『「文大統領は日本の対米影響力の低下を感じた」木村教授』(3/12日経ビジネスオンライン 田村賢司)、『「韓国軍は単独で北朝鮮に対峙できず」香田元海将に聞く』(3/13日経ビジネスオンライン 田村賢司)、『米国からの提言「韓国製品に報復関税をかけよ」 朝鮮半島問題の専門家の見方、非は韓国側にある』(3/13JBプレス 古森義久)について

3/15阿波羅新聞網<川习会推到4月底 习要面子川普要里子?《外商投资法》闪电通过 只剩3千字 1=トランプ・習会談は4月末に遅れる 習には面子が、トランプには裏方が要る?《外国企業投資法》はあっという間に通過 たった3000字、39条、その1/3は1文のみ>3/14、ムニューチンは、3月末のトランプ・習会談を取消したのを認めた。 ブルームバーグによると、「情報筋によると、トランプ・習会談は4月末開催に変更した。中共は米国に習の訪米を国事訪問にするよう要求した。習には面子が必要、トランプには裏方が必要。中国共産党の両会期間中に、修正《外国投資法》を審議・通過したが、外部の見る所、法案の実行が効果を上げるかについては悲観的である。第一に条文が依然として曖昧である。 第二に中共のその他の法律で弾圧される。米国亡命の学者、程暁農は、「この法案は司法判断に使える法律条項というよりは、むしろ簡潔な政策発表のようなものである。 法案の3分の1は1文しかない」と述べた。

中国はハナから騙すつもりです。目先関税を外して貰いたいがために、外国企業投資法案の修正をしたのでしょう。元々中国大陸の企業には裏で中共組織が組み込まれていて、中共の意思が働くようになっていました。表だって出て来ることはありませんでしたが、企業の中国人高級幹部を操っていました。習の時代になってから表に出て来るようになって、「中共支配の中国では自由にビジネスすることができない」と見えるようになっただけです。

中国では、法律制定しても、その通りやったためしはなく、賄賂でいかようにでもなる世界ですし、事後法を作って、前の法律を全部否定することも可能です。共産主義に法治の概念はなじまないということです。党が最高位にあり、統治機構も人民もその下位に置かれる訳ですから。政府と党を批判することは許されません。全体主義・独裁の恐ろしい所です。

https://www.aboluowang.com/2019/0315/1260710.html

3/16阿波羅新聞網<中国企业偿债开始遇困 59%料今年经济更差=中国企業の債務返済が始まったが、困難に遭遇 アンケートした企業の59%は「今年は経済が悪化する」と予想>外国メディアの報道では、「フランスの信用保険市場のリーダーであるCofaceによれば、長きにわたる経済減速、信用の引き締め、および債券のデフォルトの上昇が、多くの中国企業のキャッシュフローに圧力をかけ、支払能力が困難になり始めた。

同機関のアジア太平洋地域のエコノミスト、Carlos Casanovaは、「上述の理由から、多くの中国企業が事業を支援するために債務の長期化戦略を採りだしている」と述べた。 債務の長期化戦略は、自動車、輸送、建設、およびエネルギーの分野で最も一般的である。

同機関は、1,500の中国企業を訪問し、その62%が昨年の支払いを延ばしたことがあると回答。 回答者の40%は、「去年延ばされた支払額は増加し、2017年の29%より増加した」とのこと。 調査はまた、「180日を超える支払遅延の割合は、2017年の47%から55%に上昇した」と発表している。 回答者の59%は、「中国経済は、2019年は2018年を上回ることはない」と考えている。2003年の調査を始めてから、初めて過半数が中国経済に弱気になっている。

https://www.aboluowang.com/2019/0316/1260738.html

3/13AKZAK<「日韓経済人会議」発足50年目で初の延期 訪韓客も毎月数万人単位で“激減”… 制裁発動なら断末魔の韓国経済に引導>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190313/soc1903130002-n1.html?utm_source=coins&utm_medium=push&utm_campaign=COINs

3/13ブログ「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」<アサヒビール、原材料を韓国製造!取締役に朴秦民!3大猛毒人工甘味料の1つアセスルファムK使用>

http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7421.html

政治部門のブログランキングNo1or2の記事です。この他、多くのブログ記事で取り上げられていました。大衆消費材を扱う会社としてはお粗末な判断なのでは。今の日韓関係を経営者はどう見ているのかです。米朝、米中とも冷戦orホットウオーになるかもしれず、日韓も冷戦になるのは間違いありません。お互いに制裁し合って止まらなくなるでしょう。愚かとしか言いようがありません。下記の記事を参照すれば、制裁合戦になるのは読める筈。アサヒの判断は、日本国民の感情を逆撫でするものでしょう。

3/14ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」<#韓国 『韓国政府、日本の制裁に準備万端。日本が制裁したら再制裁する。日本に出来るはずがない』>

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/78615218.html

3/14ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」<#韓国 『日本は韓国に制裁すべきではない。むしろ韓国を温かく迎えるべきだ』>http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/78598607.html

3/15ZAKZAK<米朝“緊張関係”再び…先制攻撃も!? トランプ政権内で強硬派台頭 “死神”ボルトン氏「大統領は失敗を繰り返さない」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190315/soc1903150003-n1.html

3/15日経ビジネスオンライン<「日韓関係改善は15年必要」外交評論家の岡本行夫氏>

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00023/031200007/?n_cid=nbpnb_mled_mpu

木村氏、香田氏、ニクシュ氏それぞれ韓国の非道な振る舞いについて、キチンと対応すべきだとの意見です。議論すべき段階はとうに終わり、韓国に他国の名誉を傷つければどういうペナルテイが課せられるか、体で覚えさす段階です。愚かな民族とはいくら議論しても、交わることがありません。ゴールポストを動かすのでは、約束はハナから守る気がないのと同義語です。小中華ですから「騙す方が賢く騙される方が馬鹿」という中華の考えを受け継いでいるのでしょうし、事大主義であるから騙すのは当り前、劣等感に凝り固まったセコイ人達です。

日本政府は愚図愚図しないで制裁を課さないと。中途半端だと自己決定できない企業の在韓邦人が犠牲になるだけです。彼らが一番心配していると思います。日本の経営者は寝ぼけたまま。部下の苦しみも分かろうとしないのですから、政府が制裁賦課の決断をすれば、企業も撤収に動き、駐在員も帰国できると思います。

3/12記事

日経ビジネスの3月11日号特集「韓国 何が起きているのか」では、対日強硬姿勢を変えようとしないかのような韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権の動きを取り上げた。その裏に新たな変化があると韓国政治が専門の木村幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授は見る。米国への日本の影響力の低下だ。文政権は米国の対北朝鮮政策への日本の影響力が低下したと見て、長年の問題解消に動き出したという。

木村幹(きむら・かん)氏
1966年生まれ。93年、京都大学博士課程中退。97年、神戸大学大学院国際協力研究科助教授。2005年、同研究科教授。17年、神戸大学アジア学術総合センター長兼務。韓国政治の専門家として知られる。

—文在寅大統領が2017年5月に就任して間もなく2年になります。この間の日韓関係悪化は、文大統領が歴史的に日本に厳しい左派系だからという見方があります。どう見ていますか。

韓国で言う進歩派だから日本に厳しいとよく評されますが、保守派、進歩派の違いはもう関係なくなっています。現に朴槿恵(パク・クネ)前大統領は保守派ですが、慰安婦問題を中心に、日本に対して強硬でした。

文大統領も就任当初は、それほど日本に対して反感を見せてはいませんでした。それが大きく変わったのは2018年春以降です。その頃までは日本に対して一定の配慮をしていました。だから朴前大統領が行った慰安婦合意も即座に破棄はしませんでした。

—しかし、大統領選では慰安婦合意の見直しも掲げていたはずです。

そのとおりです。でも、当初は「新方針」などといっても、合意そのものを全部ひっくり返すということではありませんでした。この時点での主張は、「(朴前大統領時代の)合意によって全部解決したわけではない。だから日本にも一定の努力をして欲しい」というところまででした。

日本の位置づけが変わった

—つまりどういう対日姿勢だったといえるのでしょう。

韓国の首相(国務総理)は当時、日本人記者を集めて懇談もしていました。文政権には対日、対中とも特段の姿勢はなかったように感じます。ただ、北朝鮮との対話は進めたいという思いは強くあった。そのために、何より米国の了解を取り付けたい。しかし、日本は拉致問題の解決のためにそれに反対し、足を引っ張るだろうとみていたのです。

ところが、米朝で首脳会談を開くことを昨年4月、トランプ米大統領に提案してみたら一発でOKになった。日本の世論は北朝鮮への接近に反発していましたが、日本の(政治)力は対米に関しては、意外にないのだと彼らは感じたのです。安倍・トランプ関係は良好と言われてきたけれども、米国への影響力はそれほどではない、という理解が生まれた。こうして彼らの頭の中での日本の位置づけが変わったわけです。

—日本は米国にそれほど影響力がないなら遠慮する必要はない、と。

韓国に海上自衛隊の護衛艦が寄港する際に、艦隊旗(旭日旗)を掲揚するのを禁止する法案が、ある議員によって昨年8月、国会に出されました。ただし制定には至っていません。徴用工の判決も近づいていた。文大統領は日本の米国への影響力が低下しているのなら、これらの動きを無理に抑える必要はない、と考えたのだと思います。

李明博(イ・ミョンバク)元大統領、朴前大統領の時代は対日関係への配慮から抑えられていたものが、噴出した格好です。今の政権では知日派が影響力を持っていないことも重要なポイントです。だから日本がどれだけ怒っているかもわからない。

—知日派不在とはいえ、日本の世論の動向にそこまで無知ということがありえるのでしょうか。

韓国の国としての建前からすれば、植民地支配がそもそも違法ですし、日本軍の象徴でもあった旭日旗に良いイメージはないでしょう。自分たちにとって常識になっていることだから、日本もある程度の理解を示してくれるだろう、という雰囲気はありますね。だからなぜ、こんなことで日本はそんなに怒るんだ、と彼らは考えるわけです。

レーダー照射問題も、そもそも「(自衛隊機が)なぜ俺たちを監視するのか」という感じが強くある。「そんなことをするのは、右派の安倍晋三政権だからだ。政権が交代すればまた(日本の態度も)変わるだろう」という観測も強く存在する。実際には、(自民党内では比較的リベラルな派閥の)宏池会の政権が出来ても、韓国への政策が変わるとは思えませんが、それが彼らにはわからない。

次も進歩派政権になる可能性がある

—政治家に知日派がいなくても、外交官はいます。官僚から情報が上がらないとは考えられません。

知日派官僚が(様々な日本への対応について、それは問題だといった献策を)上げても青瓦台(大統領府)はあまり聞いていないようです。そもそも官僚の中にも日本外交に経験のある人材が減っている。日本の優先順位は明らかに下がっているので、知日派の要請もなおざりになっているということですね。

—それでも徴用工問題など、既に国家間で解決済みのことをひっくり返す理由にはならないと思いますが。

徴用工判決については、文大統領は自信を持っている。自分が弁護士で法律の専門家だという自負をもっているからです。韓国の国内法をそのまま適用すれば、ああいう判決にしかならない、だから日本はそれを受け入れるしかない、と考えているのだと思います。

他方で徴用工について(慰安婦問題のように対象者に支援をする)財団をつくるという方法もあるのですが、実はこれを実行した場合、支援対象者の認定が大変だという問題もある。たとえば大企業が直接雇った人は記録が残っているでしょうが、そうでない人は記録を探すのも難しい。でも、認定を厳しくすれば必ず国内から批判が出る。だから財団方式もやりたくない。

—最低賃金の引き上げや、公務員の増員を中心に雇用を増やそうとする文大統領の経済政策には国内でも評価は割れているようです。支持率も低下傾向です。それも対日姿勢に影響していますか。

文大統領の経済政策への評価は就任当初から比べれば低下しており、対北朝鮮政策にしか活路はない、という意見もあります。ただ、大統領の支持率は依然、50%を少し切ったくらいで、このレベルである程度安定してしまっている。与党である民主党の支持率も40%近く、未だ保守系野党に差をつけている。だから、この与党支持の「岩盤」層を抑えていれば何とかなると見ているのかもしれません。保守派には弾劾された朴前大統領とその支持勢力とどう向かい合うか、という難問もありますから、このままだと進歩派である文政権の後もまた進歩派大統領になる、というシナリオが現実になる可能性も高いかもしれません。

—日本はどう対応する必要があると見ていますか。

実際に企業に影響が出ている状況ですから、何もしない、という訳にはいかないでしょう。考えられるのは韓国への影響力のある米国との関係を強化することと、徴用工問題で国際司法裁判所(ICJ)に提訴すること、そして戦争被害者に日本は最大限配慮しているということを国際社会に積極的に発信する、ということでしょうか。

重要なのは、歴史認識など、日韓間に横たわる問題で鍵を握るのは韓国ではなく、日韓両国の対立を見守る関係諸国だという事です。その意味でも、ただがむしゃらに「自らの言いたいことをいう」のではなく、米国をはじめとする関係諸国が日本の立場を支持する方向に導くような、「賢い行動」が必要になると思います。

日本と韓国の関係がかつてないほどに冷え込んでいる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が歴史問題を繰り返し持ち出していることだけが原因ではない。韓国国会議長は天皇陛下に謝罪を求める発言をし、日本の対韓世論は急速に悪化している。抗日独立運動100年を迎えた3月1日には、韓国政府が大規模な記念行事を開いた。なぜこんなに関係がこじれてしまったのだろう。日本に反発する動きの背景に何があるのか。韓国の政治や経済、企業活動の実態はどうなっているのか。日経ビジネス3月11日号 特集「韓国 何が起きているのか」では、その実相を探る。

3/13記事

日経ビジネスの3月11日号特集「韓国 何が起きているのか」では、悪化を続ける日韓関係について有識者の見解を紹介した。外交だけでなく、昨年末の韓国軍艦による自衛隊機へのレーダー照射問題など、安全保障面でも日韓の関係は冷え込んでいる。半島有事の際の日本の安全保障はどうなるのか。軍事面で韓国とどう付き合うべきか。海上自衛隊の元艦隊司令官、香田洋二氏に聞いた。

香田洋二(こうだ・ようじ)氏
1972年3月、防衛大学校卒、海上自衛隊に入隊。97年海将補に昇任、護衛艦隊司令部幕僚長。2003年海将昇任、護衛艦隊司令官。2007年自衛艦隊司令官に就任。2008年8月に退官。(写真:菊池一郎)

—昨年末の自衛隊哨戒機への韓国海軍の火気管制レーダー照射問題について、韓国側は今も照射を否定しています。

世界中の軍事関係者は日本の主張が正しいと見ています。韓国の人以外はそうだと言える。中立的な立場でプロの常識を働かせれば言うまでもないことです。

編集部から

海上自衛隊のP1哨戒機が昨年12月20日、日本海・能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内を飛行中、北朝鮮船舶に対する救難活動を実施していたとする韓国海軍駆逐艦から突然、火気管制レーダーの照射を受けた。この照射は目標にミサイルなどを向ける攻撃直前の行為。日本や韓国など21カ国の海軍などが2014年に採択した海上衝突回避規範で、この行為は攻撃の模擬とされ、指揮官は回避すべき動作と規定している。
韓国国防省は当初、「正常な作戦活動の中でレーダーを使った」としていたが、後に火気管制レーダーの照射を否定し、捜索用レーダーを使用したと主張を変えた。自衛隊はこれに対し、探知した電波のデータや画像などを公表したが、韓国側は自衛隊機が「威嚇飛行」をしたと非難をし、主張は対立したままとなっている。

日本はもっと戦略的に動くべき

—その後も韓国海軍は2月に予定していた海上自衛隊舞鶴基地への艦隊司令官派遣を中止し、日本側も韓国釜山への護衛艦「いずも」の寄港を取りやめるなど、関係は全く改善していません。

韓国の文在寅政権は、ただ日本を無視し、北に軸足を置いて、反面で日本の価値をはるかに軽く見ているだけ。日本は、そのような文政権の個々の政策に過敏に反応するのではなく、「丁重な無視」をするということではないでしょうか。自民党の中には「(韓国に)謝罪を求めるべきだ」など元気のいい声もあるようですが、それだけでもだめだと思います。

—どういう対応が必要だと考えているのですか。

韓国は「元々悪いのは日本」で凝り固まっています。政府間の合意などは関係ないと思っている節もある。その考え方は、我々とは全く違いますので、説得して変更を求めても、そうはならないでしょう。その前提で日本は、もっと戦略的に動くべきです。例えば半島有事の際、米国が同半島での軍事作戦を実施する上で、日本が極めて重要になることは韓国も否定できません。

日本は、米韓、米朝の間で起きている動きについて、「我々も国益に関係する」として入り込むことは出来るはずです。日米安保条約には、(有事に向けての)事前協議という条項があります。朝鮮半島有事の際の米軍の戦闘作戦行動、特に我が国の基地からの作戦行動は、日本の安全保障と密接な関係を持つことは明白です。この観点から、もっと米韓、米朝の動きに関わっていいはずです。

—トランプ米大統領は、在韓米軍について今年初め、撤収の計画はないとしましたが、駐留経費の増額を求め、韓国と長い交渉になりました。在韓米軍は今後もその規模を維持するのでしょうか。

米国と韓国との間での在韓米軍の駐留経費交渉は昨年長く続き、米国側は当初、米韓合同軍事演習で戦略爆撃機がグアムから韓国に展開する際の「作戦支援費」を新たに負担項目に含めるなど、韓国側の負担を大幅に増やすよう要求したとされます。

これに対して韓国はかなり抵抗をしましたが、結局、8%増で合意しました。従来は5年だった駐留経費の合意期間を今回は1年にしています。これは米国が、毎年この件を議題に取り上げることにより、今後さらに増額圧力を強める可能性を示唆しているのかもしれません。

それでも韓国が結局は引き上げに応じたのは、北朝鮮と裸で付き合う、つまり在韓米軍撤退についてはまだ早い、韓国軍だけで北朝鮮の抑止と対処は十分にできないと思っているからでしょう。米軍の存在はやはり必要なのです。

編集部から

米国と韓国は2019年以降の在韓米軍の駐留経費について昨年春から今年2月まで交渉を続けてきた。いったんは米国が2018年の韓国側負担の経費に対して5割増とし、経費決定の期間も1年単位とするよう要求したと言われ、韓国と対立した。トランプ大統領は「米国は韓国との間で大きな貿易赤字を出しながら防衛をしている」と不満を示してきた。しかし、結局今年2月に2019年の駐留経費を前年比8%増の約1兆389億ウォン(約1040億円)とすることで合意した。韓国の負担が1兆ウォンを超えるのは初めて。

北朝鮮の核放棄はあり得ない

—裸で動けないというのは実力が不足しているということですか。

軍事力というものをどう見ればいいか、3つのポイントがあります。1つは軍事力を背景にして、どのように国家活動を進めるかという「意図」。2つ目は軍事能力そのもの。そして3つ目は地政学的な意味です。

その視点で捉えて段階評価をすると、文政権は韓国軍を対北で有効果断に活用する意図はほとんどないでしょう。軍事的な能力はまずまずですが、地政学的な優位性はゼロといったところでしょう。一方、日本が自ら自衛隊を使って何かをするという意図は、他国から攻められない限りあり得ません。でも、自衛隊の能力は高いですし、先ほど半島有事の際の米軍にとっての軍事的な意味でもお話ししましたが、我が国の総合的、地政学的な重要度は極めて高いと言えます。

在韓米軍と韓国軍の実力とは。

在韓米軍はかつては5万人。今は2.8万人になっています。当時韓国は反対しましたが、冷戦終了により、米軍の世界戦略に対応して、そこまで縮小しました。一方、北朝鮮はサイバー攻撃や特別部隊は強力だと思います。しかし、米軍がアラスカや本土に置いている(機動性が高い)ストライカー旅団やヘリコプター機動旅団を半島で十分に機動運用する体制が確立できれば、米軍が現在の規模で韓国に常駐する必要はなくなります。北の抑止と対処のために、機動展開になじまない部隊と装備に限り韓国に配置し、他は機動展開することも一つのオプションでしょう。

—日韓の今後の軍事協力はどうなるでしょう。1年ごとに期限を迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はどうなるでしょう。

GSOMIAは今年も延長するでしょう。そうせざるを得ないはずです。先ほどもお話ししたように、韓国は裸で北朝鮮に対峙はできません。米軍の駐留経費引き上げと同じです。韓国は今後とも我が国に対し色々言うでしょうが、朝鮮半島の米軍作戦支援を含めたキャスティングボートは我が国が握っていますので、日本としては「So What(それで?)」「それでどうしますか?」という態度でいいのです。韓国の個々の言い分に一々反論して、我々の気持ちが「すかっとする」ことは、戦略上の上策ではなく、下策なのです。

—米朝首脳会談は物別れに終わりました。北朝鮮の核放棄は進まないようです。

米CIA(中央情報局)や国家情報局の報告から、北が核放棄をすることはあり得ないと考えるべきです。今回は予想通りの結果でした。

古森記事

韓国ソウルで、日本統治時代の1919年に起きた「三・一独立運動」100周年の記念日を祝う人々(2019年3月1日撮影、資料写真)。(c)Ed JONES / AFP〔AFPBB News

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

「韓国が日本企業から不当に資金を奪うならば、日本は対抗して韓国製品の輸入に報復の関税をかけるべきだ」

米国の有力な朝鮮半島専門家が、日本と韓国の対立の非は韓国側にあるとして、日本政府に強固な対応の措置をとることを提唱した。

米国の本音「非は韓国側にある」

米国のトランプ政権は、日韓両国間のいわゆる元徴用工、慰安婦、レーダー照射など一連の摩擦案件に関して公式の論評を避けているが、韓国側の一連の言動が不適切だという本音をにじませてきた。官民の間で広がりつつあるこの本音が、専門家の韓国批判という形で明確にされたわけだ。日本側としても参考にすべき批判、対抗措置案だろう。

トランプ政権は、東アジア情勢、朝鮮半島情勢に関しては北朝鮮の完全非核化を当面の最大目標としており、その目標の実現には日韓両国それぞれとの堅固な同盟関係の保持が不可欠との立場をとっている。そのため現在の日本と韓国との対立については、一方を支持することで他方を離反させることを恐れ、「どちらに理があるか」という論評は控えている。連邦議会上下両院の議員や民間の専門家の間でも、対日関係および対韓関係の堅持のためにコメントを避ける傾向が顕著である。

ところが数歩、踏み込んで取材をしてみると、トランプ政権内外では、いわゆる元徴用工(正確には「戦時労働者」)、慰安婦、レーダー照射と、どの問題でも非は韓国側にありとする判断が強いことが見えてくる。いわば米国の本音といってもよい。

このたび、そうした考え方をきわめて明確に聞くことができた。朝鮮半島問題のベテラン専門家であるラリー・ニクシュ氏がインタビューに応じ、率直な意見を語ったのだ。

ラリー・ニクシュ氏

ニクシュ氏は米国議会調査局や国務省で朝鮮半島や東アジアの安全保障問題を30年も担当し、現在はジョージ・ワシントン大教授や戦略国際問題研究所(CSIS)研究員という立場にある。これまで日韓両国間の問題について頻繁に見解を発表しているが、とくに日本側を一貫して支持したという記録はない。慰安婦問題などではむしろ日本側の一部の強硬主張を批判して、韓国側の立場の支持に傾くことも珍しくなかった。だからこそ、今回の一連の日韓摩擦案件での韓国批判には重みがあるといえよう。

ニクシュ氏との一問一答の内容は以下のとおりである。

不法行為の代償を支払わせよ

──韓国の裁判所が、戦時労働者に関して日本側の新日鉄住金や三菱重工業という企業に新たに戦時の労働に対する賠償金を支払えという判決を下し、実際にそれら企業の資産差し押さえなどを始めています。第三者である米国の専門家として、この動きをどうみますか。

「韓国裁判所の戦時労働者に関する判決が日韓間の条約や協定に違反する形で履行されるのであれば、日本政府は世界貿易機関(WTO)に提訴すべきでしょう。韓国側が日本企業の資産の差し押さえや現金徴収をした場合は、その金額に等しい額の関税を韓国から日本への輸入品にかけることを宣言すべきです。また、韓国側の当事者たちが日本国内から韓国に送金する際は特別な税金をかけるという警告も一策です」

──日本政府としては、WTOへの提訴と、韓国製品への懲罰的な関税の適用の両方を、同時に実行するべきだというわけですね。

「日韓両国が過去の外交交渉において合意し誓約し合ったことに韓国側が違反して、日本企業への不当な経済措置をとるということであれば、日本政府は『韓国がWTOの規則に違反した』と主張できるはずです。報復的な関税や送金への特別課税は、韓国側に不法行為の代償を支払わせるという意味での予防、抑止の効果があると思います」

このようにニクシュ氏は、韓国側が新日鉄住金や三菱重工業に実害を与えれば、日本政府は制裁あるいは報復としてその金額に等しい関税や特殊税を韓国側に課すべきだと主張する。非は韓国側にあるから、という前提だろう。第三者の米国からみれば、問題の黒白はそれほどはっきりしているということだ。続いて、慰安婦問題、北朝鮮の非核化への対応について、ニクシュ氏に見解を尋ねた。

一方的な合意破棄は正当化できない

──慰安婦問題に関して韓国の文在寅政権は、日韓両国間の2015年の外相合意を無視する言動をとっています。この動きに日本はとう対応すべきだと思いますか。

「日本政府は韓国への補償金の支払いなどにおいて、2015年の日韓外相合意の規定を誠実に順守してきたと思います。だから今後も韓国側の対応のいかんにかかわらず、合意を順守し続けるという基本姿勢を保つべきでしょう。

慰安婦問題はもう終わりにするというこの日韓外相合意には米国政府も公式に支持を表明してきました。その意味では同合意は単に2国間の申し合わせに留まらず、国際的な合意であり、公約です。その合意の全体を破棄するという韓国政府の言動はどうみても正当化できません。日本は慰安婦問題に関する再交渉や再協議には一切応じるべきではないと思います」

──2回目の米朝首脳会談でも解決の見通しが浮かんでこない北朝鮮の非核化についてはどうでしょうか。日本への影響や日本の立場などという観点から気づくことがありますか。

「米朝協議に関連して安倍晋三首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したという報道がありますが、日本側としてより重要なのは、北朝鮮との交渉の内容の優先順位についてトランプ大統領に明確な要望を出しておくことのように思えます。まず米国に求めるべきなのは、北朝鮮に核弾頭を装備したミサイルの正確な基数や位置を開示させることです。その核弾頭装備ミサイルの多くは日本に重大な脅威を与えているノドンなのです」

──ノドンは北朝鮮の準中距離弾道ミサイル(MRBM)で、射程が1500~2000キロ、米国本土にはまったく届かないけれど、日本全土を完全に射程におさめる北の主力ミサイルですね。

「米国情報機関の推定では、北朝鮮の現存の核弾頭は約60個ですが、その多くはまずノドンに配備されてきました。北朝鮮の完全な非核化のためには、このノドン中心の核装備を開示させる効果的な査察システムの確立が、日本にとっても非常に重要です。日本政府が、トランプ政権の対北朝鮮交渉に対して、その重要性を強調することは、北朝鮮の非核化全体にとって貴重な貢献となりうると思います」

*  *  *

以上のようにニクシュ氏は、日韓関係の摩擦について、文在寅政権の措置や態度は不当だと明言した。これまで日韓両国に対して中立の立場を保ってきた米国のベテラン専門家が、今回は韓国の非を指摘することをためらわない。しかも、日本政府に韓国の不当な措置への報復や制裁の具体的な措置をとることまでを提案している。この点は言葉だけでは韓国への非難を続けても、実際の行動はなにもとろうとしない日本政府の態度とはきわめて対照的である。このニクシュ氏の指摘や提言は、日本政府としても有効な指針とすべきだろう。

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