12/29日経ビジネスオンライン 重村智計『慰安婦妥結・冷戦時代から続く日韓関係の終わり』について

一読して甘い見方と思いました。朝鮮半島の専門家と言いながら、朝鮮民族の特質を理解していません。米国が保証しようとも彼らは約束を反故にするでしょう。政府の口約束なぞ条約ですら破って慰安婦・強制徴用等請求してきたのに、やめるはずがないでしょう。大統領が変わればまた新たな問題を提起するでしょう。そのようにして日米中を外交上翻弄すると思います。結局、日本が「軍の関与」を認めた事だけが、世界の歴史に残ります。米国のインデイアン虐殺、黒人奴隷、原爆投下、ドイツのユダヤ人虐殺、中国の大躍進時の餓死、文革の粛清、ソ連のスターリン大粛清は歴史的事実です。慰安婦・強制徴用・南京虐殺は事実でないことを改竄・捏造されたものです。彼らは歴史的事実でなくとも、他民族も同じようなヒドイ歴史を持つことを望むでしょうから。中国の「日本悪魔化計画」に則って、世界(国連や中国公館を利用して)に日本は道徳的に劣った民族と印象付け、日本を貶めようとしています。慰安婦もその一つです。中国の掌の上で踊っている気がします。米国は韓国を自陣営に引き留めようとしていますが、韓国は裏切ると思います。日本は打つ手なしのように見えます。外務省、日教組、朝日新聞、媚中・韓政治家等日本のエリート層+左翼が腐っています。国民一人ひとりが不買、良い政治家に投票に行く、一人でもまともな判断ができる国民を増やしていくことくらいしか方法はありません。

本記事では、韓国の地域主義について触れられていません。政権を取った地域が慶尚南道・北道、全羅南道・北道、忠清南道・北道、京畿道、江原道といった地域対立を表面化しないように、日本を悪者にして自分達の政治の悪さから国民の目をそらすものです。

早速、韓国内ではいろんな動きがでてきました。韓国政府はどう収拾するつもりでしょう。

12/31連合ニュース「最大野党「共に民主党」のムン・ジェイン代表は31日、韓日間で妥結した慰安婦交渉と関連して「政府が10億円で私たちの魂を売り払ったのだ。屈辱的交渉結果で得る10億円を拒否する」として慰安婦おばあさんのための財団設立金100億ウォン国民募金運動を提案した。」

1/1イラン日本語ラヂオ「韓国の元慰安婦の女性らが、日本と韓国が先ごろ慰安婦問題で合意したにもかかわらず、日本政府を相手取り訴訟を起こしました。以前、韓国の裁判所で日本政府を相手取り、損害賠償を求めて民事調停を申し立てていた元従軍慰安婦の女性12名が、正式な訴訟を起こします。韓国の裁判所も、先の日韓の合意にもかかわらず、この問題を審理することを受け入れました。」

12/31連合ニュース「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が少女像の席は「不可逆」であり本来の席になければならないと明らかにした。彼は前日にも自身のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)アカウントで「少女像はもう忘れることができない歴史を記憶する象徴です。少女像の席が『不可逆』です」と明らかにした。」

1/1朝鮮日報日本語版「韓国広報の専門家・誠心女子大学の徐ギョン徳(ソ・ギョンドク)教授は31日「日本軍慰安婦少女像を世界的な観光名所にする」と宣言した。徐教授は米国のニューヨーク・タイムズ紙やウォールストリート・ジャーナル紙など主要紙に、日本軍慰安婦の真実を知らせる広告キャンペーンを展開してきたことで知られている。   徐教授は「現在、読売新聞や産経新聞など日本の主要紙は連日のように慰安婦少女像の撤去を求める記事を掲載し、韓国政府に圧力を加えようとしている。しかし日本側のこのような動きに当惑することなく、むしろこの機会に慰安婦少女像を世界的な観光名所にしなければならない」と力強く語った。   そのための取り組みとして徐教授はまず「ロンリープラネット」など世界の主要観光ガイドの韓国に関する説明の中に、駐韓日本大使館前の慰安婦少女像の紹介を掲載し、それによって韓国に観光にやって来る外国人なら必ず訪問するよう誘導するというアイディアを紹介した。   徐教授は「韓国には年間1500万人の観光客が海外からやって来るが、彼らに慰安婦少女像を紹介して日本軍慰安婦の真実を幅広く伝えなければならない。それによってユダヤ人大虐殺のシンボルであるホロコースト記念館と同じく、日本軍慰安婦を世界的かつ象徴的なブランドにすることが重要だ」とも強調した。 

2番目の取り組みとして徐教授は、世界の有名アーティストらと協力し、各国の主要都市で「慰安婦少女像」をテーマとするパフォーマンスを行う計画を進めたいとしている。

 徐教授は「今回、韓国と日本の両政府による慰安婦交渉の結果、世界の主要都市に慰安婦少女像を設置するのは簡単ではなくなったかも知れない。しかし一つのアート作品として世界のアーティストらと協力し、展示会を開催すれば、メッセージを効果的に伝えることができるはずだ」とも述べた。

 徐教授は「今回の慰安婦交渉の結果に韓国の国民は大きく失望した。民間の次元で力を結集して慰安婦少女像を必ず守り、日本の歴史わい曲を全世界に広く知らせていかねばならない」と力強く語った。」

内容

日韓両国の政府は国交正常化50周年の年の最後に、慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決」を見たと発表した。米国は、この合意を高く評価し歓迎した。欧米のメディアも、歴史的な合意として報じている。

 この合意は、歴史的に見ると、冷戦時代から続く「日韓関係の終わり」を意味する。両国首脳が政治家として格段に成熟したことを物語る一方で、慰安婦問題が再び蒸し返される火種も残している。安倍晋三首相が表明したのは「おわび」であって「謝罪」ではない。韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が使った表現は「立場の表明」であって「約束」や「合意」ではないからだ。

米国の働きかけと韓国総選挙

 日韓両国が合意した背景には、米国の働きかけがあった。これを受けて、日韓両首脳は2国間問題を解決する指導力をようやく発揮した。オバマ大統領の仲介と強い意向なしには実現しなかった。

 オバマ大統領は、2015年6月に訪米した朴槿恵(パク・クネ)大統領に、米韓同盟の強化と日韓関係改善を求めた。韓国が米韓同盟を弱体化させ、中国に傾斜するのではないかと憂慮していることをあからさまに伝えた。オバマ大統領は民主主義や人権、自由という「共通の価値観」を強調し、韓国の中国傾斜にクギを刺し、日韓関係の改善を促したのだった。

 オバマ大統領は、安倍首相にも日韓の歴史問題解決を求めていた。安倍首相は、米連邦議会での演説で「悔い改め(repentance)」という言葉を使い、米国の指導層と国民を感動させた。ワシントンの「安倍不信」感情は一変した。

 韓国は米国の要請に加え、2015年中に解決しなければならない国内事情があった。2016年春には総選挙が行われる。慰安婦問題の解決が年を越すと、選挙の争点になってしまう危険があった。

合意文書は作成せず

 岸田文雄外相は2015年12月28日、ソウルで韓国の尹炳世外相と会談後に記者会見し「日本政府は責任を痛感している」と述べた。また、慰安婦を支援する財団を韓国が設立し、日本がおよそ10億円を拠出することで合意した、と発表した。韓国は、今後は一切、慰安婦問題を提起しないことになる。韓国は、ソウルの日本大使館前に置かれた少女像の解決に努力する約束をした。

 両外相は、口頭での「声明」に留め、合意文書は作成しなかった。韓国内の反発や世論に配慮したためだが、文書にしない合意は危険だ。

 安倍晋三首相は同日、朴槿恵大統領と電話会談しこの合意を確認した。安倍首相は「日韓が力を合わせて新しい時代を切り開きたい」と述べた。両首脳は、来年春に米国ワシントンでの国際会議に出席する予定で、その際にオバマ大統領と3カ国首脳会談を行い、慰安婦問題を含む3カ国共同声明を発表する予定という。

韓国の市民は合意に納得

 韓国の報道機関は「安倍首相が初めて自らの言葉で、謝罪と反省を表明した意味は大きい」と評価し、「日本政府としての責任」との表現を前向きに受け止めている。一般の国民は、安倍首相の「謝罪表明」に納得しているようだ。

 韓国民の多くは、今回の解決に至る前から「日本の首相が謝罪を口にし、補償すれば簡単に解決する問題」と語っていた。一般の韓国民は、問題を早く終わりにしてほしいと願っていた。だが、慰安婦運動を続ける団体は、簡単に終わらせるわけにはいかない。運動組織の背後には、北朝鮮と北朝鮮を支持する勢力からの工作があると言われる。日韓関係が悪化することが、北朝鮮の利益になるからだ。北朝鮮や運動組織にとって、「日本の歴史責任」と「正しい歴史認識」は汲めども尽きない、日韓離間策の源泉なのだ。

 こうした運動組織は、合意に対してなお「不満」を主張するだろう。だが韓国政府は、この運動が韓国世論の同情を失って弱体化していくと期待しているようだ。

合意が「最終的」かどうかは不確定

 今回の日韓合意には、なお落とし穴があることを忘れてはならない。韓国はかつてほど日本との協力関係を必要としなくなっている。加えて、現在は対立している反北朝鮮派と親北派が「反日」においては共闘できる環境にある。

 日韓関係は1965年の国交正常化以来、政治経済面では“同盟”関係を続けてきた。軍事面は、米国を介在させた“間接的同盟”関係にあった。日韓両国は、米国と共に「共通の敵」と「共通の価値観」を共有している。この二つの「共通要素」は、国際政治学では同盟構成の重要条件とされる。韓国は冷戦崩壊まで、中国とソ連が掲げる共産主義イデオロギーの浸透と、北朝鮮の軍事攻撃という2つの脅威に直面していた。

 このため、日本と政治、経済面で強い協力関係を維持する必要があった。軍事的には、北朝鮮が韓国に侵攻した際に日本は、後方支援基地の役割を果たすと考えられた。

 ところが、旧ソ連が崩壊する一方で、中国の経済力が日本を凌駕したため、多くの韓国民が日本との同盟関係を軽視するようになった。日韓の経済力の差も縮まる方向にある。韓国の2015年の1人当たりGDP(国内総生産)は約2万7000ドルで、3万2000ドルの日本に迫る勢いだ。韓国の経済人の間には「日本に学ぶものはない」との意識が広がっている。

 韓国では1945年に独立して以来、北朝鮮からの軍事的脅威が「韓国人」としての連帯意識を高めてきた。ところが、北朝鮮を軍事的脅威とする意識が韓国社会から消え、韓国人としての連帯意識を弱体化させている。

 こうした政治経済と軍事面の環境変化の中で、韓国人はナショナル・アイデンティティー(連帯意識)を見失った。現在の韓国民を団結させるアイデンティティーは「反日意識」と「中国期待」しかない。だが、中国幻想は弱まりつつある。

 北朝鮮を支持する韓国の革新勢力は、統一を実現する民族のアイデンティティーとして、「反日」を使おうとしている。その「反日」意識を高揚させる手段の一つが、慰安婦問題であった。だから、北朝鮮も自国に慰安婦が存在すると主張し始めた。

 北朝鮮に対する「反共」スローガンが機能しなくなった韓国では、反北と親北を巡り、激しい対立を続けている。その余波が、日本批判に向かう可能性は常にある。二つの勢力は、「反日」では共闘するからだ。

安倍晋三と朴槿恵の「責任倫理」

 今回の合意は、両国首脳のこれまでの主張を振り返ると、おかしなものだ。朴槿恵大統領は日本に対して「正しい歴史認識」を繰り返し求めてきた。今回の問題解決は「正しい歴史認識」に言及していない。一方、安倍首相は「政府が慰安婦を強制連行したことを示す資料はない」と述べてきた。「河野洋平官房長官談話」や「村山富市首相談話」に批判的であった。安倍首相の過去の言動から考えると、「おわびと反省」をすることは説明がつかない。

 安倍首相と朴大統領は、その立場と政治姿勢を変えたのか。両首脳は、ドイツの政治学者マックス・ウェーバーが説く、政治家の役割と果たすべき使命を、十分に理解したと見るべきだろう。

 マックス・ウェーバーは、著書の「職業としての政治」の中で、理想の政治家について「心情倫理」と「責任倫理」の両方を融合できる人物と述べた。心情倫理とは朴大統領が「正しい歴史認識」を求めることや、安倍首相が「靖国神社参拝」を重視することなど、個人が抱く信念である。一方の責任倫理は、結果責任を指す。政治家は、結果責任がすべてであり責任倫理で判断される。例えば、安倍首相が心情倫理を優先し、靖国神社に再び参拝して中韓両国との関係を悪化させれば、一国の指導者としては失格だ。

 日韓の両首脳は、日韓関係を改善させるという「責任倫理」を優先し慰安婦問題を解決しながらも、なおお互いの心情倫理に配慮し、慰安婦問題以外のデリケートな問題には触れない絶妙の解決を導き出した。両首脳は指導者として成熟し、信頼を生みだしたと言えるだろう。これが、安倍首相が言う「日韓新時代」が意味することなのだろうか

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