『「民族の祭典」に酔いしれた韓国人 南北首脳会談の批判は許されなかった韓国メディア』(5/2日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『トランプ氏、「途中退席」覚悟で米朝首脳会談へ 金正恩と文在寅に「空爆カード」を取り上げられ、目算狂う』(5/2日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

漢民族の阿漕さ・嘘つきさを内蒙古出身の楊海英氏が『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』に書き表しています。今で言うハニトラと賄賂にトルコ民族のルーツも誑かされたという事です。ドイツは中国との関係が昔から深く、中国が喜びそうなことをしてきました。

「ウイグル人の伝説的な父祖の地はモンゴル高原にある。モンゴル高原の中央部、ホシヨ―チャィダムという草原に石碑が一体、立っている。世界の学界では「突厥(トルコ)の碑文」として名高い。八世紀半ばに建立した石碑には次のようなシナとシナ人が登場する。

シナの民はその言葉甘く、その絹柔らかき。甘き言葉と柔らかき絹を以て来て欺き、遠き民を近づけてありき、彼ら。甘きその言葉に、柔らかきその絹に欺かれて、多きトルコの民、死せり。

これは、トルコの先人が「あまねく子孫たち」に刻み残した警世の名言である。古代トルコ系の人々が、美辞麗句と豪華な絹布で周辺の民族を騙すシナとシナ人を邪悪な存在だと理解していた証左である。厳密にいうと、この碑文が語る「シナ人」も中国人ではなく、「中国化した鮮卑拓跋系の人々」を指す。唐が、鮮卑拓跋系の王朝だったことは、今や常識である。だが、鮮卑拓跋系であっても、「シナ化」することは、内陸アジアの諸民族に極端に嫌われていたのも事実である。そうした感情を私たちは碑文から読み取れよう。 」(P.200~201)、「「一帯一路」と「シルクロード幻想」

ニ〇一七年五月に、中国の首都北京で「一帯一路フォーラム」が開催された。世界ニ九カ国の首脳をはじめ、一三〇カ国からの一五〇〇人が参集したと報道されている。「一帯」とは「アジアとヨーロッパを繫ぐシルクロード経済べルト」で、「一路jは「南シナ海やインド洋を結ぶニ一世紀海上シルクロード」だと宣伝されている。

このいわゆるシルクロードは単なる幻想に過ぎない、と歴史学者は以前から批判してきた。ことの発端は一九世紀末、ドイツの地理学者リヒトホーフエンが「ザイデンシユトラーセン」(絹の道)と書いてしまった「失敗」からこの空想は生まれた。中国特産の絹が西方ローマの貴人たちの体を飾っていたらいいな、との天真爛漫な発想だった。しかも、 リヒトホーフエンは中国の土地•物産を遅れてきた帝国ドイツが如何に手に入れるかについて、調べていた。西洋列強の新参者であるドイツの中国進出を促そうとして、この実態にそぐわない空論を出しただけである。以来、シルクロードというキャッチフレーズは各国の読書人に持てはやされ、中でも特に日本人はありもしない「絹の道」に壮大なロマンを抱くようになった(杉山正明『遊牧民から見た世界史–民族も国境もこえて』一九九七年)。 当の中国人は、自国の絹が洋の西にまで運ばれていたという美しい夢を見てこなかったし、東西文化の交流に関するユニークな学説も出したことはなかった。自国を天下の中心と思いこむ中国人はそもそも異国にさほど関心を示してこなかったからだ。」(P.215~216)

次はFacebookより取った写真。中国人が平和を愛する民族と誰が信じますか?おれおれ詐欺と同じで騙される方が悪いと思わなければ。ただ気になるのは、横断幕は繁体字(台湾・香港で使用)で書かれています。簡体字(大陸で使用)では沖縄県民が分からないと思ったのか?左上には簡体字で「米尔社区」と書かれていますから、中国国内向けに報道するために作ったのでしょう。裏で中国が金を出しているでしょう。「沖縄は中国のモノ。最初は自治区を作って」と中国国民に刷り込むためと思われます。姑息なやり方です。

こちらも4/30facebookから

贾国希‎ 中國公義民主黨=賈国希 中国公義民主党

中共49年后干了四件大事:中共は中華人民共和国建国の1949年以来4大事件を引き起こした。
一,以革命的名义杀人 革命の名を以て人を殺した
二,以公有名义抢劫  公有の名の下、掠奪をほしいままにした
三,以改革名义分赃  改革を標榜して不当な権利の分配をした
四,以维稳名义封口  安定を大義名分に口封じをした
还有很多,篡改历史,毁灭文化,砸毁公检法,拆解汉字,计划生育。。。中共的罪行1001夜也说不完。=まだまだ沢山ある。歴史の改竄、文化破壊、公安と人民裁判による法の毀損、簡体字の使用、一人っ子政策等中共の罪悪は千一夜でも語り尽くせない。

共産主義者の金と共産主義シンパの文が会ったことがそんなに嬉しいことなのかが小生には分かりません。朝鮮戦争で亡くなった4万とも言われる米軍の英霊は何と見るかです。朝鮮半島の自由と民主主義を守るために彼らは戦ったのでは。今のやり方はそれに逆行しているように見えます。日本は『非朝鮮半島三原則』で行きたいですが、安全保障と拉致問題とがあり、完全に無視を決め込むわけには行きません。

ハンギヨレと言うのは左翼新聞なので朝日新聞同様、平気で嘘がつける新聞です。嘘は左翼の有力な武器で、プロパガンダとして使います。でも騙される方も騙される方です。真贋を見抜く鑑定眼を持たなければ。

文は気に入らない報道をしたら免許取り消しするぞと脅したらしいですが、松本龍が震災復興大臣の時にメデイアに言ったのと同じです。左翼は権力を持つと自分に都合の悪い報道はさせないようになるという事です。一方、今の日本のオールドメデイアの報道の偏向ぶりは目に余るものがありますが。事実に基づく自由な報道の保証こそが大切と考えます。

高濱氏の記事では北の核放棄だけでなく、イランとの核合意破棄も交渉中とのこと。両方とも非核化の道を歩ませねば。オバマが宥和政策を取ったのがまずかったと思っています。北の核放棄ができなければ日本も核保有をしなくては。憲法改正と違い法的問題はありません。政治的決断だけです。

鈴置記事

南北首脳会談の様子を報じるソウル駅の街頭テレビに見入る人たち(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

韓国メディアは南北首脳会談を「民族の祭典」としてうたいあげた。批判は許されなかった。

平和を開く板門店宣言

—4月27日に板門店で開かれた南北首脳会談。韓国紙の反応は?

鈴置:左派系紙は手放しで褒めあげました。ハンギョレの社説の見出しは「板門店の春、平和・繁栄の時代開く」(4月28日、日本語版)。韓国語版も全く同じです。

ハンギョレは文在寅(ムン・ジェイン)政権に近く、北朝鮮との関係改善を重視する新聞です。日本語版からポイントを引用します。

両首脳は分断線を手を握って共に越え、また乗り越えた。全世界が見守る中で、予定になかったパフォーマンスを通じて分断を越えて平和と統一に進もうという南北の意志を明確に示してくれた。

両首脳は「板門店宣言」を通じて、朝鮮半島にこれ以上戦争のない新しい平和の時代が開かれたことを明らかにした。

今回の首脳会談は11年ぶりに再び開かれた南北首脳会談という意味を越え、朝鮮半島の平和定着に劇的な転換点となる事件として記録されるに値する。

……と、まずは「歴史的事件だった」と強調しました。次のくだりでは「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が率直な人であり、北朝鮮を正常な国家へと導いている」と訴えました。

金委員長の夫人リ・ソルジュ女史が、晩餐で文大統領とその夫人のキム・ジョンスク女史と同席したことも正常な国家とする意志をはっきり示したものと言えるだろう。

金委員長は率直に破格の姿で登場した。文大統領と会った瞬間、軍事境界線を共に行き来したことからして破格的だった。金委員長が北の道路事情は良くないということを率直に打ち明けた姿も印象的だった。

実力以上の虚勢はなく、足りない点は足りない通り話すことができる姿は、信頼を植え付けることに役立つ。偽りのない姿ほど相手を信頼させるものはない。

信頼できる金正恩

—金正恩氏が「いい人」に見えてきますね。

鈴置:北朝鮮は「非核化」の約束を何度も破ってきた。当然、金正恩委員長が何を約束しようが信用されません。それに対しハンギョレは「約束を破った祖父や父親とは異なるタイプの人物だ」と強調したのです。このくだりの後には、やはりというべきか、以下の文章が続きました。

焦眉の関心事であった朝鮮半島の非核化の点で両首脳は「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と発表した。

これまで北朝鮮は非核化の意志はないのではないかという話が出ていたが、今回の宣言を通じてこのような疑問ははっきりと払拭されることとなった。

金正恩委員長は信頼できる。だから非核化の約束も信用できる――という論理展開になっているわけです。北と南の当局が仕組んだ「平和ショー」の筋書きをなぞったと言われても弁解できません。

1つの証拠が「軍事境界線を手を握って共に越え、また乗り越える、予定になかったパフォーマンス」という部分です。

普通の記者なら「このパフォーマンスは予定になかったと政府は言うが、予め発表しなかっただけだろう。そちらの方が驚きを持って迎えられ『平和ショー』が引き立つからだ」と考えます。でも、ハンギョレは「予定になかった」と政府発表そのままに書いたのです。

政権のラッパ手

—そんな簡単なトリックに韓国人は騙されるのですか?

鈴置:この記事を素直に信じた人もいました。韓国語版の記事には「『朝鮮半島の春』となり、世界平和の『太平聖代』が来ることを祈ります」と書き込んだ読者がいました。

一方で、「平和の春だって?!」「権力の犬」「政権のラッパ手」といった厳しいハンギョレ批判も書きこまれました。

野党第1党で保守派の自由韓国党党首、洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は自身のフェイスブックでこう呼び掛けました。

南北首脳会談は金正恩と文在寅政権が合作した南北偽装平和ショーにすぎない。

北朝鮮の核廃棄は一言も引き出せず、金正恩が声をあげたものをそのまま受け入れて書いたものが南北首脳会談の発表文だ。

偽装平和ショー

—「偽装平和ショー」とは?

鈴置:まず、洪準杓代表が指摘した通り「板門店宣言」では北朝鮮の核廃棄は明確にうたわれなかった。それどころかこの宣言は米国の核廃棄要求をそらし、時間を稼ぐための術策に満ちたものでした。

韓国政府が発表した日本語の報道資料「韓半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」から、関係する部分「3―④」を引用します。

南と北は、完全な非核化を通じて核のない韓半島を実現するという共通の目標を確認した。

北は、北側が取っている主動的な措置が韓半島の非核化のために非常に意義があり、大きい措置だという認識を共にして、今後それぞれ、自己の責任と役割を果たすことにした。

南と北は、韓半島の非核化のための国際社会の支持と協力を得るために積極的に努力することにした。

「核のない朝鮮半島」という目標を実現するために国際社会の協力を得る――つまり、北朝鮮を非核化したいなら、米国も韓国との同盟を破棄せよ、との宣言です(「『文在寅の仲人口』を危ぶむ韓国の保守」)。

「北朝鮮の非核化」ではなく「朝鮮半島の非核化」と表現したのがミソです。韓国も米国との同盟により核の傘を持っている。それを捨ててこそ半島全体が非核化できる、との含意があります「中朝首脳会談、『米韓同盟揺さぶりで一致』」参照)。

これを巡る話し合いに入れば時間がかかります。米韓同盟廃止という重大事に関わりますから、韓国内だけでも結論はすぐにはまとまりません。その間に、北朝鮮はちゃっかり核武装を進めるでしょう。

南北共闘を明文化

—要は「時間稼ぎ」ですね。

鈴置:その通りです。北朝鮮と韓国が仕掛ける「段階的な妥結」というワナの一環です(「米朝首脳会談は本当に開かれるのか」参照)。

板門店宣言のこの部分は「北朝鮮の時間稼ぎに協力する」と韓国が差し出した証文でもあります。「北側が取っている主動的な措置」とは4月20日に朝鮮労働党が採択した「決定書」を指します。

これは「核・ミサイル実験の中止」宣言として報じられましたが、本質は米国に対する「北朝鮮を核保有国として認めよ」との要求です(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」参照)。

「板門店宣言」の「南北はこの措置の意義を認め、それぞれが役割を果たす」というくだりにより、韓国は「北の対米要求に賛同する」と約束したのです。

南北の「時間稼ぎ共闘」を明文化したのです。米朝首脳会談に備え、北朝鮮は交渉力を増したつもりでしょう。

一方、米国は韓国をはっきりと北朝鮮の使い走りと見なしたはずです。親米派の洪準杓代表が「板門店宣言」を「金正恩の言いなり」と非難するのも当然です。

北朝鮮はまともな国家に

—保守系紙も激しく、今回の首脳会談を批判したでしょうね。

鈴置:それが、そうでもないのです。中央日報の社説の見出しは「文在寅―金正恩、非核化の大長征の扉を開く」(4月28日、日本語版)。韓国語版も全く同じで、見出しから手放しで称賛したのです。

本文を見ても今回の首脳会談に対する批判らしい批判はありません。「金正恩委員長から具体的な非核化発言を引き出せなかった」くらいです。それどころか、ハンギョレ同様、「北朝鮮がまっとうな国家の道を進んでいる」と書いたのです。

何よりも今回の会談で注目されるのは、北朝鮮が正常国家のイメージを得ることになったという点だ。

金正恩委員長は残忍な独裁者、狂ったロケットマンから、開放的で率直でユーモアもある合理的イメージを得ることになった。

双方の夫人までが同席した夕食会で北朝鮮は正常国家にさらに一歩近づいた。

峰打ちで叩く

東亜日報の社説も見出しは「北『完全な非核化』 新しい歴史、初めのページを書いた」(4月28日、韓国語版)でした。

見出しだけだと、左派系紙のハンギョレと変わりません。本文では「(板門店宣言の『非核化』が)国際社会が強調する『完全で検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』であるかは分からない」などと批判はしました。

ただ「板門店宣言」が時間稼ぎに使われるとの本質的な批判には踏み込みませんでした。急所は突かず、峰打ちで叩いている感じです。

朝鮮日報の社説(4月28日、韓国語版)の見出しは「北の核は『米朝』に任せ、対北支援に本腰入れた南北首脳会談」と批判をにじませました。

本文でも問題点は指摘しています。しかし「北の核廃棄に対し、本当に深い論議があったかは疑問だ」などと微温的な批判に留めました。これも峰打ちです。

洪準杓代表が指摘した「偽装平和ショー」に関しては触れませんでした。韓国保守を代表するメディアを自負し、左派政権の国益毀損を舌鋒鋭く追及するのが朝鮮日報なのですが……。

独裁時代がよみがえった

—韓国紙は激しい言葉を使ってののしることが普通なのに……。

鈴置:4月28日の東亜日報はもう1本、社説を載せました。「『政府発表を基に報道せよ』…『新報道指針』を下した放審委」(日本語版)です。以下が骨子です。

放送通信審議委員会(放審委)は4月27日、南北首脳会談の取材報道と関連して、「政府発表を基に報道せよ」という注意事項を発表した。客観性、出所明示、誤報訂正のための特別モニタリングを実施したいとしたうえで強調した内容である。

事後審議機関である放審委が言論の自由を萎縮させる事前介入の脅しをしたことになる。過去の独裁時代の「報道指針」の陰湿な亡霊がよみがえったようだ。

放審委の傲慢な措置は、自分たちが行う審議・制裁が3~5年ごとに行われる放送局の再許可承認のいかんに直結されることを意識したものである。

朝鮮日報も同じ趣旨の社説「放審委、今や報道指針まで」(4月28日、韓国語版)を載せています。

要は、文在寅政権が「南北首脳会談で気に入らない報道をしたら、免許を取り消すぞ」と放送局を脅したということです。

韓国の保守系大手3紙は放送局を持っていて、収益の柱になりつつあります。政権は免許改廃という武器を振り回すことで放送局に加え、保守系大手紙も脅したのです。

TV朝鮮を廃業させろ!

—保守系紙の奇妙な弱腰。この脅しに怯んだのですね。

鈴置:韓国のメディア関係者ではそう見る人が多い。ちょうど与党議員の不正疑惑報道に絡み、青瓦台(大統領府)が朝鮮日報系のテレビ「TV朝鮮」を存続させるべきか否かの検討に入ったところでした。

聯合ニュースの「『TV朝鮮の許可取り消し』 青瓦台への請願 20万超す」(4月23日、韓国語版)によると「虚偽、誇張、ねつ造報道により、国民の知る権利を毀損するTV朝鮮の廃業を請願する人が1カ月で20万人を超えた。青瓦台は法律に基づき請願に回答することになった」というのです。

保守派は、この20万人が政権の息のかかった20万人と見ていますが。

—文在寅政権はどんな手を使ってでも、南北首脳会談や板門店宣言の怪しさを指摘されたくないのですね。

鈴置:首脳会談はすぐに透けて見える薄っぺらい台本を基に演じていますので、誰かが「猿芝居ではないか!」と叫んだらお終いなのです。ただ、国民の中にも「猿芝居とは思いたくない人」がいるのも事実です。

韓国人なら、できれば「金正恩は本当はいい人なのだ」「彼は本気で核兵器を捨てる気だ」「平和が来る!」と信じたい。

世論調査会社、リアルメーターが4月27日に「北朝鮮の非核化と平和定着の意思に関し、会談前と後で見方が変わったか」を聞きました 。

会談前から「信頼していた人」は14.7%。それが会談後には64.7%に急増しました。一方、「信頼しない人」は78.3%から28.3%に激減しました。

そんな読者を抱える新聞社は「南北首脳会談はペテンだ」と決めつけにくい。保守系紙の筆の甘さは自主規制からも来ていると思います。

「民族」が12回

—甘い現実認識が広がれば、国益を毀損します。

鈴置:「民族の敵」のレッテルを貼られたくないとの懸念も、韓国メディアにはあると思います。植民地支配を受けたうえ、内戦で分裂したままの朝鮮半島では「民族」が極めて重要なキーワードです。

民族主義が強すぎて戦争を起こしたと反省する日本人とは反対に、韓国人は「民族に対する忠誠心のない指導者が恥ずかしい歴史を作ってきた」と考えています。

文在寅政権は今回の首脳会談を「民族の祭典」と位置付けた。「板門店宣言」は日本語ベースで約2000字。その中に「民族」という単語が12回、「同胞」は2回出てきます。

南北首脳会談は民族の和解劇として演出されたのです。北朝鮮とスクラムを組んだ韓国はこの先、奈落の底に落ちるかもしれない。でも、今この瞬間は、人々は「民族の団結」に酔っていたい。

そんな時、メディアが「猿芝居」と批判したら「民族の反逆者」の烙印を押されかねないのです。そして政権を批判するメディアを失った韓国という国は、どんどん北朝鮮側に寄って行くことでしょう。

(次回を読む)

高濱記事

—ドナルド・トランプ米大統領は南北首脳会談をどう評価していますか。

高濱:トランプ大統領は、南北首脳が会談で朝鮮戦争終結に向けた決意を示し、朝鮮半島の「完全非核化」で合意したことを前向きに評価しています。そして6月初旬までに予定されている米朝首脳会談で非核化を実現したいとの意向を改めて表明しました。

(写真:AP/アフロ)

しかしその一方で「南北朝鮮にしてやられた」と思っていることは隠しきれません。トランプ大統領は28日、こう述べています。「米朝首脳会談で私は前任者たち(歴代大統領)のようにうまく操られることだけはしない。オーケー? 必ずや取引(deal)を成功させてみせる。できなかったらどうする。それでも結構(fine)だ」

今回の南北首脳会談は歴史的出来事だと世界中が称賛しています。が、南北朝鮮統一問題にしても「非核化」にしても、具体的にどうするのかは「板門店宣言」に書かれていません。ロードマップがあるわけではありません。

金正恩・朝鮮労働党委員長は、その「板門店宣言」を引っ提げてシンガポール(米朝首脳会談の開催地として有力視されている)に乗り込みます。もっともトランプ大統領は4月30日に「開催地は板門店が象徴的」などとツイートしており、そうなると金委員長は板門店を再訪問することになります。

南北首脳会談は儀礼に彩られたパフォーマンス

トランプ大統領の今の心境はこうでしょう。「金正恩は、同胞愛を強調する儀礼に彩られたエモーショナルなパフォーマンスを首脳会談の場で見事にやってのけた。金王朝の存続を韓国に約束させ、非核化の中身は懐に秘めたまま、文在寅と示し合わせて、米国の軍事力行使を封印してしまった」(米主要テレビのコメンテイター)。

—どうして、米国の軍事力行使を封印したことになるのですか。

高濱:南北朝鮮の指導者が「もう戦わない」と宣言してしまったからです。朝鮮半島の直接の当事者が無条件で「不戦宣言」をしてしまったら「助っ人」である米国は、「サージカル・アタック」(核施設だけを狙う限定的攻撃)などはできなくなってしまうではありませんか。

AP通信でピョンヤン支局長を務めるエリック・タルマージ氏はこうコメントしています。「金正恩は、トランプにこう言い放つでしょう。<私は文在寅と朝鮮戦争終結に向け、当事者の南北朝鮮、米国、中国と四者で話し合おう、朝鮮半島の『完全非核化』(complete denuclearization)を実現しようということで合意した。米国はどうする>」。

「空爆を含め、あらゆる選択肢を保持して、保有している核の完全放棄を金正恩に要求しようと目論んでいたトランプにとって、米朝首脳会談の前に切り札の一枚を取り上げられてしまったようなものだ」

(”AP Analysis: Korea summit put nuclear ball in Trump’s court,” Eric Talmadge, AP, Washington Post, 4/28/2018)

—トランプ大統領は米朝首脳会談にどう臨むのでしょう。

高濱:トランプ大統領は、これまで口を酸っぱくしてこう言ってきました。「北朝鮮に核ミサイル開発を中止させるだけでなく、すでに保有している核兵器やミサイルも放棄させる。北朝鮮がそう確約しなければ首脳会談などやっても意味がない」。

ですから首脳会談をやるからには「核兵器放棄」の約束を北朝鮮から取り付けようとするでしょう。

米国内では、強面なトランプ大統領への期待が、かつて北朝鮮の核開発阻止交渉を担当した専門家たちからも高まっています。バラク・オバマ政権下で国防副次官補だったエイブラハム・デンマーク氏は、「金委員長に会うからには口約束だけでなく、核放棄に関する詳細なロードマップを提示させるべきだ」と注文をつけています。

(”Why Trump’s Boasts About the Korea Summit are Premature,” Robin Wright, New Yorker, 4/27/2018)

ジョージ・W・ブッシュ政権下で朝鮮半島担当特使として「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)」に参加したジョセフ・デトラニ氏は、こう進言しています。「非核化のために与える猶予は数年といった長い期間ではなく、半年や1年以内が好ましい。核放棄の検証では、あらゆる核兵器、核施設、核施設勤務の科学者などを申告させる必要がある」。

(参考:米元特使、南北首脳会談評価も「非核化の具体化が課題」、NHK、4/28/2018)

北朝鮮はこれまで膨大なカネとエネルギーを使って核開発、ミサイル開発をしてきました。ですからトランプ氏の要求をすんなり受け入れるかどうか。米朝首脳会談は難航し、決裂するかもしれません。トランプ大統領は会談の途中、机を蹴って退席する可能性が十分ありそうです。

イラン核合意からの離脱、期限は5月12日

—決裂が最初から分かっていてもトランプ大統領は金委員長との首脳会談に行くのですか。

高濱:トランプ大統領は3月21日、米朝首脳会談の延期を示唆しました。4月19日には「実りのない会談なら行かない」と発言。これまでにも何度も否定的なことを言っています。トランプ政権内部ではジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官などが米朝首脳会談に否定的なようです。

しかしトランプ大統領としては、この期に及んでキャンセルなどできないでしょう。南北朝鮮にここまでお膳立てされてはやらざるを得ません。世界の目がトランプ大統領の一挙手一投足に注がれています。

実は現在、トランプ大統領は、二つの「潜在的核保有国」と核放棄交渉をやっているのです。一つは北朝鮮。もう一つはイランです。

トランプ政権は4月30日、イランとの間で2015年に結んだ核合意からの離脱を示唆しました。5月12日までに判断する意向です。4月に仏独両首脳が相次いで訪米したのはトランプ大統領に離脱を思いとどまらせるためでした。

国務長官に正式就任したばかりのマイク・ポンぺオ氏が急遽、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)に向かったのも、イラン核合意からの離脱を欧州首脳と最終協議するためです。

米国は依然、北朝鮮の「嘘つき」を警戒

—南北首脳会談後、文在寅大統領はじめ韓国国民は金正恩氏に親近感すら持っているように見えます。米国民の金正恩観も変わりましたか。

高濱:米国民はそれほどエモーショナルじゃありません(笑)。それにコリアン同士の和解ドラマに米国民がそれほど感情移入することもありません。もっとも在米コリアンたちは大騒ぎですけど。

それに、ついこの間まで金委員長は「大陸間弾道ミサイル(ICBM)で米本土を攻撃する」と言っていたのですから。米国人の金正恩観が激変したとは思えません。

トランプ大統領の人物評価は猫の目のように変わります。かっては金委員長を「ロケットマン」などと揶揄していましたが、最近では「立派な人物だ」と言い出しています。米朝首脳会談が決裂すれば、金委員長に対してまた罵詈雑言を吐くかもしれません。

—金委員長に対する米国の警戒心はまだやわらいではいないのですね。

高濱:実は米情報機関は南北首脳会談の前後、北朝鮮が<嘘つき>であることを立証する事実を掴んでいます。ロイター通信は、米情報機関筋の話としてこう報じました。「金委員長が韓国特使に対し『核実験場を閉鎖した』と告げていた豊渓里の施設の一部が閉鎖されないまま残っている。今も使用可能だ」

(”North Korea test site still usable, closure easily reversed–U.S. Intelligence,” Jonathan Landay and John Walcott, Reuters, 4/28/2018)

もっともこの報道の後、北朝鮮は閉鎖した核実験場を米韓の専門家やメディアに公開すると言い出していますが……。

米軍の活動は何ら変わっていません。米軍は、英国、オーストラリア、カナダ軍と共同で、東シナ海の公海上で北朝鮮が繰り返している密輸取引(瀬取り)の警戒監視活動を強化しています。その拠点は沖縄県の嘉手納基地で、自衛隊も情報収集などで連携しています。

(”Canada, Australia to send military aircraft to monitor North Korean ships,” CBC, 4/28/2018)

いずれにせよ、これからの2週間、何をやり出すか想定困難なトランプ大統領と、したたかな金委員長との「前哨戦」が活発化しそうです。米朝首脳会談はすでに始まっているのです。

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