中国のホテルのロビーにはそれと分かる女性が屯しています。米系ホテルと雖もです。外から女性を持ち込むと、彼女らの商売の邪魔をすることになり、ホテル側から公安に通報される危険性が高いです。
中国は力の信奉者が多いです。女衒のような輩も、絶対公安に賄賂を贈っています。でなければすぐに逮捕され、安心して商売ができないからです。その為、逆に過信に繋がり、「何をしても大丈夫」という気にさせてしまう訳です。中国駐在時にも日本料理店やカラオケ店に時々、視察と称して公安が回ってきました。裏で金を出していれば別に何も起きません。カラオケ女性は「三陪小姐」(男性客の「食事、遊び、寝る」の3つにつきあうことを生業とする女性の蔑称、①陪你聊天②陪你喝酒③陪你上床、〈備考〉「三陪」は「陪酒、陪舞、陪歌」、「陪吃、陪喝、陪聊」を指すこともある。)とよばれることもありますが、全員が売春する訳ではありません。また、話をしたり、酒を飲むときに女性は男性の横に座ってはいけないことになっていますが、守られることはなかったです。大体取り締まる側の公安が腐敗していますから。中国には立派な法律が通過していますが、守られた試しがありません。賄賂で曲げられてしまうからです。排水中のBOD、COD超過も罰金を払えばそちらの方が、設備投資するより安いので、中国の河川は汚れ放しになる訳です。中国憲法の第35条には「中華人民共和国は、言論、出版、集会、結社、行進、示威の自由を有する」とありますが、守られてないのは、香港・銅鑼湾書店の例を持ち出すまでもないでしょう。デモも官製デモだけです。共産党が認めないデモを許せば、国はすぐに持たなくなるでしょう。共産党は悪逆非道の統治をしていますので。
でも、今はSNSが発達してますので、おかしなことが起きれば、政治的に微妙な問題でない限り、本記事のように反撃できます。権力の横暴に対抗するには、このような手段を活用するしかありません。社会に「悪」を晒すことでしか。日本のメデイアは権力となって、彼らにとって「不都合な真実」は「報道しない自由」の権利を行使します。でもSNSの発達で、メデイアが批判の目に晒されるようになりました。また、玉石の石の情報は炎上するか、淘汰されます。インターラクテイブの凄さです。
記事
ホテルグループ“如家酒店集団(Home Inns Group)”に属する“和頤酒店(Yitel)”は中国国内でチェーン展開する準高級のホテルで、国内24都市に60か所のチェーン店を擁している。「北京望京798和頤酒店」(以下「和頤(わい)ホテル」)は北京市内に9か所あるチェーン店の一つで、北京市北東部に位置する“朝陽区酒仙橋北路”にあり、“望京科学技術園区”と芸術家が集うことで名高い“798芸術区”に隣接することから命名された。和頤ホテルは“首都国際空港”まで北東へ15km、北京市の中心部まで南西へ15kmと、空港と市街区の中間点にあって交通に便利なことから、宿泊客には地方から上京するビジネスマンが多い。
北京の和頤ホテルで暴漢に襲われる
さて、4月3日の夜、その和頤ホテルに宿泊していたハンドルネームを“彎彎_2016”と名乗る女性がホテルの宿泊階で暴漢に襲われる事件が発生した。その事件の経緯は以下の通り。
【1】彼女が和頤ホテルにチェックインしたのは4月1日だった。彼女は北京市へ業務出張するついでに休日を楽しもうと、3月30日に旅行予約サイト“携程旅行網(ネット)”を通じて首都国際空港に近くて便利な和頤ホテルを4月1日から予約した。北京滞在3日目の4月3日の夜、彼女は北京にいる友人との食事を楽しんだ後、1人でタクシーに乗り、10時50分前に和頤ホテルへ到着した。ホテルの玄関を入ってエレベーターホールに進むと、そこには3人がエレベーターの到着を待っていた。間もなくエレベーターが1階に到着し、上りのエレベーターには彼女を加えた4人が乗り込んだ。
【2】和頤ホテルのエレベーターはセキュリティシステムを採用しており、宿泊客がエレベーターで宿泊階へ上るには、宿泊客が持つカード式ルームキーをエレベーターの停止階表示器に組み込まれたセンサーにタッチする必要がある。彼女の部屋は4階だったが、停止階表示器を見ると、誰かがルームキーをタッチしたらしく、4階の停止表示はすでに点灯していた。エレベーターは4人を乗せて上昇し、3階で1人が降りた後に4階へ到着した。エレベーターが4階に止まって扉が開くと、彼女はすぐにエレベーターを降りたが、停止時間が過ぎて扉が閉まる直前に1人の男が降りた。
【3】彼女がエレベーターホールでバッグから部屋のカードキーを取り出すのに手間取っていると、その男が彼女に近付き、「姉ちゃんは何号室」と声を掛けてきた。これはまずいと思った彼女は、「どうしてあんたにそんな事を言わなきゃいけないの。あんたは誰?」と応じた。すると、男は表情を変えて、「お前の部屋へ行こうじゃないか」と言いながら、彼女の腕をつかんで無理やり部屋のある方向へ引っ張った。彼女は男の乱暴な行動に怯えると同時に、男が凶器を持っていたらどうしようと考えつつ、身体を引っ張られまいと抵抗を続けた。彼女の抵抗が激しいので、男はさらに力を強めた。彼女は「私はあんたなんか知らない。放してよ」と大声で叫び続けたところ、男はその声を他の宿泊客に聞かれては困るとばかりに、彼女の首と顔を押さえつけて声を出せなくさせて、彼女を強引に引っ張った。
【4】彼女は何としても逃れようと、必死の思いで「助けて」と大声で叫び続けた。たまたま部屋のある通路から現れたホテルのボーイが、彼女の叫び声を聞いて近付いてきた。天の助けと考えた彼女はボーイに向かって、「この人は知らない人なの、早く助けて」と叫んだが、これを聞いた男はなおさらいきりたって、彼女の首をつかむ手に力を加えたので、彼女は息ができなくなり窒息しそうになった。この状況を見て、恋人同士の痴話げんかだと思ったボーイは、男の暴力行為を止めようとしないばかりか、優しい声で「ここでけんかしないでください。だめです、こんなことはいけません」と語りかけたのだった。
ボーイも客も傍観、1人の女性が救いの手を
【5】ボーイは助けてくれるわけでなく、ただ傍観しているだけ。どうしようもなくなった彼女は、床に座り込んで男に引っ張られるのを防ぎながら、110番へ通報しようと携帯電話を取り出した。しかし、目ざとくこれを見つけた男は、彼女の手から携帯電話を奪い取ると、彼女から目を離さぬまま、やおら誰かに電話を掛け、電話の相手に応援に来るように依頼したのだった。これを聞いて、彼女は焦った。誰だか知らないが、男の仲間が来たら連れて行かれるかもしれない。彼女は混乱の極にあり、恐怖に打ちのめされて、全身をわなわなと震わせていた。
【6】この間にも数人の宿泊客がエレベーターから降りて来たが、彼らは男女が痴話げんかしているものと思ったのか、見て見ぬふりして通り過ぎて行くだけだった。但し、1人の女性だけは彼女と男のただならぬ様子に不審を覚えたようで、ずっと彼ら2人を見つめながら自分の部屋へ向かった。そうこうする間に、男は再度電話を掛けようと、彼女から手を放して少し離れた場所へ移動した。逃げるなら、今がチャンスだ。一瞬の間隙をついた彼女はエレベーターまで突進して上下ボタンを押したが、これに気付いた男は走り寄ると、有無を言わさずに彼女を捕まえ、髪の毛をつかんで、彼女をエレベーターとは反対の側にある消防用避難通路へ連れ込もうとした。
【7】先に2人の様子に不審を抱いた女性は、一度は部屋に戻ったものの気掛かりで、部屋から出て、彼らの状況をうかがっていた。男が彼女の頭髪をつかんで消防用避難通路へ連れ込もうとした時、見かねて意を決した女性は、彼女に救いの手を差し伸べて、男の手から彼女を救い出すと、彼女の盾となった。すると、形勢不利と見た男は慌てふためき、消防用避難通路から脱兎の如く逃走した。危機を脱した彼女は救い出してくれた女性の腕にすがり、自分を女性の部屋へ連れて行って欲しいと懇願した。ホテルのボーイは男が逃走するまで現場にいたにもかかわらず、最後まで彼女を救出することなく、ただ木偶の坊のように傍観していただけだった。
上記の事件は4月3日の夜10時50分から54分までの4分30秒の間に発生したもので、その状況は4階のエレベーターホールに設置されていた監視カメラによって全て録画されていた。しかし、和頤ホテルの警備員も管理職員も監視カメラの映像を見ていなかったため、事件の最中に現場へ駆けつける者は誰もいなかった。また、当直のフロント係は事件後に何度も電話を掛けた末に、ようやく彼女の所へ出向くという体たらくだった。彼女が事件を110番通報したことで、派出所の警官が和頤ホテルへ急行し、和頤ホテルでの現場検証と監視カメラのチェックが行われた。その後、彼女は警官とともに派出所へ移動したが、警官が彼女の調書を取り終えたのは午前2時過ぎだった。
彼女は派出所の警官に、「犯人は27~28歳の男で、黒革の上着にGパンをはき、うりざね顔で凶暴な目つきをしていた。男は酔っておらず、素面だった」と述べて、犯人を早急に逮捕するよう要望した。しかし、警官は、「盗られた物もないし、負傷もしていない。酔っ払いが絡んで来ただけじゃないのか」とまともに取り合うとしなかった。
ホテルへの非難コメント200万以上
その夜ホテルの部屋に戻った彼女はまんじりともせずに一夜を過ごした。翌4日の朝、ホテルのフロントへ出向いた彼女は、フロント係に今回の事件発生についてホテルはどう考えているのかを質したが、フロント係は事件が発生したことなど全く知らなかった。そこで、責任者に連絡を取るよう要求して、責任者と電話で話したところ、責任者はすでに公安局へ報告済みだから、公安局からの見解を待ちたいと言っただけで、ホテル内で事件が発生したことを謝罪しないばかりか、事件について何らの釈明もなかった。そればかりか、責任者は電話で応対しただけで、彼女の前に姿を現すこともなかった。それでも彼女はホテル側からの誠意を信じて連絡を待ったが、ホテル側は知らぬ顔の半兵衛を決め込み、彼女を一切無視した。このため、彼女は4日中にホテルを引き払い、飛行機で北京を去ったのだった。
4月5日、彼女は自身のハンドルネーム“彎彎_2016”の“微博(マイクロブログ)”に4月3日夜に和頤ホテルで発生した事件の経緯を書き込むと同時に、ホテルで警官と共に監視カメラの映像をチェックした際にスマホで撮影した、事件発生当時の状況を示す動画を動画共有サイト“優酷(youku.com)”へ投稿した<注>。このマイクロブログの書き込みと投稿された動画は大きな反響を呼び起こし、ネットユーザーによって中国全土へ転送された。この結果、4月6日夜までに“彎彎_2016”のマイクロブログには15億件ものアクセスが殺到し、200万人以上がコメントを書き込んだ。その大部分は和頤ホテルの彼女に対する冷淡な対応を非難すると同時に、ホテルの管理能力と従業員教育に疑問を呈するものだった。
<注>“優酷”に投稿された動画の再生回数は、4月10日夜までに700万回を超えた。
あるネットユーザーは、和頤ホテルが売春組織と結託して利益を得ているのではないかと疑問を投げかけ、犯人の男は彎彎_2016を自分が呼んだ売春婦と勘違いしたもので、そうならば、男が彼女を無理やり部屋の方へ連れて行こうとした理由が説明できるとした。後に判明したところによれば、和頤ホテルでは宿泊客以外は客室階へ上がれないようにするセキュリティシステムを採用しているというのに、なぜか客室には名刺大で煽情的な女性写真入りの売春ビラが多数配布されていたという。
ホテルの謝罪会見、5時間遅れ、5分のみ
それはさておき、事件が公になり、大きな騒動に発展したことで、驚いたのは和頤ホテルだった。彼女からの問題提起を無視して、事件をうやむやのうちに終わらせようと考えていたホテル側は慌てた。彼女に電話を入れて、カネを払う代わりに、速やかにマイクロブログの書き込みと動画共有サイトの動画を削除するよう要請したが、彼女からは即座に拒否された。
4月6日、和頤酒店チェーンを展開する如家酒店集団は、事件のあった和頤ホテルで記者会見を行った。会場となった和頤ホテルのホールにはメディアの記者が大挙して押しかけたが、会見は予定時間より5時間も遅れて始まった。会見には如家酒店集団を代表して2人の女性が出席し、そのうちの1人が原稿を読む形で、事件発生に対する遺憾を表明し、被害者および社会に対して謝罪した。さらに、今後は類似の事件が発生しないように改革を行い、公安局の調査には積極的な協力を行うと述べ、わずか5分で会見を打ち切り、記者たちの質問には全く応じることなく、会場を後にした。
4月8日、あるメディアの記者が、事件の当事者である“彎彎_2016”は、浙江省“杭州市”にある某企業の従業員であることを突き止めた。彼女は出張で4月1日に北京を訪れ、事件生翌日の4月4日に杭州へ戻っていたのだった。一方、北京市公安局は公式マイクロブログで、4月7日の夜9時頃、和頤ホテル事件の専従班が河南省公安局の協力の下で、河南省“許昌市”で同事件の容疑者として李某(男、24歳、本籍:河南省)を逮捕し、現在取調べ中である旨を公表した。事件に対する世論の沸騰に北京市公安局も犯人逮捕に全力を上げざるを得なかったものと思われる。
なお、某メディアは、犯人の男は和頤ホテルの客室に売春ビラを配るのを仕事としており、たまたま見かけた“彎彎_2016”を同業者であると思い込んで、彼女を連れ去ろうとしたと報じている。事件発生後、男は和頤ホテルに電話を入れて、彼女が同業者だと勘違いして犯行に及んだと話したと言う。これが本当ならば、北京市公安局が事件発生からわずか4日で北京市から約800kmも離れた河南省許昌市で男を逮捕できたことの説明がつく。
こうして事件は表面的に終わりを告げたが、事件の根は深い。その理由は以下の通り。
義侠心の復活は至難の業
【1】犯人の男が売春ビラを配るのを仕事としていたのならば、連日のように和頤ホテルに通っていたはずで、第一発見者となったボーイと顔なじみだった可能性がある。だからこそ、ボーイは、犯人の暴力行為を止めようとせず、「ここでけんかしないでください。こんなことはいけません」と犯人に呼びかけたものと考えられる。ボーイは“彎彎_2016”と犯人の2人が痴話げんかしているとは思っていなかった可能性が高い。
【2】それよりも、犯人が和頤ホテルの客室階へ自由に出入りできたのならば、彼は客室階へ上るマスターキーを持っていたことになる。恐らく、ホテル内のしかるべき役職にある人物が犯人に便宜を図り、見返りとして客がついた場合にリベートをもらっていた可能性が高い。和頤ホテルは準高級ホテルだから、そんなことはありえないと思うかもしれない。しかし、中国では高級ホテルでさえも売春婦が宿泊していて、館内電話を使って客室に電話をかけ、宿泊客に売春を持ち掛けることがあるくらいだから、客室に売春ビラが配られても決しておかしなことではない。果たして、北京市公安局が本件に関連して和頤ホテルと売春ビラの関係にまで踏み込んだ調査を行うかどうか。4月5日付のメディアは、民間企業である如家酒家集団が、110億元(約1980億円)で国有企業の“北京首旅酒店(集団)股份有限公司(略称:首旅酒店集団)”に合併されて、首旅酒店集団の傘下に入ると報じている。民間企業ならともかく、国有企業となった和頤ホテルの売春問題に北京市公安局が踏み込むことは恐らくないだろう。
【3】上述した事件の経緯を振り返ると、そこに見えてくるのは、人々の他人に対する無関心である。何人もの宿泊客が“彎彎_2016”に対する犯人の暴力行為を目にしながら、阻止しようとせず、無関心を装って通り過ぎた。2011年10月、広東省“佛山市”で2歳の女の子が前後2台の車にひかれて路上に倒れていたが、18人もの通行人が見て見ぬふりで救助せずに通り過ぎ、19人目の老婦人が救助して病院へ搬送したが、女の子は死亡した。また、「中国では老人が倒れていても助けるな」という考え方が一般化し、倒れている老人を見ても誰一人助けようとせずに、死亡する事例が多発している。これは自分の不注意で倒れた老人が、高い医療費を負担できないことから、助けた人に倒されたと主張し、裁判で勝利して医療費を騙し取る事件が多発していることに起因する。
【4】“彎彎_2016”は、今回の事件を踏まえて、こうした風潮に苦言を呈し、他人に無関心を装うことを止めて、困っている人を見たら助けなければならないと述べている。自分がその当事者として苦境に陥った場合を考えれば、誰かに手を差し伸べて欲しいはずではないかと彼女は言っている。かつての中国には「“路見不平,拔刀相助(路上で人の危難を見たら、刀を抜いて助ける)”」という言葉があり、義侠心を起こすという精神が存在していたが、いまでは言葉だけが残って、その精神は全く消え失せた。この精神を復活させることは至難の業だが、それをしない限り、中国社会は個々人がばらばらになり、新たな発展を遂げることはできないのではないだろうか。義侠心が存在しなければ、我々日本人が好きな、三国志や水滸伝に代表される中国古典文学は成立しなかったはずである。
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