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『習近平独裁体制で台湾侵攻を視野に入れた中国 台湾での日米台安全保障対話と第1列島線による包囲網づくり』(3/23JBプレス 渡部悦和)について
3/25宮崎正弘氏メルマガ<ジョン・ボルトン新大統領補佐官は「タカ派のなかのタカ派」 この人事は米国の「対中貿易戦争」への宣戦布告に等しいのか>
http://melma.com/backnumber_45206_6661926/
宮崎氏の解説に依れば、ボルトンを満を持して登場させたのではという事です。フリン、ケロッグ、マクマスターとトランプ政権発足して1年チョイで安全保障担当補佐官は4人目です。対中強硬派を最初から入れたかったけど、じわりじわり中国を追い詰める方法を採っているのだと思います。ボルトンは「沖縄基地の一部を台湾に移転させれば良い」と言った人物です。本記事の渡部氏の言う南シナ海・東シナ海の関係国が協力して中国封じ込めのA2/AD作戦を採るためにも移転すれば良いでしょう。また日本でも、陸自の与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島に地対艦誘導弾や地対空ミサイルなどの部隊を配置するのに大賛成です。
宮崎氏は「トランプは考え出したのは、超弩級の発想の転換だった。
北朝鮮を、中国封じ込めの先兵に利用できないだろうか。習近平と金正恩の仲は最悪、平壌が豪語する「全米を射程に入れた核ミサイル」とは、「全中国をカバーできる」という逆の意味がある。
トランプの対中敵視政策は本物である。
その第一弾が米中貿易戦争、つぎは人民元の為替操作非難ではないだろうか。そして中国の次なる報復手段は保有する米国国債の売却、ウォール街へのパニック・ミサイル発射をほのめかすことになるのではないか?」と述べています。本ブログでも何度か北の米側への取り込みについて書いてきました。中国が緩衝国家と思っていたのを敵対国家に仕立てるのです。でもそれには条件があり、非核化と体制保証をセットにせざるを得ないでしょう。サウジのような警察国家、エジプトのような軍事国家とも米国は交流しているのですから、共産主義国(実質金王朝)を存続させるのもやむを得ないのでは。朝鮮人民を虐げることが無いよう指導するしかありません。韓国と統一は経済格差がありできないと思います。
米中が貿易戦争になれば最終局面で金融制裁($を決済通貨として使わせない)まで課せば良いのでは。トランプはこれを狙っていて、段階的にプロセスを踏んでいる気がします。渡部氏は「中国は大きくなりすぎて封じ込めは現実的でない」と言っていますが、金融制裁すれば可能と思います。是非追い込んでほしい。
人民元の為替操作も金融制裁の名目になります。或はWTOから放逐する理由にもなります。力技を発揮しているトランプですからやるかもしれません。米国債の売却は本ブログで何度も言っていますように日本が引き受けすれば良いのでは。
1/11ロイター<アングル:中国の米国債購入事情、「買い控え」は可能か>
https://jp.reuters.com/article/usa-bonds-china-explainer-idJPKBN1F00WL
1/12ライブドアニュース<スティーブン・バノン氏「このままなら米や日本は中国の属国に」>
http://news.livedoor.com/article/detail/14146548/
バノンの見立ては正しいでしょう。小生が何時も言っていますように、中国は世界征服の野望を持っています。渡部氏も本記事で触れています。自由・民主主義・人権・法治のない共産主義に世界を塗り替えようとしています。左翼リベラルが如何に中国の理解を誤導させてきたか。今でもメデイアの報道はフェイクであり、捏造です。彼らの言い分を信じている人はおめでたいというしかないし、中国の野望が実現したときに自分の不明を恥じるのでしょうけど時すでに遅しです。
バノンの言うように日本も自由世界を守る努力をしていきませんと。国内では極左暴力団の取り締まり強化、スパイ防止法の制定、台湾関係法の制定等です。
山内昌之氏著の『歴史家の展望鏡』(書評を纏めたもの)に「日米関係を左右するロビー活動」(P.268~269)にケント・E・ガルダー著『ワシントンの中のアジア—グローバル政治都市での攻防』の書評が載っていました。それには「今の日米関係はワシントンの議会とそれを取り巻くロビー活動で決まる。ロビー活動で使う中国の支出は、2007年から12年の間に3倍以上も増加し、韓国も2倍以上に増加している。日本は民主党政権下で減少する始末」とありました。如何に左翼政党がダメか分かるでしょう。日本もアメリカ国民に日米台の(準)同盟の大切さをもっと訴えていかないと。民主主義国は共産独裁ではありませんから、同盟を維持するのには不断の努力が大切です。
記事

台湾・台北で、独立派によるイベントの様子(2017年10月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/Sam YEH〔AFPBB News〕
台湾での日米台安全保障対話
私は、3月7日から12日まで、台湾シンクタンク(TTT)が主催する「日米台安全保障対話」に招待され参加した。
テーマは、「自由で開かれたインド太平洋戦略」と「台湾の防衛」であったが、改めて認識したのは中華人民共和国(=中国)の脅威であり、台湾防衛の難しさであり、共産党一党独裁の中国の脅威に対し日米台などの民主主義国家が一致団結していかに対処するか、その具体策の必要性であった。
本稿においては、強大化する中国に対処し、民主主義などの基本的な価値観を擁護するための対中国包囲網の構築を提案する。
この対中包囲網は、対中封じ込めが目的ではない。中国の国力は封じ込めが可能なレベルをはるかに超えていて、封じ込めは現実的ではない。
しかし、民主主義国家の包囲網を構築することにより、何とか世界一の強国を目指す中国の覇権主義的な行動を抑止しようとするものだ。
習近平主席の野望
- 世界一の強国を目指す習近平氏
中国の憲法が改正され、国家主席の2期10年という制限が撤廃され、習近平氏は国家主席としての2期目が終了する2023年以降も国家の最高指導者として君臨することが可能になった。
この憲法改正の軍事的な意味について考えてみたい。
図1は、習近平氏が2017年の第19回党大会で宣言した内容を中心にして「中国の三段階発展戦略」を説明している。
まず、2020年までを第1段階として「軍の機械化と情報化を実現」し、2020年から2035年までを第2段階として「国防と人民解放軍(PLA)の現代化を実現」し、2035年から2050年までを第3段階として「総合国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ社会主義現代化強国」を実現することが目標である。
なお、政治的には中国共産党の建党100周年の2021年及び中華人民共和国の建国100周年の2049年が節目の年となる。
図1「中国の三段階発展戦略」

出典:台湾の国防報告を基に筆者が作成
今回の憲法改正は、習近平の長期間の独裁体制を可能にし、自らが設定した三段階発展戦略を自らの手で実現する態勢が出来上がったことを意味する。
そして、習近平の統治が長くなればなるほど、彼が主導しているPLAの改革が進展し、PLAが強大化する可能性が高くなり、我が国にも大きな影響を与えることになる。
中国は習近平独裁体制のもと、自国への自信を深めつつあり、米政府に対してイデオロギー・外交・経済・軍事・科学技術の分野で挑戦する姿勢を強めている。
中国の当面の目標は、世界で最も重要な商業航路である西太平洋における米国の支配に終止符を打つことだ。
そして、中国当局は自国の新たな独裁主義を、中国に適した統治法というだけでなく、欧米の民主主義に代わる世界的な統治モデルとして提唱しようとしている。
- 台湾統一は、野望実現のために優先順位の高い案件だ
台湾統一問題は、習近平氏の「中華民族の偉大なる復興」という目標実現のために、解決しなければいけない大きな懸案事項だ。
中国当局の台湾に対する介入は、本土の経済成長と連動していて、本土の経済力が大きくなると、台湾の統一はより差し迫ったものになる。
中国当局は、台湾統一の方策を追求しているが、最終的手段として「力による台湾統一」を採用する可能性はある。
しかし、「戦わずして台湾統一」が実現できれば理想的で、そのために習近平の台湾戦略は、様々な分野(経済、政治、軍事、文化、社会、司法)における細部の戦術に具体化されている。
中国当局は当面、台湾に対する「アメとムチ」政策を強化することになる。
いままでも、台湾人や台湾企業を中国本土に誘い込むために、本土の巨大な市場へのアクセスを許容し、台湾人の給料を上げ、台湾人を中国本土の人達と同等に扱うなどの経済的なアメの政策を行ってきた。
しかし、アメの政策が失敗すると、力による台湾の占領に動く可能性がある。
中国の軍事侵攻
私が懸念するのは、中国が世界一の強国を目指す過程において、手頃な相手に対して「短期限定作戦」を行う可能性である。
習近平氏は、2018年1月3日、中部戦区を訪問した際に、「国家防衛にあたっては、苦難も死も恐れてはならない。任務を遂行するために、常に戦備を整えて臨戦態勢を取り、必ず勝利できる強力な精鋭部隊を創設せよ」と過激な演説を実施した。
この演説は、起こり得る可能性のある短期限定作戦を念頭においた可能性がある。
- 中国の短期限定作戦が起こり得る地域
今後、発生が予想される「短期限定作戦」の舞台は、台湾、インドとの国境付近、朝鮮半島、南シナ海、東シナ海だが、中国は台湾を一番重視している。
PLAの演習における紛争シナリオの80%は台湾紛争だと言われている。習近平主席は、中国共産党結党100周年にあたる2021年までに台湾を占領したいと願っているという噂がある。
また、米国のシンクタンク「Project 2049」の中国・台湾研究者のイアン・イーストン(Ian Easton)は、中国の極秘の作戦計画を基にして中国の台湾進攻をテーマとした「中国の侵略の脅威(The Chinse Invasion Threat)」を出版し話題になっている。
筆者は台湾訪問期間中に、同地のシンクタンクの台湾人研究者と意見交換したが、中国による台湾進攻に対する彼らの危機感は強かった。
次いで、衝突の可能性があるのは、インドとの国境周辺地域(例えばドクラム高地)であり、昨年には両国軍隊が対峙した事件があった。
また、朝鮮半島紛争シナリオもある。北朝鮮の金正恩が核・ミサイル開発を強引に推し進め、米国の脅威になったならば、米国は北朝鮮に対する攻撃を行う可能性がある。その際に米軍とPLAが激突することがあるかもしれない。
また、南シナ海においても「短期限定作戦」の可能性がある。
当然ながら、我が国の尖閣諸島を含む南西諸島でも紛争の可能性があり、現在自衛隊が推進している南西諸島防衛態勢の強化が急務となっている。
- 日本と台湾は中国の脅威において運命共同体である
日本と台湾は共に、第1列島線の重要な部分を構成する国家であり、有事においてPLAが大西洋に進出する際には、両国が大きな障害となる。
最近、PLAの爆撃機、戦闘機、空母等の艦艇が第1列島線を越えて作戦することが多くなり、その動向は日台共通の関心事項だ。
また、図2を見てもらいたい。中国の弾道ミサイルは日本全域をカバーする能力を有しているが、台湾も同じように中国の弾道ミサイル(SRBMを中心とした1200発以上)によりその脅威下にあり、弾道ミサイル防衛は両国ともに喫緊の課題である。
PLAの台湾進攻は、在沖縄米軍基地などの存在を考慮すると、日本の防衛に直接影響を及ぼすことになる。その意味で、日本と台湾は運命共同体である。
図2「中国の弾道ミサイルの脅威」

出典:CSBA
第1列島線による包囲網の構成
図3を見ていただきたい。第1列島線を日本、台湾、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシアまで延伸すると、地政学的に重要な海上交通路の要点(マラッカ海峡、ズンダ海峡など)を含むことになる。
図の赤い部分(チョーク・ポイント)を制するように地上戦力を配置すると、中国に対する包囲網を構成することができ、米軍の作戦は容易になる。
このチョーク・ポイントを利用することにより、米国単独でPLAのA2/AD(接近阻止/領域拒否)に対抗するのではなく、同盟国や友好国と協力することによりPLAのA2/ADに有効に対抗できるようになる。
図3「海上交通路のチョーク・ポイント」

出典:RAND
陸上戦力を配置する最も適した場所が日本の南西諸島である。
陸上自衛隊が与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島にA2/AD部隊(陸自の地対艦誘導弾や地対空ミサイルなどの部隊)を配置することにより、PLAの水上艦艇、潜水艦、航空機のチョーク・ポイント通過を阻止することができる。
自衛隊が南西諸島においてPLAに対するA2/ADを実施することを推奨する。
政治的には難しい点はあるが、PLAに対するA2/ADを実施する場所として南西諸島を核心として、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシアに拡大できれば、PLAは第1列島線に封じ込められたかたちになる。
第1列島線にA2/AD能力のある陸上戦力を展開することにより、PLAに犠牲を強要し、PLAの戦力の分散を図り、米海軍及び空軍の作戦を容易にし、最終的にはPLAの侵攻を断念させる。
この態勢をPLAに示すことにより抑止を達成するという作戦だ。
これらの作戦は、陸・海・空の統合作戦であり、「Air Land Sea Operation(陸海空作戦)」と表現することもできる。
米海軍と空軍が2010年代に主導したASB(Air Sea Battle)が企図した中国本土の目標に対する打撃ではなく、同盟国の配置部隊(allied disposal forces)は、その致命的な打撃を公海などの公共空間(in the commons)で作戦するPLA部隊に限定して与えることになる。
米国とその同盟国や友好国が適切に部隊を配置し、適切に兵器を装備することは、地図上にラインを引くことになる。
PLAのA2/AD部隊がそのラインを越えたならば、堅固で致命的な抵抗に遭うことになる。接近阻止と領域拒否はPLAの専売特許ではなくて日本をはじめとする米国の同盟国も採用することができるのだ。
「自由で開かれたインド・太平洋戦略」
安倍晋三首相は、2016年8月、「自由で開かれたインド・太平洋戦略(略してインド太平洋戦略)」を発表した。
トランプ大統領も2017年11月のアジア歴訪の際に、安倍首相の戦略を受け入れ、米国としても同戦略を追求していくことを明らかにし、昨年12月に発表された国家安全保障戦略でも同戦略は記述されていて、喜ばしい限りだ。
インド・太平洋戦略は、ルールを基礎とする秩序を維持すること、民主主義などの基本的な価値観を擁護すること、市場経済を基礎とする自由貿易体制を維持すること、質の高いインフラを提供することなどを目指していると私は考えている。
そして、インド・太平洋戦略は、明らかに台頭する覇権主義的な中国を抑止する戦略であるし、細かく言えば中国が主導する一帯一路構想に対抗する戦略でもある。
このインド・太平洋戦略こそ、私が推薦する対中国包囲網である。
日本、米国、オーストラリア、インドを中心とし、他の民主主義国家も含めて中国を包囲する態勢を構築し、同地域における平和と安定を達成しようとするものだ。
台湾は、日米が主導するインド・太平洋戦略に大きな関心を寄せている。台湾に対する中国の脅威を考えれば、彼らの関心の強さは理解できるし、何とかインド・太平洋戦略に台湾を組み込む方策を追求することが必要であろう。
台湾での会議では、災害派遣や人道支援などの分野で台湾などを含めた多国間の枠組み・訓練、沿岸警備隊などの法執行機関による多国間交流・訓練、海・空・サイバー空間・宇宙のドメインの状況に関する情報交換などが提案されていた。
できる分野から逐次協力関係を構築する努力が求められている。
結言
冷戦終結後、多くの民主主義諸国の指導者や学者は、中国とロシアを国際秩序に取り込み責任あるステークホルダーにすることを期待した。しかし、その期待は甘かった。
中国は、民主主義を拒否し、専制的な中国モデルを最上として、他国にも中国モデルを推薦している。
ロシアも米国を中心とする民主主義諸国に敵対意識をあらわにし、米国の民主主義に打撃を与える目的で2016年の米国大統領選挙に大規模に介入し、ロシアが望む結果を得た。
民主主義の盟主である米国は、ドナルド・トランプ大統領のアメリカ・ファーストなどの主張のために、中国やロシアに対して断固として民主主義や自由貿易体制を擁護するという主張を展開し切れていない。
いまや民主主義の危機が世界中で叫ばれ、インド太平洋地域においても、中国やロシアの非民主主義的な振る舞いに対して、民主主義、自由、平等、基本的人権の尊重などの価値観を擁護すべきだという声が上がっている。
その意味で、インド・太平洋戦略は意味があるし、それを軍事的にもアレンジした中国包囲網の構築が重要である。この分野における米国のイニシアティブが特に求められる。
台湾に関連して、トランプ大統領は、米国と台湾の高官の相互訪問と交流を促す「台湾旅行法」に署名し、同法は3月16日に成立した。
この台湾旅行法によると、米国の当局者がいかなる地位にあろうと台湾に渡航し、台湾側の当局者と会談し、その逆も容認する内容だという。
台湾旅行法は、中国の一つの中国政策に挑戦するもので、早速、在米中国大使館は、「強烈な不満と断固たる不満」を表明しているが、米国と台湾にとっては画期的な意義を有する法が成立したことになる。
米中対立が激化する危険性もあるものの、盟主米国が今後とも真面目に中国に対峙することを期待してやまない。
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『元スパイ暗殺未遂はロシアによる「みせしめ」か 相次ぐ変死。英ロの対立に欧米も”参戦”し「新・冷戦」の懸念』(3/23日経ビジネスオンライン 池田元博)について
3/24阿波罗新闻网<在俄被控毒害前间谍事件上 欧盟力挺英国=ロシアの前スパイ毒殺未遂事件でロシアを告発 EUは英国を断固支持>EUは駐モスクワ大使を召喚、リトアニア、ポーランド、デンマークはロシア外交官の追放を検討中で、独・メルケル首相は「我々はこれが我々の共同安全に対する挑戦だと思っている」と述べた。
http://www.aboluowang.com/2018/0324/1089311.html
3/18阿波罗新闻网<俄谍案延烧 英国重启调查14起死亡案件=ロシア元スパイ暗殺未遂事件が延焼 英国は14人の死亡事件を再調査>AFPが伝える所に依れば「米国のBuzzfeedは不審死した14人の死亡について再調査」と報道。CIAもロシアの手に因るのではと疑う。MI5が警察と協力して7人を再調査。①Nikolai Glushkov・・・頸部圧迫死②Boris Berezovsky・・・浴室で首吊り自殺③Alexander Perepilichnyy・・・散歩後路傍で死体発見④Badri Patarkatsishvili・・・心臓病死⑤Gareth Williams・・・浴槽内で袋を被された姿で発見⑥Gareth Williams・・・ヘリコプター事故死⑦Scot Young・・・4階から飛び降り。ベレゾフスキーとニコライ・グルシコフは池田氏記事にも出て来る件です。これだけ不審死が挙げられるのであれば、普通はロシアの関与を疑います。欧米の経済制裁を受けているというのに、プーチンも何を考えているのだか。
http://www.aboluowang.com/2018/0318/1086182.html
欧米がロシアと敵対関係になって一番喜ぶのは中国です。サッカー・ワールドカップ後に欧米とロシアが新冷戦と言うのは相手が違うと言いたい。ロシアと経済制裁は継続しても良いので、中国に対する経済制裁を課さねば。少なくとも南シナ海の侵略問題があることを理由に。そうでなければロシアとバランスが取れません。
記事
ロシア大統領選で再選を決めたプーチン大統領に、早くも外交上の難題がのしかかっている。英国で神経剤を使ったロシア人の元スパイ襲撃事件が起き、英ロ関係が急速に悪化。英国は他の米欧諸国などとも連携し、反ロ包囲網を築こうとしているからだ。

英国で起きたロシア人の元スパイ暗殺未遂事件。メイ英首相は現地を訪問し、ロシアへの対決姿勢を強めている(写真:AFP/アフロ)
「ロシアが関与した可能性が極めて大きい」――。英国のメイ首相は今月12日、在英ロシア人への襲撃事件について「英国への無差別で無謀な攻撃」だと表明した。ロシアのプーチン政権を激しく非難し、即刻、真相究明のための説明を求めた。さらに首相は14日、ロシアから真摯な対応を得られなかったとして、ロシア外交官23人の追放などの制裁措置に直ちに踏み切った。
メイ首相が問題視した事件は、今月4日に英南部のソールズベリーで起きた。ロシア人の男女がショッピングセンター前の野外ベンチで、口から泡を吹き、意識不明の状態で発見された。直ちに病院に搬送されたが、いまだに意識不明の重体。救助に当たった英国人の警官も入院したという。
被害に遭ったロシア人は、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)と判明した。スクリパリ氏はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐だった。ロシアメディアによれば、1999年にGRUを退役し、2003年までは外務省に勤務。その後はビジネスを営んでいたが、ロシア連邦保安庁(FSB)によって2004年末、スパイ容疑で拘束された。モスクワで英外交官と頻繁に接触していたことが問題視された。
スクリパリ氏は逮捕後、1995年からスパイとして英秘密情報部(MI6)に協力し、主に欧州で活動していたGRUの職員や協力者の名前などを提供したと証言。見返りに10万ドルを超える報酬を得ていたと明かした。ロシアでは当時、同じくGRU出身の旧ソ連の大物スパイで、MI6などに機密情報を流して処刑されたオレグ・ペンコフスキーの再来とも言われた。
モスクワの軍事裁判所は2006年、スクリパリ氏に懲役13年の有罪判決を言い渡した。ただし、服役中の2010年にメドベージェフ大統領(当時)によって恩赦を受けた後、米国とのスパイ交換で国外追放となり、同年から政治亡命者として英国に移住していた。
ロシア人外交官23人を国外追放
メイ首相はこの2人が「ノビチョク」と呼ばれる神経剤によって襲撃されたと言明した。ノビチョクは旧ソ連で開発された軍事用の神経剤で、致死性は極めて高いとされる。この種の神経剤はロシア以外で調達することが難しいとの理由から、「ロシアが襲撃事件に直接関与したか、国家による神経剤の管理がずさんだったかのいずれかだ」と首相は断じた。
英国が間髪を入れずに打ち出した対ロ報復の制裁措置は、かなり厳しい内容だった。ロシア人外交官23人の国外追放のほか、閣僚・高官レベルの外交交流の中断、6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会への英王室や政府要人の派遣見送りなどを盛り込んだ。追放対象の23人はいずれも「外交官として英国に駐在していた情報機関員」としている。
英ロ間では昨年末、英国のジョンソン外相が英外相として5年ぶりに訪ロしたばかりだ。年内にはラブロフ外相の訪英が計画されていた。また、サッカーのW杯ロシア大会を巡っては、英王室のヘンリー王子らが応援のために訪ロする予定だった。いずれも見送りになるとみられる。
当然、ロシアは反発した。ラブロフ外相は「無礼千万であり言語道断だ」などと批判。ロシア外務省は17日、英国の駐ロ大使を呼び、「英国による挑発行為とロシアに対する根拠のない非難」に報復措置を講じると表明。モスクワの英大使館に勤務する23人の英外交官の国外追放、サンクトペテルブルクの英総領事館の閉鎖などに踏み切ると伝えた。
ロシアはとくに、英政府が明確な証拠もなしにロシアを非難したほか、神経剤の使用で化学兵器禁止条約に違反したと断じたことに反発している。1993年に調印され、1997年に発効した同条約はあらゆる化学兵器の開発、生産、保有を禁止するとともに、保有国には全廃を義務付けている。プーチン大統領は2017年9月末、「歴史的な出来事」として化学兵器の廃棄を完了したと内外に宣言したばかりだ。それに疑問符が付けられたことに、とくに憤慨している。
英国はロシアへの制裁をさらに強化へ
ロシア側は、英政府が神経剤「ノビチョク」の使用をロシアの仕業とする根拠にしている点にも反論。この神経剤が旧ソ連で開発されたことは認めつつも、国内では全廃済みと主張する。一方で、1990年代半ばに米欧の特殊機関が研究文書を持ち出し、米英やチェコ、スウェーデンなどで研究が続けられたとし、米欧で製造された「ノビチョク」が使用された可能性を示唆している。
互いの主張は真っ向から対立したままだ。仮に英国が断定したようにロシアの仕業だとすれば、祖国を裏切るスパイは決して容赦しないというみせしめなのだろう。プーチン大統領は大統領選を前にインターネットで公開された新作のドキュメンタリー映画「プーチン」の中で、「私は(他人を)許すことはできるが、決して許せないのは裏切りだ」と述べてもいる。ただし、神経剤を使った今回の暗殺未遂事件の真相が明らかになることはまずないだろう。
メイ首相は今後、ロシアにさらなる制裁措置に踏み切る構えを示している。ロシアにことさら厳しい態度で臨むのは、これまでもロシア人の変死事件が英国内で相次いできたからだ。中でも、FSBの元中佐で英国に亡命したアレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年、ロンドン市内で放射性物質のポロニウム210を盛られて毒殺された事件は、世界を震撼(しんかん)させた。
リトビネンコ氏は生前、プーチン政権を度々批判し、1999年にモスクワなどで起きたアパート連続爆破事件を、プーチン氏が長官を務めたFSBによる「自作自演」だったと告発したこともある。ちなみにこの爆破事件は、当時首相に就任したばかりのプーチン氏がチェチェン武装勢力の犯行と断定。チェチェンへの大規模な武力攻撃に踏み切り、知名度を上げるきっかけとなった。
英当局はリトビネンコ氏暗殺事件の捜査を半年余り続けたうえで2007年、FSBの前身の旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元職員、アンドレイ・ルゴボイ氏の犯行と断定した。同氏は事件の直前にリトビネンコ氏と面会していた。英政府はロシア政府にルゴボイ氏の引き渡しを求めたが、ロシアがこれを拒否したことから、ロシア外交官4人の追放に踏み切った。英ロ関係も長らく冷え込んだ経緯がある。
リトビネンコ氏の暗殺事件をめぐっては、英内務省の公開調査委員会が2016年、ルゴボイ氏らがFSBの指示で暗殺を実行したと断定するとともに、プーチン大統領と当時のFSB長官だったパトルシェフ安全保障会議書記が「恐らく承認した」とする報告書を公表している。この報告書が公表された際、キャメロン内閣で内相を務めていたのがメイ現首相だ。
ロシアと米欧の対決ムードはW杯後に本格化か
ちなみにリトビネンコ氏の毒殺事件は、ロシアでも大きく報じられた。ロシアの独立系世論調査会社のレバダ・センターは折に触れ、「リトビネンコ氏の暗殺にロシアの特殊機関が関与したと思うか」という設問で世論調査を実施している。2016年9月の調査では「そう思う」が28%、「そうは思わない」が36%だった。当のロシア国内でも、FSBの犯行ではないかと疑う人々が相当数いることは留意すべきだろう。
英国ではリトビネンコ氏の後見人で、同じくプーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)だったロシアの政商、ボリス・ベレゾフスキー氏が2013年、ロンドン郊外の自宅で死亡しているのが見つかった。警察当局は首つり自殺と判断した。
ところが今月、アエロフロート・ロシア航空の元幹部でベレゾフスキー氏の友人だったニコライ・グルシコフ氏が、ロンドン郊外の自宅で死亡しているのが発見された。警察当局は首を絞められたような跡があることから、今度は殺人事件とみて捜査に乗り出している。メイ首相が疑心を強めるように、英国に亡命したロシア人の変死事件が相次いでいるのは事実だろう。
今後、ロシアにとって大きな痛手となりかねないのは、英国が他の米欧諸国や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)などに同調を呼びかけ、今回の暗殺未遂事件を欧州全体の安全保障にかかわる深刻な国際問題とし、プーチン政権への攻撃を一気に強めようとしていることだ。
現に英国、米国、ドイツ、フランスの4カ国首脳は15日、「欧州が戦後初めて神経剤で攻撃された」とし、「ロシアに責任がある可能性が非常に高いという英国の分析を共有する」とする共同声明を発表している。
対するプーチン大統領の反応はどうか。再選確定後の記者団との会見で、ロシア大統領選の最中でサッカーのW杯も控えているのに、ロシアが暗殺未遂事件に関与したと疑うのは「全く馬鹿げており、ナンセンスだ」と大統領は述べている。この発言から察すると、6~7月に開くW杯ロシア大会の終了までは、米欧との対決ムードを極度にあおらないよう努める構えのようだ。米欧との「新冷戦」は、W杯後にいよいよ本格化するのかもしれない。
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『「霧氷少年」のその後は、元の木阿弥 「愛国少年」として「北京の夢」は叶ったが…』(3/23日経ビジネスオンライン 北村豊)について
3/24NHKニュース2:13<米軍が南シナ海で航行自由作戦を実施 中国が批判>「イージス駆逐艦「マスティン」が人工島の周りで領海と同じ範囲の12海里のなかを航行」とありますが、「中国が主張する領海」とすべきでは。かつまた「人工島建設は違法」との国際仲裁裁判所の判決も出たことも紹介すべきです。
3/24看中国<美议员正式提案 将孔子学院列为“外国代理人”(图)=米上院議員は孔子学院を外国エージェントと登記するよう正式に提案>マルコ・ルビオ、トム・コットン、ジョー・ウイルソン(下院)の議員が「外国影響力透明度法案」を上・下院に提出。孔子学院を司法省に外国エージェントとして登記するように求めるもの。中国政府が出資運営する孔子学院は、米国の学問の自由と言論の自由に影響を与え、背後に潜む共産党の政治宣伝は人々に懸念を抱かせるため。法案は孔子学院の登記だけでなく、高等教育法も改正して、学校が5万$や同価値のものを外国から寄付を受けた場合は公表義務を負うようにしている。
1938年ナチスの宣伝攻勢が激しくなり、米国は「外国エージェント法案」を成立させた。この法律は外国から委託を受けて活動する組織・人は米国司法省にその身分や政府・政党・個人・組織も含めて登記することを定めたもの。
共産主義の浸透を恐れ、西側は孔子学院を相次ぎ閉鎖している。マサチューセッツにある2つの大学は孔子学院と関係を断絶するよう州選出の上院議員が呼びかけた。フロリダ大学は孔子学院の上部機構と契約更新せず、シカゴ大学、ペンシルベニア大学、カナダ・マックマスター大学もこれに続いた。
日本の対応は立命館やら早稲田等何もしてないでしょう。文科行政と言っても前川買春次官がいた官庁ですので孔子学院の規制の立法化何て望むべくもない。まあ、スパイ防止法が先でしょう。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/03/24/853626.html
3/23希望之声<美众院情报委员会结论:川普阵营不存在“通俄门”=米下院情報委員会の結論:トランプ陣営がロシアゲートで通じたことはない>「美国众议院情报委员会3月22日正式宣布结束他们对川普阵营“通俄门”的调查,并公布了一份报告宣布川普阵营与俄罗斯当局之间没有“通俄门”, 但是美国情报机构在川普政府任期初期机密信息外泄情况严重。 这是美国国会委员会公布的首个“俄罗斯干预美国大选案”调查的结果。=米下院情報委員会は3/22トランプ陣営のロシアゲート調査結果で、「陣営とロシアの間で通じたことはなかった」と正式に発表して調査を終了した。しかし、情報機関に依れば、トランプ政権初期に機密漏洩があり、これは重大である。これが米国会の委員会で発表されたロシアと米大統領選の調査結果である。これでトランプも動きやすくなるのでは。プーチンと話合い、中国を封じ込める動きをしていってほしい。日本も捏造モリカケに議会が時間をかけるのは余りに不毛です。
https://www.soundofhope.org/gb/2018/03/23/n1644383.html
本記事の霧氷少年については、1/22本ブログでも紹介しました。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=8095
共産党は何でも政治宣伝の対象にするという事です。子供は純粋だから、「警察は悪い奴をやっつけてくれる」と思っているのでしょうけど、共産国家で最も悪いのは公安・警察部門です。腐敗し、人権弾圧を当たり前のようにやります。霧氷少年が大人になって警察官になれば分かると思いますが、その時には彼も腐敗警官となっているのでは。記事内で北村氏が「世界第二の経済大国として、毎年外国に多大な援助を行っているのに、どうして自国の子供が通学するのに、険しい山道を必死に歩いて頭を霧氷で白髪にしなければならないのか」と言っていますように、富の分配が非常にうまく行っていないのが共産中国です。結果の平等を目指す共産主義がこれですから、如何に酷いシステムか分かるでしょう。日本も左翼の言うことを聞いていたら中国みたいになるというのを国民一人ひとりがもっと気にしませんと。
記事

1月に「氷花男孩」(霧氷少年)として有名になった8歳の王福満君のその後は…(写真:Imaginechina/アフロ)
1月8日に中国のSNSである“微信(WeChat)”に投稿された、霧氷を頭髪に付着させて白髪の老人のように見える“氷花男孩(霧氷少年)”と題する写真で、8歳の“王福満”は一躍有名になった。
零下9度の山道を走り、一躍人気者に
王福満は雲南省の東北部に位置する“昭通市”の管轄下にある“魯甸県”の“新街鎮”にある“転山包小学(転山包小学校)”の3年生である。1月8日の朝、彼は学校の期末試験に遅れないようにいつもより早く家を出発し、零下9度の凍てつく気温下で4.5kmの山道を懸命に歩き、家を出てから1時間後にようやく学校へ到着した。試験開始に間に合っただろうかと、心配しながら教室の後ろのドアを開けて中に入ると、一斉に振り向いた級友たちは彼を指さして笑い声を上げた。それは王福満の頭髪が付着した霧氷で白髪の老人のようになっていたからであった。
試験に遅れないように極寒の中を必死に歩いて来た王福満に感動を覚えたクラス担任の教師が、教室に入って来たばかりの王福満の姿を写真に撮り、その写真に“氷花男孩(霧氷少年)”という題名を付けて微信に投稿した。この写真が微信ユーザーの注目を集め、それがネットに転送されて評判となり、さらにはメディアが報じたことで、王福満は一躍時の人になったのだった。この経緯の詳細については、2018年1月19日付の本リポート『「霧氷少年」が露わにした中国“残留児童”問題』を参照願いたい。
転機となった1月8日の朝、王福満はいつものように4.5kmの山道を歩いて学校へ通っただけだったが、担任教師が登校したばかりの彼を撮影した写真を微信へ投稿したことにより、王福満は思いがけず世間の注目を集めることになったのだった。“氷花男孩(霧氷少年)”というという言葉の神秘的な響きと、写真の中の王福満のあどけない表情が人々を魅了し、彼は突然“紅人(人気者)”になったのだ。それでは、その後の王福満はどうなったのか。中国メディアが報じた王福満に関連する記事を取りまとめると以下の通り。
投稿11日後に夢の北京へ
【1】王福満を取材するために新街鎮入りしたメディアの記者から、将来の夢と行きたい場所を尋ねられた際に、王福満は「大きくなったら北京へ行って、“中国人民公安大学”で勉強して警察官になり、悪い人を捕まえる。だから、行きたい所は北京で、中国人民公安大学の学生がどうやって勉強しているのか見てみたい」と答えたが、その願いは写真の投稿からわずか11日目に実現したのだった。1月19日午後2時、王福満と父親の“王剛奎”、10歳の姉“王福美”の3人は、招待されて首都の北京市へ到着した。それは、中国共産党の“中央政法委員会”と“中央社会治安総合治理委員会(中央社会治安総合管理委員会)”の公式ニュースサイトである“中国長安網(ネット)”と中国の新たな主流メディアである“北京時間”が提携して関係部門に協力を要請して招待を実現したものであった。当然ながら、王福満と王福美にとっては、故郷を離れるのも、飛行機に乗るのも初めてのことであった。
【2】北京に到着した3人は、当日の午後に“前門東大街”から程近い場所にある“北京警察博物館”を訪れた。王福満は展示品を見学すると同時に、動員された多くの警察官と交流し、記念品として警察グッズを贈られて大喜びした。翌20日は早朝7時過ぎに天安門広場へ出向き、3人は7時32分から始まる国旗掲揚式を見学した。その後は“北京市公安局”の「反テロ・特殊警察支隊」を訪問して訓練の様子を見学したが、王福満は機動部隊の装備を装着させてもらったり、警察官の帽子をかぶったり、白バイにまたがったりして、大満足であった。これに続いて、彼ら3人は“中国人民公安大学”を訪れて、出迎えた大学生たちと交流を持ち、王福満は大学生たちから将来立派な警察官になれるために勉学に努めるよう激励を受けた。中国人民公安大学で学ぶことは王福満にとって将来の夢であり、その夢の大学を訪れることができて、王福満は非常に興奮した様子だった。
【3】1月21には招待者側主催の「霧氷少年・王福満、北京の夢実現記者会見」に親子3人で出席し、多数の記者から質問を受けた。王剛奎は次のように語ったという。すなわち、王福満は家から昆明空港までの車で乗りもの酔いしてげんなりしていたが、飛行機に乗る頃には復活して窓から外の景色を楽しんでいた。今回の旅は彼ら3人にとって初めての長旅で、子供たちは興奮し、何時も言葉が少ない娘の王福美がおしゃべりに変身した。また、王福満は、北京では薪を燃やさなくとも部屋の中は暖かく、初めて“暖気(スチーム暖房)”という不思議なものがあることを知った。なお、彼らは北京で市内観光も行ったと思われるが、詳細は不明である。こうして北京で3日間の滞在を終えた王福満以下3人は、1月22日に飛行機で省都“昆明市”へ戻り、そこから車で故郷の新街鎮へ戻った。
【4】しかし、彼ら3人が家で休息を取れたのはわずか1日で、1月24日には再度北京へと旅立ったのだった。メディアの記者から再度の北京行きについて尋ねられた父親の王剛奎は、「転山包小学校の“付恒”校長から親子3日を北京へ招待するとの連絡を受けたと知らされた。今回は付恒校長と関係部門の幹部が同行するというが、どのような組織が招待してくれたのかは分からない」と述べたという。彼らの2度目の北京行きを招待したのがどこの組織なのか、その日程がどうであったかは、メディアが何も報じていないので不明である。とにかく、王福満、父親の王剛奎、姉の王福美の3人は、予期せぬ招待を受けて1月中に2度も北京を訪問し、思いもよらぬ歓待を受けたのであった。
学費免除で寄宿舎生活のはずが一転…
【5】それから1か月後の2月末、昭通市にある私立学校“新華学校”の“楊校長”が、王福満の通学状況が困難であることを理解して、王福満を学費免除で同校に受け入れると表明した。新華学校は寄宿制であり、学生は校内の寄宿舎で生活することになる。新華学校は王福満の実家からは遠く離れているが、実家にいる時のように毎日徒歩で1時間かけて通学する必要はない。父親の王剛奎はこの善意の申し出をありがたく受け入れ、2月28日に王福満は新華学校へ入学し、新たな学校生活をスタートさせた。
【6】ところが、それから1週間後の3月6日、王剛奎は楊校長から王福満を元の転山包小学校へ戻して欲しいと入学を辞退するよう要求を受けたのだった。王剛奎は気落ちした様子で、「自分は読み書きができないので、息子は良い学校に受け入れてもらえたと喜んでいたのに、新華学校はどうして息子の受け入れを拒否するのか分からない」とメディアに悲しみを訴えた。一方、当事者である王福満は、「新華学校は先生の教え方が転山包小学校より良いし、同級生たちは授業中におしゃべりすることなく勉強に集中している。ここの寄宿舎にいれば、1時間かけて通学する必要はなく、ただ早朝トレーニングに参加するだけで良い。また、ここの食事はとってもおいしく、色々な物が食べられるのに」と困惑を隠せない様子だったという。
【7】その理由を楊校長は次のように述べた。
当初、彼が王福満を学費免除で入学させたのは、少し良いことをしたかったからだった。しかし、楊校長は知らなかったが、王福満は雲南省“教育局”が認定した政府“扶貧(貧困救済)”事業の重要対象であり、雲南省全体でも何人もいない児童だった。このため、王福満が入学してからの数日間は、異なる行政レベルの政府部門から多数の視察依頼を受けたばかりか、メディアからも多数の取材申し込みが殺到し、新華学校はこれらに対応できなくなった。自分はそうしたくなかったが、やむを得ず、父親に王福満を元の学校へ連れ戻すよう依頼せざるを得なかった。自分は王福満を支援したいと思っているが、こうした状況を考えると、消極的にならざるを得ないのが実情である。学校の先生たちの多くは、この機会を捉えて新華学校を宣伝すべきだと提案したが、私はこうした考え方を拒否した。私が望むのは、我々の新華学校が普通の学校であることであり、メディアに注目されることを私は好まない。
【8】王福満が新華学校を離れる前に、楊校長は父親の王剛奎に1万5000元(約25万5000円)を手渡し、もしも将来困難に直面するようなら、協力を惜しまない旨を表明したというが、王剛奎はこのカネを全く遠慮することなく受け取った。ところで、王福満が霧氷少年として世に知られて間もない1月10日、王剛奎は“中国建築第三工程有限公司”(略称:中建三局)の“昆明分局(昆明支社)”から彼の家からそう遠くない現場で以前にもやったことがある鉄筋結束の仕事を与えるとの口約束を受けていた。日当は200元(約3400円)とのことであり、王剛奎はこれなら2日や3日に一度は家に帰れるから、王福美と王福満の2人を連れて昭通市に出て、彼らを少し良い学校へ通わせることができると胸算用していた。ところが、王福満が新華学校から転校を余儀なくされた後に、王剛奎が中建三局の昆明分局に仕事の件を問い合わせると、今は彼を必要とする仕事はないと門前払いされたのだった。
北京行きの費用はいくらか
さて、深圳市の作家“天佑”は1月21日付の“微信”で、王福満親子3人の第1回北京行き(1月19日~22日の3泊4日)に関して次のように述べている。
(1)彼ら3人が北京へ行った旅費はいくらかかったのか。こうした場合、彼ら3人には、少なくとも地元政府の職員3人(引率者1人、教育局1人、政府事務局1人)、報道記者2人の計5人が同行しているはずだから、北京行きの旅費を合計8人で計算してみると以下の通りになる。
| A) | 航空券(昆明-北京):2万7000元 <空港までの交通費や保険料などを含む> |
| B) | 宿泊費(ツインルーム4室×3泊):6000元 <中級ホテル> |
| C) | 食事(100元/人/日×8人×4日):2400元 <実際にはもっと高いはず> |
| D) | 北京市内の交通費(500元×3日):1500元 <主体はタクシー利用> |
| E) | 雲南省役人の出張旅費(330元/人/日×5人×3日):4950元 <実際はより高額> |
| F) | その他雑費(200元/日×3日):600元 <水・スナックなど> |
| 合計:4万2450元(約72万2000円) | |
(2)昆明市へ出稼ぎに行っている王剛奎の収入は1カ月わずか2000~3000元(約3万4000円~5万1000円)に過ぎない。それに比べてこの費用は莫大だが、この金額を負担するのは一体誰なのか。私は王福満親子が北京へ行ったことに決して反対するものではないが、恐らく費用は地元政府が負担しているはずで、それは庶民の税金によってまかなわれていることになる。けしからんことは、地元政府が一躍有名になった王福満を政治的に利用し、国旗掲揚に立ち合わせる、警察官の帽子をかぶらせるなどにより、彼を「貧困に負けることなく祖国を愛する少年」に祭り上げていることである。王福満が暮らす魯甸県には、彼と同様に出稼ぎに出ている親の帰りを待つ“留守児童”が9000人ほどいるが、彼らには夢がなく、北京へ行きたいと思ってはいないというのだろうか。
(3)霧氷少年を北京へ送り、彼に国旗掲揚を見せたり、警察官の扮装をさせることは、決して救済でないし、夢実現の支援でないばかりか、留守児童に対して関心を持つことにはならない。ユネスコが発表した『世界教育報告』には、中国は世界の1.18%の教育費で世界の18.45%の学生を養成していると述べられており、中国の基礎教育はあまりにもお粗末と言わざるを得ない。どうして地元政府は教育への資金投入を増大しようとしないのか。霧氷少年を北京へ送って世間に向けてパフォーマンスを行うよりも、それだけのカネがあるなら、貧しい子供たちに暖かい上着を支給したり、彼らの成長促進のために毎日牛乳1瓶を与えるべきではないだろうか。
ところで、霧氷少年が人気者となったのを見て、あるネットユーザーが頭髪に霧氷が付着して白髪のようになった少女2人が並んでいる写真を“氷花女孩(霧氷少女)”と題名を付けてネット上に投稿した。ところが、この写真はネットで多少話題になっただけで、中国のメディアはこれを全く無視して一切報道しなかった。こうした現状を見て、あるネットユーザーは、「霧氷少年は北京へ行ったが、霧氷少女はどこへ行けるのか。多くの留守児童はどうしたらよいのか」と嘆きの言葉をネットの掲示板に書き込んだ。
上述した天佑は、自身の“微信”に次のような文章を書き入れた。
今回は霧氷少年ではなく、霧氷少女だった。困ったことは、それが1人ではなく、“1群”であることだ。確かに、このような霧氷少女の写真は政府側にとっては極めて具合が悪いものである。彼ら自身が知っているように、もし今回も霧氷少年の時と同様に世論を煽れば、社会の広範な質疑を引き起こすだろう。世界第二の経済大国として、毎年外国に多大な援助を行っているのに、どうして自国の子供が通学するのに、険しい山道を必死に歩いて頭を霧氷で白髪にしなければならないのか。
新居の残金7.5万元也
なお、1月8日に霧氷少年の写真が世間に知られると、中国各地から王福満に対する寄付金が窓口となった“昭通市青年基金会”宛てに殺到し、その金額は30万元(約510万円)に達した。しかし、王福満が受け取った金額は、わずか500元(約8500円)に過ぎなかった。この事実がメディアによって報じられると、中国の世論は激高した。これに対して、魯甸県教育局の“陳富栄”局長は1月16日に声明を発表し、現在までに王福満の家が受領した寄付金は8000元(約13万6000円)であり、全ての寄付金を王福満に与えると“一夜暴富(急に金持ちになる)”の慈善になり、子供の健全な成長に良い影響を与えないので、寄付してくれた人の善意を無にしかねないと弁明した。
その後の報道によれば、王福満の家は転山包小学校から徒歩で10分の場所に新居が2015年に完成しているのだという。土地は親戚の所有だが、新居は2階建てで、1階は70m2以上。新居の建設費は13万元(約221万円)であったが、地元政府からの補助が3.5万元(約60万円)で、残り9.5万元(約162万円)が借金である。このうち2万元(約34万円)はすでに返済しており、残る借金は7.5万元(約128万円)であるという。従い、残金7.5万元の返済が終わり、内装工事を行えば、王家は新居に住むことができる。そうなれば、王福満は霧氷少年にならなくて済むはずである。しかし、現在の王剛奎の収入水準から考えると、7.5万元の完済には数年を要し、その頃には王福美も王福満も小学校を卒業しているだろう。
こうして本件の経緯を振り返ってみると、霧氷少年を人気者にした一連の騒動は一体何だったのかと思われてならない。確かに、王福満の一家3人は2度も北京へ旅行することができ、王福満は北京訪問の夢を叶えることができた。しかし、彼は寄宿舎のある新華学校からは入学を辞退させられて、元の転山包小学校へ戻ったし、王剛奎は新たな仕事にありつけず、今まで通り昆明市へ出稼ぎに行くしかなくなった。一旦よい状態になったものが、元の状態に戻ることを「元の木阿弥(もとのもくあみ)」と言うが、王福満の幸運な日々は2カ月程で終わり、元の状態に戻ったのである。為政者は王福満を“愛国英雄”に祭り上げることで政治的に利用し、放置されたままになっている農村の貧困や留守児童の問題を隠蔽し、火種となることを防いだのであった。
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『中国「国務院機構改革」は“粛清の準備”か 白い人工雪が隠すのは、冤罪官僚の赤い血か…』(3/22日経ビジネスオンライン 福島香織)について
3/20贾国希氏の中國公義民主黨への投稿
对比各国政府 各国政府と比較して
论残暴中国第一 残虐・暴虐さは中国が第一
论不要脸中国第一 恥知らずなのは中国が第一
论杀害人民数量中国第一 殺害された人の数は中国が第一
论监狱政治犯中国第一 監獄にいる政治犯は中国が第一
论酷刑中国第一 酷刑が多いのは中国が第一
论撒币中国第一 通貨膨張は中国が第一
论污染中国第一 大気汚染は中国が第一
论毒食品中国第一 有毒食品は中国が第一
论特权中国第一 特権があるのは中国が第一
论官员二奶中国第一 妾を持つ役人は中国が第一
论官员私生子中国第一 役人の私生児が多いのは中国が第一
论官员通奸中国第一 役人の不倫が多いのは中国が第一
论敲诈盘剝中国第一 強請り・タカリ・高利貸しも中国が第一
…
这么多第一,中国凭啥不“掘起”呢! こんなにも一番が多くあるのに, なぜ中国は奮い立たないのか?(“掘起”ではなく“崛起”と思います)

https://www.facebook.com/groups/JDPCN/permalink/2086289978323171/
3/20Taya Tha氏投稿
<Serious problem in Tibet but we need you support Tibet people please as much as you can.
西藏的嚴重問題,我們要你支持西藏。謝謝>
3/22看中国<弃美籍成台湾人 戴维斯细数台湾的好(组图)=米国籍を捨て台湾人になったデービスは台湾の良さを沢山列挙>下図で、中華台北ではなく台湾台北のユニフォームであることに注意。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/03/21/853400.html
3/20希望之声<台媒:习近平取得政治“大满贯” 背后暗流涌动(视频)=台湾メデイア:習近平は政治上のグランドスラムを達成したが、背後には不穏な動きが涌き返る>習の国家主席再任、王岐山を国家副主席に、栗戦書を人代委員長、汪洋を政協主席に、李首相の頭を抑え、他の政治局常務委の権限も縮小し、憲法改正、国家監察委設立、国務院機構改革等全部圧倒的賛成多数で通過させた。
習は440人の高級軍人・官員を粛清したが大部分は江派、ために習・王は何度も暗殺未遂の憂目にあっている。オーストリアの“Die Presse”も“北京の春”も習が下りると危険だから下りれないと指摘。オランダの“De Volkskrant”は、任期撤廃は高級幹部間での争いを激化するだろうと。NYTは「習の権力集中は官僚が失敗を恐れ、忠誠を競って過度に反応するか、そうでなければ面従腹背、サボタージュするのを招く」とも。
https://www.soundofhope.org/gb/2018/03/20/n1636904.html
3/22ロイター<中国、台湾巡り軍事行動準備すべき=環球時報>
https://jp.reuters.com/article/china-taiwan-usa-idJPKBN1GY0E1
3/23NHKニュース<トランプ大統領 マクマスター補佐官を交代へ>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180323/k10011375501000.html?utm_int=news_contents_news-main_004
中国は米国に追い込まれ、吠えたてています。ベトナムのダナンに空母カールビンソンが寄港し、中国の南シナ海の3人口基地を無力化した時には「米越間の軍事交流は、この地域の平和と安定に積極的・建設的に関わり、何人と雖も不安を感じさせることの無いよう希望する」としか言えなく、台湾海峡での軍事行動準備とか言ってもあくまで準備だけで戦う気はないでしょう。
鉄鋼・アルミの高関税賦課、台湾旅行法成立、通商法301条適用、ボルトンの大統領補佐官起用(議会承認なし)と来れば明らかなる中国への敵対行為です。中国が過敏に反応すれば、米国はもっともっと中国を締め付けるでしょう。金融制裁して$決済できなくすれば良いと思います。米国債を売ってくれば、日本がそれを買取り、裏で米国とその国債で米国製短距離核兵器買取予約付にしておけば良いのでは。原潜を持ちSLBM化すれば良いでしょう。
ボルトンの大統領補佐官起用は既定路線でした。ボルトンは1年前、「沖縄の基地負担が重いというのであれば、一部を台湾に持って行こう」と言った人物です。是非実現してほしいし、沖縄にいる辺野古移転に反対している人は是非賛成してほしい。2020東京オリンピックには中華台北でなく台湾名での参加を実現しましょう。
福島氏記事では、人工雪を降らしてまで習の連任を歓迎したのを読み、2008年北京オリンピック招致の為、IOCが調査に来た時に、緑を多くするために枯草に緑色の着色料を噴霧したことを思い出しました。環境破壊も何のそのです。流石共惨党のやることは違います。福島氏の言うように国務院の権力剥奪は団派を狙ったものでしょう。習の茶坊主が蔓延り、エリート官僚はサボタージュする姿が目に浮かびます。
記事

再任された習近平国家主席と李克強首相。握手の裏では…(写真:新華社/アフロ)
習近平が国家主席に反対票・棄権票ゼロの満場一致の同意を得て再任された3月17日、北京の上空には季節外れの雪が舞った。中国では春先に雪が降った年は豊作になるといわれ、瑞兆だ。中央メディアは、「瑞雪が約束したかのように北京の街に降りました」と報じ、習近平の“終身”国家主席の誕生を天が祝っているのだ、というニュアンスで報じた。
気象現象すら思いのままに
もちろん、この雪が人工降雪で、習近平を喜ばすための演出であることは気象当局が早々に認めている。この雪をお題に、中国の知識人たち(亡命華人を含む)が一斉にSNS上で揶揄をこめた漢詩を読んでいるのが面白かった。
カナダ在住ジャーナリストの盛雪が「帝都傷春雪蓋血 孤皇惜命届連届 千張呪符無気節 五年冤魂擠満街」と詠むと、ハワイ在住の民主活動家の賈一群が「白雪来雪紅血冤 民主大潮翻共船 末代皇帝命多舛 戊戌年内上煤山」と返している。
私も正確な訳はつけられないが、漢字の意味から察するに、「孤独な皇帝は命を惜しんで任期を継続しようとするが、この雪は(瑞雪などでなく)五年の間に冤罪で失脚した官僚政治家たちの魂の呪いによって季節がなくなったからだ。傷ついた帝都(北京)の血の跡を隠そうとするように雪が降っている」と詠んだのに対し、「白雪でもって、赤い冤罪の血を洗おうとするのだろうが、民主の大潮によって共船(共産党の船?)はひっくり返るだろう。末代の皇帝は過ちが多く、戊戌の年(今年)のうちに、景山(明の時代には煤山と呼ばれた。明のラストエンペラーが首つり自殺した場所)に上ることになろう」と私は理解した。
いずれにしろ、習近平独裁は気象現象すら、思いのままにしようというのだから、なかなか恐ろしい。習近平政権のスローガンに「五位一体」というのがあり、政治・経済・社会・文化に並べてエコ(生態)を重視するということだが、これは政治・経済・社会・文化・生態をすべて習近平がコントロールしたい、ということであろう、と思われる。これを実現するために、環境保護部門の権限を強くした生態環境部の統合などを含めた国務院機構改革案がやはり17日に可決した。今回のコラムは国務院機構改革の狙いについて、考えてみたい。
国務院の権限を縮小、党と一体化
今回の国務院改革の最大目的は、首相が主導する国務院の権限を縮小し、党と国務院機能の一体化を図ることだといえる。今回の憲法修正によって国家主席任期は制限がなくなったが、「党の指導」が憲法条文に盛り込まれ、国家運営における党の権力の位置が憲法に明記された。もともと党と政府の二重構造で運営されていた国家だが、この憲法修正によって党と政府の一体化が目指され、党中央の核心である習近平が終身国家主席として国家運営を指導することに憲法が根拠を与えることになる。
だが、実際の国家運営は首相を中心とした国務院の官僚たちが執り行う。国家主席職は国の代表として主に外交シーンでは一番目立つが、内政の実務を取り仕切るのは本来首相であり、天安門事件以前は、首相権限の方が強く国家主席はどちらかと言うと名誉職的なポジションだった。
もちろん、国務院の機構に対応する党組織が存在して、これまでも党組織と国務院機構では、党組織の権限の方が強かった。しかしながら、国家発展改革委員会、国土資源部など、エネルギー・土地開発といった分野で利権を持つ国務院機関はそれなりに強い権限を維持しており、経済政策などでは、習近平の直属ともいえる中央財経指導小組の打ち出す方向性に微妙に抵抗したりもしていた。
また国務院官僚は大卒の優秀な共青団派閥が多い。官僚的な彼らは上司に比較的従順であるがゆえに、上司(国務院の場合は首相)の頭越しに権力をふるう習近平のやり方に、違和感や抵抗を持つ者は多く、それがサボタージュにつながるなどの問題も出ていた。
こうした問題や党と政府の二重構造の矛盾を解決し、国務院機関の権限も習近平を核心とする党中央が掌握できるようにするのが、今回の国務院機構改革の狙いだと見られている。
自然資源部、生態環境部、農業農村部、文化旅游部、国家衛生健康委員会、退役軍人事務部、応急管理部、科学技術部、司法部、水利部、審計署などが新設、改変統合され、監察部、国土資源部、環境保護部、農業部、文化部、国家衛生計画出産委員会などは解体された。きわめて強い権限と利権をもっており、マクロ経済政策で習近平路線とかなり対立していたように見受けられる国家発展改革の職責はかなりはぎとられて、新設省庁に分散されている。
監察部がなくなった代わりに、国家監察委員会が国務院と同格の権力をもって設置され、国務院官僚の汚職・腐敗・サボタージュをばしばし取り締まることになるだろう。結果として国務院の機構は国務院弁公庁をのぞき、26に統合。これは国務院機構としては2013年の省庁統合で25に削減されて以降、一つふえて26になったが、習近平への抵抗が激しかった国家発展改革委員会や国土資源部はその権力が縮小、あるいは解体され、国務院官僚の首根っこを押さえる監察部門が国家監察委員会として国務院から独立したという点では、権限は国務院史上過去最小になったといえる。この省庁改変に伴う人事異動を建前に、習近平に反抗する主要官僚たちが一斉に排除されるのではなかろうか。
自然資源部で海洋進出戦略
具体的にみると国土資源部、国家海洋局(名前は残る)、国家測量地理情報局は解体・吸収され、新たに自然資源部に統合された。これは海洋進出戦略を重視しての統合とみられる。環境保護部は生態環境部に名称を変え、国家発展改革委員会が持つ気候変動および温暖化ガス取り引きの職責や国土資源部の権限であった水汚染への監督監視職責、水利部の水利用計画・排水口管理、流域の環境汚染、農業部の農業汚染管理監督、国家海洋局の海洋汚染、国務院南水北調プロジェクト建設委員会の環境保護責任など、他省庁にまたがっていた環境汚染監督管理の職責を一手に担うことになった。特に発展改革委から温暖ガス取り引き利権を引きはがして吸収して、部としての権限は大きく拡大した。
農業部を農業農村部と名称を変え、発展改革委、財政部、国土資源部、水利部にまたがっていた地方投資(農村投資)プロジェクト管理の権限を吸収。いわゆる農村の土地開発利権を発展改革委と国土資源部から引きはがした。農業部がもともと持っていた漁船の監督管理は交通運輸部に吸収された。文化部と国家旅游局は文化旅游局に統合され、文化・ソフトパワー戦略を文化・観光市場秩序の監督管理を強化。観光部門を統合することで中華文化の対外輸出“走出去”戦略も強化される。また国家衛生計画出産委員会、全国老齢対策委員会弁公室などが解体され、国家衛生健康委員会が新設され、少子高齢、大衆衛生、重大疾病予防などの職責を統合する。
科学技術部も再構築され、AI、IT、フィンテックを中心とした科学技術経済戦略、科学技術立国戦略を推進するために権限が強化された。国外の技術頭脳の取り込みなどの権限も担う。司法部も権限が強化され、国務院法制弁公室を吸収。国務院三峡ダムプロジェクト員会及び弁公室、国務院南水北調プロジェクト委員会および弁公室は解体され、水利部に吸収された。腐敗や水増しが多いと非難されていた審計署(会計審査署)のシステムは見直しされた。また、憲法でも新たに規定された国家監察委員会の新設に伴って監察部、国家腐敗予防局が解体された。このほか、退役軍人軍属の社会保障、合法権利の強化を図るための退役軍人事務部、災害時の統一的対応指揮をとる応急管理部が新設された。
対外援助の建前で覇権拡大の布石
また、市場管理、税制管理部門、世論メディア管理部門でも大胆な統廃合が行われた。
国家市場監督管理総局が国務院直属機関として設置される代わりに、国家工商行政管理総局、国家質量監督検験検疫総局、国家食品監督管理総局が解体され、国家発展改革委員会の価格管理および独禁司法関連の職責などを吸収。国家新聞出版ラジオテレビ総局は国家ラジオテレビ総局と名称を変え、重要宣伝及び新聞世論管理の強化をはかる。
これまでそれぞれに強い権限を持っていた中国銀行監督管理委員会、中国保険監督管理委員会は、国務院直属の中国銀行保険監督管理委員会に統合された。国家証券監督管理委員会も統合されるのではないか、という噂もあったが、これは残り、金融市場管理は一行二会(人民銀行と、銀保監会と証監会)体制で行われる。国税と地方税の徴収システムも大幅に改変され、省及びそれ以下の国税・地方税機構を一本化し、国税総局の権限を強化する。
興味深いのは国務院直属の国家国際発展合作署の創設だろう。国家国際発展合作署はおそらく日本でいえばJICAのようなイメージだが、その狙いは中国の国家戦略“一帯一路”の推進だ。一帯一路が軍事地政学的目的の戦略であることは何度か、このコラム欄でも指摘しているが、対外援助の建前で覇権拡大の布石を打っていくということだろう。
新設の国家移民局は、中国から出る移民ではなく、中国に来る外国人・難民管理の強化が目的で、公安部の傘下となる。将来的な少子高齢化現象に備え外国労働者の受け入れを拡大し、管理体制を整備する目的もありそうだ。そのほか、国家知財権局の再構築、国家林業草原局、国家食料物資備蓄局、国家医療保障局などが創設された。
こうしてみると、発展改革委員会の権力が一番はぎとられていることが見て取れると思う。 このことで今後どのような影響がでてくるかといえば、経済においては習近平路線のマクロ政策が妨害を受けずに突き進むことになろう。
特に金融においては、習近平の経済ブレーンである劉鶴が下馬評どおり副首相となった。人民銀行総裁は劉鶴とは仲のよい易綱が副総裁から順当に上がった。二人とも米国留学経験のある国際派の能力の高い経済金融実務家で本来は市場重視の自由派と見られていたが、習近平政権になってからは新権威主義に傾いているようで、おそらくは市場管理の強化による金融リスクの縮小、通貨政策を使っての対米外交が期待されている第一優先任務ではないだろうか。
国際社会の劉鶴の注目度は高く、四人選ばれた副首相の中では、ほとんどメディアが劉鶴の名前を筆頭に置き、本来の筆頭副首相である韓正どころか首相の再任が決まった李克強の存在意義まで吹き飛んでしまいそうだ。
帝都の空に降り注ぐのは…
90年代、首相が李鵬のときに筆頭副首相の朱鎔基が鄧小平の後ろ盾を得て経済政策の主導をとったころを思い出す人もいるようだが、劉鶴は筆頭でもなく、政治局常務委員でもないことを考えれば、この劉鶴報道はやはり異常だ。
さらに、ヒラ党員でありながら国家副主席となる王岐山の存在感も李克強以上に強くほとんどの国内外メディアが習王体制、と呼んでいる。過去の政権は、胡温体制(胡錦濤・温家宝)、江朱(江沢民・朱鎔基)体制という風に、国家主席と首相がセットで呼ばれていた。
今回の全人代における憲法修正、機構改革、人事の最大の犠牲者は李克強かもしれない。生真面目な彼は、まだ腐敗や汚職の噂と無縁だが、習近平が国務院をコントロール下に置くようになれば、李克強やその派閥の共青団派に対する粛清が始まるのではないか、と物騒な想像がわいてくる。
帝都の空に降り注ぐのは、白い雪ではなくて、粛清の冤罪官僚の赤い血かもしれない。
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『プーチン再選、政治は盤石でも経済の斜陽化が進むロシアの病理』(3/20ダイヤモンドオンライン 土田陽介)について
3/22NHKニュース3:21<米FRB 追加利上げ決定 ペース来年は3回に>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180322/k10011374031000.html?utm_int=news_contents_news-main_003
これを睨んでか韓国は日米との通貨スワップが必要との新聞記事が出ました。3/19中央日報<韓国、米利上げ時に通貨危機の可能性…日米との通貨スワップ必要>
http://japanese.joins.com/article/701/239701.html?servcode=§code=
今の安倍内閣は捏造された森友問題で支持率を落とし(朝鮮半島が好きなメデイアの倒閣工作で)、ここで通貨スワップをしたら岩盤の保守層に逃げられますので、絶対やらないでしょう。麻生財務大臣の首を取ろうとしても、財務省のごみ撤去費用の値引きが大阪航空局との相談で行われたことがハッキリし、政治家の関与はないことが明確になりました。佐川氏の首で終わるでしょう。それなら麻生大臣は「約束した話が守られないなら、貸した金が帰ってくる可能性もない」と言ったご仁ですから、韓国には厳しいでしょう。米国が言って来れば「米国がスワップすれば」と言えば良いでしょう。
3/21遠藤健太郎氏ブログ<四月日米会談の超・重要性>本当に金正恩がロシアに亡命してくれると良いのですが。でもその後の北の管理は誰がすることになるのか?ロシアor中国or国連?米韓はないでしょう。
http://endokentaro.shinhoshu.com/japan/post5337/
3/22NHK朝のニュース(6時台か7時台)でロシアの不正選挙について報道していました。2枚投票する映像や各地の不正の様子、政敵の選挙前一時拘束、政権に批判的なジャーナリストの暗殺(因みに日本にはjournalistは存在せず、propagandistのみ存在)が流され、ロシアの印象を悪くするような作りでした。勿論やっていることは正当化できませんが中国に対する報道姿勢とは明らかに違います。政府を批判できる言論の自由・報道の自由は中国にはありません。外国メデイアであっても、そんな映像は没収されるか、国外追放で二度と中国の土は踏めなくするでしょう。政敵の逮捕は誰もがやっている収賄罪で日常茶飯事です。政権に批判的な記事を書けば、メデイアから放逐、生活できなくします。人知れず暗殺するのは中国の得意とするところです。
米国だって民主党を支援するメデイアが多く、正しい情報が国民に伝わらない問題があります。日本のメデイアも同じように露骨に左翼政党をしています。それでも日米ともに報道機関を弾圧していないでしょう。ロシアの不正投票の報道がNHKでできるということは、中国よりはロシアの方が数倍マシと思わなければ。構造的な問題で、共産主義国家と民主主義国家の違いです。報道姿勢に疑問を持ちながら見る習慣をつけませんと。
3/20時事通信<ロシア研究者、ノビチョク開発証言=国家支援の計画存在-英暗殺未遂>英露どちらかが嘘を言っているのでしょう。藪の中です。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018032001216&g=int
土田氏記事で言う「輸入代替工業化」の加速化は日本の協力があれば可能となるのでは。欧米との協力はウクライナ問題がある限り、難しいでしょう。日本にはロシアと領土問題を抱えており、その解決の為ならと言う理由で、欧米に了解を取り付けられるかも知れません。但し、尖閣で欧米の協力を得られなくなるとそちらの方が大問題なので、慎重に事は運ぶべきです。
中国が日米欧の資金と技術力を利用して短期間に成長できたのですから、日本の支援があればロシア経済も早く立て直すことができるかもしれません。日本がトランプと話して「環境激変がない限り、北方領土に米軍基地を置かない」約束を取り付け、プーチンと話合えれば。
北野幸伯氏によれば「プーチンは戦術レベルでは偉大な勝利を収めているが、大戦略レベルでは負け続けている」と言っています。
3/21北野幸伯氏メルマガ<スパイ暗殺未遂事件が引き金?漂い始めた欧米 vs ロシア冷戦の気配>
http://www.mag2.com/p/news/353846/4
日米の真の敵は共産中国です。自由の敵ですから。それを欧米は見間違わない方が良いでしょう。そうしなければ、やがて自分の首を絞めることになります。
記事

ロシア大統領選挙でプーチン氏が圧勝した。だが、ロシアの経済面において言えば、彼の最後の任期は「斜陽」を体現するものになりそうだ Photo:代表撮影/ロイター/アフロ
圧倒的得票率でプーチン再選 強いリーダーシップでロシア経済は甦るか
2018年3月18日、クリミア併合からちょうど4年という日に行われたロシアの大統領選挙では、大方の予想通りプーチン氏が勝利した。政府系世論調査機関「全ロシア世論調査センター」の出口調査によると、プーチン氏の得票率は73.9%と、目標とされた70%を超えた模様である。
プーチン氏は5月の大統領再就任後、2024年5月までの6年間、その任を務めることになる。現行の憲法が改正されない限り、プーチン氏の任期は今回が最後である。ただ、多選規定を迂回するために首相(08~12年)に転じたり、任期延長のために過去に憲法を改正(08年)したりした実績を持つプーチン氏のことである。次回の大統領選挙にも出馬する可能性も否定はできない。
とはいえ、プーチン氏は1952年生まれの65歳、任期満了となれば71歳と相応の高齢となる。したがって次回の大統領選挙には出馬せず、側近を後継者として退任するとともに、事実上の「院政」を敷くものと考えられる。有力後継者としては、同じくシロヴィキ(旧KGB関係者人脈の政治エリート)出身のイワノフ元大統領府長官や、メドヴェージェフ首相などの名前が挙がっている。
プーチン氏の国内での支持は保守層を中心に引き続き圧倒的であるが、一方で欧米との関係は緊張が続いており、改善の兆しは見られない。米国では17年8月に対露制裁法が成立し、14年から続く経済制裁を緩和・解除する際には、ウクライナ東部における停戦・和平合意(ミンスク2)の履行状況を米議会で審査することが義務付けられた。
欧州連合(EU)も同様の立場をとっているが、ミンスク2はほとんど履行されていないに等しく、欧米からの経済制裁が早期に緩和・解除される可能性は極めて低い情勢である。
加えて、14年後半から進んだ原油安がロシア経済に致命的な悪影響を与えた。原油安に伴い通貨ルーブルは急落し、ロシア中銀は通貨防衛のために大幅な利上げを行った。そのために内需の勢いが急速に萎んだのである。
足もとで石油価格は持ち直しており、中銀も利下げを進めているが、ロシア経済は苦境を脱することができていない。2期目(通算だと4期目)となるプーチン体制下でも、こうした苦境は続くと考えられる。
高インフレ鎮静化、利下げ効果、輸出復活も 景気回復のテンポは引き続き緩慢
悪化が続いたロシア景気は16年後半に底打ちし、17年の実質経済成長率は1.5%増と3年ぶりにプラスとなった。通貨ルーブルの安定に伴い高インフレが鎮静化したことや、中銀の利下げで内需への重荷が軽減したこと、世界景気の持ち直しで輸出が好調に推移したことなどが、景気回復につながった形だ。
もっとも、欧米からの経済制裁が始まる前のロシア経済は、原油価格がまだ1バレルあたり100ドル前後の高水準であったこともあり、4%近い成長率を記録していた。そのことと比べると、足もとのロシアの景気回復の動きは緩慢であるし、力強さに欠けた弱々しいものである。
18年の景気回復も緩慢なテンポにとどまる見通しだ。ロシア中銀は最新17年12月の『金融政策レポート』の中で、18年の実質経済成長率を1.5~2.0%と予想した。個人消費の復調が持続して景気回復を牽引する半面、輸出や投資で回復の勢いが一服する。また財政支出も、プーチン大統領が均衡財政を重視しているために拡大が見込めない。
こうした中で、利下げの効果が今後も景気の回復をサポートする見込みである。ロシア中銀は18年最初の理事会(2月9日)で政策金利(キーレート)を0.25%引き下げて、年7.50%とした。通貨と物価の安定を背景に、ロシア中銀は引き続き利下げの機会を模索すると表明している。
ただ通貨と物価の安定も、為替レートの先行きに左右される問題である。通貨ルーブルの対ドルレートは、最悪期である16年初頭には1ドル80ルーブル台半ばまで沈んだが、足もとは50ルーブル台後半まで持ち直している。もっとも経済制裁発動前には、固定相場制度を導入していたこともあり30ルーブル台前半で安定して推移していたことと比べると、ルーブルは依然安いままである。
原油価格が再び下落に転じればルーブル高は限定的に
2014年後半から進んだルーブル安は、欧米からの経済制裁の影響もさることながら、世界的な原油価格の下落の影響によるところが大きい。また足もとのルーブルの持ち直しも、原油価格の上昇に支えられたものである。ロシアがサウジアラビアなど他の産油国と減産で歩調を合わせているのは、それが原油価格の上昇をもたらし、通貨や財政の安定に貢献するためだ。
もっとも原油価格が上昇したことで、米国で採算が合うようになったシェールオイルのプロジェクトが稼働し始めた。そのため、足もとでは供給面から原油価格の上昇に歯止めがかかっている。つまり、原油価格にはこうした「天井」があるため、その上昇を追い風にしたルーブルの持ち直しには限界がある。そして何らかのショックで原油価格が下落に転じれば、ルーブルは再び急落することになる。
では、なぜルーブル安が問題なのか。それはロシアが、原油を含む資源輸出を除けば、本質的には輸入超過の経済だからである。ロシアの貿易収支は全体としては黒字だが、その圧倒的な部分を計上しているのが原油を含むエネルギー収支である。言い換えれば、それらを除く貿易収支は赤字が続いており、ロシアの輸入依存度の高さが浮き彫りとなる。
つまりロシア経済は、資源輸出で得た所得で非資源輸入を賄っていると整理できる。原油価格の上昇が好感されて為替レートが上昇すれば、ロシアの輸入にとっては好都合となる。反対に、原油価格の下落が嫌気されて為替レートが下落すれば、ロシアの輸入は厳しさを増すことになる。
今後も原油価格が一本調子で上昇すれば、為替レートも一段高となり、ロシア経済に追い風が吹くことになるだろう。ただし先に述べたように、原油価格には「天井」があるため、ルーブル高にも限界があると考えられる。足もとの為替レートは1ドル70ルーブル程度であるが、それがクリミア併合前の40ルーブル台まで持ち直すとは想定しにくい。
このように厳しい経済情勢にもかかわらず、プーチン氏は健全財政を重視している。国際通貨基金(IMF)によると、16年におけるロシアの公的債務残高の対GDP比率はわずか15.7%に過ぎない。ただしこれは、ロシア政府が国債を発行しても、それが市場で容易に消化できないからでもある。
また近隣諸国との軍事紛争を抱えたことも、ロシア財政の逼迫を促した。クリミア情勢やシリア情勢の悪化など受けて、ロシアの軍事費は増加の一途をたどった。こうした中で、悪化が顕著だった景気を支え続けてきたのが、それまでの原油価格の上昇で得た収入を積み立てた「準備基金」による支出であった。
低成長下の財政再建優先は吉と出るか、凶と出るか
その準備基金が17年末でいよいよ枯渇したため、ロシア政府はその再建に躍起となっている。景気が持ち直しているとはいえ、ロシア経済を取り巻く環境は依然不透明である。経済制裁が強化されたり、原油価格が再度下落に転じたりすれば、ロシア景気は悪化を余儀なくされる。そうした不測の事態に備えるため、少しでも準備基金の再建に努めたいというのが、プーチン氏と政府の本音である。
原油価格の持ち直しは、準備基金の再建にとって追い風である。ただしそれは、資源企業への課税という経路を通じて得る恩恵である。足もとの原油価格は1バレルあたり60ドル台半ばであり、下落前の110ドル前後と比べてもまだ40ドル以上低い。こうした中では、資源企業の業績回復もまた限定的だろう。
そもそもロシアの資源企業は、輸出で得た利益の多くを海外に流出させていると言われる。そのため、政府が課税に成功する分は、資源企業が得た利益の一部に過ぎない。準備基金を再建するにしても、原油価格に「天井」があり、資源企業に「抜け道」がある中では、その道のりは厳しいと言わざるを得ない。
原油価格の急落や経済制裁の強化をきっかけに、ロシアは経済のモデルチェンジを試みている。具体的には、輸入代替工業化という成長戦略を採ることで、従来型の原油依存経済からの脱却を目指している。この輸入代替工業化とは、戦後に南米やアジアの開発途上国で広く採用された古典的な成長戦略である。
当時、南米やアジアの諸国は、最終財を生産して輸出するためには、中間財や資本財を輸入する必要があった。こうした状況を改善するために、輸入を制限すると同時に、補助金などの助成措置を通じて国内産業の育成を図るとともに、中間財や資本財の国内自給率を高めようとした。
ロシアやサウジアラビアなど湾岸の産油国の場合、石油製品の輸出で得た所得で非石油製品を輸入していた。そうした循環が原油価格の下落を受けて立ち行かなくなったことから、ロシアを含めた産油国は輸入代替工業化的な政策を成長戦略の幹に据えて、原油依存の経済構造からの脱却を目指している。
もっとも、長期にわたる原油依存の経済構造を変化させることは容易ではない。輸入代替工業化で一定の成果が出るまでには長期の時間を要するし、また成果が出たとしても、かつての南米やアジア諸国のように、そうして生産された製品の品質の水準が国際競争力を持たなければ、結局のところ低成長から脱却はできない。
実際、ロシアの輸入代替工業化は小売品では進んでいるものの、中間財や資本財に関しては目ぼしい成果を上げていないと言われる。最後と目されるプーチン氏の大統領任期中に、輸入代替工業化により中間財や資本財の国産化率が目覚ましく上昇し、経済のモデルチェンジが進む可能性は低いと言わざるを得ない。
プーチン「最後の任期」はロシアの斜陽を体現する?
経済危機は体質変化のチャンスでもある。体質変化を牽引するのは、政治家による強力なリーダーシップに他ならない。幸いなことに、再選したプーチン氏のリーダーシップには揺るぎがないし、その下でロシア政治は安定している。
しかしながら、経済危機の端緒となったクリミア併合から4年の歳月が経っているにもかかわらず、ロシアでは経済のモデルチェンジはなかなか進まない。改革はこれからの課題であるとも言えるが、いかにプーチン氏とはいえ、経済に深く根付いてしまった原油依存の体質はなかなか払拭できないだろう。
24年5月までと予想されるプーチン氏の最後の任期は、少なくとも経済のパフォーマンスに限れば、文字通り「斜陽」を体現するものになりそうだ。それだけロシアの病理は深いとも言えるが、同時に安定した政治を前提としても、経済のモデルチェンジを図ることが容易でないことを、ロシアのケースは端的に表していると言えよう。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査本部 研究員 土田陽介)
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