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『「充電だ」と消えた運転手、北京のEVバス事情 独裁の息苦しさといい加減さが併存する中国』(3/8日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

3/10日経朝刊<米朝交渉 見えぬ行方 核開発の時間稼ぎ懸念 約束順守の仕組み必要

トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の申し出を受け入れ、直接会談に応じる意向を示した。北朝鮮の非核化の細部を詰めるうちに決裂を繰り返したのがこの四半世紀の歴史だ。直接会談が最終的に実現するかどうかを含め米朝交渉の行方はなおみえない。(1面参照)

まさに究極のギャンブルといっていいだろう。トランプ米大統領の決断が北朝鮮の非核化につながり、戦争が回避されるなら、実に喜ばしい。だが、核武装の時間稼ぎに使われれば、脅威はさらに高まってしまう。客観的にみると、後者の危険も否めないように思える。

理由は金正恩氏、トランプ氏の双方にある。まず、金正恩氏はまだ一度も、自分の肉声で非核化とは言っていない。対外的に表明したわけではなく、韓国の特使にそうした意図を伝えたにすぎない。

今回の危機が始まって以来、日米の当局者や識者らに聞くと、大抵、次のような分析が返ってきた。リビアやイラクの旧独裁政権は核を持たず、政権を倒された。北朝鮮はそう信じており、核武装をあきらめることは考えづらい――。

この仮説を覆すような決断を、金正恩氏が下したという保証は全くない。ならば、少なくとも現時点では、彼らの真意は核ミサイル開発の時間稼ぎにあると想定すべきだろう。

では、トランプ氏にはどこまで、そんな北朝鮮と渡り合い、核放棄にもっていく交渉準備があるのだろうか。残念ながら、不安を禁じ得ない。

過去の経験からみて、米朝協議で成果を得るには米政権が一枚岩となり、粘り強く、譲歩を引き出していく交渉力が必要だ。いまの政権にはいずれも、欠けているようにみえる。

トランプ氏は米朝首脳会談を国務省首脳に相談せず、決めたとみられる。「交渉するには、まだほど遠い」。米朝首脳会談が発表になる数時間前。ティラーソン国務長官は外遊先で、こう語っていた。

米政権内には彼を支える専門家も乏しい。米朝のパイプ役になってきたユン北朝鮮担当特別代表は辞任し、駐韓大使も不在。東アジア・太平洋を担当する国務次官補も議会の承認待ちだ。

北朝鮮側はこれに対し、20年以上にわたる対米交渉の蓄積があり、米国の弱みも知り尽くしている。ふつうなら体制が整うのを待ち、実務家レベルから予備交渉に入るところだが、トランプ氏は「5月末までに」と首脳会談の期限まで切ってしまった。

しかし決めてしまった以上、この賭けを成功させるしかない。それには3つの最低条件がある。まず、核開発の凍結ではなく、非核化の言質をとり、文書化する。

約束破りを許さないため、必ず、査察にも同意させる。そして、非核化の動きが証明されるまで、決して制裁をゆるめないことだ。

韓国は北朝鮮との融和に傾きがちだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、南北の対話は米朝と同時に進めると約束しているが、南北首脳会談の決定は米朝首脳会談よりも先だった。

米政権の対北外交を成功させるうえで、安倍晋三首相が果たせる役割は大きい。「この件について、シンゾーはどう言っているのか」。トランプ氏はアジア政策について時折、安倍氏の意向を側近に確認することがあるという。

安倍氏は2度のゴルフや多くの会談を通じ、トランプ氏との関係を築いてきた。今ほど、その投資を生かすべき局面はない。(本社コメンテーター 秋田浩之)>(以上)

トランプは功を焦り過ぎか。中間選挙対策もあるのでしょうけど。勿論戦争になるより対話で解決できるならその方が良いに決まっています。近衛がFDRにトップ会談を持ちかけても、彼は時間稼ぎし、日本を戦争に嵌めた構図よりははるかに良いでしょう。会談ではキチンと拉致問題の解決案の提示も要求してほしい。ただ相手は若造とはいえ百戦錬磨、人を騙すのが天才的な民族のトップです。大中華が「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観を持っているとすれば、朝鮮人は「小中華」で、「大中華」の属国として虐げられてきた歴史が長いので、「大中華」を更に性格を悪くした集団と言えます。「息を吐くように嘘を言う」のは当り前です。トランプは、自分は「デイールの天才」と思っているのかもしれませんが、直接交渉となると相手の悪巧みに長けた才能の方が上回る気がします。トランプの「平和の努力はした」とのアリバイ作りかも知れませんが。

会談場所は平壤ではなくソウルになるのでは。でも、北は「米国を呼びつけてやった」と国内では喧伝するのでしょうけど。中国とか日本では金正恩が来ないでしょう。まあ、オセロゲームのように、北を中国の勢力圏から外し、非核化して米国の保護国とまでなれば良いでしょうけど。北は主体思想を持っていますが、これの意味するところは中国からの独立という事で、本音では金一族は中国が嫌いと思われます。ただ、米国が共産主義かつ残忍な金王朝をそのままにして朝鮮人民を支配するのを許すと虐殺が起きる危険性もあります。体制を保証すれば、そのときに米国は何もできず、国連を動かすだけになります。まあ、米国は「世界の警察官」は辞めると言っていますが。それなら、新国防戦略と言うのは何なのという気がします。最大の敵は中国で、その前哨戦です。良くいろんな人の意見を聞いて、会談に臨んでほしい。安倍さんも「米国が日本を置き去りにするなら、日本も核を保有する」とトランプに念押ししてほしい。

3/8希望之声<重磅!川普答应会见金正恩 习近平所起作用引猜测=一大事!トランプが金正恩と会うと 習近平は疑いの目で最後に「所以有分析指,朝鲜半岛局势大变背后的原因,可能是江派进一步衰退令金正恩感觉彻底失去依靠,又或者是习近平在权力进一步巩固后充当了幕后推手。=故に分析者は「朝鮮半島の態勢の変化の裏の原因は江派の勢力が衰え、金をして頼むに足らずと思わせたか、習が権力基盤を一層固めてから裏から動かすかどちらかと出てきます。江沢民勢力が衰え、北は自分で生きる道を探さねばならなくなったとのこと。習としてはこの全人代、政治協商会議開催中にこの動きをされるのは不愉快なのでは。特使派遣しても金は会わず、文と金与正が会ったりして腸は煮えくり返っているのでは。また米国の依頼で、北への制裁のレベルを上げて来たのに、米国と北が二国間で会談し、中国をはずすことは面白くなく感じている筈です。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/03/08/n1603685.html

3/5中国時報より中国大陸の全人代スケジュール

これによりますと、11日憲法改正採決、17日国家主席選挙、18日国家副主席選挙、19日総理及び部長(日本の大臣)級人事、20日閉幕、国家監察委の設立の採決。まあ、全人代はゴム印と言われていますから。

3/8自由時報<習近平是「兩面人」? 外媒:真面目逐漸曝光=習は二面性を持っている? 外国メデイアは本性が少しずつ現れて来たと習の最初の頃は各地を訪問、警備も大したことなく、好感を持って迎えられたが、今や警備も厳重(政敵打倒の追及が苛酷なため)となり、党への反対デモも増えて来た。習は特に毛沢東の真似をし、私利私欲で中国を統治しようとしていると。中国人民の虐殺が起きなければ良いですが。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2359257

3/9阿波羅新聞網<美核動力航母訪越秀軟實力 臉書Like爆 中共完全失聲=米・原子力空母カールビンソンがベトナムに寄港、ソフトパワーを見せつける Daniel Kritenbrink米国大使のfacebookが人気沸騰 中共は声無し昨日本ブログで紹介しました増田俊男氏は「トランプは軍産複合体を解体するために選ばれた」と言っていますが、世界最強の軍がそんなに簡単にユダヤ人の言うことを聞くとは思えません。それを言えば誰でも排除されると思います。前米海軍将校の姚誠が言うには「ベトナムとのコンセンサスができダナン(以前はソ連の軍事基地)に常時寄港できれば、中国の南シナ海封鎖を突破できる。中国の3人工島に建設した飛行基地も無力化できる」とのこと。中国は本件についてなにも報道していないとのこと。報道できないのでしょう。解放軍の面子丸潰れですから。3/2に華春瑩報道官が「米越間の軍事交流は、この地域の平和と安定に積極的・建設的に関わり、何人と雖も不安を感じさせることの無いよう希望する」とコメント。それは中国がやってきたことが台無しになったとは発表できませんから。

http://hk.aboluowang.com/2018/0309/1081570.html

山田氏記事では、共産主義のスピード感と中国人のいい加減さが共存する所を描いています。上海に住んでいますから中国が好きなのは分かりますが、「中国に帰化したら?」と質問したら、多分“No”と言うでしょう。中国に住めば自由の有難さに気が付くはずですから。

記事

北京にある中国国営中央テレビ(CCTV)本社ビルにポッカリと空いた穴からも鮮やかな青空がのぞいていた(2018年1月)

1月末、約1年半ぶりに訪れた北京で印象に残ったことの一つに、空の青さがあった。

私が拠点を置く上海でも、酷い時には1メートル先にいる人の顔が霞んで見えるほど酷かったPM2.5の汚染が深刻化したのは2013年12月のこと。あの冬、上海から青空は完全に消えた。暖房等、石炭を燃料に使うことの多い北京など中国の華北地方や東北地方の汚染は上海よりさらに深刻だった。

その後、2016年6月に訪れた北京の大気汚染は、2013~14年当時よりもずいぶん改善していたが、滞在した3日の間、空は快晴で雲一つ無い天気だったにもかかわらず、空は淀んだ黄色い空気に覆われ、青空はどこにもなかった。

それが今回は、1週間の滞在中、抜けるような鮮やかな青空を何度も見た。一昨年の訪問時、中国科学院と国家気象センターで環境汚染を研究している若い研究者2人に、解決にはどのぐらいの時間がかかると想定しているのかと聞いたら、2人は顔を見合わせて「50年ぐらいかかるのではないか」と話していた。それがどうだ。わずか4年で青空は戻ったのである。

私が意見を求めた2人は恐らく、若い研究者らしく科学的、客観的要素に基づいて考え、50年という数字を口にしたのだろう。それが、この世の終末を思わせるような色をしていた空が、若い研究者の考える常識を覆す4年足らずという短期間で目に染みるような青さを取り戻すことができたのは、常軌を逸するような手段を執ったのだろうということが容易に想像がつく。

当コラムで2月に2回にわたって取り上げた低所得者層の北京からの追い出しも、青空が戻ったことと大いに関係している(「売血・売春…行き場なくす中国の『下層の人間』」、「中国の出稼ぎ青年を無差別殺傷に追い込んだもの」参照)。

中国の華北地方では長い間、煮炊きに練炭と七輪を使っている家庭が多かった。私が1988年に留学していた山西省太原もそうで、朝晩の炊事時ともなると、集合住宅の階段や廊下は、各家庭が煮炊きに使う練炭の饐えたような臭いと煙が建物に充満した。慣れればなんとか対応できるものではあるのだが、こうした中国人宅に日本から観光できた友人を連れて行くと、階段を上り始めて程なくして鼻と口を手のひらで覆い、目をしょぼつかせて「息ができない」といって悶絶するほどの濃度だった。

中国では10年ほど前から電磁調理器が普及し、煮炊きにもこれを使う家庭が増えたが、それでも、費用が電気代よりも安くつくと言うことで、北京では練炭を使う人も少なくなかったと聞く。とりわけ、低所得者層が多く住む地区での使用率は高かったようだ。しかし、違法建築が密集して建つエリアで練炭を使うのは危険であり、なにより練炭は大気汚染の元凶の一つに数えられてもいた。そうした折、昨年11月初旬に低所得者居住地区の一つである北京郊外大興区の新建村の違法住宅で19人が死亡する火災が起きたのを機に、北京当局は新建村を皮切りに、北京に数カ所ある低所得者居住区で住民の強制立ち退きと取り壊しを相次いで実施した。

この低所得者層の追い出しは、先のコラムでも書いた通り、高度成長の時代が過ぎ去り「新常態」という低成長――それでも中国政府は3月5日から始まった全国人民代表大会(全人代、国会)で、今年の成長目標を6.5%という、日本から見れば夢のような高い数字に設定したが――の時代に入り、北京が低所得層を抱えておく余裕がなくなったことが最大の理由だ。同じ現象は一足先に上海でも始まっている。ただ、北京の指導者たちの頭には、低所得層を一掃することで練炭を燃料に使う家庭が激減し、大気汚染の解決にもつながるから一石二鳥だとの考えが間違いなくあったはずだ。

いくら違法建築だったとはいえ、住民を立ち退かせるための交渉には普通、長い年月を擁するものだが、中国の場合、当局が「やる気」になれば、極めて短期間で実現してしまう。先の北京新建村では火災からわずか2週間でほとんどの住民が追い出された。中国の若い研究者が、「常識」で考えて50年かかると思った大気汚染の解消が、4年という「常識外れ」のスピードである程度の結果を出したのは、2週間で住民を町ごと追い出してしまうという「常軌を逸した」当局の手法が大きく関係しているのである。

EV化の波が押し寄せている

北京ではEV等、クリーンエネルギーで走るバスが増えている

ただここで指摘しておかなければならないのは、中国で公共交通へのクリーンエネルギーの導入が常軌を逸したスピードで進んでいることが、大気汚染問題が常識外れのスピードで進んでいることに関係しているのだろうという点だ。

中国国営新華社が2017年10月22日に伝えたところによると、北京では同日、天安門広場と故宮の間を走り、有事には滑走路にもなると言われる広大な目抜き通りとして日本のテレビでも度々目にする長安街を走る路線バスに初めて電気自動車(EV)車輌10台が導入された。新華社はさらに、昨年末までに北京市では路線バス4500台がEV化される予定であり、その時点で北京の路線バスの65%がEV等の新エネルギー車になると報じている。中国紙『経済参考報』も3月6日付で、北京市の路線バスの約6割、1万台強で新エネルギー車が導入されたと、新華社に近い数字を伝えている。

また香港に隣接する広東省の経済特区・深センでは昨年12月27日に、全市の路線バス1万6359台すべてをEV化したと、同市政府の交通運輸委員会が表明している。これを報じた同日付の中国メディア『新浪科技』によると、深セン市は2009年、中国政府が選定した新エネルギー車導入のモデル都市13市の1つとして路線バスのEV化をスタートし、わずか8年で全路線バスのEV化を成し遂げたという。

中国の路線バスEV化は深セン以外でも猛烈な勢いで進むと見る向きが多い。『ブルームバーグ』は2018年2月1日付で、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの調査として、2025年時点でEV化される路線バスが世界で120万台に上り、うち99%は中国を走る路線バスになるとの見通しを明らかにしている。

EVバスに乗車

北京を走るEVバスには、電線から電力をとって走る昔ながらの無軌電車(写真)と、完全な蓄電池タイプの2種類がある

中国では1980年代でも既に、電線から電力をとって走る「無軌電車」と呼ばれるトロリーバスが走っていた。北京や上海では今日に至るまで現役である。よって、私が普段生活している上海では、トローリーバスに頻繁にお世話になっている。現在、北京ではこのトローリーバスに加えて、都心部ではまだ台数が少ないもののバッテリー式のEVがちらほらと走っている。

そして今年の1月末、私が低所得層の強制立ち退きがあった北京新建村に向かう際、同村の最寄りの地下鉄駅から乗った路線バスはバッテリー式のEVだった。

バッテリー式のEVに、これがEVだと意識して乗るのは初めてだった。加速は滑らかで乗り心地はよい。乗用車ではEV未体験だが、同じような乗り心地なのだろうか。そしてお喋り好きだが乗り物の中では意外なほど静かな中国人は、走行音が静かなのにつられるのか、ガソリン車のバスよりもさらに押し黙っている。

そんなことを考えながら揺られていると、バスは地下鉄駅から市街地を抜けて30分ほど走り、空き地だらけになってそろそろ着くかなというところになって、停留所でもないのに突然止まった。

何事かと思えば、運転手が「電池がなくなりそうだ。充電に行くから降りてくれ。次のバスが通りかかったら乗せてくれるから」と言い、本当に全員降ろして走り去ってしまった。降ろされた乗客は「充電か?」「充電だってさ」「充電ね」など、みな同じことをつぶやきながら、呆然と路上で次のバスを待つ。

30分ほど待っただろうか。同じ路線番号のバスが通りかかった。これもバッテリー式のEVだ。待っていた乗客全員で手を挙げて止め、運転手に訳を話す。すると運転手は、「ハイハイいつもの『充電』ね」と苦笑いしつつも妙に物わかり良く応じ、我々全員を乗せ出発した。

「充電しなきゃ」と言い残して消えたEVバスの運転手に途中で降ろされ途方に暮れる乗客ら(北京)

「いい加減な中国健在!」を体感

先の新華社の記事で、北京市電力公司スマート電力処の陳海洋さんという処長さんは、北京のEV路線バスは15分で充電が完了し、1回の充電で130キロの走行が可能だと話している。ただ同時に、北京市内のEV路線バスは1万台なのに対し、EV路線バス用充電ステーションは5000台分だとも話しているから、十分に足りているというほどではないのだろう。

我々を拾ってくれた運転手の反応からして、恐らく我々を降ろした運転手はサボりの常習犯だったのではないか。仮にガソリン車で「ガス欠だ」と言われたとしたら、「公共交通にあるまじき職務怠慢」と憤慨しただろうが、EVバスという、つい最近まで存在せず、かつ乗り慣れない乗り物を操る運転手から「充電しないとね」と言われると、「ああそういうものか、そういえば電池の性能は発展途上だから、充電に時間もかかるし長時間の走行もできないという報道も見たことがあるな」など、こちらの頭の中で勝手に補足の説明を付けたりし、運転手の言うことを鵜呑みにしてしまったというところなのだろう。

EVインフラの未整備や乗客側の知識不足を上手く利用して考え出したサボりの手口だったとするなら、「運転手クン、なかなかやるな」である。

そして大前提として、中国という国に、路線バスで途中で置き去りにされるという事態が起こってもなんら不思議でないと思わせる、いい意味でも悪い意味でも、いい加減な面があるからこその話である。

開催中の全人代についての日本の報道は、憲法を改正して国家主席の任期撤廃を目指す習近平氏が独裁を強めるという論調一色。ネット検閲の強化、低所得者の強制排除なども相まって、中国社会が息苦しさを増しているのは事実なのだが、EV路線バスの一件は、「いい加減な中国健在!」を示すもので、当事者としては迷惑でありつつ、少しホッとする気持ちもあるのである。

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『「時間稼ぎ」の金正恩に「助け舟」出した文在寅 4月末に南北首脳会談、トランプは「見守る」』(3/7日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『北朝鮮、再びの外交敗北 南北首脳会談で「正統性」を喪失する恐れ』(3/8日経ビジネスオンライン 重村智計)について

3/8は麗澤大学でタゴールについての講演を聞きました。ユニセフ出身の老教授が来ていて、講演終了後感想を述べる際、「森有正が15年先輩」とか言っていましたが、調べたら同じパリ大学へ留学したからのようです。エリート臭をプンプンさせ、江崎道朗氏の本に出て来る「明治以降のエリートは日本の伝統を喜んで捨て、舶来物を有難がる」タイプと見受けました。外務省か文科省の圧力があるのか知りませんが、麗澤大学もこういう人を雇っているようでは。84歳にもなるのに。一番東京裁判史観で洗脳された年代なのかも。

この後、三島由紀夫研究会に出席、1月に亡くなった西部邁氏の追悼講演です。講師は富岡幸一郎氏。面白かったのは①昨年10/22死ぬ予定だったが衆院選とぶつかり、警察に迷惑をかけるので止めた。1/20の夜は2軒梯子し、お嬢さんを先に帰し、自分はかねて決めてあった田園調布の多摩川(奥様の治療場所の近く)で、木にロープをかけ、自分の体を縛って入水。帰って来ないので心配したお嬢さんが現地に行き、弟と警察に電話。弟が遺体発見とのこと。②東大駒場騒動で西部氏が教授を辞任した本当の理由は中沢新一氏の任官問題ではなく、左翼の勢力争いとのこと。(東大は日共が強いので負けた、西部氏は元ブント。見田宗介氏は日共?)③西部氏は宇沢弘文教授の弟子で、どうしても解けない数学の問題があり、酔って頭がボーとしている時に、突然解法が閃き、傍に落ちている紙にそれを書留め、後日宇沢先生に見せた所、「これは凄い」と言うことになり、宇沢先生が英語に直して発表したら凄い反響があったとのこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%A7%92%E5%A0%B4%E9%A8%92%E5%8B%95

最前列で振り向いている方が宮崎正弘氏。参加者による献花が行われた。

講師の富岡幸一郎氏。

3/9日経朝刊<米国輸入制限、国内でも懸念 中国限定求める声>の記事で「通商政策を担う下院歳入委員会のブレイディ委員長ら100人超の与党・共和党の下院議員は7日、連名でトランプ氏に再考を求める書簡を送った。「中国の不公正な慣行に対処するのは支持する」としたうえで、対象国は絞るよう訴えた。」「産業界もトランプ氏の説得に動いた。全米商工会議所のドナヒュー会頭は7日「世界全体で新たな関税を課すのは控えるよう求める」との声明を発表。当初はトランプ氏の関税発動を称賛していたアルミ協会も同日までに出した声明で「中国に標的を絞り、カナダ、欧州連合(EU)など重要な貿易相手国は除外する手法が望ましい」と強調した。幅広い国に関税を課せば、アルミ加工に携わる川下の業界に悪影響が及ぶと懸念する」とあります。うまいやり方で、議会や産業界から「中国のみに適用」と言わせるとは。北の問題も中国が真剣にやって来なかったためここまで来てしまったのです。中国にスポットライトを当てさせないため、暴れん坊をわざと放置してきました。確信犯でしょう。「南京」や「慰安婦」で朝鮮半島を使嗾してやらせるのと一緒。

鈴置氏の記事を読みますと、米国が日本に届く核ミサイル保有を認める可能性は今の所少ない気がします。日本にはその他に拉致問題解決もあるので、どうせ北は時間稼ぎというのが分かっているなら、早く攻撃を開始してほしいと思います。ただ、中間選挙、NEOとの関係で夏休みになるのかもしれませんが。

重村氏の記事は2/28日経ビジネスオンライン記事<「大敗北! 北朝鮮五輪外交>を読んでみても「北朝鮮の存立基盤である「正統性」問題で譲歩したから外交敗北した」と言うのが良く分かりません。前回のその記事では「南北首脳会談は米朝対話の後」と予言しましたが、これは外しました。彼の予想は外れることで有名ですが。本当に石油禁輸が効いているのかどうか。何せ数百万の国民を餓死させても平気な国なので。先軍政治を優先させれば、またそういう事態が起こりうるのでは。

3/9増田俊男記事<アメリカ豹変、中国豹変、北朝鮮豹変、日本不変>本当か?トランプは本当に会談するの?騙されるだけでしょう。官僚がそれで安倍降ろしに必死と言っていますが、そんな先見性を持った官僚がいるとは思えません。

http://chokugen.com/opinion/backnumber/h30/jiji180309_1235.html

鈴置記事

「南北融和」を満面の笑みで演出する金正恩委員長だが…(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

前回から読む)

韓国と北朝鮮が4月末に板門店(パンムンジョン)で首脳会談を開く。南北が肩を組んで「融和ムード」を演出し、国際社会の制裁強化と米国の軍事的圧迫の阻止を狙う。次の焦点は米国の対応だ。

「米国と虚心坦懐に対話」

特使として3月5日から北朝鮮を訪問していた鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台(大統領府)国家安保室長が3月6日、ソウルに戻り発表した。2007年10月以来、3回目の南北首脳会談となる。

聯合ニュースの「南北首脳会談 4月末開催で合意=北『米と非核化対話の用意』」(3月6日、日本語版)によると、鄭義溶・室長は「北朝鮮は非核化を議題にした米国との対話に前向きだ」とも語った。鄭義溶・室長が明かした北朝鮮側の発言は以下の通り。

対話が続く間は、追加の核実験や弾道ミサイルの試射など戦略的な挑発を再開しない。

非核化問題の協議と米朝関係の正常化のため、米国と虚心坦懐に対話をすることができる。

軍事的な脅威が解消され、体制の安全が保障された場合、核兵器を保有する理由がない。

核兵器はもちろん、在来型兵器を韓国に向け使用しない。

米韓演習を認める金正恩

トランプ(Donald Trump)大統領は3月6日朝(米国東部時間)「北朝鮮との対話が進展するかも……世界は見守っている!偽りの希望かもしれないが、米国はどちらの方向に行くにしろ、しっかりと取り組む用意がある」とツイートした。

ペンス(Mike Pence)副大統領も同日、声明を発表し「米国と同盟国は金正恩政権が核計画をやめるまで最大限の圧力をかけ続ける」と強調。

「非核化に向けた具体的な行動があるまですべての選択肢がテーブルにあり、我々の態度も変わらない」と経済・軍事両面での圧力を緩めない方針を示した。ただ声明では、南北首脳会談に関する評価には言及しなかった。

下手に反対すれば「トランプ政権が平和的な解決の道を閉ざした」との批判を国内外から浴びかねないからだろう。

北朝鮮が鄭義溶・室長を通じて「対話が続く間は核・ミサイル実験をしない」と表明したのも、融和姿勢を強調し米国の反対を封じる目的と見られる。

平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックを理由に4月上旬に延期した米韓合同軍事演習に関し、北朝鮮が反対しない姿勢を示唆したことも「反対封じ」の一環だろう。

聯合ニュースの「金正恩氏 韓米合同軍事演習『4月からの実施に理解』」(3月6日、日本語版)によると、青瓦台関係者は延期中の合同演習に関し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長は『例年の水準で実施することを理解する』と韓国の特使団に述べた」と語った。

南北は米国の顔を潰さないようにしながら、南北首脳会談を実施。それを米朝会談の開催につなげ、経済制裁や軍事的な圧迫の強化を防ぐ作戦であろう。

米韓同盟を破棄せよ

ただ、そんな南北の見え透いたトリックに米国は乗せられないだろう。コーツ(Daniel Coats)米国家情報長官も3月6日、上院軍事委員会の公聴会で、非核化に向けた北朝鮮との対話進展の可能性について「非常に懐疑的だ」と証言。さらに「北朝鮮が核放棄に応じることを示す兆候はない」と述べた。

「北朝鮮に非核化の意思はある」と鄭義溶・室長は語ったが「軍事的な脅威が解消され、体制の安全が保障された場合」と条件が付いている。

要は「米韓同盟をやめろ」との主張であり、米国が直ちにそれを受け入れる可能性は低い。仮に、米国が韓国との同盟打ち切りと北朝鮮の核放棄の取引に応じたとしても、韓国の保守派が抵抗することは確実だ。

いずれにせよ、米韓同盟の打ち切りには時間がかかる。その間に北朝鮮は米国東部まで届くICBM(長距離弾道弾)を開発する。

裏目に出る米朝対話

北朝鮮との融和を進める文在寅(ムン・ジェイン)政権に対し、韓国の保守派は危機感を募らせる。

朝鮮日報は南北首脳会談の発表に先立つ3月5日、スェミ・テリー(Sue Mi Terry)CSIS上級研究員の寄稿「下手な米朝対話は逆効果だ」(韓国語版)を載せた。以下がサブ見出しである。

北が今、米国との対話に応じるなら、核能力向上の時間稼ぎ

韓国を「最大に圧迫」 制裁の最も弱い輪と見なす

北の核開発を阻止してこそ、米朝の建設的な対話は可能

米朝の仲介役を買って出た文在寅政権に対し、それが逆効果になる可能性が高いと警告した。テリー上級研究員はこう説明する。

今のところ米国が北朝鮮への「最大圧力」戦略を修正したとの何の兆しもない。もし今、米政府関係者が北朝鮮側と会ったとしても、その唯一の目的は警告を伝えるためであろう。

また米国は北朝鮮に対し、本当に核開発計画を放棄する意思があるのかを質すであろう。北朝鮮が否定的に答えたり回答を拒否した場合、米朝対話はその瞬間に終了し、緊張はますます高まるであろう。

「非核化」を唱え「最後通牒」封じ

トランプ政権は北朝鮮の高官、可能なら金正恩委員長と会談し直接、核放棄を要求する機会を探っている(「米国務長官演説は『ハル・ノート』だ」参照)。

平和的に解決するためであり同時に、軍事行動を念頭に「米国の強い意思――最後通牒をきちんと伝えたが、応じなかったためやむなく武力を使った」との名分を作っておくためでもある。

テリー上級研究員は、北朝鮮が本当に核放棄の意思を持たない限り米朝対話は最後通牒を手渡す場になる、と指摘したのだ。

北朝鮮も韓国も米朝対話が時間稼ぎになるどころか、最後通牒の場になりかねないことは十分に理解しているはずだ。だからこそ「非核化問題の協議のため、米国と虚心坦懐に対話をすることができる」などと表明したのだろう。

「非核化」を表明して米朝対話を実現したうえ、様々の条件を付けながらも、その旗を掲げ続けることで「最後通牒」を繰り出させない作戦である。

しかし、北朝鮮の時間稼ぎに何度も騙されてきた米国が、今度も「非核化対話」に深く踏み込むかは分からない。米政府の方針に関し、テリー上級研究員は次のように書いている。

トランプ政権の基本的な立場は、国際社会の包括的かつ継続的な対北制裁が実施された後に、北朝鮮と交渉することが最善の方法ということだ。

米当局者は、今は制裁が効果を出し始めた段階と考えている。過去の同様の事例から見て、北朝鮮に検証可能な核開発の凍結や核の廃棄を真剣に考慮させるほど十分な圧迫を与えるには、まだ時間がかかると判断している。

今の段階で北朝鮮が軟化して見せても、それは本気ではないと米国は見切っているのだ。

(次回に続く)

重村記事

韓国からの特使、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(右)と握手する、北朝鮮の金正恩委員長(写真=The Blue House/AFP/アフロ)

韓国と北朝鮮は3月6日、4月末に板門店で3回目の南北首脳会談を開くことで合意した。この合意内容と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の発言は、北朝鮮の「外交敗北」が引き続いていることを意味する(前回「大敗北! 北朝鮮五輪外交」)。北朝鮮の存立基盤である「正統性」問題で譲歩したからだ。

譲歩の背景には、北朝鮮が直面する体制の動揺と米国からの軍事攻撃への恐れが読み取れる。北朝鮮の経済と軍は石油が枯渇し厳しい環境に置かれている。

南北朝鮮は、平昌五輪で喫した「外交敗北」を回復するのに懸命だ。韓国の歴代大統領は、支持率が落ちると南北首脳会談を目指した。

北朝鮮は平昌五輪で、金正恩委員長の妹である与正(ヨジョン)氏とマイク・ペンス米副大統領との会談を直前にキャンセルし、外交敗北した。その後「米国と対話する準備がある」と公言したが、あとの祭りだった。

米韓演習への「理解」は北朝鮮軍の存在価値否定

南北首脳会談は、「板門店の韓国側施設」で行われる。また北朝鮮は「米韓合同軍事演習を理解する」とも発言した。この合意は、北朝鮮の「正統性」を危うくしかねない。

北朝鮮は、日本帝国主義に勝利した歴史を誇り「朝鮮半島において唯一正統性のある国家は北だけ」と主張してきた。だから、首脳会談でも「南の指導者が教えを請いに来た」との立場を示す。韓国側の施設で会談することになれば、この「正統性」が揺らぐ。それでも合意したのは、韓国側の強い要請を受け入れざるを得なかったからだ。

また北朝鮮は、米韓合同軍事演習を「戦争準備」として激しく非難し、中止を求めてきた。米韓が演習を行なえば、北朝鮮軍も「戦争」に備え同じ規模の演習をするので、軍用石油は底をつき、兵力は疲弊する。この演習に「理解」を示すのも、北朝鮮にとって明らかな敗北だ。北朝鮮軍は、米軍との戦争を意識することで軍の士気と組織を維持してきた。敵がいなくなれば、軍は揺らぐ。

北朝鮮は、韓国政府が発表した内容を報道していない。「満足いく合意」「首脳会談合意」を伝えたに過ぎない。韓国政府が公表した金正恩委員長の発言は伝達であり、公式に確認したものではない。韓国政府が発表した通りなら、事実上の「北朝鮮外交の敗北」と受け止めることができる。米韓合同軍事演習に「理解」を示されたら、北朝鮮軍と軍人は存在意義を失う。

つきまとう資金提供疑惑

韓国特使と金正恩委員長との会談内容は、平昌五輪の閉会式に出席した金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長との秘密会談で詳細を事前調整した。韓国側は、米韓合同軍事演習を中止できない事情を説明するとともに、米朝対話に言及することを求めた。それが「(米韓合同演習を)理解する」との発言を生んだ。この発言の趣旨は「韓国側の(演習中止への)努力を理解する」だったろうが、韓国側が意図的にこのように解釈した。ただし、北朝鮮側は、首脳会談への見返りを要求しただろう。

2000年に金大中大統領との間で行なわれた南北首脳会談で、韓国が北朝鮮に5億ドル(500億円)を支払った事実が確認された。実際には10億ドル(1000億円)だったともいわれる。2007年に南北首脳会談に臨んだ盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領にも疑惑がつきまとう。韓国の専門家は「南が資金を出さなければ北朝鮮は首脳会談に応じない」と見る。

「体制の安全が保証されれば…」は新味なし

首脳会談を韓国側の「平和の家」で行う合意と、首脳間のホットライン設置は、いずれも初めてのことだ。北朝鮮は、韓国の存在を公式には認めない。「南朝鮮」と表現する。今回も「大韓民国」の表現を使わず、「南側の文在寅大統領」と報じた。

「体制の安全が保証されれば、核を保有する理由はない」との発言は、目新しくない。金日成(キム・イルソン)主席も金正日(キム・ジョンイル)総書記も「朝鮮半島の非核化」を公言していた。米国は、これまでの米朝交渉で繰り返し「体制は尊重する。崩壊させるつもりはない」と伝えてきた。

石油禁油が軍と体制の弱体化促す

北朝鮮の指導者は、核放棄を明言しなかった。ドナルド・トランプ米大統領は「希望は裏切られるかもしれない」と語り、手放しで歓迎してはいない。米国は過去2回の南北首脳会談を、「合意は破られてきた。核開発を進展させる資金提供と時間稼ぎに利用された」とみている。

北朝鮮の譲歩は、国連や日米による経済制裁の成果である。特に、石油製品の対北朝鮮輸出を禁止したのは、「体制の動揺につながる」との危機感を同国に与えた。

国連の発表によると、北朝鮮が2016年に輸入した石油の量は原油約50万トン、石油製品約70万トンで、合わせて約120万トンにしかならない。日本の石油輸入量は2億トンだ。北朝鮮軍は世界で最も石油を消費しない軍隊である。であるにもかかわらず、今年は原油と製品合わせて70万トンに減らされる。海上での密輸も、摘発された。

このままでは軍が戦闘能力を失い、金体制は危機に直面する。現在の体制は軍と秘密警察によって維持しているのだから事態は深刻だ。危機を回避するために、北朝鮮は①韓国からの経済支援②開城(ケソン)工業団地を再開することで外貨収入を回復③石油制裁の緩和――を狙う。外交で敗北しても譲歩する背景には、国内の苦境がある。

金正恩委員長は軍を掌握した

半面、金正恩委員長の「米韓合同軍事演習を理解する」との発言は、軍を完全に掌握した事実も示唆する。軍は、この演習の中止を強く求めてきた。「理解する」との発言は、軍を掌握した自信がなければ言えないものだ。軍は核放棄に絶対に応じないと言われる。軍を押さえないと核放棄はできない。その準備に、取り組んでいるようである。

それは、人民軍記念日を2月8日に変更し、軍事パレードを行った事実で確認された。これは、軍を党の指導下に置いた成果を誇示する行事だった。金正恩委員長は、パレードの演説で「軍は党に従え」と強調した。

文大統領は米韓同盟より民族を選んだのか?

韓国や日本の専門家は、「北朝鮮支援」という文在寅(ムン・ジェイン)政権の方針を「米韓同盟より民族を選んだ」と説明する。米韓同盟が崩壊に向かい、韓国は北朝鮮に取り込まれるとの憂慮がある。同盟の維持には、「共通の敵」が欠かせない。

韓国が、「北の核は韓国向けではない」という北の主張を受け入れると、米韓同盟は崩壊に向かいかねない。中国は、米韓同盟の弱体化を狙い、米国と対立する南北の展開を歓迎する。

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『中国を見誤った西側諸国』(3/7日経朝刊 The Economist)、『甘い期待は終了、大転換点を迎える米国の対中政策 歴代政権の対中「関与」政策は失敗だった』(3/7JBプレス 古森義久)について

3/6JBプレス<習主席の任期無制限は中国にとって良い? 全人代委員たちに聞く>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52526

まあ、全人代(“rubber stamp”と揶揄される)のメンバーですから、何も考えない人が代表になっているという事でしょう。共産党にとってその方が都合が良いですから。少数民族の代表も仲間を裏切り、共産党の軍門に下った連中です。中国国内で生きるには仕方がないのかもしれませんが。

The Economist記事でも古森氏記事でも感じますのは、米国は本当に中国人の本性を分かっていないという事です。戦前からですから。まあ、賄賂とハニーで籠絡されて来たのが米国人には多いのでしょうけど。WTOに入れたのが失敗と言っていますが、後からいうのは“福助頭”と言い、後から気づくのは“没有先見之明”と言います。中国人は「騙す方が賢く、騙された方が馬鹿」と言う価値観の持主です。日米ともDupesが多いという事です。人権弾圧国家・世界制覇を狙う共産中国と言う怪物を造る後押しをしたのは、間違いなく米・日です。キッシンジャーも“没有先見之明”で、頭が悪いとしか言いようがありません。ユダヤ人に造詣の深い馬淵睦夫氏だったらどう解釈するでしょう。ユダヤ人に支配される米国はわざと中国を大きくして米国に対抗できるようにしたとでも?

「一帯一路」について3/8宮崎正弘氏のメルマガでは<「借金の罠」か、中国自身の「負債リスク」となるか  総額8兆ドルが、当面の一帯一路の具体的な投資金額だが>とのレポートです。中国は国家ぐるみでサラ金をして暴利を貪り、国民のことを考えない国のトップを賄賂漬けし、領土も奪う算段です。騙される方も騙される方ですが。中国人の「善意で動くことはなく、利益を極大化させるためにだけ動く」という本性が分かっていれば中国から金を借りることはなかったでしょうけど。

http://melma.com/backnumber_45206_6655125/

トランプの鉄鋼・アルミの高関税賦課は正しいでしょう。本当は中国だけ標的にできれば良いのですが。やはり、中国をWTOに入れたのが失敗です。同盟国に高関税賦課は避けてほしいですが、裏切り者韓国は高関税賦課が正しい道でしょう。これからは鉄鋼・アルミだけでなく、米国で中韓からの輸入が多い分野に焦点を充て高関税賦課してほしいと思います。コーン国家経済会議委員長の辞任なんて気にしない方が良いでしょう。中国を兵糧攻めしない限り、中国の世界制覇に近づくことになります。

日経記事

中国は2月25日、独裁制から専制政治へと転じた。既に世界で最も権力のある習近平(シー・ジンピン)氏が望む限り、国家主席の座に残ることを可能にするよう改憲する方針を明らかにしたのだ。毛沢東以来、中国の指導者がここまであからさまに絶大な権力を振りかざすのは初めてだ。これは中国にとって大きな変化を意味するだけでなく、西側諸国の中国に対する25年来の賭けが失敗したことを示す強い証拠でもある。

習近平氏が国家主席の任期撤廃に動くことは、西側諸国の中国に対する25年来の賭けが失敗したことを示す=AP

ソ連崩壊後、西側諸国はそれに次ぐ規模の共産主義国だった中国を世界経済に迎え入れた。西側の指導者は、中国を世界貿易機関(WTO)などの機構に参画させれば、第2次大戦後に成立した規則に基づくシステムで縛れると考えた。経済統合で市場経済への転換が促され、国民は豊かになるにつれ民主主義的な自由や権利、法の支配を渇望するようになると期待した。

これは立派な構想であり、本誌も同じ考えだった。中国を締め出すよりも優れた戦略だった。そして中国は、誰も想像できなかったほど豊かになった。胡錦濤(フー・ジンタオ)政権時代は、この賭けが報われると期待できた。5年前に習氏が権力を握った時も、中国は憲法に基づく統治へと移行すると多くが予想した。だが、その幻想は砕け散った。現実には彼は政治と経済において抑圧と国家統制、対立を進めていった。

まず政治から見てみよう。習氏は権力を使い、共産党の支配力と党内の自分の地位を固めた。腐敗撲滅の名の下、対立し得る勢力を追放した。人民解放軍の全面的再編も進めた。同軍の共産党と自身への忠誠を確かなものにするためだ。自由な思想を持つ弁護士を投獄し、共産党や政府を批判するメディアやインターネット上の情報も根絶してきた。国民生活はある程度は自由が維持されているが、習氏は、不満や逸脱行為を見張る監視国家を築きつつある。

中国は以前、自分たちを放置するなら他国の国政に口を出すつもりはないと表明していた。だが最近は自分たちの独裁制を自由民主主義の対抗馬と位置づけている。習氏は昨秋の共産党第19回党大会で、「他国にとっての新たな選択肢」として、「人類が直面する問題を解決するための中国の知恵と中国式手法」を伝授するとした。習氏は後日、自国モデルを輸出するつもりはないと説明したが、今や米国は経済的競合であるばかりか、イデオロギー上の競合でもあることを感じさせた。

中国の市場を世界に組み込む努力の方は多少成功している。今や世界経済に統合された中国は、世界最大の輸出国であり、全体の13%強を占める。進取的で機知に富む中国企業は、世界で最も時価総額の高い上場企業100社のうち12社を占める。そして、自分たちと取引相手に、驚くべき豊かさをもたらしている。

とはいえ中国は市場経済国ではなく、今のままいけばそうなることは永遠にない。むしろ企業を国家権力の歯車ととらえ、支配を強めている。あらゆる産業は戦略の一部という位置づけだ。例えば中国の産業振興構想「中国製造2025」は、航空や技術、エネルギーなど10の主要産業で、補助金や保護政策を使い世界的企業を育てようとしている。産業スパイ活動は以前ほどあからさまではないが、いまだに欧米企業は自社の知的財産が国家的スパイ活動にさらされていると訴えている。

一方、中国に進出した外国企業は常に中国側の条件での商売を余儀なくされるため、もうかっても無残だ。例えば、米カード会社は、携帯電話での決済が主流になってから進出を認められた。

中国は、西側のルールも部分的に導入しているが、独自のシステムを並行して築いているようだ。例えば、広域経済圏構想「一帯一路」では、国外市場に1兆ドル(約106兆円)以上を投じると約束、いずれその規模は、欧州の戦後復興を支えたマーシャル・プランをしのぐだろう。これは、問題を抱えた中国西部を発展させる構想でもあるが、参画する気があるどの国にも中国資本の影響力の網をかける狙いがある。同構想は、中国主導の紛争解決を受け入れることを各国に求めている。つまり、中国の野心を西側のルールが阻む場合には、中国は自国のやり方で開発を進めるだろう。

中国はビジネスにも敵対関係を持ち込む。独ダイムラーのメルセデス・ベンツは最近、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の言葉をウェブ上で不用意に引用したことで屈辱的謝罪を余儀なくされた。中国が主張する南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権にフィリピンが異議を唱えた時は、健康へのリスクを理由に同国からのバナナの輸入を止めた。

こうした「シャープパワー」は、軍事力や経済力などの「ハードパワー」を補完する。中国は、米国を東アジアから駆逐すべく域内の超大国として振る舞っている。スカボロー礁だけでなく多くの岩礁や小島を占領し埋め立てているし、急速に軍事力を近代化し、軍事投資を進めているため、東アジアで優位を維持してきた米国の長年の決意は揺らぐのではないかとの見方が出ている。人民解放軍は、戦争で米国を負かすことはまだできないが、国力とは武力だけでなく決意の問題でもある。中国の挑戦はあからさまだが、米国にはそれを止める意思も能力もなさそうだ。

では、どうすればよいのか。西側諸国は中国への賭けに負けたばかりか、自国の民主主義が信頼の危機に陥っている。トランプ米大統領は、中国の脅威に言及してきたが、問題視しているのは対中貿易赤字だ。だが、それ自体は脅威ではない。貿易戦争になれば、トランプ氏自身が守るべきルールの効力が失われ、中国の横暴さを前に連帯しなければならない米国の同盟国が痛めつけられることになる。さらに同氏がどれだけ否定しようと、「米国を再び偉大な国にする」約束は、一国主義への後退に聞こえる。それは、中国を利するだけだ。

むしろトランプ氏は、対中政策をもっと大きな視点で捉え直す必要がある。中国と西側諸国は、互いの違いに慣れるしかない。将来的に良い国家になるとの期待から、今の不作法を容認するのは筋が通らない。中国の不正行為に西側が耐え続ければ、後に異議を申し立てるのは一層危険になる。西側は自分たちの価値観が普遍的だと主張してきたが、それを貫きつつも、あらゆる面で妥協しない姿勢を見せる必要がある。

中国のシャープパワーに対抗するには、西側社会は、学生団体であっても、そうした独立系機関と中国政府とのつながりを明らかにすべきだ。中国の経済力悪用に対抗するには、国有企業の投資を精査し、機密技術についてもあらゆる種類の中国企業の投資を調べる必要がある。西側の秩序を守るための機関も支援すべきだ。だが米国は何カ月もWTOの新委員の選出を阻止している。トランプ氏は、米国の同盟国への忠誠を示すために、環太平洋経済連携協定(TPP)復帰を再検討すべきだ。米国は最新兵器システムにも投資すべきだ。同盟国は中国の決意を目の当たりにして米国を頼りにするはずなので、同盟国との関係を密にすることも必要だ。

君臨する大国と台頭している大国の競合関係は、戦争になるとは限らないが、習氏の権力欲が致命的な不安定をもたらす可能性はある。台湾をいずれ奪回することで栄光を得ようとするかもしれない。中国が国家主席の任期を限定したのは、毛沢東の独裁が招いた混乱と犯罪を繰り返さないためだったことを思い出してほしい。こうなるはずではなかったが、西側の中国に対する賭けは、強力でありながら脆弱な専制政治に行きついてしまった。(3月3日号)

JBプレス記事

米国のドナルド・トランプ大統領(右)と中国の習近平国家主席(2017年11月9日撮影)。(c)AFP/NICOLAS ASFOURI〔AFPBB News

米国の中国に対する「関与」政策が終わりを告げようとしている。中国との協調を進めれば、やがては中国が国際社会の責任ある一員となり、民主化に傾くだろうという期待のもと、米国歴代政権は対中関与政策をとってきた。だが、その政策が失敗と断じられるようになったのだ。米国は約40年前の中国との国交正常化以来、対中政策の基本を初めて修正するという歴史的な曲がり角に立ったといえそうだ。

米国の対中関与政策を踏みにじってきた中国

1979年の米中国交樹立以来、米国の歴代政権の対中政策の基本は「関与(Engagement)」だった。中国は米国とは基本的に価値観を異にする共産主義体制であるが、関与政策では、米国が中国をより豊かに、より強くすることを支援し、既成の国際秩序に招き入れれば、中国が自由で開かれた国となり、国際社会の責任ある一員になる――というシナリオが描かれていた。

ところが最近の習近平政権下の中国の動きは、米国側の期待とは明らかに反対方向に向かいつつある。その象徴的な動向が、国家主席の任期の撤廃だった。習近平氏には終身の主席となる道が開かれた。民主主義とは最も逆方向の流れである。

それにとどまらず、近年の中国共産党政権は、侵略的な対外膨張、野心的な軍事力増強、国際規範の無視、経済面での不公正な慣行、そして国内での弾圧と独裁の強化など、米国の対中関与政策を踏みにじるような措置ばかりをとってきた。

こうした展開によって、米国側は対中関与政策の失敗を認めざるをえなくなったのである。

米国の期待とは正反対の方向へ

対中関与政策の成果に対する米国のニュースメディア、専門家、そしてトランプ政権のそれぞれの反応を見てみよう。

第1にメディアの反応である。ニューヨーク・タイムズは2月28日付社説で「習近平氏の権力の夢」と題して、以下のように主張した。

「1970年代後半に中国が西側に対してドアを開けて以来、米国は中国を第2次大戦後に米国主導で構築した政治、経済のシステムに融合させようと努めてきた。中国の経済発展はやがては政治的な自由化につながると期待してのことだった」

「だが、習近平氏の今回の動きは、米国側のこの政策が失敗したことを証明した。習氏は法の支配、人権、自由市場経済、自由選挙などに基づく民主主義的な秩序への挑戦を新たにしたのだ」

ニューヨーク・タイムズはこのように米国の歴代政権の対中政策は失敗だったと、明言している。

ワシントン・ポスト(2月27日付)も「習近平氏は終身独裁者」と題したコラムで、米国側は「中国が民意に基づく政治や法の支配を導入すること」を期待していたが、国家主席の任期撤廃は「米側の期待とは反対の方向への動きだ」と非難した。そのうえで、やはり米国の年来の政策の破綻を強調していた。

中国の動きを思い通りに変えるのは不可能

第2に専門家の見解はどうか。まず注目されるのは、オバマ政権の東アジア太平洋担当の国務次官補として対中政策の中心にあったカート・キャンベル氏が大手外交誌フォーリン・アフェアーズの最新号に発表した「中国はいかに米国の期待を無視したか」という題の論文である。

キャンベル氏はこの論文で次のように述べていた。

「米国の歴代政権は、中国との商業的、外交的、文化的な絆を深めれば、中国の国内発展も対外言動も良い方向へ変えられるという期待を政策の基本としてきた。だが、中国の動きを自分たちが求めるように変えるのはできないことが明らかになった」

「今後の中国への対処にあたっては、まず、これまでの米国政府の対中政策がどれほど目標達成に失敗したかを率直に認めることが重要である」

キャンベル氏といえば、対中融和姿勢が顕著だったオバマ政権で対中政策の中心部にいた人物である。そんな経歴の人物が、自分たちの推進した政策の間違いを率直に認めているのだ。

トランプ政権の主席戦略官だったスティーブ・バノン氏は、中国への強硬策を主張し、関与政策にもはっきりと反対を表明していた。そのバノン氏が、政権を離れた直後に大手の外交政策研究機関の「外交関係評議会」に招かれ、米中関係について講演をした。

同氏自身は中国に対する厳しい姿勢を非難されるつもりで講演に臨んだという。ところが講演後の質疑応答では、外交関係評議会の超党派の元官僚や専門家、学舎たちがトランプ政権が中国に対してまだ弱腰すぎると述べて、バノン氏やトランプ政権の「軟弱な対中姿勢」を一斉に非難したというのだ。この反応にはバノン氏もびっくりだったそうである。

中国のWTO加盟を支持したのがそもそもの間違い

第3に、トランプ政権の反応である。トランプ大統領は2月23日、保守系政治団体の総会で演説して次のように語った。

「中国は2000年に世界貿易機関(WTO)への加盟を認められたことで、年間5000億ドルもの対米貿易黒字を稼ぐほどの巨大な存在へと歩んでいった」

つまり、米国が中国のWTO加盟を支持したことが、そもそもの間違いだというのだ。中国のWTO加盟を支持することこそが、当時の米側の対中関与政策の核心だった。だからトランプ大統領はまさに関与政策を非難していることになる。

トランプ政権が2017年12月中旬に発表した「国家安全保障戦略」でも、対中関与政策の排除は鮮明となっていた。たとえば、以下のような記述がある。

「ここ数十年にわたり、米国の対中政策は、中国の台頭と既存の国際秩序への参画を支援すれば、中国を自由化できるという考え方に基礎を置いてきた。だが、この米国の期待とは正反対に、中国は他国の主権を侵害するという方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は標的とする国の情報をかつてない規模で取得し、悪用し、自国の汚職や国民監視を含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散しているのだ」

このように、いまや米国では、対中関与政策はもう放棄されたといってよい状態である。米国の中国に対する姿勢の根本的な変化は、日本にもさまざまな形で大きな影響を及ぼすだろう。

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『習近平「野望人事」と米中関係を読み解く 副主席、副首相、外相人事が意味することとは』(3/7日経ビジネスオンライン 福島香織)、『習近平氏はもう後戻りできない 亜細亜大・遊川和郎教授が語る全人代後の中国』(3/6日経ビジネスオンライン 菅原透)、『「思想」飛ばした李克強、何度も映る王岐山 「習近平の新時代」を映す全人代』(3/6日経ビジネスオンライン 小平和良)について

北の独裁者が米国の攻撃を避けるため、韓国特使に甘いことを言ったようですが、南北合同で米国を騙す算段でしょう。単なる時間稼ぎに使われるだけです。対話に臨むようなふりをして、核とICBMの研究を加速化するつもりです。日米は騙されてはいけません。夏までには攻撃態勢をしっかり整えておかないと。

3/5ブルームバーグ<Kim Jong Un Hosts Seoul Envoys for First Time Since Taking Power>

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-03-05/kim-jong-un-hosts-seoul-envoys-for-first-time-since-taking-power

に対してトランプはツイッターで“We will see what happens!”と発言しました。

さて、王岐山は国家副主席になるのは間違いないと思います。劉鶴の副首相は読めません。

3/5阿波羅新聞網<習近平破常規常委格局生變 王岐山編外常委加正國級?>王岐山は政治協商会議主席の汪洋を除いた常務委員(チャイナ7―1=6人)と同じ列に座ったとのこと。破格の扱いです。彼は8番目の常務委員と言われているとか。楊潔篪と王毅の上司に成るようですが、楊潔篪は江派で実務は王毅に牛耳られるため、窓際族になりそうとのこと。国家監察委のトップは王岐山ではなく趙樂際がなりそうとのことです。

http://tw.aboluowang.com/2018/0305/1079440.html

3/6中国禁闻网<两会惊人一幕:一将军向王岐山敬礼 原来是他?>

范 長龍が王岐山に敬礼する所。范 長龍は胡錦濤系でしたが。彼は、中国共産党中央政治局委員、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席。階級は上将。2017年10月の第19回党大会において党中央委員から外れ、引退が決まった。この全人代と政商会議が終われば引退とのこと。この挨拶は下りた後の処遇がどうなるか分からない(逮捕されるかどうか?)ためだろうと。

https://www.bannedbook.org/bnews/cbnews/20180306/910334.html

福島氏の記事で言うように、国際社会が習の独裁を認めるような論調になれば、中国は益々増長、世界制覇の野望を実現しようとシャカリキになります。いくら経済的な結び付きがあっても批判しなければ。彼らが直さなければ経済的封じ込めをすれば良いでしょう。ロシアと同じく経済制裁するのです。ロシアはその分緩めれば良い。

菅原氏記事で、遊川氏はやはり役人上りだから、現状肯定から入り、大きな絵が描けず、敗北主義者の印象です。出身の外務省当たりの考えが刷り込まれているのでしょう。長い目で見たら日本の国益になるとは思えず、人権についても目を瞑っているとしか思えません。

小平記事で、李克強は習にささやかな抵抗を示したと。所詮、そんな事しかできない、団派と言うエリート集団の限界でしょう。今後習にブレーキをかけるのがいなくなり、大躍進・文革の再来になるかも。反日中国人は日本に逃げて来ないように。

福島記事

劉鶴が副首相になるか注目が集まる(写真:ロイター/アフロ)

国家主席の任期制限を撤廃した習近平の憲法改正について、トランプ米大統領は「(習近平は)大したもんだ。いつか我々も(終身制を)やってみたいもんだ」と絶賛したそうだ。政権内部に厳しい対立があり、思うように指導力が発揮できないトランプにしてみれば、習近平のスピード集権はちょっとうらやましいらしい。米国の大統領は連続二期8年の制限があるし、なにより4年ごとの選挙で有権者の審判にさらされるので、米国大統領の独裁化はなかなか難しい。ちなみに、この発言はフロリダでの共和党スポンサーたちが主催する午餐会でのもので、そこにいた人たちはトランプのこの発言に拍手喝采した。その拍手後にトランプが続けて「彼(習近平)は中国百年来の最も権力のある国家主席である。私が中国を訪問したときは、彼らの対応は極めてよかった」と語ったとか。

昨年12月に発表した国家安全保障戦略で、中国とロシアを、「技術、宣伝および強制力を用い、米国の国益や価値観と対極にある世界を形成しようとする修正主義勢力」と名指しして、かなり挑発的な言葉で戦略的ライバルと位置づけた一方での、「習近平持ち上げ発言」が本音なのか、皮肉なのかは別として、日本として気になるのは、米国と中国の今後の関係である。5日に開幕した全人代(全国人民代表大会)では、政府人事が決定されるのだが、その人事案から中国の対米戦略、米中関係の行方を少し考えてみたい。

王岐山と劉鶴に注目

今回の全人代人事の注目点は、一つは王岐山が国家副主席になるかどうか。二つ目は劉鶴が副首相になるかどうか。この二つの人事は、習近平野望人事ともいえる。

王岐山人事から説明すると、党中央の職務を完全引退した王岐山を国家副主席に起用することで、いわゆる党中央の定年制と関係なく国家の要職について、権力を維持できる前例がつくれる。昨年秋の第19回党大会では、習近平の野望の一つであった「党主席制度復活」はかなわず、王岐山の政治局常務委員残留による「68歳定年制」の内規も崩すことができなかった。それどころか、王岐山の党中央職完全引退は、どれほど優秀であっても、68歳定年制内規は崩れないという、逆の証明になってしまった。

そういう意味では第19回党大会は、決して習近平の「完全勝利」ではなかった。この党大会で妥協を余儀なくされた部分について、全人代において習近平野望憲法と習近平野望人事を実現させて巻き返しを図ろうというところだろう。王岐山が党中央職を完全引退した上で国家副主席職につき、しかも権力、影響力を発揮できれば、習近平が総書記任期を68歳で引退したあとも、少なくとも国家主席職を継続でき、しかも終身国家主席でいることも可能となる。

ただ、国家主席職も国家副主席職も、本来はけっして強い権限をもつ職位ではない。どちらかというと主に外交任務を負う名誉職的な役割であり、国家主席が強い権限を持つようになったのは中央軍事委員会副主席であった楊尚昆が国家主席を兼務し、天安門事件において国家主席名で戒厳令を発令して以降である。国家主席が強い権限を持っていたのではなく、鄧小平の信頼を得ていた軍の実力者が国家主席職に就いたので、国家主席権限が強くなったのである。

天安門事件後、鄧小平は強い権限をもつようになった国家主席職と総書記職が対立することによる党内分裂のリスクを避けるために、江沢民に総書記職と国家主席職、そして実際に最も強い権力を有する中央軍事委員会主席を兼務させる形をとった。国家副主席も同様で、1993年から98年まで国家副主席となった栄毅仁は政治局常務委員どころか非党員の実業家である。

つまり国家主席も国家副主席もその職位自体に権限があるというよりは、誰がなるかで権限が強くなる可能性がある。王岐山の実績、実力を考えると、国家副主席職に就けば、強い権限をもつかもしれないと予測されている。

序列8位の政治局常務委員

全人代開幕前に行われた予備会で、王岐山の席順は現役政治局常務委員と同じ列であり、メディアの報じ方もすでに政治局常務委員に準じた「序列8位の政治局常務委員」扱いであった。

目下の香港メディアが報じているところによれば、王岐山国家副主席起用の最大の目的は対米外交だと見られている。王岐山が1997年のアジア金融危機と2007年のリーマンショックの被害を最小限に抑え込んだ非常に優秀な金融・経済官僚であることは周知の事実だが、特に米国の金融・財界からの評価が高い。リーマンショック当時の米中戦略経済対話でのカウンターパートであったポールソン(当時財務長官)はじめ、米金融・財界人とは現在もしばしば面会し、トランプ政権の趨勢・動向についての意見交換、情報収集にすでに奔走しているとか。

ロイターなどによれば、2月14日は王岐山と駐中国米大使テリー・ブランスタッドが米大使館内で密会していたことが確認されている。習近平の経済ブレーンの劉鶴も同席していたという。ブランスタッドは習近平と親交が厚いことで知られている親中派。ブランスタッドがアイオワ州知事時代、習近平がまだ河北省正定県書記の駆け出し時代に河北省畜産業代表団を率いてアイオワを訪問した時に意気投合し、以降も友人付き合いが続いているとか。

トランプ政権がブランスタッドを駐中国大使に派遣したのは、対中強硬姿勢を打ち出しながらも、習近平への配慮を忘れていない、というサインだといわれており、習近平サイドも、ブランスタッドを通じてトランプへの直接メッセージを送っている。米大使館における王岐山、劉鶴との密会は、米中貿易不均衡問題が主要テーマであるといわれているが、ブランスタッドが昨年9月以来計3回、中国の招待で中朝国境を視察していたことと考え併せると、米中貿易不均衡問題と中朝貿易、北朝鮮核問題もセットで交渉するということだろう。

王岐山と並んで、劉鶴の人事も注目されている。

習近平が経済ブレーンとして頼りにする劉鶴を副首相にしたいのは、一つは首相の李克強から経済政策の主導権を完全に奪うつもりだからだといわれている。すでに経済政策の主導権は習近平が奪っているものの、国務院の経済官僚たちにとっては上司は依然、李克強である。習近平は自分が主導する過去5年の経済政策の失敗は、国務院官僚たちのサボタージュや抵抗によるものと考えているフシがあり、経済通の劉鶴を使って国務院の主導権を奪いたい考えだろう。

筆頭副首相に就くと見られている韓正も、その他副首相説が流れている孫春蘭も胡春華も、経済にはさほど明るくないが、劉鶴はハーバード大学留学経験があり、かつてはゼーリック(当時世銀総裁)とともに世銀リポート「中国2030」をまとめて、注目を浴びた実力派経済官僚で、副首相になればその存在感は李克強を食ってしまうことになる。

「中国2030」を読めば、劉鶴の本来の路線は李克強に近い新自由主義傾向と思われるが、習近平の経済ブレーンとなってからは国家資本主義、新権威主義を肯定する方向に転じた。ロイターなどは、人民銀行総裁候補だと報じており、副首相との兼任説も出ている。となると、金融政策も習近平の代理人である劉鶴が操縦桿を握る。ちなみに、現人民銀行総裁で間もなく引退する周小川はもともと上海閥であり、ときおり、微妙に習近平路線に不満をにじませた発言もしていた。

対米外交のキーマンは

だが、もう一つの劉鶴の副首相起用の狙いは、やはり対米外交といえる。劉鶴は流暢な英語と洗練されたたたずまいで、米国官僚から受けがよい。2月27日から3月3日までの全人代開幕前夜までの訪米で、ムニューシン財務長官、コーンNEC委員長、ライトハイザー通商代表と会談したのも、副首相、あるいは人民銀行総裁候補とささやかれる劉鶴こそが通商問題のカウンターパートであるという印象を与えるためだろう。

対米外交のキーマンとされるもう一人は、外交担当の国務委員の楊潔篪である。第19回党大会で政治局委員となり、今度の全人代では外交担当の副首相となる可能性もある。もし楊潔篪が副首相になれば、98年以来の副首相4人体制から5人に変わるか、もしくは今副首相職候補にあがっている劉鶴、孫春蘭、胡春華のうちの誰かが副首相になれない、ということもある。

習近平が楊潔篪を重く見ているのは、国務長官のティラーソン、クシュナー・イヴァンカ夫妻との関係がいいからだ。ティラーソン自身、CNNのインタビューで「楊潔篪とは非常に親密な関係だ」と話し、楊潔篪に伝えたことは楊潔篪自身が直接、習近平に伝えられることを強調している。

楊潔篪は平昌五輪開会式の背後で、ホワイトハウスを訪問、ティラーソン、トランプ、マクマスター(安保担当補佐官)、クシュナーらと会談しているほか、ティラーソンとは頻繁に電話でやりとりしているようだ。目下は米国の対北朝鮮姿勢を探りつつ、トランプ政権の対中融和策を引き出すのが主な任務のようだ。

さらに王毅の外相続投および国務委員(外交担当)兼務説も、対米外交重視人事だという見方がある。王毅自身は米国政財界にもトランプ政権にも強いパイプがあるわけではないが、日本に対しては相当強い人脈を握っている。安倍晋三とトランプの個人的関係が相当よく、安倍の発言がトランプの外交政策に影響力を持つ可能性もあるとみて、習近平政権も、従来の日本を挑発することで日米離反を画策するやり方から、日本を懐柔するやり方に変えていく必要性も認識しはじめているということか。

王毅の外相職の後継者として、中央対外連絡部長の宋濤が就くのではないかという説もある。その外交実力はまだ不明だが、王岐山、劉鶴、楊潔篪、王毅、宋濤の中で、一番習近平に従順であるといえるのは宋濤だ。つまり完全なお友達人事といえる。主に北朝鮮労働党との交流を中心とした社会主義国との思想交流を担うのだが、逆に言えば、習近平の対北朝鮮パイプは目下、宋濤に頼るしかない状況ともいえる。

「米中新冷戦時代」突入の予感

こうした外交トップメンバーはおよそ習近平に直接指示を仰ぎ、直接報告することができるという意味で、対米外交の操縦桿を習近平が握る布陣ではある。習近平政権がかくも対トランプ政権重視で外交を考えている背景には、喫緊の問題として北朝鮮の核問題がある。が、その後に明らかに米中新冷戦時代への突入の予感があることが大きい。

それはトランプ政権の国家安全保障戦略をみても、またマティス、マクマスター、ケリーといった軍人出身官僚たちを頼りにする政権の性格からみても想像できよう。中国サイドのトランプ政権分析は、軍人出身官僚とティラーソンやムニューシンら国務省、財務省官僚の間では対中姿勢に温度差があり、またクシュナー夫妻の影響力も強い。その一方で、トランプ自身の対中観には未だ定見がないようで、むしろビジネスマンらしく目前のコストやリスク、利害を見極めて態度を頻繁に変える「ディール」ができる人物と見ている。

だからこそ、北朝鮮問題と貿易問題、人民元、その他、南シナ海や東シナ海、インド洋などの安全保障問題を同じテーブルに並べて交渉していく必要があり、対米外交、対米安全保障、対米通商の全部の操縦桿を習近平自身が握りたい、ということだろう。トランプはしばしば習近平個人に対しては歯の浮くような礼賛を送っており、習近平自身はトランプと対等に渡り合えるとの自信をもっているのかもしれない。

当面は王岐山、劉鶴、楊潔篪らの財界・金融界、国務省、財務省ルートを通じて、北朝鮮マターを材料にトランプの対中強硬姿勢を抑えつつ、同時にトランプ政権とうまく渡り合えることを見せつけることで国内での習近平独裁体制固めを加速させていきたい、というところだろう。そう考えると、トランプの冗談とも本気ともとれない、習近平“終身主席”を歓迎するような発言は、習近平にとっては大いに利用価値があるのである。

ただ、トランプは習近平に対してさも友好的な軽口を発している一方で、中国に対して警戒感、敵対姿勢を強めている。それは、国連の対北制裁決議に反して、北朝鮮の船が洋上で中国海運企業の船などと燃料などの積み荷を移し替える「瀬どり」行為が年末から次々と暴かれている中、トランプ政権が中国・香港企業を5社含む27社に対して米国との取引を禁止する措置をとったことや、FBIが一部の孔子学院に対しスパイ容疑で捜査に乗り出したことなどからも、うかがえる。「北朝鮮瀬どり容疑」の中国系5社と習近平政権との関係性は不明ながら、この5社を含む33船舶の入港禁止を国連加盟国に求める制裁リストを米国が提出しようとすることに、中国側は激しく抵抗している。米中は、北朝鮮問題と貿易問題で対等に駆け引きし、ひょっとすると北朝鮮問題については共闘関係を築き、米中融和を演出する場面もあるやもしれないが、それは次の米中対立の先鋭化ステージに移るまでの短時間のものだと私は見ている。

絶対権力は絶対腐敗する

ところで日本で、習近平独裁化が中国にとってはよいことだ、中国の強いリーダーは歓迎だ、と肯定している人がいるのは、非常に残念に思う。安倍政権の独裁化が問題、と目くじらを立てる人ほど、習近平独裁に対しては肯定的であったりするから驚くのである。中には中国大衆は強いリーダーを支持している、という人もいる。ひょっとするとトランプの軽口に同調しているのかもしれない。

だが今、中国で起きている現象は、反腐敗キャンペーンや改革の建前を使っての権力闘争であり、粛清である。これまで中国が歩んできた改革開放とそれに伴う自由化、市場化への流れに逆行するものであり、政治と経済のシステムの後退である。ほとんどの大衆は習近平を支持しているのではなく、その臆病な国民性から強い者に無批判でなびくだけだ。

経済力やツテをもつ中国人は一斉に移民を検討しはじめ、知識層の多くが内心の不満を隠している。例年に比べて異様に会期の長い今年の全人代は、党内政府内でも習近平のやり方に不満を持つ抵抗勢力が多いことの証左でもある。権力は腐敗するが、絶対権力は絶対腐敗する、というのは英国の歴史家ジョン・アクトンの名言だが、独裁権力による反腐敗社会や善政の実現などありえないのだ。

だから良識ある人や社会は冗談でも、独裁を肯定すべきではない。習近平独裁の野望は時代の方向性に合っておらずどこかで必ず挫折すると私は思うが、国際社会が習近平独裁を歓迎、あるいは肯定すれば、その野望が成就する可能性は高まるのである。それが、日本にとってどんなに脅威であるかを、今一度改めて考えてみた方がいい。

菅原記事

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。例年より長い16日間の会期中に政府人事を決めるほか、憲法改正案も採択する見通し。注目は2期10年までとしてきた国家主席の任期規定を撤廃する憲法改正だ。

独裁者、毛沢東氏による文化大革命の反省に立ち、鄧小平氏が設けたのが任期規定だ。68歳を超えたら幹部は退任するという慣習や、国家主席の任期が切れる5年前に次期最高指導者を明示する仕組みも取り入れ、独裁者の暴走を防いできた。

そうした「知恵」をないがしろにするかのような今回の任期規定の撤廃。全人代では習近平氏の盟友であり、反腐敗運動の陣頭指揮をとった王岐山氏も「定年」の慣習を破って国家副主席などの要職に就くとの見方がある。

今回の全人代で習氏の「終身主席」への道を開いた後、中国はどうなっていくのか。日本はそんな中国とどう向き合うべきか。中国の政治・経済動向に詳しい、亜細亜大学アジア研究所の遊川和郎教授に聞いた。

3月5日に開幕した全人代では、中国の将来を大きく作用する憲法改正が採択される見通しだ(写真=ロイター/アフロ)

遊川 和郎(ゆかわ・かずお)氏 亜細亜大学アジア研究所教授 東京外国語大学中国語学科卒、1981年9月から83年3月まで上海復旦大学留学。91年10月から94年3月まで、外務省専門調査員として在香港日本国総領事部調査部に所属。改革開放の先進地であった中国南部の経済発展の動向や、香港財閥系企業と中国企業のかかわりなどを研究。日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、北京の在中国日本国大使館経済部専門調査委員、北海道大学准教授、同大学大学院教授などを経て現職。著書に「中国を知る」(日本経済新聞出版社)、「香港−返還20年の相克−」(同)など

—今年の全国人民代表大会では国家主席の任期規定の撤廃が正式に決まる予定です。

遊川和郎教授(以下、遊川):習近平氏による「終身独裁」を許していいのか、というのが今の大方の見方でしょう。それは確かに良いことではない。でも、そうせざるを得ない現状も中国にはあるのです。

—長期政権にならざるをえない理由があると。

遊川:2012年秋に中国共産党トップである総書記に就き、翌年春の全人代で国家主席に選出された習氏は反腐敗運動を強力に進め、権力基盤を一気に固めてきました。政敵を次々に撃ち落とす、過酷な政治闘争をやってきた以上、もう権力を手放すことは絶対にできません。退任した後の韓国の大統領を見ても分かるように、習氏も平和な引退生活なんてできません。生きるか死ぬかの権力闘争です。おそらく、習氏もそれを覚悟の上で中国の最高指導者になったんだと思います。もう後戻りはできません。

「創業家を守る」

—そこまでして習氏がやりたいこととは。

遊川:共産党政権の存続です。今年は中国が改革開放政策を取り入れてから40周年ですが、この40年の間に中国は確かに目覚ましい経済成長を遂げた。しかし、その裏側では貧富の格差が広がり、党内に腐敗が蔓延した。このままでは共産党の存続が危うい。習氏はそう危機感を募らせた。彼は「世直し」をしてもう一度共産党政権存続の基盤を再構築することが自分の一番の使命だと考えています。

習氏の父親である習仲勲氏は毛沢東氏らと1949年に共産党政権を樹立したメンバーの一人です。つまり、習近平氏は今の中国を作り上げた「創業家一族」。創業家を守る、という強い覚悟の下で、党総書記と国家主席のポストに就いた。

一党支配体制には欠点があります。正しいことをきちんとやろうとすれば、民主主義のような合意形成のコストをかける必要もなく、目標を達成するまでのスピードも速い。しかし、方向を修正しようとすると、なかなかできないのです。一党独裁は変えないにしても、一種の擬似政権交代を起こさないと誤りを正すことはできません。

その意味で、改革開放を進めた鄧小平氏は、文化大革命の混乱に陥れた毛沢東氏の「極左」の誤りを修正するための擬似政権交代を起こした。そして、習氏は鄧小平時代に始まった改革開放の中で生じた誤りを修正する擬似政権交代を進めようとしているのです。

習近平氏は擬似政権交代を起こしている(写真=AP/アフロ)

—創業家を守る、という強い覚悟をもって。

遊川:そうです。皇帝になることが目標でやっているわけじゃない。

ただし、先述のように死ぬまで 権力を握り続けないといけません。そのためにどうするか。一つは自分に絶対忠実な部下を選び、院政を敷く。もう一つは自分が今の地位にとどまり続ける。習近平氏は今の時点で、二つ目の方を選択したのでしょう。

信頼できる部下はいます。昨秋の党大会では側近をどんどん引き上げた。最高指導部を形成する7人の政治局常務委員だけでなく、次期指導部入りの候補者になり得る25人の政治局委員にもかつての部下を大量に送り込んだ。しかも、中央委員という要職を飛び越えて、いわば、「ヒラ」の党員から政治局委員に2回級特進させた例もある。これまででは考えられない人事です。

でも、これらの人たちは「促成栽培」です。誰もが納得できるような実績に乏しい。2期10年というこれまでの任期に従えば、習氏の退任は22年です。それまでに後を任せられるリーダーに育つかといえば、不確実性が高い。だから、習氏は憲法を改正し、任期規定を撤廃し、5年後も自分でやる道を切り開いた。

—強引とも思えるやり方に、党内で反発する声も出るのではないでしょうか。

遊川:習氏の独裁がより強化され、政権基盤は盤石になるとの見方もあります。でも、みんながこれで良いと思っているかといえば、もちろん、そうではありません。反腐敗運動で地位を追われた人たちや、既得権益を奪わられた人たちに加え、いわゆる良識派の中にも「ちょっとやりすぎじゃないか」と思っている人たちはいるでしょう。

ただ、今の状況の中では正面からの異議申立てはできない。となると、どういうことが起きるか。消極的な抵抗、面従腹背でなかなか動かない、サボタージュが起きる。

あるいは、政敵は政権の弱いところ、脆弱性を突くことを考える。例えば、株価の暴落など経済ショックも指導部に打撃を与えるために企てられるといった陰謀説がまことしやかに語られる。

また習氏は寝首を掻かれないよう常に警戒していなければならない。外部からは何が起きているのか窺い知れませんが、体制内部は常に極度の緊張状態でしょう。

—習氏を支えるのは、やはり、革命世代に連なる人たちですか。

遊川:彼らが今も習近平氏をどこまで支持しているのかは分かりません。党の存続が前提であることは分かっていても、既得権益を奪われたり反腐敗で摘発された人たちもいるし、ここまでやる必要があるのか、と思っている人たちもいるでしょう。

だから、習氏は民衆の支持も必要です。貧困の撲滅や環境対策など実績を示そうとするのもそのためです。確かに、習近平政権で格差に対する不満は緩和されたように見えます。5〜10年前の一般的な見方は格差はどんどん広がり、中国はいずれ行き詰まるというものではなかったでしょうか。今も格差問題は解決したわけではありません。ただ、今の庶民の不満は、金銭的な格差そのものというよりも、生活上の不便さに代表される社会制度の問題点に起因している。

胡錦濤総書記・温家宝首相の前指導部では最低賃金をどんどん引き上げたり、農業税を撤廃したり、と「弱者に優しい政策」をとってきた。ただ、党・政府をはじめ権益集団が好き放題にやってきたので弱者対策は焼け石に水すぎなかった。習近平政権がやっていることは「強者に厳しい政策」です。(違法所得などがなくなることで)青天井の所得が抑えられ、結果的に格差への不満は改善された。ただ、長期政権は常に求心力を維持するための政策を打ち出していかなければならない。

バチカンが握る台湾統一

—今後、習近平政権が求心力を高めるために取る方策は何でしょうか。

遊川:大きく2つあります。一つは国際社会におけるリーダーの地位を得ること。これは共産党政権の正統性をアピールする最大の材料でしょう。昨秋の党大会で2035年、2050年をその達成目標としたわけです。(広域経済圏構想である)一帯一路の推進もこの文脈で考えるべきでしょう。

もう一つは台湾統一です。習氏がこれをできれば、香港返還に道筋をつけた鄧小平氏を超える存在となり、最高の権威づけになります。逆に台湾が独立宣言でもしようものなら、メンツ丸つぶれで習近平体制に対する攻撃材料になります。

中国としては、経済面から台湾の現政権に圧力かけるとともに、台湾を国家として承認している国を世界中でなくすれば外堀を埋めることになります。昨年にはパナマが台湾と断交しました。今、台湾を承認している20カ国のうち、一番、影響力が大きいのがバチカン(ローマ法王庁)。バチカンと中国は信仰の自由を巡る対立から1951年に国交を絶っていますが、バチカンのフランシスコ法王はアジアでの信者獲得をにらみ、中国との関係改善に前向きな姿勢を見せています。もし、バチカンが中国と国交を回復すれば、キリスト教国が多い、ほかの台湾承認国も中国になびくかもしれません。

—「習一強」時代の日中関係についてはどう見ますか。

遊川:日中関係は中・長期的に不安定化せざるを得ないでしょうね。

長期政権になれば、外交的には一貫した戦略に則って進めやすくなります。今の中国外交の大きなテーマはいかにアメリカと折り合うか。先ほど、述べたように、中国の最終目標はアメリカを抜いて世界ナンバーワンになることです。理想は、日本がアメリカから離れて、中国の側についてくれるのが一番、良い。  でも、日本は中国を安全保障上の大きな脅威と捉え、安倍政権は日米同盟の強化でこれと対峙しようとしている。中国からすれば、そんな日本と仲良くすることは考えられないのです。

—日中関係は足元では改善しているようにも見えますが。

遊川:それは、今、中国が直面している外交問題(関係悪化)が、対インド、対オーストラリア、そして朝鮮半島だからです。今はわざわざ日本と関係を悪化させるのも得策じゃない。喧嘩をするタイミングではない、と考えているだけです。

—日本企業はそうした中国とどう向き合うべきでしょう。

遊川:中国企業をパートナーとして引き込むことではないでしょうか。中国は「世界の工場」から「世界の市場」に変貌を遂げました。中国に進出すれば、稼げる時代ではもうありません。日本にいながらでも、中国のお金を取り込むことはできます。インバウンドがそうでしょう。中国というアウェーに飛び込まなくても、日本というホームで戦うことはいくらでもできるのです。

小平記事

全人代の冒頭で李克強首相が政府活動報告を行ったが……(写真:新華社/アフロ)

「中国共産党第19回全国代表大会で、習近平(シー・ジンピン)『新時代の中国の特色ある社会主義』の歴史的地位が確立した」

中国の全国人民代表大会(全人代)が3月5日、開幕した。開幕直後には例年と同様、李克強(リー・クォーチャン)首相が政府活動報告を行い、過去5年の活動の振り返りと今年の政策の方向性、政府の施策について演説した。

演説が始まってから数分後、過去5年の活動の回顧が始まったばかりのところで、李首相は冒頭のように発言した。「社会主義」の後に続くはずの「思想」の2文字を李首相は発しなかったのだ。

今回の全人代で大きな話題となっているのが、憲法の改正案である。李首相の政府活動報告の直後には、憲法改正案の説明もなされた。直近では、2期以上連続して就いてはいけないとされていた国家主席の任期制限を撤廃する点に注目が集まっている。加えて、毛沢東思想や鄧小平理論と並んで習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想も憲法に盛り込まれる。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想は毛沢東思想や鄧小平理論と並んで憲法に盛り込まれることからも分かるように、これで1つの言葉だ。会場で配布された政府活動報告の原稿にも「思想」の2文字はしっかりと書かれている。

習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想は、政府活動報告の中でその後も数回登場し、李首相は冒頭以外では「思想」という言葉をきちんと発している。冒頭で「思想」を発しなかったのは、単なる読み飛ばしの可能性がもちろんある。

ただ重要な「思想」の2文字を飛ばしたのは事実である。習近平国家主席の権威が高まるにつれ、序列2位である李首相の存在感は低下してきた。革命元老の子弟である太子党の習国家主席とエリート集団の共産主義青年団(共青団)出身の李首相は同世代で、トップの座を争ったライバルだ。全人代の直前には、李首相の側近である楊晶・国務委員が重大な規律違反で解任されたばかりだ。

ここから先は推測に過ぎないが、習氏が憲法改正により終身の国家主席となる可能性が出てきたことに加え、毛沢東と並んで自らの名を冠した「思想」を憲法に入れようとしていることに対し、李首相がささやかな抵抗を試みたようにも見える。

3月5日に開幕した中国の全人代。今年は政府活動報告に続き憲法改正案の説明もあった

李首相の「思想」飛ばしの真意は分からないが、今年の全人代は例年と異なる部分が多いのは確かだろう。

政府活動報告の後に憲法改正案の説明があったこともその1つ。また既に報じられているように、今年は会期が1週間ほど長く、20日に閉幕する。政府活動報告と合わせ、憲法改正も審議する必要があるためだ。

現最高指導部メンバーの後に映し出された王岐山氏

さらに昨年秋の共産党大会で党の最高指導部である政治局常務委員から外れた王岐山氏が、現在の最高指導部メンバーに続いて何度もスクリーンに映し出された。

習国家主席の盟友とも言われる王氏は、昨秋の党大会前には党の内規である年齢制限を超えて常務委員を続投するともささやかれていた。結局、常務委員からは退いたものの、その後、湖南省の全人代代表に選出された。常務委員経験者がその後、代表に選出されるのは異例だ。

全人代では、新旧の党最高指導部メンバーが時折、一人ずつアップで映し出される。習国家主席から始まり、まずこれまでの5年間を率いてきた以前の最高指導部メンバーが映り、その後、新メンバーの顔が映し出される。王氏は新メンバーで最も序列が低い韓正氏の後に映し出されていた。

党の政治局常務委員ではないものの、現在の最高指導部と同様の位置付けであり、引き続き国の要職に就くことは確実なように見えた。

全人代の初日の光景は、中国の今後の体制がこれまでとは一線を画す「習近平の新時代」が到来したことを告げているようにも見えた。李首相は政府活動報告の中で「われわれはあくまでも平和的発展の道を歩み、新型国際関係の構築を促していく」と述べた。世界への関与をさらに強めようとしている中国を、表面的な理解で恐れるだけでなく、より深く知る努力が求められそうだ。

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『米ロの戦いがシリアで再燃、最悪シナリオは「中東大戦争勃発」』(3/5ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)、『プーチン、【米フロリダ州を核攻撃する】ビデオを公開』(3/6北野幸伯メルマガ)について

米露とも世界大戦略を描き切れていないというか、両者とも真の敵を見誤っています。北野氏が言うように真の敵は中国です。昨日本ブログで紹介しました米国の「新国防戦略」は敵国として明確に中国の方に比重を置いていました。ロシアのミサイル防衛無力化の映像を見て、軍事的にロシア対策に走らなければ良いのですが。米露は外交的に話し合い、中国を両国の敵国として扱うのが理想です。「一帯一路」(含む北極海航路)で世界制覇を狙い、国民監視する自由の敵です。

米国では、このところ通商問題でナヴァロが復活してきました。何時も言っていますように、中国の軍拡と賄賂の原資は米国からの貿易の富です。今回の鉄鋼・アルミだけでなく他の物品も米国市場で稼がないようにしないと敵に塩を送ることになります。中国だけを標的にできない所が痛いですが。何せ中国の国防費は今年の予算で8.1%増の約18兆円とのこと。これは表の数字で、出て来ない分があり倍の36兆円ぐらいが実態では。日本の5兆円レベルでは対抗できません。日本人はもっと真剣に国防を考え、自衛隊を軍にし、同盟国を増やして対抗しなければ。

中国は日米韓の離間策を採ってきているのにどうして米国は中露の離間策を採らないのか不思議です。馬渕睦夫氏に聞けば「ユダヤ国際金融資本が米露を結び付けたくないから」と答えるかもしれませんが。

シリアではクルド人を米国が応援してISと対抗させて来ました。それにトルコが国内のクルド人の独立を活発化させるという事で反発。トルコはロシアに近づいて行きました。トルコのNATO脱退は米軍基地があるために、ないと思います。それでなければ、2015年11月にロシア軍機を撃墜出来なかったでしょうから。そうはいうものの、今はロシアのS-400防空ミサイルシステムを導入するかもしれないと言う所まで来ています。欧米がイスラム国家(でも世俗国家である)であるトルコを尊重しないためでしょう。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11502

中東の問題として、イスラエルのネタニヤフ首相の収賄問題が浮上してきました。トランプの米国大使館をエルサレムに5月移転と関係があるのでしょうか?ユダヤ左派がユダヤ右派を追い落としにかかっているのでしょうか?サウジVSイランもレバノンやイエメンで代理戦争しています。直接対決になる可能性もあります。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111000770&g=int

ケント・ギルバート、 石平著『日本人だけがなぜ日本の凄さに気づかないのか』の中には、米軍の北の攻撃はあるとすれば、在韓米軍の家族が夏休みで帰る8月末まででは(P.224~225)とありました(実は昨年の夏のことと思われます)。中間選挙対策としてもその頃の方が良いのでは。

ダイヤモンドオンライン記事

昨年末、シリア内戦でプーチンが事実上の「勝利宣言」をした。プーチンは中東の覇権を米国から奪ったように見えたが、ここにきて米国が反撃に転じるなど、情勢は混沌としてきた。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

ロシア人傭兵を米軍が殺害 混沌としてきたシリア情勢

シリアのアサド大統領を守りきったプーチンは、昨年末に「勝利宣言」をし、米国に代わって「中東の覇者」になったかに見えた。しかし、あれからたった2ヵ月で、状況は再び混沌としてきた 写真:代表撮影/AP/AFLO

 2011年から内戦が続くシリア。ロシア・イランが支援する「アサド大統領派」と、欧米・サウジアラビア・トルコなどが支援する「反アサド派」、そして「イスラム国」(IS)が、三つ巴の死闘を繰り広げていた。

 ロシアは15年9月、シリア空爆を開始。「反アサド派」と「IS」を容赦なく攻撃することで、大いにアサドを助けた。結果、アサドは、ほぼ全土を掌握するまでに勢力を回復。17年12月11日、プーチンは、事実上の「勝利宣言」をし、ロシア軍に撤退を命じた。

 アサドは生き残り、プーチンは中東の覇権を米国から奪ったように見えた。しかし、ここに来て、米国が反撃に転じている。

 先日、シリアにおける米ロ関係について、ショッキングなニュースが飛び込んできた。米軍の空爆で、ロシアの傭兵80~100人が死んだというのだ(ブルームバーグ2月20日付は、「200人強死亡」と報じた)。

 毎日新聞2月19日付を引用してみよう。(太線筆者、以下同じ)

<<シリア>米主導空爆で「ロシア雇い兵300人死傷」報道 毎日新聞 2/19(月) 10:37配信 【モスクワ杉尾直哉】シリア東部デリゾール県クルシャムで今月7日、米軍主導の有志国連合がアサド政権を支援する武装勢力を空爆した事件で、ロシアの民間軍事会社の雇い兵300人が死傷していたとロイター通信が報じた。死者は80人から100人に達したという。>

 これだけでは、意味が分からない。何が起こったのか、もう少し詳しく見てみよう。

 <米国防総省は7日の空爆は、米国が支援するクルド人主体の武装勢力「シリア民主軍」(SDF)がアサド政権側の武装勢力に攻撃され反撃したと説明した。>(同上)

 米国が支援する「シリア民主軍」(SDF)が、アサド政府軍に攻撃された。それで、米軍がアサド政府軍に反撃したところ、そこにロシア人傭兵がいたというのだ。米国防総省は、「ロシア人がいることは知らなかった」としている。

沈黙を続けるプーチン ロシア人の死に怒らない理由とは?

 SDFに関する説明も、少し必要だろう。SDFは15年、クルド人民防衛隊を主体に結成された。他の「反体制派」の目標は「アサド政権打倒」だが、SDFは「ISに勝つこと」を最優先課題に掲げている。SDFは17年11月、ISが「首都」としていたラッカを制圧した。これで、シリアのIS勢力は、ほぼ消滅。現在、アサド現政権とSDFが二大勢力になっている。とはいえ、アサドが圧倒的に優勢だ。

 この事件について、ロシア政府の反応は鈍い。テレビニュースでは、ほとんど報道されておらず、プーチンも沈黙している。また、奇妙なのはロシア人死者数の食い違いだ。

<露外務省のザハロワ情報局長は同日の記者会見で「5人のロシア人が死亡した可能性がある」と述べ、ロシア人雇い兵が現場にいたことを事実上認めたが、多数の死者発生は否定した。>(同上)

 欧米メディアは「100人(あるいは200人)死んだ」と報道。しかし、ロシアは「5人死んだかもしれない」という。この異様な違いは何だろうか?

<プーチン政権は空爆でアサド政権を支援してきたが地上攻撃部隊は派遣せず、雇い兵など非正規部隊の投入も一切否定してきた。>(同上)

 どうやらこれが答えらしい。ロシア政府は、「傭兵など非正規部隊を含め、地上部隊は派遣していない」と公言していた。しかし、実際に傭兵(地上部隊)はいて、殺されている。となると、プーチン政権が「ウソをついていた」ことが、ロシア国民や世界に知られることになる。

 つまり、ロシア政府は、「怒るに怒れない」状態になっているのだ。

オバマの顔に泥を塗ったプーチン シリアでの熾烈な代理戦争

 一方の米国の側は、どうなのだろう?今回の事件は、「米軍が、ロシア人傭兵の存在を知らずに空爆してしまった事故」なのだろうか。

 その可能性も否定はできない。しかし常識的に考えれば、米軍や米諜報機関が「ロシア人傭兵の存在を知らない」というのは、あり得ない気がする。そして「全体の流れ」を眺めると、もっと「大きな絵」が見えてくる。ここ数年の動きを振り返ってみよう。

 まず10年、「アラブの春」現象が起こった。「中東民主化運動」が盛り上がり、独裁政権が次々と倒れていった。

 シリアでは11年、内戦が勃発した。ロシアとイランは、アサド現政権を支援。アサドは「反欧米」なので、欧米は「反アサド派」を支援した。さらに、サウジアラビアやトルコなども「反アサド派」に加勢した。

 つまり、シリア国内での「アサド派」vs「反アサド派」の戦いというだけでなく、バックについた「ロシア」vs「欧米」という、いわゆる代理戦争の様相も呈していたのだ。

 ロシアとイランに支えられたアサドは、なかなか倒れない。業を煮やしたオバマは13年8月、「シリア(=アサド)を攻撃する」と宣言した。口実は、「アサド軍が化学兵器を使ったから」。しかし、13年9月、オバマは戦争を「ドタキャン」して世界を仰天させた。

 日本ではあまり知られていないが、「アサド軍が化学兵器を使った」というオバマの言い分が「大ウソだ」、ということをプーチンが暴露したのだ。

<プーチン大統領はまた、反体制派が化学兵器を使ったことを指し示す証拠があるとし、「われわれは化学兵器を持った反体制派がトルコ領内で拘束されていることを知っている」と述べた。>(ウォール・ストリート・ジャーナル2013年6月19日)

 これはプーチンによる「ねつ造」ではない。当時、国連調査委員会も「アサド軍ではなく、反アサド派がサリンガスを使用した」との調査結果を出している。

 こうしてオバマは、アサド攻撃を中止した。しかし、世界に向けて「オバマはウソつき」という情報を拡散したプーチンを憎悪したに違いない。

米国はウクライナ革命でプーチンに復讐した

 オバマの憎悪は、プーチンのお膝元に向かった。

 オバマがシリア攻撃をドタキャンした2ヵ月後の13年11月、ロシアの隣国ウクライナで、親ロシアで知られるヤヌコビッチ大統領に抵抗する「反ヤヌコビッチデモ」が起こった。このデモは長期化・大規模化し、14年2月には革命に発展。失脚したヤヌコビッチはロシアに亡命し、代わりに親欧米・反ロシア新政権が誕生した。

 14年3月、ロシアはクリミアを併合。そして、ウクライナ内戦が勃発した。欧米はウクライナ新政権を、ロシアは東部の「親ロシア派」を支援。この内戦もシリア同様、欧米vsロシアの代理戦争と化したのだ。ロシアでは当初から、ウクライナ革命は米国のしわざだと信じられていた。そしてその後、オバマも「米国が介入した」ことを認めている。

 こうして米ロの代理戦争がウクライナに舞台を移している間に、シリア情勢はますます泥沼化していった。それまでは、「アサド派」と「反アサド派」の戦いだったのだが、この「反アサド派」から「IS」が独立し、急速に勢力圏を拡大していったのだ。

 ISは残虐行為を繰り返し、欧米でテロをした。放置できなくなった米国は14年8月、IS空爆を開始したが、米軍と有志連合の空爆には「迷い」があった。

 ISは、残虐な敵ではあるが、一方で「反アサド」でもある。つまり、ISは米国にとって「敵」であると同時に「味方」でもあるという、複雑な立ち位置の存在だったのだ。結果、米軍の空爆は気合が入らず、ISが衰えることはなかった。

 この拘泥状態を打ち破ったのはプーチンだった。15年9月、ロシアがIS空爆に加わったのだ。ロシアの目的は「同盟者アサドをISから守ること」。米国のような迷いがないため、ISの資金源となっている石油関連施設を遠慮なく空爆した。結果、ISは急速に衰えていった。

プーチンの中東覇権は一瞬だった 中東に再び関心を持つトランプ

 アサドはその後、「反体制派」のほとんどを駆逐し、生き残ることに成功。そして、17年12月11日、プーチンは「勝利宣言」した。ロシア軍が駐留するシリア西部のヘメイミーム空軍基地を電撃訪問したプーチンは言う。

 「シリア軍と共に国際テロ組織を粉砕することができた。シリア国家の主権と独立を守ることができた」 

 ロシアが、米国に代わって「中東の覇者」になった瞬間だった。この状況の変化を受け、イスラエル、サウジアラビア、トルコ、エジプトなど、伝統的な親米諸国が、急速にロシアに接近している。

 しかし勝利宣言からわずか2ヵ月しか経っていない今、プーチンは一時も安心できない状況になっている。米国が中東に戻ってきたからだ。

 そもそも、プーチンが中東の覇者になれたのは、彼の戦術が優れていたことはもちろんだが、それ以上に「米国が中東への関心を失っていった」ことが大きかった。

 米国は長年、中東を最重要視してきた。この地域に「石油」があるからだ。しかし、オバマが09年大統領に就任した後、「シェール革命」が起こり、状況は劇的に変化していった。この革命のおかげで米国は、いまやサウジアラビア、ロシアに並ぶ石油大国になっている。天然ガス生産でも、ロシアとトップを争っている。

 石油資源を必要としなくなったオバマは、急速に中東への関心を失っていった。そして、中東における同盟国であるイスラエル、サウジアラビアとの関係が、悪化していった。15年、彼らの神経を逆なでする決断を下したのだ。

 15年7月、米ロ英仏独中とイランは、イスラエルとサウジアラビアの天敵であるイランと「核合意」を締結。16年1月、欧米はイランに対する制裁を解除した。当然、イスラエルとサウジアラビアは激怒したが、イスラエル・ネタニヤフ首相の親友トランプが米国大統領になり、また状況は変化してきている。

懸念される「イスラエル・イラン戦争」 プーチンの有能さがロシアを追いつめる

 トランプは、イスラエル、サウジアラビアとの関係を改善するために動いている。昨年12月7日には、エルサレムを「イスラエルの首都」として、公式に承認した。

 米軍がロシア人傭兵を殺した今回の事件も、「中東を離れていた米国が戻ってきた」、そして「イスラエルの敵アサドと、その後ろにいるロシアとの戦いを再開した」と見るほうが、「事故」と考えるより納得がいく。

 そして、この事件の3日後、イスラエル軍機がシリアを空爆、その後撃墜されるという事件が起こった。

<越境空爆後のイスラエル軍機、シリア軍が撃墜 読売新聞 2/11(日) 11:01配信 【カイロ=倉茂由美子】イスラエル軍は10日、シリアを空爆したイスラエル軍機が、アサド政権軍により撃墜されたと発した。>

 発表によると、この日シリアからイラン製の無人機がイスラエル領内に侵入したので、撃墜した。その後、イスラエル軍機がシリアに入り、イランが管理する施設を空爆したが、シリアの地対空ミサイルで撃墜された。

 米国政府はこの件で、即座に「イスラエルを支持する」と声明を出した。イスラエルは、「有事の際は、トランプが助けてくれる」と確信したことだろう。

 ロシアには、「イスラエル・イラン戦争」を懸念する専門家もいる。そうなると、欧米はイスラエルを、ロシアはイランを支援し、大戦争に発展しかねない。それを煽るかのようにネタニヤフ首相は2月18日、「ミュンヘン安全保障会議」で演説。イランは「世界の脅威」であり、「必要ならイランに対して行動を起こす」と警告した。

 大戦争が起こらず、アサド政権が存続し続けたとしても、「プーチン安泰」ということにはならない。

 確かにこれまでの経緯を振り返ると、ロシアは米国との代理戦争に勝利している。ウクライナでは、クリミアを併合し、東部親ロシア派のルガンスク、ドネツクを、事実上の独立状態に導いた。そして、シリアでもアサドを勝利に導いた。しかし、これらは「戦術的勝利」に過ぎない。

 一方、米国は情報戦でプーチンを「悪魔化」することに成功し、経済制裁でロシア経済をボロボロにした。プーチンが「戦略的勝利」、つまり実際の戦力を使わずして勝利を収めるためには、米国を懐柔し、制裁を解除させなければならない。

 だが、シリアやウクライナで米国と対立し、「戦術的」に勝ってしまう彼の優秀さが、米国の憎悪を増幅させる。3月1日、プーチンは年次教書演説を行い、「フロリダを核攻撃するシュミレーション映像」を見せていた。また、2時間の演説のうち、およそ40分が「国防について」だった。

 しかし、米国の支配層を怒らせて、制裁を解除させることなどできるだろうか?逆説的だが、プーチンが「戦術的」に勝てば勝つほど、「戦略的勝利」は遠くなるのだ。

 プーチンとロシアの苦難は続く。

メルマガ記事

プーチンは3月1日の年次教書演説で、アメリカを核攻撃する映像を見せました。

★プーチン、【米フロリダ州を核攻撃する】ビデオを公開

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!北野です。

米ロがシリアでリアルに戦っています。

では、本題。

大変ショッキングなことがありました。プーチンは3月1日、年次教書演説をした。その際、アメリカを【核攻撃】するシュミレーション映像を流したのです。

え?「ウソ」じゃないです。

<「フロリダ州を核攻撃」のビデオ、プーチン大統領が演説に使用

CNN.co.jp 3/2(金) 10:40配信

(CNN) ロシアのプーチン大統領は1日に行った演説の中で、無限射程の核弾頭が、米フロリダ州と思われる場所を狙う様子をアニメーションで描写したコンセプトビデオを披露した。フロリダ州には米国のトランプ大統領の別荘がある。>

もう少し、詳しく見てみましょう。

<プーチン大統領は演説の中で、極超音速で飛行でき、対空システムも突破できる「無敵」ミサイルを誇示。「ロシアやロシア同盟国に対する核兵器の使用は、どんな攻撃であれ、ロシアに対する核攻撃とみなし、対抗措置として、どのような結果を招こうとも即座に行動に出る」と強調した。プーチン大統領が披露したビデオでは、何発もの核弾頭が、フロリダ州と思われる場所に向けて降下している。>(同上)

BBCには映像の一部がありました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180302-53252754-bbcv-int

「ロシアやロシア同盟国に対する核兵器使用」すれば、「どのような結果を招こうとも即座に行動に出る」そうです。要は、「アメリカが核兵器を使えば、ロシアも即座に核兵器で反撃する」といっている。

「当たりまえ」といえば「当たり前」のことをいっているのですが・・・。

わざわざ言及しているのは、「当たり前ではない」ですね。そして、プーチンさんがいうと、なおさら怖い。

ところで、なぜプーチンは、わざわざこんな過激な話をしたのでしょうか?

<「だがこれで終わりではない」とプーチン大統領。「我々が開発した新型戦略兵器は、弾道軌道を一切使用しない。つまり、同兵器に対してミサイル防衛は役に立たない」>(同上)

「同兵器に対してミサイル防衛は役に立たない」 要するに、これがいいたかったのですね。

▼脅しは、国内向け?

この演説についてロシアでは、二つの意見が聞かれます。「国内向け」と「外国向け」。どういう意味でしょうか?

ロシアでは3月18日に大統領選が行われる。それで「支持率をアップさせよう」と。普通の日本人であれば、疑問がわくでしょう。「フロリダを核攻撃する映像を流せば、支持率が上がるの?」これが、上がるのですね。ロシア語ですが、以下の映像、1時間36分16秒ぐらいから見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=6slFfemBnN8

長々と新兵器群の話をしたプーチンは、「新兵器が必要になった理由」を語ります。

「誰も、俺たちと話をしたがらなかった。

誰も、俺たちの話を聞きたがらなかった。

(こんなすごい新兵器があるのだから)

さあ、話を聞きやがれ」

こういった後のリアクションを見てください。満面の笑顔の人、目に涙を浮かべている人。とにかく、皆さん、幸せなのです。

▼プーチンは、アメリカに憤怒している

プーチン・ロシアは、アメリカの「グローバル・ミサイル防衛システム」に対抗して、新兵器を開発したのです。これは国防ですが、話はそれにとどまりません。プーチン・ロシアとアメリカは、実質「15年戦争の最中」といえます。プーチンは、2000年に大統領になりました。2002年頃から、両国関係はおかしくなってきた。

時系列に見てみましょう。

・2002年~03年、ロシアは、アメリカのイラク戦争に反対する

・03年、ユコス問題で、米ロは対立(アメリカは、ユコス買収を目指していた)

・03年、旧ソ連国ジョージア(旧グルジア)で革命が起こり、親米反ロ政権誕生

・04年、旧ソ連国ウクライナで革命。親米反ロ政権誕生

・05年、旧ソ連国キルギスで革命。

・08年、アメリカの傀儡国家ジョージアとロシアの戦争勃発

・09~11年、米ロ再起動時代。短い休戦(プーチンは首相だった。)

・2012年、プーチン、大統領に返り咲く

・2013年、プーチン、シリア内戦でアメリカと対立(プーチンはアサドを、アメリカは反アサドを支援)

・2014年3月、クリミア併合

・2014年4月、ウクライナ内戦ぼっ発(プーチン・ロシアは「東部親ロシア派」を、アメリカは、反ロ新政権を支援)

アメリカは、欧州、日本を巻き込み「対ロシア制裁」を発動。それで、ロシア経済はボロボロになってしまった。

一方、プーチンは、「軍事的勝利」を重ねている。シリアでは、プーチンが支持するアサドが政権にとどまっている。ウクライナで、ロシアはクリミアを併合し、東部ルガンスク、ドネツクは、事実上の独立状態にある。というわけで、アメリカとロシアは、お互い憎しみあっている。

もちろん、それで得をするのは中国です。

嗚呼。

中国はまたもや、「山頂に座して、二頭のトラ(米ロ)の戦いを眺める」最良のポジションにつけました。

日本も中国を見習い、米ロのケンカには関わらないでおきましょう。両国との関係を良好に保つことは、「対中国」で重要です。「アメリカが対中国で大事なのはわかるが、ロシアが対中国で大事というのは解せない!」という方。

いますぐ、こちらをご一読ください。

アメリカが一番大事なのは当然ですが、【大戦略的】にロシア重要であることが理解できるはずです。

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