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7/15日経ビジネスオンライン 奥山真司『日本が関わる戦争は将来100%起こる 日本の外交政策:地政学が示す3つの選択肢』について

何ともショッキングな題でしょう。日本が望まなくとも戦争が起きるということです。勿論、第2のオプションである中国の属国になれば別と思うかも知れませんが、米国は裏切ったと感じ、米国が攻めてこないとも限りません。昨日のブログのテーマで明らかなように中国は世界で最大の人権抑圧国家です。というか人権何ていう概念はハナから持ち合わせていない国です。米国を取るか中国を取るか究極の選択を迫られれば、どちらを取るか言わずもがなでしょう。

理想は第3のオプションですが、言うは易く行うは難しです。というか、米国一国ですら安全保障について防備できない(中国潜水艦が米国西岸に潜む可能性もある)時代に来ています。多国間で防衛する時代です。国益の合う国同士が手を結んで戦争を防ぐという事です。国益の判断の要素として「自由、民主主義、基本的人権、法治」といった価値観を共有できる国々と手を結ぶという事です。中国はこの4つ全部ありませんし、韓国も法治国家でないので手を結ぶのは難しいです。

集団的自衛権の話は、お互いに防衛できるところは協力しようというものです。自分だけは守ってもらいたいけど、相手を守るのは嫌というのは臆病者のやることです。集団的自衛権は国連憲章で定められている権利でそもそも「保持しているが行使できない」という論理がおかしいです。

そもそも憲法九条二項は米国が日本無力化を狙って強制的に(これこそforcedではないですか)入れたもので、憲法を議論するのであればその出自も議論しないと。「戦争ができる国」にするというのはおかしな議論で、世界で戦争をしないと明言している国はありません。正当防衛の一種でしょう。戦わねば隷従しか方法がなくなります。それこそ日本を形造ってきました先祖に申し訳ないと思わないのですかね。歴史を鑑にしたら良く分かると思うのですが。

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いよいよ本連載も今回で最後になる。日本を取り巻く安全保障環境を地理的な面から地政学的に考えてみたい。

 日本は地政学的に見てどのような位置づけにあるのか――いま一つ分かりづらいと感じている方がいるかもしれない。

 その理由は大きくわけて2つある。一つは地政学、とりわけ古典地政学で使われる「シーパワー」や「ランドパワー」の概念が、現代のわれわれにとって縁遠いものになってしまっているからだ。戦後の特殊な安全保障環境の中で、日本のメディアや教育界が軍事や戦略に関する議論そのものを忌避してきたことが背景にある。

 もう一つは、地政学的なものの見方に、われわれ日本人がいまひとつ慣れていない点にある。地政学的なものの見方は極めて特殊なものだ。とりわけ、帝国主義を源流とする「上から目線」の、スケールの大きいとらえ方に違和感を覚える方がいるだろう。

 ところが、現代のようにグローバル化が進むと、日本は以前よりも大きな視点から対外政策を決定する必要に迫られる。この際の一つのツールになるのが、本連載で紹介してきた地政学なのだ。

 では地政学的な見方をした場合、日本はどのような状況に置かれており、今後どのような対外政策をとっていくべきなのだろうか?

日本は「シーパワー国家」か?

 日本について書かれている地政学本を読むと、「日本はシーパワーを基礎とした海洋国家であり…」という決まり文句で紹介されている。たいていの場合、全く疑いのない前提としてこう書かれる。

 ところが、シーパワー論の聖書である『海上権力史論』の序章でマハンは、ある国が海洋国家・シーパワー国家であるかどうかを判断する基準として、(1)地理的位置、(2)海岸線の形態、(3)領土範囲、(4)人口、(5)国民性、(6)政府の性格という6つの要素を挙げている。

 実際にこの基準を日本に当てはめると、(1)から(4)までの純粋に地理的な部分は確かに「シーパワー」として該当する。しかし、(5)国民性と(6)政府の性格については、日本が「海洋国家」に当てはまるか、疑問符がつく。

 日本のシーパワーの伝統を研究した代表的な論文に、「日本のシーパワー:海洋国家のアイデンティティの悩み」がある。立川京一氏と佐島直子氏が書いたもので、オーストラリア海軍のウェブサイトに掲載されている。ここでは、日本のシーパワーの伝統が、歴史上何度か断絶したことが正確に指摘されている。これを読むと日本が「伝統的な海洋・シーパワー国家」とは言い切れないことが分かる。

 日本の歴史を振り返ると、「シーパワー的な勢力」が確かに存在していた。倭寇や村上水軍はその代表だ。明治から昭和にかけての帝国海軍は、世界トップクラスの海軍力を誇っていた。

 けれどもマハンが示した基準の(5)国民性と(6)政府の性格を考える時、「国家・国民が海軍力を積極的に活用してきた」とは言い切れないのではないか。

 これは戦後になってからも同様だ。確かに戦艦大和の伝統を生かして巨大なタンカーをつくった造船業の強さは「シーパワー神話」になっている。だが、たとえばシーパワー国家の代表格である英国のように、海軍力と海運を「積極的かつ主体的に活用してきた」かと言うと、やはり怪しい。

「シーパワーシステムの一員としての国家」

 ここで重要なことが一つある。それは、現在の国際貿易の世界が、シーパワーをベースとした「システム」から出来上がっている事実だ。

 その分かりやすい例が「グローバル海洋パートナーシップ」というコンセプトだ。米軍の制服トップのマイケル・マレン元統合参謀本部議長が2006年頃から提唱し始めたものだ。簡単に言えば、「世界の海洋システムは、それを使う国々によって維持・管理されるべきだ」ということになる。その究極の前提としてあるのは「そのシステムの土台を支えているのは米海軍だ」という考え方だ。

 実はこれと同じことをマハンも言っていた。もちろん当時の(そして今でも)シーパワーというコンセプトは純粋な「海軍力」を示す。だが、マハンは他の場所で、シーパワーを「一国の海軍力をベースにした、貿易・商業活動を含めた海洋国家としてのグローバルなシステムである」とほのめかしている。

 要するに「シーパワー」は単なる「海軍力」だけでなく、それを積極的に活用したり、さらには巨大な貿易体制を構築したりする「海洋国家」としての性格を指すと言える。この意味で考えると、日本は伝統的な「シーパワー国家」ではないかもしれない。

 ただし(特に戦後の)日本は、米国が敷いた「システム」にうまく乗ることによって発展してきた「シーパワーシステムを構成する一つの国家である」とは言えるだろう。米国のシーパワーのシステムに乗っている」という留保付きではあるが、やはり日本は「シーパワー」国家なのだ。

日本の地理から考える地政学

 ではその日本の「シーパワー」の「シー」の部分はどのような状況になっているのだろうか?

 日本は太平洋の西端、そしてユーラシア大陸の東端(極東)の海に浮かぶ島国だ。人口は減少傾向ではあるが、現在1億2000万人で世界第10位。国土は38万平方キロ。世界で第61位と比較的小さいが、排他的経済水域(EEZ)を含めると447万平方キロとなる。南北は沖ノ鳥島から稚内まで、東西は南鳥島から与那国島まで、なんと世界で第6位の広さを誇る。

 この日本を含むアジアに、世界経済の中心が移りつつある。欧州から米国、そして米国からアジアへと西進してきている。

 この動きについては、マハンがすでに1900年頃から説いていた。興味深いのは、このことが経済データによって本格的に裏付けされたのが、ここ最近であることだ。米国は「政治的なアジアシフト」を長年標榜しながらも、欧州諸国との貿易額の方がアジア諸国との貿易額よりも20世紀を通じて高かった。ところが2003年を境にそれが逆転し、対アジアが対欧州を上回った。それ以降もこの傾向はまったく変わっておらず、現在はその差がますます広がっている。

アジアの端でランドパワーの脅威を阻止

 このアジアにおいて日本は少なくとも戦後70年の間、世界のシーパワーシステムに脅威を及ぼしそうなランドパワー国家の海洋進出を阻止できる位置にあった。

 冷戦時にはソ連と対峙した。ソ連は世界最大の国土面積を誇っていたにもかかわらず、年間を通じて使用できる不凍港は日本海に面したウラジオストック港のみだった。ソ連がここに配備していた太平洋艦隊は、日本の周辺にある「チョークポイント」、つまり宗谷、対馬、津軽の「3海峡」のいずれかを通過しないと外洋に出ることができない。つまり、日本がこれらの海峡を監視していれば、彼らの動きを把握できたのだ。

 冷戦後も、「シーパワーシステムの維持に貢献できる」という日本の地理的状況は変わらない。中国の人民解放軍がここ数十年、驚異的なスピードで軍拡を続けている。この海軍が外洋に出るためには、中国の海岸線の3分の2にわたって覆いかぶさっている日本の周辺のチョークポイント(たとえば宮古海峡)や、その近く(フィリピンと台湾の間のバシー海峡など)を通過せざるを得ない。

つまり日本の地理そのものは変わらないのだが、その意味合いは変わってきている。とくに冷戦中から冷戦後にかけて、その重点が北海道周辺の海から沖縄周辺の南西諸島近海にシフトしている。

 もちろん「北極海航路の開拓が起こす、世界規模の地殻変動」の回で書いたように、北極海ルートが本格的に始動すれば、その重点はまた変わるかもしれない。しかしシーパワーシステムの維持に貢献できる日本の地理的な位置は、今のところそのまま変わらずに残っている。

日本の外交政策:地政学が示す3つの選択肢

 これらの地政学的状況から考えられる、日本の対外政策の選択肢はどのようなものになるだろうか? 筆者は日本には以下の3つの選択肢しかないと確信している。

 第1の選択肢は、米国が主導するシーパワーシステムを支える「シーパワー国家」であり続けることだ。これまで70年間、日本が歩んできた道である。これは現在の日本にとって非常に楽な選択肢だと言える。戦後の日本の民主制や資本主義体制は、基本的に米国のリーダーシップに追従する形でできている。

 民主党政権時代に、一時的に中国側にすりよった時期があった。しかし、筆者は野田政権が環太平洋経済連携協定(TPP)の協議への参加を公式に表明したことで、日本はシーパワー体制の下で生きていく選択を再確認したとのだと評価している。

 現在の安倍政権はこの傾向をますます強めている。たとえば安倍首相が政権に就く直前に発表した英語の論文、「安全保障ダイアモンド」構想は、日米豪印で中国の海洋進出を牽制する考えを述べている。日本の新たなシーパワー宣言であると言える。

中国の“冊封体制”に入る

 第2の選択肢は、日本がランドパワーとなる道を選択し、米国を日本から追い出し、中国の冊封体制に入るというものだ。キツい言い方をすれば、中国の属国になる選択と言っていい。

 これは、日本にとっては選びづらい選択肢だ。日本は民主主義体制をまがりなりにも成功させている。感情的にも壁があるだろう。ただし、米国の力が相対的に落ちることで世界が多極化した。この中で中国の国力が増大すると、日本は経済的にも安全保障的にも中国との関係をさらに強化しなければならないかもしれない。

 韓国の学者や日本の実務家の一部には、次の見方をする人がいる――「中国が東アジアで覇権を確立すれば、冊封体制が復活する。それに組み込まれてもそれほど恐れることはない」。非現実的かもしれないが、こうした選択肢が存在する事実を我々は念頭におくべきであろう。

独立独歩の道

 第3の選択肢は、日本が「大国」の地位を復活させて、どこにも属さずに非同盟の状態を目指すものだ。

 これを実行するためには核武装を視野に入れる必要がある。ただし、これは現在の日本にとって現実的な選択肢とはなりえない。まず、戦前の「大東亜共栄圏」で失敗したトラウマがある。NPT(核不拡散条約)体制から脱退し、日本から米軍を撤退させる必要も出てくる。このため、一時的にせよ日本を巡って国際関係が大混乱に陥る可能性が大きい。

 この3番目の選択肢が究極的な理想かもしれない。ただし、シーパワーシステムによってここまで世界経済がグローバル化した現状において、この選択肢を選ぶ合理性が果たしてあるのかを問う必要がある。

 日本が第3の選択肢を選んだ結果として、たとえば北朝鮮のように「核武装をしたが餓死者が大量に出るような状態」になってしまえば、合理的な理由は存在しない。

日本の将来

 さて、最後のまとめとして、日本が将来直面する可能性のある地政学的な状況を考えてみたい。これには悲観的な見通しと楽観的な見通しがある。

 まずは悲観的な見通し。本稿をお読みの方々にぜひ覚えておいていただきたいことは、日本が関与する戦争が将来100%の確率で起こるということだ。

 戦後70年の微妙な今の時期に、このようなことを明言するのは実に心苦しい。だが、それでも現在までの人類の歴史を見てみると、日本が将来どこかの時点で戦争に巻き込まれるのは明らかだ。我々は戦争を防ぐ術をまだ確立していないからである。

 国際政治学(正式には国際関係論)が学問として始まったそもそものきっかけは、第一次世界大戦後に起こった「そもそも戦争の原因は何なのか」「悲惨な戦争をどう防ぐべきか」という問いかけにあったことは、この分野を知る人々の間では常識である。ところが現在に至っても満足のいく学問的な答えは出ていない。

 私見であるが、この分野で最も深い考察をしたのは、おそらくヒデミ・スガナミという日本出身の英国の学者であろう。スガナミは1996年に書いた『戦争原因論』(On the Causes of War)の中で、「科学的に見て、戦争の原因に関する統一見解は存在しない」と結論づけている。戦争の専門家にもその原因は不明なのだ。つまり「人類は戦争の勃発を防ぐ方法をまだ発明していない」のである。

 また、ここで強調しておきたいのは、「平和が戦争の原因になる」ことだ。なんとも矛盾した考えに聞こえるかもしれないが、平和な状態は経済発展を促すため、それが国力のバランスを崩し、戦争につながると見ることができる。

 たとえばロバート・カプランという米国の世界的なジャーナリストが「資本主義による経済発展は軍備増強につながる…厳しい話だが、これは現実だ」と書いていることは特筆に値する。現在の中国の軍備増強を考えても、平和な国際環境が軍備増強を促しているように見える。なんとも皮肉な話だ。

 さらに言えば、戦争は平和を実現するために行われる。戦略的な観点から考えれば、国家が戦争をするのは、相手の国家を打倒し、その後にやってくる(自分に都合のよい条件の)平和を実現するためである。

 古典地政学を理解する際、戦争と平和の間にあるこのような相互作用を知見としてもっておくことが極めて重要になる。平和は、戦争を想定しなければ守れないからだ。

制海・制空権さえ維持すれば日本の安全は続く

 次に、楽観的な見通しを述べる。

 日本は海に囲まれている。このことは世界的にみて国土を安全に保ちやすい状態にあることを意味する。日本のような島国にとって最大の脅威は、もちろん他国から上陸侵攻されることだ。だが、歴史的に見て上陸作戦は成功させるのが非常に難しい。

 近代に入ってからのいくつかの例を見ると、成功したのは上陸する側が空を自由に使える状態、つまり「制空権」を圧倒的に確保していた場合のみである。制空権を日本が手放さない限り、上陸による侵攻は比較的防ぎやすいと言える。

 結果として、海(と空)の安全、そしてそれを活用したシーパワーシステムによる海上貿易体制が日本に不利にならない限り、一時的な問題は出るにせよ、日本の将来は基本的に明るいと言えるだろう。

 そういう意味で、やはり日本は「シーパワー国家」なのだ。

7/15日経ビジネスオンライン 福島香織『暗黒の金曜日は赤いファシズムの始まりか 「弁護士狩り」の絶望を民主化への胎動に変えよ』について

人権抑圧国家・中国の面目躍如たるものがあります。こういう国が言うことを信じる人は、どういう精神構造をしているのでしょう。「慰安婦」「南京虐殺」を今でも信じられますか。共産党・政府の都合の良いように法律を変え、正義を実現しようとする人を弾圧します。日本でも左翼政党に政権を渡せばそうなります。民主党政権で学習はしたでしょうけど。

南シナ海、東シナ海で彼らの取っている行動も、法律を勝手に作ったり、解釈したりして自己中な行動を取ります。また内蒙古、チベット、ウイグル(タイに圧力をかけてウイグル族100人を強制送還させました。新国家安全法違反で死刑になるかも知れません。国際社会はもっと中国を糾弾すべき)の弾圧も半端ではありません。

習近平のやり方は金正恩に似てきました。金は自分に逆らった玄永哲前人民武力相を銃殺したとのこと。政敵を倒すのに腐敗を理由に逮捕・拘留するのと直接死刑にするのとの違いですが、両方のトップとも腐敗しているのは間違いありません。中華と小中華というのは「賄賂社会」です。「清官三代」と言われるくらいですから。

香港に新国家安全法を適用させるのも時間の問題でしょう。香港の後背地の深圳が充分香港の代わりをしますので。香港経由で外国からの投資を呼びかけるより大陸に直接投資させるようにしてきましたので。李嘉誠も英国に逃げるかも知れません。

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「きょうは暗黒の金曜日です」。7月10日、中国内外のネット上に、こんなフレーズが駆け抜けた。中国株の大暴落のことではない。この日、中国で改革開放後、最大級の「弁護士狩り」が始まったからだ。中国は7月1日に新国家安全法案を可決し即日施行しているが、国家の安全を「国内外の脅威」から守るためなら、どんな無茶ぶりも容認するといわんばかりのこの法律は、これまでの法治の概念を覆すものとして、中国の心ある法律家や弁護士は懸念を示していた。今回の「弁護士狩り」は、こうした懸念が具体化したものと言える。新国家安全法、株式市場の仮死状態、法曹界に広がる粛正と続いている暗黒の7月。それは赤いファシズムの幕開けなのか。それとも。

人権擁護活動の拠点をターゲットに

 香港のラジオ局、ラジオフリーアジア(RFA)の報道などによると、10日の金曜日、多くの弁護士、人権活動家の家が家宅捜査され、また多くが行動の自由を制限され、そして多くが外界との連絡を断ち切られた。11日までに連絡が取れなくなったのは17人、うち10人が弁護士だ。5月末に政権扇動転覆容疑で逮捕された福建省の人権活動家・呉淦(ハンドルネーム「屠夫」として、ネット上で人権問題を発信していたとされる)の弁護にあたっていた弁護士や、香港の雨傘運動(革命)を支持していた弁護士らが含まれていた。

 香港愛国民主運動連合会によると12日夕までに警察当局に87人が連行され、うち7人が逮捕あるいは在宅監視、26人が連行されたまま消息不明、そのほかの54人が釈放されたという。

 一番のターゲットになったのは北京鋒鋭弁護士事務所。中国の有名な人権弁護士が所属する事務所で、中国の人権擁護活動の拠点の一つとも言われている。

 この事務所に所属する女性弁護士で、人権活動家・呉淦の弁護を担当していた王宇は木曜から夫と息子らともども連絡が取れなくなった。また同事務所の主任弁護士・周世鋒も金曜早朝、ホテルにいたところを連行されたという。周世鋒は去年、香港雨傘運動を支援して拘束されていた中国人記者助手の張淼の弁護を担当していた。張淼は木曜に釈放されたが、その後に連行されたという。鋒鋭事務所に所属する弁護士たちも一様に電話で連絡がとれなくなっていた。その後、周世鋒が連行されたと最初に情報発信した人権弁護士、劉暁原も携帯電話に出なくなった。

鋒鋭事務所は警察のガサ入れにあった。この時、事務所を訪れていた人権弁護士、張維玉も約4時間拘束された。張維玉は「午後1時頃、突然警察がやって来て、私の携帯電話などを調べた。5時半まで取り調べが続いた。鋭鋒の弁護士たちの何人かは釈放されて、この場所を離れている」とRFAに語っていた。

 また李金星、李和平、江天勇といった著名人権弁護士が連絡の取れない状況という。このほか、法律相談NGOのボランティアや、民間の人権活動家も行方が分からなくなっている。

 これを受けて、7月12日、新華社、人民日報、CCTVなど中国中央メディアは「”維権(人権擁護)”事件の黒幕、鋒鋭事務所を摘発」と一斉に報道。ほとんどの中国メディアがこれに準じた報道を展開した。

 その内容は、実に恐ろしいものである。

「社会秩序擾乱を推進した大犯罪集団を壊滅」

 「目下、中国公安部の指揮により、北京はじめ各地公安機関は集中摘発行動を展開し、北京鋒鋭弁護士事務所を拠点に、2012年7月以降、中国社会で起きた40以上の(政治的)敏感事件、社会秩序を深刻に擾乱する重大犯罪を組織、画策、扇動した大犯罪集団を壊滅させた。”人権擁護”弁護士の立場でもって、”陳情者”が相互に連携して組織化するのを推進し、人数を集めて、細かい役割を振り分けてきた犯罪集団の全容がこれにより浮かび上がってきた。

 例えば今年5月の黒竜江省で発生した”慶安事件”。警察は合法的に発砲したのだが、これがなぜ”陳情者殺害事件”と扇情的に伝えられてしまったのか?(この事件がらみで社会秩序擾乱容疑で逮捕された)翟岩民、呉淦、劉星ら、”人権活動家”の仕業である」

 慶安事件について少し説明しておこう。2015年5月2日に、黒竜江省の慶安鉄道駅待合室で、陳情(地元政府の横暴を改善してもらうために上級政府に訴えること)のために列車に乗ろうとした男性(45)が、警官に乗車を妨害されたため、その警官の銃を奪ったので、警官に射殺された事件である。男性が、単なる「狼藉者」として、警官の発砲を正当化されそうになったところ、人権活動家の呉淦らが人権問題として再調査を訴え、人権弁護士らも調査に乗り出し、陳情者の人権問題としての関心を集めて世論も喚起された。だが公安警察は翟岩民らを「各地の陳情者に報酬を出して抗議活動を組織した」として社会秩序擾乱(じょうらん)罪で逮捕していた。

 公安サイドに言わせれば、こうした人権活動の名の下に行われる社会秩序の擾乱が、全国で急速に増えており、その黒幕の一つが鋒鋭事務所だというのだ。

報道ではこう主張している。「普通の事件を政治的敏感事件に扇動し、真相を知らない群衆やネットユーザーの政府への不満を焚き付けるのが鋒鋭の一貫したやり口だ。鋒鋭に所属する弁護士・黄力群はこう供述している。『(事務所主任弁護士の)周世鋒は自分のことを法曹界の宋江(北宋末の農民蜂起の指導者、水滸伝の主人公モデル)だと言っている。…違法な手段で事件を大きくする、法律を守らない食い詰めた弁護士を集めて、担当事件を大きく扇動していた』…目下、周世鋒、劉四新、黄力軍、王宇、王全璋、包龍軍など多くの容疑者が法に従って刑事拘留されている。彼らは他の重大違法犯罪に関わっている可能性もあり、さらに捜査を進めている」

習近平政権は人権擁護を重大犯罪と位置づけた

 これがどういうことか。習近平政権は、人権擁護活動を公式に違法だと、政権に刃向かう重大犯罪だと位置づけたのである。

 中国の人権問題は今なお深刻である。2011年の段階で年間23万件あった群集性事件、つまり暴動やデモ・抗議活動はその後も増えており、その多くが、自分たちの権利を不条理に踏みにじられたと感じる人々の不満の発露としての行動である。不完全な法治の下で、不条理な暴力に抵抗する最後の手法はやはり、暴力になってしまうのだ。

 中国では、あまり機能しない司法のかわりに、中国共産党の上層部門に直接問題を訴える陳情という独特の問題解決手段が残されている。だが、慶安事件のように、その陳情の権利すら、踏みにじられることが多い。人権活動家や人権弁護士たちの役目は、その庶民が受ける不条理な暴力や踏みにじられた権利を、ネットや国内外メディアを通じて広く社会に知らしめることで世論を喚起し、事実を党中央、中央政府の耳に届け、善処してもらおうということである。

 暴力に暴力で刃向かうしかなかった人々に、世論に訴える方法で、自分たちの窮状を中央政府に認識してもらい、中央政府に助けを求める手法を教える人権弁護士たちが、どうして政権転覆扇動や秩序擾乱に問われるのか。むしろ、社会を不安定化させる暴力的な群衆性事件や、不条理な社会への報復を目的とした他人巻き込み型自殺を防ぐ効果があるとは言えまいか。だが、習近平政権は、そういう人権活動家、人権弁護士たちを、社会の不満分子を焚き付けて社会を不安定化させるものと決めつけたのだった。

これまでの政権は、建前だけでも「国は人権を尊重し保障する」という中国憲法の条文を真っ向から否定するようなことはなかった。だから地方政府がいかにあくどく庶民の人権を蹂躙しても、党中央に声が届けば助けてもらえる、という一縷の望みを人々は持っていた。だが、この「弁護士狩り」によって、それは幻想であることを突きつけられた。「大衆路線」を掲げ、社会の末端の基層民(農民・労働者)の絶大な支持を得ているとされる習近平が一番恐れ、敵とみなしているのは実は、末端の虐げられた人民なのだ。

 実は、習近平政権のこうした性格は7月1日に施行された新国家安全法にも垣間見えていた。この法律は、「国家の安全を守る」ための総合的な法律と位置づけられ、その適用範囲が非常に広い。政治の安全、国土の安全、軍事の安全、経済の安全、文化の安全、社会の安全、科学技術の安全、情報の安全、生態の安全、資源の安全、核の安全などが、すべて国家の安全であり、これら国家安全を国内外の脅威から守ることが中国公民と組織の義務であるとしている。

 条文の中では、「いかなる国への謀反、国家分裂、反乱の扇動、人民民主専制政権を転覆あるいは転覆扇動する行為を防止する」とあり、この法律を理由に、人権擁護活動や言論の自由が大きく制限されるのではないか、と懸念されていた。従来も、政府に批判的な言論や活動は、挑発罪や政権転覆扇動罪などに問われる可能性は大きかったが、この立法によって、適用範囲はインターネット上や文化活動、経済活動などにも広がることになり、たとえば株価暴落を引き起こした企業の持ち株大量売りなども、政権転覆、あるいは国家安全を損なった容疑に問われるかもしれない。

 ちなみに、この法律は、反テロ法、国外非政府組織管理法と並んで習近平政権の高圧政治を実現するための三大立法とかねてから警戒されていた。また、ある種の非常事態、内乱や紛争状態までを仮定した立法ではないかという意見もある。

個人独裁、それは絶望への道

 こうした今の中国の現状を見て、思い浮かぶ言葉は、ただ一言、絶望である。習近平政権が望むのは、赤い帝国主義、赤いファシズムである。従来の共産党政治も独裁であったが、それは集団指導体制という寡頭独裁であり、改革開放を推し進めるにしたがって、それは党内民主に拡大していくかも、という期待を持つ余地があった。

 だが習近平政権が今向かっているのは、習近平を頂点とした個人独裁であり、政治も経済も人民の思想も心も、周辺国家の価値観ですら党の完全なコントロールを受ける世界である。このままでは、国際社会にとっても非常に危険なきな臭い国になっていくのではないだろうか。

だがここで、少しだけ気休めかもしれない言葉を贈ろう。台湾の民主化プロセスを積極的に取材している在米亡命中国人作家の余傑が、この事件について書いたコラム「中国は美麗島時代に突入」の引用である。「美麗島」とは、国民党独裁時代の台湾で、党外各派の活動家が集結して創刊された雑誌の名だ。1979年12月10日、「美麗島」誌が主催した高雄市のデモが警官隊と衝突し、同誌関係者が投獄された弾圧事件を美麗島事件と呼ぶ。この事件によって、台湾の民主化への希求は勢いを増し、後に逮捕されたメンバーや弁護団が民進党幹部となり、台湾民主化の大きな推進力となった。余傑はこう書いている。

新たな「美麗島時代」の始まりとせよ

 「私は明確に思ったことがある。この”暗黒の金曜日”は、中国が正式に『美麗島時代』に突入したという証しではないだろうか。中国の民主化の進み具合は台湾よりまるまる36年遅れている。しかし、ついにその時は来た。

 1979年の台湾は、今日の中国と同じく、もっとも恐ろしく、純心な時代であった。政治評論家の陳芳明の言葉を用いれば、美麗島事件は一つの歴史の終結のシグナルであり、一つの歴史の始まりであった。『美麗島事件は革命とは言えず、もちろん政変でもなく、政府がいうところの暴動でもない。だからこそ、新しい世代にとって、魂における一つの革命的風景となったのだ。…我々(中国人)は美麗島事件がどのように歴史の流れを改変したか遡って見る必要がある』…」

 余傑はあまりに夢見がちだろうか。

 いや、台湾の民主化の背景に、国際社会のサポートもあったことを思えば、そういう可能性もまだあるのだと思いながら、中国と向き合っていくことは必要かもしれない。

7/14ダイヤモンドオンライン 北野幸伯『「安保関連法案」で安倍総理が犯した2つのミス』について

アメリカも議会と行政府が対立するし、与党だって党議拘束がないため、大統領に造反する議員がいます。大統領が電話して説得したりしているではないですか。二階が3000人ほど中国に連れて行ってもアメリカが文句を言うとは思えません。自分たちだってさんざんやってきたではないですか。時事通信によれば、「首相が着目するのは、9月3日の抗日戦争勝利記念日だ。このイベントは、下手に扱えば抑え切れない対日批判に火をつけかねないが、今や日中関係は、5月の二階俊博自民党総務会長率いる3000人訪中と、その機会をとらえた習近平「対日講話」によって、「硬」から「軟」へとモードが切り替わった。」とありました。マイナスだけではないという見立てです。

それより9月安倍訪中の地ならしで谷内正太郎国家安全保障局長が中国訪問との記事の方がアメリカは気になるのではないですか。多分習近平の訪米前に話し合われるでしょうから、露払いになります。会うにしても日米間できっちり意見を擦り合わせしてから臨まないと。北野氏の言うように中国のアジア覇権のためには、彼らは日米分断が絶対必要なので隙を見せるのはダメです。

安保法案は強行採決でも通すでしょう。アメリカとの約束ですから。夏までに通さなければ「約束違反」となります。エクスキューズして延ばしたとしても米国人からは「頼りのない奴」と思われるだけですし、時間をかけて説明するとしても、反政府のメデイアが世論を牛耳る限り、日本国民に理解できるとは思えません。安倍首相は祖父の岸の60年安保を思っているでしょう。安保改定で日本の安全はより強固となりました。今回の集団的自衛権を認めることは日米の絆をより高めることとなり、バランスオブパワーの観点から中国に付けいる隙を少なくする効果があります。

記事

4月末の米議会演説で戦略的勝利をおさめたのもつかの間。安保関連法案に関する強硬姿勢でそっぽを向く国民が増え、安倍総理は窮地に陥っている。わずか数ヵ月のあいだに、安倍内閣が犯した間違いについて、解説する。

 安倍内閣の支持率が急落している。朝日新聞が6月20、21日に実施した世論調査によると、内閣支持率は1ヵ月で6ポイント低下し、39%になった。7月4、5日に実施した毎日新聞の調査では、不支持が支持を上回り、第2次安部内閣発足後、初めて逆転した。

 支持率が下がっている理由は、「安保関連法案問題」である。直接的な理由は、衆院憲法審査会で憲法学者3人が、安保関連法を「憲法違反」と指摘し、政府がそれを事実上「無視」していること。また、自民党若手議員の勉強会で、法案に批判的なマスコミへの圧力を支持する発言が相次いだことなどだろう。しかし、この問題は、長期的視点で見ると、もっと根が深い。

過去数年の劣勢を一気に逆転  安倍演説で「戦略的勝利」をした4月

「私たちの同盟を、『希望の同盟』と呼びましょう。米国と日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。希望の同盟。一緒でなら、きっとできます」

 4月29日、安倍総理は絶頂にあった。米議会における「希望の同盟」演説は大成功。オバマ大統領は、ホワイトハウスのツイッターに「歴史的な訪問に感謝する。日米関係がこれほど強固だったことはない」と書き込んだ。

 しかし、ここに来るまでの道は、平坦ではなかった。2012年12月に第2次安倍内閣が誕生した時、日中関係はすでに、「尖閣国有化問題」(12年9月)で「最悪」になっていた。

 12年11月、中国は、モスクワで仰天の「対日戦略」を提案している。その骨子は、①中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくる ②日本の北方4島、竹島、沖縄の領土要求を退ける(つまり、沖縄は中国領) ③米国を「反日統一共同戦線」に引き入れる――である(中国、対日戦略の詳細はこちらの記事を参照)。

 この戦略に沿って中韓は、全世界で「反日プロパガンダ」を展開し、大きな成果をあげた。13年12月26日、安倍総理が米国のバイデン副大統領の「警告」を無視して靖国を参拝すると、世界的「日本バッシング」が起こる。

 中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、オーストラリア、台湾、シンガポールなどが、靖国参拝を非難した。この時、安倍総理は「右翼」「軍国主義者」「歴史修正主義者」とレッテルを貼られ、世界的に孤立した。

 しかし、14年3月、ロシアがクリミアを併合すると、日米関係は好転する。「対ロシア制裁」に、日本の協力が必要だからだ。そして15年3月、今度は「AIIB事件」が起こった。英国、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などが、続々と米国を裏切り、中国主導のAIIBに参加していく。

その中で、日本だけは、米国以外の大国で唯一「AIIB不参加」を決めた。これで、米国にとって日本は、「英国よりもイスラエルよりも大事な国」になった。そして、4月29日の「希望の同盟」演説。オバマがいうように、日米関係は、これまでにないほど「強固」になったように思えた。

 中国の戦略は、「日米分断」である。

 よって、日本の戦略は、「日米一体化」である。

 安倍総理は、「希望の同盟」演説で日米一体化を成し遂げ、「戦略的勝利」をおさめた。しかし、「2つの失敗」を犯したことで、現在は再び苦境に陥っている。

再び苦境に陥った安倍総理  「2つの失敗」とは何か?

実をいうと、1つ目の失敗は、「希望の同盟演説」の中にある。(太字筆者。以下同じ)

<日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。

 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。>

「この夏までに、成就させます」。これは、安倍総理が米国に「約束」したのだ。この約束が、「1つ目の失敗」である。

 なぜか?当たり前のことだが、約束は「守らなければならない」。つまり演説後、4ヵ月で「安保関連法案」を成立させる(「夏までに」というと、「夏に入る6月までに」という解釈もできるが、ここでは「夏中に」と考えることにする)。

 だから、急がなければならない。急ぐと、あせる。あせると、国民への説明が不十分になる。野党への根回しがイイカゲンになる。それでも「なんとか米国との約束を果たさねば」と必死になると、言動が「強引」「独裁的」になる。反対するマスコミが憎らしく思え、「懲らしめてやれ!」と思ったり、そう発言したりする議員が出てくる。結果、国民が、ますます内閣への疑念と嫌悪感を強めていくという悪循環になっている。

 そして、総理は、「米国との約束を果たすため」に急いでいるというのも重要なポイントだ。この態度は、いかにも「属国的」だ。実をいうと、国民は皆「日本=米国の属国」であることに気がついている。しかし、国政の長には、「自立した国のトップ」としてふるまってほしいのである。

 2つ目の失敗は、「中国との関係改善」である。二階俊博・自民党総務会長率いる約3000人の使節団が5月22~24日、中国を訪問した。習近平は5月23日、使節団の前に姿を現し、日本に「ラブコール」を送った。

<「朋あり遠方より来る、また楽しからずや。

 3000人余りの日本各界の方々遠路はるばるいらっしゃり、友好交流大会を開催する運びになった。われわれが大変喜びとするところだ。>

 なぜ日中関係改善が、「失敗」なのか?この時期、米中関係はどうなっていたのか、思い出してほしい。

<米中激突なら1週間で米軍が制圧 中国艦隊は魚雷の餌食 緊迫の南シナ海

夕刊フジ 5月28日(木)16時56分配信
 南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺の領有権をめぐり、米中両国間で緊張が走っている。


 軍事力を背景に覇権拡大を進める習近平国家主席率いる中国を牽制するべく、米国のオバマ政権が同海域への米軍派遣を示唆したが、中国側は対抗措置も辞さない構えで偶発的な軍事衝突も排除できない状況だ。>

これは、5月28日の夕刊フジ。つまり、訪中団が、習近平と「日中関係改善」について話し合ってから、わずか5日後だ。実際、「習近平ラブコール」の日、既に米中関係は十分悪化していた。その時、米国の「希望の同盟国」であるはずの日本は「3000人」の「大訪中団」を送り込み、「戦略的互恵関係」について協議していたのだ。 

日本に猜疑心を覚えた米国  「二階訪中団」が裏目に

 この状況、米国のリーダーの目にはどう映るだろうか?「安倍の演説は、ウソなのではないか?」「日本は、米国を『バックパッシング』しようとしているのではないか?」と考えるだろう。

 前回も書いたが、もう一度、おさらいをしよう。大国が敵と戦う戦略には、大きく2つある。

  1. バランシング(直接均衡)…自国が「主人公」になって、敵の脅威と戦う。
  2. バックパッシング(責任転嫁)…「他国と敵を戦わせる」こと。自国が直接、戦争によるダメージを受けずに済む。

 この場合の「バックパッシング」とはつまり、「日本は、米中を戦わせて、自分だけ漁夫の利を得ようとしている」ということ。もちろん、日本側にそのような「狡猾さ」はない。ただ単に、「中国と仲良くしたい」と考えただけだ。しかし、米国は、そうは取らないだろう。

 安倍総理は、「希望の同盟」演説で、日米同盟を改善させたのだから、しばらくは「米国への一途さ」を示すべきだった。もちろん、中国を挑発するのは論外だが、「3000人の訪中団」はやりすぎだろう。この訪中団で、「希望の同盟演説」で醸成された米国側の「日本愛」は、かなり冷めたと見るべきだ。

 第2の失敗「日中関係改善」が引き起こした、もう一つの現象は「国民が『安保関連法案』の意義を理解できなくなった」ことだ。

「集団的自衛権行使」を実現するための「安保関連法案」。反対派と賛成派の論理は、真っ向から対立している。反対派の論理は、「米国の戦争に巻き込まれる」である。米国は、21世紀に入って、アフガン、イラク、リビア(=北アフリカに位置)で戦争をしている。そして、13年にはシリアと戦争直前の状態になった。現在は、少し関係が改善しているが、イスラエルロビーのプッシュで、イラン戦争が起こる可能性も否定できない。

 つまり、「米国の戦争に巻き込まれる」というのは「中東戦争に自衛隊が送られることへの恐怖」といえるだろう。

 一方、賛成派の主張は、「尖閣、沖縄を狙う中国と対抗するために、日米関係をもっと緊密にしなければならない」。つまり、「中国の脅威があるから、安保関連法が必要だ」という論理だ。ところが、習近平のスピーチとスマイルで、日中関係が改善してしまった。これは、「安保関連法案」の視点からすると、「対中国で必要」という賛成派の主張への大きな打撃である。

「安保関連法案を通さなければならない時期」に、なぜ大訪中団を送ったのか、とても理解に苦しむ。

強行採決すれば祖父と同じ道?  安倍総理が危機を脱出する方法

 では、安倍総理は、これからどう動けばいいのだろうか?問題の本質はなんだろう?論点は大きく分けて、2つに整理される。

 1つ目は、安倍総理が米国に「安保関連法案を、夏までに成立させる」と約束したこと。もし約束が守れなかったら、どうなるのだろう?元外務省国際情報局局長・孫崎享氏の著書「アメリカに潰された政治家たち」(小学館)は、こんな印象深いフレーズからはじまる。



<皆さんは、「日本の総理大臣」は誰が決めているのか、ご存知でしょうか?>(「アメリカに潰された政治家たち」8p)


<国民の与り知らぬところで何かが起き、いつのまにか総理の首がすげ替えられることは日本ではよくあります。しかも、政権が代わるたびに、日本におけるアメリカのプレゼンスが増大しているのです。(中略)

 そして、そのときに失脚した政治家は、おしなべてアメリカを激怒させる“虎の尾”を踏んでいました。>(同上10p)


 孫崎氏は、要するに「日本の総理大臣を決めているのは米国だ」と主張している。本当かどうか確認することはできないが、市井の「陰謀論者」ではなく、元外務省国際情報局局長の言葉であることが重要だ。そして国民も、「親米派の内閣は長続きするよね」と感じている(例、中曽根内閣、小泉内閣)。

 つまり、安倍総理は、米国との約束を破ることで、政権が崩壊することを恐れているのではないだろうか?(もちろん、総理の心の内面までわかるはずもないが)

 2つ目は安保関連法案を強行採決することで、さらに支持率が下がり、政権が崩壊すること。自民と公明は、安保関連法案を強行採決して成立させることができる。だが、それをやると、「独裁的だ」「やはり軍国主義者だ」との批判が高まり、安倍内閣は崩壊に向かうかもしれない。

 ちなみに、安倍氏の祖父である、故・岸信介元首相は1960年5月19日、「新安保条約」を強行採決した。しかし、2ヵ月後には総辞職している。安倍総理も、祖父と同じ道を行くかもしれない(あるいは、強行採決して支持率が下がっても、サバイバルする方法を見つけるかもしれないが)。

もう一度整理すると、

1、米国との約束を破れば、安倍内閣は崩壊するかもしれない。

2、しかし、国民を無視して「強行採決」すれば、民意によって安倍内閣は崩壊するかもしれない。

 要するに、「止まっても崩壊」「進んでも崩壊」だ。もちろん、必ずそうなるわけではないが、非常に舵取りが難しい局面であることは間違いない。

 筆者が安倍総理にお勧めしたいのは、日本国民と米国、両方によい道である。たとえば、こんな会話だ。

日本:「親中派の巻き返しが激しく、約束は果たせない」

米国:「強行採決したらどうなるか?」

日本:「強行採決は可能だが、それをやると国民の反発が高まり、退陣に追い込まれる可能性がある」

米国:「あなたが辞めたらどうなるか?誰が次の総理になるか?」

 ここで、「3000人訪中団を率いたバリバリの親中派・二階氏が最有力候補だ」と伝えるのだ。すると米国は、「二階氏が総理になると日本はどうなるか?」と質問してくるだろう。総理は、「鳩山・小沢時代のごとく、日米同盟はメチャクチャになるだろう」と伝える。

 要するに、「約束は守れないが、私が総理を続投しなければ大変なことになる」と主張するのだ。「小鳩時代の悪夢再現」を恐れる米国は、納得してくれるのではないだろうか。こうして時間を確保した総理は、腰をすえて「安保理関連法案」成立に取り組むことができる。

 国民への説明と野党への根回しをより丁寧にしていくことで、「独裁」「軍国主義者」という批判を和らげることができるだろう。

P.S
.ちなみに筆者は、「安保関連法案」を支持している。それは、「集団的自衛行使容認」を支持するのと同じ理由である。総理の「手法」に不満な方も、是非こちらの記事を参考にしていただきたい。

7/13宮崎正弘メルマガ『米中もし戦わば、「そこには11のシナリオがある」(プラウダ)   ロシアは米中戦争で最大の漁夫の利が得られるだろうと示唆。』について

中国もロシア同様、オバマが大統領でいる限りアメリカは何もしてこないだろうと読んでいます。しかし来年の11月の選挙、再来年の1月の新大統領就任後に今のようなことができるかです。ヒラリーにしても、ジェブ・ブッシュにしても中国には強硬な態度を取らざるを得ないでしょう。それが大統領交代の意味ですから。キッシンジャーだって宗旨替えしたのですから、献金を受けていたヒラリーにしろ、父が米中連絡事務所長であったブッシュにしろ、相当態度を変えるでしょう。ペンタゴンは相当オバマに怒っているはずです。

これはロシアの希望的観測というか中国を使嗾して戦争を起こさしめ、漁夫の利を狙っているのは明らかです。ロシアが中国の軍事の実力を知らないはずがありません。ウクライナが売った空母「遼寧」はポンコツ同然で使い物にならないそうです。練習用空母と言ってるそうですが。空母も運用できない海軍がどうやって戦うのでしょう?大日本帝国海軍の空母にはカタパルトがない時代でしたが、米軍空母を相手に空母戦を展開しました。中国の政治的プロパガンダというのはロシアも百も承知のはずです。A2/AD戦略を唱え、中国のクルージング・ミサイルの性能が上がったので、建造費の高い空母は中国に近づけないというのが中国の主張でした。ロシアは中国の言い分を鸚鵡返しに繰り返しているだけです。日高義樹氏の『中国敗れたり』によれば、クルージング・ミサイルのスピードが遅く迎撃できるし、その間米軍が何もしないことは考えにくい。核を使用しなくとも、キャプター型機雷を中国沿岸に敷設すれば、中国に入ってくる石油はストップし、継戦能力は格段に減っていきます。そんなことも知らない中国人だとは思えません。彼らは大言壮語・政治的プロパガンダするのが得意ですが、戦闘は不得意です。利に敏い中国人が米国相手に戦争するとは考えにくい。日本にも今だったら負けると言われているのに。オバマのアメリカだから今のうちに侮辱しておこうと思っているのでしょう。でもアメリカの怒りは深いところで渦巻いているはずです。鄧小平だったら「有所作為はまだ早い」と言ったのでは。やはり政治家の資質が小さくなったのでしょう。

記事

 プラウダ(英語版、6月24日)には米中戦争、11のシナリオが描かれた。行間には米中戦争への「期待」(なぜなら「最大の漁夫の利」を獲得できるのはロシアだから)がにじみ出ている文章となっている。

 米中それぞれは大規模な軍事衝突への準備を怠っていない。米中の貿易関係に甚大な悪影響を与えることになるだろうが、それよりも深刻な利害関係の衝突が基底に流れているからだとして、プラウダが掲げたシナリオとは、

 第一に中国は「米国が南シナ海における岩礁の埋立に中止を求めることを止めない限り、米中の戦端が開かれることは『不可避的』であると中国共産党系の新聞が幹部の発言として何度も報道している。

 第二に米国の見積もりでは、戦時動員の中国人を1400万人としている。オバマ政権はハッカーを含めずに情報、軍事インテリジェンスに従事する中国人を準戦闘員として捉えている。

 第三に中国は台湾攻撃を想定した軍事演習を大規模に繰り返している。もし中国が台湾を侵略した場合、台湾関係法に依拠して米国が乗り出してくることは明らかである。

 第四に中国の数千隻の『商船』は、戦闘となれば、準軍事目的で転用される。戦争の兵站、後方支援などの目的でこれら中国籍商船は機能的に転用できるようなシステムが構築されている。

 第五に中国は米空母攻撃用のミサイルを開発している(ペンタゴンは、この『空母キラー』と呼ばれる新型ミサイルを脅威とみている

▲中国の戦略ミサイルはMIRV化し、米国とのバランスは対等になった

 第六に中国は核ミサイルの多弾頭化を進捗させており、ミサイルの弾頭数における米中バランスは対等となる。

 第七に中国が保有したMIRV(多弾頭ミサイル)は超音速、そのスピードにおいて米国諸都市に達する時間は想定より早くなったと考えられる。

 第八に潜水艦発射型ミサイルを搭載した中国海軍の潜水艦が、スクリュー音を出さない新型を就航させているため発見がしにくくなった。

 第九に上記ミサイル搭載の潜水艦の基地は海南島であり、南シナ海への出撃ベースとして構築された。

 第十に「ジン級」潜水艦に搭載されているJL型ミサイルは射程7350キロであり、全米50州の軍事目的に向けてほぼ同時に発射されることが可能と米議会報告書は述べている。

 第十一に中国の軍事費は毎年二桁成長を続けてきたが、公式にも本年の国防費は1320億ドル(10・2%増)となった。軍事縮小が顕著な米国と対比的である。昨年も中国の軍事費は1140億ドルで前年比10・7%増加した(ちなみに米国の同年度の国防費は6004億ドルだったが)。

 米国は多国間と軍事演習を繰り返しているが、これらの基本は中国との軍事衝突を前提としたものであり、2009年に提示された「エア・シー・バトル」に沿った演習となっている。

こう見てくると米中軍事衝突は不可避的であるとするのがロシアである。

7/9産経ニュース 古田 博司『世界遺産でゴネた強制性の意味』について

佐藤地ユネスコ大使は女性だから交渉ができなかったとは思いません。今の外務省の男性役人でも同じでしょう。でも彼女は、女性のハンデイを認識していなかったのでは。今政治家にもクオータ制をと議論になっているご時世ですよ。足を引っ張ることになりかねません。「女性に任せるとやはりダメか」と内心思われる危険性について考えたことがあるのでしょうか?“forced to work”の定義ではなく外国の大衆がどう思うかという感性が彼女には備わっていないと思います。命令を忠実に守るだけでしたら、大使の役目は務まりません。以前紹介しました日露戦争時の上村彦之丞がそうでした。今の時代は骨のある上司がいないので難しいのかもしれませんが。

古田教授の唱える「非韓三原則」こそが正しい道です。文中にありますように「韓国の自律行動は、 ゴネ、イチャモン、タカリという至極低劣な『民族の最終独立兵器』によって全うされるのが常」「この点に関しての彼らの『恥』意識は存在しない」ということを我々は銘記すべきです。Korea fatigueを引き起こす現象です。日本のヤクザのやり方と一緒。蛇蝎すべき民族です。それはそうです。「醜業」と日本では言われる「売春業」で大儲けした女性が恥も知らず、事実と違うことで日本政府をユスリにかけているのです。正義とは何ぞやという事です。「恥を知れ」と言っても「恥知らず」の連中には「糠に釘」かもしれませんが。

アメリカもTHHAD情報が漏れては在韓米軍だけではなく、他の部隊にも影響を与えるので、戦時作戦統制権返還、米軍撤退となるのでは。米国も如何に中韓と言うのは平気で嘘がつける民族と言うのが分かってきていると思います。

記事

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録することを決めた。これまでご努力なさってきた方々に祝賀と慰労の言葉を贈りたい。

 ≪繰り返される韓国の要求≫

だが6月29日付の「正論」欄で、私は次のように予告しておいた。 「今回の世界遺産申請抱き合わせでもわかるように、韓国の自律行動は、 ゴネ、イチャモン、タカリという至極低劣な『民族の最終独立兵器』によって全うされるのが常」「この点に関しての彼らの『恥』意識は存在しない」「むしろ今後、さまざまな要求を抱き合わせてくる可能性がある。わが国が注意しなければならないことはむしろこちらの方」だ、と。

佐藤地ユネスコ政府代表部大使は「1940年代に一部の施設で大勢の朝鮮半島の人々などが意に反して連れてこられ厳しい環境下で労働を強いられた」「この犠牲者のことを忘れないようにする情報センターの設置など、適切な措置を取る用意がある」と述べたという。

だが気を付けなければならない。韓国は「明治日本の産業革命遺産」の標榜や情報センター表 示の文言に、確実に「強制性」を盛り込むように、ゴネとイチャモンを国 内外のさまざまな団体を使って繰り返すことであろう。

なにしろ会場の外に来ていた反日団体と、韓国の代表団を率いる趙兌烈外務第2次官が、手を取って激励し合う姿をNHKの報道で見てしまった。この趙氏が日本側の言及した措置について、世界遺産委員会に対し確実に実行されるか検証するよう求めたのだった。

米軍進駐により棚ぼた式に独立を手に入れた韓国には、もとより国家の正統性がない。少なくとも独立運動で戦った生き残りは北朝鮮の故金日成主席の方で、こちらに正統性がある。そこで韓国ではさまざまな歴史の捏造(ねつぞう)を繰り返し、ドロップアウターやテロリストを英雄にせざるを得なかった。

日韓併合は不法であり、彼らが日本の不法と戦い続けたという物語を作成し、日本人に同化して生き続けた統治時代のコリアンの生を無化しようとしたのである。だが、朴槿恵大統領の父、朴正煕氏が満州国軍の将校、高木正雄だったことや、結局、世界を魅了し得なかった韓国近代文学の

祖、李光洙が香山光郎と名乗ったことを否定することはできなかった。

 ≪残るは「徴用工」問題≫

否定するには、強制されてやむなくそうしたのだという口実が必要なのである。「強制性」さえあれば、不法だったと言い訳ができる。日韓併合自体を不法だとする主張は、既に2001年11月に米ハーバード大学、 アジアセンター主催の日・米・英・韓の学者による国際学術会議で退けられた。

今回「強制性」から不法を導くというのはいわばからめ手である。

「慰安婦」「徴用工」も「強制性」を剥奪されれば、ただの同化日本人にすぎない。朝日新聞が「従軍慰安婦」の誤報を認めたことで「強制性」の大半は剥奪された。残るは「徴用工」で、韓国は必死に挑んでくることだろう。

問題はそもそも国初をめぐるボタンのかけ違いにあった。たとえ棚ぼた式独立だとしても、民主主義、法治主義、基本的人権の尊重などが満たされれば、韓国は立派な近代国家としての正統性を得ることができ、北朝鮮のような無法国家を凌駕(りょうが)できたのである。しかし、そうはならなかった。

法治主義は、司法の為政者に対する「忠誠競争」により劣化し崩壊した。人権の尊重は、セウォル号沈没やMERS(マーズ)感染拡大に見られるように停滞し、さらに恐ろしい半災害・人為的事件が引き起こされることが予測される。

 ≪「反日」めぐる危険な共闘≫

内政は破綻し、外政で追い詰められる朴槿恵大統領は、政治家としてはいたく素人である。すでに政府や軍の中に北朝鮮シンパがたくさんいるのだ。外相の尹炳世氏からしてそうである。

彼は盧武鉉大統領(03年2月~08年2月)の左翼政権時代に国家安全保障会議(NSC)室長、外務省次官補、大統領府外交安保首席秘書官など外交分野の実務や重要ポストを歴任し、盧武鉉・金正日氏による南北首脳会談実現の立役者となった。

尹氏は政権が代わると09年からは西江大学(朴槿恵大統領の出身大学)の招聘(しょうへい)教授となり、10年末に発足した朴氏のシンクタンク「国家未来研究院」で外交・安保分野を担当し、朴政権で外相になった。「国家未来研究院」時代の同僚を洗うと、北朝鮮シンパがゴロゴロと出て

くる。

今回の世界遺産登録で、反日団体と趙兌烈外務第2次官が手を取って激励し合っている姿に、私は従北勢力の市民団体と政権内部の北朝鮮シンパとの「反日」をめぐる危険な共闘を見るのである。

恐らくアメリカは、政府内部、軍内部のリストアップをより着実に行い、韓国が南ベトナムにならないための担保として、高高度防衛ミサイル(THAAD設置を踏ませようとしているのであろう。絵踏みしなければ米軍撤退はより確実なものになるだろう。