石平氏『なぜ中国人にはもう1%も未来がないのか』を読んで

「士気の会」(保守派のセミナー)のボランテイアをしていた時代に講演後の石氏と3回ほど懇親したことがありました。今ほど売れていない時代でしたが。いつもおっしゃっていましたのは「後○年後に中国は崩壊する(=中国共産党は崩壊するの意味)」です。その度に「そんなに早くつぶれるかな」と思っていました。と言いますのは人民解放軍の火力に民衆蜂起の武器では対抗できず、今までの中国史のように宗教動乱から大衆が立上って政権転覆というのは出来ない、やれるとしたら解放軍の1軍区を味方にした内乱でも起きない限り無理だろうと思っていました。でも経済が行き詰まってきてること、習の軍の締め付けに対する抵抗もあるので、軍が反乱を起こす可能性もありと思うようになりました。その中で表題の本を読みました。目新しい所では「圏子(quanzi)」という言葉、昔は「幇」と言われていたがイメージが悪いので「圏子」と言うようになったとのこと。疑似家族制度のようなもの。一人でいくつもの「圏子」に入っている場合もあり。「圏子」に入れない99%の人民はかもられるとのこと。いつも言ってますとおり略奪社会主義以外の何物でもない。「李克強はシャドーバンキングを潰すのは、経済崩壊による金融システムの壊滅という最悪の事態を避けるため。これでうまい汁を吸ってきた者たちの財産を消滅させ、腐敗一族をあぶり出し、民衆の不満をそうした汚職官僚に向けさせる。スケープゴート探しをこれからも続けるということ。勿論これは自分たちを含まない。そして、反政府運動を取締り、そして海外への武力威圧を高めていく。これらはすべて、中国の貧困層を意識した政策になっている。不動産バブル後の中国を見据えた政策とも言えるだろう。不動産バブルの崩壊で、資産家や中産階級は確かに大きなダメージを受ける。海外に逃げられる資産家は海外へ逃げるだろうが、逃げ遅れた資産家は潰される。一方、中産階級は消滅し、残るのは貧困層だけという時代を予見しているのだ。習近平は経済崩壊が避けられないのであれば、何をすべきかを周到に考えているはずだ。それは、自分を除く、中国を支配する300家族(=圏子)を潰すことだ。全人代での李克強の主張にも、それが色濃く反映されている(つまり習近平と李克強の考えは一致しているということ)」とのこと。只、今は習の江沢民(上海派)潰しに胡錦濤・李克強(団派)に協力しているが、整理が終われば、今度は習VS団派の争いになる。次のチャイナセブン(中央政治局常務委員会)は団派が多数を占めると言われている。それで3年以内に習VS団派の争いが起きるだろうと予測している。三国志顔負けであるが、日本は巻き込まれないように中国に深入りしないことと、内乱勃発時の備え(中国駐在員の帰国も含む)をしっかりしておくことと思う。

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