『「有罪」のトランプ氏が集めた83億円の寄付 逆境に燃える支持者たち』(6/5日経ビジネス 鷲尾龍一)、『トランプ法廷劇場の代償 米政治は「韓国化」するか』(6/6日経朝刊 西村博之)について

6/6The Gateway Pundit<The World Rallies To President Trump’s Defense In Aftermath Of Kangaroo Court Verdict=カンガルー裁判の評決を受けて世界がトランプ大統領の弁護に集結>

バイデンと民主党の同盟者たちは、先週トランプ大統領に対して下された偽りの有罪評決の余波で、厳しい現実に直面することになった。この評決は、米国の次期大統領候補であるトランプの適正手続きの権利と表現の自由を否定したカンガルー裁判の副産物だった。

バイデンは米国民がついにトランプ大統領に背を向けるだろうと予想していたが、実際にはその逆のことが起きた。国民は大統領選の近代史で前例のない勢いでトランプの側に結集したのだ。先週の有罪評決以来、トランプ大統領の資金調達額は歴史的なものとなった。彼は何億ドルもの現金を集めたのだ。

5月、トランプ大統領の選挙運動は過去最高の1億4100万ドルの資金を集め、あらゆる層の有権者がトランプ大統領の側に流れ込むのを阻止しようと懸命に努力してきたジョー・バイデンを大きく上回った。

実際、第45代大統領がトランプタワーで記者会見を開き、バイデン・ブラッグ・ショーの評決はMAGAを妨害し、大統領選挙を不正に操作しようとする左派の終わりのない物語の最新の試みに過ぎないと非難した同じ日に、新しい世論調査が発表され、第45代大統領はバイデンに対して全国で6ポイントの優位に立っており、アリゾナ、ジョージア、ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガン、ネバダの今期の6つの主要な激戦州すべてでリードしていることが示された。

バイデンの問題は国内でも深刻だが、海外ではさらに悪化していると言える。バイデンの執政の下、国際秩序は混乱に陥っている。

西側諸国は東欧と中東での紛争と戦争により、第二次世界大戦以降見られなかったほどの被害を受けている。一方、中国、イラン、ロシアなどの独裁政権は、バイデン政権の自殺行為的な政策によって経済的、文化的にほぼ破滅に追い込まれた米国と欧州に比べて、力を強めている。

国際社会は傷ついている。そして、彼らはこの見せしめ裁判が何であるかをはっきりと理解している。つまり、単純に言えば、政敵に対する迫害である。第45代大統領を擁護し、バイデンのブラフを非難した国々の多くは、政治的訴追を直接体験しており、それは彼らの歴史の暗い部分であり、武器化された司法制度がいかに民主的で自由な社会を崩壊させ得るかを、身をもって知っている。

例えば、エルサルバドルの新大統領ブケレは、タッカー・カールソンとの最近のインタビューで、民主党はトランプ大統領を逮捕することで「大きな間違い」を犯していると述べた。会話の中で、ブケレは、トランプ大統領に対する法律戦は「史上最高の選挙戦」をもたらし、「[トランプ大統領に]より多くの票を与えるだけだ」と述べた。

https://x.com/i/status/1798526106569506848

ブケレが表明した感情は、世界中の指導者たちも共有した。英国では、改革党現党首のナイジェル・ファラージが、バイデンの見せしめ裁判を最も厳しい言葉で非難し、左派は「やりすぎた」と主張した。同氏はさらに、「(トランプ大統領が)勝つことは、今やより確信している」と付け加えた。

ファラージ氏の発言は、ボリス・ジョンソン元首相の発言にも反映されている。ジョンソン元首相も、有罪判決を容赦なく批判した。「アフリカやロシアでこのようなことが起きると、我々はそれを独裁主義的で腐敗していると非難する。しかし、米国民はそれを見て、やり方も動機も根本的に同じだと判断した。批判者が何を言おうと、ドナルド・トランプは、最高の状態では、世界が必要とする強くて自信に満ちたリーダーシップを発揮できると私は信じている」

元英国首相ボリス・ジョンソンによるバイデンの見せしめ裁判の判決に対する非難文が、トランプ大統領のTruth Socialページに再投稿された。

イタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相。

ハンガリーのヴィクトル・オルバーン首相。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/06/world-rallies-president-trumps-defense-aftermath-kangaroo-court/

6/6Rasmussen Reports<‘Elections? Forget About It’: 78% of Democrats Agree With De Niro=「選挙?忘れろ」:民主党員の78%がデ・ニーロに同意>

有権者のほぼ半数、そして圧倒的多数の民主党支持者は、俳優ロバート・デ・ニーロの物議を醸す発言に賛同しているが、有名人が政治について語ることには概して熱心ではない。

ラスムセン・レポートの最新の全国電話およびオンライン調査によると、米国の有権者の 37% が、ミュージシャン、俳優、アスリート、その他の有名人が政治について公にコメントすることは良いことだと考えています。41% は有名人が政治についてコメントすることは悪いことだと考えており、22% はわからないと回答しています。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/elections_forget_about_it_78_of_democrats_agree_with_de_niro?utm_campaign=RR06062024DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

6/7阿波羅新聞網<川普能躲过牢狱之灾?一只巨大的“灰犀牛”呼之欲出—川普如果坐牢,专家忧心一只巨大的“灰犀牛”= トランプは入獄を回避できるか?巨大な「灰色のサイ」が出現しようとしている – トランプが入獄すれば、専門家は巨大な「灰色のサイ」を懸念している>トランプ前大統領は、2016年の選挙中にピンク・スキャンダル対象者に「口止め料」を支払ったが、業務記録を改ざんしたとして告発され、陪審は5/30に重罪の34件すべてで有罪の評決を下し、判事は7/11に判決を発表する予定だ。ニューズウィークは6日、トランプの投獄が大規模な憲政危機を引き起こす可能性があると法律専門家が指摘していると報じた。

シラキュース大学の法学教授グレッグ・ジャーメインはインタビューで、トランプの懲役刑は多くの法的異議申し立てを引き起こすだろうが、その結果は非常に深刻であるため、トランプは入獄を回避できるだろうと述べた。

ジャーメインは、トランプに有期懲役刑を宣告すべきではないと述べ、さもなければ、憲政上の重大な危機と一連の控訴、人身保護令状申請、その他の異議申し立てを引き起こすことになり、囚人トランプは司法制度にとって手に負えない人物であると述べた。

ジャーメインは、より賢明な解決策はトランプに執行猶予を言い渡すか、控訴が完了するまで刑は執行されないとの判決を下すことだと分析した。同氏は、NY州高等裁判所のフアン・マーチャン判事がトランプ大統領に実刑判決を下せば、マーチャンが「偏見を持っている」と外部の世界に思われるだろうと述べた。

ワイドナー大学の法学教授マイケル・ディミノも、トランプを投獄すれば憲政上の危機を引き起こすだろうと述べた。ディミノはインタビューで、トランプが刑務所に服役する可能性は「極めて低い」と述べた。

ディミノは、皮肉なことに、選挙期間中にトランプ入獄に対処することは、トランプが選挙に勝って大統領に就任するまで待って解決できるが、はるかに困難になるだろうと述べた。

同氏は、州裁判所が米国大統領や大統領候補者に入獄させる権限を持っているかどうかについては前例がないが、州が連邦司法権に介入できないというガイドラインは非常に明確であり、大統領は職責を果たさなければならないなどと述べた。

ディミノは、大統領は国全体を代表しており、ある州には他の49州を支配する権利はないと指摘し、コロラド州の投票用紙リストをめぐる最近の最高裁判所の訴訟では、判事らはコロラド州にはトランプ大統領の投票用紙リストを阻止する権利はないと満場一致で判断した。したがって、一州がトランプに懲役刑を宣告することも憲法違反であり、州が大統領の職務の遂行に影響を与える可能性のある渡航禁止などの罰則を科すことも憲法違反となる。

憲法は大統領候補者に特別な地位を与えておらず、候補者には果たさなければならない憲法上の義務はないが、大統領候補者が州内で投獄され選挙運動に参加できなくなった場合、深刻な選挙介入となり、選挙結果の正当性に影響を与えるとディミノは分析した。

そもそも裁判自体が政治劇で、ハナから公平な裁判は望むべくもない。

https://www.aboluowang.com/2024/0607/2064065.html

6/7阿波羅新聞網<重要事件发生 普京彻底沦为国际弃儿=重大事件発生、プーチンは完全に国際的な孤児に>ロシア・ウクライナ戦争のせいでプーチンは国際的な孤児となり、ノルマンディー上陸記念式典にはロシア代表の姿はなかった。

6/6(木)はノルマンディー上陸作戦80周年記念日であり、エマニュエル・マクロンフランス大統領の招待を受けて、第二次世界大戦の連合国の多くの首脳が今週、Dデー上陸作戦を記念してノルマンディーの海岸に集まった。それは第二次世界大戦の流れを変え、ファシストドイツの重要なときを打ち破った。

しかし人々は、第二次世界大戦の連合国の主要加盟国であるソ連の後継者としてのロシアがこの重要な記念行事に欠席したのが目立ち、ロシア・ウクライナ戦争のせいでロシアのプーチン大統領の国際的孤立という恥ずかしい状況を浮き彫りにしたことに気づいている。

プーチンはフランス入りすれば、即逮捕では。

https://www.aboluowang.com/2024/0607/2064064.html

6/7阿波羅新聞網<乌军两地告捷!俄军包围作战失败、损失惨重=ウクライナ軍が両地で勝利!ロシア軍の包囲作戦は失敗し大損害を被る>ロシアは最近、ウクライナ北部のハリコフ地域に激しい攻撃を開始しており、ウクライナが徐々に抵抗を強め、ロシアが攻勢を維持するのはますます困難になっている。

最近のニュースでは、ウクライナがハリコフ近郊のヴォフチャンスク地域で部分的な反撃に勝利したと指摘されており、さらにドネツク州のチャシフ・ヤル地域でも多くのロシア軍がウクライナ軍に包囲され殲滅されたという朗報も伝えられている。ロシア軍はドネツク州ビロホリフカを占領したと発表したが、同町では依然として多数のウクライナ兵が戦闘を続けている。

少し前に、ロシア軍はウクライナ第二の都市であるハリコフ地域を攻撃するために多数の兵士を組織し、ヴォルチェンスク地域もロシア軍によって一度は占領された。

しかし、西側諸国がウクライナ支援のための武器使用制限を解除した後、ウクライナは徐々に反撃を開始し、今では地域の一部の支配権を取り戻したと発表した。ロシア軍は、ウクライナに押し戻された後、長距離砲でヴォルチャンスク地域に激しい攻撃を開始した。この地域は昼夜を問わず爆撃を受け、最終的にはほぼ更地の状態になった。

プーチンはいつまで続けるつもりだろうか?

https://x.com/i/status/1798266756030697764

https://www.aboluowang.com/2024/0607/2064067.html

6/6阿波羅新聞網<技术领先俄A-50U! ASC890预警机+F-16 乌空军如虎添翼 俄军战场要崩了=技術でロシアのA-50Uをリード!ASC890早期警戒機+F-16はウクライナ空軍に虎に翼をつけた如く、ロシアの戦場は崩壊寸前>欧州の多くの国は近い将来、85機から95機のF-16戦闘機をウクライナに供与する予定だ。ベルギーは30機、オランダは24機、デンマークは19機、ノルウェーは戦闘機12機、予備部品供給機として10機を支援した。これは、ウクライナ軍が将来的にF-16戦闘機を主力とする空戦部隊を創設することが、もはや単なる夢ではなく、実現可能な現実であることを意味する。さらにスウェーデンは、レーダー技術がロシアのA-50Uよりはるかに進んでいるASC890空中早期警戒機2機を含む、ウクライナに13億ドル相当の軍事援助を提供すると発表した。

もっと早くから出さないと。ウクライナ人の損耗を少なくしないといけない。

https://www.aboluowang.com/2024/0606/2063931.html

6/6阿波羅新聞網<影》太意外!乌克兰另辟新战线特战队境外打击俄军=映像》なんと驚き!ウクライナ、国外のロシア軍を攻撃するため、新たな前線特殊部隊を設立>

ウクライナ特殊部隊とシリア反政府勢力がシリアでロシア傭兵を攻撃するために協力

ロシア軍はウクライナで長期間戦闘を続けており、国内での戦争が終わる兆しは見えていないが、キエフは特殊部隊をシリアに派遣し、地元反政府勢力と共闘し、ロシア傭兵とシリア政府軍を共同攻撃している。

キエフ・ポストとビジネス・インサイダーは4日、2024年3月の映像で、ウクライナ特殊部隊がシリア南西部のロシアの検問所、要塞、哨戒部隊、軍事装備車隊を標的にしている様子が映っていると報じた。これらのウクライナ軍は攻撃にロケット推進手榴弾、簡単な「タラブ」迫撃砲、無線制御の簡易爆発装置を使用した。匿名のウクライナ情報筋は、今年初め以降、ウクライナ軍がシリア反政府勢力を支援し、ロシアの軍事施設を繰り返し攻撃していると述べた。

https://www.aboluowang.com/2024/0606/2063918.html

6/6阿波羅新聞網<今年别离职3原因曝 大陆员工叹:中国社会进入寒冬=今年仕事を辞めない3つの理由が明らかに 中国の従業員が嘆く:中国社会は厳冬期に入った>最近は卒業シーズンで、就職活動をしている人も多く、退職を考えている人もいる。しかし、多くの中国ネットユーザーは、今年は特に7月から9月にかけて、暑さに加えて別の2つの理由があるため、簡単に仕事を辞めるべきではないと述べ、激しい議論を巻き起こした。

さらに、一部のネチズンは「今年は本当に簡単に仕事を辞めないでください」と呼びかけた。率直に言って、今年の経済は初めて感じるが、疫病よりも更に悪い一年で、どの程度かって?先週商品を届けてくれた宅配会社が今週倒産したと言い、先週食べた猪肚鶏が今週なくなった、隣の家に住んでいる卒業生たちはまだ仕事を見つけられておらず、借金を余儀なくされている。

ネチズンは、レストランで食事をするたびに、来週も店があるかどうか不安になると率直に述べ、外国貿易に従事する経験はそれほど深くないが、会社は実際に人員を削減しており、社会全体が厳冬期に入ったので、まだ仕事があるのを思い出し、まず自分で暖が取れるようにし、感情的に仕事を辞めたり起業したりしないように。

日本同様30年のデフレが続く。

https://www.aboluowang.com/2024/0606/2063953.html

資本主義が人を腐敗させるわけでなく、男の欲望に負けて、国を売った(?)のが問題なのでは。中共では権貴は皆愛人がいるのが普通だから、売国以外に辞任を迫られることは考え難い。でも傅暁田は貞操観念のない優秀な女スパイだった?

何清漣 @HeQinglian 8時間

新聞を読んだ感想: 1.米国左翼は、非難合戦は別として、反省する能力を完全に失っている。バイデンが一言も謝罪することなく政策を転換したことさえ、すべてトランプ大統領のイスラム教徒入国禁止と移民制限政策のせいだとされた。 2. 左派はトランプの内政・外交政策を激しく非難し、バイデンの政権獲得を支持する理由として利用した。しかし、バイデンはここ数年、自分の間違いを、声を挙げずに正してきた。彼の対中政策はトランプ大統領の貿易戦争を継続させ、その他の政策は米国にマイナスの結果をもたらしている。

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何清漣が再投稿

桃花島主 (ラッキー) @Mydoglucky2 Jun 6

バイデンは3年半の任期中に1000万人以上の不法移民を米国に入国させた。彼が突然国境閉鎖を発表したのは、おそらく世論調査の結果が日に日にトランプの後塵を拝しているのを見て、負ける選挙を救うためにこの方法を使いたかったからだろう。

これら 1,000 万人を超える不法移民は、米国に取り返しのつかない損害を与え、疲弊させている。

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何清漣 @HeQinglian 1時間

台湾の対外輸出の経済版図は変化している

https://rfa.org/mandarin/pinglun/heqinglian/hql-06062024181320.html

中国…もっと見る

rfa.orgより

鷲尾記事では、民主党が政敵の選挙運動を邪魔するため、司法を使って迫害しているというのが分からないらしい。でなければ、選挙の年に、急に91件の重罪で訴えられることはない。ビル・クリントンの口止め料の支払いは問題にされなかった。分断を煽っているのは民主党。

西村氏の記事では、「司法の武器化」について説明しているのは良い。日本ではこれを説明しているのは少ない。トランプがWH入りした後の報復は当然ある。私憤というより公憤で。“drain  the swamp”。

鷲尾記事

この記事の3つのポイント

  1. トランプ前大統領の有罪評決を受け、支持者が集結
  2. 有罪評決後に寄付が殺到し、1日で83億円相当に
  3. 有罪のトランプ氏から離反する支持者は4%程度か

「ブロードウェイのミュージカルでもあるのか」

5月31日、米ニューヨークの5番街にそびえる高層ビル「トランプタワー」。トランプ氏の支持者やメディアで歩道がごった返す様子を見て、通行人の一人がこう笑った。

トランプ氏の有罪評決に対する反論会見の開催を受けて、トランプ支持者とメディアがトランプタワー前に集結した

前日の30日、ニューヨークの裁判所で12人の陪審員が、トランプ氏が問われた34全ての罪状に有罪の評決を下した。トランプ氏と性的関係があったと主張するポルノ女優への不倫口止め料13万ドル(約2000万円)を不正に処理したなどとされる。

トランプ氏は「不正な裁判だ」などと反発。SNS「トゥルース・ソーシャル」で、31日午前11時にトランプタワーで記者会見を行うと予告したため、支持者が集結したというわけだ。トレードマークの赤い帽子をかぶった支持者が、「絶対に屈しない」と記したプラカードや旗を振り、タワーの中にいて姿が見えないトランプ氏に、「We vote!(我々は投票する)」「Free Trump!(トランプ氏を解放せよ)」と声援を送った。

ミュージシャンもよく使う米メーカー製の大型スピーカーを持参したトランプ支持者が、会見中、トランプ氏の肉声を大音量で流し始め、支持者の歓声を受けた。トランプタワーの写真を印刷したシャツを20ドルで売る男性まで現れた。その荒々しさとにぎやかさは、ブロードウェイというより、山中の音楽祭か、地方の喧嘩祭りという雰囲気だった。

ニューヨーカーはバイデン氏に飽き飽きしている?

トランプ氏の支持者の中には、バイデン大統領に失望した人々もいた。

「バイデンは、有色人種、褐色人種を救うと言いながら、私たちをだました。自分が住む町には、プエルトリコ、ドミニカ、そしてアジアから来た若者が戸惑い、暮らしている」と、海外メディアの取材に対し、トランプ支持者の男性はスペイン語でまくし立てた。

ある白人女性は、「ニューヨーカーはバイデンに飽き飽きしている」とカードを掲げた。不満の一因とみられるのが、犯罪の増加だ。ニューヨーク市の警察当局の発表によると、それまで7年連続で減少していた主要7犯罪の件数は、2021年に増加に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響に加え、「民主党が伝統的に強いニューヨーク市が移民の受け入れなどに予算を割く一方で、警察予算を削ったことで、モチベーションが下がった」(日系企業幹部)との指摘もある。

バイデン政権は23年に懸念された景気後退を回避し、今も堅調さを維持している。本来は支持が高まってもおかしくないが、米ABCニュースが継続的に実施している世論調査では、4~5月の間、バイデン氏の支持率は1~2ポイントほどトランプ氏を下回っている。物価上昇が生活を圧迫し、消費者は堅調な景気の恩恵を実感できていないようだ。

23年後半に鈍化の兆しを見せた物価上昇は、24年1~3月に底堅さを見せ、6月とも目されていた米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測は後退。足元では利下げ回数の予想は年1回と年2回が、せめぎ合っている。

かといって、トランプ氏が勝利しても状況が改善するとは限らない。米国野村証券は、トランプ氏の主張通り、全世界に10%の関税が実施された場合、「中国のみを対象とする関税より、インフレ率の押し上げは大きくなりそうだ」と指摘する。トランプ氏は、ドル安や低金利も求めており、関税が生むインフレ圧力との両立は難しい。関税引き上げを武器にして他国との「ディール(取引)」を進める狙いとみられるが、不確実性は高まる。

そもそも、トランプ氏が1期目に実施した対中国関税も、「米国内の流通事業者がマージン(利益率)を削って関税によるインフレショックを吸収した」(米国野村証券の雨宮愛知シニアエコノミスト)ため、トランプ氏が主張するように中国に奪われた仕事を米国内に取り戻した、というわけではなさそうだ。

広がる溝

こうした政策の評価はさておいて、有罪評決はトランプ支持者に火を付けた。トランプ陣営の発表によると、有罪評決の直後に寄付金が殺到し、1日で5280万ドル(約83億円)もの寄付が集まったという。

ABCニュースなどが4月下旬に実施した世論調査では、トランプ氏が有罪になった場合、トランプ氏の支持層の16%が支持を続けるか再考し、4%は支持を取りやめると語った。数字の評価は分かれそうだが、少なくとも揺れる20%を除いた80%が岩盤支持層とみなせる。有罪になったからと言って、トランプ氏が一気に不利になるという情勢ではない。

トランプタワーの前では、トランプ氏の支持者と、そうではない市民が言い争う場面もみられた

トランプタワーの前に集まったのは、支持者だけではなかった。「Guilty(有罪)」との見出しを一面に掲載した新聞を頭上に掲げていた男性は、「昨日の裁判結果には安心した」と語った。一方で、「評決の選挙への影響は分からない。ただ、民主党、共和党のどちらの支持者も、(選挙結果などを不服とした)暴力を恐れていると思う」と語った。

「Lock him up(彼を拘束せよ)」とカードを掲げた男性は「ようやくこの国で司法制度が機能していることが示された」とし、政治と裁判は切り離すべきだと語った。その上で、「信条に関係なく、誰もが社会の中にいる。共和党、民主党のどちらを支持してもいいが、他党を敵視し、自分のやりたいことを何でもやるのは、米国のやり方ではない」と話した。

その背後では、大型スピーカーを引っ提げた「トランプフェス」のMCが、YMCAなど米国の名曲を流して支持者を盛り上げ、叫んだ。

「All country would be here!(ここがアメリカの中心だ)」

有罪評決は米国の分断をさらに広げたかもしれない。

西村記事

米ニューヨーク州の裁判所を後にするトランプ氏(5月30日)=ロイター

まさに劇場だった。トランプ前大統領の不倫口止め料をめぐる不正会計事件の最終弁論が行われた5月28日、ニューヨーク市マンハッタンの裁判所前には俳優のロバート・デニーロ氏まで現れた。

「トランプが勝てば自由におさらばだ。彼は決して去らない」。民主党を支持する名優の演説にトランプ陣営はすぐ反撃した。「焦ったバイデンは落ち目の俳優まで借り出した。裁判の政治利用だ」

2日後、トランプ氏は重罪で有罪評決を受けた米史上初の大統領経験者となった。目先は11月の大統領選への影響が注目されるが、より長期の懸念もある。とりわけ深刻なのは、米司法の独立性に疑念の種がまかれたことだ。

裁判の正当性に疑念

裁判の焦点は2016年の大統領選直前、トランプ氏の不倫相手とされるポルノ女優に支払われた13万ドル(約2000万円)の口止め料だ。フィクサー役の弁護士がまず立て替え、後にトランプ氏の会社が補塡した。その際に「弁護士費用」として会計処理したことが罪に問われた。

評決後のロイター通信などの世論調査では、トランプ氏に投票する可能性が「減った」との回答は共和党支持者で10%、無党派で25%だった。逆に「増した」との回答も一定程度あり、投票日まで5カ月という期間を考えると選挙への影響は決定的ではない。

むしろ調査で注目すべきは裁判の正当性への受け止めだ。裁判の目的を「法の支配の維持」とみる有権者は52%。46%は「トランプ再選を阻む政治的な意図」を見て取る。裁判を「魔女狩り」と呼ぶトランプ氏の言動が一因なのは間違いないが、それだけだろうか。

「奇っ怪な国だろ?」。有罪評決が出た30日、裁判所の近所に住む弁護士のジョナサン氏は、評決に抗議するトランプ支持者らに冷ややかな目を向けつつ、今回の裁判への違和感も口にした。

「民間会社の不正会計は微罪なのに、それを重罪に仕立てた検察の論理は乱暴だ。法治国家としての米国の信頼を損なう」

「接ぎ木」の重罪認定

微罪である不正会計が重罪になるのは不正によって他の犯罪の実行・隠蔽を意図した場合だ。だが、その第2の犯罪をニューヨーク州法では厳格に認定する必要がない。結局、検察は第2の犯罪が有権者を欺いた選挙法違反だと主張したが、この本丸の罪では起訴も十分な検証もなかった。裁判は終始、「隅っこの事業記録に焦点を当てた」(ブルッキングス研究所のジュラシック氏)。

違法でない口止め料の支払い、微罪の会計不正、認定不要の選挙法違反を「接ぎ木」した重罪認定を、民主党寄りのワシントン・ポスト紙も「疑惑を連結させた複雑な論理」と評した。

トランプ氏の有罪評決後、記者会見するブラッグ・マンハッタン地区検事(5月30日、米ニューヨーク)=ロイター

現に連邦検察は立件を検討しながら難しいとみて断念した。今回の捜査を率いたニューヨーク州マンハッタン地区検察のブラッグ検事も当初は尻込みし、これに抗議し補佐役が22年に辞職した。

その穴を埋めたのがトランプ氏捜査の経験もある司法省元幹部のコランジェロ検事補で、バイデン政権の指示を勘繰る下院司法委員会のジョーダン委員長(共和)は証言に呼んだ。泥仕合が司法の独立性への疑念を強めうる。

トランプ氏は20年の大統領選の結果転覆などに絡み、他に3つ刑事裁判を抱える。特に21年1月6日、支持者が連邦議会を襲った事件は民主主義の根幹に関わるだけに、トランプ氏の関与も含め真相の徹底究明が求められる。

司法に「武器化」の恐れ

翻って今回の裁判は深刻度が低く、無理も目立った。結果こそ有罪だが、他の訴訟の正当性まで攻撃するトランプ氏の主張に一定の説得力を与える恐れがある。

問題はその先だ。トランプ氏が司法を用いた報復に動くことは避けられまい。バイデン氏だけでなく「政府高官の多くも身構えている」と著名な政治アナリストは話す。あからさまな司法の乱用には本来なら側近や共和党から異論が出るはずだが、国民の多くが司法への政治介入を疑うなかでは歯止めが利きにくい。米国では今後、政権交代のたび前任者をさばく報復合戦が根付く素地がある。

これは米政治の「韓国化」にほかならない。韓国では1987年の民主化後も4人の大統領経験者が逮捕された。家族や側近の摘発も絶えず、国民もこれを支持したが、社会の溝は深まり、強大な検察の政治性に不信は募った。

長く軍政が続いた韓国の場合、民主政治の生みの苦しみという面はあった。「大統領経験者の訴追は軍政時代からの汚職の慣行をあぶり出し、民主政治は一進一退しながらも前進してきた」と南カリフォルニア大のデビッド・カン教授は前向きに評価する。

喜劇から悲劇へ

腐敗をけん制・浄化するため司法が元権力者の不正を追及するのは当然だ。問題はそれが政争の具となる危険性と隣り合わせという点だ。政治の分断が深まるなか、司法には以前にも増して厳格な中立性と規律、そして「李下(りか)に冠を正さず」の姿勢が要る。

司法が政治の「武器」と化せば、為政者は権力掌握や政敵つぶしにエネルギーを注ぎ、政策運営は二の次になる。権力を手放すのを恐れる為政者が不当に居座れば、もう民主主義とは言えない。

「トランプは去らず」とのデニーロ氏の予言は大げさにも響く。だが3年前の連邦議会への襲撃事件を思い返せば笑い飛ばせない。喜劇は容易に悲劇へと暗転しうる。それを防ごうとの司法の勇み足が、逆効果となっては皮肉だ。

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