『全人代、歴代「反対票」に見る中国権力闘争の闇 習近平「満票批判」は徹底削除、王岐山「反対」は誰が?』(3/30日経ビジネスオンライン 北村豊)について

3/31日経<米韓合同軍事演習1日開始 米空母は不参加見通し

【ソウル=山田健一】米韓両軍は1日、韓国内で定例の合同軍事演習を始める。野外機動訓練に米軍1万1500人と韓国軍約29万人が参加する。同訓練は約1カ月間と例年比半減し、昨年参加した米軍の原子力空母や戦略爆撃機といった「戦略兵器」の投入も見送る見通し。4~5月の南北と米朝の両首脳会談を控え、北朝鮮への過度な刺激を避ける意図とみられる。演習は例年2月末から3月上旬に開始しているが、今年は平昌冬季五輪・パラリンピック開催で延期していた。

韓国の米軍基地に到着した米軍機(3月20日)=AP

4月1日から実際に戦力を動かす野外機動訓練「フォール・イーグル」を約1カ月間、米軍が日本などから朝鮮半島に戦力を展開する際の指揮系統などをシミュレーションする「キー・リゾルブ」を4月中旬から約2週間実施する。

韓国国防省などによると、米軍1万1500人と韓国軍約29万人が野外機動訓練に参加する。同省は今年の軍事演習が「例年と同規模」になると説明している。北朝鮮の核・ミサイル開発で朝鮮半島を巡る緊張が高まった2016~17年の「過去最大規模」との説明と異なり、控えめな表現に修正した。

一方、米軍関係者は「現時点で空母などが参加する計画はない」と強調する。北朝鮮が再び軍事的な挑発に出ない限り、空母や爆撃機を投入しない考えを示唆した。北朝鮮は米軍による空母と戦略爆撃機の朝鮮半島近海への展開に強く反発してきた経緯がある。>(以上)

3/31ZAKZAK<トランプ氏、次は米韓同盟破棄か 「反米・親中・従北」の文在寅政権への強い不信感 接近する中朝韓に対抗し「日米台連携」も>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180331/soc1803310004-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

日米台連携して韓国は切り捨てても良いですが、中国が朝鮮半島を利用して世界に歴史の捏造をアピールしていくのではと懸念されます。「南京」や「慰安婦」以外にもでっち上げしてくるでしょう。でも歴史戦を逆転できる機会が訪れるという事です。今までは米韓同盟があり、韓国の我儘を米国は聞く必要がありましたが、破棄となれば「慰安婦」の嘘も日本は堂々と世界にアピールできるでしょう。「慰安婦」の嘘を朝日新聞は認めたことも世界に大々的に訴え、潰した方が良いと思います。北と中共、日共の指示で吉田清治を使って捏造したわけですから、日本人の名誉を傷つけた報いはキチンと受けさすべきです。

日本は中国に対峙する役割を引き受けざるを得なくなります。韓国が中国側に行けば、日本の防衛線は対馬が最前線になります。対馬にも自衛隊を増強、韓国・中国人にはビザを復活・強化する必要があります。渡部悦和氏の言うように日米台で中国の第一列島線突破を防ぎませんと。河添氏が言うように台湾軍の幹部は外省人が握っていますので、中共と内通する輩も必ずいます。勿論言葉が通じるので逆に台湾側も人民解放軍の幹部をリクルートしてスパイに仕立て上げたりしています。お互いに逮捕したスパイは偶に交換するようなこともしています。まあ、日本の自衛隊も配偶者が中国人や韓国人であれば、敵に通じる可能性もありますので。彼らは大陸や半島にいる親戚を人質に取りますから。まあ、機密漏洩を迫って来たら離婚する覚悟があれば良いですが。

金三胖はバッハIOC会長と会ったり、欧州には外交官を派遣して平和を演出しています。しかし、真の平和の希求ではないことは過去の歴史が証明しています。東京・北京のオリンピックに参加したいのなら検証可能な核放棄と拉致問題の解決に踏み込まなくては。いいとこどりは許されません。安保理では制裁強化の方針が打ち出されました。

3/31NHKニュース13:01<北朝鮮船籍の船舶への「瀬取り」で制裁対象を追加指定 安保理>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180331/k10011386651000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_060

3/30宮崎正弘氏メルマガ<「人々の信仰と誠意を裏切るのか、バチカンよ」と中国の地下信者ら  バチカンと中国共産党の手打ちが近い、おそくともイースターまでに>

http://melma.com/backnumber_45206_6664063/

3/31宮崎正弘氏メルマガ<IMF,中国人民銀行と「一帯一路」をめぐる会合>

http://melma.com/backnumber_45206_6664518/

4/1宮崎正弘氏メルマガ<このままではメコン流域が「第二の南シナ海」になってしまう  中国、メコン河に巨大ダムをあちこちに建設、地元住民は反対>

http://melma.com/backnumber_45206_6664805/

宮崎氏の記事では、中共の悪辣さが滲み出ていますが、欧米の打つ手が遅すぎる印象です。怪物を造り上げた製造物責任をもっと感じて貰わねば。勿論日本もですが。

北村氏記事では、共産主義は似非民主主義と言うのが良く分かります。人民日報の論評が何であれ、そもそも共産党の息のかかった者しか選挙人になれないというのがおかしいでしょう。形だけ議会制民主主義を真似て世界を誑かしているだけです。茶番としか言いようがない。

張東蓀の扱い方は、毛沢東の狡猾、性格の悪さが出ています。独裁者だからできることで、やがて習も毛と同じ道を歩むでしょう。ヒットラーやスターリン以上の殺戮を行うかも知れません。流石に毛沢東の虐殺のレベルまでは行かないでしょうけど。金持ちになった中国(砂上の楼閣で借金漬けになっているが)ですから以前より力を持ってしまっているので始末に悪いです。通商法301条適用を逃れるため、米国からの輸入を増やすとのこと。その分日本とか韓国からの輸入を増やすような報道でしたが、そううまく行くかどうか。日韓産のものを米国に代替できるかです。でも、中国の純輸出の額を減らさないと軍拡と賄賂の原資になるので、日本も中国からの輸入を制限するうまい手を役人は考えてほしい。

記事

1969年の中国共産党第9回全国代表大会で、毛沢東の「親密な戦友」林彪は自らに反対票を投じた(写真:Ullstein bild/アフロ)

3月17日の午前9時、第13期全国人民代表大会第1回会議の第5回全体会議が挙行された。会議に出席すべき代表数2980⼈に対して、出席2970人、欠席10人で、出席人数は法定人数に符合していた。会議の進行を取り仕切る司会役の大会執行主席団が正面ステージに着席すると、先ず国務院機構改革法案に関する表決を行い、同法案は賛成多数で採択された。続いて会議は、選挙と任命決定の方法を表決で採択した。こうして選挙は9時23分に開始された。

満票当選、全員起立、熱烈拍手

先ず、開票検査人が会場に設置された28カ所の電子投票箱と電子選挙システムに対して検査を行った。これに続いて、職員が投票用紙の配布を始めた。中国語と7種類の少数民族の文字で印刷された投票用紙は、4枚の色が異なるものが1組で、これが各代表の手に配布されたのだった。投票用紙の配布が終わると、代表たちは投票用紙に記入を始めた。なお、会場の後方には秘密記入ができる場所が設けられていた。

先ほど採択された選挙と任命決定の方法に基づき、中華人民共和国主席、中華人民共和国中央軍事委員会主席、第13期全国人民代表大会常務委員会委員長、副委員長、秘書長、中華人民共和国副主席の“等額選挙(候補者数が定員と同数の選挙)”が行われた。

9時41分に開票責任者、開票検査人が先ず投票を行い、その後に代表たちが投票を行った。投票終了後、開票責任者が投票用紙の配布・回収状況を報告し、選挙が有効であった旨を宣言した。これを受けて、職員が投票の集計結果を読み上げた。これと同時に会場正面に設置された特大の電子掲示板には集計結果が表示された。

国家主席と中央軍事委員会主席の選挙では、“習近平”が2970枚の賛成票を獲得して満票当選を果たし、会場は熱烈な拍手に包まれた。司会者が「習近平同志が中華人民共和国主席に当選しました」と宣言すると、習近平は立ち上がり、代表たちに向けてお辞儀して挨拶を行った。これに対して代表たちは全員が起立し、熱烈な拍手で習近平に敬意を表した。習近平の傍らに立っていた“李克強”、“張徳江”の2人はそれぞれ習近平と握手を交わして祝賀の意を示した。習近平が中央軍事委員会主席に当選したと司会者が宣言した時も、再度熱烈な拍手が湧き上がり、習近平は再び代表たちに向けてお辞儀して挨拶した。

第13期全国人民代表大会常務委員会委員長には“栗戦書”が当選したが、彼は2970枚の賛成票を獲得して満票当選であった。一方、中華人民共和国副主席には習近平の「最も親しい盟友」であり、68歳の年齢制限で共産党政治局常務委員から引退したはずの“王岐山”が当選したが、彼の賛成票は2969枚で、反対票が1枚あり、満票当選ではなかった。

1969年の林彪を連想

王岐山が満票当選でなかったことについて、“清華大学”政治学部の元講師である“呉強”は、メディアに次のように述べた。すなわち、王岐山が満票当選でなかったことは、1969年に開催された中国共産党第9回全国代表大会(4月1日~24日)を連想させる。この大会で行われた選挙で“毛沢東”は党主席に満票当選を果たしたが、副主席に当選した“林彪(りんぴょう)”には2枚の反対票があった。後に判明したところでは、2枚の反対票を投じたのは林彪とその妻の“葉群”であった。これは、毛沢東の「親密な戦友」と言われ、後継者と目されていた林彪が、反対票を投じることで副主席は国家主席の威信に及ばないことを示したものであり、一種の忠誠表明であった。

今回、国家副主席の選挙で王岐山に1枚の反対票を投じたのが誰かは不明だが、上記の林彪の例を考慮に入れると、王岐山が林彪に倣って自身で反対票を投じた可能性もある。毛沢東の「親密な戦友」と言われて国家副主席になりながら、政争に敗れて飛行機でソ連へ逃亡中に墜落死した林彪、習近平の「最も親しい盟友」として国家副主席になった王岐山。同じ国家副主席だが、王岐山の今後がどうなるのかは注目に値する。

反対票と言えば、1949年に当時の“中央人民政府”主席の投票で、毛沢東は満票に1票少なかったため、満票当選を果たすことができなかった。この時、開票人が「少なかった1票は無効として処理しよう」と提案したが、毛沢東は「1票不足は1票不足であり、毛沢東を選ぶ選ばないは投票者の権利であるから、その事実は尊重せねばならない」と述べて気にしない素振りを見せたが、実際は密かに部下に命じて反対票を投じたのは誰かを調査させた。調査により反対票の主と推測されたのは、当時北京市にあった“燕京大学”の哲学部教授、張東蓀であった。

これを境に張東蓀には毛沢東に敵対する人物というレッテルが貼られることになる。1952年に張東蓀は米国へ国家機密情報を漏えいした容疑で逮捕され、最終的には1973年に政治犯収容所である北京市の“秦城監獄”で死去した。彼の3人の息子のうち2人は迫害を受けて自殺、残る1人は長期間拘留された挙句に精神疾患となり、2人の孫は重罪に問われて長期間監禁されたという。これら全ては毛沢東による張東蓀一族に対する報復だったと言われている。こう見ると、中国では反対票が持つ意味はすこぶる重いものがある。

ところで、習近平は国家主席と中央軍事委員会主席に満票当選を果たしたが、3月18日付の香港紙「蘋果日報(Apple Daily)」は次のように報じた。

習近平は満票で国家主席に再選され、毛沢東後の国家主席選挙の先駆けとなった。但し、中国本土のネットユーザーは以前の「人民日報」の評論『“全票当選更危険(満票当選はさらに危険)”』を引っ張り出して、当局が自分で自分の横っ面を張ったと風刺し、当該文章はネット上で転載が繰り返されたが、すぐさま当局によって削除された。

「沈黙の中に滅亡する」

上述した人民日報の評論『満票当選はさらに危険』とは、どのような内容の文章なのか。調べてみると、それは中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」が2011年3月17日付で掲載した評論であることが判明し、ネット検索で当該評論を探し出したが、その全文は以下の通り。

【1】今年はちょうど省・市・県・郷の各党委員会の改選の年に当たり、多くの省・市・県・郷は全面的に選挙を実施し、多くの地方で党委員会の委員と書記が満票当選しているが、これは熟考するに値する。表面から見れば、満票当選は現地の党組織と党員が非常に団結し、選挙に参加する党員の誰もが政治を論じ、大局を見て、歩調を合わせ、異口同音で雑音がないことを意味する。

【2】但し、一般に真の民主的選挙で一辺倒の現象が出現することは非常に少ない。3月14日に閉幕した第11期全国人民代表大会第4回会議でも、全ての法案が満票で採択されたわけではなく、多かれ少なかれ反対票があった。中国は大きいので、何事も全ての人が満足することは不可能で、常に異なる意見を発する人がいる。たとえそれが、党内の関係者が多い選挙でも全員の意見が一致を見ることは難しい。しかも、当面の我が国は社会の転換期にあり、解決を必要とする様々な問題が依然として存在し、社会矛盾が依然として存在している。

【3】満票当選は恐らく民意を力ずくで捻じ曲げた選挙の結果であり、民衆の願望を代表したものではない。たとえ党委員会の選挙であっても、満票当選は選挙資格を持つ党員の願望を代表するものではなく、選挙民たちの真情を吐露したものではない。彼らは特殊な状況下で特殊な選択をしたものである。我が党の民主集中制は個人が組織に服従することを要求するが、選挙では個人が組織を選出すべきであり、組織が個人に対してどのような組織を選出するか要求するものではない。任期満了に伴う改選では、服従を少なく、民主を多くしなければならない。このままで進めば、彼らの反抗意識は沈黙の中に月日を重ね、後の結果は恐ろしいものとなり、最後には爆発する。それは文豪の“魯迅”が彼の作品の中で「沈黙の中から爆発するのでなく、沈黙の中に滅亡する」<注1>と述べたのと同じである。

<注1> この魯迅の言葉は、彼の作品『劉和珍君を紀念して』からの引用。

【4】さらに、もし指名された候補者が組織の要求を背景に満票当選するならば、それは彼らの優越感を助長し、現実をはっきり見えなくさせ、形勢判断を誤らせ、自分がすでに偉く、全ての人から支持と擁護を得ていると考えさせる。ところが実態は単なる見せかけに過ぎず、それが彼らの業務に不利に働き、彼らの意思決定に不利となる。“生於憂患, 死於安楽(憂患に生きてこそ、安楽に死ねる)”<注2>という言葉の通り、満票当選は彼らが安楽な環境の中でずっと生活することで、彼らに憂患(心配して心をいためること)の意識を喪失させ、緊迫感や危機感を喪失させる。それは、たとえ複雑で厳しい社会環境の中にあっても、彼らに危機を感じなくさせるのである。

<注2> 『孟子』の「告子章句下」にある言葉。

金無足赤、人無完人

上記の人民日報の記事から1年が経過した2012年3月31日付の北京紙「北京日報」は、『“全票当選(満票当選)”は必ずしも全て民意ではない』と題する陝西省“安康市”人民代表大会常務委員会研究室主任の“趙明波”の評論を掲載した。その全文は以下の通り。

(1)現在頻繁にこのような現象を見聞きする。それは一部の地方では候補者と任命したい人の推薦・紹介の過程で、某氏の満票当選を全力で確保することが強調される現象である。とりわけ、一つ上の行政レベルがその下の行政レベルの選挙において指導幹部の身分を持つ候補者を推薦する場合はこれがひどくなり、甚だしきに至ってはそれが地方の幹部グループの思想統一、民主団結と調和の象徴と見なされる。

(2)各種のニュースメディアには、常に「〇〇〇が市長や副市長に満票で当選した」というニュースが報じられて、人々を喜ばせているのを見る。しかし、これと同時に「満票当選の短命市長」というニュースもあって、人々を嘆かせている。このような“全票情結(満票コンプレックス)”は人々に結託を促し、表決に投票する代表たちを誤った方向に誘導する可能性がある。なんと彼らにすぐにも“党委員会紀律検査部門”の“双規(取調べ)”を受ける人に投票して、後で驚かされることもある。これは我が国の選挙の中で相当程度存在することが実証されている弊害である。

(3)客観的に言って、現在、投票者たちは、往々にして組織が推薦する候補者の名前を知っているだけで、その人物を知らず、情報が欠如している状態であるのに、候補者を満票当選させるようとするのは無理がある。諺に「“金無足赤, 人無完人(金に純金はなく、人に完璧な人はいない)」とある。候補者や任命したい人が法定の過半数の賛成票を獲得する前提の下で、少数の反対票や棄権票があるのはおかしな事でも悪いことでもない。それはかえって、投票の対象となる候補者や任命したい人に改善が必要なことがあると説明するものであり、一種の警告としてより一層大衆に奉仕する必要があることを意味している。

(4)筆者はこれこそが民主政治が体現しなければならない重要な能力であり、要となる作用だと考える。以上述べたことをまとめると、選挙と任命を受ける人の票数の多寡、という問題において、我々は盲目的に満票を追求するべきでなく、理性的・弁証的に、得票が満票か満票でないか、多いか少ないかを、分析しなければならず、某氏が満票を獲得しているか否かが、いわゆる官界の体面と結びついていると判断することはできない。もしこの種の面子を必要とする、あるいは格好をつける現象がこのまま続くようなら、民意が嫌がることを強制するだけでなく、民主法制建設の中核となる精神にもとることになる。

行く末は「オセアニア」か

この趙明波の評論は明らかに上述した人民日報の評論『満票当選はさらに危険』を拠り所として書かれたものと思われるが、『満票当選はさらに危険』がネット上から削除されていることから考えると、趙明波の文章も削除される可能性が高い。あるいは、すでに削除されているのかもしれない。

習近平が中国共産党中央委員会総書記に就任したのは、2012年11月15日に開催された中国共産党第18期中央委員会第1回全体会議であった。上記の人民日報の評論は2011年3月17日付であり、北京日報の評論は2012年3月31日付である。これは“胡錦濤”総書記の2期目の4年目と5年目に当たるが、その時期に満票当選を危惧する評論が人民日報と北京日報に掲載されたということは、中国国民の中に充満していた満票当選に対する不満や疑問を沈静化させようとする意図があったものと考えられ、一方の中国国民はこうした評論の中に民主選挙への一縷の望みを見出していたのかもしれない。

しかし、国家主席の任期を2期10年までとする制限を撤廃して、総書記、国家主席、中央軍事委員会主席という3冠の2期目に入り、3期目以降も3冠を継続保持することが可能となった習近平にとっては、満票当選だけが肝要なものとなり、いかなる反対票の存在も許せないものとなったのである。今後、習近平政権による言論統制はさらに強化されて、異論が許されない社会が到来する可能性がある。そうなると中国は、ジョージ・オーウェルがその著作『一九八四年』で描いたような一党独裁で、個人の思考まで徹底的に管理された超大国「オセアニア」に類似した国家に変質することが懸念されるのである。

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