です。

記事

 2013年の三中全会で予告されていた通り、習近平の軍制改革がいよいよ始まった。かなり前倒しの感がある。11月24日から26日までに北京で中央軍事委員会改革工作会議が開かれ、そこで「軍制改革方案」が決定された。2020年までに今の陸軍中心の軍区制から空海軍中心の戦略区制に改編、軍令と軍政を分離させる。また9月3日の軍事パレードで宣言したように30万人の兵力を削減し、巨大な政治体であり腐敗の温床であった解放軍を高度に情報化した先進国並みにプロフェッショナルな近現代軍に作りかえるのが目標だ。

 この大規模軍制改革とは具体的にどのようなものか、習近平の狙いはどこにあるのか、そして軍制改革が国際社会にどんな影響をもたらすのか、今現在出ている情報を整理してみたい。

強軍興軍の通らねばならない道

 この決定によって、全面的な強軍化戦略の実施の堅持が明確化されたという。中央軍事委国防と軍隊改革深化指導小組長の習近平は、会議の席で「国防と軍隊改革の深化こそ中国の夢、強軍の夢の時代的要求に合致しており、これは強軍興軍の通らねばならない道であり、また軍隊の未来を決定する鍵でもある」と強調した。

 具体的にどのような改革が実施されるのかを見てみよう。

 まず、なぜ今、軍制改革をやろうとしているのか。

 公式には、習近平の掲げる「二つの百年」目標実現のためという。つまり①共産党成立100年(2021年)までに中国で全面的なゆとりある社会(小康社会)を打ち立てること、②中華人民共和国設立100年(2049年)までに社会主義現代国家を打ち立てること、を実現するためである。国際社会の複雑な変化に対応し、中国の特色ある社会主義を堅持、発展させ、”四つの全面”(習近平の国家統治のための戦略布石、全面的小康社会の建設、全面的改革の深化、全面的法治国家の推進、全面的党治の厳格化)の協調的推進に、必ず必要なのが軍制改革による強軍興軍化である、という。

 軍制改革の骨子は主に四つ。①今の軍区制を廃止して戦区制(戦略区制)にする。②軍令と軍政を分離し、軍の司法機構を一新する。③30万兵力を削減し200万兵力とする。④軍の”有償サービス”の全面的廃止。

旧ソ連式の軍区制から米軍式の戦区制へ

 まず、①から解説しよう。軍区制から戦略区制に代わると、どうなるのか。

 従来の解放軍の軍区制とは、旧ソ連の軍管区制度にならったもので、中国が国境から敵に侵略されることを想定して陸軍を七つの地域に密着した軍事組織・軍区に分けている。例えば瀋陽軍区は北朝鮮、成都軍区はインド(チベット独立派)、北京軍区はモンゴル、南京軍区は台湾(日本)、蘭州軍区はロシアやウイグル独立派、済南軍区は対外敵が想定されていない予備軍区というふうに。軍区の司令にその地域の作戦を実施する上でのかなり強固な指揮権があり、そこに所属する海軍、空軍、第二砲兵(ミサイル部隊)の指揮権も、兵站や兵力の配置なども軍区の指令が基本的に担う。また軍区には政治委員も設置され、軍政権も軍区ごとに強い。地域の密着型の極めて政治性の強い軍組織であることから、利権の温床ともなりやすく、軍閥化もしやすい。軍内派閥もだいたいこの軍区の出身によって形成されてきた。49年に軍区制が導入されて以来統廃合はあっても、軍区制自体が変えられることはなかった。

 一方、戦区制とは、米軍の統合軍がモデルのようで、戦略・作戦目的ごとに陸、海、空軍の統合軍が設置され、指揮系統も統合作戦指揮系統が置かれる。中国が今現在想定する戦争は国境から外敵の侵略に対応するものではすでになく、南シナ海・東シナでの空海軍やミサイル部隊を主力とした紛争だ。あるいはテロや内乱といった非対称戦闘だ。そう考えると陸軍の地域密着型軍区の強い指揮権は意味をなさないうえ、その強い政治性は中央にとって脅威でしかない。軍区制はかなり前から時代遅れと言われ胡錦濤も廃止しようとあがいたが、軍区=陸軍の利権でもあり、強い抵抗にあって頓挫していた。今のところは七大軍区が四大戦区(北京、南京、成都、広州)に改編される見通しだ。

②について。従来、解放軍の実権は四大総部(総参謀部、総政治部、総装備部、総後勤部)が握っており、中央軍事委主席の統帥権など名目でしかなかった。だが改革では「軍政と軍令の切り離し」を進め、軍令権を統合作戦指揮系統に置くという。統合作戦指揮系統は中央軍事委直轄となる。つまり最高軍令権を名実とも習近平が掌握することになる。

最高軍令権を習近平が掌握、軍縮という名の粛清

 また、これまでは中国の軍は軍政権を握るものが軍令権も動かしている部分があった。軍事は軍政権(軍事行政、装備、兵站など軍隊建設に関わる政治)と軍令権(作戦統帥権など軍事力の直接的使用に関わる権力)からなっている。平和時、軍令権はあまり存在感がない。むしろ軍政を握るものが軍の権力の中枢を握ることになる。逆にいえば、それが平時の軍の常態である。だが、習近平が軍令権と軍政権を分離し、軍令権については自らが掌握することにした。これは、平時から戦時体制に変わる準備ともいえる。軍令権の中には仮想敵国の想定や戦術戦略研究の方針も含まれるという。

 この改革が進めば、これまで軍の実権を握っていた四大総部は、中央軍事委の決定に従って実務に専念する職能機関に格下げになる見通しだ。中でも総政治部の権限は大幅に弱体化する。

 さらに、軍中の司法機構が一新されるという。

 中央軍事規律委員会は軍の腐敗を摘発、裁く機関である。だが、今の状況では、この軍司法機構は身内意識が優先して厳しい裁きはあまりできなかった。長らく軍政を握っていた習近平の政敵・徐才厚(失脚、すでに死亡)の人事、影響力が強く残っており、徐才厚残党一層のためには、現行の軍司法機関では甘い、というわけだ。軍事中央規律委の独立性を確立し 新たに軍事政法委を作るなど、大幅な軍の司法機構改革するもようだ。

 ③について。30万人削減は9月3日の大閲兵式での演説で、習近平があたかも軍縮が目的のようなかっこうで発表したことだが、これは軍縮ではない。軍のスリム化による強軍化であると同時に、軍の徐才厚、郭伯雄(ともに習近平の政敵として粛正された)の残党の粛正発表と受け止められている。七大軍区の改変も、徐才厚派閥の多い瀋陽と郭伯雄派閥の多い蘭州の軍区おとり潰しが裏目的と見られている。

 また、この30万人の内訳は多くが「非戦闘員」と言われている。汚職の温床化している装備部の圧縮が真っ先に挙げられている。また30万人中17万人は、陸軍の江沢民系、徐才厚系、郭伯雄系ら将校クラスともいわれている。習近平夫人の彭麗媛の出身母体である総政治部歌舞団はじめ文藝工作関係者や八一映画フィルム製作所などの宣伝工作要員ら1万人も対象になるようだ。この軍のスリム化は2017年までに完了させるという。

 ちなみにリストラされた兵員がどこに行くかは、不明。新疆方面の武装警察に対テロ要員として編入されるという説もあるが、将校クラスともなれば、そうした再就職は難しい。それなりに軍内実権ももっていた彼らが大人しくリストラされるかどうかも、習近平の力量が試されるところだろう。

最後に④について。軍の有償サービスとは、軍が経営する民間向けの商業活動である。1998年、江沢民政権下では一応、軍の商業活動は表向き禁止となったが、実際のところは暗黙裡に認められている分野は多々あった。また軍病院や軍事学院、軍の倉庫の民間開放や軍所属の歌舞団や文藝工作団のテレビ番組出演なども認められてきた。軍の土地の使用権が商業マンション用に譲渡されたりもした。これらは軍の利権・腐敗の温床となっているということで、これらを一切認めない方針に切り替わる。この軍の利権を徹底摘発する過程で、おそらくは政敵排除を進めていくと思われる。

やってもやらなくてもリスク

 習近平が会議席上、「軍民融合」を訴えているが、これはこれまで軍部の握っていた商業サービス部門を民間に任せていくという考えも含まれているようだ。こうした刺激が、軍事産業系企業などの活性化につながるとの期待もある。

 こうした軍制改革を実際2020年までに行うとなると、かなりの力技が必要であり、またリスクもある。リスクとは軍内部にくすぶっている不満が、何かの形で表面化することだ。

 今のところは、苛烈な粛正による恐怖で軍内部の不満を抑え込んでいるが、30万のリストラによって生活の糧を奪われる者や、有償サービス全面禁止によって利権を奪われる者の恨みの深さを想像すると、たとえばクーデターが起こっても不思議ではない。徐才厚の出身軍区である遼寧軍区など、まるごと消滅するかもしれないのだから、窮鼠猫を噛むではないが、一か八かの勝負に出ることもあるかもしれない。なにせ、軍というのは、大量の武器を所持している、最も実行力のある組織なのだ。実際、習近平が、徐才厚残党の反撃を非常に警戒していることは今年の北載河会議でも口に出している。

 それでも、そのリスクを承知で、軍制改革を進めようとするにも、当然の理由はある。

 軍の今の状況を放っておいてもリスクなのだ。すでに徐才厚、郭伯雄という軍の制服組の二大派閥の親玉が粛正され、軍の動揺ははかりしれない。その粛正を徹底し、習近平が新たな親玉として実力を兼ね備えなければ、軍が習近平の敵となる可能性がある。またドイツの華字メディア・ドイチェヴェレはメルカトル中国問題研究所の専門家の言葉を引用してこの軍改革が「解放軍のバルカニゼーション(互いに対立する小単位に分裂すること)を避けるため」という見方を示していた。

もう一つの理由は、軍制改革をやり遂げねば習近平政権が政権の座に安穏とできない、ということ。江沢民、胡錦濤の両政権と大きく違うのは、毛沢東に続く中国の強人政治家・鄧小平の欽定であるかないか、だ。鄧小平の欽定でない習近平は、鄧小平に匹敵するような軍の掌握ができて、初めて「銃口から生まれた政権」共産党のリーダーとして認められるのだ。

中国は、どう転んでもリスクであり脅威

 そう考えると、この軍制改革は極めて内政的な要因、つまり権力闘争的要因で行われるものと見て間違いない。だが、軍制改革の内容が国土防御を中心とした軍区制から対外戦略を中心とした戦区制に転換するというものである以上、日本のように対立する利害もある隣国にしてみれば、これは中国の軍事的脅威の質的増大に他ならない。しかも、中国は内政があって外交がない、あるいは内政のために外交を行うような面は多々あり、非常に内政的理由で、中国が良好な隣国関係や国際社会での評価や信頼を犠牲にすることも過去にあった。

 解放軍のバルカニゼーションも、クーデターも、国際社会にとっては当然大きなリスクなのだが、習近平が軍制改革を成功させ強軍化を実現すれば、南シナ海や東シナ海の紛争リスクも上昇する。つまり、今の中国はどう転んでも、リスクであり脅威なのだ。

 その様々なリスクと脅威に、日本はどう対応していくのか。何度も問いかけてきたことを、今一度、問いかけたい。

11/14水間政憲ブログ『緊急拡散希望《ユネスコ記憶遺産登録と日本解体法案》』について

中国人の学術論文の撤回が物凄い数であることに世界は気づいてきています。一人日本のみが世界からとり残されています。大学や理化研には夥しい中国人が入って来ています。何故敵国に技術や知識を簡単に与えるのか分かりません。また、東大の森口や早稲田の小保方などは中国人のメンタリテイそのものです。東洋ゴムや東芝の経営者もそうです。日本人の精神性も劣化してきたのでしょう。悪と付き合えば「朱に交われば赤くなる」です。南京虐殺が嘘というのもこれで分かるでしょう。「南京虐殺」は日教組やメデイアがGHQや中国のお先棒を担ぎ、デッチ上げに加担して国民を騙してきたものです。ユネスコには説明責任があるし、日本は反論材料が沢山あるので実証的に論破していけば良いと思います。

夫婦別姓は日本の伝統文化をひっくり返す意図があります。中国と同じようにしたいのでしょう。岡田英弘によれば一番寝首をかきやすいのが妻だから別姓にしていると書いていました。本来国民から選ばれていない官僚である裁判官が法律を作る効果を与えること自体間違っている(三権分立)と思いますが、それが現実です。肚が据わった政治家が少なく、すぐメデイアが作った世論に迎合しようとします。日弁連などは左翼集団の集まりで日本の弱体化を狙うものですし、裁判官も戦後の日本国憲法で育っているため信用できません。世界史的発想をする人たちはいないでしょう。でも、少しでも「夫婦別姓」に影響を与えることができるのであれば手紙をと思いますが、eメールと違い面倒です。

記事

■国内外この1ヶ月間のニュースは、戦後の秩序が壊れ始めている事を如実に示しています。パリではテロが勃発し、非常事態が宣言されています。被害者の皆様方にはお悔やみを申し上げます。

この根元には「移民問題」と「エネルギー問題」が絡み合っています。

フランスの場合、リビアのカダフィ大佐の政権が崩壊するきっかけになったリビア爆撃を強力に実施したのは、フランス空軍だったのです。今回のパリのテロには、そのときの因果応報が否定できないのです。そのフランスは、中近東の問題にも深く関わっており、今回のテロは一過性の問題ではありません。このテロの根底には、中近東やアフリカからの移民も絡み合っており、収束するには長い時間がかかることは確かでしょう。ヨーロッパの移民問題は、ヨーロッパ諸国のアフリカや中近東政策がもたらしており、その混乱は日本にも陰を落としています。

つい最近も渋谷のトルコ大使館での在留者投票で、クルド民族のトルコ国内問題が日本で勃発したのであり、遠い国の問題ではなくなったのです。

このような国際情勢下で、近代文明の根底を揺るがす問題として、学術論文の偽装によって、今年3月、英国の出版社が43件の論文を撤回した中で41件が中国人のものだったのです。

8月にはドイツの学術誌が撤回した論文64件の大部分が中国人のもので、また10月には国際的な出版社「エルゼビア」が撤回した9件の論文の全ては中国人のものだったのです。

現在、中国の「不正文化」が世界に蔓延し始めたことは、近代文明の崩壊を意味します。 この問題は、この度問題になった「南京資料のユネスコ世界記憶遺産登録」も、学術論文の「不正」と同じ問題なのです。

日本解体を目指す反日日本人は、国家の基本法を破壊することに集中して、じわりじわり実施して来ています。それが明らかになったのは、「国籍法改悪案」に始まり、昨年、改悪された愛人と正妻の子供の遺産相続権の均等化でした。

そして、本年12月16日に最高裁判決が下される「夫婦別姓法案」です。

いままでの流れから、最高裁が「夫婦別姓」を認める裁決を出すと、それを踏まえた法案が国会で裁決されることは明らかですので、最高裁判事に国民の声を届けて、裁決の基礎にしていただけば、少数派の意見は採用されないと思っております。

実際、少数派の意見の法案が通り、代替わりすることで3世代家庭の表札は4枚になったり、〇〇家の墓石が使用出来なくなり、新しい墓石が中国製などと、笑えない状況も想定されます。

また、子供の名前は誰が決めるか、子供の人権にも係わる大問題も含んでいます。これは、日本の伝統文化が根底から破壊される事に、国民は気付いておりません。

この最悪の状況を阻止するには、国会議員に期待しても無理なことですので、最高裁判所判事に直接お願いするしか方法はないでしょう。

最高裁事務総局に問合せしたところ、ファックスで受けることは出来ないが、そうゆう事でしたら「手紙でお願いします」とのことですので、下記にハガキか手紙で要請していただければ、反日勢力の策動を阻止できると思っております。

【夫婦別姓最高裁判決:2015年12月16日】

■【最高裁判所】〒102-8651 東京都千代田区隼町4番2号

『事務総局「夫婦別姓公判」担当気付〇〇判事殿』

  • 最高裁判所の裁判官;大法廷15名一覧表

◆最高裁判所長官;寺田 逸郎

◆最高裁判所判事;櫻井 龍子

◆千葉 勝美

◆岡部 喜代子

◆大谷 剛彦

◆大橋 正春

◆山浦 善樹

◆小貫 芳信

◆鬼丸 かおる

◆木内 道祥

◆山本 庸幸

◆山崎 敏充

◆池上 政幸

◆大谷 直人

◆小池 裕

以上、15名の過去をインターネットで調べて、手紙かハガキで意見を要請してください。

■現在、NHKは夫婦別姓を賛成へと印象操作した偏向報道しておりますので、抗議は以下のFAX番号へしてください。

【NHK】意見受付FAX番号:03‐5453‐4000

※ジャーナリスト水間政憲;インターネットだけ転載フリー〈条件・全文掲載〉http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/

11/29日経『中台首脳会談 成果と先行きは 直接対話の枠組み構築 台湾・淡江大学中国大陸研究所所長 張五岳氏』について

Zhang Wu Yue張五岳氏について調べました。民進党の元主席の施明徳等と「台湾と中国大陸の関係についての5原則」を提案した人です。

大一中架構,或稱處理兩岸問題五原則,是台灣政治術語,於2014年5月27日由前民進黨主席施明德、前中華民國國家安全會議秘書長蘇起、前海基會董事長洪奇昌、前海基會副董事長焦仁和、前陸委會主委陳明通、前中華民國外交部部長程建人、淡江大學中國大陸研究所所長張五岳等七人在其共同發表的《處理兩岸問題五原則》宣言中共同提出。施明德等人希望用這個架構來取代一中原則。其旨為:海峽兩岸在一個中國架構下,建立起一個「不完整的國際法人」。

前行政院長郝柏村原計畫加入連署;但因郝柏村堅持加入「兩岸同屬中華民族」,與施明德意見不同,因此最後未加入。(郝柏村は「台湾と大陸は同じ中華民族」と言ったが、施明徳の反対で本件は盛り込まれなかった)

在處理兩岸問題五原則中,提出:

1.尊重現狀(現状を尊重する)

2.兩岸為兩個分治政府(台湾と大陸はそれぞれの政府を有する)

3.大一中架構取代一中原則(「大一中架構」=2国家論や台湾独立に反対するが、「一中原則(一つの中国で、中華人民共和国がそれを代表し、台湾は中国の一部分)」は支持しない。施明徳は中国とは何を指すかについては解釈しない立場である。)

4.兩岸共組一個不完整的國際法人,以共識決處理雙方關切的事務,作為兩岸現階段的過渡方案。(台湾と大陸は不完全な国家であって、共通認識(92共識を指すのか不明。小生は、92共識はでっち上げと思っています)を以て両方とも関心を持って事務処理することを決め、双方とも現段階を過渡的段階とする)

5.兩岸在國際上享有參與聯合國等國際組織、與其他國家建立正常關係的權利。(双方とも国際機関等の組織において普通の国家としての権利を持つ)

来年の総統選では民進党・蔡英文の勝利は揺るがないでしょうが、中国の出方が気になる所です。特に「92共識」の存在がスタートラインとなると蔡英文は益々中国離れを起こすのでは。中国経済も悪化してきているので、台湾企業も大陸から逃げ出した方が良いと思います。債権回収できなくなります。日本と「産業同盟」を結び、東南アジアの華僑相手にビジネスした方が良いのでは。

記事

中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統は7日、シンガポールで歴史的な握手をした。1949年の中台分断以降、初めてとなる首脳会談は東アジアの安定に結びつくのか。中台関係に詳しい台湾の淡江大学中国大陸研究所の張五岳所長と、オバマ政権で対中政策を練ったエバン・メデイロス前米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長に聞いた。(この部分はありません。張五岳氏だけです。)

 ――1949年の中台分断以来の歴史的な首脳会談が実現しました。

 「両岸(中台)は過去7年間、経済を中心に交流を推進してきた。両首脳が直接会って、この成果を強固にする狙いがあった。さらに台湾では2016年1月に総統選挙が控えており、(政権交代で)両岸関係が大きく変化する可能性がある。両首脳はその前に会い、両岸関係の安定を維持するために積極的に関与したいと考えたのだろう」

 ――なぜこのタイミングで会ったのですか。

 「習氏にはまず中国の内部事情がある。台湾の政権交代が実現した場合、両岸関係が難しくなって習氏への批判が強まる可能性がある。習氏は中国の歴代指導者ができなかった首脳会談で自らの実績をアピールし、権力基盤を固める狙いがあった」

 「中国は東シナ海や南シナ海で、日本や米国との摩擦に直面している。この7年間の台湾海峡は穏やかだったが、台湾が政権交代後に日米に接近した場合、中国にはプレッシャーとなる。その前に首脳会談を開き、両岸の平和を演出したかったのでないか」

 「馬氏は08年に総統に就任して以降、両岸関係の発展に努めてきた。一方、内政問題でつまずき、自分は正しい評価を受けていないと感じている。馬氏の任期は16年5月までだが、誰しも任期が終わる前には自らの理想を追求するものだ。首脳会談は、たとえ会うだけでも自らの政権の集大成になると考えたはずだ」

 ――両首脳は中国と台湾は不可分の領土であるという「一つの中国」の原則を確認し合いました。

 「習氏も馬氏も(「一つの中国」の原則を認めるが、内容はそれぞれが解釈するという)『92年コンセンサス』に言及した。これこそが両岸関係の平和発展の最大のカギとなることを世界に宣言した形だ。台湾の総統選で(台湾独立志向を持つ最大野党の)民進党の蔡英文主席が当選した場合、この『92年コンセンサス』を受け入れるのかを突きつける狙いがある」

 「習氏には会談で馬氏というより蔡氏にメッセージを送る狙いがあった。両岸関係で『92年コンセンサス』の重要性が一段と強固になったことを見せつける半面、これに代わる新たな了解事項や信頼関係があれば蔡氏と会うのは不可能でないことを示唆した」

 「中国は両岸関係を長期的な視点でとらえている。今回は両岸の首脳が直接対話するという前例をつくったことが重要だ。こうした前例があれば、もし中断しても再開することが可能だ」

 ――馬氏は会談で台湾当局が名乗る「中華民国」の名称などを使ったことをあえて公表し「習氏と対等の会談だった」と主張しています。

 「公開のあいさつでは互いに不快感を与えることは言わなかった。ただ非公開の会談部分では、習氏も『台湾独立に反対する』などと言いたいことを言った。事前にそうした合意があったのだろう」

 ――会談は総統選で劣勢の与党・国民党への追い風になるとの見方もありましたが、効果は小さいようです。

 「習氏も馬氏も会談によって選挙の結果が変わるとは思っていない。蔡氏は両岸関係で『現状維持』の政策を打ち出しており、一定の支持を得ている。ただ今回の会談は蔡氏が総統就任後に、両岸関係を推進できるかという大きな課題を突きつけた。蔡氏が20年の総統選で再選できるかにも影響してくる」

 「中国が『92年コンセンサス』を通じて台湾に要求していることは、『一つの中国』と『台湾の独立反対』を認めることだ。民進党が『台湾の独立反対』を容認することは中国も期待していないが、少なくとも『両岸は国と国の関係でない』ことを何らかの形で示すことを要求してくるだろう」

 ――中国と民進党が折り合えないと、どうなりますか。

 「中国は台湾に揺さぶりをかけるだろう。両岸が実施している経済協定の交渉や、閣僚級の直接対話はストップしそうだ。(中国人観光客の台湾訪問など)民間ベースの交流は完全には止まらないだろうが、縮小するはずだ」

 「(来年1月の)総統選が終わったら蔡氏の5月の総統就任を待たずに、中国と民進党はコミュニケーションを取り始めるはずだ。ただ蔡氏が最終的にどう対応するかは私にもまだ分からない」

(聞き手は台北=山下和成、写真は熊谷 俊之)

 Chang Wu-Ueh 台湾の政治大学で博士号取得。2008年から現職。台湾の官庁の諮問委員なども務める。55歳。