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12/11日経ビジネスオンライン 鈴置高史『閉塞感広がる韓国社会  「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む』について

日経記者の鈴置高史氏は日経の記者の中で春原剛氏と共に反日に染まっていない優れた記者です。鈴置氏の書いた『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』を読みましたが日米韓の問題を浮き彫りにした素晴らしい著作です。日経は経済専門紙のように思われますが、政治記者の汚染度はひどく、例の「富田メモ」なるものを全文掲載せずに憶測で報道したりしています。本日(12/17)の日経1面で秋田浩之記者が「安倍政権への注文」の中で「経済を入口に  ならば、まずは経済交流の「血液」を循環させ、日中関係の体温を上げつつ、首脳交流を回復していくのが次善の策だ。その間、衝突を防ぐため、危機管理の体制づくりも急ぎたい。従軍慰安婦問題でぶつかる日韓関係にも、同じことが言える。すぐに打開できないなら、とにかく経済から、両国の氷を溶かすしかない」と述べております。今の世界の国際力学が全く分かっていません。現在武力を用いての戦争は国際世論のバッシングに遭い、なかなかできません。アメリカ、ロシアがやっているのは局地戦です。それで各国は通商外交で「武器なき戦争」を戦っているのです。韓国が以前外交通商部を持っていたのはそれが分かっていたからです。日本を慰安婦問題や南京虐殺で貶め、不道徳な民族の烙印のイメージを世界に広めることで直接戦争しなくても彼らには強い日本製品へのダメージを与えることができます。そこが丸きり秋田氏というか大半の記者が分かっていません。相手国を経済的に富ませればそれが軍事力の拡大に繋がることが脳内お花畑の人達には見えないのです。日本は「中国・韓国と付き合わなくても経済的に困ることはない」ことを三橋貴明氏が論理的に証明しております。両国とも法治国家でなく暴力団国家です。個人で考えれば誰がヤクザに進んでみかじめ料を払いますか?自分の家の名誉を傷つける輩と付き合いたいと思いますか?今度の衆院選で自民党が圧倒的に支持を受けたのは他の政党では中韓にまともに対峙できないという国民の判断があったからです。中韓と経済面で付き合って日本にいいことは少しもありません。技術をパクられ、低価格・不安全な商品が日本に流入してきます。池尾慶大教授は「経済成長は資本の投入、労働力の投入、生産性の向上よりなる」と言っております。田村日経記者の言うように中国での工場を日本に回帰させ、池尾教授の言う3要素を伸ばすようにするのが正解と思います。

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韓国社会に急速に広がる閉塞感。木村幹・神戸大学大学院教授と読み解く(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

名門大学も就職難

木村:2014年9月、高麗大学で1カ月間教えました。「韓国の早稲田」と言われる私立の名門校です。韓国の大学からは時々、講義を頼まれるのですが、以前と比べ、学生に元気がなくなったとの印象を強く持ちました。ひとことで言えば、閉塞感が漂っているのです。直接的な原因は卒業しても職に就けないことです。高麗大学は大規模の大学の中では一番就職率が高いのですが、それでも70%に達しません。非正規職を入れてです。3分の1弱の学生に職がないのです。 ただ、若者の就職難は5年ほど前――李明博(イ・ミョンバク)政権の時も同じでした。しかし、当時の学生はまだ、何かしらの希望を持っていた気がします。例えば、次のような感じです。入るのは難しいけれど、サムスン電子のような大財閥に入れば前途が大きく開ける。財閥企業は世界の強豪の一角として、成長し続けているのだから……。財閥に入らなくともベンチャー企業を起こせばよい。韓国は世界に誇る情報技術(IT)を持っているのだ……。彼らはこう考えていたのです。でも今や、財閥企業のフラッグシップたるサムスン電子でさえ、中国企業に押され、かつての勢いがなくなりました。 ベンチャーの方はもっと深刻かもしれません。一時期もてはやされたITベンチャーブームは、すっかり過去のものとなりました。その象徴が、ベンチャーの旗手的存在だった安哲秀(アン・チョルス)氏の権威失墜でしょう。政界入りして以降の彼は、人が変わったかのように輝きを失ってしまいました。

盛り上がらなかったアジア大会

–韓国の若者は元気がいい、というのが日本での通説でした。米国や中国の大学に、日本人とは比べものにならない大量の若者が学んでいます。

木村:「グローバル化」に関しても挫折感が広がっています。確かに韓国からは、大量の学生が米国や中国に留学します。でも当然ながら、すべての人が外国で成功できるわけではありません。海外で取得した学位を持っている人も増えましたから、希少価値も減りました。苦労して海外で勉強しても、韓国で簡単に就職できる状況ではなくなっています。だからこそ、不景気もあいまって韓国から留学する人の数さえ、この数年間、減少を続けています。韓国の若者は「脱出口をどこにも見いだせない」状況に陥っています。だから強い「閉塞感」を抱いているのです。

鈴置:若者だけでしょうか。

木村:「閉塞感」は韓国社会全体に広がっています。2014年9月から10月に仁川でアジア競技大会が開かれました。韓国でのアジア大会は1986年のソウル、2002年の釜山に続き3回目です。でも、今回は全く観客が集まりませんでした。韓国人からも「これだけ盛り上がらないのは予想外だった」との声があがりました。アジア大会はしょせん“ローカルな大会”だから、というのも原因でしょうが、それだけでは説明できません。今回の大会では南北が対決するサッカーや、韓国選手が大活躍するアーチェリーなど見どころがいくつかありました。注目すべきは、そのような会場にも観客がさほど集まらなかったことです。

「突破口」がない

鈴置:それはニュースですね。韓国選手が金メダルを取りそうな競技を韓国人が見に行かないとは。

木村:簡単に言えば、今の韓国人はスポーツイベントを通じてさえ、夢を見ることが難しくなっているのだと思います。 2002年のワールドカップでは「テーハンミング(大韓民国)!」と叫ぶ人々がソウルの中心街を埋め尽くしました。当時の韓国人は躍進する韓国チームに、自らの将来を重ねて興奮したのです。それに比べ、今の韓国人は明らかに白けています。

鈴置:ワールドカップは1997年の通貨危機の少し後でした。韓国社会には「国も個人も大きな犠牲を払いながら、力を合わせ危機から脱出した。世界よ、見よ」――との高揚感がありました。

木村:あの頃と比べ、今は韓国という国家の信用も高まったし、経済規模も飛躍的に拡大しました。でも、皮肉なことに国の安定感が増すと同時に、閉塞感も高まっているのです。

–なぜでしょうか。

木村:韓国は大きく、強くなりました。しかし「突破口が見いだせない」という、これまで経験しなかった悩みに直面しているのです。

タプタプハダ

鈴置:通貨危機の脱出法は自明でした。金融部門の不良債権を処理し、ゾンビ企業を潰し、残った企業も従業員を整理解雇する――。大きな苦痛を伴いましたが、進むべき道は分かっていました。実行力の有無だけが問題でした。韓国人の自信の源泉である、1960年代以降の急速な経済成長は、もっと簡単でした。すぐ隣に日本というお手本があって、その通りにすればいいのですから。でも、今抱えるのは「解決策が見当たらない問題」ばかりです。朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹のコラム「タプタプハダ」(韓国語、10月30日)が、それを鮮明に描いています(注1)。

(注1)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。

「タプタプハダ」という韓国語の形容詞は、日本語の1つの言葉には置き代えにくいのですが「心配事があるのだが、解決する方法もないのでますます憂鬱になる」といったニュアンスです。コラムの骨子は以下です。

中国製スマートフォンに負ける

•韓国が世界に誇ったスマートフォンも、中国の無名の企業が恐ろしく安い価格で売るようになった。産業研究院は4年以内に半導体と自動車を除いた全産業が中国に追い越されると予想している。

  • 1990年前後に生まれた子供は、小学校に入る頃、通貨危機に出会った。高校を卒業する頃、リーマンショックを経験した。受験地獄を乗り越えて入った大学を卒業しても、いい職に就くのは難しい。これが世界最低の出生率と、世界最悪の高齢化を生み出している。

•過去10年間で廃業した自営業は800万社に肉薄する。韓国銀行総裁は「家計負債が1000兆ウォン(約108兆円)を超え、消費を委縮させる段階に至った」と診断する。

•ある経営者は「我が国はピークを越えたようだ」と言う。国内外ともに低成長の今、官僚も「打てる政策手段はない」と打ち明ける。

•一時は世界で11位の規模だった韓国経済が15位に後退した。ブラジル、ロシア、インドに抜かれたのだ。さらに落ち込むのは時間の問題だ。

–問題は中国からの追い上げと少子高齢化で未来がない、ということですね。

高齢化への備えがない韓国

鈴置:ええ。いずれの問題も「未知との遭遇」です。韓国は日本の産業構造と技術を模倣することで成長を実現しました。常に追う側だったのですが、初めて追われる側に回ったのです。今度はお手本にすべき青写真がありません。ことに追撃者が巨大な中国ですから、恐怖感もひとしおでしょう。後者の少子高齢化も日本が“先輩”なのですが、その日本にも解決策がない。ことに韓国は公的年金や介護保険など、高齢化への備えが不十分です。このままでは国全体が、日本とは比べものにならない悲惨な状況に直面することは目に見えています。 楊相勲論説主幹が自営業の廃業数に触れたのは理由があります。韓国の民間企業の社員は、多くが50歳代半ばで退職を余儀なくされます。しかし、年金だけでは生活できない人がほとんど。そこで慣れない自営業に手を出し、失敗するケースが相次いでいます。大量の廃業は少子高齢化問題の、韓国独特の症状なのです。膨れ上がる家計負債を指摘したのは、低成長で所得が増えないため借金する人が増え、社会問題になっているためです。低成長も少子高齢化が最大の原因です。このところ、韓国紙に「タプタプハダ」を訴えるコラムが増えていました。ただ、韓国人は喜怒哀楽が極端です。新聞も一喜一憂します。昨日「韓国経済は絶好調」と書いていた新聞が、今日は「お先真っ暗」と嘆くのです。韓国紙を額面通り受け取ると間違えます。しかし、楊相勲論説主幹がそう書いたので「閉塞感は一時的な感情論ではなく、根深い問題になったのだな」と確信しました。楊相勲論説主幹は韓国には珍しく、情緒に流されないで記事を書く記者だからです。

財閥の総帥は悪者

木村:今回のソウル滞在中に驚いたことがあります。それはサムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の入院を、多くの韓国メディアが大事件として報じていたことです。会長の健康回復を、普通の韓国人が心から祈っているように見えました。

鈴置:興味深い観察ですね。韓国で財閥のオーナーは“悪者”。李健熙会長の父親で、サムスングループの創業者の李秉喆(イ・ビョンチョル)氏が1987年に亡くなりました。この時、ほとんどの韓国紙は訃報を1面トップで扱いませんでした。 その少し後に松下幸之助氏が亡くなったのですが、日本の各紙は当然、1面トップ。対照的な報道ぶりでした。当時ソウルに住んでいた私は、日本をよく知る、韓国有力紙の編集局長に「日本における幸之助の存在よりも、韓国における李秉喆の存在の方がはるかに大きい。だのになぜ、1面トップにしないのか」と聞いたものです。答えは「確かにそうだが、韓国では財閥は政権と癒着して儲けた悪い奴、というイメージが強い。大きく扱えば、読者から必ず反発を食う」でした。

木村:鈴置さんの指摘通り、韓国では財閥の総帥は「悪い奴」として扱われてきました。でも、今では多くの韓国人が「李健熙会長後のサムスン」に懸念を抱き、このカリスマ経営者の回復を心から祈っているのです。「この先どうなるか分からないのに、これでサムスンまでこけたら大変だ」という韓国人の不安が現れているように思います。

「人口オーナス期」に突入

–少子高齢化はもっと前から予測できたのではありませんか?

鈴置:その通りです。グラフは『老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき』を書いた日本総研の大泉啓一郎・上席主任研究員が作ったものです。グラフ1を見ると、日本と同様に韓国で急速な高齢化が進んでいることが分かります。

グラフ1:日中韓の高齢化率の比較

comparison of elderly rate

グラフ2からは、人口構成が経済成長にマイナスの影響を与える「人口オーナス」の時期に韓国も突入し始めたことがよく分かります。働かない年代の人口の数を働く年代のそれで割った「従属人口比率」が底を打ったのです。

グラフ2:日中韓の従属人口比率の推移(中位推計)

subordinate population rate

大泉さんは「韓国の専門家が真剣な顔で日本の状況を聞いてくるようになった」と語っています(「日本より重い『日本病』に罹る韓国」参照)。2012年には韓国の一部メディアも、日本の例をあげて警告を発しました(「『日本病にかかった』とついに認めた韓国」参照)。卸売物価上昇率も前年同月比で、2012年9月から2014年5月まで20カ月連続でマイナスを記録するなど、明らかに少子高齢化の症状が出ていました。ただ、その警告は世論に火を付けませんでした。「日本を追い越した」と韓国メディアは大声で謳いあげていたので「あの落ちぶれた日本と同じ道をたどる」ことを意味する予測は嫌われたのです。

「下り坂の韓国」に気づく

木村:韓国人は言わば「坂の上の雲」を目指し、ひたすら走ってきました。それは日本の背中を追うことでもあったのですが、ある日突然、前を走る日本の姿がかき消えた。 おかしいな、と思いながら走り続けていると突然、下り坂を降りていく――人口減少という名の坂を転げ落ちている――日本が視野に入った。「ああ、自分も今、峠を越えたのだ、後は下るしかないのだ」と、ようやく気がついた感じでしょうか。

鈴置:保守論壇の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問も2014年11月11日に「韓国の行き詰まり」を書いたのですが、そのコラムの見出しが、まさに「我々は下り坂を行く」(韓国語)でした(注2)。(注2)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。なお、韓国の高齢化のスピードはこれから加速するので、“下り坂”では日本を追い越してしまうかもしれない、との恐怖感が韓国の専門家の間には生まれています。

セウォル号のトラウマ

–ではなぜ、少子高齢化が今になって、ようやく語られ始めたのでしょうか。

木村:現在の韓国の不安感、閉塞感の「公論化」のきっかけは、2014年4月の旅客船「セウォル号」沈没事件だと思います。

鈴置:悲惨な事故でした。テレビが中継する中、300人以上を乗せた船がなすすべもなく沈んでいく。多くは高校生で、船長以下多くの船員がわれ先に逃げ出す中、「船に留まれば安全だ」との指示を無心に信じて死んでいったのです。

木村:「若者が死んでいくというのに何もしてやれない」という無力感が国全体を覆いました。韓国の人たちが自らの国を見つめ直す、大きな契機になったと思います。

鈴置:韓国のメディアは「発展途上国型の事故だった」と声をそろえました。転覆しやすい構造に改造しても、簡単に荷崩れするやり方で貨物を積んでも、国の検査を通っていた。救命ボートも使える状態にはなかったのに、これも検査をパス。 そして船長以下の船員は乗客に向かって「船内にいれば大丈夫」と言い残して先に逃げたのです。救命ボートを使えないことが発覚するのを恐れたためだ、と指摘した韓国紙もあります。これら一連の無責任な行動に対し、韓国人は「我が国は一流の先進国になったはずではなかったのか」と怒り始めたのです。

より攻撃的になる韓国人

木村:事故の処理でも韓国人のトラウマは広がりました。国会で真相究明委員会を立ち上げようとしたのですが、一部の強硬な遺族の要求もあって、与野党は半年間近くも委員会を構成できなかった。その間、国会は完全にマヒし、経済活性化など緊急に処理せねばならない重要法案はたなざらしになりました。韓国人はここでも「我が国は本当に大丈夫なのか」と考え込みました。セウォル号による極めて深刻な「社会的ショック」を契機に、韓国人は少子高齢化や中国の追撃といった、これまであまり目を向けてこなかった問題に関して議論を始めたのです。

鈴置:木村先生と同じ時期に訪韓し、韓国の記者から「閉塞感の蔓延した韓国」を聞いた日本の専門家がいます。韓国記者は「この重苦しさを振り払うために、韓国人は攻撃的になるだろう」と予測したそうです。

閉塞感のはけ口は?

–今以上にですか? さらに反日をやるのですか?

鈴置:反日も続けるでしょうが、それに限らないと思います。政権としては、閉塞感へのはけ口が自分に向かないようにできるのなら何でもいいのです。歴代政権の定番の手口ですが、前の大統領を叩こうと考えるかもしれません。あるいは国内の左翼集団の“陰謀”を暴き、北朝鮮に対する国民の怒りに火を付ける手もあります。

木村:「反日」は今や、国内的に人気のあるテーマではない――正確には「あまりにしばしば用いられたために、飽きられつつあるイシュー」になってしまいました。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が使うとしたら「北朝鮮カード」ではないかと思います。このところ韓国政府の対北政策が強硬姿勢に振れており、南北関係は悪化しつつあります。国民の「憂さ晴らし」を実行するにはちょうどいい環境が生まれつつあります。

 

決断できない大統領

–対北強硬策をさらに強める可能性があるということですね。

木村:ええ。ただ、こうした機会主義的ではあるものの、政権にとっては合理的でもある判断を、今の韓国政府が実行に移せるかは疑問が残ります。北朝鮮カードを使うなら「セウォル号事件」で政権批判が高まっていた時にこそ使うべきだったのに、そうはしなかった――あるいはできなかったのです。少子高齢化や中国の追い上げなどの経済問題も同様です。2013年2月に発足して以来、大統領選挙で公約したことを含めて、この政権は大きな成果をほとんどあげていません。 もちろんこれらは難問です。だから解決するには利害対立を調整する強いリーダーシップが必要なのです。ただ、朴槿恵大統領がそれを発揮しているとは見られていません。この「何も決断できない」朴槿恵大統領への不安こそが今、韓国社会で膨れ上がる閉塞感の温床になっているのだと思います。 はたして、分水嶺にある韓国をいい方向に引っ張っていく指導力が朴槿恵大統領にあるのか――。韓国の人々は今、青瓦台(大統領府)を不安の眼差しでじっと見つめているのです。

(次回に続く)

 

 

 

12/14産経ニュース 田村 秀男『日本企業は中国に見切りを』 記事について  

産経の田村記者の記事です。彼は元日経記者ですが日経とは肌が合わなかったのでしょう。日本のマスコミは狂っていますから。他社から産経に移ったのは古森義久氏、伊藤正氏がいます。中国批判の記事は日経では書きにくいのがあるでしょうから。日経は経団連の御用新聞で、経団連が中国進出を煽っていました。中国と言うモンスターを造り、軍事力で日本を制圧しようとする意図を持たせるまでの力を与えたのは間違いなく彼らです。「恥を知れ」と言いたい。会社のトップ連中の集まりがこの程度です。幕末から昭和にかけて真のエリートはいましたが、今は存在しません。自分のことと金儲けだけ。愛国的経営者は殆どいません。三島が言った「無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。」の予言の通りです。

日本人が豊かさを実感できるよう田村記者が言うように中国進出している日本企業は中国から撤退し、日本に工場を作るべきと思います。「海外で稼いだ金は日本人には分配できない」と考える経営者は自分を生んでくれた大地に対して感謝の念が足りません。

記事

今から29年前の1985年9月、ニューヨーク・セントラルパーク脇のプラザ・ホテルで日米欧5カ国の財務相・中央銀行総裁が集まって、ドル高是正で合意した。外国為替市場では円高ドル安が急速な勢いで進行していく。日本の某新興不動産業者一行はナマオケ楽団を引き連れ訪米し、夜はホテルで演歌に興じながら全米を回り、物件を見つけては札びらを切って買い漁った。米側は、日本企業に押されていた自動車や半導体・スーパーコンピューターなどハイテク部門で巻き返そうと躍起になっていた。円高ドル安に加えて、中央情報局(CIA)まで動員して半導体の海外市場のデータを収集して日本の半導体業界のダンピングの証拠をそろえ、通商法を活用して制裁条項を発動するほど徹底していた。結果は、日本の自滅同然だった。不動産業者はことごとく米市場で巨額の損失を出し、軒並み撤退。日本経済自体は成り上がり企業の失敗談で済むはずはなかった。

日銀による金融緩和マネーは株式や不動産市場に流れて、バブルを膨張させ、90年代初めに崩壊。今なお脱し切れていない慢性デフレの淵源(えんげん)はプラザ合意にあると言ってよいだろう。それほど、通貨水準の変更は一国の運命を狂わせる可能性がある。そこで、少し気になったのが、最近の急速な円安ドル高の進行だ。過去の円高期に大変な勢いで日本企業が中国に進出した。その通貨、人民元の方はドルに対して小刻みに上昇している。アベノミクスが始まって以来の1円当たりの元相場と、プラザ合意後の1ドル当たりの円相場の推移を照合したのがグラフである。円・元のトレンドはかなりの程度、プラザ合意後のドル・円に似通っている。プラザ合意当時の日本は今の中国、米国は日本とでも言うべきか。例えば、チャイナ・マネーによる不動産投資だ。カナダ、豪州やシンガポールでは、中国人による買いの影響で、住宅価格が上がり過ぎたとして、市民の間で反発が高まっているほどだ。今後は東京都心などの不動産の買い漁りに拍車がかかるかもしれない。元は円に対して50%以上も高くなったから、中国人にとって東京などの不動産は割安もいいところだ。中国国内の不動産市況が悪化しているのに比べ、中国人投資家の間では2020年の東京五輪に向け、相場が上昇するとの期待も高い。

肝腎なのは、日本企業である。プラザ合意後、米半導体産業はドル安に技術開発戦略の強化などを組み合わせてインテル、マイクロンが息を吹き返した。自動車ビッグ3も小型車開発の時間を稼いだ。今回、日本企業はどうするのか。円安に伴う収益増を国内外の株主への配当に回して喜ばせるだけなら、日本全体への波及効果に乏しい。割高になった中国での生産に見切りを付けて、本国にカムバックする戦略に本格的に取り組んだらどうか。 (産経新聞特別記者)

産経ニュース【お金は知っている】2014.12.14

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12/13日経『中国景気、減速感なお強く 生産など伸び鈍化』記事について

日経にも中国経済の減速記事が載り出すようになってきました。あれだけ中国進出を煽っていたのが様変わりです。7%成長なんてありえないと思います。外国企業の投資誘致と官僚の出世のため、必ず上げ底をしています。前にも書きましたように21兆$もの借金を国の経済主体が負っています。この債務をどのように返済しようとしますか?多分踏み倒すだけでしょう。中国国内でやり合う分にはいいですが、外国企業の債務も勿論踏み倒されるでしょう。みかけ利益が出ている企業は配当、ロイヤルテイで早く資金を日本に還流させた方が良いです。下の若干古い2012年の融資と輸送量のグラフ(夕刊フジより)ですが、趨勢は変わらないと見ていいでしょう。李首相が言ったのは「電力消費、鉄道貨物輸送量、銀行融資を見ないと本当に経済成長しているかどうか判断できない」とのことですが、これを見ますと中国が嘘を言っているのが良く分かります。新規投資は避けるべきで、投下資本を如何に損を少くなくするかを考えた方が良いでしょう。ロイターの記事も似たように書いています。

WRAPUP 2-China’s factory and investment growth flagging, more stimulus seen Fri Dec 12, 2014 4:36am EST

BEIJING, Dec 12 (Reuters) – China’s economy showed further signs of fatigue in November, with factory output growth slowing more than expected and growth in investment near a 13-year low, putting pressure on policymakers to unveil fresh stimulus measures. In a sign that banks were already responding to Beijing’s instructions to reflate the economy, however, new lending jumped 56 percent in the month. Weighed down by a sagging housing market, China’s economic growth had already weakened to 7.3 percent in the third quarter, so November’s soft factory and investment figures suggest full-year growth will miss Beijing’s 7.5 percent target and mark the weakest expansion in 24 years. ”The data bodes ill for GDP growth in the fourth quarter, which is bound to slow further,” said Dariusz Kowalczyk, senior economist at Credit Agricole CIB in Hong Kong.

Growth in real estate investment also slipped for the first 11 months of 2014, though property sales registered their best month this year, buoyed by Beijing’s efforts to revive a sector on which so much of the economy depends.

After September’s move to cut mortgage rates and downpayments for some home buyers, the People’s Bank of China cut interest rates on Nov. 21 for the first time in two years. The surprise rate cut signalled policymakers’ growing concern that a sharper slowdown in the economy would raise the risk of job losses and loan defaults. Factory output rose 7.2 percent in November from a year earlier, down from October’s 7.7 percent, the National Bureau of Statistics said on Friday, and missing analysts’ forecasts of 7.5 percent. Fixed-asset investment, an important driver of growth, grew 15.8 percent in the first 11 months from the same period last year, slipping from 15.9 percent in the first 10 months.

FREER LENDING

The rise in new loans comes after sources told Reuters on Thursday that the People’s Bank of China (PBOC) had instructed banks to lend more and had quietly relaxed the enforcement of loan-to-deposit ratios to further that end. ”The lending numbers give hope that investment will pick up now that there is more funds available to pay for capital spending projects,” said Kowalczyk. Not all the new lending is being put to productive use, however, as some will just replace existing debt, and there is evidence that speculators are ploughing some of it into a wild stock market rally of recent weeks. Other data this week showed China’s export growth slowed sharply in November, while imports unexpectedly shrank. And despite the resulting expansion in the money supply, consumer inflation hit a five-year low, stoking expectations that Beijing may move more aggressively to stave off deflation, including a cut to banks’ reserve requirement ratio (RRR), which would allow them to lend still more. ”We’re ready for an RRR cut at any point. We think there will be 100 basis points of cuts over the next couple of quarters,” said Tim Condon, head of Asia research at ING in Singapore.

The closure of many factories in northern China early in November to reduce air pollution as Asia-Pacific leaders met in Beijing likely curbed industrial output, but demand for products such as concrete and steel was also hit by slackening growth in export orders and the cooling housing market. A bright spot in November was retail sales, where growth ticked up to 11.7 percent from 11.5 percent in October, which was the slowest pace since early 2006. Analysts expect further interventions by Beijing in 2015 after top leaders at the annual Central Economic Work Conference on Thursday pledged to make fiscal policy “more forceful” while keeping monetary policy “not too tight or too loose”. Economists who advise the government have recommended that China lower its economic growth target to around 7 percent in 2015. (Writing by Will Waterman; Editing by Kim Coghill)

China loan transportation

記事

【北京=大越匡洋】中国国家統計局が12日発表した11月の主要経済統計によると、生産と投資の伸びが一段と鈍った。建材や乗用車の生産の落ち込みが目立ち、雇用情勢にも影が差しつつある。中国人民銀行(中央銀行)は11月、2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、当面は減速感が強い景気の下支えに向けて緩めの金融政策を続ける構えだ。11月の工業生産は前年同月に比べ7.2%増となり、伸びが前月より0.5ポイント鈍った。住宅販売の不振を受け11月のセメントの1日当たり生産量は4.0%減り、減少幅が前月より2.9ポイント広がった。粗鋼や板ガラスの生産も前年水準を割り込んでいる。乗用車の生産量も4.5%減と、今年初めて前年を下回った。11月に北京で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の影響を挙げる声もある。中国政府は期間中の大気汚染を減らそうと北京、天津、河北省など広い地域で工場の操業や建設を停止・制限した。交通規制で資材を運べず、減産を迫られた企業もある。一時的な減速とは言い切れない面もある。住宅はその典型例だ。1~11月の不動産販売額は前年同期比7.8%減った。1~11月の不動産開発投資は11.9%増と、伸び率はリーマン・ショック後の2009年1~7月以来の低水準に沈んだ。11月の利下げをきっかけに上海など大都市で住宅価格が下げ止まる気配はある半面、住宅市況の不振を背景にした景気の下押し圧力はなお強い。建設・設備投資の合計である固定資産投資も1~11月は15.8%増と、1~10月より伸びが0.1ポイント鈍った。2割近かった昨年通年の伸びを大きく下回る。消費の動向を示す社会消費品小売総額は11月に前年同月比11.7%増と、前月の伸びを0.2ポイント上回ったが、景気減速を押しとどめるほどの力強さはない。「高望みはしていないが、楽観もしていない」。12月初め、重慶市内の就職フェアに訪れた大学4年生の女性は不安げな表情を浮かべた。来年の大学卒業生は750万人近くで前年より20万人以上多いとされ、若者の就職戦線は厳しさを増す。浙江省の金融会社、陝西省の食品会社、広東省の照明会社……。10月以降、中国国内では経営者が「夜逃げ」したニュースが相次いだ。山西省の民営鉄鋼大手も破産した。連鎖倒産が広がるような深刻さはないものの、不振企業の増大によって習近平指導部が重視する雇用の確保に悪影響が及ぶ恐れはくすぶる。景気の一段の悪化を防ぐため、中国政府は鉄道などインフラ案件の着工を矢継ぎ早に認可した。一方で来年の経済成長率の目標は今年の「7.5%前後」から下げ、「7%前後」が軸となる見通しだ。習指導部は安定成長の軌道に軟着陸させる考えだが、中国経済の気流の乱れは増している。

 

 

 

西尾幹二著『アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか』を読んで

西尾氏の本を読んでつくづく感じますのはアメリカの悪意です。一番悪いのは戦後占領政策として採った検閲です。二番は憲法の押付けです。第三は戦中の原爆投下です。一は人権侵害、二と三は国際法違反です。もっと言えば戦前の1941年7月23日、FDR(ローズベルト)はフライングタイガースによる日本本土爆撃計画に署名しました。中立国義務違反です。当然、真珠湾攻撃の前です。検閲政策はアメリカの都合の悪い部分を焚書して日本人を洗脳したわけです。WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の一環です。もういい加減歴史の真実に日本国民は気が付くべきです。アメリカに安全を全面的に委ねるのは危険です。勿論中国と対峙するにはアメリカの力を借りねばなりませんが。

中国は昔から民族的特性は変わりません。韓国もですが。しかし、日本の経済人のレベルは間違いなく下がっています。目先の利益に拘り、自分だけ(或は自分の企業だけ)が良い思いをすればいいという経営者が多いのでは。日本の名誉について無関心、歴史についても学ぼうとせず、ハウツーのものだけ。中国の進出熱は収まったように見えますが、これから投資したものの回収をどうやるつもりなのでしょう。

本の内容

中国の持ち駒となる韓国、北朝鮮、台湾、そしてアメリカ

「中国海軍レーダー照射事件」(ニ〇一三年一月)が起こったとき、私は「盧溝橋事件」一九三七年)に似ていると思った。なんとかして日本に先に手を出させようする、昔の支那人のやり方とそっくりだった。日本国憲法の前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という言葉がある。この言葉は、中国や韓国や北朝鮮の公正と信義に期待する、ということだとしたら、あまりにもまぬけで馬鹿馬鹿しい条文であることは最近ではみなわかってきている。 しかし、「諸国民」がその三国に限られるなら馬鹿げた前提だと嘲るだけでいいがそこにはアメリカも入っているのではないか。アメリカの公正と信義に信頼して、これらの安全と生存を保持するというのが、日本の現実なのではないか。だとしたら条文を嘲るだけでは済まない。すごく真に迫った、無責任な空手形を頼りにして生きている、薄氷を踏む思いのこの国の「不安の正体」に直面するのである。 アメリカ政府は、日本の安全保障や北朝鮮政策についてはあやふやである。ヒラリー・クリントン前国務長官は「日米安保条約第五条に適応する」と言ったし、バラ ク・オバマ大統領も二〇一四年四月の訪日で、ついにそう明言した。しかし中国は、表向き怒ってみせているが、「アメリカの信頼を勝ち得ているのは、 日本よりむしろわが国だ」と言わんばかりの態度もとっている。日本のうろたえぶりが外目に見えているのであろう。 韓国はすっかり中国寄りになっていて、アメリカの言うことをあまり聞かない。 「日韓秘密情報保護協定」(ニ〇一二年六月)をアメリカが要求したが、韓国は土壇場で拒否している。

翌々月(ニ〇 一二年八月)には、尖閣問題で日本国内が乱れているのを見て、韓国大統領李明博が竹島に上陸した。韓国は、日本がすぐ中国に屈服すると見越した。日本が全面敗北すると想定して、中国に擦り寄ったのだと見ていい。それが李明博の動きだった。韓国は昔もロシアに擦り寄り、清に擦り寄り、日本にも擦り寄り、いつでも事大主義で強いほうにつく。中国は今や労せずして、日韓分断に成功している。北朝鮮もにわかに混乱している。中国とアメリカが裏で動いている証拠ではないか。中国が北朝鮮を制裁するような国連決議にサインした。これはかなりアメリカに同調している。北朝鮮を処理することにおいて、米中で話し合いが進んでいるのかもしれない。しかし現実には、アメリカが中国に北朝鮮の処理を委ねている現状をそう簡単に変えることはできないだろう。北朝鮮が中国に反抗的になることはあつても、中国から完全に離れられないのも現実である。エネルギーと食糧供給で縛られている。ただ、韓国の中国への擦り寄りはかなり決定的で、今後動かない方向のように見える。台湾もまた、馬英九政権になって以来、中国寄りになっている。台湾が尖閣沖で「水鉄砲発射」(ニ〇一ニ年九月)をやったのを覚えている人は多いだろう。台湾がやったことが、私はショックだった。台湾もまた、中国から見ると使いやすい手駒のひとつになっている。台湾を手なづけた中国は、沖縄を奪取するために、利用価値を次第に高めるだろう。中国はずるい国で、威嚇はするが、実際にはなかなか軍事的に行動しない。へタすると、中国共産党が崩壊してしまうからだが、中国は自ら日本を侵略する必要はない。韓国、北朝鮮、台湾に侵略させればいい。その三国も反日勢力になってきている。 「三国(韓北台)を利用すればいい」。中国はそう考えているに違いない。

「真実」より「宣伝力」が物を言う国 (抜粋) 長野朗の『支那三十年』より

習近平はドイツ訪問に先立って、ホロコーストの犠牲者の施設で「反安倍」の演説をやろうと企てたが、さすがにこれはドイツ政府が断った。李克強は「尖閣は日清戦争のドサクサに日本が盗んだ」と、欧州旅行で言って歩いた。こういうとき、中国政府は各国駐在の外交官を総動員する。習近平の先の例において、 五十力国の在外公館が同じ内容の政治宣伝を繰り広げたらしい。何ともおぞましい限りだが、このような宣伝は中国の国内では有効でも、平和な地域の国際社会では、かえって逆効果となることも考えられる。ただ、「南京虐殺」は当時の国民党の「宣伝」がつくった虚構であり、それに「東京裁判」が悪乗りしたのであるが、今に至るも信じている人がいるのは、「宣伝」も激しく長くやれば「現実」になりかねないという恐ろしさがある。

「支那では車賃が非常に安い。一里で十銭ぐらいだから、日本から支那に行った人は、これでは可哀想だというので、二十銭も与える。すると支那人のほうでは、これに感謝するというよりも、「こいつは十銭でいいところにニ十銭も与えるのは馬鹿なやつだ。もう少し催促したらもっとくれるだろう」というので、「少ないからもっとくれ」と言ってどこまでもついてくる。それをくれると、またついてくる。ところが反対に、一里十銭のところに八銭ぐらい与えると、「こいつはなかなか喰えない」とそのまま引き下がっていく。ある米国の宣教師夫妻が山東を旅行しているときに、道に乞食がいたので、可哀想だと思って 一円銀貨を与えた。その乞食は大いに感謝すべきはずだが、彼が考えたのは、「一円あれば一力月くらい食える(普通、乞食が貰うのは、たかだか一銭銅貨一枚くらい)。乞食に一円銀貨を投げ出すような人は、余程の金持ちに相違ない」 というので、早速仲間を語らい、先回りして宣教師夫妻を殺してしまったという事実がある。これらが車夫と同じく、「支那人の考え方が日本人とまったく異なっている」ことを示している。カネのことでちょっと書いておかねばならぬことは、支那人はカネに非常に執着を持っていて、カネを見たら一種の魅惑を感じて頭が変になるらしい。買い物に行って、十円のものを三、四円くらいにまけろと言ってもなかなかまけない。そこで カネを三円出して、これを握らせ、「これでいいだろう」と言っても聞かない。「それならそのカネを返せ、品物はいらない」とやると、もう握ったカネを離したくないのでたいていまけてしまう。支那人にカネを見せるのは危険で、長く使っているボーイでも、カネを見ると気が変わって何をするかわからない。ある日本人の小学校の先生が、月給とボーナスを貰ってきて大金を持っているところを自分のボーイに見られて殺された。〈中略〉 話が脇道に外れたが、車夫の話で知るような支那人の気持ちは、外交の上によく現れている。山東問題が喧しかったときに、山東問題を中心に大正八年以来、排日が支那全国に起こり、九年にも再発して慢性的となり、日支間に一種の暗影を投げかけ、低気圧の中心は山東問題だから、これを解決すれば日支間の暗雲はすべて一掃され、日支親善は期せずして実現するだろうと思われた。そこで華府(ワシントン)会議で山東を日支に返した結果はどうであったか。なるほど返した当座十一一力月は支那側でも日支親善みたいなことを言っていたが、十二カ月すると今度は「旅大回収」を叫び出した。日本人の考え方からすれば、山東を返して支那人の要求を受け人れてやったから、支那人も感謝して日支親善ができるだろうと思ったのは、車夫に車賃を余分にやって車夫が感謝するだろうと考えたのと同じである。ところが支那人のほうでは、われわれがちよっと騒いだから山東を返した。今度はもっと騒いだら、旅順・大連も返すだろうと言うので、また騒ぎ出した。支那人は、日本人が予期した感謝の代わりに、日本に対して軽侮の念を生じたのだ。最近、旅大問題が日支問の癌のように見えるので、旅大を返したら日支関係は一 変するだろうと言っている人がいるが、それは支那人を知らない者の言うことで旅大を返せば、次は台湾、朝鮮と進んでくることは明らかである。」

実に驚くべき洞察で、支那人のこの現代に通じる正体を一九三〇年代に、しっかり見抜いている。靖國参拝で、最初に譲歩したのが間違いだった。中曾根康弘内閣最大の失敗である。このまま日本が首相の靖國参拝をもし止めたら、次に「靖國神を廃社にせよ」と言ってくるだろう。靖國をなくしたら、次に「皇室をなくせ」と言ってくる。それが彼らの論法である。このことをよく知っておかなければいけない。こちらが一歩後退すれば、二歩前進してくる。「相手が一歩後退したのだから、自分は控え目にしよう」とか、「恩義に感じる」という感覚はまったくない。逆に、軽蔑する。下手に出るとカサにかかってくる。日本流に言えば、「雲助の徒輩」の論理である。追い詰められたヤクザや盗人との取引である。こちらは彼らに、徹底して強く対応しなくてはいけない。 謙虚、へりくだり、控え目などの美徳は、露ほどの効果も上げない。

中国サイドからの「経済制裁」なんて笑うべきこと (抜粋)

中国のGDP (国内総生産)の約八割は、官製企業が握っている。内需をつくるのは民間企業である。これでは、内需が拡大するわけがない。そこで中国の成長する官製企業は、アメリカや日本などの先進国に進出し、外貨を稼ごうとし始めている。はっきり言っておきたいのは、中国に対して譲歩する姿勢で領土問題の落としどころを探り合うようなやり方をすれば、必ず相手はカサにかかって威嚇してくる。力で押しまくってくる相手には力で押し返すしかないのだが、日本のカは今のところ軍事力ではない。投資や技術の力である。これを政治の力ードとして、なぜ使おうとしないのか。中国経済は、日本から多額の援助をもらっているときでも、アフリカに援助していた。そして、その援助を楯に恫喝しながらアフリカを味方につけてきた。中国経済はそのあと大きくなってますます牙を持ってきている。アメリカ経済にも当然牙がある。日本経済にだけ牙がない。経済人に言っておきたいが、尖閣諸島を失えば、国際社会の中で日本は軽視される。 国債は暴落し、株は投げ売りされ、国家の格は地に墜ちる。その影響はたちどころに他の経済活勛に影響を及ぼす。経済は経済だけで成り立っているのではない。戦後の日本において「経済力が国家の格を支えてきた」ことは間違いないが、 逆に言えば「“国家の格”が経済力を支えてきた」とも言えるわけである。だからこそ、尖閣諸島は経済のためにも死に物狂いで守らなければいけないのである。そうい ことを、経済人はわかっていない。私はわが国の指導層を見ていると、将来が本当に危ういように思えてならない。

ヨーロツパの「地球分割」とアメリカの「グローバリズム」

今にしてよくわかったことがある。それは、世界帝国アメリカは「地域の覇権国家を許さない」ということだ。まずイギリスをつぶし、次にドイツをつぶし、それから日本をつぶし、ロシアをつぶしてきた。そして今、中国をどうしようかと思案している。一体こんなことがいつまで続くのであろうか。こういうアメリカの体質や思考を一言で表現すると、何と言うのか。これをグローパリズム」と称するのである。グローバリズムは、最近の日本人は何か新しいよいことだと思っているようだがその正体はアメリカン•スタンダードの全面拡大に過ぎない。「世界政府アメリカの基準」を「国際基準」にするということである。そもそも「グローブ」とは「地球」である。地球を人間が全体として支配するといいう発想はアジア人にはまったくない。空間を幾何学的に分割して統治することもアジア人には考えつかないが、これを最初に実行したのは、スペインとポルトガルの間で結ばれた一四九四年の「トルデシリヤス条約」である。両国による統治方式は、カトリックのローマ法王の勅許を得て実現したのである。両国の西海岸から一定の距離を取った地点から地上をずっと縦に真っ直ぐ線を引いて、 その線をぐるっと地球の裏側まで回して、これを分割線とするのである。驚くべき大胆な計画であり、行動であった。どうしてそんなことが起こったか。当時、ヨーロツバ人は東方へ出て行こうと懸命に努力したのだが、地中海の東の出口はイスラム教徒に完全に押さえられていて、インドに抜けたいと思っても抜けられなかった。しかもイスラム教徒は、次第にヨーロ ッパの内部に侵略さえしていた。何とか情勢を脱却したいと考えていたとき、クリストファー・コロンブスとバスコ・ダ・ガマが登場したのである。コロンブスは、スペインを出発して西へ西へと進んで新大陸に到達していた。一方、ポルトガルのバスコ・ダ・ガマは、アフリカの海岸を南へ南へと下って、喜望峰を回ってインド洋へ出てきた。ポルトガルはインド洋を東へ行き、イン ドへ出る。スペインは西へどんどん行って、やがてアジアに出てくる。両者はどこでぶつかるかというとモルッカ諸島、地球の反対側のインドネシアのセレベス島(最近はスラウエシ島と言う)の東側の諸島である。そこは香辛料の集産地だから、世界中の人々がそこを狙っていた。ぶつかって両国の争いになり、やがて線引きで分けっこをしたのである。そして最終の目的地は日本だった。やがてスペインとポルトガルは国力を失い、代わりにオランダが登場し、イギリス が登場し、そしてフランスが登場することになる。この地球分割で面白いのは、南アメリカ大陸にさしかかると、ブラジルに当たるところだけが境界線上にかかって、ポルトガル側に分割されてしまう。大陸の出っ張りにブラジルがあるからだ。そのようにして、ポルトガル領に相当するとわかると、ポルトガルは大喜びして、「ああ、俺のものだ」と言って植民地にした。今でもブラジルの国語がポルトガル語である所以である。他のラテンアメリカの国々の国語は、スペイン語か英語かのどちらかである。こんなとんでもないことが起こったのも、単純に幾何学的に線を引いたからだ。地球を分割するという発想、しかも占有する権利をローマ法王庁が与えたというそのような考え方は、アジア人にはなく、西欧を越えて、アメリカに真っ直ぐつながっている。 グローパリズムとは端的に言ってこのようなことなのである。このグローバリズム思考によって、次の時代にはイギリスとロシアが中近東から東へずーっと線を引いて、地球を南北に分割するように侵略した。どこでぶつかるかというと、再び日本列島である。日本はいつも運命的な位置にある。その結果が、「日露戦争」である。イギリスとロシアの戦いを、日本がいわば代理戦争させられたようなものなのだ。英露が線を引いたとき、どちらにも属さなかった国がある。アフカニス夕ンだった。一九七九年になって突然、ソ連がアフガニスタンを侵略したのは、じっと地図を見て「そういえば、ここはロシアとイギリスのどちらにも入らない場所だったな。それじゃあ、一発やってやろうじゃないか」ということで、ソ連が侵攻したのである。隙を見せると、そういうことが起こる。アフガニスタンは中間緩衝地帯だった。それ以外の国々はすでに一度は分割統治されていて、他国は手出しできないという暗黙の約束になっていたというわけだろう。制空権を決めることは、アメリカが今実行しているが、元をただせばスペィンとポルトガルによる地球分割計画に端を発するのである。それでは次章より、日本を初めとするアジア諸国がいかに、西欧列強やアメリカ、 ロシア(ソ連)に侵略されてきたかを見ていこう。何度も言うが、日本は侵略した国ではなく、侵略された国である。否、侵略された国々の中で、そうされまいと抵抗し、戦った唯一の国である。それで独立は成功したかに見えたが、残念ながら現在、必ずしもそうはなっていない。アメリカに多数の軍事基地を許している国である。これを異常と見做す感覚をすら失っているのは異常である。日本はアジアを西欧列強から解放したと自認しているが、その日本が未だ解放されていない唯一の国なのである。だからこそ今、「歴史観の転換」をしなければならない。

Tratado de Tordesilhas