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2/16ZAKZAK『古森義久氏【あめりかノート】中国「100年のマラソン」戦略 米国側の想定はみな錯誤だった…』『【湯浅博の世界読解】対日世論戦で巻き返しに出る中国 潘基文国連事務総長に送った書簡と意図』記事について

中国のプロパガンダを許し続けると、「慰安婦」や「南京虐殺」のように世界が信じてしまいます。「嘘も百回言えば真実になる」が実行されるだけです。いつも言っていますように彼らの発想は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」ですから、彼らは日本人と比べ賢いと思っているでしょう。鄧小平は「韜光養晦、有所作為」と言っていたし、中国の歴史や漢人と実際付き合えば「豊かになれば民主化する」なんて幻想とすぐ気づくはずです。中国は経済的豊かさを軍事力拡張、賄賂工作資金に使います。豊かにすればそれがブーメランとなって日米の国民に跳ね返ってくるのを理解してほしい。5月の安倍首相の訪米と9月の習近平の訪米と、オバマがどういう対応をするかです。

イマジカがSDIメデイアを買収と報道されていました。政府も国際報道の充実を考えているなら、彼らの協力を求めた方が良いかもしれません。NHKでは偏向して報道される可能性がありますので。民主党はNHK会長を呼び出して糾弾するなど、報道の内容に経営が容喙できないよう手足を縛ろうとしています。日本のことを考えればNHK出身の安住議員を選ぶのは考えられません。

2/16宮崎正弘氏のメルマガで読者の「中国経済の崩壊が予測されて久しいのですが、まだ崩壊しない。そればかりか、上海株式は上昇しています。これらの事象をみていますと、宮崎さんの予測とは逆のことが起きていますね。」という質問に、

宮崎氏の回答は「世界第二位のGDPを誇る中国は巨大ゆえに、一夜で潰えることはありません。しかし不動産バブルは瓦解しており、デベロッパーの倒産が連鎖しています。銀行は不良債権を糊塗するために、壮大なごまかしをやっており、そのあおりで真実の公開に頬被りした米国の四大監査法人は罰金を支払いました。

中国人民銀行など金融当局は預金準備率を引き下げ、理由のない緊急貸し出しを数回もおこない、さらに大手企業の債権デフォルトを予防するために、「謎の投資家」がつぎつぎと登場したり、あらゆる手段を講じて防戦中です。

 何回か指摘しましたが、中国経済は危殆に瀕しているにもかかわらず、まだ持っているのは外国企業からの直接投資がまだ続いているからです。

 そして米国のFATCA発効により、世界のタクスヘブンに逃げていた巨額不正資金の一部が「外国籍」を装って中国に還流しているため、上海株式があがっているのです。

破裂は秒読みですが、これを回避するために次に国務院が打ち出すのが稀有壮大というより破滅へ向かっての世紀の賭け、すなわち都市化プロジェクトです。

 ゴーストタウンをまた増やすだけのことですが、経済成長維持のトリックをしばらく中国は続けざるを得ないのです。

 つまり中国経済は事実上破綻しているが、壮大なトリックで外国投資がつづき、未曾有のごまかしをやっているのが実態です。」との回答でした。外国の金=国際金融資本が中国を支える、これが世界を不安定化しているにも拘わらず。儲かればいいというか、戦争で儲けようとしているのかも知れませんが。」

古森義久氏記事

「日本の首相の靖国参拝は中国への再度の侵略への精神的国家総動員のためなのだ」 「日本の宇宙ロケット打ち上げはすべて弾道ミサイル開発のため、プルトニウム保有は核兵器製造のためだ」  米国の中国軍事戦略研究では第一級の権威とされるマイケル・ピルズベリー氏が2月3日のワシントンでの討論会で現在の中国指導部内では日本について以上のような断言が堂々となされていることを指摘した。中国側の明確な記録にも残るこうした独断に日本側は正面から論争を挑み、正すべきだと同氏は提言するのだった。  1970年代のニクソン政権から現オバマ政権まで一貫して国防総省の中国軍事動向を調べる要職にあったピルズベリー氏は最新の自著「100年のマラソン=米国と交代してグローバル超大国になろうとする中国の秘密戦略」を紹介し、議論する集いでそんな発言をした。 この書の内容は衝撃的である。もう40年以上も中国の対外戦略を研究してきた同氏が中国は「平和的台頭」や「中国の夢」という偽装めいたスローガンの陰で、実は建国から100周年の2049年を目標に経済、政治、軍事の各面で米国を完全に追い抜く超大国となり、自国の価値観や思想に基づく国際秩序と覇権を確立しようとしている-と総括するのだ。  同書がいまワシントンの外交政策関係者たちの間で熱っぽい議論の輪を広げているのは、米国側のこれまでの対中観や対中政策が著者自身の認識も含めて根本から間違っていた、と断ずるからである。米国の官民は中国に対し「欧米や日本の犠牲になった貧しく弱い国」との認識から始まり、「建設的関与」により中国を最大限に支援してその根幹を強くし、豊かにすれば、国際社会への参加や協力を強め、西側に同調すると考えてきたが、それは巨大な幻想だった、と強調するのだ。

だから同書は米国側の年来の「対中関与は協力をもたらす」「中国は民主主義へと向かっている」「中国は米国のようになりたいと願っている」という想定はみな錯誤だったとも断じる。そのうえで次のようにも指摘する。

 「中国共産党の中核は米国が実は中国の現体制を骨抜きにし、国際的にも封じ込めて変質させ、米国主導の国際秩序に従属的に参加させる意図だと長年、みてきた」

 「しかし中国指導部は米国の主導と関与の誘いに従うふりをしながら、国力を強めて米国の覇権を奪い、中国主導の国際秩序を築く長期戦略を『100年のマラソン』として進めている」

 ピルズベリー氏によると、中国はその世界覇権への野望の主要手段として「現在の日本は戦前の軍国主義の復活を真剣に意図する危険な存在だ」とする「日本悪魔化」工作を実行してきた。アジア諸国と日本国内をも対象とするこの反日工作は日本が米国の主要同盟国として安保と経済の大きな柱である現状を突き崩すことを目的にするという。冒頭の中国の日本糾弾もその路線に含まれるわけである。

 この書は日本の対中政策形成のうえでも重視すべき新たな指針だろう。

湯浅博氏記事

中国の劉結一国連大使から一通の書簡が今月初め、に送られた。書簡は今年が「国連創設・世界反ファシズム戦争勝利70周年」にあたり、安全保障理事会の閣僚級公開討論会の月内開催を呼びかけていた。公開討論会は「国際の平和と安全の維持」と、一見するとまともなテーマを挙げている。

 ところが、副題には「歴史を鑑(かがみ)とし、『国連憲章』の趣旨と原則に対する揺るぎない約束を重ねて表明する」と書き込まれていた。議長は中国の王毅外相があたるというから、例によって、作、演出、主演とも中国で、国連の場を借りて都合良く誘導しようとの意図がほの見える。

 副題にある「歴史を鑑」とくれば、日本を原罪意識で金縛りにする常套(じょうとう)句であることに気付くだろう。中国が持ち出す歴史カードの実相は、むしろ「現代を鑑」に、つまり現在のモノサシで歴史を裁こうとする危うい外交作法である。

 公開討論会の目的が、「国連創設の背景を全面的に回顧」して、憲章の「揺るぎない約束を重ねて表明」とくれば、その狙いは明らかである。国連は元来が第二次大戦の戦勝国による「連合」であり、旧敵国条項により敗戦国に不穏な動きがあれば容易に攻撃できる条文が残されている。この条文は国連決議によって否定されてはいるが、削除はされていない不安定なシロモノである。

 まして、書簡を受け取る潘事務総長は、韓国の次期大統領候補に名前が挙がるほどの人物だから、抗日の連帯を呼びかけたようなものである。

ラヂオプレスが伝えたその数日前の人民日報は、「占豪」の署名論評で、戦勝70周年の抗日戦勝記念日(9月3日)に行う閲兵式の狙いを「日本を震え上がらせる」ためであると書かせている。戦後70年の今年、中国は歴史カードを次々と切って、日本を揺さぶるつもりなのだろう。

 これまでの強硬策が裏目に出て、世論戦で分の悪い中国が巻き返しに出てきた構図である。昨年は、習近平国家主席がオバマ米大統領に持ち掛けた「新型の大国関係」が、南シナ海などを核心的利益と認めさせる方便であることを見抜かれた経緯がある。いくつもの国際会議で、日本の「法の支配」に対して、中国の「力による現状変更」が批判の対象になった。

 かくして中国は、戦後70年という近年にない機会をテコに、逆に日本が「戦後の国際秩序を覆そうと企(たくら)み、日本の敗戦国という地位の変更を企む」との論理で反転攻勢にでようとしている。中国と韓国は戦争が近代国家の形成に深く関わり、反日がその出発点として刻み込まれている。これが仮想現実である以上、日本は「過去からの攻撃」が底なしであることを覚悟する必要がある。

 それでも英紙フィナンシャル・タイムズの社説は、日本人人質「殺害」事件に関連して「ここ数週間の出来事で安倍晋三首相の憲法改正への取り組みが台無しになってはならない」と、現在に目を向けている。

 中国の意図的な世論戦に対しては、怯(ひる)まずに反世論戦で応じ、心ある言論人を獲得していくべきだろう。この5月に予定される首相訪米で、戦後70年の首相談話が日米ですり合わせられよう。中韓の「過去からの攻撃」に対し、自由、民主主義の共通の価値観をもつ国際協調の輪を広げていくに如(し)くはない。(東京特派員)

昨日に続き南房総より

昨日に続きスマホからの投稿です。
PCももって来ましたがスマホで十分
です。
旅行にはスマホで投稿とメールが
読めるのが確認できました。
3月に台湾旅行しますので、海外
でスマホを安く使えるか試して
見たく思っています。
本日自宅に帰ります。
写真はホテルの入口側からのと
昨日の夕食です。

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南房総に来ています。

昨日から南房総に来ています。
生憎の雪と雨で12階の浴場
から富士山が見えませんでした。
部屋から海を見た所と夕食の
写真を添付します。
こちらは酒の持ち越みOKです。

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2/13日経ビジネスオンライン 加藤嘉一『中国の専門家が読む、米国の「2015年版国家安全保障戦略」 2015年のハイライトは習近平の訪米』について

学歴詐称の加藤氏の記事です。どうせ中国寄りの記事を書いているだろうと予測はつきます。アメリカのライスはオバマの腰巾着で有名です。あのリベラルなヘーゲル国防長官(共和党)でも追い出しに成功、カーターに替えました。限定空爆だけと言うオバマの「戦争せず」の公約を守ろうとライスが動いたためです。(オバマはやっと地上部隊を送るようにするようですが遅い。後手後手に回っている)。どう考えてもISIL打倒には地上軍を派遣しなければできません。ただアメリカは軍事で簡単に勝っても、その後の統治に金がかかるためにオバマはやりたくないと思っているのでは。イラクがその例で、途中で手を引き、結果としてISILを跋扈させました。またアラブの春でエジプトの選挙後出来たモルシ政権のようにイスラム原理主義者が統治者として出てきてしまいます。中東・アフリカは一筋縄ではいきません。

ライスは一昨年の11月にはG2を認めた発言をして明らかに中国寄りの立場を取っています。オバマがその当時考えていたことだったのでしょう。今はG2と言うことはオバマも言っていませんが、9月の訪米に習が確実にぶり返すでしょう。戦勝パレードにオバマも招待するつもりなのかもしれません。ダメモトで。オバマは軍事オンチで同盟の意味すら知らないから不安です。

下記のフォーサイトの記事でベンガジの米大使館爆破事件やアフリカのケニアとタンザニアの米国大使館爆破事件についてライスのことが書かれています。国務大臣候補だったのが共和党の横やりでなれなかったのです。こんな人物の言うことを有難がって報道するのですから加藤の座標軸が知れます。

中国は「歴史を鑑として」とよく使いますが、それならチベット・ウイグル・モンゴルも返すべきではないか。自分に都合よく歴史解釈するのは止めてほしい。

フォーサイトの記事

『バラク・オバマ大統領は、クリスマス休暇を生まれ故郷ハワイで過ごすためにハワイへ移動する直前の今月21日、既に退任の意向を表明しているヒラリー・クリントン国務長官の後任として、現在、米議会上院外交委員会委員長の要職にあり、2004年の民主党大統領候補であったジョン・ケリー上院議員(マサチューセッツ州)を正式に指名した。当初は、オバマ大統領が出馬した2008年民主党大統領候補指名獲得争い当時から外交顧問だったスーザン・ライス国連大使を次期国務長官に指名するのではないかと見られていた。そのため、次期国務長官候補の1人であったケリー氏は、第2期オバマ政権では間もなく退任すると見られているレオン・パネッタ国防長官の後任に指名されるのではとの憶測も一部にあった。

 だが、オバマ大統領が次期国務長官としてライス国連大使を検討している事実が表面化すると、J.クリストファー・スティーブンズ駐リビア米国大使をはじめとする米国人4名が殺害された、今年9月11日に発生したリビア東部の在ベンガジ米国領事館襲撃事件が、この人事に大きな影を落とすこととなった。ライス国連大使はホワイトハウスの要請に基づき、同襲撃事件直後の9月16日に日曜政治討論番組に相次いで出演し、米諜報機関から提供された情報に基づき同襲撃事件は反米暴動が原因との見解を示していた。ところがその後、同襲撃事件は周到に準備されていたテロ事件であったことが明らかになり、オバマ政権は大統領選挙キャンペーンが本格化した直後に発生した同襲撃事件がテロ事件であることを隠蔽しようとしていたのではないかとの疑惑が浮上したのである。とりわけ、在ベンガジ米国領事館襲撃事件でのオバマ政権の対応についての批判で急先鋒に立ったのがジョン・マケイン(アリゾナ州)、リンゼイ・グラム(サウスカロライナ州)の2人の共和党上院議員であった。

 オバマ大統領は再選後初めて行なった11月14日のホワイトハウスでの記者会見で、マケイン、グラム両上院議員を名指しし、ライス国連大使の名声を汚そうとする両上院議員の姿勢は「極めて侮辱的(“outrageous”)」との厳しい表現を用いてライス氏を全面擁護した。ライス国連大使はマケイン、グラム両上院議員らに対し在ベンガジ米国領事館襲撃事件発生後の対応について米議会内で面談して説明を行なったが、マケイン上院議員らの理解は得られず、ライス氏は厳しい立場に追い込まれることとなった。さらに、共和党穏健派のスーザン・コリンズ上院議員(メイン州)は、ライス氏が第2期クリントン政権で国務次官補(アフリカ問題担当)在職当時の1998年、ケニアとタンザニアの米国大使館爆破事件で米国人をはじめとする多数の犠牲者が出たのは、ライス氏が在外公館のセキュリティ強化を十分に行なわなかったためであると指摘、当時の責任をも追及する事態となった。

「ライス国務長官」を葬ることになった決定打は、マケイン上院議員が今月10日、現在、野党筆頭理事を務めている上院軍事委員会から、次期国務長官の指名承認プロセスを担当する上院外交委員会への移籍に言及したことだった。共和党の議員規則では、6年以上連続して同じ委員会の委員長や野党筆頭理事を務めることが禁じられているために、マケイン上院議員は軍事委員会から外交委員会への移籍に関心を示した。その判断は、現在、ミッチ・マコーネル共和党上院院内総務(ケンタッキー州)ら上院共和党指導部の判断に委ねられている。だが、マケイン氏が外交委員会へ移籍すれば、委員会で行なわれる公聴会でライス氏の長官指名に反対するのは必至だ。マケイン上院議員のこのような動きがオバマ大統領にライス国連大使の次期国務長官指名を見送らせ、ケリー上院議員を指名する1つの圧力となったことは間違いない。マケイン氏のこうした意思表明が行なわれた3日後の今月13日、ライス国連大使はオバマ大統領に対し、自身を次期国務長官の検討対象から除外するよう自ら申し出ている。次期国務長官指名承認プロセスに関与する共和党有力議員らはケリー上院議員の外交政策に関する見識を高く評価しており、指名承認プロセスは順調に推移するとの見方を相次いで示している。そのことはケリー氏が上院外交委員会委員長の要職を辞任することを意味する。

 マケイン氏とケリー氏はともにヴェトナム戦争従軍経験を共有しており、ケリー氏は2004年民主党大統領候補として副大統領候補にマケイン氏を検討していた経緯がある。また、第1期ジョージ・W.ブッシュ政権当時、マケイン氏は共和党を離党することをトム・ダッシュル民主党上院院内総務(サウスダコタ州)(当時)と真剣に協議していた。だが、現在、対ロシア外交やアフガニスタンからの米軍撤退問題、あるいは、シリア情勢を巡りオバマ外交を共和党から最も厳しく批判しているのはマケイン上院議員である。2人は2008年大統領選挙を2大政党のそれぞれの大統領候補として競ったが、あれから4年以上が経過した現在の2人の関係は「協力」よりも「対立」で定義されている。今回、マケイン上院議員がオバマ大統領の信頼の厚いライス国連大使の次期国務長官指名を事実上阻止したことで、オバマ大統領とマケイン上院議員との間には感情的しこりが残ったのではないだろうか。マケイン上院議員の上院外交委員会在籍を上院共和党指導部が認めた場合、マケイン氏は上院外交委員会を舞台にオバマ外交批判をさらに強めるのではないかと筆者は考えている。

 マケイン上院議員は2010年中間選挙で5選を果たしており、任期は2017年1月までである。2017年1月はオバマ大統領が2期8年の任期を終えてホワイトハウスを去る時期と重なる。2014年中間選挙では共和党現職13名が改選期を迎えるのに対し、民主党は現職20名が改選期を迎えることになっており、上院民主党は「守りの選挙」を強いられることになる。2014年中間選挙で民主党が多数党の立場を失った場合、上院外交委員会委員長のポストも共和党上院議員により握られることになる。マケイン上院議員が同委員会での年功序列を重視し、ボブ・コーカー上院議員(テネシー州)が上院外交委員会委員長に就任しても、マケイン上院議員の外交・安全保障問題に関する発言力はさらに増大することになろう。共和党支配の議会での制約から逃れるために外交面での業績を残そうとする第2期オバマ政権にとり、マケイン上院議員は目障りな存在となる可能性がある。〔Foresight〕より』

加藤氏記事

2015年2月6日12時45分、ブルッキングス研究所、ワシントンDC。

 各国の駐米大使やテレビ・新聞の記者たちは、ノートとペンを手に、固唾を呑みながら1人の女性が現れるのを待ち構えていた。会場は緊張感に包まれていた。

 時計の針が13時を少し回ると、スーザン・ライス米大統領国家安全保障担当補佐官が姿を現した。ちょうど同じ日にバラク・オバマ大統領が発表した『2015年版国家安全保障戦略』(前回は2010年)の概要を説明すべく、ライス補佐官は、“知的集積地”であるこの研究所を訪れたのだ。ブルッキングス研究所は政策と研究の交点で、同補佐官自身、かつて勤務した経験がある。

 実母を伴って“古巣に帰省”したライス補佐官は元同僚や旧友たちに笑顔で手を振りつつ演壇に上った。スピーチの冒頭で「ブルッキングスは私にとっての家です」と述べるなど、リップサービスも怠らなかった。

 会場には中国の政府関係者や研究者、ジャーナリストの姿も多く見られた。彼ら・彼女らは、5年ぶりに発表された『国家安全保障戦略』が中国をどう描いているのかに強い関心を持っていた。ライス補佐官は、米国の強靭なリーダーシップをどのように維持・向上・発揮していくかについて、同盟国やパートナーとの関係、経済政策、普遍的価値観、国際秩序といった視点から紹介した。

対中批判を控えた? ライス補佐官のスピーチ

 対中関係についても、慎重に、言葉を選ぶようにして見解を披露した。

 「米国は建設的で、機能的な協力を中国とともに進めていく。領土問題やサイバーセキュリティー、人権といった分野で米中間には立場の違いが存在するが、公共衛生や気候変動といった分野で協力を深めていく」と語った。

 また、今年、オバマ大統領が日本の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席を国賓待遇で招待するとも発表した。2人の名前を同じフレーズのなかで並列させるように読み上げたライス補佐官の表情を見て筆者は、「任期が残り2年となった」(ライス補佐官)オバマ大統領が日中関係の改善を重視し、米国がその橋渡しをすべきだと考えていると感じた。

 スピーチ終了後、会場で遭遇した知り合いの上海政府関係者に「彼女の対中観をどう受け取りましたか?」と聞くと、「結構、抑えていましたね。意識的に中国批判を控えていた気がする。中国に遠慮していました」との感想が返ってきた。

 筆者はこの時、前日の5日にワシントンDCで開かれた、ある朝食会の光景を思い出していた。米国の宗教関係者が1年に1度集まる会合で、チベットのダライ・ラマ14世も出席していた。オバマ大統領はスピーチの中で“友人”ダライ・ラマ14世の活動と貢献を称賛した。

 オバマ大統領とダライ・ラマ氏がどのように対面するかに注目が集まっていたが、両氏が面と向かって言葉を交わすことはなかった。オバマ=ダライ・ラマ会談に頑なに反対する中国政府に対し、米国側が遠慮した形となった。

『戦略』が表す米国の対中認識

 ライス補佐官の講演が終了した後、ブルッキングス研究所内で『2015年版国家安全保障戦略』(以下『戦略』)が配布された。真っ白な表紙に、NATIONAL SECURITY STRATEGY FEBRUARY 2015と記されている。全31ページ、7つのパート(概要、イントロダクション、安全、繁栄、価値観、国際秩序、結論)から成る『戦略』は、Chinaに約10回触れている。

 以下、Chinaが含まれているフレーズを翻訳し、箇条書きにしてみたい。

(概要)

  • 中国との協力範囲は前代未聞である。我々は依然として中国軍の近代化を警戒し、挑発的なやり方で領土紛争を解決しようとすることを拒絶しているけれども。
  • 我々は温暖化ガスを削減について中国と合意に達した。

(イントロダクション)

  • インドの潜在力、中国の台頭、ロシアの侵略は、将来の大国関係の在り方に対して重要なインパクトを持っている。

(安全)

  • 世界最大の二酸化炭素排出国として、米国と中国は、炭素公害を減らすために重要な行動を取ることを取り決めたランドマークとしての合意に至った。
  • アジアにおける領土紛争をめぐり、米国は緊張を煽るような挑発的・恫喝的な行為に反対する。国際法に基づいて平和的に紛争を解決するための開かれた対話のチャネル構築を奨励する。また、中国とASEAN諸国の間で、南シナ海問題を解決するための有効な行動原則をめぐって早期に合意に至ることを支持する。

(国際秩序)

  • 米国は中国の安定的、平和的、繁栄的な台頭を歓迎する。
  • 米国は米中両国民およびアジアと世界の安全と繁栄を促進することに資するような建設的な対中関係を発展させたいと考えている。
  • 米中の間には競争が存在するけれども、衝突が不可避だとは考えていない。
  • 我々自身の強さを持って競争をマネージしていくと同時に、海洋戦略、貿易、人権といったイシューにおいて、中国が国際的なルールや規範を守るべきだと主張していくつもりだ。
  • 我々は中国軍の近代化とアジアにおけるプレゼンス拡大を監視する一方で、誤解や誤算をするリスクを減らすべくやり方を模索していくつもりだ。
  • サイバーセキュリティーに関して、民間か政府かを問わず、中国側が商業的な利益を得るために、米国側の企業秘密を盗もうとする場合には、必要な措置を取ることを通じて我々のビジネスやネットワークを保護していくつもりだ。

 ライス補佐官のブルッキングス研究所におけるブリーフィングと比べて、『戦略』は特に(1)領土紛争、(2)軍の近代化、(3)サイバーセキュリティーという3分野で中国を比較的強く牽制しているのが読み取れる。一方で、(1)中国の健全な台頭を歓迎し、(2)衝突は不可避ではなく、(3)誤解や誤算のリスクを減らす努力をしていく必要があるとも述べている。中国が持つ不確実性に対する警戒・懸念・牽制と、中国の発展に対する評価・期待・関与のあいだでバランスを取ろうと心がけているのが伺える。

中国専門家が読む米国の『戦略』

 中国の有識者は『戦略』をどう解釈したのか。

 中国外交部直属のシンクタンク、中国国際問題研究院国際戦略研究所の蘇暁暉副所長が党機関紙《人民日報》に論考を発表している(“米国が『国家安全戦略』を発布、中国に対しては多面的なアプローチを配置”、2月9日)。

 蘇副所長は2010年版の『戦略』と2015年版の『戦略』がそれぞれ中国をどのように描写しているかを比較している。「米国はずっと中国の台頭、特に軍の近代化に注目し、中国が発展する方向性に影響を与えたいと目論んできた」と、過去5年のあいだ変わらない米国の対中戦略に言及しつつ「一方で、中国の戦略に対する米国の認識に若干の変化が生じている」と指摘した。

 蘇副所長によれば、“若干の変化”は次の4つの側面に表れている

 第1は、米中間で起こりうる衝突リスクに米国が関心を示すようになったこと。『戦略』が「衝突は不可避ではない」と主張する部分に注目する。

 第2は、中国との協力関係に米国が関心を示すようになったこと。『戦略』が「米中の協力範囲は前代未聞」と主張し、特に両国が二酸化炭素排出削減目標を共有し、合意に至った成果を前向きに評価した部分に注目する。

 第3は、中国に対する米国の警戒心が深まっていること。『戦略』が「中国が国際ルールや規範を守るべく主張」「緊張を煽るような恫喝的な行為に反対」などと言及している部分に注目する。

 そして第4は、米国が新しい分野での対中競争を強化していること。『戦略』がサイバーセキュリティーを明記し「中国側の機密窃盗行為に対して必要な措置を取っていく」と牽制している部分に注目する。

 蘇副所長は、「これらの変化は中米の国力の変化に由来する」と分析し、米国側が昨今の中国の国力と発展を次のように認識していると指摘した。

  • 中国は5年前に比べて国力を増強させた。今後も、外部的な要因に影響されることなく発展していく
  • 米国の発展や戦略に対して、“中国要素”がますます重大な影響を及ぼすようになった
  • こうした状況下において、中国と対抗・衝突することは米国の国家安全保障上の利益にかなわない。

米国に先んじて、中国は『国家安全戦略綱領』を発表

 実は、オバマ大統領が『戦略』を発表する約2週間前の1月23日、中国共産党中央政治局は会議を開き、中国版『国家安全戦略綱領』(以下『綱領』)を審議、採択している。党中央の声明や国営新華社通信などの報道を見るかぎり、『綱領』が中米関係や中国の対外政策を具体的にどのように定義しているのかはよく分からない。

 しかしながら、自ら司会を買って出た習近平国家主席が、会議のなか以下の点について強調したことは国営新華社通信による報道(2015年1月23日)によって明らかになっている。

1.『綱領』を制定・実施するのは国家の安全を保障するという差し迫った需要を満たすため

2.総合的な国家安全観を指導思想とし、国家の核心的利益、重大な利益を断固として守る

3.中国共産党による国家安全保障戦略における絶対的な領導を堅持すること

 中国のある政府関係者は「米国が『国家安全戦略』を発表する前に中国が『国家安全戦略綱領』を審議したことは象徴的だ。中国が自らの国家安全保障と核心的利益を断固として守るという決意を米国側に伝える効果を持っていた」と筆者に語った。

 筆者には“党による絶対的領導”という言葉が印象的だった。内政・外交を問わず、習近平国家主席率いる現共産党指導部が“絶対的な”指導力を発揮しつつ、あらゆる政策をトップダウンで打ち出していくに違いない。

 “核心的利益”に関して、中国は米国を意識している。台湾、チベット・ウイグル、南シナ海・東シナ海といった分野において、党指導部は中国の核心的利益を認めさせるべく、引き続き米国に圧力をかけていくに違いない。その効果は既に現れている。前述のように、オバマ大統領は同じ会場にいたダライ・ラマ14世と顔を合わせることも、言葉を交わすこともなかった。

歴史認識について中米接近を進める中国

 『戦略』が発表された6日の夜、崔天凱駐米中国大使は、ワシントンDCにある中国大使館で新春レセプションを主催した。在米華僑や留学生、中国企業やメディアなどで働く約800人の“華人”が出席した。

 スピーチの中で同大使は、こう主張した。「新しい1年を迎えるにあたり、我々は引き続き中米間の往来を、ハイレベルから草の根レベルまで、政府でも民間でも発展させ、相互理解を深め、相互信頼を増進させ、協力を推し進め、違いや摩擦をマネージし、中米新型大国関係という巨大なビルをより高く打ち立てていく」。このレセプションに出席した中国2大国営通信社の1つ、中国新聞社の記者に対して、崔大使は「我々は現在、習近平国家主席の訪米日程を調整している」と語った。この日、ライス補佐官が習近平国家主席宛てに招待状を送ったと公表したことを受けての発言だ。

 米中関係の“次”を占う上で、習国家主席の訪米が1つのカギとなることは間違いないだろう。ライス補佐官と崔大使が年内の習近平訪米を同じ日にほのめかした。それから1週間も経たない2月10日(米国東部時間)、習国家主席はオバマ大統領と電話で言葉を交わし、オバマ大統領からの招待を受け入れ、9月に公式訪問すると伝えた。2人は電話の中で、米中がサイバーセキュリティーをめぐる摩擦をいかに緩和させるか、グローバルな安全保障問題をめぐっていかに協力し、対応していくかなどを話し合っている。国営新華社通信が伝えた(2月11日、中国時間)。

 今年は終戦70年に当たる。第二次世界大戦の“戦勝国”である米中二大国が“戦後70周年”というイベントにどう向き合うのかに注目したい。筆者は、中国は習国家主席訪米と戦後70年をリンクさせ、歴史認識をめぐって米中接近をこれまで以上に推し進めるべく、綿密に戦術を練っていると考えている。

 6日夜、崔大使は新春レセプションを次の言葉で締めくくり、米中協力の必要性を強調した。「2015年は世界反ファシズム戦争および中国人民抗日戦争勝利70周年、そして国際連合設立70周年に当たる。歴史を鑑にすることでしか、より良い未来はやってこない。平和の力を大きくすることでしか、侵略の再来を防ぐことはできない」。

2/15 伊勢雅臣氏メルマガ『人権よりも中国への配慮を優先する「冷酷なハト派」』記事について

昨日に続き、中国の少数民族問題です。やはりモンゴル人だけでなくチベット人も弾圧・虐殺しております。前にもブログで書きましたが、旅行で拉薩(ラサ)のデポン寺でチベット僧が掃き掃除をしていた時に、漢人通訳に掃き捨てる素振りをしていたのを思い出します。それだけチベット人は漢人に対し憎悪、怨恨を持っているのだろうと思います。中国が大戦後の隙をついてチベット人の土地を奪ったのです。今やっと日本人は中国のつく嘘に気が付くようになりました。気づいていないのは朝日に代表される日本のマスメデイアだけでしょう。

外務省も相変わらずヘタレな様子。税金の無駄使いですね。それと輿石に代表される民主党です。こんな政党に議席を与えるから日本がおかしくなります。日本人のための政治でなく、共産党が牛耳る中国のための政治をしています。選挙の時はよくよく相手を選んで投票しましょう。国民主権と言うのは、代議士に政治を委託しますが彼らを選ぶことにより、最終的に国民が責任を負うシステムです。外国に利益を与えるような政治家を選ぶと巡り巡って国民に皺寄せが来る、というか植民地にされかねません。

中国の在留邦人の命は危ないとずっと主張してきました。企業の経営者も自分の身でないからというのでなく、自分が中国にいる前提で考えないと。通州事件の再来となります。日本人は帰して現地化を進めるべきです。

記事

■1.ダライ・ラマ法王の国会議員会館での講演

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王が、つい3年前に日本で講演した事をご存じの読者はどれほど、いるだろうか? ダライ・ラマは中国に侵略されたチベットの解放を目指して平和的な活動を続けており、1989年にはノーベル平和賞を受賞している。

 法王の講演は、平成24年11月13日、衆議院第一議員会館の国際会議場で行われ、実に196名の国会議員が聴講した。当日はテレビカメラが20台ほど設置され、マスコミ席は満員だった。アメリカやヨーロッパなら、ゴールデン・タイムのテレビ・ニュースで報道されたり、新聞の一面トップを飾ってもおかしくない。

 ところが当時の朝日新聞の報道を調べると、事前の11月5日付け夕刊1件(264字)と、当日夕刊1件(344字と写真)のみだ。両方とも夕刊2面の小記事で、ほとんどの人は見逃していまうだろう。多くの人が知らないのも当然だ。

 事前の1件はわずか264字の小記事なのに「今回の講演は中国政府を刺激する可能性がある」と懸念を述べる。当日の記事も講演内容についての紹介は、以下の1文のみだ。

【ダライ・ラマは「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」と指摘。チベット族の相次ぐ焼身自殺について「地方から中央に報告されていない」と語った。】

 そして、この短い記事の中でも「日本政府はチベットの帰属は『中国の内政問題』とし、来日中のダライ・ラマについては『政治活動をしなければ問題ない』(外務省幹部)としている」と、中国のご機嫌を損ねることを恐れるかのような注意書きがある。

■2.チベット人への弾圧の実態

 チベットがいかに中国に侵略されたかは、弊誌123号、124号「チベット・ホロコースト50年 上・下」で紹介したが、最近の状況を見ておこう。

 まずは論より証拠、以下のリンクに掲載された写真を見て欲しい。大勢のチベット人が「国家分裂」「国家機関襲撃」などの罪名を書いたプラカードを首から吊され、中国の武装警官隊の監視のもとで、引き立てられたり、トラックの荷台で運ばれたり、広場で坐らされたりしている。

http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51716984.html

 チベット解放を訴えるウエブサイト「Free Tibet」では、次のようなデータが示されている。

http://freetibet.org/about/facts-about-tibet

・1950年の侵略以来、100万人のチベット人が殺害された。

・99%のチベット僧院が閉鎖された。

・大量の中国人をチベットに移住させ、すでにチベット人は人口1/3の少数民族になっている。

・チベット国旗の掲揚、海外へのメール送信、「人権」を口にすると、拷問を受ける。

 朝日新聞は、1959年に中国が数万人規模の兵力を投入して弾圧したラサ動乱に対しても「チベット暴動説は疑問 亡命者の政治宣伝か」と疑い、隠しようがなくなると「狂信的なカンパ族の仕業」などと人民日報顔負けのプロパガンダを流した前科がある。

 その頃と比べれば、ダライ・ラマ法王の発言とは言え「人権侵害、弾圧、焼身自殺」にまで言及したのは、報道機関として飛躍的進歩だが、チベットの実態はこの一言で済ませられるような、生やさしいものではない。

■3.「ダライと接触することに反対する」

 ダライ・ラマの講演会開催のニュースは、案の上、中国のご機嫌を損ねた。この講演会の実現に奔走していた長尾敬衆議院議員ほかに、中国の程永華・駐日大使からの文書が届いた。それには次のような文面があった。

【チベット問題は中国の核心的利益にかかわるものである。中国政府は民族の分裂に断固反対し、いかなる形、名目でもダライおよびロブンサン・センゲ(JOG注: 後述)による国際的活動に断固反対し、いかなる国の政府関係者も、いかなる形、名目でも、ダライと接触することに反対する。われわれは国会議員の皆さんがダライとロブサン・センゲの中国分裂を図る反中国の本質をはっきり見抜き、『チベット独立』勢力を支持せず、舞台を提供せず、いかなら形でも接触しないことを希望する。】

ダライ・ラマ法王の「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」という冷静穏当な文言に比べれば、「ダライ」と犯罪者のように呼び捨てにする居丈高な言いようは、まるで脅迫文のようだ。

 長尾議員は、当時所属していた民主党執行部関係者に「内政干渉ですよね」と問いかけたが、「変なことをするからだ」と相手にしてもらえなかった。しかし「こんなことで、いちいちビビっているわけにはいきません」と、長尾議員は有志とともに呈大使に抗議文を送付した。

■4.「このイベントの詳細を教えてくれ」

 前節の引用にあった「ロブソン・センゲ」とは、チベット亡命政権の首相で、氏もまた長尾敬議員の奔走で、半年ほど前の4月4日に同じく議員会館の国際会議場で講演をした。こちらには96名の国会議員が参加した。

 この時も中国から陰険な横やりが入った。まず中国関係筋から、議員会館内の会議室使用について問合せがあった。会館の総務面の責任者、小平忠正衆議院議員は「議員会館内の会議室の使用について中国大使にあれこれいわれる筋合いはない」と突っぱねた。

 見識ある物言いだが、こんな形で言いがかりをつける中国側の国際常識のなさにも驚かされる。宗主国が属国の内政にあれこれ口を挟む、という中華意識丸出しである。

 またある民主党議員から「このイベント(センゲ首相講演会)の詳細を教えてくれ」と長尾議員に問合せがあった。長尾議員は、てっきり講演会に興味を持ってくれたと思い込み、「ご参加いただけますか」と訊ねた。

 しかしその議員は固い態度のまま、「いや、主催は誰だ? 世話人はこれだけか? 議運(議院運営委員会)の許可は取ったのか?」と、取り調べのように質問してくる。

 この議員は当時の輿石東(こしいし・あずま)民主党幹事長に近い筋だった。輿石氏が山梨県教職員組合で、まるで北朝鮮のような全体主義的動員体制を作って票を集めてきた様子は[d]でも紹介したが、センゲ首相の講演会をなんとか潰そうと、中国から輿石幹事長経由で干渉が入ったに違いない。

■5.中国から逃げ出す政府高官たち

 しかし、「驕(おご)れる者久しからず」という言葉通り、中国の最盛期は過ぎつつある。チベットやウイグルでの独立闘争、共産党政府の暴政、収賄、環境破壊に怒る中国人自身の暴動、長年の一人っ子政策による労働人口の頭打ちと賃金高騰、外国企業の撤退、、、。

 長尾議員は「中国が国としてもどうにもならない状態になっていることに気づいている中国人は決して少なくありません」と言う。

 実際に共産党幹部の海外逃亡が続いている。政府系シンクタンク、中国社会科学院の調べによると、1990年代半ば以降、海外に逃亡した公務員、国有企業の幹部は1万6千人、彼らが持ち出した金額は8千億元(12兆8千万円)を上回ると推定されている。

 これらの多くは、汚職を摘発されて逃亡した官僚などだが、汚職の摘発自体が中国政府内部の権力闘争である。習近平派は今は権力を握っているから摘発側に回っているが、政権を失えばたちまち摘発される側となる。

 したがって、政府高官たちは、いつでも高飛びができるように、海外に資産を隠し、子供たちを海外に留学させている。

 各国要人や富豪の海外隠し財産を追求している国際調査ジャーナリスト連合(ICIJ)は2014年1月に、次のような発表をした。

【タックスヘブンとして知られる英領バージン諸島にある銀行口座のリストを入手した。2万以上の顧客が掲載されているが、そのなかには、中国要人と企業経営者が多数含まれている。海外に隠匿された資金の総額は不明だが、1兆ドルから4兆ドル(約416兆円)に上る可能性がある。】

■6.在留邦人13万人をいかに救出するか

 いずれにせよ、政府高官の多くが沈み行く船から逃げ出す準備をしている。それに比べて、中国に滞在している邦人13万人、進出している日本企業3万社はどうか。

 中国では環境破壊や汚職に怒って、年間20万件近い暴動が起きていると言われている。これを押さえつけているのが、全国で150万人にのぼる人民武装警察である。こうした治安維持にあたる警察関連の予算は1110億ドル(約13兆円)に達し、公称国防費1060億ドルを超えている。[4]

 2012(平成24)年の尖閣諸島国有化に端を発した反日暴動で、日本国民は中国の恐ろしさを知ったが、あれはまだ共産党政府が裏で糸を引いていたため、物的損害だけで済んだ。しかし、中国政府が抑えられなくなった時、暴徒と化した民衆が日本企業、日本人を襲うだろう。

 そして派閥闘争が発展して軍隊や警察どうしが戦う内戦状態が起こるだろう。内戦時に、相手側に国際的な非難を浴びせるために、さも相手側の犯行であるように装って外国人を残虐に殺害するというのは、清朝、国民党、共産党と歴代の中国政府がやってきた事だ。[e]

 こうした有事の際に、日本政府は邦人13万人をどう救出するのか。長尾議員は次のような机上計算をしている。

 まず海上自衛隊、航空自衛隊の輸送機、輸送艦船から、「C1輸送機 収容人数60人x25機配備=1500人」「おおすみ方輸送艦 収容人数1000人x3隻配備=3000人」等々を合計すると、1回あたり7869人を運べる。これを16往復すれば、13万人の救出が可能になると計算できる。

「どうか笑わないでいただきたいと思います。実際には、このような仮設さえ一度も行われていないのですから」と長尾議員は実態を暴露する。

■7.邦人救出を妨げる法の縛り

 過去、我が国は何度も海外在留邦人救出の瀬戸際に立った。

 1997(平成9)年、カンボジアで内戦が起こったときに、当時の橋本首相は万一の際の邦人救出のために、航空自衛隊のC-130輸送機を隣国のタイに進出させた。翌1998(平成10)年4月のインドネシア暴動では、同6機をシンガポールに待機させた。この時の暴動のターゲットは華僑であり、幸いにも邦人が襲われることはなかった。

 しかし、こんな事態でも、当時の民主党幹事長代理・鳩山由紀夫は「民間機での対処が可能だ」と批判し、なおかつ邦人輸送のための艦船派遣を禁じていた自衛隊法の改正に釘を刺した。[f]

 一昨年2013(平成年1月16日にアルジェリア東南部で起きたイスラム武装勢力では人質に取られた日本人10名が犠牲となったが、対応にあたった外務大臣政務官・城内実衆議院議員は、自衛隊法の縛りで国外での自動車の使用すらできないことに歯噛みをしたそうだ。

 この点は、同年の臨時国会において、航空機と船舶に加えて、車両も使えるようになり、ようやく空港や港湾から離れた地点でも自衛隊が救出にいけるようになった。これも通常国会で提出されていた改正案が、野党の国会対策で先送りにされていたものだ。

 しかし、いまだに携行武器が拳銃や小銃に限定されているため、ショットガンやマシンガン程度で軽武装した中国の武装警察が襲ってきたら、たちまち、やられてしまう可能性が高い。

■8.「長尾さんには民主党は似合いません」

 このように「冷酷なハト派」民主党はチベット人弾圧にも海外邦人救出にも関心を示さない。そのために奔走する人々の足を引っ張りさえもする。長尾議員はこう述べる。

【ダライ・ラマ法王後援会では光栄にも司会を仰せつかりましたが、「あらゆる面で中国に配慮する」と政府方針を崩さなかった民主党内において、その後、私はますます居所を失っていくことになり、11月16日の離党に至るのです。】

 離党後、長尾氏は平成24(2012)年12月の選挙に落選、しかし、安倍晋三・自民党総裁から「長尾さんには民主党は似合いません」と言われて自民党に入り、昨平成26(2014)年12月の総選挙で衆議院議員に返り咲いた。

 チベットでの弾圧に反対することと、中国在留邦人の救出を考えるということの根は同じである。政治が人間の幸福を追求する営みであるとしたら、現代社会においてはチベット弾圧を非難し、一朝事ある時の在留邦人の救出を考えるのが、真の政治家だろう。

 チベット人弾圧や在留邦人救出よりも「中国への配慮」を優先する民主党には、真の政治家が似合わないのは当然である。