8/22渡部亮次郎メルマガ Andy Chang『泥沼の深みに嵌ったヒラリー』について

本題とは関係ありませんが昨日家内と「ミッションインポッシブル・ローグネーション」を見に行きました。「ローグネーション」というのでどの国かと思って見ていましたが、「ローグオーガニゼーション」の方が正しいと思います。強いて言えばイギリスかなあと。まああれだけ植民地を持っていた国なのでそう言われても仕方がない。(この文は映画とは関係ありません)。見ていてウイル・スミス、ジーン・ハックマンの「エネミーオブアメリカ “enemy of the State”」を思い出しました。

それより気になったのは映画が始まった時に、アリババピクチャーズ制作の字幕が出たことです。米中合作(中国IT大手のアリババの子会社、ソフトバンクの孫が投資して大きくなり、数兆円儲かったところです)ではヤバイのではと直感しました。案の定、オーストリア首相がウイーンのオペラハウスを出たところで暗殺されるのですが、そのオペラの曲目はプッチーニの「トウーランドット」。ペルシャ王子と中国の王女の恋の物語なので、建物、服装全部中華風になっていました。アリババがこの曲を選んだのかも知れません。中国は人口が多いのでこれで中国人の心を揺さぶり、観客動員数を増やす魂胆でしょう。悪いことではありませんが。

でも、中華(アメリカもそうですが)は映画でも歴史の改竄をしますから注意しないと。中国映画『カイロ宣言』は抗日70年記念パレードの日の9/3公開です。会談したのはFDR・チャーチル・蒋介石ですが、ポスターには毛沢東が中心に描かれているそうです。(カイロ宣言は3巨頭の日時・署名がないので法的には無効です。ポツダム宣言もカイロ宣言のくだりは当然無効です)。こういう刷り込みをする訳です。大体日本軍は共産党とは殆ど戦っていません。だから「長征“long march”」という言葉が残っている訳です。要するに共産軍は逃げ回っていて、国民党軍と日本軍を戦わせ、漁夫の利を得た訳です。それが戦勝70周年を祝う訳ですから、何をか況やです。でもハリウッドも中国資本や中国市場を狙って映画製作すれば捏造の得意な連中ですから気を付けていないと。アンジェリーナ・ジョリーの『UNBROKEN』は日本人に食人の習慣はないのにそう捏造された映画が作られました。(中国人は食人の習慣はあります。古典に出てきますし、今でも広東省では嬰児を食べると言われています)。

来年のアメリカ大統領選は、ヒラリーが出られるかどうかとトランプがどこまで選挙戦を引っ張れるかが焦点なのでは。両方とも俗物であることに変わりがありません。ヒラリーは金に汚い弁護士、トランプは人種差別主義者です。どちらが大統領になっても世界をリードしていくには相応しくありません。ベンガジ事件で思い出すのはハリソン・フォード主演の『今そこにある危機』です。不実な大統領を議会で告発することをハリソンが予告するのが最後のシーンです。真実が明らかになれば、亡くなった大使の家族はヒラリーを一発殴ってやったらよい。本日は映画の話題中心になりました。

記事

8月18日のラスベガスの記者会見で、FoxnewsのEd Henry 記者からサーバーのメールを消去したことについて追及を受けたヒラリーは、「どうやって消去するの?布きれで拭くっていうの?」と質問をはぐらかしたが、追及を止められず記者会見を中止した。

記者たちはヒラリーが記者会見をするからには少しでも理に適った弁解をするかと期待していたが、彼女は今でも「機密メールを送ったことはないし、“機密マークのあるメール”を受け取ったこともない」と強調している。

だがこの弁解は通用しない。ヒラリーは今年三月にメールを提出した時、「私有スマホで機密メールを受信したことも送信したことも、一切ない」と断言したが、最近になると“機密マークのあるメール”と言い替えている。つまり機密マークの付いたメールは受け取っていないと言い換えて、もしも受け取ったメールが機密メールだったら「誰かが機密記号を消去したかもしれないが、私ではない」と言い逃れをするつもりである。

でもこの弁解は通らない。なぜならオバマが就任した2009年の始め、オバマ大統領は資料の機密度を決定する権利を持つ政府の要員を20人指名したが、ヒラリーはその重要人物の一人である。

しかもヒラリーは米国政府最高の地位にある国務長官だから、送受信したメールに機密マークが付いている、いないに係わらず、機密に属するかどうかは受け取った時点で知っているはずだ。

先週14日に書いたAC通信No.554から1週間の間にヒラリーのメールとサーバーのことでいろいろな事実が報道されたが、彼女はまだ違法ではないと強弁している。

  • ヒラリーの弁護士からメモリーを没収

10日の午後、司法部がヒラリーのサーバーを没収したことについて彼女は自主的に提出したと言ったが、司法部はヒラリーのサーバーの外にもヒラリーの個人弁護士ケンドール(David Kendall)からサーバーのメールをコピーを内蔵したフラッシュメモリー三個も没収したことが判明した。

フラッシュメモリーに機密資料が入っていなかったら問題はないが、メモリーに機密メールが入っていたら機密資料を扱う許可(SecretClearance)がないケンドール弁護士に機密資料を渡したヒラリーは機密漏洩罪に該当する。

また、フラッシュメモリーの内容とヒラリーが提出したメール全般の内容が一致しなければならない。すでにヒラリーの提出したメールに機密メールがあったと発表されているから機密漏洩罪はかなり

確実で、罪がまた一つ増えたのだ。これで内容が一致しなかったらもっと大きな問題になる。

  • サーバー会社はデンバー市にあった

このサーバーの話はもっと複雑怪奇である。ヒラリーのサーバーが没収された後に、サーバーの本社はアメリカ東部ではなくコロラド州デンバー市にあることが判明した。DailyMail.comの記事によると、デンバーにあるPrette River Networkと呼ぶ電子情報サービス会社は、オーナー3人で従業員8人のパパママ会社と言われる小会社で、本社のサーバーは風呂場の衣類棚に設置してあったというのだから呆れる。

こんな小会社が政府の機密を扱う許可を得ていたとは思えないが、ヒラリーがなぜアメリカ東部の大きな会社を使わずコロラドの家庭オペレーション会社とサービス契約をしたのかは不明である。

DailyMailの記事によると、オバマ政権が発足した2009年1月13日にヒラリーはclintonmail.comを設置し、同21日国務長官に就任した。2013年3月20日、ルーマニアのハッカーがヒラリーの元部下のシドニー・ブルーメンソールとヒラリーの交信をハッキングし、ヒラリーの個人メールアドレス、hdr22@clintonmail.comを発見してそれを公開したと言う。つまりヒラリーのメールがハッキングされていた事実がわかった。他国のハッカーもいるはずである。

報道によると、Prette Rive Networkのサーバーのデータはおそらくバックアップされていたからヒラリーが消去したメールも取り出す事が出来るかもしれない。話があまりにも複雑怪奇なので報道した記者もハッキリしたことはまだわからないと述べている。

  • ベンガジ事件に曙光

ベンガジ事件でアメリカの大使と護衛3人がテロの攻撃に逢って死亡した事件はオバマとヒラリーが最も隠したい事件である。アメリカ大使が攻撃に晒されていた12時間あまり、オバマとヒラリーの二人はホワイトハウスに詰めっきりで経過を見ていながらついに救援隊も攻撃機も出さなかった。国会のベンガジ調査委員会は今年3月からヒラリーの事件当時のメールの提出を要求していたがヒラリーは傲慢にも要求を無視していた。国務省は300通のメールを渡しただけであとは何も見つかっていないと言っていた。

ところが18日、国務省は突然ヒラリーのPhillipe Raines補佐官が国務省に提出したメール、81000通が見つかった、おまけにこの厖大な数のメールの中にベンガジ事件関係のメールが17855通あったと発表した。どのような情報が含まれているかは調査を待たなければならないが、ベンガジ事件の調査に曙光がさしたともいえる。

  • 国務省の発見した機密メール

国務省が発見した二通の機密メールは、実は国務省の検査から漏れて公開されてしまったので、仕方なく機密を解除したメールだったと言う。2通のメールはヒラリーのアドバイサーだったHume Abelinと、ヒラリーの補佐官だったJake Sullivanがヒラリーに送信したと言う。これでヒラリーのサーバーには機密メールがあったと言う証明となり、ヒラリーが個人のスマホを使って機密メールを受け取っていたことが明白になったのである。

前にも書いたが、ヒラリーはサーバーに機密メールはないと強調していたが、最近は「機密記号の付いたメール」は受け取っていないと言い換えた。この言い訳が通用しないこともわかっている。なお、国務省が公開した3000通のメールに4通の機密メールがあったことは今では305通まで増加されている。

どこまで続く泥濘ぞ。どんどん泥濘の深みに嵌っていくヒラリーがどこまで言い逃れを続けられるかはわからない。オバマ政権の司法部は独立検察官の任命を渋っているが、いずれ時間の問題と言われている。国会のベンガジ事件調査会のトレイ・ガウディ委員長は10月22日にヒラリーを喚問する。このあとヒラリーが選挙に出られるかが決まるだろうと言われている。

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