『韓国系の暴挙、ついに本流の米国人団体から鉄拳 ロス公立体育館の壁画巡る抗議で赤っ恥、世界では通らぬ「韓国的道理」』(12/13JBプレス 高濱賛)について

12/12看中国<外交部长王毅批侵人权 孟晚舟校友跨海热评(图)=外交部長の王毅は人権侵害を批判 孟晩舟の校友は海外へ熱く反論>「孟は私の校友で逮捕されたのには同情する。しかし大局から見て、華為が社会倫理に反し、中共の邪悪な勢力に加担していたのでは?他の国や本国の人の人権を侵害して来たのでは。我々は注意して見ていく必要がある」と華中理工大学卒業の李蔚は言った。

中国外交部は連日カナダに釈放を呼びかけ、休みである8日(土)、9日(日)に緊急に駐カナダ大使を呼びつけ、不満と抗議の意を表した。その後国内宣伝用として、カナダは人権を踏みにじるならず者国家だと。王毅は11日北京の研究会で、「中国国民の正当な権益を損ねる如何なる行為も中国は座して見ていることは無い」と強調した。

これに対し、多くの大陸の民衆は《看中国》に自分の声を発した。李蔚は「人権?外交部が言うには“中国人民は最も発言権を有する”と。人民とは誰のこと?」と。中国では官僚の言うことが人民の言論を代表する。「中国の司法、警察、都市管理達と付き合いしている人に注目すれば、中国の人権状況が如何に劣悪か分かる。杭州に旅行に行ったときに、警察に引っ張られた。何の違法行為もしていないのに、派出所まで連れて行くと言われDNA、指紋、スマホまで取られた。身分証を返してほしいと言ったら、殴られ、最後には手錠を嵌められ、派出所まで行った。誰も人権について話せないのでは?」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/12/12/878927.html

10/13阿波羅新聞網<美副财长:新的一年将在国际舞台上抗衡中共一带一路=米国財務省次官(デービッド・マルパス):新年には国際舞台で中共の一帯一路に対抗する>デービッド・マルパスは12日(水)下院金融サービス委員会で証言し、「上下院の支持の下、2018年に《外国投資リスク審査修正案》が通過した。この法案は米国の外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大し、CFIUSの動きを変え、審査範囲の基礎を定めるものである。2019年の計画として、中共の不公平貿易に継続して挑戦し、貿易、借款、投資について互恵を図っていきたい。G7やG20の国際舞台を利用して、中国の非市場政策が米国の市場システムに挑戦しているのを討議していく。中共が多くの国に開発資金を投入しているのは心配である。米国と同盟国、その他の国はその行為が中共の地政学的野心の道具にならないように保証して行く」と答えた。

https://www.aboluowang.com/2018/1213/1217642.html

リベラルで米国・民主党支持と思われる高濱氏が前回のJBプレスでも韓国の記事を取り上げていました。12/2の本ブログでもコメントしました(11/29JBプレス『米国人が見た韓国人:他のアジア人とは大きな差 中国や日本とはつき合いの深さが違う、黒人はとりわけ毛嫌い』)。2週続けて韓国批判記事を載せるのは米国リベラルも韓国を見捨てるように動いているからでは。鈴置高史氏の日経ビジネスオンラインのシリーズの記事を読んでいますと、米韓同盟は破棄されるように動いていると大分前から指摘していました。文在寅の対北宥和姿勢が半端でないこともあるのでしょうけど。でも、政権だけでなく、草の根の団体が韓国の動きに反対してくれているのは心強いことです。韓国は第二次大戦に日本と一緒に戦った国なのに(というか日本の一部)戦勝国を名乗ったり(どの国も認めていない)、憲法前文で「私たち大韓国民は3.1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と不義に抵抗した4.19民主理念を継承し、~」とあるように日本統治時代をなかったことにしています。これもどこの国も認めていません。

まあ、どこの国でも簡単に謝罪する人がいるものですね。信念もなく、勇気もなく、脅しに簡単に屈すれば、大切なものは守れません。朝鮮人は暴力団と同じです。どこにいても同じ手法を取ります。中国人は腹黒いため、朝鮮人のような荒っぽいやり方はしません。ソフトな悪い手で迫ります。人間の器の差でしょうか?中国の属国だったせいで「恨」の感情が植え付けられたのかなあと思ったりします。まあ、朝鮮人の面倒をどこかの国が見るとすれば中国にお願いしたい。長く飼いならして来た歴史がありますから。そうすれば、韓国の慰安婦像も裏で中共が動かしていることがハッキリして良いのでは。

記事

マイアミ在住の新進気鋭画家、ビュー・スタットン氏(32)がロサンゼルス市内のロバート・F・ケネディ公立学校のジムの外装に描いた巨大な壁画。

関係ない「上る太陽」を「旭日旗だ」と大騒ぎ

まず上の絵をじっくりご覧いただきたい。

南カリフォルニアの大都市、ロサンゼルスのココナツツリーに昇る真っ赤な太陽。ハリウッド女優を思わせる女性の横顔。スタットン氏のトレードマークは「上る太陽」。これまでにもブルックリンのビルの壁にも描いている。

ところがである。この壁画にいちゃもんをつけた者がいる。

ケネディ公立学校があるロス市内ウェルシェア地区に住むコリアンの団体だ。

「Wishire Community Coaltion」(WCC)ウェルシェア・コミュニティ連合会)ともっともらしい団体だが、実態はこの地域(この地域はロス市内のコリアン人口密集地、通称コリアタウン)に住むコリアンの団体だ。

「この壁画の太陽は日本帝国主義のシンボルである旭日旗を思い起こさせる」

「旭日旗はアジア全土を侵略し、アジア人民を弾圧し隷従させた人類に対する犯罪を象徴したものだ」

「それをなぜロスの、しかも公共教育施設の建物の壁画にしているのか。許せない。直ちに撤去せよ」

WCCは11月15日付でケネディ公立校長およびロサンゼルス統一学区長らに公開質問状を突きつけたのだ。

「ウェルシェア・コミュニティ連合」 実は「オール・コリアン・32団体」

公開質問状に署名したWCCには、ロサンゼルス近郊のグランデール市立公園内に従軍慰安婦像設置に大活躍したコリアン女性団体はじめ韓国系学者・弁護士、歯科医師、在郷軍人など32団体が名を連ねている。

公開質問状提出を受けて同校周辺で集会で気勢を上げたのちデモを繰り広げた。

集まったコリアンたちは手に手に「No Rising Flag」(旭日旗反対)「No Imperialism」(帝国主義反対)「No Hate Crime」(ヘイトクライム反対)「No hate Symbol」(ヘイトシンボル反対)と書かれたプラカード。

中には軍服に勲章をつけた退役韓国軍将校の姿もあった。

(ベトナム戦争に参戦したことで米市民権を獲得した韓国軍兵士が少なくないが、その中にはライダイハン、ゴダイ大虐殺に関わり合いを持った元兵士もいると噂されている)

ヒスパニック系のロサンゼルス統一学区長は「土下座謝罪」

驚いたのは、ロサンゼルス統一学区長のヒスパニック系のロバート・マルティネス氏。早速開いた記者会見で声を震わせてこう述べた。

「芸術とはヒューマン・スピリットを祝福するためのものであって、コミュニティ感情を損なうものであってはならない。もしこの壁画で誰かを怒らせてしまったのであれば、お詫びしたい」

この壁画の意味や画家の思いなどには一切触れないままの完全謝罪。

これを聞いたコリアンは「これほど嬉しい日はない」(WCC代表のチャン・ヤン・ジェン氏)と小躍りした。

ジェン氏は、マルティネス氏の会見前には「当局の対応次第では裁判沙汰も厭わぬ」とまで強硬姿勢だった。

何と言っても数は力なり。ロサンゼルスは全米都市の中でもコリアンが一番多く住んでいる都市。

総人口の2.8%、11万679人(2015年人口統計)。ロサンゼルス周辺のアナハイム、トーランス、アーバイン、グランデールにはそれぞれ1万人以上が居住している。

学区長としても壁画くらいでコリアンを敵に回したくなかったに違いない。

泣く子も黙る「アメリカ市民自由連合」は「危険な前例作るな」と抗議

ところがこの完全謝罪に真っ向から異議を申し立てのは画家のスタットン氏だけではない。

「教育・言論の自由」「自由人権」では他の追従を許さぬ2つの団体が前面に出てきたのだ。

1つは「American Civil Liberties Union」(ACLU=アメリカ市民自由連合)。ヘレン・ケラーさんらが創設した全米で最も影響力のあるNGO団体。会員は1万5000人。

もう1つは全米の学校長らが名を連ねている「American Association of School Administrators」(AASA=アメリカ学校教育責任者協会)。会員数は50万人。

2団体の主張はこうだ。

「この壁画を撤去することは、学校で学ぶ生徒たちが多様な考え方や見解に接するアクセスを一方的に査定し、許可不許可を決める公共の圧力に屈する危険な前例を作りかねない」

さてローカルな市議会などでは議会構成や選挙時の集票活動で慰安婦像設置に成功してきたコリアンの米国での「歴史戦争」。

「教育の自由」を盾に米本流の最強団体を向こうに回してどう戦うか。興味津々だ。

名門ペンシルベニア大学でも起こした「旭日旗」騒動でコリアンは「惨敗」

もっともコリアンの「旭日旗」いちゃもん騒動はこれが初めてではない。

2014年5月、フィアディルフィアの名門校、ペンシルベニア大学の学生食堂のステンドグラスに「旭日旗」のデザインが施されていると韓国から留学してきた学生たちが騒いだことがある。

その「旭日旗」とはこれである。

コリアン学生たちは「あれはナチスのカギ十字と同じ『戦犯旗』だ。世界の最高学府にそれがあるのは許せない」と大学当局に迫った。

しかし学長は「学生食堂ビルは世界中に宣教師を送り出した『キリスト教学生協会』から譲り受けた貴重な建物。しかも問題にされたデザインは第2次大戦以前のもの。帝国主義とは何の関係もない。これは大学の財産だ」と突っぱねた。

今回のいちゃもんに韓国駐在経験もある米元外交官の一人は筆者にこうコメントしている。

「ロスの次はアリゾナ州旗」?

「公開質問状には、今、日韓間で問題になっている慰安婦問題や徴用工問題も膨れているようでなにやら韓国政府関係者の差し金が感じられる」

「さる10月、済州島で開かれた韓国の国際観閲式で自衛艦に旭日旗掲揚自粛を要求し、日本側がこれを拒否して欠席した話とも無関係ではないのではないか」

「第一、この壁画を見る限り、旭日旗とは何の関係もないじゃないか。そんなことを言ったらアリゾナ州の州旗はどうなるのかね」

「一言でいえば滑稽で話にならない」

さて在米のコリアンの次なる標的になるかもしれないアリゾナ州旗。ご参考までに。

「韓国の常識」もここまでくると「世界の非常識」。

笑われるのが関の山になりそうだ。

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『習近平のメンツをつぶした華為ショックの余波 逮捕の背後に垣間見える米国の意図とは』(12/12日経ビジネスオンライン 福島香織)について

12/12深田萌絵ブログ<ファーウェイCFOが持つ七つのパスポートと偽日本戸籍の話>

http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-4050.html?fbclid=IwAR0LYPqlROrnlbHEafdtai_qbtwFuHEmJAeOme8u1oYIjccqENwA0BRx1Ck

12/12深田萌絵ブログ<鄧小平の一族とファーウェイ・佐川急便ズブズブで猛威振るってます(^▽^)/>

http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-4053.html?fbclid=IwAR0PzeMy_20TLeCTHfB_-qfP-5BKqKuBWoh9FLe73pfz_VnXscEFJ0Cn1Sc

12/12facebook 變態辣椒 投稿

早く孟晩舟を釈放しろ、そうしなければもっと多く捕まえるぞ!

12/12希望之声<忧物价飞涨影响稳定 中国已“付订金”恢复进口美大豆=物価膨張を恐れ、影響を安定化 中国は既に米国産大豆の輸入代金の手付を払う>ロイターの2名の情報通は「中国国営企業は、12/12(水)少なくても50万tの大豆を買い、総額1.8億$になる」と述べた。

去年の米国の大豆の海外輸出の6割を中国が占め、120億$を超える。中国は今年5月から米国産大豆に25%の関税をかけ、トランプ政権に対し報復した。中国の大豆輸入商はブラジル、アルゼンチンに輸入先を変えた。だが両国は需要をまかなえず、中国の輸入量は減り、7月は前年比20.6%も減った。

中国の5月の大豆の在庫が773万tあったので、輸入量が減っても何とかなったが、6ケ月となると、もし12月に米国の大豆を輸入しなければ、価格は物凄く上がることになる。連れて動物飼料や肉も上がり、これが米国産大豆輸入回復の主な理由である。

WSJは米中の高官の話を載せ、「中国は数週間の内に米国の大豆と天然ガスを買うことを発表する。かつ、大量の米国製品とサービスを買い、自動車関税も下げることを検討している。これは米中貿易協定の手付であり、米国も中国商品に付加関税をかけるのを撤回してほしい」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/12/n2476384.html

中国はナキが入っていますね。いい傾向です。トランプは手綱を緩めることなく、締め上げて行ってほしい。

12/12希望の声<专家:美国至今未要求引渡孟晚舟 背后有两大目的=専門家:米国は今に至るまで何故孟の引渡要求をしないのか 背後には2つの目的がある>

米国政府は来年1/8に正式に引き渡し請求を出し、孟はバンクーバーの法廷に2/6に出廷する。引き渡しが認められればNYで審理を受ける。何故今しないのかと言うと、トランプが昨日ロイターのインタビューを受け、「米中貿易協議の助けになるか、米国の安全に有利になりさえすれば、孟の事件に介入する。国が有利になれば私はする」と答えた。これは外目には「交渉の名手、トランプが交渉過程で孟の件を手段として使うのでは」と思わせる。

中国問題専門家の林和立はapple dailyに「米国の最終目標は“中国製造2025”に打撃を与えること。米国がカナダに孟の逮捕を要求したのは、明らかに華為に宣戦、警告を発したという事。目的は①華為が5Gで米国の地位に挑戦しないよう、米国の安全に抵触しないように②華為は北朝鮮、イラン等の米国の敵対国家とビジネスしないことである。これは米中協議に盛り込まれているのでは?米国がまだ正式に孟の引き渡しを申し入れしないのは、中国が米国の要求を分かり、トランプを大満足させるような譲歩をすれば、米国は引き渡し要請を取りさげる。米国が貿易戦では勝つのでは。」と述べた。

WSJの情報通は「来年年初に北京は新しい政策を出し、“中国製造2025”に替わって、工業領域を薄め、外国企業に市場参入権を認める内容である」と。ロイター社は「国務院が地方に出した文書では“中国製造2025”の文字は入っていない。この3年間ずっと使われて来たにも拘わらず」と言う点に注目している。

孟が裁判を受ければ、米国は多くの証拠を握っている中で、華為の「中共は民営企業を国の保護に於いて大型スパイ組織に全力をあげて来た」真実がドンドン出て来ることになる。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/12/n2476540.html

福島氏の記事で、ボルトンが知っていてトランプが知らないという事は無いでしょう。トランプ一流のお惚けでは。孟の件に介入するというのも、中国にキチンと対応を迫るためと思います。中共のポータルサイトの一つの搜狐で調べましたら、詐欺の嫌疑での逮捕と書いてありましたし、スカイコムとイランとの取引についても書いてあります。でも中国大陸内では見れないのでは。

http://www.sohu.com/a/280451877_115565

任正非が江沢民派だから華為を潰して、通信利権を習がもぎ取ろうというのはあれだけ大きくなると難しいのでは。深田氏のブログを読めば、益々です。でも日本の役人と会社は国を売って平気でいられるのですから。腐っているとしか言いようがない。中国で中小企業の偽装倒産は小生の中国駐在時代は普通にありました。借金して踏み倒して別の会社を立ち上げる訳です。日本の会社法の取締役欠格基準の法律がなかったためです。今は日本でも破産した人が取締役になれるよう法改正したようですが。まあ、中国では下に対策ありで、取締就任禁止の法律があっても、他人の名義にして、役人に賄賂を掴ませるでしょうから同じことですが。華為の看板の書換だけでは何も変わらないでしょう。

それより、中国が猫を被って中国製造2025を止めるとか言い出しているのが問題です。これは絶対嘘でしょう。米国を騙そうとしているのに違いありません。嘘は中国では常道ですから。孟を裁判に引きずり出し、世界に中共のやって来た悪の実態を広めることが、長い目で見た米国の利益ですし、人権や自由を尊ぶ人々の利益とも重なります。

記事

カナダ・モントリオールで12月6日、華為技術の孟晩舟逮捕を伝える新聞を手にするジャーナリスト(写真:AFP/アフロ)

米中首脳会談の裏側で進行していた中国最大手通信技術メーカー・華為技術の副会長兼CFO(最高財務責任者)孟晩舟の逮捕で、米中貿易戦争が一時休戦かという期待は完全に裏切られた。90日の猶予を得るために妥協に妥協を重ねた中国・国家主席の習近平は大いにメンツをつぶされ、世界の株式市場では中国関連株が総崩れ。米大統領ドナルド・トランプはホワイトハウスを通じて、首脳会談中に孟晩舟が逮捕されたことは知らなかったと公表し、カナダ首相のトルドーも政治的干渉はない、としているが、本当だろうか。ロイターによれば大統領補佐官(国家安全保障担当)のボルトンは事前に司法当局から聞いて知っていたらしい。ボルトンが知っていてトランプが知らないなんてことがあるだろうか。とすると、このタイミングで孟晩舟の逮捕に踏み切った米国側の狙いは? 華為ショックの背後に垣間見える米国の意図と、米中関係の今後の展開を読んでみたい。

カナダ司法当局は12月5日、華為の副会長でCFOの孟晩舟を米国の要請で逮捕したと発表した。5日付けのカナダ紙グローブ&メールの特ダネを受けての公表だった。逮捕日は12月1日、つまりアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われた米中首脳会談で、米国が来年1月1日に実施予定の中国製輸入品2000億ドル分に対する追加関税引き上げを90日猶予するということで合意したと発表された日だ。世界市場はこれで米中貿易戦争はひとまず休戦と胸をなでおろしたのだが、その裏側で米国は習近平を追いつめる最高の切り札を切っていたわけだ。

逮捕容疑は孟晩舟本人の要請もあって当初公表されなかった。米国は孟晩舟の身柄の引き渡しをカナダ政府に求めているが、カナダの中国大使館は「これは人権侵害だ!」と強烈な抗議声明を即日発表。中国外交部は「カナダであれ米国であれ、彼女が両国の法律に違反している証拠はいまだ中国側に提示されていない」として、即時釈放と孟晩舟の合法的権利を守るように要請している。

7日に行われた保釈審理では、孟晩舟は華為の香港の子会社を通じて、米国のイラン制裁に違反したという。これまでの報道を総合すると、少なくとも130万ユーロのヒューレットパッカード製技術を使用したコンピューター設備をイランのモバイルテレコミュニケーション(MCI)に販売した容疑があり、このとき制裁違反を隠すためにアメリカの金融機関に虚偽の報告を行った詐欺容疑を検察側は主張している。孟晩舟は2008年2月から2009年4月までその子会社の取締役を務めており、孟晩舟が指示を出していたと見られている。

この容疑が事実なら米国に引き渡されれば、最悪30年の懲役刑もありうるらしい。カナダ司法当局は逃亡の恐れありとして保釈に反対している。保釈されるとすれば彼女の中国・香港パスポートの放棄など12項目の条件を満たすことと1400万カナダドルの保釈金が必要。孟晩舟の弁護士は彼女が4人の子供の母親であること、高血圧や睡眠窒息症など健康上に問題があることなどを前面に出して保釈を勝ち取りたいようだ。華為側は孟晩舟が違法行為に関与しているとは考えていないとの見解を示している。

華為とイランとの関係については、米国当局は2016年からZTE(中興、中国大手スマホメーカー)とともに商務当局が調査を開始。今年4月から華為に対しては、刑事捜査が始まっていた。米国がイランとの関係正常化に向けた交渉の中で、米国の制裁期間中、イランと交易した中国企業リストの提出を要求したところ、華為、ZTEの名前が出てきたのが調査開始のきっかけという。

米国は先にZTEに対して米国企業に対ZTE禁輸令を出すなどして締めあげた。ZTEから得た内部報告の中に、ZTEのライバルである華為が北朝鮮やイランに対しての秘密貿易の詳細があったことで、孟晩舟の刑事捜査に入ったようだ。12月1日の米中首脳会談でも、トランプは華為の刑事捜査の件を習近平に話して、その譲歩を迫ったという話もある。

トランプが華為の刑事捜査をちらつかせ習近平に圧力をかけながら、クアルコムのNXP買収を承認させたり、自動車関税撤廃を認めさせたりするなどの譲歩を引き出し、あたかも90日の猶予をやるという態度を見せながら、素知らぬ顔で華為のCFOを逮捕したというのなら、さすがトランプ、人が悪い。しかもフィナンシャルタイムズによれば、習近平は米中首脳会談の時点で、孟晩舟逮捕の件は知っていたという。孟晩舟の逮捕の決定的証拠であるイラン企業との取引記録を提供したのはHSBCと言われているが、HSBCから習近平サイドに事前連絡を行っていたとみられている。ただ習近平はこのとき、華為の件についてトランプに切り出していない。

華為発展に解放軍、国家安全部の関与

だが孟晩舟逮捕は、貿易戦争そのものよりも習近平政権にとって致命傷になりうる。華為は普通の企業ではないし、孟晩舟は並の幹部ではないからだ。

華為について、少しおさらいしておこう。創始者にしてCEOの任正非は解放軍の化学繊維工場の技術兵出身。退役後、同じ解放軍出身の仲間とともに1988年に華為公司を創立して総裁となった。90年代の無線通信業界に参入、当時はまだライバルもほとんどなく、また解放軍の資金提供と後押しもあり、瞬く間にIT企業の雄に躍り出る。2003年にはネット民が選ぶ中国IT重大人物の一人に選ばれ、2005年には米タイム誌が選ぶ世界に影響を与える100人に選ばれた。2011年にはフォーブス誌の中国人長者番付92位に入った。

華為の発展と解放軍や国家安全部の関与は疑う余地がない。華為は民間企業ではあるが、解放軍から無償で技術提供を受けることで発展、資金も解放軍筋から流れているとみられている。また任正非自身、華為を創立する前に国家安全部で任務に就いていた経歴があったといわれている。華為と解放軍は長期合作プロジェクトをいくつも調印しており、中国の軍事技術開発を目的に創られた企業といっても過言ではない。私の知人が香港のスマートフォン部品企業に勤めているとき、華為との商談には解放軍中将クラスが同席していたという話も聞いた。

そういう解放軍を背景にした企業だが、表向きの顔は民営の多国籍企業としてインドやストックホルム、米国に次々と研究開発センターを創設し、海外の優秀な技術者を集めまくり、シーメンスやモトローラなど海外の大手技術企業とも合資合弁会社をつくりまくり、2005年には中国国内での売り上げより海外での売り上げが多くなった。2008年にはモバイル設備市場世界シェア3位、モバイルブロードバンド商品累計出荷額世界シェア1位、国際特許出願数も首位に。2018年現在、スマホ出荷量でアップルを抜き世界シェア2位。さらに2019年から各国で商用サービスが本格化する5G網構築の主導権を米企業クアルコムなどと争い、その結果次第では中国が次世代の通信覇権を奪うことになる。さらに2017年の年間売り上げ925億ドル、売り上げの10%以上を研究開発費に向け、最近ではAI向け高性能チップ開発にも成功、量産を開始し、米企業の牙城に切り込もうとしている。一言で言えば習近平政権が国家戦略の一つとして掲げる「中国製造2025」の中心をなす通信技術、AIのイノベーションを支える基幹企業であり、同時に解放軍の情報戦やサイバー戦を支える技術開発の先鋒(せんぽう)である。逆に言えば、華為をつぶせば中国の通信覇権の野望を砕き、米国の国家安全を脅かす中国のサイバー戦、情報戦を抑え込むことが容易になる。

米国が華為を恐れるのは単に強力なライバルというだけではない。華為製品を通じてスパイウェアやマルウェアが政府の中枢システムに入り込み、軍事技術窃取や盗聴、時限的にサイバー攻撃などを仕掛けるのではないかという危惧がある。2008年以降、華為の米国企業への投資を対米外国投資委員会はことごとく拒否してきた。2012年、米上院議会は華為、ZTEの商品が中国の諜報活動に便宜を図っているとして1年の調査ののち、市場から排除するよう警告。トランプ政権になってからは、自国市場で華為、ZTE製品を排除するだけでなく、米軍基地などが置かれている同盟国でも中国通信機器・設備の排除を呼び掛けている。オーストラリア、ニュージーランド、英国に続いて、孟晩舟逮捕後に日本も政府調達から中国通信機器メーカーを外すことを決定した。

習近平は孟逮捕の情報を知っていた?

さて、孟晩舟はその華為帝国のナンバー2、任正非の長女である。彼女は任正非が別れた妻の娘なので、当初は親子関係は社内でも秘密であったという。受付や事務仕事の下積みをやったのち、華中科技大学院で修士号を取得、その後、実務で頭角を現し、任正非の娘であることが明らかにされた。実力、人望、血統申し分なく、任正非の長男、任平の頭越しに、任正非の後継者と目されている。任正非は年内にも正式に引退を表明して孟晩舟にCEOの座を譲るのではないか、という噂もあった。つまり米国は、華為の次期トップ潰しをやった。これは対中交渉の材料として揺さぶりをかけるというようなかわいいものではない。華為の息の音を止めるつもりでやっているように見える。

さて、注目されるのは習近平政権の対応だ。これだけ激しくメンツをつぶされれば、怒り心頭で米中首脳会談での合意は反故にするのかと思いきや、貿易戦争と華為事件を関連付けた公式コメントはない。識者たちにも、米中の合意を損なうようなコメントをするなと通達が出ているようだ。ニューヨークタイムズの分析では、習近平は米中関係安定を優先させつつ、軍部や保守派、人民の間で急激に高まる反米感情を鎮めねばならないという、厳しい状況の板挟みにある、という。

習近平は首脳会談時点で孟晩舟逮捕の情報を知っていて、トランプの求める妥協に応じたわけだから、この時点で孟晩舟のことは見捨てて米中合意を優先させた、という見方もある。任正非および華為が江沢民派で江沢民ファミリーや曽慶紅ファミリーの資金洗浄なども負ってきたホワイトグローブ企業であることは公然の秘密ともいえ、習近平はむしろ米国を利用して華為をいったんつぶし再建する過程で、華為が牛耳る通信利権を江沢民・曽慶紅派から奪うつもりでいるという話もある。

最後に生き残るのはどっちだ

だが、習近平政権は国内向けには「戦でもって戦を止める(以戦止戦)」といった勇ましい発言を繰り返しており、こうした米国のあからさまな「宣戦」に弱腰でいれば、民族的英雄企業でもある華為の次期トップが逮捕されたことへ中国人民の怒りはいつ米国から習近平政権に向かうかわからない。目下、一部の人民の間ではアップル製品を叩き壊すなどのパフォーマンスや米貨排斥を叫ぶ声や、報復にボーイングやレイセオンの幹部を中国で禁じている台湾への武器供与を行ったという理由で逮捕してはどうか、といった意見まで出ている。華為のバックに解放軍があることを思えば、軍権の掌握に腐心する習近平としてはふがいない所を見せたままでは済まないかもしれない。そう考えると、習近平が今見せている忍耐や思惑も、どこかの時点で暴走する心配もあるわけだ。

一方で、今回の逮捕劇がトランプ政権内部の権力闘争によるものだという見方も完全には排除されていない。トランプは本当に孟晩舟逮捕計画を知らされておらず、ディープステート集団やCIAが米中首脳会談の合意を妨害するためにことを進めたという説だ。このタイミングでの孟晩舟逮捕は貿易戦争休戦を御破算にするだけでなく、中国市場進出の米国企業株が軒並みに打撃を受け、その悪影響は日本を含む世界経済にも波及しうる。

いまだ四中全会が開かれていない中国共産党内部では習近平派およびアンチ習近平派の権力闘争が激化し、対米政策の失敗を理由に習近平を失脚させようという動きもある。いくつもの不確定要素が重なりあって米中対立の末に、最後に生き残るのは習近平なのか、トランプなのか、あるいは世界中が混乱と停滞の時代に突入することになるのか。これは共産党の体制内学者でも米国政府系シンクタンクのアナリストでも、なかなか予測のつかない展開といえそうだ。

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『AIの軍事利用で世界最先端を進み始めた中国 アルファ碁の勝利をきっかけに一気呵成、お粗末すぎる日本の対応』(12/7JBプレス 渡部悦和)について

12/12NHKニュース6:59<日米共同開発の新型迎撃ミサイル 実験に成功>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181212/k10011743931000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_009

12/12NHKニュース7:19<カナダ元外交官が中国で拘束 中国政府の対抗措置か>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181212/k10011743871000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001

中国のカナダ政府の孟晩舟逮捕への報復でしょう。分かり易い。2012年の尖閣での中国漁船拿捕、2016~17年、韓国へのTHAAD配備で中国市場からロッテや韓流の締め出しと韓国旅行禁止、12/11日本人をスパイ罪で12年の実刑判決は日本政府の華為・ZTEの政府調達禁止や大手キャリアが5Gで中国製品を使用しないことに対する報復です。中国は「やられたらやり返す国」です。日本も倍返しすれば良いのに、「国際ルールに従っているだけ」とか責任を米国に転嫁するような説明では、中国に「日本は脅せば言う事を聞く」と思わせるだけ。また今、中国でappleの不買運動が起きていますが、中国の不買運動は5.4運動から。これは裏で米国が唆したと言われています。米国はあまり考えないから、飼い犬に手を噛まれるのです。

https://capturelife1.net/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/%E3%80%8Capple%E3%81%AF%E5%87%BA%E3%81%A6%E8%A1%8C%E3%81%91%E3%80%8D%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A7%E6%B2%B8%E9%A8%B0/

12/12日経<防衛大綱骨子案 「空母化」「領域横断」を明記

政府は11日、防衛計画の大綱(防衛大綱)の骨子案をまとめた。護衛艦「いずも」を改修する事実上の「空母」導入を明記し、宇宙、サイバー、電磁波を扱う電子戦の対応のための「領域横断作戦」の必要性も示した。弾道ミサイルなどの発射前に敵の拠点を攻撃する「敵基地攻撃能力」は明文化を見送った。18日の閣議決定を目指す。

自民、公明両党の大綱見直しに向けたワーキングチーム(WT)は11日、いずもの甲板を戦闘機が離着陸できるよう改修する案を大筋了承した。最新鋭ステルス戦闘機「F35B」の搭載を想定する。事実上の「空母」保有で専守防衛を逸脱するとの指摘があり最大の論点だった。

政府は国会で「もっぱら相手国の国土の壊滅的な破壊のために用いられる攻撃的兵器」と答弁してきた。その一つが「攻撃型空母」だ。公明党は過去の国会答弁との整合性をただしてきた。

国際的には空母の明確な定義はない。政府はF35Bの常時搭載はしないと説明。「あくまで防衛目的」と理解を求めた。自民、公明両党はいずも改修が専守防衛の範囲内と確認する文書をまとめることで折り合った。WT座長代理を務める公明党の佐藤茂樹外交安全保障調査会長は「専守防衛の観点からもしっかり検討され、従来の政府答弁の域を出ない」と容認する考えを示した。

領域横断作戦は陸海空の自衛隊の一体的な運用を重視する考え方だ。2014年、ロシアはウクライナ侵攻でサイバー攻撃や電子戦の能力を使った「ハイブリッド戦」を仕掛け、重要性が認識されるきっかけになった。

骨子案は「あらゆる分野での陸海空自衛隊の統合の推進」を記した。統合幕僚監部の組織のあり方などを今後検討する。

具体策として「相手方によるサイバー空間の利用を妨げる能力」を挙げた。宇宙では位置情報の探知や通信などに使う衛星が破壊されると自衛隊の運用に大きな影響を与える。「宇宙ごみ(デブリ)」を監視する部隊の新設も明示した。電子戦では統幕などに専門部署を新設するほか、F15戦闘機を相手のレーダーに探知されにくくする。

敵基地攻撃能力は弾道ミサイルなどの発射前に敵の拠点を攻撃する能力を指す。自民党は5月にまとめた提言で政府に検討を求めたが、大綱には文言の明記を見送る。

安倍晋三首相が憲法9条改正を目指しており、野党の反発を招く議論を避ける思惑もある。公明党の拒否反応も強い。

事実上能力を持ちつつあることも明記見送りの一因だ。政府はすでに約900キロと射程が長い巡航ミサイルの導入を決定済み。中期防衛力整備計画(中期防)には羽根付きの弾頭で目標を狙う「高速滑空弾」の開発方針を盛り込み、陸自に運用部隊も新設する。

政府は憲法が敵基地攻撃能力の保有を否定しているわけではないと解釈している。1956年の鳩山一郎首相(当時)の「座して死を待つことを憲法は想定しない」との答弁を根拠にしている。>(以上)

12/12日経<「ゲノム編集出産」疑念次々 規制の仕方、世界に難題

中国・南方科技大の賀建奎副教授が、遺伝子の狙った部分を改変できるゲノム編集技術で受精卵から子を誕生させたという発表を巡り、疑問の声がやまない。11月に香港で開かれた国際会議で発表を聞いていた研究者らは口々に「本当はやっていないのではないか」とささやいた。

香港で開かれた国際会議で講演する中国・南方科技大の賀建奎副教授=28日(共同)

理由の一つは、約1時間に及んだ発表で示したデータが不十分だったからだ。賀氏はまず、基礎となる研究や動物実験を説明。肝心の受精卵の操作と子の誕生の話は全体の3分の1程度だった。

「詳細がよくわからず説得力がまったくなかった」。簡便な技術「クリスパー・キャス9」で、初めてヒトの細胞をゲノム編集した成果で知られる米ブロード研究所のフェン・チャン主任研究員もこう振り返る。

データの不自然さも話題になった。ゲノム編集の治療応用で問題になるのは、狙った以外の部分に遺伝子変異が生じる「オフターゲット」だ。将来、子の健康に問題が起きる懸念があるだけでなく、変異は子孫に受け継がれるからだ。

賀氏は移植した受精卵の遺伝子の1カ所でオフターゲットが起きたかもしれないが、悪影響はないと説明した。受精卵のゲノム編集研究を手掛ける別の研究者は「1カ所だけというのは考えられず、間違いがあるのではないか」と疑う。

子どもの体温や血圧、心拍数などのデータがないことも問題視された。「健康だと言われても根拠がない」(国立成育医療研究センターの阿久津英憲部長)。第三者がデータに目を通しておらず「でっち上げでもわからない」との声もある。

賀氏は今夏、米国で開かれた学会でもヒト受精卵をゲノム編集し女性の胎内に移植する計画を話したと主張する。しかし同じ学会に参加した別の研究者によると、主に動物実験の話で、人間の子を誕生させるとは言っていなかったという。

香港の国際会議で賀氏と対談した英フランシス・クリック研究所のロビン・ラベル・バッジ上級グループリーダーは「彼は孤立しており親しい相談相手がいない」と指摘する。それが不信感や疑いを膨らませたとみる。国際会議後は公の場に姿を見せていない。

本当に子が生まれていた場合、賀氏が一人ですべてをこなしたとは考えにくい。産婦人科、小児科などの複数の医師や看護師の協力があったとみるのが自然だ。賀氏は米国のゲノム編集や生命倫理の専門家の助言を得たと話している。

遺伝性貧血を出生前に治す研究の一環で、2015年に世界で初めて受精卵をゲノム編集したのは中国・中山大の黄軍就教授だ。倫理的に問題があると非難されたが、不妊症の研究目的で受精卵をゲノム編集する試みが英国などで動き出すにつれ、先駆者として評価されるようになった。香港の国際会議でも講演者の一人に名を連ねた。

賀氏の試みに関しても中国の政府機関や学界の少なくとも一部には、ゲノム編集ベビーで「世界一番乗り」を果たし実力を誇示したいという空気があったかもしれない。ところが蓋を開けると予想以上の拒否反応で、慌てて権威ある中国社会科学院などが賀氏を糾弾したとの見方もある。

世界の科学者や医療関係者は決して一枚岩ではなく、研究の自己規制を徹底するのは難しい。香港の国際会議の組織委員会は声明で賀氏を非難したが、受精卵のゲノム編集の「禁止」「モラトリアム(一時停止)」などの表現はあえて避けた。

むしろ「治療応用が許されるとしたら、従来考えられてきた以上に厳しい実施基準が必要であることを確認する内容にした」(組織委員のジョージ・デイリー米ハーバード大教授)。今後の研究進展の道を閉ざさないよう、慎重に言葉を選んだとも受け取れる。

組織委員長を務めたノーベル賞学者のデービッド・ボルティモア米カリフォルニア工科大名誉教授は「何をどこまで許容するかは各国の人々がそれぞれの実情に応じて決め、規制に反映させなければならない」と話す。その準備が日本にはできているか。自らに問いかけてみる必要がある。(編集委員 安藤淳)>(以上)

11/12阿波羅新聞網<面容憔悴!孟晚舟保释后首度现身 判若两人 未见丈夫踪影=顔が憔悴! 孟晩舟は保釈後姿を現す 逮捕前と後では別人に見える 夫は姿を見せず>

華為副会長の孟晩舟は3日間の裁判所拘留後保釈された。保釈金は1000万カナダ$(8.5億円)と身に電子タグを付けることや他の要求を守ることとされた。保釈後姿を現したが憔悴しきっていた。紫の帽子付上着とダウンジャケットを羽織っていた。その後車に乗り離れた。

逮捕後

逮捕前

https://www.aboluowang.com/2018/1212/1217204.html

孟の保釈が認められ、次は中共が殺しに来るか、逃げ出すかでしょう。映画『アメリカの敵』のように米国は衛星で監視、電話も盗聴して違法行為の証拠とすると思います。 カナダは、保釈はしても彼女が生きていれば米国に引き渡しすると思います。でもカナダの元外交官は「国際危機管理」の専門家としてはお粗末。わざと捕まって中国と米国とを天秤にかけたのかも?

渡部氏の記事と日経の記事とを読み比べて見ますと、クロスドメインは必要ですがもっとスピード感が必要です。やはり、ホットウオーではなく、詐術に近い所でネットによる技術窃取、ハッキング(経済混乱、軍事機能低下等)、での潰し合いとなると思います。近藤大介氏はTV朝日で①貿易戦②技術戦③(忘れました)④軍事戦と言ったと紹介されていました。その前に金融制裁がくるのでは。

相変わらず中国はAIやバイオ(ゲノム編集してサイボーグを作るつもりでしょう)の面で国際協調しません。意図的でしょう。世界制覇を狙っているからです。米国に替わって覇権を握ってもいいですが、共産党は自由を守りますか?守らないでしょう。そんな国に覇権は握ってほしくありません。でも日本は何周遅れか?軍事技術面でも、AI、バイオ面でも。科学技術は軍事技術の発展と歩調を合わせて来たのは誰もが知る所です。日本学術会議や日弁連の言うことを聞いていたら日本は侵略されるだけです。どうして内部で反旗を翻す人がいないのか?

安倍首相もできもしない憲法改正に威勢の良いことを言うのではなく、現実にできる部分を着実にやっていったら。戦後洗脳されたままで退化して現実が見えない日本人が多すぎます。中国のように若人をスマホゲーム感覚で殺すテクニックを競わせる必要はありません。(まあ、中国人は平気で生きたまま臓器摘出でき、人を食べることができる民族ですからこれも当たり前なのかも)。しかし、中国が侵略してきた時の戦い方、特に戒厳令の運用、を考えておき、スパイ防止法やら自衛隊のネガテイブリスト化を先にやったらどうですか?まあ、彼にしてみれば、こんなアホな国民を守る必要があるのかと思っているのかもしれませんが、歴史を持つ日本民族を独立したまま繋いでいかなければなりません。

記事

米中貿易戦争が進行中だ。その背景には「米中の覇権争い」があり、さらに言えば米中の「AIなどのハイテク覇権争い」がある。

習近平主席が目指す「科学技術強国(Superpower in Science and Technology)」は、国家ぐるみのハイテク覇権追求を象徴的に表現している。

本稿ではハイテク覇権争いの中核であるAI開発の状況特に中国におけるAIの軍事利用について紹介したい。なぜならば、AIの軍事適用は、将来の軍事作戦の帰趨を決定する最重要な要素であるからだ。

まず、最近報道されたAIに関する象徴的な出来事を紹介した後に、中国のAIの軍事利用に関する本論に入りたいと思う。

中国における若者を利用したAI兵器開発の試み

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが、北京技術研究所(BIT:Beijing Institute of Technology)のAIの軍事利用に関する「北京技術研究所プログラム(BITプログラム)」を報道*1しているので紹介する。

なお、BITプログラムは、18歳という若者を対象としたAI兵器の開発プログラムとしては世界初の試みだ。

  • BITプログラムの概要

中国はAIの軍事利用を重視し、米国との熾烈な開発レースを展開している。

北京技術研究所は、中国人民解放軍の兵器の研究・開発を担当しているが、優秀な若者31人(27人の男子と4人の女子)をAI兵器開発プログラムのためにリクルートした。

彼らは、約5000人の志願者の中から選抜された最も優秀な高校生で、世界で最も若いAI兵器の科学者を目指し、4年間のAI兵器システムプログラムに参加する。

BITの教授は、「31人の子供たちは全員、非常に聡明だが、聡明だけでは不十分だ。創造的思考、戦う意思、困難に直面した際の粘り強さ、新兵器を開発しようとする熱意をもった愛国者でなければいけない」と発言し、中国らしい育成の方向性を示している。

*1= China’s brightest children are being recruited to develop AI ‘killer bots’

31人には、各人に2人のベテラン兵器開発者がメンターとしてサポートする。1人は大学から他の1人は国防産業から派遣される。

若者たちは、当初の短期コースを修了すると、専門分野を選択し、関連する国防研究所に配置され、様々な経験をしスキルを上げていく。

4年間のコースを経て、博士課程に進み、中国のAI兵器プログラムのリーダーとなる。

中国においても日本と同様に、優秀なAI人材の不足が問題となっているが、高校生をAI兵器の開発に利用しようという試みは世界的に例がなく、中国人民解放軍のAI開発重視を象徴している。AI研究者の低年齢化は今後とも進むと思われる。

  • BITプログラムに対する批判

BITプログラムには当然ながら批判がある。国連大学政策研究センターの研究者(Eleonore Pauwels)は、次のように警告している。

「この中国のプログラムは、次世代の若者にAIの軍事利用に関する研究を奨励する世界で初めての試みだ」

「BITの試みは、AIの兵器化に焦点を絞った強烈な試みであり、多くの問題点を内包している」

「AIの知識が、その他の技術例えばバイオ技術、量子コンピューィング、ナノ・テクノロジー、ロボット工学などと結びつくと、安全保障や軍事的支配の観点で劇的な意味を持つ」

  • AI兵器に関する中国の本音と建て前

中国の発想と行動の特徴は、民主主義諸国が重視する倫理とか国際法の順守などに縛られることなく、自らの国益を追求していく点にある。

AIの軍事利用についても、倫理や国際的な取り決めには制約を受けないで、BITプログラムに対する批判にもかかわらず、これを推進するであろう。
中国は、国連などにおけるAIを搭載した殺人ロボットなどに対する規制の議論には参加しているが、本気で規制を実現しようとは思っていない、と判断するのが妥当であろう。

例えば、中国は国連に対してAI兵器の使用に関する文書を提出し、「ハイテク製品の誕生および致死的な自律兵器システムの開発や使用は、戦争の敷居を下げ、それを使用する国の戦争のコストを下げるであろう。これは、戦争がより起こりやすく、頻繁になることを意味する」と記述している。

しかし、中国国内では多様なAI兵器を開発し装備している現実がある。

米中貿易戦争の背景にある習近平主席の「科学技術強国の夢」

  • 中国の夢と米中貿易戦争

習近平主席の「中国の夢」は、「中華民族の偉大なる復興」であるが、この中国の夢の背景には中国にとっての屈辱の100年がある。

中国は、英国が仕かけたアヘン戦争(1840年)から中華人民共和国の誕生(1949年)までの屈辱の100年を経験した。この屈辱の100年の恨みを晴らすという思いが、習近平主席の心の奥底にはある。

国家主席になった瞬間(2013年)から、「今こそ、屈辱の100年の恨みを晴らし、世界に攻勢をかけるべき時だ」と判断したのであろう。

彼は、故鄧小平氏が主張した「韜光養晦」を過早にも放棄してしまった。

「韜光養晦」は、「才能を隠しながら、内に力を蓄える」という考えだが、これを放棄し、極めて強圧的な姿勢で「米国に追いつき、追い越す」政策を推進してきた。

この世界一の大国になり、世界の覇権を握ることを目指す中国、それも米国などの知的財産を窃取するなどの不公正なやり方でハイテク覇権国になろうとする中国に対するドナルド・トランプ大統領の怒りが、米中貿易戦争や米中新冷戦という状況を引き起こしたと私は思う。

中国は「韜光養晦」を持続し、辛抱強く「その時」を待つべきだったのだ。
●マイク・ペンス副大統領による歴史的な中国批判演説

ペンス副大統領は、10月4日に保守的シンクタンクであるハドソン研究所で行われたスピーチで中国を厳しく批判した。

「中国共産党は『中国製造2025』を通じて、ロボット、バイオテノロジー、AIなど世界の最先端産業の9割を支配することを目指している」

「中国政府は、21世紀における経済の圧倒的なシェアを占めるために、米国の知的財産をあらゆる手段を用いて取得するよう指示してきた」

このペンス演説は、米中貿易戦争の本質が「AIなどの米中ハイテク覇権争い」であることを如実に表している。

中国経済は現在、危機的な状況にあり、膨大な債務処理の問題など中国経済の構造的問題の解決は喫緊の課題であるが、そこにトランプ大統領が仕かけた貿易戦争が重くのしかかっている。

中国の著名な経済学者であり中欧国際工商学院教授の許小年氏は、この中国の危機を打開するためにはイノベーションが必要だと強調する。

そのイノベーションをAIなどの最先端技術で達成しようというのが習近平の科学技術強国路線であり、富国強軍路線である。

  • 中国の野望は「2030年までにAIで世界をリードすること」

現在、米国がAI分野における世界のリーダーになっているが、中国は、AI分野において米国に追いつき追い越すと決意している。

中国指導部は、AIを将来の最優先技術に指定し、2017年7月に「新世代のAI開発計画」を発表した。

その中で「中国は、2030年までにAIで世界をリードする」という野心的な目標を設定している。

そして、最先端のAI研究に大規模な予算を投入し、その目標を達成しようとしていて、中国のAI投資額は米国を凌駕し世界第1位だ。
中国は、すでにAI先進国であり、AIに関する論文数では米国を上回り世界一であり、AIの特許出願数において米国に次ぐ第2位である。数のみではなく質の面でも中国は米国を猛追している。

中国は、多額のAI予算の投入、アクセスできるビッグデータの存在、最も優秀な人材を集め教育する能力などにより、AI分野で米国に激しく迫ってきて、米国は手強いライバルと対峙することになる。

世界最強の囲碁AI「アルファ碁」が中国のAI軍事利用を加速させた

AIの歴史において、グーグルが買収したAI企業「ディープマインド(DeepMind)」が開発した「アルファ碁ゼロ」は画期的であった。

特に、囲碁発祥の地である中国は、「アルファ碁ゼロ」の登場に衝撃を受け、AIの開発とAIの軍事への応用に向けた努力に拍車がかかることになった。

なぜならば、「アルファ碁ゼロ」は、戦闘シミュレーション、ドクトリン(戦い方)の開発、軍事教育・訓練への応用などAIの軍事利用に大きな可能性を提供すると評価されたからだ。

ディープマインドが開発した囲碁のAIには3つのバージョンがある。

まず、第1のバージョンは「アルファ碁」で、2016年、当時の世界トップ棋士であった韓国のイ・セドル9段に勝利して世界の囲碁界を驚かせた。

次いで、第2のバージョンは「アルファ碁マスター」で、「アルファ碁」の能力向上バージョンであり、2017年に世界最強と言われていた中国の柯潔(かけつ)9段を圧倒し勝利を収めただけではなく、世界トップ棋士に60戦して全勝の実力を発揮した。

ちなみに、初期バージョンである「アルファ碁」と「アルファ碁マスター」は、トッププロ棋士の棋譜をビッグデータとして「深層学習(ディープラーニング)」で学びながら実力を高めていった。

つまり、人間の知識を利用して実力を高めていった。
一方、「アルファ碁ゼロ」にインプットしたデータは囲碁の基本的なルールのみで、トッププロ棋士の棋譜を全く使用していない。

「アルファ碁ゼロ」は、自己対局による強化学習だけで強くなり、ディープマインドの論文のタイトルにあるように「人間の知識なしで囲碁を極めた」のだ。

「アルファ碁ゼロ」の登場で、データが足りない分野でもAIを活用できる可能性が広がった。

ディープマインドはさらに改良を繰り返し、将棋やチェスにも応用したAI「アルファゼロ」を開発し、将棋、チェス、囲碁のいずれでも世界最強のソフトとなっている。

昔のAIは人間の助けが必要だった。

その後、大量のデータがあれば自ら学ぶようになり、今は人の助けもデータも不可欠ではなく、AIが競い合うことで「独学」で進化する技術(敵対的生成ネットワーク[GAN])の登場だ。

将来的には軍事における戦闘シミュレーションや自動運転のためのシミュレーションなどに使用される可能性が大である。

アルファ碁が世界のトップ棋士を完全に撃破したことは、AIが一定のルールの下では、複雑な分析や戦略構築において、人間よりも優れていることを示す転換点となった。

AIと人間の戦いは、将来戦争において指揮官が下す決心に対し、AIが果たす途方もない潜在力を示した。

人民解放軍にとってアルファ碁の勝利は、人工知能を将来的に活用することを考える大きな動機になったのだ。
AIの軍事利用

  • 人民解放軍は野心的な「AI軍事革命」を目指す

目覚ましい勢いでAIが進化しているが、中国の人民解放軍はAIを軍事のあらゆる分野に取り込み、「AI軍事革命」や「戦場のシンギュラリティ」を標榜している。

シンギュラリティ(技術的特異点)は、人によって定義が違うが、ここでは「AIの発達により軍事のあらゆる分野において抜本的な変化が起こること」と定義する。

このシンギュラリティに達すると、戦場の無人化が加速し、人間の頭脳ではAIが可能にする戦闘のスピードに追随できなくなる可能性がある。

人民解放軍の研究者であるエルサ・カニアは自らの論文「戦場のシンギュラリティ」*2で、

①中国は、AIを将来の最優先技術と位置づけ、「2030年までにAIで世界をリードする」という目標達成に向け邁進中である。

②習近平主席の「軍民融合」により、民間のAI技術を軍事利用し、「AIによる軍事革命」を実現しようとしている。

③「AIによる軍事革命」の特徴の一つは、AIと無人機システム(無人のロボットやドローンなど)の合体であり、この革命により戦争の様相は激変する。

④「AIによる軍事革命」にはリスク(倫理的問題など)もあり、人間とAIの関係は今後の大きな課題である、と記述している。

人民解放軍は今や、米軍も重視する新技術AIによる革命「AI軍事革命」を目指している。

人民解放軍のリーダーたちは、AIが「軍事作戦・戦術、兵器体系などを刷新させ、戦争の様相を激変させるであろう」と確信している。

*2= Elsa B. Kania, “Battlefield Singularity”, Center for a New American Security

中国では、AIが戦争を情報化戦(informatized warfare)から知能化戦(intelligentized warfare)へシフトさせると確信している。

中央軍事委員会の連合参謀部は軍に対して、指揮官の指揮統制能力を向上させるためにAIを使うように指導している。

AIはまた、ウォーゲーム、シミュレーション、訓練・演習を向上させるだろう。これは、実戦経験のない人民解放軍にとって非常に重要な意味を持つ。

AIは、軍事の専門分野や機能を人に代わり担当することが可能になるであろう。

AIが仮想現実の技術と合体して、人民解放軍の訓練をより現実的・実戦的なものにすることが期待されている。

いずれにせよ、AIは、軍事における指揮官の状況判断、幕僚活動、部隊の運用、訓練などを大きく変え、今後何十年後には戦いの様相を大きく変貌させていくであろう。

AIの軍事利用は既に始まっていて、各種対空ミサイルシステムの自動目標追随と目標の決定、重要な兵器の欠陥の予測、サイバー戦への適用などAIの適用分野は軍事の大部分にわたる。

  • 情報化から知能化へ

中国の情報革命は、3段階の発展を経て実現する。つまり、デジタル化(数字化)、ネットワーク化(网络化)、知能化である。

中国は、情報化のためにITを活用し、戦いにおいて情報を活用する能力を向上してきた。

また、ITをプラットフォーム(戦闘機、海軍艦艇など)やシステムに導入し、結果としてC4ISR(指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察)の統合を図ってきた。
情報化の最終段階は、人民解放軍の情報を大規模かつ機械(コンピューターなどのマシーン)のスピードで処理し活用する能力を向上することだ。

また、中国の戦略家やAI専門家は、知能化に焦点を当てている。

彼らは、AIのインパクトのある応用を考える傾向にあり、AIを使った知能化による指揮・統制または意思決定の支援、知能化無人兵器、人間のスタミナ・スキル・知能の増強を指向している。

人民解放軍は、シミュレーションやウォーゲームを使い、軍事構想や理論を構築する傾向にある。

つまり、「技術が戦術を決定する」という伝統的な考えに基づき、AIを使った実験を実施し、新たな軍事理論や構想を構築しようと積極的な試みをしている。

人民解放軍は、AIを活用し、戦争遂行における戦術、作戦および戦略レベルにおける指揮・統制を強化し、高速での決心を可能にしようとしている。

戦いの知能化により戦いが高速になれば、人間は知能化戦の作戦テンポに追随できないであろう。

AIの導入は、人間の認識力を強化またはそれに取って代わり、決心のための思考過程OODAループ(Observe観測し、Orient方向づけをし、Decide決心し、Act行動する)のスピードを劇的に加速させるだろう。

  • 「軍民融合」により民間AI 技術を軍事利用

軍民融合は、「民の技術を軍に適用すること、反対に軍の技術を民に適用すること」だが、習近平自らが「中央軍民融合発展委員会」を主導する力の入れようだ。

米国のITの巨人であるグーグル(Google)、アップル(Apple)、フエイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取ってGAFAと表現されているが、GAFA はAIの巨人でもある。

GAFAに対抗する中国企業を表現する言葉としてBATがある。
BATとは、中国のIT企業であるバイドゥ(Baidu)、アリババ( Alibaba)、テンセント(Tencent)の頭文字を取ったもので、BATもAIの大企業だ。

中国の強みは14億人の人口であり、そこから得られるビッグデータはBATにとってもAIの開発にとって大きなメリットになっている。

BATは、ビッグデータにアクセスするメリットを享受し、AIの多くの分野(機械学習、言語処理、視覚認識、音声認識など)で長足の進歩を遂げている。

中国では民営企業がAI開発の主人公であり、習近平主席は、軍民融合という国家的戦略により、民間のAI技術を軍事に転用しようとしている。

例えば、自動運転車の技術は人民解放軍の知能化無人軍事システム(AIにサポートされたロボット、無人航空機、無人艦艇・潜水艦など)に応用可能である。

コンピューターによる画像認識と機械学習の技術を応用すると、目標の正確な認識が不可欠である各種兵器の能力を飛躍的に向上させることになる。

軍民融合における優先技術は、無人システムの智能化のためのAI技術のみならず、量子科学技術(量子コンピューター、量子通信、量子レーダー、量子暗号など)、バイオ技術などの最先端技術も含まれている。

また、研究・開発における軍民の連携のために、軍関係の研究機関、国営の研究機関、BATに代表される民間研究機関が連携する「連合研究所(Joint Research Institute)」が設置されている。

  • AIの軍事への適用分野

中国におけるAIの軍事適用の分野は戦闘・戦術・作戦・戦略の「あらゆる分野」である。

考えられるAI適用分野すべてであるが、既に記述してきた適用分野を含めてまとめると以下のようになる。
・無人機システムなどの兵器の智能化(自律化)。

例えば、AI搭載のドローンの分野では中国は最先端の兵器を持っている。

世界的なドローン企業であると同時に有力なAI企業でもあるDJIの智能化ドローン「ファントム」はコストパフォーマンスに優れたAIドローンだ。

また、AI搭載の水上艦艇や無人潜水艦、AIロボットの開発を推進している。

この無人機システムのAI化により、将来的には自ら判断して任務を完遂する自律型のAI無人機システムが多用されるであろう。

・サイバー・セキュリティに対するAIの適用は既に一部で実施されているが、今後ますますサイバー戦における防御、攻撃、情報収集の全ての分野でAIが活用されるであろう。

・AIによるデータ融合、情報処理、情報分析も有望な分野だ。

身近な例で言えば、AIを活用した小型で性能の高い自動翻訳機が完成するであろう。もはや語学を真剣に勉強しなくても困らない時代が来る可能性がある。

・目標確認、状況認識(SA)の分野で、例えば顔認証技術に関しては中国は世界一の可能性がある。

・ウォーゲーム、戦闘シミュレーション、訓練の分野はAIを早期に適用できる分野だ。

・指揮・意思決定、戦場管理の強化の分野におけるAIについては記述の通りだ。

・兵站および輸送分野。例えば、AIによる補給、整備、輸送などの迅速かつ最適な兵站計画の作成などに適用できる。

・戦場における医療活動、体の健康と心の健康の両方の分野でAIが適用されるであろう。意外な分野として、心の健康のためのカウンセラーをAIが代用する案は有望だ。
中国による最先端技術の窃取への対処が喫緊の課題

中国は、なりふり構わずに、「科学技術強国」「2030を目標にしたAI強国」「中国製造2025」の実現を目指している。

目標達成のために、米国をはじめとする諸外国からの先端技術の窃取を国家ぐるみで行っている。

その手段は、サイバースパイ活動(ハッキング)、人によるスパイ活動、最先端技術を有する外国企業の買収、中国に進出する外国企業に先端技術情報の提供を強制するなどにより入手している。

これらの不法な情報窃取に対して危機感を露わにする米国は、様々な手段を駆使してこれに対処しようとしている。

例えば、米司法省は、中国へ先端技術情報を持ち出す産業スパイの検挙を強化する「チャイナ・イニシアティブ」を実施している。

また、中国企業による米国ハイテク企業の買収禁止の措置などを行っている。米中貿易戦争に伴うハイテク製品の輸出禁止なども行っている。

また、ウミガメと呼ばれる中国人への対処も重要だ。

ウミガメとは、米国に留学し、卒業後にGAFAなどの有名な民間企業で働き、最先端技術を身に着けたのちに、中国本土に帰りその技術を活用する人のことを言う。

これを防ぐための措置(例えば中国人留学生の制限など)を検討している。
結言

中国は、「科技強国になる」「2030年までに世界のAIイノベーション・センターになる」などの明確な目標を設定し、国家ぐるみでその実現に向け邁進している。

また、中国は、目的のためには手段を選ばない、汚い手段を使うことを厭わないやり方を採用している。

その結果として、米中のAIなどのハイテク覇権争いにおいて、圧倒的に優位な立場にあった米国を中国が激しく追い上げる状況になっている。

この状況に危機感を抱いた米国は様々な方策を駆使して、ハイテク覇権争いで中国に勝利しようとしている。

それでは日本の状況はどうであろうか。

日本のAI開発に関する国全体としての明確な戦略や目標はなく、国家ぐるみの態勢にもなっていない。

例えば、IT戦略の中で、安全保障(軍事)の視点が欠如している。その典型例が「AI戦略実行会議」であり、防衛省からの参加者はいない。

AIを国家レベルで考える場合、安全保障は不可欠な観点であることを考えれば問題があると言わざるを得ない。

また、我が国では、アカデミア(大学など)における軍事分野の研究に対する拒否感が強すぎ、AIの軍事適用などに対するアカデミアの拒否感にも強いものがある。

その一方で、中国の各種工作(サイバースパイ活動、会社・大学からの知的財産の窃取)に極めて甘く、実効的に対処できてはいない。

日本は、中国による各種工作にあまりにも無防備である。

我が国がAIなどのハイテク技術において米中に完全に置いていかれないためにはやるべきこと(AIなどのハイテク技術に関する国家ぐるみの態勢の構築、憲法の改正、スパイ防止法の制定、民間企業・アカデミア・マスメディアにおける危機意識の向上など)をスピード感を持って遂行すべきだ。

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『中国で蔓延のアフリカ豚コレラ、終息の目途立たず 米国からの輸入拡大の中心は豚肉と大豆』(12/7日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/11SankeiBiz<付き合いの難しさ浮き彫り 米シンクタンクの最新調査、日本人の8割が中国に否定的>

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/181211/mcb1812110645001-n1.htm?utm_source=coins&utm_medium=push&utm_campaign=COINs

中華と小中華の本性を知れば嫌いになって当り前です。何度も言いますが、2005年に中国から帰って来たときに中国の実態を話したら、「人種差別主義者」とか「国粋主義者」とか罵られました。メデイアが左翼に偏向しているため、共産主義の不都合な真実を報道しないからです。でも、ネットの発達によりマスメデイアの力は以前と比べれば落ちてきています。でもNHKの報道を7割の人が信じているというのですから、まだまだ洗脳が解けていません。中国人流に言えば「騙される方が馬鹿」なのに。本質が見えない、先が読めない人間はいくら学力が高くても馬鹿という事です。

12/11ZAKZAK<中国共産党による「秘密特務」関与か!? 逮捕されたファーウェイ孟CFOが持つ“7つのパスポート”の謎>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181211/soc1812110010-n1.html

12/11日経<携帯4社、5G投資で中国製使わず 政府に同調

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社は10日、次世代通信「5G」の基地局などに中国製品を使わない方針を固めた。来年秋に参入する楽天も同様の方針を示している。日本政府が情報漏洩など安全保障上の懸念から、中国・華為技術(ファーウェイ)製などの通信機器を政府調達から事実上、排除する指針をまとめたことを受けた。米国政府による中国製通信機器排除の圧力が日本企業にも影響を及ぼしている。

米国政府による中国製通信機器排除の圧力が日本企業にも影響を及ぼしている(華為技術が開発する5Gの実験基地局)

ソフトバンクは通信大手で唯一、現行の「4G」の一部にファーウェイと中興通訊(ZTE)の設備を使っている。既存の4G設備を他メーカーに切り替えるかどうかは今後判断する。ドコモもファーウェイと5Gの実証実験を進めているが、技術的な課題もあり、来春以降の5G投資で中国製を採用しない方針だ。

2019年10月に第4の携帯キャリアとして参入する楽天は、「中国製の通信機器を使う予定はない」としている。楽天は4Gではフィンランドのノキア製などの採用を決めた。KDDIも現行の4G基地局で中国製を使っておらず、5Gでも採用を見送る考えだ。

米連邦通信委員会(FCC)は4月、中国企業を念頭に米通信会社が安全保障上の懸念のある企業から機器を調達することを禁じる方針を決めた。オーストラリアやニュージーランドが同調し、5Gの通信網から中国製設備を排除。米国政府はさらに20年8月以降、ファーウェイなど中国5社の製品を使う世界中の企業と取引しない方針も打ち出している。

日本政府は10日、各省庁の調達でファーウェイなどの通信機器を事実上、排除する指針を発表した。政府は現在、民間企業に中国製の通信機器の調達を制限していない。しかし携帯各社は5G投資の決断が迫るなか、将来、規制されるリスクのある中国製品の採用を取りやめる。

総務省は19年3月末までに5Gの周波数を携帯会社に割り当てる。携帯各社は来春以降、5G通信網への投資を本格化。19年に5Gサービスの試験提供を始め、本格的な商用化は20年となる。ソフトバンクはこれまでファーウェイ製の基地局を中心に5Gのノウハウを蓄積してきたため、通信網の整備計画に遅れが生じる可能性もある。>(以上)

ソフトバンクの上場を12/19に控え、孫が焦ったのでしょう。売り出し価格が1500円と言うのは高いのか安いのか分かりませんが。反日企業の株を買うことは無いでしょう。通信施設の価格の安さだけで華為やZTEを選んだとは思えません。中共にデータを渡すつもりで使ったのでは。アリババの株主でもありますし。今後中共がソフトバンクをどう扱うかです。

12/11阿波羅新聞網<孟晚舟被曝旅行使用不同姓名 港府竟然宣称合法!=孟晩舟は旅行中同じ名前を使わなかったことが明らかに 香港政府はなんと合法と宣う>孟晩舟はカナダで逮捕され、米国司法省は「彼女は過去11年、中国のパスポート4冊、香港のを3冊所持していた。香港の3冊は名前が全部違い、パスポートNoも違っていた」と指摘。情報通は「華為は去年米国の調査を知ってから、米国に渡航しないように命令を出し、一部の職員はパスポートを会社に預けさせた」と明らかにした。

香港青島日報は政府の言を引いて、「彼女は度々改名した。宣誓後新しいパスポートを発行、勿論各パスポートNoは違う。しかし、一番新しいのが有効であり、合法で、特権はない」と。

米国司法省はカナダに資料を提供。「孟晩舟は少なくとも7冊、中国と香港のパスポートを持ち、2014年~16年まで何度も米国に出入りした。最後は2017年2月下旬から3月初めまで、これは華為が調査を受ける前、その後孟晩舟と華為の高層は米国に来ることは無かった」と指摘。

華為は去年4月からパスポートを回収、米国渡航は禁止。(97~05年、小生の中国駐在時代、普通の社員のパスポートは会社預かりでした。個人で外国に行き、亡命を恐れたためと思われます)。

孟の多くのパスポート所持について学者である李女史は「彼女は2冊合法なパスポートを持っていると言うが、それ自体違法なこと。パスポート2冊併存はあり得ない。もし、中国国民が香港へ移住、香港市民となってパスポート取得すれば、当然中国のパスポートは抹消される。7冊持っているか、2冊持っているか、どちらにせよ違法である」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2018/1211/1216354.html

12/11阿波羅新聞網<孟晚舟保释聆讯第二日 辩方发言=孟晩舟の保釈聴聞の2日目 弁護側の発言>現地時間12/10の午前10時にバンクーバーで審理が開かれ、孟晩舟の保釈についての聴聞が行われた。少なくとも200名の傍聴人と記者が参加、傍聴人の大部分は華人の末裔である。12/7の1回目の聴聞時に検察・弁護側6時間の攻防をしたが、判事は結論を出さなかった。

先に弁護側が答弁。David Martin弁護士はLions Gate Risk Management,略称“LG”の首席執行官のScott Filerを証人として召喚要求。Scott Filerは「孟晩舟の体に電子チップを埋め込み追跡できる体制を取ることができる。孟晩舟もそれに同意している」と証言。

David Martinは「彼女は高血圧と他の病気があり、長期の拘留には耐えられない。また、総てのパスポートを提出したいと思っている。有効無効を問わず。現在2冊あるうちの香港分は逮捕当日没収され、中国の分は先日カナダに郵送された」と。

検察側は9つの理由を挙げて反論。

①孟晩舟は米国から詐欺罪で訴えられている。多くの銀行に“華為とスカイコムは関係がない”と嘘を言ってイランとのビジネスをしてきた。2009年~14年の米国のイラン制裁を回避するため。

②孟晩舟を米国に引き渡す義務がある。米国で裁判を受けさせるため、引渡し前に保釈はできない。

③孟晩舟には逃亡の動機がある。彼女はバンクーバーと何ら関わる意味はない。父親の価値は32億米$だが、もっと多くの保釈金が払われたとしても明らかに彼らにとって雀の涙である。

④保釈の前提は信頼であるが、彼女にそれはない。彼女には“extensive pattern of dishonesty”が備わっている。この他、加中間には引渡条約はない。

⑤孟晩舟はいつもカナダを出ていた。2014年から16年は常に米国に行き、但し去年の4月に米国政府が華為の調査を開始して以降、米国には意識して行かなくなった。最後に行ったのは2017年3月。

⑥孟晩舟は多くの詐欺罪で訴えられていて、各詐欺罪の一つ一つの最高刑は30年である。このため孟晩舟を保釈すれば逃げる可能性がある。

⑦スカイコムは華為の支配下にあり、職員の電子メールアドレスは@huawei.comがつくし、職員自身華為職員と名乗っている。

⑧電子チップ埋め込みは逃亡の可能性を低めるが、ゼロではない。

⑨カナダの法廷はかつて2014年に中国国民の蘇斌(音がSu Binなので漢字に当て嵌め)に保釈を禁じた前例もある。ブリテイッシュ・コロンビア州は米軍機密を窃取した蘇斌を逮捕、裁判所は保釈を認めなかった。

米国側は証拠をカナダ法廷に提出。「孟は中国国民でカナダ国民ではない。またカナダにも住んでおらず、合法身分も持っていない。孟とカナダの関係はなく、多くのパスポートとビザを持っている。このことは、彼女が容易にカナダを離れることができることを意味する。注目すべきは孟が米国旅行で使ったパスポートは米国政府の預かり知らぬものであった。7冊のパスポートNoも出した。カナダ政府がカナダには入ったときのパスポートやビザを没収しても、別の番号のパスポートを使ってカナダから逃げることができる」と。

米国の検察は「孟は米国の逮捕する意図を察知して米国から逃げた。調査が始まってから、華為の高層は米国に入らなくなった。」と指摘。司法省は「華為の行為は孟と華為の米国での起訴と孟の逮捕を阻止していたことを証明するものである。孟には引渡の過程で動かす力はなく、カナダに留まるだけである」と指摘した。

https://www.aboluowang.com/2018/1211/1216349.html

孟は完全にスパイです。国ごとに違ったパスポートを使って入国していたのでしょう。イランに入る時と米国に入る時と違っていれば、要注意人物と看做されなくて済みますから。

北村氏の記事は、相変わらず中国政府は都合の悪い事実を隠蔽、でも下には対策ありで処分された豚肉を流通させてしまいます。まあ、いつものことですが。中国から日本に入ってくる分について店で買う分はチエックできますが、外食時には分かりません。外食時、豚肉はできれば避けた方が良いでしょう。

貿易戦争で、中国へ米国産大豆と豚肉が輸出できトランプにとっても喜ばしい話で、そのお礼に孟晩舟の逮捕ですから。米国は関税はそのままにして、増やしていないだけで、勝負は米国の勝ちでしょう。アホな日本の経営者は見抜けるかな?

記事

遼寧省瀋陽市にある養豚場で8月、最初のASF発生が疑われた(写真はイメージ)。

11月29日夜、中国政府“農業農村部”の新聞弁公室は通達を出して、天津市“寧河区”にある養豚場で“非州猪瘟(アフリカ豚コレラ)”(略称:ASF)の発生を確認したと報じた。同養豚場で飼育していた豚は361頭だったが、そのうちの67頭が死亡したという。天津市では10月12日に最北部に位置する“薊州区”の“侯家営鎮”にある養豚場で292頭の豚がASFを発症し、そのうち189頭が死亡した。これが“京津冀(北京市・天津市・河北省)”地区において最初に出現したASFの発症だった。

中国で最初のASF発生が疑われたのは2018年8月1日で、場所は遼寧省“瀋陽市”の“瀋北新区”にある養豚場であった。同養豚場には383頭の豚が飼育されていたが、このうち47頭が発病し、47頭全てが死亡した。この情報を受けた中央政府の農業農村部は地元の瀋陽市政府に防疫措置とサンプル検査を行うよう緊急指令を発し、サンプル分析を経て、8月3日に“国家外来動物疫病研究中心(センター)”が発生した疫病をASFであると確認したのだった。

8月3日付のメディアは、中国初のASF発生に関し次のように報じた。すなわち、ASFの発生が確認されたことで、農村農業部は『ASF緊急対策案』に基づきⅡ級応急措置を発動した。地元の瀋陽市政府はこれに呼応して、周辺3km区域の封鎖、豚の殺処分、無害化処理、消毒などの措置を取り、“生猪(生きた豚)”及びASFに感染しやすい動物と製品の封鎖区域への搬入あるいは封鎖区域からの搬出を禁止した。これと同時に瀋陽市は市内全域に対し“生猪”を市外へ輸送することの禁止を発令した。なお、8月3日15時までに、封鎖区域内の“生猪”913頭は全て殺処分されて無害化処理された。また、消毒作業も完璧に行われ、ASFは有効的に抑制された。

中央政府の農村農業部は、瀋陽市政府からASFを有効的に抑制したとの報告を受けて安堵(あんど)すると同時に事態を楽観視していた可能性が高い。8月16日には河南省“鄭州市”の“双滙食品公司”の食肉処理場で黒龍江省の“佳木斯市湯原県鶴立鎮”から運ばれて来た豚260頭中の30頭がASFで死亡したことが確認された。地元の鄭州市当局は当該食肉処理場を疫病の汚染区域に定めて封鎖すると共に、残る230頭全てを殺処分し、汚染区域からの搬出を禁止した。

しかし、不思議なことに、この時点では豚の供給元の黒龍江省におけるASFの発生は確認されていなかった。ASFの発生は、8月19日に江蘇省“連雲港市”、8月22日に浙江省“温州市”の管轄下にある“楽清市”、8月30日に安徽省“蕪湖市”、9月2日と3日に安徽省“宣城市”、9月3日に江蘇省“無錫市”の管轄下にある“宜興市”で、それぞれ確認された後の9月5日と6日に漸く黒龍江省の“佳木斯市(チャムス市)”の2地点でASFの発生が確認された。それは何と、8月16日に河南省鄭州市でチャムス市から来た豚からASFの発生が確認されてから3週間後のことだった。

その後もASFの発生は、安徽省、河南省、内蒙古自治区、吉林省、遼寧省、天津市、山西省、雲南省、湖南省、貴州省、重慶市、湖北省、江西省、福建省、四川省、上海市、北京市でそれぞれ確認された。上述したように、直轄市である天津市は10月12日に初めてASFの発生が確認されたが、重慶市は11月4日、上海市は11月17日、北京市は11月23日にそれぞれASFの発生が確認された。これで4つの直轄市全てがASFに陥落したことになる。そればかりか、11月25日までに20の一級行政区(省・自治区・直轄市)の49カ所の市・区・盟で、75件の“家猪(飼育された豚)”のASF発生と1件の“野猪(イノシシ)”のASF発生が確認されたのである。

“野猪”は11月16日に農業農村部の新聞弁公室が通達を出したもので、吉林省“白山市”の“渾江区”で発見された野生のイノシシの死骸を検査した結果、ASFのウイルス核酸が陽性を示したというものだった。これによってASFが野生のイノシシにも感染しているという由々しき事態が判明したのだった。野生のイノシシが彼らの社会の中で次々と感染すれば、発症したイノシシは全て死亡することになり、野生のバランスを壊すことに繋がるし、その肉や糞便を食べて感染する動物がいないという確証はない。

殺処分された豚の総数は60万頭にも

ところで、ASFは伝染性が強く、発症した豚の死亡率は高く、ほぼ100%に達しているが、現状では予防と治療に用いられるワクチンはない。このため、ASFの発生が確認されたら、その地域の豚を全て殺処分して無害化処理し、地域全体の消毒を徹底し、物品の移動を禁止するしかない。12月1日付の中国メディアは、ASFの発生に伴い殺処分された豚の総数は、11月22日の午前中までの時点で60万頭に及んでいると報じている。

言葉で60万頭と聞くと「あーそうか」と聞き流すかも知れないが、成長した豚は1頭で体重が300~400kgにもなるので、体重60kgの人間なら5~6人分になる。従い、重さで考えると60万頭は人間なら300~360万人になる勘定で、日本なら「市の人口」第2位の横浜市の人口(370万人)に相当する。それだけの豚が殺処分されたのだから、一大事であるだけでなく、何の補償もなく大事な豚を殺さざるを得なかった養豚業者にとって経済的な損失は甚大である。

中国でASFの蔓延が懸念されることから、国際連合食糧農業機関(FAO)は9月5日にタイのバンコックで、日本、カンボジア、ラオス、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、韓国、タイ、ベトナムの専門家を招集して、会期3日間の緊急会議を開催し、中国のASF蔓延を防止するための対策を討議した。しかし、上述したように、現状では予防と治療に有効なワクチンはなく、中国製の豚肉や加工品の輸入を阻止することが唯一有効な方策なのである。

日本、韓国、台湾では、中国人旅行者が持ち込む肉製品を空港の検疫で摘発することで、ASFの国内流入を防止している。しかし、摘発した肉製品には販売者名はあっても、製造者名がない場合が多く、製造者および製造地点の特定は難しいのが実情である。台湾・金門島の出入国管理事務所で中国から来た旅行客が捨てた“双滙香脆腸(双滙印のソーセージ)”からASFのウイルスが見つかったことは特筆すべきことであった。“双滙食品公司”は中国最大の肉製品加工企業であり、上述した8月16日に河南省鄭州市でASFの発生が確認されたのも、双滙食品公司の食肉処理場だったからである。

汚染肉を人間が口にしたら

それではASFウイルスに汚染された豚肉や豚肉加工製品を人間が食べてしまった場合はどうなるのか。“中国健康教育研究所”の前所長である“陳秉中”はメディアの質問に対して次のように答えている。すなわち、人がASFウイルスに汚染された豚肉を食べると、豚肉は消化されて排泄されるが、その排泄物はASFウイルスを含んでいる。また、その豚肉を食べた人はASFウイルスを体内に保有する保菌者になる。人間はASFウイルスによってASFに感染することはないが、ASFウイルスの保菌者が別の地域へ行けば、その排泄物によってASFウイルスをまき散らすことになるので、ASFウイルスに汚染された食品は食べないに越したことはない。

2018年5月下旬、中国と米国間の貿易交渉が決裂したことで、貿易戦争の勃発が決定的となった頃、ロシア大統領のプーチンは、中国が米国からの豚肉購入を禁止するなら、ロシアはいつでも中国向けに豚肉を供給する用意があると言明して、中国市場への参入に期待をにじませた。しかし、現在中国で問題となっているASFは、2007年にロシアへ流入し、ロシアと東欧地域で流行していたもので、2017年にはロシアの各地で多数のASF発生が確認されていたのである。

日刊紙「科技日報」が報じたところによれば、“中国農業科学院”「ハルビン獣医研究所」の豚伝染病研究室主任の“仇華吉”は、「DNAシークエンシングの結果として、今回中国でASFの発生を引き起こしているウイルスは遺伝子Ⅱ型であり、一部の遺伝子配列はジョージア2007株とロシア・イルクーツク株の遺伝子配列と完全に一致した」と述べている。また、“中国軍事科学院”「軍事医学研究所」の軍事獣医研究所は8月13日付のレポートの中で、「中国で発病して死んだ豚から採取したウイルスの遺伝子は、ロシアで流行しているASFウイルスの遺伝子と密接な関係がある」と述べている。要するに、中国で現在蔓延しているASFはロシアから流入したものであることは明白な事実なのである。中国は2008年以降ロシアからの豚肉輸入を禁止しているが、10年間も堅固であった防護壁のどこかに穴が開き、ASFウイルスの侵入を許したとしか考えられない。

中国には31の一級行政区(省・自治区・直轄市)があるが、上述したようにすでに20の一級行政区でASFの発生が確認されている。地方政府は都合の悪いことを隠蔽する傾向が強い中国で、果たしてASF発生を確認された⼀級行政区が本当に20で止まっているかは甚だ疑問だが、予防や治療に有効なワクチンがないのだから、このまま行けば、ASFの発生は数カ月のうちに31の一級行政区全域に及ぶことが想定できる。

無害化処理した豚が流出?

一方、ASFの発生が確認された地域では殺処分された後に無害化処理されたはずの豚が秘密裏に食肉市場へ流出する事件が各地で明るみに出たことが報じられている。そうしたニュースが報じられることにより、全国的に人々が豚肉やその加工品を敬遠するようになって豚肉離れが進行している。その結果、豚肉の消費が落ち込み、豚肉価格は大幅に下落して、養豚業者並びに養豚農家は苦境に立たされている。そんな最中に彼らを悩ましているのは、米中貿易戦争によって付加された米国産大豆に対する25%の追加関税であり、その結果として生じた米国産大豆の数量不足が豚用飼料に混ぜる脱脂大豆の価格高騰を促していることである。

ところで、中国国内でASFの蔓延が続く中、福建省“厦門(アモイ)市”を本拠地とする“厦門航空”は、11月24日に暫定的に機内食から豚肉を除外すると発表した。これは全国各地で発生が確認されるASFを懸念した“厦門市市場監督管理局”の要求によるもので、11月24日から厦門航空のフライトで提供される機内食には豚肉および豚肉加工品の使用を暫定的に見合わせるというものだった。しかし、翌25日に厦門航空は前言を取り消して豚肉を使った機内食を提供すると言明した。彼らは機内食には関係部門の検疫に合格した豚肉および豚肉加工品を使用するので、食品安全基準に合致すると表明した。

厦門航空がたった1日で方針を変更して、従来通り豚肉を使った機内食を提供することになった背景が何であったのかは残念ながら分からない。但し、肉類の中で中国人の最も好むのは豚肉であることは論を俟たない。中国政府“国家統計局”のデータによれば、2017年における世界の豚肉消費量が1億1103万トンであるのに対して中国の豚肉消費量は5487万トンで、世界の豚肉消費量の49.6%を占めていた。また、米国農務省(USDA)の予測によれば、2018年における世界の豚肉消費量は1億1258万トンで、世界最大の豚肉消費国である中国の豚肉消費量は2018年に5612万トンに達し、世界の豚肉消費量の50%を占める。

国内に安全を保証できる豚肉を確保できない中国政府にとって、国民が望む安全な豚肉を大量に確保しようと思ったら、頼れる所は米国しかない。同様に、11月以降に1000万トン以上の不足が見込まれる大豆も供給を頼れる所は米国しかないのである。

米国からの豚肉輸入拡大に安堵?

11月30日から2日間の日程で20カ国・地域(G20)首脳会議がアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催されたが、同会議に参加した米国大統領のトランプと中国国家主席の“習近平”は12月1日に会談を行った。世界が注目した貿易分野の問題では、米国が2000億ドル相当の中国製品に課した追加関税の税率を、来年1⽉に現行の10%から25%に引き上げるとしていたのを90日間猶予し、この間に中国の知的財産権侵害の改善策に関する協議を継続することで合意した。また、中国は農産物を中心とした米国産品の輸入拡大に努めることで合意した。但し、90日間の猶予期間中に知的財産権侵害の改善策で合意に達しない場合は、米国は追加関税を25%に引き上げることを実施するとした。

中国は農産物を中心とした米国産品の輸入拡大に努めることで合意したというが、これは中国にとって望むところであった。上述したように、現在の中国にとって豚肉と大豆を米国から輸入しないことには、「食べることが最重要事項である」と考える中国国民の不満を抑えることができなくなりかねない。そうした危機感の下で、自国の面子を保ち、渋々ながらを装いつつ、米国産品の輸入拡大に努めると言明したが、その実は恥も外聞もなく米国から輸入したかったのが豚肉と大豆だったのだ。

中国政府は追加関税の引き上げ凍結に90日間の猶予期間が設けられていることなど、自国に不利な条件を国内向けには報じておらず、中国国民はあたかも貿易交渉で中国が米国に勝利したかの錯覚に陥っているが、中国が90日間の猶予期間内に問題解決を図るのは難しいように思われる。それはともかくとして、豚肉と大豆を米国から堂々と輸入することにより、中国が一息つけることはまちがいない。

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『「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人 文在寅は米国に「縁切り」を言わせたい』(12/7日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/10facebook 這個星球上前所未見的邪惡 12月4日 14:41 ·

【日本NHK製作的《五毛黨》紀錄片】

日本《東京電視台》赴中國探訪「五毛黨」,一名廣東大學生表示,自己就是一位業餘為政府發聲的網路留言者,短短在2到3個小時之內就能發超過300帖,最高收入一天能賺逾100人民幣(約500元新台幣)

影片轉載自Youtube:…

[NHK Japan (TV東京の誤り)が作った五毛党のドキュメンタリー]

日本の東京テレビが中国に行き、”五毛党”を訪問した。 広東大学の学生が余暇を利用し、政府のためにネットでの書き込みをしている。 2 ~3時間内で300件以上の投稿を出すことができる。一日の最高の収入は100人民元(約500 台湾$)を得られる。

Youtubeからの動画転載:

12分45秒と長いです。後半は米国にいるチベット人支援のデモとそれに反対する中共支持の五毛党?洗脳されているのが分かり、彼らの旗色は悪い。

https://www.facebook.com/organ.harvest/videos/202108667367561/

12/10NHKニュース<“中国企業は安全保障上の脅威” 米で警戒感さらに強まる>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181210/k10011741211000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

12/10阿波羅新聞網<特朗普知道孟晚舟被抓后 是这个反应…=トランプが孟晩舟の逮捕を知ってからの反応は・・・>国家経済委員会主席のクドローは12/9にFOXのインタビューを受け、「トランプ大統領が12/1習近平主席と会談している時は、米国の要請していた華為の孟晩舟CFO逮捕についてその日は知らなかった。後で知ったが、何の反応もなかった」と答えた。

https://www.aboluowang.com/2018/1210/1216042.html

12/10阿波羅新聞網<孟晚舟被抓 美重量级参议员:肯定会重提法案 封杀华为等电讯公司=孟晩舟の逮捕で米国の重きを為す上院議員(マルコルビオ)は「華為等通信会社の息の根を止めるため、必ずまた新しい方案を出す」と>中国の通信企業の巨頭である華為のプリンセスがカナダで逮捕され、ルビオは日曜に「再度新しい方案を出す。華為等中国の通信会社が米国でビジネスすることを禁止する」と。

日本も注意しませんと。ソフトバンクは華為と5Gで提携していますので、解消しない限り、彼らは米国でビジネスできなくなるのでは。ソフトバンク上場の話がありますが、暴落する危険性があります。反日企業には近づかないことです。12/1に通信回線が遮断されたのも、華為と提携しているエリクソンとソフトバンクに米国が警告したのかもしれません。ソフトバンクはアリババの大株主ですし。

https://www.aboluowang.com/2018/1210/1216080.html

12/10阿波羅新聞網<习近平如报复加拿大软柿子 专家警告后果或比中共想象严重=習近平が脆いカナダに報復すれば中共が考えている以上に厳しい結果を齎すと専門家は警告>サウスチャイナモーニングポストは9日、中国人民大学の時殷弘氏の言を引き、「孟晩舟の事件は中国政府を困難に陥れている。一方、海外にいる国民を保護する必要があるが、カナダに強烈に抗議すれば、他の先進国家を驚かすことになる。中国はVIPの国民に対し、将来海外での活動が脅威と看做されるかどうか、身の安全の問題に関心がある。もう一つは米中関係が悪化していく中で、中国は他の先進国家と関係改善しなければならず、それは国益に合致する。もし、カナダに激しい報復を浴びせればその他の国との関係もおかしくなる。これはデイレンマだ」と。

中国は技術を窃取、中国内での自由な活動の制限、技術の強制移転等強盗と同じことをして来ました。そんな国の言うことを馬鹿でもない限り信じないでしょう。小生が2005年、中国から戻って来たときに中国の実態を話しても信じて貰えませんでしたが、今米中貿易戦争が起き、証拠が一杯上がってきていますので、中国の言うことは信じられないでしょう。日本が馬鹿な国民と思われないようにしてほしい。

https://www.aboluowang.com/2018/1210/1216017.html

12/10ZAKZAK<“きりもみ状態”韓国・文政権は突き放せ! 甘い顔は「百害あって一利なし」>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/181210/soc1812100001-n1.html

志願工の募集会社に賠償を認めた韓国最高裁の判事を選んだのは文在寅ですから、その判決になるというのは確信犯でしょう。左翼大統領ですから、米国、日本と関係がおかしくなって、韓国内で革命が起きれば良いと思っているのでしょう。フランクフルト学派の亜流では。でも日本は長谷川氏の記事のように放って置けばよいというか、厳しい制裁を矢継ぎ早に出して、韓国を締め上げることです。中国は朝鮮人を動物以下と思って飼いならしていますからいう事を聞くのです。日本も彼らに体で覚えさせないと駄目です。

鈴置氏の記事は米国と日本がタッグを組んで金融制裁に走るのではという事です。12/9の本ブログで、「ロシア、イランとくれば、次は北朝鮮でしょうか?」とコメントしましたが、その通りになるかもしれないという事で嬉しく思っています。

日本はサムスンへの部品供給を停止することです。スマホが世界に供給できなくなるかもしれませんが仕方がない。代わりに中国を助けることになるかもしれませんが。日本の電機メーカーが役に立たないのは痛い。経営者がアホだったからとしか言いようがありませんけど。5Gに向けて世界のスマホメーカーの組換が行われれば良いのにと思いますが。特に米国でスマホとその部品を作る日本メーカーが出てくれば良いのに。所詮は素人の判断でしょうか?

日本から断交を言うのではなく、韓国から言わせるように厳しい制裁を課していくことが正解でしょう。それで韓国が赤化され、人民が虐殺されようとも自業自得です。アカが悪いという判断もできない民度の民族でしょうから。

記事

20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、11月30日に開催された米韓首脳会談は「非公式」に格下げされた(写真:White House/ZUMA Press/アフロ)

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駐韓米国大使が「米韓同盟はいつまであるか分からない」と語った。

米大使が警告

鈴置:韓国に駐在するハリス(Harry Harris Jr.)米国大使が「米韓同盟がいつまでもあると思うな」と韓国に警告しました。文在寅(ムン・ジェイン)政権が制裁緩和を唱えるばかりで、北朝鮮の非核化に不熱心――はっきり言えば非核化を妨害しているからです。

ハリス大使は「2018年統一貢献大賞」を受賞。11月26日にソウル市内で開いた授賞式での発言でした。

朝鮮日報社の発行する月刊朝鮮が独自ダネ「ハリー・ハリス駐韓米大使、『米韓同盟を当然視してはいけない』」(韓国語、11月27日)で報じました。大使の発言を記事から拾います。式の参加者が同誌に伝えたものです。

(米朝首脳会談により)北朝鮮に肯定的な変化が生まれる可能性が無限にあると考えている。しかしこれは金正恩(キム・ジョンウン)委員長が非核化に関する自身の約束を守る時にのみ可能になる。

北朝鮮が非核化に関する具体的な措置をとるまで、現在の制裁が維持されるということだ。文大統領が語ったように、南北対話は非核化の進展と必ず連携されることだろう。

「南北対話は非核化の進展と必ず連携される」とは外交的な修辞です。「北朝鮮が非核化しない限り、米国は制裁緩和を認めない」と韓国にクギを刺したのです。

金正恩の使い走り

9月下旬に訪米した際、文在寅大統領はあちこちで「北朝鮮は平和に向け動き出した」「金正恩委員長は信頼できる」などと強調しました。

このため米メディアが「文在寅は金正恩の首席報道官」と揶揄するなど「韓国は北朝鮮の別働隊」との見方が広がったのです(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。

10月10日、トランプ(Donald Trump)大統領はホワイトハウスで「韓国は米国の承認なしに何もできない」と3度も繰り返し語りました。韓国が対北援助の再開に動くことに関し、記者から聞かれての答えです。

もちろん「勝手に動くな」と叱責したのです(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

それでも文在寅政権はめげませんでした。10月中旬の欧州歴訪では、仏、英、独の首脳と会談し対北制裁をやめさせようと画策しました。

ローマ法王まで利用する徹底ぶりでした。欧州を味方に付け、米国を孤立させようとしたのです。もちろん、そんな試みは失敗しました(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。

同盟を当然と思うな

—露骨になる一方の「韓国の裏切り」。それに対しハリス大使は警告したのですね。

鈴置:その通りです。そうした文脈の中で「米韓同盟消滅」に言及したのです。記事からその部分を引用します。

最後に一言申し上げたい。我々の同盟は確固として維持されているが、我々はこれを当然視してはいけない。

韓国がこんなに同盟をないがしろにするのなら、打ち切ってもいいのだぞ――と匂わせたのです。月刊朝鮮も前文で、以下のように解説しました。

非核化もしないのに韓国政府が南北対話や対北制裁解除を推進する場合、同盟が揺れることもあり得ると暗示した。

私の記憶する限り、米政府高官が公開の席で「同盟破棄」に言及して韓国を脅したのは初めてです。韓国の親米保守は驚愕しました。

フィリピンを思い出せ

朝鮮日報の元・主筆の柳根一(ユ・グンイル)氏がこの発言に直ちに反応し、保守系サイトの趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに記事を載せました。

ハリス米大使『韓米同盟を当然視するな』」(11月27日、韓国語)です。柳根一氏はまず「米国は韓国を見捨てない」との思い込みに警告を発しました。

ハリス大使の発言は韓国に対する米国の断固とした警告に聞こえる。米国は卑屈に同盟を求める国ではない。

一部の人は言う。米国は自分の利益のために韓国に軍隊を置いているのであって、韓国のためではないと。バカも休み休み言うべきだ。

在韓米軍基地がたとえ、米国の戦略的な利益のために必要であったとしても、韓国人たちが望まなければいつでも離れる用意があると見なければならない。

フィリピンの政治家たちが「民族主義」を掲げて米軍撤収を言いだすと、米国はピナツボ火山噴火を口実にクラーク基地をある朝に捨て、去った。米軍が離れるや否や、比海域には中国海軍が忍び寄った。

韓国では左派に限らず普通の人も、そして多くの保守派までも「米国は自分の利益のために軍を韓国に駐屯させている」「だから少々我がまま言っても同盟は打ち切られない」と信じています。

柳根一氏はハリス大使の発言を聞いて「単なる脅しではなく本気で韓国を捨てるハラを固めたな」と焦った。そしてこの記事を書くことで韓国人に、状況が大きく変わった。幻想を捨てよ、と訴えたのです。

左派の陰謀

—「状況が変わった」とは?

鈴置:次のくだりを読むと分かります。ポイントを翻訳します。

韓国の運動圏(左派)は内心、米国が韓国に愛想を尽かして自ら離れて行くことを望んでいるのかもしれない。だから米国が愛想尽かしするようなことばかり選ぶ手法をとっているとも言える。

「我々がいつ、出て行けと言ったか。我々はただ、自主的であろうとしただけなのに、あなたたちが公然と怒って出て行ったのだ」というわけだ。

この方式はすでにある程度、実行に移されている。米国は今や十分に怒っている。少し前、韓国外交部を担当する記者らがワシントンに行った時、あるシンクタンクの研究員が米国の官僚らが韓国のやり方に猛烈に怒っていると伝えたのではなかったか?

そうなのだ。韓国人は韓米同盟を当然視してはいけない。いったいどの国が、自尊心を傷付けられてまで同盟という見せかけに縛られると言うのか?

文在寅政権は米国から「縁切り」を言わせたい。そこで米国が怒るよう仕向けている。「そんな卑怯なやり方をすれば、米国は本当に怒って出て行くぞ」と、柳根一氏は「左派が演出した危い状況」に警鐘を鳴らしたのです。

—その見方は正しいのですか?

鈴置:私もそう見ます。文在寅大統領はじめ、政権中枢の運動圏出身者は、米韓同盟こそが民族を分断する諸悪の根源と考えているからです(「『米韓同盟消滅』第1章「離婚する米韓」参照)。

ただ、文在寅政権が同盟破棄を言い出せば、韓国の保守や普通の人、あるいは左派の一部も反対するでしょう。米国を分断の元凶となじる韓国人にも、米国に守ってもらいたい人が多い。

だから文在寅政権は米国から同盟破棄を言わせるよう仕向けているのです(「『言うだけ番長』文在寅の仮面を剥がせ」)。

なぜイライラさせるのか

—米国もそれに気付いているのでしょうか。

鈴置:もちろんです。米国人は韓国人が考えるほどバカではありません。文在寅大統領の9月の訪米で、韓国が北朝鮮の使い走りに堕ちたことは天下に知れ渡りました。当然、米国は韓国の裏切りを監視する体制を強化しました。

米政府は日本にも安保・外交専門家を送り込み、「文在寅政権は何を考えているのか」を聞いて回りました。10月、そんな1人からヒアリングを受けました。何と、最初の質問が「韓国はなぜ、我々をイライラさせるのか」でした。

—どう答えたのですか?

鈴置:「米国側から同盟解消を言わせたいのだろう。もし文在寅政権が先に言い出せば、青瓦台(大統領府)は保守派のデモで取り囲まれるであろうから」と答えました。

すると相手は大きくうなずいてメモを取りました。新しい知見に感動して、というよりも「日本の専門家もそう見ているのか」といった感じでした。

米政府も、同盟廃棄に向けた韓国のやり口はすっかり見抜いています。ヒアリングの対象になったのは、9月に『米韓同盟消滅』というタイトルの本を出したこともあったようです。

「韓国疲れ」とこぼす米高官

米韓同盟消滅』の第1章「離婚する米韓」で説いたように、トランプ大統領は北朝鮮の非核化が実現するなら、米韓同盟を廃棄してもいいと考えている。

注目すべきは、米政府や米軍の高官たちもそう考え始めたことです。日本のカウンターパートに対し「韓国疲れ(Korea fatigue)」とこぼす軍出身の高官が増えたそうです。大統領と同様に、非核化と同盟廃棄の取引を進めるハラを米軍も固めた可能性があります。

12月に実施予定だった米韓空軍の合同演習「ヴィジラント・エース(Vigilant Ace)」が10月に中止が決まりましたが、米国側の発案でした。

ハンギョレの「韓米ビジラントエース演習の猶予は米国から先に提案した」(10月21日、日本語版)など、韓国各紙が一斉に報じました。

CNNは「国防総省、米韓軍事演習の中止を発表 米朝交渉に配慮」(10月21日、日本語版)で「トランプ大統領が高額の出費を強いられる演習を嫌う」「米朝関係に配慮した」などの理由を挙げました。

ただ、日本の専門家によると米軍の現場からは「韓国軍と肩を並べて戦うことはもうない。である以上、合同演習などは無駄だ」との声が漏れてくるそうです。

米軍内にも「米韓同盟は長くは持たない」との意識が広がった。米海軍大将で、太平洋軍司令官だったハリス大使が「米韓同盟を当然視するな」と韓国人に警告したのも別段、不思議ではないのです。

日韓関係も破壊

—韓国が日本を「イライラさせる」のも……。

鈴置:米韓同盟破棄の伏線を敷いているつもりでしょう。10月30日、戦時の朝鮮人労働者に賠償するよう、韓国大法院(最高裁判所)が新日鉄住金に命じました(「新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判」参照)。

日韓国交正常化の際に取り交わした請求権協定を完全に否定する判決でした。これにより日韓両国は国交の基本的あり方を確認した条約を失いました。無条約時代とも言うべき状況に突入したのです(「文在寅政権は『現状を打ち壊す』革命政府だ」)。

11月21日には韓国政府は、従軍慰安婦問題に関する「和解・癒やし財団」――いわゆる「慰安婦財団」の解散を発表しました 。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年末の日韓合意を踏みにじりました。

日本を怒らせ日韓関係を破壊すれば、米韓同盟にもヒビが入ります。日本では「韓国防衛のために日本が戦争に巻き込まれる危険性を冒すべきではない」との主張が高まり、朝鮮半島有事の際の在日米軍基地の使用が難しくなるのは間違いありません。

在韓米軍は日本という強力な兵站基地があって十分に機能します。米国はますます在韓米軍を維持する意欲を失うでしょう。

日米からのけ者にされた

11月30日、12月1日の両日にアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議が象徴的でした。この場を利用し、各国は相次いで2国間の首脳会談を持ちました。

最高裁判決などで無茶苦茶なことをして来る韓国に怒った日本は、いつもなら開く日韓首脳会談を実施しませんでした。

トランプ大統領は11月30日に文在寅大統領と会いましたが、ホワイトハウスはわざわざ「会談はpull asideである」と断りました。「pull aside」とはイベント会場の片隅で実施する立ち話のような、非公式の会談を意味するのだそうです。米国は韓国をはっきりと「格下げ」して見せたのです。

「米国と日本から見捨てられた」と、もっと大きなショックを韓国人に与えたのが、日米がインドを安全保障上のパートナーに引きこもうと開いた初の3カ国首脳会談(11月30日)でした。

中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長は「『外交だけ質問せよ』は自信感、ですよね?」(12月5日、韓国語版)で以下のように書きました。

インドのモディ首相は「日本(Japan)、米国(America)、インド(India)の頭文字を足した「JAI」なる新語を創り出し「民主主義の価値を象徴するJAIが平和と繁栄を共に創ろう」と語った。すると安倍首相が待っていたかのように相槌を打った。「自由で開放されたインド太平洋に向けこの3カ国で進もう」。

昨年7月のG20首脳会議と9月の国連総会では韓米日の3カ国首脳会談が行われた。だがそれ以降途絶えた。北朝鮮にオールインし、米中間でどちらにつこうかとうろうろする韓国は除かれ、代わりにインドが入ったのだ。

保守に期待できるか

—米国はどうするつもりでしょうか?

鈴置:保守派に期待しているフシがあります。彼らをして、文在寅政権の対北支援を阻止させたいと考えているようです。米国の専門家からのヒアリングでも「保守派に期待できるか」との質問がありました。

—何と答えたのですか?

鈴置:「保守勢力は分裂しており力がない。左派の対北傾斜をどこまで防げるかは不透明だ、と韓国の友人は言っている」と答えました。ついでに「ご質問が『クーデターは可能か』ということなら、それは不可能と見られている」と言っておきましたが。

—「クーデターに期待できない」米国はどう出ますか?

鈴置:過去、韓国が逆らった時は「通貨」で脅しました。1997年の通貨危機も米韓関係が悪化した状況下で起きました。

『米韓同盟消滅』の第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」で、米国の手口を詳しく説明しています。

現在、韓国は資本逃避が起きやすい状況に陥っています。米国の今後予想される利上げで米韓金利差が広がるというのに、韓国は個人負債の膨張のため金利を上げにくい。半導体市況の低迷で貿易黒字も減ると見込まれています。いずれも通貨危機の危険信号です。

日米共同で対韓制裁?

「通貨」で韓国を脅すやり方には大きな副作用があります。韓国の反米感情を育てるからです。1997年の通貨危機は米韓関係悪化の大きな引き金となりました。

ただ、同盟を長く続けるつもりがないのなら、米国は反米感情に神経を払う必要はなくなる。それは日本も同じです。韓国が米国の同盟国から外れるのなら、これまでのように遠慮しなくてよいのです。

ちょうど今、日本も韓国に対し経済制裁を検討し始めたところです。朝鮮人労働者の判決の是正を求めているのに、韓国政府は馬耳東風。このまま放っておけば、韓国の無法を認めることになります。日本は何らかの形で韓国に対抗措置を取らざるを得ません。

一方、米国も北朝鮮の核武装を助ける韓国をここで叩いておきたい。日米が一緒になって韓国の弱点たる「金融」を攻める可能性が出てきました。

(次回に続く)

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『米中首脳会談、中国が大きな譲歩をした理由 破談となった時、米国は関税率引き上げられるのか?』(12/7日経ビジネスオンライン 森永輔)について

12/9阿波羅新聞網<重磅!孟晚舟去法庭前 加戴手铐脚镣!=重大:孟晩舟 法廷に行く前に手錠と足枷が>12/8中共の官製メデイアの環球時報は、「孟晩舟は12/1カナダ警察によりバンクーバー空港で逮捕、拘留施設までずっと手錠をはめられていた。その晩、規則により病院へ送られ、拘留施設への帰り道にはやはり手錠が」と報道。拘留施設から法廷、法廷から矯正センターまでは手錠だけでなく、足枷も。保釈が認められるかどうかは次の審理で決定。開廷時間は台湾時間の11日午前2時。

中国が孟の人権を言うなら、ウイグル人の人権はどうなっていると聞きたい。

https://www.aboluowang.com/2018/1209/1215636.html

12/8阿波羅新聞網<厉害了!华为 恶棍中的恶棍 孟晚舟只是一个切入点=酷い!華為は悪漢中の悪漢 孟晩舟は切り口に過ぎない>12/7カナダ法廷は華為の副会長兼CFOの孟晩舟の保釈聴聞会を開いた。米国司法省は、「孟晩舟は華為とイランと違法に取引した廉で逮捕された」ことを証明した。「公民力量」の創設者の楊建利は「イランに向けて米国の技術を盗んで運ぶ指示については切り口に過ぎず、華為は中共のスパイであるだけでなく、中共の軍事指揮官の養成所である」と考えている。政治評論家の陳破空は「華為は西側の政治家に賄賂を贈ったり、丸め込んだりするばかりでなく、中国人の監視までする」と分析。ポンペオは「中共は悪漢。華為は悪漢中の悪漢と言える」と。

https://www.aboluowang.com/2018/1208/1215511.html

12/9看中国<孟晚舟被抓北京抗议 前检察官:义和团愤怒(图)=孟晩舟の逮捕に北京は抗議 前検察官は義和団の怒りと同じと>華為のCFOの孟晩舟がカナダで逮捕後、中共の官僚とメデイアはカナダに激しく抗議。科学技術の専門家は「米国の要求に随い逮捕したのは合法措置(long-arm jurisdictionと刑事司法協助条約)である」と指摘した。前中国検察官の沈良慶は「中共の反応は典型的な義和団式の怒り方である(都合の悪い意見は削除、書いた人間は拘留して意見を封殺。怒りも中共の宣伝世論である。“ゲッペルスの言った嘘も千回言えば真実になる“の意)」と述べた。

沈良慶は「12/1米国物理学者・張首晟の飛び降り自殺と孟の逮捕は関係がある。G20の時にアルゼンチンで孟と張は会う準備をしていた、中国は多くの栄誉と多くの資金を帳に与えた」と述べた。

華為のプリンセスの逮捕は全世界の注目を集める

昨日の本ブログで張首晟の自殺と孟の逮捕は関係があるのではと述べましたが、ヤハリと言ったところです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/12/09/878676.html

12/7希望之声<科米的律师阻止他在国会作证时回答关键问题=コミーの弁護士は議会聴聞会で大事な問題についての回答を阻止>12/7(金)前FBI長官の下院聴聞会で、Darrell Issa共和党議員からの「ヒラリーとメール漏洩事件の関係と反トランプ案との関係」についての質問に対し、コミーの弁護士は回答を阻止した。来年にこの聴聞会は、民主党が下院を制したため開かれないだろう。

トランプは次のようにツイートした。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/07/n2460928.html

孟晩舟の逮捕で米中貿易戦争は新たな展開を迎えるでしょう。カナダが公にして逮捕したという事は米国と綿密に打合せしてのことと思われます。11日の次の保釈審理で判事は中国へ逃亡の恐れありとして保釈を認めず、米国へ引き渡すのでは。

米国は孟晩舟を取り調べ、中共の機密窃取のやり方と証拠固めに使うのでは。これで、自由主義国に圧力をかけ華為とZTEの使用を禁じるようにさせるでしょう。

米国の対中ハト派はこれで妥協できなくなったのでは。いくら中国が米国産産品を買うと言ったって不正行為のオンパレードですので。

津上氏の意見は中国に思い入れがあり過ぎて、公平なものの見方ができないのかと。かつ通産官僚だったので、経済にしか関心がなく、軍事的脅威を考慮に入れての発言はありません。割り引いて見ないと。参考意見程度です。

記事

米国と中国が12月1日、首脳会談を開いた。中国の事情に詳しい津上俊哉・津上工作室代表は「予想に反して合意にこぎつけた」とみる。中国側にも米国側にも、妥協を嫌う勢力が存在したからだ。中国が大きな譲歩をしたのはなぜか。

(聞き手 森 永輔)

習近平氏は大きなリスクを負って譲歩を選択した(写真:AP/アフロ)

—今回の米中首脳会談について、津上さんはどこに注目されましたか。

津上:一つは、予想に反して米中が合意に達したことです。唐突との印象を持ちました。米中の対立は「新冷戦」と呼ばれ、10年単位で続くとの認識が広まっていました。10月4日にはマイク・ペンス副大統領がハドソン研究所で、中国を厳しく責める演説もしました。その雰囲気の中、合意に持っていったのは、非常に「トランプ流」でした。

津上俊哉(つがみ・としや)
津上工作室の代表。1980年、東京大学法学部を卒業し、通商産業省(当時)に入省。在中国日本大使館 経済部参事官、通商政策局北東アジア課長を経て退職。2012年から現職。(写真:加藤 康)

第2は、第1と関連して、米国の事情です。いま政策決定にかかわる人々は押しなべて対中強硬姿勢を支持していますが、その後はどうするのかのコンセンサスがみられない。これが「米中首脳会談は合意に達しない」とみる見方が支配的だった理由の一つです。

米政権内の勢力図を俯瞰すれば「冷戦派」「自由貿易派」「反貿易派」が勢力を競い合っている状況と整理できるでしょう冷戦派は「中国が米国の覇権に挑戦することなど許さない」と考える人々。国防総省などがこれに当たります。自由貿易派は「貿易体制をゆがめる中国の行いをやめさせるべき」と主張するグループ。反貿易派は「米国から工場も雇用も奪ったグローバル化は誤りで、時計の針を戻すべき」とみる人々です。

当面強硬姿勢で中国に臨むところまではどの勢力も賛同しますが、その後の考えは異なる。例えば、冷戦派と自由貿易派は同盟国と手を組んで中国に変化を促すべきだと考えますが、反貿易派は多額の対米貿易黒字を計上する日本は「同盟国であっても中国と同罪」とみるのです。

—米国の世論も中国たたき支持に傾いているのでしょうか。

津上:最近訪日したピュー・リサーチのアナリストに私が聞いたところでは、米国民の対中感情に大きな変化は見られないようです。一定のバンド(幅)の中で改善したり、悪化したりしている。今は悪化のほうに触れているけど、このバンドを超えるものではない。中国に対する感情が、真珠湾攻撃直後の対日感情のように劇的に悪化していることはありません。

中国は報復関税を事実上取り下げ

第3の注目点は、中国においても米国との合意のあり方に意見の対立が見られることです。誰しも貿易戦争が終結する、あるいは停戦を合意することが望ましいと考えますが、それが中国の一方的な譲歩の結果であってはならないという声が保守派を中心に存在します。

こうした環境にもかかわらず中国は合意のために大きく譲歩したと思います。まず米国の産品を大量に購入することで合意した。

—ムニューシン財務長官が12月3日になって「中国が米国産の農産物やエネルギー、自動車など1兆2000億ドルの輸入拡大を提案した」 と明らかにしました。

津上:そうですね。特に農産物の買い付けについては「ただちに」と強調しています。これは「関税上乗せのまま買う」ということ。中国が課した対抗関税を事実上無効にする行為です。

さらに、真偽は不明ですが、トランプ大統領がツイッターに「中国は米国製自動車に課している報復関税を削減・撤廃に応じた」と投稿しました。中国は7月、15%だった税率を40%に引き上げていました 。

習近平国家主席は、米クアルコムによるNXPセミコンダクターズの買収計画が再び提出されれば、承認に抵抗することはないとも語っています 。

中国がこれほど譲歩したのに対し、米国は「90日の交渉期間中は追加関税を猶予する」としているだけです。交渉は中国の問題点を取り上げるもので、双務的でもなさそうです。中国保守派のメンタリティーを考えると、習近平国家主席は下手をすれば「外圧に屈した売国奴」と責められかねません。

その点で、米側が戦果を披露しているのに、中国側はこれらの譲歩を発表で明らかにしていないことが気にかかります(事実無根とか誤解とか否定するでもない)。世論の反発を恐れて中身を伏せたがっている可能性があります。

こうした米中双方の事情を考えると、よく合意できたものだと思います。

泣き面に蜂の中国経済

—なぜ中国はそこまでして合意したのでしょう。

津上:経済状況が厳しく、国民の間で不安が高まっているからでしょう。いまの中国経済は泣き面に蜂の状態です。貿易戦争が起きる前から情勢が悪かったのです。

まず債務過剰を打開する見通しは立っていません。ここ1年続けてきたデレバレッジ(債権の回収)で景気が悪化し、とくに民営企業が資金繰り難に遭遇した結果、推進者だった劉鶴副首相が「理屈頼みの経済知らず」とやり玉に挙げられています。

今後の経済運営の指針が求められるときなのに、今秋に開かれるはずだった4中全会が開かれていないことも気懸かりです。「今後の景気刺激は公共工事より減税で」と求める声が多いのですが、そういう点も4中全会ではなく12月の経済工作会議で決めるのでしょう。

なお、減税によっても国債の発行額(財政赤字)は増大し、債務比率が上昇することは変わりませんが、企業や地方政府といった脆弱な主体から中央政府に債務の負担を移すなら、地方政府頼みよりはマシな選択かもしれません。いよいよ日本に似てくることになりますが。

また、過剰債務問題に加えて、民間企業が将来に対する希望を失っていることも深刻な経済問題です。景気の悪化に加えて、政府が進めたデレバレッジで民営企業の資金繰りが苦しくなった。おまけに、公有制を持ち上げる極左的な言説がメディアに登場して、民営企業は「居場所があるのか」と不安を高めています。

海外では貿易戦争の影響が過大視されていますが、中国では、債務過剰や民営企業のビジネスマインドの悪化、それをもたらす環境の方がもっと深刻だという見方が多いのです。「泣きっ面に蜂」とはそういう意味です。

クリスマスクライシスは回避したが……

—首脳会談が合意に達しなかったら、どんな状況に陥っていたのでしょう。

津上:クリスマスクライシス(危機)が起きたかもしれません。

中国が米国に輸出する全商品に25%の関税を上乗せする措置が予告通り採られたら、米ウォルマートの店舗で販売している商品の過半は1割程度値上がりするかもしれません。

そうなったら取引先が中国から東南アジアに代わるだけとの見方もありますが、簡単に代替することはできないでしょう。まず取引のロットが巨大です。新しい取引先が児童労働や環境破壊をしていない証明も必要です。大量輸送の手段も整えなければなりません。

加えて、英国で12月11日、ブレグジットをめぐる法案の議会採決が予定されています。これが否決され、「合意なし離脱」に陥る可能性がある。米中貿易戦争とブレグジットという二つのネガティブな影響が同時に訪れる可能性があったのです。しかし、米中首脳会談が合意に達したことで、とりあえず、クリスマスクライシスは回避されることになりました。

ただし、合意とはいっても、しょせんは暫時の休戦にすぎません。

デカップリング目指す米国の反貿易派

—90日後の展開をどう読みますか。

津上:米企業への技術移転強要の是正、知的財産権の保護、非関税障壁の是正、サイバー攻撃の停止、サービスと農業分野の市場開放といった問題をめぐって、90日間でしっかりした解決策を見出すのは到底無理でしょう。

これらのテーマはそもそも検証が難しい。「中国の対米輸出額を〇〇億円にする」とか「米国の関税率を〇%にする」というテーマなら交渉できます。しかし、「サイバー空間での窃取をやめる」の場合、中国が何をどうすれば「やめた」ことになるのか文言を定めることができません。

米国には反自由貿易派のように合意に至る道筋をつぶしたい勢力もいます。ロバート・ライトハイザー米USTR(通商代表部)代表などは「デカップリング」を目指していると言われます。経済面で緊密になりすぎた米中経済関係を高関税で切り離したい。したがって、中国が譲歩し米国が制裁関税を取り下げるシナリオは好ましくありません。制裁関税を恒久化したいくらいでしょう。

したがって、90日後の結果は、良くて「休戦延長、交渉継続」がせいぜいではないでしょうか。

一方、悪いケースを考えるに当たって、一つ注意すべきは、「90日後」は中国が予定する全国人民代表大会(全人代、中国の国会に相当)開催の直前だということです。期待を持たせた挙げ句、土壇場で談判決裂となったら、目も当てられない。

従って中国は米国が交渉をまとめる誠意があるかどうかを早めに見極めようとするはずです。その気がないと見れば、最悪の結果を織り込んで国内にも持久戦の覚悟を早めにさせる必要があります。国民に「我々は来るべき困難に備える。中国は決して屈することはない」と訴える。米国には「やれるものならやってみろ」という姿勢を示す。

とても楽観視できる状況ではありません。

—その先はどうなるのでしょう。

津上:中国が持久戦に移行すると見れば、米国は延期した関税の引き上げに進むでしょう。

ただし、米国は容易には引き上げられない事情を抱えています。ウォール街を中心に関税引き上げに反対する勢力があるからです。ウォール街は、もし米国が中国からの輸入にフルフレッジの制裁関税――約5000億ドルの輸入に対し25%の関税――をかければ金融がクラッシュすることを恐れています。それを米政権にも強く警告していたようです。ピーター・ナバロ国家通商会議(NTC)委員長が11月上旬「ウォール街は交渉に口を出すな」と反論したのは、そういう圧力に反発したからでしょう 。

さらに米国の農家は制裁関税の解除を心待ちにしていました。大豆農家が「トランプ大統領が中国の制裁をやめさせてくれる」と期待し出荷を控えていたそうです。解除されれば市況が回復するとの読みです。

ちなみに大豆への関税強化は、これを課した中国にもネガティブな影響をもたらしています。中国は大豆の搾りかすを豚の飼料に使う。この価格が値上がったため、豚を殺して生産調整しなければならない養豚農家が現れています。来年、中国市場で豚肉が値上がりするのは必至でしょう。

今回の合意は、これらの期待に応えて歓迎されていますが、交渉が不調に終わり関税を引き上げるとなれば、全て水の泡です。トランプ政権はそれでも関税拡大に歩みを進められるのか。

米中に踏み絵を迫られる?

—今回の米中首脳会談は日本にどのような影響を与えるでしょう。

津上:この問題は米中間にとどまらない、アジア全体の問題です。中国の対米輸出の裏には、日本、韓国、台湾などが中国に輸出する素材や部品が隠れています。

こんな言い方がありました。「良くなりすぎることもない代わりに、悪くなりすぎることもない米中関係」。アジア諸国は過去半世紀、この“常識”を前提に経済政策や安全保障政策を構築してきたのに、今年この“常識”が崩れてしまいました。今後は、米中がアジア諸国に対し「どちらの側に立つのか」と踏み絵を迫る事態が起こるかもしれません。

—東南アジア諸国は、そうした事態をずっと恐れてきました。

津上:日本だって同じです。これは塗炭の苦しみです。

さらにIT(情報技術)製品の取り扱いを発火点に、自由貿易体制が変質・劣化・消滅する不安があります。米国は11月、同盟国に対し、華為技術(ファーウェイ)の製品を使用しないよう、それぞれの国の通信会社に促すよう要請しだしました 。対米外国投資委員会(CFIUS) は、米ハイテク企業に対する中国からの投資をほぼすべて却下しています。IT産業は自由貿易適用除外業種になりつつあります。

中国やロシアなど対抗意識の強い国が同様の措置を取るようになったら、どうなるでしょう。アジア諸国にとって、30年、50年という長期にわたる重いくびきになりかねません。

かつての東芝機械のようなケースが頻発する可能性もあります。同盟国の企業を、「中国と親しすぎる」といって米国が責める。ペンス副大統領が10月4日に行った演説の中で、米グーグルをやり玉に挙げていたのは、この前兆かもしれません。

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『ファーウェイはZTEの二の舞になるか カナダ当局が創業者の娘を逮捕』(12/6日経ビジネスオンライン 小平和良)、『ファーウェイ、制裁違反金融取引か HSBCを利用』(12/7Sankei Biz)について

12/8阿波羅新聞網<华为CFO孟晚舟被控欺诈 报道禁令解除细节曝光=華為CFOの孟晩舟は詐欺で訴えられる 報道禁止が解除されれば細部が明らかに>

CBC(カナダ放送)はブリティッシュコロンビア州最高裁の保釈時の聴聞で、検察側は「米国の引き渡し要求がある46歳の孟晩舟は2009年~2014年の間、子会社Skycomを使って米国の対イラン制裁を回避して来た。Skycomは公開で真実を述べていないが、詐欺を指示した。孟は銀行向け担保として華為とSkycomは別な会社と説明、2009年にはSkycomを売ったとも。但し、米国は、華為とSkycomは同一の会社でイランとビジネスしていたと考えている。金融機関を騙したことになる。銀行を危険に晒し、米国のイラン制裁に違反した刑事事件としての危険でもある」と報道。

米国の役人は孟晩舟の引き渡しを要求、米国で審理を受けさせると。

AP通信社は「金曜の保釈聴聞時、カナダ司法省の検事John Gibb-Carsleyは“孟が米国で裁判になれば、最高で30年の刑を食らう。孟は大金持ちなので、カナダから中国へ逃亡する動機がある。判事は保釈を拒否してほしい”と述べた」と報道。

検察官はまた「孟の逮捕状はNYで8/22に発行された。孟は米国が調査しているのを知っていた。2017年3月から米国を離れたが、息子がボストンの大学にいる」と。

http://www.aboluowang.com/2018/1208/1215193.html

12/8阿波羅新聞網<港媒:孟晚舟至少持有7本护照!涉违法?她提出交2护照换保释=香港メデイア:孟晩舟は少なくとも7冊パスポートを持っている!違法に関わる?彼女は2冊のパスポートを出して保釈を求める>

4冊は中国の、3冊は香港の。当然番号はそれぞれ違う。孟はカナダの永久居住権を持ち、「メイプルリーフカード」、身分証、社会保険番号も持っている。中共外交部の耿爽報道官は「中国国籍法に照らせば、孟は明らかに中国国民である」と述べた。しかし、国籍法には、「自ら望んで外国籍を取得すれば、自動的に中国国籍は失われる」とある。

孟だけでなく、他の中共幹部やその子弟も、米加豪英日当たりの国籍を取得しているのでは。二重国籍、三重国籍としてスパイできるようにしていると思います。蓮舫がそうでしょう。彼女は中共のスパイでしょう。しかし、7冊と言えばジェームズ・ボンドも吃驚と言う所でしょうか?流石に中国人だけあって罪の意識は無いようですと言うか、中共が指示していたのでしょう。

http://www.aboluowang.com/2018/1208/1215378.html

12/8阿波羅新聞網<孟晚舟国籍成疑丈夫名下温哥华拥千万豪宅=孟晩舟の国籍に疑いが 夫名義でバンクーバーに1000万カナダ$の豪邸が>日本政府は政府調達で華為とZTEの設備使用を禁じた。中国政府はこれに関し、「中国政府は一貫して中国企業に市場原理と国際ルールを守り、現地の法律に合わせて投資するように指導して来た」と外交部広報官は発言。華為のプリンセスの孟晩舟はカナダのパスポートを持っているかについて広報官は答えなかった。

http://www.aboluowang.com/2018/1208/1215172.html

12/6レコードチャイナ<CFO逮捕のファーウェイ、「どのような不当行為があったか不明」―米華字メディア>

https://www.recordchina.co.jp/b668545-s0-c10-d0063.html?fbclid=IwAR2xf3y3WsJg1QRZbYEMQMW-tDSV5zi_Z9lawT5xR9yoqV6lBH19-Y3Y6io

孟晩舟みたいな中国人が世界にうようよしていて、スパイ活動や違法行為に手を染めていると思います。前には解放軍の装備発展部と李尚福部長を対ロ制裁違反で制裁対象にしました。ロシア、イランとくれば、次は北朝鮮でしょうか?文在寅が逮捕されれば面白いのに。

トランプの中国との覇権争いに真剣度が窺えます。次は中共高官の海外資産の発表か、海外国籍取得者一覧の発表でしょうか?

12/7新西兰先驱报中文网<华裔物理学家张首晟自杀,曾师从杨振宁>ニュージーランド先駆報中国語版<華人の末裔の物理学者でスタンフォード大学教授(テニュア保持)・張首晟が自殺(55歳) ノーベル物理学賞を取った楊振寧に師事>鬱病にかかり、大学のビルから飛び降りたと。

http://www.chinesenzherald.co.nz/news/international/physicist-zhangshousheng-suicide/

中共に消されたか?米国でのスパイ罪で逮捕を恐れた自殺か?何となく華為と関連があるような気がします。

小平記事

カナダ司法省は12月5日、中国の通信機器・スマートフォン大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長を逮捕したと公表した。米国が経済制裁を科しているイランに製品を輸出した疑いが持たれており、米国当局が引き渡しを求めている。

ファーウェイは6日、「当社は本件に関してほとんど情報提供を受けておらず、また、孟によるいかなる不正とみなされる行為も把握しておりません。当社はカナダならびに米国の司法システムを通じて公正な結論が導かれるものと確信しています」とのステートメントを発表。カナダの中国大使館は「重大な人権侵害」と逮捕を非難する声明を出した。

中国・深圳にあるファーウェイの本社

孟副会長はファーウェイの創業者である任正非氏の娘。ファーウェイでは最高財務責任者を務める。任氏の最初の妻との間に生まれた。任氏と姓が異なるのは母親の姓を名乗っているためだ。このような経歴から「華為のプリンセス」と呼ばれることもある。

米国との摩擦を予見した創業者・任正非氏

米国商務省は今年4月、ファーウェイと並ぶ中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対し、米国企業との取引を禁じる措置を課した。イランに製品を輸出していたためだ。

ZTEはクアルコムの半導体などの米国製品を調達できなくなり、スマートフォンなどの生産停止に追い込まれた。この結果、ZTEは2018年1~9月期に最終損益が72億6000万元(約1170億円)の巨額赤字を計上。経営が大きく揺らいだ。

実はZTEに制裁を科した際にも「米国の本当の狙いはファーウェイ」との声があった。ファーウェイは民間企業だが、中国政府に近いと見られている上に、次世代通信規格「5G」などの技術力でも世界をリードする存在になっているからだ。

いわば、中国が狙う技術覇権の象徴的な存在であるファーウェイ。米国が今後、同社に対して制裁を科せば、ZTEの例を見るまでもなく、経営への影響が懸念される。

もっとも、ZTEの時と同じように、ファーウェイが半導体などの米国製品を調達できない事態に陥っても、ZTEのような影響は受けないかもしれない。ファーウェイは2004年に半導体開発の子会社、海思半導体(ハイシリコン)を設立、半導体の自主開発に乗り出しているからだ。

ハイシリコンが開発したチップセット「Kirin980」

半導体だけでない。ファーウェイはスマホ用OS(基本ソフト)も自前で手掛けてきた。その理由を創業者の任氏は社内でこう語っている。「兵糧攻めに遭えば、われわれは何もできなくなる」。あたかも今の米国との摩擦を予見していたかのようだ。

10月に発売した同社製のスマホ「Mate20」には、ハイシリコン製の「Kirin 980」が組み込まれている。微細加工技術では世界トップクラスの水準に達しており、ハイシリコンは世界の半導体業界をけん引する力を既に秘めている。

その技術力をトランプ米大統領は恐れているのか。そして、そんな米側の反応を予見するかのように、中核部品の自主開発を進めてきたファーウェイ。両者の攻防はZTEとは異なる展開を見せる可能性が高い。

Sankei Biz記事

ファーウェイ、制裁違反金融取引か HSBCを利用

北京にある華為技術(ファーウェイ)の店舗=6日(共同) カナダで拘束された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟容疑者について、ロイター通信は6日、米国がイランに科している経済制裁を回避するための金融取引に関与した疑いがあるとみて捜査していると報じた。ロイターによると、米当局は2016年以前からファーウェイがイランとの取引に関わってきた疑いがあるとみて捜査を続けてきた。英大手銀行のHSBCを取引に利用していたという。

米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、HSBCがファーウェイによる疑わしい金融取引を把握し、米当局に報告した。HSBCは今回の捜査対象には含まれていないという。

中国は拘束を要請した米国とカナダに釈放を要求。外交問題に発展しているが、カナダのトルドー首相は6日、拘束に関する情報を事前に把握していたとした上で「政治レベルの関与はなかった」と述べ、司法判断に委ねる考えを示した。(共同)

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『防衛大綱改定へ、日米同盟の信頼性が揺れる中で』『防衛大綱改定へ、技術安全保障の議論が不可欠』(12/5・7日経ビジネスオンライン 森永輔)について

12/5阿波羅新聞網<习近平向内部妥协?庆亲王怂了?逼宫习后急转向=習近平は内部で妥協した?慶親王(この場合曽慶紅)が唆す?習に退位を迫ってから急転向 >12/3、本部が北京にある中共の対外宣伝機関紙「多維網」は習を批判する文章を掲載した。「習近平は左傾した責任を取れ」との重大な指摘で注目を集めた。但し、この文章はすぐさま削除され、完全に書き換えられた。学者は「国家安全部系が示し合わせたもの」と指摘。阿波羅網の評論家の分析によれば、「これは曽慶紅系のメデイアのしたこと。彼が唆したのでは、或は未だ決戦の時に至っていないからか?」と。中南海の権力闘争は激烈で、水面まで上がってくるのは価値がある。ドイツメデイアは評論で「G20後のトランプとの会談での中国の妥協は、中共が足並みを揃えて米国に妥協した象徴と言うよりは、むしろ内部に妥協したため」と分析した。

過去数カ月、貿易戦が始まり、危機が徐々に広がってくるのに伴い、公式発表の数字は全然当てにならないが、李克強の経済指標、輸出は下落、開業率の下落、石油消費下落、自動車販売の下落、私企業の破産増加等経済指標は明らかに下降している。消費は明らかに不足している。

大衆は貿易戦を世論の窓口として使い、過去6年の世論と社会への圧政を打ち破ろうとしている。初めて沈黙を破り、当局に巨大な圧力をかけた。これがドイツメデイアの述べた妥協になった。

党・政・軍の大権を一身に集め、習近平は第二の毛沢東になる。これは今まで来た道と同じく大権を一人で握ることを意味する。習近平は身に黄色の服(皇帝しか着れない)を纏うという事である。

何清漣

多維網の後続の情報:《悪意に曲解した多維網の文章 華人世界で覚醒しない人々と呼ばれる一群がいる》昨日発表された多維網の文章は評論家には歓迎されなかった。皆覚醒しない人々と呼ばれた。見た所、多維の北京本部は必ずや関係者と相談した筈。それで、この情報は保存し、続きを見よう。続いて出される情報を皆で批評しよう。いずれにせよ、党は覚醒しない人々と呼ぶだろうから。

重大な情報、国家安全部系の対外宣伝メデイアは習近平打倒を吹いているように見える。[多維月刊]極左が中国を分裂させる 習近平は責任を取るべき。文章は習の罪状を列挙、打倒習は党と政権に存亡の危機と見える。これを発行したのは北京に本部がある。これは2通りの解釈ができる。①網にかかった魚が逃げようとしている②勝算が見込める。

http://www.aboluowang.com/2018/1205/1214037.html

森氏の記事で、リベラルと保守のバランスを取って書いたのかもしれませんが、具体論になるとリベラルの旗色が悪くなる感じです。軍事技術について知らないからではないかと思っていますが。孫崎氏は民主党政権時、鳩山首相に沖縄米軍基地の国外移転をアドバイスしたので有名で、こういう人が防衛大の教授をしているのは驚きです。地政学を自ら勉強したらと言いたい。親中派の国分良成防衛大学校校長が呼び寄せたのだろうと想像しますが。五百旗頭真と言い、国分良成と言い、防衛大学校のトップとしては不適任です。誰が選んでいるのか、実にセンスのなさを感じます。学生が可哀想すぎです。

柳沢氏は「米軍よりも外交力を」と言っていますが、現実を見ない議論でしょう。世界最高の軍事力をもった米国が北朝鮮にいいようにやられているというのに、憲法で交戦権を否定されている日本が外交で力を発揮できると思っているのでしょうか?幼稚としか言いようがない。軍事力を持たないでできるとすれば、札束外交で、それもカルタゴのような運命を辿るでしょう。歴史に学んだらと言いたい。「力なき正義は無能なり」です。

玉井教授の話に頷けることが多かったです。中国のように昔から国際法の隙間を狙った便衣兵の存在や、官民一体となった中共の戦術(ホット・ウオーだけでなく、法律戦や世論戦、心理戦を含む)に対し、国際ルールでは掬い上げられない手法が採られてきています。それに対抗して自由社会を守るためには、日本も官民一体となって防御しなければなりません。特に東大には中国人留学生が多く、技術流出が懸念されます。米国同様制限する時期に来ているのでは。玉井教授の言う「民生用と軍用の区別はできない」と言うのはその通りで、日本学術会議の「軍事目的の研究を否定」する声明程ナンセンスなものはありません。日本学術会議が日共に乗っ取られているからでしょう。メデイアも左翼だからそういう事実は報道しないのでしょうけど。国の安全こそが優先して考慮されるべき事項です。国民に考えさせないような報道しかしないメデイアと日教組に支配された教育が大問題です。やはり、国民一人ひとりが情報強者にならねば。

12/5記事

米空母「カールビンソン」と並走する、護衛艦「あしがら」と「さみだれ」(写真提供:Mass Communication Specialist 2nd Class Sean M. Castellano/U.S. Navy/ロイター/アフロ)

護衛艦「いずも」の空母化、敵基地攻撃能力の導入、ミサイル防衛システムの強化、次期戦闘機の開発体制、サイバー/宇宙/電子戦対応、クロスドメイン――。

政府は12月18日にも、「防衛計画の大綱」(以下、防衛大綱)と中期防衛力整備計画(以下、中期防)を改定し閣議決定する。これをめぐって、以上の政策が議論の俎上に載っている。防衛大綱は今後10年にわたる防衛力の基本的指針を定めるもの。防衛省は「わが国の平和と安全を確保するグランドデザイン」と位置付ける。中期防は、大綱に基づき、今後5年間の防衛費の見積もり額や必要となる防衛装備品の数量などをより具体的に明記する。

冒頭に挙げた政策はいずれも重要だ。ただし日本の防衛政策は、日本自身が取り組む防衛力強化と並べて、日米同盟を重視する。日本自身の取り組みは自ずと日米同盟の在り方の影響を受ける。そして今、この同盟が持つ信頼性を不安視する声が大きくなっている。「我が国に対する武力攻撃があった場合、日米両国が共同して対処する」(日米安全保障条約第5条)--この約束は本当に実行されるのか。日米同盟を再評価し、これに対する姿勢を吟味しなければ、上記の政策を腰を入れて議論することはできない。

加えて、ヒトとカネ、技術に関する議論が欠かせない。ミサイルや戦闘機のように目立つ存在ではないが、日本の防衛を支える重要な柱だ。これらに対しても十分に議論し、国民に現状を知らせ、選択肢を示す必要がある(後編で詳述)。

揺れる日米同盟の信頼性

防衛大学校教授を務めた孫崎享氏は「日米同盟が機能せず、日本が他国から攻撃を受けても米国が来援しない状況を考えておくべき」と指摘する。その理由の一つは、日米安全保障条約そのものが持つ構造的なものだ。第5条は、「共同対処」は「自国の憲法上の規定に従つて」行うと定めている。そして米国憲法は宣戦布告権を米議会に持たせている。選挙民の意向に敏感な米議会が日本を支援する戦争の開戦を支持する保証はない。

日米安全保障条約 第五条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宜言{宜はママ}する。

孫崎 享(まごさき・うける)
1943年生まれ。1966年東京大学を中退し外務省に入省。駐ウズベキスタン、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。その後、防衛大学校教授を務める。著書に『日米同盟の正体』『情報と外交』など。(写真:菊池くらげ)

米トランプ政権が進める不透明なアジア政策が、この状況に拍車をかける。米国が、北朝鮮が進める核・ミサイル開発をめぐって同国と妥協するシナリオが依然として消えないからだ。「日米離間を図る北朝鮮が、米本土を射程に収めるICBM(大陸間弾道弾)の開発凍結を提案する。米国がこれを受け入れ、北朝鮮による核兵器保有を事実上容認する」。この妥協は日本にとって最悪だ。日本を射程に収める中距離核ミサイルは米朝合意の対象に含まれないからである。米国に及ぶ核の脅威はなくなっても、日本に対する脅威は現状のまま残る。

さらにドナルド・トランプ大統領は6月の米朝首脳会談の後、在韓米軍を撤退させたい意向を表明した。欧州でもNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対する防衛義務を疑問視する発言をしている。日本も“同盟軽視”の対象にならない保証はない。

「米国は、アジア太平洋地域へのリバランス政策に基づき、我が国を始めとする同盟国等との連携・協力を強化しつつ、当該地域への関与、プレゼンスの維持・強化を進めている」。2013年に閣議決定した現行の防衛大綱はこう記述している。オバマ政権時代のこの認識は、トランプ時代に通用するのか。

立憲民主党の福山哲郎幹事長は「(編集注:安保法制を策定し)集団的自衛権を限定行使できるようにしたが、これで果たして、米軍の来援を担保できているだろうか。できていないでしょう」とみる。同幹事長は民主党政権で外務副大臣、内閣官房副長官(外交安全保障担当)、参院外交防衛委員長を歴任した。

福山 哲郎(ふくやま・てつろう)
1962年生まれ。1986年、京都大学大学院法学部研究科修士課程を修了し、大和証券に入社。1990年に松下政経塾に入塾。1998年に参院議員に初当選。2009年から民主党政権において、外務副大臣、内閣官房副長官、参院外交防衛委員長を歴任。2017年、立憲民主党の創設に参加。現在は同党幹事長を務める。(写真:菊池くらげ)

トランプ政権が東アジアにどれだけ関与するのか明瞭でない状況下で、例えば、北朝鮮の弾道ミサイル発射基地などをたたく「敵基地攻撃能力」だけを議論しても地に足の着いたものにならない。日米同盟では、日本が盾(日本の防衛)、米国が矛(相手国への反撃)の役割を果たす分担がある。敵基地攻撃能力の導入はこの分担を見直すことと同義だ。その結論は、米軍が東アジアにどれだけ関与するのか、その矛をどれだけ信頼できるのか、に依存する。

岩屋毅防衛相は11月20日、敵基地攻撃能力の保有について「明記を見送る」考えを示した。日米が果たす盾と矛の役割の現状を維持する意向だ。しかし、自民党からは議論が足りないとする不満の声が上がっており、依然として焦点の一つとして残る。議論を尽くすならば、日米同盟を再評価し、これに対する姿勢を吟味することが欠かせない。

米海軍部隊の来援を支援する

火箱 芳文(ひばこ・よしふみ)
陸上自衛隊・元幕僚長。1951年生まれ。1974年に防衛大学校を卒業し、陸上自衛隊に入隊。第1空挺団長、第10師団長、中部方面総監を経て陸幕長に。2011年に退官。現在は安全保障懇話会理事長、偕行社理事などを務める(写真:加藤 康)

日本有事に米軍は来援するか――この不安の根源は「同盟のジレンマ」にある。同盟が保証する支援は不確定で「見捨てられる」懸念がある。その一方で、同盟国の戦争に「巻き込まれる」危険を背負わなければならない。前者の懸念が専門家の間で高まっている。

陸上自衛隊で制服組トップの陸上幕僚長を務めた火箱芳文氏は「トランプ米大統領は内心では『日本は日米同盟にただ乗りしている』との考えを抱いている。これが表面化し、米軍を退かせる決断をする可能性は否定できない。実際、欧州において、防衛費の支出が足りないとドイツのアンゲラ・メルケル首相をなじることがあった」と指摘する。

柳澤協二氏も「冷戦期に比べて、日本の有事に米軍が来援する確度は低下している」とみる。同氏は防衛庁(当時)で運用局長を務めたのち、官房副長官補(安全保障・危機管理担当)として日本の安全保障の第一線に立った経験を持つ。

柳澤協二(やなぎさわ・きょうじ)
東京大学法学部卒。防衛庁に入庁し、運用局長、防衛研究所長などを歴任。2004~09年まで内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を務める。現在は国際地政学研究所理事長(写真:加藤 康)

日本の防衛に米国を関与させるために、日本は何をすべきか。火箱氏は「防衛大綱に『島嶼の防衛、奪還は日本人が自らやる』という趣旨を書き込むのがよい。米国に守ってもらう--という発想からは脱却しなければならない」と続ける。日本が主体的に日本を防衛する意思を示すことが主旨だ。

「かつて米軍の元将官に明確に言われたことがある。『まずはお前たちがやれ。お前たちがやるなら俺たちも寄り添う』。米国の立場に立って考えれば、これは道理」(火箱氏)

一方、香田洋二・元自衛艦隊司令官は、日本を直截的に防衛するのと同時に、空母を中心とする米海軍部隊の来援を支援する体制を充実させる必要があると指摘する。「脅威となるのは中国の潜水艦、爆撃機の『H-6K』、対艦弾道ミサイル。これらに対して、少なくともハワイから西については日本が確実に対処できるようにすべき」「もし、虎の子の空母に被害が出るようなことがあれば、米国民の参戦意欲は崩れ、日米同盟そのものが危機に陥る」

香田洋二(こうだ・ようじ)
海上自衛隊で自衛艦隊司令官(海将)を務めた。1949年生まれ。72年に防衛大学校を卒業し、海自に入隊。92年に米海軍大学指揮課程を修了。統合幕僚会議事務局長や佐世保地方総監などを歴任。著書に『賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門』など(写真:大槻純一)

米軍よりも外交力に頼る

一方、前出の柳澤氏が考える対処法はこれまでの二人と異なる。「日本は自らの政治力で戦争を回避することを考えるべき」との考えに立つ。「米国とともに力で抑止する方針は、日本が米国の戦争に巻き込まれるリスクを高める」からだ。

北朝鮮に対しては「武力で脅すよりも、その意思を変える道を考えるべき。北朝鮮が喜んで核を放棄する理由を与える、つまり利益誘導する」

また中国脅威論には2つの側面があるという。「一つは尖閣諸島をめぐるもの。この島をめぐって、日本と戦争してまで実現すべき政治的目的が、中国に本当にあるだろうか。戦争になれば、中国の経済成長も大きく損なわれる」「ことは防衛のための情勢認識。バイアスを排除し、冷静かつ客観的に見る必要がある」

もう一つの側面は「中国が南シナ海で軍事支配をさらに強めるのではないか、という懸念。こちらは海洋の秩序をめぐる米中の覇権争いだ。日本の主権と直接つながる話ではない。それに日本がいかに関わるかを考える必要がある」

防大教授を務めた孫崎氏も外交の力で日本を守る道を提唱する。防衛力は基盤的防衛力(自らが力の空白となって侵略を誘発することのないレベルの防衛力)にとどめ、外交力を駆使し、攻められる理由を作らないようにすべきという。「北朝鮮に対しては、その指導者の安全を侵さない、体制の転換を図らない姿勢を明らかにする。中国に対しては、尖閣諸島の問題を棚上げすればよい。日本と中国が軍事的な対立に至る要因はこれしかない」

トランプ大統領がトップに立つ米国はどこまで頼れる存在なのか。防衛大綱と中期防の改定を好機ととらえ、日米同盟について国民が議論するためのたたき台を盛り込んではどうか。

防衛大綱について議論する有識者懇談会でも「安全保障の基本は自力であり、同盟についても、我が国自身でどうするのかをもう少し議論することが必要」「同盟はどんなに強くても運命共同体ではなく、相互が重要と感じるための魅力化が必要。同盟関係の中で我が国がより主体的に関与していくことが必要」との意見が出た。孫崎氏も「政府が選択した防衛政策が正しいことを証明するためにも、他の選択肢を提示し、比較検討する必要がある」と指摘する。

改定される防衛大綱・中期防が対象とする今後10年のうち6年間、日本はトランプ大統領と付き合っていかなければならない可能性があるのだ。

12/7記事

自衛隊でも女性の活用が欠かせない(写真:AP/アフロ)

前回はこちら

後編は、日米同盟がいかなる状態にあるかにかかわらず、日本の防衛力を維持するために欠かせない必須の要素について取り上げる。ヒト、カネ、技術だ。

香田洋二・元自衛艦隊司令官は「人員と予算の不足は自衛隊が抱える慢性病のようなもの」と語る。

香田洋二(こうだ・ようじ)
海上自衛隊で自衛艦隊司令官(海将)を務めた。1949年生まれ。72年に防衛大学校を卒業し、海自に入隊。92年に米海軍大学指揮課程を修了。統合幕僚会議事務局長や佐世保地方総監などを歴任。著書に『賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門』など(写真:大槻純一)

ヒトが足りない

例えば陸上自衛隊の編成定数は、51大綱(昭和51年=1976年=に閣議決定された防衛大綱)では18万人だったが、その後、減少を続けて22大綱(平成22年=2010年)では15万4000人に至った。現行の25大綱(平成25年=2013年)では15万9000人となったが、依然として16万人を切る状態にある。

この定数を満たすのも容易でない。自衛隊の採用者数は1968年には約3万5000人だったが、長期にわたって低落し、2017年は1万4000人ほど。部隊の一線を担う階級「士」の定員充足率は73.7%(2018年3月現在)にとどまる。

背景にあるのは少子化と自衛隊の仕事の厳しさだ。募集対象をなす18~26歳の人口は直近のピークである1994年の約1700万人から約1100万人(2017年)にまで落ち込んだ。

「東日本大震災の時の自衛隊の活動を見て、入隊を希望する若者が増えた。その一方で、『あんな過酷な仕事を自分の子にさせたくない』という母親の声が高まった」(陸上自衛隊で制服組トップの陸上幕僚長を務めた火箱芳文氏)。

火箱元陸幕長によると「今の定数・実員数で、与えられた役割を果たすのは容易ではない」。陸上自衛隊は尖閣諸島をはじめとする南西諸島を防衛するための新たな任務が増えている。2016年3月には与那国島に沿岸監視隊を新たに配置した。今年度末には奄美大島にも駐屯地を配置する予定だ。

「海上自衛隊の場合、1カ月の海上勤務があると、土曜・日曜が8日間つぶれる。海上では携帯電話も通じず、インターネットもつながらない。もちろん代休制度はある。艦が港にいる間、代休だらけになりかねない」(香田元自衛艦隊司令官)。港にいる間もメンテナンスや訓練は必要だ。代休を取る要員が増えると、これらの作業の日程が窮屈になり、結果的として練度が低下しかねない。

こうした状況に対応すべく、自衛隊はこの10月、自衛官候補生の応募者に課す年齢の上限を26歳から32歳に引き上げた。新大綱は定年の引き上げにも触れる見通しだ。

予備自衛官の採用も活発化させている。予備自衛官には「予備自衛官」と「即応予備自衛官」がある。前者は有事などに召集され、基地の警備などに就く。後者は、召集されると一般の自衛官と同様に働く。部隊にも配置される。

それでも、ヒト不足という内部で進行する“有事”を短期間で解決することは難しい。新たな防衛大綱で状況を訴えて、国民の認知を一層高める必要がある。

劣化し続ける防衛装備、中国との差は開く

二つ目の論点であるカネ、すなわち予算に目を転じよう。日本の防衛関係費(当初予算)は1998年以降、数年を除いて、前年度実績を割り込み続けた。安倍政権が誕生した2012年を底に増加に転じ、2018年度予算は4兆9388億円。1997年度のピークにほぼ並ぶに至った。

しかし、約15年に及ぶ“防衛力整備の氷河期”の間に「装備は劣化。冷戦時代後期にそろえた“遺産”で食べているのが自衛隊の現状」(香田元自衛艦隊司令官)だ。

例えば陸上自衛隊が使用する戦闘用途のヘリコプター。10年ほど前の2007年3月時点では「AH-1S」を84機、「AH-64D」(アパッチ)を4機保有していた。その後、AH-1Sの除籍は進むものの、その穴を埋めるAH-64Dの導入は進んでいない。2018年3月の保有機数はAH-1Sが56、AH-64Dが12にとどまる。

陸上自衛隊が使用する戦闘用途のヘリコプター「AH-64D」(アパッチ)(写真:ZUMA Press/アフロ)

航空自衛隊が保有する戦闘機「F-4EJ」の数も同じ期間に91機から52機に減った。後継機となるF-35Aの配備は現状では10機にとどまる(最終的に42機とすることを2011年に閣議で了承している)。戦闘機「F-15J/DJ」は、およそ200機の保有数は横ばいのまま、老朽化が容赦なく進む。「1981年に運用を開始して以後35年超が経過した。親子でF-15のパイロットを務めた隊員もいる」(自衛隊関係者)ほどだ。

戦闘機「F-2A/B」は75機から92機に増えているが、2030年ごろから退役する予定。その後継となるF-Xの開発計画――独自に開発するか、共同開発するか、購入するか――は今回の防衛大綱、中期防への明示は見送るもようだ。

中国と比べると、その戦力差が拡大しているのは明らかだ。2007年に約3472億元だった中国の公表国防費は2018年には約3.2倍の約1兆1070億元に達した。第4世代と第5世代の戦闘機の保有数をみると、07年の331機が18年には852機に増加。これに対して日本の保有数は約20機の増加にとどまる(278機から297機)。

こうした状況を鑑みて自民党の若宮健嗣・衆院議員は予算を「GDP(国内総生産)に対する『%』で考えるのは意味がない*。経済が成長しない時には必要な施策を打てないことになる。本来必要なものは何かを精査し、必要なものは整えていくことが重要だ」と訴える。
*:三木内閣が1976年、「国民総生産(GNP)比の1%を超えない」と閣議決定した

若宮健嗣(わかみや・けんじ)
1961年生まれ。1984年に慶応義塾大学商学部を卒業し、セゾングループの堤清二代表の秘書を務める。2005年、衆院議員に初当選。防衛大臣政務官や防衛副大臣を歴任。現在は自民党で国防部会 部会長を務める(写真:加藤 康)

同氏が自民党政務調査会・国防部会長としてまとめた、自民党の「新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画の策定に向けた提言」は「NATO(北大西洋条約機構)が防衛費の対GDP比2%を達成することを目標としていることも参考にしつつ、必要かつ十分な予算を確保する」ことを政府に求めている。

香田元自衛艦隊司令官は「この先、大胆な予算投入が必要になるだろう。そうでないと、米軍からの信頼が崩れることになる。日米安全保障体制が危機に直面する」と危惧する。

とはいえ、予算を一気に拡大することは現実には難しい。

政府は前述した戦闘機の劣勢を補うべく、F-35を100機追加導入する方針を固めた。購入費用は約1兆円。日本の防衛関係費が年に約5兆円であることを考えると、短期間に集中導入すればコスト負担が重くなる。逆に導入に時間をかけてコストを分散させれば、十分な導入効果が得られなくなる。

ヒトとカネの問題にスポットを当てると、その根源と対策は日本の国の在り方そのものに行き着く。ヒトを増やし定着させるためには、少子高齢化対策や女性活用、働き方対策、技術革新が欠かせない。カネの算段を考えれば財政再建と社会保障、景気浮揚の問題にぶち当たる。

「技術安全保障を確立せよ」

防衛大綱が今後10年をにらむ指針である以上、「技術」を疎かにはできない。東京大学・先端科学技術研究センターの玉井克哉教授は、非公開特許制度とクリアランス制度の導入を防衛大綱に盛り込み、議論するよう訴える。

玉井克哉(たまい・かつや)
東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は行政法・知的財産法。1983年、東京大学法学部卒業。90年に東京大学法学部助教授、95年に東京大学先端科学技術研究センター助教授、97年から現職。(写真:佐藤兼永)

その背景にあるのは「国の技術力が、産業の国際競争力のみならず、一国の安全保障に直結」するようになったからだ。「日本では年に30万件強の特許が出願されている。中国は専門チームを整え、これらを解析しているといわれる。ちょっとだけ変更を加えただけで別の特許を取得する例も多い。製造方法に関する特許は、まねをされてもわからない」(玉井教授)

こうした現状を踏まえて、「技術安全保障」を支える技術力を“防衛”すべく先の二つの制度を提案した。非公開特許制度は、安全保障上、重要な技術が公開されることで甚大な被害が生じるのを回避するのが狙いだ。現行の特許制度は、発明者に技術の公開を求め、その代償として独占権を与える、という考えが根幹にある。

玉井教授によると、非公開特許制度は米国では次のように運用されている。まず、特許商標庁が受け付けた特許出願すべてをチェックし、国の安全保障を維持する観点から公開が不適切と思われる案件があれば、国防総省やエネルギー省などの担当省庁に回す。担当省庁が「公開不適切」と判断すると、特許商標庁はこれを非公開とする。出願者はこの技術を発表することも許されない。

一方、特許商標庁はこの出願の審査を進める。特許に値すると認めた場合は、出願者に通知し、補償金を支払う。特許になっていれば得られたであろうライセンス料収入を補填する意味合いがある。発明者に与えられる名誉は補償されない。ただし、担当省庁が非公開の指定を解除すれば、通常の特許と同様の扱いになる。

現代の技術は、軍用と民生用の区別がつかない。「地震の研究は日本では純粋な平和目的で行われているが、米国では、自然現象の地震と地下核実験による振動を見分けるための検証が主な目的だ。介護用のパワーアシストスーツは民生だろうか。米国では、“ガンダム”を作るために、同様の技術を研究している」(玉井教授)。防衛産業が出願する特許だけを非公開の対象にしていては、重要技術が網の目から漏れる可能性が高い。

同教授によると、非公開特許制度はほとんどの国が導入している。米国、韓国、中国、ロシア――。「ドイツは特許法で、国家秘密は非公開とすると定めている」

クリアランス制度は「政府が技術者の適格性を保証する仕組み。対象は主として個人。資格を持たない者が安全保障上核心的な技術を扱うのを許さない」(同)。守るべき技術のそれぞれに対して、アクセス権を数段階で定め、それぞれについてアクセスできる情報の範囲とアクセスできる人の要件を定める。

このクリアランス制度は非公開特許制度を支える基盤ともなる。さらに「この仕組みを整えないと、米国企業との共同開発ができなくなったり、技術供与を得られなくなったりする恐れがある」(同)

玉井教授の提案は、日本の技術安全保障を考えるうえで貴重だ。ただし、課題もある。最も大きいのは、公開を認められなかった技術者から強い反発が予想されること。技術は公開し共有することで進歩してきた。公開は、技術者たちの大きなインセンティブとなっている。玉井教授も「このような制度を導入しないで済むなら、それに越したことはないと思う。しかし、それを許さない状況になることも覚悟しなければならない」という。

技術の進歩や技術者のインセンティブと、技術安全保障の間でいかにバランスを取るのか。この難題を議論し、国民に選択肢を示し、その理解を得なければならない。

来年には参院選と統一地方選挙が控える。これを恐れ、付け焼き刃の議論にとどまるならば、大綱・中期防をいま改訂する意味はない。日米同盟の再評価、ヒト、カネ、技術という幹の部分をしっかり見据え、国民の議論を促す大綱・中期防とすることが期待される。

良ければ下にあります

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『米中首脳会談の勝利者はどっち?表面的にはトランプの一方的勝利だが……』(12/5日経ビジネスオンライン 福島香織)、『G20に見る、米中の駆け引きの真相とは 中国を巡る問題への対応は着実に進んでいる』(12/5日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

12/5NHKニュース 16:59<名古屋などで活動の演奏団 南京でコンサートへ 6年ぶり>

名古屋市と南京市は友好姉妹都市で、6年前に川村市長が「南京虐殺はなかったのでは」と発言したので交流がストップしていたとのこと。別に異論を認めない国・市と友好することもなかろうに。中国は、米国との関係が危うくなってきたので、日本に国と市を挙げて近づこうとしているのが見えないのでしょうか?利用されているという事です。愚かな。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181205/k10011735741000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001

もう一つ愚かと思った記事。

11/6日経<中国・清華大、日本で起業支援 650億円投資

中国の名門校、清華大学が日本のスタートアップ企業を支援する。人工知能(AI)やロボットの技術を発掘し、数年で40億元(650億円)を投資する方針で、国内有数の規模となる。日本発の技術革新を中国の資金が支える。(中国スタートアップ紅い奔流特集を掲載)

清華大の投資子会社、TUSホールディングスが11月末、東京大学の同業、東京大学協創プラットフォーム開発(東京・文京)に事務所を開いた。両社は提携で合意しており、日中スタートアップの共同研究や人材交流を促し、互いの市場進出を支援する。

フィンテックも含めて先端技術分野に投資する。日本のベンチャーキャピタルが2017年度に国内スタートアップに投じた金額は約1400億円。清華大の投資計画の大きさが目立つ。>(以上)

まあ、東大も「貧すれば鈍す」で、目の前の金に目が眩んだのでしょう。中共は金で技術獲得の時間を買うことを考えていることが分からないのでしょうか。所詮、学力だけの秀才で、本質を見抜く力も、先を読む力もありません。ウイグル人がどう扱われているか知らないのでしょうか?そういう国から支援を受けることに良心の呵責を感じないとしたら、道徳心が無いのでしょう。自分の領域だけで判断するのは誤りの元です。科学技術も人類のよりよい生活を願って発達してきた訳で(勿論軍事技術もありますが)、人権弾圧に使われることを考慮すれば、支援はNoと言うべきです。

これに対し、米国でも動きが・・・

11/6日経<日本の新興勢、米ITが投資 セールスフォース、100億円枠 クラウドに狙い

米IT(情報技術)大手が日本のスタートアップへの投資を本格化する。セールスフォース・ドットコムは100億円規模の投資枠を用意し、グーグルは育成プログラムを始めた。日本のパブリッククラウド市場の成長性に着目し、関連サービスを手掛けるスタートアップを取り込む。日本のスタートアップにとっても一気に海外展開できる可能性がある。米企業が素通りしてきた日本市場にようやく目が向き始めた。…>(以上)

12/5希望之声<习近平访问葡萄牙真正目的是这个=習近平がポルトガルを訪問した真の目的はこれだ>習近平はパナマ訪問後、現地時間12/4午後にポルトガルに着いた。2日に亘る国事訪問である。北京は一帯一路を推進しようと計画したが、欧州では順調にいかず、独・仏・英トも皆警戒している。ギリシャと東欧の国家が計画を受け入れただけ。習がこの4か国(スペイン、パナマ、アルゼンチン、ポルトガル)で最初に訪れたのはスペインであるが、この計画を拒絶した。ポルトガルが、もし一帯一路に加入すれば、西欧として初となる。

ポルトガルは西欧の中で最も貧しい国の一つである。2008年のグローバル金融危機で大きく傷を受け、中国から大量の資金供給を受けた。2010~2016の間、中国からの投資はポルトガルのGDPの3%を占めた。中共政府はポルトガルの最大の企業集団であるポルトガルエネルギーの28%の株を持っている。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/05/n2451424.html

12/4希望之声<蓬佩奥:美国将建立一个世界新秩序=ポンペオ:米国は一つの世界新秩序を打ち立てるだろう>ポンペオ国務長官は、12/4ベルギーのブリュッセルで行われた米・独マーシャル財団会議で講演した。「中国、ロシア、イランは長期に亘り国際組織を濫用して、自身の利益を貪って来た」と厳しく批判。「この現状を変えるため、米国政府は国際組織改革を促し、米国のリーダーによる民主主義に裏打ちされた新しい世界秩序を打ち立てる」とも。

彼はまた「トランプ大統領のリーダーシップの下、我々は国際社会におけるリーダーとしての地位を手放すことはしないし、友人たちをも見捨てはしない。我々の行動は、主権国家からなる開放、正義、透明な自由世界を維持、保護、推進することである」と強調した。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/04/n2450479.html

12/5希望之声<川普连连发推步步紧逼 中方急出“备忘录”继续忽悠?=トランプは次々とツィッターをアップし、少しずつ追い詰める 中国は急遽“備忘録“なるものを出し相変わらず揺れている。>先週日曜のトランプ・習の晩餐会で、米中は合意に達した。米国は関税アップを90日猶予し、北京は構造改革が必要で、ワシントンンでの交渉事とした。ツィッターが好きなトランプは、4日数回にわたり交渉経過を示し、北京に対し「もし合意しなければ、中国製品に大幅関税をかける」と獅子吼した。同じ時間には、中共の38部は共同して「史上最も厳格な」知財侵犯懲罰措置を発表、あたかもトランプの獅子吼に積極的に反応したかのように。

まあ、本気で取り締まることは無いでしょう。中共が生き延びるためには、先進国から技術窃取しないと経済が延びて行きませんので、人件費も上がり、もっと安い国へ生産移管されれば、高度のテクノロジーで稼がねばなりません。でも大躍進や文革で遅れた科学技術の40年を取り戻すには、中国お得意の窃盗しかありませんので。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/05/n2452033.html

福島氏記事では、トランプ・習会談で安全保障・人権問題は避けたが、一時休戦しただけで、3ケ月後には再燃と予測しています。それはそうです、中国は口先だけか表面を糊塗するやり方で、本質は変えようとしませんから。変えるのなら、先ずウイグル人を釈放せよと言いたい。出来ないでしょう。過去に言ってきたこと、やってきたことと齟齬が出ますので、上述のポンペオの発言のように米国が新しい世界秩序を作ればよいでしょう。

細川氏の記事では、今度のG20は来年日本で開催されるG20に道を拓いたとの見方です。ただ、米中貿易戦の行方がどうなるのか、見通せません。米国がWTO脱退、その内、機能しない国連も脱退して、新しい国際組織を作るかもしれません。一気には行かないでしょうが。悪の中共を入れた国際組織なんて、「悪貨は良貨を駆逐する」「朱に交われば赤くなる」だけでしょう。自由主義国だけで組織を作ればよいし、共産主義国とは貿易もしないことです。

福島記事

12月1日、ブエノスアイレスで行われた米中首脳会談で向き合うトランプ米大統領と中国の習近平・国家主席(写真:ロイター/アフロ)

アルゼンチンのブエノスアイレスで行われたG20サミットの席で現地時間12月1日夜、米大統領トランプと中国国家主席習近平が会談した。両首脳は、米国側が2019年1月1日から予定していた2000億ドル分の中国製品に対する輸入関税25%への引き上げを90日間延期するという妥協案で合意。米中貿易戦争は一時休戦、と海外メディアは報じている。

とりあえず中国側はかなりほっとしたことだろう。だが米中貿易戦争がこれで決着したわけでもないようだ。今後の展開について考えてみたい。

まず中国公式メディア、人民日報3日付けはこの首脳会談をどのように報道しているか、みてみよう。

両国首脳は誠実で友好的なムードの中、中米関係及び共同の国際問題で深く意見交換し、重要な共通認識に至った。……

習近平は次のように指摘した。

“中米は世界平和と繁栄を促進する共同の重要責任を背負っている。一つの良好な中米関係が両国民の根本利益に合致し、国際社会の普遍的期待でもある。協力は中米双方の最良の選択である。双方は中米関係発展の大方向を把握し、両国関係の長期的健康で安定した発展を推進し、両国人民及び世界各国の人民をより多くよりよく幸せにしていかねばならない。”

トランプは習近平の両国関係の評価に賛同を示し次のように語った。

“米中関係は十分に特殊で重要であり、我々両国はともに世界に重要な影響を与える国家だ。双方が良好な協力関係を維持することは両国と世界にとって利する。米国は中国側に話し合いを通じて両国の協力度を増していくことを願うとともに、双方に存在する問題を積極的に討論し双方に有利な解決法を探っていこうと願う。”

両国元首は継続して様々な方法で密接な交流を維持し、ともに中米関係を発展に導くことで同意。適時、双方が再び往来するとした。双方は各領域で対話と協力の強化に同意。教育、人文交流を増進していくとした。トランプは“米国は中国学生の留学を歓迎する”と語り、ともに積極的な執法強化行動を取り、フェンタニル類管理を含む薬物禁輸などで協力すると同意。……

経済貿易問題については、習近平は次のように強調した。

ニュアンスが違う米中の公式アナウンス

“中米は世界最大の二つの経済体として、経済貿易交流は十分に密接で、相互に依存している。双方の経済貿易領域には多少の立場の違いが存在することは全く正常なことであり、重要なのは相互に尊重し、平等な相互利益の精神で妥当にコントロールしていくことであり、同時に双方が受け入れ可能な解決方法を探し当てることである。”

両国首脳は中米経済貿易で積極的かつ成果の豊富な討論を行った結果、あらたな追加関税を停止するとともに、両国の経済チームにより緊密に協議を行って、すべての追加関税を取り消す方向でウィンウィンの具体的な協議を達成するように指示することで合意した。

中国側は“中国の新たな改革開放のプロセスをもって、国内市場及び人民の需要に従って市場を開放し、輸入を拡大し、中米経済貿易領域の問題を緩和させるように願っている。双方はお互いの利益とウィンウィンの具体的協議が中国側の米国に対する関連の積極的行動の基礎と前提であるとの合意に至った。双方は共同の努力でもって、双方の経済貿易関係を早急に正常な軌道に戻し、ウィンウィンの協力を実現すべきである”とした。

習近平は台湾問題における中国政府の原則的立場を述べ、米国は政府として一中政策を継続すると述べた。さらに両国元首は朝鮮半島など重大な国際的地域の問題について意見を交換。中国側は米朝首脳の再度の会談を支持し、米朝双方がお互いに合理的関心を顧みながら、半島の完全非核化と平和メカニズムの確立を推進することを望むとした。米国は中国が積極的影響力を発揮していることを称賛し、中国とこの問題についてコミュニケーションと協調を維持したいとした。”」

新華社もほぼ同じ内容であるので、これが中国の人民に対する公式のアナウンスである。この通りなら、米国は関税を停止し、貿易戦争は休戦、停戦に向かっての話し合いが前向きに進む、という印象である。

だが米国側のアナウンスは、これとかなりニュアンスが違う。ロイター通信によれば、ホワイトハウスが広報し各メディアが報じたのに、中国外交部がアナウンスせず、中国国内の公式メディア(SNSをのぞく)でも報じられていない内容は以下の通りだ。

①中国の抵抗で7月に破談になったクアルコムによるNXP(オランダ)の買収について習近平は承認する態度を示した。
②習近平はすぐさま中国の構造改革についての協議にとりかかることに同意。それには技術移転の強要、知財権保護、非関税障壁、ネット侵入、ハッキングによる情報窃取、サービス業及び農業分野がテーマとして含まれている。 ③来年早々に実施する予定だった2000億ドル分の追加関税は90日間猶予を与えるが、米国サイドが指摘した技術移転強要などの問題を解決しなければ10%の関税を25%に引き上げる。 ④中国側は米国から農産品、エネルギー資源、工業及びその他の産品を大量購入する。とりわけ農産品の購入は即刻開始する。

首脳会談で勝利したのは

この双方の公表内容の違いをみれば、この首脳会談が中国側の主張する友好なムードのもとで行われたとは思えないし、中国が何度も繰り返すウィンウィンという感じでもない。米国から言うことを聞かねば追加関税を実行すると脅され、ねじ伏せられた印象だ。だから中国国内では、こうした内容は伏せられたのだ。トランプはこの首脳会談について帰国のエアフォースワン内で「信じられないような素晴らしいディール」と語ったらしい。

トランプ側も必ずしも100点の成果を得た、というわけではなかろう。まず、米国にとって切実な安全保障上の問題であった南シナ海問題などについて言及できなかった。また、中国の要求に従って、台湾問題について「一中政策」継続を確認した。また、トランプ政権が技術窃取の尖兵として警戒している中国学生の米国留学問題については、むしろ「歓迎する」と発言した。また、トランプは当初、中国のインターネット開放を求めていたが、それには触れなかった。

つまり安全保障にかかわる問題については、双方とも議論になることを避けたのだ。米国が圧倒的に強気で有利な立ち位置であれば、南シナ海問題でなにがしかの譲歩を求めただろうし、中国人留学生の技術窃取問題に言及したし、人権や中国の閉じられたネットの問題も突いてきただろう。だが、トランプはそこまで強気になれなかったわけだ。おそらくは、中国側の米国産大豆や豚肉の実質上の禁輸措置は米国にとってかなりのダメージであったし、中間選挙の下院敗北も多少は影響したのかもしれない。

中国としても農産物購入や薬物禁輸の部分なら妥協の用意はあったし、また外圧による構造改革推進は共産党としても歓迎する部分はある。問題は技術移転強要や知財権保護、ネット侵入の問題で中国側がトランプ政権が納得いくような善処を3カ月でできるか、だ。だが、たとえそれができなくても、習近平としてはかまわないのだ。彼は年末か年初に開かねばならない四中全会を切り抜け、3カ月後の全人代を無事迎えられれば、それでよいのだ。

なので、この首脳会談、米中どちらが勝利したか、という観点でみれば、表面的にはトランプの一方的勝利、といえるが、習近平にとってみれば、わずか90日間でも猶予を得たことは大勝利といえるかもしれない。この米中首脳会談でのディールが失敗すれば、習近平は失脚しかねない、といわれるまでに追いつめられていたからだ。

四中全会が未だ開かれていないが、一説に、開いてしまうと習近平の対米政策および経済政策の失敗についての責任追及が始まってしまい、総書記の座を維持することすら危ないからだとささやかれている。ただ、ここにきて少しだけ習近平に追い風が吹いてきたのは、台湾の統一地方選挙における与党・民進党の惨敗と日本が習近平の肝入り戦略“一帯一路”に参与するなど習近平政権に協力的な姿勢を示したことだ。さらに米中貿易戦争が一時的にしろ休戦したので、習近平のメンツはかろうじて維持できる公算がつよまり、四中全会はずいぶん遅れたが、無事に開かれるだろう。

米中貿易戦争、再燃の可能性

これは米国や日本らの中国に国家安全を脅かされる国々にとってはむしろ残念なことかもしれない。なぜなら中国の改革開放路線(経済の資本主義化、自由主義化)の最大の障害となっているのは習近平自身なのだ。習近平は未だアンチ鄧小平路線であり、鄧小平路線が継続すればいずれ共産党体制は崩壊すると考え、共産党がより市場や民営企業を含めた経済コントロールを強化する国家資本主義路線に転向することが体制維持に絶対必要と考えている。習近平が想定するのは、資本主義や民主主義とは異なる中国発の新たな経済の枠組みや国際秩序でもって人類運命共同体を構築する世界観だ。米国や国際社会の望みがこれを阻止し、従来の米国的経済秩序、国際スタンダードに従う方向での中国の発展であるなら、習近平からより鄧小平路線に忠実な指導者に代わることを期待する以外ない。

なので、米中新冷戦構造は非常に長い今後の国際社会の基本構造となるだろうが、その第一フェーズである米中貿易戦争の決着点は習近平の実質上の引退ではないか、といううっすらとした期待を個人的にもっていたが、追加関税の90日間猶予はこの可能性をさらに低くしたことになる。

さて今後の見通しだが、3カ月後に米中貿易戦争はおそらく再燃する。なぜなら中国が米国と違う新たな国際秩序を打ち建てるという野望を放棄しないからだ。そのためには、半導体その他の米国が保有する核心的技術の国内移転を諦めることはないし、米国に対する産業スパイもサイバーを通じた情報窃取も一層励むことになる。なによりタイミング的に全人代直前であり、習近平としては一寸の妥協も示せない。トランプ側が譲歩しない限り、貿易戦争は再開し、より激しく、長期化することになるだろう。その決着が2020年の米国大統領選直前まで持ち越されるとしたら、それはトランプ政権が維持されるか、あるいは習近平政権が維持されるか、という結果で判定されるかもしれない。

細川記事

主要20カ国・地域(G20)首脳会議が閉幕した。日本の大方のメディアは“米国の反対で「保護主義と闘う」との文言を首脳宣言から削除され、G20の機能不全、劣化は深刻だ”との論調だが、果たしてそうか。むしろ、中国に軌道修正を迫るプロセスは着実に進展している。

(写真=新華社/アフロ)

12月1日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が閉幕した。日本の大方のメディアの報道ぶりは次のようなものだ。

“米中が激しく対立して首脳宣言を出せないという最悪事態は免れたが、米国の反対で「保護主義と闘う」との文言を首脳宣言から削除され、G20の機能不全、劣化は深刻だ”

果たしてそうだろうか。

海外紙と比較すると、日本のメディアのパターン化した見方、「木を見て森を見ず」に危うさを感じる。

米国の「保護主義と闘う」の削除の主張だけを見るのではなく、中国の対応も含めた、米中の駆け引き全体を見なければいけない。

真相は中国の危機感にある!

真相はこうだ。

昨年のハンブルグでのG20首脳宣言では「不公正な貿易慣行を含む保護主義と闘う」との文言で合意した。今回も米国も含めて多くの国がこの文言で受け入れたが、中国が反対した。「不公正な貿易慣行」という表現が、中国の国有企業への巨額の補助金や知的財産権の問題を攻める“口実”を与えるとの危惧からだ。しかし、この文言を削除して、単に「保護主義と闘う」との記述だけでは、米国は受け入れない。

これは直前のアジア太平洋協力会議(APEC)において、中国が孤立して決裂して首脳宣言が出せなかった構図と同じだ(前稿「米中対立のAPEC」が「成功」と言えるワケ)。

もう一つ中国がどうしても受け入れない文言があった。「市場歪曲の措置の除去」だ。これも昨年のG20 では既に盛り込まれている。今回、中国が削除を強硬に主張する背景は「不公正な貿易慣行」と同じだ。

むしろ中国が警戒を強めて、こうした文言の削除に転じたことに注目すべきだ。

中国の国家主導の政策への批判が高まり、孤立の結果、軌道修正させられることは何が何でも避けたい、というのが本音だろう。その危機感からか、これまで合意してきた文言も“地雷”に見えるようだ。

中国が徐々に軌道修正していくプロセスとして、この一局面を時間軸を持って冷静に見ていくことが必要だ。

米国の強硬な反対で「保護主義と闘う」が盛り込まれなかった、との一点にしか目が行かない報道には注意したい。

WTO改革など3点セットの中国対策

むしろ今回のG20首脳宣言をよく読めば、重要な成果を見て取れる。そしてそれがいずれも日本が議長国となる来年のG20を見据えた布石であることに注目すべきだ。

まず最も大事なのは、「世界貿易機関(WTO)の改革を支持する」との文言だ。首脳宣言としては初めて合意されたことに意味がある。現在のWTOのあり様に対しては米国も強い不満を持っており、トランプ大統領もWTO脱退をちらつかせている。米国をWTOに繋ぎ止めておくためにもWTO改革は不可欠だ。

それに対して警戒的なのは中国だ。2001年にWTOに加盟した中国は途上国扱いで優遇されてきた。その甘い扱いに対する反省が米国のWTO批判の背景にある。従って今回の文言を合意しても、「改革」の中身は同床異夢で、これから綱引きが始まる。

次回会合で進捗をレビューすることも合意されたが、その時、WTO改革が頓挫するようでは、トランプ大統領のWTO脱退論も現実化する恐れもある。まさに今後の国際秩序の方向を決める重要な局面だ。

第2に、鉄鋼の過剰生産問題での進展だ。

2年前の杭州でのG20首脳会議からこの問題の仕掛けがスタートした。世界の鉄鋼生産の約半分を生産する中国の過剰生産が問題の根源だ。したがってこの問題はその中国がいかに協力するかにかかっている。

杭州でのG20首脳会議で設立された鉄鋼グローバルフォーラムという場には中国も参加している。ここで情報共有など進めようとしているが、中国の動きは鈍い。来年6月までに実質的な報告をすることを盛り込んで、徐々に中国が協力せざるを得ない状況を作っている。

これは鉄鋼問題にとどまらない。中国による過剰生産問題は様々な分野でグローバルな問題を引き起こしている。深刻なのは半導体産業でも起ころうとしている。

そうした問題の最初のテストケースが鉄鋼なのだ。産業全般の深刻な問題に有効に取り組めるかがこの取り組みの成否にかかっている。

第3に、質の高いインフラ支援だ。中国の一帯一路に対しては、「借金漬け外交」との批判が高まっている。受け入れ国の財政の健全性、債務の持続可能性をも踏まえた対応に軌道修正させるために、原則を国際的に合意していく戦略だ。この国際的な仕掛けも2年前のG20から始まっている。先般のAPECで新たな原則が合意され、G20首脳宣言にも盛り込まれた。そして来年に進捗させることも記述された。

このように、WTO改革、過剰生産問題、インフラ支援と中国を巡る問題を一つひとつブロックを積み上げていくように時間をかけて着実に進展させていき、中国を徐々に軌道修正させていく。いわば「ビルディング・ブロック・アプローチ」こそが中国と向き合う戦略だ。

そういう視点で見ると、今回のG20もそのプロセスの一つとして重要な意味を持つことが理解できよう。そしてその成果が問われるのが、日本が議長国である来年のG20だ。

前稿でAPECに関して指摘したが、これらの国際会議の一つひとつを切り取って評価しても本質を見失う。時間軸をもって大きな流れをつかむことが重要だ。

米中首脳会談は単なる「小休止」

むしろ併せて行われた米中首脳会談に耳目が集まった。しかしこれも米中関係の本質を左右するものではない。

大方の予想通り、トランプ大統領は習近平主席との取引をしたがったようだ。ただし、当然のことながら米国の対中強硬路線の根っこにある本質的な問題は手付かずで、90日の協議で中国側が対応することなど期待できない。制度改正など政策変更を必要とするもので、中国国内の統治、威信にも関わる。

今回の小休止はクリスマス商戦を控えて、さらなる関税引き上げを避けたぐらいのものだ。トランプ大統領は脅しを背景にした、戦利品をツイッターで誇らしげに語っているが、これらは何ら本質的な問題ではない。

例えば、中国の自動車関税の引き下げを勝ち取ったと言うが、米国から中国への自動車輸出はたかだか28万台に過ぎず、今やほとんどは中国で現地生産されている。しかも28万台の内6割以上がドイツ車の米国生産されるSUVなどで、ビッグスリーはわずかだ。実態的にはこの関税引き下げはあまり意味がない。要するにトランプ大統領がツイッターで誇れればいいだけなのだ。

知的財産権の保護についても中国側が対応しようとしているのは、単なる罰則の強化ぐらいだ。米国が要求する知的財産権の問題(強制的な技術移転、ライセンス契約の内外差別)には答えず、すれ違いの対応で知的財産権の保護を強化すると言っているに過ぎない。

こうした中国側の小出し、本質はずしの対応は今後も予想され、中国の国内経済の状況にも左右されるが、関税合戦の駆け引きはしばらく続くだろう。今回の首脳会談後の米中両国の発表もそれぞれの言い分を発表しているだけで、どこまで米中間で合意があったか定かではない。

トランプ大統領の関心は大統領の再選戦略に向かっており、来年も対中国でひと山、ふた山あると見た方がよいだろう。

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『実はジャック・マーも?中国人が「共産党員」になることの意味』(12/4ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

12/4NHKニュース 6:53<「中ロとの軍拡競争やめる協議 将来は始める」トランプ大統領>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181204/k10011733561000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_073

中露とも約束しても守らないのでは。それで両者とも「修正主義者」と名指しして非難した筈。特に中国は嘘の数字しか言わないし、「騙す方が賢い」と思っているので、米国が約束を守れば守るほど軍事的に不利になります。

12/4 facebook  中国观察 罗向阳投稿

【有鸟用】
这国的屁民动不动就哭喊:“城管打人啦。” 这是喊给谁听呢,给警察鼠熟听吗,不巧的是隔壁的屁民们正在哭喊:“警察打人啦。。。”这又是喊给谁听呢,给政府听吗,不巧的是满街的屁民们正在哭天抢地的在喊:“政府打人啦。。。”

[役立たず]
この国の普通の人はしょっちゅう泣いている。「都市管理が殴る」と。これは誰に聞かせようとしているのか。警察に聞かせようとしている。不味いことに隣の人が泣いている。「警察が殴った」と。これも誰に聞かせようとしているのか。政府に聞かせようとしている。残念なことに、路上で多くの人が大声で泣いている。「政府が殴った.」と。

https://www.facebook.com/100013041431372/videos/563589384085771/

12/5 facebook  中国观察 11/6罗向阳投稿

【起来,不愿做奴隶的人们!】
风从南方起,让这狂风袭卷神州大地,让共匪在人山人海的涛天怒潮中死无葬身之地!

[立て、奴隷になりたくない人は!] (中国国家で抗日歌)
風が南方から起き、この狂風が中国の大地を襲い、共産主義者の悪党どもを多くの人々の怒りの中で死なせ、葬儀もできないようにしてほしい!

https://www.facebook.com/100013041431372/videos/549159715528738/

12/5阿波羅新聞網<传朱镕基公开批评习近平 有段故事 很多人不知道 川普当场任命令习惊讶=朱鎔基が公開で習近平を批判したと伝えられる 多くの話を人は知らない トランプの任命は習を驚かせる>先日のトランプ・習会談で、北京は重大な譲歩をして、90日猶予を貰った。情報通は「朱鎔基前総理がある集会で、北京当局がWTO規則を早期に守らないでいるから、貿易戦を齎し、北京を国際的に孤立させる環境に置いたと批判した」と明らかにした。

ただ、多くの人は知らないが、朱鎔基にはWTO加入時の話がある。部下の龍永図との遣り取りである。(これは11/15の本ブログで紹介 http://dwellerinkashiwa.net/?p=10380 )龍永図は「中国が大豆に関税をかけたのはぞんざいすぎる。農産品は微妙な問題を孕んでいるので、最後の手段にすべきだった。すぐに賦課するようにして。」と批判した。

アリゾナ大学のJeffrey Kucik政治学助教は「米国は90日の交渉期限を声明で発表し、中共が米国の産品を大量購入することを承諾したことも強調した。中共は外交問題、地域の議題、“一中政策”まで持出した。これは貿易戦が従来より貿易だけのことでないために生じているものである。貿易戦に対し、中共は経済損失を、国益の議題で強硬な立場を採ることによって置き換えようとした。両者比べれば、米国は休戦の方に重きを置いている。(猶予を与えただけ。中国の農産物購入の約束が履行されるか見るのでは?)」と述べた。

WSJは「トランプ・習会談で、トランプが“交渉担当者はムニューチンからライトハイザーに換える”と言ったので習は驚いた」と報道。トランプは北京に90日の猶予を与えた代わりに、対中強硬派のライトハイザーに交渉を任せたのは、北京に“ラッキー”と思わせないための警告である。

http://www.aboluowang.com/2018/1205/1213723.html

12/5阿波羅新聞網<川普宣布谈判已开始 90天倒计时 暗示期限可延长?英媒:将以更凶猛方式重新开打=トランプは既に交渉は始まっていると宣言 90日の起点は遡って12/1に 期限の延長は可能か? 英国メデイア(FT):更に厳しいやり方で再び戦いが始まる>中共はトランプ・習会談で多くの項目に承諾して、90日の猶予を貰った。但し、外界は、90日後は貿易戦に向かい、良くは見えないし、更に厳しいやり方で再び戦いが始まるだろうと思っている。中共は面子の為に引延し戦術を採って、国民には重要な情報は隠している。米国大使館員によるウエイボーでの米国の立場の説明も多くが削除された。

トランプは4日「米国は既に中国との交渉を開始した。晩餐会の日の12/1が起点で90日である。期間延長が無ければ」と述べた。この手の話は延長が可能と思わせるが、トランプは「もし合意に達しないときは関税を賦課する。延長は無し」と警告した。経済悪化の原因で、中共には交渉で打つ手はない。消費の一割を占める自動車購入であるが、11月の在庫が前年同期比25%増の75%に増えている。

http://www.aboluowang.com/2018/1205/1213801.html

加藤氏の記事で、ジャック・マーが共産党員であるのは別に驚くべきことではないでしょう。江沢民派と言われていたので。会社を作るときには共産党員の方が何かと便利と考えたはず。純粋に民営企業であれば支援もつかないし、下手すれば会社も潰されますので。

共産党員になるのは出世の為なのでしょうけど、ウイグル人の今の扱いや、チベット人の焼身自殺、法輪功信者の臓器摘出をどう考えているのか、加藤氏も含めて聞いてみたい。それらを直すのと、出世とどちらが大切ですかと?

まあ、拝金教の中国人には他人を思いやることは無理でしょうけど。こういう民族が世界覇権を米国から奪い取ろうとしているのは、恐ろしい。日本人はもっと真剣に国の安全について考えませんと。自分を基準にして外国人を考えますと間違います。中国人は日本人ほど人が良いはずがありません。侵略されたらウイグル人のように収容所送りにされるのは間違いないでしょう。宗教の自由、言論の自由を奪われ、政府の厳格な監視の下に置かれます。我々の子孫をそんな目に遭わしてよいのかと?

トランプの「共産主義・社会主義は人々に災難を齎している」というのは正しいでしょう。中国の現実を見れば分かる筈。日本国民はいい加減、日本の左翼メデイアの洗脳から脱却しないと。

記事

ジャック・マー氏が中国共産党員という報道に世界は驚いたが… Photo:REUTERS/AFLO

ジャック・マー氏が中国共産党員という報道に世界が驚愕

中国を代表する党機関紙『人民日報』が中国を代表するIT企業アリババ(本社浙江省杭州市)の創業者であるジャック・マー(馬雲)氏が中国共産党員であることを報じたことが、とりわけ国際社会で物議を醸しているようである。ニューヨーク証券取引所に上場する同社の株価や投資家心理に何らかの質的影響を与えるのだろうか。

同紙は改革開放の40年に貢献した100人の人物を表彰する記事(11月26日付)を掲載した。マー氏はその中の1人で、その略歴の中に「中共党員」という情報が「男」「漢族」「1964年9月生」といった他の情報と並列的に記載されていた。

中国において「党員」というのは日常的に語られ、扱われる身分の1つであり、同記事のなかで、マー氏が共産党員であるか否かに特別な意味は含まれていないであろう。

一方で、世界に羽ばたく民営企業家の1人であるあのジャック・マーが共産党員であったという事実に海外のウォッチャーや関係者が驚愕したということであろう。

『人民日報』直系の国際紙『環球時報』は社説“中国の民営企業家のなかで党員は馬雲1人では決してない”(11月28日付)において、西側メディアのマー氏が党員だったことに関する報道や解説を「中国人からすればとても奇怪な解読」であるとし、「これらは西側メディアの中国の体制に対する大きな誤解と偏見を露呈している。中国では全くもって正常な事情が“異端”として描写されてしまった」と反駁(はんばく)した。

往々にして西側社会や価値観を警戒し、対抗意識すらにじませる同紙らしいコメントであったが、と同時に、上記の「中国では全くもって正常な事情」という描写は筆者が過去15年間、中国の各人と付き合ってきた感覚や観察とほぼ合致するものである。

本稿では以下、中国において、中国人にとって、共産党員になること、共産党員であることとは何を意味するのかという問いを、筆者自身の経験や観察、および筆者の周囲にいる知人や学生たちの実例を紹介しながら掘り起こしてみたい。

その目的は、私たち外界・外国人が可能な限り客観的に中国で起こっている事象、およびその背後に潜む動機や論理を理解することに他ならない。

なお、あくまでも筆者個人の、非常に限られた範囲、場面、実例を通じた観察に過ぎないことをあらかじめ断っておきたい。

加藤さんは「入党」しているのですか?

「加藤さんは“入党”しているのですか?」――。

北京大学で学部生をしていた頃、複数の中国人クラスメートからこう聞かれて戸惑った記憶が今でも鮮明に残っている。

当時筆者はすでに彼らにとって“入党”の2文字が何を指すのかを知っていた。すなわち、「中国共産党員になること」である。

まさか外国人である私が中国共産党員になることなどあり得ない。クラスメートは筆者が日本において“入党”しているかどうかを聞いてきたのだ。

興味深かったのは、彼らがこのような質問をするなかで、中国と日本の政治体制の違いに疎かったことである。仮に日本の政治で“入党”という概念が成立するのであれば、それはおそらく民主選挙を経て議員となり、かつ特定の政党に所属している場合を指すであろう。

一有権者として特定の政党を支持している状態を“入党”というのには無理があるし、実際に日本の各有権者にも支持している=同政党に入るという考えは皆無、少なくとも希薄であるに違いない。

一方で中国において“入党”とは誰もが知っている概念であり、特に成績が優秀で都市部の有名大学で学んでいる、あるいは学んできた中国人民のほとんどが入党するかしないか、できるかできないかを含め、一度は考えたことのある行為であるように思われる。

若ければ若いほど「入党」は難しいとされる

中国共産党規約第一章第一条によれば、満18歳以上の中国人に“入党”の資格がある。一般的に、“入党”は若ければ若いほど難しいとされる。つまり、18歳での入党が最も困難であるという場合が一般的であるということだ。

筆者の教え子に、北京で一、二を争う進学校・中国人民大学付属中学高等学校を卒業し、その後国内外の有名大学・大学院を経て、現在香港系の市場化メディアに勤務する女性(24歳、以下“Tさん”)がいる。

Tさんは当時“入党”したときの様子を振り返ってくれた。

「私が入党を決断した主な理由は2つありました。1つは家庭の影響。私の両親は共に党員で、幼い頃からその影響を受けていました。次に個人的な要素。一般的に、優秀な学生は積極的に思想が進歩的であることを自らに要求し、しかるべき組織や団体に加入しようとしますが、“入党”とはまさにその象徴でした。当時の私たちにとって、“入党”とはその個人が優秀であるかを測る重要なスタンダードだったのです」

筆者の小・中・高生活を振り返るに、おそらく日本の子どもが、自らが優秀であることを証明するために児童会長や生徒会長に立候補するのと似通った動機、心持ちであるようだ。両親が霞が関で働く官僚である場合、その子どもが一種の流れの中で官僚になろうとするケースにも似通っているようにも筆者には思われる。

Tさんによれば、高校生の入党者は「極めて少数」であるという。

彼女の同級生は約700人いたが、うち最終的に“入党”したのは3人だったという。自らの意思、先生からの推薦などを経て最終的に「入党申請書」を提出したのが、約70人。彼ら・彼女らは高校1年生の段階でそれを提出しなければならない。申請から入党までに往々にして約2年の時間と過程を要するからだ。

「申請後は幾度にも及ぶ投票があります。クラス内の投票、学年の投票。あらゆる報告、審議、そして考察期を経て、とても複雑な手続きを経てようやく入党できるのです」

Tさんによれば、大学生や社会人になっての入党に比べて高校生の段階での入党は複雑かつ困難であり、ゆえに「私が自己紹介をする際には“高校生のときに入党しました”と一言付け加えます。皆、高校生で入党することがいかに難しいかを知っているからです」。

大学生になると「入党したほうが良い仕事に就きやすい」という“世俗理論”(Tさん)が台頭してくる。

公務員になる場合は昇進が早い

「入党のメリットは特に公務員になる場合昇進が早く、キャリアにとっても有利に働くことでしょう」

中国人民大学で金融学を学び、その後ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの大学院に通い、現在英国某投資会社の香港支店で働く広東省出身の女性(29歳、以下“Zさん”)はこう語る。

彼女は北京で過ごした学部時代、学生会に入り得意だった文筆作業などを担当していたが、入党しようとは一度も考えなかったという。現在に至るまで“非党員”である。

「体制内部で働かない限り、入党することのメリットは特にないと考えました。デメリットも特にないと思いますが、あえて挙げるならば、自分の自由や権利が常に党とつながっており、時に党の利益や掛け声に合わせて行動しなければならないことです」

Zさんは卒業後上記のとおり英国の会社に就職し、国際結婚をした。今振り返れば、当時の考えと選択は正しかったといえるのかもしれない。

実際に、外交部や財政部など政府機関に就職した官僚は、入省時に党員でなかったとしても、その後入党申請するケースがほとんどである。さもなければ“上”に行けないからだ。「政府機関では入党しないことのほうが難しい」(Tさん)。

では、国有企業はどうであろうか。

筆者の知り合いの中国中央電視台(CCTV)の経済記者Gさんは党員ではない。

「絶対に入党しなければいけないということでは現段階ではない。これからどうなるかは定かではない」という。

また、『人民日報』同様、地方の党機関紙である『湖南日報』の中堅幹部(課長級)によれば「我々は党機関紙であるから、入党することが奨励される。しかしこれは絶対的な要求ではない。弊紙では70~80%が党員。幹部には党員比率が高く、記者、特にインターン記者における比率は小さい」とのことである。

「入党」した学生は優秀だった

筆者のクラスメートたち、特に卒業後官僚を目指す学生や、中国で言うところの政治的地位の向上をもくろんでいるような学生は常に“入党”を視野に入れて行動していた。成績、素行、人間性、経験値などあらゆる指標が入党資格に直接関係してくるからだ。

筆者の大学生・大学院生時代の経験からすれば、“入党”した学生は確かに成績優秀で、一人の人間としてもできており、かつ計画性や目的意識を持って真剣に学業や人生に向き合っていた。

“非党員”たちと比べて、個人的な思想や価値観に中国共産党が提唱するマルクス・レーニン主義や中国の特色ある社会主義などが“浸透”している、彼らが“お上”からのイデオロギーに“洗脳”されているとは感じなかった。

一方で、授業や酒場の政治討論において、中国共産党の主張や立場に理解を示したり、ときに擁護したりする傾向も見て取れた。

北京大学は比較的リベラルな学生が多く、そのような傾向は顕著ではなかったが、その後教える立場として赴いた遼寧大学(遼寧省瀋陽市)ではかなり顕著であるように感じられた。

筆者が国際関係の授業で中国の政府や政策にクリティカルな問題提起をすると、党員や党員候補の学生はその場で反駁したり、また他の学生が党員の学生がどのような表情をしているのかを集団的にのぞき込むような場面も見られたのが印象的であった。

遼寧大学における筆者の教え子で、卒業後北京にある外交学院(外交部直属の外交官を育成する高等教育機関)大学院に進学した男子学生(22歳、以下“Lさん”)は現在、入党申請することを真剣に検討している。

動機は「今後のキャリアに有利に働く可能性が高く、入党は一種の入場券のようなものだと考えるから」だという。

Lさんの両親や指導教官も申請を促しており、他の大学院に進学した遼寧大学時代のクラスメートとも「みんなで頑張って党員になろうじゃないか」と鼓舞し合っているとのことだ。Tさんが言及したように、Lさんの入党申請にも約2年の時間と手続きを要する。

「いまの同級生にも入党希望者は大勢おり、競争は厳しいものになると思います」(Lさん)

ちなみに、筆者の経験からすれば、高校や大学内での入党申請で、クラスメートや同級生の間で行われる選挙は、ある程度自由で公正な投票行為を基にしているようである。

筆者が実際に目撃した遼寧大学での投票は「賛成」か「反対」の二択で、当時ある男子学生に対する投票で「反対」と「賛成」が同じくらいの数という結果だった。「例えば有効投票数40のうち、賛成が37、反対が3といった状況であればこの申請者は次のラウンドに進める。ただ半々であれば無理です」(同大学生会幹部)。

約15人に1人が党員 入党・党員は何を意味するのか

筆者が見る限り、Zさんが指摘するように、多くの人民にとって入党という行為、党員という資格に特別な動機や価値は見いだせないのであろう。約14億の人口に対して、党員は約9000万人。約15人の中で1人が党員ということになる。

この比率を高いと見るか低いと見るかは人それぞれであろうが、筆者の昨今の中国政治への理解からすれば、この比率自体に大した意味はない。

言い換えれば、党員比率いかんによって中国政治の実情や方向性を判断することはできない。“真実”は別のところにある(本稿では追究しない。本連載で扱ってきたテーマやケースを参照されたい)。

一方で、Lさんのような考え方や立場は中国の大学生において典型的、普遍的であるようにも見受けられる。

今を生きる中国人民にとって入党・党員とは一体何を意味するのか?

筆者なりにあえて一言でまとめると、それは「はっきりとしたメリットは見いだせないものの、キャリアを有利に運ぶために、特に政治がモノを言う中国において、持っておくに値する身分」といったところである。

ジャック・マー氏がいつどのように、どんな動機を抱いて入党したのかは分からない。

規定として、マー氏の状況では収入の2%を党費として収めることが課されているが、これまでいくら払ってきたのだろうか(ちなみに、筆者の知り合いの党員の多くは長らく党費を払っていないが、党支部から催促が来るわけでもなく、除名処分も受けていない)。

どのような経緯・動機で入党し、その後どのような党員生活を送ってきたにせよ、この期に及んで、マー氏は少なくとも「元は取った」と自覚しているのではないか。筆者にはそんな気がしている。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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