4/25ZAKZAK 湯浅博『震災の弱みにつけ込む国々 国際政治の過酷な現実』、4/20中国時報(台湾)記事について

4/20発行「中国時報」(台湾)を麗澤大学図書館で読みました。

①WHOの世界衛生大会(WHA)の招待状が台湾に届かないという記事です。5/20蔡英文氏(台湾民進党)の総統就任を前にして、蔡次期総統が92共識(コンセンサス)を認めない限り、列車は衝突し合うだろうと中国が脅してきている記事です。確かに馬英九が08年に総統になった翌年からWHAにオブザーバーとして台湾は招待されています。2010年に尖閣で中国漁船が海保巡視船に体当たりした事件で、拿捕した中国人を釈放しない限り、レアアースは輸出しないと脅したのと同じで、中国はいつでも自分たちの主張を通すためには何でも使うという事です。脅しに屈するのはヤクザに屈するのと同じです。自由主義国で新たな組織を作り、台湾の参加ができるようにすれば良い。中国がガタガタいう国際組織何て意味もない。中国を抜いた組織を作った方が良いのでは。WHOの事務局長もマーガレット・チャン(香港人)で中共の圧力を受けているでしょう。

China Daily20160420-1

②4/18OECD国際鋼鉄会議がベルギーで開催されたときに、中国がベルギー政府に圧力をかけて、台湾のオブザーバー出席を認めないようにしました。ベルギー副首相が退席を要求し、台湾が抗議して翌日出席が認められたとのこと。ベルギー政府は謝罪し、中国政府からかなりの圧力があったと釈明したとありました。中国は鉄鋼だけではありませんが、投資過剰→生産過剰→ダンピング輸出の構図になっています。諸悪の根源は中国なのに、恥知らずにも自分の都合を優先主張します。中国を西側社会に組み入れたのが間違いです。自由・民主・人権・法治いずれもない国に経済的なメリットを与えたのが間違いです。今更言っても詮方ありませんが。封じ込めるしかありません。

China Daily20160420-2

③同じく中国時報には李登輝元総統が新党を作るとの記事。台湾団結連盟の党主とはうまくいってないとのこと。多分蔡英文次期総統の応援団&中共との融和の監視の役目でしょう。

本記事は、外国は悪い連中が多いと言う記事です。「世界は皆腹黒い」です。「隙あらば」と何時も窺っているという事です。ナイーブなだけでは国際社会で生きていけません。日本の偏向メデイアの情報だけで判断すると間違いますし、バランスオブパワーの感覚無しでは戦争に巻き込まれる可能性が高くなります。国民一人ひとりが国際政治・外交・軍事にもっと関心を持つようにしないと。英語を学ぶ以前に。

記事

安倍晋三内閣の危機対処は、立ち上がりが早かった。熊本県を襲った大地震発生から5分後には官邸対策室を設置し、被害状況の把握に努めた。実はこのとき、政府は東シナ海を遊弋(ゆうよく)する中国公船の動向をにらみながら、被災地の熊本に自衛隊員2万人の派遣を決めなければならなかった。  この日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の領海を中国海警局の船3隻が侵犯していたからである。海警の3隻は午前中、2時間近く領海内をうろつき、西南西の方向へ出ていった。この間、海上保安庁の巡視船は海警が尖閣に近づかないよう警戒し、海上自衛隊の艦船も距離をおいて警戒していた。その夜の大地震発生であった。  海警の3隻が去った後も、政府・自衛隊は依然として南西方面に気を配らなければならなかった。  2011年3月、未曽有の東日本大震災の際に米軍はいち早く2万人動員の「トモダチ作戦」を展開してくれた。まもなく、中国からも15人の救援隊が送られてきたが、1週間して帰国した。入れ替わりに、軍艦を尖閣諸島に送りつけてきたのである。  当時、菅直人内閣の動きに「日本は御しやすい」と判断したのだろうか。ロシアの空軍機は、「放射能測定」を理由に日本の領空ぎりぎりを飛び、中国の艦載ヘリも尖閣沖の海自艦に異常接近して、結果的に復旧の邪魔をした。  香港の「東方日報」は地震発生から約1週間後、尖閣を奪取すべきだと指摘して、「日本が大災害で混乱しているこの機会が絶好のチャンスである」とホンネを吐いていた。

 内紛や天災で国が乱れると、そのスキを突いて敵対勢力がなだれ込むのは国際政治の過酷な現実である。腹に一物ある周辺国は、危機に陥ったときの日本のクライシス・マネジメント能力をじっと見ている。それが有事にも直結するからだろう。  過去にも大正12年9月の関東大震災の際、救援の外国勢と裏では虚々実々の駆け引きをしていた。  日本海軍は地震発生とともに、国内3つの鎮守府から艦艇が急行したほか、連合艦隊が東京湾に向かった。このとき、黄海にあった米国の太平洋艦隊も震災4日後に8隻が東京湾入りして、その早さに海軍当局者は度肝を抜かれた。  米軍の救援部隊の中には情報要員が紛れ込んでいた。驚いたことに、この時の震災と火災の関連調査が、後の日本本土空襲作戦の立案の際、焼夷(しょうい)弾使用の参考にされた(防衛研究所ニュース通算86号)。  東日本大震災から早くも5年が経過した。民主党から自民党政権にかわり、日本の危機対応能力は格段に向上している。制度面では、国家安全保障会議(NSC)を設置して効率的な意思決定システムを整えた。運用面でも、中国による領海侵入が繰り返されても、日本はそのつど押し返している。  安倍首相は集団的自衛権の一部行使が可能な安保法制を整備し、同盟国とは日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を改定し、いざというときの役割分担も整備した。  それでも足りないのは、予想される首都直下型大地震のような「国家存亡にかかわる事態」への対応である。現行憲法にない「緊急事態条項」を早急に補い、万全の態勢を組むのが国民への責務であろう。(東京特派員)

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