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『中国・女子受験生の「セクハラ自殺」の余波 相次ぐ学校現場での被害、セクハラ立法を求める声も』(7/4日経ビジネスオンライン 福島香織)、『多発する飛び降り自殺と煽る野次馬たち 発端はセクハラを苦に飛び降りた19歳の女性』(7/6日経ビジネスオンライン 北村豊)について
7/6news vision 渡邉哲也<人民元相場の急落は新たな通貨危機への危険サインか?米中貿易戦争は「金融ステージ」に突入する>今度の米中貿易戦争で、中国の外貨準備が減って行き、通貨危機が訪れるとのこと。通貨スワップを中国から頼まれても日本は受けるべきではありません。米中の世界覇権を巡る争いなので、どちらに与した方が良いかは明らかでしょう。また、「人民元を完全に自由化し、為替介入をせず、人民元を温存するという方法があるが、この場合、人民元は暴落し、外貨建て債務を持つ企業などの破綻と輸入品の高騰によるインフレと国内の混乱が待っているだろう。しかし、国が破たんするよりはその方が痛みは少ないのだと思う。米中貿易戦争、次のステージは金融戦争であり、これは米国が圧倒的に有利な戦いであるといえる。」とあります。是非共産中国を打倒してほしい。
https://news-vision.jp/article/188534/?page=1
7/7宮崎正弘氏メルマガ<かくて「米中百年戦争」が開始された 関税による貿易戦争は五十年つづく、経済史未曾有の大戦になる>中国が共産主義のままで世界の覇権を握るところは見たくありません。勿論50年後であれば生きてはいませんが、子や孫が非人間的なシステムの中で生きることを考えると耐えられません。
http://melma.com/backnumber_45206_6705713/
本日の2つの記事は同じ中国人自殺者のことを扱っています。中国人の自殺は飛び降り自殺が多いですが冥界へ行ったときにご利益があると考えてのこと?鴻海精密工業の中国製造子会社“富士康=フォックスコン”でも工員の飛び降り自殺が相次ぎ、郭台銘が対応を迫られました。
中国では女性の人権を言う前に、人権そのものが擁護されていない社会ですから、そこを追及するのが先なのでは。官憲による貧者への甚振りは日常茶飯事です。本ブログでもfacebook投稿記事で何度も紹介してきました。“権銭交易”が“権色交易”に及び、立場の上の人間が、下の人間を虐めるか、言いなりにさせることが可能だと思いこんでいるのでしょう。賄賂と同じく中国社会の病弊です。
「中華民族は同情心が豊富な民族であったはずだが、一体全体これはどうしたことか」と言っていますが、歴史を見れば中国人が情に厚いとは思えません。曹操が董卓の暗殺計画に失敗し、逃げるときに助けてくれた一家を惨殺(呂伯奢一家殺害事件)したり、蒋介石の「黄河花園口決壊事件」をみればそんなことはないだろうと思います。野次馬が“围绕、旁观=取り囲んで傍観する”のは中国では当り前のことです。心無い言葉を発するのも自己中心だからでしょう。自分だけ良ければというのが中国人の遺伝子に組み込まれているという事です。こういう民族とサッカーワールドカップで試合終了後清掃して帰る日本人とを比べたときに、我々の祖先が「南京虐殺」や「強制連行・慰安婦」等の行為を行い得ると思いますか?中共や北のプロパガンダです。それを今でも信じる日本人は、自分の生き方が中国人や朝鮮半島人のように自己中心なんだろうと思います。両方の事件とも彼らは捏造はしていますが、事実で立証できていないのです。我々の祖先を信ぜず、裏切りが常道の彼らの言を信じるとは愚かにも程があるでしょう。
福島記事

自殺した女子は「担任教師からひどいセクハラを受けた」と訴えていた。
日本ではセクハラ事件の暴露が相次いでいるが、中国ではどうだろう。最近中国では、セクハラをきっかけに19歳の女子受験生が自殺した事件が、あまりにもショッキングで、セクハラが常態化している中国でも、反セクハラ立法の声があがっている。
19歳の甘粛省慶陽市の女子受験生は担任教師にセクハラを受け、抗議の自殺を6月20日午後3時ごろ、衆人環視の中で行った。この様子はなんとインターネット上でも中継され、中国社会にさまざまな世論を巻き起こした。
まず犠牲者の女子受験生が、担任教師からひどいセクハラを受けていたということで、セクハラに鈍感な中国でも反セクハラ立法が必要ではないか、という声が起きた。この事件の中でもう一つ、ニュースとなったのは、彼女が百貨店ビルの8階の外壁の出っ張りに座って、スマホをいじっていた時、やじうまから「早くやれ!」「どうせ、死ぬ気などないんだろう!」といった自殺を促すようなヤジがとび、手拍子が起きたということだった。
この手拍子に押されるように女子受験生が飛び降りたとき、ちょうど消防士が彼女を救出しようと、外壁を上っている途中であった。消防士は飛び降りる彼女の手をとっさに握ろうとしたが、間に合わず彼女は落ちてしまった。消防士が悲痛な叫びを上げる一方で、ビルの下に群がるやじうまたちからは哄笑が起きたという。この様子はインターネットで流された。
警察当局の会見や中国メディアの情報を総合すると、女子受験生は高校のクラス担任教師から、耳たぶをかまれ、衣服をやぶられるなどのセクハラを日常的に受けていた可能性がある。「可能性がある」とぼかしたのは、担任教師が証拠不十分で不起訴処分になったからだ。だが全寮制が多く、受験競争の厳しい中国の学校での教師によるセクハラは非常に多いことは、すでに中国社会で大きな問題として指摘されている。
女子受験生と彼女の父親が警察に届けた訴えによれば、2016年9月5日、授業中に胃痛になった彼女は授業を途中で退席し宿舎で休んでいたが、その夜、担任教師が見舞いと称して宿舎内で寝ている彼女のところに訪れ、額や口にキスするなどの猥褻行為をしたのが、セクハラの始まりだという。この後、うつ病と診断された彼女は同年10月、12月に抗うつ剤の大量摂取による自殺を図るも未遂に終わった。2017年2月、彼女は父親に連れられて、警察に行き、教師の猥褻行為を訴えたが、地元公安当局は、証拠不十分とし、教師の行動と彼女のうつ病は因果関係なし、という判断を下した。
父親はこれに納得できなかったが同年5月、検察院は教師に対しては犯罪の要素がないと不起訴処分を決定、学校における教員業務を怠けたとして、10日間の行政拘留処分に処した。この判決に絶望した彼女は、2017年5月24日にも学校の5階から飛び降り自殺しようとしたが、このときは消防士による3時間の説得後に救出されていた。だが、今年1月、再び大量の抗うつ剤を飲んで自殺未遂をおかし、今回5度目で帰らぬ人となった。
ネット上では、この女子受験生に対する同情の声が集まった。また、司法機関の処理が問題であったという指摘が相次ぎ、中国でも反セクハラ立法を提出すべきだ、という声があがった。中国における“セクハラ”に関する法律は、「婦女権益保障法」の第40条で、婦女に対するセクハラを禁止する、と規定されている。また刑法237条では、強制わいせつ罪、侮辱罪で暴力、脅迫をもって他者に猥褻行為を強要する(しかし、実際はその対価である賃金アップや優遇条件を踏み倒す)、あるいは婦女を侮辱する犯罪に対して刑事罰を規定している。ただ、こうした法律では、明確にセクハラとはなにか、が規定されていないので、権力の上下関係や、微妙な人間関係のなかで、明確にNOといえずに生じてしまう、性的関係については、たいてい証拠不十分、となってしまうのだった。
香港メディアのラジオフリーアジアが北京航空航天大学法学院副教授の田飛竜の文章を引用して、中国のおけるセクハラ関連法の欠陥を指摘している。まず、法的責任自体が軽い。立件できたとしても軽微な治安管理処罰か行政責任を問うぐらいであり、民事責任も謝罪と損害賠償程度しか問われない。また、密室で行われるセクハラでは証拠固めが難しい。さらに学校や党の機関など外部の独立機関の介入が行われにくい現場で起こりやすい。
さらに言えば、伝統的男尊女卑感覚が根強い中国社会ではまだ真の意味での女性の人権に対する尊重の共通認識が形成されていないことも背景にあるという。
相次ぐ女子学生のセクハラ被害報道
この甘粛女子受験生自殺事件に前後して、大学や学校現場で女子学生が被害に遭うセクハラ事件がいくつか報道されている。山東省の臨沂大学の教授が長期にわたって複数の女子学生にセクハラし続け、6月に事件が明るみに出た。ある女子学生は、卒論指導を受けていた教授から、骨折して生活に不自由しているので買い物などを頼まれてほしい、とのメッセージを受けた。女子学生が家に行くと、卑猥な言動とともに肉体関係を迫られたという。すでに卒業した女子学生は教授からのメッセージ記録とともに学校に調査を申し出たところ、それが認められて、この教授に対する調査を大学側が実施、他にも複数の被害者女子学生が名乗り出ていた。教授は「教師としての道徳性に問題あり」として解任されたという。
また人民大学の文学部副教授が突然解任されたのも学内調査でセクハラ行為が明らかになったからだという。この副教授は女子学生の論文指導を行って信頼を獲得した後、突然“獣性”を発揮して、女子学生をもてあそんだという。人民大学では経済学部教授がセクハラ常習犯で、たまたま南京大学から来ていた客員講師の博士がこれに気づき、告発。客員講師が来ていた期間中だけでも7人の女子学生がセクハラ被害を訴えていたという。人民大学ではもう一人、今年春にセクハラ問題が暴露され解雇された教授がいる。
公式に報道されていない、ネット上のセクハラ告発は枚挙にいとまがない。起訴されない以上、事実が確認できないのだが、5月11日、北京城市学院の女子学生が、その学院に教えにきていた清華大学の教授に暴行された、とか、1999年卒業の女子学生が自殺したのは北京大学有名教授にセクハラを受けたためだという告発が今年4月に実名でネットにあがったり、北京航空航天大学の教授が10年にわたって7人の女子学生にセクハラを続けてきたという訴えが、今年になって実名でネット上で告発されたりしている。いずれも具体名が挙げられており、告発者も名乗っているので、国際社会で起きているMeToo運動の影響を受けての動きだと思われる。
さてMeToo運動は、米国のハリウッドから起きた動きである。それまでのハリウッドでは、監督やプロデューサーの大物が女優に“枕営業“を要求することが、おそらく常態化していたのだが、その女優達が高い地位を得て発言力を持った今、後進の女優達が同じ目に遭わないように、昔の件を告発しはじめた。そうすると、私も、私も、と女性たちが同じ経験をしていたことを訴えはじめた。この運動が米国で広がり始めたとき、では中国ではどうなのか、という議論が知識人たちの間で巻き起こった。
実は、中国では司法記録上は、女性のセクハラ案件はまだまだ少ない。中国でセクハラに相当する性騒擾という言葉が登場したのは1988年だが、それから2013年3月までの間、セクハラ問題に関する研究論文はわずか1095編で、その中でも事例はほとんど挙げられていなかったということが、中国ネットメディア「観察者」(2018年1月17日)で言及されている。この記事は、人民大学社会人口学院の副教授と社会学部教授による2013年に発表された共同論文がもとになっているが、結論からいえば、21世紀に中国でセクハラを訴える人たちは、セクハラの概念が欧米と違い、公民権侵害と男尊女卑と“性はすなわち醜いもの”という三者の折り重なった概念の中で停滞しているということ、米国文化と中国文化は違うので、米国のセクハラの定義が正確かどうかはさておき、中国の実際生活には適用できない、という話であった。
セクハラというのは、権力(パワー)、社会的性差(ジェンダー)、性(セクシュアリティ)の三者の関係の中で起きるのだが、中国の伝統社会では、権力、性差、性の三者の関係は根本的に違う。権力は性差を凌駕し、性差は性を凌駕する。このため、セクハラがおきても、それが性蔑視によるハラスメントとみなされない、ということらしい。
パワーを持たない男性も性的搾取の対象に
私の中国での生活を振り返れば、確かに中国社会のセクハラ状況はひどいが、それは女性であるが故にセクハラを受けているのではなく、弱者であるから性的に搾取されるのだ。だが権力(パワー)さえもてば、ジェンダーもセクシュアリティも関係ない。逆にいえば、パワーがなければ、男でも性的に搾取され蹂躙される。先の論文では、実は同性間のセクハラについてもかなり触れられている。
フォーブス中国版では最近「中国女性はセクハラをよくわかっていない」という指摘が行われていた。とある女性弁護士が過去12年の中国の海外進出企業におけるセクハラ調査をおこなったところ、セクハラが常態化しているところが多く、仕事場におけるセクハラは普遍的に存在し、従業員は雇用者に対してセクハラを告発しないのも普通であるという結果をまとめていた。理由としてはもちろん、セクハラに対する教育が欧米よりも相当遅れていること、中国にセクハラを取り締まる法的根拠が(2005年の婦女権益保障法の改正まで)欠如していることなどが挙げられているが、根本的に中国女性自身がセクハラをよくわかっていない、に尽きるということだ。
私が観察するところをいえば、中国で問題視されるべきセクハラの本質は、性搾取だと思う。その主な被害者は、出稼ぎ農民のアーイーと呼ばれるお手伝いさんやレストランやホテルの下働きといった底辺の労働者だ。雇い主から重労働を軽減してやる代わりに、あるいは賃金を上げてやる代わりに性的関係を強要するという例は私も耳にタコができるほど聞いた。こうした雇い主からの性搾取をきっかけに、きっちり対価をとれるプロ売春に転職する女性も多かったし、同じ性搾取されるなら、高く売りたいと、日本人駐在員や出張者がよく行く高級店を紹介してほしい、と相談されたこともあった。そもそも、一部農村では、未だに娘を人身売買ブローカーに売る親もいるのだから、これはセクハラというよりは基本的人権、生存権の問題といえる。
弱者、敗者に厳しい中国社会を反映
社会格差の激しい中国では、パワー(権力や金、腕っぷし)がない人間は搾取され虐げられて当然という価値観がもともとある。生まれながら人間は平等であるとか、法の下の平等とかの概念がない。だから、何が何でも権力や金にたどりつかねばならず、その方法として、少なからぬ子供たちは激しい受験競争にさらされる。だが、この受験、競争社会を乗り越える過程でも、さまざまな搾取が弱者の子供たちに対して行われている、というのが、今回の女子受験生の自殺事件で見えてくることかもしれない。
甘粛の自殺した女子受験生は、セクハラが直接の原因でうつ病になったのか、あるいは受験のプレッシャーなのか、亡くなった今となってはわからない。彼女が自殺した瞬間、下で見守っていたやじうまから哄笑が起きた、という事実は、弱者、敗者に対して徹底的に厳しい中国社会を如実に表している(こうしたやじうまたちの数人は、のちに逮捕されている)。
こんな中国も、世界のジェンダーギャップ指数(世界男女平等ランキング、世界経済フォーラム発表)によれば、日本より上である。当初はおかしいと思っていたが、中国のセクハラや性搾取問題が、ジェンダーやセクシュアリティの問題でもなく、純粋に権力による搾取と人間の不平等の問題であることに気づけば、納得した。ならば、たとえ反セクハラ法ができても、法の下の平等がない中国でどれほど機能するだろうか。
さて、日本では「セクハラという罪」はないのだが、これからセクハラ罪をつくるべきか否かは、きちんと議論できているだろうか。いい機会だから、MeToo運動の盛り上がりを機会に、日本のセクハラと欧米のセクハラに違いはあるのか、本質はなにか、ちょっと本気で考えてみるといいと思う。中国とも欧米とも違う、セクハラの本質があるかもしれない。
北村記事

自殺志願者に対する心無い煽りに非難の声が上がった。
6月23日、広東省“汕頭市”で“覃(たん)”という姓の男(33歳)が11階建てビルの屋上の縁に立ち、飛び降りて自殺しようとしていた。11階建てビルの屋上の縁に人が立っているのを見つけた人々は、上を見上げて「人が飛び降りようとしている」と大声を上げたから、たちまちのうちに野次馬がビルの周囲に集まった。その中の誰かが110番に電話を掛けたのだろう。警察は午後4時5分にビルの屋上に自殺しようとする人がいるとの通報を受けた。
速やかに現場のビルへ到着した警察官は屋上に上り、屋上の縁に立つ男と話をした。男は自分の姓は“覃”(以下「覃さん」)であると述べた上で、妻と感情的に揉めたことが自殺の理由だと釈明した。そこで警察は彼の妻へ急いで連絡と取るのと並行して自殺を思い止まるように覃さんを説得し、最終的に夜7時に覃さんを救出することに成功した。警察の出動から救出までは約3時間を要したが、この間ビルの下には野次馬が群をなし、野次馬の前方に位置した観衆の一部は家から持参した椅子に座り、あたかも“好劇(良い芝居)”を観ているように楽しげであった。
現場に居合わせた人がこの場景を撮影し、その動画をネットに投稿したが、これを見たインターネットユーザーは、「この人たちは胸糞が悪い、人間性が全くない」とか、「こういう輩には、“瓜子(暇つぶしに食べる西瓜の種)”、お茶や西瓜(すいか)を運んでやれ」、「この社会は一体どうなっているんだ。このように人がビルから飛び降りるのを待っている人たちの良心は一体どれほど曲がっているのか」、「現在の人情はこれほど冷たいのか」といった意見を動画のコメント欄に書き込んだ。
6月26日の夜、江蘇省“南通市”で某住宅団地の屋上から女性が飛び降りて自殺しようとしていた。これを知った団地の住民たちが大挙して現場の団地前の広場に集まったが、女性は容易に決断できず、飛び降りるのを逡巡していた。すると、広場に集まった群衆の中から「“跳啊, 跳啊(跳べよ、跳べよ)”」の大合唱が沸き起こった。現場で女性の救助に当たっていた消防隊員によれば、強力な光線を照射して、女性を刺激して早く飛び降りさせようとする者までいて、消防局の救助活動を妨害したという。現場に派遣された警察官がその光線の発射を制止したが、そこから逃げ出した者たちが別の住宅棟に逃げ込んで、強力な光線の照射を続け、警察官との間で“捉謎藏(鬼ごっこ)”が繰り広げられ、人々から軽蔑された。
自殺の決行を煽り続ける群衆
女性は幸運にも3時間後に説得に応じて自殺を断念し、消防隊員によって安全な場所へ誘導された後、検査を受けるために医院へ搬送された。その後に消防隊員はネットに書き込みを行い、「“軽生者(自殺する人)”は“滋事者(面倒を引き起こす人)”だが、彼らは全て苦悩を持っているのであって、人々に申し訳ないことをした訳ではない」と述べて、野次馬たちの品性劣悪な行動を批判した。
6月20日以降、上述した2件以外にも広東省や甘粛省などで類似の飛び降り自殺騒動が発生したが、その発端となったのは6月20日に甘粛省“慶陽市”で19歳の女性“李依依(りいい)”(仮名)が下層にデパート“麗晶百貨”が所在する25階建てのマンション“麗晶公寓”の8階窓外にある小さなベランダから飛び降り自殺を遂げた事件だった。李依依は高さ35mの8階ベランダに腰掛け飛び降りるまでに4時間半を過ごしたが、最後は救助しようとした消防隊員の手をすり抜けてその身を空中へ躍らせたのだった。この彼女にとって最後となった4時間半に麗晶公寓前の地上に集まった多くの野次馬たちは、彼女に向かって「早く跳べ」、「どうして跳ばないんだ」などと自殺の決行を煽り続けたのだった。
中国では李依依の飛び降り自殺は大きな話題となり、中国社会に問題を提起したのだった。李依依が飛び降り自殺を遂げることになった事件の経緯を振り返ってみる。
「クラス担任に暴行された」
【1】2016年9月から“慶陽六中(慶陽第六高校)”の3年生となった李依依にとって“高考(全国統一大学入試)”までは残すところわずか1年であった。その高校3年の授業が始まって間もない9月5日の午後、李依依は突然の胃痛に襲われた。胃痛は彼女の持病であり、学生宿舎は比較的寒いので、それを心配した某先生が李依依に電気毛布が使える女子職員宿舎の109号室で休息を取るように手配してくれた。その日の夜は雨で、8時過ぎに学校は停電になった。まだ停電が続いていた8時30分頃、李依依のクラス担任である“呉永厚”が女子職員宿舎へ入って行った。
【2】クラス担任である呉永厚は李依依が休息を取っているのは109号室であることを聞いていたので、109号室のドアを開けて中に入った。暗闇の中で呉永厚は李依依が寝ているベッドの横に座ると、李依依に病状を尋ねた。李依依が「とっても良くなりました」と答えると、呉永厚は突然手を伸ばして李依依の顔をなぜた。そして彼女の身体を触り始め、遂には彼女を抱きしめて身動きできないようにした。李依依は抵抗しようとしたが果たせず、呉永厚は一層力を強めると、彼女の顔や唇に接吻し、耳たぶを噛んだ。呉永厚の手はずっと李依依の背中を愛撫しつつ、彼女の着ている服を脱がそうとした。
【3】この時、親友“羅娟娟”(仮名)の父親で物理教師である“羅宇”(仮名)がドアの外から李依依の名前を呼んで、ドアを開けて部屋の中に入って来た。これに驚いた呉永厚は李依依を抱きしめていた手を離すと、ベッドから少し離れた場所に移動し、何事もなかったように振る舞った。羅宇は李依依の頭髪と衣服が乱れていたので、呉永厚が李依依に不埒な行為をしたのではないかと疑ったが、呉永厚の年齢が50歳近いことを思い出して疑念を打ち消した。停電では電気毛布も使えないので、羅宇は李依依を学生宿舎に戻すことを決断し、呉永厚に李依依を学生宿舎まで送らせたが、李依依はこの時程恐かったことはなかったと後に述べている。
【4】それはとにかくとして、李依依は羅宇のおかげで呉永厚に暴行されそうになったのを危機一髪のところで難を逃れた。なお、本来、李依依のクラス担任は別の人物だったが、7月に病を得て入院し、急きょ後任として高校3年2組のクラス担任になったのが呉永厚だった。李依依が呉永厚と初めて会ったのは夏休み中に行われた補習授業だったが、教員室で呉永厚は突然に李依依の顔をなぜた。この時以来、李依依は呉永厚に何かされるのではないかと恐れを抱くようになっていたのだ。呉永厚は1967年生まれで、2016年の事件当時49歳。1992年に“西北師範大学”化学学部を卒業し、2011年に“慶陽六中(慶陽第六高校)”へ配属になり、2014年に“高級教師(大学の助教授に相当)”資格を取得したのだった。
【5】翌日の早朝、李依依は学校の心理指導室へ行き、泣きながら指導教官に事情を説明したが、指導教官は「この問題の解決は自分の手に余るので、状況を学校の責任者である“段”姓の人物に報告すると述べただけだった。事件の2日後、クラス担任の呉永厚は李依依に対して「私が間違っていた。頭がおかしくなり、一時的な衝動で貴女に不埒なことをしてしまった。どうか許して欲しい」と謝罪した。しかし、いくら謝罪されても、許せないことがある。しかもそれをしたのはクラス担任だったのである。
クラス担任変更を要求するも…
【6】事件発生後、李依依の父親“李明”は学校から連絡を受けて娘に問題が発生したと知り、慶陽六中へ出向いて情緒不安定となった娘の状況を知った。当時、李依依は具体的に何が起こったのかを父親には話さなかったし、李明も何があったのかを娘に問い質すことが出来る状態ではなかったので、ひとまず娘を家へ連れて帰ったのだった。9月8日、李明は娘を慶陽市内の医院へ連れて行って検査してもらったが、身体に異常は何も見つからなかった。そこで、翌9日に娘を連れて陝西省省都の“西安市”へ行き、大きな医院で徹底的な検査をしてもらおうとしたが、李依依は心理的な検査を拒否したので、慶陽市へ戻るしかなかった。
大学入試を来年に控えていることから、一度は学校へ戻った李依依だったが、数日すると学校での生活に耐えられなくなり、李依依は再度自宅へ戻った。こうして事件から2週間が過ぎた頃、李明の度重なる質問を受けた李依依は遂に学校で彼女の身に起こったことを話したのだった。真相を知った李明は慶陽六中へ出向き、クラス担任を変更するよう要求したが、学校側は事実関係を調査するとして即答しなかった。
【7】2016年10月7日、李依依は1回目の自殺を試みた。彼女は薬を大量に飲んで人事不省に陥ったが、応急手当によって危機を脱した。李明は呉永厚を婦女暴行で通報しようとしたが、友人から時間が経過しているし、証拠もないから時機を待てと助言を受けたのと、学校側の調査結果を待つこととして通報を保留とした。10月中旬、李明は李依依を連れて検査を受けに上海市へ行った。事前に地元の医院で証明書を発行してもらったが、そこに書かれていたのは“抑鬱症(うつ病)”だった。上海市の医師は明確な診断を下さず、精神安定剤を処方し、可能なら毎月1度検査を受けに来るようにと李明に告げたのだった。慶陽市に戻った後、李依依は再度学校へ戻った。
【8】2016年12月6日、李依依は2度目の自殺を試みた。彼女は上海市の医院が処方した精神安定剤を一気に飲んだのだったが、応急手当を受けて一命を取り止めた。さらに、2017年5月、李依依は3回目の自殺を試みた。今回はビルから飛び降りようとして救助に駆け付けた消防隊員によって救出された。その5月中に李依依は学校の職員に付き添われ李明と共に北京市へ向かい、精神科で名高い“首都医科大学附属安定医院”で診察を受けた。この結果、李依依に下された診断は“創傷後応激障礙(心的外傷後ストレス障害)”であった。
【9】2018年1月15日、李依依は、安定医院が処方した薬10箱以上を一度に飲んで4回目の自殺を試みた。1月16日に慶陽市内の医院が出した“病危通知書(危篤通知書)”には、李依依には多種類の薬物による中毒、中毒性脳病、洞性頻脈などの問題があり、いつ生命の危機が訪れてもおかしくない状態であると書かれていた。
【10】ところで、李依依を4度もの自殺未遂に追い込む原因となった呉永厚はどうなったのか。李明によれば、慶陽六中は李明に35万元(約600万円)の賠償協議を提案して来たが、その他訴訟を行う権利の放棄が前提条件であったので、李明は提案を拒否したという。李明は2017年2月に“慶陽市教育局”を訪ねて呉永厚に対する調査結果を督促した。しかし、その後は何の音沙汰もなかったので、李明は“慶陽市公安局”に事件を通報し、2017年5月に慶陽市公安局の“西峰区分局”が呉永厚に対し“行政拘留10日間”の処罰を科した。
その処罰決定書には、呉永厚が「女子職員宿舎109号室で寝ている李依依に対し唇で李依依の額、顔、唇などに約3分間接吻したが、それを羅宇に見つかった」と供述したことが明記され、呉永厚の行為は『治安管理処罰法』第44条規定の“猥褻(わいせつ)”を構成するとあった。一方、2017年7月23日、“慶陽市教育局”の党委員会は、呉永厚に対する行政処分を決定し、彼を“教育技術7級”から“教育技術8級”へ降格すると同時に慶陽六中から配置転換させることにした。
処罰の理不尽さに失望
【11】呉永厚に対する処罰がわずか10日間の行政拘留であったことを知った李依依は、その理不尽さに失望すると同時に憤った。娘を慰める目的もあって、李明は改めて慶陽市の“西峰区検察院”に対して事件を通報した。事件は受理されたが、2018年3月1日に西峰区検察院は呉永厚を不起訴とする旨の決定を下した。その理由は、「呉永厚の行為は情状が極めて軽微であり、李依依の現在の病状が呉永厚の行為と直接の因果関係を持つという証拠はないので、犯罪を構成しない」という内容だった。
【12】2018年6月中旬、李依依は西峰区検察院の不起訴決定書を見つけて非常に怒った。6月20日の正午、李依依は家族と一緒に昼食を食べた後に、アルバイトの仕事に行くと言って家を出て、その足で麗晶公寓8階に到り、閉店した“火鍋店(寄せ鍋)”の窓から小さなベランダに出た。そして、幅わずか30cmのベランダの縁に腰掛け、不安定な状況で4時間半を過ごした。夜7時頃、消防隊員が李依依を救出しようと手を伸ばした瞬間、彼女は空中に身を躍らせたのだった。午後4時40分に李依依がSNSに投稿した文章の末尾には“一切都結束了(全てが終わった)”と書かれていた。
【13】6月25日の夜、“慶陽市共産党委員会宣伝部”は記者会見を開催し、出席した市公安局西峰分局の副局長“曹懐玉”は、李依依がビルから飛び降りた原因が以前にクラス担任が彼女に行った猥褻行為と直接の関係があるかどうかを現在調査中である旨を表明した。
長くなったが、上記が多くの自殺志願者が模倣した飛び降り自殺騒動の発端となった19歳の女性が飛び降り自殺を遂げるまでの全貌である。この事件は2018年4月20日付の本リポート「中国の名門大学を騒がせたセクハラ告発運動」で報じた中国におけるセクハラ告発運動(“Me Too Movement”)に関連する事件として中国の世論を沸騰させた。
また、野次馬が飛び降りようとする自殺志願者に対して「早く飛び降りろ」などと志願者を刺激するような言動を行ったことが、問題視された。「中華民族は同情心が豊富な民族であったはずだが、一体全体これはどうしたことか」、「一つの生命に対して、どうしてかくも冷酷になれるのか、中国伝統の道徳はどこへ行ったのか」というのが、中国の評論家たちの意見である。中国国民の大多数は生命の尊厳をわきまえているが、一部の社会に不満を持つ人たちはそのはけ口を他人の不幸にぶつけるのである。たとえそれが、死を目前にしている自殺志願者であっても。
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『日本が「中国が守るシーレーン」で石油を輸入する日』(7/3ダイヤモンドオンライン 上久保誠人)について
7/6看中国<北京坚持在WTO自我认定是穷国 美确认如期加税(图)=北京はWTOで貧国と自己認定を堅持 米国は予定通り関税賦課を確認>米国はWTOの自己認定制度に不満を持っている。70年前にできたもの。国連の規定に準じて発展途上国を決めるが、GDPで1035$/人・年以下がそうである。2001年に中国と台湾がWTOに加入するときに3年で卒業する訳が、交渉がうまく行かず、一再ならず延ばされた。WTOの164の構成国のうち、60%の国が発展途上国と自己認定し、最大限の恩恵を得ているか、もっと市場を解放すべきと言われている。先進国と発展途上国は議論してもかみ合わない。2017年、ライトハイザーはWTO閣僚会議で「WTOは途上国の難題に長期に亘り悩まされている。このところ、世界の富裕国6つの内、5ケ国が途上国と自己認定して恩恵を受けている。これは間違いだ。多くの国が義務を避けている。多くの規定が守られていないときに、新たな規則について相談はできない」と。
トランプは4/6のツイッターで「中国は世界第二位の経済大国であるが、WTOでは途上国扱い、巨大な恩恵と権力を得ている。これは公平と思えるか?」と発した。1986年の購買力平価修正のGDPで比べれば、中国は677$/人・年、米国は19078$/人・年と28倍あった。それが2017年には中国16660$/人・年、米国は59501$/人・年と3.6倍と大幅に縮小した。
WSJの報道では、「中国は1996年~2005年の間で、60%関税を減らした。それでも米国と比べると2倍高い。WTOの数字によれば、この数年で米国の平均関税は3.7%、中国のそれは10%である。トランプは3月に米中貿易を対等にすると述べた。「中国は自動車輸入の関税を25%とし米国は2%では余りに不公平である」と。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/07/06/863740.html
7/6變態辣椒 facebookより

“潑墨女孩”董瑤瓊在推特上直播在習近平畫像上潑墨,這個勇敢的舉動在社交媒體上贏得一片讚譽,很多網民對失去音訊的女孩表示擔憂,我覺得在中國的高壓政治環境下,塗污和破壞領袖像或者黨媒宣傳媒體是破除恐懼的第一步,它的意義就在於向個人崇拜說不,用嘲笑對抗強權。
希望大家發揮創意,避開監控,用自己的想象力向沉渣汎起的個人崇拜投出自己的反對意見!
“習近平の肖像にインクを懸けた女性“の董瑤瓊は, twitterにその映像をアップした。この勇気ある行動はSNS上で賞賛を得た。多くのネチズンは消息が分からない少女を心配している。中国の高圧政治の下で、リーダーの像を汚し破壊することや、共産党の宣伝メデイアが取り除かれる恐れの最初の段階であり, その意義は個人崇拝にノーと言い、嘲笑を以て強権に対抗することである。
みんなが創意工夫して 監視を避け、自分たちの想像力を使い、個人崇拝と言う沈んだカスを浮かび上がらせることに対して、反対意見を言おう。
https://www.facebook.com/100024699002924/videos/216263519206947/
上久保氏の記事では、シーレーンにポイントを置いていますが、その前にエネルギーミックスの議論が必要と思います。勿論領土の現状を変更する中国の野蛮な行為は阻止しなければならないので、別な議論は必要でしょうが。
エネルギーの面では、メタンハイドレートと将来的(40~50年後)には核融合が実用化されれば石油の代替となるのではと考えています。
副島隆彦著『米軍の北朝鮮爆撃は6月! 米、中が金正恩体制破壊を決行する日』を読み終えました。残念ながら、6月には攻撃が行われませんでした。でも本人が左翼と言っていますが、論理の組み立てと信念は確固たるものがあると感じました。嘘つき左翼とは一味違います。ただ論理の前提が小生と大きく違っていますので、立場の違いは明らかです。
①第二次ヤルタ会談で米露中が世界を軍縮管理(P141~142、154)。


②19世紀はイギリスの時代、20世紀はアメリカの時代、21世紀は中国の時代。好むと好まざるとに関わらず覇権国が移る。(P.184)
③「西太平洋は中国のモノ、米国はグアムかハワイまで退け」と習はトランプに言った(P.184~185)。
④2020台湾総統選には蘆麗安女史の当選が決まっている。(P.212)

⑤米中共同で北朝鮮を攻撃(P.89~90)
まあ、キッシンジャーがどれだけ力を未だ残しているかは分かりません。また状況がこの本が書かれた時点(本年3月)より進み、ポンペオ・金会談、習・金会談、米朝首脳会談までありましたから副島氏の予想とは違った展開になっています。副島氏の言っていることが正しく、金正恩が馬鹿でなければ、中国の手を離れて、米国にくっつかると思うのですが。米中貿易戦争で分かることはガチンコ勝負になっていると見ます。ですから、上久保氏の言うように南シナ海を中国の内海にすることは米国が許さないと思います。でも最悪のケースも考えておかなければなりません。上久保氏には具体的な案を出して欲しいです。中国が米国のようにタダで守ってくれるとは思いません。みかじめ料は必ず取ります。そもそも敵国である日本に有利なことをするとも思えませんが。
記事
ドナルド・トランプ米大統領が、日本を含む世界各国にイランからの原油輸入を11月までにゼロにするよう要求している。イランに対して強硬姿勢を示すトランプ大統領は、「イラン核合意」から一方的に離脱を宣言し、対イラン経済制裁を復活させる大統領令に署名していた。今回の要求は、その制裁の一環として行われるという。
日本政府は、とりあえず米国への回答を保留した。今後、米側に働きかけて、輸入停止を回避したい考えだが、米国は「適用除外」を一切認めない方針だ。
日本ができることは「超対米従属」のみ イランの原油輸入禁止は受け入れるしかない
この連載では、トランプ政権の米国に対して日本ができることは「超対米従属」しかないと主張してきた(本連載第149回)。トランプ大統領は気まぐれで、一旦「敵」とみなすと容赦がないことは、大統領が就任してから1年半、世界が散々見せられてきた。
だが、日本は、第二次世界大戦後に米国が築いてきた世界秩序から最も恩恵を受けてきた国であり、米国との同盟関係を維持する以外に生きていく道はない。日本は、気まぐれなトランプ大統領を絶対に怒ら
せるわけにはいかないのだ。その意味で、安倍晋三首相がトランプ大統領をまるで「成金社長を接待漬け」にするように歓待してきたのは、「概ね適切」だと思っている。
今回も、米国の要求に従う以外に日本の取るべき道はない。「イラン核合意」については、その継続を望む欧州連合(EU)が米国と対立している。しかし、安倍首相は、核合意への支持を表明する一方で、米国の離脱方針について「理解するところがある」と発言し、態度を曖昧にしている。
今後も、米国とEUの間で曖昧戦術を続けるしかないだろうが、トランプ大統領の「原油輸入禁止」の要求は、シンプルに受け入れたらいい。日本がイランから輸入している原油は、原油輸入量全体の約5%だ。それは捨てるしかないのかもしれない。
トランプ政権は、イランからの輸入停止分の代替として、サウジアラビアなど他の産油国に原油増産を要請しているという。とりあえず日本は、トランプ大統領の要請に乗って、複数の国から安定的に原油を輸入できる環境を整えればいい。
原油輸入の中東依存度の高さはエネルギー安全保障上のリスクだ
要するに、日本は当面の間、「超対米従属」に徹するべきである。だが、短期的に難局を乗り切ることを考えるだけではなく、これを契機に日本のエネルギー安全保障政策全体を見直してみてはどうだろうか。
例えば、前述の通りイランからの原油輸入は全体の5%だが、中東地域からの輸入となると、実に原油輸入全体の約9割に達する(内訳はサウジアラビアが40%、アラブ首長国連邦が24%を占める)。日本では、「原油輸入は中東から」ということに疑問を持たない人が多いだろうが、世界中でこれほど中東への依存度が高い国は他にはない。中国は、中東地域からの原油輸入は51%に過ぎないのだ(中東以外は、アフリカ22%、欧州13%、米州11%、アジア豪州2%)。
1つの地域から9割を超える輸入を行っているというのは、エネルギー安全保障上、リスクが大きすぎるのは明らかだ。しかも、「イラン核合意」が結ばれる前、経済制裁が続いていた頃には、イランによる「ホルムズ海峡封鎖」が何度も取り沙汰された。ホルムズ海峡が封鎖されれば、イランのみならず中東全域からの輸入ができなくなる。中東依存度が高い日本は、その他の国よりも高いリスクを抱えていると指摘されてきたのだ。
再び、国際社会とイランの関係が悪化すれば、またイランが「ホルムズ海峡封鎖」をチラつかせ始める懸念がないとはいえない。とりあえず、トランプ大統領に従っておけば安心というだけではなく、その先のリスクを考えておかねばならない。
第二次大戦後の米国の国家戦略を振り返る 日本は米国に守られて石油を確保できた
次に考えなければならないのは、日本にとってのリスクはイラン以上に、「米国」だということだ。そもそも、日本が原油輸入の約9割を中東に依存できるのはなぜかということを、突き詰めて考えてみる必要がある。
日本が中東から安定して原油を輸入できたのは、「トランプ以前」の米国の世界戦略のおかげである(第170回)。それは元々、東西冷戦下、ソ連・中国共産党の共産主義ブロックに対抗するための戦略であった。
共産主義の拡大を防ぐために、米国は地政学的な拠点にある国々と同盟関係を築こうとした。西ドイツ、フランスなど西欧、日本、韓国、トルコなどアジアが共産主義と対峙するフロントラインであり、米国の戦略的拠点となった。
米国の戦略的拠点となった国々は、第二次大戦で荒廃し、共産主義からの独立を維持するには、米国から軍事的、経済的に守ってもらうしか方法がなかった。そこで米国はまず、同盟国の安全保障をほぼ肩代わりし、ソ連の侵略から守った。これが「世界の警察官」の誕生であった。
また、「世界の警察官」は、同盟国の領土を守るだけではなかった。米国自身と同盟国が安全に石油・ガスなど天然資源を確保するため、世界的に展開できる唯一の海軍を提供して「世界の全ての海上交通路」を防衛したのだ。
石油・ガスの安定確保を得られた同盟国は、工業化に取り組むことができた。その工業製品は米国市場へ輸出され、同盟国は経済成長を果たした。米国は同盟国を豊かにすることで、同盟国の国内に貧困や格差による不満が爆発し、共産主義が蔓延することを防ぐことができた。
米国の同盟国の中で、最も「世界の警察官」から恩恵を受けたのが、日本であったのは言うまでもない。日本は奇跡的な高度経済成長を成し遂げて、北東アジアで共産主義と対抗するフロントラインとして機能した。
興味深いことは、日本は米国のかつての敵であり、米国に対して戦争を始めた最大の理由は、資源と市場へのアクセスを確保するためだったことだ。ところが、日本は米国に完膚なきまでに叩きのめされながら、戦後米国によって、戦争前の望みをはるかに上回る資源と市場を提供されたということだ。
トランプ大統領がシーレーン防衛を「コストが高いからやめる」と言い出すリスク
要するに、日本が中東地域に原油輸入の約90%を依存できるのは、東西冷戦以来の米国の国際戦略の中で守られてきたからだといえる。だが、今後はどうなるかわからない。トランプ大統領の「アメリカファースト(米国第一主義)」は、この国際戦略を真逆にひっくり返そうとするものだからだ。
トランプ大統領は、米国が「世界の警察官」を続ける意思がなく、「世界を食わせる」ことをやめると明快に言っている。これから米国は、米国自身のために軍隊とカネを使う。むしろ同盟国は、米国のために少なくともカネを出せ。これがアメリカファーストなのである(第149回、第150回など)。
これは一見荒唐無稽に聞こえる。だが、トランプ大統領は就任後、この発言通りに外交を進めてきた。例えば、
(1)エルサレムをイスラエルの首都として正式に承認すると宣言する、米国の外交政策の歴史的大転換を行った(第173回)。
(2)米朝首脳会談後には、「在韓米軍の撤退」の可能性に言及し、「コスト削減になる」とまで言い切った(第186回)。
(3)米国への輸入品に高関税をかける輸入制限措置を打ち出し、中国やEUが対抗措置として報復関税を発動する貿易戦争状態となっている。
そして(4)「イラン核合意」の一方的破棄と各国への原油輸入禁止の要求である。
これらは、米国が構築してきた国際秩序を、自ら壊すようなものである。しかし、国際社会が混乱に陥っても、米国にとっては痛くもかゆくもない。なぜなら、「シェール革命」によって、米国が世界最大の産油国となり、石油の輸入国から輸出国に変わっているからだ(第170回・P.4)。
米国にとって、中東の石油が必要なくなれば、もはや「世界の警察官」をやっていく意味もないということになる。米国が警察官をやめることで、中東情勢が混乱しても、米国には関係ない話になるのだ。トランプ大統領が、ホルムズ海峡からインド洋、マラッカ海峡に至る石油輸送ルートを米海軍に防衛させることを「コストが高いから、やめさせる」と言い出すリスクを、日本は考えておく必要がある。
「石油輸送ルート」を守る役割が中国海軍に代わるリスクを考えるべきだ

中国政府が推進する「一帯一路」構想 出典:浙江省寧波市商務委員会
さらに、深刻に考えねばならないことがある。米国が中東への関心を失う一方で、ウラジーミル・プーチン大統領によって「大国復活」を目指すロシアが関与を強めている(第149回)。トルコも、「オスマン帝国」の夢よ再びと、中東の盟主の座を狙っている。そして、最も日本にとって深刻な事態となる懸念があるのは、中国の海洋進出である。
中国は、「一帯一路構想」という国家戦略を推進している(第120回)。「一帯」とは、中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」、「一路」とは中国沿岸部から東南アジア、インド、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」である。
元々、地政学的には「ランドパワー」である中国が、「一帯」を推進するのはわかりやすいが、問題なのは、中国の「シーパワー化」を意味する「一路」である。これは、米国や日本など、「シーパワー」からは到底容認できないことだ(前連載第64回)。

本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されます。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)
だが、中国のシーパワー化は着々と既成事実化しつつある。スエズ運河とつながる紅海の入り口に位置する戦略上の要衝である、アフリカ北東部のジブチに軍の補給基地を建設した。また、スリランカからハンバントタ港の99年間の港湾運営権の獲得を皮切りに、アジア・アフリカ間の港湾ネットワークを構築しようとしている。いずれ増大する中国海軍が、この港湾ネットワークを行き来するようになる可能性は高い。
要するに、将来ホルムズ海峡からインド洋、マラッカ海峡を通る石油輸送ルートを守る役割が、米海軍から中国海軍に移ることがあるかもしれない。その時、日本はこれまで通り、中東から石油を輸入し続けることができるのだろうか。
何度でも強調するが、トランプ大統領の「イランからの原油輸入禁止の要求」は、日本の「エネルギー安全保障」の将来を、抜本的に見直す契機としなければならない。根拠のない楽観論は、日本の将来に百害あって一利なしである。
(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)
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『習近平は今こそ世界のリーダーになろうと目論んでいる』(7/3ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について
7/5阿波羅新聞網<海航董事长身亡地曝光 陆媒称当地最大医院:未曾收治王姓病人 图集=海南航空の王健会長が亡くなった地名が明らかに 大陸メデイアは現地で最大の医院と報道 ただ王という姓の患者はいない>現地の警察は「彼は胸壁をよじ登って風景を撮ろうとしていた。1回目は失敗し、次に駆け上った。胸壁の上から落ちたが、高さは10mはある」と。
まあ、警察官も近くにいた人(殺した人かもしれませんが)に聞いたのを鸚鵡返しに言っているだけですから、真実かどうかは分かりません。ただ、単なる事故ではなく、宮崎正弘氏の言う自殺か他殺かどちらかでしょう。

王健
http://www.aboluowang.com/2018/0705/1139068.html
7/5宮崎正弘氏メルマガ<海航集団の王健(董事長)がフランスで客死。崖から落ちた? 経営危機の最中、なぜフランスで峻嶮は厓から落ちたのだろう>
http://melma.com/backnumber_45206_6704778/
7/4阿波羅新聞網<北京出现了自六四以来最严重的政治危局 ——中国的“百年争霸梦”与今日北京的政治危局=北京は天安門事件以来の政治的危機に 中国の“百年マラソン”の夢と今日の政治の危機について>トランプは中国の最近の譲歩も無視し、貿易戦争を継続させ、中国を苦い目に遭わせるだろう。筆者の見るところによれば、内外の政治状況は習近平の予測を超えて、大幅に悪くなり、天安門事件以来の重大な政治危機となって、習は苦しい結論を出さざるを得なくなった。しかし、引延しは更に危険を増すだけである。
トランプが7/6の前に350億$の報復関税を賦課する前に、貿易戦をストップするという懸念があった。中国の情報によれば、習は考えられない譲歩をした。人はこれを「中国の特色ある投降」と呼んで嘲笑った。一つは22条と呼ばれるマイナスのリストを受け入れたこと、多くの人は「対華21ケ条」を想起して、国恥と思うだろう。また「中国製造2025」はネットから消え失せ、映画「凄いぞ、我が国」は批判の対象になった。
習が重大な譲歩をしたなら、人々は問わざるを得ない。「今がこうであるなら、初めは何だったのか?どうして中国は当初あんな強硬な態度を採ったのか、それでいて今や恥辱に塗れている」と。簡単な答えは習近平が双方の力を誤判断したからである。何が原因で習に急いでこのような難しい決定をさせたのか、貿易戦争で時間稼ぎをしなかったのか?米国人は習が覇権を奪う2025等の戦略を内心では放棄しないのは分かっている。でもなぜ貿易戦争を続けるのだろう。何故習に表面上屈服させるように圧力をかけるのは面子を失わせるため?
トランプと強硬派は中共のリーダーに明確な意思を伝えたと思っている。「米国は、中国が米国に替わりその地位を奪う野心を絶対に許さない。この野心を持つのは、習を含め誰であろうと、中共の内部闘争で不利になるようにする」と。筆者がこう判断するのは、ピルズベリーが3年前に書いた《百年マラソン》で米国のエリートやトランプに重大な影響を与えた。太子党の反米分子は毛沢東の世界覇権戦略を放棄していない。さらに重要なのは米国の覇権を奪おうとする人が中共の権力闘争で勝利する可能性である。
ピルズベリーが米国のエリートと大衆に訴えたのは「50年かけて米中はお互い戦略ゲームをしてきたが、中国が主導権を握り、上位に立つようになった」と。トランプ及びWHはピルズベリーの主張を受け入れるだけでなく、今こそ中国に思い知らせる良い機会だと思っている。これは習にとって国内政治で面倒になるだけでなく、米国は習が公開で話したことと内部で話すことが違うことを掌握するためである。
http://www.aboluowang.com/2018/0704/1138624.html
加藤氏の記事は何時読んでも共産党のプロパガンダの域を出ないという気がします。福島氏や山田氏、北村氏のようにもっと大衆に近い所の視点を入れれば面白くなるでしょうけど。まあ、身過ぎ世過ぎの為には、共産党に媚びを売らないと情報入手が困難になるのかもしれませんが。でも東大を蹴って北京大に入ったとか経歴詐称する当たり、上方指向が強いのかも知れません。平気で嘘がつけるのは共産党にピッタリです。
加藤氏の記事は7/3で、阿波羅新聞網の記事は7/4と一日違いですが、内容はこうも違うのかと感じます。どちらが正しいのかは分かりませんが、人権弾圧し、富を収奪、他国を侵略しようとする中共を応援する訳には行きません。譬え現実で中共が有利だとしてもです。共産主義が世界に蔓延することを防ぎたいと思っています。自由主義国が結束して中共の世界制覇の野心を阻止しなければ悲惨な運命が待っているだけです。
記事

米国が内向きになる中、中国の影響力は大きくなっている(写真はイメージです)
最高レベルの会議 中央外事工作会議が開催
6月22~23日、中央外事工作会議が北京で開催された。中国、より厳密に言えば中国共産党の外交戦略・政策、そしてその裏に潜む背景や意図を読み解く上で極めて重要な最高レベルの会議である。
この会議が初めて開催されたのが胡錦濤・温家宝政権時の2006年8月で、2回目が習近平第1政権時の2014年11月であった。これだけ間が空いていることからも想像がつくが、同会議はこの期間における国際情勢や中国の外交政策を総括した上で、これからの数年に向けた外交方針や戦略を大局的に組み立て、打ち出すことを目的としている。
上で“最高レベルの会議”と記したのには、習近平総書記が重要談話を発表したのを筆頭に、すべての政治局常務委員、王岐山国家副主席、政治局委員、全国人民代表大会指導層、全国政治協商会議指導層、国務委員、最高人民法院院長、最高人民検察院検察長、中央国家安全委員会委員、中央外事工作委員会委員、各省庁の首長、駐外大使・総領事、駐国際機関代表、駐香港・マカオ特派員、地方の首長、解放軍、国有企業、金融機関などの指導層などが総出で出席した事実による。
これだけの関係者が集結するというのは、中国共産党指導部が意思や方針を統一し、トップダウンで各地・各部署への統制や浸透を図る目的があるということにほかならない。
以下、同会議の模様を具体的にレビューしつつ、そこから何がどのように読み取れるのかを検証していきたい。本連載の核心的テーマである「中国民主化研究」にとっても欠かせない作業であると筆者は認識している。
赤裸々な“習近平色”がにじみ出ている
今回のテーマは『新時代における中国の特色ある社会主義外交思想を指導とし、中国の特色ある大国外交の新たな局面を切り開くことに尽力する』というものであった。
“新時代”、“中国の特色ある社会主義外交思想”、“中国の特色ある大国外交”という3つの言い回しはいずれも習近平政権を象徴するものであり、そこには赤裸々な“習近平色”がにじみ出ているといえる。
そこからは、中国の発展段階や戦略方針という意味で、“旧時代”と区分し、新たな段階へと突入していくための明確な意思がうかがえる。
筆者から見て、中国共産党指導部の現状認識と未来展望を理解する上で、特筆に値すると思われる習近平の発言が3つある。少し長くなるがそれらを翻訳・引用した上で、筆者なりの解説を加えていきたい。
「党の18回大会以来、国際情勢が目まぐるしく変化する中、党中央の強力なリーダーシップの下、我々は困難に打ち勝ちながら前進し、その気勢は怒濤(どとう)のように盛んで、規模はすばらしく壮大である。中国の特色ある大国外交を切り開き、推進し、多くのリスクやチャレンジを経験し、多くの大きくて硬い戦いに勝利し、多くの大事や難事に取り組み、成し遂げてきた。歴史的な成果を得たといえる。実践の中で我々は有益な経験や深い体験を蓄積してきたが、対外工作は国内と国際の2つの大局を統合する必要がある。戦略的自信を堅持し、戦略的定力を保持し、外交理論と実践のイノベーションを推進し、戦略的計画をグローバルなスケールで堅持した上で、国家の核心的利益と重大な利益を断じて死守し、協力とウィンウィン、義務と利益を同時に確保していく。その過程で、ボトムライン思考とリスク意識を堅持することが必要である」
習近平政権はこれまで以上に 世界のリーダーシップ発揮を目論む?
この段落を読んで筆者が真っ先に感じたのは、共産党指導部として、習近平第1次政権として「外交にはかなり苦労した」(中央外事工作委員会工作人員)という心境がうかがえることだ。
南シナ海問題を巡るフィリピンとの仲裁案、朝鮮半島では“盟友”北朝鮮による度重なる核実験やミサイル発射、それによって中国が失うメンツと強まる圧力に悩まされた。経済的往来の深まる韓国との終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題では、米韓軍事同盟を前に安全保障的な圧力を感じ続けてきた。この2つの問題が一段落した、一安心するに至ったという安堵(あんど)の心境がうかがえる。
一方で、通商摩擦が持続的に激化し、台湾問題が一触即発のリスクを引き起こしそうな米国との関係は「中国にとって、内政・外交を含めて目下最大の懸案である」(同人員)といえる。ただし、トランプ大統領の“ツイッター戦術”には、当初に比べれば中国も慣れてきたように見える。
引き続き摩擦やリスクに直面していくのは必至であろうが、トランプ政権下の米国が内向きになり、あらゆる国際協定や多国間システムに消極的になり、脱退する動きを見せる中、中国としてはこれまで以上に積極的に世界政治経済におけるルールメイキングやリーダーシップの発揮をもくろむ用意や姿勢が見受けられる。
それらが如実に表れているのが習近平による以下の主張である。
「中国として正しい役割を自覚する必要がある。あらゆる国際現象を冷静に分析する必要があるだけでなく、自らをもそこに関与させる必要があるということだ。中国と世界の関係性から問題を認識し、世界情勢の変遷における我が国の地位や役割を明確にした上で、科学的に対外方針・政策を制定していくのである。現在、我が国は近代以来最高の発展時期に差し掛かっている。
一方で、世界は百年未曾有の大変局の中にある。この2つの要素は相互に激しく交錯しているが、現在、そして今後、一定期間の対外工作をきっちりとこなすという意味において、我が国に有利な多くの条件が国際的に存在すると私は考えている」
習近平は米国のトランプ政権が自己中心的になり、グローバリゼーションや多国間主義、自由で公正な経済貿易システムの実現などに消極的な言動や姿勢を見せる中(そして先日カナダに開催されたG7首脳サミットで“西側先進国”内部での団結や協調に陰りが見える中)、ますます不安定感・不透明感が漂う昨今の国際情勢を戦略的契機だと認識している。
“中国の特色ある大国外交”を展開してくるであろう
今回の会議は習近平第2次政権の外交方針・戦略を打ち出す性質のものであったが、これを機に、中国は自らの存在感や発言権を大々的に向上させるべく“中国の特色ある大国外交”を展開してくるであろう。
その過程で、“一帯一路”、“人類運命共同体”、“新型国際関係”といった“習近平新時代”のスローガンを掲げながら、上海協力機構、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、G20サミット、中国・ASEANサミット、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、アジアインフラ投資銀行、新開発銀行といったメカニズム・プラットフォームを通じて自らの経済的権益を拡大し、その過程で“お友達”を増やしつつ、中国の核心的利益や政治的尊厳を死守すべく仕掛け、動いてくるであろう。
“西側先進国”をはじめとする国際社会は、そういう意図や戦略を持つ中国の行動を持続的に注意深く観察し、「協力する部分」「関与する部分」「牽制する部分」という3つの次元を明確にした上で、対応していく必要があると筆者は考えている。
そんな中国は具体的にどのように“対外工作”を仕掛け、“お友達ネットワークの拡大”(筆者はこれを“習近平外交”の一大特徴だと解釈している)を達成しようとしているのだろうか。この点を占う上で有益な情報が詰まっているのが以下の部分である。
「外交とは国家意思の集中的体現であり、外交大権は党中央にあることを堅持しなければならない。政治意識、大局意識、核心意識、右に倣う意識を増強させ、党中央の権威と集中的統一的領導を断じて守らなければならない。対外工作は系統的な工程であり、政党、政府、人大、政協、軍隊、地方、民間などとの統合と協調を強化し、相互に分業、協力し、対外工作の大きな協調の局面を形成した上で、党中央の対外方針政策と戦略的措置を実践しなければならない」
すべては党中央の意思に従え
ここから2つのインプリケーションを見出すことが可能であろう。
1つは習近平政権最大の特徴である「すべては党中央の意思に従え」というものである。党中央、そしてその最高指導者である習近平の意思が直接的に外交政策に反映されるということである。
換言すれば、我々が中国外交を観察していく上で、これまで以上に内政的事情や要素を加味していかなければならないということでもある。筆者自身はそんな習近平新時代における外交の1つの特徴を「内政化する外交」と解釈している。そして、“内政化”しながら(前述したように)“拡張化”してくるからこそ、理解や対応が厄介になるのだといえる。

『日本夢 ジャパンドリームーーアメリカと中国の狭間でとるべき日本の戦略』 劉明福・加藤嘉一著 晶文社 1850円+税
もう1つは、習近平率いる党中央による指導の下、軍隊や民間企業、そして海外における(有名無名、有形無形の)中国の関連組織や団体を含め、これまで以上に全方位・官民一体・挙国一致で中国の権益や尊厳を死守し、拡張し、浸透させるための対外工作が大々的に展開されるということである。
党・政府・軍だけでなく、企業、留学生、そして得体の知れない“観光客”などがビジネスの場で、教育の場で、公共の場で意識的あるいは無意識のうちに、個人的あるいは集団的に“現代版ゲリラ戦”を展開していく局面を、筆者は容易に想像できる。
そんな局面を前に、私たち外国人はどこまでが“お上”の意図を反映しているのか、どこから先が“民間”の行為なのかという境界線の問題に、これまで以上に困惑させられることになるであろう。
それはすなわち、私たちが中国と向き合い、付き合っていく上での不安要素・材料へとつながっていくのである。
(国際コラムニスト 加藤嘉一)
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『日系企業も被弾する米中貿易戦争の実態は「ハイテク覇権争奪戦」』(7/2週刊ダイヤモンド編集部)、『日本人は中国の見方が小学生レベル、在日新華僑の忠告』(7/2週刊ダイヤモンド編集部)について
7/3看中国<中國軍方招待美防長場面尷尬 軍官被批有損形象(圖)=中国軍はマテイス国防長官を招待したのにばつが悪いことをした 軍高官はイメージを損ねたと批判を受ける>

中方軍官在敬禮時被發現「交頭接耳」。(圖片來源:Getty Images)=中国軍は敬礼時に低い声で囁き合う。丸で囲んだのがそう。
また歓迎の宴席で軍の文芸団の歌手がエーデルワイスを歌ってマテイスの入場を迎え、マテイスにも一緒に歌えと言ったが、マテイスは断った。駐米大使の崔天凱が一緒に歌って場を取り繕った。多くの中国のネット民は嘲笑して「重要な会議がカラオケになるのは、中国と言うのは優れた国だこと」「米国人を理解しているのなら、マテイス国防長官はこのような社会に反感を持っているというのを知るべきである」、「これは却って中国の一大発明である:国の宴席をカラオケにする」と皮肉った。
マテイスと習は南シナ海や台湾問題で合意することはできなかったが話し合いを継続することで折り合った。マテイスは中国のやり方について「南シナ海に軍事施設を造るのは、その地域の国家を脅迫・圧迫することになる。力に頼るのは国際舞台に中国国内の強権政治を模するものである」と。印度太平洋司令部第三艦隊のアレクサンダー指揮官は「マテイスは明確に米国の立場を述べた。中国と協力するのにやぶさかではないが、必要とあれば中国と正面から鉾を交えるつもりである」と。
https://www.secretchina.com/news/b5/2018/07/03/863369.html
7/2看中国<華為尖銳批評美官員 盧比奧2天推2項立法(多圖)=ファーウエイは米国の官員を鋭く批判 ルビオは2日の内に中国関連で2本も法案提出>徐直軍・ファーウエイ会長はインタビュー時、ルビオともう一人の国会議員に対し、“考えが凝り固まっているうえに無知”、“身は情報化時代にありながら、心は農業時代を生きている”と述べた。ルビオは反撃して、2本も2日の内に中国関連で法案を提出した。ルビオは「問題は中国が我々の数十年に及ぶ研究成果を盗み去ることである。誰でもその成果は享受されるべきなのに、中国は自分達の市場は閉ざして入るのを拒んでいることでにある」と。
https://www.secretchina.com/news/b5/2018/06/30/863141.html
7/4JBプレス FT<人民元が最大の下げ、今度は米中通貨戦争の懸念 関税の影響を相殺する狙い、通貨の「兵器化」に伴う大きなリスク>「人民銀行は2015~16年に、市場の元安観測と戦うために介入し、ざっと1兆ドルの外貨準備を使い果たした。今こうした観測を復活させることには大きなリスクが伴うとボー氏は警鐘を鳴らす。 「大幅な人民元安から恩恵を得られたとしても、悪影響の方が圧倒的に大きい。資本逃避の加速、国内流動性の逼迫、そして信用市場のストレス拡大の可能性といったものだ」」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53471
7/3ブルームバーグ<中国人民元の下落続く、介入想定水準超える元安>「人民銀は1ドル=6.7元で元下落を抑制しようと行動する公算-調査」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-03/PB9TUI6JTSE901
6/26本ブログで紹介しましたように、宮崎正弘氏の見立てでは中国の外貨準備は殆ど残っていない感じです。輸出活性化の為に、人民元を意図的に下落させなくとも必ずや下がり、予想に反して大暴落となるのでは。そうなれば対外債務の支払い、特に原油価格が上がることになり、コストプッシュインフレを引き起こすでしょう。当局がブレーキをかけようとしても、外資の流出でかからなくなるのでは。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=9253
7/4日経朝刊<預金準備率に下げ観測
中国経済をめぐる不透明感が増すなか、景気を下支えする当局の政策対応に関心が集まっている。金融政策では中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行から強制的に預かる預金の比率を示す「預金準備率」を引き下げるとの予測が大勢を占めた。調査を実施中の6月24日、人民銀は預金準備率の引き下げを発表したが、今後さらに下げるとの予測も聞かれた。シンガポール銀行のリチャード・ジェラム氏は「米国の保護主義による影響とバランスを取るため適度な刺激が必要になる」と予想している。ING銀行の彭藹嬈氏 も「貿易戦争になっても 財政政策や金融政策が経済の落ち込みを相殺する」と分析した。人民元の予測平均値は 2018年末が1ドル==6.53元、19年末は 6 .511元だった。調査を始めた6月半ばは6 .4元台だったが、足元は1時6.7元台まで急落した。 BBVAの夏楽氏は「貿易戦争のリスクによって中国の対米貿易黒字が縮小し、緩やかな元の下落につながる」と指摘。 三菱UFJ銀行の范小晨氏は「中国政府は元の急速な下落による資本流出は一貫して容認していない。元安には限りがある」との見方を示した。>
6/24日経<中国人民銀、預金準備率0.5ポイント下げ 米中摩擦激化で景気下支え>「7月5日から実施する。大手銀行の標準的な準備率は16%から15.5%に下がる。市中に出回るお金は計7000億元(約11兆8千億円)増える。」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32173710U8A620C1FF1000/
如何に中国の景気が悪くなっているかです。通貨供給量を増やしてもどのように使われるかが問題です。
貿易戦争の記事は世界覇権の争いであることが分かっていないから、「安全保障を名目に狙い撃ち」とか書けるのでしょう。米国は自分達の未来に向け、軍事力で圧倒している今のうちに、中国を叩き潰そうと躍起になっている訳です。ツキデテイスの罠はそう言う意味でしょう。経済だけで物を見ると、誤って判断します。特にリベラルな記者が書くとそうなります。
厳氏の記事は「週刊ダイヤモンド」の宣伝の意味もあるのでしょうけど。彼にも言いたいのは“入乡随俗“(郷に入れば郷に從え)です。ここは日本なのだから、中国と同じ振る舞いはすべきでないのに、彼らはどこに行っても中国にいるような振る舞いをします。だから嫌われるのです。旅行は短期で仕方のない面がありますが、留学や仕事で来る場合は、試験担当や人事担当はよくよく審査すべきです。何せ南シナ海、尖閣を見て分かる通り、「他人のものは俺のもの、自分のものは自分のもの」という身勝手な連中です。日本も米国同様、中国に技術を盗まれることにもっと敏感になった方が良いでしょう。
記事

Photo:REUTERS/アフロ、iStock/gettyimages
米中の報復合戦の内実は、貿易戦争にとどまらず、超大国としての威信を懸けた「ハイテク覇権争い」である。保護主義を強める米国と世界一の製造強国を目指す中国。両国のはざまで、日系企業は難しい決断を迫られている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平、浅島亮子)
「かつての日米貿易摩擦で繰り広げられた米国の“手の内”と重なる」──。中国経済に詳しい大和総研の齋藤尚登主席研究員は、貿易制裁などで日に日に激しい報復合戦を繰り広げる米国と中国の応酬に関して、このように分析する。
どういうことか。1980年代ごろに日米で貿易摩擦が生じた当時は、一見通商戦争のようでありながら、米国は次第に日本のマクロ政策や産業政策にまで口を出すようになり、台頭著しかった日本の経済力の弱体化を画策。貿易不均衡を理由とした鉄鋼やカラーテレビ、自動車などの対米輸出規制にとどまらず、半導体やコンピューターといったハイテク分野で米国市場から日系企業を締め出す「ハイテク摩擦」に発展した。
世界第2位の経済大国となり米国を猛追するまでになった中国は、まさにかつての日本がたどった道を進もうとしている。米中の報復合戦の内実は、貿易戦争にとどまらず、長きにわたる超大国としての威信を懸けた「ハイテク覇権争い」に他ならない──。そんな両国の開戦の火ぶたがついに、切られたのである。

貿易戦争ならば、貿易不均衡は対米投資の拡大によって、何とかつじつまを合わせることもできよう。だが今の米中で起きているのは、最先端テクノロジーや安全保障という、将来の国力を左右する根幹部分を賭した覇権争いだ。このため、米国は中国資本の入った企業の対米投資にまで制限を加えようとしている。
足元の米中摩擦の背景を、「11月の米中間選挙をにらんだトランプ米大統領の一時的な暴走」とみる向きも少なくない。ただ、さらに巨視的にこの対立を捉えなければ、本質を見誤りかねない。
トランプ氏のちゃぶ台返し
下図は米国が通商法301条に基づく500億ドル相当の追加関税リストを公表した4月以降、米側からの先制攻撃を皮切りに、中国が強烈なカウンターで応じる“殴り合い”の様相を時系列で示したものだ。

互いに経済依存度を深める両国にとって、報復合戦は米中経済の逆風となりかねない。それだけに、両国の交渉チームは水面下で落としどころを探りながら議論を重ね、5月19日に共同声明を発表、一時は殴り合いを休止する“クリンチ(抱き付き)”状態に至った。
そんなつかの間の静謐を打ち破ったのは、他でもないトランプ氏だ。わずか10日後の29日、“休戦協定”のちゃぶ台返しで追加関税リスト公表を米通商代表部(USTR)に指示すると、対立局面は一気にエスカレートした。
そんな対中制裁をめぐる米側の行動は、主な目的別に二つに分けられる。貿易不均衡是正を理由に追加関税を迫る「保護貿易」と、知財侵害が疑われる行為に関連し中国ハイテク企業へ制裁を行う「ハイテク排除」だ。
実は、前者の保護貿易の中にもハイテク排除の狙いは潜んでいる。6月半ばに公表された追加関税の品目リストでは、4月時点の素案から新たに半導体や半導体製造機器が対象に加わり、中国のハイテク分野に照準を合わせる様が浮き彫りとなった(下表参照)。

そうした中で専門家らが気にしているのは、6月末ごろに公表予定の中国企業への「対米投資制限案」の中身だ。トランプ氏は26日、中国企業の投資に関し、外国企業の対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)を活用する考えを示唆。CFIUSは日本を含む外資全体が対象のため、市場では米国の強硬姿勢がやや和らいだと受け止められたが、この暗黙のターゲットが中国であることに変わりはない。
米国株は米中摩擦の動きを受け、その時々で売りを浴びてはいるものの、本格的な急落局面にまでは至っていない。「結局のところ“プロレス”だろう」と、米中が協議の末に軟着陸するとの楽観的なシナリオを描く市場関係者は多い。
だが、現実はどうか。「トランプ氏が投げた高い球を受け取る人が誰もいない」(みずほ総合研究所の安井明彦欧米調査部長)、「もはや米国は自制機能を失った」(丸紅の今村卓経済研究所長)、「トランプ氏はやる気満々で先はかなり読みづらい」(三井物産戦略研究所の山田良平北米・中南米室長)──。
専門家からは、以前より厳しい先行きとみる声が続々と聞こえてくる。5月末にトランプ氏が“休戦協定”を袖にして以降は着地点が見通しづらくなっており、市場の期待値と実態との間に乖離がある可能性も捨て切れない。米中摩擦の激化の果てには、今のところ堅調な世界経済への大逆風となることも考えられる。
安全保障を名目に狙い撃ち
トランプ氏の強権発動は止まらない。最近、安全保障の脅威を理由に、中国のハイテク企業を狙い撃ちにする事例が目立っている。
そのいけにえとなったのが、通信機器のZTE(中興通信)だ。4月に、イランや北朝鮮と違法取引をした疑いで、米商務省から米国企業との取引を禁じる制裁を科され、壊滅的なダメージを被った。
次の標的はどの企業か──。そのヒントになり得るのが、米中経済安全保障調査委員会(USCC)が技術系コンサルティング会社、インテロス・ソリューションズに作成させたレポートだ。それには、「米国の安全保障を脅かす中国ICT企業リスト」が掲載されている(下表参照)。

企業リストには、米当局がイランとの取引の疑いで捜査に入ったと報じられているファーウェイやZTEの他、液晶大手のBOE、パソコンメーカーのレノボといった企業も含まれている。
IBM、デル、マイクロソフトなど、中国企業と提携・取引関係がある米国企業を通じて、最先端技術や機密情報が中国へ流れることに、米国が強烈な危機感を持っていることが読み取れる。
それだけではない。USCCは、ICTに製造技術、医療・ヘルスケア、輸送を加えた「科学技術11分野」のうち10分野について、将来、米国の産業競争力が中国のそれに劣後するという衝撃的な結論を導いている(下右表参照)。電気自動車では「現状でも劣後」としており、実際に、電気自動車関連パテントの「世界の国別出願件数」では中国が独走している。

最先端のハイテク分野では、民生用技術と安全保障に関わる軍事技術がリンクすることがもっぱらだ。自動運転しかり、AI(人工知能)しかりである。安全保障を脅かすことを“名目上の理由”として、米国による中国企業狩りは加速するかもしれない。
そして、中国は、米国制裁に対して拱手傍観し続けるようなつつましやかな国ではないだろう。
日系自動車メーカーの焦り

米中で勃発したハイテク覇権争奪戦は、日本にとっても対岸の火事ではない。特に、自動車など製造業へのインパクトは甚大だ。
ある自動車メーカー幹部は、「最初は、よくぞトランプが『中国の技術盗用を許さない』と言ってくれたとすがすがしく感じた。でも、実際に日系メーカーが被る負のリスクを考えれば複雑だ」と言う。
まず、米中の制裁品目に関わるサプライチェーンを見直さなければならない。米国と取引のある中国企業へ部品を納入するあるメーカー社員は、「まるで流れ弾に当たったようなもの」とため息をつく。
そして、自動車業界にとって最大の関心事は、米国による自動車関税賦課である。仮に2.5%から25%へ引き上げられると、業界全体で1兆円の負担増になる(販売価格が据え置かれた場合)。大打撃を受けるのは、SUBARUやマツダといった国内生産偏重組に限定されてはいる。
だが、それも北米自由貿易協定(NAFTA)が成立していることが前提だ。米国の再交渉が不調に終われば、メキシコ生産を前提に将来の計画を立てているトヨタ自動車、日産自動車、ホンダといった大手メーカーも、戦略修正が不可避となる。
保護主義を強める米国。市場開放という大義名分をよりどころに、世界一の製造強国を目指す中国。そのはざまで、日系企業は難しい決断を迫られている。
記事

Photo by Hiroaki Miyahara
『週刊ダイヤモンド』7月7日号第1特集は「ニッポンの中国人 全解明」です。日本にいる中国人、在日中国人の数は右肩上がりで、現在の在留数は71万人(2017年6月時点。台湾を除く)です。ここに日本国籍を取得した「華人」や不法在留者を含めると、近く在日中国人100万人時代を迎えると見られています。今後、会社や学校、地域社会で、中国人が“隣人”となるケースが増えるはずです。また、変わったのは数だけではありません。中身も多くの日本人が抱くイメージとは、かけ離れつつあります。拡大する在日中国人は、日本の社会や企業にどんな影響を与えるのでしょうか。ここでは、日本で最も成功した新華僑と言われる、CRO(医薬品開発業務受託機関)の国内最大手、EPSホールディングスの厳浩会長のインタビューを掲載します。
――日本にいる中国人はどのように変わってきていますか。

げん・こう/1962年中国江蘇省生まれ。天津大学在学中、山梨大学工学部に留学。同修士課程を経て東京大学博士課程に進む。医学統計解析のアルバイトをきっかけに、91年、製薬会社の業務支援を行うEPSを創業。Photo by Kazutoshi Sumitomo
昔の在日華僑は微々たるもので、いわゆる「老華僑」と呼ばれる人たちは5万人程度。中華街で飲食業を中心に営み、生活していました。
それが鄧小平の開放政策を境に、様変わりします。私は1981年に来日した典型的な「新華僑」。中央政府の国費留学生として来日しましたが、その後、各省の公的費用留学、さらに80年代後半には私費留学がブームとなり、上海や北京から続々と若者が来日しました。
そして90年代になると今度は高校を出ていない人たちが卒業証書を偽造するなどして不法入国するようになり、一気に母集団が大きくなった。これが犯罪の増加や華僑に対する悪いイメージを植え付ける原因になったわけです。
こうした変遷を経て、ようやく今、在日中国人社会は「等身大の中国」になってきました。つまり、料理人だけでも、粒ぞろいの優秀層だけでもなく、悪人ばかりでもない。在日華僑・華人が100万人規模になり、ハイレベル人材からワーカーまで幅広い層がいて、まさしく「中国の縮図」になってきました。
――そうした中で日本人の華僑に対する意識はどうですか。
日本人は異文化の見方が“小学生レベル”。こうした変化を認識し、旧態依然とした価値観から早く卒業した方がいいと思います。
――日本企業の中国人活用はどのように変わるでしょうか。
日本企業が中国人を活用する目的は二つあって、一つは現場の労働力。もう一つは中国市場を攻略するための人材です。前者については単純労働を担う外国人の受け入れ拡大政策が示された一方、後者は企業にとって大きな課題です。
日本には優れた商品や技術があるのに、売るのが下手だといわれて久しいです。これを解決できないまま、日本製品の優位性が絶対的なものではなくなり、特殊な素材などを除いて大半のものは中国でも作れるようになりました。ということは、中国で日本製品を売るには、従来とは異なる新たな戦略を練らなければ勝ち目はない。
そのためには中国市場に深く入り込んでいける経営者視点を持った人材が不可欠です。普通に考えると日本で言葉や商習慣を学んだ中国人が前線に出るのが適切ですが、日本の大企業は外国の人材を日本人幹部の“随行員”扱いにして、通訳やサポートの仕事ばかり。人材を活用できていない。
――日本企業は世界で戦うスピード感が乏しいともいわれます。
日本は自前主義。対して中国は春秋戦国時代から合従連衡が当たり前の戦術です。常にパートナーを探して、互いのリソースをうまく活用すればいいという考え方。そのためには机の上では握手しながら、下では蹴り合うのも平気(笑)。生真面目な性質の日本人は、こうした手法は苦手ですよね。
中国は王朝が栄枯盛衰してきた歴史から、新陳代謝が好まれます。一方、日本は持続性に価値を置く文化。「万世一系の国」ですから。
例えば毎年3%成長が10年見込める事業と、15%成長が3年見込める事業があったとします。間違いなく日本企業は前者、中国企業は後者を好むでしょう。
――在日中国人と日本人社会の関係は今後どうなるでしょう。
訪日中国人の急増もあり、華僑・華人企業はどんどんオープンになってきています。この流れは必然的で、より加速するはずです。
謎多き中国人の考え方を読み解く!最新の在日中国人の世界

『週刊ダイヤモンド』7月7日号第1特集は「ニッポンの中国人 全解明」です。日本にいる中国人、在日中国人の数は現在、71万人(2017年6月時点。台湾を除く)です。ここに日本国籍を取得した「華人」や不法在留者を含めると、近く在日中国人100万人時代を迎えると見られています。なお、2000年の在日中国人数は32万人(台湾を含む。12年以降、統計の計算が変更)と半分以下です。
変わったのは数だけではありません。その中身もそれぞれの層で大きく変容しています。富裕層から日本企業で働くエリート、今どきの留学生、アンダーグラウンドまで、日本人のイメージとは激変した最新の在日中国人の世界をお届けします。加えて、豊富な事例を基に謎多き中国人の考え方を読み解き、ビジネスに役立つ付き合い方、採用法も伝授します。
(週刊ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
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『中国が米国のようになると思ってはいけない 中国から見た米中関係を復旦大学の姜義華・特別教授に聞く』(7/2日経ビジネスオンライン 小平和良)について
7/1アノニマスポスト<<#テレビが絶対に報道しないニュース>アメリカ政府、ウィグル人を収容所に監禁する中共の官僚達の米国銀行口座と資産を凍結~ネットの反応「『トランプがイスラム教を弾圧してる』と非難した人達は謝らないと」>写真のモスクはカシュガルのエイテイガールとは形が違います。公安が至る所に立ちウイグル人を威圧しています。

http://anonymous-post.com/archives/25451
7/2阿波羅新聞網<習決策班子焦慮巨大搖擺不定 經濟和政權危機前所未有 ——美官員警告在華美企做準備 中國損失已經非常慘重=習の政策決定グループは焦りの色濃く、揺れ動いて定まらず 経済と政権危機は以前にはなかったレベル 米国の官僚は在華企業に準備を怠るなと警告 中国の損失は既に悲惨な状況に>台湾のアナリストは「米中新冷戦は未だ始まっていないが、中国の損失は悲惨なもの。今年の米国株式市場は1%の下落だが、上海市場は20%も下落して54兆台湾$が蒸発した。台湾のGDPの3年分である。経済を動かす消費、投資、輸出とも失速し、債務は膨らむ一方で、北京は改革開放以来、経験したことのない経済と政権危機に直面している」と。
香港の「南華早報」の6/30報道では、「関税賦課合戦で、米国の官僚は、「短期的な悪い結果に対しての準備をするように。長期的には利益は釣り合うようになる。何故なら、駐華米国企業を見て外資が中国に入らなくなるので。」と。それで習の政策決定グループは腰が定まらない。
「科学技術日報」の総編集人は6/21講演で「中国の科学技術と米国のそれとは差が大き過ぎる。大衆は「我が国は凄くない部分がある」のを知っている。(CCTV制作の「光輝ある中国」の第6話“凄いぞ、我が国は”をもじって。習近平へのヨイショ番組)」と。中共はその前に「中国製造2025」や「三大超越」(=毛沢東時代に言われた、「英国を追い越し、米国に追いつき、ソ連とは別な道」から、胡鞍鋼が言いだした「経済・科学・技術とも米国を追い抜いた」というホラ)を言って来たが、米中関係の変化の中にあって、矛盾が露呈し、政策グループも意思決定できないでいる。
“我が国は実は凄くはない”という論調も其の儘、黙認して様子見している。(国内には「新四大発明」や「全面超越」、「主体超越」を主張する人もいる)。「中国製造2025」の熱を冷まし、米国への刺激を少なくするようにしているが、習は多国籍企業のトップと会った時に、「目には目」と話したり、マテイスと会った時に「先祖の残してくれた土地は一寸たりとも渡さない」と言って刺激している。1980年代、米国はソ連と日本を屈服させたのに。(レーガンのSDIとプラザ合意を指す)
http://tw.aboluowang.com/2018/0701/1137383.html
姜教授は「米国が中国を侵略したことはない」と言いますが、米国は出遅れて「門戸開放宣言」を出し、「自分にも分け前」が欲しいと思っただけです。その前に米国はフイリピンを植民地にしていますので。勿論結果的に米国は中国を侵略しなかったことになりますが。でも植民地と宗主国の関係が一概に悪いという訳でもありません。そもそも中国はチベット、ウイグル、モンゴルを侵略したではないですか?清の時代の版図の回復と言ったって、清は満州族で漢族ではありません。
ロシアとの愛琿条約で奪われた土地を返すよう、またモンゴル軍が侵攻した東ヨーロッパも中国の土地と主張して武力で奪い返さないと論理が合わないのでは。やってみれば良いでしょう。こんな二重基準の不届者の言うことは、世界が束になって黙らすしかありません。

モンゴルの最大版図
姜教授の言う「中国は世界の覇権に関わっていない」というのは嘘でしょう。ジンキスカンも中国人だと言い募る漢人が多い中で、上に掲げた版図をどう説明するのでしょうか。漢民族はご都合主義者です。「一帯一路」をどう説明するのでしょうか?地政学的に見れば軍事の要衝を取りに行っているように見えます。而も「債務の罠」という汚い手を使って。騙される方も騙される方ですが。また、資本主義の中にも社会主義の部分があると言っていますが、まやかしです。それは「福祉国家」と呼ばれ「議会制民主主義」を前提としています。共産国家のように一党独裁ではなく、自ら選んだ国民の代表に統治を委任しているから安心して政治を任せられるのです。中国人は良くこの手を使って混ぜ返します。小生が中国駐在時代、メデイア統括部門の人が来て講演、「日本には言論の自由があると良く言うが、会社の中で偉い人の言うことには従うではないか(読売のナベツネを想定して行ったと思われる)。中国もやっていることはそれと同じ」とか言っていました。一党独裁になれているので、概念としての三権分立とか言論の自由(政府・政党を批判する自由)とかが分からないのでしょう。
記事
トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。
日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。
今回は中国・上海の名門大学、復旦大学の姜義華・特別教授に登場してもらう。姜教授は中国の近現代史や近現代の思想が専門。中国側から見た現在の米中関係について語った。

(イラスト:北沢夕芸)
—米国政府が中国製品に制裁関税を課すと決定し、貿易戦争の懸念が深まっています。近代の米中関係などから見て、現在の両国関係はどのような状態にあるのでしょうか。
姜義華教授(以下、姜):米中関係は中国の発展における重要な要素の1つです。中国にとって米国とそのほかの国家は異なります。というのも米国は、ロシアや日本やその他の国が中国で勢力を拡大しようとしたのとは異なり、中国の領土を侵し、占領したことはありません。

姜義華(ジャン・イーフア)氏 1939年生まれ。復旦大学特別教授、中外現代化プロセス研究センター主任。62年に復旦大学歴史系を卒業し、82年に副教授、85年に教授に。上海歴史学会会長、上海市社会科学学会連合会副主席などを務めた経歴を持つ。
米国は近代において中国との経済関係だけでなく、文化とりわけ教育や宗教における関係をより重視しています。米国は義和団事件で清から受けた賠償金を返還。中国で清華大学の前身となる清華学堂を設立しました。また米国の宣教師は影響力のある多くの大学を設立しています。北京の燕京大学、上海の聖ヨハネ大学、広州の嶺南大学などです。協和医学院は近代医学の発展と人材育成に大きく寄与しました。
抗日戦争の期間、米国の代表団が延安を訪問した際、毛沢東は「中国が将来、工業化を実現する際、米国からの支援を得られるに違いない。中国は米国の支援を頼りにするだろう」と語っています。
その後、ルーズベルト大統領が死去し、第二次世界大戦が終わった後、米国と旧ソ連の間で冷戦の構図ができあがりました。米ソが世界を分割し、それぞれの陣営を形成する中で、米国は蒋介石を支持することを選択。米国から工業化の進展への支持を得るという中国の期待は当てが外れ、中国共産党と米国の関係は大きな変化が生じ始めました。
第二次国共内戦で中華民国政府が南京から広州に撤退する際、ソ連大使館でさえ広州に移る中で、(中国・杭州生まれで燕京大学の校長や中華民国で米国大使を務めた)ジョン・レイトン・スチュアートは南京に残り続けました。彼は北京に行きたいと希望し、北京(共産党)もそれを希望しましたが、最後は米国に行くことになってしまいました。
米中がはっきりと対立関係に入ったのは朝鮮戦争以降です。中国は実際のところ(戦争に)引きずり込まれたのですが、米国は中国が引き起こしたと認識していました。双方に不正確な判断があったと思います。米国は中国に対する誤解があり、中国は内部に様々な要因があったことに加えてソ連の影響も増してしました。
その後、米中関係は長く途絶えましたが、ニクソン大統領の訪中によって、関係が回復します。当時、米中は共にソ連に対応する必要がありました。中国共産党は核攻撃を受けるかもしれないという大きな脅威を感じていました。米国もこのような背景の下で中国との関係回復を急ぎました。
姜:ニクソン訪中から振り返ると、米中関係の変化には大きなポイントがあります。それはまずソ連の覇権に反対するという政治上の考えが大きく、双方の意図は必ずしも同じではないということです。米国はソ連の軍事的な攻勢に対し、より大きな構図を描く必要がありました。一方、中国は国境付近でソ連の100万の軍隊と対峙しており、ソ連は虎視眈眈と核攻撃の機会をうかがっていました。双方とも政治的な必要性があったため、米中関係の改善は急速に進んだのです。双方は多くの面、特に留学生や経済貿易関係で明らかな進展がありました。
このような状況は1980年代末から90年代初期まで続きましたが、また大きな変化が起きました。まずソ連の変化です。ゴルバチョフ書記長が登場し、89年には中国を訪問。中国とソ連の関係は改善しました。それ以来、ソ連が激しく中国に迫ってくることはなくなりました。米国にも変化が起きていました。ゴルバチョフ氏が退いてエリツィン氏が登場し、ソ連は瓦解しました。これにより米国にとって最大の脅威は消えました。
米中関係は新たな発展関係に入りました。もともと共同でソ連に対応するという政治上の目的は失われました。そのため、米中関係はどのような基礎の上に作られるべきかという新たな問題が出てきたのです。これについては両国の間で様々な論争がなされました。
この時は新たな基礎は形成されませんでした。その後、911事件が起き、米国は反テロリズムが喫緊の課題となりました。中国にとっても反テロは重要であり、両国に共通する目標ができました。これは米中関係に横たわる矛盾を一時的に抑えることになりました。ビンラディンが死亡し、テロとの戦いが以前ほど深刻でなくなったことで、経済や貿易の矛盾が徐々に表面化してきたのです。
人口14億の中国、現存する発展モデルは参考にならない
—米国は中国が経済的に発展するにつれて、民主化も進むのではないかと期待していたように思います。ところが実際には、中国は社会主義体制を維持したまま、米国に迫る大国になりました。米国側に中国に対する誤解があったのでしょうか。
姜:90年以降、米国は西欧化への改革が(世界的に)普遍的なものになることを望んでいたと思います。しかし、中国ではそのようなことは起きませんでした。これは中国をどのように理解するかという問題だと思います。
中国は14億人弱の人口を抱える大国です。現存するモデルを参考に発展することはできません。中国は自らが抱える条件に照らして発展していくしかないのです。巨大な中国の大部分を占めるのが農民です。中国のこの40年の変化は人の解放、その中でもまず農民の解放でした。数億人の農民が土地を離れ、3億人の青年が都市に移りました。彼らは手作業の労働はせず、機械労働が徐々に増えています。
もしこれらの対応を間違えれば社会の不満は一気に高まります。不満が高まれば農村では大きなうねりとなります。中国の歴史には農民戦争や農民の蜂起の伝統があります。太平天国の乱もそうですし、中国共産党もそうです。農民の蜂起は現代化への道をすべて止めてしまいかねない。ですから、中国が優先すべき問題は、農民にどう対応するかということなのです。農村の改革により農民を現代化の積極的な支持者、参加者へと変え、現代化への動力とすることができるか。これが、中国が自らの道を歩まなければならない根本的な原因の1つです。
中国共産党はもともと農民が主体でしたが、ここ数年変化しています。党員の構成も変化しています。当時、多くは小規模生産の農民でしたが、現在は現代教育を受けた層や米国などに留学した層を受け入れています。特に幹部層は伝統的な農村社会から離れた人たちがどんどん増えています。
姜:鄧小平は改革開放を二度目の革命だと述べました。現在、習近平も二度目の革命だと述べています。これは平和的な方法による、現在進行中の革命なのです。この革命は単なる政治体制の変革ではありません。生産方式、人の行動、考え方などすべてにおける歴史的な転換です。米国の人たちはこのことをまだあまり重視していないかもしれません。
中国では今、天地がひっくり返るほどの革命が起きているのです。これは一部のリーダーが交代するといった話ではありません。すべての人が参加している変革です。若い人は国際化し、トレンドを追うようになっています。これは中国が貧困から脱しつつあるという証明です。中所得層の割合ということではまだ日本に及びませんが、中国も既に数億人が中所得層以上となり、社会的なニーズや価値観、考え方は過去とは変わりました。

米国の関心は(中国が)西欧化するかどうかにあり、中国共産党や中国社会の大きな変化は軽んじてきました。中国側に誤解があるとしても、米国の中国に対する理解不足はさらに大きいと思います。中国で今起きている変化はとても大きく分かりにくい。それほど空前のものなのです。
社会主義も資本主義も絶え間なく変化する
—トランプ大統領の登場なども含めて民主主義という仕組みに対する信頼が失われているように感じます。一方で、中国の発展スピードが速く、中国自身も中国の体制に自信を持ってきています。
姜:私は西側の資本主義にあまり賛成できません。中国は社会主義であり、私はずっとマルクスが唱えた共産主義について研究してきました。社会主義や共産主義は虚構のものではありません。以前は財産の公有制や計画経済、労働に応じた分配などを社会主義と呼んでいましたが、これらはマルクスが本来唱えていた共産主義ではありません。我々が言う共産主義は絶えず現実の状況における現実の動きとして変化していくものです。
この動きは現在有する条件によって決定されます。これこそがマルクスが論じた科学的共産主義です。中国の成功も、かつての挫折も教訓も科学的共産主義にあります。公有制や計画経済、労働に応じた分配を社会主義だと思っていた時代には、我々は大きな挫折を味わいました。
もう一度はじめから中国の発展を中国の実情に照らして考えてみると、中国は数千年にわたり小規模な農村経済の国であり、農民が社会の細胞となっている国です。土地の自由売買が様々な問題を引き起こしてきたものの、この農村経済が中国の活力と安定をもたらしているのも確かです。欧州では中世の領土制、荘園制が崩壊してから農村経済が発展し、その後、資本主義が立ち上がってきました。一方、中国は一貫して小規模農業の経済で、資本主義世界の広がりとは一線を画してきました。
資本主義の国の中にも社会主義の要素はある
姜:中国の発展は単なる社会主義ではありませんし、西側諸国の発展も単なる資本主義によるものではありません。資本主義は第一次工業革命、第二次工業革命を経て大きな変化がありました。資本主義にも絶え間ない調整があり、実際多くの社会主義的なものを取り入れています。例えば北欧の国々の社会主義的な要素は我々と比べても決して少なくないと言えます。社会福祉としての医療や住宅、最低賃金や失業保険などはいずれも社会主義的な要素でしょう。
我々も小規模農村経済からいきなり社会主義に到達するのは不可能で、市場主義経済による発展を必要としました。どのように工業化し、都市化するのかという基礎がなければ社会主義は成功しません。マルクスは「社会主義の前提は一人ひとりがこの社会につながること」と強調しています。現在、我々は市場やスマートフォンを通じて世界と直接つながっています。
中国の多くの農民はスマホやパソコンを通じて、農産品を全国や世界に販売しています。これを「中国の特色ある資本主義」と言う人もいますが、それも間違いです。社会主義に固定したモデルはありませんし、資本主義にもない。だからこそ1992年に鄧小平が南巡講話をした際に「誰もが市場経済になることができる。なぜ我々が市場経済になってはいけないのか」と語ったのです。
米国は中国が米国と同じになることを望んではいけません。14億弱の人口を抱え、広大な国土を持つ中国は米国と同じようにはできません。
—米国は中国が米国を超えることを恐れているようにも見えます。中国をライバルとみなし始めた米国に対し、中国はどう対応するのでしょうか。
姜:米国は1900年から世界一となり、百数十年にわたり現在の地位に慣れ親しんできました。世界の軍事面、経済面において唯一の大国という認識が彼らの中にあるのでしょう。第二次大戦後にソ連の脅威が出てきて、米国が自らの地位に挑戦してきたと感じると、政策決定に大きな影響を及ぼしました。
現在の中国と米国の差はまだまだ大きい。中国はGDPで世界第2位の経済体になったとは言え、国民1人あたりのGDPはまだ数分の一。米国は約5万7000ドルですが、中国はまだ1万ドルにも達していません。
我々の基礎はあらゆる面でまだ弱い。米国は中国の製造業のレベルが低いうちは容認していました。トランプ大統領の制裁関税も衣料品や玩具は対象に入っていません。彼らが心配しているのは「中国製造2025」でしょう。中国の製造業が低レベルなものから中レベル、高レベルなものになることを恐れています。
製造業のレベルアップは中国自身にとって必要なものです。中所得層が増えてくるにつれて、彼らの要求は一律なものでなくなってきました。米アップルのiPhoneや以前は日本から輸入していたテレビや冷蔵庫などは今となっては日常の道具になっています。私が85年に初めて日本に行った際、テレビを買って持ってきました。当時としては高額消費でしたが、今は普通の消費です。フランスや韓国の化粧品なども値段を気にせず買います。
中国は数千年の間、世界の覇権に関わっていない
姜:米国は中国の製造業がレベルアップすることで彼らの覇権を脅かすのではと考えているようですが、それは考えすぎです。中国は数千年の間、世界の覇権に関わったことがありません。中国の世界観は我々の範囲内で落ち着いて、良い生活をするというものです。中国の周囲との関係は基本的に「損な商売」です。西側の植民地を奪うやり方とは違い、安定した善隣関係です。
明朝の永楽帝は鄭和を西に行かせました。彼の皇帝の地位は奪ったものなので、国威を国の外にまで知らしめ、朝貢外交を行うことを望んだのです。しかし、我々の王朝にとってそれは割に合わぬ商売でした。キリンなどの変わった動物や特産品が送られてきましたが、こうした交易は明の王朝にとって重い財政負担となりました。永楽帝の死後、後を継いだ皇帝は朝貢の必要はないか、回数を少なくすることを命じました。中国は略奪ではなく安定した関係を維持する国家です。海外に拡張していこうという伝統はなく、植民地という概念もありません。
ビジネスマン出身のトランプ大統領は利に聡いはずです。米国が世界の覇権を維持したいと思ったとしても、現在はそのコストが高いことは理解しているはずです。日本や韓国、欧州に多くの資金を使っています。グローバル化に反するようなことを口にしているのは、使うお金を減らしたいということでしょう。
米中関係で中心となる問題はやはり異なる文明であるということではないでしょうか。中国には決まった宗教も教会もありません。中国を理解するにはこうした中国文明からつながっていくことが必要ではないでしょうか。
米国は欧州の文明が起源です。中国の文明との違いは大きい。それでもどちらの文明にも価値があります。互いに尊重し、交流し、コミュニケーションを取ることでより良い世界秩序を作ることが可能です。
中国の市場経済による発展の歴史はわずか40年。すぐに成熟するのは不可能です。我々は一歩ずつ学んでいるところなのです。中国の発展はまだ不均衡で不十分で、整然と一歩ずつ進む中で経験していくのです。中国が混乱して世界にとっていいことはありません。
米国はアジア地域をコントロールしたい
—日本と中国の関係は今後どのように変化していくと考えていますか。
姜:日本と中国には共通の利益がまだまだ多くあります。経済面だけでなく、思想や文化、科学技術などで交流する余地は大きい。私は日中韓で自由貿易区を建設する構想に一貫して賛成しています。
歴史問題は我々にある種の教訓を与えています。このような衝突はそれぞれの国の発展を阻害しています。日中間の貿易や日本の対中投資、科学技術面での交流は中国の現代化の力になっていますし、日本の発展にとっても役立っています。これだけの大きな市場ですから、日中韓はさらにコミュニケーションを取るべきです。
問題は外部の勢力です。米国はこの地域をコントロールしたい。ソ連も長くそう思っていました。実際のところ尖閣問題や竹島問題、靖国神社の参拝問題はどれも大した問題ではありません。誇張されている面があります。
中国と日本は世界第2位と世界第3位の経済体です。両国が連合を組めば世界第1位の経済体になります。我々が安定すれば、世界も安定します。あまり関連性のないことがアジアの経済共同体を苦しめるのは、いいことではありません。
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