『中国がアフリカ諸国の支援にやたらと熱心な理由』(9/11ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)、『中国がアフリカ支援外交で打ち出した「5つのノー」の真の狙い』(9/11ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

9/13阿波罗新闻网<誓言揪白宫内鬼 川普发推特直指是前FBI局长柯米=トランプはWH内の裏切り者を炙りだすことを固く誓う ツイッターで前FBI局長のコーミーを名指し>

9/11トランプのtwitterで見かけたのは、““You know who’s at fault for this more than anyone else, Comey, because he leaked information and laundered it through a professor at Columbia Law School. Shame on that professor, and shame on Comey. He snuck the information to a law professor who collaborated with him in……..”“New Strzok-Page texts reveal “Media Leak Strategy.”  @FoxNews  So terrible, and NOTHING is being done at DOJ or FBI – but the world is watching, and they get it completely.”“ERIC Holder could be running the Justice Department right now and it would be behaving no differently than it is.” @LouDobbs”というものでした。コーミーだけでなく、ストラーゾックとページもウッドワードに暴露したのではと疑っているのでは。而も司法省もFBIも何もしないので、2020年大統領選の民主党候補の一人で、オバマ時代の司法長官だったエリック・ホルダーに司法省を切り盛りしたらどうか、今のジエフセッションズと違いはないだろうと。

http://www.aboluowang.com/2018/0913/1173035.html

9/13阿波罗新闻网<重磅信号 习近平下定决心:成败在此一举=重大なサイン 習近平は決心した 興廃はこの一戦にあり>中共の喉と舌である党のメデイア(人民日報)は9/11に論説を発表し、「中共は特殊な10年と呼ばれる重要な段階に差し掛かっている。全党挙げて習を中心とした指導の下、所謂「決起の重要な10年」を戦い、興廃はこの一戦にありとした。亡命学者の何清漣は「中共は米中貿易戦で強硬な立場を取るのは充分計算しつくした結果である。米国の要求に応えようが応えまいが、どちらにしろ中共には死ぬ道しか残されていない。それで中共はきっぱり徹底抗戦することにした」と考えている。

中共は米国の要求に屈すれば共産主義でなくなることを恐れているようです。下部構造が上部構造を規定すると思っているのでしょう。党に対する反逆は徹底的に弾圧するようになるのでは。習は米国以外に微笑外交を仕掛けていますが、表面だけで、世界制覇の野心を衣の下に忍ばせています。安倍首相と経済界は騙されないように。経済界の劣化を9/13宮崎正弘氏はメルマガで書いていました。縮小再生産による企業のトップ選びが続いているからでしょう。国を思わず、一企業はおろか、自分の保身に走っている経営者が多く見受けられます。スルガ銀行の不正融資や、製造業の数字の誤魔化し等。中国を笑っていられません。精神的劣化は相当なものです。

http://www.aboluowang.com/2018/0912/1172936.html

9/13宮崎正弘氏メルマカ<敵失という好気をぼんやり眺めやるだけ、守りの日本経済界  米国はITバブル再燃の怖れ、中国は後退が確定。残る手段は何か?>

http://melma.com/backnumber_45206_6733005/

9/13アンデイチャン氏メルマガ<米国史上最悪の選挙戦>「共和党側の反撃はこれからである。FBI/DOJの選挙介入、オバマ政権の腐敗が主体である。FBIがカーター・ペイジのロシアのスパイ嫌疑を申請したFISA申請書をトランプ大統領が入手し、機密解除の手続きを済ませて一般公開に踏み切るという。FISA申請書に署名したFBI/DOJの高級幹部の名前と申請理由を公開すれば民主党側にとって大打撃となるかもしれない。トランプ罷免陰謀の証拠である。」とあります。共和党の反撃を期待したい。ジエフセッションズは何をしているのやら。無能の一言です。

http://melma.com/backnumber_53999_6733024/

真壁氏記事の関連で、9/13に宮崎正弘氏のメルマガに<米政府高官が警告。「一帯一路は対象国の資源略奪だ」 米政府国際財政発展局長「狙いは港湾、レアアース、鉱物資源」>とあります。真壁氏は経済的観点のみで、世界覇権の争奪戦を展開しているという視点が足りないのでは。「一帯一路には、中国が新興国などの需要を取り込むことに加え、現在のドル基軸体制の影響を受けない経済圏を拡大する目的もあるだろう。」とあります。中国人にとって、確かに人民元基軸にした方が便利でしょうけど、権貴の隠し資産をどこにプールするのでしょう。アフリカの土地?人種差別の激しい彼らがそこに資産を蓄える筈はありません。西側、特に米国とか日本でしょう。$が必要になります。日本もIEEPAみたいな法律を作っておかないと。日本に対し敵対行動を取る、例えば尖閣に侵攻してきた場合とか、日本にある中国の資産を没収できるようにしておきませんと。逆に、中国に日本の資産は置かないことです。「米国が国際連携を軽視して孤立する中、この発想は有効と考えづらい。安全保障面では米国との同盟関係を重視しつつ、わが国は自力で国力増強を目指すべきだ。」というのは賛成です。

http://melma.com/backnumber_45206_6733027/

加藤氏の記事で、中国は5つのNoなるものを打ち出したと言いますが、スリランカやモルデイブ、パキスタン、マレーシアのやり方を見ていれば、信用できる筈がありません。嘘つき中国人ですから。ネルーと周恩来は第三世界を作って、米ソに対抗しようとアジア・アフリカ会議を1955年にバンドンで開きました。ネルーは、中国は心強い仲間と思ったでしょうが、中国は舌の根も乾かない内にインド侵攻を始めます。習近平がオバマの前で南シナ海の人工島には軍事施設は置かないと約束したのですよ。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国です。アフリカの人達も信じて馬鹿を見ることのないように。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%8D%B0%E5%9B%BD%E5%A2%83%E7%B4%9B%E4%BA%89

http://www.geocities.jp/go_dhr/dhr/dhr_history09a.html

真壁記事

9月3日と4日、中国の北京で“中国アフリカ協力フォーラム”が開催された 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

なぜ中国はアフリカ支援に熱心なのか

9月3日と4日、中国の北京で“中国アフリカ協力フォーラム”が開催された。中国の習近平国家主席は今後3年間で600億ドル(約6.6兆円)の支援をアフリカ各国に行うと表明し、会議に出席した各国首脳からの喝采を浴びた。

中国のアフリカ支援に関して、“各国が借金漬けになる恐れがある”との懸念を示す専門家の見方もある。確かに、その可能性はある。ただ、そのリスクを論じる前に、なぜ中国はアフリカ支援に熱心なのか、その理由を冷静に考える必要がある。

これまでも中国はアフリカ諸国に経済支援を行い、アジアに次ぐ有望市場に着々と橋頭堡を築いている。それは、中国の広域経済圏構想である“一帯一路(21世紀のシルクロード経済圏構想)”推進の一環でもある。

一方、アフリカ諸国は中国との関係強化によって、“のどから手が出るほど欲しい”インフラ投資などの資金を確保できる。それは、各国首脳に大きなメリットを与えるはずだ。圧倒的な賛意が起きるのもよく分かる。

それに加え、米国のトランプ大統領の強引な通商・外交政策が、国際社会に影響を与えていることも見逃せない。世界の政治・経済・安全保障の基軸国家の役割を担ってきた米国から距離をとる国が増えるのは仕方ないだろう。

米国の孤立化は中国にとって自国の経済圏展開のチャンスだ。そのため、中国は米国との貿易戦争や景気減速など苦しい立場にありながらも、資金提供などを呼び水にして各国との関係強化を優先している。長い目で見ると、その差は今後、さらに大きくなるだろう。

中国がアフリカに支援を行う背景

歴史的に、中国とアフリカ諸国の関係は深い。第2次世界大戦後から中国はアフリカ各国との関係を強めてきた。その背景には、中国もアフリカも、かつての列強から圧力を受けてきたという共通点がある。

また、中国は反帝国主義闘争の考えの下で民族解放闘争支援を前面に押し出し、アフリカ諸国の独立を支援し国交を樹立してきた。言い換えれば、アフリカの国々にとって中国は大きな後ろ盾ということだ。

経済支援を受けてアフリカ諸国は中国への支持を強めた。1971年の国連総会で中国の代表権が認められ、それまで代表権を有していた台湾が追放された背景にも、アフリカ諸国からの賛成票があった。そうした歴史的な経緯が、今日の中国とアフリカ諸国の関係の根底にある。

その関係を基にして、中国はわが国を上回る支援をアフリカに提供し、親中政権の獲得に注力してきた。習近平国家主席は、中国との外交関係の維持を条件に債務の一部免除にまで言及するなど、かなりの力の入れようだ。

中国がアフリカへの支援を通して目指すことは、自国を中心とする国際的な経済圏の構築といってよい。特に、人民元が通用する範囲の拡大が重要だ。一帯一路には、中国が新興国などの需要を取り込むことに加え、現在のドル基軸体制の影響を受けない経済圏を拡大する目的もあるだろう。

人民元で貿易や投資などの決済を行う地理的な範囲を拡大できれば、中国は人民元とドルの為替レートの変動から受ける影響を軽減できる。それは、円高によって海外で得た収益を減じてきた、わが国経済の教訓を生かした発想といえる。

すでにアフリカ諸国では中国人民銀行との通貨スワップ協定が締結されるなど、人民元の流通範囲が拡大している。ジンバブエは対中債務帳消しと引き換えに、人民元を法定通貨に定めたほどだ。加えて、中国は安全保障面でもアフリカ諸国との関係を強化するだろう。

トランプ氏の強引な外交姿勢の弊害

中国との関係を重視する国が増えている理由として、トランプ大統領の存在は見逃せない。中間選挙に向け、トランプ氏はラストベルト地域の有権者やキリスト教福音派層などからの支持を取り付けることを重視している。目先、同氏が貿易戦争や高圧的な外交方針を撤回することは想定しづらい。

その上、トランプ氏はアフリカ諸国に対して厳しいスタンスを取ってきた。1月にトランプ氏は、極端な表現でアフリカ諸国などを批判した。その一言が、アフリカ諸国の米国不信を決定的なものとしたと指摘する専門家もいる。その上トランプ氏は、南アフリカの国土行政のあり方について是正の取り組みを冷静に確認することなく、ラマポーザ大統領を批判している。

多くの新興国にとって、海外企業などの投資を呼び込み、雇用機会を創出することは経済成長のために欠かせない。そのためには、インフラ整備も必要だ。トランプ政権以前の米国は、グローバル化を進めることによって新興国の経済開発を支えようとしてきた。

しかし、トランプ大統領の発想は従来の考え方に逆行している。特に、トランプ大統領自ら「貿易戦争はよいこと」と考えていることなどは、グローバルサプライチェーンの混乱などを通して新興国の成長率を低下させる恐れがある。その懸念が払拭できない間、米国への不信や不安は高まっていくだろう。

それに伴い、中国になびく国は増える可能性がある。多くの国が内心では中国と関係を強化する代償として、さまざまな圧力に直面する恐れがあることは認識しているはずだ。一部では、ジンバブエのクーデターの背景には中国の影響があったとの指摘もある。

それが分かっていても、「背に腹は代えられない」というのがアフリカ諸国などの本音だろう。トランプ政権が強引な発想を重視すればするほど、アフリカ諸国などは目先の利害を重視して中国との関係強化に動かざるを得ないといっても過言ではない。

今後のわが国に求められる取り組み

今後、中国はアフリカをはじめとする一帯一路沿線地域において、政治・経済・安全保障面での関係強化に取り組むだろう。トランプ大統領が米国の最高意思決定権者にある間、米国は孤立感を深める恐れがある。長い目で考えると、その差は大きくなるだろう。

それは、わが国を取り巻く不確実性要因が増えることと考えた方がよい。これまでわが国は米国との関係を重視し、歩調を合わせるようにして政治・経済・安全保障を運営してきた。しかし、米国が国際連携を軽視して孤立する中、この発想は有効と考えづらい。安全保障面では米国との同盟関係を重視しつつ、わが国は自力で国力増強を目指すべきだ。

重要なことは、親日国の獲得だ。中国が国連代表権を勝ち得たのは、アフリカ諸国を味方につけ“数の論理”で論争を制したからだ。同様に、わが国がTPP(環太平洋パートナーシップ)協定などの多国間の経済連携の枠組みを推進するためには、自国の考えに賛同する国=親日国を増やさなければならない。

中国になびく国が増える一方で、中国の取り組みに慎重な考えを示す国も出てきた。マレーシアはその例だ。世界経済の成長ダイナミズムを支えると期待されるアジア新興国との連携を強め、従来以上に積極的に経済支援などを行うことはわが国の信頼感を高めることに資するだろう。

わが国はアフリカ諸国にもより積極的に支援を行うべきだ。それに加えて、カネの量にモノを言わせる中国のリスクに警鐘を鳴らすべきだ。まず、債務を返済する能力に不安がある場合、各国企業などからの投融資を受け入れることは難しい。わが国は持続可能な経済開発の政策プランを提示しつつ、財政面や技術面での支援を行えばよいだろう。トンガのように、中国に債務帳消しを求めて反対された国があることも忘れてはならない。

本来、米国が覇権を強化するためには、世界各国との連携を強化する必要があるだろう。トランプ氏はその考えに背を向けた。ある意味、米国が孤立の道を選んでいる状況は、わが国にとってチャンスだ。それくらいの発想を持って政府は新興国支援を強化し、親日国の獲得を通した国力増強に取り組めばよいだろう。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

加藤記事

まさに“習近平一色”に染められた「中国アフリカ協力フォーラム」の光景

「中国アフリカ協力フォーラム」の様子は『人民日報』が大々的に報じた(『人民日報」のホームページより)

「習近平主席は西側の指導者よりも、新興国や途上国の指導者と会談をしているときのほうがリラックスしていて、生き生きしているように見える」

昨年9月、中国福建省アモイ市で第9回BRICS首脳会議が開催され、習近平国家主席(以下肩書略)自らが赴き司会を務めた際、中央外事工作領導小組(筆者注:2018年3月の全人代を経て“中央外事工作委員会”へと改名。主任習近平、副主任李克強、委員王岐山、楊潔チ〈チの字は竹かんむりに“褫”のつくり〉、王毅など13人)事務局の一員として同会議の運営に関わった若手官僚が筆者にこう語ったのを思い出した。

筆者にそう思い出させたきっかけが、9月3日から4日に北京で開催された「中国アフリカ協力フォーラム」の光景であった。

8月上旬から中旬にかけて北京の北東部、河北省の避暑地である北戴河で行われたとされる「北戴河会議」後、習近平が最初に臨んだ外交の大舞台、それも“主場外交”でのお披露目であった。米国との間で激化する貿易戦争などが原因で、今年の北戴河会議を巡ってはさまざまな憶測や推論が展開されたようである。中でも、習近平の責任問題や権力基盤に関して懐疑的に見るウオッチャーや関係者は少なくなかった。

そんな外界、そして内部からの疑問や抵触を払拭するかのように、同フォーラムが開催されていた期間中、その前後、中国世論はまさに“習近平一色”に染められたと言っても過言ではない。

フォーラムの開会式での談話、円卓会議での司会、共同記者会見への出席などだけでなく、習近平はこの多国間外交の機会を最大限に利用すべく、北京を訪れたアフリカ53ヵ国の代表者らと精力的に2ヵ国間外交を繰り広げた。

8月30日から9月6日、習近平はこれらの国家の大統領や首相らと50以上の会談を行った。8月31日から筆者が本稿を執筆している9月7日の党機関紙『人民日報』には習近平の対アフリカ外交の模様が大々的に報道されたが、中でも衝撃的だったのが9月2日付の1面トップである。紙面上すべての記事が、習近平が某国首脳と会談したという記事で覆われていた。すべての記事の主語である習近平がガーナ、エジプト、マラウィなど12ヵ国の首脳と会談した模様が羅列されている。

筆者にはそれが、単に中国の対アフリカ重視や『人民日報』の習近平への“ゴマすり”というだけでなく、さまざまな憶測が飛び交った夏を経て、依然として権力闘争や党内不安は存在するものの、結果的に習近平への個人崇拝や権力集中が強化されていく流れ、そして、そういう流れを少なくとも現段階ではせき止められない、中国共産党内での一種の政治力学が働いた産物のように思われた。

中国とアフリカの協力や結束を徹底的にプロパガンダ

フォーラムの内容や“成果”であるが、中国国内では、劇的といえるほどに中国とアフリカの協力や結束がいかに前向きであるかが徹底的にプロパガンダされていた。

会議を通じて「より緊密な中国アフリカ運命共同体を構築するための北京宣言」や「中国アフリカフォーラム:北京行動計画(2019~2021)」が採択・発表された。

今後3年間を含めた近い将来に重点的に実施する目標として「八大行動計画」なるものも打ち出した。産業、インフラ、貿易、緑化発展、キャパシティービルディング、健康衛生、人文交流、平和安全の8分野から成るが、具体性のあるものとしては、アフリカが2030年までに食料安全保障を基本的に実現できるよう中国が支援すること、アフリカの被災国に10億元の緊急人道主義食料援助を行うこと、中国が500人の高級農業専門家をアフリカへ派遣すること、アフリカで1000人のエリートを育成し、5万人に中国政府奨学金を提供すること、2000人の若者をアフリカから中国へ招待し交流させることなどが記されている。

そして、「八大行動計画」を円滑に推し進めるため、中国はアフリカ諸国に対して600億ドル援助をしていくという。中には150億ドルの無償援助、無利子借款、好待遇借款、200億ドルの信用貸付などが含まれる。また中国政府は中国企業が向こう3年でアフリカに少なくとも100億ドル以上投資することを促していくという。と同時に、これまでの借款を2018年末までに償還できない一部の国に対し、債務を免除する方針も示した。

中国は2015年にヨハネスブルクで開催された前回の中国アフリカ協力フォーラム(筆者注:同フォーラムは3年に一度、アフリカ国家と中国の間で交互に開催。次回は2021年にセネガルで開催予定)にて今回と同様の600億ドルの援助を約束している。

本プロジェクトに関わった中国政府関係者によると、その内訳は無償援助が50億ドル、中国アフリカ発展基金が100億ドル、同産業協力基金100億ドル、残りの350億ドルが実質的な対アフリカ投資に使われたとのことである。3年前と今回の中国対アフリカ“政策”あるいは“対策”を比較してみると、その援助性が強まっているのは一目瞭然であろう。

言い換えれば、3年の間に経済規模で大きくなり、国際的影響力や発言権が主観的に、そして客観的にも向上したといえる中国がこれまで以上に“懐の深さ”を見せつけ、自らの優位性に立ちつつアフリカ諸国に対してホワイトナイトのごとく手を差し伸べようとしている現状が見て取れる。

中国は、少なくとも主観的にそうするだけの能力と自信が生まれてきている、と考えているに違いない。

培ってきた経済力を他の分野や境地に転換

2012年秋から2013年春にかけて習近平政権が成立して以来、中国共産党の経済外交、金融外交は赤裸々に活発化している。

“一帯一路”、アジアインフラ投資銀行、BRICS銀行といったプラットフォームやイニシアチブをはじめ、今回の中国・アフリカ協力フォーラムのような国際会議を使いつつ能力と自信を培ってきた経済力を他の分野や境地に転換させようとしている。筆者の理解によれば、その転換の構造というのは以下のようである。

1)経済力の放出→(2)政治力の浸透→(3)朋友圏(中国語で“ネットワーク”を指す)の拡大→(4)核心的利益の死守→(5)政権正統性の確立

この構造を元に考えれば、今回中国がより一層アフリカに対して(1)経済・金融外交を積極展開する最大の動機と需要は、究極的には(5)政権正統性の確立にある。そしてそのためには(2)~(4)のプロセスが避けては通れないプロセスでありステージであるということである。

そして、中国共産党の(5)への飽くなき執着心が如実に表れているのが、習近平が同フォーラム開会式で行った基調講演における発言である。習近平は「13億以上の中国人民と12億人以上のアフリカ人民は同じ息を吸い、運命を共にしている。我々は終始アフリカを尊重し、熱愛し、支持する」という立場を明らかにした上で“5つのノー”という方針を打ち出した。

下記がその5つだ。

(1)アフリカ国家が自らの国情に符合する発展の進路を模索する過程に干渉しない
(2)アフリカの内政に干渉しない
(3)自らの意志を他者に押し付けない
(4)対アフリカ援助においていかなる政治的条件も付与しない
(5)対アフリカ投資・融資からいかなる政治的私利を目論まない

習近平が“5つのノー”を打ち出した最大の動機とは

筆者から見て、習近平がこのような“5つのノー”を打ち出した最大の動機は中国共産党がこの5ヵ条を信奉しているからでも、この5ヵ条を行動方針とすることで中国のアフリカ大陸における経済的、政治的利益が最大化されるからでもない。

中国が国際社会、特に西側諸国、とりわけ米国からそうされたくないからである。中国は西側諸国、特に米国からこの5つを施されることを極端に嫌う。

中国はいまだに米国(の政治家、軍人、戦略家ら)は中国に対して“和平演変”を目論み、起こそうとしているという“陰謀論”を胸の奥深くに抱えている。だからこそ、米国や西側諸国は難しくても、アフリカや中東、東南アジア、中南米アメリカ、そして一部ヨーロッパに対してこの現代版“五箇条の御誓文”を浸透させ、21世紀、中国が掲げる“新型国際関係”の行動規範・価値体系に仕立てたいのだろう、というのが筆者の見立てである。

対米貿易戦争が激化し、その中で習近平の権力基盤が懐疑的に認識・議論され、中国共産党の正統性が揺らいでいるかのように見える中、習近平、そしてその周辺はなおさらそう考え、行動を起こしていくものと考えられる。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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