3/2藤岡信勝氏Facebookの『慰安婦関連』記事について

藤岡氏のFacebookの記事ですが、転載許可は取っていません。でも拡散することによって、一人でも多くの国民が国及び国民の名誉を守ることに覚醒して戴けたらと思い掲載します。

相も変わらず中国のプロパガンダはひどいものです。南京虐殺なんて日本の伝統・文化にはないのに、自分たちが犯した罪を他人に擦り付けるのが得意な人達です。基本的価値観は「騙す人が賢く、騙される人が馬鹿」ですので。岡田英弘氏の著作には確か中国の歴史を回顧すると人口が極端に減った時代が何度も出てくるとあったと思います。虐殺しなければそんなに人口が減るはずもない。日本がキチンと反論していかないと世界から「非倫理的」な民族の烙印を押されてしまいます。

韓国は民主選挙があっても、政府を批判できる言論の自由はないし、親日を表現できる自由も社会的になく、親日派の財産没収をしている事後法が当たり前の非法治国家です。基本的価値観が違うので、福沢諭吉の言ったように中韓とは付き合わないことです。

アメリカは原爆投下の原罪を糊塗するために、日本を悪者にしておきたいという意思が働くのでしょう。朝鮮人を残したのも災いの種を撒いて日本の弱体化を図ったのではないかとの説もあります。

記事

3月に入って、慰安婦関係の重要な記事・情報のリリースが群発しています。目についた主なものを、列挙します。

 ①2日付けの産経新聞に、櫻井よしこさんが、クマラスワミ報告の有名な残酷話2件は、中国の歴史書『資治通鑑』に出てくることを書いています。麻生川静男『本当に残酷な中国史 大著「資治通鑑」を読み解く』(角川SSC新書)に学んだとされています。そして、これからは中国史を調べて、その話の出典はこれこれだという形で残虐話に反論していくべきだと問題提起しています。

 実は私も全く同じことを考えていて、関連書も集めていたところです。通州事件の記録を読むと、日本人の想像を絶する鬼畜の蛮行が行われたことがわかります。日本人はそういう情報を公にすることをタブーにして出版しないのですが、通州事件と同じことが、チベットやウイグルの人々に対して今も行われているという観点から問題を捉える必要があります。日本人にとっては、苦痛極まりないことですが、目を背けずに調べる必要があるのです。

 ②2日発売の『週刊ポスト』(3月13日号)に、韓国の裁判所が「強制連行はなかった」と書いた韓国人の女性の研究者の著書に34箇所の削除命令を下し、事実上の発禁処分にしたことについて記事が載っています。その書物は、世宗大学・朴裕河(パクユハ)教授の『帝国の慰安婦』で、朝日新聞出版から昨年の11月に日本語の翻訳書が出ています。この記事も必読です。

 ③2日朝刊各紙は、3月1日に行われた朴槿恵大統領の「3・1独立記念式典」における演説で、慰安婦問題の解決を日本に求めたことを報道しています。「夕刊フジ」から電話取材があり、「日本はやるべきことはすべてやっている。これ以上やることは何もない。大統領も、具体的に聞かれると困るのではないか」とコメントしておきました。今日(2日)午後発売の同紙に載ります。

 ④1日付けの毎日新聞によれば、米国や韓国に住む元慰安婦が、3月中旬にも、カリフォルニア州のサンフランシスコ連邦地裁に、1人当たり2億4000万円の賠償を請求することを計画しているとのことです。注目されるのは、「当時の統帥権者として責任は免れない」という理由で、皇室を訴訟対象に含めることを検討していることです。

 ⑤1日発行の『ジャーナリズム』という雑誌に、秦郁彦先生の、朝日新聞第三者委員会のヒアリングを受けた体験記が掲載されます。私はこれから現物を探すので未見ですが、そうとう面白いらしい。この出版社が、皮肉にも朝日新聞社。言論弾圧と言われるので、文章には圧力を加えられなかったそうです。

 ⑥少し前のことになりますが、朝日新聞の2月21日と28日に、「布施広の地球議」という連載コラムが掲載されており、その中で、コネティカット大学のアレクシス・ダデン教授(女性)の言説が紹介されています。内容は、日本がパックマンのように周囲を侵略しているというお話。ダデンは例の19人の歴史学者の、マグロウヒル社教科書の慰安婦記述を擁護する声明のまとめ役と目されており、この声明に対しては近く日本側からリアクションが起こる模様です。

岡山典弘著『三島由紀夫外伝』を読んで

2/27三島由紀夫研究会があり、著者が講師でしたが、小生の不動産投資セミナー講師の仕事とバッテイングしましたので欠席しました。その代りと言っては何ですが、本を読むことにしました。麗澤大学の中国語(台湾女性が先生)の公開講座に通っていますので、大学図書館にあったものを借りて読みました。「正伝」ではなく「外伝」であり、武道の話や女性の話が中心で、面白く読み終えました。三島の別の面が見えて良かったです。

三島が今の時代、生きていたら何と言うでしょうか?「価値紊乱の時代」でしょうか?親殺し、子供殺しが平気で行われる時代です。善悪の判断を親がキチンと教えて来なかったからでしょう。外国文化や考え方を採り入れることに躍起となり、日本の伝統的な価値観を蔑ろにしてきたツケが回っています。

しかし、中共の女スパイに籠絡された橋龍は人間的にもダメな奴ですね。ペルー人質事件の時には、職員にアンパンを配るだけで、「アンパン宰相」と揶揄されていました。彼の秘書官をしていたという維新の江田憲司も推して知るべしです。

内容

私は笹森順造先生の審判の下で、作家の三島由紀夫と試合を組まされたことがありました。笹森先生の「始め!」の声で二人は立ち上がり、しばし睨み合い、そして盛んに打ち合いとなりました。結局試合は一本一本の勝負から引き面を取られて、私は三島さんに敗れたのですが、 どんなに叩いても、旗が上がらず納得がいかなかった私は、試合のあとで笹森先生にその理由をお伺いしました。笹森先生は、「お二人とも、まだまだ修行が足りません」とだけ言われました。(橋本龍太郎『燃える剣』)

笹森順造は、青山学院院長、衆議院議員、復員庁総裁、賠償庁長官などの公職につくとともに、剣では小野派一刀流の宗家であった。

橋本の回想は石原の記述ほど酷くはないが、“スタイリスト橋龍”特有の格好づけや、過去を美化しようとする.心理が働いているように思われる。信頼できるのは、二人の対戦を実際に見た第三者の証言であろう。

サンケイ新聞政治部記者の加地富久は、剣道六段、居合道四段であった。渋谷警察署の道場で吉川から三島を紹介された加地は、以後、三島と一緒に道場で汗をながした。

四十一年の春、参院議員会館の道場で三島グループと国会議員グループとの親善剣道大会が開催された。これは、三島氏が「代議士と一度お手合わせをしてみたい」というので、私が園田直代議士に呼びかけて開いたものである。このとき三島氏は橋本龍太郎四段と試合をした。

笹森順造範士(一刀流宗家)の立ち合いで「拝見」の形式で十分間ほど手合わせをした。

すべり出しは橋本代議士がいきなりコテを取って優勢だったが、時間がたつにつれてしだいに三島氏が橋本氏を圧倒し、最後は真っ向唐竹割りに橋本氏のメンを打ちすえて、「それまで」 となった。 (加地富久「三島氏の気魄の剣」)

この試合の写真は、雑誌「20世紀」(一九七一年二月)に掲載された。確かに白い剣道着姿の三島には全身に気魂がみなぎって、橋本を圧倒している。

加地によれば、道場での三島は礼儀正しく、風格ある剣士だったという。白の袴と白の胴衣を着用した三島の姿は、ひときわ颯爽としていたという。稽古の前は、いつもきちんと正座して防具をつけしばし瞑想するのが常だったという。三島の剣を一言でいえば、“気魄の剣”であったともいう。

自衛隊の河面博士二曹は、三島が富士学校に体験入隊をしたときに助教をつとめたが、五番勝負の手合わせで三島に敗れている。「話の特集」の編集長•矢崎泰久は、三島に原稿依頼に行ったところ剣道場に連れ出され、面を強烈に打たれて悶絶した。

三島と立原正秋との剣の対決は、ついに幻に終わった。実現していれば、どうなったか。立原の剣は虚仮威しに過ぎない。一方、三島の剣は命を賭した“気魄の剣”である。両者、しばし睨み合い。詰まる間合い。裂帛の気合。竹刀が一閃!刹那、三島の剣が、立原の面上をしたたか打ち据えたであろう。

昭和三十四年(一九五九)三十四歳

四 美智子様の御成婚を祝するカンタータ

皇后陛下の美貌と才知は、学生時代から際だっていた。

三島は、聖心女子大学時代の美智子様を見て心を奪われた、という説がある。そして、二人は歌舞伎座で見合をしたともいう。

「と言ってもね、正式な見合ではなかった。まとまらなくても、どちらにも疵がつかないよう、 歌舞伎座で双方とも家族同伴で芝居を見て、食堂で一緒に食事をした。それだけでした」

(徳岡孝夫『五衰の人』)

「先生、見合い、したんですよね」

「正式のものではない。歌舞伎座で偶然隣合せになる形だ」

(村上建夫『「楯の会」で見た三島由紀夫』)

「三島さんと美智子さまはウチの二階でお見合いしたんだよ」と、かつて本誌(週刊新潮)に語っていたのは、銀座六丁目の割烹「井上」の女将.故井上つる江さんだった。銀座の路地裏の小さな割烹の一室で未来のお妃と将来の大作家が、互いに向かい合っていたのである。ちなみに「井上」は国鉄のキャリア官僚たちに愛された店である。

(「美智子さまと三島由紀夫のお見合は小料理屋で行われた」)

昭和三十四年四月十日は、皇太子殿下と美智子様の御成婚の日であった。

「祝婚歌カンター夕」は、三島が作詞をして、黛敏郎が作曲した。管弦楽NHK交響楽団、指揮はウィルへルム・シユヒター、合唱は東京放送合唱団•東京混声合唱団•二期会合唱団で、黛がオンド・マルトノを演奏した。同日の夜七時三十分からNHKホールで演奏され、テレビで放映された。 昭和二十七年に皇太子殿下が成人を迎えられたとき、三島は「最高の偽善者として——皇太子殿下への手紙」と題する公開書簡をおくっている。

殿下の結婚問題についても世間でとやかく云はれてゐるが、われわれには自由恋愛や自由結婚が流行してゐるのに、殿下にその御自由がないのは、王制の必要悪であって致し方がない。 王制はお伽噺の保存であるから、王子は姫君と結婚しなければお話が成立たないのだ。

(三島由紀夫「最高の偽善者として——皇太子殿下への手紙」)

昭和四十六年(一九七一)没後

二十九 森秋子の全裸の『サロメ』

三島の半生は、魅力的な女性で彩られていた。

『仮面の告白』に登場する園孑のモデルで、初恋の人•三谷邦子。『鏡子の家』の主宰者・湯浅あつ子、その妹の板谷諒子。秘めた恋の全貌が岩下尚史の『ヒタメン』で明らかにされた後藤貞子。旅行ジャーナリストとして大成した兼高かおる(ローズ)。鹿島建設の経営者の令嬢・鹿島三技子。川端康成の養女•政子。林房雄の二番目の妻の連れ子・京子。岸田國士の娘で女優の岸田今日子。三島の手紙をマスコミに公関した政治家の紀平悌子。三島との接吻や旅行の思い出を評伝で明らかにした実業家の松田妙子。三島の戯曲『燈台』に主演した女優の関弘子。松竹社長秘書の長島ひさ子、堂上華族の家柄で、レストランを経営した東久世壽々子。加賀百万石・前田侯爵家出身のエッセイスト酒井美意子。シャンソンの女王・越路吹雪……。

余り上手くない字を、ペン習字で猛練習して、すぐに臣三島由紀夫拝、などと書いたラブレターを、相手かまわずせっせと書きつづけていた。

この手のラブレターを、大手建設会社の令嬢、ミスM・K、そして代議士令嬢で、母がドイツ人のハーフ、ミスH • K (在アメリカ)に送り、さらに後には紀平悌子女史にまで名乗りをあげられ、選挙運動などと世間ではおっしやっていたようだが、あの彼の筆まめさから考えあわせれば、嘘とは思えない。 (湯浅あつ子『ロイと鏡子』)

独身時代の三島は、銀幕の高峰秀子を好ましく思った。秀子の方では、ブリリアントな才人が好きだった。昭和二十九年に二人の「希望対談」が実現する。

高峰:みんな自分で稼いだ。だから、今さら亭主に頼っちゃおうという気持はないわよ。誠実な人で、人間としてピカッとしたものを持っていればいいと思うね。

三島:僕は、ちよっと悪い奴が好きだな。そうでないと、退屈しちゃうよ。

高峰:でも、くたびれるわ。三島さんは、どんな人を選ぶの?奥さんに。

三島:僕なんか、姉さん女房で、何でも世話をやいてくれないと困る。年が必ずしも上でなくても、性格的にね。

高峰:私はよく世話をするわよ。献身的よ。好きな人と結婚したらね。いまの仕事だって、好きな夫が「やめなさい」って言えば、はい、と言ってやめちゃうな・・・。食っちゃえ。

(高峰さん、腕を伸ばして、三島先生のお膳に残されているほうれん草を食べる)

(三島由紀夫VS高峰秀子「映画•結婚を語る」)

秀子の積極的なアプローチには驚く。

「食っちゃえ」と三島の膳の上のほうれん草をとって食べるに至っては、“求愛”行動以外の何ものでもない。秀子の鋭い太刀筋に、三島は「合わせ面」を打つこともならず受け太刀一辺倒である。業を煮やした高峰は、三島を「あんた」呼ばわりする。「じゃあんたは、どうして結婚しないのよ」「必要がないもの」三島らしからぬ答である。これは大女優の迫力に気押されただけでなく、すでに後藤貞子という理想の恋人を手に入れていたからに違いあるまい。

決して三島は、美女が嫌いではなかった。いや、むしろ佳人•麗人が好きだった。 「僕は不感症の女の人を直したことがあるんだよ」

『沈める滝』『音楽』の作者である三島は、編集者の小島千加子にこんな自慢をした。 「英子、僕は君が欲しい。僕のそばにいなさい」

『喜びの琴』をめぐる脱退騒動の際、三島は村松英子に告げた。この言葉は、劇作家.演出家が女優にかける言葉ではなく、男の情感がこめられているように思われる。『班女』『鹿鳴館』『朱雀家の滅亡』『サド侯爵夫人』『癩王のテラス」『薔薇と海賊』など、三島戯曲のヒロインを、英子は次々と演じた。

そして森秋子は、三島が生涯の最後に選んだ女性である

山口昌子著『フランス人の不思議な頭の中』を読んで

1/31「士気の集い」で山口昌子氏の講演時に買った本です。会計をしていて殆ど話が聞けませんでしたので。フランスと言えばフランス革命、「自由・平等・博愛」、アラン・ドロンくらいしか思い出せませんが、国歌が中国と同じ血腥いものであるとは知りませんでした。因みに中国の国歌は

起来!不愿做奴隶的人们!(起て!奴隷となることを望まぬ人びとよ!) 把我们的血肉,筑成我们新的长城!(我らが血肉で築こう新たな長城を!) 中华民族到了最危险的时候,(中華民族に最大の危機せまる、) 毎个人被迫着发出最后的吼声。(一人ひとりが最後の雄叫びをあげる時だ。) 起来!起来!起来!(起て!起て!起て!) 我们万众一心、(我々すべてが心を一つにして、) 冒着敌人的炮火,前进!(の砲火をついて進め!) 冒着敌人的炮火,前进!(の砲火をついて進め!) 前进!前进!进!(進め!進め!進め!)

日本の「君が代」のトーンとは全然違いますね。日本のリベラルなマスメデイアはすぐ「平和」「平和」と言いますが、中国の国歌を知っているのでしょうか。共産中国に対抗できる軍事力を持たせないように足を引っ張る意図でしょう。彼らこそが戦争を起こしやすくしているとも言えるでしょう。バランスオブパワーの考えでないと、強い方が弱い方に戦争を仕掛けます。

この本を読めば、フランスも戦勝国とは思えませんね。ドイツ人にしてみれば信じられなかったでしょう。それと同じ意味で中国が戦勝国と言うのも日本人には信じられなかったと思います。首都南京まで陥落させ、蒋介石は奥地に逃げ、毛の共産軍は長征で逃げ回っていただけです。日本は軍事ではアメリカに負けただけです。

国連の改革案でP5以外の国には「拒否権」を与えないのであれば意味がないでしょう。そもそも国連の存在が必要あるのかどうかから議論すべきです。戦勝国クラブと言われるように70年前のことで既得権益を持ち続けるのでは。ましてや「敵国条項」があるのに、負担金だけは多く払わされている。こんな馬鹿げたことはない。基本的価値観を同じくする国と同盟の輪を広げ、中国を封じ込めるのが良い。

記事

国歌「ラ・マルセイエーズ」は軍歌 国歌はフランスの存在理由

フランス人の枕詞には「エレガント」「粋でシック」「気障」、あるいは「老獪」などがよく使われるが、「好戦的」という枕詞はあまり使われていないようだ。ところが、実際は極めて「好戦的」な国民である。モードやグルメなど文化面でのイメージが強く、どちらかというと軟弱な印象を与える「おフランス」の国民だと勘違いして接すると、ショックを受けること請け合いだ。フランスの国歌「ラ・マルセイエーズ」はその証左だ。フランス流血革命中に生まれた軍歌とあって、歌詞の隅々までが好戦性に満ち溢れている。

♪いざ祖国の子らよ 栄光の日は来たれり

われらに向かって圧政の血塗られし軍旗は掲げられたり・・・・・      

聞こえるか、戦場で、あの獰猛な兵士どもが唸るのを?

奴らは我らの腕の中にまで君らの息子を、妻を、殺しに来る♪

好戦的で挑発的な歌詞の後には、以下のリフレィンが続く。

♪武器を取れ、市民諸君!隊伍を整えよ、進もう!進もう!

不浄なる血が我らの田畑に吸われんことを♪

「ラ・マルセイエーズ」は七番まであるが、該当の部分を引用すると、

♪フランス人よ、われらがため、ああ!何という屈辱!

いかほどの激情を搔き立てることか!♪

♪何と!外国の軍勢が、

我らの故郷で我が物顔に振る舞うとは!♪

♪手を鎖でつながれ、くび木をつけられし我らの首が屈すると!

卑劣な暴君どもが

我らの運命の支配者になりおおせると!♪

♪我らの旗のもと勝利の女神が

御身の雄雄しい歌声を聴き駆けつけんことを!

瀕死の敵どもが

おん身の勝利と我らの栄光を見んことを!♪

仏独は政略結婚

ドイツは第二次世界大戦の負い目を戦後、あらゆる面で背負い、農業大国フランスがかなりの恩恵を受けている共通農業政策では黙って加盟各国最大の負担金を支払ってきたが、戦後生まれのシユレーダー首相は一九九八年に就任した時、たまりかねたのか、「もう戦後半世紀を過ぎたのでフランスに借りはない」と言って、フランス人から総攻撃を受けたことがある。

ドイツ人が心の奥底のどこかで第二次世界大戦で早々にナチ•ドイツに敗北したフランスが戦勝国であることに釈然としていないことは次の逸話からも窺える。一九九〇年九月に東西ドイツの最終合意文書が東西両ドイツと戦勝四ヶ国(米英仏ソ)による六ヶ国外相会議で調印された時、当時の西独首相ヘルムート・コールは声明文で、戦勝国側のフランスの名を書き忘れ、「コールよ、お前もか!」とフランス人を嘆かせた。

この逸話には前例があるからだ。一九四五年五月八日、ドイツが第二次世界大戦の降伏文書に調印するために着席した時、ドイツ代表カイテル元帥は戦勝国側の席に、フランス代表のラトル•ドタニシー将軍が座っているのを見て、「なんだ、フランスもか!」と叫んだ。元帥としては皮肉ではなく、心底、ドイツが四年間も占領していたフランスが戦勝国とは信じ難かったのだ。コールとミッテランは右派、左派の党派を超えて仏独中軸を自負して欧州統合の牽引力の役割を果たし、個人的にも親密な関係だった。二人が一九八四年に第一次世界大戦の激戦地ヴェルダンの記念碑に手を取り合って深紅のバラを献花し、永遠の友好関係を誓ったシーンも記憶に新しかった。ミッテランの外交上の最大の外交失点と指摘されているのはべルリンの壁崩壊直後に当時はまだソ連だったキエフに飛んで、ソ連大統領ゴルバチヨフと会談したことだ。東西ドイツ統一により「強国ドイツ」の復活を恐れ、フランスは本心では統一に反対だったのではないか、との疑念をドイツはもとより世界中に与えたからだ。仏独協力条約(エリゼ宮条約、一九六三年)を無効にしかねない浅はかな行動とフランスのメデイアからも批判された。

仏独関係がいまもって「恋愛結婚」ではなく「政略結婚」と言われるゆえんだ。

 

「ノルマンディー上陸作戦」を敢行したのは米英らの連合軍だが、ドゴールはレジスタンスの自由フランス軍とともに最終部隊として六月十四日に上陸した。その後の約一ヶ月は上陸直前に樹立した臨時政府を米英など各国政府に承認させるために各国を回って外交戦略を展開して帰国。八月ニ十五日にはパリ市庁舎のバルコニーから有名な「パリ解放」の演説を行ない、《フランス軍の協力の下に……戦闘するフランスの……支援と協力の下に解放された》と述べ、自由解放 にフランス軍が参加していたことを指摘し、「戦勝国」入りの準備をした。そのうえで、ドゴールは「共和制の復活」を宣言するものと考えていたが、ドゴールは「共和制は続いている。ヴィシーは無効」と言い放った。つまり、フランス共和国はドゴールが率いるレジスタンスとともに存続中との認識を示した。フランスの勝利国としての正統性とフランスが戦勝国の仲間であることを強調した。

ドゴールが「戦勝国フランス」を強調したのは一九四五年当時のアメリカのカナリー上院外交委員長が、国連安保理の構成問題が取り上げられた準備委員会で米英ソ中の四ヶ国の常任理事国を主張し、「四ヶ国は世界の残存のために血を流したが、フランスは今度の大戦で小国の役割しか果たさなかった」と指摘してフランスの常任理事国入りに反対したように、フランスを「勝利国」とみなす認識が一般的に薄かった。ドゴールの政治力がなかったら、フランスが果たして無事に「戦勝国」入りして常任理事国の地位を獲得できたかどうか——。 一九八九年のベルリンの壁崩壊後、国連改革の主要議題は、「東西統一をなしたドイツや経済大国の日本らを常任理事国に加えるべし」とする常任理事国拡大論だ。ところが五ヶ国内では新規常任理事国は「拒否権」は伴わない、というのが暗黙の条件となっている。五常任理事国の「拒否権」が、いかに国際社会で重みをもつかの実例は枚挙にいとまがない。冷戦時代にソ連が連発したことは記憶にまだ新しい。最近ではロシアや中国が、民間人への殺戮が続くシリア独裁政権の反体制派への武器支援や場合によっては軍事介入を含めた制裁決議に反対して、国際社会をやきもきさせた。

暗殺未遂三十一回

実はドゴールはフランス国内でも、軍人をはじめ政治家、経済界、知識階級などのいわゆる支配階級からは生前、特に戦争直後は嫌われていた。軍人がドゴールを嫌ったのは、「特権を奪われた」(歴史家の才デイル•リユデル)と感じたからだ。ドゴール自身も軍人でありながら、実は軍人を嫌っていた。二つの大戦を通じて凡庸で愚鈍だった軍人に失望していたからだ。レジスタンスのフランス国民解放委員会の共同委員長で米国に気に入られていた五つ星将軍のアンリ•ジローから「貴殿は政治の話ばかりしている」となじられた時、「戦争とは政治です」 と即答し、ジローの政治音痴ぶりを軽蔑している。

一方、政治家はドイツの占領に加え、ヴイシー政府の対独協力という同胞同士の「裏切り」で非難され、精神的に深く傷ついていたので、ドゴールに頭が上がらず、それゆえに嫌った。

経済界もドゴールの産業復活のための国営化政策で打撃を受けたうえ、既成の政治家との人脈が役立たなくなったことでドゴールを恨んだ。

知識階級は「軍人は愚か者」と思って蔑視していたが、第二次世界大戦に至る過程ではヒトラーの野望を許したミユンへン会議(英仏独伊がミュンへンでナチ・ドイツのチエコスロバキア・ズデーデン併合を巡る会議で最終的に併合を決めた)が代表する宥和政策に反対しないどころか同調し、レジスタンスにも大半が参加しなかったという負い目からドゴールを嫌った。ドゴールを「小ヒトラー」と呼んだ知識人の代表ジャン・ポール・サルトルもその一人だ。「ドゴールがフランスの伝統的知識人であるばかりか彼らよりずっと頭脳明晰だったことへの嫉妬から」 (哲学者のアンドレ・グリュックスマン)というわけだ。日本のいわゆる知識人にドゴール嫌いが多いのは、彼らにとっての神・サルトルの影響がありそうだ。しかも、気まぐれなフランス人は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で「救国の士」の恩恵をたちまち忘れた。一方で、戦争レジスタンスに参加したのは「国民の一パーセントにも満たない」(ジャーナリストのフランソワーズ・ジルー)少数派で大多数は「一キロのバ夕―のためにさっさと対独協力に走った」 が、戦後は誰もがレジスタンスに参加したような顏をし、レジスタンスものの映画などが現在に至るまで大人気だ。

ドゴールはこうした四面楚歌の中で一九四六年にレジョン・ドヌール章に関する些事で、ヴイシー政府の残党から批判されたことに嫌気がさして、第四共和制の首相の座をさっさと辞任した。政界に復帰したのはアルジェリア戦争の真っ最中の一九五八年だ。アルジエリアは一八三○年以来、フランスの植民地だったので、一般のフランス人にとってはフランスの一地方ぐらいの認識しかなかった。当時、アルジェリアには一千万人のアルジエリア人と仏軍五十万、 約百万人のフランス人が生活しており、大半のフランス人にとってアルジェリアの独立は想定外だった。その結果、アルジェリアの民族解放戦線(FLN)と仏軍の戦闘は四年目を迎え、泥沼化の一途をたどっていた。時の左派系の第四共和制の政府には解決する能力がなかった。

アルジェリア戰争で再登場

当時の大統領ルネ・コティが一九五八年六月に「フランスで最も揮かしい人物」としてドゴールに首相就任を要請し、ドゴールは国民議会で大差の信任を得て、首相に就任した。同四日 にはアルジェリア総督府のバルコニーから総督府前の広場を埋め尽くした大群衆を前に演説し、「諸君のことは理解した!」と叫んだ。この言葉はアルジエリア独立反対の「フランスのアルジェリア」派と、アルジエリアの独立を支持する「アルジェリアのアルジェリア」派の双方から、「自分たちが理解された」と手前味噌的に解釈された。その結果、双方がドゴールに裏切られたと考えたが、特に軍人を中心にした独立反対派からはドゴールが軍人であるだけに、 「裏切られた」との思いが強かった。中にはレジスタンスに参加した軍人もいた。その結果、ドゴールは仏軍残党の極右勢力で構成された「秘密軍事組織(OAS)」から三十|回も暗殺の対象となった。

2/26大礒正美メルマガ『アベ包囲網を招いた外交無反省』について

外務省は国を売ってきた連中と言うことでしょう。エリートと言われる人達が如何に安逸に身を委ねてきたことか。そこから堕落が始まってきたのでしょう。大礒氏のようにアメリカ全体が日本封じ込めに動いているとは思えません。勿論、中韓の工作があるので、反論は続けていくべきと思いますが。何もしないで過ごすことは日本にとって悪いことという価値観を日本人全体が持たないと。「寝た子を起こすな」という議論は得てして日本を攻撃する側に有利に働きます。何故か?国際社会では反論する機会があるのに何もしなければ追認したとみなされる暗黙と言うか明示のルールがあります。日本が不利になるだけです。日本社会が全体として戦う社会にならないと難しいですが。皆で戦いましょう。

記事

 安倍晋三首相は2月12日の施政方針演説で、「戦後以来の大改革」「農政改革」など、「改革」を36回、列挙して話題となった。 その意欲は分かるが、いちばん肝心な「外交の改革」に触れていないのは、どうにも解せない。

 戦後70年にして、日本の外交が失敗続きであることは、ほとんどの国民にも理解されつつある。今夏に予定されている安倍談話に、同盟国のアメリカが、中国、韓国とほとんど同じ牽制と圧力をかけていることが、その失敗がいかに大きなものかを物語っている。

 外務省や外交官個人の能力に、すべての責任を負わせることはできないが、今日の外交敗北の遠因を探ると、1941年12月、日米開戦の通告を指定時刻に米政府に手渡すことができなかった時点に遡るべきだろう。

 これでルーズベルト大統領は、米国民に対して「卑劣な奇襲を忘れるな」と刷り込むことに成功した。もし、駐米日本

大使館がハワイ奇襲までに開戦通告を果たしていたならば、その後の戦況も、戦後の対日関係も大きく変わっていただろう。

 この「卑劣な日本人」という刷り込みが、現在の安倍首相に対する「歴史修正主義者」というレッテル貼りに、ダイレクトに結びついていると考えられる。日米同盟関係の深化を謳いながら、実は東京裁判を否定し、米国製の秩序を覆そうとしているのではないかと、本気で疑っているのである。

 ナイ、アーミテージを始めとする対日専門家(ジャパン・ハンドラー)のほとんどが、突然のように変心し、韓国の代弁者として日本に当たり始めたのは、まさに日本外交の失敗以外の何ものでもない。

 今や知らない日本人も多くなったが、真珠湾攻撃の最中に、まだぽつんぽつんとタイプを打っていた大使館員は、のちに処分されるどころか、2人が外務官僚トップの事務次官に栄進している。反論もあるが責任を取った館員はひとりもいない。

 戦後の外交失敗で最悪なのは、92年2月に中国が領海法を制定し、日本の尖閣諸島を名指しで中国の領土と明記したのに、日本は数ヵ月後に天皇訪中を強行したことである。

  これで、日本は暗黙裏に中国領海法を認めたばかりか歴史上初めて天皇が膝を屈して中国を訪問したと、相手ば

かりか客観的にも、判断されてしまう愚を犯してしまった。

 これは小和田事務次官のシゴトだったが、これとセットになるのが、第1次安倍政権の発足直後に、首相が米国を差し

置いて、まず中国に飛んでいったことである。

 中国はしめたとばかりに、国家主席ではなく、党内序列4位の温家宝首相が日本に乗り込み、安倍政権への「冊封使」としてふるまって見せた。国家元首なみに国会での演説を要求し、天皇陛下に北京オリンピックに来るようにと直に伝えた。

 こういう反応になるとは、首相も外務省も、夢にも思わなかっただろう。室町時代に幕府トップの足利義満が、明国から「日本国王」に封じられた記録が残っているが、自ら冊封してくれるよう頼みに行った宰相(行政トップ)は、明らかに歴史上初めてである。中国の正史にそう書き込まれるだろう。

 その後、09年に民主党が政権を取ったとき、飛ぶ鳥を落とす勢いの小沢一郎幹事長は、6百数十人の大規模な朝貢団を率いて訪中し、そのうち143人の国会議員がひとりずつ胡錦濤国家主席にツーショット写真をお願いした。

 いま、彼らの多くは落選して行方も分からず、小沢氏の落魄ぶりは言うに及ばない。

 それなのに、自民党の重鎮である二階俊博総務会長は何も学ばず、今月、韓国に1千4百人を連れていき、朴クネ大統領に会って慰安婦問題を持ち出されると、「全くその通りです」と同調した。

 二階総務会長は続けて5月に、こんどは3千人規模の訪中団を計画しているという。

 外務省に有力政治家の国辱外交を止める力はないのかもしれないが、首相を通じて間接的に牽制するぐらいの矜持とテクニックがあってしかるべきだろう。

  安倍首相は国会で、米国の公立高校向けの世界史教科書が、慰安婦について書いている嘘八百の内容に、「本当に愕然とした」と述べた。 しかし、この問題についても、南京事件についても、日本の外交は「反論したら余計刺激になる」という理由で、まともに反論してこなかったのである。

 その結果、米国では議会の決議や議会調査局の公式な文書で、韓国のウソ宣伝がすでに事実として確定してしまっている。安倍総理自身が何を言っても、やっぱり「歴史修正主義者」だという逆の証明に使われてしまうことになる。

 それほどの事態だということに、総理はやっと気づき始めたのかもしれない。

 直近の自称「イスラム国」による日本人拉致殺害も、総理の認識を覚醒させた可能性がある。国会答弁などでは決して認めないが、1月の中東訪問でマズイことをしたという自覚がなかったらおかしい。

 日本人2人が人質になっているから総理の言動に制約がかかるかどうか、ということではない。 専門家として見る限り、イスラエルの国旗の前で「イスラエルとの友好」を宣言したことと、ナチス犠牲者慰霊のホロコースト記念館で、ユダヤ教

の丸い帽子キッパをかぶって礼拝したことの2つが、外交上の大失敗だった。

 これではアラブの側から見れば、穏健派・過激派の区別なく、「日本はイスラエルの側についたな」という印象を受けてしまうだろう。

 それほど、決定的な演出だったと言える。外務省が推奨したのか、はたまた逆に、止めたのに総理が押し切ったのか。

 日本にとって外交上重要なのは、米国を動かすユダヤ系指導層である。必ずしもイスラエルの政治的利害と一致するものではない。 安倍総理は、やらずもがなの過剰パフォーマンスをやってしまったと後悔しているだろう。

 以上に指摘した失敗は、ほんの一部である。ほかにも多年多額のODAを供与した相手国の大半が、日本の国連常任理事国入りを支持しなかったなど、重要な失敗例があるが、いわゆる総括はおろか反省の弁も聞いたことがない。

 わずかに、本省の訓令に背いてユダヤ人6千人を救った「日本のシンドラー」、杉原千畝氏が戦後55年を経た2000年になって、ようやく「公式」に名誉回復となった例があるのみだ。

 オバマ米政権は、5月訪米を打診していた安倍総理を国賓として招待すると発表した。が、喜んではいられない。並列して中国の習近平国家主席を同じく国賓で、さらに韓国とインドネシアの大統領にも年内の訪米を要請した。

 なんのことはない、これは安倍包囲網の構築と読むべきであろう。米国の立場に立ってみれば、戦後70周年の今年、安倍首相が過去の村山談話・河野談話の枠からはみ出し、中韓との摩擦が熱くなることを、何よりも恐れるのは理解できる。

 したがって5月の日米首脳会談で、がっちりと枠にはめてしまうのが肝心だと考えるだろう。もしここで逸脱すれば、記者会見と議会演説の場で「炎上」させるぞという脅しが効いている。

 さらに加えて、日中を同格に据え、韓国とインドネシアを準地域大国と位置づけることで、日本だけが特別な同盟国なのではない、という意思表示をしているのである。

 つまり、日本国民としては認めたくないが、今や東アジア・太平洋の安定を壊すリスク要因は、中国の習ではなくニッポンのアベだ、という認識がオバマ外交の基本になっているのである。

 農政改革が反省の上に立って断行されるように、外交の大改革も当然、大反省が前提とならなければ始まらない。

 

2/18ケントギルバート『世界で植民地を謝罪した国があるか。韓国に謝罪を求められたらやり返せ』について

Facebookから取った記事です。小生が常々言っていることと全く同じです。総てのアメリカ人とは言わないまでも、政官財学のリーダーたちは見方を変えてほしい。歴史修正主義は日本ではなく戦勝国だということを認めてほしい。でもアメリカにとって不都合な真実があるのでできないでしょう。

「瓶の蓋理論」に代表されるように日米安保は米中で日本の軍事力を抑制するための条約とみる見方もあります。実際、独立国でこんなに外国軍隊の基地がおいてある国はないでしょう。ニュークリアシエアリングも認めていない。(日本から言わないだけかもしれませんが)。アメリカは日本が力を持って報復するのを恐れているのでしょう。日本と戦ったのに日本人の特性を分かっていませんね。日本人は水が豊富にあるので「水に流す」文化です。寛容な世界です。米軍だって日本の基地に駐留しているのが、一番安全で快適に暮らせると聞いています。FDRと同じで「真の敵は誰か」が分かっていません。(馬渕睦夫氏に代表されるユダヤ陰謀論=国際金融資本の陰謀論とする見方もありますが)

自民党は憲法改正を来年の参院選後、実施するようです。北野幸伯氏は反対のようですが、いつまで待てば実現するのでしょうか?米軍予算削減の中で集団的自衛権を強化する「緊急事態条項」であればアメリカも歓迎するでしょう。それより、ロシアのナルイシキン下院議長が25日に言った「広島、長崎への原爆投下について、人道に対する犯罪であることは明らかだが、政治的、法的に適切な評価がなされてこなかった。人道に対する罪には時効がない」というのに乗っかかるのは危険です。日米分断を図る曲玉と見るべき。彼の言うのは正しいですが。アメリカには「コールドケース」があるくらいですから、凶悪犯罪に時効はありません。原爆投下は凶悪犯以上のものです。でも国際社会の現実は受け入れねばなりません。日米同盟が基軸です。

今の狂ったような安倍内閣の閣僚の政治献金問題バッシングは憲法改正をストップしようと画策しているマスメデイア(裏には中韓がいる?)、それに国会質問と言う形で連動している民主党と言う構図が見えます。民主党と言うのは腐っていますね。前原や菅の外国人献金の問題の方がはるかに問題だったでしょう。北海道の日教組出身の神本議員の献金も問題にしなければおかしいのにマスメデイアは無視しています。

中国韓国には言いがかりが多いのに今まで日本がキチンと反論してこなかったのが問題です。外務省の罪も大きいですが、マスメデイアの言に誑かされている国民よ「しっかりしてくれ」と言いたい。民主主義は投票結果によって最終的に国民が責任を負うわけですので。売国議員を選ばないようにしてほしい。

記事

私が中国と韓国を見て理解に苦しむのは、両国が第2次世界大戦における戦勝国だと自称することです。そもそも、この2国は戦争に参加していません。朝鮮半島は日本の一部でしたから韓国という国家は戦争中に存在しません。

いま韓国人と呼ばれる人たちの先祖は、日本人として敗戦の日を迎えたのです。そして現在の中国(中華人民共和国)を支配する中国共産党は背後からゲリラ活動をしていただけで、実際に日本と戦ったのは国民党です。しかし国民党は、日本に対しては負けてばかりで、第2次世界大戦後に再開した国共内戦では共産党にも敗北し、中国大陸を追われました。

はっきりいって、世界の歴史を見て、日本に勝ったのは米国だけです。彼らが日本戦に関係する「記念日」を祝う権利がどこにあるのでしょうか。

韓国は戦後、独立国として日本と日韓基本条約を結び、莫大な額の賠償金も得たわけです。国際法の約束として、条約に調印した。つまり結論が出た以上はもう二度と蒸し返さないのが当然です。そもそも、父親である朴正熙大統領の大きな功績を踏みにじり、世界中に恥を晒し続ける朴槿惠大統領は何を考えているのでしょうか。

やられたら「やり返せ」

日本人に求められるのは、もっと積極的に各国に対して自らの主張を訴えることです。日本は戦争の責任を重く受け止め、謝罪ばかりしていますが、そもそも世界を見渡して、日本のほかに謝罪をした国がありますか。たしかにドイツはユダヤ人の虐殺に対して謝罪しましたが、これは当然です。しかし英国が植民地化したインド、香港に対して謝罪した話は聞いたことがありません。

では、なぜ日本にだけ謝罪を求めるのか。端的にいって、弱々しく見えるからです。日本は世界から見ると叩きやすいサンドバッグなのです。この状態から脱するには、憲法を改正して「竹島に手を出すな」「尖閣諸島に近づくな」「小笠原近辺でサンゴ礁を不法乱獲したら、砲撃して沈没させるぞ」と宣言しなければなりません。

以前、私の息子が学校でいじめられたことがあります。私は息子に「やり返せ」といいました。私がいったとおり、いじめっ子に反撃した息子は学校の規則で停学処分を受けました。それは規則だからべつに構いません。父親の私にこの件で怒られるのではないかと息子は恐れていたようですが、私はまったく怒りませんでした。むしろ息子が自分の権利のために立ち上がったことが嬉しかった。

日本も、そろそろ祖国の尊厳のために立ち上がるときだと思います。

歴史の真実を求める世界連合会 『慰安婦像撤去訴訟カリフォルニア州裁判 2015年2月23日の判決』について

「平和」という惰眠を貪っていたツケが回っています。外務省の責任は大きいですが、国民の監視が不充分だったということです。日本人の名誉が傷つけられていても「無関心」か「政府の仕事」と逃げて来た人が多いのでは。金を稼ぐのに必死と言う人もいるかも知れませんが、不名誉は何世代も続く問題です。影響を受けるのは子や孫以下の世代です。元は事実でないことに謝罪をしたことから始まるのですが、余りにナイーブです。国際的に見れば、謝罪=悪いことをした=損害賠償となります。日本式に謝れば許すことなどありません。謝罪は国際的な付き合いでは愚の骨頂です。

アメリカも自分たちにとって不都合な真実について見直すことはないのでしょう。米軍相手の韓国の元売春婦がアメリカで訴訟を起こさない限りダメかもしれません。中韓の鼻薬が司法の場にも効いているとみるべきでしょう。日本は本当に愚かです。彼らを豊かにして、手を噛まれるのですから。反日の確信犯の朝日新聞が680万部も売れているというのは何を物語っているかということです。自分の頭で考えない人が多いのでしょう。情報弱者と言われる人たちではないですか。ネトウヨとか言ってネットを悪者にして近づかないようにプロパガンダされているのに気が付かないのです。自分で調べることにより真実に近づけます。

政府は時間がかかっても事実を述べるべきです。中韓との友好なんて考えなくて良いです。今まで散々日本を貶めてきたのですから。まともに付き合うべき国家ではありません。法治国家でなく、暴力団が国家運営しているようなものですから。

記事

昨年の2月20日に、グレンデール市の中央公園に建てられている慰安婦像の撤去を求めて連邦政府の裁判所に訴訟を起こした。慰安婦像の横の碑文には日本政府に対して慰安婦の人権を蹂躙したことに対する犯罪を認めよと書いてあるのである。それから一年余りが経った今日、カリフォルニア州の裁判所に起こした訴訟の結果が出た。訴状は同一である。地方自治体であるグレンデール市が、連邦政府が行うべき外交問題に介入するのは憲法違反であることが主な訴因である。

連邦裁判所に対する第一審訴訟の時には、著名な弁護士事務所であるメイヤーブラウン社のこのような問題について経験豊かな弁護士を雇い、訴状を作成して裁判に臨んだ。訴訟を起こされたグレンデール市は、当初戸惑った様子であったが、著名な弁護士事務所であるシドリー・オースティン社の弁護士事務所が無料で奉仕することになった。さらに、彼らはメイヤーブラウン社に脅しを掛けて、この訴訟から手を引くようにさせたのである。

一つの手は、米国でよく読まれている経済誌フォーブスに記事を書かせて、いかにメイヤーブラウン社がお金に飢えた汚い弁護士事務所であるかのように記述し、更にシリコンバレーのハイテク会社に脅しを掛け、メイヤーブラウン社との関係を絶つように働きかけたのである。そのために、我々は、別の弁護士事務所を探さなければならなかった。 

昨年8月に出された連邦地方裁判所の判決は意外なものであった。憲法違反であっても、原告にはそれを修正させる権利はないというのである。さらに、グレンデール市のやったことは米国下院が2007年に採択した日本批判の決議121号に適合しているので、問題はないとした。つまり、地方自治体が外交問題に介入することに対して、何らの危惧も示していないのである。

この判決は第一に、原告の資格について誤った判断をしているとするのが一般の専門家の見方である。更に、下院の決議は、上院では決議されていないものであるから、米国政府の方針であるとするのも早計である。しかも、連邦政府が独占的に決めるべき分野に介入すること自体が問題なのである。

この決定を受けて、我々はこの裁判を更に展開することにした。一つは、連邦裁判所内で控訴することである。米国の西部地区を管轄する第9高等裁判所への控訴である。もう一つは、連邦地方裁判所の判断を受けて、慰安婦像に付随した碑文に記された文言が市議会で承認されていないことも含め、カリフォルニア州の裁判所に提訴することで、二つの異なった裁判所でほぼ同一の裁判が同時進行することとなった。その間に、弁護士団は著名事務所の弁護士と大学で憲法を専門とする教授を含めた強力なものにすることができた。

州の裁判所に対する訴状は10月22日に提出され、その後グレンデール側からはそれに対して、反乱訴案(アンタイスラップ anti-SLAPP)が提出された。つまり、自治体の行動を制限するために訴訟に訴えたのであるが、根拠が薄弱であるため棄却すべきであるとしたのである。

そして、この訴状に対する判決が本日下された。結果は、同一であった。判事は、日本政府が戦時中に慰安婦の人権を蹂躙したことは明白な事実で疑う余地はないとし、そして、地方自治体は、それ独自の政治的見解を表明する自由がある。極端に言えば、「イスラム国家」を支援する声明をしてもよろしいとして、我々の反論を退け、グレンデール市側の反乱訴案を採択したのである。

判事の声明の中には、「この裁判に対して日本政府の支援がまったく見られない」という発言もあった。すなわち、若し日本政府が我々の訴訟に賛同しているならば、当然その意見の表明があるはずであるという論理であり、「河野談話」で自国の罪を認めているではないかとの指摘もあったのである。

我々としては、これらの裁判を純然たる法理論的な観点から進めてきたが、今までの二つの法廷における判断を見ると、米国の法廷では法理論による裁きというよりも政治的な圧力による裁きがより力を持っているようである。裁判官が具体的にどのような圧力やどの国からの要請を受けているかは不明であるが、日本政府がそれに関して、一切関係を持たないことは明白である。依って、立法や行政から独立しているはずの司法の分野がかなり世俗的な影響力を受けていることを改めて経験した訳である。

「アメリカに正義はあるのか」という疑問自体が幼稚な問いであることは事実である。絶対的な正義は何処にも無いのかもしれない。しかし、米国の司法には、それなりの正義があるという想定で訴訟を始めたのであるが、今日の判決(正式な判決は3月24日に発表されるが、実質的には、今日の決定が公的に認められるだけである)が示したものは、司法の世界もまた、各種の力関係で左右される業界であるということである。したがって、この裁判において勝利するためには、日本政府の大胆な動きが必須なのである。第一には、「河野談話」の破棄であり、第二には、日本の名誉のために働いている人々への積極的な支援であり、第三には、「慰安婦が性奴隷でなかった」事を世界に公式に声明することである。既に、明白に国際的な政治的問題となった慰安婦の件を「政治問題にしない」とか、「外交問題にしない」とかの空論を並べて日本政府が行動をしない間に、日本の名誉は着実に失われていくのである。

歴史の真実を求める世界連合会  代表 目良浩一

GAHT-US Corporation

2/23日経 閻学通氏 グローバルオピニオン『近隣の友情を「買う」中国』を読んで

清華大学現代国際関係研究院院長の閻学通(Yan Xuetong)氏の論考ですが、中国人の発想の枠は超えられませんね。相変わらず傲慢、高所から見下す臭いがプンプンします。共産党で相応の地位につくには当然最高権力者に擦り寄らなければ任命されないので「ヨイショ」が必要となります。江(上海派)と胡(団派)はこれを読めば苦々しく思うでしょう。

閻氏は中華思想丸出しです。中国と付き合えば経済的恩恵を受けられるというのは「冊封体制」・「華夷秩序」そのものです。こういうことを言うから嫌われると言うのが分かっていませんね。札束で頬を打っても相手は屈辱を感じさえすれ、友情を感じることはないでしょう。ASEAN諸国の大半がこういう中国のやり方を嫌悪しているのに気が付かないのは如何にも自己中の中国人という気がします。

中国は現在の世界の覇者であるアメリカに対抗しようとしているのが読み取れます。「世界のルール作り」を主導するのは、これからはアメリカでなく中国だと言いたいのでしょう。アメリカ人も同じように傲慢・強欲で好きになれませんが、少なくとも理念上、建国の精神である「自由」を尊重する国です。中国はチベット、ウイグル、内蒙古人はおろか漢人まで反政府弾圧・宗教弾圧を今この時点でもしています。どちらが人類のリーダーに相応しいか言を俟たないでしょう。「AIIB」を作って経済的に属国を作ろうとしているのでしょうが、下心は各国に見透かされています。従うのは専制国か愚かな国だけでしょう。中国には世界のリーダーになる資格はありません。人類普遍の価値である自由・民主・基本的人権の尊重・法治が中国で実現されてから発言してほしい。この4つは中国では全部実現できていません。

また自分に都合の悪いことはすぐに他人のせいにするのも中国人の特徴です。8年間の中国駐在で痛切に感じました。対日本人だけでなく、中国人同士でもです。「安倍音三首相は中国との関係が悪い方が好都合と考えているようだ。」と言うのは如何にもです。関係を悪化させているのは中国であって日本ではありません。中国の言うことを聞かない人間に対してはこのように攻撃する訳です。中国や朝日新聞を筆頭とする日本のマスメデイアと反対のことをすれば日本の国益に叶います。

メキシコ高速鉄道の落札にはペニャニエト政権中枢に対する豪邸のプレゼントという賄賂があり、補償問題に発展しています。裏でスマートに賄賂を贈る国です。経済的にかの国を富ませることがいかに危険か。

記事

2014年11月、中国共産党・.政府は8年ぶりに「中央外事工作会議」を開催した。これは外交政策を転換するときにだけ開く会議だ。習近平国家主席は鄧小平氏の時代からの方針を変更した。従来は米国や欧州を相手にする「大国外交」が主軸だった。新たな国際情勢下で習氏が最も力を入れるべきだと主張するのは、近隣国との関係を強める「周辺国外交」である。

鄧氏の最大の目標は国を豊かにすることだった。一方、習氏は「民族の復興」を果たし、国際社会の尊敬を集めることを目指している。2人のゴールは根本的に異なる。 経済発展に主眼を置くなら、外交でも「誰とでもつきあえばお金を稼げるか」と考える。 投資を呼び込み、技術を取得するため米欧諸国をはじめとする「大国」を相手にした。

この政策はもはや通用しなくなった。胡錦濤前国家主席の時代の後半には、日本や東南アジア諸国連合(ASEA N)加盟国といった周辺国との関係が悪化した。なぜか。 12年の時点で、中国は世界の124力国にとり最大の貿易相手国になった。いまや米国を除くすべての国が中国を経済規模で下回る。それなのに外交は鄧路線のままで米欧にばかり目がいっていたのだ。 自国より経済規模が小さな国とつきあうには一定の配慮が必要だ。たとえば自由貿易(FTA)を結び、中国の安い製品がなだれ込めば相手国は脅威に感じる。その場合、中国側の関税を撤廃しても、相手国の関税は残して構わない、といった配慮が必要だ。周辺国に経済の恩恵を与えなければならない。言葉は悪いが友情を「買う」のだ。

なぜ近隣国の支持が必要になるのか。国際社会の規制やルールをつくるうえで、こうした国々の助けが必要になるためだ。かつては大国同士が天然資源を争ったが、いまは過剰生産の時代だ。モノをつくっても、市場が見つからない。これからはモノを売るための規制やルールを誰が設けるのかが重要になる。ルールは一国ではつくれないのだ。

中国にとってアジアで最も重要な国は日本だ。日本が中国に友好姿勢を示して<れれば中国の国際環境は劇的に改善する。だが、残念ながら安倍音三首相は中国との関係が悪い方が好都合と考えているようだ。日本との関係改善が無理ならば、中国はせめて関係悪化を防ぐべきだろう。

中国が理想とすべきなのは唐の全盛期、貞観の治(62 7〜649年)と呼ばれた時代ではないだろうか。国内の調和がとれ、近隣国との関係は良好だった。唐に限らずエジブト、ローマ、英国といった帝国がいずれも永続しなかったのは改革が滞ったからだ。習氏の政策を評価しているが、それは様々な改革に力を入れているからだ。

2/19日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「目下の日本」からドルは借りない 韓国は「反日」から「卑日」国家へ』について

相変わらず劣等感の塊みたいなことを韓国は言っています。「卑日」なんて言える立場にないのに。自分の置かれた状況を冷静に判断できないのでしょう。2/23に日韓スワップは終了しましたが、5/23閣僚級の財務対話が再開されるそうです。日本もキチンと主張しなければダメで、いつまでも大人ぶる(単なる臆病者としか小生には見えませんが)必要はありません。国際社会では「やられたらやり返す」、これが当たり前です。どうしてもスワップで日本の信用が必要だと彼らが言って来たら「アメリカの慰安婦像の前で土下座し、『嘘をついて日本を貶めました。ご免なさい』と言わない限り、信用供与はしない」と言ってやればいい。或は「貴国は中国の属国をめざしているようなので中国からの信用供与(人民元はハードカレンシーでないので、中国以外で決済できるかどうかですが)を受けたらどうですか」とか言い放ち、その交渉過程もマスコミに流せばよい。韓国はいつもやっている手でしょう。外国で言われもない辱めを受けているのに反撃しないから見縊られるのです。

産経の加藤支局長を韓国外に出さないのは「アメリカ相手の売春婦が国家管理で行われ、命じたのは父の朴大統領」という記事を月刊正論9月号に発表したためという意見をネットで読みました。如何に韓国は愚かで、日本を貶めればやがて自分にブーメランとして返ってくることも自覚できずに反日に邁進しているのですから。民主党と一緒です。マイケル・ヨン氏によると「本件の米軍相手の元売春婦122人が韓国相手の訴訟だけでなくアメリカにも向けられたら、アメリカは今まで言ってきたことを覆すだろう」と。アメリカもご都合主義というか、本当に怖いと思っているのは日本だから日本を貶めるのに加担しているのかもしれませんが。

中国・韓国から離れることが日本の国益です。アメリカ国防総省も「THAAD」問題で韓国を信用できない国と思っているでしょう。2012年に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を直前でキャンセルした国ですから。これで2度目になるでしょう。朝鮮戦争が起きても日米は洞ヶ峠を決め込んだらよい。駐韓米軍とその家族、在韓邦人は日本に素早く退避するようにして同じ民族同士で喧嘩して貰えば良い。アメリカも忠誠心のない国のために若者の血を流す必要はありません。

記事

 世界でも有名になった韓国の「反日」。だが実は「卑日」と呼ぶべきものに変容している。これを見落とすと、日本は外交を誤る。

セウォル号と反日

—前回の「慰安婦を無視されたら打つ手がない」の最後のくだりに「反日」は「卑日」に変わった、との指摘がありました。そこを詳しく聞きたいのです。

鈴置:韓国の日本に対する異様な行動は、表面的には「相も変わらず」に見えます。ただよく見ると、それを突き動かす動機ががらりと変わっているのです。

 いい例が、2014年4月に起きた旅客船「セウォル号」沈没事故です。事故の直後に「また、これをネタに反日をやってきますかねえ」と、周囲の日本人から聞かれました。

—ええ、多くの人がそう考えたと思います。

鈴置:「セウォル号」の船体は、日本の海運会社が廃船にしたフェリーを韓国の会社が買って使っていたものでした。

 そこで韓国人が「粗悪な中古船を日本が売りつけた」と責任転嫁してくるだろうな、と日本人は思ったのです。でも、大方の予想に反して、韓国紙にはそんな記事は一切出ませんでした。

日本の中古船ばかり

—確かにそうですね。「日本のせいだ」と文句を言う韓国人にはまだ、出会っていません。反日が生きがいだったあの韓国の人々は、いったいどこへ行ったのでしょう。

鈴置:韓国人はもう「自分たちが日本のお古ばかりを使っている」ことを話題にしたくなかったのだと思います。「セウォル号」だけではありません。韓国紙によると、韓国で運航中のフェリーはほぼすべてが日本の中古だそうです。

 「日本を超えた!」とのムードが今の韓国を支配しています。せっかく「韓国は日本よりも目上の国になった」と小躍りしていたのに「目下の国のお古ばかりだった」事実が露見してしまった。この話題にはなるべく触れたくない、というのが韓国の気分なのです。

 もちろん、この船の来歴はほぼすべての新聞で報じられました。ただ、それは「重心が上がる改造をした」と、事故を起こした韓国の海運会社の責任を追及する文脈の中で「日本で運航していた船を輸入した後に」と、さらりと触れられたぐらいでした。

 韓国紙で1本だけ「なぜ、日本からフェリーを輸入するのか」を分析した記事を発見しました。しかしこれも「造船世界1位の我が国は、もっと大きなタンカーや貨物船を作るのに集中しているからだ」と説く内容でした。

 要は「日本から船を買ったからといって、たかがフェリーに過ぎない。『造船王国、韓国』の名に傷が付いたわけではない」との国威発揚記事でした。

 今や何があっても「我が国は日本よりも上」というノリで記事を書かなくてはいけないのだなあ、と同業者として感心したものです。

自己憐憫に酔っていた

—昔だったら「日本の中古ばかりを使っている」と大きく書けたのですか。

鈴置:ええ、書けました。というか、むしろ大いに書いたかもしれません。少し前まで「我々は貧しい。豊かな日本のお古を使うのも仕方がない」と皆、考えていたのです。

 さらに「どうせ俺なんか」と、自分への憐憫に酔うようなところが昔の韓国人にはあって、そんなネタは心情にフィット――というのも変ですが、まあぴったり合ったのです。

 もちろん、それは面白くないことです。特に日本人から「韓国のフェリーはすべて日本のお古」などと言われると、あるいは言われなくても知られるだけで不愉快です。

 そこで、馬鹿にするだろう日本に対し「欠陥船だった。責任を取れ」などと、とにかく文句を付け先制攻撃しようとの発想が生まれたりしたわけです。

 「反日」は日本に対する嫉妬や、見下げられることへの反発が原動力でした。象徴的なのが日本の歴史教科書に関する批判です。昔は「日本人が自分たちを劣った存在と見なしている象徴」と見なし、その修正を要求しました。

 それが今や「日本人は倫理観に乏しいので、教科書でも戦犯国家たることを悔い改めていない。これを世界に知らしめねばならない」という、上から目線のノリになっています。

消滅する日韓通貨スワップ

—そう言えば、日韓通貨スワップが消滅します。これも……。

鈴置:消滅の原因も、韓国の新思潮たる「日本への上から目線」です。「目下の日本」に頭を下げてスワップ枠を延長してもらうことに、プライドが耐えられなくなったのです。 

 日韓スワップは2012年がピークで、総計700億ドル相当の枠が設定されていました。韓国が通貨危機に陥りそうになるたびに増枠した結果です。

 しかし同年以降は、積み増した枠の期限が来ても延長されなくなり、2015年2月の段階では100億ドルにまで減っていました。この100億ドルのスワップ枠は2015年2月23日が期限なのですが、これも延長されないことになったのです。

 

 中央日報の「韓国・日本、通貨スワップめぐり自尊心の戦い」(2013年6月24日、日本語版)が、韓国人の心情を吐露しています。2013年に30億ドルの枠が延長されなかった際の記事です。ポイントは以下です。

  • 菅義偉官房長官は会見で、7月に期限が来る30億ドルのスワップ協定に関し「日本にとっては延長の必要がない」と語った。まるで韓国のためにスワップを維持しているかのような発言だ。
  • 銀行の金仲秀(キム・チュンス)総裁はこれに対し「通貨スワップはどちらかが得するものではない。日本側の『韓国からの要請があれば延長する』との発言は不適切だ」と不快感を表明した。

本当のことを書けない韓国紙

—「まるで、韓国のためのスワップであるかのように発言した」と日本の官房長官を批判していますが「韓国のため」ではなかったのですか。

鈴置:もちろん韓国のためです。外貨不足でデフォルト(債務不履行)を起こしかけるのは、いつも韓国なのですから。

 でも韓国ではもう、本当のことが書けなくなっているのです。新聞は「日本からドルを借りるためにスワップ協定を結ぶ」という記事を載せるわけにはいかない。日本が韓国よりも「目下の国」だからです。

 韓国の通貨当局も国民に対しそうは言えません。だからスワップの目的について「日韓双方のために」とか「アジアのために」と説明するよう日本に要求していた。でも「韓国のため」とはっきり言われてしまった。

 そこで韓銀総裁は大いに不快感を表明したうえ、この30億ドルのスワップ枠の延長も日本に頼まなかった――という図式です。

 ちなみに、最後に残った100億ドルのスワップ枠に関しても2014年10月29日に麻生太郎財務相が国会答弁で「韓国から申し出があれば延長を検討する」と述べていました。

 この枠を続けるよう韓国が日本に求めた際も「韓国が望んで延長するわけではない」形式にこだわりました。しかしそれに失敗したので、日韓スワップは完全に終了することになったのです。

「上国」に命綱を預ける

—経済的に韓国は通貨スワップを必要としているのですか。

鈴置:少なくとも韓国の通貨当局はそう考えています。なぜなら中国との間に3600億元・64兆ウォン(約580億ドル相当)のスワップがあります。2014年10月に期限が切れる予定でしたが、3年間延長してもらっています。

 日本とのスワップでは、いざという時にウォンを担保に米ドルを貸してもらえました。しかし韓国が結ぶ日本以外との2国間スワップはすべて相手国の通貨を貸してもらう約束です。今後は緊急時に決済通貨であるドルを即刻入手することが可能かどうか、疑問が持たれています。

 また、中国、豪州やマレーシアなどと韓国が結ぶ2国間スワップの総額は90.5兆ウォン相当。何と70%を中国とのスワップが占めます。韓国は金融の命綱を中国に預けたのです(「日本の無力化狙う韓国の『衛星外交』」参照)。

 中国は「目上の国」なので、身をゆだねても恥ずかしくないということなのでしょう。余談ですが、朝鮮朝の人々は宗主国だった明や清を、文字通り「上国」と呼んでいました。

—鈴置さんの近未来小説『朝鮮半島201Z年』みたいになってきましたね。この小説では、韓国が日本とのスワップを拒否したあげく、通貨危機に陥ることになっていますが。

鈴置:2010年に書いた小説です。当時から「上から目線」が始まっていたので、いずれ「日本のスワップなど要らない」と韓国人が言い出すことは容易に予測できたのです。

韓国をなめるなよ

—「上から目線」はその頃から始まったということですか?

鈴置:ええ、そうです。まず、21世紀に入った頃から、韓国人は自己肯定的になりました。あの、自己への憐憫と卑下が日常的だった韓国人が、がらりと変わったのです。以下は、この時期にソウルに留学していた日本人の話です。

  ある日突然、韓国の友人から前後の脈絡とは関係なしに「もう、日本など怖くないからな」と言われたのだそうです。「韓国は強い国になった。なめるなよ」というわけです。

 1997年の通貨危機を乗り切ったうえ、サムスン電子や現代自動車の快進撃が始まった。日韓が共催した2002年のワールドカップで4位になったこともあったのでしょう。

 2010年前後から、こうした自信が「日本に対する上から目線」に昇華しました。同年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件で、当時の菅直人政権は狼狽したあげく、中国の圧力に屈したのです。

 2010年は中国のGDPが日本のそれを追い抜いた年でもあります。韓国人は「日の出の中国」と対比して「経済的にも政治的にも没落する日本」を見限ったのです。

 2011年に東日本大震災が起きました。被災者救済にしろ、原発事故にしろ、またまた菅直人政権は無能ぶりを見せつけました。韓国人でなくとも「日本は大丈夫かな」と思ったことでしょう。

 印象的だったのは、中央日報が震災翌日の3月12日の1面トップに付けた見出し――「日本沈没」です。「やった! 日本がついに落ちていく」と快哉を叫ぶ韓国人の心境を、見事に言い表していました。

我が国を「兄」と呼ぶ日本人

—韓国人は上下の意識が強いと言われますが……。

鈴置:韓国人は上下意識が強力なだけではなく、それを露わにするのです。象徴的な記事がありました。国民日報の「鄭総理『日本が我が国を兄の国』と呼ぶのはなぜか」(2015年1月10日、韓国語)です。要約します。

  • 鄭烘原(チョン・ホンウォン)国務総理は「日本人は法制度に関し我々を学ぼうとやってきては『兄の国』と呼ぶ。これほどに多方面で我々が日本よりも先を行っている」と担当記者らを前に述べた。
  • さらに「日本の反韓は、こうした日本の心理的な問題から起因してもいるだろう」と解釈してみせた。

 「韓国が日本よりも優れている」例証として、こともあろうに法制度があげられたのは、鄭烘原首相(当時)が検事出身だからです。

 「兄の国」とは儒教国家である韓国独特の表現です。韓国人を持ちあげるためにこの言葉を使う日本人がいます。少し前までは韓国人も「おだてられているな」と思いながらも相好を崩していた。

 それが今や本気にして「日本人がついに自分を劣った存在と認めたぞ」と韓国人同士でそっくり返るようになったのです。

日本人の劣等感が「反韓」呼ぶ

—よく分かりました。韓国人が日本を「目下の国」と見始めたことが。1つ質問です。後段の「日本の心理的問題」とは「日本人が韓国に対し劣等感を持っている」という意味ですか。

鈴置:その通りです。「対韓劣等感が反韓を生んでいる」との分析です。この辺は、少し前までの韓国人の心情を、そのまま日本人に投影していると思われます。つまり韓国では「対日劣等感が反日を呼んでいた」――わけです。

—なるほど、きっとそうなのでしょうね。それにしても一国の首相が、隣国よりも自分の国が優れていると堂々と語るというのも、すごいですね。

鈴置:韓国ではそれほど奇異にはみられません。「上の人」が「下の人」を見下してみせるのは韓国では、よくあることだからです。

—大韓航空の副社長(当時)が機内で乗務員を叱り飛ばし、発進しかけていた機体を戻させた事件がありました。

鈴置:この元副社長はオーナーの娘。社内では怖いものなしです。世論の批判が高まったから今回は裁判にかけられましたが、普通なら家来――乗務員は泣き寝入りです。

日本を貶めて「上」を実感

—しかし日本は韓国の家来ではありません。なぜ、韓国はオーナーの娘が乗務員に対するように、日本を叱り飛ばすのでしょうか。

 鈴置:長い間、韓国人が下から日本を見上げていたからです。「日本よりも上に立った」ことを実感するためには、日本を貶めることが必要なのです。

 だから、李明博(イ・ミョンバク)大統領は竹島に上陸して見せた。さらには「日王(天皇)は謝りに来い」「日本は力を失った。もう怖くない」との趣旨の発言を繰り返したのです。

 「慰安婦」に関し朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が日本の悪口を世界中で言って歩くのも、この心情からと思います。韓国は日本よりも上の国である。だから遠慮せずに悪口を言えるのだ――と韓国人、さらには世界に示すのが目的です。

 指導者だけではありません。在米韓国人が慰安婦の像を立てる。あるいは外国に留学した韓国の学生がクラスメートに日本の悪行を言いたてる――。「日本よりも上の韓国」を世界に印象付けるために、普通の人が日本への誹謗中傷に全力をあげるのです。

 私が韓国人の異様な行動を「上から目線の卑日」と呼ぶのはまさにこのためです。これまでの「下から目線の反日」とは明らかに動機が異なるのです。

卑屈だった人こそ日本を見下す

—すべての韓国人が「卑日」行動に出ているわけでもないでしょう。

鈴置:もちろんです。積極的な行動に出るのは一部の人です。また、交流サイト(SNS)での普通の韓国人の会話を見ても「日本に追いついた」「日本を追い越した」といった自らを誇り合う書き込みが溢れる中に「そんなにいい気にならない方がいい」との冷静な意見も時々、見られます。

 現代経済研究院が「2016年には韓国の1人当たりGDPが日本を追い越す」と2014年12月22日に発表しました。「2015年 国内トレンド 10+1」(韓国語)でです。

 このニュースに接し大喜びする人が多かったのですが、SNSに「韓国人は年中そんなことを言っているけれど、実現したためしはない」と昔のノリで書く人も少しですがいました。

 私の取材先でいうと昔、日本に異様に卑屈な姿勢を見せていた人が、今になって日本を見下すケースが多いのです。

 反対に、日本を淡々と見ていた人は――例えば「日本の方が優れた点は多いが、うらやんでも意味はない。近代化を始めた時点が異なるのだから。我々は日本人以上に努力するしかない」と語っていた人は、少子高齢化に日本がもがく姿を見ても馬鹿にしたりはしません。むしろ対策を熱心に聞いてきます。

「卑日」も国教に

—そうした冷静な人の意見は韓国の外交に反映されないのですか。

鈴置:されません。「反日」もそう言われたものですが「卑日」も宗教――国家宗教なのです。「調子に乗らない方がいい」なんて意見は大声では語れないのです。韓国人なら、教義通りに日本を卑しめるのが当然の義務と見なされるのです。

 特に今、韓国は「慰安婦」を武器に、国を挙げて日本と外交戦争をしているのです。「アベの日本は誤った道を突き進んでいる」と言わなければ、「利敵行為」と批判されてしまうでしょう。

 国教に採用された「卑日」を批判するのに本名は明かせません。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコム(韓国語)で「韓国の行き過ぎた反日」を毎日のように批判するヴァンダービルド氏も、終わりのない「反日」をきれいな日本語で解き明かす「シンシアリーのブログ」の筆者も皆、匿名なのです。

 ヴァンダービルド氏らはしばしば「お前は日本人か」「韓国から出ていけ」と攻撃を受けています。こんな雰囲気の下では、多数の読者が必要な商業メディアは「卑日をやめよう」などと、とても主張できません。

 趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコム(韓国語)が韓国のメディアでほぼ唯一、「卑日」批判を掲載できるのも、商売抜きで運営しているからです。

謝罪するほどに日本を糾弾

—「卑日」の動機が「反日」とは大きく異なることは分かりました。では、日本にとってはどう違うのでしょう。

鈴置:まず「卑日」は「反日」以上に執拗になります。なぜなら「反日」をやっている時は、どこかに「目上の日本」への恐れがあった。だから日本が謝れば一時的には収まった。

 しかし「卑日」は日本が力を失ったとの認識が前提です。韓国では弱い者いじめには限界がありません。日本が謝ればますます「卑日」に力を入れるでしょう。

 もちろん「セウォル号」事件のように「反日」時代なら日本に八つ当たりしたものが、「卑日」時代にはそうならないケースもあります。

 しかし、総体的には「卑日」の方がネタの数が多いのです。「反日」は教科書の改定とか、日本の大臣の発言とか何かしらのニュースが必要でした。しかし、「卑日」は日本の存在そのものを否定するものです。何でもネタにできるのです。

 次に「反日」はある程度コントロールできましたが、「卑日」はそうはいかないことに留意すべきです。「反日」は日本政府に何かを修正させるのが目的でした。だから韓国政府が表に出てきて、政府同士で話し合えたのです。

 一方、「卑日」は修正要求ではなく糾弾です。韓国政府とは関係なしに――裏では関係しているのでしょうが、建前は――普通の韓国人が世界で繰り広げるものです。日本政府の対応ははるかに複雑で手間のかかるものになります。

アベの米議会演説を阻止

—複雑で手間、ですか。

鈴置:例えば、安倍晋三首相の米議会での演説を阻止する運動が始まりました。以下は、聯合ニュースの「在米韓国人団体、アベの米上下院合同演説にブレーキ」(2月14日、韓国語)の要旨です。

  • 4月末から5月初めにかけて安倍首相が訪米し、その際に上下両院で演説する可能性がある。各州の在米韓国人団体は力を合わせ、これに反対する運動を展開する。
  • これは初めての試みであるが、米議会の意思決定に少なくない影響を及ぼすと見られる。同団体は「安倍首相の米議会演説は日本の戦犯イメージを和らげ、明確な謝罪や責任を認めない日本に免罪符を与えるものだ」と言っている。

 仮にこうした問題について、日本政府が韓国政府に何か協議を申し入れても「韓国政府とは関係ないことだ」と突っぱねられて終わるでしょう。

人民元の傘に入った

—日本はどうすればいいのでしょうか。

鈴置:まず、韓国が常に日本の足を引っ張る国になったことを認識すべきです。「困ると日本に泣きついてくる国」からはとっくに卒業しているのです。

 国力もついたし、外交的にも日本や米国から離れつつあります。通貨スワップも日本ではなく、中国を頼みにしているではありませんか。韓国は「通貨同盟」の面では人民元の傘下に入ったのです。

 これからは中国の力も借りて「なめるなよ」と、さらに強気に出てくるでしょう。「河野談話」のように「とにかく謝っておく」式の対応は効きませんし、これまで以上に問題を大きくします。

 韓国は「反日」をやっても時間が経つと戻ってきた国でした。日本には一目置いていたし、海洋勢力側の国だったからです。しかしもう、それは昔の話。韓国人は20世紀までの韓国人ではないのです。

日高義樹著『「オバマの嘘」を知らない日本人』を読んで

昨日朝、NHKのニュースを見ていました。22日の与那国島の住民投票の結果ですが、朝5時台は「陸上自衛隊の配備賛成派の勝利と市長の中学生も含めた投票のあり方についての批判」について報道されていましたが、6時台には市長の批判は流されませんでした。左翼人士にとって都合の悪いことは多くの人が見る時間帯には報道しない姿勢なのかも。「報道しない自由」の権利の行使です。聞けば「編集権は天下のNHKが持っている」とか「時間がなかった」とか言い訳するのでしょうけど。この本を読めば、中国が如何に侵略国かわかります。実際領土問題を抱える南支那海には堂々と軍事基地を作っております。ISIL、ウクライナ問題で手を打つことができないオバマの姿勢を読み切ったうえでのこと。与那国、尖閣、沖縄だけでなく彼らは日本を全部手に入れようと考えています。国民一人ひとりが国防を真剣に考えないと侵略されます。「念仏平和主義」は抑止力にならないのはISILの人質事件を見れば分かるでしょう。九条擁護派の考えは犬養毅の「話せば分かる」に対して「問答無用」の回答を受けるでしょうと言いたい。世界はいろんな考えの人がおり、平和を実現するには抑止力が必要です。左翼人士は利敵行為をしているとしか思えません。

表題の本は昨年7月に刊行されました。日本の核保有をアメリカは反対しないとかプーチンは北方領土を返さないとか『「「プーチン大統領は千島列島をめぐって日本側と対決をしていると考え、最新鋭の揚陸用空母や海軍歩兵部隊と呼ばれる海兵隊をウラジオストックに実戦配備しようとしている」。この会議に出席したアメリカ海軍の退役提督が、こう言ったが、ワシントンの軍事専門家はプーチン大統領が日本と対決し、北方領土を取り返されるのを防ごうとしていると見ている。「プーチンと日本との対決は続いている。プーチンは、軍事力でもってロシアの利益を守らなければならないと思っている」』とか内容はいたって刺激的です。アメリカ発の情報なので、よく咀嚼して考えたいと思います。

帯には

尖閣を守る」を信じてはいけない

米国民の61%がオバマは嘘をつくと考え、ワシントンの軍事専門家の多くは「ウクライナの次に危ないのは日本」だと言い始めた!  PHP研究所 定価・本体1,500円

・米•中のバブル崩壊は先送りされる

・オバマ大統領の平和外交は完敗した

・ロシア極東太平洋艦隊が日本と対決する

・中国は核戦力を飛躍的に増強する

・朝鮮半島で五年以内に戦争が始まる

・オバマ大統領は戦争を始められない

・アメリ力がアメリカでなくなる

・ドイツ・ヨーロッパがアメリカ離れを始めた

・ペンタゴンで内乱が起きている・・・他

と面白い内容です。是非購入して読んで戴きたく。

内容

FRBはこれまで五年間、毎年一兆ドルずつ、連邦債や不良債権を買い続けてきた。連邦債や不良債権を買い続けるということは、ドルの発行高を増やすことで、通貨の過剰流動性を生み、経済にとって重荷となる。このまま金融緩和政策を続ければィンフレは避けられな いが、金融緩和を取りやめ、緊縮財政を始めれば、ニ〇〇九年以来のアメリカの不完全な景気回復の中で生じているミニバブルが崩壊してしまう。

アメリカの人々は、中国のバブル崩壊が世界経済を混乱させることを懸念しているが、もっと深刻な問題はアメリカ経済の先行きなのである。長い間続けてきた金融緩和政策を打ち切れば、アメリカ経済が大打撃を受け、中国のバブル崩壊に勝るとも劣らない難しい問題を引き起こす恐れが十分にある。

アメリカ経済は長期間にわたる金融緩和の結果、まさに借金漬けになっている。アメリカ連邦政府の財政赤字はすでに一八兆ドルに達しているが、新しい医療保険制度が実施されると、借金はさらに増え、あっという間にニ〇兆ドルを超す。

アメリカ国民の個人的な借金も急速に増えている。一般家庭の借金は二〇一二年の暮れには一兆八〇〇〇億ドルであったものが、一年後の二〇一三年暮れには二兆ドルを超した。こうした借金のほかに、クレジットカードの借金がほぼ一兆ドル、自動車ローンが一兆ドル弱、 学費ローンの借金も一兆ドルを超している。そのほか、住宅関連の借金が一一兆ドルある。

アメリカの人々の貯蓄は急速に減っている。国民の貯金がゼロに近いところから、借り入れのほとんどが外国から行なわれている。したがって、その利息を外国に支払わなければな らない。アメリカの国内総生産が一五兆ドル、借金の利息はその一〇パーセント弱だが、借金の総額は増える一方なのである。しかも基本的にアメリカ経済は資本が不足している。アメリ力経済はいまや硬直化して、自由な拡大が阻害されている。

アメリカにとって最大の問題は、このまま経済緩和政策をとり続ければ、赤字がとめどもなく増え続け、現在は抑制されているィンフレが爆発的にひどくなる危険が増大することである。

アメリカはこれまで、財政赤字をはじめとして借金を増やし続けてきたが、その借金によって新しい産業を起こし、新しい技術を開発して経済を拡大してきた。ところがいまや、アメリ力の借金は利子の支払いと、拡大する財政赤字に消えてしまっている。新しい産業を起こす力になっていない。

いまFRBが金融緩和政策を取りやめ、金融を引き締めることになると、アメリカ経済は重大な影響を受ける。伸び悩んでいる資本がさらに不足し、減っている個人所得がさらに少なくなる。

FRBの夕力派が主張しているように、借金を増やし続けて、借金漬けになってしまったアメリカは、このあたりで金融緩和を取りやめ、引き締めに戻らなければならない。しかし 戻れば資本が不足するだけでなく支出も減り、とくに個人消費が少なくなるところから、 アメリカ経済が大きな打撃を被ることになる。いまアメリカは留まるにしろ、新しい動きを 始めるにしろ、逃れられない危機に直面している。

ウクライナの非核平和外交は無力だった

一九九四年十二月五日、ウクライナのレオニード・クチユマ大統領は、ウクライナがソビエトから分離独立したときに保有していた一九〇〇発の核弾頭をロシア側に引き渡す条約に調印した。

この条約は核拡散防止条約の一部として取り扱われ、アメリカとイギリスがロシアと協力して核兵器のなくなったウクライナの安全と平和を保障することになっていた。この条約の締結に最も力を入れたのがアメリカのクリントン大統領だった。クリントン大統領はこの条約の成立するほぼ一カ月前、一九九四年十一月二日、ホワイトハウスでクチユマ大統領と会 い、ウクライナ経済を支援するため二億ドルの援助を与えることを約束していた。

この取り決めには後日談がある。ロシア側に渡された一九〇〇発の核弾頭はすべて解体され、ロシアは核弾頭から取り外した放射性物質を原子力発電の燃料としてアメリカに売り渡した。これもまた核拡散防止条約の一環として取り扱われ、ロシアの核兵器削減の一環として取り扱われロシアの核兵器削減の項目の一つになった。

一九九四年、ウクライナがアメリカ、ロシア、イギリスと結んだ条約は、核兵器を売り渡す代償として安全と平和を与えられるというものだった。核を持たず、日米安保条約のもとで安全を保障されている日本と同じ立場になったのである。歴史的に見れば、ウクライナは日本に続いて、核兵器を持たない代わりに大国によって安全を保障される国になった。大国が「守ってやるから、核兵器を持つ必要はない」と保証したのである。

日本と異なり、ウクライナ議会は、この取り決めに猛烈な勢いで反対した。クチユマ大統領は弾劾され、解任されてしまった。いまウクライナの人々は、一九九四年にロシアに核兵器を引き渡し、アメリカとイギリスに守ってもらうことにしたのは大きな間違いだったと、強く感じている。

ロシアがクリミア半島を占領した直後、ウクライナ議会のパブロ・リザネンコ議員はアメリカのテレビに出演して、こう述べた。

「我々は一九九四年の取り決めに基づいて核兵器を諦めたが、あれは大きな間違いだったと多くの人々が考えている」

今度のロシアの侵略行動についてアメリカの雑誌『ニューズウイーク』は、核拡散防止条約に対する真正面からの挑戦であり、国際法違反であると非難して次のように伝えた。 「純粹に軍事的に見るとウクライナが核兵器を維持し、モスクワを直撃する中距離ミサイルを開発して装備していれば、核兵器による報復を恐れ、ロシア軍はクリミア半島に対する侵略に二の足を踏んだはずである。つまり核の抑止力がありさえすれば、ウクライナはロシアの侵略を受けずに済んだ」

しかしさらに重要なのは、『ニユーズウイーク』が指摘しているように、今度のロシアの行動が核拡散防止条約に対する重大な違反で、核拡散防止を基本的な国際戦略としてきたアメリ力に対する挑戦であるという事実である。

またそれ以上に留意すべきは、核拡散防止政策を推し進めてきたアメリカは、核兵器を諦めてアメリカに命運を委ねたウクライナを何としても助けるべきだったのに、助けなかったという事実である。

これは日本からすれば、きわめて重要な事実である。日本は昭和憲法をつくるにあたって軍事力を放棄し、その代わりにアメリカの核の傘による安全を保障されてきた。ところがウクライナを前例とすれば、日本は同じような侵略を受けた場合、アメリカから見放されてしまう危険がある。

ロシアのウクライナ侵攻を見逃した才バマ大統領は、アメリカの力によってしかプーチン大統領を抑えることができないという国際政治の現実に目をつむったわけである。しかも、わずかニ十年前に同じ民主党のクリントン大統領がつくり上げたアメリカの基本戦略を破ってしまった。アメリカはウクライナを裏切ったといっても言い過ぎではない。

ウクライナという国が平和的に、ロシア帝国の一部といってもよいかたちで存在してきたことは、私が実際に訪問して体験したことである。冷戦が唐突に終わり、混乱が始まった頃、私はモスクワからキエフを訪問した。キエフに入るビザはモスクワのクレムリンで友人の助けを借りて手にしたが、モスクワからロシアの航空便で入ったキエフは穏やかそのものだった。

ビジネス界の指導者だという人物が「ウクライナには特別な輸出品というものはないが、 良質な粘土が採れるから、瓦用に日本に買ってもらおうかと思うがどうか」などと、のんびりとした話をしていたのを覚えている。

ジンギスカンの侵略と支配のなごりでアジア系の人も多く、混血特有の美人が大勢いることに目を見張った。ウクライナは平穏そのものだった。

チェルノブイリの原子力発電所の事故のあと、再びキエフをテレビ取材のため訪問した。 放射能の被害を受けた地域は放置され、野原にいる牛や空を飛ぶツバメが痩せているように見えて気になったが、政射能を浴びたはずの自然はあまり大きな被害を受けた様子はなかった。

ロシアは戦後レジームから離脱した

ワシントンで親しくしている人々の中に、インド政府の高官シン博士がいる。皮はインド のマンモハン•シン前首相の軍事顧問で、ハドソン研究所にもときどき顔を出すが、ハーバード大学ケネディスクールの学者の一人でもある。ロシア軍がクリミア半島を侵略した翌日、 シン博士がベセスダの自宅の近くにあるカントリークラブのプールでこう話しかけてきた。 「ロシアのウクライナ侵攻をどう考えますか。ウクライナが核兵器を持っていればプーチン大統領も簡単にはウクライナを侵略できなかったのではないでしょうか。世界の平和主義者に非難されながら、インドが核兵器や戦略部隊を持っている大切さが明らかになったとは思いませんか」

私としては異論の余地もなく、まったく同じ考え方だと述べたが、その数日後、ホワイトハウスのすぐ前にある、私が「ホワイトハウスの第二ダイニングルーム」と呼んでいるヘイアダムスホテルのロビーで、サウジアラビアの若い軍人と顔を合わせた。一緒にいたハドソ ン研究所の元所長と三人で話し合っている最中に、彼がこう言った。

「サウジアラビア同内ではいま、若い王子たちを中心にアメリカが反対しても核兵器を待たければならないという声が出てきていますよ」

この数日後、オバマ大統領はサウジアラビアを訪問し、ニ時間半以上にわたってアブドラ国王と対談した。アブドラ国王は歳をとり、健康もすぐれないため、呼吸器をつけての会談であったと報じられているが、ニ時間半という長い会談のわりには、詳しい内容は報道されなかった。

ハドソン研究所の学者によると、会談の主なテーマは、スンニー派の多いサウジアラビアとは異なりシーア派の多いパーレーンや、アラブ首長国連邦を代表するアブダビ首長国とサウジアラビア政府の関係、アメリカを交えた湾岸国家との首脳会談についてだったが、サウジアラビアの核装備の問題を話し合ったことは公表されなかった。

サウジアラビアはふんだんな石油資源を持ち、そのうえドイツ企業との関係も強く、いつでも核兵器を製造できる体制にある。

「サウジアラビアは、今度のプーチン大統領によるウクライナ攻撃に強い衝撃を受け、中東でロシアの影響力が強まってくるのではないかと懸念している。そうしたなかで独自の安全保障体制を強化するため、核兵器を持つ必要に迫られていることを強調したのだろう」

ハドソン研究所の学者はこう述べたが、インドのシン博士とサウジアラビアの若い軍人の二人が、アメリカの核の傘は、ロシアのウクライナ侵略に対して全く有効でなかったと考えてえているのは明らかだ。

ロシアのウクライナ侵略を機に世界の各国が、これからは独自のかたちの安全保障体制が必要だという考え方を強めている。日本の専門家の中にはウクライナ事件について、アメリ力とロシアという二つの大国が、大国の利益を優先し、小国のウクライナを犠牲にしたという表面的な見方をしている人が多い。だがインド政府の高官やサウジアラビアの若い軍人が指摘しているのは核拡散防止政策というアメリカの基本戦略が今度のプーチン大統領の侵略行動の犠牲になったことである。

プーチンによるウクライナ侵略は、紛れもなくオバマ大統領の失敗、アメリカの間違いがもたらしたものである。アメリカの核戦略が世界から不信の目を持って見られるようになったのは、アメリカの自業自得ということができる。

ウクライナは、核拡散防止の戦略的構想に基づいて安全を保障されていたはずだが、ロシアもアメリカもウクライナを見捨てた。表面的に見れば小国であるウクライナを大国であるロシアが侵略し、アメリカがその小国を守る努力をしなかったわけだが、インドのシン博士やサウジやサウシアラビアの軍人から見れば、そうではない。

オバマ大統領は結局、同盟国である核を持たない小国を守ろうとする意欲に欠けているのである。

アメリカの核戟略を分析すれば、アメリカの核兵器がアメリカの利権を守るために配備されていることは一目瞭然である。アメリカの本土に展開しているミニットマン・ミサイルや大型戦略爆撃機に搭載された核兵器、それに潜水艦に装備されたトライデント型ミサイルは、アメリカ本土攻撃に対する報復のためのものである。アメリカの基地や領土が核攻撃を受ければ、アメリカは、大量破壊力を持つ大型の核ミサイルで報復攻撃する。

つい先頃亡くなったジエームス・シユレジンジャー博士が考え出した全方位戦略といわれる核戦略は、アメリカの軍事基地が攻撃された場合に、ロシアのあらゆる都市を無差別に攻撃することを基本としている。したがって、アメリカ政府が膨大な費用をかけてつくっている早期警戒体制は、アメリカに対する先制攻撃を察知し、反撃態勢をとるためのものであ る。

朝鮮半島で五年以内に戦争が始まる

ニ○一四四月、オバマ大統領が日本、韓国などを訪問する直前、オバマ政権に強い影響力を持つワシントンのシンクタンクが、次のような報告を行なった。

「北朝鮮政府部内の政治情勢がきわめて不安定で、侵略的な行動を起こす危険が強まっている。アメリカは北朝鮮に対する態勢を再点検し、対応策を強化しなければならない」

オバマ政権内部では、北朝鮮の脅威は実体がなく核兵器の脅しは口先だけだという考えが強いため、オバマ政権の一部といわれるこのシンクタンクが警鐘を鳴らしたものと思われる。

ワシントンの軍事専門家の間でも、ロシアのプーチン大統領によるウクラィナ侵略はアメリカの核抑止カの失敗がもたらしたもので、その結果、ロシアの容認のもとで北朝鮮が侵略行動をとる危険があるという見方が急速に強くなっている。

ワシントンの専門家がとくに注目しているのは、北朝鮮の政治が依然として非常に不安定で、このまま事態が進行すれば、北朝鮮政府が分裂し、政治騒動の最中に韓国に対する攻撃が行なわれる危険があることだ。シンクタンクの報告をまとめたパトリック・クローニン博士は、次のように警告している。 「北朝鮮はロケットなどの開発に力を入れていることから、いまの事態が進めば、向こう一年ないし五年以内に、朝鮮半島で偶発的に戦争が起きる危険がある」

オバマ政権は登場以来、朝鮮半島問題をすべて中国に任せ、中国との関係を強化すること で、朝鮮半島に対するアメリカの影響力と抑止力を維持しようとしてきた。オバマ大統領が「アジアへの大転回」と銘打って始めたアジアに対するアメリカ軍の増強計画は、軍事的に見るとほとんど実体がないと軍事専門家は見ている。

アメリカ海兵隊の幹部がとくに懸念しているのは、国防予算の削減でアジア極東におけるアメリカ海兵隊の有事即応体制に支障が生じていることである。アメリカ海兵隊のジョン・パクストン副司令官は次のように述べている。

「当面は何とか予算をやりくりして訓練を強化するつもりだ。短期的には何とかなるが、この状況を長期的に続けるわけにはいかない」

アメリカ海兵隊は、朝鮮半島有事の際にはアメリカ軍の即応能カの中心になるため装備の近代化や厳しい訓練が行なわれてきた。だがオバマ政権のもとで沖縄の海兵隊の数は減少し、アメリカ海兵隊の有事即応能力にかげりが見え始めている。

朝鮮半島有事の際、日本にあるアメリカ軍基地の使用について事前協議に応じないこともありうるという安倍総理の発言もこういったアメリカ軍の状況を反映したものと思われ る。ウクライナ危機と北朝鮮の政治的混乱は、アメリカと日本が忘れてきた朝鮮半島有事について、再び真剣に考えなければならないことを示唆している。

朝鮮半島と並んで中国の軍事的膨張も危険の度合いを増している。古いロシアの空母を化粧直ししただけの「遼寧」はニ○一三年一月二十日、海南島の基地を出港し、ベトナム沖を西沙群島からマレーシアまで南下し、一月二十六日、マレーシアの沖合で儀式を行なった。「遼寧」以下の中国艦隊が航海した地域は、すべて中国の領海にするという勝手な行動だったが、エンジンの不調で動けなくなったのだという噂もある。

「違寧」と中国艦隊は、さらに南へ下り、マレーシアとインドネシアの間をジャワ島西側の海峡を南太平洋に出ると航路を東にとり、ロンボク海峡から北上し、マカッサル海峡を抜けて、二月三日にはフィリピン沖に達して実弾訓練を展開した。

中国艦隊はその一週間後の二月十一日、中国南部の軍事基地に帰島したが、この航行によって中国は、南シナ海から南太平洋にかけての海域が中国のものになったと主張しているのである。これについては、さすがにアメリカ政府もアメリカのマスコミも真面目には取り上げていない。日本のマスコミも相手にしなかったようであった。だが歴史的に見ると、中国 はこういった愚かな主張をくり返し行なっている。

第二次大戦後、アメリカがアジアを軍事カで制圧していた間は、中国の動きは沈静化して いた。だがアメリカが後退を始めると、それに乗じて中国は、防空識別圏を勝手に拡人する一方で、ロシア艦隊のお古の空母を中心に、まるで大名行列のような航海を南シナ海一帯で行ない、中国の領域であると宣伝している。

こうした中国の新しい戦略的な行動で最も被害を受けるのは、台湾であると予想されている。私はハーバード大学で教えていた頃、台湾の李登輝総統の招きで台北を訪問し、軍人たちと話し合う機会があった。そのときに感じたのは、台湾はあくまでも北京とは異なっているということだった。地理的には大きな中国の中に抱え込まれていても、台湾という国に私は何の違和感も覚えなかった。

私は北京も訪問して、ハーバード大学の一員として講演したことがあるが、当時から中国政府の考え方ははっきりとしていた。中国の指導者は長い目で見て台湾を吸収できる可能性が存在するかぎり、軍事力は使わないと決めている。軍事行動を起こせば台湾を合併して得られる利益よりも損失が多いと考えているからである。

しかしながら、 はっきりしているのは、中国政府が“レッドラィン”と考えているいくつかの限定条件があることだ。まず台湾が独立宣言を行なわないこと。また独立をめざす動きをしないこと。台湾内部で騒動を起こさないこと。そして核兵器を持たないことである。中国との合併の話し合いを永遠に引き延ばすこと。さらに台湾の内政問題に外国の勢力が介入しないこと。外国の軍隊が台湾に駐留しないことなどである。

大統領選挙中、長い時間を一緒に過ごした力ーター大統領やその側近と、台湾問題について話し合ったことがあるが、台湾問題に性急に介入することはできないと考えているのは明らかだった。アメリカの指導者はいずれも、同じ考え方をしている。

近藤大介著『習近平は必ず金正恩を殺す』を読んで

この本の中で、筆者は習近平政治を表すキーワードとして「北京っ子」「毛沢東」「古代回帰」の3つを挙げています。

1.「北京っ子」・・・北京人の気質はプライドが高い、メンツ重視、頑固、短気、大胆、保守的、大雑把、お人好し、政治と権力闘争好き、経済オンチ→習近平は北京で習仲勲の息子として生まれた

胡錦濤と江沢民は江蘇省出身。(胡錦濤の先祖は安徽省)。この省出身の特徴は勤勉、クソ真面目、小心者、周囲への気配り上手、根回し上手、リスク回避

2012年11月に中国は特使を北朝鮮に派遣して「核実験とミサイル実験の凍結」を要請したが、12日後に長距離ミサイル実験、その2ケ月後に核実験を強行しました。メンツ重視の習はすぐさま原油50万t、食糧10万t、化学肥料2000万$分をストップしました。「言うことを聞かないなら、勝手にしろ」と言うことです。習は北朝鮮に行かずに先に韓国訪問しました。朴大統領は習主席に「北朝鮮有事になっても、アメリカ軍には38度線を越えさすことはない」と約束したとのこと。(そんなことをアメリカが受け入れるとは思えませんが。そんなことを言われるんだったら「韓国軍だけで戦え」となりますよ)。習としては新疆、チベット独立問題を抱え、東北3省に多く住む朝鮮族200万人を巻き込んで朝鮮半島が不安定になるのを嫌っています。それで「米軍が38度線を越えないのであれば、韓国主導で統一しても良い」と思っているようです。(核は放棄させられるでしょう)。

2.「毛沢東」・・・2012年11月15日の共産党演説の中で、「人民」を18回も連発した。「為人民服務」(人民に奉仕する)、「中国的人民是偉大的人民」(中国人は偉大な民族である)と言うように。演説の後半は「偉大なる中華民族の復興」とそのために「全身全霊、人民に奉仕する」と言うのが主旋律。これは文革の復活を告げる狼煙のようなもの。

3.「古代回帰」・・中国の「古代」の概念は清代までを指す。習が思い描く「中国夢」とは1840年以前への「古代回帰」に他ならない。その意味は中国を宗主国として周辺国に朝貢させる「冊封体制」を復活させること。(今の韓国はそれに該当)

「だが、このような「習近平理論」は、いくつもの矛盾を孕んでいる。まず第一に、周辺国の独立の問題である。 古代の中国を宗主国とした「冊封体制」において、日本とインドだけは例外だった。 日本は中国の隣国とはいえ、四方を海に囲まれた島国なので、敵から襲われる心配がなく、中国の庇護を必要としていなかった。中国としても、そんな日本を罰しようにも、海を渡って攻め入るのは大変だ。あの世界最強といわれたモンゴル帝国さえ、一三世紀後半に大規模な日本攻撃を二度試みて、二度とも失敗したほどだ。インドも同様に、世界最高峰のヒマラヤ山脈が国境の壁となって、中国から独立していられた。

現在も日本とインドは、当然ながら中国の属国ではなく、独立国家である。それどころ か、ニ一世紀の現在においては、かつて中国の属国だった周辺国家は、すべて独立国家である。北朝鮮のような、経済的には中国の植民地のような国でさえも、政治的にはほぼ完全に独立している。

そのため、中国の周辺国家が、必ずしも中国の意のままになるとは限らないというわけだ。

私はニ〇〇九年からニ〇一ニ年まで北京で暮らしており、彼の地で中国の近隣諸国の外交官たちと付き合いがあった。彼らは表立っては決して中国を非難しないが、少し親しくなる と、中国のことをボロクソにいっていた。日本はもちろん、韓国、北朝鮮、ロシア、モンゴル、ベトナム、フイリピン、インドなどの外交官たちだ。

私が知っているなかで唯一、中国の悪口をいわなかったのは、インドと対立関係にあるパキスタンの外交官だけ。中国とパキスタンは両国関係を「全天候型の関係」(雨の日も風の日も晴れの日のように付き合う関係)と称しているが、それは見事なものだった。 だが、パキスタン以外の国の外交官たちは、中国に対して強い警戒感を抱いていた。 習近平理論の第二の矛盾点は、現在、中国の多くの周辺国が、経済的には古代と同様、中国に依存していながらも、軍事的にはアメリカに依存していることだ。日本と韓国はアメリ力の同盟国であり、アメリカ軍が駐留している。他にも、台湾、フイリピン、タイが、アメリカと準同盟関係にある。アへン戦争以後の東アジア情勢を考察するとき、アメリカ抜きには語れないのである。

こうしたことから、習近平主席が現代版の「冊封体制」を築こうとすると、矛盾が噴出することになる。中国が、自国を中心にした「シルクロード経済帯」と「ニ一世紀の海上シルクロード」を築こうと躍起になればなるほど、各国.地域は中国を警戒して、アメリカの軍事力に頼るという構図が生まれているのだ。

ニ○一四年四月下旬には、前述のようにオバマ大統領が日本、韓国、マレーシア、フィリ ピンを歴訪した。五月にはアジア安全保障会議がシンガポールで開かれ、へーゲル国防長官が参加した。いずれの場でも、アメリカ首脳は東アジアで、かつてないほど歓迎されているのである。

こうして習近平主席の目論みは、早晩行き詰まることになる。」

「中国が開戦するための四つの条件」

さて、習近平主席は、毛沢東や鄧小平のような強力な指導者を目指して、近未来に近隣諸国に対して戦争を仕掛けたいと密かに思い描いているのは確かだ。

ところが、当初想定していた日本、フィリピン、ベトナムの三力国とも、前述のような理由で「開戦」はできない。正確にいうと、できないことはないが、それをやると返り血を浴 びて、長年苦労してようやくつかんだ自己の政権が崩壊してしまう可能性が高い。 そのため、戦略の再構築を迫られたのである。

新たな「標的」は、以下の四つの条件を満たす近隣の国.地域でないといけない。

  1. アメリカがその国•地域の味方をしない
  2. 中国が「開戦」する大義名分が立つ
  3. 中国が百パーセント勝つことのできる国・地域である
  4. 中国の国民が嫌っている国・地域である

中国は、陸の国境で一四ケ国と接しており、海の国境でも日本を始め多くの国 •地域と接している。だが、それらのなかで、この四条件を満たす国・地域は、たった一カ国しかない。

—それが、金正恩第一書記が統治する北朝鮮なのである。 条件①に関して、アメリカは北朝鮮と国交すら結んでいない。東アジアでアメリカが国交を結んでいない国は、北朝鮮だけだ。そして、かつてニ〇〇ニ年にブッシュ大統領が一般教書演説で、「イラク、イラン、北朝鮮は悪の枢軸」と三カ国を非難したが、北朝鮮に対する態度は、いまのオバマ政権でも、基本的に変わっていない。

条件②に関しては、前述のように、習近平があれだけ止めたにもかかわらず、金正恩はニ〇一二年一二月に長距離弾道ミサイルの発射実験を、翌二〇一三年二月には三度目の核実験を強行した。もしこれをあとワンサイクル繰り返せば、習近平政権が金正恩除去に向けて動き出す大義名分は立つのである。

条件③は、いくら北朝鮮に 一二〇万の大軍がいるとはいえ、二倍の兵力を持つ人民解放軍からすれば、虫けらのようなものだ。実戦の前に、国境を閉めて経済封鎖するだけで、北朝鮮は干上がってしまうだろう。

条件④第一章で示した通りである。「金三胖」(金ファミリーの三代目のデブ)というニックネームの金正恩第一書記は、世界で一番、中国人に嫌われている外国の指導者といっても過言ではない。

常識的に考えれば、中国は北朝鮮の最大の庇護国である。これまで年間五〇万トンの原油、一○万トンの食糧、ニ〇○〇万ドル分の化学肥料を無償で援助し続けてきた。

また、そもそも中国と北朝鮮は、朝鮮戦争(一九五〇〜一九五ニ年)を共に戦った「血を分けた誼」である。一九六一年には、いずれかが第三国からの攻撃を受けた際に、もう一方は軍を派遣して共闘するという中朝友好協カ相互援助条約を締結している。金正日時代を迎えてからも、金正日総書記は、死去するニ〇一一年まで計七回も訪中し、中朝の「血盟関係」を誇示している。

だが前述のように、いまの習近平主席に、このような「過去の常識」は、まったく通用しないと見るベきなのである。」

近藤氏は「中国と北朝鮮が一番戦争しやすい」と述べています。北朝鮮は石油も貰えない国ですから簡単に勝てるでしょうが、国際世論の反発を考慮すれば、クーデターを起こさせ、金正男に引き継がせ、正恩はどこかに亡命させる方法の方が簡単でしょう。韓国の朴が言っても習は韓国主導で統一はさせないでしょう。裏切る民族なのを充分承知しているので。