『アメリカ人の心をざわつかせる映画「CIVIL WAR」、大統領選の前にガーランドが浮き彫りにした米社会の根本的な不安 【映像作家・元吉烈のシネマメリカ!】異なる価値観を持つ保守とリベラルは同じアメリカ人なのか?』(6/8JBプレス 元吉烈)について

6/6The Gateway Pundit<Trump Still Leading Biden in Polls – AFTER Sham Guilty Verdict=トランプ氏、偽りの有罪評決後も世論調査でバイデン氏をリード>

日本の左翼メデイアは差が縮まったとの報道。そんなことはない。彼らが確証バイアスにかかっているだけ。

NYでの偽りの有罪評決がトランプ氏の支持率に何らかの影響を与えるのではないかと多くの人が疑問を抱いていた。現在、結果が発表され始めており、これまでのところすべてバイデン氏にとって悪いニュースとなっている。

少なくとも2つの新たな世論調査では、トランプ氏が依然としてバイデン氏をリードしている。

これは、民主党によるトランプに対する法律闘争が純粋に政治的なものであることを国民が知っていることを明確に示している。

https://x.com/i/status/1798836220086087963

https://www.thegatewaypundit.com/2024/06/trump-still-leading-biden-polls-after-sham-guilty/

6/7The Gateway Pundit<CNN Anchor Asks Potential Vice President Dr. Ben Carson if He Will Accept 2024 Election Results and His Response is Perfect (VIDEO)=CNN アンカーが次期副大統領候補のベン・カーソン博士に 2024 年の選挙結果を受け入れるか質問、彼の返答は完璧 (ビデオ)>

左翼は事実を見ないで決めつけて、異論を抑圧しようとする。ベン・カーソンは副大統領候補として一番安定しているのでは。

ベン・カーソン博士は最近CNNに出演し、ブロンクスでのトランプ氏の集会、バイデン政権下での経済危機、そして2024年の選挙結果を受け入れるかどうかについて議論した。

ゲートウェイ・パンディットが以前報じたように、カーソン氏はトランプ陣営が副大統領候補として検討した7人のうちの1人だった。

インタビューの途中で、CNNのキャスター、ローラ・コーツはカーソン博士に「誰が勝っても、2024年の選挙結果を受け入れますか?」と尋ねた。

カーソン氏は「公正かつ透明性のある方法で行われるのであれば、結果を受け入れる」と答えた。

コーツ氏は続けて、「それが公正かつ透明な方法で行われることを疑う理由はあるのか?」と質問した。

「そうですね、こうしましょう。2020年の選挙では、多くの不正がありました。両陣営の誰もがそれを認識し、それを満たすために努力すべきだと思います。」

コーツ氏は、2020年の選挙中に広範囲にわたる不正投票があったという証拠はなかったと反論した。

カーソン氏は「懐疑的な人がこれほど多いという事実は、我々に対し疑問を提起すべきだ。フランスのような国が、不正の機会が多すぎるとして1975年に郵便投票を全面的に禁止したという事実がある」と反論した。

トランプ政権下で元HUD長官を務めた同氏は、「選挙日ではなく選挙シーズンを設けるのは間違いだと思う」と結論付けた。

https://x.com/i/status/1798897127822876916

https://www.thegatewaypundit.com/2024/06/cnn-anchor-asks-potential-vice-president-dr-ben/

6/7Rasmussen Reports<Voters Remain Sour on Biden’s Handling of China=有権者はバイデン氏の中国対応に依然として不満>

中国から金を受け取った人物が厳しい策を打てるわけがない。

有権者の大半は中国を米国の敵とみなしており、依然として大多数がジョー・バイデン大統領のアジア超大国に対する対応が不十分だと評価している。

ラスムセン・リポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、中国関連の問題への対応について、米国の有権者の33%がバイデン氏に良い、または非常に良いと評価し、45%が大統領の対応が悪いと評価している。これらの結果は、 バイデン氏が中国の習近平国家主席と会談した11月からほとんど変わっていない。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/voters_remain_sour_on_biden_s_handling_of_china?utm_campaign=RR06072024DN&utm_source=-criticalimpact&utm_medium=email

NYは違法がまかり通る。

これに対し

6/7The Gateway Pundit<BREAKING: Judge Merchan Issues Letter to All Parties Acknowledging Potential Juror Misconduct on Social Media=速報:マーチャン判事がソーシャルメディア上での陪審員の不正行為の可能性を認める書簡を全関係者に発行>

https://www.thegatewaypundit.com/2024/06/breaking-mistrial-new-york-case-judge-merchan-issues/

https://x.com/i/status/1798685937674727871

6/8希望之声<美国议员敦促国安部将两家中国电池公司列入黑名单=米国議員は国土安全保障省に中国電池企業2社をブラックリストに載せるよう要請>6/6、共和党議員5人は、米国のサプライチェーンが「中共が支持する強制労働とウイグル人ジェノサイドによって重大な損害を被っている」という理由で、中国の電池企業2社を即時ブラックリストに載せるよう国土安全保障省(DHS)に要請した。

6/5、中共に関する下院特別委員会の委員長である共和党のジョン・ムレナー議員が率いる議員達は、国土安全保障省の戦略・政策・計画担当次官ロバート・シルバーに2通の書簡を送った。彼らは国土安全保障省に対し、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)に基づいて作成されたエンティティリストに中国企業CATLと国軒高科を直ちに追加するよう要請した。

「特別委員会は、国軒高科とCATLのサプライチェーンが強制労働と中国で進行中のウイグル族に対するジェノサイドに密接に関連していることを示す決定的な証拠を発見した」と、ムレナーは6/6の声明で述べた。

同氏は国土安全保障省に対し「これらの企業の商品が米国に流入するのを阻止する」よう求めた。ムレナーは「米国民は米企業が中共のジェノサイドに加担することを避けることを望んでいる」と述べた。

バイデン政権はすぐに動くか?

https://www.soundofhope.org/post/819271

6/8阿波羅新聞網<美一大动作绝了习美梦?中共跳脚 —美最新对台军售 中共跳脚 专家析五重意义=米国の一大行動で習の夢は打ち砕かれる?中共は地団駄-米国の台湾への最近の武器売却 中共は地団駄 専門家は5つの意味を持つと>米国国防安全保障協力局は昨日(東部時間5日)、台湾への最新の武器売却の第一案を発表し、その総額はF-16戦闘機の部品や装備品を含む総額3億米ドル(約96億7,584万台湾ドル)に上るという。バイデン政権による台湾への武器売却は14回目となる。台湾当局は感謝の意を表明したが、中共当局は地団駄を踏んだ。専門家は、今回の武器売却には少なくとも5つの前向きな影響があると述べている。

元国防大学政戦学院長で退役少将の余宗基は7日、大紀元とのインタビューで、バイデン政権による3億ドルの武器売却プロジェクトの直接提供は新たな重要なマイルストーンであり、少なくとも5つの意味がある。

一つ目は、台湾空軍の戦闘能力を消耗させようとする共産軍の試みに対して警告することである。

二つ目は、米国による部品直接供与は、台湾がF16戦闘機の整備能力において自立を達成したと強調したい。

三つ目は、国が強くなり、戦闘力を維持するには、強力な経済的裏付けがなければならない。

四つ目は、米国による直接兵站補給戦線の確立は、台湾が将来、すべての民主主義国家の中で最も重要な兵器庫になる可能性があることを浮き彫りにしている。

五つ目に、これまで台湾への武器販売は第三者を経由する必要があったため、今回の兵站部品の直接提供は、米国が台湾を国家間の関係に引き上げたことを表している。

台湾が強くなるのは喜ばしい。

https://www.aboluowang.com/2024/0608/2064455.html

6/8阿波羅新聞網<遭公开“羞辱”,中共敢怒不敢言—黄仁勋称台湾是重要国家,中共受制AI芯片敢怒不敢言=公の場で「屈辱」を与えられた後、中共はあえて怒るが、あえて声を上げない-黄仁勲は、台湾は重要な国で、中共はAIチップによって制限を受けると述べたが、あえて怒るがあえて声を出さない>米国の半導体大手エヌビディアの最高経営責任者(CEO)、黄仁勲は「台湾は世界で最も重要な国の一つだ」と公に述べたが、こうした発言に常に敏感な中国国営メディアはこれを無視したようで、中国のネット民の間では不満が高まっている。テクノロジー業界の専門家は、これは中共が「中国はNVIDIAを必要としているが、NVIDIAは中国を必要としない」と公式に認識しているのが現実であり、中国は国力を高めるためにAI製品を総合的に開発する必要があり、現時点ではNVIDIAチップが唯一かまたは最良の選択であると指摘した。

黄仁勲はこの1年で5回も台湾を訪問し、中国も注目する「黄仁勲人気」の波を巻き起こした。 6/2に台北の国立台湾大学で行われた演説で、黄仁勲は「AI世界地図」を示した。そこでは、台湾と欧州、米国、日本、韓国などの国々が緑色のブロックで囲まれ、台湾の主権を間接的に示すかのように、中国とロシアとその他の国は灰色のブロックで囲まれている。

自由民主主義の国とそうでない国に色分けしただけ。

https://www.aboluowang.com/2024/0608/2064568.html

6/8阿波羅新聞網<习的野心令他害怕!享誉世界“中国通”发出警告—陆克文: 台海战争将如二战改变世界 习近平或在80岁前攻打台湾=習近平の野心は彼を怖がらせる!世界的に有名な「中国通」が警告 – ケビン・ラッド: 台湾海峡での戦争は第二次世界大戦のように世界を変えるだろう、習近平は80歳になる前に台湾を攻撃するかもしれない>ケビン・ラッド駐米オーストラリア大使は木曜日(6/6)、もし台湾で戦争が勃発すれば、世界的な影響は第二次世界大戦に匹敵し、現在の世界を完全に変えることになるだろうと述べた。 ラッドはホノルルでの演説で警告を発した。

中国に甘かった政治家が今更警告を発しても・・・。基本頭が悪かったとしか思えない。

https://www.aboluowang.com/2024/0608/2064525.html

6/8阿波羅新聞網<坐等天下大变 体制内对中共不满如地火奔行—中共收紧公职人员出境限制 分析:与内斗有关=天下有事を座って待つ 体制内で中共への不満が地下で煮えたぎる–公務員の渡航制限強化 分析:内部闘争と関連>王赫は、中共の危機感が高まるほど、その管理はより厳しくなり、結果はさらに悪化すると考えている。現在、共産党を批判しているのは一般人だけではない。中共官員も概して末世と思っており、この政権はいつでも終わることを知っており、共産党と「死なばもろとも」を望んでいない。 「当局が大きな力を持った今、誰も動こうとはしないが、地下で火は蔓延している。適切な機会が来れば、世界は劇的に変わるだろう」

是非そうなることを望む。

https://www.aboluowang.com/2024/0608/2064532.html

6/8阿波羅新聞網<今年应届生就业市场有多惨?最后一条没想到=今年の新卒者の就職市場はどれほど悲惨なのか?最後は予想外>2024年には大学卒業者数は1179万人に達し、過去最高を更新すると予想されている。

2024 年には、全国の大学受験者数は 1,353 万人に達する。今後 10 年間も依然として非常に多くの大学卒業生が就職市場に流入することが目に見えてわかる。

最近3枚の写真を見た。

中堅985大学の卒業生の進学率が40%になればいい方だね。

これでGDPが5.3%はありえない。

この学校は現在、2024年卒の就職率は約60%だが、博士課程学生の就職率は14.29%にとどまる。

https://www.aboluowang.com/2024/0608/2064517.html

何清漣が再投稿

全メディアニュースチャンネル 米国暁言フォーラム Cheyenne’s Forum @cheyennexli 6 月 6日

保守派は共和党に対し効果的に反撃するよう強く求めている。

歯には歯を!

qtown.mediaより

何清漣 @HeQinglian 8時間

この教授は間違っている。

彼はこう提案すべきである:米国はユダヤ人にとって最後の安全な港である、この港を大切にし、DEI等の社会主義実験への資金提供をやめ、民主党を支持するのをやめてほしい。

米国は、ユダヤ人に対するヘイトスピーチを禁止する法律を制定している世界で唯一の国である。もし今の米国が彼らにとって安全でないとしたら、それはソロス系列のような人物のせいだ。

引用

闇夜の大きなたいまつ🇨🇳🇵🇸☭  @renminwansui667  22時間

カナダ人の教授は次のように投稿した:総てのユダヤ人は中国語を習い、入国が許可されれば、ここは20年以上にわたりユダヤ人にとって唯一の安全な場所となるかもしれない。

同胞の皆さん、どう思うか?

何清漣 @HeQinglian 2時間

欧州議会選挙で極右が急増 https://rfi.my/Afpo.X  @RFI_Cn より

聞くとびっくりするが、よく考えてみると私も極右に分類されるので、ありふれている。この極右は実際は常識を持った現実主義者であると感じる。

当時のチリにはピノチェトのような極右がいたが、今は存在できない。

何清漣 @HeQinglian 7時間

「中国と外国の反動勢力が太平天国の乱を鎮圧するために共同で取り組んだ」

——この文章は中共創設以来、教科書(中学校歴史も含む)にずっと載っている。

大学院で勉強してもこのような認識でいるのであれば、教授達が“優”の評価を取り消すのも当然である。

引用

ベンヤミン・ネタニヤフ @mancity9haaland  20h

北京大学史学科の出来事に注目してみませんか?

北京大学史学部の大学院生は論文の中で、「中国と外国の反動勢力が太平天国の乱を鎮圧するために共同で取り組んだ」と述べ、学部の数人の教授は学生の考えが左翼すぎると考えたため、この“優”の評価を取り消した。😂

北京大学史学科の尚小明教授は、こうした人々の行為に耐えられず、最近抗議して史学部の学位委員の職を辞任した。

もっと見る

元吉氏の記事では、「バイデンの大統領就任以降、国内では目立った左右対立はなく、むしろ問題になっているのはニューヨークでのアジアヘイトなど昔ながらの人種差別だ」というのは現実離れした認識では?左右の対立が米国の今の分断を引き起こしている。特に左翼民主党が保守共和党をいろんな手段(司法や不正選挙、メデイア報道も含む)を通じて虐めている構図なのでは。

テキサス州(共和党)とカリフォルニア州(民主党)が手を組むことはないでしょう。所詮はフィクション。但し、民主党が「法と秩序」を軽視した執政を続ければ、どこかの時点で限界を迎え、爆発するときがくる。第二次南北戦争に本当になるかも。但しその時は南軍はConfederacyではなくUnion forcesになる。南軍が負けるという意味ではない。ただ戦争が起きれば、米国は2分割になり、喜ぶのは中共・ロシアになる。

記事

主人公で戦争写真家のリー(キルスティン・ダンスト)(写真提供:A24)

(元吉 烈:映像作家・フォトグラファー)

2024年4月、映画「CIVIL WAR(シヴィル・ウォー=内戦、市民戦争)」が公開された。監督は「エックス・マキナ」「アナイアレイションー全滅領域」などのイギリス人アレックス・ガーランド。主に中規模予算のヒット映画を多く手掛けてきた製作会社A24による初のブロックバスター映画として、予告編が公開された当初から大きな注目を集めた。

物語は、すでに2期目を終えて3期目の大統領を目指そうとする大統領の横暴に対して、テキサス州とカリフォルニア州が独立を求めて武装蜂起。それを武力鎮圧したアメリカ大統領(ニック・オッファーマン)が「分離独立論者を鎮圧し、人類史に残る勝利だ」とスピーチするシーンから始まる。

*以下、一部ネタバレを含みます

現在のアメリカ大統領任期は最大で2期8年だが、憲法改正によって2期目の後には3期目があると言った大統領と言えば、今年の11月に共和党候補として大統領選を戦うことになるトランプを想像することは難しくない。そのうえ「内戦」と題名にあるのだから、保守vsリベラルがアメリカを分断する映画だと思った人は筆者を含めて多くいた。

ところが、映画冒頭で明らかになるのは共和党の強いテキサス州と、民主党の強いカリフォルニア州がWestern Forcesという同盟軍を結成し、大統領に対して独立戦争を始めた世界の物語。現実には到底あり得そうにないテキサスとカリフォルニアの連帯があるなど、現実と離れたフィクションでもあるのだが、2024年のアメリカの現実に生きる観客にはただのフィクションと言って笑える映画でもない。

「CIVIL WAR」という刺激的なタイトルを持つ本作で、ガーランドは何を描こうとしたのだろうか。

ガーランドの映画が描き出す世界

監督のアレックス・ガーランドは1996年の『ビーチ』で小説家デビューした後(レオナルド・ディカプリオ主演、ダニー・ボイル監督で映画化)、映画脚本家やゲーム原作者をつとめ、「エクス・マキナ」(2015)で映画監督としてメガホンを握った。

その後も「アナイアレイションー全滅領域」(2018)、「MEN―同じ顔の男たち」(2022)と、私たちの心の奥底にある不安や恐怖を映画的な手法を用いて描いてきた。

「エクス・マキナ」では、AIロボットに本当に知能があるかどうかを確かめる(いわゆるチューリングテスト)ことで人類がAIと共存できるのかという哲学的な不安、「アナイアレイション」では環境破壊などによって地球が滅びたときに人類はどうなるのかという恐怖、そして「MEN」では、主人公が休暇で訪れるある村に同じ顔の男性しかおらず、この社会にある「有害な男性性」から女性だけでなく男性も逃れることができないという恐怖を描いた。

ガーランドの監督作品はすべて社会に蔓延する恐怖を題材にしており、最新作の「CIVIL WAR」も例外ではない。

テレビに映される大統領のスピーチを見つめる主人公(写真提供:A24)

映画の冒頭、テレビに映される大統領のスピーチを見つめる主人公リー(キルスティン・ダンスト)は、最年少でマグナム会員になった有名な戦争写真家で、映画の序盤、過去にアフリカなどの戦地でみた残虐な光景を何度も思い起こす。

リーは写真家として、人命が非人道的に扱われる現場をいくつも写真に収めてきた。その目を覆いたくなるような暴力が、彼女の母国アメリカで起きている/起きようとしていることを危惧している。

現実のアメリカでも、2021年1月連邦議会襲撃事件の直後には内戦が起きる、あるいはアメリカはすでに内戦状態にあるのだという報道は数多くなされていた。

バイデンの大統領就任以降、国内では目立った左右対立はなく、むしろ問題になっているのはニューヨークでのアジアヘイトなど昔ながらの人種差別だ。しかし、大統領選挙の年に公開された本作は、大統領選が本格化する夏以降、トランプが扇動するあの狂騒が戻ってくるかもしれないという悪夢を甦らせる。

「二人の狙撃手」が映し出す現実世界の不安

主人公のリーとライターのジョエル(ヴァグネル・モウラ)に二人のメンターだったサミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)、そしてリーに憧れる戦争写真家志望の若いジェシー(ケイリー・スペイニー)を加えた一行は、大統領のインタビューを取るため、Western Forcesによって包囲されているワシントンに向かうのだが、ある農場を通る際に死角からの銃撃に遭う。一行の乗るバンにはPRESSと書かれているにもかかわらず、だ。

身の危険を感じて車から下りると、そこには迷彩服を着て地面に寝そべりながら狙撃態勢になっている二人の男がいる。二人は、おそらく農場の経営者が住んでいたと思われる屋敷に向けてライフルを構えているのだが、自分たちを見境なく狙撃してくる相手は誰なのかと尋ねるジョエルに対して「誰かが自分たちを殺そうとしているので、彼らを殺そうとしている」と答える。

その答えに戸惑うジョエルを気にする素振りも一切なく、二人の狙撃手は狙撃に集中している。そこで挿入される一輪の花を見るリーのカットは、その場でなにもできないジャーナリスト一行の心情を描いているかのようだった。

「誰かが自分たちを殺そうとしているので、彼らを殺そうとしている」世界では、ジャーナリストが必要とする「誰が」「なぜ」「どのように」は通用しない。自分たちを守るためには大義名分を捨て、友と敵を分かつ線が無数に引かれた世界を生きることを強いられるだけだ。

主人公たち一行を狙う狙撃手(写真提供:A24)

ガーランドは「エクス・マキナ」や「MEN」でも顔の区別のない世界の不安を描いており、この「CIVIL WAR」でも過去から同じテーマを敷衍して、私たちの中にある不安を見事に炙りだしている。

前述の通り、本作は予告編公開の当初から大きな話題を呼んだが、不安を煽るタイトルに加えて話題の中心にあったのは、ジョエルが嘆願するように発する「私たちは皆、アメリカ人じゃないか!」というセリフに返される、「お前はどの種類のアメリカ人なの?(What kind of American are you?)」というセリフだった。

「アメリカ人とは誰のことか?」という根本にある不安

ライフルを持って迷彩服と安っぽい赤いサングラスを身につけたジェシー・プレモンズ演じる男が発するこの一言は、いまのアメリカに広がる不安を一言で的確に表現している。だからこそ、人々の心をざわつかせたのだ。

しかも、先月のカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞したプレモンズ(キルスティン・ダンストの夫でもある)が気怠そうに頬をかくオフビートな演技が、この男がどれだけ「一般のアメリカ人」に興味がないかを視聴者に感じさせて恐怖を一層強める。

「口止め料」に関連して34件もの有罪判決を受けた後も多くの献金を集める元大統領の支持者や、たとえレイプによるものであっても女性が中絶手術をすることも、手術に医師としてかかわることも罪になるという法律を作った州の政治家やその支持者たちを、私たちは同じアメリカ人だと思えるだろうか。

その逆に、彼らはトランプの言う不正選挙を信じずに、神から与えられた子どもを堕胎することを認める人たちを同じアメリカ人と思えるのか。

結局、アメリカ人とはいったい誰のことを指していて、誰が信用に足るのか、この曖昧さへの不安がいつか訪れるかもしれない内戦の原因なのだということを、この映画は問いかける。

「お前はどの種類のアメリカ人なの?(What kind of American are you?)」と訪ねる男(写真提供:A24)

ガーランドはこの映画が抽象的だという指摘に対して、以下のように答えている。

「この映画は、あるファシストの大統領が憲法改正に成功して3期目を狙おうとしたことで、アメリカ内で分離独立論が高まり、その鎮圧のために市民に対する攻撃を行う。(中略)映画内で起きていることはすべて具体的で分かりやすく、抽象が入り込む余地は一切ない」

筆者の周りでも、この映画が抽象的、あるいは具体的に何に言及しているか分かりづらいという批判をいくつか聞いたし、その指摘に頷けるところもなくはない。ただ、ここに書いてきたように、「CIVIL WAR」は、現在のアメリカに生活することの不安や恐怖の感覚を描いたもので、11月5日に行われる大統領選への見通しをよくしたり、対立の解決策を示したりするようなものではない。

人々が欲する解決策はそう簡単に見つかるものではない。そして、そのことがまた、私たち鑑賞者を不安にさせるのだ。

「CIVIL WAR」の日本公開は10月4日に予定されている。

米国で反響を呼んでいる「CIVIL WAR」(画像提供:A24)

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