『小谷賢×ロナルド・ドラブキン 火種くすぶるアジア、スパイの実像とは』(3/24日経ビジネス 小谷賢)について

3/25The Gateway Pundit<Trump Defends Mike Waltz, Says He ‘Has Learned a Lesson’ – Ends Speculation About Yemen War Plans in Group Chat —=トランプ大統領、マイク・ウォルツ氏を擁護、「教訓を得た」と発言、グループチャットでのイエメン戦争計画に関する憶測に終止符を打つ>

TGPの主張は正しい。ウォルツは説明できないのであれば、更迭すべき。極左に隙を見せるのでは脇が甘すぎ。

ドナルド・トランプ大統領は、極左派のアトランティック誌編集者ジェフリー・ゴールドバーグ氏が軍事協議に関わる非公開グループチャットに誤って追加されていたことが明らかになったことを受けて、機密の戦争計画が危険にさらされたとの憶測に正式に終止符を打った。

トランプ大統領は火曜日にNBCニュースに語った際、どういうわけかグループテキストが本物だったことをうっかり認めた。

「マイケル・ウォルツは教訓を学んだ。彼は良い人間だ」とトランプ氏は極左系ニュースメディアに語った。

大統領は、極左メディアが壊滅的なセキュリティ侵害として報道しようとしたにもかかわらず、その言葉でマイク・ウォルツ氏への信頼を再確認した。

この騒動は、イエメンのフーシ派に関する軍事戦略が議論されていたシグナルのチャットスレッドにゴールドバーグ氏が「誤って」追加されたというアトランティック誌の最近の報道に端を発している。

「ゴールドバーグ氏の存在は軍事作戦に全く影響を及ぼさなかった」とトランプ大統領は述べた。

トランプ氏は、ゴールドバーグ氏の電話番号を持っていたのはマイケル氏のスタッフの一人だと主張した。

「電話に出たのはマイケルの部下の一人だった。スタッフの一人が彼の電話番号を登録していた。」

NBCニュースによると、「大統領はチームに信頼を寄せており、アトランティック紙の記事に至るまでの出来事に不満はなかったと述べた。トランプ氏は、この状況は「2か月間で唯一の不具合であり、深刻なものではないことが判明した」と述べた。

会話に詳しい2人の情報筋は同ニュースメディアに対し、トランプ氏とウォルツ氏が月曜日にアトランティック紙の記事について会話したと語った。

ピート・ヘグゼス国防長官は、マスコミに出回っている荒唐無稽な説を直ちに否定した。「戦争計画をテキストで送っている人は誰もいない」

一方、WHの報道官カロリン・レビット氏は、機密情報は一切共有されていないと改めて明言し、WHは「ゴールドバーグ氏の電話番号がどのようにして誤ってスレッドに追加されたのかを調査中」だと述べた。

それでも、保守派が説明責任を求めるのは正しい。ゲートウェイ・パンディットは今のところ判断を保留している。しかし、正直に言えば、ウォルツ自身がゴールドバーグを故意に関与させたのであれば、それはレッドラインである。

ウォルツ氏は米国民に説明する必要がある。必要であれば彼の仕事を引き継ぐことのできる、有能で忠実なトランプ支持者は何百人もいるのだ。

保守派の支持基盤は、特に戦争や国家安全保障の問題に関しては無謀な行動を容認しないだろう。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/03/trump-officially-ends-speculation-yemen-war-plans-group/

3/25The Gateway Pundit<Speaker Johnson Issues Warning: Congress Has the Authority to Defund and Disband Federal Courts (Video)=ジョンソン議長が警告を発する: 議会には連邦裁判所の資金を削減し解散する権限がある (ビデオ)>

左翼司法の暴走に議会は歯止めを。

マイク・ジョンソン下院議長は、WHと米国政府の行政部門を掌握している極左派の裁判官による脅威にようやく気づいたようだ。

ジョンソン首相は火曜日、現在国に対して合法的な反乱を起こしている過激左翼勢力への資金援助を停止する権限が議会にあると警告した。

ドナルド・J・トランプ大統領は、2025年1月20日にWHに復帰して以来、彼の二期目の政権を妨害しようと決意した極左活動家の裁判官や団体から、前例のないほどの法的訴訟の猛攻撃に直面している。

スティーブ・バノンの『ザ・ウォー・ルーム』に出演した Article III Projectの上級顧問ジョシュ・ハマー氏は最近、米国が目撃しているのは単なる司法積極主義ではなく、完全な 司法反乱であると警告した。

これまでのところ、最高裁判所はこれらの極左活動家の無法行為を阻止することに恥ずべき失敗をしています。

弁護士ジョシュ・ハマー氏は以前、2017年から2021年までのトランプ政権下では全国で65件の差し止め命令に直面したと指摘した。

トランプ大統領は、2か月足らずの間に、  活動家判事による137件の訴訟に直面した。解決したのは2件のみだ。

火曜日、マイク・ジョンソンは、米国を憎む無法な地方判事たちに対して行動を起こすと脅した。

ABCニュース経由。

ABC記者:事態はますます悪化しています。マイク・ジョンソン下院議長は、連邦裁判所への資金提供を停止する権限が議会にあると公然と脅迫しています。議長が先ほど言ったことを聞いてください。

マイク・ジョンソン議長:ご存知のとおり、我々は連邦裁判所に対して権限を持っています。地方裁判所を丸ごと廃止することもできます。裁判所やその他のすべてのものに対して資金援助を行っています。しかし、切羽詰まった状況では切羽詰まった手段が必要であり、議会は行動を起こすつもりです。そのことにご注目ください。

https://twitter.com/i/status/1904634572039741606

https://www.thegatewaypundit.com/2025/03/speaker-johnson-issues-warning-congress-has-authority-defund/

https://x.com/i/status/1904199973207691444

3/25Rasmussen Reports<64% Favor Deporting Venezuelan Gang Members=64%がベネズエラのギャングメンバーの国外追放に賛成>

有権者のほぼ3分の2が、ベネズエラのギャング「トレン・デ・アラグア」のメンバーを国外追放しようとするドナルド・トランプ大統領の取り組みを支持しており、約半数が国外追放の停止を命じた連邦判事の弾劾を望んでいる。

ラスムセン・リポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の64%がベネズエラのギャングメンバーを国外追放するというトランプ大統領の政策を支持しており、そのうち47%が強く支持している。26%が反対しており、そのうち16%がトレン・デ・アラグアのメンバーの国外追放に強く反対している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/64_favor_deporting_venezuelan_gang_members?utm_campaign=RR03252025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

https://x.com/i/status/1904609384875139218

https://x.com/i/status/1904212335398432809

3/26阿波羅新聞網<全球首款搭载源相控阵雷达战机! 比F-35还贵 日美合作开发F-2A=世界初、フェーズドアレイレーダーを搭載した戦闘機! F-35よりも高価で、日本と米国はF-2Aを共同開発した>日本政府は航空自衛隊のニーズと戦闘能力を満たすため、1988年から日本の三菱重工業と米国の兵器メーカー、ロッキード・マーティン社にF-16の改良型「F-2」の共同開発を許可した。この戦闘機は2000年から航空自衛隊で運用されているが、日米共同開発という経緯や、世界初のフェーズドアレイレーダーを搭載した戦闘機という肩書から、今なお多くの軍事マニアの注目を集めている。

テンセントネットのテクノロジーコラムニスト「知趣解密」は動画を公開し、日本のF-2戦闘機を徹底的に分析し、実は日本の防衛庁は1973年にすでにF-1戦闘機をベースにした次世代戦闘機のデータ研究を始めていたと指摘した。10年の研究を経て、日本政府は1984年にF-1戦闘機の後継機を開発する「FS-Xプロジェクト」を立ち上げた。しかし、日本には戦闘機エンジンを自力で生産する技術力がなく、戦闘機を自力で開発するにはコストが高すぎるため、日本政府は1986年に他国との協力を模索することを決定した。

日本政府は、複数の外国兵器企業からの提案を検討した後、1988年に最終的にロッキード・マーティン社と提携することを決定し、三菱重工業を主たる開発者、富士重工業と川崎重工業を下請けとして、新型戦闘機の研究開発計画を正式に開始した。 「知趣解密」は、F-2は名目上は日本が独自に開発した戦闘機だが、その主要技術の約40%はロッキード社から提供されたと報じた。マーチン社は「日本の独自技術の割合は高くない」としている。

https://youtu.be/UJl4eBs1Ym8

https://www.aboluowang.com/2025/0326/2195163.html

3/26阿波羅新聞網<太猛了!部署精准打击北京上海 日本反舰导弹完美结合美战斧助力—直接威胁北京和中国沿海!自卫又护台日本将部署远程导弹射程达2千里=すごすぎる!北京と上海に精密攻撃できるよう配備 日本の対艦ミサイルは米国のトマホークと完璧に連携し、北京と中国の沿岸部を直接脅かす!日本は自衛と台湾防衛のため射程2,000マイルの長距離ミサイルを配備>共同通信によると、日本は2025年末までに改良型の12式対艦ミサイルを九州に配備する計画だ。射程は最大1000キロで、北京や中国東部沿岸地域を直接カバーできる。

改良型12式対艦ミサイルは、発射重量が約1,000kg、弾頭重量が300kg、射程距離が1,000kmである。将来的には1,500~2,000kmまで延長される可能性がある。誘導システムは、慣性航法、地形マッチング、GPS、端末デジタル画像マッチングなどの先進技術を採用しており、高精度の攻撃能力を備えている。海上の目標を攻撃できるだけでなく、沿岸の重要な都市を正確に攻撃することもできる。

さらに日本は、艦載型、空中発射型、潜水艦発射型など、このミサイルの他のバージョンの開発を加速しており、2030年までに完成し、2030年代前半に実用化される予定である。これは、日本に対する将来のミサイルの脅威が、陸、海、空、水中を含む複数の方向からやってくることを意味する。

トマホーク巡航ミサイル。写真:惑星研究室より転載

今回配備された改良型12式対艦ミサイルは単独行動ではなく、米国から導入した巡航ミサイル「トマホーク」と連携した攻撃システムを形成している点が注目される。トマホークミサイルは射程距離が1,500キロメートルで、海上自衛隊の艦艇のMK41垂直発射システムに搭載されている。大隅海峡に発射場を設置すれば、トマホークミサイルの攻撃範囲は中国・南昌から東方まで到達可能となり、九州・熊本から発射される12式ミサイルは上海など南東部沿岸都市をカバーできる。

さらに心配されるのは、発射台が西の沖縄に移動すれば、トマホークミサイルの射程範囲が長沙、武漢、広州に拡大し、12式ミサイルは浙江省や福建省の沿岸地域を直接脅かす可能性があることだ。この二重の展開は明らかに台湾海峡の情勢を狙ったものであり、緊迫した状況下で中国にさらなる脅威を与えようとしている。

中国の長距離攻撃能力が向上するにつれ、米軍は第一列島線から徐々に撤退しているが、その機会を利用して日本に対する軍事的制限を緩和し、攻撃兵器の開発を許可している。日本はこの機会に1000キロ級の巡航ミサイルや戦術弾道ミサイルを開発しただけでなく、先日の東京防衛展示会で射程2000キロの巡航ミサイルを披露した。米国は日本のミサイルの射程距離制限を3000キロ未満に緩和したと一般に考えられており、これは日本が将来さらに射程の長いミサイルを開発し、中国に対する脅威の範囲をさらに拡大する可能性があることを意味している。

日本は2025年末までに改良型12式対艦ミサイルを九州に配備する計画だ。射程は最長1000キロで、北京、東海岸、台湾を直接カバーできる。

ミサイル在庫を増やさないと。

https://www.aboluowang.com/2025/0326/2195157.html

3/25阿波羅新聞網<在欧洲引爆慢性核弹 乌疑拟“核末日计划”! 传若战败玉石俱焚 2套核武方案成最后筹码=欧州でゆっくりと核爆弾を爆発、ウクライナは「核による終末計画」を計画中と疑われる!戦争に負ければ玉石共に燃やし、二つの核計画が最後の交渉材料になるという噂>

ロシア軍の攻勢が激化する中、ウクライナは高まる圧力に直面

ウクライナ大統領府の元顧問であるアレストヴィッチによれば、ウクライナ国防省総合情報局長のブダノフは、2つの「最終計画」を策定したという。

1つ目は、敗北前夜には、ザポリージャを含むウクライナの原子力発電所4カ所を破壊し、ロシアの原子力施設11カ所にミサイル攻撃を実施する。

2つ目は、核兵器の研究開発を秘密裏に再開し、ロシアに対する核抑止力となる「汚い爆弾」を作ることだ。二つの計画が実行されれば、東ヨーロッパ、さらには欧州全体が前例のない核汚染の危険に直面することになる。

死なばもろとも?

https://www.aboluowang.com/2025/0325/2195040.html

3/25阿波羅新聞網<泄漏对台作战计划? 继何卫东后 传解放军东部战区司令林向阳也被捕=台湾に対する戦争計画を漏らす?何衛東に続き、人民解放軍東部戦区司令官の林向陽も逮捕されたとの噂>Xアカウント蔡慎坤の本日(25日)の最新ツイートによると、中国人民解放軍東部戦区司令官の林向陽大将が昨日(3/24)、中共軍の規律検査部に連行され、調査を受けたという。このニュースは中国の政治・軍事トップの間で急速に広まった。林向陽は中共中央軍事委員会副主席の何衛東と親しい関係にある。両氏は旧第31集団軍出身で、長年にわたり台湾関連の戦闘計画を指揮してきた。この動きが中共内で軍の意思決定層を標的とした新たな粛清の波を象徴するものかどうか、外界は注目している。

中国問題専門家の蔡慎坤は、林向陽が台湾海峡軍事作戦計画を漏洩した疑いがあり、この事件は最近の何衛東の捜査とも関連があると指摘した。何氏は今月21日に人民解放軍総合病院301病院を退院した後、調査と問題点の説明のため指定された場所に移送されたと噂されている。 3日も経たないうちに、林向陽が失脚したというニュースが流れ、粛清のスピードと激しさがいかに速かったかが分かった。

林向陽は2020年4月に中将に昇進し、翌年7月に大将となった。彼の急速な昇進は多くの注目を集めた。林は10日足らず前に北京で反国家分裂法施行20周年シンポジウムに出席し、人民解放軍が国家主権と台湾海峡の安定を守るため、島嶼周回パトロールと実弾射撃訓練を常態化していると強調した。今、彼は突然捜査を受けており、彼の言葉がまだ私たちの耳に残っているのは皮肉なことだ。

蔡慎坤は、林向陽事件は台湾の軍事情報にかかわるだけでなく、中共最高指導部内の派閥争いも絡んでいると述べた。旧第31軍出身や苗華前政治工作部長と関係の深い海軍高官は、習近平の軍統制に対する潜在的な脅威とみなされ、徐々に力を失っている。一部の評論家は、習近平が軍内部の反対派を「一掃」し続けることは、軍権を強化するための「避けられない道」だと考えている。

現時点では、当局は林向陽の逮捕について公式声明を出していないが、この事件は軍の上級幹部の間で連鎖反応を引き起こす可能性があり、人民解放軍内での新たな権力再編がすでに始まっているようだ。

https://www.aboluowang.com/2025/0325/2195003.html

何清漣が再投稿

《北美保守評論》NACR  @NAConservative9  3月25日

「サンダースとAOC:社会主義の100年」

https://nacr.info/WordPress/index.php/2025/03/24/sanders-and-aoc-100-years-of-socialism/

SSRSが3/6~9にかけて実施したCNNの新しい世論調査によると、民主党の支持率はわずか29%だ。米国民の民主党支持率は過去最低を記録した。これはCNNが調査を開始した1992年以降最低の支持率であり、トランプが2021年1月6日の国会議事堂襲撃事件の後で最初の任期を終えてから、20%下落している。

また、この調査では、最も急進的な進歩主義者で、マルクス主義の政治用語を話すNY州選出の下院議員AOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)と、社会主義者として長年にわたり率直な発言をしてきたバーニー・サンダース、そして2024年の選挙で惨敗したカマラ・ハリスが、民主党支持の米国成人の間で最も高い支持を得ていることも明らかになった。

3/23、コロラド州デンバーで行われた民主党支持者の集会には、すでに民主党を離党していた83歳のサンダースと35歳のAOCが揃って登場し、熱烈歓迎された。民主党員として大統領選挙に2度出馬したサンダースが、再び3度目の大統領選挙に出馬するのはほぼ不可能だ。現在、AOC はサンダースの後継者となったようで、民主党は 2028 年の選挙に彼女を指名する可能性が高い。

民主党のこの動きは、同党がすべての偽装を捨て、マルクス主義政党として真に米国政治に登場する準備ができていることを示している。言い換えれば、マルクス主義の米国共産主義者は民主党を乗っ取ることに成功したのだ。

私たちは、米国人の大多数がマルクス主義を受け入れるとは絶対に思っていないし、マルクス主義の民主党も受け入れないだろうとも思っている。黒い肌の白雪姫がディズニーの興行成績の惨敗を意味するのと同じように、マルクス主義の民主党大統領候補は民主党の終焉を意味するだろう。

極左のバーニー・サンダースはトランプの「不法移民強制送還」を称賛しましたが・・・。偽装?

http://totalnewsjp.com/2025/03/24/trump-3347/#google_vignette

何清漣が再投稿

米国駐華大使館CN @USA_China_Talk 17 時間

ドナルド・J・トランプ大統領は、米国の鉱物生産を促進し、許可手続きを簡素化し、国家安全保障を強化するための大統領令に署名した。

https://whitehouse.gov/fact-sheets/2025/03/fact-sheet-president-donald-j-trump-takes-immediate-action-to-increase-american-mineral-production/

小谷氏の記事では、二人の本の紹介で、中身の面白さは本を読まないと分からない。

記事

この記事の3つのポイント

  1. 国家的情報活動=インテリジェンスへの関心が低い日本
  2. いくつもの火種がくすぶるアジアにあって現状は危うい
  3. スパイに関するエピソードなどから知見を磨いておこう

2024年12月に刊行された『教養としてのインテリジェンス エピソードで学ぶ諜報の世界史』(小谷賢著、日経ビジネス人文庫)は、国家が収集する秘密情報とそのための活動=インテリジェンスの入門書として話題に。他方、同年11月に発売された『ラトランド、お前は誰だ? 日本を真珠湾攻撃に導いた男』(ロナルド・ドラブキン著、辻元よしふみ訳、河出書房新社)は、第1次世界大戦における英国海軍の英雄にして、実業家として活動しながら日米両軍の二重スパイでもあったフレデリック・ラトランドの実像に迫る重厚な作品として注目を集めている。日本のインテリジェンス研究の第一人者である小谷氏と、祖父と父が諜報機関で働いていたというドラブキン氏、話題書の著者二人によるスパイ談義をお届けする。

FBI文書に残された二重スパイの記録

小谷賢(以下、小谷):『ラトランド、お前は誰だ? 日本を真珠湾攻撃に導いた男』の出版おめでとうございます。本業は企業家でありながら、重厚な歴史本をお書きになったのは素晴らしい。

ロナルド・ドラブキン(以下、ドラブキン):このノンフィクションを書いたきっかけは、2020年に世界が新型コロナのパンデミックに覆われたことでした。外出が制限され、時間がたっぷりあったことから、諜報機関で働いていた祖父と父の歴史を調べようと思い立ち、思い切ってFBI(米国連邦捜査局)へ情報公開の請求をしました。

ラトランドという魅力的なスパイと出会ったのは、家族の調査していたとき、偶然、機密解除されたファイルを見つけたからです。そのFBI文書には、日米を股に掛けた二重スパイの記録が克明に残されていました。

ロナルド・ドラブキン氏=作家

アメリカの作家、企業家、エンジェル投資家。シリコンバレーで様々な企業にベンチャーキャピタルを調達。祖父と父が諜報活動に携わっていたことから、スパイの歴史に関心を持ち、膨大なFBI資料などをベースにした初の著書『ラトランド、お前は誰だ? 日本を真珠湾攻撃に導いた男』を2024年11月に刊行した。

『ラトランド、お前は誰だ? 日本を真珠湾攻撃に導いた男』(ロナルド・ドラブキン著、辻元よしふみ訳、河出書房新社)

小谷:インテリジェンスの研究者としては「諜報機関で働いていた祖父と父」について根掘り葉掘りお聞きしたいところですが、それは別の機会に譲るとして、今回は「ラトランド」のお話を。

まず日本海軍との関係において、ラトランドの最大の貢献は、1920年代にイギリスの空母艦載機の技術を日本海軍に教えたこととされています。しかし、彼にプロのスパイという自覚があったのかどうか。日本海軍は彼に膨大な資金を提供したけれど、それに見合う成果を上げた記録は見当たりません。

ドラブキン:ラトランドへの日本海軍の対応は曖昧でした。最初はスリーパー(潜伏任務)の役割を期待しましたが、日米関係が緊迫するにつれ、情報収集を望みました。確かにラトランドがもたらした重要な情報についての具体的な記録はありません。しかし、軍関係者と継続的かつ頻繁な接触があり、そこでかなり価値のある情報の提供もあったのではないか。私はそう見ています。

小谷:そんなラトランドはアメリカ海軍にも情報を提供していた。

小谷 賢(こたに けん)氏=日本大学危機管理学部教授

立命館大学卒業、ロンドン大学キングスカレッジ大学院修士課程修了、京都大学大学院博士課程修了、博士(人間・環境学)、英国王立統合軍防衛安全保障問題研究所(RUSI)客員研究員、防衛省防衛研究所戦史研究センター主任研究官、防衛大学校兼任講師、ロンドン大学(LSE)客員研究員を歴任。主な著書に『日本インテリジェンス史』『日本軍のインテリジェンス』『インテリジェンスの世界史』、訳書に『特務』『CIAの秘密戦争』(監訳)などがある。2024年12月、『教養としてのインテリジェンス エピソードで学ぶ諜報の世界史』を刊行。

チャップリン、フレミング、オノ・ヨーコの父

ドラブキン:自分は日本海軍を一番知っている人間だ、と米海軍に売り込んでいる。これはFBI資料で明らかです。日本では鎌倉の材木座に住んでいて、山本五十六や嶋田繁太郎ら海軍首脳との交友があった。アメリカではロサンゼルスを拠点に航空関係の会社を経営する実業家として人脈を広げていました。

当時のロサンゼルスには様々な国からの移民がいましたが、貧しい階層の人たちが多かった。そんな中で、イギリス出身のラトランドはイギリス英語を駆使して、いわゆる上流階級のコミュニティーにうまく溶け込みました。もちろんそれだけではなく、日本でもアメリカでも広い交友関係を構築できたのは、人を引きつける魅力があってのことでしょう。

小谷:そうして日米を股に掛けて活動したラトランドですが、真珠湾攻撃後にイギリスで刑務所に入れられます。他方、同じく日本海軍に協力していたスコットランド貴族のウイリアム・フォーブス=センピル卿は追放されてはいるが、刑務所には入っていない。この違いはセンピルが上流階級出身だったからですか。

ドラブキン:たぶん、そうでしょう。センピルはウィンストン・チャーチルとも交友があった。スパイの世界は一般社会とは切り離されているように見えながら、当時の階級社会の影は及んでいる。労働者階級出身のラトランドが歩んだ道のりをたどる中で、時代の様々な陰影も浮かび上がってきました。

小谷:われわれ学者の関心は専ら歴史のファクツ(事実)にあり、数多い登場人物一人ひとりの個性などまでは筆が及ばないのですが、この本では、ラトランドだけでなく、彼と接触した日本海軍の立花止(たちばな・いたる)、岡新(おか・あらた)などの性格、個性までしっかり描かれていますね。戦前の日本海軍は負けたことがないので、みんな自信があった。例えばプレーボーイとして描かれた立花はとても魅力的です。

本書には日本人のエピソードがたくさん書き込まれていますが、FBIの資料だけではこれだけ詳細な情報は得られないのでは?

ドラブキン:おっしゃる通り、FBIの資料はファクツベースで書かれています。今回の執筆に当たっては例えばロサンゼルスの羅府新報(RAFU SHIMPO)なども調べました。1903年に創刊された米国内最古の日系紙で、当時の日本人に関わる様々な情報を知ることができました。MI5(英国情報局保安部)の資料も調べたのですが、こちらは結構、エージェントの感想や意見が書かれていたりして、FBIとの違いが面白かったです。

小谷:そうした多層的な調査によって書かれているから、小説のように読みやすい。また、日本人の個人秘書を雇っていた喜劇王チャールズ・チャップリンや、MI6(英国情報局秘密情報部)に勤務経験のある『007』シリーズの作家イアン・フレミング、サンフランシスコで銀行業を営んでいたオノ・ヨーコの父親、小野英輔などなど、ラトランドの人生に関わりのあったたくさんの有名人が登場して、ページをめくる手を止めさせない。映画化されるかもしれませんね。

ドラブキン:実はすでにハリウッドから映画化の打診を受けていて、エージェントが対応しています。

小谷:それは楽しみです。

百地三太夫を知らない日本人

小谷:こうしてラトランドの話をたどるだけでも私は大いにワクワクするわけですが、総じて日本人はスパイとかインテリジェンスについて関心がありません。

ドラブキン:それには私も驚きました。なぜですか。

小谷:アメリカやイギリスでは、子供の頃からスパイ映画やテレビドラマ、小説などでスパイの話題が身近にたくさんあり、それを見たり読んだりして育っている。将来、なりたい職業の一つにスパイという仕事が普通にある。ところが、多くの日本人はスパイという仕事があることさえ知らないのです。

ドラブキン:日本では忍者が有名では?

小谷:確かに戦国期から江戸期にかけて暗躍した忍者はスパイ活動をしていて、小説やドラマでも描かれていますが、欧米における「なりたい職業」のようには認識されていません。ワシントンD.C.のスパイ・ミュージアム(国際スパイ博物館)には忍者の百地三太夫(ももち・さんだゆう)がジャパニーズ・スパイとして展示されていますが、それを知る日本人も少ないでしょう。最近、アニメ化もされた漫画『SPY×FAMILY』がヒットして、若い人たちの認識は少し変わったかもしれませんが。

スパイやインテリジェンスの世界は遠い存在ではないことをたくさんの人に知ってもらいたい。そんな思いから今回、『教養としてのインテリジェンス』を書きました。古代ギリシャから第2次世界大戦、現代に至るまで、歴史の裏側で暗躍したスパイたちのエピソードを数多く盛り込み、インテリジェンスの世界への入門書になればと。誰もが知る事件の裏側でミッションを成功させた例だけでなく、失敗例も出てきます。スパイ活動をプロジェクトに見立てて、何が成否を分けたのかを探っていくと、そこに表れる組織の問題点などは、現代の企業が抱える課題と重なるものも多いです。[※関連コラム=歴史に学ぶ「教養としてのインテリジェンス」]

『教養としてのインテリジェンス エピソードで学ぶ諜報の世界史』(小谷賢著、日経ビジネス人文庫)

ドラブキン:小谷先生は、なぜスパイを含めたインテリジェンスを研究するようになったのですか。

小谷:私はもともと、国際政治学、国際関係論を研究していました。中でも太平洋戦争をメインに研究していましたが、表面的な戦闘だけでは理解できないことが多かった。戦闘の裏にあるスパイとかインテリジェンスが分からないと“本当のところ”が見えてこないので、本格的に研究を始めました。

そして私がイギリス留学中の2000年前後に、イギリスの秘密文書が公開されました。その中に日本の外務省の秘密公電が解読されたものがあり、目を通すとその内容は衝撃的で、1年かけてひたすら読みました。MI5の資料にはラトランドの名前もありました。ドラブキンさんも公開されたFBI文書から新しい情報を得たように、情報公開をきっかけに研究が進展することは多いですね。

ドラブキン:新著で世界のスパイ史をまとめられた小谷先生から見て、日本のスパイの特徴とはどのようなものですか?

小谷:例えば、日露戦争の勝利に貢献した明石元二郎(あかし・もとじろう)や石光真清(いしみつ・まきよ)はストイックでした。明石はスパイ活動費として支給されたお金のうち余った分を、領収書を付けて国に返している。石光は家族を日本に残し、国から一銭ももらわずに、カメラが得意だったので当時の満州ハルビンに写真店を開いて稼ぎながら、ロシアの動きに目を光らせていた。スパイの中には多額の活動資金に溺れて身を持ち崩したり、高額の報酬で寝返ったり、“お金の誘惑”に負けてしまう者も少なくないのですが、日本人スパイには独特の使命感がありました。

ドラブキン:派手な活動も多かったラトランドとはかなり違いが。

小谷:ラトランドは映画『007』のジェームズ・ボンドさながら、高級車に乗って豪邸に住んでパーティー三昧。現代の多くの人々が持っている「すべては人知れず隠密裏に活動する」というスパイのイメージは冷戦時代のものですが、戦前のスパイは隠れて情報を取るといった意識はなかったのでしょう。戦時中の日本で活動した旧ソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲも、かなりオープンな活動をしていました。

ドラブキン:一口にスパイといっても、時代によって違いがある。国ごとの特徴もありそうですね。

ロシアは毒、イスラエルは爆弾

小谷:ロシアのスパイはターゲットを決めたらいくらでもカネを投じて徹底的に調べ上げ、必要となれば暗殺も。彼らは毒を使うことが多い。中国のスパイはそうした深入りはせず、専ら広く浅く、です。

イギリスの場合は伝統的な人によるスパイ活動が得意で、アメリカは通信傍受などテクニカルな諜報活動が得意。だから、英米は最強の組み合わせになる。今のウクライナ戦争でも協力して情報を取っています。

イスラエルのモサドはなんでもやるが、爆弾を使うのが得意。ハマスとの戦争でも通信機器に爆弾を仕掛けている。

ドラブキン:現代の日本の得意技はなんですか。

小谷:残念ながら得意技はないのですが、強いて挙げるなら、近隣のアジア諸国の分析でしょうか。中学・高校の国語の授業で中国の古典を読んでいることなどを素地として、中国人らの考え方を欧米より理解できる。例えばCIAのエージェントが北京でのミッションの前に東京に寄り、専門家の分析を聞いてから現地入りするということもあります。

ドラブキン:国ごとの違いはあるとして、スパイの基礎教本のようなものはあるのですか?

小谷:ミリタリー(軍事)のテキストとしては、その兵法で知られる『孫子』や、カール・フォン・クラウゼヴィッツの『戦争論』などがありますが、インテリジェンスに関する世界共通の教本のようなものはありません。

日本では、かつてスパイを養成していた陸軍中野学校で明石元二郎の遺稿「落花流水」が使われていました。世界各地で多くの紛争があり、アジアにおいてもいくつもの火種がくすぶっている現在、インテリジェンスの必要性は高まるばかりですが、現在の日本についていえば、専らOJT(On-the-Job Training=実地研修)で情報の収集などに当たっているものの、残念ながら専門的な教育は行われていない状況です。

イギリスのMI6などでは、専門の教育機関で主に社交術を徹底的に鍛えます。

ドラブキン:情報収集の入り口がどんな場面でもつくれるように、どんな話題にもついていけるようにするためですね。

小谷:実際に会ったMI6のエージェントは、私が日本人と分かるや日本の経済や政治についての話題を即座に振ってきました。広範な知識を巧みに組み合わせる力が必要なので、オックスフォード大学やケンブリッジ大学の出身者が多いというのもうなずけます。

インテリジェンスの重要性を認識している国々ではそれぞれ教育機関を持ち、養成したエージェントたちが身元を隠して様々な活動をしています。私のところにも各国から研究者やジャーナリストとして接触してくる人がいますが、CIAは例外的に身元を明かしてアプローチしてくる。何なら鞄(かばん)にCIAと書いてあったりします。

ドラブキン:今回の作品を書くために、スパイに関するたくさんの資料に目を通しましたが、まだまだ奥の深い世界で、興味は尽きません。

小谷:次作もスパイに関するものを?

ドラブキン:いえ、山本五十六について調べています。

小谷:日本ではすでにたくさんの関連書籍がありますが…。

ドラブキン:アメリカでも山本五十六は有名なのですが、意外なことに人物像に迫るような本は見当たらないのです。

小谷:アメリカ人が知っている日本人といえば山本五十六と東条英機。真珠湾攻撃、太平洋戦争と結びついてのことですが、ぜひアメリカ人が知らない山本五十六の実像に迫っていただきたいです。そう、山本五十六の死には日本の暗号の不備が関わっていますから、インテリジェンスのお話も出てきそうですね。

ドラブキン:また、たくさんの資料を丹念に読み込んでいきたいと思います。

企画・構成/黒沢正俊、木村やえ 写真/岩佐文夫

[日経BOOKプラス 2025年1月21日付の記事を転載]

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