ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

『G7とオバマ広島訪問、中国「日本猛攻」の意味 安倍式「歴史の乗り越え方」が中国を焦らせる』(6/1日経ビジネスオンライン 福島香織)について

中国人は自分が都合悪くなると、すぐに論理のすり替え、百年前のことを持ち出すなどして誤魔化そうとします。不合理精神そのものですが、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄ですから。でも非難の仕方は相変わらずで、朝鮮半島と同じで下品です。中華・小中華というのは如何に徳のない民族かという事です。エリザベス女王に“rude”と言われるのは当り前です。礼儀を知りませんので。孔子がいくら徳を教えようとしても誰も守ろうとしなかった国です。中国の歴史は虐殺の歴史なのに、デッチアゲの南京事件を言い立てるのは面の皮が厚すぎでしょう。而も共産中国の建国の父・毛沢東は文革時、批林批孔を煽動して紅衛兵に人にあるまじきことをさせました。それが今では孔子学院を世界中に作り、中国語を教えるというのですから。ご都合主義の最たるものです。

本記事の中で、中国のメデイアは「サミット、オバマの訪広が今度の参院選対策」というのですから、選挙もしてない国に難癖をつけられる覚えはないという気にさせられます。悔しかったら選挙して見れば良いのに。出来ないのであれば、黙っているべきと思うのですが、そうできない所に性が出るのでしょう。オバマの訪広は日本が望んだことではないのは、日本の新聞記事、ネットを読めばわかること。日本に多くのスパイを送り込んでいる中国が知らないはずがありません。都合の悪い情報は知らん振りします。

9月のG20は楽しみです。中国は日本を悪者とする絵を描こうとするでしょうが、せいぜい味方は韓国くらいのものでしょう。それだって米国から圧力をかけられれば分かりません。逆に中国が孤立を深めるのではと。議事国の纏め方が楽しみです。

記事

Abe and OBama in Hiroshima

歴史を乗り越えようとする日米に、中国は焦りを募らせる(写真:代表撮影/AP/アフロ)

 8年ぶりの日本でのG7に続いて、オバマ米大統領の広島訪問と、先週の日本は国際ニュースが盛りだくさんであった。しかも、いずれも中国が影の主役であったといえる。ただ8年前は、リーマンショック直後に世界から経済の救世主として期待された中国の存在感とは裏腹に、今回はむしろヒール(悪役)であった。中国の反応から、サミットとオバマ広島訪問を見てみたい。

日本が「悪知恵」で対中包囲網

 G7の首脳宣言では中国を名指しこそしなかったが、国家が国際法に基づき力や威圧を用いないこと、平和的な手段による紛争解決を追求することの重要性を再確認し、東シナ海、南シナ海における状況を懸念し、紛争の平和的管理、解決の根本的な重要性を強調した。

 これに対し中国外交部報道官は27日の定例記者会見で、強烈な反発を表明。「今回の日本が主催するG7サミットは、南シナ海問題を煽り、緊張情勢を拡大させ、南シナ海の安定に不利益をもたらした。G7は先進国の経済問題を話し合うプラットフォームと名乗るにふさわしくない。中国側はG7のやり方に対して強烈な不満を示す」と日本を名指しする形で抗議した。

 さらに30日の記者会見では、「中国が南シナ海で展開している活動は完全に主権範囲内のことで、正当合法であることは議論の余地がない。中国は南シナ海の航行・飛行の自由もしっかり維持している。しかし“航行の自由と自由の横行は同じではない”。中国は個別の国家が航行の自由という建前で中国を悪者にすることには断固反対する」と訴え、G7拡大会議でも中国へのけん制を念頭に海洋問題が議論されたことについては、「会議で何を討論しようとも、他国の利益を損なうことはすべきではなく、地域の緊張を刺激すべきでもない」と批判した。

 安倍晋三首相は記者会見上、一言も中国という国名を言わず、南シナ問題については、2014年のアジア安全保障会議上で提出された三原則、つまり①国際法に基づき主張する②力や威圧を用いない③平和的解決を徹底する、を繰り返しただけである。表現上は決して中国を特別挑発するようなものではないのだが、一部中国メディアは「G7は安倍が“夾帯私貨”(ヤミ商品を紛れ込ませることを)している」という言い方で、いかにもホスト国の日本が悪知恵をめぐらして、G7の本来の議題とは関係のない南シナ海の問題を強引に議題のテーブルに乗せて、対中包囲網を形成したのだ、と日本に対する苛立ちを募らせている。

南シナ海問題以外についても、中国メディアはおおむね酷評しており、「G7モデルは、西側国家が世界経済の舞台上、圧倒的優勢を占めるために作られたのであり、中国、インド、ブラジルなどの新興国が彼らに背を向けて発展し始めた今日、G7サミットはすでに政治的回顧録に過ぎず、政治そのものになりえない」「内容のないショーだ」(中国金融報)、「会議の議題は空疎で、対立は明らかで、成果は乏しく、しかもホスト国の日本がたえず議題を偏向させている」「G7の影響力は日増しに衰退し、世界経済における役割はすでに過去のもの」(中国社会科学報)などとG7オワコン説を力説している。

「G7よりG20」「南京を忘れるな」

 もちろん、9月に中国がホストとなって浙江省杭州で開かれるG20こそが、グローバルな問題の討論と解決のプラットフォームであるということが言いたいがための文脈だ。

 「G20があるのに、G7はまだ必要なのか」というタス通信の報道などを引用して、南シナ海から世界経済減速まで、世界の諸問題の原因となっている中国が参与していないG7ではなく、中国が重視するG20がグローバルメカニズムの核となるのだと訴えている。

 G7に続く、米大統領オバマの広島訪問についても、思いっきり難癖をつけている。

 27日に外相の王毅が記者会見上で「広島は注目に値するが、南京はさらに忘れてはならない。犠牲者に同情することも大切だが、加害者は、永遠にその責任から逃れることができないのだ」と“過去の侵略戦争発動者”日本に釘を刺した。

 華僑系通信社中国新聞社は「やってきたよ、でも謝らない:オバマの広島訪問に日本は満足なのか?」というタイトルで、これがオバマの在任期間のロスタイムの政治ショーにすぎないと揶揄した。

 さらに「非核化を推進できるのか、日米同盟を強化できるのか、アジアリバランス政策に多少寄与するのか、あるいは日本の侵略行為の罪を淡化させるという安倍の望みをかなえ、7月の選挙のプラス材料となるのか。我々は目をこすって待ってみよう」「かつて非核化推進努力によりノーベル平和賞を受賞したオバマがもっとも気にしているのは残りの在任期間が多くない状況下で、“非核世界”の理想実現のために努力して見せる。それが自分により多くの政治遺産を残すことになる。…安倍にしてみれば、オバマの広島訪問は日本の第二次大戦下での侵略暴行の記憶を淡化させることに役立つ。表面上は世界に核兵器の廃絶を呼びかけるためとしながら、実際は自分たちが第二次大戦の被害者であるイメージを打ち出して、日本が侵略戦争を発動した責任と他国に与えた損害の記憶を薄れさせようということだ」などと、日米の狙いを分析している。

 さらに、次期大統領選の共和党候補ドナルド・トランプが「(オバマが日本訪問中)なぜ真珠湾奇襲作戦について質問しないんだ」と28日にツイッター上でつぶやいたことなどを引用し、日本が戦争被害者でなく加害者であることを改めて強調した。

米国の戦闘能力はピーク時の半分

 またシンガポールのストレーツタイムズ紙を引用する形で、米国のレームダックを印象付けようとしている報道もある。

 「オバマは広島で日本に謝罪はしなかったものの日本にごまをすったことは明白である。これは傲慢なアメリカ合衆国とオバマさんが一夜にして良心に目覚め、日本と対等なパートナーシップを結ぶことを決めたのか? もちろん違う。日米間のパワーバランスはすでに巨大な変化が生じている。米国経済は日増しに衰弱し、オバマは世界覇権維持を軍事力にますます頼らざるを得なくなっているが、その軍事力もまた、経済基礎の上に建設されている。いまや、米軍の戦闘能力は、ピーク時の50パーセント前後である。この米軍の実力的凋落は何なのか。間違いなく、米国のグローバル覇権がいよいよ終焉の時を迎えているサインである」

 「オバマはこの脆さ極まりない世界覇権の地位のため、軍事同盟の関係上、日本にすり寄らねばならないのだ。もちろん安倍は鋭敏にこのオバマの本音をかぎ取っている。米国が日本を必要としている以上に、日本も米国がさらに必要である。…(オバマに広島にG7のついでに立ち寄るよう頼むのは)オバマ大統領が謝罪をすれば一番良いが、謝罪をしなくとも、オバマが来れば、それは一つの態度なのである。オバマが広島に謝罪に来た、というふうに読み取ってよいのだ。安倍は虚栄心とメンツを大いに満足させたことだろう。オバマは何を得たのか? 屈辱以外に? 実際、米国はこんなところまでやってきて、実質なにもよいことはないのである」(中華ネット論壇)

 以上の論評は、外国メディアを引用する形も含めて、かなり中国の本音に迫っているのだと思う。そしてサミットとオバマ広島訪問の成果とは何かを考えるとき、中国の批判の裏側を読めばだいたい当たっているだろう。グローバル経済の問題に対応するとき、G7ではいまひとつ影響力が持てないということもある意味、当たっている。だが今回、注目するべきは国際社会のパワーバランスにおける日本の存在感を中国がかなり意識してくれているということだろう。

 中国は、今回のサミットにしろ広島訪問にしろ、安倍が仕組んだと批判している。中国包囲網でG7とアジア・アフリカ7カ国の結束を固めることに成功し、オバマ広島訪問で米国のレームダックと日本と米国の関係性の変化を国際社会に印象づけた。さらに中国や韓国などとの“歴史情報戦”に一矢報いた。

中韓とは異なる、歴史の乗り越え方を示す

 習近平政権の当初の外交シナリオの中に、日本が“歴史修正主義者”で軍国主義復活を狙っているという間違ったイメージを国際社会の中で広め、日米離反、日本孤立を画策しようというものがあった。日米離反政策は、結果的に習近平がオバマを侮りすぎたことで失敗、米国はむしろ対中警戒を強めて日米同盟が強化される格好になるのだが、その流れに乗じて今回、日本は“過去の戦争の被害者と加害者の和解と未来志向”というものを演出してみせて、過去の戦争の被害者として延々に謝罪を求め続ける中国や韓国にあてつけて見せたのである。

 このことは、いまや国際政治の一つの重要カードとなっている歴史情報戦において、中国が言うように、日本の侵略戦争イメージを薄れさせると同時に、いつまでも過去の戦争の恨みにこだわっている中韓の心の狭さと対比するかたちで、日本という国の歴史の乗り越え方を示すことができたのだ。

安全保障のバランス、再考を

 今回のオバマ広島訪問に関する中国の批判(指摘)の中で、私が一番、なるほどと感心したのは、米国の軍事力衰退の象徴と捉えていることである。米大統領広島訪問の意義としては、日米関係の緊密化アピールによる対中牽制以外に、単純にノーベル平和賞を受賞したオバマが大統領としての最後の花道に広島を選んだのだろうというぐらいにしか考えていなかったのだが、ここは中国の見立てが当たっているだろう。

 日本では、この訪問時期にあわせて共同通信が実施した全国電話世論調査で、日米地位協定を「改定すべきだ」との答えが71パーセントに上った。もちろん、元米海兵隊員の軍属が逮捕された沖縄女性遺棄事件の衝撃が大きな要因ではあるが、この大統領広島訪問も影響があるだろう。軍事大国として圧倒的強者として日本の安全保障を預かってきた米国の大統領が、謝罪の言葉こそ口にしなかったが、かつての虐殺現場を訪れて献花したわけである。

 米国は日本に対して圧倒的強者から、等身大のパートナー国の立場に自ら降りてきて、日本の気持ちに配慮を示そうとしている。米国はかつてほど威圧的でも傲慢でもなくなったが、かつてほど強くもない。ということならば、日本の安全保障のバランスも再考せねばなるまい、という気持ちにさせられるではないか。

 オバマの次の大統領が誰なのかにもよるが、世界がここまできな臭く、南シナ海から東シナ海にかけての緊張がかつてなく高まっている状況で、米国の軍事的実力が落ちているというならば、従来の日米地位協定を変えていこうという流れになるのは当然かもしれない。

中国の非難が示す安倍外交の成果

 “戦後レジームの脱却”を公言していた安倍政権が、それどころか、日米安保強化に動いたという点を批判する声は保守層の間でも起きているが、その日米同盟のパワーバランスが少しずつであるが変化している流れを考えると、やはり安倍外交の根っこにはぶれがないという気がする。

 G7サミットについても、米大統領広島訪問についても、中国がここまで真剣に“安倍のたくらみ”として批判してくるということは、安倍外交としてはかなりの成功だと自信を持っていいということだろう。もちろん、消費増税延期という内政問題にサミットを利用した感などもあるのだが、外交を内政に利用することが悪いというわけではない。

 世界はいま戦後長らく固定されてきた枠組みや秩序から、少しずつ変化しようとしている。主なプレイヤーは米国と中国、あるいはロシアだと思われているが、日本もかなりの存在感をここにきて見せるようになってきたではないか。次はG20で中国のお手並み拝見である。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『米投資ファンド、中国の不良債権処理に参入 』について(5/30日経)

本記事の債務は小さすぎでしょう。中国は都合の悪い数字は低く発表しますので。宮崎正弘氏のメルマガにも中国の債務はトータルでGDPの320%、30兆$(3300兆円)とヘッジファンドは読んでいるとのこと。中国の発表している数字は融資平台のノンバンクの数字は入っていないのかも知れませんが、それにしても少なすぎの印象があります。

http://melma.com/backnumber_45206_6373694/

実需を無視して建物を作った後には何が残るかと言うと、宴の後の借金と廃墟でしょう。紙幣の増刷で乗り切れるかどうかです。ハイパーインフレになるのでは。そうなれば、共産党は打倒されるでしょう。幹部は亡命、でも預金情報を押えている米国に差押えされるかもしれません。借金の返済に充てられるかも。

ハゲタカのKKRが損をすることはしないと思います。安く買い叩いて、高く売り抜ける目算があるのでしょう。ただ、中国の土地の所有権は共産党が握っています。居住用70年、工業用地50年の使用権だけを切り売りしています。この年限を利用して儲けるのかどうか?やり方は想像できません。

「招商銀行が不良債権の証券化に踏み切った」と言うのは、リーマンの轍を踏むということでしょう。サブプライムで腐った林檎も入れて証券化して、世界的にその証券を買った国や銀行は損しました。そのような証券を中国以外の国が買うことはないでしょう。損するのが分かっていますので。花見酒の経済になるのでは。

記事

 【上海=張勇祥】米国の有力投資ファンドが相次ぎ中国の不良債権処理ビジネスに参入している。オークツリー・キャピタルが北京の不動産に投資したほか、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は中国国有の資産管理会社(AMC)と提携した。中国では景気減速に伴い不良債権が急増している。当局は海外勢の資金を導入し、最終処理を急ぐ考えだ。

condo in Beijing

10年間、建設が止まったままの住宅群(5月、北京)=AP

 オークツリーは2015年に第1弾となる不良資産買い取りを実施したほか、「北京で商業用不動産のプロジェクトに関与している」という。地方都市の不動産への投資は検討せず、上海や北京など大都市圏での投資機会を探るとしている。

 KKRは中国国有の不良債権処理会社、「中国東方資産管理」と共同出資会社の設立で合意した。KKRで中国地区の代表を務める劉海峰氏は「投資先に必要な資本とノウハウを提供する」という。同社は中国の不良債権の多くは不動産が担保になっていると指摘しており、不動産を活用した最終処理を模索するとみられる。

 ゴールドマン・サックスは現時点では残高はないが、北京の拠点を通じ投資機会を探っている。中国では1997年のアジア通貨危機を契機に、大きく膨らんでいた不良債権処理を本格化した経緯がある。中国当局は政府出資でAMCを設立、国有銀行の不良債権を分離して買い取ったほか、ゴールドマンなど海外の投資銀行に債権を売却した。

bad loan in China

 ゴールドマンは国有商業銀行の一角である中国工商銀行のほか、複数のAMCから総額200億元(約3300億円)規模の不良債権や関連資産を買い取った実績があるとされる。ゴールドマンは工商銀にも出資、香港市場などへの上場を支援した経緯があり、過去の実績を生かせると判断しているようだ。

 このほか、ローンスターは国有AMCの一つである「中国華融資産管理」に接触。不良債権ビジネスでの提携を模索している。ローンスターは華融だけでなく、複数の金融機関と協議しているとみられる。

 海外の投資ファンドが相次ぎ中国に進出する背景には、金融機関が巨額の不良債権を抱え、かつ最終処理を急いでいることがある。中国の商業銀行の不良債権残高は16年3月末時点で1兆3921億元と1年前に比べ42%も増加した。

 このほか、不良債権に分類していないものの、将来の元利払いにリスクがある「関注類」と呼ぶ債権が3兆2000億元にのぼる。中国は1~3月期の実質経済成長率が6.7%と7年ぶりの低水準にとどまり、鉄鋼や石炭、造船業などで債務不履行が相次いでいる。中国政府は過剰な生産能力や人員を抱える企業の淘汰を進める方針で、不良債権は今後も増加が続く公算が大きい。

 中国の銀行も最終処理を加速しており、5月には国有大手の中国銀行のほか、招商銀行が不良債権の証券化に踏み切った。銀行の資産内容の劣化を放置すれば金融システムへの信認が揺らぎかねず、中国当局は政府主導で不良債権対策を進める考えだ。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『オバマ広島訪問、米国内はどう受け止めたのか』(5/30日経ビジネスオンライン 高濱賛)

本日、安倍首相は野党の不信任決議を受けて、粛々と否決し、衆院解散するのでは。麻生副総理、谷垣幹事長、稲田政調会長も「消費税増税を延期するのであれば、衆院を解散して信を問うべき」と言いだしたのはその証拠では。示し合わせての発言ではないかと思います。二階総務会長は先日の御坊市長選で子息が落選する憂き目に遭い、支持基盤がガタガタになっているのでこの近くでの選挙はしたくない気持ちがありありですが。売国議員は落選した方が良いでしょう。

5/30日経では<内閣支持、56%に上昇 オバマ氏訪問「評価」92% サミット外交「評価」62% 

 日本経済新聞社とテレビ東京による27~29日の世論調査で、内閣支持率は56%で4~5月の前回調査から3ポイント上昇した。不支持率は35%で5ポイント低下。先の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で議長を務めた安倍晋三首相の働きぶりは62%、オバマ米大統領の広島訪問は92%がそれぞれ「評価する」と答えた。一連の外交成果が支持率を押し上げた形だ。(関連記事総合・政治面に)

approval rating of cabinet

 内閣支持率は2014年9月の内閣改造を受けた調査で60%を記録して以来の高水準となった。

 来年4月の消費増税は「反対」が63%と依然高水準。「賛成」は3ポイント上昇の32%だった。増税先送りで取り沙汰される衆参同日選は「反対」が1ポイント低下の42%、「賛成」は3ポイント低下し38%だった。経済政策「アベノミクス」は「評価する」が38%と2ポイント上昇し、「評価しない」は49%で4ポイント低下した。

 調査は日経リサーチが全国の18歳以上の男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。固定電話と携帯電話で計2278件を対象に、1089件の回答を得た。

外交成果、参院選へ与党に追い風 本社世論調査 

 日本経済新聞の世論調査で、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)などの外交成果が安倍政権の内閣支持率を1年8カ月ぶりの高水準に押し上げた。2017年4月の消費増税も「反対」が6割超と、先送りの意向を示した安倍晋三首相を後押しする結果が出た。7月の参院選に向けて追い風になりそうだ。

 首相はサミットで主要7カ国(G7)首脳らとの議論を主導し、世界経済の減速阻止策を柱とした首脳宣言を取りまとめた。こうした議長としての働きぶりを「評価する」は62%で「評価しない」の21%を大きく上回った。内閣支持層で「評価する」との回答は8割に上った。

 政府・与党はもともと参院選を控えた時期のサミット開催を「選挙戦に弾みをつける格好の場」ととらえ、会議の成功を最重要課題としていた。安倍首相は5月の大型連休中に欧州を歴訪、財政出動を含む政策協調に慎重な英国やドイツの首脳と調整を重ね、首脳宣言の採択につなげた。

 世界経済が危機に陥るリスクに触れた首脳宣言は、17年4月の消費税10%への引き上げ先送りの口実になるとの批判も根強い。ただ予定通りの消費税引き上げに「反対」が「賛成」のほぼ2倍。内閣支持・不支持にかかわらず「反対」が多く、増税延期そのものが参院選に大きくマイナスになることはなさそうだ。

 サミットに併せて実現したオバマ米大統領の広島訪問も高い評価を受け、内閣支持率は56%と14年9月の第2次安倍改造内閣が発足した直後以来の高い水準になった。参院選の投票先も自民党が44%と「1強」を維持しており、選挙戦に向けた大きな懸念材料は見当たらないようにみえる。

 ただ沖縄県で米軍属が逮捕された女性遺棄事件への日本政府の対応は「適切ではない」が46%と「適切だ」の37%を上回った。事件には女性の反発が根強く、無党派層も半数近くが政府対応を「適切ではない」と回答した。6月上旬には沖縄県議選があり、その結果次第では参院選に逆風が吹く可能性もある。

参院選候補の野党一本化 「反対」が「賛成」上回る

 世論調査で7月の参院選での野党が進めている候補者一本化について聞いたところ、「賛成」が35%、「反対」が42%となった。

 野党の支持層でみると、民進党支持層が「賛成」73%、「反対」19%、共産党支持層も「賛成」63%、「反対」27%と一本化の軸になる民進、共産両党の支持層には一定程度浸透している。ただカギを握る無党派層は「反対」36%と「賛成」31%を上回った。

 民進、共産両党に社民、生活両党を加えた野党4党は参院選で32ある「1人区」すべてで一本化のメドを立てている。

 今後は政策のすり合わせなどが課題になりそうだ。

 参院選で投票したい政党は、自民党が44%で4~5月の前回調査から変化はなかった。民進党は3ポイント低下の12%だった。公明党4%、共産党5%、社民党1%でいずれも横ばい。おおさか維新の会は2ポイント低下の4%で、生活の党は1ポイント上昇の2%。態度未定は4ポイント増え28%だった。

 政党支持率は自民党が2ポイント低下の44%、民進党が3ポイント低下の8%。無党派は9ポイント上昇し30%だった。>(以上)

安倍首相の支持率も上がり、解散には良いチャンス。参院の野党一本化も衆院と同日選をすることにより実質一本化の活動ができなくなります。第二次安倍内閣の使命は憲法改正です。衆参の2/3を確保する良いチャンスです。先ず96条改正して衆参1/2の発議にすれば良いのでは。国民投票はそのまま。

米国も多様な意見の存在が認められる社会ですので、いろんな意見が出るのは健全でしょう。でも、日本が歴史の見直しをしようとすると、「歴史修正主義者」の烙印を押して封じ込めるのは間違っています。お互いの立場を尊重するのが自由主義国家の良い所でしょう。米国人ももっと、自国の歴史を学ぶべきです。インデイアンの虐殺、黒人奴隷、原爆投下は米国の原罪です。自覚してほしい。日本人は謝罪は求めませんが、歴史の見直しはして行きます。

記事

Obama in hiroshima

被爆者の人をハグするオバマ大統領(写真:AP/アフロ)

—米国のバラク・オバマ大統領が来日しました。被爆者を含めた日本国民の多くは同大統領の広島訪問、原爆資料館見学、慰霊碑前での演説の“3点セット”を高く評価しています。米国の反応はどうですか(オバマ演説の英文全文はこちら)。

高濱 3人の米識者に聞いてみました。彼らが付けたスコアはA+~B+(最高点はA+、最低点はC-)でした。

  • リベラル派:ダスティン・ライト博士、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部

 オバマ大統領によるこれまでの演説の中で最も重要な演説として記憶されるだろう。とくに原爆で命を奪われた日本人はもとより、韓国人、米兵ら戦争捕虜の人たちに触れたのも非常によかった。

 加えて、何に言及しなかったかも重要だ。原爆投下によって戦争終結が早まり、あれ以上多くの米兵や日本人が戦争の犠牲にならなかった――という点に触れなかった。これは、原爆投下正当論の修正につながる可能性がある。少なくとも、従来からの論議に一石を投じたことは間違いない。(採点はA+)

  • 穏健保守派:米主要シンクタンクの上級研究員(匿名希望)

 オバマ大統領は就任する前から広島を訪問したいと希望してきた。2009年のプラハ演説で謳い上げた『核なき世界』に向けた決意を広島で再び発信したいという願望を実現した勇気は見上げたものだ。レガシー(遺産)作りの一環だと批判されようと、お構いなしにやってのけた。

 共和党の大統領候補への指名を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏の品位も哲学もないアジ演説を聞くにつけ、オバマ大統領の言動は米国人にとって一服の清涼剤となる。世界に誇れるものだ。これだけの知性と見識を持った大統領はなかなかいない。

 ただ核兵器廃絶についての具体的な青写真が提示できなかったのは残念だ。(採点はA-)

  • 中道派:デイビッド・ストラウブ氏(国務省で日本部長、朝鮮部長を歴任した日韓関係をよく知るアジア通。スタンフォード大学アジア太平洋研究センター朝鮮問題研究プログラムのディレクター)

 オバマ大統領は、就任当初からやろうとしていた広島訪問を実現した。この点についてはそこそこの成功(modest success)と言える。「謝罪はしない」と事前に公言するなど用意周到に根回しをして、米国内にくすぶり続けている政治的な信管を抜き取った。反対してきた退役軍人団体も最後には無視するか、いやいやながら訪問を了承した。

 戦略面でみると、海洋進出を続ける中国や核開発に余念のない北朝鮮に対して、『核兵器なき世界』を広島からアピールする狙いはある程度成功した。

 広島は日米同盟にとって、のどに刺さったトゲだ。それを取り除いて和解することに役立ったのは違いない。ただし、日米の間で和解はすでに済んでいる。

 その一方で、東アジア全域に目を転じて、今回の広島訪問を考えてみると、中国、韓国、北朝鮮は控えめな形ではあるが訪問に否定的だった。オバマ大統領は、慰霊碑の前で述べた所感で韓国人被爆者にも触れた。だが広島訪問が、東アジア全域で第二次大戦の傷を癒す和解につながったかどうかは疑問だ。(採点はB+)

反対してきた退役軍人は反応せず

 米主要メディアも「オバマ大統領は原爆投下について謝罪はしなかったが、悲惨な戦争で命を奪われた罪なき人々を追悼した」(MSNBC)といったトーンで広島訪問が成功だったと報じています。

—当初、オバマ大統領の広島訪問に強く反対していた退役軍人、とくに日本軍の捕虜になった人たちの反応はどうでしたか。

高濱 反対派は反応しませんでした。

 オバマ政権による徹底した根回しが功を奏したのです。オバマ大統領自身、「謝罪しない」とメディアとのインタビューなどで繰り返し述べました。スーザン・ライス大統領補佐官も退役軍人団体の幹部に会って「謝罪はしない」と口を酸っぱくして説明しました。

 退役軍人団体の人たちは当初はこう反発していました。「たとえ謝罪しなくとも、大統領が広島に行って慰霊碑に献花すれば、日本人はそれを謝罪と受け取りかねない」。それが根回しの結果、退役軍人のある者は黙りこくり、ある者は無視する姿勢に変わったように思います。

 オバマ大統領は広島に訪問する直前まで、軍隊や退役軍人といった反対派に配慮し続けました。例えば、米軍岩国基地に立ち寄り、日米同盟の最前線で働いている米兵の労をねぎらいました。

 慰霊碑に献花した際にオバマ大統領は、黙とうはしたものの頭は下げませんでした。見ている米国民に「謝罪」と受け取られかねないジェスチャーを避けたのでしょう。

「広島訪問は愚行」となじる保守系サイト

 もっとも保守派の中には今回の広島訪問を手厳しく批判する者もいます。926万人がアクセスしているというウエブサイト「ヤング・コンサーバティブ」のマイケル・カントレル編集長はこうコメントしています。

 「オバマ大統領がまたまた陳腐な愚行(old shenanigans)をやらかした。被爆地・広島を訪問したのだ。そこで、原爆投下は『罪悪だ』(evil)と言ってのけた。なんで原爆が投下されたか、知っているはずだ。カミカゼがパールハーバーを奇襲したからだ。この男は嘆かわしい(deplorable)」

米国民の原爆投下正当論は変化するか

—オバマ大統領の広島訪問を契機に、米国民の間にある原爆投下正当論は今後、弱まっていくでしょうか。

高濱 しばしば引用される「原爆投下を正当化する米国民は56%」という世論調査結果は2015年のものです。これが今後劇的に減っていくかどうか、まだ分かりません。

 ただ原爆投下正当論の実態を調べていくと、ハリー・トルーマン第33代大統領の原爆投下決定が正しかったという紋切り型の自己弁護以上の何かがあります。それは第二次大戦を戦った米国民の大義名分を守らねばならないという信念です。日本軍国主義と戦い、打ち負かしたという歴史認識の修正は絶対に許せないという「偉大なる世代」*が抱く矜持なのかもしれません。

*:「偉大なる世代」(The Greatest Generation)は、大恐慌を生き抜き、第二次大戦で帝国主義と戦い勝利した1930年以前に生まれた米国民を指す。NBCテレビのアンカーマン、トム・ブロコウ氏が著書の中で使用し、その後一般化している。

反対の理由は「偉大なる世代の業績と遺産」を守ること

 ロイド・ベッセイ米海軍退役少将の指摘にそのことがにじみ出ています。同氏は退役軍人会の幹部で、潜水艦の乗組員として第二次大戦を戦いました。「原爆投下で日本は無条件降伏した。もし原爆を使用しなければ、米軍は日本本土に上陸し、日本軍と戦っただろ。多くの米兵の命だけでなく、日本国民の命を犠牲にしたかもしれない。あのトルーマン大統領の決定は正しかった。第二次大戦に参戦していた米兵にその是非を問えば、彼らのほとんど全員がトルーマン大統領の決定に賛同していたはずだ」。

 「オバマ大統領と安倍晋三首相は、同大統領が広島で謝罪しないことで合意したそうだ。だが、米国の現職大統領が広島を訪問すること自体が大統領による『暗黙の謝罪』(implicit apology)と受け止められる」

 「米大統領は平和と戦争の双方に大変な責務を負っている。トルーマン大統領は原爆投下という空前絶後の歴史的かつ宿命的な決定を迫られた。何らかの謝罪をすべきだと信じている者は、トルーマン大統領が当時直面していた立場に自らをおき、歴史的脈絡の中でその意味を考えるべきだ」

 「われわれ『偉大なる世代』は自らが築き上げた遺産と業績に誇りを持っている。原爆投下について大統領が謝罪することは、第二次大戦に参戦し死んでいった同志の魂を踏みつけにする酷い仕打ち以外のなにものでもない。それがいかなる形であれだ」

「真珠湾vs広島」という一次方程式に疑義

 かって東京特派員だった米ニューヨーク・タイムズの知日派ベテラン外交記者デービッド・サンガー氏は、オバマ大統領の広島訪問について「Obama’s Visit Raises Ghosts of Hiroshima」(オバマ訪問は広島の亡霊を呼び覚ます」という見出しの記事でこう指摘しています。

 「オバマ大統領の広島訪問は、大統領選の真っ最中というこの時期を念頭に入れれば、オバマの『謝罪の旅』を批判してきた勢力にとって格好の標的になる」

 「一方、懸念されるのは、それでなくとも歴史認識問題で修正主義的な主張をしてきた日本の保守勢力が、オバマ大統領の広島訪問で勇気づけられ、『先の戦争は正しかった』という自分たちの主張は正しかったと言い出すことだ。彼らは第二次大戦前中に日本軍が犯した南京虐殺、従軍慰安婦問題、捕虜虐待拷問といった過去をしっかりと受け止めようとはしていない」

 「オバマ大統領がなぜ、いま広島訪問に踏み切ったのか、それは広島を知る『偉大なる世代』の人たちが歯が抜けるように死んでいるからだ。やがて彼らは皆いなくなり、トルーマン大統領の原爆投下決定を支持する世代は絶滅してしまうだろう」

—オバマ大統領の広島訪問をめぐる論争は、「真珠湾vs広島」という一次方程式――日本軍が真珠湾を攻撃したからその報復として原爆を投下した――ではないのですね。底辺には根深い歴史認識の問題がある。

高濱 その通りです。

 一つは、原爆投下についての日米の記憶の違いです。米国にとっては、日本帝国主義を破り、第二次大戦を終結させ、冷戦に向けて備えたという意味があります。日本にとっては無条件降伏と世界唯一の原爆被害国としての記憶です。お互いに異なる歴史認識を持っているわけです。

 そこには日米両国民の歴史認識をめぐる溝があるのです。あまりここを突くと、サンガー記者の指摘するように、眠っていた「亡霊」を起こしてしまいます。オバマ大統領が「謝罪する」「謝罪しない」との論議に潜んでいたのはまさにこの歴史認識の問題でした。

—オバマ大統領の広島訪問を受けて、その答礼として「今度は安倍首相がアリゾナ記念館で追悼すべきだ」という議論が巻き起きないでしょうか。同記念館は、水没した戦艦アリゾナ真上に建てられています。

高濱 安倍首相が真珠湾を訪問するという話は、5月25日の日米首脳会談後の共同記者会見でも出ました。安倍首相はそうした計画はないと明言。同首相のこの発言を米メディアはやや批判的に取り上げました。今後、保守派を中心に同様の要求が出てくる可能性は十分ありそうです。

オバマ大統領は従来の歴史認識を堅持

—オバマ大統領は訪日する前、ベトナムを訪問しました。ベトナムは75年4月まで米国と戦争をしていた国です。ベトナムから見れば、米国はベトナムを「侵略した敵国」です。空爆で罪のないベトナム人を大量に殺したことについて、ベトナム国民の間で「米国は謝罪すべきだ」といった声は上がらなかったのでしょうか。

高濱 それがまったくなかったんですね。専門家によると、理由は三つあります。

 一つは、ベトナム人の平均年齢が若いこと。ベトナムの人口9342万人のうち60%以上は「戦争を知らない世代」です。従って、空爆もソンミ虐殺も遠い昔の話になってしまっている。そして若い世代は親米なのです。

 2番目の理由はベトナムの歴史にあります。外国勢力から徹底的に侵略されてきました。まず2000年前に中国に侵略された。1428年に中国から独立したかと思うと、今度はフランスに占領された。1954年まで続きました。

 ベトナム駐在経験のある米外交官は筆者にこう言っています。「米国は63年から75年までベトナムで戦闘活動に従事した。これはあくまでも南ベトナムを支援するためだった。内戦の助っ人だった。だからベトナム人には米国だけを悪者扱いする国民感情はないんだ。現にベトナム人の76%が米国に好感を持っているという世論調査がある」。

 3番目は、中国が脅威となっていること。南シナ海での海洋権益追求、軍事基地化はベトナムにとってはたいへんな脅威です。かって中国と戦争をしたベトナムが中国に対して抱く恐怖心は他国とは比較にならないほど強い。そこで頼りにしたいのが米国です。

 今回のオバマ訪越で実現した武器禁輸の全面解除は、ベトナムにとっては最重要案件でした。「謝罪」なんかよりも「武器」だったのです。

 米国にとっては「侵略に対する謝罪」などもっての外の話です。「共産勢力の拡大を阻止する」という大義名分のため南ベトナムを支援した――これが米国の歴史認識です。

 オバマ大統領にとって今回のベトナム、広島歴訪は、「謝罪することなく、従来の歴史認識を堅持する」の旅でした。

「謝罪なし」は日本から提案した?

—ところでオバマ大統領の「謝罪なき広島訪問」の舞台裏(ジョン・ケリー国務長官とキャロライン・ケネディ駐日大使による水面下での活動など)についていろいろ報道されています。米側から何かインサイドストーリーは流れていますか。

高濱 「謝罪なし」を最初に言い出したのは日本サイドだったことを仄めかす極秘外交文書の存在が明らかになっています。

 オバマ大統領は09年11月に訪日した際に、すでに広島訪問を考えていたのです。これはジョン・ルース駐日米大使(当時)がヒラリー・クリントン国務長官(当時)に宛てた機密公文(09年9月3日付け)で明らかになったものです。ウィキリークスが11年10月12日に暴露しました。

 この中でルース大使は09年8月28日、薮中三十二・外務事務次官(当時)との会談内容についてこう報告しています。「薮中事務次官は次のように述べた。オバマ大統領は日本国民の間で史上まれにみる人気を博しており、同大統領の11月の訪日に強い期待を抱いている」。

 「とくに日本の反核グループは、大統領が4月5日にプラハでした非核演説を踏まえ、大統領が広島に足を運ぶのではないかと推測している。日米両国政府はそのような世論の期待感を抑制すべきだ。オバマ大統領が原爆投下について謝罪するため広島訪問するというのは『non-starter』(考慮するに値しない)である」

 「適切なメッセージを携えた、派手さのないシンプルな広島訪問は確かに極めてシンボリックだが、今年11月の訪日に絡めるのは時期尚早である」

 オバマ大統領が広島を訪問するという考えをルース大使、薮中次官のどちらが言い出したのか、この公文からはわかりません。ただし、オバマ大統領が広島を訪問する可能性について両国政府が極秘裏に話し合っていたことは分かります。また日本側から「謝罪抜き」を提案していた事実も浮かび上がってきます。

—今回の広島訪問は次期大統領選に何らかのインパクトを与えそうですか。

高濱 トランプ氏は28日の選挙演説でこう述べています。「オバマ大統領は広島を訪問したが、謝罪さえしなければ問題にはしない。誰が気にするか、だれもしないだろう」。「黙認」というよりも「無視」といった感じです。ただツィッターでこう書いています。「オバマ大統領は日本滞在中に真珠湾奇襲について話したのかね。数千人の米国人が命を落としてるんぞ」。

 クリントン氏のほうは28日午後9時現在(東部時間)コメントしていません。

 予備選の最終段階に入り、トランプ氏もクリントン氏もそれどころではないのでしょう。また、国論を二分する「原爆投下」の是非論など、どちらも取り上げたくないでしょう。是非論を支持する人は民主党と共和党のどちらの支持層にもクロスオーバーして存在しています。1995年のギャラップ調査によると、「米大統領は原爆投下について謝罪すべきでない」と答えた共和党支持者は74%、民主党支持者は52%でした。

広島で謝らず、死体遺棄で謝罪

 トランプ氏は核使用論を展開していますからオバマ大統領の「核廃絶」宣言には真っ向から反対でしょう。

—オバマ大統領が広島を訪問する直前に沖縄で、米軍関係者が日本人女性の死体を遺棄する事件(いずれ殺人事件になると思いますが)が起こりました。当初危惧された広島訪問への悪影響はなかったようです。米国はこの事件をどう見ていますか。

高濱 確かにバッドタイミングでしたが、広島訪問そのものに悪影響は出ませんでした。

 ただ7月には沖縄で大々的な県民抗議集会が予定されているようです。今回の事件が普天間基地移設問題にどう影響を及ぼすか。1995年に米兵3人が少女を暴行した事件の悪夢を彷彿させます。成り行きを注視しています。

 オバマ大統領は日米首脳会談の席上、この事件について「謝罪」しました。これを受けて米メディアの中には、「広島では謝罪しないのに、元海兵隊員の殺人事件(米メディアは死体遺棄とは言わずに殺人と決めつけています)で謝罪した」と皮肉っぽく報道していました。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「知識青年」は文革を懐かしく振り返った 歴史的な悲劇を繰り返してはいけない』(5/24JBプレス 柯 隆)、『「エイズ誤判定」で10年、放置された男の悲劇 幾多の人生を狂わす、中国検査体制のお粗末』(5/27日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国重慶市で台湾・蔡英文総統就任の祝賀横断幕を貼りだした17人を逮捕するという記事がありました。

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20160523/Recordchina_20160523026.html

中国に民主化を希望する人間がいたとしても弾圧されるだけ。邪な人間が権力を牛耳り、富を独占する悪辣な社会が中国です。共産党統治の正統性など微塵もないでしょう。

柯氏の記事には「知識青年」は文革を懐かしく振り返るとありますが、やはり感覚がずれているのかと。紅衛兵で有為の人材を虐殺したのも忘れて懐かしむようでは民主化なんぞ夢のまた夢。民度の問題でしょう。

北村氏の記事では中国のエイズ患者は100万人とありますが、もっと多いと思います。売血する人も多いし、エイズ患者は絶望のあまり注射器で道行く人にエイズをうつそうとして射した話もありましたから。中国の医療機関は金儲け主義で、小生が駐在していた2005年までは救急車も金がなければ乗せてくれない状態でした。偽陰性で政府を訴えても多分勝てないでしょう。役人同士で結束し、人民法院の裁判官も賄賂で動きますので。

https://www.youtube.com/watch?v=trh0gi_qUSo

http://www.epochtimes.jp/jp/2012/08/html/d12288.html

柯記事

Mao's portrait at Tenanmen-3

文化大革命を指導した毛沢東の責任は追及されなかった(資料写真)

 2016年は、文化大革命が発動されて50年目の年である。1966年5月16日、党中央政治局拡大会議は「文化大革命小組」(指導グループ)の設立に関する通達を発表し、これが実質的に文化大革命のスタートとなった。

 それから文革は10年間続き、1976年、毛沢東の死去とともに終焉した。共産党中央委員会は文革が誤りだったことを認め、文革によって打倒された知識人や共産党幹部たちの多くが名誉を回復した。

 しかし、鄧小平の主導による文革の清算は不十分だった。文革のほとんどの責任は毛沢東が負うべきものだったが、共産党中央委員会の総括では毛沢東夫人の江青女史をはじめとする四人組(江青、張春橋、姚文元、王洪文)に責任が押し付けられた。

 四人組は毛沢東が死去してから1カ月後に逮捕された。のちに開かれた四人組の裁判で江青女史は「私なんかは毛主席の番犬のようなもので、毛主席に言われるがままに人を噛んだだけだ」と弁明した。四人組には死刑または無期懲役、懲役20年の刑が宣告された。だが、毛沢東の罪は問われなかった。これこそが鄧小平主導の文革処理の最大の問題である。

なぜ毛沢東の責任は問われないのか

 中国国内では、文革に関する多くの資料がいまだに公表されていない。文革研究のほとんどは、毛沢東の秘書や共産党幹部の一部が記した回顧録をもとに行われている。

 文革が発動された理由として最も説得力のある解説は、毛沢東が、文革の前に自らが発動した「大躍進政策」が失敗したため、責任を問われることを恐れて文革を発動したというものだ。

 大躍進の過ちを批判したのは劉少奇国家主席である。毛沢東は劉少奇に権力を奪われることを恐れ、文革を発動した。要するに、文革は劉少奇を打倒するための権力闘争だったということである。

 この解説には一理ある。だが、全国民が巻き込まれた理由については言及されていない。劉少奇を打倒するために、なぜ全国民を巻き込む必要があったのだろうか。

 実は毛沢東にとっては、理想的な社会主義国家を建設することよりも、絶対的権力者としての地位を確立することが最大の目標だった。大躍進政策が失敗したことで、党内において毛沢東に対する批判が台頭していた。その急先鋒だったのが国家主席の劉少奇である。毛沢東は自らの地位と権力を固めるために文革を発動し、自らに批判的だった知識人と共産党幹部を一網打尽にした。その結果、毛沢東は人民の上に君臨する“王様”になった。毛沢東にとって文革は一石二鳥の革命だったのである。

 こうして毛沢東は国民を巻き込んで政敵を倒した。毛沢東の責任を問う必要があることは明白である。それなのに、なぜ責任が問われなかったのか。

 毛沢東が死去したあと鄧小平が復権したが、毛沢東にとって代わるほどの権力は手にしていなかった。中国で毛沢東はすでに神様と同じような存在になっていた。一方、鄧小平は「最高指導者」に過ぎない。毛沢東の責任が問われれば、共産党そのものの正当性が揺るぎかねない。

 実は鄧小平自身も文革の被害者だった。だが、リアリストの鄧小平は政治的必要性から毛沢東の責任を問わないことにした。そこで、四人組が逮捕され、投獄されたのである。

文革時の歌劇が復活

 文革は中国に何をもたらしたのだろうか。

 まず、中国の経済は崩壊寸前に陥った。文革で直接殺されたのは数百万人に上ると言われている。また、数千年にわたって脈々と流れてきた中国文化も完全に破壊してしまった。文革は完全に「罪」である。

 しかし、中国では今なお文革に関する議論は自由にできない。38年前に採決された共産党中央委員会の決定では、文革が「過ち」だったとされた。その後、文革によって打倒された共産党幹部と知識人の多くが名誉を回復した。いわゆる文革の後処理である。しかし、文革自体は完全に否定されていない。

 現在、中国で文革のイメージを象徴するのは当時作られた歌や歌劇である。近年、文革の時代の歌と歌劇を上演するイベントが相次いでいる。中国人は、なぜあの悲劇をこんなに早く忘れてしまうのだろうか。

「知識青年」は文革を懐かしく振り返る

 現在の共産党幹部のほとんどは文革に直接参加した世代である。彼らにとって、文革はある意味で青春そのものだった。

 彼らは学校で勉強しなければならない年頃にもかかわらず毛沢東の呼びかけに応じて勉強を放棄し、恩師たちを迫害した。彼らは文革の被害者であると同時に加害者でもある。

 筆者は、当時、農山村へ下放された「知識青年」と呼ばれる人々にインタビューしたことがある。意外にも、彼らの多くは当時のことを懐かしく語っていた。彼らが振り返る様子を見ると、文革はとりたてて悲劇ではなかったようである。

 歴史的な悲劇は、人々が悲劇を忘れたときに繰り返される。中国では、多くの有識者が文革の再来を懸念している。

 もちろん今は毛沢東時代のような大規模な文革が再び起きる可能性は低いと思われるが、より“洗練”された新しい形の文革が起きる可能性は十分ありうる。

「造反有理」は今も生きている

 そもそも文革という悲劇が引き起こされたのは、毛沢東を守るという大義名分のもと社会の秩序を決定する法律が無視されたからである。

 劉少奇が紅衛兵に暴行されたとき、劉は憲法の本を持ち出し、「革命的な若者よ。私は国家主席である以前に、公民として憲法で保障される権利を享受できる」と主張して抵抗した。むろん、毛沢東を守ると主張する革命的な若者たちが、劉少奇国家主席の話を聞き入れるはずはない。

 中国人には、「ある目的を達成する場合、手段は選ばなくていい」という傾向が往々にして見られる。文革世代のDNAには「造反有理」(体制に逆らうのには道理がある)の遺伝子が埋め込まれている。

 しかし、この考えこそ悲劇を生む土壌である。法治国家であれば、目的はどうであれ、手段が合法的でなければならない。中国が法治国家になるまでの道のりは、依然として長いと言わざるをえない。

北村記事

 中国では「エイズ(AIDS)」を“艾滋病(aizibing)”と呼ぶ。12月1日は“世界艾滋病日(世界エイズデー)”であるが、その前日の2015年11月30日に“中国疾病予防控制中心(中国疾病予防抑制センター)”傘下の“性病艾滋病予防控制中心(性病エイズ予防抑制センター)”は中国におけるエイズ流行に関する最新情報を発表した。その概要は以下の通り。

(1)2015年10月末までの時点で、生存しているエイズウイルス(HIV)保菌者とエイズを発症しているエイズ患者の総数は57.5万人、死亡したエイズ患者は17.7万人であった。

(2)2015年1月から10月までに新たに報告された病例は9.7万件であった。これら病例がHIV感染した主たる経路は、性感染、血液感染および母子感染であり、異性性接触感染が66.6%、男性同性性行為感染が27.2%を占めた。男性同性性行為感染の比率は明らかに上昇しており、2015年の全国男性同性愛者のHIV感染率は平均8%に達している。

(3)ここ数年、若者や学生の間でエイズ感染が急速に拡大している。2015年1月から10月までの間に新規に報告された学生のHIV感染者およびエイズ患者の数は2662人に達し、昨年同期に比べ27.8%増大している。

官製統計57.5万人、実数は100万人超か

 上述したように中国の官製統計はHIV保菌者とエイズ患者の総数を57.5万人としているが、専門家の多くはこの数字は少なすぎると疑問を呈し、その実数は100万人以上に達していると考えられている。生存するHIV保菌者とエイズ患者の総数を100万人と仮定すると、2015年末の総人口(13億7500万人)に占める比率は0.07%となり、人口1万人当たり7人のHIV保菌者とエイズ患者が存在することになる。この数字は世界的に見れば決して高い水準ではないが、中国ではエイズに関する正しい知識の普及が十分でないため、人々のエイズに対する差別と偏見は日本以上に激しく、一度HIV保菌者の烙印を押されると社会から疎外されるのが常である。

 河南省南西部に位置する“南陽市”の管轄下にある“鎮平県城郊郷四里庄村”の農民、“楊守法”もHIV保菌者の烙印を押されたことで苦しい日々を送ることを余儀なくされた犠牲者の1人だった。今年(2016年)53歳の楊守法は小学校卒業の学歴しかない。1985年に22歳で結婚した楊守法は、妻との間に3人の子供(一女二男)を得た。彼は農業に従事し、農閑期には工事現場で働いて生計を立てていた。

 2003年に四里庄村は河南省疾病予防抑制センターによってエイズの中度感染村に認定された。このため、同年12月に四里庄村の特定集団に対してHIV感染状況の調査を目的とする採血が行われることになり、楊守法はその調査対象に選定された。この調査は四里庄村の医師である“胡明道”から“健康普査(健康調査)”という名目で調査対象に選定された村人たちに通知されたのだったが、楊守法は12月15日に胡明道の診療所で採血を受けた。

 数か月後、胡明道が楊守法の家を訪ねて来て、「あんたはエイズに感染している」と通告した。四里庄村にはエイズに感染した者が多く、当時もエイズ感染は低水準ながら流行が続いていたので、楊守法は胡明道の言葉を何らの疑問を抱くことなく素直に受け入れた。しかし、胡明道が去った後に緊張が解けた楊守法は心の張りを失って落ち込み、「死ねばそれまで」と自分に言い聞かせたのだった。1992年頃、鎮平県では闇の売血が盛んに行われ、採血に使う注射針が使い回しされたことにより、多数の貧困な農民たちがエイズに感染した。楊守法の記憶によれば、1992年頃、超過出産による「一人っ子政策」違反の罰金を支払うために家計が逼迫(ひっぱく)したことから、楊守法は一度だけ売血を行ったことがあった。血液は大きな袋1個が50元(約850円)だったが、楊守法は一度に袋2個分も採血され、その量の多さに驚いて、2度と売血には行かなかった。楊守法はそのたった1度の売血で不運にもエイズに感染したのだと理解した。

感染通告、恐怖、無気力、離婚…

 エイズ感染の通告を受けた後、楊守法は幾度も自殺を考えたし、心中は常に恐怖に打ちひしがれていた。それ以前の楊守法は至って健康で病気一つしたことが無かったが、通知を受けてからは1日働くと全身に痛みを感じるようになった。楊守法はエイズ感染の事実を家族に告げることができなかった。当時すでに学校を中途退学していた長女と長男は妻と一緒に四川省へ出稼ぎに行っていた。次男は四里庄村に残って学校へ通っていたが、2006年に学校を中途退学して母と姉兄がいる四川省へ出稼ぎに行ってしまった。

 エイズ感染を告知されてからの楊守法は農業を止めて無登録の輪タク<注>を始めたが、気力がないから仕事にも身が入らず、毎週必要とする生活費15元(約260円)すら稼ぐことができなくなった。その頃には楊守法がエイズ感染者(HIV保菌者)であることは村の公然の秘密と化し、村人たちが群れている場所に楊守法が顔を出すと、人々は彼を避けて四散するようになった。こうした事が度重なると、楊守法は親類や友人との付き合いを断ち、村の冠婚葬祭にも参加せず、家に閉じこもるようになった。

<注>「輪タク」とは、自転車の後部に客席を取り付けた営業用の三輪車。

 そうこうする内に、楊守法のエイズ感染は四川省にいる彼の妻の知る所となり、2010年に妻は“鎮平県人民法院(裁判所)”へ離婚訴訟の申し立てを行ったが、裁判所は楊守法が病気であることを理由に保留とした。2011年7月に再度離婚訴訟を申し立てた妻は、裁判で「自分は“人販子(人身売買業者)”に誘拐され、鎮平県へ売られて楊守法と結婚させられた。結婚後は双方に何の感情もなく、2004年からずっと別居生活を送っている」などの理由を述べ立てた。楊守法は裁判には一度も出席しなかったが、最終的に裁判所は離婚を認めた。後に妻が語ったところでは、彼女が人身売買業者に売られたというのは嘘で、実際は鎮平県には従兄(いとこ)に連れられて来たし、楊守法との関係も決して悪いものではなかった。全ては離婚するための方便だった。離婚が成立すると、楊守法と子供たちとの関係は次第に疎遠になり、そのうちに連絡は途絶えた。楊守法は全く一人ぼっちになったのだった。

一方、エイズの知識が深まるにつれて、楊守法は定期的にエイズ治療薬を飲めば、発症を抑えられることを知った。最初の頃は、鎮平県疾病予防抑制センターから「1分(約0.17円)硬貨」大の白い錠剤を受け取り、1日1錠を3回に分けて飲んだが、飲むとすぐに激しい嘔吐に襲わるのが常だった。2005年10月に楊守法は城郊郷の“十里庄村”にあるエイズ治療所に収容された。ここではスタブジン(Stavudine)、ラミブジン(Lamivudine)などのアップグレードされた治療薬が供与されたが、服用後の反応は以前より緩和された。但し、毎日薬を服用することにより、楊守法の身体はますますむしばまれていった。夏は厚手の外套を着ても凍えそうに寒く、冬は布団にもぐり込んでも寒くて、ストーブが必需であった。また、手の震え、頭のぼやけ、耳鳴り、眼のかすみ、記憶力減退といった症状が進行した。

10年後の陰性判定

 2012年9月、楊守法は病状が悪化しため“南陽市第一人民医院”で治療を受けたが、その際に自分がエイズ感染者(HIV保菌者)であることを告知しなかった。その翌日、楊守法は前日に行われた検査の結果を受け取ったが、そこに書かれていた「HIV抗体陰性」の意味が理解できなかった。そこで医師に尋ねると、医師は「エイズに感染していないということだ」と答えた。そんな馬鹿なことがあるはずがない。楊守法は驚いて言葉を失った。今回の検査で、楊守法は食道炎、びらん性胃炎、胆のう炎、前立腺肥大などの疾病を患っていることが判明したが、これらはエイズ治療薬の長期服用による副作用と考えられた。

 楊守法は十里庄村のエイズ治療所に戻ると、HIV抗体の検査結果について意見を聞いたが、治療所の責任者は、「恐らくエイズ治療薬を服用していたために、陰性という結果が出たのだろうが、その検査結果は不正確だ」と断定したのだった。それならば、エイズ治療薬の服用を止めたらどうなるか。楊守法はエイズ治療薬を飲むのを止め、それから2年間が経過する前後に多数の医院を訪れてHIV抗体検査を受けたが、検査結果は全て陰性だった。

 こうして楊守法がエイズ感染者(HIV保菌者)でないことは確認された。思えば2003年から2014年までの約10年間に、楊守法はエイズ感染者として差別と偏見にさいなまれ、離婚により妻子からは見放され、治療薬の副作用で体はボロボロにされ、精神的にも追い詰められ、地獄の日々を過ごして来たのだ。

 2015年11月に楊守法の姪がネットの掲示板に楊守法が遭遇したエイズ誤判定事件の顛末を書き込んだことで、同事件はネットユーザーの注目を集め、転載を重ねることにより全国に知れ渡ることとなった。11月10日、“鎮平県衛生局”は7月15日に楊守法から要求を受けてHIV抗体検査を行った結果が陰性であった旨の発表を行ったが、2003年のHIV抗体検査時に残留していた楊守法の血液を今回改めて再検査した結果は陽性であったことから、その原因を残留血液のDNA検査を含めて究明すると表明した。

 ところで、エイズ感染者でないことが確認されたことで、楊守法は経済的に困窮することになった。エイズ感染者と認定された楊守法は、2人分の“農村低保(農村生活保護)”を支給され、毎月200元(約3400円)を受領していた。これ以外に2013年からは毎月200元のエイズ救済金をまとめて毎年2400元(約4万円)を1回払いで支給されていた。しかし、エイズ感染が誤判定であったことが確認されたことにより、2015年の年末にこれらの支給は停止された。

賠償請求の道は険し

 楊守法は2015年に6000元(約10万円)を費やして新しい三輪車を購入していたが、薬の副作用に蝕まれた体は長時間の労働を許さず、輪タクの稼ぎはせいぜい1日20~30元(約340~510円)にしかならなかった。切羽詰まった楊守法は、鎮平県政府に対して200万元(約3400万円)の賠償請求を提出した。2016年3月、城郊郷政府ビルにおいて、楊守法と姪は鎮平県疾病予防抑制センターとの間で賠償問題の協議を行ったが、センター側が提示したのは10万元(約170万円)にも満たない金額で、交渉は決裂した。5月10日前後に四里庄村の書記が25万元(約425万円)ならどうかと打診し、これでだめなら裁判に訴えろと言って来たが、楊守法は即座に25万元の提案を拒絶した。

 治療薬の服用を停止してから3年が経過し、楊守法の衰えた体はある程度まで回復したが、まだ歩くには杖が必要だし、手はいつも震えている、記憶力は依然として衰えたままである。「あいつらは誤判定で俺の人生を台無しにしておきながら、10~20万元程度のはした金でちゃらにしようとしている」と怒りを露わにしている楊守法は、適正かつ正当な賠償金を獲得すべく、裁判に訴えることを決意している。

 誤判定によりエイズ感染者にされた例は楊守法が初めてではない。2009年に江蘇省“常州市”の工場で長年働いていた“邳州(ひしゅう)市”出身の“呉長棟”もエイズ感染を告知されたことで悩み苦しんだ犠牲者だった。1975年生まれで当時34歳だった呉長棟を悪夢が襲ったのは2009年11月5日だった。この日、仕事が休みだった呉長棟は買い物の途中に献血車を見かけ、生まれて初めて献血を行った。多少は世の中に役立つことをしたと良い気分に浸ったが、その翌日に実家のある邳州市の疾病予防抑制センターから「あなたはエイズに感染している」との電話連絡を受けて奈落の底に突き落とされた。

 突然のエイズ告知を受けて動転した呉長棟は長年勤めた職場を辞して邳州市へ戻り、邳州市疾病予防抑制センター(以下「邳州市センター」)に出向いた。呉長棟が事の真偽を尋ねると、応対した医師は常州市で献血を行った際に採血した血液がHIV抗体検査で陽性と判定されたと説明したのだった。呉長棟は献血時に“居民身分証(身分証明書)”を提示したために、エイズ感染の連絡は身分証明書に書かれた住所がある邳州市センターへ連絡されたのだった。邳州市センターは呉長棟の実家に電話を入れて、「血液に問題がある」と理由を説明して呉長棟の居場所を確認した上で、呉長棟へ連絡してきたのだった。

 実家に連絡が行ったことは呉長棟にとって耐えがたい衝撃だった。すでに69歳の母親を含む家族が呉長棟の血液に問題があることを知っているのだ。呉長棟は離婚して一人娘を母親に預けて常州市へ出稼ぎに行っていた。自分がエイズで死んだら、母親と娘はどうなるのか。実家へ帰った呉長棟に対して家族は血液に問題があるとはどう意味かと尋ねたが、呉長棟はちょっとした病気だと言葉を濁し、人知れず涙を流し、眠れぬ日々を送った。

 しばらくして冷静になった呉長棟は、「自分がエイズに感染するようなことをした覚えがない以上は、誤判定の可能性は否定できない」という結論に達した。11月25日に“徐州市”内の医院で偽名を使ってHIV抗体検査を行ったところ、結果は陰性だった。その2日後の11月27日に徐州市疾病予防抑制センターで検査を受けたが、結果は陰性だった。さらに念を押すため、12月4日と12月21日に徐州市内の別の医院で検査を受けたが、全て陰性だった。こうして呉長棟のエイズ感染は誤判定だったことが確定した。彼は誤判定の責任を追及したが、関係機関は責任回避と責任転嫁に注力するだけで、呉長棟に対する謝罪もなければ、原因の究明すら行おうとしない。呉長棟は誤判定が確認されてから500日を経過しても依然としてエイズ感染のトラウマに悩まされている。

「偽陽性」を放置か?

 上記2例はHIV抗体検査の結果が陽性であったことからエイズ感染と診断されたものだが、実際は「偽陽性」であったものと考えられる。日本でもスクリーニング検査の偽陽性率は約1%であり、100人に1人の割合で偽陽性が出現している。但し、日本の場合には、検査は2段階方式で、スクリーニング検査の後に確認検査があり、偽陽性は確認検査では正しく陰性に判定されるため、誤判定が起こる可能性はほぼ皆無と考えられている。

 中国も日本と同様にHIV抗体検査の2段階方式を採っていれば、楊守法や呉長棟のような誤判定の被害者が出ることはないはずである。短期間に陰性が確認された呉長棟はまだしも、10年以上にわたって厳しい境遇を味わった楊守法の場合は悲惨であった。こうした誤判定や誤認が起こった場合に、当事者たる関係者に共通する常套手段は責任回避と責任転嫁であり、被害者に謝罪や賠償が行われることは滅多にない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「トランプ大統領」が誇張できないほど危険な理由 恐るべき候補を生み出した責任はエリートにある』(5/24JBプレス「5/18FT」より)

何かこの題の付け方から言って論点がずれているというか、民主主義という事を理解していないのではという感じを持ちました。共和党主流派がトランプを抑えられなかったのは、主流派のエリートが悪いからだと読めます。しかし、大衆の心を掴み切れなかったエリートこそ問題があるのではないかと小生は感じますが。

フィリピンのドゥテルテだって大統領になってから態度を変え、米日に協力と軌道修正してきました。彼は暗殺団を自前で持つほどの男です。それを活用して、治安対策で名を上げました。ペルーのフジモリ元大統領と同じです。センドロ・ルミノソ(毛沢東主義武装組織)を鎮圧しましたが、逮捕され、今は収監中です。この逮捕にはいろんな見方があるようです。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134830811

5/22日経電子版には<比ドゥテルテ氏、日米重視 南シナ海問題で 

フォームの終わり

 【マニラ=佐竹実】フィリピンの次期大統領に決まったミンダナオ島ダバオ市長のロドリゴ・ドゥテルテ氏は22日、同市内で記者会見し、中国との南シナ海の領有権問題に関して「我々は西側諸国の同盟だ」と述べた。米国や日本との関係を重視するアキノ現政権の外交方針を引き継ぐ考えを示した形だ。過激な言動で注目され中国寄りとの評価もあったが、大統領選挙後は就任後を見据えた手堅い発言が目立つ。

 南シナ海を巡っては、ドゥテルテ氏は米国との同盟を重視するだけでなく、同海域で「中国の占領に影響されているベトナムやインドネシア、マレーシアとともに歩む」とも述べた。

 「今後数年で現状に変化がなければ中国との2国間協議もする」とも言明。だがその際には「中国が実効支配する場所は我々の排他的経済水域(EEZ)の中にある。もしそこに何かを建設するのであれば経済的利益を阻害するし、国際法違反だ」と主張するという。

 大統領選期間中、ドゥテルテ氏は中国との対話の重要性や南シナ海での共同資源探査の可能性に言及したため、中国寄りの政権運営をするのではないかとの見方もあった。だが16日に「日本との関係を重視している」という理由で各国大使の中で日本大使に最初に会い、18日にはオバマ米大統領と電話会談した。こうした中で態度を現実路線にシフトしているようだ。

 南シナ海では、米国が艦艇や航空機を派遣する「航行の自由作戦」を実行して中国の動きをけん制している。アキノ政権は、米軍の実質的な駐留を認める「拡大防衛協力協定」を結んだ。近くフィリピン国内の基地に米軍が展開することになり、地政学的な重要性が増す。

 ドゥテルテ氏は22日の記者会見で「経済の専門家ではない」として経済政策については言及しなかった。ただ同氏の陣営は、アキノ政権のマクロ経済政策を引き継ぐと表明している。外資の進出を促すため、出資制限を緩和する考えも示している。>(以上)

学歴で言えばドゥテルテ氏はリセウム・オブ・ザ・フィリッピンズ大学を出て、父は知事、母は教師というエリートの家庭に育ちました。トランプ氏はペンシルベニア大学ウォートン・スクール卒業でこちらはハーバードと並ぶMBAとのことです。両者ともエリートであることを隠し、乱暴な発言で有権者の心を捉えて来ました。演技と言えば演技です。トランプが大統領になり、堅実路線に戻った時に有権者は裏切られたと感じるでしょうか?そうはならないと思います。一時的でも自分たちの気持ち、怒りを理解してくれたと納得するのでは。サンダースが特別代議員を除けば奮闘しているのもその影響があるのでは。勿論ヒラリーのメール問題の影響もあるでしょうけど。それを衆愚と見るかですが。エリートが下々の心を掴めないのでは、選挙で反乱を起こされるという事です。共産国の茶番の選挙以外では。日本も「こころ」と「大阪維新」以外はダメな野党です。二大政党制とか言っても、政権を担えるだけのリアリズムに徹した政党がありません。憲法9条を擁護する脳内お花畑の連中では安心して国政を任せられません。対抗勢力がなければ自民党も増長します。リベラル過多や利権に突っ走るのではと心配になります。反日民進党の保守派は姿が見えません。

記事

Trump-11米ウエストバージニア州チャールストンで行われた選挙集会で演説するドナルド・トランプ氏(2016年5月5日撮影、資料写真)。(c)AFP/Brendan Smialowski〔AFPBB News〕

 ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補になる。ひょっとしたら米国の大統領になるかもしれない。この展開の重大さと危険性を誇張するのは困難だ。20世紀の米国は自由と民主主義の砦だった。その米国が、人々と権力にファシストのような態度を取る人物を大統領に選ぶことになったら、世界は一変してしまうだろう。

 トランプ氏は女性を嫌い、外国人を嫌う。人種差別もする。自分の無知と無定見を得意がり、自分にとって都合の良いことが真実だと思っている。政策についての考え方は、空恐ろしいか笑止千万かのどちらかだ。

 しかし、そうした態度や考え方よりも厄介なのは、彼の性格だ。トランプ氏はナルシストであり、弱者をいじめるゴロツキであり、陰謀論を広める人物だ。大統領が自由に使える権限をこんな人物が行使するなど、考えただけで空恐ろしい。

 保守派の評論家アンドリュー・サリバン氏は先日、「我々の自由民主主義と立憲秩序にとって、トランプは絶滅レベルの出来事だ」と書いていた。まさにその通りだ。

 人々が横暴な命令に従ったり、従わない人にそれを強制したりする――そういう状況を作ることは、トランプ氏にとって驚くほど簡単なことかもしれない。独裁者になりたがる人物は、危機を誇張したり自ら作り出したりすることで司法や政治の制度を誤った方向に導くことができる。ロシアやトルコの大統領はその優れた見本だ。

 米国には立憲秩序が確立しているが、それさえも揺るがしかねない。大統領が議会で弾劾を免れるのに十分な支持を得ているときは、特にそうだ。

 サリバン氏は、反民主主義の思想家の中で最も偉大なプラトンの考え方を援用している。それによればプラトンは、社会というものは平等になればなるほど権威を受け入れなくなっていくと考えていた。するとそのすき間に、複雑な問題に単純な解決策を提示するデマゴーグ(扇動政治家)が入り込むという。

 トランプ氏は、腹を立てた人を数多く引き連れた笛吹き男だ。サリバン氏によれば、トランプ氏は「ますます嫌われているエリートと互角に張り合ってくれそうな」人物として成り上がった。メディア革命も、「我々の民主的な議論をエリートが穏健なものにしたり支配したりすることをほぼ完全に」取り除いてしまうことにより、トランプ氏の台頭の追い風になった。

 扇動は民主主義のアキレス腱だ。しかし、プラトンが生きていた時代のアテネの民主主義は内部の専制君主に屈服したのではなく、専制君主の支配から生まれた。この民主主義を紀元前338年に終わらせたのは、当時のマケドニアの王だった。

 サリバン氏は、エリートが果たす役割については控えめにしか述べていない。米国の場合、大統領のイスをカネ買うことはできないからで、オバマ氏がロムニー氏を破ったのはその好例だという。だが、もっと低いレベルの政治では、影響力をカネで買うことができる。そしてそれ以上に重要なのは、経済や社会の方向性を決めているのがエリートたちであることだ。国民の多くが腹を立てているのであれば、その責任はエリートにある。

 民主党がその正義感から女性の権利重視に、そしてそれ以上に人種、性的指向、そして性同一性の3点におけるマイノリティー(少数派)の福祉向上に傾倒したことで、中間層の白人男性――特に南北戦争以前の南部に住む白人男性――の忠誠心は共和党に向かうことになった。「オバマ錯乱症候群」に人種的な要素がからんでいることは明らかだ。

 共和党はその後、ここで得た支持者たちに「エサとムチ」を与えた。献金してくれる支持者らが強く求めていたもの、すなわち低い税率、緩やかな規制、自由貿易、リベラルな移民政策などを実現するには、新しい支持者の票が必要だったのだ。

 そしてこれらの主張を共和党の目標にするために、エリートは政府を敵に回さざるを得なかった。また、決して実現できそうにない改革を約束し、文化の面で保守的な支持者を引き込まなければならなかった。

 さらに、民主・共和両党のエリートたちが促進した経済の変革は、政治家の能力の高さと高潔さに対する信頼を損なうことになった。これについては、金融危機とその後の救済劇が決定的な役目を果たした。

 しかし、中間層はすでにそのころ、何十年にもわたる実質所得の伸び悩みと相対所得の減少に苦しみ続けていた。グローバル化は世界の多くの貧しい人々に多大な利益をもたらしてきたが、米国内には大変な数の敗者がいた。そうした敗者たちは今日、経済と国家を運営する連中が自分たちを疲弊させ、搾取し、見下しているのだと考えている。

 共和党のエリートでさえそうした敗者たちの敵になり、トランプ氏は敗者たちの救済者になっている。同氏が億万長者であることは驚くに当たらない。トランプ氏が望んでいるシーザリズム、すなわちひとりのカリスマ的な強者による支配というものを説いたシーザー(カエサル)は、平民派を率いた貴族だった。

 平等は、健全な共和国の必須条件ではない。しかし、互いを思いやる気持ちはある程度必要だ。新しい活動――古代ローマであればほかの土地の征服、中世のフィレンツェであれば銀行業――によって富が突然手に入ると、社会の絆が損なわれることがある。市民から徳が失われてしまったら、その共和国は瓦解する時期を迎えることになる。

 経済、社会、政治の変化により、米国は人口のかなりの部分が強権的な指導者を渇望する状況になっている。共和党のエリートたちは、自分たちの支持基盤がほかの誰でもなくテッド・クルーズ氏を、そしてクルーズ氏と比較したうえでトランプ氏を選んだ光景に目が覚める思いでいるに違いない。同党のエリートは、ポピュリストのゲームに興じた。特に、大統領への協力を断固拒否する姿勢を貫いた。その結果、この種のゲームを得意とするグループがエリートを打ち負かしたのだ。

 トランプ氏は、機能の制限された国家という保守派のお気に入りに、自分の支持者が全く関心を示さないことを承知している。支持者の望みは、経済、人種、性について失われたかつての地位を取り戻すことだ。トランプ氏はこれに対し、大型減税と歳出の維持、「そして」債務の削減を公約している。おかしな話だが、同氏には論理的一貫性など必要ない。一貫性などというものは、トランプ氏が馬鹿にしている「古くさくてかつがれやすい従来型のメディア」のためにあるからだ。

 ヒラリー・クリントン氏は弱い候補だ。夫の失敗、エスタブリッシュメントと言われる階層に属していること、そして政治の才能の不足という悪材料を抱えている。今度の選挙はクリントン氏が勝つべきだが、そうはいかないかもしれない。しかし、仮に勝つとしても、それでこの話が終わるわけではない。

 トランプ氏は政治に新しい可能性を生み出した。しかし、米国をこの困った状況に至らしめた主因は、民主主義が過剰だったからではない。近視眼的なエリートたちの過ちによる部分の方がはるかに大きい。

 これまでに起こったことのすべてが悪いわけではない。中には正しいものもあるし、それらは避けるべきではなかった。しかし、起こったことの大部分は避けることができた。エリート、特に共和党のエリートたちがそこに火をつけてしまった。この炎を消すのは、難しいだろう。

By Martin Wolf

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。