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『王毅外相が「精日は中国人のクズ」と激怒した訳 「精神的日本人」の増加に焦る習近平“終身”政権』(3/14日経ビジネスオンライン 福島香織)について

3/10櫻井よしこHP『「 世界で進む“中国対民主主義”のせめぎ合い 価値観守るには国民全体の力が必要に 」 『週刊ダイヤモンド』 2018年3月10日号』

https://yoshiko-sakurai.jp/2018/03/10/7335

3/13Newsweek<ウイグル絶望収容所の収監者数は89万人以上 水谷尚子(中国現代史研究者)>

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/89-3_1.php

チベット人、ウイグル人に対して漢人の弾圧たるや凄まじいものがあります。自由を大事にする国は中国に抗議の声を上げ、止めないと経済制裁するように持ちかけないと止まらないでしょう。

3/13自由時報<中國國務院減少15單位 美媒:為習近平無限期執政鋪路=中国国務院は15省庁を減らす 米国メデイア:習近平の無期限政権への地ならし>金融、市場・企業監督管理部門で15組織を減らし、弁公庁を除いて26部門とした。鄧小平は改革開放の為、計画経済を弱め、各リーダーに分権し、政府が経済を管理した。結果として中共の力を弱めることになったので、習は局面転換しようと考えている。企業には党への忠誠を誓わせ、学校には政治のコントロール下に置くように求めている。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2363889

福島氏の記事では、真実に気付く中国人が増えているという事でしょう。それはそうです。監視社会を築き、国民を弾圧しようとしている政府の言うことを信じるとしたら「頭がおかしい」としか思えません。「南京」や「慰安婦」なぞ中共のプロパガンダ以外の何物でもないでしょう。日本に居れば自分で調べようと思えば、簡単に調べられますが、情弱はメデイアに洗脳されているため、そんな気も起きません。中国は情報統制されているため、少なくとも中国語で日本と同じレベルの真実に近づくことは難しいと思われます。外国語が読めないとなかなか気が付かないのでは。

日本に旅行に来て、日本の温かさに触れ、「南京虐殺」なぞ起こすはずがないと思った可能性もあります。日本人が自分達の父祖の言行を信じられなくてどうするのかと言いたいです。特攻までやって国を守ろうとした先祖です。岡潔博士も『人間の建設』の中で「死を視ること帰するが如し、これができたのは日本民族だけだ」と言っていたと思います。左翼のプロパガンダに洗脳されたままと言うのは恥ずかしくありませんか。中国人はいつも言っていますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観の持主なのに。

王毅は自分の出世の為には知日派のキャリアが邪魔になって来たのでしょう。それでわざと大袈裟に「精日」を「中国人のくず」と言ったと思われます。まあ、中国人だけでなく日本人にもこういう手合いは沢山います。出世のためには何をしても許されると勘違いしている輩のことですが。

記事

記者会見後、王毅外相は「精日」への怒りを露わにした(写真:ロイター/アフロ)

全人代会期中の恒例の外相記者会見で、日本で一番話題になったのは半島問題でも貿易問題でもなくて、「精日」問題、つまり精神的日本人、中国人の精神の日本人化問題で、激怒したことであった。

「精日」(精神的日本人)とは近年使われるようになったネットスラングで、「自分は中国人だが精神的には日本人」を主張する若者を指し、中でも近代史における日本の役割を肯定し、中国の抗日精神を否定している点が、日本サブカル好き・哈日族と一線を画している。

旧日本軍人コスプレの中国人コスプレイヤーが自撮り写真をネットにアップして拘留されるなどの事件が年明けにもあり、中国で社会問題化していた。そこで、王毅外相の発言があり、今年の全人代では「精日」を取り締まるための法整備も議論されている。

では、なぜ今になって精日とよばれる中国人の若者が目立つようになってきたのか。今までの中国における日本ブームとどこが違うのか。

習近平政権になって明らかに、政治的には日本に対して敵対的な外交方針であり、国内の日本関係研究者や作家ら知日派知識人は有形無形の厳しい圧力を受けていると聞いている。そうした時代の空気に反発するように若者が、日本の軍人や武士のコスプレをするのは、単にアニメや映画の影響というだけではあるまい。その背景というのを少し考えてみたい。

「そいつは中国人のクズだ!」

まず会見のやり取りを振り返ろう。

実は「精日」問題のやり取りの部分は、人民日報の公式報道では書き起こされていない。

新華社記者の最後の質問に答えて、会見を締めた後、江蘇省紙の現代快報記者が立ち去ろうとした王毅に向かって、大声でこう質問したのだ。

「外相! 最近の“精日”分子による民族のボトムラインを挑発する絶え間ない言動をどう思いますか?」

すると、王毅は嫌悪を隠そうともしないで、「そいつは中国人のクズだ!」と人差し指を振り上げながら吐き捨てたのだった。

さすがに公式の会見での発言ではないにしろ、カメラの回っている前での大臣の「クズ」発言はインパクトがあった。全人代の閣僚会見は、中国メディアも外国メディアも事前に質問事項を提出するので、おそらく、現代快報のこの質問は公式には却下されたのだろう。そもそも、全人代の舞台で外相に聞くような質問ではない。

だが、予定稿どおりの会見やり取りが続いた後で、王毅の憤怒の表情を引き出した現代快報記者に対しては、メディアとしてはグッドジョブといいたい。その表情に、今の中国の焦りも見えた気がしたからだ。

日本語が流暢で、私が現役の北京特派員記者であったとき外務次官であった王毅は、当時はむしろ日本人記者にとっては親しみやすい知日派外交官であった。それが、習近平政権になってからの王毅は「精日」問題に限らず、日本について嫌悪を丸出しにして語るようになった。その豹変について、いろいろ分析する人はいるのだが、最終的には王毅こそが、中国官僚、あるいは中国人の典型であろう、という意見でまとまるのだった。

知日派外交官から転向

権力闘争が激しい中国では、政治の趨勢に敏感に立ち居振る舞いを変えていかねば生き残れない。特に習近平政権は発足直前に日本の尖閣諸島の国有化問題という痛恨の外交的屈辱を見たために、当初から対日観は厳しい。王毅のように知日派で売っていた外交官としては、焦り不安になったはずだ。

だが、習近平は王毅を外相に抜擢。その目的は、当時の馬英九政権下の台湾との統一に向けた周辺外交を期待されてであるが、結果的には、台湾では、むしろ反中機運が高まり蔡英文民主党政権が誕生した。こうした中で、王毅は習近平の内心を忖度するのに必死なのであろう、と。そういう焦りというか余裕のなさが、こうしたちょっとしたきっかけで、派手に指を立てて憤怒の表情を見せるパフォーマンスをさせるのだろう、と昔の王毅を知っている人はやや同情的に見ているのである。

こうした外相の不安や焦りは、そのままの中国の焦り、習近平の焦り、と重なる。全人代で習近平終身国家主席の根拠となる憲法修正案が、賛成票2958票、反対・棄権票5票という圧倒的多数で可決したが、この憲法について、代表たちが心から支持しているのかというと、必ずしもそうではないという感触を私は得ている。

そもそも全人代代表にはさほど発言力も権限もない。今後は新たに創設される国家監察員会を通じて、政治家、官僚たちは党員であるなしにかかわらず粛清の対象となる。その緊張感から、党内ハイレベルから庶民に至るまで、内心の不安を口に出せない息苦しさがあることは、そこそこの情報網を持っている中国屋ならば共通して察している。

本当に憲法修正案が全面的支持を集めると習近平が自信を持っているならば、もっと討議に時間をかけたことだろう。そういう余裕を見せつける方が権力掌握のアピールにつながる。だが、全人代の約一週間前にいきなり草案を公開して、異論をはさむ余裕も与えずに不意打ち可決した。そうしなければ不安だったのだ。さらには新華社英文記者が速報で「国家主席任期制限を撤廃」という見出しで速報したことを「政治的錯誤」として処分したという。習近平自身が、この憲法修正案が支持されていないことに気づいている証左だろう。

この憲法修正以降、習近平の権力一極集中化が加速し、長期独裁の始まりとなるという見立ては私も同意するところだが、それが強い権力基盤を背景にしているという点については、以上の理由から、私はまだ疑問に思っている。中国経済が素晴らしく発展基調で、AI、IT、フィンテックの分野で今後米国を越えていくのだ、という予測に関しても、私はまだ懐疑的で、確かに、モラルや市場原理を無視して、資金と人材を一点に集中してイノベーションを起こしていくやり方は中国ならではだが、それが持続的に可能かどうかは、また別だ。

全人代と政治協商会議に合わせて公開された中国礼賛映画「すごいぞ、わが国」(厉害了,我的国)は党と職場で動員がかけられて連日満員だというが、そうした国策映画で動員をかけねば、中国のすごさを実感できない、あるいは持続できない、という見方もある。

「精日」は、こうした中国の余裕のなさ、焦りを隠すための過剰な礼賛パフォーマンス、異論狩りの社会状況を反映して出てきた社会現象だと、私は見ている。

文芸界グループも過剰な忖度

「精日」問題を、簡単に振り返っておくと、たとえば2017年8月に、第二次上海事変(1937年)の最後の戦闘があった上海四行倉庫で、四人の中国人男性が旧日本軍の軍装姿にコスプレして、撮影会を行った事件があった。また2016年12月、“南京大虐殺犠牲者哀悼日”の前日に、二人の中国人男性が日本のサムライ姿でコスプレした写真を撮影した件、2018年2月にも、2人の男性が旧日本軍軍服姿で南京抗日遺跡前で撮影した写真をネットにアップした事件があった。

この2人は10~15日間の行政拘留処分を受けたが、今年の全人代では、こうした処罰では軽すぎる、として国家を侮辱する者を厳罰に処す「国格と民族の尊厳を守る法」(国家尊厳法)の立法提案が、全人代と同時期に開催されている全国政治協商委員会(全人代の諮問機関に相当)の文芸界グループ38人によって全人代に出された。

本来、言論・表現の自由を擁護しなければならない文芸界グループがこうした提案を行なったことも、その中にはジャッキー・チェンなど日本でも人気のスターがいたことも衝撃だったろう。文芸界の人たちもまた、自らの政治的身の安全に不安をもって、政権への過剰な忖度で動いているのだ。

この提案が求めるのは、中国の国格と中華民族の尊厳を犯し、革命烈士や民族英雄を侮蔑し、日本の軍国主義、ファシスズム、日本武士道精神を礼賛することを刑事罰に処すことだという。中国には「挑発罪」「社会秩序擾乱罪」という何でも適用できる便利な(恐ろしい)罪状があるので、そのような法律を作らなくても、いかようにでも気に入らない表現・言論は抑えることができるはずだが、そこがまた中国の自信のなさ、なのである。

習近平政権は、法律がなければ中国人自身が中華民族の尊厳を破壊する、と恐れているということだろう。そして、実のところかなり本気で“日本の文化侵略”を恐れているということもある。

愛国教育に嫌気

“精日”の精神構造については、すでにいろいろな分析が出ているのだが、単なる親日、日本好きというだけでなく、中国、特に共産党に対する嫌悪が背景にある。それは共産党政権が“反日”を、党の独裁政権の正統性に利用してきたことと、関係していると思う。

中国共産党は執政党としての正統性の根拠に“抗日戦争勝利”を宣伝してきた。だから、共産党独裁に反発するほど“日本”を持ち上げる言動、中国共産党政権が嫌がる言動に走りがちとなる。また、意外に中国近代史や日中戦争史を勉強している人もいて、共産党の主張する歴史の矛盾点に気づいていたりもする。

日本社会やその価値観に憧れ、自分は国籍はないけれど心は日本人だ、と主張し、中国に暮らしながらも、日本の生活習慣をまねるのは、90年代から強化された“愛国教育”という名のものとのあからさまな反日教育に嫌気がさしてきたから、という見方もある。

もちろん改革開放とともに大量に流入してきた日本文化、特に、映画、アニメ、漫画の圧倒的影響も大きい。精日とはまた違う、日本サブカルファンたちの中には、日本から来た“コスプレ”という新しい遊びを楽しむ上で、政治思想はあまり関係ない。特に軍装コスプレ、サムライコスプレは、アニメや漫画の影響で定番だ。それを抗日基地にいってわざわざやるのは、強い政治信念があるというよりは、わざわざドイツ・ベルリンの国会議事堂前で、ナチスの軍装コスプレをして7万円相当の罰金支払いを命じられた中国人旅行者に近いかもしれない。

「移民」「中国脱出」は日本のせいではない

いろいろな見方もあり、精日と普通の日本オタクとの区別もあいまいではあるが、一つ言えるのは、この精日が全人代で取りざたされ、新たな法律をつくってまで取り締まろうという流れは、日本文化愛好者や親日家を弾圧し、日本文化の影響力を排除する社会状況を作りかねない。

そもそも、“精日”に限らず、今、できることなら中国人をやめたい、外国籍をとって外国に暮らしたいとひそかに考えている中国人は急増している。それは、憲法修正案が発表されたその日に、多くのネットユーザーが一斉に「移民」のキーワードで検索をかけた、という事からもうかがえるし、少なからぬ日本に留学や研究に来ている中国人が「中国脱出」を真剣に検討していることも知っている。誰だって、言論も不自由で、個人の財産や人権が正しく保障されていない独裁国家で子供を産み育てたいとは思わない。

だいたい、“精日”によって中華民族の尊厳が傷つけられた、のではなく、中国人をやめてしまいたいと多くの人民が思うような状況を作り出した今の政権に“偉大なる中華民族”を指導する力や正統性の方に問題があるのだ。いちいち、何でも日本のせいにしなければ、その正統性が維持できない政権ならば、いずれその脆弱性は表面化すると、私は見ている。

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『プーチンがトランプに対抗意識むき出しの理由 泥沼の米ロ対立、「巨大な核大国」めぐり火花』(3/9日経ビジネスオンライン 池田元博)について

3/13JBプレス<【元ロシア・スパイ】 事件は「かなりの確率」でロシアによるもの=英首相>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52576

3/12JBプレス<【元ロシア・スパイ】 遅効性の接触毒だろうと化学兵器専門家>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52565

今この事件を起こして得になるのは誰かを考えますと、プーチンではないような気がします。3/18大統領選があり、投票率を上げようと躍起になっている時に、このニュースが出てくれば棄権する人も増えるのでは。ラブロフ外相は使われた神経剤のサンプルを出すよう要求しましたが、英国が拒否。擦りかえられる危険性があるからかどうか。誰がやったかは全く以て謎です。素人には予測できません。

https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E8%8B%B1%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%A6%81%E8%AB%8B%E6%8B%92%E5%90%A6%EF%BC%9D%E5%85%83%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%93%A1%E6%9A%97%E6%AE%BA%E6%9C%AA%E9%81%82%E3%81%A7%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%A4%96%E7%9B%B8/ar-BBKa3mK

本記事でロシアが日本のイージスアショアに難癖をつけて来るのが分かりません。イージスアショアは防御用の武器でロシアを攻撃するものではありません。ロシアや他の国が日本にミサイルを撃ちこんだ時に使うものです。配備が嫌なら日本を標的に標準を合わせることは止めたらどうか。ロシアの言う無人潜水艦からSLBMが発射されればイージスアショアでは対応できないと思いますが。

米露の関係が悪くなれば喜ぶのは中国です。米国が中国こそ真の敵と理解するならもっとロシアと話合う必要があります。米議会ももっと大局的に物事が見れるようにならなければ。

米朝トップ会談について3/14日経朝刊の記事。

米朝取引、見たくない悪夢 本社コメンテーター 秋田浩之

殿のご乱心か……。日本風に言えば、こう驚いた米大統領の側近は少なくないだろう。トランプ氏が突如として決断した、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談だ。

歴代の米政権がてこずり、解決できなかった難題である。交渉で北朝鮮の核放棄を実現できれば、ノーベル平和賞ものだ。だが、失敗すれば、アジアにはさらに深刻な危機が待っている。

13日にはティラーソン国務長官が解任されるなど情勢は混沌としているが、結末はどちらに傾くのか。米専門家らの分析などにもとづき、あえて占ってみたい。

3月8~10日、ブリュッセル。米欧などの当局者や国会議員、有力識者らが一堂に会し、激論を交わした。「ブリュッセル・フォーラム」の名称で毎年開かれている、米欧の目玉会議のひとつだ。

たいていは欧州に身近なロシアや中東、難民などの問題が焦点になるが、今年、会場の雰囲気はちがった。米朝首脳会談のニュースが飛び込んだこともあって、北朝鮮危機の議論が白熱したのだ。

このままでは、戦争になってしまうのではないか。こう心配していた欧州の識者からは米朝会談に歓迎の声も出たが、目立ったのはトランプ氏の唐突な決断を不安視する意見だ。

なかでも印象的だったのが、オルブライト元米国務長官の発言だ。クリントン政権当時、彼女は長距離ミサイルの開発などを止めようと米朝協議を主導した。2000年10月には米現職閣僚として初めて、平壌の地を踏んだ。

そこまで北朝鮮との交渉に熱心だった彼女からみても、トランプ氏の決断は危なっかしく映るようだ。こんな趣旨の発言をした。

協議することには賛成だが、心配なのは準備不足だ。クリントン政権は当時、かなりの準備を経て、予備交渉も重ねた。チームワークも欠かせない。トランプ氏にはそれがあるのか疑問だ――。会議の合間に話した米国の参加者からも、似たような指摘を聞いた。

実際、トランプ氏が側近に相談した形跡は薄く、独断で決めた可能性が高い。金正恩氏からの会談要請を携えて訪米した韓国高官らは当初、3月8日はまずマティス国防長官やマクマスター大統領補佐官に内容を説明し、翌9日にトランプ氏と会うはずだった。

ところが、トランプ氏がいきなり8日に会い、金正恩氏との会談に応じると即答した。米側の同席者には懸念を漏らした側近もいたが、制止はしなかったという。

トランプ氏に日ごろ好意的な米共和党関係者からも、こんな不安が漏れる。「まさか、あんな決断をするとは驚いた。安倍晋三首相も内心、驚がくしただろう」

問題は今後、どのような展開が考えられるのかだ。トランプ政権の内情に通じた米外交専門家らが明かす見立ては、おおむね次の3つのシナリオに集約される。

【最良シナリオ】 金正恩氏が“サプライズの妥協”を演出し、核とミサイルの実験凍結に合意、朝鮮半島の非核化にも原則一致する。ただ、実施には多くの条件を付け、結局、非核化は先送りになる――。こんな展開だ。

米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発はひとまず止まるが、すでに中距離ミサイルなどの射程内にある日韓への脅威は残る。日本にすれば「何としても避けたい筋書き」(日本政府筋)だが、元米政府高官はこれが期待できる最良の成果とみる。

【白紙シナリオ】 米朝首脳会談は結局、お流れになるというものだ。事前の調整が難航し、自分に不利だと感じたトランプ氏、ないしは金正恩氏が賭けをやめてしまう。北朝鮮問題に詳しい米安全保障専門家は「確率は50%ぐらいある」とみる。

【最悪シナリオ】 会談はケンカ別れに終わり、トランプ氏は「もう外交の努力は尽くした」と宣言。金正恩氏も核ミサイルの実験を再開する。そうして戦争の危険が一気に高まる。地ならしが不足したまま会談に突っ込めば、こうした事態も考えられる。

このほか、米朝会談が北朝鮮の時間稼ぎに使われ、結局、核ミサイルの配備を許してしまうのも、最悪の展開に含まれるだろう。

理屈上は北朝鮮が核の完全放棄に応じる「夢のシナリオ」がないわけではない。そうなれば朝鮮戦争以来の休戦状態から、平和共存への道が開けるかもしれない。

だが、北朝鮮は、イラクやリビアの旧独裁政権は「核兵器がないから倒された」と信じているとされる。彼らがこの不安を捨て去るほど、トランプ氏を信用しているとは思えない。現実は「最良」から「最悪」の間の、どこかに向かうと想定すべきだろう。

かつて本欄では、仮に北朝鮮がICBMを持ってしまった場合の対応について、ワシントンの識者の間では攻撃容認論が半分くらいを占める、と指摘した。この構図が一変したとは思えない。米朝会談が失敗する事態にもそなえ、米軍は夏までにも詳細な軍事作戦の検討を進める構えだ。

先の視界は不明瞭だが、今回、ひとつ明確になったことがある。北朝鮮が制裁をかなり重荷に感じているということだ。だからこそ、「非核化」の意思をほのめかしてきたのだろう。

だとすれば、制裁を緩めるのは、あくまでも北朝鮮が目に見える行動に出てからにすることが大事だ。トランプ氏が独裁者との賭けに挑むなら、それが悪夢を見ずにすむ最低条件になる。>(以上)

米朝がトップ会談を開こうという時に、国内ではまだモリカケで騒いでいます。左翼は本当に質が悪い。北の脅威、戦争勃発の可能性から国民の目を逸らそうとしています。どちらが大事かは言うまでもありません。国民の安全確保に決まっています。所詮、決裁文書の書換は財務省の中の問題です。政治家が関与するというのは考えにくい。野党はそちらに話を持って行き、国民に怒りの目を向けさせ、あわよくば倒閣までと思っているのでしょうけど。でもこの難局を凌げるのは安倍晋三以外にはいないでしょう。敵はですから日本の混乱を狙って、中国・朝鮮半島を有利にすることを考えているのだと思います。TVしか見ない老人に言いたいのは、「自分の頭で考えて。他人の意見を自分の考えと思わないように」と。

米国が中途半端に北の核保有を認めるなら、日本も核保有しなければ安全は保てません。それを米国にハッキリ伝えるべきです。

記事

米大統領選への介入疑惑に端を発した米ロの対立が、泥沼の様相を呈し始めた。米側は介入が疑われるロシア企業や個人を起訴したり、プーチン大統領の側近リストを公表したりして圧力を強化。対するロシアも軍事面で米国への対抗姿勢をむき出しにし始めた。

プーチン大統領は3月1日の年次教書演説で米国への対抗意識をむき出しにした(写真:ロイター/アフロ)

「経済や財政、あるいは軍需産業や軍内部で様々な問題に直面しつつも、ロシアは巨大な核大国であり続け、今後もその地位を保っていくだろう。それなのに実質的に誰も我々と話そうとしなかった。誰も我々の声を聞こうとしなかった。今こそ聞くべきだ」――。3月1日、プーチン大統領はモスクワでの年次教書演説でこう語り、会場から万雷の拍手を浴びた。

「巨大な核大国」であるロシアを軽視するなという、米欧、とりわけ米国に対する警告といえる。プーチン大統領はソ連崩壊によって領土の23.8%、人口の48.5%、国民総生産の41%、工業潜在力の39.4%を失ったなどと数字を列挙。それにもかかわらず核大国の地位を維持し続け、「高水準の基礎科学と教育、強力な研究力、技術力、産業力、人的な基盤」により、ユニークで複雑な新型兵器の開発にも成功していると強調した。

大統領は実際、どこでも到達可能な重量級の大陸間弾道ミサイル(ICBM)、深海でも航行可能な無人潜水艦、原子力を動力源にした巡航ミサイルなど、核弾頭を搭載できる新型兵器の説明に演説のかなりの時間を割いた。会場に設置された超大型スクリーンで新型兵器の紹介や米国を攻撃するグラフィック画像などを大写しにし、新兵器の能力の高さを誇示した。

ではなぜ、プーチン大統領は「核大国」の地位や新型兵器の開発能力をことさら強調したのか。理由のひとつはやはり、今月18日に投開票日が迫った大統領選の選挙対策だろう。プーチン氏は昨年12月に出馬表明し、圧倒的な得票差での再選が確実視されている。それもあってか、今回の選挙戦ではまとまった選挙公約を公表してこなかった。

そこで現職大統領の立場を使い、毎年恒例の年次教書演説を事実上の選挙公約表明の場とすることで、選挙戦への追い風にしようとしたわけだ。プーチン大統領は「重要なのは、祖国と我が国民の安全を十分に確保することだ」「規模の大小を問わず、ロシアと同盟国に対して核兵器が使用されれば瞬時に反撃する」などとも発言。祖国を「強いロシア」「大国ロシア」へと導く、強力な指導者としてのイメージを最大限演出してみせたといえる。

まるで東西冷戦時代

プーチン大統領がロシアを「巨大な核大国」と誇示した理由はもうひとつある。同じ核大国である米国への積年の恨みと対抗意識だ。

演説では米国が2002年、ソ連時代に両国が締結した弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から一方的に脱退して以降、ロシアが粘り強く核軍備管理協議への復帰を呼びかけてきたにもかかわらず、米国はロシアを標的にしたミサイル防衛(MD)システムを構築してきたと指摘。米国のMD網は米本土のみならず、北大西洋条約機構(NATO)の東方に拡大された地域、さらには日本や韓国へと世界的に展開されつつあると非難した。

大統領は明示しなかったものの、日本については米軍の陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入計画、韓国に関しては米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備を指している。いずれも北朝鮮の弾道ミサイル開発への対抗策と位置づけられているが、ロシアは米国による世界的なMD網構築の一環とみなしているわけだ。

大統領は米国のトランプ政権が最近表明したばかりの「核戦力の見直し(NPR)」にも言及。核兵器の使用条件を緩和し、通常兵器やサイバー攻撃への対抗手段としても使う可能性を指摘した米国の核戦略に「深刻な懸念」を表明せざるを得ないと述べている。

こうした軍備拡張競争をあおってきたのはまさに米国であり、世界的なMD網の構築を始めとする軍事的な脅威を「無力化」し「中立化」するため、ロシアとしてもやむを得ず、新型兵器の開発などで対抗せざるを得なくなったとの論調を長々と展開した。さらに大統領は「ロシアの強力な軍事力は世界の戦略的な軍事均衡を保ち、世界と我が地球の確実な保全を担保している」とまで豪語している。まさに東西冷戦時代に立ち戻ったかのような発言だ。

もちろん、プーチン大統領は一方で「刷新された国際的な安全保障の未来の枠組みを構築し、文明社会を安定して発展させるために共に交渉のテーブルに付く必要がある」と述べてもいる。ただし、今回の年次教書演説はやはり、米国への軍事的な対抗意識をあからさまにすることに力点が置かれたとみるべきだろう。

トランプ政権作成の「電話帳」がロシアに打撃

ロシアの独立系世論調査会社レバダ・センターが今年1月下旬に実施した世論調査によると、全般的に米国との関係を「良い」とする回答が26%にとどまり、逆に「悪い」とする回答が52%で過半数を超えた。なぜ米国に悪い感情を抱くのか。その理由を聞いたところ、「世界を支配したがる」「侵略者」「世界の憲兵」「世界の主人」といった見方が44%でトップ、続いて「ロシアに対する攻撃的な政策」「ロシアの敵」とする回答が35%で続いた。

プーチン大統領が年次教書演説で米国への強硬姿勢を誇示したのは、ロシア国民の素朴な感情を反映したともいえるが、それだけではない。ロシアにとって軍事的脅威となる世界的なMD網構築を続ける米国への不満は当然として、トランプ政権下でもどんどん冷え込む一方の両国関係と、それを追認する米政権の対応に、ついに堪忍袋の緒が切れたと言えるのではないか。

周知のように、トランプ大統領は就任前からロシアとの良好な関係づくりに強い意欲を示していた。しかし、2016年の米大統領選へのロシアの介入疑惑がトランプ政権を揺るがす大きな政治スキャンダルに浮上。米政権としても対ロ関係の改善に踏み込めないでいる。

それどころか議会の強い圧力を背景に、トランプ大統領はロシアへの圧力を強める制裁強化法に署名した。この対ロシア制裁強化法の一環として、米財務省は今年1月末には、プーチン大統領の側近とされる人物を列挙した「クレムリン・リスト」を公表した。メドベージェフ首相や各省庁の閣僚、大統領府幹部を含めた政府高官・国営企業経営者114人と、大手財閥などの実業家96人の合計210人がプーチン大統領に近い人物としてリストに掲載された。

ロシア中央銀行のナビウリナ総裁など、一部はリストから外されているものの、ロシアの専門家がこぞって「電話帳」と酷評しているように、政財界の大多数の人物が列挙された。米財務省は公表した「クレムリン・リスト」について、「これは制裁リストではない」と注記している。とはいえ、海外企業の間ではリストに載った実業家との取引を控える動きも出ており、ロシアに与えた経済的、心理的な打撃は意外に大きいようだ。

米国への情報工作を支援した「プーチンの料理人」

米国によるロシアへの“攻撃”はさらに続く。米司法省は2月中旬、2016年の米大統領選にロシアが介入したとして、ロシア企業3社とロシアの個人13人を連邦大陪審が起訴したと発表したのだ。起訴された企業のひとつは、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクに本拠を置く「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」。個人はIRAに資金拠出していたとされる実業家のエブゲニー・プリゴジン氏と、残る12人はすべてIRAに在籍していた人物だ。

IRAは2014年ごろからフェイスブック、ツイッターなどのソーシャルメディアを利用して米国に対する情報工作活動を始め、米大統領選のあった2016年夏には80人以上の従業員が対米工作に動員された。米メディアなどによると、米国人を装った多数の偽アカウントの開設と投稿、ブログの運営、政治広告の掲載などでトランプ氏を支持し、対立候補だった民主党のヒラリー・クリントン氏を攻撃する情報を流した。米国内でのデモ活動の呼びかけもしていたという。

一方、プリゴジン氏は路上のホットドック売りから超高級レストランの経営者に上り詰めた実業家だ。プーチン大統領も同氏のレストランの愛好者で、個人的な親交もあることから「プーチンの料理人」とも呼ばれる。起訴状によれば、同氏は自らの傘下企業を通じてIRAに潤沢な活動資金を提供していた。

IRAは対米工作のみならず、ロシアと対立するウクライナ政権やロシア国内の反体制派を攻撃する情報工作も担ってきたとされ、一部の国内メディアも「2015年中旬には全体で800~900人の要員を抱えていた」(RBCジャーナル)などと詳細に報じている。

プーチン政権は米大統領選への干渉を否定しており、対米情報工作の拠点と名指しされたIRAの活動も、政権の関与を決定的に裏付けるものではない。とはいえ、米国による包囲網は徐々に狭まりつつある。

プーチン政権も介入疑惑では面と向かって完全に否定できない弱みを抱えているだけに、今回の年次教書演説で示したように、主に核軍備の領域で米国への対抗姿勢を誇示していく構えのようだ。プーチン大統領の再選後も、米ロの関係改善の機運は当面芽生えそうにない。

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『習近平政権が“掃除”進める「12の黒悪勢力」 結託する悪徳役人と悪徳業者に加え、「人権弁護士」も…』(3/9日経ビジネスオンライン 北村豊)について

3/13ダイヤモンドオンライン<森友問題・佐川氏辞任で財務省は官邸と経産省に「反撃」を始める>

http://diamond.jp/articles/-/163126

3/13ダイヤモンドオンライン<森友文書改ざん問題、粛正吹き荒れ「財務省存亡の危機」へ>

http://diamond.jp/articles/-/163150

財務省の決裁文書の書換問題は日本の劣化を象徴しています。20年近くかけて、あれだけコンプライアンスの重要性を日本全体に訴えて来たのに、民間ではデータ書換問題が多発しています。しかもトップの預かり知らないところで(本当かどうかは分かりませんが)。榊原経団連会長は財務省を非難していましたが、言える立場かどうかは良く考えた方が良いでしょう。日本人の責任感の希薄化が進んでいると思います。日本人の中国人化が進んだと言えます。

モリカケ問題の本質は左翼の憲法改正阻止にあると思います。情弱はまた騙されるのでしょうけど。財務省が書き換えせずに出しても問題ないことばかりだと思います。大阪地検が朝日に書き換えがあると漏らしたという話もありますから、法の番人が法を犯すことをしていることになります。目的の為には手段を選ばないのは左翼の特徴です。日本の腐り具合が分かろうと言うもの。そもそもで言えば決裁文書に政治家の名前や首相夫人の名前を入れることは後々のことを考えれば普通は入れないのではと思いますが。経緯の説明文書は添付文書にして決裁後にははずすようなことを考えるのでは。民間だったらそうしたでしょう。誰が書換を指示したかですが、野党が主張しているような政治家ではないでしょう。佐川か理財局の下の人間か、或は人事を決めていると言われる勝栄二郎元事務次官?そんなことは流石にないと思いますが。でもこれで消費税10%へアップはしずらくなったと思います。

北村氏記事は、中国の賄賂社会を無くさない限り法治は覚束ないし、共産党統治がある限り法治・人権擁護社会にはなりません。党の指導が法や人権に優先しますので。やはり中国国民による共産党打倒が実現しなければ、いくら小手先を変えても根本問題の解決は難しいでしょう。況してや国内矛盾の解消の為、海外で戦争に打って出る可能性が高いのですから。

3/12中国観察<中國官方拆除山西金燈台教堂 1/12NYT中国語版=中国の役人は山西省の金燈台教会を取り壊す

https://cn.nytimes.com/china/20180112/china-church-dynamite/zh-hant/

300万$で建てた福音派の教会で信者は5万人とのこと。米国で福音派は多いので、怒っている人は多いのでは。NYT英語版に載っていればの話ですが。カソリックですがフランシスコ法王はこう言う国と国交を結びたがっています。判断基準がおかしいでしょう。

記事

全人代も厳重な安全対策の中で。習近平政権が目指す「治安維持」の行く先は…(写真:ロイター/アフロ)

3月5日、中国の国会に相当する“全国人民代表大会”(以下「全人代」)の第13期第1回会議が北京市の人民大会堂で開幕した。今回の全人代は3月20日に閉幕予定で、通常の全人代が11⽇間であるのに対して5⽇間延⻑されることになっている。会期が5日間も延長される理由は、次の2項目を含む憲法改正案などを審議するためである。

(1)習近平は2013年3月14日に国家主席に就任し、今回の全人代期間中に任期5年の2期目に入る。このまま行けば、2023年の3月には現行憲法に規定されている国家主席の任期上限である「連続2期10年」に達し、それ以上留任することは憲法違反となる。そこで、現行憲法に「国家主席”の任期は連続2期10年までとする」とある任期上限に関する条文を削除する。

(2)中国共産党中央委員会総書記の“習近平”が2017年10月18日に中国共産党第19回全国代表大会で提起し、同年10月24日に中国共産党の“党章(党規約)”に指導理念として書き込まれたのが、“新時代中国特色社会主義思想(新時代の中国の特色ある社会主義思想)”である。これを“習近平新時代中国特色社会主義(習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想)”として憲法の前文に書き加えること。

251人の高級幹部が失脚

上記の憲法改正案は3月20日までの会期中に可決されて成立する見込みであるが、(1)は何を意味するのか。習近平は国家主席であるだけでなく、中国共産党中央委員会総書記兼“中央軍事委員会”主席でもあるが、これらの役職には任期の上限はなく、国家主席の任期撤廃により、習近平が3つの役職全てを3期以上続投することが可能となり、権力の集中により最高権力者として終身制への道が開けることになる。

2012年11月15日に中国共産党中央委員会総書記となった習近平は、その2週間後の11月29日に、“中国夢(中国の夢)”を提起し、「偉大な復興の実現は中華民族の近代以来最も偉大な夢である」と定義付けた。しかし、総書記就任2日後の11月17日に開催された8期中央政治局第1回集団学習会で演説した習近平は、深刻化する幹部の腐敗に触れて「物が腐れば、後に虫が湧く」と述べて、腐敗問題がより深刻化すれば「最終的には必ず党と国が滅ぶ」と危機感をあらわにした。

要するに、中国の夢を実現しようにも、中国共産党ならびに中国政府の幹部の腐敗が深刻であれば、夢の実現より前に中国共産党と中国が滅びると危機感を表明したのである。それから始まったのが「トラ退治とハエ駆除」を同時に行うと形容した腐敗幹部を取り締まる「反腐敗運動」であり、この反腐敗運動は過去5年間で一定の成果を収め、150万人の腐敗官僚が取り調べを受け、2018年1月までに高級官僚172人、高級軍官64人の計251人の高級幹部が失脚した。

「国防」より「治安維持」

自らの手で中国の夢を実現したいと念願する習近平が最も恐れているのは、中国の歴代王朝のほとんどが民衆の蜂起によって滅亡しているという事実である。そこで、中国政府“財政部”の「全国財政決算・予算資料」で、2016年における中国の国防費と“公共安全費(治安維持費)”の金額を調べてみると、以下の通りであった。

【2016年】
(国防費) 中央:9546億元+地方: 220億元= 9766億元 (約16.6兆円)
(治安維持費) 中央:1742億元+地方:9290億元=11032億元 (約18.8兆円)

公表される中国の国防費には研究開発費などの各種経費が含まれていないと言われているので、国防費の実質的規模は不明だが、少なくとも公表されている資料で見る限りでは、治安維持費が国防費を上回っているのである。この現象は2011年から始まったものであり、関係資料はまだ公表されていないが、恐らく2017年も継続しているはずである。<注1>

<注1>治安維持費が国防費を上回っている件に関する詳細は、2012年3月16日付の本リポート「治安維持費が軍事費を上回る中国社会」参照。

治安維持費が国防費を上回るのはなぜか。それは、中国社会が多くの問題を抱えて不安定だからであり、治安維持を強化して、不満分子を拘束し、人心の動揺を抑制し、民衆の蜂起を防止しなければならないからである。では、多大な治安維持費を投入しないで済むようにするにはどうすれば良いのか。それは、中国国民が中国共産党の統治に不満をいだくことがないように社会を安定させることであり、そのためには中国社会に根付く病根を取り除くことが先決である。

こうした発想から「トラ退治とハエ駆除」運動に続いて打ち出されたのが、2018年1月に中国共産党中央委員会と中国政府“国務院”から出された『“掃黒”・“除悪”特別闘争の展開に関する通知』(以下「掃除通知」)による新たな運動であった。“掃黒”とは“黒社会(暴力団)”を一掃することを意味し、“除悪”は悪人を除去することを意味するから、これは「暴力団一掃と悪人除去」運動と言うことができる。

ところが、報道を通じて掃除通知が出されたことは分かったが、その“掃黒”・“除悪”の対象が何かは具体的には示されていなかった。このため、中国の庶民は掃除通知の鉾先がどこに向けられているのか議論を戦わせていたのだった。

12の「黒悪」とは

2月下旬、中国のネット上に“紅頭文件(中国共産党や政府機関の公文書)”の形式で「“掃黒除悪十二類重点打撃対象(“掃黒”・“除悪”12種類の主要な打撃対象)」と題する“傳単(ビラ)”が掲載され、主要な打撃対象となる12種類の“黒悪勢力(暴力団・悪人勢力)”(以下「黒悪勢力」)の詳細が箇条書きで示された。このビラには公文書に必要な発行機関の押印がないので、その信憑性には疑問符が付くが、その内容から判断して根も葉もないものとは思えないのである。ビラに記載された12種類の黒悪勢力は以下の通り。

  1. 政治の安全、特に政権の安全と制度の安全を脅かす、政治領域に浸透する黒悪勢力
  2. “基層政権(区・郷・鎮・村の人民代表大会と人民政府)”の権力を握る、“基層換届選挙(区・郷・鎮・村の人民代表の改選選挙)”を操作して破壊する、農村資源を独占する、“集体資産(農村の共同資産)”を横領するなどする黒悪勢力
  3. 家族や“宗族(一族)”の勢力を利用して農村でのさばって地方の覇を唱え、庶民を抑圧し痛めつける“村覇(村の顔役)”などの黒悪勢力
  4. 土地収用、借地、立ち退き、事業案件の建設などの過程で、扇動や騒動を引き起こす黒悪勢力
  5. 建築工事、交通運輸、鉱物資源、漁業などの業界や領域で、工事の独占、悪意の競争入札、不法占拠、乱開発・乱採掘を行う黒悪勢力
  6. 市場、卸売り市場、駅や埠頭、観光地などの場所で、不正手段や暴力により商売を独占したり、強引に売り買いさせたり、みかじめ料を徴収したりする“市覇(市場の顔役)”や“業覇(業界の顔役)”などの黒悪勢力
  7. “黄色・賭博・薬物(ポルノ・ギャンブル・薬物)”などの違法犯罪活動を行う黒悪勢力
  8. 違法な高利貸付や暴力的取立を行う黒悪勢力
  9. 民間の揉め事に介入し、闇の法執行を行う黒悪勢力
  10. 中国国内へ入境して発展・浸透した“境外黒社会(国外・境界外の暴力団)”<注2>及び多国籍・境界越えの黒悪勢力

<注2>“境外”には国外のみならず、「一国二制度」で境界外に位置付けられる香港・マカオ、さらには中国が自国の1省としている台湾を含んでいる可能性が高い。台湾の暴力団「竹聯帮」は名高い。

  1. 乱脈なワクチン市場や砂利採取などの業界で活動し、合法的な生産経営を妨害し、正常な市場秩序を破壊する黒悪勢力
  2. “信訪条例(陳情条例)”に違反して、陳情者が違法に上級機関へ直訴する、無理筋の陳情を行う、長期にわたり繰り返し陳情を行う、脅して財物をゆすり取るなどにより組織秩序や社会秩序を著しくかく乱するのを組織・画策・扇動する陰の組織者や指示者

黒悪を5つに分類すると…

上述したビラの内容に信憑性があることを前提に論を進めることとするが、習近平政権が主要な打撃対象とする12種類の黒悪勢力を大別すると以下の5つに分類できる。

【第一類】政治の安定を脅かす、政治領域に浸透する黒悪勢力

【第二類】基層政権の権力を握り、基層改選選挙を操作し、農村資源の独占や農村共同資産の横領を行う黒悪勢力

【第三類】家族や一族の勢力を利用して農村を支配する“村覇”などの黒悪勢力

【第四類】あらゆる場所で利益を求めて活動する悪徳業者、“市覇”、“業覇”および暴力団などからなる黒悪勢力

【第五類】陳情者を組織・画策・扇動する陰の組織者や指示者

第二類の“基層(区・郷・鎮・村)”は下級行政単位を指すが、黒悪勢力が基層の政権を握り、基層選挙を操作してその代表をより上級の人民会議へ送り込めば、黒悪勢力が政治領域に浸透する可能性があり、その延長線上には第一類の黒悪勢力になる可能性が排除できない。こうして見ると、第一類と第二類は同質の黒悪勢力であり、行政単位が上級か下級かの相違に過ぎず、同じ穴の狢(むじな)と言える。

その一方で、第二類の基層政権の権力者と第三類の“村覇”は基本的に結託しており、村役人の職権を濫用することで農村を支配し、逆らう者に容赦ない仕打ちをするのが常である。また、第四類の悪徳業者、“市覇”、“業覇”および暴力団などからなる黒悪勢力も、彼らだけでは各種の規制や抑制を受けることから、第二類や第三類の黒悪勢力と連携して庇護を受けるのが常であり、彼らもまた同じ穴の貉であると言える。

第五類は、冤罪や理不尽な処分を受けて上級機関へ直訴する人々を支援するグループの組織者およびその指導者を指すが、彼らは一般に“維権律師(合法的権利を守る弁護士)”あるいは“人権律師(人権弁護士)”とよばれる弁護士とそのグループである。彼らは常に弱者の側に立って公権力に対抗しているが、常に拘束、監視、資格はく奪などの危険にさらされている。しかし、どれだけ脅されても信念を曲げずに、弱者のために公権力と闘う彼らの姿勢は、公権力にとって目の上のたんこぶとなっているのが実情である。

「悪徳役人殺害」に喝采

ところで、中国の庶民が最も関心を示すのは、庶民が主として第二類と第三類の黒悪勢力に分類される悪徳役人を成敗した事件である。2018年3月2日付の本リポート「22年前に殺された母の仇討ち、その執念の源は」で報じた“張扣扣”は、敵対していた王家の父子3人を殺害したが、殺害された王家の長男“王校軍”は現職の役人であった。このため、この事件は中国で「母の敵討ち殺人」として報じられると同時に、百姓無処申冤導致的民殺官(冤罪を晴らそうにも訴える場所を持たなかった庶民による役人殺し)”の典型的な例として注目されたのである。

中国では公権力および役人による理不尽な扱いに抗議して役人を殺害する事件が報じられると、庶民がこれに共感して喝采を送り、犯人を英雄視する風潮がある。これも今回の掃除通知が出された重要な要因となっているものと考えられる。そうした事件の代表例を2件挙げると以下の通り。

【1】2008年7月、北京市出身の失業者“楊佳”(当時28歳)が上海市公安局の“閘北(こうほく)分局”を単独で襲撃して、警官6人を殺害、警官5人と保安係1人に重軽傷を負わせた。上海市内で登録証の貼っていない自転車に乗っていた楊佳は、警官の職務質問に応じなかったために、連行されて激しい暴行を受けた。後に、自転車は借り物であったことが判明したが、公安局は謝罪しなかったことから、楊佳は公安局ビルを襲撃した事件。楊佳は死刑となったが、人々から忌み嫌われる警官を多数殺害したとして英雄視され、北京市内にある彼の墓には今なお参拝者が絶えない。

【2】2015年2月、河北省“石家荘市”の“長安区”に属する“北高営村”の若者“賈敬龍”が中国共産党北高営村支部書記の“何建華”を春節祝賀会の会場で改造した釘打ち機で殺害した。これは、何建華の指示により改築した新婚住宅を理不尽に取り壊され、結婚も断念させられてすべての夢を打ち壊された賈敬龍が行った報復殺人だった。世論は賈敬龍に味方し、一審で死刑判決が出た後、判決の見直しを求める声が高まったが、二審は一審判決を支持し、2016年11月に賈敬龍の死刑は執行された。<注3>

<注3>この事件の詳細は、2016年10月28日付の本リポート「横暴な権力者を殺害した男の死刑は止められるか」参照。

彼ら2人が犯行に走らざるを得なかったような状況が根絶されれば、中国社会は安定の方向へ舵を切ったことになる。掃除通知の発行によってスタートした「暴力団一掃と悪人除去」運動が、中国社会に根付く病根を取り除くことに成功し、習近平政権が求める社会の安定をもたらすことができれば、中国の夢が実現する可能性は見えてこようが、これは一朝一夕にできることではない。世界のどこの国や地域にも黒悪勢力は存在するし、黒悪勢力の掃除に成功した国は恐らくどこにもないだろう。ただ一つ確実なことは、習近平は反腐敗運動の推進によって多数の敵を作ったが、今回の「暴力団一掃と悪人除去」運動によってさらに新たな敵を増やすということである。

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『米朝首脳会談の先に潜む日米離間 「米国第一」への回帰に翻弄される日本』(3/12日経ビジネスオンライン 森永輔)、『米朝首脳会談、安倍・トランプの勝利で北は沈黙 首脳会談を北朝鮮が報道しない理由』(3/12日経ビジネスオンライン 重村智計)について

3/12ZAKZAK<正恩氏が米朝会談を哀願 ホワイトハウスが突きつけた条件を「丸飲み」>やはり石油輸入制限が効いてきたという事でしょうか?石油が無ければ軍を動かすことはできなくなり、クーデターを起こされる可能性もあります。しかし、憲法に核保有が明記されているというのであれば金正恩は米朝交渉の着地をどう考えているのでしょうか?彼が騙すつもりでいても、トランプ政権は歴代政権の北への無能さを非難してきましたから、簡単には行きません。況してや金も今年は米国で中間選挙があり、共和党の支持率を上げるために戦争を始める可能性が高まっているくらいのことは調査済でしょう。本当に核を放棄し、朝鮮戦争終結、米朝平和条約締結となれば良いでしょうけど、拉致被害者をその前に帰還させねば。米国は忘れずに要求を突き付けてほしい。ただ、そうなると北は中国が眼前の敵となります。米国と同盟は共産国である限り締結できないでしょうから(FDRとスターリンの例はありますが、今日では共産主義は人権抑圧システムを持っているのを分かっているので、同盟国にはできないでしょう)北はロシアに擦り寄るのかも。北と中国とはお互いに離れて行くだけでは。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180312/soc1803120004-n1.html

3/12宮崎正弘氏メルマガ<トランプが金正恩と直接交渉へ乗り出す?  中国とは貿易戦争を覚悟の鉄鋼に高関税、その一方で「TPP11」が成立>一昨日の本ブログで「オセロゲームのように、北を中国の勢力圏から外し、非核化して米国の保護国とまでなれば良いでしょうけど。北は主体思想を持っていますが、これの意味するところは中国からの独立という事で、本音では金一族は中国が嫌いと思われます。」と書きましたが、宮崎氏も同じような感想をお持ちです。「▲トランプは北朝鮮の逆利用を考えたのではないか   最終的な米国の敵は中国である。その中国のパワーを減殺させるためには、徒らに直接的な貿易戦争、技術移転阻止、スパイの摘発、中国企業制裁だけでは効果があがらない。げんに中国は南シナ海を支配し、戦後の世界秩序を大きく変えてしまった。 中国の増長に対して、日米も欧州も、いやアジア諸国もロシアも、決定打を欠いた。ならば状況を変える突破口として、トランプは米朝会談という「トランプ」(切り札)カードを切ったのではないのか。」と。

http://melma.com/backnumber_45206_6656716/

3/10阿波罗新闻网<习修宪江泽民为何不反对 美媒说这是内幕習の憲法改正に江沢民は何故反対しなかったのか 米国メデイアが内幕を解説>時事評論家の陳破空は「習の憲法改正成功の裏には年寄りとの異常な取引、高級幹部への反腐敗取締を停止するとしたので、年寄りは習の憲法改正・連任に賛成に回った。かつては反対意見を言えた党内の元老(含む胡錦濤、江沢民)は年をとりすぎ、習の反腐敗調査を恐れ、抵抗する力は持ちえない。

http://www.aboluowang.com/2018/0310/1082359.html

森氏の記事で、川上氏は宮崎氏、重村氏、ZAKZAKの見方と違った見方をしています。いろんな見方が出来ると言うことは、今後トランプ・金会談まで紆余曲折が予想され、会談成就となっても決裂の可能性、軍事攻撃の可能性まであります。金主導でなく、トランプ主導でスケジュール化できるのでは。トランプは今まで騙されてきたことが頭に入っているでしょうから、下手な妥協はしないでしょうし、国務省でなくマテイス長官が陣頭指揮を取っているというので安心です。その時に、一時凍結で妥協するとは考えにくいですが。でもそうなる可能性もあるので、その場合日米で「中距離核ミサイルを日本が保有する」と発表する準備を整えていないと。核ミサイルは米国から買えば良いでしょう。中国は北の核ミサイルだけでなく日本の核ミサイルも恐れなければなりません。NPTをどうするかですが。

重村氏記事の北の外交敗北の意味が分かりました。今まで米国に要求してきたことを取り下げ、米朝トップ会談を切望したことです。それを即座に呑み込んだトランプの勘の良さも褒めています。また軍権を掌握したというのであれば、非核化も実現できるかもしれません。憲法問題はありますが。

森記事

トランプ米大統領が3月8日、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に応じると明らかにした。米安全保障政策を研究する川上高司・拓殖大学教授は、会談の先にあるシナリオのうち最も可能性が高いのは、核・ミサイル開発の凍結。それは日米の離間を促す可能性があると指摘する。

(聞き手 森 永輔)

首脳会談を決めた北朝鮮の金正恩委員長(左)とトランプ米大統領

—ドナルド・トランプ米大統領が3月8日、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に応じると明らかにしました 。驚きました。

川上:実は私はあまり驚きませんでした。

—え、そうなのですか。なぜでしょう。

川上:論理的に考えて、米国、北朝鮮、韓国それぞれに得るものがあるからです。

川上 高司(かわかみ・たかし)氏 拓殖大学教授 1955年熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。この間、ジョージタウン大学大学院留学。(写真:大槻純一)

まず北朝鮮の事情からお話ししましょう。北朝鮮は平昌(ピョンチャン)パラリンピックが終了した後に予定されている米韓合同軍事演習をなんとしてでも中止させたい。この軍事演習は北朝鮮にとって切羽詰まった脅威だからです。米国が北朝鮮を先制攻撃する最大のチャンスになる可能性がある。

北朝鮮が米本土に届く大陸間弾道弾(ICBM)を完成させれば、米国は先制攻撃をしづらくなります。一度の攻撃で、北朝鮮が保有するすべての核兵器を破壊できなければ、米本土が報復攻撃されるからです。米国が「そうなる前に先制攻撃をする」と考えてもおかしくありません。

演習中はさまざまな戦略兵器を朝鮮半島の周辺に動員します。米軍はそのまま、先制攻撃に移ることができる。北朝鮮は米国がこのチャンスを生かす可能性があると恐れています。

既に決まっている南北首脳会談に続けて米朝首脳会談が行われれば、少なくともその間、米韓合同軍事演習を先送りさせることができる。北朝鮮はその間に、米本土に届く大陸間弾道弾(ICBM)の開発を進めることができるわけです。

北朝鮮としては、ICBMを完成させ最小限抑止を実現した上で、核保有国として米国と協議することが最善であるわけですが、この首脳会談の機会を生かさない手はありません。

—韓国にはどのようなメリットがあるのですか。

川上:米国が先制攻撃をすれば、北朝鮮の報復を受けソウルが火の海になる公算が大きい。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、そのような事態は避けなければならない。また、彼の悲願である南北統一に向けて前進することができると考えているのでしょう。

加えて、米朝首脳会談の仲介役を果たすことで、文在寅氏は株を上げることができます。

このように、米韓合同軍事演習の延期もしくは中止について、北朝鮮と韓国は完全に利害が一致しているのです。南北首脳会談を4月末に設定したのもこのためです。この時期は、本来なら演習がピークに達する時期です。南北首脳会談が開かれていれば、米国はその間、先制攻撃に踏み切ることができません。

—米国にはどのようなメリットがありますか。

川上:米朝首脳会談の結果、北朝鮮が核兵器の開発と保有を完全に放棄することが あればノーベル平和賞ものです。会談に応じる価値は十分にある。

加えて、首脳会談に応じた場合と蹴った場合、そのどちらが秋に控える中間選挙で票につながるかを考えているのでしょう。トランプ大統領は4月末の南北首脳会談の行く末を見てから、米朝首脳会談に応じるか否かの最終決定をする。応じる方が得策と結論した場合には会う。会うだけでも画期的なことですから。決裂しても、北朝鮮がICBMを完成させる前であれば、先制攻撃のチャンスは残ります。決裂をその大義名分にすることもできる。

政治の舞台と化した平昌五輪

—マイク・ペンス米副大統領と、金正恩委員長の妹・与正(ヨジョン)氏が平昌に滞在していた2月10日 、両者の会談 が直前にキャンセルになる事態がありました。あの一件は、今回の米朝首脳会談の実現に影響を与えているのでしょうか。

川上:そう思います。あの会談はけっきょく実現しませんでしたが、そこに至る過程で、米朝が水面下で接触しさまざまな話し合いをしていたと推測されます。米国はその場で、平昌オリンピック後に行われる米韓合同軍事演習が、北朝鮮への先制攻撃に転換しうるものであることを北朝鮮に強く印象づけたことでしょう。それが、北朝鮮の決断を促したと思います。

ペンス氏が与正氏に声をかけなかった、見ることさえしなかった のは、そうしたプレッシャーが本気であること示す意図だったかもしれない。その後に平昌を訪れたイバンカ氏(トランプ氏の娘)にも、どのような態度を取るべきか、一挙手一投足について指示が出ていたと考えられます。

関連して、興味深い情報があります。米国の病院船「マーシー」が6月に東京港に寄港するのです 。朝鮮半島で有事が起き避難民が日本に押し寄せる事態に備えるもの--と北朝鮮に印象づけるためと考えられます。

—平昌では、オリンピックの祭典の裏で様々な駆け引きがあったのですね。

川上:はい、まさにオリンピックの政治利用です。文在寅氏は、米朝首脳会談を仲介したことを自らの手柄として誇ることでしょう。オリンピックがこの時期に韓国で開催されたのは偶然にすぎないわけですが。

—米国の東アジア外交の劣化が言われています。トランプ大統領はスーザン・ソーントン氏を東アジア・太平洋担当の国務次官補に指名しましたが、上院の承認が得られていません。駐韓国大使も空席のままです。6カ国協議の米次席代表を務めたビクター・チャ氏の起用を撤回したことが報道されています 。

川上:私はその点は懸念していません。現在の対北朝鮮外交は国務省ではなく国防総省、七課でもジム・マティス長官が主導していると見ています。

考えられる三つのシナリオ

—米朝首脳会談が実現するとして、核・ミサイル開発をめぐる話し合いはどう進むのでしょう。

川上:米軍関係者と話をすると、次の三つのシナリオが浮かび上がります。

第1は北朝鮮が核の完全放棄を受け入れる展開。これが実現すれば、それに越したことはありません。しかし三つのうち最も可能性が低い。北朝鮮は在韓米軍の撤収、朝鮮戦争の終結と平和条約の締結を見返り条件として求めてくるでしょうし。

第2は凍結のシナリオです。米国は、北朝鮮が既に完成している核兵器の保有はフリーズする*。しかし、保有数をこれ以上増やすことも、新たな核実験も絶対許さない。北朝鮮は、米本土を射程に収めるICBMの開発も凍結する。

*:数については諸説ある。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は10~20個の核弾頭を保有していると推定

第3は決裂です。これは第2のシナリオの次にあり得るでしょう。

北朝鮮は交渉決裂を米国のせいにして、核やミサイルの実験をさらに続ける。米国も、北朝鮮に責任があると訴え、「最大限の圧力」を加え続ける。

懸念される日米の認識のずれ

—現実となる可能性が最も高い第2のシナリオは日本にとって最悪のものですね。米本土は核兵器の脅威にさらされないので、非核化に対するトランプ政権の真剣度は薄れる。一方で、日本が受ける脅威は変わらない。日米間の脅威認識にずれが生じます。デカップリング(日米分断)の危機が高まる。

川上:その通りです。日本は日米同盟に加えて、独自の防衛政策を考える必要に迫られるでしょう。この夏にもそうした状況が訪れるかもしれません。

次に挙げる三つの事態が起これば独自の防衛政策に対する切迫感が高まると考えられますが、いずれも起こる可能性は低い。第1は尖閣諸島をめぐる日中の衝突。第2は中国による台湾への侵攻。そして第3は朝鮮半島有事です。

こうした事態が起こらず日本人の切迫感が高まらない中で、デカップリングが進んでいく。

—第2の凍結のシナリオは米中関係にどのような影響を及ぼすでしょう。

川上:米国と中国は大きく言うと、宥和の方向に向かっています。もちろん貿易の問題はありますが。米国は昨年12月に「国家安全保障戦略」を発表しました。この中で、中国を「revisionist power(修正主義勢力)」と位置づけています。従来は「potential adversary(潜在的な敵国)」としていた。つまり、中国は競争相手ではあるけれども、敵ではないということです。敵対姿勢を完全にトーンダウンしている。

第2のシナリオはこの流れを加速させるかもしれません。米国は北朝鮮を先制攻撃しないのですから、中国にとっても歓迎すべき話です。

米中の宥和は日米同盟を希薄にすることにつながります。同盟は、敵があってこそ真剣味が増すもの。敵がいない同盟は希薄化せざるを得ません。

北朝鮮の一連の動きを見ていると、日米の手の内を読み切っている観があります。中国がインテリジェンスを提供していることが考えられます。中国は100年の単位でものを考える国です。米国と歩調を合わせて制裁強化に進んでいますが、その一方で、北朝鮮への支援を続けていることでしょう。北朝鮮が核兵器を保有し、日米に脅威を与えている状況は中国にとって悪いことではありません。

さらに言えば、北朝鮮に対しても冷徹な姿勢を保っているでしょう。金正恩氏を取り除き、金正男氏の息子に後を襲わせることも視野に入れていると考えられます。

—中国の外交は二枚腰、三枚腰というわけですね。日本独自の防衛策として、どのようなものが考えられますか。

川上:以前にお話しした、核持ち込みや核シェアリング、さらには核武装の議論が始まる可能性があります(関連記事「米安保戦略を読む、実は中ロと宥和するサイン」)。

「米国第一」の米国に頼り続けられるか

—第2のシナリオへの道は、大統領が代わると変わるものでしょうか。つまり、「米国第一」を主張するトランプ氏が大統領だから選ぶ選択肢なのか。それとも、誰が大統領になっても米国はこの選択肢を選ぶのか。

川上:誰がなっても同じだと思います。米国はオバマ大統領の時から、米国第一の道を事実上歩んでいました。ロシアによるクリミア併合を許し、化学兵器を使ったシリアへの軍事攻撃も見送っています。オバマ氏は独立宣言の起草に加わった建国の父の一人、トーマス・ジェファーソンの考えを信奉していました。ジェファーソン主義は自由と平等を重視する一方で、「孤立主義」「一国平和主義」の性格も持っています。それゆえ「世界の警察」からも降りた。

ジェファーソン主義は米国という国の本質です。第2次世界大戦後から今日まで覇権国であったことの方が米国にとって異常な状態と言えるかもしれません。米国は覇権国の座を戦争することなく他の国に明け渡すかもしれないですね。「トゥキュディデスの罠」の話よろしく、覇権の交代は戦争を招いてきました。しかし、米国が自ら降りることも考えられる。

—少なくともアジアではそうなる可能性がある。

川上:そうですね。

—だとすると、TPP(環太平洋経済連携協定)やアジア・ピボットを進めていたのはいったい何だったのでしょう。

川上:幻想だったのかもしれません。私は米国が「アジア・ピボット」を「リバランス」と言い換えたことに衝撃を受けました。米国覇権体制の下で平和を維持するのではなく、バランス・オブ・パワーを維持することで平和を維持する存在に、自国の位置づけを自ら変更したことを示す出来事だったからです。

重村記事

米朝首脳会談の決定を報じる新聞を読む韓国の市民( 写真:AP/アフロ)

北朝鮮はこれまで米国に、①米韓合同軍事演習の中止と在韓米軍の撤退、②敵視政策の放棄と③核保有国としての認定を求めてきた。それを“棚上げ”して米朝首脳会談を提案したのは、北朝鮮にとって「外交敗北」。「最大限の圧力」を続けてきた安倍・トランプ戦略の勝利だ。朝鮮半島をめぐる国際関係の力学が変わるかもしれない。

ただし、気になる事実がある。北朝鮮の通信社と労働新聞は9日にも10日にも、米朝首脳会談を提案したことについて一切報道していないのだ。「金正恩委員長が米朝首脳会談を提案、世界を揺るがす」と、なぜ伝えないのか。

北朝鮮メディアは、米国やドナルド・トランプ大統領をなお非難している。3月10日も「核保有の正統性」を強調し「対米対決」を呼びかけていた。

北朝鮮の首脳部が「非核化の約束」をどう報道させるのか、注目だ。報道内容から、米朝首脳会談に対する金正恩委員長の本気度を知ることができる。北朝鮮の報道機関は、金委員長の指示と許可なしには何も報道できない。過去の表現にならえば、「トランプが頭を下げ、白旗を掲げて首脳会談を求めた」とでも言うのかもしれない。

北朝鮮の首脳部は数年前から「核兵器の完成を宣言し、これ以上実験しないと約束し、米朝交渉に臨む」との戦略を立てていた。つまり首脳部は、米朝関係を正常化することなしには生き残れないと理解している。

韓国を仲介に選んだのはなぜか

加えて、なぜ北朝鮮の指導者は、韓国高官にトランプ氏への伝言を頼んだのか。北朝鮮は、韓国を「米帝の傀儡政権」としており、国家としての存在を公式に認めてはいない。その韓国にトランプ氏へのメッセージを託したら、国内は動揺するだろう。中国やロシアの首脳に託すならともかく、「敵対勢力」の高官に「依頼」したのだから、威信とプライドを失う行為だ。だから、国内で直ちに報道することができないのか。

北朝鮮が、米国への仲介を中国とロシアの首脳に頼まなかった事実から、中ロ首脳との関係が最悪だと分かる。北朝鮮は、中国とロシアに何度となく裏切られてきた。直近では、中国が国連制裁に協力し、貿易と石油供給を制限した。北朝鮮はこれを「裏切り」として怒っている。

金委員長は、平昌(ピョンチャン)五輪に派遣した妹の与正(ヨジョン)氏を、米国のマイク・ペンス米副大統領と会談させ、米朝首脳会談を直接申し入れればよかったのだ。しかし、この機会を自ら葬ってしまった。これが、その後の「外交完敗」につながっている。

ビジネスマンの勘が生んだ“逆サプライズ”

一方、トランプ氏は3月8日、金委員長からのメッセージを伝えた韓国政府高官に、「米朝首脳会談に応じる」と即答した。金委員長にとって、予想外の反応だっただろう。トランプ氏のビジネスマンとしての勘が、「即時受諾」して金委員長に「逆サプライズ」する行動を取らせたのだ。

政治と外交の極意は「サプライズ」だ。金委員長は、南北首脳会談と米朝首脳会談というサプライズを仕掛けた。ここまでは大成功だった。サプライズがあると、人々は感動する。

これに対してトランプ氏は「逆サプライズ」を仕掛け、金委員長から主導権を奪ってしまった。なかなかの交渉上手だ。

トランプ氏は、支持率の低迷と中間選挙の行方に悩んでいた。そこに、自分の人気と評価を上げ得る話題が飛び込んできた。普通の大統領なら、国務長官や担当者との相談に時間をかけるが、トランプ氏は相談せず「即断した」。相当な決断力だ。

軍の動向に要注意

日米韓3国の情報機関が関心を寄せるのは、北朝鮮軍の動向と意向である。金正日時代は「先軍政治」を採っており、軍人が威張り散らし、党や政府高官の言うことを聞かなかった。金委員長は、軍人の力を抑えるために「処刑」や「処罰」を繰り返した。

最近になって、金委員長が軍をようやく掌握した兆候がある。北朝鮮軍の創建記念日を変更し、「先軍政治」を事実上廃止した。軍を抑える自信が生まれたのだろうか。

拉致問題の解決を日米共通の利益に

米朝首脳会談を引き出したのは、安倍晋三首相とトランプ氏の信頼関係を礎とする対北朝鮮戦略の成果だ。安倍首相は、「石油制裁が効果的だ」とトランプ氏に教えた。

米朝首脳会談を、拉致被害者を帰国させるよう働きかける機会にすることが大事だ。米国に、「拉致被害者の帰国なしには、北朝鮮との国交正常化に応じない」と言わせるべきだ。

同盟を維持するには、共通の価値と利益が欠かせない。日米同盟強化のためにも、拉致問題解決を日米共通の価値と利益にすべきだ。

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『米朝首脳会談、3つのシナリオ 「不発」「談判決裂」から「米韓同盟破棄」まで』(3/9日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

3/9阿波罗新闻网<王毅两会记者会上发飙 美国明确威慑 中共秒怂=王毅は両会(全人代&政商会議)の記者会見で癇癪を起す 米国は明らかに威嚇してきている 中共はすぐに退却>「米国の鉄鋼・アルミの高関税問題で打つ手は?」との記者の質問に、王毅は「その質問は攻撃的だ。中米は競争関係にあり、敵となる必要はなく、パートナーになるべき」と正面から答えなかった。

米空母カールビンソンの訪越の記事で、ネット民の余很猛は「面白いのは米国が威嚇したら中国はすぐに後退した。2月にペンタゴンが2018新核戦略報告を出したのは明らかにレッドラインで、もし中共が南シナ海や台湾、日本を挑発すれば、米軍は中共の統治をひっくり返し、解放軍を壊滅させるだろう。3/5環球時報は「米軍の軍艦は南シナ海を自由に遊弋できる」と。二度と南シナ海は中国の核心的利益と言うな、二度と武力を以て脅すようなことはするな」と指摘。

http://www.aboluowang.com/2018/0309/1081808.html

3/10阿波罗新闻网<中國走向威權國家 美戰略停止對中共接觸?=中国は権威国家に向かっている 米国の戦略は中共との接触を停止すること?> ニクソン以来、米国は中共に関与政策を採り、中国を豊かにすれば民主化が進むと思って支援してきたが、中国は逆を向いて走っている。米国の70年間の政策は失敗だった。米国の中共戦略は変わるのだろうか?

バイデンの国家安全顧問だったエリー・ラットナーは「中国に対しアメとムチが必要」と意見表明、米国議会の米中関係作業グループ共同議長のリックラーセン下院議員は「中国との衝突は不可避だからその軍事的な準備をする一方、米国が持つ教育、商業、貿易、投資、軍事力をもっと活用すべき」と述べた。テキサス大学のウイリアム・インボーデンは「米中はツキデイテイスの罠に嵌まるには経済関係が相互依存している。戦争は多大な損失を産む。トランプの対中高関税政策は両国の経済依存関係を引き剥がすのかもしれない。それができれば米国は今までと違った戦略が採れる」と述べた。

http://tw.aboluowang.com/2018/0 310/1082166.html

3/10阿波罗新闻网<川普拟见金正恩内幕曝光 有一重大情况 白宫澄清=トランプは金正恩の言ったことを明らかにして思案中 重大な状況であるがホワイトハウスは何をすれば良いかハッキリ分かっている>トランプが韓国の鄭義溶・大統領府国家安保室長と面会した時には、金正恩の親書はなく、口頭伝達だったとのこと。トランプは3/9ツイッタ-で「金正恩は韓国の代表団と核ミサイルの一時的凍結ではなく、非核化について話合い、またこの期間中ミサイル試験もしないとした。大きな進歩であるが、制裁は合意に達するまでは続ける。会談は行われるだろう」と表明した。ホワイトハウスの事情通は米国の過去27年間の対朝政策は失敗と言うのをトランプ政権は知っていてそこから教訓を得ようとしている。

http://www.aboluowang.com/2018/0309/1081799.html

3/9希望之声<金正恩“妥协”将会见川普 专家:这两大变化促成的=金正恩の妥協がトランプとの会見を可能にした 専門家は「この両者の変化は促成だ」>コロンビア大学の李天笑博士は「この変化は2つの外界の変化による。一つは米国大統領がトランプになったこと。二つ目は習近平が江派を抑えて朝鮮を支援し無くなったこと。どんな結果になるか2つの点に着目してみたい。一つは金正恩が騙すだけで実質的な結果が得られない場合、もう一つは非核化の端緒になる場合」と述べた。時事評論家の唐靖遠は「金の言う朝鮮半島の非核化は北の非核化だけでなく、米軍空母や在韓米軍の非核化も指している。更に言えば、非核化を話し合う前に①金体制の安全の保証②威嚇を受けない環境下でと金は要求。「威嚇を受けない」というのはどういう意味か?在韓米軍の撤退か?軍事演習の中止か?こんな条件は米韓とも受け入れられない。非核化と言うボールを米韓に預ける作戦だろう。李天笑は「もし、最終的に金が協議をぶち壊すか会談が破裂すれば米国は軍事行動を取る可能性が高くなる。特に再度核実験とかミサイル発射をすれば。米軍は近じか5015作戦計画を試す演習をする。核攻撃を含む先制攻撃である。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/03/09/n1604288.html

http://www.sankei.com/world/news/171012/wor1710120006-n1.html

藤井厳喜氏の『希望の日米新同盟と絶望の中朝同盟』には「これは今まで誰も指摘してこなかったことだが、チャイナと西側諸国、特にアメリカとの暗黙の合意とは、以下の2つであった。

第1は、中国共産党が対外侵略戦争を起こさないという約束である。中国共産党の国内における人権弾圧に関しては、アメリカも西側諸国もこれを相当程度、看過することが出来る。口先では非難しても、これを理由にチャイナを国際的な貿易体制から排除することはしない。しかし中国共産党が現行の国際秩序を破壊して、領土や領海を拡張するような侵略戦争をすることは許されない。西側諸国のこの要求を中国共産党は受け入れ、その代わりに世界の開かれた経済システムへの参人を許されたのである。それによって高度の経済成長が可能となった。中国共産党が対外侵略戦争を行わないことは「最重要の暗黙の了解」であった。

第2の条件は、中国共産党が台湾への武力侵攻を行わないことである。この了解事項をアメリカは特に重視した。これは、第1の暗黙の了解をより具体化した合意であると考えることが出来る。そもそも1979年にアメリカが、中華人民共和国との外交閲係を樹立した時に、この台湾独立の不可侵は米中問における最も重要な了解事項であった。鄧小平は繰り返し、アメリカ側に「台湾の武力解放」がないことを約束した。これは口頭における約束ではあったが、それゆえに条約などに明文化された協定よりも、より重大な紳士協定であった。

1979年、アメリカは、中国共産党をチャイナの正式の代表と認めると同時に、国内では台湾関系法を成立させた。台湾関係法は、台湾の国民(people)の意思を尊重することを明記している。台湾に対する武器供与も約束している。中国共産党は、台湾関係法を持っているアメリカとの国交正常化を受け入れたのである(この件に関してはあとで詳述する)。

台湾関係法による、事実上の台湾独立の維持という条件を受け入れたくないのであれば、中国共産党政権はアメリカとの国交正常化を拒絶することが出来たのである。すなわち、その時点においては、台湾独立を認めないという原則を無視して、米国との国交正常化とその延長線上にある経済的利益を優先するという判断を下したのであった。

台湾独立の拒否は、チャイナ外交における原則でも核心的利益でもなかったのである。その時点では、アメリカと国交正常化し、世界の開かれた貿易体制に参入し、経済発展を図ることの方が、彼らのいう「ワン•チャイナ•ポリシー」の原則よりもはるかに重要だったのである。」(P.160~161)

とありました。習が鄧小平を嫌っている理由が分かりました。米国と勝手に密約を結んだからでしょう。でも役割分担で、鄧が騙す役で、習が実行役かも。まあ、大中華は本当に「騙す人間が賢い」世界ですから、米国は「間抜け」としか思っていないのでは。今の日本は更に上を行く「大間抜け」ですが。

上述の中国語の記事と鈴置氏の記事で、会談を破談させれば米軍の攻撃の可能性は高まるとのことです。やはりトランプは「平和の為の努力をした」とのアリバイ作りに成功したという事です。もし本当に金が下りて非核化に成功するなら万々歳です。日本の軍事力強化とは別の話として。

まあ、会談しない可能性もありますから。事務局が事前準備するときにゼロ回答であったなら。これが「不発」の意味です。「米韓同盟」破棄まで行くかどうかです。中国を利することになりますので。藤井氏の著作に依れば、習の中国は密約破りをしようとしていますので、易々と中国に朝鮮半島を渡すことはないと思います。韓国民の犠牲が出たとしても。日本はEMPでミサイルが飛べなくしてほしい。

記事

「首脳会談」を巡って米朝の駆け引きは続く(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

米朝首脳会談は開かれるのか。戦争は避けられるのか。3つのシナリオで読み解く。

5月までに米朝首脳会談

—米朝首脳会談の可能性が急浮上しました。

鈴置:北朝鮮を訪問した韓国の特使団が3月8日、ワシントンでトランプ(Donald Trump)大統領に会い、米朝首脳会談を開きたいとの金正恩(キム・ジョンウン)委員長の意向を伝えました。

米国は直ちに応じました。トランプ大統領は「(非核化に)合意できるまで(対北)制裁は続けるが、(米朝首脳)会談は計画中だ」とツイート

Kim Jong Un talked about denuclearization with the South Korean Representatives, not just a freeze.

Also, no missile testing by North Korea during this period of time.

Great progress being made but sanctions will remain until an agreement is reached. Meeting being planned!

ホワイトハウスのサンダース(Sarah Sanders)報道官も「彼(トランプ大統領)は金正恩からの会談の要請を受け入れる。場所と日時は今後決める」と語りました。ツイートでも読めます。

greatly appreciates the nice words of the S. Korean delegation & Pres Moon.

He will accept the invitation to meet w/ Kim Jong Un at a place & time to be determined.

We look forward to the denuclearization of NK. In the meantime all sanctions & maximum pressure must remain

なお会談時期に関し、韓国の特使、鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台(大統領府)国家安保室長はトランプ大統領との面談後の会見で「大統領は『(2018年)5月までに金正恩と会い、完全な非核化を成し遂げる』と語った」と述べています。

トランプ大統領の誤解

—では、米朝首脳会談の開催は確定的ですね。

鈴置:まだ、微妙な点があります。トランプ大統領が「北朝鮮が全面的な非核化に向け大きく動き出した」と理解――誤解したフシがあるからです。

先に引用したツイートでも、わざわざ「金正恩が韓国と非核化を話し合った。凍結ではない」と強調しています。

韓国の特使、鄭義溶・室長は会見で「金正恩は非核化を約束した」と語っています。大統領もそう説明され、真に受けたと思われます。

I told President Trump that, in our meeting, North Korean leader Kim Jong-un said he is committed to denuclearization.

Kim pledged that North Korea will refrain from any further nuclear or missile tests.

でも、金正恩委員長の言う「非核化」とは、核とミサイル実験の一時的な停止を意味するに過ぎないと見られます。

少なくとも北朝鮮から戻った当日のソウルでの鄭義溶・室長の説明では「対話が続く間は、追加の核実験や弾道ミサイルの試射など戦略的な挑発を再開しない」ということでした(「『時間稼ぎ』の金正恩に『助け舟』出した文在寅」参照)。

鄭義溶・室長もトランプ大統領に「核・ミサイル実験はもうしない」と説明したと明かしていますが「対話が続く間は」との条件も伝えたとは言っていません。

トランプ大統領を米朝首脳会談に応じさせるため、特使が金正恩委員長の発言を都合よく誤訳して伝えるのではないか、との懸念が韓国では語られていました。

米朝の仲介役を務めることで外交的な主導権を握る、というのが文在寅(ムン・ジェイン)政権の基本戦略です。

中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長は「『何も見えない』仲立ち外交の危険性=韓国」(日本語版、3月7日)で「仲人口」(なこうどぐち)が韓国を危うい立場に陥れかねないと危惧していました。

韓国の仲人口を牽制

—「仲人口」が破綻すると、どうなるのでしょうか。

鈴置:まずは、米朝首脳会談が不発に終わる可能性があります。早速、韓国の「仲人口」を牽制するかのような発言がホワイトハウスから飛び出しました。

3月8日、匿名の高官が電話でメディア各社と会見し「完全な非核化という結果にのみ合意する」と語りました。「交渉で北朝鮮の核施設に対する検証を要求するのか」との質問には「完全な非核化のためには当然、実施する」と答えました。

VOAの「米高官『北朝鮮の完全な非核化だけに合意する』」(韓国語版、3月9日)で読めます。

ただトランプ大統領も、金正恩委員長に非核化するつもりなど全くないと分かっていて、会談する可能性もあります。

トランプ政権は戦争の覚悟まで固めて北朝鮮の核問題に臨んでいる。しかし、その決意が金正恩委員長に伝わっていないのではないかとも懸念しています。

米国としては、金正恩委員長との会談をトランプ大統領の本気度を伝える場に活用できるのです。平和的に解決するためにはもちろん、軍事的に解決するためにも「意思の通告」――最後通牒の場が必要不可欠です。

動揺が広がる北朝鮮

—米朝首脳会談が開かれるということで「米国は非核化の要求を放棄した」と言う人もいます。

鈴置:北朝鮮ではそう説明し始めたようです。内情を知る人によると、普通の人はもちろん労働党の幹部も米国の空爆を恐れ、動揺が広がっていた。ここで嘘でもいいから「米国は非核化の要求を降ろした」つまり「戦争はない」と宣伝しないと体制が持たない。

—「米国が非核化要求を放棄した」と主張するのは北朝鮮関係者ということですか?

鈴置:その立場になくても「対話=妥協」と勘違いしている人がいます。現在、米政府が対話の場を作ろうとするのは、決意をなんとか伝えたいからです。交渉により妥協するからではありません。が、米国でもなかなかそれが理解されない。

そのためでしょう、米政府系メディアのVOAが「対話」(talk)と「交渉」(negotiation)を区別して報じ始めました。3月8日、エチオピアでティラーソン(Rex Tillerson)国務長官がこう発言しました。

We are a long ways from negotiations. We need to be very clear-eyed and realistic about it.

I think the first step, and I’ve said this before, is to have talks.

これを引用したVOAの「ティラーソン長官『北朝鮮との交渉は遠くにある』」(韓国語版、3月9日)は「初めの一歩は、前にも言ったように(交渉ではなく)対話なのだ」と「交渉」という単語を補って訳しました。

2つの廃棄の交換

—では、米朝首脳会談は実施しても決裂する……。

鈴置:金正恩委員長が核を完全に放棄しない限りは。そうなれば戦争の可能性が一気に増します。北朝鮮もそれは分かっている。

しかし、このままだと経済制裁と軍事的な圧迫で体制が崩壊しかねない。追い詰められたあげく「対話」に打って出たのでしょう。

—「対話」に出ようが、決裂すれば逆効果です。

鈴置:可能性は低いけれど、金正恩委員長が生き延びる道があります。本当に核を放棄することです。もちろん朝鮮人民軍からは強い反対の声が出るでしょう。

ただ、軍をなだめるために核放棄と同時に、米韓同盟を廃棄させれば何とか体制を維持できるかもしれません。

鄭義溶・室長が金正恩委員長の発言として伝えた中に、以下の1項目があります(「『時間稼ぎ』の金正恩に『助け舟』出した文在寅」参照)。

軍事的な脅威が解消され、体制の安全が保障された場合、核兵器を保有する理由がない。

「軍事的な脅威が解消」とは在韓米軍の撤収、さらには米韓同盟の廃棄を指します。核と米韓同盟の廃棄を交換しようとの申し出です。鄭義溶・室長は当然、トランプ大統領に伝えたでしょう。

どうせ、米韓同盟は持たない

—米韓同盟の廃棄を米国が飲むでしょうか。

鈴置:トランプ大統領なら飲むでしょう。そもそも「日本や韓国は自分で守れ」という公約を掲げて当選した人です。

就任後は「韓国は歴史的に中国の一部だった」と語りました。韓国を米国の勢力圏外の国と公言したのです(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

この発言を韓国メディアは「トランプの暴言」と片付けました。でも、米国の安全保障の専門家の多くが、はっきりと言うかは別として「米韓同盟はもう長くは持たない」と考えている。

韓国は米国を離れ中国に吸い寄せられていく。米国もそんな韓国を守る経済的、精神的な余力を失いました。

2月16日に米商務省が提示した、鉄鋼の輸入制限案の1つが「53%の関税」という過激なものでした。対象となった12カ国は中国やロシアなど仮想敵国がほとんど。

しかし、韓国は米国と同盟条約を結んでいるというのに12カ国の1つに入ったのです(「北より先に韓国に『鼻血作戦』を発動する米国」参照)。

韓国では不満の声が上がりました。が、米国からは「韓国が『仮想敵リスト』に入った」ことへの違和感は聞こえてこなかった。

日本の安保環境は激変

—結局、米朝首脳会談は……。

鈴置:不発に終わるか、実現しても米国が「最後通牒」を手渡す場になるか。あるいは、平和的に解決したとしても米韓同盟が消滅の危機に瀕するか――。いずれにせよ、日本を取り巻く安保の環境が激変します。

(次回に続く)

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