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2/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「慰安婦」を無視されたら打つ手がない 韓国の新思考外交を読む』について
今の日本人で韓国に同情を寄せる人はいないでしょう。いるとしたら裏がある人間です。弱みを握られているのか、なりすましかどちらかです。日本人の名誉を世界に向けて傷つけまくっている韓国人に共感できる日本人がいるとしたら不思議です。自分の家族の悪口を他の人達に言いふらされていることを考えれば分かるはず。それでもまだ韓国人の言い分を聞かないといけない理由はありません。中華と同じく、嘘で固めた人達ですから。習近平は「中国人は南京虐殺で40万人殺された」とかアメリカの高校の教科書にも載せるくらい接待攻勢しています。当時20万の人口でどうしてそんなに殺せるのか中国人の頭の中を覗いてみたいものです。日本の外務省と言うのはバカばかりしかいません。目の前で問題が起きても何も対応できないからです。今のリーダーのレベルとはこういう人たちが担っているのです。悲しいかな。
2/7産経ニュースによれば「韓国のCDS(クレジットデフォルトスワップ)が20ポイントも上がっていて経済破綻か」と言う記事がありました。2/23には日韓スワップ(チエンマイイニシアテイブ、100億$の内20億$分)も終了します。本記事によると韓国の経済人は少し気づいたようですが、「もう遅い」でしょう。誰も助けませんよ。中国の属国になってもらい、日本に近づかないでほしいと思っている日本人は多いと思っています。上が「卑日」というのは結構です。これで韓国と付き合わなくて済みますから。朝日ですら「強制慰安婦」はいないと認めたのです。それでも謝罪と賠償をとしか言えない朴大統領の頭の中も覗いてみたい気がします。まあ、事大主義といって座標軸が違っている民族ですから。中華と同じく誠意が通用する相手ではないと思い、永遠に付き合わないことです。
記事
韓国で「対日強硬策を見直すべきだ」との意見が出てきた。いくら「慰安婦」と叫んでも、日本から無視されたら打つ手がないことに気づいたからだ。
歴史カードを手放そう
—韓国で「対日新思考外交」の主張が始まった、とのことでしたが(「『アサヒ』が駄目なら『クワタ』がある」参照)。
鈴置:保守論壇の大御所で、朝鮮日報顧問の金大中(キム・デジュン)氏が「のどが乾いた方が井戸を掘れ」(2014年12月9日、韓国語)を書きました。
これが「新思考外交」――日本との外交に歴史を持ち込むのはやめよう――を訴える代表的な記事です。以下が記事の最後の文章の全訳です。
- 今さらの話だが、日本との過去を言挙げし、歴史を話すことがどれほど愚かで無意味かを悟った。
—韓国の外交的な武器である「歴史カード」を手放そう、ということですね。なぜ突然、そんな意見が出てきたのでしょうか。
鈴置:金大中顧問は記事の冒頭で「日本は韓国との関係を改善する考えもなく、必要性も感じていない。これは(2014年)11月の最後の週に日本の政治家や知識人に取材して得た結論だ」と書いています。
訪日前は「何か要求すれば、日本は渋々でも応えるはずだ」と考えていたのでしょう。「日本は悪化した韓国との関係を改善したがっている」との前提からです。
しかし、日本への取材旅行で、それが思い込みだったと金大中顧問は告白したのです。記事の中には「関係改善を話し合おうにも、取り付く島もなかった日本人」の実例が、いくつも報告されています。
韓国が態度を変えろ
見出しの「のどが乾いた方が井戸を掘れ」とは、まさにそんな日本の姿勢を―――「日韓関係を改善したければ、それを望む韓国が態度を変えろ」との姿勢を言い表しています。
そして日本が関係改善を望んでいない以上、いくら強力な「歴史カード」を振り回しても無視されるだけだ――という結論に達したのです。
それまでなら日本の「良心派」が、韓国が望む方向に内側から日本を誘導してくれたものでしたが、それにももう、期待できません。
2014年8月には朝日新聞が「済州島での慰安婦の強制連行」を報じた一連の記事を取り消しました。韓国における「強制連行」の具体的な証拠が消滅してしまったのです(「『アサヒ』が駄目なら『クワタ』がある」参照)。
金大中顧問が訪日した11月末の段階で、謝罪に応じない安倍晋三政権の続投が確実視されていました。「植民地支配」に関しても謝り、「慰安婦」でも謝罪しかけていた“リベラル”な民主党が政権を取り戻すメドも立たなくなっていたのです。
「反安倍」で日本人は立ち上がった
—金大中顧問は日本専門家でもなさそうですし、日本に住んでいるわけでもない。でも、韓国メディアは東京に記者を置いています。日本の空気が大きく変わっていることを報じていなかったのですか。
鈴置:報じていなかったのです。韓国紙は「極右の安倍のために日本はおかしくなっている。しかし、良心ある日本人は一斉に立ち上がって安倍に反対している」「普通の日本人は韓国に好意を持ち、関係悪化を憂慮している」と書いてきたのです。
これに関しては趙甲済(チョ・カプチェ)氏が興味深い記事を書いています。「安倍が勝ち、韓国言論人が負ける日!」(2014年12月13日=注1=、韓国語)です。趙甲済ドットコムに載った記事の骨子は以下です。
(注1)13日付だが、記事内容には15日の事実も含まれている。初報を13日に掲載し、その後に加筆・修正したと思われる。
独自の世界に住む韓国人
- 安倍首相に対する韓国メディアの報道が事実なら(2014年12月14日投開票の総選挙では)安倍が率いる与党、自民党が惨敗するはずだ。
- だが12月15日明け方の段階で、与党の自民党と公明党の獲得議席数は全議席の3分の2を超え、圧勝している。
- 韓国メディアは安倍首相に対し、金正恩に対する以上に批判的に描いてきた。「日本の良心勢力が安倍に反対している。米国と世界のメディアがこれに加勢し、安倍は国内外で四面楚歌に陥っている……」と伝え、多くの韓国民もそれを信じている。
- 安倍首相の大勝で、相当数の韓国人が感情的で反日に偏った報道により、世界がどう動いているかを知らずに生きてきたという事実に目覚めるだろう。
韓国メディアは事実よりも「そうであってほしいこと」を書くのが仕事なのです。趙甲済氏はそれに非常な危惧を抱き、厳しく批判してきました。
日本にも事実を大事にしないメディアがあります。が、韓国の場合、ほとんどのメディアが一斉に「そうであってほしいこと」だけを報じるので、一種独特な、独自の世界観に支配されているのです。
—なるほど、独自の世界観ですか。話を金大中顧問の記事に戻します。歴史カードを捨てた後、対日外交をどう組み立てよう、というのでしょうか。
鈴置:記事の「要約」を見るとそれが分かります。関連する部分は以下です。
- 日本と過去を論議するよりも、普通の第3国として再定義を
- 我が国は付き合いを多角化すべきだ
困った時の日本頼み
—「日本以外の国と付き合おう」とは、日本にとって実にありがたい意見です。
鈴置:ええ、「うるさい韓国が日本に纏いつくのをやめてくれるのか……」と喜ぶ人が多いでしょう。
—それにしても「普通の第3国として再定義」とは、大げさな言い方ですね。
鈴置:韓国にとって日本は特殊な国でした。「普通の外国」ではなかったのです。1965年の国交正常化から1990年代初め頃までは、経済的に困ると日本に助けてもらうのが常道でした。韓国にすれば「困った時の日本頼み」という感じだったのです。
当時は日本側にも「韓国は旧植民地」という意識が残っていて、「しょうがないなあ」と思いながらも韓国の頼みを聞いていたのです。冷戦期でしたから、韓国が北朝鮮に圧倒され「釜山に赤旗が立っても困る」との思いもありました。
1990年代初めに冷戦体制も崩壊したし、韓国も豊かになったのでこうした関係はなくなるのかな、と一時は思われました。
しかし「日本頼み」は別の形で続きました。歴代政権は国民からの支持が必要になると「歴史」を言挙げし、日本に繰り返し謝罪を求めるようになったのです。
1987年に民主化し政権の任期がきちんと定まると、韓国で初めて「レームダック」現象が発生するようになりました。すると、国民の不満をそらすために「謝罪を要求できる日本」が必要になったのです。
中国側に行く国
結局、韓国にとって日本はずうっと「普通の国」ではなかったのです。一方、普通の日本人はこれを見落としがちでした。韓国が民主化し、経済成長も実現したので日本人は「普通の国」と見なしていた。だからてっきり、韓国も日本をそう見ている、と思い込んでいたのです。
—韓国が日本に纏わりつく理由にも変遷があるのですね。それを理解しても、纏わりつかれる側としては韓国が嫌になるのには変わりませんが。
鈴置:「韓国は一人前の国になったのだから、国内問題を反日で乗り切る姑息な手口はやめるべきだ」と日本人――ことに専門家は考えるようになっています。
それに「韓国は中国側の国になりつつある」と日本人は警戒を強めているところです。そんな国に何らかの譲歩をしてまで関係を改善しようと思わないのが普通です。
結局、金大中顧問も日本の指導層とじっくり取材して、日本人のこうした韓国観の変化にようやく気がついたということでしょう。
韓国は日本の従属変数
—金大中顧問以外にも「気づいた人」はいるのでしょうか。
鈴置:東亜日報のシム・キュソン大記者が「新思考外交」を訴えました。「韓日修交50年 郷愁と別れる時だ」(2015年1月5日、韓国語)です。まずは、韓国で「新思考外交」が生まれ始めたとの指摘の部分を要約します。
- 最近、韓国で微妙な変化が見られる。冷却した韓日関係の打開策として専門家たちは、韓国が作戦を変更しなければいけないと言い出した。
- 現在のような原論的な態度では問題を解決することができず、国益を毀損する憂慮があるというのだ。彼らの主張は、日本の変化や譲歩を前提としない。これは注目すべき変化だ。
確かに年初から、強硬一辺倒の対日外交を修正しようとの記事が韓国各紙に目立ちました。ただ、金大中顧問の記事を含め、多くが「『慰安婦』を日本に無視された。もう、打つ手がない」「日中関係が改善したら韓国が孤立する」といった戦術的な理由からです。
シム・キュソン大記者の指摘が興味深いのは、反日の本質を突いている点です。以下をお読み下さい。
- 韓日両国がもう少し穏やかに過ごそうと思うなら、それぞれの「郷愁」を捨てるべきであろう。日本は銃刀を振りかざした「日本の過去」に対する郷愁を捨てるべきだ。日本は自身の栄光を、もっとも正常的な今現在に求めるべきだ。
- 韓国は、謝れと言えば謝った「過去の日本」に対する郷愁を捨てるべきだ。50年前の日本を前提とした関係回復は難しいという事実を韓国人は認めなければならない。韓国はそんな弱い国ではもうない。日本の従属変数たることを自ら認める必要はないのだ。
品位を自ら落とす韓国
—「日本の従属変数」とは?
鈴置:そうです、そこです、注目すべきは。最後のくだりを、本意を忖度して意訳すれば「韓国は弱い国だった。だから何かあると日本に謝ってもらって満足していた。我々はそんな日本頼みをいつまで続けるのか。それは精神的に日本の属国であり続けることではないのか」ということでしょう。
旧宗主国に謝罪させることでようやく自分の存在を確かめる――韓国という国のあり方に対する痛烈な警告です。
—こうした警告は珍しいのですね。
鈴置:大手紙では極めて異例です。「まだ、属国意識が残っている」とは韓国人にとって楽しい指摘ではありませんから、商業メディアとしては載せにくいでしょう。
ただ、若い世代になるほどに「属国意識」も薄まる、あるいは消えていますから、こうした警告への反発は薄いかもしれません。
なお「ヴァンダービルド」のペンネームで趙甲済ドットコムに健筆をふるう識者は、2013年10月に登場以来、繰り返し「謝罪を求めるほどに国の格が落ちる」と指摘してきました。
このサイトは趙甲済氏が非営利で運営しているので読者の反発を気にせず、率直な意見を載せます。「書き込み」は自由ですから、ヴァンダービルド氏は“愛国者”からの激しい罵倒に常にさらされていますが。
ヴァンダービルド氏は最近も「尊敬される韓国人になろうとするなら、手なれたやり方に決別すべきだ」(1月31日)を書いています。以下が前文です。
- 謝罪を1回受けようとして、自らもっと大きなもの(品位など)を捨てる愚を犯す事例は、やはりここ(訳注・韓国)以外にない。
韓国にも誇り高い人はいるのです。堂々と語りにくいので、彼らの意見はまず、大勢にはならないのですが。
早くもレームダック
—戦術的であろうと、国の格を上げるためであろうと、日本と普通の国の関係を作ろうとの意見が、韓国に広まるのでしょうか。
鈴置:まず、今の朴槿恵(パク・クンヘ)政権は絶対に受け入れないと思います。対日強硬策の失敗を認めたことになるからです。任期が3年目にさしかかって「レームダック」が早くも指摘されています。
尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が毎日経済新聞のインタビュー記事「ダボスで『地政学的な危機』を語った尹炳世外相」(1月30日、韓国語)で、以下のように述べています。
- 韓日関係(の冷却化)に関し、共同責任などと言ってはならない。問題の原因はどこから始まったか、正確に認識することが重要だ。原因を作った日本が問題の解決に当たらねばならない。
韓国で語られ始めた「新思考外交」を警戒し、牽制しているように見えます。聞かれもしないのにわざわざ「共同責任」に言及しているのですから。いずれにせよ、この政権が変わることはないでしょう。
「反日」の次は「卑日」
—ではいずれの日か、韓国が「歴史外交」をやめる日は来るのでしょうか。
鈴置:まず、来ないと思います。理由は2つです。韓国は中国と歴史を武器に対日共闘体制を組みました。もし韓国が「共闘から抜けたい」と言い出しても、中国は許さないでしょう。
もう1つは、韓国人特有の「上下意識」です。これまでの日本の足を引っ張る行動は「下から目線の反日」でした。シム・キュソン大記者が主張するように仮にこれを脱したとしても、今度は「上からの卑日」が始まっているのです。
日本を何とかおとしめようと、これからも韓国が全力を挙げるのは間違いありません。それは国家利益にかなうと広く信じられているし、国民1人1人の感情を満足させる手法でもあるからです。
2/6日経ビジネスオンライン The Economist『国王が交代したサウジアラビアの明と暗 サウド家が抱える3つの課題』記事について
ISIL、ボコハラム、タリバン討伐はイスラム圏の国々が一致して当たるべきです。本来なら他教徒の力を借りずに自分たちの力で何とかしないといけないと思うのですが。オバマ大統領は木曜日の大統領朝食会でのイスラムのテロリストについて語ったときに、十字軍を引き合いに出して強く非難されています。『我々はこれが全く他では行なわれた事が無いかのような傲慢な態度でいてはならない。十字軍や宗教裁判が行われていた頃には、人々はキリストの名によって酷い行ないをしていた事を思い出すべきだ。我々の国では、奴隷制度やジム・クロウ(人種差別主義の代名詞)がしばしキリストの名前で許されていたではないか。』と演説したことが「テロリストを十字軍と同列に置いた」と反発されています。スタンド・アメリカの創始者であるE.W.ジャクソン司教が金曜日、TVに反論のメッセージを託しました。『大統領閣下、もしあなたがテロリスト達に対して、新メンバー募集の動機を与えるつもりがないならば、グアンタナモ収容所を閉鎖するより、あけすけに申し上げて宜しいなら、ご自身の口を閉じられた方が良いでしょう。何故なら、あなたはたった今、彼らの為のプロパガンダの道具を与えてしまわれましたから。彼らは我々を十字軍と呼び、あなたはそれを認めてしまわれたのですから。』と。
大統領が過去の歴史のことを言うのであれば、「インデイアン虐殺」「原爆投下」も言わなければ。そんなことより、今起きている無法なことを抑える方が大事と言うことが分かっていません。地上軍を派遣しない限り、ISILは生き延びます。やはり判断基準がずれています。
サウジは厳格なイスラム主義を採っていますが、石油の枯渇を考えていろいろやっています。東大大学院教授をサウジの大学に呼んで、次のエネルギーを研究しています。また住友化学の石油精製工場も稼働しています。2030年くらいにはトルコの世俗主義までは行かなくとも、女性の車の運転は出来ているように思います。漸進主義で変わっていけば良いと思います。
記事
年老いた歴代サウジアラビア国王の中で、これほど迅速に動いた王は珍しい。1月23日、アブドラ国王の死去に伴い異母弟のサルマン皇太子が新たな王となった。そしてサルマン国王は即位するやいなや、自らの治世において最も切迫した問題の1つを早々と解決してしまった。つまり、次期国王となる皇太子と、さらにその後の王となる副皇太子を決めたのである。あるサウジアラビア人は「新国王は仕事の9割をわずか1日でやり終えた」と笑った。
王位継承の問題は君主国サウジアラビアを長らく揺るがしている。現王家の創始者であるアブドルアジズ初代国王の死後、王位は数十人いる息子たちの間で順ぐりに受け継がれてきた。だがこの世代も高齢化が進み、亡くなった者もある。6人目の息子であるサルマン新国王もすでに79歳。遅かれ早かれ初代国王の孫に当たる「第3世代」に実権を引き継がなければならない。だが多数いる王子の中で次の王にふさわしい人物は誰なのか。
サルマン国王は、アブドラ前国王が副皇太子に定めていたムクリン王子――サルマン国王の最も若い異母弟――の後は、甥のムハンマド王子を王にすると決めた。ムハンマド王子は内相を務めており、国内のジハード(聖戦)主義者に対処する上で優れた手腕を持つと評価されている。イスラム過激派の「アルカイダ」が2009年、ムハンマド王子の暗殺を謀った。内謁を許された戦闘員が下着の下に隠していた爆弾を爆発させたが、王子は無事だった。
サウジの体制を支える王家と聖職者の関係
今回、継承予定者がこのように円滑に決まったことで、海外に広まる「数々の困難な矛盾を抱えるサウジアラビアはやがて崩壊する」という見方が必ずしも正しいとは言えなくなった。
ここで言われる「矛盾」の例を1つ挙げてみよう。サウジアラビアにはソーシャルメディアの熱心な利用者が多い上、多数の若者が公的な奨学金を得て西欧諸国に留学している。にもかかわらず、この国におけるイスラムの教えは特に厳格で、女性の権利を厳しく制限している。例えば、女性は男性保護者の許可がなければ車を運転したり海外に行ったりすることができない。
アラブ世界の大半が激しい混沌状態に陥っているこの時代、石油市場とイスラム世界の中核的存在であるサウジアラビアに混乱が生じれば、とりわけ大きな不安を招くことになる。サウジアラビアにはメッカそしてメディナというイスラム教の聖地がある。また、原油がもたらす富は、批判者たちが「ワッハーブ主義」と呼ぶ極めて偏狭なイスラム主義が普及するのを後押ししてきた。
これまで、サウジアラビアを否定する者はことごとく自らの誤りを見せつけられてきた。その理由の1つは、サウド家とワッハーブ派聖職者の間で交わされた盟約が脈々と続いていることだ。この関係において、聖職者は王家に宗教的な正当性を与える。代わりに王家は、過激な内容を定めるイスラム法を聖職者が実施するのを支援する。この法は、姦通者への石打ちや反体制派への鞭打ちなどを定めている。
リベラルなブロガーのライフ・バダウィ氏は体制に反抗したとして鞭打ち刑を受けている。同氏は聖職者が「天文学はシャリーア(イスラム法)に対する懐疑心を誘発する」と主張したという理由で、彼らを嘲笑したりしていた。
オイルマネーで国民を懐柔
サウジアラビアの現行体制をこれほど長く存続させている別の理由は潤沢なオイルマネーだ。この資金を元に、王家は約3000万人の国民に惜しみない恩恵や政府関連の職を提供してきた。サウジ国民は住宅ローンや教育、医療保険を享受している。奨学金を手にして留学する者は10万人を超える。
このところ原油価格が半値になっているにもかかわらず、それでもなお、サウジアラビアは7400億ドル(約86兆円)の外貨準備高を持つ。王子や聖職者たちの横柄な態度を精算できるだけの豊富な現金が存在するのだ。
サウド家の現状を「プロ意識が育ちつつある企業役員会」に例える者もいる。2006年、故アブドラ前国王は王位継承プロセスを円滑化するため、王家の本家とすべての分家から35人の代表者を集めた「忠誠委員会」を設立した。ここではムハンマド王子の指名について可否を問う投票が行われたという。
これが本当ならサウジアラビアには珍しく民主的な手法がとられたことになる。もっとも王家内に限定されたものであったのだが。候補から外された者たち(前国王の息子で国家警備隊司令官を務めるムトイブ王子など)も、個人の野心より王家全体の存続が重要だという点を受け入れているようだ。
王家に対する固い忠誠
ではワッハーブ主義の規定はどのようなものなのか。その一部は砂漠の民が元々持っていた風習を宗教が包み込んだものだと言える。そして多くの部族が国家樹立のための盟約としてその思想を受け入れた。
サウジ国民の多くは、可能であればもっと緩やかな社会規範を望むことだろう。一日5回ある祈祷のたびに店が閉まることに、国民は苛立ちを感じている。だが、保守的なナジュド地方から遠いジッダなどの町では、女性たちは全身を覆うための「アバヤ」と呼ばれる衣装を比較的ゆるい感じで身に着けている。法に反して男性と交際することもできる。アブドラ前国王は、締め付けをさらに強めようとする聖職者や宗教警察の動きを押しとどめた。
また、国民が保守的な思想を心底から持ち続けていることも、現体制の維持に一役買っている。サウド家の正当性に疑問を抱くサウジ国民はほとんどいない。多くの人は同国の歴史を示してこう言うだろう。1932年の建国以前には部族間抗争が絶えず、疫病も蔓延し、人々の寿命も短かった、と。初代国王となったアブドルアジズは戦争や婚姻、そして他の一族との盟約を通じて国を統治し、こうした問題に終止符を打った。
「アラブの春」で生じた混乱は、サウジ国内で謳歌している安定と安全を危険にさらすことに対するサウジ国民の警戒心を強めるだけの結果となった。
政治改革よりも、社会改革を求める声のほうが強い。あるサウジアラビア人研究者は、「我々が国内で“リベラル”と呼ぶものは、国外で“リベラル”と呼ばれるものとは違う」と言う。女性の限定的な解放を含む数々の変革を行ったとして前国王を評価する人は多い。中産階級の人々は、支配層のほうが国民全体よりも寛容だと考えている。保守派を強化しかねない民主主義よりも、王家が緩衝材として働く君主制のほうがいい、と彼らは言う。
事実、これまで現体制に強く抵抗してきたのはリベラル派ではなく敬虔なイスラム教信者たちだった。1979年にはジュハイマーン・アル・オタイビー率いる過激派グループがメッカにあるグランド・モスクを2週間にわたって占拠した。1990年代にはシャイフ(イスラム社会における部族の長)たちが集まる組織の1つ「サフワ」が、急進的な背教者だとして王族を批判した。そして2000年代初めには、アルカイダが首都リヤドで一連の爆破事件を起こした。「“十字軍”と共謀している」として外国人と王族を標的にしたものだった。
聖戦主義との戦い
最近、サウジアラビアの安全を脅かすのは主に国外要因だ。例として、イランの拡大やイエメンの混乱、そして「イスラム国」に触発された聖戦主義者たちなどが挙げられる(イスラム国はイランとシリアの一部に「カリフ」=預言者ムハンマドの後継者=を頂く国家の樹立を宣言している)。サウジの官僚は、聖戦主義者は逸脱していると主張する。サウジアラビアのイスラム教は、厳格ではあるが統治者への従順を求めるものだという。
そして聖戦主義についてサウジアラビア人は、エジプトにおける英国の植民地支配との戦いから生まれた組織、「ムスリム同胞団」の暴力的な反抗から生じたものだと断言する。これには一理ある。しかし、ムスリム同胞団の中でも比較的リベラルな派閥は民主主義的な政治を受け入れている。イスラム国の反シーア的な抗争主義や、打ち首や奴隷制などイスラムの古い慣習を文字どおり解釈する点は、ワッハーブ主義に由来するところが大きい。
その結果、国際社会はサウジアラビアのシャイフたちによる宗教的な教えに注目するようになった。サウジ政権は国内において、聖戦主義を抑制すべく、厳しい圧制と様々な更生プログラムを織り交ぜて対処している。プログラムには教義に関する討論や社会的利益が盛り込まれ、元戦闘員の行動に対する一族の保証もとりつける。
サウド家が抱える3つの課題
上述したように、サウジ国民の多くはムハンマド王子が副皇太子に決まったことを喜んでいるようだ。同王子はアルカイダ勢力を一掃した実績を持つ(ただし、彼が平和的な異議異論までも抑圧したとリベラル派は指摘している)。サルマン国王の末息子、ムハンマド・ビン・サルマンが王宮府長官(事実上は王の門衛)と国防相という2つの要職に起用されたことは、ムハンマド王子の就任ほど歓迎されていない。
サウド家は、これまでの安定が将来の安全をも保証するとは考えないほうがいいだろう。現在いくつかの要因が王国を揺るがしている。1つは原油価格の低下だ。原油は今もサウジアラビアの歳入の8割以上を占めている。
2つ目は格差の拡大だ。1人当たりの年間GDP(国内総生産)は、隣のアラブ首長国連邦が約4万3000ドル(約503万円)なのに対し、サウジアラビアは約2万6000ドル(約305万円)でしかない。若い国民を抱えるこの国では、経済を発展・多様化させ雇用を提供していく必要がある。若年層が不満を募らせた場合、過激主義者を大量に生み出すことになりかねない。
3つ目の問題は、エネルギーに対するこの国の放蕩ぶりだ。今のペースで消費を続ければ2030年までに輸出用の石油がなくなるかもしれない。
ソーシャルメディアの登場により、サウジでも表現の自由が一気に広がることになった。汚職に対する過去には見られなかった批判などが行われるようになっている。少数派であるシーア派国民などから出される異議を受け入れない雰囲気も高まっている。これが、反発を駆り立てるリスクをはらむ。
資金を得て留学した者たちは、新たな見聞を得て帰国する。欧米の大学を卒業した女性たちは現在の制約がいつまでも続くことに耐えられないだろう。アブドラ前国王の後継者たちが変革に対してさほど熱心ではないと考え、懸念する声もある。
後継者問題が片づいた今、サウド家は他の課題についても同じくらい迅速に対処する必要がある。
2/6日経ビジネスオンライン 北村豊『貯蓄率世界一の中国で銀行預金が消失中 残高2200兆円を危うくする要因は… 』宮崎正弘メルマガ『次は銀行の幹部を標的に 習近平の露骨な権力闘争 「反腐敗闘争」で江沢民、李鵬の影響力は決定的に削がれた 』記事について
昔ビジネススクールで習った公式『y(GDP)=C(consumption)+S(saving)+T(tax)、y=C+I(investment)+G(government)+(X(export)-M(import))、S-I=(G-T)+(X-M)、貯蓄超過は財政赤字と貿易黒字を齎す。』と言うのを思い出しました。中国の貯蓄率が高いことは財政赤字(リーマンショック後の4兆元バラマキ)を招き、貿易黒字で外貨準備も世界一です。
でも預金が消失するなど不透明な仕組みが通用してしまう国です。日本で銀行やゆうちょでこんなことがあったら大騒ぎになり、財務大臣の首が飛ぶでしょう。法律以前の問題、「信用が大事」と言う概念があるかどうかです。タンス預金にすれば強盗に襲われる可能性がありますのでそれもできない。
一番安心なのは中国国外に資産を持つことかも知れません。日本人は日本に生まれたことをもっと感謝した方が良いと思います。
北村氏記事
中国国民の貯蓄率は2009年以来世界第1位である。中国国内の4.3億戸の家庭が貯蓄を行う主目的は資産形成であり、2014年末時点における中国金融機関の各種預金残高は116兆元(約2204兆円)に達している。社会保障が依然として不十分な中国では、年金や医療保険だけに頼って生活することはできない。資産運用により蓄えを増やそうとしても、土地は国家所有であるため、投資目的で購入できるのは土地や住宅の使用権に限定される上に、価格変動により損失を被ることもある。株式も株価の変動が激しく、到底安全とは言えない。そうした観点から言えば、中国国民にとって最も安全確実な資産運用は銀行預金である。銀行預金なら、預けておけば自動的に利子が付くだけでなく、目減りすることも無い。
銀行預金が飛ぶように消える?
中国国営通信社「新華社」は1月15日付で、『預金者42人の預金9500万元(約18億500万円)が消失、各地で銀行預金の行方不明が頻発』と題する調査報道を配信した。その内容は以下の通り。
【1】2014年の初旬、浙江省“杭州市”の某「都市商業銀行」の預金者である張さんは口座残高を照会した際に200万元(約3800万円)以上あるはずの残高がわずか数元(数十円)になっていることを発見した。驚愕した張さんは銀行にこの旨を訴えると同時に警察へ通報した。同銀行が所在する杭州市“西湖区”の警察当局が調査した結果、同様の事件が多数の商業銀行で発生しており、全部で預金者42人、総額9505万元の預金が“不翼爾飛(羽がないのに飛んで行って)”消え失せていることが判明した。
【2】警察および“中国銀行監督管理委員会”(以下「銀監会」)の報告によれば、近頃、類似の銀行預金の消失事件が浙江省、河南省、安徽省、湖南省などの各地でしばしば発生しているという。2014年10月には、上場企業である酒造メーカーの“瀘州老窖(ろしゅうろうこう)”が“中国農業銀行”の“湖南省長沙迎新支行(支店)”に預けた現金1億5000万元(約28億5000万円)が消失した。今年1月8日、四川省“瀘州市人民検察院”は瀘州老窖の預金を騙し取った容疑で4人を逮捕した。容疑者たちは偽の銀行手形を使って、まんまと銀行から瀘州老窖の預金1億元(約19億円)以上を騙し取ることに成功したのだった。1月10日、瀘州老窖は、“工商銀行”の“河南省南陽中州支行”などに託した預金3億5000万元(約66億5000万円)にも異常が発生していることを公表した。
【3】調査を通じて、預金者の預金が往々にして無法者や銀行内部の行員によって各種の手段を通じて盗み取られていることが判明した。“存款大盗(預金泥棒)”と銀行の“内鬼(内部協力者)”が連携して銀行預金を密かに盗み取る。杭州市で被害を受けた預金者の記憶によれば、彼らが預金した時には銀行窓口の行員から預金商品の売り込みを受け、高利回りを前提とする形で資金を預け入れることを承諾したという。これは犯罪グループと銀行内部の行員が結託して、高利回りを餌に預金を騙し取ったことを物語っていると、杭州西湖区警察当局の責任者は述べた。預金泥棒は各大銀行の預金を専門に照準を合わせて犯行に及んでいる。銀行内部の行員は彼らに買収され、預金者が銀行窓口で預金の手続きを終えたら、預け入れられた資金を即座に別の口座へ振り込むのだ。目下、事件の容疑者である“邱某”はすでに杭州市警察に逮捕されており、逃亡していたもう1人の容疑者“何某”は今年1月4日に上海鉄道警察により逮捕された。
犯罪計画に銀行員が協力
【4】銀行窓口の行員は預金だけでなく、保険や基金などの各種金融商品を販売しているが、これも預金が消失する原因の一つである。出稼ぎ先の北京市から安徽省“蕪湖市”へ帰郷した宋さんは、今年1月6日の午前中に出稼ぎ中に蓄えた5万元(約95万円)を“中国郵政儲蓄銀行”(以下「郵貯銀行」)の“安徽省南陵支行”の某営業部へ預け入れ、預金証書を受け取って帰宅した。しかし、帰宅後に改めて持ち帰った預金証書を確認した宋さんは愕然とした。それは何と“人寿保険(生命保険)”の“保険単(保険証券)”だったのである。一般に銀行の窓口は預金を扱うだけでなく、保険や各種の財テク商品も販売している。5万元を預け入れた宋さんに銀行窓口の行員が預金証書と偽って手渡したのは保険証券だったのだ。保険や財テク商品の販売員は銀行窓口の行員と結託し、預金者を騙して保険に加入させ、加入させたことによる歩合給を銀行窓口の行員と山分けするのだという。
【5】銀行から預金が消失したことが判明した後に、誰もが強い関心を示すのは預金の賠償や回収が可能かである。“北京中銀律師事務所(北京中銀弁護士事務所)”の弁護士“徐玉平”は、現実の状況から判断して「ほぼ不可能」との見解を述べた。その理由は、“中国人民銀行”<注1>の『貯蓄管理条例の執行に関する若干の規定』の中に、「国家憲法は個人の合法的な貯蓄預金の所有権が侵犯されないように保護する」とある。また、工商銀行や中国農業銀行などは現在発行している預金証書の中に、銀行の預金に対する保管責任を明確に規定している。しかし、預金の窃取や消失に対する処理方法に関する具体的な規定はどこにも書かれていない。
<注1>中国人民銀行は中国の中央銀行で、日本の日本銀行に相当する。
預金消失の処理に関する規定なし
【6】預金の窃取や消失などの問題に直面すると、商業銀行の多くは往々にしてその責任を行員個人、甚だしくは“臨時工(短期雇いの行員)”に転嫁しているのが実態である。ある弁護士は、「責任の所在が、銀行、預金者、銀行員のいずれにあるかを確定することは極めて困難である」と述べている。安徽省の郵貯銀行で預金証書の代わりに保険証券をつかまされた被害者の1人は、同様の事件は辺鄙な地区で多発しており、銀行窓口の行員はひどいのになると預金証書を折り畳んで署名欄だけを露出させ、警戒心の低い預金者を騙して署名させているのだと語った。
【7】預金を窃取する人間は、預金者の氏名、口座開設時期、口座番号、住所などの情報を提示していることから、その責任は個人情報を漏えいした預金者自身にあると一部の銀行は言明している。これに対して弁護士の徐玉平は、「因果関係から見て、情報漏えいは預金者だけに過失があるとは言い切れず、銀行側にも預金者の情報を漏えいし、直接的に預金の消失をもたらす可能性がある」と述べている。たとえば、湖南省“公安庁”の報告によれば、2005年に湖南省“衡陽市”で胡さんが1500万元(約2億8500万円)を工商銀行の衡陽市“白沙洲支行”に預け入れたが、その後間もなくして預金残高が600元(約1万1400円)になっていることが確認された。警察の調査を経て、当該詐欺事件の容疑者3人が浮上したが、その中には白沙洲支行の“支行長(支店長)”の弟が含まれていた。容疑者たちは胡さんが銀行に登録した「会社銀行印」の印影を偽造し、銀行の印鑑登録簿上にある正規の印影を偽造印の印影に差し替えて、まんまと約1500万元を盗み取ったのだった。
【8】預金が消失した後で、賠償を勝ち取るのは非常に困難である。被害者である預金者と銀行が数年にわたっていがみ合いを続けるのは、“司空見慣(ありきたりで別に珍しいことではない)”。2008年、張さんは工商銀行の江蘇省“楊中支行”で定期預金に900万元(約1億7100万円)を預け入れたが、満期到来時に確認したところ、預金全額が同支行営業部主任の“何衛華”によって横領され、個人的負債の返済に使われていたことが判明した。張さんは工商銀行を相手取って損害賠償の訴訟を起こしたが、6年の歳月を経た2014年に下された裁判所の二審判決<注2>は、工商銀行に過失なしというものであった。これと同様に、湖南省、浙江省などの各地で発生した預金消失事件も、預金者の賠償要求は長年を経ても何ら決着を見ていない。預金の消失に直面した上場企業も次々と銀行に対する訴訟を提起しているが、賠償を勝ち取った企業は皆無に近い。
<注2>中国の裁判は二審制で、二審判決が最終判決であり、それ以上の上訴はできない。
預金者に「証拠を出せ」「録音はあるか」
【9】杭州市警察当局の情報筋によれば、預金泥棒はややもすれば一つの地域あるいは一つの銀行で仕事をやり遂げると、その作戦規模を拡大する傾向にあるという。杭州市の事件で逮捕されたグループを例に挙げると、彼らは浙江省内のみならず、近隣の多くの省で犯行を重ねていたが、その対象となった銀行には国有の大手・中堅銀行に止まらず、地方の小規模な“農村信用社(農村信用金庫)”までが含まれていた。“中国社会科学院”の専門家は、「中小から国有大手まで、各地の銀行で預金の消失が頻発するのは、銀行に多かれ少なかれ違法や規則違反に対する警戒意識の低下があり、技術革新への取り組みが緩慢であることを示している。理論的には、銀行システムの誤作動を除けば、預金の消失という現象を完全に根絶することは可能である」と述べた。
【10】『商業銀行の保険業務代行監督管理手引』には、銀行の営業担当者は保険商品と銀行の預金や財テク商品などを混淆してはならないし、保険に「元本」、「利息」、「預け入れ」といった預金の概念を当てはめてはならないとある。但し、営業担当者が規則違反を犯したとしても、銀行本体に対しては何ら処罰規定がないのが実情である。“復旦大学金融研究院”教授の“張宗新”は、預金者と銀行との間に構成されるのは「貯蓄契約関係」であり、これに基づき預金者は銀行に資金を預け入れるが、もし犯罪分子が銀行システムの盲点を突いて不正を働くならば、預金者が犯罪分子に加担しない限り、少なくとも銀行には部分的な責任があると述べている。だが実際には、商業銀行は被害者である預金者にしばしば証拠の提出を要求し、証拠の提出がなければ、預金消失に対する責任を負わないのが常である。預金消失事件で銀行の責任を追及した経験を持つ人物は、「預金する時には国有大手銀行は信用できるし、モニタリングシステムなどのハイテク防御設備もあると言っていたのに、一度預金の消失が判明すると、掌を反すかの如く、預金者に証拠を出せだの、録音はあるかなどと迫る」と述べた。
1月24日付の北京紙「新京報」は、『各地で銀行預金の行方不明が明るみに、管理監督部門は調査中と表明』と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。
消失は極少数? 銀行に危機感なし
(1)1月15日付で新華社が『預金者42人の預金9500万元が消失、各地で銀行預金の行方不明が頻発』と題する記事を配信した。1月23日に「国務院新聞弁公室」が主催した「2014年の金融改革などに関する報告会」のプレブリーフィングの席上で、銀監会副主席の“王兆星”は次のように述べた。すなわち、国家の法律規定に照らして、銀行は預金者の合法的権益を保護する義務がある。いかなる事態が発生しようとも、銀行は日常の経営の中で、自身の管理を強化し、各種の預金者を狙った犯罪行為を有効的に防止し、銀行預金の安全を確保しなければならない。また、銀行預金の行方不明が判明したら、銀行はその原因を究明し、それが銀行の管理および情報システムの欠陥によるものであろうと、社会の犯罪分子と銀行職員の結託による詐欺によるものであろうと、個々の状況と責任に応じて処理を行わねばならない。
(2)一方、同プレブリーフィングの席上で中国人民銀行“副行長(副頭取)”の“潘功勝”は、「中国人民銀行と銀監会は商業銀行の内部規制とリスク管理をさらに強め、内部の監督・査察を強化し、公安などの部門と協力し、法に照らして金融犯罪と金融詐欺に打撃を加える」と表明したが、さらに加えて「銀行預金の行方不明は起こってはならぬことだが、目下のところ事件は極少数に止(とど)まっている」と述べた。
銀監会の王兆星は「銀行は銀行預金の安全を確保せねばならない」と言明しているが、果たして銀行預金の安全は確保されているのか。すでに述べたように、銀行は預金消失が発生すれば、その責任を回避し、預金を窃取した犯罪者やそれに加担した銀行員個人に転嫁したり、被害者である預金者に銀行員による犯罪行為の立証を求め、多くの場合、預金者に対する賠償や回収義務をほとんど果たしていない。また、中国人民銀行の潘功勝は「銀行預金の行方不明が極少数に止まっている」などと、気楽なことを言っているが、起こってはならないことが全国各地で頻発している実態をどのように考えているのだろうか。「極少数に止まっている」と述べることで、国民の銀行預金に対する不信感を払拭し、国民の動揺を抑制しようとしているのが実情だろう。
1月26日付の湖北紙「長江日報」は“重慶市”で銀行預金の詐欺で4年間服役した男性が無罪判決を勝ち取った記事を掲載した。その要点は以下の通り。
預金消失を訴えた男性、冤罪で収監4年
【1】かつて上場企業の“董事長”であり、“全国労働模範”に選ばれ、重慶市“人民代表(市会議員)”でもあった男性が、2001年に中国農業銀行の重慶市“梁平県支行”で120万元(約2280万円)を1年物の定期預金に預け入れたが、2002年に当該預金の消失が明らかとなった。男性は中国農業銀行に消失した預金の賠償を求めて根気強く交渉を続けたがらちが明かず、2006年に損害賠償を求めて中国農業銀行梁平県支行を“梁平県人民法院(梁平県裁判所)”へ提訴した。ところが、中国農業銀行梁平県支行は逆に男性を詐欺容疑で提訴し、1審、2審の裁判を経て、男性は懲役4年の判決を受けて収監された。
【2】2010年6月に刑務所での4年間の服役を終えて釈放された男性は、何としても冤罪を晴らそうと、北京へ上京して“最高人民法院(最高裁判所)”へ出向いて陳情を行った。根気強く最高裁判所に陳情を行った結果、最高裁判所の指示を受けた“重慶高級人民法院(高等裁判所)”が再審を認め、2014年12月に男性の無罪が確定した。男性は自身の冤罪を証明しようと、1審で中国農業銀行梁平県支行から提出された証拠書類の開示およびコピーの取得を裁判所に要求していたが、全て門前払いされていた。ところが、最高裁判所の命令を受けた梁平県裁判所は拒否することができず、男性が証拠書類に書かれた自身の署名を確認した結果、署名が偽物であることが判明し、冤罪が認められたのだった。無罪を勝ち取った男性は、現在中国農業銀行との間で損害賠償の協議を行っているという。
この事件から見えてくるのは、中国農業銀行梁平県支行と梁平県裁判所との癒着の構図であり、その上部組織である中国農業銀行“重慶分行(支店)”と重慶高等裁判所の癒着の可能性である。上記の男性はかつて然るべき地位にあったから最高裁判所の支援を受けることが出来たのだろうが、庶民だとそうは行かない。中国メディアは今なお銀行預金の消失事件を次々と報じている。中国の銀行が預金消失の責任を回避したり、転嫁したりせず、銀行預金の安全を確保できるようになるのはいつの日か。銀行への不信が募れば、庶民は銀行預金よりタンス預金を選択するようになりかねない。
宮崎氏記事
反腐敗キャンペーンが本来の清廉な政治家に生まれ変わらせる法律的倫理的な行動ならともかく、習近平が展開しているのは権力闘争の武器としての活用であり、政敵を可能な限り多数、しかも短時日裡に失脚させて枕を高くすることが目的である。
守旧派の長老格、李鵬の周辺が騒がしくなった。長男の李小鵬は山西省省長に昇格しながら、実権が付与されておらず、長女の李小琳の番頭格などが取り調べの対象になっているとの情報も飛び交っている。
江沢民の長男も最近、公職の座から引退を余儀なくされた。
つぎに習近平が捜査の手を広げたのは金融畑である。
北京銀行取締役の陸海軍が「重大な規律違反」として取り調べを受けていることが判明した。陸は北京銀行最大の株主である北京能源投資の会長をしていた。周永康ともエネルギービジネスでつながりがあり、その関連性が疑われた模様と華字紙『多維新聞網』が書いている(2月5日)。
民生銀行頭取だった王暁峰も取り調べ拘束され、石油派との関連が云々されている。同じくエネルギー企業のインサイダー取引の疑いで方正証券の雷傑会長が拘束されている模様である(同紙)。
マッキンゼーは同日、中国の債務はGDPの282%という驚天動地の数字を発表した。日本より数字は悪性である。
2/4ダイヤモンドオンライン 北野よしのり『戦後70年の今年、中国が仕掛けてくる“罠”』記事について
戦勝国が作ったUN(United Nations)は国連と訳すのは間違いで連合国=戦勝国の意味です。ABCD包囲網の悪夢を避けるためには、逆に中国を包囲しないといけません。北野氏の言う靖国参拝、東京裁判の見直しは今はやらなくてもいいですが、憲法改正については安倍総理も手の付けやすい項目として「緊急事態」「財政」「環境権」を挙げていますので進めた方が良いと思います。アメリカもリベラルだけでなく、保守派もおりますので。本丸は9条ですが、国民のアレルギーがまだ強いと思われますので、一歩一歩実績を積んでいけば良いと思います。
中国の悪辣なことは日本国民も気づいてきているでしょう。マスメデイアが中国の味方をすればするほど、メデイアの信頼が失われていきます。「尖閣は日本領土」と示した中国の地図を水間氏がVOICEで掲載したとおり、日本の領土です。中国は「人のものは俺のもの、自分のものは勿論自分のもの」と言う国です。慰安婦問題だって裏で金を出して韓国を支援しているのは中国です。金=経済こそが日本の強みです。中国に有利になるような経済的な付き合いは止めるべきです。
記事
イスラム国は日本の脅威か? 日本の抱える問題をおさらいしよう
「イスラム国」が日本に衝撃を与えている。全国民が知っているように、イスラム国は、日本人男性2人を拉致し、日本政府に2億ドルの身代金を要求。それがかなえられないと知ると、湯川遥菜さんを殺害。さらにヨルダンに拘留中の女性死刑囚との交換を要求したあげく、とうとう後藤健二さんまで殺害したとされる。
身代金要求と殺害予告は、安倍総理が1月17日、カイロで「イスラム国と闘う各国への支援」を約束した後に起こり、ビデオ声明で犯人もそのことを強調している。
これを理由に、安倍総理を非難する人たちがいる。「総理の演説と、支援が今回の悲劇の原因だ」というのだ。さらに、「欧米と一緒になってイスラム国と戦うべきではない」と主張する人たちもいる。今回は、この複雑な問題、「日本の立ち位置」について考えてみよう。
実をいうと、イスラム国は日本の大きな脅威ではない。犯人は声明の中で、「お前(=日本)は、「イスラム国」から8500キロ以上も離れたところにいる」と指摘した。
実際そうなのだ。欧米では、しばしばイスラム過激派によるテロが起こっている。しかし、日本ではこれまでのところ起こっていない。また日本は、イスラム教諸国と友好を保ってきたし、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の宗教対立とも無縁でいた。
しかし、安倍総理がイスラム国への空爆を繰り返す欧米支持を明確にすることで、「日本が危険になる」というのは、ある面、そのとおりだ。つまり、今後の日本の動き方次第では、「脅威でなかったものを、脅威にしてしまう」危険性がある。ところが、「欧米と距離を置いて勝手に戦わせておけばいい」と単純にならないのが、大人の世界のつらさである。日本には、「他の脅威」があり、その脅威に対抗するために欧米の力が必要なのだから。
では、「日本の脅威」とは、なにか? 日本は現在、3国と「領土問題」を抱えている。つまり、中国との「尖閣問題」、ロシアとの「北方領土問題」、韓国との「竹島問題」である(日本政府は、「日中間には領土問題は存在しない」という立場だが)。
この3つは、どれも「領土問題」だが、「本質」は異なっている。
なぜか? ロシアは、北方領土を「実効支配」している。韓国は、竹島を「実効支配」している。つまり、この2国は、現状に「満足している」ので、向こうから戦争をしかけてくる可能性は極めて低い。
しかし、中国は、尖閣諸島を実効支配していない。だから、尖閣を奪うために日本と戦争する可能性が高いのだ。
もう1国、北朝鮮は、確かに日本の脅威である。だが、極貧国・北朝鮮の脅威は、中国のそれと比べると、比較にならないほど小さい。
「米国」はどうだろうか? 日本ではここ数年、「日本の不幸の原因は、すべて米国」といった本が、次々とベストセラーになっている。米国が日本を搾取する構造は、確かにある。しかし、「米国は少なくとも日本の領土を奪おうとしていない」ことも指摘しておく必要があるだろう(そして、日本の軍事同盟国である)。
こうして見ると、日本の「実質的脅威」は、「中国1国のみ」ということになる。要するに、日本の安保外交の最重要課題は、「中国問題をどうするか?」だけなのである。
真の脅威は隣国! 中国、驚愕の「対日戦略」とは?
2008年9月、米国発「100年に1度の経済危機」が起こった。ロシアでは、「この危機で、『米国一極時代』が終わった」といわれている。そして、浮上したのが中国だった。この国は、経済危機がもっとも深刻だった09年、9%を超える成長を果たし、「1人勝ち状態」になった。
沈む米国、浮上する中国。中国の指導者たちは、「米国を恐れることなく国益を追求できる」と確信した。そして、起こったのが10年の「尖閣中国漁船衝突事件」である。この事件直後、中国は全世界で、「尖閣はわが国『固有の領土』であり、『核心的利益』である」と宣言した(中国の領土要求は、1970年代初めからあったが)。
そして12年9月、日本政府が、「尖閣国有化」を決めると、狂ったように反発。日中関係は「戦後最悪」になってしまった。中国は、「日本への逆襲」を固く誓った。
「尖閣国有化」の2ヵ月後、中国代表団は、(事実上の)同盟国ロシアの首都モスクワを訪問。「日本をいかに破滅させるか?」について、その驚愕の戦略を明らかにした。ロシアの国営放送「ヴォイス・オブ・ロシア」のHPで、その全貌を知ることができる重要部分を引用してみよう(太線筆者)。
< 中国の著名な専門家は、中国と同様、日本と領土問題を抱えるロシアと韓国に対し、反日統一共同戦線を組むことを呼びかけた。 この共同戦線は日本の指導部に対し、第2次世界大戦の結果を認め、近隣諸国への領土要求を退けさせることを目的としている。> (The Voice of Russia 2012年11月15日)
日本国民は、中国が、「反日統一共同戦線構築」を目指していることを、決して忘れてはならない。
その目的はなにか?
・ 中ロ韓は一体化し、日本に「第2次世界大戦の結果を認めるよう」要求する。
・ 「第2次大戦の結果を認める」とは、つまり「日本は、領土要求を取り下げろ」。「日本は北方4島と竹島をあきらめ、尖閣を中国に返せ!」。
ここには、大きな「ウソ」がある。北方領土、竹島問題は、たしかに第2次世界大戦の「負の遺産」ともいえるものだ。しかし、中国が「尖閣」の領有権を主張しはじめたのは1970年代からで、第2次世界大戦とは全く関係ない。
< 14日モスクワで行われた露中韓の三国による国際会議「東アジアにおける安全保障と協力」で演説にたった中国外務省付属国際問題研究所の郭憲綱 (ゴ・シャンガン)副所長は、こうした考えを明らかにした。(中略)
郭氏は対日同盟を組んでいた米国、ソ連、英国、中国が採択した一連の国際的な宣言では、第2次世界大戦後、敗戦国日本の領土は北海道、本州、四国、九州4島に限定されており、こうした理由で日本は南クリル諸島、トクト(竹島)、釣魚諸島(尖閣諸島)のみならず、沖縄をも要求してはならないとの考えを示した。>
北方4島、竹島、尖閣のみならず、「沖縄も日本の領土であってはならない!」。これが中国の主張なのだ。われわれは、このことも決して忘れるべきではないだろう。さらに衝撃の内容はつづく。
<こう述べる郭氏は、中国、ロシア、韓国による反日統一共同戦線の創設を提案している。 日本に第2次世界大戦の結果を認めさせ、近隣諸国への領土要求を退ける必要性を認識させるために、この戦線には米国も引き入れねばならない。>(同上)
この戦線には「米国も引き入れねばならない!」と主張している。中国は、「尖閣」「沖縄」を奪うために、「米国と組もう」というのだ。つまり、中国、米国、ロシア、韓国で反日統一戦線をつくる。これこそが、中国の「対日戦略」の基本なのである。
では、いったいどうやって「反日統一戦線」を構築するのか?簡単である。
・日本は右傾化している
・日本は再び軍国主義化している
・日本は歴史の修正を目指している
と大プロパガンダする。
これは、中国・韓国がいつもいっていること。しかし、実をいうと米国もロシア(2次大戦時はソ連)も、これらのことは嫌がる。こうした動きがあると判断されてしまえば、米国もロシアも反日になってしまうのだ。
では、日本が「軍国主義化」「右傾化」「歴史の見直し」をしている間接証拠になる言動とはなんだろうか?
・憲法改正(米国製日本憲法を修正するので)
・靖国参拝(中国は、靖国を参拝するのは、軍国主義者だとプロパガンダ)
・東京裁判史観見直し要求(東京裁判を主導した米国を敵にする)
強調しておくが、筆者は、
・米国製憲法を神聖視していない。
・靖国参拝は、日本人として、当然よいことだと思っている。
・東京裁判は、インチキだと思っている。
しかし、中国がこういう戦略で攻めてきているときに、まんまと罠にはまればどうなるか?
1、日米関係が悪化し、日米同盟が弱体化する。
2、米国との関係が悪化すれば、欧州やオーストラリアなどとの関係も悪化し、日本は世界的に孤立する。
3、尖閣で有事が起こったとき、米国に日本を助けない口実を与える。
4、日本は一国で中国と戦うことになり、最低でも尖閣、ひょっとすると沖縄までも中国に併合される。
以上の理由で、「総理の靖国参拝」「早急な憲法改正」「歴史修正発言」などに反対している。これは「善悪の問題」ではない。「尖閣、沖縄を奪われるかどうか?」という深刻な問題なのだ。
中国のしたたかさに対抗するために 日本が目指すべき立ち位置は?
これが今の世界で起こっていることである。中国は、「中国、米国、ロシア、韓国 対 日本」という対立構造を作り出したい。そうなれば、米国には、欧州もオーストラリアも従う。つまり、米国が反日で中国側にたてば、事実上の構造は、以下のようになる。
「米国、欧州、オーストラリア、中国、ロシア、韓国 対 日本」
つまり、中国に「日米分断」を許せば、日本は事実上「世界の孤児」になる。そして、再び敗戦の道を歩むことになり、最低でも尖閣、ひょっとすると沖縄まで奪われてしまうかもしれない。事実、中国は「日本に沖縄の領有権はない!」と宣言しているではないか。
では、日本はどうするべきなのだろうか?これは、簡単で、米国との関係をますます強固にしていけばいい。そうすれば、欧州もオーストラリアも、ついてくる。さらに、ロシアをこちら側に引きずり込めば、もはや尖閣も沖縄も安全といえる。つまり日本が目指すのは、以下のような構造である。
「日本、米国、欧州、オーストラリア、ロシア 対 中国」
というわけで、日本は中国の罠にはまらないよう、米国、欧州との関係を良好に保つべきなのだ。そういう理由で、欧米による「イスラム国」との戦いを支援することには、重大な意味がある。
そのせいで、確かに日本人はイスラム国の標的にされる。しかし、それはシリア、イラクへの邦人渡航制限を実施し、訪日外国人のチェックを強化することで、かなり防ぐことができる。
さらに、日本の敵は「イスラム国」のみであり、「イスラム教国」ではないことを、常に語るべきだ。そして、イスラム諸国が喜ぶ支援も、惜しまず行うべきだろう。
安倍総理が注意すべきは 「終戦70年」で中国が仕掛ける罠
ちなみに、安倍総理は、一度「中国の罠」にはまっている。13年12月26日の「靖国参拝」である。
知らない方もいるかもしれないが、この参拝を批判したのは、中国、韓国だけではない。実際は、中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、オーストラリア、台湾、シンガポールなどが、これを非難した。長くなるのでここでは触れないが、「ウソだ!」と思う方は、こちらを読んでほしい。http://diamond.jp/articles/-/53201
しかし、安倍総理は、救われた。14年3月に、プーチン・ロシアが「クリミア併合」を断行したことで、米国の敵「No.1」に浮上したからだ。米国は、欧州と日本を巻き込んで「対ロシア制裁」を強化する必要があり、「安倍問題」はひとまず「棚上げ」された。
これで中国の「反日統一戦線構想」は、いったん挫折した。しかし、日本人は、「中国の戦略はいまも継続中」であることを知っておく必要がある。そして、この問題を巡る欧米など諸外国の非難を決して軽視すべきではない。
「終戦70年」にあたる今年、日本は2つの問題で、中国の罠にはまる可能性がある。1つは、8月に発表される予定の「安倍談話」。もう1つは、総理がいよいよ視野に入れてきた「憲法改正」。安倍談話は、すでに「出す」と宣言しているので、やめるわけにはいかないだろう。
だから、筆者は、「習近平へのプレゼント」にならないよう、極力「謙虚な談話」をお願いしたい。そして、憲法改正は、少なくとも対中弱腰オバマが大統領の間は待つべきだ。「憲法を改正して、歴史に名を残さん」とはやる総理には、故・小野田寛郎氏の言葉を贈りたい。
「『負けて泣くような喧嘩はするな。勝つ自信が持てるまで我慢しろ』というのが母の口癖だった。短慮な私を何度も叱り、おかげで慎重さ、たくましさを身につけることができた」(「生きる」小野田寛郎著より)
当たり前だが、中国の戦略が成功し、日本が欧米中ロを同時に敵にまわすハメになれば、また「負けて泣くケンカ」になってしまう。そうなれば、安倍総理は、望みに反して「愚かな総理」として、歴史に名を残すことになるだろう。
そうではなく、中国の罠を理解し、尖閣・沖縄を守り抜くことで、「偉大な宰相」と呼ばれるようになっていただきたい。
2/4宮崎正弘メルマガ『度を超した外国企業いじめ、中国の独禁法違反はビジネスマナーまで取り締まり 製薬、部品業界から外国自動車メーカーもいびり出す戦略か』と2/3日経夕刊 中前忠(中前国際経済研究所 代表)『十字路 中国の資金繰り』記事について
中国でVWは368万台、トヨタは103万台と言われていますから、「販売奨励金」が一番大きいのはVWでは?BMWが1000億も払ったらVWはいくらになるのでしょう?BMWもVWもドイツ車ですのでVWが逃れられるとは思えません。高官に賄賂を送っていれば別ですが。いよいよ本格的に経済面で「韜光養晦、有所作為」の「有所作為」が始まったと見るべきでしょう。バブル崩壊等経済不安も外資系のせい、技術移転が終われば都合よく切り捨てます。中国版攘夷です。清の西太后と同じ発想です。永続的な信頼関係構築は望むべくもありません。「騙す人が賢く、騙される人は馬鹿」という価値観なので。有毒製品が市場に氾濫するのも彼らの民族性によるものです。人を騙してでも自分が儲かれば良い、自分が死ななければ良いという国柄ですから。彼らは反論できないでしょう。下の記事にあるように事実が物語っていますので。日本でしたら一発で市場から放逐、会社は倒産の憂き目を見るでしょう。「信頼」をベースにする国と「詐術」をベースにする国との違いです。
国のデフォルトを避けるには会社と同じく資金繰りができれば良いとすると、紙幣を印刷し続ければ良いと言うことになります。ハイパーインフレを恐れなければデフォルト回避できるということでしょうか。でも第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレがナチスの台頭を招いたことや国民の通貨への信頼の欠如等を考えればその選択はなくなります。実際、
アルゼンチンを筆頭にデフォルトしている国はいくらでもあります。http://www.world401.com/saiken/default.html
中国への海外からの直接投資が減り(それは危ないことが分かっているのに投資することはないでしょう。自分が投資することを考えてみてください。伊藤忠の株主は売却した方が良いかも)、逆に中国から海外の投資が増えているとのこと。機を見るに敏な中国人ですから、国内は危ないと感じているのでしょう。日本企業はキチンと先を見通さないと損しますよ。
2/5の宮崎メルマガでは「GDP成長率は低まりばかり、不動産バブルが瓦解していることはいまや世界の常識であり、それでも尚、中国の経済が破産を免れている。いったい何故だろう?
第一に外国からの直接投資がつづいていることだ。日本は対中投資を48%も激減させ、欧米も撤退するところが増えたが、ドイツと英国、韓国などは逆に対中投資を増やしているからだ。
第二に米国のFATCAの影響である。 タックスヘブンにも監査が入り、脱税あるいは不正送金がテロリスト対策として摘発の対象となり、あるいは資産凍結、あるいは課税が強化されるため、ケイマン、スイス、バミューダの各タックスヘブンから、ミステリアスなカネの撤退が始まっている。中国から逃げ出して、一時的にタックスヘブンに隠匿されてきたカネが昨今、うなりを上げて中国へ環流しているからである。
▼無謀な投資をまたやらかすつもりらしい
第三は近く打ち上げられる超大型、破天荒の都市化プロジェクト政策で、この期待から上海株式が冬にスイカが獲れるように、上昇しているのも、このことと関係がある。
シンガポールの『ストレート・タイムズ』(2月4日付け)は李克強首相が準備中の経済再生化対策の目玉としての都市化に合計300兆円が投じられると報じた。
人民日報、新華社には、まだこの発表がないが、合計14の省、とくに福建省に3兆元、四川省、河北省にそれぞれ2兆9000億元、河南省に1兆5000億元、湖南省に1兆元が投じられるという。
リーマンショック直後に投じられた四兆元(57兆円)て世界経済を牽引した中国は、この無謀きわまりない破天荒投資によって全土に幽霊屋敷を造った悪例には目をつむり、またも景気を維持するために天文学的な投資を繰り返そうというのである。」とあり、抜本策でなく目先を糊塗して先送り、「倒産が射程に入ったいくつかの企業のうちでも、太子党関係者が経営にからんで悲鳴をあげているところを一時救助できる」のを目的としているようです。これで暫くは息をつけるかも。
宮崎氏記事
サウジアラビアが中国製の自動車を相当量輸入したという。
サウジアラビアは湾岸戦争ではクエートへ進撃する50万もの米軍の駐留を容認したが、イラク戦争以後、対米姿勢を静かに転換させた。
そのうえ「アラブの春」の余波を警戒し、米国がエジプトのムバラク政権転覆とムスリム同胞団政権を支持したことに立腹し、際立てて距離を置いた。サウジはシシ政権に巨額の援助を約した。
ケリー国務長官につづき国王の葬儀にオバマ大統領が訪問しても、サウジの冷ややかな態度は変わらなかった。リヤドはワシントンと距離を置いたのだ。
この隙間につけいる国は言わずと知れた「あの国」である。
もっとも中国は1980年代から長距離ミサイルをサウジに売り込んでおり、石油輸入も膨大である。サウジはみかえりに中国製自動車を輸入し、米国製の自動車の輸入を激減させた。
一方、中国国内で自動車市場はどうか?
2014年に2300万台を販売したと言われ、大ブームに沸いている筈だが、日本の自動車部品企業12社が「価格カルテル」などと屁理屈を付けられ、法外な罰金を取られた。
製薬企業なども中国の標的となった。
べつに日本企業に限らず、リオ・テントなど英米欧企業にも「収賄容疑」「脱税容疑」などと「法律」を楯にして経理のミスをつき、膨大な罰金をせしめてきた。
新手がでてきた。
中国資本の自動車販売店が、外国自動車メーカーに「販売奨励金」という名前のカネを要求し始め、BMWはすでに1000億円を支払った。ベンツ、ボルボ、日産なども、「補償金」という名目で支払う方向にあり、トヨタなども支払いの検討に入ったという(日経新聞、2月4日)。
この措置は中国製自動車をあつかう販売店からは要求されておらず、外国企業ねらい撃ちである。
経済的に行き詰まり、不満の矛先を外国にすり替える政治的常套手段でもあるが、国内産業の再編が背景にある。
過剰な鉄鋼生産設備に象徴されるように、かなりの産業分野でオーバーキャパシティ状態がつづき、産業再編が急がれている。
自動車も中国国産メーカーを育成し、そろそろ外国メーカーの押し出しを始めるという段階だろう。
「もう外国勢は要らない」というわけだ。
▼日本観光の中国人が買い物をするなかで
こうした折に漫画のような現象がおこる。
人民元高、円安を背景に、あれほど「きらいな」日本に中国人の観光ブーム。一部に歓迎論もあるようだが、大方は冷ややかにあるいは迷惑顔でみている。そのマナーの悪さは日本人の顰蹙を買っている。
そのことは措いて、かれらの買い物ぶりの中味である。
炊飯器、クスリ、粉ミルクは定番。一眼レフのカメラ、ブランド品、子供服などと続くが、隠れたベストセラーがある。
紙おむつだ。
宇宙に人工衛星を打ち上げ、大陸間弾道ミサイルを飛ばす国が、なぜかまっとうな紙おむつを作れないのだ。
玩具、栄養剤、クスリ、粉ミルク、ペットフーズなどに大量の有毒物質が見つかっているが、中国製の紙おむつも紙質の悪さ、漏れ、そして有毒物質が含まれているため赤ちゃんの肌に腫れ物が出来る。被れる。糞尿が漏れるなどクレームの山となった。そこで日本観光にやってくる中国人は目の色を変えて、紙おむつも大量に買い込むのである。
在日華字紙のなかでも、もっと幼稚な反日論を展開する『網博週報』(1月30日豪)は、こう書いた。
「マナーの低い悪徳な中国人商人らが有毒物質をふくむ原料を使って紙おむつを製造して、ひたすら利益をむさぼっている。こうしたビジネスマナーの劣化こそが、日本の紙おむつを中国市場でベストセラーとした原因である。
中国では毎年新生児が1600万人もいる。ゼロ歳児から三歳児までの紙おむつ市場は7000万人、毎日消費される紙おむつは3000万枚以上にのぼる大市場である。この巨大マーケットが、いつまで中国劣化製品のために、日本製品が独占的に売れ続けるのである」と。
中前氏記事
バブルの崩壊が健在化するのは資金繰りがつかなくなる時だ。不採算資産がいかに大きくても、資余繰りが続く限り、企業はデフォルト(債務不履行)に追い込まれることはない。結果的に、バブルは金融問題に帰結する。
中国の投資バブルは崩壊過程にあるといってよいが、まだ決定的な段階を迎えているわけではない。しかし、資金調達を巡る基調は明らかに悪化している。外貨準備が4兆ドル弱と世界で最も大きいために、民間部門が債務超過だという事実が見落とされがちだが、中国の対外純資産は2兆ドル弱と日本の半分しかなく、民間部門は2兆ドル強の債務超過である。
中国の経常黒字は2008年に国内総生産(GDP)比で9 .1%とピークを付けた後、13年には0.5%まで減少している。(過剰計上とされる香港向け輪出を修正後)。この5年間で外貨準備は1.9兆ドル増加したが、その大部体の融資が直接投資収支の流入超過1兆ドルだ。また、経常黒字 (修正後)の累積額が0 . 7 兆ドルとなっている。
問題は、この直接投資が赤字化してきていることだ。11年以降、対内投資が横ばいにとどまる一方、対外投資は急増し、昨年の後半は流出超過となった。多国籍企業が中国への投資を控えてきたのと同様に、中国企業も投資機会を海外に求め始めたためだ。
直接投資収支の赤字化と経常黒字の縮小に代わって急増したのが、銀行借り入れだ。
国際決済銀行(BIS)によと、国際銀行の対中債権残高は1.1兆ドルと過去5年間で0. 9兆ドルも増加した。全体の融資が絞られる中でだ。国際銀行が融資を減らしてくると中国の資金繰りは急速に苦しくなる。その時から在庫調整が本格化し、生産の落ち込みが目立ってくる一方で、企業や地方政府のデフオルトリスクが頭在化するだろう。
