2/15 伊勢雅臣氏メルマガ『人権よりも中国への配慮を優先する「冷酷なハト派」』記事について

昨日に続き、中国の少数民族問題です。やはりモンゴル人だけでなくチベット人も弾圧・虐殺しております。前にもブログで書きましたが、旅行で拉薩(ラサ)のデポン寺でチベット僧が掃き掃除をしていた時に、漢人通訳に掃き捨てる素振りをしていたのを思い出します。それだけチベット人は漢人に対し憎悪、怨恨を持っているのだろうと思います。中国が大戦後の隙をついてチベット人の土地を奪ったのです。今やっと日本人は中国のつく嘘に気が付くようになりました。気づいていないのは朝日に代表される日本のマスメデイアだけでしょう。

外務省も相変わらずヘタレな様子。税金の無駄使いですね。それと輿石に代表される民主党です。こんな政党に議席を与えるから日本がおかしくなります。日本人のための政治でなく、共産党が牛耳る中国のための政治をしています。選挙の時はよくよく相手を選んで投票しましょう。国民主権と言うのは、代議士に政治を委託しますが彼らを選ぶことにより、最終的に国民が責任を負うシステムです。外国に利益を与えるような政治家を選ぶと巡り巡って国民に皺寄せが来る、というか植民地にされかねません。

中国の在留邦人の命は危ないとずっと主張してきました。企業の経営者も自分の身でないからというのでなく、自分が中国にいる前提で考えないと。通州事件の再来となります。日本人は帰して現地化を進めるべきです。

記事

■1.ダライ・ラマ法王の国会議員会館での講演

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王が、つい3年前に日本で講演した事をご存じの読者はどれほど、いるだろうか? ダライ・ラマは中国に侵略されたチベットの解放を目指して平和的な活動を続けており、1989年にはノーベル平和賞を受賞している。

 法王の講演は、平成24年11月13日、衆議院第一議員会館の国際会議場で行われ、実に196名の国会議員が聴講した。当日はテレビカメラが20台ほど設置され、マスコミ席は満員だった。アメリカやヨーロッパなら、ゴールデン・タイムのテレビ・ニュースで報道されたり、新聞の一面トップを飾ってもおかしくない。

 ところが当時の朝日新聞の報道を調べると、事前の11月5日付け夕刊1件(264字)と、当日夕刊1件(344字と写真)のみだ。両方とも夕刊2面の小記事で、ほとんどの人は見逃していまうだろう。多くの人が知らないのも当然だ。

 事前の1件はわずか264字の小記事なのに「今回の講演は中国政府を刺激する可能性がある」と懸念を述べる。当日の記事も講演内容についての紹介は、以下の1文のみだ。

【ダライ・ラマは「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」と指摘。チベット族の相次ぐ焼身自殺について「地方から中央に報告されていない」と語った。】

 そして、この短い記事の中でも「日本政府はチベットの帰属は『中国の内政問題』とし、来日中のダライ・ラマについては『政治活動をしなければ問題ない』(外務省幹部)としている」と、中国のご機嫌を損ねることを恐れるかのような注意書きがある。

■2.チベット人への弾圧の実態

 チベットがいかに中国に侵略されたかは、弊誌123号、124号「チベット・ホロコースト50年 上・下」で紹介したが、最近の状況を見ておこう。

 まずは論より証拠、以下のリンクに掲載された写真を見て欲しい。大勢のチベット人が「国家分裂」「国家機関襲撃」などの罪名を書いたプラカードを首から吊され、中国の武装警官隊の監視のもとで、引き立てられたり、トラックの荷台で運ばれたり、広場で坐らされたりしている。

http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51716984.html

 チベット解放を訴えるウエブサイト「Free Tibet」では、次のようなデータが示されている。

http://freetibet.org/about/facts-about-tibet

・1950年の侵略以来、100万人のチベット人が殺害された。

・99%のチベット僧院が閉鎖された。

・大量の中国人をチベットに移住させ、すでにチベット人は人口1/3の少数民族になっている。

・チベット国旗の掲揚、海外へのメール送信、「人権」を口にすると、拷問を受ける。

 朝日新聞は、1959年に中国が数万人規模の兵力を投入して弾圧したラサ動乱に対しても「チベット暴動説は疑問 亡命者の政治宣伝か」と疑い、隠しようがなくなると「狂信的なカンパ族の仕業」などと人民日報顔負けのプロパガンダを流した前科がある。

 その頃と比べれば、ダライ・ラマ法王の発言とは言え「人権侵害、弾圧、焼身自殺」にまで言及したのは、報道機関として飛躍的進歩だが、チベットの実態はこの一言で済ませられるような、生やさしいものではない。

■3.「ダライと接触することに反対する」

 ダライ・ラマの講演会開催のニュースは、案の上、中国のご機嫌を損ねた。この講演会の実現に奔走していた長尾敬衆議院議員ほかに、中国の程永華・駐日大使からの文書が届いた。それには次のような文面があった。

【チベット問題は中国の核心的利益にかかわるものである。中国政府は民族の分裂に断固反対し、いかなる形、名目でもダライおよびロブンサン・センゲ(JOG注: 後述)による国際的活動に断固反対し、いかなる国の政府関係者も、いかなる形、名目でも、ダライと接触することに反対する。われわれは国会議員の皆さんがダライとロブサン・センゲの中国分裂を図る反中国の本質をはっきり見抜き、『チベット独立』勢力を支持せず、舞台を提供せず、いかなら形でも接触しないことを希望する。】

ダライ・ラマ法王の「チベット文化を保っても独立する危険性はないのに、中国共産党は人権侵害、弾圧をしている」という冷静穏当な文言に比べれば、「ダライ」と犯罪者のように呼び捨てにする居丈高な言いようは、まるで脅迫文のようだ。

 長尾議員は、当時所属していた民主党執行部関係者に「内政干渉ですよね」と問いかけたが、「変なことをするからだ」と相手にしてもらえなかった。しかし「こんなことで、いちいちビビっているわけにはいきません」と、長尾議員は有志とともに呈大使に抗議文を送付した。

■4.「このイベントの詳細を教えてくれ」

 前節の引用にあった「ロブソン・センゲ」とは、チベット亡命政権の首相で、氏もまた長尾敬議員の奔走で、半年ほど前の4月4日に同じく議員会館の国際会議場で講演をした。こちらには96名の国会議員が参加した。

 この時も中国から陰険な横やりが入った。まず中国関係筋から、議員会館内の会議室使用について問合せがあった。会館の総務面の責任者、小平忠正衆議院議員は「議員会館内の会議室の使用について中国大使にあれこれいわれる筋合いはない」と突っぱねた。

 見識ある物言いだが、こんな形で言いがかりをつける中国側の国際常識のなさにも驚かされる。宗主国が属国の内政にあれこれ口を挟む、という中華意識丸出しである。

 またある民主党議員から「このイベント(センゲ首相講演会)の詳細を教えてくれ」と長尾議員に問合せがあった。長尾議員は、てっきり講演会に興味を持ってくれたと思い込み、「ご参加いただけますか」と訊ねた。

 しかしその議員は固い態度のまま、「いや、主催は誰だ? 世話人はこれだけか? 議運(議院運営委員会)の許可は取ったのか?」と、取り調べのように質問してくる。

 この議員は当時の輿石東(こしいし・あずま)民主党幹事長に近い筋だった。輿石氏が山梨県教職員組合で、まるで北朝鮮のような全体主義的動員体制を作って票を集めてきた様子は[d]でも紹介したが、センゲ首相の講演会をなんとか潰そうと、中国から輿石幹事長経由で干渉が入ったに違いない。

■5.中国から逃げ出す政府高官たち

 しかし、「驕(おご)れる者久しからず」という言葉通り、中国の最盛期は過ぎつつある。チベットやウイグルでの独立闘争、共産党政府の暴政、収賄、環境破壊に怒る中国人自身の暴動、長年の一人っ子政策による労働人口の頭打ちと賃金高騰、外国企業の撤退、、、。

 長尾議員は「中国が国としてもどうにもならない状態になっていることに気づいている中国人は決して少なくありません」と言う。

 実際に共産党幹部の海外逃亡が続いている。政府系シンクタンク、中国社会科学院の調べによると、1990年代半ば以降、海外に逃亡した公務員、国有企業の幹部は1万6千人、彼らが持ち出した金額は8千億元(12兆8千万円)を上回ると推定されている。

 これらの多くは、汚職を摘発されて逃亡した官僚などだが、汚職の摘発自体が中国政府内部の権力闘争である。習近平派は今は権力を握っているから摘発側に回っているが、政権を失えばたちまち摘発される側となる。

 したがって、政府高官たちは、いつでも高飛びができるように、海外に資産を隠し、子供たちを海外に留学させている。

 各国要人や富豪の海外隠し財産を追求している国際調査ジャーナリスト連合(ICIJ)は2014年1月に、次のような発表をした。

【タックスヘブンとして知られる英領バージン諸島にある銀行口座のリストを入手した。2万以上の顧客が掲載されているが、そのなかには、中国要人と企業経営者が多数含まれている。海外に隠匿された資金の総額は不明だが、1兆ドルから4兆ドル(約416兆円)に上る可能性がある。】

■6.在留邦人13万人をいかに救出するか

 いずれにせよ、政府高官の多くが沈み行く船から逃げ出す準備をしている。それに比べて、中国に滞在している邦人13万人、進出している日本企業3万社はどうか。

 中国では環境破壊や汚職に怒って、年間20万件近い暴動が起きていると言われている。これを押さえつけているのが、全国で150万人にのぼる人民武装警察である。こうした治安維持にあたる警察関連の予算は1110億ドル(約13兆円)に達し、公称国防費1060億ドルを超えている。[4]

 2012(平成24)年の尖閣諸島国有化に端を発した反日暴動で、日本国民は中国の恐ろしさを知ったが、あれはまだ共産党政府が裏で糸を引いていたため、物的損害だけで済んだ。しかし、中国政府が抑えられなくなった時、暴徒と化した民衆が日本企業、日本人を襲うだろう。

 そして派閥闘争が発展して軍隊や警察どうしが戦う内戦状態が起こるだろう。内戦時に、相手側に国際的な非難を浴びせるために、さも相手側の犯行であるように装って外国人を残虐に殺害するというのは、清朝、国民党、共産党と歴代の中国政府がやってきた事だ。[e]

 こうした有事の際に、日本政府は邦人13万人をどう救出するのか。長尾議員は次のような机上計算をしている。

 まず海上自衛隊、航空自衛隊の輸送機、輸送艦船から、「C1輸送機 収容人数60人x25機配備=1500人」「おおすみ方輸送艦 収容人数1000人x3隻配備=3000人」等々を合計すると、1回あたり7869人を運べる。これを16往復すれば、13万人の救出が可能になると計算できる。

「どうか笑わないでいただきたいと思います。実際には、このような仮設さえ一度も行われていないのですから」と長尾議員は実態を暴露する。

■7.邦人救出を妨げる法の縛り

 過去、我が国は何度も海外在留邦人救出の瀬戸際に立った。

 1997(平成9)年、カンボジアで内戦が起こったときに、当時の橋本首相は万一の際の邦人救出のために、航空自衛隊のC-130輸送機を隣国のタイに進出させた。翌1998(平成10)年4月のインドネシア暴動では、同6機をシンガポールに待機させた。この時の暴動のターゲットは華僑であり、幸いにも邦人が襲われることはなかった。

 しかし、こんな事態でも、当時の民主党幹事長代理・鳩山由紀夫は「民間機での対処が可能だ」と批判し、なおかつ邦人輸送のための艦船派遣を禁じていた自衛隊法の改正に釘を刺した。[f]

 一昨年2013(平成年1月16日にアルジェリア東南部で起きたイスラム武装勢力では人質に取られた日本人10名が犠牲となったが、対応にあたった外務大臣政務官・城内実衆議院議員は、自衛隊法の縛りで国外での自動車の使用すらできないことに歯噛みをしたそうだ。

 この点は、同年の臨時国会において、航空機と船舶に加えて、車両も使えるようになり、ようやく空港や港湾から離れた地点でも自衛隊が救出にいけるようになった。これも通常国会で提出されていた改正案が、野党の国会対策で先送りにされていたものだ。

 しかし、いまだに携行武器が拳銃や小銃に限定されているため、ショットガンやマシンガン程度で軽武装した中国の武装警察が襲ってきたら、たちまち、やられてしまう可能性が高い。

■8.「長尾さんには民主党は似合いません」

 このように「冷酷なハト派」民主党はチベット人弾圧にも海外邦人救出にも関心を示さない。そのために奔走する人々の足を引っ張りさえもする。長尾議員はこう述べる。

【ダライ・ラマ法王後援会では光栄にも司会を仰せつかりましたが、「あらゆる面で中国に配慮する」と政府方針を崩さなかった民主党内において、その後、私はますます居所を失っていくことになり、11月16日の離党に至るのです。】

 離党後、長尾氏は平成24(2012)年12月の選挙に落選、しかし、安倍晋三・自民党総裁から「長尾さんには民主党は似合いません」と言われて自民党に入り、昨平成26(2014)年12月の総選挙で衆議院議員に返り咲いた。

 チベットでの弾圧に反対することと、中国在留邦人の救出を考えるということの根は同じである。政治が人間の幸福を追求する営みであるとしたら、現代社会においてはチベット弾圧を非難し、一朝事ある時の在留邦人の救出を考えるのが、真の政治家だろう。

 チベット人弾圧や在留邦人救出よりも「中国への配慮」を優先する民主党には、真の政治家が似合わないのは当然である。

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