中国の暴発を押えるためには、ルトワックの言うようにロシアを日本の味方につける、最悪でも中国につくのではなく、中立化しないと、「一帯一路」で「一路」の海上輸送を機雷で封鎖したとしても、「一帯」の陸上、ロシア側から石油がドンドン入り込み継戦能力が飛躍的に高まります。ロシアもそれは先刻承知で、日本にロシアを高く売りつけようと思っているのに違いありません。
青山繁晴氏は「法的に日露間に残っているのはポーツマス条約で、南樺太も千島列島も日本のもの」と主張しています(下記ブログ「ぼやきくっくり」参照)。法的にも、交渉のやり方としても正しいと思いますが、71年も不法占拠を許し、今までの交渉でも日本が取り上げて来なかった経緯を考えますと、そこまでロシアに要求は出来ないのでは。二島返還(歯舞・色丹)+国後・択捉の継続交渉辺りが落としどころでは。これがプーチンの言う「引き分け」でしょう。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1768.html
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1518.html
先に経済協力をして、ロシアにいいとこどりされるのではという危惧はあります。しかし、中国包囲網を完成させるには、ロシアの協力が必要です。リスクは取らねばなりません。米国と一緒になって中国を支援した結果が、今の危機に直面する日本です。SALTⅡやMADが機能した事実からすれば、中国のように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄ではないと思います。ウクライナ侵攻は「NATOの東方進出せず」の密約破りの為とも言われていますので。中国を信じて、大金を使いましたが、それならロシアに使った方が良いのでは。サハリンⅡの問題はありましたが、経済問題で、戦争問題ではありませんので。
奪われた領土は戦争するか、金で解決するかしかありません。沖縄は金で解決しました。北方領土は経済協力という「金」の別な形での解決方法です。沖縄にはまだ米軍基地も残っています。(それで、中国の西太平洋進出が抑えられています。)尖閣について、領土問題は存在しないというのが日本の立場ですが、強盗国家・中国の言い分は違います。宮崎正弘氏の『トランプ熱狂、アメリカの「反知性主義」』の中にルトワックの『自滅する中国』の引用部分がありました(P.179.)。「(中国の軍事的脅威の拡大という)逃れられない現実は、とりわけ日本にとって重大だ。中国に対する警戒を怠らず、日本の離島を守る(もしくは迅速に奪還する)ための実際的かつ現実的な準備を、誰の助けも借りずにしておかなければならないという現実である。もちろんアメリカは、日本の安全を全般的に保障する立場にあるのだが、日本はすべての小島や岩までアメリカに守って貰うことまで期待すべきでない。(奥山貞司訳)」
また、8/20JBプレス 古森 義久には「中国への対応は日本が決めること」と米専門家 エスカレートする中国の尖閣侵入、米国はどう見ているのか
8月に入って中国の尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する攻勢が一段とエスカレートしている。 中国はなぜこの時期に、中国海警や民兵組織を大動員して日本の領海や接続水域への侵入を繰り返すのか。目的は何なのか。前回(「尖閣に迫る中国、日本はどう対応すべきか」)に続き、米国海軍大学 中国海洋研究所のピーター・ダットン所長の見解を紹介しよう。 ダットン氏は中国の海洋戦略研究では全米でも有数の専門家である。元々は米海軍パイロットだったが、その後、法律や安全保障を学び法学博士号を取得した。中国海洋研究所の研究員となってからは、東アジアの安全保障、特に中国人民解放軍の海洋戦略を中心に研究を重ねてきた。南シナ海や東シナ海での中国の動向に関する論文の発表も多く、連邦議会の公聴会や民間シンポジウムで証言することも頻繁にある。 ■二国間協議に日本を引きずり出すのが狙い? ダットン氏との一問一答の内容は次の通りである。 ――8月に入ってから中国海警や「漁船」と称する小舟艇が尖閣諸島周辺に頻繁に接近、侵入してくるようになりました。ここにきて中国がそうした動きに出る目的をどうみていますか。 ピーター・ダットン所長(以下、敬称略) 第1には、中国指導部が最近の国内経済の停滞や、その他の政策の行き詰まりの悪影響を懸念していることが考えられます。つまり、海洋での拡張能力の強化を誇示することで、国家意思の前向きさと強さを国民に示そうとしているのです。 第2には、南シナ海での中国の領有権の主張を不当だとした国際仲裁裁判所の裁定に反発している可能性があります。裁定に怒りをぶつけるような形で尖閣諸島に攻勢を仕掛け、国際社会全体との対決も辞さないという姿勢を見せているのです。 しかし、この動きが怒りから生じた衝動的な反応なのか、あるいは実はもっと計算された行動で、今後も続けられるのか、まだ判断は下せません。 ――中国は日本に何を求めているのでしょうか。 ダットン 8月に入ってからの中国の動きは、日本を威圧する作戦が明らかに新たな段階に入ったことを示しています。南シナ海でフィリピンなどに対してとった、いざとなれば軍事行動をも辞さないという強硬な出方です。 中国がそのように日本を威嚇する狙いは、尖閣諸島の領有権をめぐる二国間の協議に日本を引きずり出すためでしょう。中国公船や“漁船”のエスカレートする行動をやめてほしければ、中国との二国間の協議に応じろ、ということです。 ■具体的な対応は日本が決めること ――日本はどのように対応すべきだと思いますか。 ダットン 日本がどう対応すべきかについて、今はコメントを避けたいと思います。 ただし日本側も、現状のままの対応では中国の今の行動を止めさせられないことは認識しているかもしれません。では、具体的にどうするかというのは、あくまで日本自身が考えて決めることです。 ――尖閣諸島をめぐる日中の対立は、日本の同盟国である米国にとっても深刻な懸念材料のはずです。オバマ大統領は、『尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内だ』と言明し、尖閣が軍事攻撃を受けた場合には、条約の共同防衛の規定が適用され米軍も出動するという趣旨の政策を示しました。米国は現在の事態をどうみるのでしょうか。 ダットン 米国の当面の役割は、あくまで日本と中国との軍事衝突を抑止して、地域の安定を保つことです。 ■「軍事衝突」の危険性を憂慮 ダットン氏は以上のように中国の現在の行動の背景を分析し、尖閣諸島への攻勢がエスカレートしていることを強調しながらも、日本のとるべき対応についてはコメントを拒んだ。 それは、やはりまずは日本自身が中国とどこまで対峙するのか、あるいは譲歩するのかを決めるべきだというもっともな反応のように思えた。さらにダットン氏は、米国の出方についても控えめなコメントに終始した。 しかし、「日本と中国との軍事衝突」という表現をはっきりと述べたことは留意すべきだろう。それだけダットン氏は、軍事衝突が現実に起こり得る危険性を憂慮しているということである。」とあり、米国人には尖閣まで守る意思は薄いと見た方が良いでしょう。ただ、それは西太平洋を中国の海にしかねないリスク孕むことを米国人ももっと理解すべきです。勿論、中国が尖閣を奪いに来たら、警察・海保・自衛隊総力で阻止しないといけませんが。その後の米国の対応が局地戦で終わるかどうかの分岐点になるという事でしょう。そうなって初めて日本人の平和ボケの呪縛が解かれるのかもしれません。
竹島は「戦争」でもなく、「金」でもなく、返して貰いましょう。通貨スワップもGSOMIAも反対です。裏切りが常態の、告げ口が得意な下劣な民族は経済的に困窮、亡国になってから返して貰えば良いのでは。中国の属国になってしまえば無理ですが。中国経済は崩壊していますので、心中して貰った方が良いかも。
記事
ロシア極東のウラジオストクで行われた日ロ首脳会談で、プーチン大統領が年末に大統領として11年ぶりに来日し、12月15日に安倍晋三首相の地元・山口県で首脳会談を開くことで合意した。北方領土交渉は進展するのだろうか。
ウラジオストクにおける安倍首相とプーチン大統領の会談は、合計で3時間10分に及んだ(写真:Kremlin/Sputnik/ロイター/アフロ)
広大なロシアを統治するプーチン大統領にとって、欧州部に比べて発展の遅れている極東地域の開発は長年の懸案だ。2012年にロシアが主催したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を極東のウラジオストクで開いたのも、極東開発を促す思惑が大きかったわけだ。
そのプーチン大統領がAPEC後も「極東を忘れていない」という姿勢を誇示するため、自らの肝煎りで打ち出したのが、ウラジオストクでの「東方経済フォーラム」の定期開催だ。年1回の割合で開くこととし、第1回目の会合が昨年9月に開催された経緯がある。
今年9月2~3日、そのウラジオストクで第2回フォーラムが開催された。大統領にとって今回は、とりわけ喜ばしい会合となったようだ。昨年は記念すべき第1回フォーラムだったにもかかわらず、アジアから参加した賓客で目立ったのは、中国代表団を率いた汪洋副首相ぐらいだった。ところが今年はアジアの主要国から、日本の安倍晋三首相、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領という2人の首脳が参加したからだ。
“ゴールデンタイム”の相手に安倍首相を選ぶ
同時に、「うれしい悲鳴」ともいえる難題も浮上した。2人の首脳を迎えるプーチン大統領が期間中、どのように個別の首脳会談の日程を振り分けるかだ。大統領は3日夕には20カ国・地域(G20)首脳会談が開かれる中国・杭州へ出発するため、初日の2日午後から夕食会までを含めた時間帯が「ゴールデンタイム」とされた。日韓とロシアの外交当局者の間では、水面下で激しいせめぎ合いもあったようだが、最終的に大統領が「ゴールデンタイム」の会談相手に選んだのは、日本の安倍首相だった。
首相もこの機会を最大限に利用したようだ。2日にウラジオストクで開いた日ロ首脳会談は少人数会合、通訳だけを入れた2人の会談、さらに夕食会まで含めて合計で3時間10分に及んだ。5月に安倍首相がソチを非公式訪問したときの首脳会談の時間とほぼ同じだ。今回はしかも通訳だけを交えた2人だけのサシの会談が1時間近くに及んだという。北方領土問題を含む平和条約締結交渉について、かなり突っ込んだ意見交換をしたとみられる。
安倍首相は会談後、「新しいアプローチに基づく交渉を具体的に進めていく道筋が見えてきた。その手応えを強く感じとることができた会談だったと思う」と表明した。今回の会談では11月にペルーで開くAPEC首脳会議の際に両首脳が再会談したうえで、12月15日に首相の地元である山口県で首脳会談を開くことで合意した。
プーチン氏の大統領としての来日は2005年11月以来で、実に11年ぶりとなる。安倍首相はすでに13年4月、モスクワを公式訪問しており、大統領の年末の山口訪問は外交儀礼上の相互訪問、つまり公式訪問となる見通しだ。
山口会談は北方領土交渉の当面のヤマ場
ロシアのラブロフ外相は2日、ウラジオストクでの日ロ首脳会談の概要について記者団にブリーフした際、平和条約締結交渉の結果が「大統領の年末の訪日の際に明らかにされるだろう」と述べた。日本側はどこで結果を出すか、出さないかで合意しているわけではないとしているが、公式訪問であれば共同声明など成果文書を発表するのが通例だ。山口会談は日ロ交渉の当面のヤマ場になるとみるべきだろう。
では、山口会談で北方領土交渉にどこまで進展が見込めるのだろうか。
ソチの日ロ首脳会談で「新たな発想に基づくアプローチ」で合意して以降、停滞していた外務省高官レベルの平和条約締結交渉が頻繁に開かれるようになっている。ただし領土問題は、最終的には首相自身が語っているように「首脳同士の信頼関係のもとで解決策を見出していくしか道がない」。
首相がソチ会談で8項目の対ロ協力プランを打ち出し、今回のウラジオストク会談の直前に「ロシア経済分野協力担当相」まで新設したのも、プーチン大統領の関心が高い経済分野で信頼醸成を進め、領土問題で大統領の譲歩を引き出そうという思惑があるのだろう。
「ウラジミール」「シンゾー」と相互に呼びかけ
もちろん国内では、領土問題で進展がみられない中での対ロ経済協力の先行に懐疑的な意見も聞かれる。クリミア半島を併合するなど、ウクライナ危機を招いたロシアに対する欧米の経済制裁が続くなか、主要7カ国(G7)の一員でもある日本が対ロ接近で突出すれば、国際協調を乱しかねないと懸念する声もある。
それにもかかわらず首相が対ロ関係の改善にまい進し、大統領との個人的な信頼関係づくりを強化しようとしているのは、国内で強大な権力を握るプーチン大統領となら、長年の懸案である領土問題を解決できるチャンスがあるとみているからだろう。日本外交の基軸はもちろん日米同盟だろうが、日ロの接近に懐疑的な米国のオバマ大統領の任期切れが迫っているだけに、多少の突出も許容されるとみているのかもしれない。
いずれにせよ、ウラジオストクでは対ロ外交にかける首相の熱意が随所にうかがえた。典型例が東方経済フォーラムの3日の演説だろう。ウラジオストクを「ユーラシアと太平洋を結ぶゲートウェイにしよう」と呼びかけ、この街を育てていく営みに「日本を加えてほしい」と訴えた。8項目の対ロ協力プランの進捗状況を確認するため、プーチン大統領とウラジオストクで毎年会おうという提案までした。
そのうえで平和条約締結問題に触れ、「ウラジミール」とファーストネームで大統領に呼びかけながら、「私たちの世代が勇気を持って、責任を果たしていこうではありませんか」と首脳間での早期の決着を訴えたのだ。
安倍首相の熱意にほだされたのだろうか。プーチン大統領も首相演説後のフォーラムの質疑応答の場で、「シンゾー」とファーストネームで呼びかけながら、「我々はこの問題(北方領土問題)をそれぞれの国益に基づいてみているが、ひとつの点では完全に(意見が)一致している。すなわち、この問題は解決しなければならないということだ」と明言した。
問題解決に立ちはだかる世論の壁
とはいえ、ちゃんと予防線も張っている。大統領は続けて「我々がこの問題を解決するためには高いレベルの信頼が必要だ」と強調。解決策は「どちらの側も敗者だと感じないようにしなければならない」と述べ、「シンゾーが言うように、我々は決定的な一歩を踏み出す用意があるが、そのためには十分な準備が欠かせない」とクギも刺している。
プーチン大統領が対日関係改善に意欲を示しつつも慎重姿勢を崩さないのは、いくら国内で強い権限を握っていても、領土問題のような国民の琴線に触れる案件については世論の反応を意識せざるを得ないからだ。とくに18年の次期大統領選の再選を視野に入れれば、国民の離反を招くような譲歩はしたくないのが本音だろう。
ロシアの世論調査会社レバダ・センターが今年5月末に実施した世論調査によれば、北方領土の日本への引き渡しに「反対する」との回答が78%に上った。プーチン大統領はかねて、平和条約締結後の歯舞、色丹2島の日本への引き渡しを規定した1956年の日ソ共同宣言について、「ソ連と日本双方の議会が批准しており、ロシアとしても履行義務がある」と明言している。
ただし、同センターの調査では、この2島を日本に引き渡す妥協案ですら71%が「反対」した。仮に北方領土を日本に引き渡した場合、プーチン大統領への信頼が「多少は低下する」「かなり低下する」との回答も合計で55%に上ったという。
日本側は人的・人道交流も含めて話し合う用意あり?
日ロ首脳は双方に受け入れ可能な解決策を模索することで合意している。ただし、厳しいロシア国内の世論も踏まえれば、プーチン大統領が語っているように「双方の妥協」「敗者なき解決策」がなければ大統領は決して譲歩しないだろうし、結果的に交渉は進まないと判断せざるを得ない。妥協案は果たして見出せるのだろうか。
首脳間、政府間でどのような話し合いが進んでいるかは想像の域を出ないが、ラブロフ外相はウラジオストクで意味深長な発言をしている。ロシア側が以前から提案し、日本側が難色を示してきた北方領土での共同経済活動について、「日本のパートナーたちは単に共同経済活動にとどまらず、人的・人道交流も含めて話し合う用意があるような印象を受けている」と明かしたのだ(参照記事「北方領土交渉進展に向けたロシア側の“秘策”」)。
同外相は外務省高官レベル協議でも共同経済活動が「平和条約締結問題の非常に重要な部分として扱われるだろう」としている。高官レベルの平和条約締結交渉の協議内容は「極秘」で明らかにされていないが、ロシアのイズベスチヤ紙もこの交渉に「近い筋」の情報として、「日本側がロシアの提案している共同経済活動の可能性を検討する姿勢を示した」と報じている。
日本側は「具体的な話はしていない」としているが、大統領が「履行義務がある」とする日ソ共同宣言と、ロシア側が求めてきた共同経済活動の組み合わせで、北方領土問題の解決策を模索している可能性は否定できない。いずれにせよ年末の「山口会談」に向けて、日ロの首脳間、実務レベルの交渉をどこまで詰められるかが当面の焦点になりそうだ。
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